JP2016188662A - 自動車車室内用真空断熱材およびその製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐貫通性に優れた自動車車室内用真空断熱材およびその製法を提供する。【解決手段】複数枚の織布1aを積層した芯材1を、アクリル系樹脂またはシリコーン系樹脂からなる粘着剤層2aを有する多層構造の、2枚のガスバリアフィルム2で挟み、それらガスバリアフィルム2の周縁部を気密に接合するとともに、内部を減圧することにより、上記芯材1を真空密封したものとなっている。【選択図】図1
Description
本発明は、自動車の車室内を構成する部材に用いられる真空断熱材およびその製法に関するものである。
一般に、自動車では、車室内と車室外との間で熱の伝達を減少させて、夏場や冬場等でも車室内を快適な温度にする目的で、車室内を構成する天井,ドア,床,エンジンルームとの隔壁等の内装部材に真空断熱材が用いられている(例えば、特許文献1等参照)。
上記真空断熱材は、一般に、繊維を織った織布等を複数枚積層した芯材を、多層構造の、2枚のガスバリアフィルムで挟み、それらガスバリアフィルムの周縁部を気密に接合するとともに、内部を減圧することにより、上記芯材を真空密封したものとなっている(例えば、特許文献2等参照)。
上記多層構造のガスバリアフィルムは、一般に、樹脂層や金属層等が積層されたものとなっており、その多層構造を構成する層と層の間やそれ自体の表面に露呈した状態で、粘着剤層が設けられている(例えば、特許文献3等参照)。
ところで、自動車が衝突事故を起こすと、場合によって、その自動車の車室外で使われている部品や衝突相手の自動車部品等が、車室内を構成する部材に用いられた前記真空断熱材を貫通して車室内に入り込み、その部品により搭乗者が怪我をすることがある。
そこで、本発明者らは、自動車が衝突事故を起こしても、車室外の部品が真空断熱材を貫通しないようにすることを着想し、従来の真空断熱材について研究を重ねた。その結果、真空断熱材用のガスバリアフィルムを構成する粘着剤層がウレタン系樹脂からなるものであることがわかった。ウレタン系樹脂は、粘着力が弱く、しかも、長期の信頼性の面でも加水分解しやすいため、そのウレタン系樹脂からなる粘着剤層は、強度が弱くなりやすい。そのため、上記のように、衝突事故で部品が真空断熱材を貫通することを突き止めた。
本発明は、このような知見に鑑みなされたもので、耐貫通性に優れた自動車車室内用真空断熱材およびその製法の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、複数枚の織布を積層した芯材と、粘着剤層を有する多層構造のガスバリアフィルムとを備え、上記芯材が上記ガスバリアフィルムで真空密封されている自動車車室内用真空断熱材であって、上記粘着剤層の粘着剤が、アクリル系樹脂またはシリコーン系樹脂である自動車車室内用真空断熱材を第1の要旨とする。
また、本発明は、複数枚の織布を積層した芯材を準備し、その芯材の両面にガスバリアフィルムを粘着剤層を介して配置し、上記ガスバリアフィルム同士の周縁部を接合する工程と、内部を真空にする工程と備える自動車車室内用真空断熱材の製法であって、上記粘着剤層の粘着剤が、アクリル系樹脂またはシリコーン系樹脂である自動車車室内用真空断熱材の製法を第2の要旨とする。
本発明者らは、車室内の内装部材等となる真空断熱材の耐貫通性を向上すべく、真空断熱材用のガスバリアフィルムを構成する粘着剤層について、研究を重ねた。その過程で、粘着剤層の形成材料のガラス転移点(Tg)等に着目し、さらに研究を重ねた。その結果、アクリル系樹脂は、ガラス転移点(Tg)が低く、耐寒性にも優れているという知見から、そのアクリル系樹脂からなる粘着剤層を有するガスバリアフィルムを備えた自動車車室内用真空断熱材は、低温での耐貫通性にも優れていることを突き止めた。また、シリコーン系樹脂は、ゴム弾性を示す温度範囲が広いという知見から、そのシリコーン系樹脂からなる粘着剤層を有するガスバリアフィルムを備えた自動車車室内用真空断熱材は、広い温度範囲での耐貫通性に優れていることを突き止めた。そして、ウレタン系樹脂からなる粘着剤層がガスバリアフィルムに用いられた従来の真空断熱材と、本発明の真空断熱材とに対し、同じ試験片を所定の同じ速度で衝突させたところ、従来の真空断熱材では、上記試験片の貫通が確認されたのに対し、本発明の真空断熱材は、その貫通を阻止した。このように、粘着剤がアクリル系樹脂またはシリコーン系樹脂であると、真空断熱材の耐貫通性が向上し、衝突時の人体に対する安全性が著しく高くなることを見出し、本発明に到達した。
なお、本発明において、真空とは、大気圧よりも圧力が低い減圧状態の意味である。また、アクリル系樹脂またはシリコーン系樹脂には、アクリル−シリコーン共重合系樹脂を含む趣旨である。
本発明の自動車車室内用真空断熱材は、ガスバリアフィルムを構成する粘着剤層がアクリル系樹脂またはシリコーン系樹脂からなるため、複数枚の織布を積層した芯材と相俟って、耐貫通性に優れたものとなっている。そのため、自動車が衝突事故を起こしても、車室外の部品は、本発明の自動車車室内用真空断熱材を貫通せず、車室内に入り込まないようになる。その結果、衝突時の安全性が著しく高めることができる。
特に、上記粘着剤層のヤング率が、1200MPa以下である場合には、その粘着剤層の収縮が小さく、ガスバリアフィルムの多層構造を構成する層と層との間の剥離を防止することができる。そのため、上記ガスバリアフィルムによる真空密封の真空度を長期にわたって維持することができる。
なかでも、上記粘着剤層のヤング率が、28.5MPa以上である場合には、高温クリープ特性に優れ、高温にさらされても、ガスバリアフィルムの変形を防止することができる。そのため、高温下でも、上記ガスバリアフィルムによる真空密封の真空度を維持することができる。
また、上記ガスバリアフィルムが、透明である場合には、そのガスバリアフィルムを透して、芯材の織目を模様として目視できるため、車室内の装飾性を向上させることができる。なお、本発明において、透明とは、可視光透過率が50%以上の意味である。
そして、本発明の自動車車室内用真空断熱材の製法は、ガスバリアフィルムを構成する粘着剤層の粘着剤として、特定の樹脂を選択しているため、本発明の上記自動車車室内用真空断熱材を作業効率よく作製することができる。
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
図1は、本発明の自動車車室内用真空断熱材(以下、単に「真空断熱材」という)の一実施の形態を模式的に示す断面図である。この実施の形態の真空断熱材は、複数枚の織布1aを積層した芯材1を、アクリル系樹脂またはシリコーン系樹脂からなる粘着剤層2aを有する多層構造の、2枚のガスバリアフィルム2で挟み、それらガスバリアフィルム2の周縁部を気密に接合するとともに、内部を減圧することにより、上記芯材1を真空密封したものとなっている。上記のように、ガスバリアフィルム2を構成する粘着剤層2aとして、アクリル系樹脂またはシリコーン系樹脂からなるものを用いることが、本発明の大きな特徴の一つである。なお、図1では、構成をわかりやすくするために、芯材1を構成する織布1aおよびガスバリアフィルム2の多層構造を構成する粘着剤層2a等の層を厚く図示している。また、上記真空断熱材は、通常、シート状に形成され、使用用途に応じて、平面視長方形,正方形,短冊状等に形成される。
上記のように、多層構造のガスバリアフィルム2に、粘着剤層2aが構成されていると、自動車が衝突事故を起こした際に、車室外の部品が上記真空断熱材に衝突しても、上記粘着剤層2aの弾性により、その衝突の際の衝撃が吸収され、貫通しにくくなる。さらに、この実施の形態のように、上記粘着剤層2aがアクリル系樹脂からなるものであると、そのアクリル系樹脂は、ガラス転移点(Tg)が低いことから、耐寒性にも優れるため、そのアクリル系樹脂からなる粘着剤層2aを有するガスバリアフィルム2を備えた真空断熱材は、低温での耐貫通性にも優れている。アクリル系樹脂には、その特性を失わない範囲で硬化剤を混合してもよい。また、上記粘着剤層2aがシリコーン系樹脂からなるものであると、そのシリコーン系樹脂は、ゴム弾性を示す温度範囲が広いことから、そのシリコーン系樹脂からなる粘着剤層2aを有するガスバリアフィルム2を備えた真空断熱材は、広い温度範囲での耐貫通性に優れている。
また、上記ガスバリアフィルム2に粘着剤層2aが2層以上構成されている場合、そのガスバリアフィルム2では、アクリル系樹脂からなる粘着剤層2aとシリコーン系樹脂からなる粘着剤層2aとを併用してもよい。
より詳しく説明すると、芯材1を構成する織布1aは、繊維を束ねた糸を織ったものである。その繊維としては、例えば、ガラス繊維,炭素繊維,アラミド繊維等があげられる。その繊維の外径は、通常、6〜24μmの範囲内に設定される。上記糸は、通常、上記繊維を2000〜4000本の範囲内で束ねたものとなっている。織布1aの織り方としては、例えば、平織,綾織,朱子織,縦すだれ織,バイアス等があげられる。織布1aの織密度は、通常、25〜1500g/m2 の範囲内に設定される。1枚の織布1aの厚みは、通常、30〜1500μmの範囲内に設定される。その織布1aを積層してなる芯材1の厚みは、通常、1〜8mmの範囲内に設定される。その芯材1における織布1aの積層枚数は、通常、2〜20枚の範囲内に設定される(図示のものは6枚積層)。
上記ガスバリアフィルム2の多層構造を構成する層としては、上記アクリル系樹脂またはシリコーン系樹脂からなる粘着剤層2aの他に、例えば、樹脂層2b,金属層等があげられる。上記粘着剤層2aは、他の層と層との間に設けられるが、ガスバリアフィルム2の表面に露呈した状態で設けてもよい。例えば、図1に示すものは、上側のガスバリアフィルム2が、上(外側)から順番に、樹脂層2b,粘着剤層2a,樹脂層2b,粘着剤層2a,樹脂層2bが配置された5層構造になっており、下側のガスバリアフィルム2が、上(内側:芯材1に接する側)から順番に、粘着剤層2a,樹脂層2b,粘着剤層2a,樹脂層2bの4層構造になっている。
上記粘着剤層2aの厚みは、通常、0.3〜40μmの範囲内に設定される。上記樹脂層2bの厚みは、通常、15〜300μmの範囲内に設定される。上記金属層の厚みは、通常、9nm〜15μmの範囲内に設定される。そして、それら層を有する多層構造の上記ガスバリアフィルム2の厚みは、通常、50〜500μmの範囲内に設定される。そのガスバリアフィルム2を構成する層の数は、通常、2〜6層の範囲内に設定される。
上記粘着剤層2aは、ヤング率が1200MPa以下であること好ましい。ヤング率が低いと、その粘着剤層2aの収縮が小さく、ガスバリアフィルム2の多層構造を構成する層と層との間の剥離を防止することができる。そのため、上記ガスバリアフィルム2による真空密封の真空度を長期にわたって維持することができる。なかでも、ヤング率が28.5MPa以上であることがより好ましい。ヤング率がある程度高いと、高温クリープ特性に優れ、高温にさらされても、ガスバリアフィルム2の変形を防止することができる。そのため、高温下でも、上記ガスバリアフィルム2による真空密封の真空度を維持することができる。
上記樹脂層2bの形成材料としては、熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、ポリアミド樹脂,ポリオレフィン樹脂,ポリエステル樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリスチレン樹脂,ポリアセタール樹脂,変性ポリフェニレンエーテル樹脂,ポリフェニレンサルファイド樹脂,ポリエーテルイミド樹脂,ポリエーテルエーテルケトン樹脂,ポリエーテルサルホン樹脂,熱可塑性エラストマー等があげられる。
上記金属層としては、例えば、金属箔および金属蒸着膜等があげられる。その形成材料としては、例えば、アルミニウム,銅,銀,金,チタンおよびジルコニウム等ならびにそれらの合金および酸化物等があげられる。
上記ガスバリアフィルム2を透明とすると、そのガスバリアフィルム2を透して、芯材1の織目を模様として目視できるため、車室内の装飾性を向上させることができる。その場合、織布を織る糸の色を、例えば、縦と横とで異なるようにする等、2色以上とすると、より装飾性が増す。ここで、透明とは、可視光透過率が50%以上の意味である。
なお、上記実施の形態(図1参照)では、芯材1を挟む2枚のガスバリアフィルム2のうち一方(図1では下側)を、粘着剤層2aが表面全体に露呈したものとし、その露呈した粘着剤層2aを真空断熱材の内側に配置したが、両方のガスバリアフィルム2とも、そのようにしてもよい。このように表面全体に露呈した粘着剤層2aを真空断熱材の内側に配置すると、その粘着剤層2aの粘着力で芯材1を固定できるため、真空断熱材の作製が容易になる。
また、図2に示すように、芯材1を挟む2枚のガスバリアフィルム2のうち一方(図2では下側)を、気密に接合する周縁部分のみ粘着剤層2aが露呈したものとしてもよい。この場合においても、両方のガスバリアフィルム2とも、気密に接合する周縁部分のみ粘着剤層2aを露呈させてもよい。
さらに、上記実施の形態では、芯材1を2枚のガスバリアフィルム2で挟んで真空密封したものを真空断熱材としたが、他でもよく、例えば、1枚のガスバリアフィルム2を二つに折り、そのガスバリアフィルム2が重なっている部分で芯材1を挟んで真空密封したものを真空断熱材としてもよい。また、ガスバリアフィルム2を袋状のものとし、その袋状のガスバリアフィルム2の中に芯材1を入れ、その袋状の口部を気密に接合して真空密封したものを真空断熱材としてもよい。さらに、ガスバリアフィルム2/芯材1(真空)/ガスバリアフィルム2/芯材1(真空)/・・・/ガスバリアフィルム2のように複数積層したようにしてもよい。このようにすると、表層部分が損傷して、その表層部分の芯材1の真空度が落ちても、それ以外の層の芯材1では、真空度を保つことができる。
つぎに、実施例について説明する。但し、本発明は、実施例に限定されるわけではない。
〔実施例1〜7〕
下記の表1,2に示す実施例1〜7の真空断熱材を作製した。これら真空断熱材は、ガスバリアフィルムを構成する粘着剤層がアクリル系樹脂からなるものである。また、実施例1〜4は、図2に示すもので、下側のガスバリアフィルムが、周縁部分のみ粘着剤層が露呈したものとなっており、実施例5〜7は、図1に示すもので、下側のガスバリアフィルムが、表面全体に粘着剤層が露呈したものとなっている。下記の表1,2において、全厚は、真空断熱材の厚みであり、ノギスを用いて測定した。
下記の表1,2に示す実施例1〜7の真空断熱材を作製した。これら真空断熱材は、ガスバリアフィルムを構成する粘着剤層がアクリル系樹脂からなるものである。また、実施例1〜4は、図2に示すもので、下側のガスバリアフィルムが、周縁部分のみ粘着剤層が露呈したものとなっており、実施例5〜7は、図1に示すもので、下側のガスバリアフィルムが、表面全体に粘着剤層が露呈したものとなっている。下記の表1,2において、全厚は、真空断熱材の厚みであり、ノギスを用いて測定した。
下記の表1,2のガスバリアフィルムの欄は、そのガスバリアフィルムの多層構造を構成する各層の種類および厚みが、各層の配置の順番で記載されている。例えば、実施例5では、上側のガスバリアフィルムが5層構造になっており、その5層構造を構成する最上層(外側の層)が厚み20μmのOPP層(二軸延伸ポリプロピレン樹脂層)であり、最下層(内側の層:芯材と接する側の層)が厚み50μmのPET層(ポリエチレンテレフタレート樹脂層)である。また、下側のガスバリアフィルムが4層構造になっており、その4層構造を構成する最上層(内側の層:芯材と接する側の層)が厚み1μmの粘着剤層であり、最下層(外側の層)が厚み20μmのOPP層である。
下記の表1,2の芯材の欄は、その芯材を構成する織布の種類,織り方,織密度,積層枚数,その枚数積層した状態の厚み(芯材の厚み),その織布を織る糸を構成する繊維の本数が記載されている。例えば、実施例5では、芯材が、ガラス繊維を2000本束ねた糸を平織してなる、織密度200g/m2 のガラスクロスを12枚積層したものであり、その芯材の厚みが3.5mmである。なお、実施例1〜7における上記織布の大きさは、150mm×200mmとした。
〔衝突エネルギー吸収量・耐貫通性〕
高速衝撃試験機(IMATEK社製、IM100 )を用い、先端が曲率半径15mmに丸く削られた直径15mmの鉄製の棒(質量30.4kg)を1.4m/秒の速度で、実施例1〜7の真空断熱材に衝突させ、真空断熱材が吸収する衝突エネルギー量を算出した。また、真空断熱材における衝突部分が貫通したか否かを目視にて確認した。そして、それらの結果を下記の表1,2に示した。
高速衝撃試験機(IMATEK社製、IM100 )を用い、先端が曲率半径15mmに丸く削られた直径15mmの鉄製の棒(質量30.4kg)を1.4m/秒の速度で、実施例1〜7の真空断熱材に衝突させ、真空断熱材が吸収する衝突エネルギー量を算出した。また、真空断熱材における衝突部分が貫通したか否かを目視にて確認した。そして、それらの結果を下記の表1,2に示した。
上記表1,2の結果から、実施例1〜7の真空断熱材は、耐貫通性に優れていることがわかる。なお、実施例2において、上下のガスバリアフィルムに用いられている粘着材層A,Bをウレタン系樹脂(トーヨーケム社製、オリバインSH-101)に換えたものを従来例とし、その従来例に対し、上記耐貫通性の試験と同じ試験を行うと、貫通が確認された。
また、上記実施例1〜7の真空断熱材は、ガスバリアフィルムを構成する粘着剤層がアクリル系樹脂からなるものであるが、そのうちの実施例2において、上下のガスバリアフィルムに用いられている粘着材層A,Bをシリコーン系樹脂(東レダウコーニング社製、SD4584PSA )に換えても、上記実施例2と同様の傾向を示す結果が得られた。さらに、上記実施例1〜7において、アクリル系樹脂からなる粘着剤層とシリコーン系樹脂からなる粘着剤層とを併用しても、上記実施例1〜7と同様の傾向を示す結果が得られた。
本発明の真空断熱材は、自動車の車室内を構成する部材に用いられ、自動車が衝突事故を起こしても、車室外の部品が貫通して車室内に入り込まないようにする場合に利用可能である。
1 芯材
1a 織布
2 ガスバリアフィルム
2a 粘着剤層
1a 織布
2 ガスバリアフィルム
2a 粘着剤層
Claims (8)
- 複数枚の織布を積層した芯材と、粘着剤層を有する多層構造のガスバリアフィルムとを備え、上記芯材が上記ガスバリアフィルムで真空密封されている自動車車室内用真空断熱材であって、上記粘着剤層の粘着剤が、アクリル系樹脂またはシリコーン系樹脂であることを特徴とする自動車車室内用真空断熱材。
- 上記粘着剤層のヤング率が、1200MPa以下である請求項1の自動車車室内用真空断熱材。
- 上記粘着剤層のヤング率が、28.5MPa以上である請求項2の自動車車室内用真空断熱材。
- 上記ガスバリアフィルムが、透明である請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動車車室内用真空断熱材。
- 複数枚の織布を積層した芯材を準備し、その芯材の両面にガスバリアフィルムを粘着剤層を介して配置し、上記ガスバリアフィルム同士の周縁部を接合する工程と、内部を真空にする工程と備える自動車車室内用真空断熱材の製法であって、上記粘着剤層の粘着剤が、アクリル系樹脂またはシリコーン系樹脂であることを特徴とする自動車車室内用真空断熱材の製法。
- 上記粘着剤層のヤング率が、1200MPa以下である請求項5の自動車車室内用真空断熱材の製法。
- 上記粘着剤層のヤング率が、28.5MPa以上である請求項6の自動車車室内用真空断熱材の製法。
- 上記ガスバリアフィルムが、透明である請求項5〜7のいずれか一項に記載の自動車車室内用真空断熱材の製法。
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JP2015068431A JP2016188662A (ja) | 2015-03-30 | 2015-03-30 | 自動車車室内用真空断熱材およびその製法 |
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JP2019155602A (ja) * | 2018-03-07 | 2019-09-19 | 凸版印刷株式会社 | 積層体及び真空断熱材 |
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2015
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