JP2016185784A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸受の傾きを抑制できるステアリング装置を提供する。【解決手段】ラックハウジング17の内周面において、軸受44に対応する部位には、その周方向における一定範囲にわたって嵌合部17cが凹設されている。嵌合部17cは、ラックハウジング17の内周面において、ラックシャフト12を基準としてモータ30と径方向反対側の部位に設けられている。嵌合部17cにはゴムなどの弾性部材47が嵌合されている。ラックシャフト12の径方向において、弾性部材47の嵌合部17cと反対側の部分は、軸受44に密着している。軸受44は弾性部材47の弾性力により、径方向における弾性部材47の反対側へ向けて常時押されている。ラックハウジング17の内周面における軸受44の位置している部分と軸受44との間には、空間Sが形成される。【選択図】図3
Description
本発明は、ステアリング装置に関する。
車両の操舵機構にモータの動力を付与することにより、運転者のステアリング操作を補助する電動パワーステアリング装置(EPS)が知られている。例えば、特許文献1のEPSは、ラックシャフトと平行にモータが取り付けられ、ボールねじ機構がモータの回転運動を当該ラックシャフトの直線運動に変換することによって、運転者のステアリング操作を補助する。ボールねじ機構は、ラックシャフトに多数のボールを介して螺合されたナットを有している。ナットは、モータの回転軸に取り付けられた歯付ベルトにより駆動する。このナットを回転可能に支持するために、ナットとハウジングの間には軸受が配置される。たとえば、軸受の軸方向両側に弾性部材を設けることにより、軸受は軸方向に移動可能にハウジングに支持される。このような軸受は、その摺動抵抗を低減するために、ハウジングとの間に隙間を有している。
特許文献1のEPSでは、軸受とハウジングとの間に隙間を設けることにより、確かに摺動抵抗を低減できる。しかし、軸受とハウジングとの間には隙間が存在することにより、軸受を十分に保持することができない。このため、ベルトの張力により軸受が傾くおそれがある。そして、軸受が傾くことにより、ナットも傾いてしまう。ナットの傾きは、操舵フィーリングの低下やナットの耐久性の低下に繋がる。
本発明の目的は、軸受の傾きを抑制できるステアリング装置を提供することである。
上記目的を達成しうるステアリング装置は、回転軸を有するモータと、軸方向に往復移動する転舵軸と、多数のボールを介して前記転舵軸と螺合するナットと、前記転舵軸および前記ナットを収容するハウジングと、前記ハウジングの内周面と前記ナットの外周面との間に介在されて、前記ハウジングの内周面との間に隙間を介してナットを片持ち支持する軸受と、前記回転軸と一体回転可能に固定される駆動プーリと、前記ナットの前記軸受と反対側の端部が挿入されてその外周面に固定される従動プーリと、前記駆動プーリおよび前記従動プーリの間に巻き掛けられるベルトと、前記ハウジングの内周面と前記軸受の外周面との間に設けられる弾性部材と、を備えている。
この構成によれば、ハウジングの内周面と軸受の外周面との間に弾性部材が設けられることにより、軸受はハウジングの内周面の径方向における弾性部材の反対側の部位に押さえつけられるので、ハウジングとの間に隙間を介した軸受が傾くことを抑制できる。
上記のステアリング装置において、前記モータは、前記ハウジングの外周に設けられ、前記弾性部材は、前記ハウジングの内周面において、前記転舵軸を基準とする前記モータと反対側の領域に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、ハウジングの内周面と軸受の外周面との間において、モータと反対側の領域に弾性部材が設けられることにより、軸受が傾くことが抑制される。また、弾性部材が劣化して弾性力が低減した場合でも、ベルトの緩みを抑制できる。ベルトの引っ張り力に対して弾性力が反対に作用しにくいためである。
上記のステアリング装置において、前記ハウジングの内周面に設けられて、前記軸受の軸方向両側にそれぞれ位置する2つの壁と、前記軸受の軸方向両側面と前記2つの壁との間にそれぞれ介在される弾性支持部材と、を備えていることが好ましい。前記軸受は、前記ハウジングに対して軸方向に揺動可能に設けられるとともに、前記弾性支持部材を介して、前記2つの壁に挟まれた状態で支持されている。
特に軸受の弾性支持構造を採用する場合には、軸受とハウジングとの間に隙間を形成することが多いため、ハウジングの内周面と軸受の外周面の間に弾性部材を設けることにより、軸受の傾きを抑制することは有効である。
上記のステアリング装置において、前記モータの回転軸は前記転舵軸と平行であることが好ましい。
モータの回転軸と転舵軸とが平行な場合、ベルトの引っ張り力により軸受およびナットがより傾きやすい。このため、ハウジングの内周面と軸受の外周面の間に弾性部材を設けることにより、軸受の傾きを抑制することは有効である。
モータの回転軸と転舵軸とが平行な場合、ベルトの引っ張り力により軸受およびナットがより傾きやすい。このため、ハウジングの内周面と軸受の外周面の間に弾性部材を設けることにより、軸受の傾きを抑制することは有効である。
本発明のステアリング装置によれば、軸受の傾きを抑制できる。
以下、ステアリング装置の一実施形態について説明する。本実施形態のステアリング装置は、いわゆるラックパラレル型の電動パワーステアリング装置(RP−EPS)である。
図1に示すように、EPS1は運転者のステアリングホイール10の操作に基づいて転舵輪16を転舵させる操舵機構2、および運転者のステアリング操作を補助するアシスト機構3を備えている。
操舵機構2は、ステアリングホイール10およびステアリングホイール10と一体回転するステアリングシャフト11を備えている。ステアリングシャフト11は、ステアリングホイール10と連結されたコラムシャフト11aと、コラムシャフト11aの下端部に連結されたインターミディエイトシャフト11b、およびインターミディエイトシャフト11bの下端部に連結されたピニオンシャフト11cを有している。ピニオンシャフト11cの下端部はラックアンドピニオン機構13を介してラックシャフト12に連結されている。したがって、操舵機構2では、ステアリングシャフト11の回転運動は、ピニオンシャフト11cおよびラックシャフト12からなるラックアンドピニオン機構13を介してラックシャフト12の軸方向(図1の左右方向)の往復直線運動に変換される。当該往復直線運動は、ラックシャフト12の両端にそれぞれ連結されたラックエンド14を介してタイロッド15に伝達される。これらタイロッド15の運動が左右の転舵輪16にそれぞれ伝達されることにより、転舵輪16の転舵角が変化する。ラックシャフト12はラックハウジング17に収容されている。ラックハウジング17の両端とタイロッド15との間には、蛇腹筒状体のラックブーツ19がそれぞれ配置されている。ラックエンド14およびタイロッド15の一部分は、対応するラックブーツ19により覆われている。
アシスト機構3は、ラックシャフト12に設けられている。アシスト機構3は、アシスト力の発生源であるモータ30と、ラックシャフト12の周囲に一体的に取り付けられたボールねじ機構40と、モータ30の回転軸31の回転力をボールねじ機構40に伝達する減速機50からなる。アシスト機構3は、モータ30の回転軸31の回転力を減速機50およびボールねじ機構40を介してラックシャフト12の軸方向の往復直線運動に変換することにより、ラックシャフト12に付与する力により運転者のステアリング操作を補助する。
ボールねじ機構40、減速機50、ピニオンシャフト11cはラックハウジング17により覆われている。ラックハウジング17は、アシスト機構3の付近でラックシャフト12の軸方向に分割された第1ラックハウジング17aおよび第2ラックハウジング17bからなり、それらが互いに連結されることにより構成されている。ラックハウジング17は、ラックシャフト12の延びる方向に対して交わる方向(図中の下方)へ突出して形成される減速機ハウジング18を有し、減速機ハウジング18の内部には減速機50の一部が収容されている。減速機ハウジング18の外壁(図中の右側壁)には貫通孔33が設けられている。モータ30の回転軸31は、貫通孔33を通じて減速機ハウジング18の内部に伸びている。回転軸31はラックシャフト12に対して平行に位置している。モータ30はボルト32により減速機ハウジング18の外壁に固定されている。
つぎに、アシスト機構3について詳細に説明する。
図2に示すように、ボールねじ機構40は、ラックシャフト12に多数のボール42を介して螺合する円筒状のナット41を備えている。ラックシャフト12の外周面には螺旋状のねじ溝12aが形成されている。ナット41は、円筒状の軸受44を介してラックハウジング17の内周面に対して回転可能に支持されている。軸受44は、たとえば複列アンギュラ玉軸受が用いられる。軸受44はナット41の軸方向における一端部(図中のナット41の左端部)に設けられているため、ナット41はラックハウジング17に対して片持ち支持されている。ナット41の内周面には、ラックシャフト12のねじ溝12aに対応する螺旋状のねじ溝43が形成されている。ナット41のねじ溝43とラックシャフト12のねじ溝12aにより囲まれる螺旋状の空間は、ボール42が転動する転動路Rとして機能する。また、図示しないが、ナット41には転動路Rの2箇所に開口して、当該2箇所の開口を短絡する循環路が設けられている。したがって、ボール42はナット41内の循環路を介して転動路R内を無限循環することができる。
図2に示すように、ボールねじ機構40は、ラックシャフト12に多数のボール42を介して螺合する円筒状のナット41を備えている。ラックシャフト12の外周面には螺旋状のねじ溝12aが形成されている。ナット41は、円筒状の軸受44を介してラックハウジング17の内周面に対して回転可能に支持されている。軸受44は、たとえば複列アンギュラ玉軸受が用いられる。軸受44はナット41の軸方向における一端部(図中のナット41の左端部)に設けられているため、ナット41はラックハウジング17に対して片持ち支持されている。ナット41の内周面には、ラックシャフト12のねじ溝12aに対応する螺旋状のねじ溝43が形成されている。ナット41のねじ溝43とラックシャフト12のねじ溝12aにより囲まれる螺旋状の空間は、ボール42が転動する転動路Rとして機能する。また、図示しないが、ナット41には転動路Rの2箇所に開口して、当該2箇所の開口を短絡する循環路が設けられている。したがって、ボール42はナット41内の循環路を介して転動路R内を無限循環することができる。
減速機50は、モータ30の回転軸31に一体的に取り付けられた駆動プーリ51、ナット41の外周に一体的に取り付けられた従動プーリ52、および駆動プーリ51と従動プーリ52との間に巻き掛けられたベルト53を備えている。減速機ハウジング18の内部空間には、モータ30の回転軸31と、回転軸31に取り付けられた駆動プーリ51と、ベルト53の一部が配置される。また、ベルト53は、たとえば芯線を含むゴム製の歯付きベルトが採用される。
このような構成からなるアシスト機構3では、モータ30の回転軸31が回転すると、回転軸31と一体となって駆動プーリ51が回転する。駆動プーリ51の回転は、ベルト53を介して従動プーリ52に伝達されて、これにより従動プーリ52は回転する。このため、従動プーリ52と一体的に取り付けられたナット41も一体回転する。ナット41はラックシャフト12に対して相対回転するため、ナット41とラックシャフト12との間に介在される多数のボール42は双方から負荷を受けて転動路R内を無限循環する。ボール42が無限循環することにより、ナット41に付与されたトルクがラックシャフト12の軸方向に付与される力に変換される。このため、ラックシャフト12はナット41に対して軸方向に移動する。このラックシャフト12に付与される軸方向の力がアシスト力となり、運転者のステアリング操作を補助する。
ところで、軸受44には弾性支持構造(フローティング構造)が採用されている。具体的には、軸受44の軸方向両側には、それぞれ断面L字の環状のプレート45が設けられている。それらのプレート45と軸受44との間には、それぞれ皿ばね46が設けられている。このため、軸受44の軸方向における両側面は、それぞれ皿ばね46およびプレート45を介してラックハウジング17に当接している。皿ばね46は軸方向に弾性変形するため、軸受44はラックハウジング17に対して弾性支持される。なお、ラックハウジング17における軸受44、プレート45、および皿ばね46の位置している部分の内径は、軸受44の外径よりもわずかに大きく設定されている。
また、図3(a)に示すように、ラックハウジング17(正確には、第1ラックハウジング17a)の内周面において、軸受44に対応する部位には、その周方向における一定範囲にわたって嵌合部17cが凹設されている。嵌合部17cは、ラックハウジング17の内周面において、ラックシャフト12を基準としてモータ30と径方向反対側の部位(図中の上部)に設けられている。また、図2に示すように、嵌合部17cの軸方向における長さは、軸受44の軸方向における長さよりも小さく設定されている。
嵌合部17cにはゴムなどの弾性部材47が嵌合されている。ラックシャフト12の径方向において、弾性部材47の嵌合部17cと反対側の部分は、軸受44に密着している。軸受44は弾性部材47の弾性力により、径方向における弾性部材47の反対側(図中の下方)へ向けて常時押されている。このため、図3(a)に示されるように、ラックハウジング17の内周面における軸受44の位置している部分と軸受44との間には、空間Sが形成される。空間Sは、軸受44がラックハウジング17の内周面に対していわゆる隙間構造を持っているために生じる。なお、図2では、空間Sを実際よりも大きく図示している。
ここで、まず、比較例として、弾性部材47が設けられていない場合に軸受44に生じる作用を考える。
ラックハウジング17の内周面と軸受44との間に隙間があるため、軸受44が軸方向に移動する際の摺動抵抗は低減されている。これは、ラックハウジング17の内周面と軸受44の外周面との間に隙間があるので、軸受44の外周面がラックハウジング17の内周面に当接しにくいためである。
ラックハウジング17の内周面と軸受44との間に隙間があるため、軸受44が軸方向に移動する際の摺動抵抗は低減されている。これは、ラックハウジング17の内周面と軸受44の外周面との間に隙間があるので、軸受44の外周面がラックハウジング17の内周面に当接しにくいためである。
しかし、軸受44とラックハウジング17との間に隙間があるために、軸受44の位置は不安定である。たとえば、ベルト53の引っ張り力によって従動プーリ52が駆動プーリ51(モータ30)へ近付けられるのに伴って、ナット41および軸受44も駆動プーリ51側へ近付けられる。正確には、ナット41の軸受44と反対側の端部(図中のナット41の右端部)は、従動プーリ52に伴ってモータ30(駆動プーリ51)側へ引き寄せられる。ナット41の一端部は軸受44によって片持ち支持されているのに対して、ナット41の軸受44と反対側の端部は駆動プーリ51に引き寄せられるので、ナット41は傾いてしまうおそれがある。特に、軸受44とラックハウジング17との間に隙間がある場合には、軸受44が隙間の範囲内で容易に動くことができるため、よりナット41は傾きやすい。ナット41が傾くことにより、転動路Rで転動するボール42と転動路Rとの間の摩擦抵抗が増大する部分ができてしまい、ボールねじ機構40の耐久性の低下に繋がる。また、ボール42と転動路Rとの摩擦抵抗が増大すると、ボール42の円滑な転動が妨げられるので、異音や振動が発生し、ひいては操舵フィーリングが悪化するおそれがある。
これに対して、弾性部材47が設けられた場合に軸受44に生じる作用を考える。
図3(a)に示すように、本実施形態では弾性部材47が設けられることにより、軸受44は径方向における弾性部材47の反対側へ向けて常時押されるとともに、軸受44の径方向における弾性部材47と反対側の部位は、ラックハウジング17(嵌合部17c)の内周面における弾性部材47と反対側の部位に接触した状態に維持される。このため、ベルト53によりラックシャフト12に対してモータ30側へ引き寄せる方向の力が作用したときにも、これ以上軸受44は径方向における弾性部材47の反対側に移動することはない。これに対して、軸受44とラックハウジング17との間には空間Sがあるので、軸受44が径方向における弾性部材47と反対側以外の他の方向へ移動することは可能である。ただし、空間Sには弾性部材47があるため、弾性部材47が弾性変形するまで軸受44は傾かない。また、弾性部材47が弾性変形するような場合でも、弾性部材47の弾性力は軸受44が傾くことを抑制する方向に作用するため、軸受44が傾くことは抑制される。また、軸受44の傾きが抑制されるのに伴ってナット41の傾きも抑制される。なお、軸受44およびナット41は、ラックシャフト12の軸線に沿う平行な姿勢に維持される。
図3(a)に示すように、本実施形態では弾性部材47が設けられることにより、軸受44は径方向における弾性部材47の反対側へ向けて常時押されるとともに、軸受44の径方向における弾性部材47と反対側の部位は、ラックハウジング17(嵌合部17c)の内周面における弾性部材47と反対側の部位に接触した状態に維持される。このため、ベルト53によりラックシャフト12に対してモータ30側へ引き寄せる方向の力が作用したときにも、これ以上軸受44は径方向における弾性部材47の反対側に移動することはない。これに対して、軸受44とラックハウジング17との間には空間Sがあるので、軸受44が径方向における弾性部材47と反対側以外の他の方向へ移動することは可能である。ただし、空間Sには弾性部材47があるため、弾性部材47が弾性変形するまで軸受44は傾かない。また、弾性部材47が弾性変形するような場合でも、弾性部材47の弾性力は軸受44が傾くことを抑制する方向に作用するため、軸受44が傾くことは抑制される。また、軸受44の傾きが抑制されるのに伴ってナット41の傾きも抑制される。なお、軸受44およびナット41は、ラックシャフト12の軸線に沿う平行な姿勢に維持される。
ところで、軸受44が径方向における弾性部材47の反対側に押されることにより、軸受44にはラックハウジング17と当接する部分ができるので、軸受44とラックハウジング17との間の摺動抵抗は若干増大するものの、これは弾性支持構造の性能確保の観点から無視できる程度である。また、軸受44の軸方向への移動に伴い、弾性部材47は弾性変形する。このため、弾性部材47により、軸受44の軸方向の移動が阻害されることもない。
本実施形態の効果を説明する。
(1)ラックハウジング17の内周面と軸受44の外周面との間に弾性部材47が設けられることにより、軸受44はラックハウジング17の内周面の径方向における弾性部材47の反対側の部位に押さえつけられるので、軸受44が傾くことが抑制される。軸受44が傾くためには、弾性部材47を弾性変形させなければならないためである。軸受44の傾きが抑制されることにより、たとえば軸受の外輪と内輪の間から軸受のボールが乗り上げる、いわゆる肩乗り上げなどが生じにくくなり、軸受44の耐久性の低下を抑制できる。
(1)ラックハウジング17の内周面と軸受44の外周面との間に弾性部材47が設けられることにより、軸受44はラックハウジング17の内周面の径方向における弾性部材47の反対側の部位に押さえつけられるので、軸受44が傾くことが抑制される。軸受44が傾くためには、弾性部材47を弾性変形させなければならないためである。軸受44の傾きが抑制されることにより、たとえば軸受の外輪と内輪の間から軸受のボールが乗り上げる、いわゆる肩乗り上げなどが生じにくくなり、軸受44の耐久性の低下を抑制できる。
また、軸受44の傾きが抑制されるのに伴って、ナット41が傾くことも抑制される。このため、ボール42と転動路Rとの間の摩擦抵抗の増大を抑制することができ、ボールねじ機構40の耐久性の低下を抑制できる。また、操舵フィーリングの低下も抑制できる。
(2)弾性部材47の弾性力により、軸受44がラックハウジング17の内周面と当接したとしても、軸受44は軸方向に移動することができる。これは、軸受44とラックハウジング17との間の摺動抵抗に比べてラックシャフト12の軸方向に作用する力が大きいためである。また、弾性部材47は、軸受44の移動に伴い弾性変形するからである。
(3)ラックハウジング17の内周面において、ラックシャフト12を基準としてモータ30と径方向反対側の部位には嵌合部17cが設けられている。嵌合部17cには弾性部材47が嵌合されている。このため、弾性部材47が劣化して弾性力が低減した場合でも、ベルト53の緩みを抑制できる。軸受44を押さえつける弾性部材47の弾性力が低減しても、軸受44はモータ30から離れる方向に移動するので、ベルト53は緩まない。
なお、本実施形態は次のように変更してもよい。
・本実施形態では、弾性部材47としてゴムが用いられたが、これに限らない。たとえば、コイルスプリングなどの粘性を有さない弾性部材やエラストマーであってもよい。
・本実施形態では、弾性部材47としてゴムが用いられたが、これに限らない。たとえば、コイルスプリングなどの粘性を有さない弾性部材やエラストマーであってもよい。
・本実施形態において、ベルト53は一例として歯付ベルトが用いられたが、これに限らない。たとえば、Vベルトを採用してもよい。
・本実施形態において、嵌合部17cは、ラックハウジング17の内周面における、ラックシャフト12を基準としてモータ30と径方向反対側の部位に設けられたが、これに限らない。たとえば、図3(b)に示すように、軸方向から見たラックハウジング17の内周面において、ベルト53が引っ張られている方向(図中の上下方向)に交わる方向(たとえば図中の右側)に位置する部位に嵌合部17cを設けてもよい。すなわち、軸受44がラックハウジング17の内周面に当接するのであれば、嵌合部17cはラックハウジング17の内周面のどの部分に設けられてもよい。なお、ベルト53の張力に反発する向き(図中の上方向)に弾性部材47の弾性力が働かないことが好ましい。弾性部材47が劣化して弾性力が低減した場合でも、ベルト53が緩まないからである。すなわち、ラックシャフト12を軸方向から見たとき、弾性部材47は、ラックハウジング17の内周面におけるモータ30と径方向反対側(図中の上側)の半円の領域に設けられることが好ましい。
・本実施形態において、嵌合部17cは、ラックハウジング17の内周面における、ラックシャフト12を基準としてモータ30と径方向反対側の部位に設けられたが、これに限らない。たとえば、図3(b)に示すように、軸方向から見たラックハウジング17の内周面において、ベルト53が引っ張られている方向(図中の上下方向)に交わる方向(たとえば図中の右側)に位置する部位に嵌合部17cを設けてもよい。すなわち、軸受44がラックハウジング17の内周面に当接するのであれば、嵌合部17cはラックハウジング17の内周面のどの部分に設けられてもよい。なお、ベルト53の張力に反発する向き(図中の上方向)に弾性部材47の弾性力が働かないことが好ましい。弾性部材47が劣化して弾性力が低減した場合でも、ベルト53が緩まないからである。すなわち、ラックシャフト12を軸方向から見たとき、弾性部材47は、ラックハウジング17の内周面におけるモータ30と径方向反対側(図中の上側)の半円の領域に設けられることが好ましい。
・本実施形態において、軸受44はプレート45および皿ばね46によって弾性支持されたが、これに限らない。たとえば、皿ばね46はばねスプリングであってもよいし、ゴムなどの弾性部材を採用してもよい。
・本実施形態では、軸受44の弾性支持構造が採用されたが、この構成を採用しなくてもよい。すなわち、ラックハウジング17により軸受44の軸方向両側が挟まれることで、軸受44がラックハウジング17に対して固定されてもよい。この場合でも、ラックハウジング17の内周面と軸受44の外周面との間にはわずかに隙間が設けられている。ラックハウジング17と軸受44との間で熱膨張係数に違いがあるためである。
・本実施形態で用いられる軸受44はどのような軸受であってもよい。たとえば、単列アンギュラ玉軸受であってもよいし、すべり軸受であってもよい。
・本実施形態では、RP−EPSに具体化して示したが、これに限らない。たとえば、ラックアシスト式のEPSであってもよい。すなわち、ボールねじ機構40のあるステアリング装置であれば、車両の振動により軸受44が傾くおそれがあり、同様の課題が生じうる。
・本実施形態では、RP−EPSに具体化して示したが、これに限らない。たとえば、ラックアシスト式のEPSであってもよい。すなわち、ボールねじ機構40のあるステアリング装置であれば、車両の振動により軸受44が傾くおそれがあり、同様の課題が生じうる。
・本実施形態では、ステアリング装置として、電動パワーステアリング装置を例に挙げたが、ステアバイワイヤ(SBW)に適用してもよい。なお、ステアバイワイヤに具体化する場合には、前輪操舵装置としてだけでなく、後輪操舵装置あるいは4輪操舵装置(4WS)として具体化することもできる。
1…EPS、2…操舵機構、3…アシスト機構、10…ステアリングホイール、11…ステアリングシャフト、11a…コラムシャフト、11b…インターミディエイトシャフト、11c…ピニオンシャフト、12…ラックシャフト(転舵軸)、12a…ねじ溝、13…ラックアンドピニオン機構、14…ラックエンド、15…タイロッド、16…転舵輪、17…ラックハウジング(ハウジング)、17a…第1ラックハウジング、17b…第2ラックハウジング、17c…嵌合部、18…減速機ハウジング、19…ラックブーツ、30…モータ、31…回転軸、32…ボルト、33…貫通孔、40…ボールねじ機構、41…ナット、42…ボール、43…ねじ溝、44…軸受、45…プレート、46…皿ばね、47…弾性部材、50…減速機、51…駆動プーリ、52…従動プーリ、53…ベルト、R…転動路、S…空間。
Claims (4)
- 回転軸を有するモータと、
軸方向に往復移動する転舵軸と、
多数のボールを介して前記転舵軸と螺合するナットと、
前記転舵軸および前記ナットを収容するハウジングと、
前記ハウジングの内周面と前記ナットの外周面との間に介在されて、前記ハウジングの内周面との間に隙間を介してナットを片持ち支持する軸受と、
前記回転軸と一体回転可能に固定される駆動プーリと、
前記ナットの前記軸受と反対側の端部が挿入されてその外周面に固定される従動プーリと、
前記駆動プーリおよび前記従動プーリの間に巻き掛けられるベルトと、
前記ハウジングの内周面と前記軸受の外周面との間に設けられる弾性部材と、を備えるステアリング装置。 - 請求項1に記載のステアリング装置において、
前記モータは、前記ハウジングの外周に設けられ、
前記弾性部材は、前記ハウジングの内周面において、前記転舵軸を基準とする前記モータと反対側の領域に設けられるステアリング装置。 - 請求項1または請求項2に記載のステアリング装置において、
前記ハウジングの内周面に設けられて、前記軸受の軸方向両側にそれぞれ位置する2つの壁と、
前記軸受の軸方向両側面と前記2つの壁との間にそれぞれ介在される弾性支持部材と、を備え、
前記軸受は、前記ハウジングに対して軸方向に揺動可能に設けられるとともに、前記弾性支持部材を介して、前記2つの壁に挟まれた状態で支持されているステアリング装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のステアリング装置において、
前記モータの回転軸は前記転舵軸と平行であるステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015067286A JP2016185784A (ja) | 2015-03-27 | 2015-03-27 | ステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015067286A JP2016185784A (ja) | 2015-03-27 | 2015-03-27 | ステアリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016185784A true JP2016185784A (ja) | 2016-10-27 |
Family
ID=57202982
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015067286A Pending JP2016185784A (ja) | 2015-03-27 | 2015-03-27 | ステアリング装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2016185784A (ja) |
-
2015
- 2015-03-27 JP JP2015067286A patent/JP2016185784A/ja active Pending
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