JP2017141001A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転舵軸への逆入力につられて逆転するモータによって印加される逆起電圧を低減すること。【解決手段】EPSは、ラックシャフト12と、複数のボールを介してラックシャフト12と螺合するナット31を有するボールねじ機構30と、モータ20と、これらラックシャフト12、モータ20、及びボールねじ機構30を収容するハウジング16を備えている。また、EPSは、ハウジング16に固定され、ナット31を回転可能に支持する軸受34と、軸受34を軸方向に移動可能に弾性支持する各支持機構37,38と、ハウジング16に固定された制動部材19を備えている。転舵輪を介してラックシャフト12に逆入力が作用する場合にナット31が制動部材19に接触することによって、当該ナット31に制動力を作用させる。【選択図】図2
Description
本発明は、ステアリング装置に関する。
ベルト式減速機構を介してモータの回転運動をボールねじ機構に伝達し、モータの回転運動をラックシャフト等の転舵軸の直線運動に変換することにより、ユーザーのステアリング操作を補助するステアリング装置がある。ステアリング装置において、ラックシャフトがストロークエンドまで移動すると、ラックシャフトの両端に取り付けられたストッパ(エンド部材)がラックシャフトが収容されているハウジングの端部に衝突する、所謂、端当てする。この端当て時に生じる衝撃荷重を低減する工夫を施したものとして、例えば、特許文献1に記載のステアリング装置がある。
特許文献1には、ラックシャフトがストロークエンドまで移動した場合に、モータを制動するブレーキ制御を行うステアリング装置が開示されている。これにより、特許文献1に記載のステアリング装置では、端当て時の衝撃荷重を低減するようにしている。
トラック等、所謂、大型車両に搭載されるステアリング装置では、ベルト式減速機構の減速比を高くする等、ボールねじ機構に伝達する動力の高出力化が進んでいる。例えば、車両が縁石に乗り上げる等によって、転舵輪を介してラックシャフトに荷重(逆入力)が入力される場合、逆入力につられてモータが逆転してしまう。この場合、ベルト式減速機構の減速比が高いほどモータの回転が増速される。しかも、逆入力の荷重は、通常、ユーザーによる操舵入力に基づく荷重と比較して大きくなる。そのため、モータの駆動を制御するスイッチング素子等のインバータ回路には、ユーザーによる操舵入力では想定されない大きい逆起電圧が逆入力につられて逆転するモータによって印加される。これに対処する場合、モータの駆動を制御する回路においては、逆転するモータによって印加される逆起電圧から当該回路を保護する構成が必要になる。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、転舵軸への逆入力につられて逆転するモータによって印加される逆起電圧を低減できるステアリング装置を提供することにある。
上記課題を解決するステアリング装置は、軸方向に往復移動することによって転舵輪を転舵させる転舵軸と、転舵軸の外周面に形成されたねじ溝に複数のボールを介して螺合された回転体を有し、当該回転体の回転に基づき転舵軸に軸方向の力を付与するボールねじ機構と、回転体にトルクを付与するモータと、モータと転舵軸とボールねじ機構とを収容し、転舵軸の軸方向に沿って延びるハウジングと、ハウジングに固定されてなり、ハウジングに対して回転体を回転可能に支持する軸受と、ハウジングに対して回転体が転舵軸の軸方向に相対移動した際に軸受を転舵軸の軸方向に弾性支持する支持部と、ハウジングと一体的に設けられる固定側制動部位と、軸受又は回転体の少なくとも一方に一体的に設けられる回転側制動部位とを備え、固定側制動部位と回転側制動部位とは、転舵輪を介して転舵軸に入力される逆入力が当該転舵軸に作用する場合に互いに接触することによって回転体に制動力を作用させるように構成されている。
上記構成によれば、転舵軸に逆入力が作用する場合、回転体に制動力が作用することから、当該逆入力によって転舵軸が移動する速度、ひいては当該逆入力につられて回転する回転体及びモータの回転速度を減速することができるようになる。これにより、減速比が高い場合であっても、逆入力につられてモータが逆転してしまう場合の回転速度の増速を抑制することができる。したがって、モータの駆動を制御するスイッチング素子等の回路を備えている場合であっても、転舵軸に逆入力が作用し、逆転するモータによって、スイッチング素子等の回路に印加される逆起電圧を低減することができる。なお、この場合には、転舵軸に逆入力が作用することによって印加される逆起電圧からスイッチング素子等の回路を保護する構成を有する必要がなくなる。
上記ステアリング装置において、支持部は、互いに異なる弾性係数が設定されている第1の支持部及び第2の支持部を少なくとも含むものであることが望ましい。
上記構成によれば、第1の支持部及び第2の支持部のうち、弾性係数が小さい支持部によって、転舵軸に作用する比較的小さい荷重に対して、転舵軸の軸方向の変位を生み、操舵感を向上する。また、弾性係数が大きい支持部によって、転舵軸に作用する比較的小さい荷重よりも大きい荷重に対して、回転体の軸方向の変位を生む。この荷重がさらに増大し、回転体が大きく変位して固定側制動部位と回転側制動部位とが互いに接触する場合、回転体には制動力が作用する。
上記構成によれば、第1の支持部及び第2の支持部のうち、弾性係数が小さい支持部によって、転舵軸に作用する比較的小さい荷重に対して、転舵軸の軸方向の変位を生み、操舵感を向上する。また、弾性係数が大きい支持部によって、転舵軸に作用する比較的小さい荷重よりも大きい荷重に対して、回転体の軸方向の変位を生む。この荷重がさらに増大し、回転体が大きく変位して固定側制動部位と回転側制動部位とが互いに接触する場合、回転体には制動力が作用する。
一方、逆入力が減少し、さらに逆入力がゼロになると、各支持部が軸受に対して支持力を付与する状態に復帰することとなり、軸受及び回転体の位置が制動力を作用させる前の状態に戻される。その結果、各支持部は、回転体が大きく変位して固定側制動部位と回転側制動部位とが互いに接触する過大な荷重の逆入力が転舵軸に作用したとしても、軸受を弾性支持する機能を復帰させることができる。したがって、ステアリング装置の信頼性を向上させることができる。
上記ステアリング装置において、固定側制動部位及び回転側制動部位の少なくとも一方は、制動力を発生する制動部材を一体的に固定して具体化することができる。
より具体的には、支持部は、回転体を転舵軸の軸方向に弾性支持する皿ばねと、転舵軸の径方向における皿ばねの移動を規制する軸方向延伸部を有するプレートと、を有し、制動部材は、回転体に対して転舵軸の軸方向で対向するハウジングの壁面に設けられ、第1の支持部及び第2の支持部のそれぞれの皿ばねには、異なる弾性係数が設定されており、第1の支持部及び第2の支持部のうち、弾性係数が大きい皿ばねを有する支持部について、転舵軸に荷重が作用していない場合である通常時の軸方向延伸部と軸受との転舵軸の軸方向の隙間は、通常時の制動部材と回転体との隙間と比較して大きく設定されるようにして具体化することができる。
より具体的には、支持部は、回転体を転舵軸の軸方向に弾性支持する皿ばねと、転舵軸の径方向における皿ばねの移動を規制する軸方向延伸部を有するプレートと、を有し、制動部材は、回転体に対して転舵軸の軸方向で対向するハウジングの壁面に設けられ、第1の支持部及び第2の支持部のそれぞれの皿ばねには、異なる弾性係数が設定されており、第1の支持部及び第2の支持部のうち、弾性係数が大きい皿ばねを有する支持部について、転舵軸に荷重が作用していない場合である通常時の軸方向延伸部と軸受との転舵軸の軸方向の隙間は、通常時の制動部材と回転体との隙間と比較して大きく設定されるようにして具体化することができる。
上記構成によれば、転舵軸に逆入力が作用する場合、軸方向延伸部と軸受とが転舵軸の軸方向で接触するよりも先に、回転体に対して転舵軸の軸方向で対向するハウジングの壁面、すなわち制動部材と回転体とを接触させ、これにより生じる摩擦力を回転体に制動力として作用させる。ここで、回転側制動部位は回転体と一体的に設けられている。この場合、通常時の軸方向延伸部と軸受との隙間については、通常時の制動部材と回転体との隙間と比較して大きく設定するのみでよく、寸法管理が容易になる。したがって、支持部について汎用性の観点で有利である。
また、上記ステアリング装置において、支持部は、回転体を転舵軸の軸方向に弾性支持する皿ばねと、転舵軸の径方向における皿ばねの移動を規制する軸方向延伸部を有するプレートと、を有し、第1の支持部及び第2の支持部のそれぞれの皿ばねには、異なる弾性係数が設定されており、第1の支持部及び第2の支持部のうち、弾性係数が大きい皿ばねを有する支持部は、ハウジングに対して一体的に設けられているとともに、その軸方向延伸部が固定側制動部位として機能し、転舵軸に荷重が作用していない場合である通常時の軸方向延伸部と軸受との転舵軸の軸方向の隙間は、通常時の回転体と当該回転体に対して転舵軸の軸方向で対向するハウジングの壁面との隙間と比較して小さく設定されるようにして具体化することができる。
上記構成によれば、転舵軸に逆入力が作用する場合、回転体とハウジングの壁面とが軸方向で接触するよりも先に、弾性係数が大きい皿ばねを有する支持部の軸方向延伸部、すなわち固定側制動部位と軸受とを接触させ、これにより生じる摩擦力を回転体に制動力として作用させる。ここで、回転側制動部位は軸受と一体的に設けられている。この場合、回転体に対して転舵軸の軸方向で対向するハウジングの壁面には、制動部材等、何も設ける必要がなくなる。したがって、ハウジングについて汎用性の観点で有利である。
また、上記ステアリング装置において、第1の支持部及び第2の支持部のうち、小さい弾性係数は車両の走行中にユーザーによる操舵入力に基づく走行中最大荷重が転舵軸に作用する範囲で軸受を弾性支持可能に設定されているとともに、大きい弾性係数は車両の停止中にユーザーによる操舵入力に基づく停止中最大荷重であって、走行中最大荷重よりも大きい停止中最大荷重が転舵軸に作用する範囲で軸受を弾性支持可能に設定されており、逆入力は、停止中最大荷重よりも大きい範囲の荷重であることが望ましい。
上記構成によれば、第1の支持部及び第2の支持部のうち、小さい弾性係数の支持部によって、車両の走行中におけるステアリング操作の操舵感を確保することができる。また、第1の支持部及び第2の支持部のうち、大きい弾性係数の支持部によって、車両の停止中におけるステアリング操作の操舵機能を確保することができる。したがって、転舵軸に作用する停止中最大荷重よりも大きい範囲の逆入力につられて逆転してしまうモータの回転速度を抑制する機能と、上記の操舵感及び操舵機能とを両立でき、ステアリング装置が車両に搭載される場合の商品性の向上を図ることができる。
なお、上記ステアリング装置において、具体的には、回転体は、転舵軸のねじ溝に複数のボールを介して螺合されたナットであることが望ましい。
本発明によれば、転舵軸への逆入力につられて逆転するモータによって印加される逆起電圧を低減することができる。
(第1実施形態)
以下、ステアリング装置の第1実施形態を説明する。本実施形態のステアリング装置は、ベルト式減速機構を介してモータの回転運動をボールねじ機構に伝達し、モータの回転運動をラックシャフトの直線運動に変換することにより、ユーザーのステアリング操作を補助する電動パワーステアリング装置(以下、「EPS」という)である。
以下、ステアリング装置の第1実施形態を説明する。本実施形態のステアリング装置は、ベルト式減速機構を介してモータの回転運動をボールねじ機構に伝達し、モータの回転運動をラックシャフトの直線運動に変換することにより、ユーザーのステアリング操作を補助する電動パワーステアリング装置(以下、「EPS」という)である。
図1に示すように、EPS1は、ユーザーのステアリングホイール10の操作に基づいて転舵輪15を転舵させる操舵機構2、及びユーザーのステアリング操作を補助するアシスト機構3を備えている。
操舵機構2は、ステアリングホイール10及びステアリングホイール10と一体回転するステアリングシャフト11を備えている。ステアリングシャフト11は、ステアリングホイール10と連結されたコラムシャフト11aと、コラムシャフト11aの下端部に連結されたインターミディエイトシャフト11bと、インターミディエイトシャフト11bの下端部に連結されたピニオンシャフト11cとを有している。ピニオンシャフト11cの下端部は、ラックアンドピニオン機構13を介して転舵軸としてのラックシャフト12に連結されている。したがって、ステアリングシャフト11の回転運動は、ピニオンシャフト11c及びラックシャフト12からなるラックアンドピニオン機構13を介してラックシャフト12の軸方向(図1の左右方向)の往復直線運動に変換される。当該往復直線運動が、ラックシャフト12の両端にそれぞれ連結されたタイロッド14を介して、左右の転舵輪15にそれぞれ伝達されることにより、転舵輪15の転舵角が変化する。
以下の説明において、「軸方向」はラックシャフト12の軸長方向を意味し、「径方向」は「軸方向」に直交する方向を意味する。
アシスト機構3は、ラックシャフト12の周囲に設けられている。アシスト機構3は、アシスト力の発生源であるモータ20と、ラックシャフト12の周囲に一体的に取り付けられたボールねじ機構30と、モータ20の回転軸21の回転力をボールねじ機構30に伝達するベルト式減速機構(以下、「減速機構」という)40とを有している。アシスト機構3は、モータ20の回転軸21の回転力を減速機構40及びボールねじ機構30を介して、ラックシャフト12を軸方向に往復直線運動させる力に変換する。このラックシャフト12に付与される軸方向の力がアシスト力となり、ユーザーのステアリング操作を補助する。
アシスト機構3は、ラックシャフト12の周囲に設けられている。アシスト機構3は、アシスト力の発生源であるモータ20と、ラックシャフト12の周囲に一体的に取り付けられたボールねじ機構30と、モータ20の回転軸21の回転力をボールねじ機構30に伝達するベルト式減速機構(以下、「減速機構」という)40とを有している。アシスト機構3は、モータ20の回転軸21の回転力を減速機構40及びボールねじ機構30を介して、ラックシャフト12を軸方向に往復直線運動させる力に変換する。このラックシャフト12に付与される軸方向の力がアシスト力となり、ユーザーのステアリング操作を補助する。
ボールねじ機構30、減速機構40、ピニオンシャフト11c、及びラックシャフト12は、ラックシャフト12の軸方向に沿って延びるハウジング16により覆われている。ハウジング16は、減速機構40の付近で軸方向に分割された第1ハウジング16a及び第2ハウジング16bを連結することにより構成されている。各ハウジング16a,16bは、ラックシャフト12の延びる方向に対して交わる方向(図中の下方)へ突出している。第2ハウジング16bの外壁(図中の右側壁)には、貫通孔22が設けられている。モータ20の回転軸21は、貫通孔22を通じて第2ハウジング16bの内部に伸びている。モータ20は、第2ハウジング16bに設けられたフランジ部17及びモータ20に設けられたフランジ部24をボルト23により連結することで、第2ハウジング16bに固定されている。回転軸21は、ラックシャフト12に対して平行である。
ラックシャフト12の両端には、タイロッド14を回動自在に連結するエンド部材としてのインナーボールジョイント(以下、「IBJ」という)18がそれぞれ設けられている。IBJ18は、ハウジング16の軸方向の両端部に設けられる拡径部16cに出入り可能に設けられている。拡径部16cの内径は、ハウジング16がラックシャフト12を収容するラック収容部16dの内径と比較して大きく設定されている。拡径部16cとラック収容部16dとが繋がれる部位には、IBJ18側に壁面を有する段差部16eが設けられている。一方、IBJ18の外径は、ハウジング16の拡径部16cの内径と比較して小さい且つラック収容部16dの内径と比較して大きく設定されている。ラックシャフト12の軸方向の移動は、IBJ18が段差部16eに突き当たることによって生じる端当てによって制限されるようになっている。すなわち、ラックシャフト12の軸方向の移動は、IBJ18によってストロークエンド(移動限界)が規定されている。
モータ20には、モータ20の駆動を制御する操舵ECU25が接続されている。操舵ECU25は、マイクロプロセッシングユニット等からなるマイコンや、マイコンが出力するモータ制御信号に基づきモータ20へ駆動電力を供給するインバータ回路を内蔵している。操舵ECU25には、図示しないトルクセンサが接続されており、ユーザーによるステアリング操作によりステアリングシャフト11(ピニオンシャフト11c)に生じる操舵トルクτが所定周期毎に入力される。操舵ECU25は、操舵トルクτが入力される毎に当該操舵トルクτに基づきモータ20に出力させるべきモータトルクの目標値としてトルク指令値を生成し、このトルク指令値に基づいてモータ20の駆動を制御する。
次に、アシスト機構3について詳細に説明する。
図2に示すように、ボールねじ機構30は、ラックシャフト12に複数のボール32を介して螺合する円筒状の回転体としてのナット31を備えている。ナット31は、円筒状の軸受34を介してハウジング16の内周面に対して回転可能に支持されている。ラックシャフト12の外周面には螺旋状のねじ溝12aが設けられている。ナット31の内周面には、ラックシャフト12のねじ溝12aに対応する螺旋状のねじ溝33が設けられている。ナット31のねじ溝33とラックシャフト12のねじ溝12aにより囲まれる螺旋状の空間は、ボール32が転動する転動路Rとして機能する。また、図示しないが、ナット31には転動路Rの2箇所に開口して、当該2箇所の開口を短絡する循環路が設けられている。したがって、ボール32は、ナット31内の循環路を介して転動路R内を無限循環することができる。なお、転動路Rには、例えば、グリース等の潤滑剤が塗布されて、ボール32が転動する際の摩擦抵抗等が低減されている。
図2に示すように、ボールねじ機構30は、ラックシャフト12に複数のボール32を介して螺合する円筒状の回転体としてのナット31を備えている。ナット31は、円筒状の軸受34を介してハウジング16の内周面に対して回転可能に支持されている。ラックシャフト12の外周面には螺旋状のねじ溝12aが設けられている。ナット31の内周面には、ラックシャフト12のねじ溝12aに対応する螺旋状のねじ溝33が設けられている。ナット31のねじ溝33とラックシャフト12のねじ溝12aにより囲まれる螺旋状の空間は、ボール32が転動する転動路Rとして機能する。また、図示しないが、ナット31には転動路Rの2箇所に開口して、当該2箇所の開口を短絡する循環路が設けられている。したがって、ボール32は、ナット31内の循環路を介して転動路R内を無限循環することができる。なお、転動路Rには、例えば、グリース等の潤滑剤が塗布されて、ボール32が転動する際の摩擦抵抗等が低減されている。
減速機構40は、モータ20の回転軸21に一体的に取り付けられた駆動プーリ41、ナット31の外周に一体的に取り付けられた回転体としての従動プーリ42、及び駆動プーリ41と従動プーリ42との間に巻き掛けられたベルト43を備えている。第1ハウジング16aの内部空間には、モータ20の回転軸21と、回転軸21に取り付けられた駆動プーリ41と、ベルト43とが配置されている。ベルト43は、芯線を含むゴム製の歯付きベルトである。また、駆動プーリ41及び従動プーリ42は、歯付きプーリである。
ナット31の軸方向の一端部には、円環状のフランジ部35が設けられている。ナット31の外周面には、フランジ部35と軸方向に係合するように軸受34の内輪34aが嵌合されているとともに、この内輪34aに隣接して従動プーリ42が嵌合されている。例えば、軸受34は、複列アンギュラ玉軸受(一般的で汎用性のある軸受)である。ナット31におけるフランジ部35と反対側の端部の外周面には、雄ねじ部36が設けられている。雄ねじ部36に従動プーリ42が螺合されることで、従動プーリ42がナット31に対して固定されている。また、従動プーリ42とフランジ部35とにより軸受34の内輪34aが軸方向に挟み込まれることで、この内輪34aがナット31に対して固定されている。なお、ナット31におけるフランジ部35と反対側の端部は、従動プーリ42の第2ハウジング16b側の端部と比較して第2ハウジング16b側に突出している。また、軸受34の外輪34bの外周面は、第1ハウジング16aに対して軸方向に摺動可能に当接している。
また、ナット31の軸方向の両端部と対向する各ハウジング16a,16bの壁面には、ナット31の軸方向の端部の形状に沿って円板状の制動部材19が設けられている。例えば、制動部材19は、樹脂や金属等、複数の材料からなるブレーキパッドであり、各ハウジング16a,16bの壁面に対して樹脂等で接着(固着)されたり、当該壁面に埋設されたりして固定されている。なお、本実施形態において、各ハウジング16a,16bの壁面は固定側制動部位の一例であり、ナット31の軸方向の端部は回転側制動部位の一例である。
軸受34の軸方向の両側には、第1ハウジング側支持機構37と第2ハウジング側支持機構38とが設けられている。軸受34の一側面34cと第1ハウジング16aとの間には、第1ハウジング側支持機構37が設けられている。また、第2ハウジング16bには軸受34の他側面34dに向かって延びる延設部16fが設けられており、この延設部16fと軸受34の他側面34dとの間には、第2ハウジング側支持機構38が設けられている。各支持機構37,38は、軸受34の外輪34bを軸方向に弾性支持することで、間接的にナット31を軸方向に弾性支持している。
次に、各支持機構37,38の構造について詳しく説明する。なお、各支持機構37,38は同一構造からなるため、以下では、便宜上、第1ハウジング側支持機構37の構造についてのみ説明する。
図3に示すように、第1ハウジング側支持機構37は、第1の支持部としての第1支持部50と、第2の支持部としての第2支持部60とを備えている。第1支持部50及び第2支持部60は、ラックシャフト12の軸方向に沿って並べて配置され、第1支持部50が軸受34側に配置されているとともに、第2支持部60が第1ハウジング16a側に配置されている。
第1支持部50は、第1皿ばね51と第1プレート52とを有している。図3の拡大図にも示すように、第1皿ばね51は、軸受34に向かって拡径する円錐形状をなすリング状の金属部材である。第1プレート52は、ナット31の中心軸を通る平面での断面形状がL字をなすリング状の金属部材である。第1プレート52は、断面形状において、径方向に延びる長方形状である径方向延伸部53と、軸方向に延びて径方向延伸部53と比較して正方形状に近い長方形である軸方向延伸部54とを有している。
第1皿ばね51は、第1プレート52側に内縁部51aが突出し、軸受34の外輪34bの一側面34c側に内縁部51aと比較して大径である外縁部51bが突出するように配置されている。第1プレート52は、径方向延伸部53の先端が第1ハウジング16aの内周面に対して軸方向に摺動可能に当接するように配置されているとともに、軸方向延伸部54の内周面がナット31の外周面及び軸受34の内輪34aに対して離間するように配置されている。また、第1プレート52は、径方向延伸部53が第1ハウジング16aの内周面から軸受34の外輪34bの内周面付近まで延び、軸方向延伸部54の先端が軸受34の外輪34bの一側面34cに対向するように配置されている。
そして、第1皿ばね51及び第1プレート52は、軸方向延伸部54がその先端側から内縁部51aに嵌合されるようにして組み付けられている。第1皿ばね51及び第1プレート52を組み付けた第1支持部50では、径方向に延びている径方向延伸部53によって、第1皿ばね51の軸方向の移動が規制される。また、第1支持部50では、軸方向に延びている軸方向延伸部54によって、第1皿ばね51の径方向の位置ずれが規制され、第1皿ばね51が径方向に位置決めされている。
また、第2支持部60は、第2皿ばね61と第2プレート62とを有している。図3の拡大図にも示すように、第2皿ばね61は、第1プレート52に向かって拡径する円錐形状をなすリング状の金属部材である。第2皿ばね61は、ナット31の中心軸を通る平面での断面形状について、長手方向及び短手方向が第1皿ばね51と比較して大きく設定されている。第2皿ばね61には、第1皿ばね51と比較して大きい弾性係数を有する、すなわちラックシャフト12の軸方向に変位(変形)し難い皿ばねが採用される。第2プレート62は、ナット31の中心軸を通る平面での断面形状がL字をなすリング状の金属部材である。第2プレート62は、断面形状において、径方向に延びる長方形状である径方向延伸部63と、軸方向に延びて径方向延伸部63と比較して正方形状に近い長方形である軸方向延伸部64とを有している。径方向延伸部63は、径方向の長さが第1支持部50の径方向延伸部53と比較して大きく設定されている。軸方向延伸部64は、軸方向の長さが第1支持部50の軸方向延伸部54と比較して大きく設定されている。
第2皿ばね61は、第2プレート62側に内縁部61aが突出し、第1プレート52側に内縁部61aと比較して大径である外縁部61bが突出するように配置されている。第2プレート62は、第1ハウジング16aの内周面に対して軸方向に移動不能及び回転不能に嵌合されているとともに、軸方向延伸部64の内周面がナット31の外周面に対して離間するように配置されている。また、第2プレート62は、径方向延伸部63が第1プレート52の径方向延伸部53を超えて軸受34の内輪34aの一側面34cに至るまで延び、軸方向延伸部64の先端が軸受34の内輪34aの一側面34cに対向するように配置されている。すなわち、第2プレート62は、第1プレート52、すなわち第1支持部50をナット31側から覆うように配置されている。
そして、第2皿ばね61及び第2プレート62は、軸方向延伸部64がその先端側から内縁部61aに嵌合されるようにして組み付けられている。第2皿ばね61及び第2プレート62を組み付けた第2支持部60では、径方向に延びている径方向延伸部63によって、第2皿ばね61の軸方向の移動が規制される。また、第2支持部60では、軸方向に延びている軸方向延伸部64によって、第2皿ばね61の径方向の位置ずれが規制され、第2皿ばね61が径方向に位置決めされている。
また、図3や同図の拡大図に示すように、第1ハウジング側支持機構37において、第1支持部50では、第1皿ばね51の内縁部51aが第1プレート52の径方向延伸部53及び軸方向延伸部54に接触しているとともに、第1皿ばね51の外縁部51bが軸受34の外輪34bの一側面34cに接触している。また、第2支持部60では、第2皿ばね61の内縁部61aが第2プレート62の径方向延伸部63及び軸方向延伸部64に接触しているとともに、第2皿ばね61の外縁部61bが第1プレート52の径方向延伸部53に接触している。
これにより、第1ハウジング側支持機構37の各皿ばね51,61は、軸受34の外輪34bの一側面34cに対して弾性力FAを付与する。同様に、第2ハウジング側支持機構38の各皿ばね51,61は、軸受34の外輪34bの他側面34dに対し、第1ハウジング側支持機構37が付与する弾性力FAに対向する向きに弾性力FBを付与する。各支持機構37,38は、それぞれが付与する各弾性力FA,FBによって、軸受34の外輪34bをラックシャフト12の軸方向に弾性支持する。すなわち、各支持機構37,38は、それぞれが付与する各弾性力FA,FBによって、軸受34を介してナット31をラックシャフト12の軸方向に弾性支持する。
以下、各支持部50,60を構成するために考慮すべき仕様について説明する。なお、ここでも、便宜上、第1ハウジング側支持機構37の構造についてのみ説明する。
異なる弾性係数を有する各皿ばね51,61を直列に配置した第1ハウジング側支持機構37は、ラックシャフト12に作用する軸方向の荷重(kN)に対して、図4に示すような変位(mm)を生じる弾性特性を有している。第1皿ばね51の弾性係数を弾性係数K1、第2皿ばね61の弾性係数を弾性係数K2とする場合、弾性係数K2には、弾性係数K1と比較して大きい値が設定されている。図4の変位0(ゼロ)〜L1(mm)の領域では、第1皿ばね51の変位と第2皿ばね61の変位とが加算される。同領域の弾性係数K3は、直列ばねのばね定数の式に従い、K3=1/(1/(K1)+1/(K2))となる。
異なる弾性係数を有する各皿ばね51,61を直列に配置した第1ハウジング側支持機構37は、ラックシャフト12に作用する軸方向の荷重(kN)に対して、図4に示すような変位(mm)を生じる弾性特性を有している。第1皿ばね51の弾性係数を弾性係数K1、第2皿ばね61の弾性係数を弾性係数K2とする場合、弾性係数K2には、弾性係数K1と比較して大きい値が設定されている。図4の変位0(ゼロ)〜L1(mm)の領域では、第1皿ばね51の変位と第2皿ばね61の変位とが加算される。同領域の弾性係数K3は、直列ばねのばね定数の式に従い、K3=1/(1/(K1)+1/(K2))となる。
具体的に、弾性係数K3は、荷重F1以下の範囲で各皿ばね51,61のうち、主に第1皿ばね51が軸方向に延び縮みする変位(変形)が現れる値である。荷重F1以下の範囲は、車両の走行中にユーザーによる操舵入力に基づいてラックシャフト12に作用するとして経験的に求められる走行中荷重(アシスト機構3によるアシスト力を含む)の範囲であって、例えば、3kN以下の荷重である。この例では、走行中荷重の最大値である3kNが荷重F1、すなわち走行中最大荷重となる。
弾性係数K2は、荷重F1よりも大きい荷重F3以下の範囲で、各皿ばね51,61のうち、第2皿ばね61が軸方向に延び縮みする変位(変形)が現れる値である。荷重F1よりも大きく荷重F2以下の範囲は、車両の停止中にユーザーによる操舵入力に基づいてラックシャフト12に作用するとして経験的に求められる停止中荷重(アシスト機構3によるアシスト力を含む)の範囲であって、例えば、3kNよりも大きく14kN以下の荷重である。この例では、停止中荷重の最大値である14kNが荷重F2、すなわち停止中最大荷重となる。また、荷重F2を超える荷重F3よりも大きい範囲の荷重は、例えば、車両が縁石に乗り上げる等によって転舵輪15を介してラックシャフト12に作用するとして経験的に求められる逆入力の荷重であって、例えば、15kNよりも大きい範囲の荷重である。また、弾性係数K2は、荷重F3以下の範囲であれば停止中最大荷重である荷重F2よりも大きい荷重に対しても、第2皿ばね61が軸方向に延び縮み可能で弾性力を発揮することができるように設定されている。
図4において、第1ハウジング側支持機構37について荷重F1に対する軸方向の変位を変位量L1とする場合、荷重F1以下の範囲は、弾性係数K1を有する第1皿ばね51が主に伸び縮みする範囲となる。この第1皿ばね51が主に伸び縮みする範囲では、弾性係数K1を有する第1皿ばね51によって、車両の走行中におけるステアリング操作、すなわち走行中操作の操舵感が確保される。
また、荷重が荷重F1以上になると、第1プレート52が軸受34の外輪34bに当接し、第1皿ばね51はそれ以上変位しなくなる。したがって、荷重F1よりも大きく荷重F2以下の範囲は、弾性係数K2を有する第2皿ばね61が伸び縮みする範囲となる。第1ハウジング側支持機構37について荷重F2に対する軸方向の変位を変位量L2とする場合、この第2皿ばね61が伸び縮みする範囲では、弾性係数K2を有する第2皿ばね61によって、後述するナット31と制動部材19との隙間が保たれ、車両の停止中におけるステアリング操作、すなわち据切り操作が正常に実行される。
なお、各皿ばね51,61について荷重F2を超える荷重F3に対する軸方向の変位を変位量L3とする場合、荷重F3よりも大きい範囲は、後述するようにナット31と制動部材19とが接触するために、各皿ばね51,61がそれ以上変位できない、すなわち弾性支持の機能を果たすことのできない範囲となる。
そして、図3の拡大図に示すように、各皿ばね51,61の弾性特性をもとに、ラックシャフト12に荷重が作用していない場合である通常時の第1プレート52の軸方向延伸部54の先端と軸受34の外輪34bの一側面34cとの軸方向の隙間D1が設定されている。例えば、図4に示すように、各皿ばね51,61について走行中最大荷重である荷重F1での軸方向の変位が変位量L1である場合、通常時の隙間D1が変位量L1と等しくなるように設定され、この変位量L1を満足するように軸方向延伸部54の長さが設定されている。
同じく図3の拡大図に示すように、各皿ばね51,61の弾性特性をもとに、ラックシャフト12に荷重が作用していない場合である通常時の第2プレート62の軸方向延伸部64の先端と軸受34の内輪34aの一側面34cとの軸方向の隙間D2が設定されている。また、各皿ばね51,61の弾性特性をもとに、ラックシャフト12に荷重が作用していない場合における通常時のナット31におけるフランジ部35側の端部とこれと対向するように第1ハウジング16aの壁面に設けられている制動部材19との軸方向の隙間D3が設定されている。なお、第2ハウジング側支持機構38において、通常時の隙間D2は、第2プレート62の軸方向延伸部64の先端と軸受34の内輪34aの他側面34dとの軸方向の隙間のことである。また、第2ハウジング側支持機構38において、通常時の隙間D3は、ナット31におけるフランジ部35と反対側の端部とこれと対向するように第2ハウジング16bの壁面に設けられている制動部材19との軸方向の隙間のことである。例えば、図4に示すように、各皿ばね51,61について停止中最大荷重を超える荷重F3での軸方向の変位が変位量L3である場合、通常時の隙間D3が変位量L3と等しくなるように設定されている。この場合、通常時の隙間D2は、変位量L3、すなわち通常時の隙間D3と比較して大きく設定され、この関係を満足するように軸方向延伸部64の長さが設定されている。
より詳細に言えば、通常時の隙間D2と隙間D3とは、ナット31と制動部材19とが軸方向で接触した結果、各皿ばね51,61がそれ以上変位できなくなる一方、第2プレート62の軸方向延伸部64と軸受34とが軸方向で接触しない構成を実現するように設定されている。なお、通常時の隙間D1は、各皿ばね51,61がそれ以上変位できなくなると、第1プレート52の軸方向延伸部54と軸受34とが軸方向で接触する構成を実現するように設定されている。
以上に説明した本実施形態によれば、以下に示す作用及び効果を奏する。
(1)車両が縁石に乗り上げる等によって転舵輪15を介して、第1ハウジング側支持機構37を軸方向に圧縮する逆入力、且つ荷重F3よりも大きい逆入力がラックシャフト12に作用すると、ハウジング16に対してラックシャフト12が相対移動するとともに、これに伴ってナット31及び軸受34が一体となって軸方向に相対移動する。この場合、ナット31は、ラックシャフト12が移動する速度に応じた速さの回転を伴う。この回転は、減速機構40によってさらに増速されてモータ20の回転軸21に伝達される。
(1)車両が縁石に乗り上げる等によって転舵輪15を介して、第1ハウジング側支持機構37を軸方向に圧縮する逆入力、且つ荷重F3よりも大きい逆入力がラックシャフト12に作用すると、ハウジング16に対してラックシャフト12が相対移動するとともに、これに伴ってナット31及び軸受34が一体となって軸方向に相対移動する。この場合、ナット31は、ラックシャフト12が移動する速度に応じた速さの回転を伴う。この回転は、減速機構40によってさらに増速されてモータ20の回転軸21に伝達される。
この場合、図5に示すように、ナット31及び軸受34が第1ハウジング側支持機構37側に向かって移動し、第1支持部50の第1皿ばね51の外縁部51bが第1プレート52に向かって押圧されてまず第1皿ばね51が縮む。第1皿ばね51が縮み切ると、第1プレート52の軸方向延伸部54の先端が軸受34の外輪34bの一側面34cに接触し、軸方向延伸部54が支えとなって径方向延伸部53と外輪34bとの接近が規制される。
続いて、図6及び図3に示すように、ナット31及び軸受34が第1ハウジング側支持機構37側に向かってさらに移動し、第2支持部60の第2皿ばね61の外縁部61bが第2プレート62に向かって押圧されて第2皿ばねが縮む。第2皿ばね61が縮み切ると、第2プレート62の軸方向延伸部64の先端が軸受34の内輪34aの一側面34cに接触するよりも先に、ナット31が第1ハウジング16a、すなわち制動部材19に接触する。このように、ナット31が制動部材19に接触すると、ナット31と制動部材19との間に生じる摩擦力がナット31の回転を止めようとする制動力として作用するようになる。
本実施形態では、ラックシャフト12に荷重F3よりも大きい逆入力が作用する場合、ナット31に制動力が作用することから、当該逆入力によってラックシャフト12が移動する速度、ひいては当該逆入力につられて回転するナット31及びモータ20(回転軸21)の回転速度を減速することができるようになる。これにより、減速機構40の減速比が高い場合であっても、逆入力につられてモータ20が逆転してしまう場合の回転速度の増速を抑制することができる。したがって、ラックシャフト12に逆入力が作用し、逆転するモータ20によって、操舵ECU25のインバータ回路に印加される逆起電圧を低減することができる。そして、本実施形態では、ラックシャフト12に逆入力が作用することによって印加される逆起電圧から操舵ECU25のインバータ回路を保護する構成を有する必要がなくなる。
(2)本実施形態では、ラックシャフト12に荷重F3よりも大きい逆入力が作用する結果として端当てに至る場合であっても、その端当て時には制動力によってナット31の回転速度、すなわちラックシャフト12の移動速度を減速させることができる。これにより、ラックシャフト12に荷重F3よりも大きい逆入力が作用することに基づく端当て時、EPS1各部に生じる衝撃荷重を緩和することができ、EPS1の長寿命化を図ることができる。
(3)各支持部50,60の各皿ばね51,61には、互いに異なる弾性係数を設定するようにしている。すなわち、第1皿ばね51を有する第1支持部50によって、小さい操舵トルクが変換されてラックシャフト12に作用する比較的小さい荷重(例えば、荷重F1以下の荷重)に対して、ラックシャフト12の軸方向の変位を生み、操舵感を向上する。また、第2皿ばね61を有する第2支持部60によって、ラックシャフト12に作用する比較的小さい荷重よりも大きい荷重(例えば、荷重F1よりも大きく荷重F3以下の荷重)に対して、ナット31の軸方向の変位を生む。この荷重がさらに増大し(例えば、荷重F3よりも大きい荷重)、ナット31が大きく変位して制動部材19に接触する場合、ナット31には制動力が作用する。
一方、図6に示すように、逆入力が減少していくと、縮んでいた第2支持部60の第2皿ばね61が徐々に伸びる。続いて、第1支持部50の第1皿ばね51も徐々に伸びる。逆入力がゼロになると、各皿ばね51,61が軸受34の外輪34bの一側面34cに対して弾性力FAを付与する、逆入力印加前の状態に復帰することとなり、ナット31及び軸受34の位置が制動力を作用させる前の状態に戻される。その結果、各支持部50,60は、第2皿ばね61を有する第2支持部60が大きく縮む過大な荷重の逆入力がラックシャフト12に作用したとしても、軸受34を弾性支持する機能を復帰させることができる。したがって、EPS1の信頼性を向上させることができる。
(4)本実施形態では、ラックシャフト12に逆入力が作用する場合、第2支持部60の軸方向延伸部64と軸受34の内輪34aとが軸方向で接触するよりも先に、制動部材19とナット31とを接触させ、これにより生じる摩擦力をナット31に制動力として作用させる。この場合、逆入力がゼロである通常時の隙間D2については、通常時の隙間D3と比較して大きく設定するのみでよく、寸法管理が容易になる。したがって、各支持部50,60について汎用性の観点で有利である。
(5)小さい弾性係数K1は、走行中最大荷重である荷重F1がラックシャフト12に作用する範囲で軸受34(ナット31)を弾性支持可能に設定されている。また、大きい弾性係数K2は、走行中最大荷重よりも大きい停止中最大荷重である荷重F2がラックシャフト12に作用する範囲で軸受34(ナット31)を弾性支持可能に設定されている。そして、逆入力としては、停止中最大荷重よりも大きい範囲の荷重F3よりもさらに大きい荷重が想定されている。
すなわち、各支持部50,60のうち、第1皿ばね51を有する第1支持部50によって、車両の走行中におけるステアリング操作の操舵感を確保することができる。また、各支持部50,60のうち、第2皿ばね61を有する第2支持部60によって、車両の停止中におけるステアリング操作の操舵機能を確保することができる。したがって、ラックシャフト12に作用する過大な逆入力につられて逆転してしまうモータ20の回転速度を抑制する機能と、上記の操舵感及び操舵機能とを両立でき、EPS1の商品性の向上を図ることができる。
(第2実施形態)
次に、ステアリング装置の第2実施形態について説明する。なお、既に説明した実施形態と同一構成などは、同一の符号を付すなどして、その重複する説明を省略する。
次に、ステアリング装置の第2実施形態について説明する。なお、既に説明した実施形態と同一構成などは、同一の符号を付すなどして、その重複する説明を省略する。
本実施形態において、図7に示すように、ナット31の軸方向の両端部と対向する各ハウジング16a,16bの壁面には、第1実施形態では設けられていた制動部材19が設けられていない。そのため、各支持部50,60を構成するために考慮すべき仕様として、隙間D3の替わりに、ラックシャフト12に荷重が作用していない場合における通常時のナット31の軸方向の端部とこれと対向するハウジング16の壁面との軸方向の隙間D4を設定している(図8)。
具体的に、図8及び同図の拡大図に示すように、各皿ばね51,61の弾性特性をもとに、ラックシャフト12に荷重が作用していない場合である通常時のナット31におけるフランジ部35側の端部とこれと対向する第1ハウジング16aの壁面との軸方向の隙間D4が設定されている。なお、第2ハウジング側支持機構38において、通常時の隙間D4は、ナット31におけるフランジ部35と反対側の端部とこれと対向する第2ハウジング16bの壁面との軸方向の隙間のことである。
例えば、図4に示したように、各皿ばね51,61について停止中最大荷重を超える荷重F3での軸方向の変位が変位量L3である場合、通常時の隙間D2が変位量L3と等しくなるように設定されている。この場合、通常時の隙間D4は、変位量L3、すなわち通常時の隙間D2と比較して大きく設定され、この関係を満足するように軸方向延伸部64の長さが設定されている。
本実施形態において、通常時の隙間D2と隙間D4とは、荷重F3により各皿ばね51,61が縮み、第2プレート62の軸方向延伸部64と軸受34とが軸方向で接触する場合に、ナット31とハウジング16とが軸方向で接触しない構成を実現するように設定されている。すなわち、逆入力が荷重F3以上になった場合、上記第1実施形態ではナット31と制動部材19とを軸方向で接触させていたが、本実施形態ではこれを変更して第2プレート62の軸方向延伸部64と軸受34の内輪34aとを軸方向で接触させるように構成している。なお、本実施形態において、軸方向延伸部64を有する第2プレート62の軸方向延伸部64は固定側制動部位の一例であり、軸受34の内輪34a(両側面34c,34d)は回転側制動部位の一例である。
以上に説明した本実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)〜(3)及び(5)の作用及び効果に加えて、以下の作用及び効果を得ることができる。
(6)図9に示すように、車両が縁石に乗り上げる等によって転舵輪15を介して、第1ハウジング側支持機構37を軸方向に圧縮する逆入力、且つ荷重F3よりも大きい逆入力がラックシャフト12に作用する場合、ナット31及び軸受34が第1ハウジング側支持機構37側に向かって移動する。この場合、第1支持部50の第1皿ばね51の外縁部51bが第1プレート52に向かって押圧されてまず第1皿ばね51が縮む。第1皿ばね51が縮み切ると、第1プレート52の軸方向延伸部54の先端が軸受34の外輪34bの一側面34cに接触し、軸方向延伸部54が支えとなって径方向延伸部53と外輪34bとの接近が規制される。
(6)図9に示すように、車両が縁石に乗り上げる等によって転舵輪15を介して、第1ハウジング側支持機構37を軸方向に圧縮する逆入力、且つ荷重F3よりも大きい逆入力がラックシャフト12に作用する場合、ナット31及び軸受34が第1ハウジング側支持機構37側に向かって移動する。この場合、第1支持部50の第1皿ばね51の外縁部51bが第1プレート52に向かって押圧されてまず第1皿ばね51が縮む。第1皿ばね51が縮み切ると、第1プレート52の軸方向延伸部54の先端が軸受34の外輪34bの一側面34cに接触し、軸方向延伸部54が支えとなって径方向延伸部53と外輪34bとの接近が規制される。
続いて、図10及び図8に示すように、ナット31及び軸受34が第1ハウジング側支持機構37側に向かってさらに移動し、第2支持部60の第2皿ばね61の外縁部61bが第2プレート62に向かって押圧されて第2皿ばねが縮む。第2皿ばね61が縮み切ると、ナット31が第1ハウジング16aに接触するよりも先に、第2プレート62の軸方向延伸部64の先端が軸受34の内輪34aの一側面34cに接触する。このように、第2プレート62の軸方向延伸部64の先端が軸受34の内輪34aの一側面34cに接触すると、第2プレート62の軸方向延伸部64と軸受34の内輪34aとの間に生じる摩擦力がナット31の回転を止めようとする制動力として作用するようになる。なお、第2プレート62の径方向延伸部63とこれと接触している第1ハウジング16aとの間に生じる摩擦力もナット31の回転を止めようとする制動力として作用している。
この場合、ナット31の軸方向の両端部と対向する各ハウジング16a,16bの壁面には、第1実施形態では設けられていた制動部材19等、何も設ける必要がなくなる。したがって、ハウジング16について汎用性の観点で有利である。
なお、各実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・各弾性係数K1,K2の値は、ステアリング装置の仕様等に合わせて変更してもよく、各皿ばね51,61のステアリング装置における機能についても変更してもよい。なお、各弾性係数K1,K2の変更の際、通常時の各隙間D1〜D4についても合わせて変更すればよい。例えば、車両が縁石に乗り上げる等による逆入力の荷重について、当該逆入力の一部を第2皿ばね61の変位によって吸収可能にすることもできる。この例の場合、逆入力の一部を第2皿ばね61の変位によって吸収する範囲については、各支持部50,60の他、第2皿ばね61よりも大きい弾性係数を設定した第3皿ばねを有する第3支持部(3段以上の支持部)を設けて対応することもできる。
・各弾性係数K1,K2の値は、ステアリング装置の仕様等に合わせて変更してもよく、各皿ばね51,61のステアリング装置における機能についても変更してもよい。なお、各弾性係数K1,K2の変更の際、通常時の各隙間D1〜D4についても合わせて変更すればよい。例えば、車両が縁石に乗り上げる等による逆入力の荷重について、当該逆入力の一部を第2皿ばね61の変位によって吸収可能にすることもできる。この例の場合、逆入力の一部を第2皿ばね61の変位によって吸収する範囲については、各支持部50,60の他、第2皿ばね61よりも大きい弾性係数を設定した第3皿ばねを有する第3支持部(3段以上の支持部)を設けて対応することもできる。
・軸受34は、複列アンギュラ玉軸受であったが、これに限らずその他の軸受を用いてもよい。
・第1実施形態では、ナット31と一体回転する、軸受34(内輪34a)や従動プーリ42と制動部材19とを接触させることによって、ナット31に制動力を間接的に作用させるようにしてもよい。例えば、ナット31におけるフランジ部35と反対側では、ナット31と制動部材19とを接触させる替わりに、従動プーリ42と制動部材19とを接触させるように構成してもよい。この場合、従動プーリ42の第2ハウジング16b側の端部は、ナット31におけるフランジ部35と反対側の端部と比較して第2ハウジング16b側に突出するように構成すればよい。その他、第1実施形態では、制動部材19を設けないで、各ハウジング16a,16bの壁面とナット31の軸方向の端部とを直接的に接触させるようにしてもよい。
・第1実施形態では、ナット31と一体回転する、軸受34(内輪34a)や従動プーリ42と制動部材19とを接触させることによって、ナット31に制動力を間接的に作用させるようにしてもよい。例えば、ナット31におけるフランジ部35と反対側では、ナット31と制動部材19とを接触させる替わりに、従動プーリ42と制動部材19とを接触させるように構成してもよい。この場合、従動プーリ42の第2ハウジング16b側の端部は、ナット31におけるフランジ部35と反対側の端部と比較して第2ハウジング16b側に突出するように構成すればよい。その他、第1実施形態では、制動部材19を設けないで、各ハウジング16a,16bの壁面とナット31の軸方向の端部とを直接的に接触させるようにしてもよい。
・第1実施形態において、制動部材19は、ナット31に制動力を発生することができればよく、ナット31の軸方向の端部の形状に沿って非連続的に設けるようにしてもよい。
・第1実施形態では、各ハウジング16a,16bの壁面に替えてナット31の軸方向の両端部に制動部材19を設けるようにしてもよいし、各ハウジング16a,16bの壁面及びナット31の軸方向の両端部のいずれにも制動部材19を設けるようにしてもよい。
・各実施形態では、各支持部50,60をそれぞれ皿ばねとプレートとを組み付けた組付体としたが、一体的に製造される一体品であってもよい。
・各実施形態では、各支持部50,60が同種の部品から構成されていなくてもよい。例えば、第1支持部50には、第1皿ばね51の替わりにゴムを採用してもよい。
・各実施形態では、各支持部50,60が同種の部品から構成されていなくてもよい。例えば、第1支持部50には、第1皿ばね51の替わりにゴムを採用してもよい。
・各実施形態において、逆入力によるモータ20の逆転という課題を解決するためには、第2支持部60に相当する構成を少なくとも有していればよく、第1支持部50については省略してもよい。
・各実施形態では、第1支持部50(第1皿ばね51)や第2支持部60(第2皿ばね61)を2段階に分割して3段又は4段以上の支持部を含むように構成してもよい。
・各実施形態では、軸方向の配置に関して、第1支持部50を各ハウジング16a,16b側に配置し、第2支持部60を軸受34側に配置するようにしてもよい。この場合、第2プレート62は、軸方向延伸部64の先端と軸受34の内輪34aとの軸方向の間に隙間D2を有するとともに、第1ハウジング16aの内周面に対して軸方向に摺動可能に当接するように配置されていればよい。また、各プレート52,62についてはそのままに各皿ばね51,61の弾性係数のみ入れ替えて設定するようにしてもよい。
・各実施形態では、軸方向の配置に関して、第1支持部50を各ハウジング16a,16b側に配置し、第2支持部60を軸受34側に配置するようにしてもよい。この場合、第2プレート62は、軸方向延伸部64の先端と軸受34の内輪34aとの軸方向の間に隙間D2を有するとともに、第1ハウジング16aの内周面に対して軸方向に摺動可能に当接するように配置されていればよい。また、各プレート52,62についてはそのままに各皿ばね51,61の弾性係数のみ入れ替えて設定するようにしてもよい。
・各実施形態は、EPS1に具体化したが、これに限られない。例えば、ステアバイワイヤ(SBW)方式のステアリング装置に適用してもよい。また、ステアバイワイヤ方式に限らず、後輪操舵装置や4輪操舵装置(4WS)に具体化してもよい。なお、ステアバイワイヤ方式に具体化する場合、ラックを有するラックシャフト12に限らず、ラックを有さないシャフトを転舵軸として採用してもよい。この場合、例えば、ボールねじ機構30を用いることにより、転舵軸としての上記シャフトに転舵力を付与する。
1…EPS(電動パワーステアリング装置)、12…ラックシャフト、12a…ねじ溝、15…転舵輪、16(16a,16b)…ハウジング(第1ハウジング、第2ハウジング)、19…制動部材、20…モータ、30…ボールねじ機構、31…ナット、32…ボール、33…ねじ溝、34(34a,34b)…軸受(内輪、外輪)、37…第1ハウジング側支持機構、38…第2ハウジング側支持機構、50…第1支持部、51…第1皿ばね、52…第1プレート、54…軸方向延伸部、60…第2支持部、61…第2皿ばね、62…第2プレート、64…軸方向延伸部、D1〜D4…隙間、F1〜F3…荷重、K1,K2…弾性係数。
Claims (7)
- 軸方向に往復移動することによって転舵輪を転舵させる転舵軸と、
前記転舵軸の外周面に形成されたねじ溝に複数のボールを介して螺合された回転体を有し、当該回転体の回転に基づき前記転舵軸に軸方向の力を付与するボールねじ機構と、
前記回転体にトルクを付与するモータと、
前記モータと前記転舵軸と前記ボールねじ機構とを収容し、前記転舵軸の軸方向に沿って延びるハウジングと、
前記ハウジングに固定されてなり、前記ハウジングに対して前記回転体を回転可能に支持する軸受と、
前記ハウジングに対して前記回転体が前記転舵軸の軸方向に相対移動した際に前記軸受を前記転舵軸の軸方向に弾性支持する支持部と、
前記ハウジングと一体的に設けられる固定側制動部位と、
前記軸受又は前記回転体の少なくとも一方に一体的に設けられる回転側制動部位と、を備え、
前記固定側制動部位と前記回転側制動部位とは、前記転舵輪を介して前記転舵軸に入力される逆入力が当該転舵軸に作用する場合に互いに接触することによって前記回転体に制動力を作用させるように構成されているステアリング装置。 - 前記支持部は、互いに異なる弾性係数が設定されている第1の支持部及び第2の支持部を少なくとも含むものである請求項1に記載のステアリング装置。
- 前記固定側制動部位及び前記回転側制動部位の少なくとも一方は、前記制動力を発生する制動部材を一体的に固定したものである請求項1又は請求項2に記載のステアリング装置。
- 前記支持部は、互いに異なる弾性係数が設定されている第1の支持部及び第2の支持部を少なくとも含むものであり、それぞれに前記回転体を前記転舵軸の軸方向に弾性支持する皿ばねと、前記転舵軸の径方向における前記皿ばねの移動を規制する軸方向延伸部を有するプレートと、を有し、
前記制動部材は、前記回転体に対して前記転舵軸の軸方向で対向する前記ハウジングの壁面に設けられ、
前記第1の支持部及び前記第2の支持部のそれぞれの皿ばねには、異なる弾性係数が設定されており、
前記第1の支持部及び前記第2の支持部のうち、弾性係数が大きい皿ばねを有する支持部について、前記転舵軸に荷重が作用していない場合である通常時の前記軸方向延伸部と前記軸受との前記転舵軸の軸方向の隙間は、前記通常時の前記制動部材と前記回転体との隙間と比較して大きく設定されている請求項3に記載のステアリング装置。 - 前記支持部は、前記回転体を前記転舵軸の軸方向に弾性支持する皿ばねと、前記転舵軸の径方向における前記皿ばねの移動を規制する軸方向延伸部を有するプレートと、を有し、
前記第1の支持部及び前記第2の支持部のそれぞれの皿ばねには、異なる弾性係数が設定されており、
前記第1の支持部及び前記第2の支持部のうち、弾性係数が大きい皿ばねを有する支持部は、前記ハウジングに対して一体的に設けられているとともに、その軸方向延伸部が前記固定側制動部位として機能し、前記転舵軸に荷重が作用していない場合である通常時の前記軸方向延伸部と前記軸受との前記転舵軸の軸方向の隙間は、前記通常時の前記回転体と当該回転体に対して前記転舵軸の軸方向で対向する前記ハウジングの壁面との隙間と比較して小さく設定されている請求項2に記載のステアリング装置。 - 前記支持部は、互いに異なる弾性係数が設定されている第1の支持部及び第2の支持部を少なくとも含むものであり、前記第1の支持部及び前記第2の支持部のうち、小さい弾性係数は車両の走行中にユーザーによる操舵入力に基づく走行中最大荷重が前記転舵軸に作用する範囲で前記軸受を弾性支持可能に設定されているとともに、大きい弾性係数は車両の停止中にユーザーによる操舵入力に基づく停止中最大荷重であって、前記走行中最大荷重よりも大きい停止中最大荷重が前記転舵軸に作用する範囲で前記軸受を弾性支持可能に設定されており、
前記逆入力は、前記停止中最大荷重よりも大きい範囲の荷重である請求項2〜請求項5のうちいずれか一項に記載のステアリング装置。 - 前記回転体は、前記転舵軸のねじ溝に複数のボールを介して螺合されたナットである請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載のステアリング装置。
Priority Applications (1)
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JP2016025090A JP2017141001A (ja) | 2016-02-12 | 2016-02-12 | ステアリング装置 |
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JP2016025090A JP2017141001A (ja) | 2016-02-12 | 2016-02-12 | ステアリング装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019051827A (ja) * | 2017-09-15 | 2019-04-04 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | パワーステアリング装置 |
-
2016
- 2016-02-12 JP JP2016025090A patent/JP2017141001A/ja active Pending
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