JP5953757B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ラック軸と同軸的に回転する円筒体を備えた電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、この種の電動パワーステアリング装置としては、運転者によるステアリングホイールの操作に連動してラック軸がその軸方向に往復動することにより車両の操舵輪の舵角、すなわち車両の進行方向が変更されるようになっている。
電動パワーステアリング装置には、ラック軸にモータからのアシスト力が付与されるものがある。このような装置において、内部にラック軸が挿通されるとともに、内周にねじ溝が形成されたボールねじナットが配設されており、モータの駆動により回転する。また、円筒体としてのボールねじナットにおけるねじ溝と、ラック軸の外周に形成されたねじ溝との間に形成される転動路に複数個のボールが配置される。そして、モータの駆動に伴う回転運動がボールねじナット及び複数個のボールを介してラック軸の軸方向への直線運動に変換される。
ところで、電動パワーステアリング装置には、ハウジングとボールねじナットとの間に軸受が配設されており、ボールねじナットをハウジングに保持する。また、ボールねじナットの軸方向に対して軸受を移動可能(微動可能)なように弾性支持する弾性支持機構が配設されたものが知られており(特許文献1参照)、ボールねじナットの軸方向の振動を抑制することにより歯打ち音の低減を行うとともに、ステアリングホイールの切り始めにおける操舵感を向上させることが図られている。
具体的には、図6に示すように、弾性支持機構90においては、弾性体としての環状ゴム体91と、保持体としての環状ストッパ92とが一対となって配設されており、軸受93を弾性支持する。環状ゴム体91は、軸受93の外輪94の端面94aとハウジング95の内側端面95aとの間に環状ストッパ92を介して挟持され、軸受93の外輪94をハウジング95に対して弾性支持している。
また、環状ストッパ92は、L字形状であり、軸受93の外輪94の端面94aと、環状ゴム体91の端面91aとに挟持されるとともに、ハウジング95の内周面95bと、環状ゴム体91の外周面91bとの間に延伸するように形成されている。環状ゴム体91が軸方向に所定荷重で圧縮されていない場合には、環状ストッパ92がハウジング95の内側端面95aに当接せずに、それらの間に隙間が形成される。その一方で、環状ゴム体91が軸方向に所定荷重で圧縮されると、環状ストッパ92がハウジング95の内側端面95aに当接し、環状ゴム体91に対する過渡な圧縮を防止することができる。
欧州特許第2049383号明細書
しかしながら、このような電動パワーステアリング装置においては、環状ゴム体91の外周面91bには、環状ストッパ92が配設されているものの、例えば環状ゴム体91の圧縮等に伴って環状ゴム体91が径方向の内側に滑ってしまい、その結果、圧縮に応じて環状ゴム体91が変形せずに、運転者の操舵感を損ねるおそれがあった。
そこで、本発明は、ラック軸と同軸的に回転する円筒体を支持する弾性体を適切に配設することにより、運転者の操舵感の低下を抑制することができる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ハウジングと、前記ハウジング内に収納されて、内周に第1ねじ溝が形成された第1ねじ部を有する円筒体と、前記円筒体と同軸的に前記円筒体内に挿通され、外周に第2ねじ溝が形成された第2ねじ部を有するラック軸と、前記第1ねじ溝及び前記第2ねじ溝により構成される転動路に配置される複数個のボールと、前記ハウジングの内周面と前記円筒体の外周面との間に配設されて、前記円筒体を前記ハウジングに対して径方向に支持する軸受と、前記軸受の軸方向に設けられる前記ハウジングの内側端面と前記軸受の外輪との間に配設されて、前記円筒体を前記ハウジングに対して軸方向に移動可能に支持する樹脂製の環状の弾性体と、前記円筒体を回転させるモータと、を備えた電動パワーステアリング装置において、前記円筒体の軸方向への移動を所定範囲までに規制するとともに、前記弾性体の径方向の内側への移動を規制する保持体を備え、前記保持体は、前記弾性体の径方向の内側に配設され、前記弾性体の径方向の内側への移動を規制する規制部を有し、前記ハウジングの内側端面は、前記軸受の外輪との間に前記弾性体が配置される第1内側端面と、前記第1内側端面よりも径方向の内側で、かつ、前記軸受の外輪に対して遠くに形成される第2内側端面とを有し、前記第1内側端面と前記第2内側端面との間に、前記規制部の外周面と摺動することで前記保持体を軸方向に移動させる内周面が形成された段差部を有することを要旨とする。
上記構成によれば、弾性体は、ラック軸と同軸的に回転する円筒体を、軸受を介して軸方向に移動可能に支持する。保持体は、軸受や円筒体の軸方向への移動を所定範囲までに規制するとともに、弾性体の径方向の内側に外れないように弾性体の径方向の内側への移動を規制する。このため、弾性体を適切に配置することにより、運転者の操舵感の低下を抑制することができる。
上記構成によれば、弾性体の径方向の内側に配設され、弾性体の径方向の内側への移動を規制する規制部の外周面が、ハウジングの内側端面における段差部の内周面と摺動することで、保持体を軸方向に移動させる。このため、保持体とハウジングの内側端面との間における弾性体の噛み込みを防止することができる。したがって、弾性体を適切に配置することにより、運転者の操舵感の低下を抑制することができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の電動パワーステアリング装置において、前記ハウジングの内周面には、前記弾性体に対向する凹形状の逃げ部が形成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、弾性体と対向する凹形状の逃げ部が形成されている。このため、弾性体を逃げ部に円滑に逃がすことができる。
請求項に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の電動パワーステアリング装置において、前記保持体は、前記軸受の外輪と前記弾性体との間に配設される環状の被挟持部を有し、前記規制部は、前記被挟持部から軸方向に向かって延伸する円筒形状であることを要旨とする。
上記構成によれば、保持体は、軸受の外輪と弾性体との間に配設される環状の被挟持部を有し、規制部は、被挟持部から軸方向に向かって延伸する円筒形状である。このため、保持体は、被挟持部と規制部とにより環状の弾性体を容易に保持することができ、ハウジングに対して弾性体と保持体とを容易に組み付けすることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1〜請求項の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、前記モータのモータ軸は、前記ラック軸の回転軸線と平行に配置されることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項1〜請求項の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、前記モータのモータ軸は、前記ラック軸の回転軸線上に配置されることを要旨とする。
本発明によれば、ラック軸と同軸的に回転する円筒体を支持する弾性体を適切に配設することにより、運転者の操舵感の低下を抑制することができる。
第1実施形態における電動パワーステアリング装置を説明する模式図。 第1実施形態におけるボールねじ機構を示す断面図。 第1実施形態における弾性支持機構を示す断面図。 (a)は、第2実施形態における弾性支持機構を説明する模式図、(b)は、第3実施形態における弾性支持機構を説明する模式図。 別の実施形態における電動パワーステアリング装置を説明する模式図。 従来における弾性支持機構を説明する断面図。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図3を参照して説明する。
図1に示すように、車両の操舵装置としての電動パワーステアリング装置10は、モータ11の駆動によって回転するモータ軸MZの回転軸線P1が出力部材としてのラック軸12の回転軸線P2とほぼ平行となるようにモータ11を設置するラックパラレル型の装置である。こうした電動パワーステアリング装置10には、ステアリング13が固定されたステアリングシャフト14が設けられている。このステアリングシャフト14は、ラックアンドピニオン機構15を介してラック軸12と連結されている。そして、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト14の回転は、ラックアンドピニオン機構15によりラック軸12の往復直線運動に変換される。
本実施形態のステアリングシャフト14は、コラムシャフト14a、インターミディエイトシャフト14b及びピニオンシャフト14cを連結してなる。そして、このステアリングシャフト14の回転に伴うラック軸12の往復直線運動がラック軸12の両端に連結されたタイロッド16を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪17の舵角、即ち車両の進行方向が変更される。
また、電動パワーステアリング装置10は、ラック軸12が挿通されるハウジング18を備えており、該ハウジング18にはモータ11が取り付けられている。こうしたハウジング18内には、ハウジング18外に配置されたモータ11からの駆動力を、ラック軸12に伝達するための減速機構20及び変換機構としてのボールねじ機構21などが収容されている。
このモータ11は、ラック軸12の移動に応じて駆動する。つまり、モータ11は、ステアリングシャフト14の回転に応じて駆動することとなる。このため、モータ11は、ステアリング13の操作が開始された直後では駆動せずに、例えば高速走行時において舵角が小さい場合には特に駆動しない。
本実施形態における減速機構20としては、モータ11のモータ軸MZに固定されて一体として回転する駆動プーリ22と、ラック軸12の回転軸線P2を中心に回転可能な従動プーリ24と、両プーリ22,24に掛装される無端状のベルト23とを備えている。駆動プーリ22は、モータ軸MZと共に、モータ11の駆動に基づき回転する。従動プーリ24には、ベルト23を介して駆動プーリ22からの回転が伝達される。従動プーリ24は、ボールねじ機構21に螺合され、伝達された回転により一体として回転する。
ここで、本実施形態におけるボールねじ機構21について図2を参照して以下に説明する。
図2に示すように、ボールねじ機構21は、従動プーリ24と一体回転可能に構成されたスリーブ状のボールねじナット31と、回転軸線P2を中心とする径方向においてボールねじナット31とラック軸12との間に配置される複数のボール32とを有している。なお、本実施形態において、回転軸線P2に沿った方向を単に「軸方向」と示す。
ボールねじナット31は、その内周にねじ溝31aが螺刻されている。また、ラック軸12は、その外周にねじ溝12aが螺刻されている。複数のボール32は、ラック軸12の外周に形成されたねじ溝12aと、ボールねじナット31の内周に形成されたねじ溝31aとの間に形成される転動路に配置される。
このように、ボールねじ機構21は、ラック軸12がボールねじナット31内に挿通されるボール32を介してボールねじナット31と螺合することにより形成されている。つまり、ボールねじナット31内にはラック軸12が同軸的に挿通され、複数個のボール32を介してボールねじナット31の回転がアシスト力としてラック軸12に伝達される。
なお、本実施形態において、従動プーリ24及びボールねじナット31が円筒体に相当する。また、本実施形態では、第1ねじ溝としてのねじ溝31aが形成された部分が第1ねじ部に相当し、第2ねじ溝としてのねじ溝12aが形成された部分が第2ねじ部に相当する。
また、ボールねじナット31は、軸受40を介して、ハウジング18に回転自在な状態で支持されている。軸受40は、内輪41と、外輪42と、内輪41及び外輪42の間に介在する球状の転動体43とを含むボール軸受である。
軸受40の内輪41は、その内周面41aにおいてボールねじナット31と当接する。また、軸受40の内輪41は、軸方向に対する一端面41bにおいて従動プーリ24と当接する一方で、他端面41cにおいてナット33と当接する。ナット33は、ボールねじナット31の外周に螺合される。このように、軸受40の内輪41は、その内周面41aでボールねじナット31を回転可能に支持する。
また、軸受40の外輪42は、その外周面42aにおいてハウジング18の内周面18aと当接する。なお、本実施形態においては、ハウジング18の内周面18aには、外輪42の外周面42aと対面するように溝部18bが形成されており、その溝部18bにOリングO1,O2が配設されている。このように、ハウジング18の溝部18bと外輪42の外周面42aとの間にOリングO1,O2が挟持される。
また、軸受40の外輪42は、軸方向に対する両端面42b,42cのそれぞれにおいて弾性支持機構50と当接する。この弾性支持機構50は、樹脂製で環状の保持体51と、ゴム製で環状の弾性体52とから構成されており、軸受40の外輪42を軸方向に対して変位可能なように弾性支持する。なお、軸受40の外輪42は、転動体43を介して軸受40の内輪41と一体に設けられており、軸受40の内輪41は、ボールねじナット31と一体に固定されている。つまり、弾性支持機構50は、軸受40を介して、ボールねじナット31や従動プーリ24を軸方向に対して変位可能なように支持することとなる。
また、軸受40の外輪42の端面42b側において、弾性支持機構50における弾性体52とハウジング18との間には、環状の被挟持部材36が配設される。この被挟持部材36は、弾性体52の全周を軸方向から当接し、弾性体52の端面の全周に対面するように配設されている。ハウジング18の内周面18aには、ベルト23を挿通するための図示しない開口が形成されている。ハウジング18に形成された開口が弾性体52に対面するように配設されるが、そのハウジング18と弾性体52との間に被挟持部材36が挟持されることによって、弾性体52を軸方向に対して均一に保持することができる。なお、本実施形態において、この被挟持部材36も、請求項中におけるハウジングに相当する。
また、本実施形態において、被挟持部材36、保持体51は、ボールねじナット31や従動プーリ24の外径よりも大きい内径である。このため、ハウジング18に対してボールねじナット31や従動プーリ24を組み込んだ後であっても、被挟持部材36、保持体51及び弾性体52を容易に組み込むことができる。
ここで、本実施形態における弾性支持機構50について図3を参照して以下に説明する。なお、軸受40の外輪42における端面42cに当接する弾性支持機構50と、端面42bに当接する弾性支持機構50とは同一形状である。このため、軸受40の外輪42における端面42cに当接する弾性支持機構50ついて主に説明し、端面42bに当接する弾性支持機構50ついての説明を省略する。
保持体51は、ハウジング18の内径よりもやや小さい外径である。このため、図3に示すように、保持体51の外周面51aは、ハウジング18の内周面18aに沿って当接するように配設される。
また、保持体51には、軸受40の外輪42側に当接面51bを有する環状の被挟持部51cが形成されている。この当接面51bは、軸受40の外輪42の端面42cと同じように平面形状である。このため、当接面51bは、軸受40の外輪42の端面42cと当接し、軸受40の外輪42を保持する。このように、被挟持部51cは、軸受40の外輪42と弾性体52とに挟持される。
保持体51には、被挟持部51cからハウジング18の内側端面18c側に延びる環状(円筒形状)の規制部51dが形成されている。なお、本実施形態において、この規制部51dは、保持体51の全周に形成されている。この規制部51dは、その外周面51eで弾性体52の内周面52cと当接する。このように、規制部51dは、弾性体52の径方向の内側に配設されることによって、弾性体52の径方向の内側への移動を規制することとなる。
ハウジング18の内側端面18cには、環状に段差部18dが形成されている。この段差部18dは、軸受40の外輪42における端面42cに対面するように全周に形成されている。また、内側端面18cは、第1内側端面18eと第2内側端面18fとから構成されている。
第2内側端面18fは、弾性体52が当接する第1内側端面18eと平行であり、その第1内側端面18eよりも、径方向の内側で、かつ、軸受40の外輪42に対して遠くに形成されている。段差部18dの内周面18gは、軸方向に沿って形成されており、保持体51の規制部51dの外周面51eと当接する。
このように、ハウジング18における内周面18a及び第1内側端面18eと、被挟持部51cと規制部51dとにより囲まれた空間が、弾性体52を収納する収納部53となる。この収納部53は、保持体51の径方向の外側に設けられ、弾性体52の径方向の内側に連通されていない。このため、どの箇所からも弾性体52が径方向の内側に移動することはない。
ハウジング18の内周面18aには、弾性体52に対向するように凹形状である逃げ部18hが形成されており、弾性体52の外周面52dとの間に隙間54が形成される。この逃げ部18hは、弾性体52が軸方向に圧縮された場合に、その弾性体52を隙間54に逃がして変形させるために形成されている。逃げ部18hは、ハウジング18の内周面18aの全周に形成されている。
また、本実施形態において、逃げ部18hには、その軸受40の外輪42側に径方向に対して傾斜するように面取部18iが形成されている。このように面取部18iが形成されることで、逃げ部18hにおける隙間54に弾性体52を逃がすように変形させ易く、その後においては、変形された弾性体52が収納部53に戻るように変形させ易くなっている。その一方で、逃げ部18hのハウジング18の第1内側端面18e側には面取部が形成されていない。このように空間を有効に利用することによって、逃げ部18hにおける隙間54の容量を確保することができる。
また、弾性体52が収納部53に収納された状態で、弾性体52が軸方向に所定荷重で圧縮されていない場合には、弾性体52の一端面52aが保持体51の被挟持部51cと当接し、弾性体52の他端面52bが第1内側端面18eと当接する。そして、保持体51の規制部51dにおける端面51fと、段差部18dにおける第2内側端面18fとの間に隙間55が形成される。
その一方で、収納部53に弾性体52が収納された状態で、弾性体52が軸方向に所定荷重で圧縮された場合には、弾性体52が逃げ部18hに逃げるように径方向の外側に変形する。また、保持体51は、被挟持部51cにおける外周面51aでハウジング18の内周面18aと摺動するとともに、規制部51dにおける外周面51eで段差部18dにおける内周面18gと摺動し、軸方向に移動する。そして、保持体51は、その規制部51dにおける端面51fで段差部18dにおける第2内側端面18fに当接し、それらの間に隙間55が形成されない。このように、規制部51dは、その端面51fで第2内側端面18fと当接することによって、軸受40の外輪42の軸方向への移動を所定範囲までに規制するとともに、弾性体52に対する過度な圧縮を抑制することができる。
なお、本実施形態において、規制部51dの端面51fが第2内側端面18fに当接するまでの距離d1は、保持体51の被挟持部51cにおける外周面51aが逃げ部18hの面取部18iに対面するまでの距離d2よりもやや短くなるように形成されている。つまり、保持体51が軸方向に移動しても、規制部51dの端面51fが第2内側端面18fに当接することによって、被挟持部51cの外周面51aが逃げ部18hに対面することはない。
また、規制部51dの外周面51eは、段差部18dの内周面18gに当接し、段差部18dの内周面18gとの間に隙間が形成されない。また、規制部51dの端面51fは、第1内側端面18eよりも、第2内側端面18f側に配設される。このため、保持体51が軸方向に移動し、弾性体52が軸方向に圧縮された場合であっても、弾性体52は、ハウジング18の第1内側端面18eと、軸受40の外輪42の端面42cと、保持体51の規制部51dにおける外周面51eとに囲まれるように保持される。したがって、弾性体52は、規制部51dの外周面51eと段差部18dの内周面18gとの間や、規制部51dの端面51fと第1内側端面18eとの間で噛み込まれることがない。
弾性体52は、弾性を有する部材であり、軸受40の外輪42を軸方向に変位可能にするための部材である。弾性体52は、一端面52aで軸受40の外輪42の端面42cに当接する一方で、他端面52bで第1内側端面18eに当接することで、軸受40の外輪42の端面42cと第1内側端面18eとの間に挟持される。
また、弾性体52は、その内周面52cで保持体51の規制部51dの外周面51eと当接することによって、径方向の内側への変形が規制される。その一方で、弾性体52は、その外周面52d側に逃げ部18hが形成されているため、軸方向に圧縮される場合に、逃げ部18hに逃げるように変形することとなる。また、本実施形態において、保持体51と弾性体52とは接着剤により接着されず、保持体51と弾性体52とが一体に配設される。
(実施形態の作用)
ここで、上述したように構成された電動パワーステアリング装置10の作用について説明する。
まず、電動パワーステアリング装置10において、モータ11のモータ軸MZには、駆動プーリ22が固定されている。各プーリ22,24には、ベルト23が掛装されている。従動プーリ24は、ボールねじナット31に螺合されている。ボールねじナット31は、軸受40の内輪41の内周面41aによりハウジング18に対して支持されている。
軸受40の内輪41は、その一端面41bで従動プーリ24に当接し、他端面41cでナット33と当接することで、ボールねじナット31及び従動プーリ24と共に回転可能に配設される。軸受40の外輪42は、その外周面42aがハウジング18の内周面18aに当接するとともに、その両端面42b,42cで弾性支持機構50により弾性支持されている。
弾性支持機構50において、保持体51とハウジング18により形成された収納部53に弾性体52が収納されている。具体的には、弾性体52の一端面52aは、保持体51の被挟持部51cと当接する。弾性体52の他端面52bは、第1内側端面18eと当接する。弾性体52の内周面52cは、規制部51dの外周面51eに当接する。弾性体52は、その外周面52dで逃げ部18hに対面し、それらの間には隙間55が形成されている。保持体51の外周面51aは、ハウジング18の内周面18aに当接する。また、規制部51dの外周面51eは、段差部18dの内周面18gに当接する。
このように、弾性体52は、保持体51を介して軸受40の外輪42の端面42b,42cを弾性支持する。なお、弾性体52が軸方向に所定荷重で圧縮されていない場合、規制部51dの端面51fは第2内側端面18fに当接していない。
運転者によりステアリング13が操作されると、その回転運動がステアリングシャフト14を介して、ラックアンドピニオン機構15に伝達され、更にはラック軸12の往復直線運動が行われることとなる。
このようにステアリング13の操作が開始されたばかりの所謂切り始めのタイミングでは、モータ11が駆動していない。このため、ラック軸12のアシスト力が付加されない状態で、運転者によるステアリング13の操作によりラック軸12が往復直線運動することとなる。
そして、ラック軸12の往復直線運動が行われる場合、ラック軸12の外周に形成されたねじ溝12aに配置される複数個のボール32との間に摩擦が生じる。そして、それに伴って、複数個のボール32とボールねじナット31との間、ボールねじナット31と軸受40との間、軸受40と弾性支持機構50との間にそれぞれ摩擦が生じる。
弾性支持機構50には、ラック軸12が往復直線運動を行う軸方向に対する力が軸受40の外輪42から伝達される。弾性支持機構50では、軸受40の外輪42と当接する保持体51を介して、往復直線運動を行う軸方向に対する力が弾性体52に伝達される。そして、ハウジング18の第1内側端面18eに当接する弾性体52が軸方向に圧縮されることで変形し、保持体51が軸方向に移動する。
このように保持体51が軸方向に移動することによって、主として軸受40、ボールねじナット31及び複数個のボール32が、ラック軸12が往復直線運動を行う軸方向に移動する。このため、ステアリング13の切り始めのタイミングでは、ラック軸12の往復直線運動に応じた摩擦力を低減させることによって運転者の操舵感を向上させるととともに、歯打ち音を抑制することができる。
また、弾性体52は、軸方向に圧縮される場合であっても、径方向の内側において規制部51dの外周面51eと当接されているため、弾性体52の径方向の内側に外れることを抑制している。
また、弾性体52は、軸方向に圧縮される場合であっても、径方向の外側に形成された逃げ部18hの隙間55に逃げるように変形可能である。特に、逃げ部18hには面取部18iが形成されているため、弾性体52を円滑に変形させることができる。
また、保持体51は、その外周面51aでハウジング18の内周面18aと当接し、規制部51dの外周面51eで段差部18dの内周面18gと当接している。このため、保持体51は、ハウジング18の内周面18a、段差部18dの内周面18g(軸方向)に沿って円滑に移動することができる。
また、保持体51は、その規制部51dの外周面51eで段差部18dの内周面18gと当接し、その間に隙間がない。このため、保持体51は、軸方向に移動する場合であっても、ハウジング18との間で弾性体52を挟むことがない。
また、保持体51における規制部51dの端面51fは、弾性体52が軸方向に所定荷重で圧縮されていない場合には、第2内側端面18fに当接しないが、弾性体52が軸方向に所定荷重で圧縮される場合には、第2内側端面18fに当接する。このため、保持体51は、軸受40やボールねじナット31や従動プーリ24などの軸方向に対する移動を規制することとなる。これにより、弾性体52に対して大きな荷重が掛かることを防止している。
このように、ラック軸12の往復直線運動が開始されると、モータ11の駆動によりモータ軸MZが、ラック軸12の往復直線運動をアシストする方向に回転する。モータ軸MZが回転すると、駆動プーリ22が回転し、ベルト23を介して従動プーリ24が回転する。従動プーリ24が回転するとボールねじナット31が回転し、複数個のボール32を介してラック軸12の往復直線運動にアシスト力が付加される。
(実施形態の効果)
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)弾性体52は、ラック軸12と同軸的に回転するボールねじナット31及び従動プーリ24(円筒体)を、軸受40を介して軸方向に移動可能に支持する。保持体51は、軸受40やボールねじナット31及び従動プーリ24の軸方向への移動を所定範囲までに規制するとともに、弾性体52の径方向の内側に外れないように弾性体52の径方向の内側への移動を規制する。このため、弾性体52を適切に配置することにより、運転者の操舵感の低下を抑制することができる。
(2)弾性体52の径方向の内側に配設され、弾性体52の径方向の内側への移動を規制する規制部51dの外周面51eが、段差部18dの内周面18gと摺動することで、保持体51を軸方向に移動させる。このため、保持体51とハウジング18の第1内側端面18eとの間における弾性体52の噛み込みを防止することができる。したがって、弾性体52を適切に配置することにより、運転者の操舵感の低下を抑制することができる。
(3)弾性体52と対向する凹形状の逃げ部18hが形成されている。このため、弾性体52を逃げ部18hに円滑に逃がすことができる。特に、逃げ部18hの軸受40の外輪42側には、面取部18iが形成されている。このため、逃げ部18hに逃げるように変形した弾性体52が、元々配置されていた収納部53に戻り易くなる。
(4)保持体51は、軸受40の外輪42と弾性体52との間に配設される環状の被挟持部51cを有し、規制部51dは、被挟持部51cから軸方向に向かって延伸する円筒形状である。このため、保持体51は、被挟持部51cと規制部51dとにより環状の弾性体52を容易に保持することができ、ハウジング18に対して弾性体52と保持体51とを容易に組み付けすることができる。
(5)弾性体52の径方向の内側への移動を規制する機能と、保持体51の軸方向への移動を規制する機能とを一体的に保持体51の規制部51dに集約することによって、保持体51や弾性体52の配設に伴い、空間を有効に使うことができる。
(6)保持体51は、その外周面51aがハウジング18の内周面18aに当接し、かつ、規制部51dの外周面51eが段差部18dの内周面18gに当接するように組み付けられることによって、保持体51の安定化を図ることができる。しかも、保持体51が軸方向に移動し易くなり、ボールねじナット31及び従動プーリ24や、軸受40を円滑に軸方向に移動させることができる。
(7)保持体51は、ボールねじナット31や従動プーリ24の外径よりも大きい内径である。このため、ハウジング18に対してボールねじナット31や従動プーリ24を組み込んだ後であっても、保持体51や弾性体52を容易に組み込むことができる。
(8)弾性体52は、保持体51に接着剤で接着することがなく、弾性体52の径方向の内側に外れないように構成している。このため。接着剤による弾性体の硬化を防止することができる。また、接着する工程を省略することができ、組み付け時における工程数を相対的に減少させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態について以下に説明する。なお、以下の説明では、既に説明した第1実施形態と同一構成及について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
第1実施形態では、図3に示すように、保持体51と弾性体52とを相互に係合させる構成ではなかった。これに対して、第2実施形態では、図4(a)に示すように、弾性支持機構60において保持体51と弾性体52との間に相互に係合する係合部が形成されてもよい。なお、軸受40の外輪42における端面42cに当接する弾性支持機構60について主に説明し、同一形状である端面42bに当接する弾性支持機構60ついての説明を省略する。
具体的には、保持体61における規制部61dの外周面61eの全周には凹部61gが形成される。また、弾性体62における内周面62cの全周には凸部62eが形成される。弾性体62の凸部62eが保持体61の凹部61gに係合することによって、保持体61と弾性体62とが一体に構成することができる。このため、保持体61に対する弾性体62の位置決めを容易とすることができるとともに、保持体61と弾性体62を一体化した後に、ハウジング18に組み付けることができ、容易かつより確実に組み立てることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第3の実施形態について以下に説明する。なお、以下の説明では、既に説明した第1実施形態と同一構成及について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
第1実施形態では、図3に示すように、弾性体52の径方向の内側に配設された保持体51の規制部51dが、軸方向への移動を規制した。これに対して、第3実施形態では、図4(b)に示すように、弾性支持機構63において、弾性体52の径方向の外側に配設された部材が、軸方向への移動を規制する。なお、軸受40の外輪42における端面42cに当接する弾性支持機構63について主に説明し、同一形状である端面42bに当接する弾性支持機構63ついての説明を省略する。
具体的には、保持体64において、径方向の内側に第1規制部64dが、径方向の外側に第2規制部64hが、それぞれ被挟持部64cから形成されている。これら規制部64d,64hは、保持体64の全周に形成されている。
第1規制部64dは、第1実施形態における規制部51dと同じように、弾性体52の径方向の内側への移動を規制する。その一方で、第2規制部64hは、弾性体52等の軸方向への移動を規制する。
第2規制部64hの端面64iと第1内側端面18eとの間、第1規制部64dの端面64fと第2内側端面18fとの間には、それぞれ隙間65,66が形成されている。また、第2規制部64hの端面64iと第1内側端面18eとの距離d4は、第1規制部64dの端面64fと第2内側端面18fとの距離d3よりも短くなるように構成されている。このため、保持体64において、第2規制部64hが、弾性体52等の軸方向への移動を規制することとなる。
また、第1規制部64dには、弾性体52に対面するように凹形状の逃げ部64jが形成され、第2規制部64hには、弾性体52に対面するように凹形状の逃げ部64kが形成される。また、これら逃げ部64j,64kは、ハウジング18の内側端面18c側ではなく、軸受40の外輪42側に形成されている。これにより、弾性体52は、軸方向に圧縮された場合、隙間67,68等に逃げるように変形する。
これにより、径方向の内側及び外側に弾性体52を逃がすことができる。しかも、環状の弾性体52が逃げにくい径方向の外側よりも、環状の弾性体52が逃げやすい径方向の内側に逃すことができ、弾性体52を逃げ部64j,64kに円滑に逃がすことができる。また、弾性体52を軸受40側に逃がし易くすることで、ハウジング18の内側端面18c側に逃がし難くすることができ、ハウジング18の内側端面18cと、第2規制部64hの端面64iとの間に、弾性体62が挟まることを抑制することができる。
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・第1実施形態において、保持体51における規制部51dを、保持体51の全周に形成したが、これに限らず、例えば、少なくとも何れかが全周ではなくその一部に形成されていてもよい。また、全周の一部のみに連設されていてもよく、所定間隔毎に形成されていてもよい。
・第2実施形態において、保持体61に凸部が、弾性体62に凹部がそれぞれ形成されてもよい。また、保持体61の被挟持部61cと弾性体62の一端面62aとに、相互に係合する係合部が形成されてもよい。また、これら凸部及び凹部は、保持体61や弾性体62の全周に形成しなくても、全周のうちの一部に形成されていてもよい。また、全周の一部のみに連設されていてもよく、所定間隔毎に形成されていてもよい。
・第3実施形態において、第1規制部64d、第2規制部64h、逃げ部64j,64kの少なくとも何れかは、保持体64の全周に形成しなくても、全周のうちの一部に形成されていてもよい。また、全周の一部のみに連設されていてもよく、所定間隔毎に形成されていてもよい。
・上記実施形態において、保持体51における被挟持部51cを、保持体51の全周に形成したが、これに限らず、例えば、少なくとも何れかが全周ではなくその一部に形成されていてもよい。また、全周の一部のみに連設されていてもよく、所定間隔毎に形成されていてもよい。また、保持体51自体が環状でなくても問題ない。
・上記実施形態において、保持体51と弾性体52とが接着剤等で接着されないようにしたが、これに限らず、例えば、保持体51と弾性体52とが接着剤等で接着されていても問題ない。このように、接着剤を用いた場合であっても、経年変化に伴い保持体と弾性体との接着が剥がれてしまうおそれがあったが、上記実施形態のように構成することによって、接着が剥がれた場合であっても、弾性体の脱落を抑制することができる。
・上記実施形態において、ボールねじナット31の内周の全域にねじ溝31aが形成されたが、これに限らず、例えば、ボールねじナット31の内周の一部の領域にねじ溝が形成されてもよい。また、上記実施形態において、ラック軸12の外周の一部の領域にねじ溝12aが形成されたが、これに限らず、例えば、ラック軸12の外周の全域にねじ溝が形成されてもよい。
・上記実施形態において、減速機構20として、両プーリ22,24に掛装されるベルト23とを備えたが、これに限らず、ベルトを備えなくてもよい。この場合、ベルト23の替わりに中間プーリを設けてもよい。
・上記実施形態において、ラック同軸型の電動パワーステアリング装置に本発明を採用してもよい。具体的には、ラック同軸型の電動パワーステアリング装置では、図5に示すように、モータ70(ステータ71)の駆動によって回転するモータ軸(ロータ)72が配設されており、そのモータ軸72の回転軸線がラック軸12の回転軸線P2と同軸上になるようにモータ軸72が配設される。また、モータ軸72は、ボールねじナット31の外周に螺合される。これによって、モータ70の回転が、モータ軸72を介してボールねじナット31に伝達することとなる。なお、この場合、ボールねじナット31及びモータ軸72が円筒体に相当する。また、ボールねじナット31自体を軸受で摺動可能に軸支しても、モータ軸72自体を軸受で摺動可能に軸支してもよい。
・上記実施形態において、ハウジング18の内側端面18cと、軸受40の外輪42の端面42cとの間に弾性体52が配設されたが、これに限らず、例えば、ハウジング18以外であっても、軸受40の外輪42の端面42cやハウジング18と一体的に配設される部材との間に弾性体52が配設されてもよい。つまり、弾性体を軸受の外輪の端面に保持するための部材や、ラック同軸型の電動パワーステアリング装置におけるセンターナットのような部材も請求項中におけるハウジングに含まれることとなる。
・上記実施形態において、軸受40は、転動体としてころを採用したころ軸受であってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ) 前記電動パワーステアリング装置において、前記保持体は、接着剤を用いずに前記弾性体を保持することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
(ロ) 前記電動パワーステアリング装置において、前記保持体及び前記弾性体には、相互に対面する位置に係合部が形成され、前記係合部により係合することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
(ハ) 前記電動パワーステアリング装置において、前記規制部は、前記ハウジングの内側端面に向かって延伸し、前記軸受の外輪が軸方向に移動していない場合には、前記ハウジングの内側端面との間に間隙が形成されることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
(ニ) 前記電動パワーステアリング装置において、前記規制部は、前記段差部が形成された前記ハウジングの内側端面に当接することで、前記円筒体の軸方向への移動を所定範囲までに規制することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
(ホ) 前記電動パワーステアリング装置において、前記逃げ部には、前記軸受の前記外輪側に、径方向に対して傾斜する面取部が形成されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
d1〜d4・・・距離、MZ,72・・・モータ軸、O1,O2・・・Oリング、P1,P2・・・回転軸線、10・・・電動パワーステアリング装置、11,70・・・モータ、12・・・ラック軸、12a・・・ねじ溝、13・・・ステアリング、14・・・ステアリングシャフト、14a・・・コラムシャフト、14b・・・インターミディエイトシャフト、14c・・・ピニオンシャフト、15・・・ラックアンドピニオン機構、16・・・タイロッド、17・・・転舵輪、18,95・・・ハウジング、18a,18g,41a,52c,62c,95b・・・内周面、18b・・・溝部、18c,95a・・・内側端面、18d・・・段差部、18e・・・第1内側端面、18f・・・第2内側端面、18h,64j,64k・・・逃げ部、18i・・・面取部、20・・・減速機構、21・・・ボールねじ機構、22・・・駆動プーリ、23・・・ベルト、24・・・従動プーリ、31・・・ボールねじナット、31a・・・ねじ溝、32・・・ボール、33・・・ナット、36・・・被挟持部材、40,93・・・軸受、41・・・内輪、41b,52a,62a・・・一端面、41c,52b・・・他端面、42,94・・・外輪、42a,51a,51e,52d,61e,91b・・・外周面、42b,42c,51f,64f,64i,91a,94a・・・端面、43・・・転動体、50,60,63,90・・・弾性支持機構、51,61,64・・・保持体、51b・・・当接面、51c,61c,64c・・・被挟持部、51d,61d・・・規制部、52,62・・・弾性体、53・・・収納部、54,55,65〜68・・・隙間、61g・・・凹部、62e・・・凸部、64d・・・第1規制部、64h・・・第2規制部、91・・・環状ゴム体、92・・・環状ストッパ。

Claims (5)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジング内に収納されて、内周に第1ねじ溝が形成された第1ねじ部を有する円筒体と、
    前記円筒体と同軸的に前記円筒体内に挿通され、外周に第2ねじ溝が形成された第2ねじ部を有するラック軸と、
    前記第1ねじ溝及び前記第2ねじ溝により構成される転動路に配置される複数個のボールと、
    前記ハウジングの内周面と前記円筒体の外周面との間に配設されて、前記円筒体を前記ハウジングに対して径方向に支持する軸受と、
    前記軸受の軸方向に設けられる前記ハウジングの内側端面と前記軸受の外輪との間に配設されて、前記円筒体を前記ハウジングに対して軸方向に移動可能に支持する樹脂製の環状の弾性体と、
    前記円筒体を回転させるモータと、を備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記円筒体の軸方向への移動を所定範囲までに規制するとともに、前記弾性体の径方向の内側への移動を規制する保持体を備え
    前記保持体は、前記弾性体の径方向の内側に配設され、前記弾性体の径方向の内側への移動を規制する規制部を有し、
    前記ハウジングの内側端面は、前記軸受の外輪との間に前記弾性体が配置される第1内側端面と、前記第1内側端面よりも径方向の内側で、かつ、前記軸受の外輪に対して遠くに形成される第2内側端面とを有し、
    前記第1内側端面と前記第2内側端面との間に、前記規制部の外周面と摺動することで前記保持体を軸方向に移動させる内周面が形成された段差部を有することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記ハウジングの内周面には、前記弾性体に対向する凹形状の逃げ部が形成されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記保持体は、前記軸受の外輪と前記弾性体との間に配設される環状の被挟持部を有し、
    前記規制部は、前記被挟持部から軸方向に向かって延伸する円筒形状であることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項1〜請求項のうち何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記モータのモータ軸は、前記ラック軸の回転軸線と平行に配置されることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 請求項1〜請求項のうち何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記モータのモータ軸は、前記ラック軸の回転軸線上に配置されることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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