JP2015054609A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者がロードインフォメーションを適切に取得できるとともに異音の発生を抑制でき、さらに耐久性に優れた電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】EPSは、転がり軸受56を介してボール螺子ナット46を軸方向両側から弾性的に支持する第1金属バネ71と、ボール螺子ナット46が軸方向移動して第1金属バネ71の圧縮量が増加したときに非圧縮状態から圧縮状態となる第2金属バネ72とを備える。第2金属バネ72のバネ定数は、第1金属バネ71のバネ定数よりも高く設定される。さらに、第2金属バネ72には、ゴムや樹脂等の弾性材料からなるダンパ74が設けられる。
【選択図】図3

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
従来、車両用のパワーステアリング装置として、モータを駆動源とする操舵力補助装置を備えた電動パワーステアリング装置(EPS)が広く知られている。こうした操舵力補助装置には、モータの回転をボール螺子機構により転舵軸の軸方向移動に変換することで操舵機構にアシスト力を付与する形式もの(例えば、特許文献1)や、モータの回転をウォーム減速機により減速してステアリングシャフトに伝達することで操舵機構にアシスト力を付与する形式のもの(例えば、特許文献2)等がある。
ところで、車両走行時において、転舵輪には路面状態等に応じた振動が生じ、この振動に応じた逆入力が操舵機構を介してステアリングホイールに回転振動として伝達される。よって、運転者は、ステアリングホイールを把持している手に伝わる回転振動に基づいて路面状態等のロードインフォメーションを取得することが可能になる。ここで、逆入力がステアリングホイールに伝達されるまでには、該逆入力によって転舵軸を軸方向移動させるとともにステアリングシャフトを回転させる必要があり、さらに転舵軸の軸方向移動及びステアリングシャフトの回転に伴ってモータを回転させる必要がある。そのため、EPSでは、逆入力が小さいと、ステアリングホイールまで伝達され難くなり、運転者がロードインフォメーションを適切に取得できなくなる虞がある。
そこで、モータの駆動より回転する回転部材(例えばボール螺子ナットやウォーム軸)を軸受を介して軸方向両側から弾性的に支持することで、モータを回転させなくても、回転部材の軸方向移動によって転舵軸の軸方向移動及びステアリングシャフトの回転を可能とし、逆入力をステアリングホイールに伝達し易くすることが考えられる。そして、逆入力を精度良くステアリングホイールに伝達するためには、回転部材を弾性的に支持する部材が、変形後に速やかに元の形状に戻ることが要求されるため、該部材を金属バネとすることが好ましい。また、小さな逆入力でも回転部材が容易に軸方向移動できるように、金属バネのバネ定数はなるべく低くすることが好ましい。しかし、このような金属バネを用いた場合、回転部材や軸受等の軸方向移動に係る運動エネルギーが金属バネによって十分に吸収されず、例えば軸受が停止する際に金属バネ等との間で異音が発生し易くなる。
この点を踏まえ、特許文献3には、図6に示すように、ボール螺子ナット101を軸方向に弾性的に支持する金属バネ102を変形させるのに必要な力が、ボール螺子ナット101の軸方向移動に応じて非線形的に変化するように構成したEPSが開示されている。具体的には、ボール螺子ナット101を回転可能に支持する軸受103の軸方向両側には、押圧部材104、金属バネ102、支持台105がこの順でそれぞれ設けられている。押圧部材104、金属バネ102及び支持台105は、それぞれ円環状に形成されており、金属バネ102及び支持台105の内径は、互いに略等しく形成されるとともに押圧部材104の内径よりも小さく形成されている。支持台105の内周縁には、軸方向に突出する凸部105aが形成されており、この凸部105aに金属バネ102が固定されている。
したがって、金属バネ102は、図7(a)に示す状態からボール螺子ナット101(軸受103)が軸方向移動すると、同図(b)に示すように、支持台105の凸部105aを支点として折れ曲がる。続いて、金属バネ102は、図7(c)に示すように、押圧部材104との接触部分が支持台105に押し付けられて平坦な形状となるように変形する。ここで、図7(b)に示すように金属バネ102を折り曲げる場合には小さな力でよいため、移動開始時にボール螺子ナット101を微小な力で円滑に軸方向移動させることができ、逆入力を精度良くステアリングホイールに伝達することが可能になる。一方、図7(c)に示すように金属バネ102を変形させる場合には大きな力が必要となるため、金属バネ102が変形することによってボール螺子ナット101や軸受103等の軸方向移動に係る運動エネルギーを十分に吸収でき、異音の発生を抑制できる。
特開2012−25246号公報 特許第3915610号公報 独国特許出願公開第102010038715号明細書
ところが、上記特許文献3の構成では、図7(b)に示す状態から同図(c)に示す状態に金属バネ102が変形する際には、該金属バネ102の外周縁を支持台105に接触させたままその内周側の部分が平坦な形状となるように無理な変形をさせており、例えば金属バネ102を支持する支持台105の凸部105aに大きな荷重が作用する虞がある。その結果、支持台105が損傷し易く、例えば耐久性が低いという問題があった。
なお、こうした問題は、ボール螺子ナットを軸方向に弾性的に支持する場合に限らず、例えばウォーム軸等の他の回転部材を軸方向に弾性的に支持する場合にも、同様に生じ得る。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、運転者がロードインフォメーションを適切に取得できるとともに異音の発生を抑制でき、さらに耐久性に優れた電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記課題を解決する電動パワーステアリング装置は、モータを駆動源として操舵機構にアシスト力を付与する操舵力補助装置を備えたものにおいて、前記操舵力補助装置は、前記モータの駆動により回転する回転部材と、前記回転部材を回転可能に支持する軸受と、前記軸受と、該軸受と軸方向において対向する対向部材との間に設けられ、該軸受を介して前記回転部材を該回転部材の軸方向両側から弾性的に支持する第1金属バネと、前記回転部材が軸方向移動して前記第1金属バネの圧縮量が増加したときに、非圧縮状態から圧縮状態となる第2金属バネとを備えたことを要旨とする。
上記構成によれば、回転部材を弾性的に支持する第1金属バネのバネ定数を低く設定することで、移動開始時に回転部材を微小な力で円滑に軸方向移動させることができ、ロードインフォメーションを適切に伝達することが可能になる。一方、第1金属バネのバネ定数を低く設定すると、該第1金属バネによって回転部材や軸受等の軸方向移動に係る運動エネルギーをあまり吸収できなくなる。この点、上記構成では、回転部材が軸方向移動して第1金属バネの圧縮量が大きくなると、第2金属バネが圧縮されるようになるため、回転部材等の軸方向移動に係る運動エネルギーが第1及び第2金属バネの両方によって吸収されるようになる。これにより、回転部材等の軸方向移動に係る運動エネルギーを十分に吸収して、異音の発生を抑制できる。このように上記構成では、複数の金属バネを用いるため、例えば第1及び第2金属バネや対向部材等に無理な力が加わり難く、耐久性を高めることができる。
上記電動パワーステアリング装置において、前記第2金属バネのバネ定数は、前記第1金属バネのバネ定数よりも高いことが好ましい。
上記構成によれば、第2金属バネによって効果的に回転部材等の軸方向移動に係る運動エネルギーを吸収できる。
上記電動パワーステアリング装置において、前記第1及び第2金属バネの少なくとも一方には、非金属の弾性材料からなるダンパが設けられることが好ましい。
上記構成によれば、ダンパによって軸受が停止する際の衝撃を緩和でき、異音の発生をより抑制できる。
上記電動パワーステアリング装置において、前記操舵力補助装置は、前記モータの回転をボール螺子機構により転舵軸の軸方向移動に変換することで前記操舵機構にアシスト力を付与するものであり、前記回転部材は、前記ボール螺子機構を構成するボール螺子ナットであることが好ましい。
上記電動パワーステアリング装置において、前記操舵力補助装置は、前記モータの回転をウォーム減速機により減速してステアリングシャフトに伝達することで前記操舵機構にアシスト力を付与するものであり、前記回転部材は、前記ウォーム減速機を構成するウォーム軸であることが好ましい。
本発明によれば、運転者がロードインフォメーションを適切に取得できるとともに異音の発生を抑制でき、さらに耐久性を高くすることができる。
第1実施形態の電動パワーステアリング装置の概略構成図。 第1実施形態の操舵力補助装置近傍の断面図。 第1実施形態の転がり軸受近傍の拡大断面図。 (a),(b)は第1及び第2金属バネの変形態様を示す説明図。 第2実施形態の操舵力補助装置近傍の断面図。 従来の転がり軸受近傍の断面図。 (a)〜(c)は従来の金属バネの変形態様を示す説明図。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置(EPS)1は、ステアリングホイール2が固定されるステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3の回転に応じて軸方向に往復動する転舵軸としてのラック軸4とを有する操舵機構5を備えている。また、EPS1は、ラック軸4が往復動可能に挿通されるラックハウジング6を備えている。なお、ステアリングシャフト3は、ステアリングホイール2側から順にコラム軸7、中間軸8、及びピニオン軸9を連結することにより構成されている。
ラックハウジング6は、円筒状に形成された第1ハウジング11と、円筒状に形成されるとともに第1ハウジング11の軸方向一端側(図1中、左側)に固定された第2ハウジング12とを備えている。ラック軸4とピニオン軸9とは、第1ハウジング11内に所定の交叉角をもって配置されており、ラック軸4に形成されたラック歯4aとピニオン軸9に形成されたピニオン歯9aとが噛合されることでラックアンドピニオン機構13が構成されている。また、ラック軸4の両端には、タイロッド14が連結されており、タイロッド14の先端は、転舵輪15が組み付けられた図示しないナックルに連結されている。したがって、EPS1では、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転がラックアンドピニオン機構13によりラック軸4の軸方向移動に変換され、この軸方向移動がタイロッド14を介してナックルに伝達されることにより、転舵輪15の転舵角、すなわち車両の進行方向が変更される。
また、EPS1は、モータ16を駆動源として操舵機構5にアシスト力を付与する操舵力補助装置17を備えている。本実施形態の操舵力補助装置17では、モータ16はラック軸4と平行となるように配置されている。そして、操舵力補助装置17は、モータ16の回転を伝達機構18を介してボール螺子機構19に伝達し、ボール螺子機構19においてラック軸4の往復動に変換することで操舵機構5にアシスト力を付与する。つまり、本実施形態のEPS1は、所謂ラックパラレル型の電動パワーステアリング装置として構成されている。
詳しくは、図2に示すように、第1ハウジング11は、円筒状の第1筒状部21と、第1筒状部21の第2ハウジング12側(図2中、左側)の端部に形成された第1収容部22とを有している。第1収容部22は、第1筒状部21よりも大径の筒状に形成されるとともに、第1収容部22には、その周壁の一部をモータ16が配置された側(図2中、下側)に膨出した形状の膨出部23が形成されている。膨出部23の底部には、ラック軸4の軸方向に貫通した挿入孔24が形成されている。そして、膨出部23の外底面には、モータ16がボルト25によって固定されるとともに、モータ16の回転軸16aが挿入孔24を介して膨出部23内に挿入されている。
第2ハウジング12は、円筒状の第2筒状部31と、第2筒状部31の第1ハウジング11側(図2中、右側)の端部に形成された第2収容部32とを有している。第2収容部32は、第2筒状部31よりも大径の円筒状に形成されるとともに、第2収容部32には、モータ16側に延出されて膨出部23を覆う板状のカバー部33が形成されている。
伝達機構18は、膨出部23内に収容されるとともにモータ16の回転軸16aと一体回転可能に連結された駆動プーリ41と、第1収容部22内に回転可能に収容されるとともにラック軸4の外周に配置された従動プーリ42と、これら駆動プーリ41及び従動プーリ42に巻き掛けられたベルト43とを備えている。なお、ベルト43は、ゴム等の弾性材料により構成されている。ボール螺子機構19は、従動プーリ42と一体回転可能に設けられた回転部材としてのボール螺子ナット46を備えており、ボール螺子ナット46をラック軸4に対して複数のボール47を介して螺合させることにより構成されている。
より詳しくは、駆動プーリ41は、円筒状に形成されている。そして、駆動プーリ41は、モータ16の回転軸16aと同軸上に配置されるように該回転軸16aの外周に一体回転可能に固定されている。
従動プーリ42は、円筒状に形成されており、ベルト43が巻き掛けられる巻掛部51、及び巻掛部51から第2ハウジング12側に延出された延出部52を有している。また、従動プーリ42の第1ハウジング11側の端部には、その内径が第2ハウジング12側の部分よりも大きくされた拡径部53が形成されている。
ボール螺子ナット46は、円筒状に形成されており、その第1ハウジング11側の端部には、径方向外側に延出された円環状のフランジ部54が形成されている。なお、フランジ部54の外径は、拡径部53の内径と略等しく設定されている。一方、ボール螺子ナット46の第2ハウジング12側の端部には、雄ネジ部55が形成されている。
ボール螺子ナット46の外周には、フランジ部54が拡径部53内に挿入されるように従動プーリ42が嵌合されるとともに、延出部52に隣接するように軸受としての転がり軸受56が嵌合されている。そして、雄ネジ部55にロックナット57が螺着され、従動プーリ42及び転がり軸受56が該ロックナット57とフランジ部54との間に挟み込まれることで、従動プーリ42及び転がり軸受56の内輪がボール螺子ナット46と一体回転可能に固定されている。
ボール螺子ナット46の外周に設けられた転がり軸受56は、第2ハウジング12の第2収容部32内においてラック軸4と同軸上に配置されるとともに、軸方向移動可能に収容されている。これにより、従動プーリ42及びボール螺子ナット46は、ラックハウジング6内でラック軸4と同軸上で回転可能に収容されている。そして、転がり軸受56の軸方向両側には、後述する第1及び第2金属バネ71,72及びスペーサ73がそれぞれ設けられており、ボール螺子ナット46は、転がり軸受56を介して軸方向両側から弾性的に支持されている。
また、ボール螺子ナット46の内周には、螺子溝61が形成されている。一方、ラック軸4の外周には、螺子溝61に対応する螺子溝62が形成されている。なお、螺子溝62は、ラック軸4におけるラック歯が形成された範囲と略等しい所定範囲に亘って形成されている。そして、螺子溝61,62によって螺旋状のボール軌道R1が形成されている。ボール軌道R1内には、各ボール47がボール螺子ナット46の螺子溝61とラック軸4の螺子溝62とに挟まれた状態で配設されている。つまり、ボール螺子ナット46は、ラック軸4の外周に各ボール47を介して螺合されている。これにより、各ボール47は、ラック軸4とボール螺子ナット46(従動プーリ42)との間の相対回転に伴い、その負荷(摩擦力)を受けつつボール軌道R1内を転動する。そして、各ボール47の転動によってラック軸4とボール螺子ナット46との軸方向の相対位置が変位することにより、モータ16のトルクがアシスト力として操舵機構5に付与される。なお、ボール軌道R1内を転動するボール47は、ボール螺子ナット46に設けられた該ボール軌道R1の二点間を短絡する循環路R2を通過することで無限循環するようになっている。
次に、ボール螺子ナットを弾性的に支持する構成について説明する。
図3に示すように、転がり軸受56の軸方向両側には、スペーサ73との間に配置されて該転がり軸受56を介してボール螺子ナット46を弾性的に支持する第1金属バネ71と、ボール螺子ナット46が軸方向移動して第1金属バネ71の圧縮量が増加したときに非圧縮状態から圧縮状態となる第2金属バネ72とがそれぞれ設けられている。
詳しくは、各スペーサ73は、転がり軸受56との間に軸方向に間隔を空けて配置されている。つまり、本実施形態では、スペーサ73が対向部材に相当する。各スペーサ73は、円環状に形成されている。各スペーサ73の外径は、転がり軸受56の外輪の外径と略等しく設定されるとともに、各スペーサ73の内径は、転がり軸受56の内輪の内径よりも大きく設定されている。
各第1金属バネ71には、皿バネが用いられている。第1金属バネ71のバネ定数は、比較的低く設定されている。各第1金属バネ71の外径は、転がり軸受56の外輪の外径と略等しく設定されており、各第1金属バネ71の内径は、スペーサ73の内径よりも大きく設定されている。そして、各第1金属バネ71の軸方向に沿った幅は、転がり軸受56とスペーサ73との間で常に圧縮状態となるように設定されている。なお、本実施形態では、各第1金属バネ71は、接着剤等によりスペーサ73に対して固定されている。
各第2金属バネ72には、皿バネが採用されている。第2金属バネ72のバネ定数は、第1金属バネ71のバネ定数よりも十分に高く設定されている。各第2金属バネ72の外径は、第1金属バネ71の内径よりも僅かに小さく設定されており、各第2金属バネ72の内径は、スペーサ73の内径よりも僅かに大きく設定されている。そして、各第2金属バネ72の軸方向に沿った幅は、第1金属バネ71の軸方向に沿った幅よりも小さく、各第1金属バネ71で発生する付勢力が等しくなる中立位置に転がり軸受56がある状態で、該転がり軸受56及びスペーサ73の双方には接触しないように設定されている。換言すると、各第2金属バネ72は、転がり軸受56の軸方向位置に応じて圧縮状態と非圧縮状態とが切り替わる。なお、本実施形態では、各第2金属バネ72は、第1金属バネ71と同様に、接着剤等によりスペーサ73に対して固定されている。
また、各第2金属バネ72の転がり軸受56側の側面には、ゴムや樹脂等の非金属の弾性材料からなるダンパ74が固定されている。ダンパ74は、薄い円環状に形成されている。ダンパ74の外径は、第2金属バネ72の外径よりも小さく設定されており、ダンパ74の内径は、第2金属バネ72の内径と略等しく設定されている。これにより、ダンパ74は、第2金属バネ72の側面の略半分を覆うように該第2金属バネ72の側面に設けられている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
車両走行時において、転舵輪15には路面状態等に応じた振動が生じ、この振動に応じた逆入力が操舵機構5に入力される。ここで、上記のようにボール螺子ナット46は、バネ定数の低い第1金属バネ71により弾性的に支持されている。そのため、ラック軸4は、ボール螺子機構19を介してモータ16を回転させることなく、図4(a)に示すように、第1金属バネ71のみを変形させてボール螺子ナット46を軸方向移動させることにより微小な力で軸方向移動することが可能になっている。そのため、転舵輪15の振動に応じた逆入力が小さくても、該逆入力がステアリングホイール2に回転振動として高精度に伝達される。これにより、運転者がステアリングホイール2を把持している手に伝わる回転振動に基づいて適切にロードインフォメーションを取得できる。
一方、第1金属バネ71のバネ定数が低く設定されると、第1金属バネ71によってボール螺子ナット46及び転がり軸受56の軸方向移動に係る運動エネルギーがあまり吸収されなくなる。この点、本実施形態では、図4(b)に示すように、ボール螺子ナット46が軸方向移動して第1金属バネ71の圧縮量が大きくなると、第2金属バネ72が圧縮されるようになるため、ボール螺子ナット46や転がり軸受56等の軸方向移動に係る運動エネルギーが第1及び第2金属バネ71,72の両方で吸収されるようになる。これにより、ボール螺子ナット46等の軸方向移動に係る運動エネルギーを十分に吸収して、異音の発生を抑制できる。なお、同図に示すように、転がり軸受56の移動方向側に配置された第1及び第2金属バネ71,72の圧縮量が最大となった状態でも、移動方向と反対側に配置された第1金属バネ71は、転がり軸受56とスペーサ73との間で圧縮された状態が維持される。
次に、本実施形態の効果について記載する。
(1)第1及び第2金属バネ71,72の複数のバネを用いることにより、ボール螺子ナット46を移動開始時点で微小な力で円滑に軸方向移動可能としつつ、ボール螺子ナット46等の軸方向移動に係る運動エネルギーを十分に吸収するようにした。そのため、例えばこれら第1及び第2金属バネ71,72やこれらを支持するスペーサ73等に無理な力が加わり難く、耐久性を高めることができる。
(2)第2金属バネ72のバネ定数を第1金属バネ71のバネ定数よりも高く設定したため、第2金属バネ72によって効果的にボール螺子ナット46等の軸方向移動に係る運動エネルギーを吸収できる。
(3)第2金属バネ72にダンパ74を設けたため、該ダンパ74によって転がり軸受56が停止する際の衝撃を緩和でき、異音の発生をより抑制できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図面に従って説明する。なお、本実施形態と上記第1実施形態との主たる相違点は、EPSが所謂コラム型の電動パワーステアリング装置として構成された点のみである。このため、説明の便宜上、同一の構成については上記第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態の操舵力補助装置17は、駆動源となるモータ81と、モータ81に連結されたウォーム軸82及びコラム軸7に連結されたウォームホイール83を噛合してなるウォーム減速機84と、ウォーム減速機84を収容するギヤハウジング85とを備えている。そして、操舵力補助装置17は、モータ81の回転をウォーム減速機84により減速してコラム軸7に伝達することで操舵機構5にアシスト力を付与する。
詳しくは、ギヤハウジング85は、ウォーム軸82が収容されるウォーム軸収容部91、及びウォーム軸収容部91に連続して形成されるとともにウォームホイール83が収容されるウォームホイール収容部92を有している。そして、ギヤハウジング85は、コラム軸7がウォームホイール収容部92内を貫通するように車両本体(図示略)に固定されている。ウォーム軸収容部91は、ウォーム軸82の軸方向(図5における左右方向)に延びる円柱状の空間を形成している。ウォーム軸収容部91の一端側(図5における左側)は、モータ81が固定されるモータ取付孔93に連通している。
モータ81は、コラム軸7の軸方向に対して、その回転軸81aの軸方向が直交する姿勢でモータ取付孔93に固定されている。回転軸81aに連結されたウォーム軸82は、その両端がギヤハウジング85内に設けられた第1及び第2転がり軸受94,95により回転可能に支持されるとともに、コラム軸7に連結されたウォームホイール83に噛合されている。なお、ウォーム軸82、第1及び第2転がり軸受94,95は、ウォーム軸収容部91内において軸方向移動可能に収容されている。そして、モータ81の回転は、ウォーム軸82及びウォームホイール83により減速されてコラム軸7に伝達される。これにより、モータ81のトルクがアシスト力として操舵機構5に付与される。
ここで、ウォームホイール収容部92内には、第1転がり軸受94との間に軸方向に間隔を空けてスナップリング96が配置されるとともに、第2転がり軸受95との間に軸方向に間隔を空けて円板状の押さえ板97が配置されている。なお、ウォーム軸収容部91におけるモータ取付孔93と反対側(図2における左側)には、ネジ孔98が形成されており、ネジ孔98には、ボルト部材99が螺着されている。これにより、押さえ板97は、ボルト部材99を螺進退させることで、その軸方向位置が変更可能となっている。そして、ウォーム軸82は、第1転がり軸受94とスナップリング96との間、及び第2転がり軸受95と押さえ板97との間にそれぞれ上記第1実施形態と同様に構成された第1及び第2金属バネ71,72が配置されることにより、軸方向両側から弾性的に支持されている。
このように構成されたEPS1では、コラム軸7は、ウォーム減速機84を介してモータ81を回転させることなく、第1金属バネ71のみを変形させてウォーム軸82を軸方向移動させることにより、微小な力で回転することが可能になっている。これにより、転舵輪15の振動に応じた逆入力がステアリングホイール2に回転振動として高精度に伝達され、運転者が適切にロードインフォメーションを取得できる。また、ウォーム軸82が軸方向移動して第1金属バネ71の圧縮量が大きくなると、第2金属バネ72が圧縮されるようになるため、ウォーム軸82や第1及び第2転がり軸受94,95等の軸方向移動に係る運動エネルギーが第1及び第2金属バネ71,72の両方によって吸収される。これにより、ウォーム軸82等の軸方向移動に係る運動エネルギーを十分に吸収して、異音の発生を抑制できる。
以上記述したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)〜(3)と同様の効果を奏することができる。
なお、上記各実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記第1実施形態において、転がり軸受56の外周にOリング等の弾性部材を設けてもよい。
・上記各実施形態では、ダンパ74を第2金属バネ72のみに設けたが、これに限らず、例えば第1金属バネ71のみ、又は第1及び第2金属バネ71,72の双方に設けてもよい。また、第1及び第2金属バネ71,72のいずれにもダンパ74を設けなくてもよい。
・上記各実施形態では、第2金属バネ72のバネ定数を第1金属バネ71のバネ定数よりも高く設定したが、これに限らず、第2金属バネ72のバネ定数を第1金属バネ71のバネ定数以下に設定してもよい。
・上記各実施形態では、第1及び第2金属バネ71,72として皿バネを用いたが、これに限らず、例えばウェーブワッシャ等の他のバネ部材を用いてもよい。
・上記第1実施形態では、ラックパラレル型のEPSにおいてボール螺子ナット46を第1及び第2金属バネ71,72を用いてボール螺子ナット46を弾性的に支持する構成を適用し、上記第2実施形態では、コラム型のEPSにおいてウォーム軸82を第1及び第2金属バネ71,72を用いる構成を適用した。しかし、これに限らず、例えばラック同軸型等の他の形式のEPSにおいて、モータの駆動により回転する回転部材を第1及び第2金属バネ71,72を用いて弾性的に支持する構成を適用してもよい。
1…電動パワーステアリング装置、3…ステアリングシャフト、4…ラック軸、5…操舵機構、16,81…モータ、17…操舵力補助装置、19…ボール螺子機構、46…ボール螺子ナット(回転部材)、56…転がり軸受(軸受)、71…第1金属バネ、72…第2金属バネ、73…スペーサ(対向部材)、74…ダンパ、82…ウォーム軸(回転部材)、83…ウォームホイール、84…ウォーム減速機、94…第1転がり軸受(軸受)、95…第2転がり軸受(軸受)。

Claims (5)

  1. モータを駆動源として操舵機構にアシスト力を付与する操舵力補助装置を備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記操舵力補助装置は、
    前記モータの駆動により回転する回転部材と、
    前記回転部材を回転可能に支持する軸受と、
    前記軸受と、該軸受と軸方向において対向する対向部材との間に設けられ、該軸受を介して前記回転部材を該回転部材の軸方向両側から弾性的に支持する第1金属バネと、
    前記回転部材が軸方向移動して前記第1金属バネの圧縮量が増加したときに、非圧縮状態から圧縮状態となる第2金属バネとを備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記第2金属バネのバネ定数は、前記第1金属バネのバネ定数よりも高いことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記第1及び第2金属バネの少なくとも一方には、非金属の弾性材料からなるダンパが設けられたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記操舵力補助装置は、前記モータの回転をボール螺子機構により転舵軸の軸方向移動に変換することで前記操舵機構にアシスト力を付与するものであり、
    前記回転部材は、前記ボール螺子機構を構成するボール螺子ナットであることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記操舵力補助装置は、前記モータの回転をウォーム減速機により減速してステアリングシャフトに伝達することで前記操舵機構にアシスト力を付与するものであり、
    前記回転部材は、前記ウォーム減速機を構成するウォーム軸であることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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