JP2016184489A - 水素燃料供給システム - Google Patents

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Abstract

【課題】水素の供給開始時に、レギュレータ上流側における急激な圧力上昇を抑制して、レギュレータにおけるフィルタ潰れ、調圧のオーバーシュート、リップシール部からの漏れの発生を回避する水素燃料供給システムを提供する。
【解決手段】水素燃料供給システム301において、高圧レギュレータ322の上流側の圧力P1を検出する1次圧センサ338を有する。コントローラ342は、1次圧センサ338の検出結果から、前回の水素停止要求時と今回の水素供給要求時とにおける高圧レギュレータ322の上流側圧力P1の変化量が、予め定められた所定値以上である場合に、除開制御により主止弁318を開弁する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素ガスを燃料電池に供給するための水素燃料供給システムに関するものである。
燃料電池システムにおいては、高圧の水素ガスを所定の圧力まで減圧して燃料電池に供給している。このような水素燃料供給システムとして、例えば、水素ガスを蓄えるガスタンクと、ガスタンクから供給する水素ガスを燃料電池に供給するためのガス供給路と、ガスタンクから供給される高圧の水素ガスを減圧する減圧弁と、水素ガスの流れ方向に対して減圧弁よりも上流側及び下流側にそれぞれ設けられた遮断弁と、水素ガスの流量を調整する流量調整弁とを備えているものがある。
そして、この水素燃料供給システムでは、減圧弁の上流側あるいは下流側の少なくとも一方における圧力に基づき、減圧弁の開閉速度を制御して、ガス供給通路内の圧力変動を小さくするようしている(特許文献1参照)。
特開2007−303559号公報
しかしながら、上記の水素燃料供給システムでは、ガスタンクに水素ガスを充填した後、高圧の水素ガスの供給を開始したとき、水素ガスがガス供給通路内に一気に浸入し、急激な圧力上昇が生じてしまう。そして、減圧弁がレギュレータである場合には、レギュレータ上流側で生じた急激な圧力上昇により、レギュレータに備わるフィルターが潰れる、レギュレータの調圧にオーバーシュートが生じる、レギュレータのリップシール部からの漏れが生じる等の問題が発生するおそれがあった。
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、水素ガスの供給開始時に、レギュレータ上流側における急激な圧力上昇を抑制して、レギュレータにおけるフィルタ潰れ、調圧のオーバーシュート、リップシール部からの漏れの発生を回避することができる水素燃料供給システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一形態は、水素タンクから燃料供給通路を介して燃料電池へ水素ガスの供給を行う水素燃料供給システムにおいて、前記水素タンクから前記燃料供給通路への水素ガスの供給と遮断を切り換える主止弁と、水素タンクから供給される水素ガスの圧力を所定の圧力に減圧する高圧レギュレータと、燃料電池へ供給する水素ガスの流量を調節する燃料供給装置とが、この順番で前記水素タンク側から燃料供給通路上に配置されており、前記水素タンクからの水素ガスの供給要求・停止要求に応じて前記主止弁を開閉し、水素停止要求後に水素供給要求があった時、前記高圧レギュレータの上流側圧力に対して前記水素タンク内の圧力が大きい場合に、前記主止弁の開弁速度を遅くして徐々に開度を大きくしていく除開制御を行う制御部を有することを特徴とする。
この水素燃料供給システムでは、制御部より、主止弁が開閉されており、水素停止要求後に水素供給要求があった時、高圧レギュレータの上流側圧力に対して水素タンク内の圧力が大きい場合には、主止弁の開弁速度を遅くして徐々に開度を大きくしていく除開制御が実行される。これにより、水素停止要求後に水素供給要求があった時に、高圧レギュレータの上流側圧力に対して水素タンク内の圧力が大きい場合であっても、主止弁は一気に全開にはならず徐々に開度が大きくなっていくため、水素タンクから供給される水素ガスが燃料供給通路内に一気に浸入しなくなる。従って、高圧レギュレータの上流側で急激な圧力上昇が発生することを抑制することができる。その結果、レギュレータにおけるフィルタ潰れ、調圧のオーバーシュート、リップシール部からの漏れの発生を回避することができる。
そして、上記した水素燃料供給システムにおいて、前記高圧レギュレータの上流側の圧力を検出する第1圧力センサを有し、前記制御部は、前記第1圧力センサの検出結果から、前回の水素停止要求時と今回の水素供給要求時とにおける前記高圧レギュレータの上流側圧力の変化量が、予め定められた所定値以上である場合に、前記除開制御により前記主止弁を開弁することが望ましい。
このような構成にすることにより、前回の水素停止要求時と今回の水素供給要求時とにおける高圧レギュレータの上流側圧力の変化量が所定値以上である場合、つまり前記高圧レギュレータの上流側圧力に対して水素タンク内の圧力が大きく、水素ガスが燃料供給通路内に一気に浸入して急激な圧力上昇が生じるおそれがある場合にのみ、除開制御によって前記主止弁が開弁される。そのため、水素タンクから供給される水素ガスがガス供給通路内に一気に浸入しなくなり、高圧レギュレータの上流側で急激な圧力上昇が発生することを確実に抑制することができる。従って、レギュレータにおけるフィルタ潰れ、調圧のオーバーシュート、リップシール部からの漏れの発生を確実に回避することができる。
また、主止弁を除開制御により開弁すると、水素ガスの圧力が低い場合には、水素供給の追従性が悪化するおそれがあるが、この水素燃料供給システムでは、前回の水素停止要求時と今回の水素供給要求時とにおける高圧レギュレータの上流側圧力の変化量が所定値以上である場合だけ、主止弁を除開制御により開弁する。そのため、水素供給の追従性が悪化するおそれがあるような水素ガスの圧力が低い場合には、除開制御が実施されない。従って、除開制御によって水素供給の追従性が悪化することもない。
また、上記した水素燃料供給システムにおいて、前記水素タンクへ水素ガスが充填されたことを検知する充填検知手段を有し、前記制御部は、前記充填検知手段が水素ガスの充填を検知した後に水素の供給要求があったとき、前記除開制御により前記主止弁を開弁するようにしても良い。
ここで、水素タンクへ水素ガスが充填されると、水素タンク内の圧力が高圧レギュレータの上流側圧力より高くなっている。そのため、このような状況で水素ガスを主止弁を開弁して水素ガスを供給すると、水素ガスが燃料供給通路内に一気に浸入してしまう。
そこで、このような構成にすることにより、水素タンクへ水素ガスが充填された後に水素ガスが供給される際には、除開制御により主止弁が開弁される。そのため、水素タンクから供給される水素ガスが燃料供給通路内に一気に浸入しなくなり、高圧レギュレータの上流側で急激な圧力上昇が発生することを抑制することができる。従って、レギュレータにおけるフィルタ潰れ、調圧のオーバーシュート、リップシール部からの漏れの発生を回避することができる。
さらに、上記した水素燃料供給システムにおいて、前記制御部は、前記第1圧力センサの検出結果から算出される、前回の水素停止要求時時と今回の水素供給要求時とにおける前記高圧レギュレータの上流側圧力の変化量に応じて前記主止弁の開弁速度を制御することが好ましい。
このような構成にすることにより、主止弁の開弁時に、高圧レギュレータの上流側圧力の変化量に応じて主止弁の開弁速度が調整される。具体的に例えば、高圧レギュレータの上流側圧力の変化量が大きくなるに従って主止弁の開弁速度が遅くされ、高圧レギュレータの上流側圧力の変化量が小さくなるに従って主止弁の開弁速度が速くされる。そして、圧力の変化量が所定値より小さい場合には、除開制御を実行せずに通常の制御(通常の開弁速度)で主止弁が開弁される。これにより、高圧レギュレータの上流側圧力の変化に対応して最適な開弁速度で主止弁を開弁することができるため、最適な除開制御を実施することができる。従って、レギュレータにおけるフィルタ潰れ、調圧のオーバーシュート、リップシール部からの漏れの発生を確実に回避しつつ、水素供給の追従性も確保することができる。
また、上記した水素燃料供給システムにおいて、前記水素タンク内の圧力を検出する第2圧力センサを有し、前記制御部は、前記第2圧力センサの検出結果から算出される、前記水素タンクへの水素ガスの充填前後における前記水素タンク内の圧力変化量に応じて前記主止弁の開弁速度を制御しても良い。
このような構成にすることにより、主止弁の開弁時に、水素タンク内の圧力変化量に応じて主止弁の開弁速度が調整される。具体的に例えば、水素タンク内の圧力変化量が大きくなるに従って主止弁の開弁速度が遅くされ、水素タンク内の圧力変化量が小さくなるに従って主止弁の開弁速度が速くされる。そして、圧力の変化量が所定値より小さい場合には、除開制御を実行せずに通常の制御(通常の開弁速度)で主止弁が開弁される。これにより、水素タンク内の圧力変化に対応して最適な開弁速度で主止弁を開弁することができるため、最適な除開制御を実施することができる。従って、レギュレータにおけるフィルタ潰れ、調圧のオーバーシュート、リップシール部からの漏れの発生を確実に回避しつつ、水素供給の追従性も確保することができる。
また、上記した水素燃料供給システムにおいて、前記高圧レギュレータの上流側の圧力を検出する第1圧力センサと、前記水素タンク内の圧力を検出する第2圧力センサとを有し、前記制御部は、前記第1圧力センサ及び前記第2圧力センサの検出結果から算出される、水素の供給要求時における前記水素タンク内の圧力と前記高圧レギュレータの上流側圧力との圧力差に応じて前記主止弁の開弁速度を制御しても良い。
このような構成にすることにより、主止弁の開弁時に、水素タンク内の圧力変化量に応じて主止弁の開弁速度が調整される。具体的に例えば、水素タンク内の圧力と高圧レギュレータの上流側圧力との圧力差が大きくなるに従って主止弁の開弁速度が遅くされ、水素タンク内の圧力と高圧レギュレータの上流側圧力との圧力差が小さくなるに従って主止弁の開弁速度が速くされる。そして、圧力差が所定値より小さい場合には、除開制御を実行せずに通常の制御(通常の開弁速度)で主止弁が開弁される。これにより、水素タンク内の圧力と高圧レギュレータの上流側圧力との圧力差に対応して最適な開弁速度で主止弁を開弁することができるため、最適な除開制御を実施することができる。従って、レギュレータにおけるフィルタ潰れ、調圧のオーバーシュート、リップシール部からの漏れの発生を確実に回避しつつ、水素供給の追従性も確保することができる。
また、上記した水素燃料供給システムにおいて、前記水素タンク内の圧力を検出する第2圧力センサとを有し、前記制御部は、前記第2圧力センサで検出される、水素の供給要求時における前記水素タンク内の圧力に応じて前記主止弁の開弁速度を制御しても良い。
このような構成にすることにより、主止弁の開弁時に、水素タンク内の圧力に応じて主止弁の開弁速度が調整される。具体的に例えば、水素タンク内の圧力が大きくなるに従って主止弁の開弁速度が遅くされ、水素タンク内の圧力が小さくなるに従って主止弁の開弁速度が速くされる。そして、水素タンク内の圧力が所定値より小さい場合には、除開制御を実行せずに通常の制御(通常の開弁速度)で主止弁が開弁される。これにより、水素タンク内の圧力に対応して最適な開弁速度で主止弁を開弁することができるため、最適な除開制御を実施することができる。従って、レギュレータにおけるフィルタ潰れ、調圧のオーバーシュート、リップシール部からの漏れの発生を確実に回避しつつ、水素供給の追従性も確保することができる。
そして、上記した水素燃料供給システムにおいて、前記主止弁は、デューティ制御可能な電磁弁であり、前記制御部は、前記主止弁に対する制御信号のデューティ比を小さくすることにより前記除開制御を行うことが望ましい。
このような構成にすることにより、主止弁を開弁する際の除開制御を簡単に精度良く行うことができる。
本発明に係る水素燃料供給システムによれば、水素の供給開始時に、レギュレータ上流側における急激な圧力上昇を抑制して、高圧レギュレータにおけるフィルタ潰れ、調圧のオーバーシュート、リップシール部からの漏れの発生を回避することができる。
第1実施形態に係る水素燃料供給システムを適用した燃料電池システムの概略構成図である。 高圧レギュレータの断面図である。 主止弁の除開制御を含む開閉制御の処理内容を示すフローチャートである。第1変形例を示す図である。 水素タンクへの水素充填の有無を判断するフラグ制御の処理内容を示すフローチャートである。 第2実施形態における主止弁の除開制御を含む開閉制御の処理内容を示すフローチャートである。 圧力差ΔP1に対する主止弁の開弁速度を示す図である。 第3実施形態における主止弁の除開制御を含む開閉制御の処理内容を示すフローチャートである。 充填前後における水素タンク内の圧力差ΔPtの演算処理の内容を示すフローチャートである。 圧力差ΔPtに対する主止弁の開弁速度を示す図である。 第4実施形態における主止弁の除開制御を含む開閉制御の処理内容を示すフローチャートである。 水素タンク内の圧力Ptに対する主止弁の開弁速度を示す図である。 第5実施形態における主止弁の除開制御を含む開閉制御の処理内容を示すフローチャートである。 水素タンク内の圧力と高圧レギュレータの上昇側圧力との圧力差ΔPt1に対する主止弁の開弁速度を示す図である。
以下、本発明の水素燃料供給システムを具体化した実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。ここでは、車両に搭載される燃料電池システムに、本発明を適用したものを例示する。
[第1実施形態]
まず、本実施形態に係る水素燃料供給システムを適用した燃料電池システム300について、図1を参照しながら説明する。図1は、燃料電池システムの概略構成図である。
燃料電池システム300は、図1に示すように、燃料電池(FC)310、水素タンク312、水素供給通路314、水素排出通路316、主止弁318、第1切換弁320、高圧レギュレータ322、水素供給ユニット324、中圧リリーフ弁326、低圧リリーフ弁328、エア供給通路330、エア排出通路332、エアポンプ334、第2切換弁336、1次圧センサ338、エア圧センサ340、コントローラ342などを有している。
この燃料電池システム300は、電動自動車に搭載され、その駆動用モータ(図示略)に電力を供給するために使用される。燃料電池310は、燃料ガスとしての水素と酸化剤ガスとしてのエアの供給を受けて発電を行う。燃料電池310で発電した電力は、インバータ(図示略)を介して駆動用モータ(図示略)に供給される。水素タンク312には、高圧(例えば、80〜90Mpa程度)の水素ガスが蓄えられる。水素タンク312には、水素ガスの充填を検知する充填検知器311と、タンク内の圧力を計測する圧力センサ313とが設けられている。
燃料電池310のアノード側には、水素燃料供給システム301が設けられている。この水素燃料供給システム301は、水素タンク312から供給先の燃料電池310へ水素ガスを供給するための水素供給通路314と、燃料電池310から導出される水素オフガスを排出するための水素排出通路316とを備えている。水素タンク312の直下流の水素供給通路314には、水素タンク312から水素供給通路314への水素ガスの供給と遮断を切り換える、デューティ制御される電磁弁よりなる主止弁318が設けられる。水素排出通路316には、電磁弁よりなる第1切換弁320が設けられる。
主止弁318より下流の水素供給通路314には、水素ガスの圧力を減圧するための高圧レギュレータ322が設けられる。主止弁318と高圧レギュレータ322との間の水素供給通路314には、その中の圧力(高圧レギュレータ322の上流側圧力)を1次圧P1として検出するための1次圧センサ338が設けられる。なお、高圧レギュレータ322の詳細については後述する。
高圧レギュレータ322より下流の水素供給通路314には、燃料電池310へ供給される水素ガスの流量及び圧力を調節するための水素供給ユニット324が設けられる。この水素供給ユニット324は、導入通路350と、導出通路352と、インジェクタ354(本実施形態では3つ)と、2次圧センサ356と、3次圧センサ358などを備えている。
一方、燃料電池310のカソード側には、燃料電池310にエアを供給するためのエア供給通路330と、燃料電池310から導出されるエアオフガスを排出するためのエア排出通路332とが設けられている。エア供給通路330には、燃料電池310に供給されるエア流量を調節するためのエアポンプ334が設けられている。エアポンプ334より下流のエア供給通路330には、エア圧力P4を検出するためのエア圧センサ340が設けられる。エア排出通路332には、電磁弁よりなる第2切換弁336が設けられる。
上記構成において、水素タンク312から導出される水素ガスは、水素供給通路314を通り、主止弁318、高圧レギュレータ322、水素供給ユニット324を介して燃料電池310に供給される。燃料電池310に供給された水素ガスは、燃料電池310にて発電に使用された後、燃料電池310から水素オフガスとして水素排出通路316及び第1切換弁320を介して排出される。
また、上記構成において、エアポンプ334によりエア供給通路330へ吐出されたエアは燃料電池310に供給される。燃料電池310に供給されたエアは、燃料電池310にて発電に使用された後、燃料電池310からエアオフガスとしてエア排出通路332及び第2切換弁336を介して排出される。
この燃料電池システム300は、システムの制御を司るコントローラ342を更に備える。コントローラ342は、水素燃料供給システム301の制御も司っている。コントローラ342は、燃料電池310へ供給される水素ガスの流れを制御するために、1次圧センサ338、水素供給ユニット324に備わる2次圧センサ350及び3次圧センサ352の検出値に基づき、主止弁318、水素供給ユニット324に備わるインジェクタ348を制御する。つまり、後述する主止弁318の除開制御はコントローラ342によって行われる。また、コントローラ342は、水素排出通路316の水素オフガスの流れを制御するために、第1切換弁320を制御する。
一方、コントローラ342は、燃料電池310へ供給されるエアの流れを制御するために、エア圧センサ340の検出値に基づきエアポンプ334を制御する。また、コントローラ342は、エア排出通路332のエアオフガスの流れを制御するために、第2切換弁336を制御する。また、コントローラ342は、燃料電池310の発電に係る電圧値及び電流値をそれぞれ入力するようになっている。コントローラ342は、中央処理装置(CPU)及びメモリを備え、燃料電池310へ供給される水素ガス量及びエア量を制御するために、メモリに記憶された所定の制御プログラムに基づいてインジェクタ348及びエアポンプ334等を制御する。
ここで、高圧レギュレータ322の構造について、図2を参照しながら説明する。図2は、高圧レギュレータの断面図である。
高圧レギュレータ322は、上流に位置する上流圧力調整弁1と、下流に位置する下流圧力調整弁2と、上流圧力調整弁1による減圧後であって下流圧力調整弁2による減圧前の水素ガスが通過する中通路3と、当該中通路3に接続された逆止弁4とをボデー部材7に備え、水素ガスを多段階に減圧しながら所望の圧力に調整する多段圧力調整弁である。本圧力調整弁322は、アルミ合金製のボデー部材7の内部に、上流圧力調整弁1、下流圧力調整弁2、中通路3、逆止弁4等が形成されている。上流圧力調整弁1と下流圧力調整弁2とは、直列に接続されている。
上流圧力調整弁1は、入口8と連通される弁室12と、弁室12内を上下動する弁体13と、弁室12の下端に形成され弁体13と当接、離間する弁座14と、弁座14の下方に位置し弁体13が上方へ移動したとき弁室12と連通される調圧室11と、調圧室11内を上下動するピストン15と、ピストン15を上方へ付勢するコイルばね16と、を備えている。
入口8と弁室12との間には、入口通路81が垂直状に形成されている。この入口通路81の上流側にフィルタ30が設けられている。フィルタ30は、下流端(下端)が開口している中空円筒状をなしており、高圧レギュレータ322内への異物侵入を阻止する部材である。このフィルタ30は、抑えばね31により固定されている。入口8から流入する水素ガスは、フィルタ30の外側から内側へ通過して入口通路81へ流出するようになっている。
弁室12と弁体13との間には、弁体13を下方へ付勢する弁ばね133が介装されている。弁体13には、弁ばね133が装着された本体部の下方に弁座14と当接するテーパ部132が形成されている。テーパ部132の下方には、ニードル部131が形成されている。ニードル部131は、弁座14に形成された通孔を貫通して調圧室11まで延伸されている。ニードル部131の下端は、ピストン15の本体部上端に突設された軸突部153の上端に当接している。
ピストン15の本体部外周縁には、調圧室11の内周縁と摺接して調圧室11をシールするリップシール部材151が嵌装されている。リップシール部材151は、上方へV字状に開くリップ状断面を有する。
下流圧力調整弁2は、出口6と連通される調圧室21と、調圧室21内を上下動するピストン24と、ピストン24を上方へ付勢するコイルばね25と、調圧室21の下方に形成された弁室22と、ピストン24の軸部に沿って弁室22まで延設された略円筒状の弁体241と、を備えている。
調圧室21は、ボデー部材7の右上端から嵌装される蓋部材23によってシールされている。蓋部材23の軸下方には、ピストン24の上端部に当接して、ピストン24の上方への移動を規制する円柱状凸部が形成されている。円柱状凸部がピストン24の上端部に当接した時には、調圧室21には円環状空間が形成される。
ピストン24及び弁体241の軸中心には、円柱状の貫通孔2411がピストン24の上端部から弁体の下端部まで形成されている。ピストン24の本体部外周縁には、調圧室21の内周縁と摺接して調圧室21をシールするリップシール部材242が嵌装されている。リップシール部材242は、上方へV字状に開くリップ状断面を有する。
このような構成の高圧レギュレータ322により、水素タンク312から供給される水素ガスを、例えば、上流圧力調整弁1にて約3.0〜2.5Mpa程度まで減圧し、下流圧力調整弁2にて約3.0〜2.5Mpa程度から約1.0〜1.5Mpa程度まで減圧する。これにより、インジェクタ348には、1.0〜1.5Mpa程度の水素ガスが供給される。
ここで、高圧レギュレータ322には、非常に高圧の水素ガスが供給される。特に、水素タンク312に水素ガスが充填された後、水素供給要求がありコントローラ342によって主止弁318が開弁されたときに、非常に高圧の水素ガスが一気に水素供給通路314に一気に浸入し、急激な圧力上昇が生じてしまう。そして、高圧レギュレータ322では、レギュレータ上流側で生じた急激な圧力上昇により、フィルタ30が潰れる、調圧にオーバーシュートが生じる、リップシール部材151の上下で圧力差がなくなってリップシール部材151から漏れが生じる等の問題が発生するおそれがある。
そのため、本実施形態の水素燃料供給システム301では、水素タンク312に水素ガスが充填された後、水素供給要求があった場合に、コントローラ342によって主止弁318の開弁速度を遅くして徐々に開度を大きくしていく除開制御を行うようにしている。そこで、この主止弁318の除開制御について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、主止弁の除開制御を含む開閉制御の処理内容を示すフローチャートである。図4は、水素タンクへの水素充填の有無を判断するフラグ制御の処理内容を示すフローチャートである。これらの処理ルーチンは、所定時間毎にコントローラ342によって実行される。
まず、水素燃料供給システム301では、図3に示すように、コントローラ342により、水素停止要求があり水素ガスの供給が停止された後に水素供給要求があるか否かが判断される(ステップS1)。水素供給要求がある場合には(S1:YES)、主止弁318が開弁される前に高圧レギュレータ322の上流側圧力P1が1次圧センサ338から取り込まれ、その開弁直前の圧力値P1がP1_1として、コントローラ342のメモリに記憶される(ステップS2)。
一方、水素供給要求がない場合には(S1:NO)、水素停止要求があるか否かが判断される(ステップS10)。水素停止要求がある場合には(S10:YES)、主止弁318が閉弁される前に高圧レギュレータ322の上流側圧力P1が1次圧センサ338から取り込まれ、その閉弁直前の圧力値P1がP1_2として、コントローラ342のメモリに記憶され(ステップS12)、この処理ルーチンが一旦終了する。
そして、S3で算出された圧力差ΔP1が予め設定されている所定値A(例えば10〜20Mpa)以上である場合、すなわち主止弁318を開弁したときに水素タンク312から供給される水素ガスが燃料供給通路314内に一気に浸入するおそれがある場合には(S4:NO)、ステップS5の処理を実行することなく、主止弁318が除開制御されて開弁される。具体的には、主止弁318に対するコントローラ342からの制御信号のデューティ比が小さくされて開弁される。つまり、主止弁318の開弁速度が遅くされ、主止弁318の開度が徐々に大きくされていく。
これにより、水素タンク312から供給される水素ガスが燃料供給通路314内に一気に浸入することを確実に防止することができる。そのため、高圧レギュレータ322の上流側で急激な圧力上昇が発生しなくなる。従って、高圧レギュレータ322の上流側で急激な圧力上昇が発生しなくなる。よって、高圧レギュレータ322に備わるフィルタ30の潰れ、調圧のオーバーシュート、リップシール部材151からの漏れの発生を確実に回避することができる。
一方、S3で算出されたΔP1が予め設定されている所定値Aよりも小さい場合には(S4:YES)、水素タンク312への水素充填が行われた否かが判断される(ステップS5)。具体的にS5の処理では、充填検知器311の検出信号に基づき制御されるXS_Openフラグの状態により、水素タンク312への水素充填の有無が判断される。
ここで、XS_Openフラグは、水素タンク312へ水素ガスが充填されたことを示すフラグであり、XS_Openフラグが「0」の場合に、水素タンク312へ水素ガスが充填されたことを示している。水素タンク312への水素ガスの充填は、リッドスイッチONや水素タンク312の内圧上昇(第2圧力センサを有する場合)等に基づいて検出することができる。そして、図4に示すように、水素タンク312へ水素ガスが充填されている場合(ステップS20:YES)、XS_Openフラグは「0」に設定される(ステップS21)。一方、水素タンク312へ水素ガスが充填されていない場合(ステップS20:NO)、S21の処理が行われず、XS_Openフラグは「1」のままである。なお、XS_Openフラグに「1」が設定されるのは、後述するステップS6の処理が実行されたときである。
そして、S5において、XS_Openフラグが「0」である場合、すなわち水素タンク312へ水素ガスが充填された場合には(S5:YES)、コントローラ342により、主止弁318が除開制御されて開弁される。また、XS_Openフラグが「1」に設定される(ステップS6)。つまり、主止弁318の開弁速度が遅くされ、主止弁318の開度が徐々に大きくされていく。これにより、水素タンク312に水素ガスが充填された場合には、主止弁318が除開制御により開弁される。従って、水素タンク312に水素ガスが充填された後に水素ガスが供給される場合、水素タンク312から供給される水素ガスが燃料供給通路314内に一気に浸入しなくなる。そのため、高圧レギュレータ322の上流側で急激な圧力上昇が発生しなくなる。よって、高圧レギュレータ322に備わるフィルタ30の潰れ、調圧のオーバーシュート、リップシール部材151からの漏れの発生を確実に回避することができる。
一方、S5において、XS_Openフラグが「1」である場合、すなわち水素タンク312へ水素ガスが充填されていない場合には(S5:NO)、コントローラ342により、通常の開弁制御により主止弁318が開弁される(ステップS15)。
以上、詳細に説明したように第1実施形態に係る水素燃料供給システム301によれば、水素タンク312から供給される水素ガスが燃料供給通路314内に一気に浸入するおそれのある、1次圧の圧力差ΔP1が大きい(所定値A以上である)場合、及び水素タンク312に水素ガスが充填された場合には、コントローラ342によって、主止弁318が除開制御されて開弁される。そのため、高圧レギュレータ322の上流側で急激な圧力上昇が発生しなくなる。よって、高圧レギュレータ322に備わるフィルタ30の潰れ、調圧のオーバーシュート、リップシール部材151からの漏れの発生を確実に回避することができる。
また、水素燃料供給システム301では、水素タンク312から供給される水素ガスが燃料供給通路314内に一気に浸入するおそれのある場合だけ、主止弁318を除開制御により開弁する。そのため、水素供給の追従性が悪化するおそれがあるような水素ガスの圧力が低い場合には、除開制御が実施されないので、除開制御によって水素供給の追従性が悪化することもない。
[第2実施形態]
続いて、第2実施形態に係る水素燃料供給システムについて説明する。第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるが、1次圧P1の圧力差ΔP1に応じて、主止弁318の除開制御実行時の開弁速度を変化させる点が相違する。そこで、第2実施形態における主止弁318の除開制御について、図5及び図6を参照しながら説明する。図5は、第2実施形態における主止弁の除開制御を含む開閉制御の処理内容を示すフローチャートである。図6は、圧力差ΔP1に対する主止弁の開弁速度を示す図である。
第2実施形態でも、図5に示すように、コントローラ342により、S1〜S5、及びS10〜S12の処理は、第1実施形態と同様に実行される。そのため、これらの処理の説明は省略する。
そして、圧力差ΔP1が所定値A以上である場合、すなわち主止弁318を開弁したときに水素タンク312から供給される水素ガスが燃料供給通路314内に一気に浸入するおそれがある場合には(S4:NO)、圧力差ΔP1に応じた主止弁318の開弁速度kOpen_spdが、図6に示す対応関係に基づき算出され(ステップS30)、その開弁速度kOpen_spdで主止弁318が開弁(除開)される(ステップS31)。具体的には、圧力差ΔP1が大きくなるに従って主止弁318の開弁速度が遅くされ、圧力差ΔP1が小さくなるに従って主止弁318の開弁速度が速くされる。なお、図6に示す圧力差ΔP1と開弁速度Open_spdの対応関係はマップとして、コントローラ342のメモリに予め記憶されている。
このようにして、圧力差ΔP1に応じた主止弁318の開弁速度kOpen_spdにて主止弁318が除開されるため、最適な除開制御を実施することができる。これにより、高圧レギュレータ322に備わるフィルタ30の潰れ、調圧のオーバーシュート、リップシール部材151からの漏れの発生を確実に回避しつつ、水素供給の追従性も確保することができる。
一方、圧力差ΔP1が所定値Aより小さい場合であっても(S4:YES)、S5において、XS_Openフラグが「0」であるとき、すなわち水素タンク312へ水素ガスが充填されたときには(S5:YES)、コントローラ342により、開弁速度LOpen_spdで主止弁318が開弁される。つまり、最も遅い開弁速度で除開されるのである。また、XS_Openフラグが「1」に設定される(ステップS32)。
これにより、水素タンク312に水素ガスが充填された場合には、主止弁318が最も遅い開弁速度にて開弁される。従って、水素タンク312に水素ガスが充填された後に水素ガスが供給される場合、水素タンク312から供給される水素ガスが燃料供給通路314内に一気に浸入しなくなる。そのため、高圧レギュレータ322の上流側で急激な圧力上昇が発生しなくなる。よって、高圧レギュレータ322に備わるフィルタ30の潰れ、調圧のオーバーシュート、リップシール部材151からの漏れの発生を確実に回避することができる。
一方、S5において、XS_Openフラグが「1」である場合、すなわち水素タンク312へ水素ガスが充填されていない場合には(S5:NO)、コントローラ342により、除開制御が実行されずに開弁速度Hopen_spdで開弁される。つまり、最も速い開弁速度(従来の開弁速度)で主止弁318が開弁(全開)される(ステップS33)。
このように第2実施形態によれば、高圧レギュレータ322の上流側圧力の圧力差ΔP1に応じた主止弁318の開弁速度kOpen_spdにて主止弁318が除開される。そのため、最適な除開制御を実施することができる。従って、高圧レギュレータ322に備わるフィルタ30の潰れ、調圧のオーバーシュート、リップシール部材151からの漏れの発生を確実に回避しつつ、水素供給の追従性も確保することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る水素燃料供給システムについて説明する。第3実施形態は、基本的な構成は第2実施形態と同様であるが、水素タンク312内の圧力Ptの水素充填前後における圧力差ΔPt1に応じて、主止弁318の除開制御実行時の開弁速度を変化させる点が相違する。そこで、第3実施形態における主止弁318の除開制御について、図7〜図9を参照しながら説明する。図7は、第3実施形態における主止弁の除開制御を含む開閉制御の処理内容を示すフローチャートである。図8は、充填前後における水素タンク内の圧力差ΔPtの演算処理の内容を示すフローチャートである。図9は、圧力差ΔPtに対する主止弁の開弁速度を示す図である。
第3実施形態でも、図7に示すように、コントローラ342により、S1〜S5、S10〜S12、S30〜S31、及びS33の処理は、第2実施形態と同様に実行される。そのため、これらの処理の説明は省略する。
そして、S5において、XS_Openフラグが「0」である場合、すなわち水素タンク312へ水素ガスが充填された場合には(S5:YES)、充填前後における水素タンク312内の圧力差ΔPtが取り込まれる(ステップS40)。
ここで、タンク内圧力差ΔPtの演算処理について説明する。タンク内圧力差ΔPtは、図8に示すように、上記の主止弁の開閉制御とは別の処理ルーチンで算出される。具体的には、圧力センサ313から水素タンク312内の圧力Ptが取り込まれる(ステップS50)。そして、水素タンク312へ水素ガスが充填されている場合(ステップS51:YES)、水素充填後のタンク内圧力PtがPt_1として、コントローラ342のメモリに記憶される(ステップS52)。一方、水素タンク312へ水素ガスが充填されていない場合(ステップS51:NO)、水素充填前のタンク内圧力PtがPt_2として、コントローラ342のメモリに記憶される(ステップS55)。
そして、ステップS53において、充填前後のタンク内圧力差ΔPt(=Pt_1−Pt_2)が算出される。その後、XS_Openフラグが「0」に設定される(ステップS54)。
図7に戻って、上記のようにして算出されたタンク内圧力差ΔPtが、S40においてコントローラ342に取り込まれると、コントローラ342により、タンク内圧力差ΔPtに応じた主止弁318の開弁速度ktOpen_spdが、図9に示す対応関係に基づき算出され(ステップS41)、その開弁速度ktOpen_spdで主止弁318が開弁(除開)される(ステップS42)。具体的には、充填前後のタンク内圧力差ΔPtが大きくなるに従って主止弁318の開弁速度が遅くされ、充填前後のタンク内圧力差ΔPtが小さくなるに従って主止弁318の開弁速度が速くされる。なお、図9に示す圧力差ΔPtと開弁速度Open_spdの対応関係はマップとして、コントローラ342のメモリに予め記憶されている。
このように第3実施形態によれば、水素タンク312へ水素ガスが充填された場合には、充填前後におけるタンク内圧力差ΔPtに応じた主止弁318の開弁速度ktOpen_spdにて主止弁318が除開されるため、最適な除開制御を実施することができる。これにより、高圧レギュレータ322に備わるフィルタ30の潰れ、調圧のオーバーシュート、リップシール部材151からの漏れの発生を確実に回避しつつ、水素供給の追従性も確保することができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る水素燃料供給システムについて説明する。第4実施形態は、基本的なシステム構成は上記の実施形態と同様であるが、水素供給要求時における水素タンク312内の圧力Ptに応じて、主止弁318の除開制御を行う点が相違する。そこで、第4実施形態における主止弁318の除開制御について、図10及び図11を参照しながら説明する。図10は、第4実施形態における主止弁の除開制御を含む開閉制御の処理内容を示すフローチャートである。図11は、水素タンク内の圧力Ptに対する主止弁の開弁速度を示す図である。
第4実施形態では、図10に示すように、コントローラ342により、水素ガスの供給が停止された後に水素供給要求がある場合には(S1:YES)、主止弁318が開弁される前に水素タンク312内の圧力Ptが圧力センサ313から取り込まれ、その開弁直前の圧力値Ptが記憶される(ステップS60)。
一方、水素供給要求がない場合には(S1:NO)、水素停止要求があるか否かが判断される(ステップS10)。このとき、水素停止要求がある場合には(S10:YES)主止弁318が閉弁される(ステップS12)。水素停止要求がない場合には(S10:NO)、この処理ルーチンは一旦終了する。
そして、水素タンク312内の圧力Ptに応じた主止弁318の開弁速度kptOpen_spdが、図11に示す対応関係に基づき算出され(ステップS61)、その開弁速度kptOpen_spdで主止弁318が開弁(除開)される(ステップS62)。具体的には、水素タンク312内の圧力Ptが大きくなるに従って主止弁318の開弁速度が遅くされ、水素タンク312内の圧力Ptが小さくなるに従って主止弁318の開弁速度が速くされる。そして、水素タンク312内の圧力Ptが所定値Aより小さい場合には、除開制御が実行されずに通常の制御(通常の開弁速度)で主止弁が開弁(全開)される。なお、図11に示す圧力Ptと開弁速度Open_spdの対応関係はマップとして、コントローラ342のメモリに予め記憶されている。
このように第4実施形態によれば、水素タンク312内の圧力Ptに応じた主止弁318の開弁速度kptOpen_spdにて主止弁318が除開されるため、最適な除開制御を実施することができる。従って、非常に簡単な制御により、高圧レギュレータ322に備わるフィルタ30の潰れ、調圧のオーバーシュート、リップシール部材151からの漏れの発生を確実に回避しつつ、水素供給の追従性も確保することができる。
[第5実施形態]
最後に、第5実施形態に係る水素燃料供給システムについて説明する。第5実施形態は、基本的なシステム構成は上記の実施形態と同様であるが、水素供給要求時における水素タンク312内の圧力Ptと高圧レギュレータ322の上流側圧力(1次圧)P1との圧力差ΔPt1に応じて、主止弁318の除開制御を行う点が相違する。そこで、第5実施形態における主止弁318の除開制御について、図12及び図13を参照しながら説明する。図12は、第5実施形態における主止弁の除開制御を含む開閉制御の処理内容を示すフローチャートである。図13は、水素タンク内の圧力と高圧レギュレータの上昇側圧力との圧力差ΔPt1に対する主止弁の開弁速度を示す図である。
第5実施形態では、図12に示すように、コントローラ342により、水素ガスの供給が停止された後に水素供給要求がある場合には(S1:YES)、主止弁318が開弁される前に、水素タンク312内の圧力Ptが圧力センサ313から取り込まれるとともに、高圧レギュレータ322の上流側圧力P1が1次圧センサ338から取り込まれて、開弁直前のそれぞれの圧力値Pt,P1が記憶される(ステップS70,S71)。そして、その圧力差ΔPt1(=Pt−P1)が算出される(ステップS72)。
一方、水素供給要求がない場合には(S1:NO)、水素停止要求があるか否かが判断される(ステップS10)。このとき、水素停止要求がある場合には(S10:YES)主止弁318が閉弁される(ステップS12)。水素停止要求がない場合には(S10:NO)、この処理ルーチンは一旦終了する。
そして、圧力差ΔPt1に応じた主止弁318の開弁速度kt1Open_spdが、図13に示す対応関係に基づきが算出され(ステップS73)、その開弁速度kt1Open_spdで主止弁318が開弁(除開)される(ステップS74)。具体的には、圧力差ΔPt1が大きくなるに従って主止弁318の開弁速度が遅くされ、圧力差ΔPt1が小さくなるに従って主止弁318の開弁速度が速くされる。そして、圧力差ΔPt1が所定値Aより小さい場合には、除開制御が実行されずに通常の制御(通常の開弁速度)で主止弁が開弁(全開)される。なお、図13に示す圧力Pt1と開弁速度Open_spdの対応関係はマップとして、コントローラ342のメモリに予め記憶されている。
このように第5実施形態によれば、水素タンク312内の圧力Ptと高圧レギュレータ322の上流側圧力P1との圧力差ΔPt1に応じた主止弁318の開弁速度kt1Open_spdにて主止弁318が除開されるため、最適な除開制御を実施することができる。従って、簡単な制御により、高圧レギュレータ322に備わるフィルタ30の潰れ、調圧のオーバーシュート、リップシール部材151からの漏れの発生を確実に回避しつつ、水素供給の追従性も確保することができる。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、上記した実施形態を適宜、組み合わせても良い。例えば、第1実施形態と第4実施形態あるいは第5実施形態を組み合わせることができる。
1 上流圧力調整弁
2 下流圧力調整弁
3 中通路
30 フィルタ
151 リップシール部材
300 燃料電池システム
301 水素燃料供給システム
310 燃料電池
311 充填検知器
312 水素タンク
313 圧力センサ
314 水素供給通路
318 主止弁
322 高圧レギュレータ
324 水素供給ユニット
338 1次圧センサ
342 コントローラ

Claims (8)

  1. 水素タンクから燃料供給通路を介して燃料電池へ水素ガスの供給を行う水素燃料供給システムにおいて、
    前記水素タンクから前記燃料供給通路への水素ガスの供給と遮断を切り換える主止弁と、水素タンクから供給される水素ガスの圧力を所定の圧力に減圧する高圧レギュレータと、燃料電池へ供給する水素ガスの流量.を調節する燃料供給装置とが、この順番で前記水素タンク側から燃料供給通路上に配置されており、
    前記水素タンクからの水素ガスの供給要求・停止要求に応じて前記主止弁を開閉し、水素停止要求後に水素供給要求があった時、前記高圧レギュレータの上流側圧力に対して前記水素タンク内の圧力が大きい場合に、前記主止弁の開弁速度を遅くして徐々に開度を大きくしていく除開制御を行う制御部を有する
    ことを特徴とする水素燃料供給システム。
  2. 請求項1に記載する水素燃料供給システムにおいて、
    前記高圧レギュレータの上流側の圧力を検出する第1圧力センサを有し、
    前記制御部は、前記第1圧力センサの検出結果から、前回の水素停止要求時と今回の水素供給要求時とにおける前記高圧レギュレータの上流側圧力の変化量が、予め定められた所定値以上である場合に、前記除開制御により前記主止弁を開弁する
    ことを特徴とする水素燃料供給システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する水素燃料供給システムにおいて、
    前記水素タンクへ水素ガスが充填されたことを検知する充填検知手段を有し、
    前記制御部は、前記充填検知手段が水素ガスの充填を検知した後に水素ガスの供給要求があったとき、前記除開制御により前記主止弁を開弁する
    ことを特徴とする水素燃料供給システム。
  4. 請求項2又は請求項3に記載する水素燃料供給システムにおいて、
    前記制御部は、前記第1圧力センサの検出結果から算出される、前回の水素停止要求時時と今回の水素供給要求時とにおける前記高圧レギュレータの上流側圧力の変化量に応じて前記主止弁の開弁速度を制御する
    ことを特徴とする水素燃料供給システム。
  5. 請求項2から請求項4に記載するいずれか1つの水素燃料供給システムにおいて、
    前記水素タンク内の圧力を検出する第2圧力センサを有し、
    前記制御部は、前記第2圧力センサの検出結果から算出される、前記水素タンクへの水素ガスの充填前後における前記水素タンク内の圧力変化量に応じて前記主止弁の開弁速度を制御する
    ことを特徴とする水素燃料供給システム。
  6. 請求項1に記載する水素燃料供給システムにおいて、
    前記高圧レギュレータの上流側の圧力を検出する第1圧力センサと、
    前記水素タンク内の圧力を検出する第2圧力センサとを有し、
    前記制御部は、前記第1圧力センサ及び前記第2圧力センサの検出結果から算出される、水素の供給要求時における前記水素タンク内の圧力と前記高圧レギュレータの上流側圧力との圧力差に応じて前記主止弁の開弁速度を制御する
    ことを特徴とする水素燃料供給システム。
  7. 請求項1に記載する水素燃料供給システムにおいて、
    前記水素タンク内の圧力を検出する第2圧力センサとを有し、
    前記制御部は、前記第2圧力センサで検出される、水素の供給要求時における前記水素タンク内の圧力に応じて前記主止弁の開弁速度を制御する
    ことを特徴とする水素燃料供給システム。
  8. 請求項1から請求項5に記載するいずれか1つの水素燃料供給システムにおいて、
    前記主止弁は、デューティ制御可能な電磁弁であり、
    前記制御部は、前記主止弁に対する制御信号のデューティ比を小さくすることにより前記除開制御を行う
    ことを特徴とする水素燃料供給システム。
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