JP2015232985A - 燃料電池システム - Google Patents

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Mamoru Yoshioka
衛 吉岡
啓壮 武田
Keiso Takeda
啓壮 武田
中村 和弘
Kazuhiro Nakamura
和弘 中村
小林 昌弘
Masahiro Kobayashi
昌弘 小林
重仁 鈴木
Shigehito Suzuki
重仁 鈴木
明寿 堀田
Akiyoshi Hotta
明寿 堀田
秀行 福田
Hideyuki Fukuda
秀行 福田
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Abstract

【課題】燃料電池の上流側に設けられる調節弁より上流の燃料ガスを極力大気へ放出させずにその燃料ガスの圧力上昇を抑えること。
【解決手段】水素ボンベ2より下流の水素ガス圧力が高圧レギュレータ7で低減される。高圧レギュレータ7より下流に、燃料電池1へ供給される水素ガス流量を調節するインジェクタ14〜17が設けられる。インジェクタ14〜17は、その上流側に作用する水素ガス圧力によりインジェクタ14〜17を開弁可能とする開弁圧力が設定される。インジェクタ14〜17は、燃料電池1への水素ガス供給を停止するときに閉弁される。高圧レギュレータ7とインジェクタ14〜17との間の水素ガス圧力(2次圧)は2次圧センサ32で検出される。コントローラ40は、燃料電池1への水素ガス供給停止時に、検出される2次圧と開弁圧力との差が所定値以下となる場合、2次圧を低減するためにインジェクタ14〜17を開弁する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、電気自動車等の電源として使用される燃料電池システムに関する。
従来、この種の技術として、例えば、下記の特許文献1に記載される燃料電池システムが知られている。このシステムは、電気自動車の電源として使用され、図14に示すような概略構成を備える。すなわち、このシステムは、燃料ガス(水素ガス)と酸化剤ガス(エア)との電気化学反応により発電を行う燃料電池71と、水素ガスを蓄える水素ガスタンク72と、燃料電池71と水素ガスタンク72とを接続する水素供給通路73と、水素ガスタンク72から水素供給通路73への水素ガスの供給と遮断を切り換える主止弁74と、主止弁74と燃料電池71の間の水素供給通路73に設けられ、下流側の圧力を上流側の圧力よりも減少させる減圧弁75と、減圧弁75と燃料電池71の間の水素供給通路73に設けられて燃料電池71へ水素ガスを噴射供給するインジェクタ等の補機76と、減圧弁75より下流の水素供給通路73における圧力を検出する中圧センサ77と、減圧弁75より下流の水素供給通路73における圧力を減圧する圧抜き弁78と、中圧センサ77の検出圧力が所定の判定圧力を超えたときに圧抜き弁78を制御することで減圧弁75より下流の水素供給通路73における圧力を減少させるコントローラ80とを備える。圧抜き弁78により抜かれた圧力と水素ガスは、大気連通路79を通じて大気へ放出されるようになっている。
この燃料電池システムによれば、中圧センサ77の検出圧力が所定の判定圧力を超えると、コントローラ80が圧抜き弁78を開弁させ、減圧弁75より下流の水素供給通路73における圧力を減少させる。これにより、減圧弁75の上流側から下流側へ拡散した水素ガスにより、補機76の上流側における圧力が上昇して補機76が作動不能となることを防止し、燃料電池71が発電不能となることを防止するようになっている。
特開2012−156019号公報
ところが、特許文献1に記載の燃料電池システムでは、圧抜き弁78により抜かれた圧力と水素ガスが大気へ放出されるので、補機76の上流側における水素ガスが大気へ放出された分だけ水素ガスが無駄に消費されることになり、水素ガスの利用効率(燃費)が悪くなっていた。また、補機76の上流側における高い圧力が燃料電池71に作用することとなるので、燃料電池71への水素ガスの供給圧力が高くなり過ぎるおそれがあった。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、燃料電池への燃料ガスの供給が停止されるときに、燃料電池へ供給される燃料ガスを流量調節する調節弁の上流側における燃料ガスを極力大気へ放出させずにその燃料ガスの圧力上昇を抑えることを可能とした燃料電池システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、燃料ガスと酸化剤ガスの供給を受けて発電を行う燃料電池と、燃料ガスを蓄えるための燃料容器と、燃料容器から燃料電池へ燃料ガスを供給するための燃料供給通路と、燃料容器より下流の燃料供給通路に設けられ、燃料ガスの圧力を減圧するための減圧手段と、減圧手段より下流の燃料供給通路に設けられ、燃料電池へ供給される燃料ガスの流量を調節するための調節弁と、調節弁は、その上流側に作用する燃料ガスの圧力により開弁を可能とする所定の開弁圧力が設定され、燃料電池への燃料ガスの供給を停止するときに閉弁されることと、減圧手段と調節弁との間の燃料供給通路における燃料ガスの圧力を減圧後圧力として検出するための減圧後圧力検出手段と、燃料電池への燃料ガスの供給が停止されるとき、検出される減圧後圧力と開弁圧力との差が所定値以下となったときに、減圧後圧力を低減させるために調節弁を開弁する制御手段とを備えたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、燃料電池への燃料ガスの供給が停止されるとき、検出される減圧後圧力と調節弁の開弁圧力との差が所定値以下となったときに、制御手段により調節弁が開弁される。従って、調節弁が開弁された分だけ調節弁の上流側における燃料ガスが調節弁の下流側へ流れ、調節弁の上流側における減圧後圧力が低減される。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、制御手段は、調節弁の開弁を小刻みに繰り返すことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、調節弁の開弁が小刻みに繰り返されるので、燃料ガスが下流側へ少しずつ流れ、減圧後圧力が少しずつ低減される。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、燃料電池へ供給される酸化剤ガスの流量を調節するための酸化剤流量調節手段を更に備え、制御手段は、調節弁の開弁に合わせて、燃料電池へ酸化剤ガスを流すために酸化剤流量調節手段を制御することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、調節弁の開弁に合わせて酸化剤流量調節手段が制御され、燃料電池へ酸化剤ガスが流される。従って、調節弁の下流側から燃料電池へ流れた燃料ガスと燃料電池へ流れた酸化剤ガスとを受けて燃料電池で発電が行われる。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、燃料電池で発電された電気を補助的に蓄えるための補助電池と、補助電池に対する充電と補助電池からの放電とを切り換えるための充放電切換手段とを更に備え、制御手段は、燃料電池への燃料ガスの供給が停止される前に、補助電池が満充電状態にならないよう補助電池から放電させるために充放電切換手段を制御することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項3に記載の発明の作用に加え、燃料電池で発電された電気は補助的に補助電池に蓄えられる。ここで、燃料電池への燃料ガスの供給が停止される前に、補助電池が満充電状態にならないよう制御手段により充放電切換手段が制御されることで、補助電池が放電する。従って、燃料電池への燃料ガスの供給が停止されてから燃料電池で発電された電気は、満充電状態にない補助電池に余裕を持って充電される。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、減圧手段と燃料容器との間の燃料供給通路における燃料ガスの圧力を減圧前圧力として検出するための減圧前圧力検出手段を更に備え、制御手段は、検出される減圧前圧力が高いほど補助電池の最大充電率を予め低下させておくことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項4に記載の発明の作用に加え、減圧前圧力が高いほど、燃料電池への燃料ガス供給停止中に、調節弁の下流側へ流れる燃料ガスが多くなり、燃料電池での発電が増える。この構成によれば、減圧前圧力が高いほど、制御手段により、補助電池の最大充電率が予め低下されるので、燃料電池で発電が増えてもその電気を補助電池に多く蓄えることが可能となる。
請求項1に記載の発明によれば、燃料電池への燃料ガスの供給が停止されるときに、燃料電池へ供給される燃料ガスを流量調節する調節弁の上流側における燃料ガスを極力大気へ放出させずにその燃料ガスの圧力上昇を抑えることができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、調節弁の下流側における燃料ガスの圧力の急激な上昇を抑えることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、燃料ガスを無駄なく発電に利用することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加え、補助電池を有効に使用して電気を蓄えることができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の効果に加え、補助電池を有効に使用してより多くの電気を蓄えることができる。
第1実施形態に係り、燃料電池システムを示す概略構成図。 第1実施形態に係り、高圧レギュレータを概略的に示す断面図。 第1実施形態に係り、(a)主止弁の開閉の挙動、(b)水素供給通路における1次圧と2次圧の挙動を示すタイムチャート。 第1実施形態に係り、水素供給制御プログラムの内容を示すフローチャート。 第1実施形態に係り、運転要求量に対する要求出力を求めるために参照されるマップ。 第1実施形態に係り、要求出力に対する要求水素供給量を求めるために参照されるマップ。 第1実施形態に係り、2次圧と3次圧との差圧に対する噴射補正係数を求めるために参照されるマップ。 第1実施形態に係り、(a)インジェクタのオン・オフの挙動、(b)3次圧の挙動を示すタイムチャート。 第2実施形態に係り、水素供給制御プログラムの内容を示すフローチャート。 第2実施形態に係り、(a)インジェクタのオン・オフの挙動、(b)2次圧の挙動、(c)3次圧の挙動を示すタイムチャート。 第3実施形態に係り、燃料電池システムを示す概略構成図。 第3実施形態に係り、水素ガス及びエアの供給制御プログラムの内容を示すフローチャート。 第3実施形態に係り、1次圧に応じた補助電池の充電率ガードを求めるために参照されるマップ。 従来例に係り、燃料電池システムの一部を示す概略構成図。
<第1実施形態>
以下、本発明における燃料電池システムを具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図1に、この実施形態における燃料電池システムを概略構成図により示す。この燃料電池システムは、電動自動車に搭載され、その駆動用モータ(図示略)に電力を供給するために使用される。燃料電池システムは、本発明の燃料電池(FC)1と、水素ボンベ2とを備える。燃料電池1は、燃料ガスとしての水素ガスと酸化剤ガスとしてのエアの供給を受けて発電を行うようになっている。燃料電池1で発電した電力は、インバータ(図示略)を介して駆動用モータに供給されるようになっている。駆動用モータは、別途の指令に基づいて制御されるようになっている。水素ボンベ2は、本発明の燃料容器の一例に相当し、高圧の水素ガスが蓄えられる。
燃料電池1のアノード側には、水素ボンベ2から燃料電池1へ水素ガスを供給するための水素供給通路3と、燃料電池1から導出される水素オフガスを排出するための水素排出通路4とが設けられる。水素供給通路3は、本発明の燃料供給通路の一例に相当する。水素ボンベ2の直下流の水素供給通路3には、水素ボンベ2から水素供給通路3への水素ガスの供給と遮断を切り換える電磁弁よりなる主止弁5が設けられる。水素排出通路4には、電磁弁よりなる第1切換弁6が設けられる。
主止弁5より下流の水素供給通路3には、水素ガスの圧力を減圧するための高圧レギュレータ7が設けられる。高圧レギュレータ7は、本発明の減圧手段の一例に相当する。主止弁5と高圧レギュレータ7との間の水素供給通路3には、その中の圧力を1次圧P1として検出するための1次圧センサ31が設けられる。1次圧P1は、高圧レギュレータ7と水素ボンベ2との間の水素供給通路3における水素ガスの圧力を意味し、本発明の減圧前圧力に相当する。また、1次圧センサ31は、1次圧P1を検出するための本発明の減圧前圧力検出手段の一例に相当する。この1次圧P1として、例えば「0.1〜90(MPa)」の範囲の値を当てはめることができる。
高圧レギュレータ7は、直列に配置された第1及び第2のレギュレータ8,9と、第2レギュレータ9の上流側と下流側を連通させる連通路10と、連通路10に設けられた逆止弁11とを備え、これらが一つのユニットとして一体的に構成される。高圧レギュレータ7では、第1レギュレータ8により減圧された水素ガスの圧力が、第2レギュレータ9により更に減圧される、すなわち、水素ガスの圧力が2段階に減圧されるようになっている。
高圧レギュレータ7より下流の水素供給通路3には、燃料電池1へ供給される水素ガス流量を調節するための水素流量調節装置12が設けられる。水素流量調節装置12は、デリバリパイプ13と複数のインジェクタ14,15,16,17とを含む。デリバリパイプ13は、水素供給通路3の水素ガスを複数のインジェクタ14〜17へ分配するためのものであり、所定の容積を有する。このデリバリパイプ13には、複数のインジェクタ14〜17が並列に接続される。デリバリパイプ13には、その中の圧力が所定値(例えば「3(MPa)」)以上になったときに開弁して圧力を抜くための中圧リリーフ弁18が設けられる。複数のインジェクタ14〜17は、通常流量を噴射する第1、第2及び第3のインジェクタ14〜16と、通常流量より少ない小流量を噴射する第4インジェクタ17とを含む。各インジェクタ14〜17には、その上流側に作用する水素ガスの圧力であって各インジェクタ14〜17の開弁を可能とする開弁圧力が設定される。この実施形態で、各インジェクタ14〜17の開弁圧力は、例えば、第1〜第3のインジェクタ14〜16の開弁圧力が「3(MPa)」に設定され、第4インジェクタ17の開弁圧力が「10(MPa)」に設定される。デリバリパイプ13の直上流の水素供給通路3には、その中の圧力を2次圧P2として検出するための2次圧センサ32が設けられる。2次圧P2として、例えば「1.1〜1.6(MPa)」の範囲の値を当てはめることができる。この2次圧センサ32は、高圧レギュレータ7とデリバリパイプ13との間の水素供給通路3における水素ガスの圧力を減圧後圧力である2次圧P2として検出するための本発明の減圧後圧力検出手段の一例に相当する。
各インジェクタ14〜17の下流側は、それぞれ水素供給通路3を介して燃料電池1に接続される。各インジェクタ14〜17の直下流の水素供給通路3には、その中の圧力を3次圧P3として検出するための3次圧センサ33が設けられる。この3次圧P3として、例えば「0.1〜0.3(MPa)」の範囲の値を当てはめることができる。3次圧センサ33より下流の水素供給通路3には、その中の圧力が所定値以上になったときに開弁して圧力を抜くための低圧リリーフ弁19が設けられる。
この実施形態では、水素流量調節装置12を構成するデリバリパイプ13、各インジェクタ14〜17、中圧リリーフ弁18、低圧リリーフ弁19、2次圧センサ32、3次圧センサ33及びそれらをつなぐ配管20は、一つのユニットとして一体的に構成される。
一方、燃料電池1のカソード側には、燃料電池1にエアを供給するためのエア供給通路21と、燃料電池1から導出されるエアオフガスを排出するためのエア排出通路22とが設けられる。エア供給通路21には、燃料電池1に供給されるエア流量を調節するためのエアポンプ23が設けられる。エアポンプ23は、本発明の酸化剤流量調節手段の一例に相当する。エアポンプ23より下流のエア供給通路21には、エア圧力P4を検出するためのエア圧センサ34が設けられる。エア排出通路22には、電磁弁よりなる第2切換弁24が設けられる。
上記構成において、水素ボンベ2から導出される水素ガスは、水素供給通路3を通り、主止弁5、高圧レギュレータ7、水素流量調節装置12を介して燃料電池1に供給される。燃料電池1に供給された水素ガスは、同電池1にて発電に使用された後、同電池1から水素オフガスとして水素排出通路4及び第1切換弁6を介して排出される。
また、上記構成において、エアポンプ23によりエア供給通路21へ吐出されたエアは燃料電池1に供給される。燃料電池1に供給されたエアは、同電池1にて発電に使用された後、同電池1からエアオフガスとしてエア排出通路22及び第2切換弁24を介して排出される。
ここで、高圧レギュレータ7について詳しく説明する。図2に、高圧レギュレータ7を概略的に断面図により示す。高圧レギュレータ7は、ケーシング41を備え、そのケーシング41に、第1レギュレータ8、第2レギュレータ9、前通路3a、中通路3b、後通路3c、連通路10及び逆止弁11が一体的に設けられて構成される。前通路3aは、第1レギュレータ8による減圧前の水素ガスが入る空間である。中通路3bは、第1レギュレータ8による減圧後であって第2レギュレータ9による減圧前の水素ガスが入る空間である。後通路3cは、第2レギュレータ9による減圧後の水素ガスが入る空間である。ケーシング41において、その上流側に第1レギュレータ8が、その下流側に第2レギュレータ9が配置され、第1レギュレータ8と第2レギュレータ9との間に連通路10と逆止弁11が配置される。逆止弁11は、中通路3bから後通路3cへ向かう水素ガスの流れを許容可能とし、その逆向きの流れを阻止するように構成される。この実施形態で、逆止弁11は、中通路3bから後通路3cへ向かう水素ガスの圧力がある圧力(開弁圧)より大きい場合に、その水素ガスの流れを許容するようになっている。この実施形態では、逆止弁11の開弁圧は、中通路3bにおける水素ガスの通常調整圧力に所定値αを加算した圧力よりも大きくなるように設定される。
第1レギュレータ8は、第1シリンダ42と、第1シリンダ42に配置された第1ピストン43と、第1ピストン43から下方へ延びるロッド44と、ロッド44の下端に設けられる弁体45と、弁体45に対応して前通路3aに設けられた弁座46と、弁体45をロッド44及び第1ピストン43と共に弁体45が閉じる方向へ付勢する閉弁スプリング47と、第1ピストン43をロッド44及び弁体45と共に弁体45が開く方向へ付勢する開弁スプリング48とを含む。第1ピストン43の外周には、第1シリンダ42との間にシール部材49が設けられる。従って、第1レギュレータ8は、同レギュレータ8の上流側の前通路3aに作用する水素ガスの圧力と、中通路3bにおける水素ガスの圧力と、閉弁スプリング47の付勢力と、開弁スプリング48の付勢力とのバランスにより作動し、第1レギュレータ8の上流側に作用する水素ガスの圧力を減圧するようになっている。
第2レギュレータ9は、第2シリンダ51と、第2シリンダ51に配置された第2ピストン52と、第2ピストン52と一体に設けられて上方へ延びるチューブ53と、チューブ53の上端に対応して中通路3bに設けられる弁座54と、第2ピストン52をチューブ53と共にチューブ53の上端開口53aが弁座54から離間する方向へ付勢する開弁スプリング55とを含む。第2ピストン52は、中空状に形成され、その中空部52aがチューブ53の中空部53bに連通する。第2ピストン52の外周には、第2シリンダ51との間にシール部材56が設けられる。また、チューブ53の上端部外周と中通路3bとの間には、シール部材57が設けられる。従って、第2レギュレータ9は、同レギュレータ9の上流側の中通路3bにおける減圧後の水素ガスの圧力と、後通路3cにおける水素ガスの圧力と、開弁スプリング55の付勢力とのバランスにより作動し、第2レギュレータ9の上流側に作用する水素ガスの圧力を更に減圧するようになっている。
この燃料電池システムは、同システムの制御を司るコントローラ40を更に備える。コントローラ40は、燃料電池1へ供給される水素ガスの流れを制御するために、1次圧センサ31、2次圧センサ32及び3次圧センサ33の検出値に基づき、主止弁5、各インジェクタ14〜17を制御するようになっている。また、コントローラ40は、水素排出通路4の水素オフガスの流れを制御するために、第1切換弁6を制御するようになっている。一方、コントローラ40は、燃料電池1へ供給されるエアの流れを制御するために、エア圧センサ34の検出値に基づきエアポンプ23を制御するようになっている。また、コントローラ40は、エア排出通路22のエアオフガスの流れを制御するために、第2切換弁24を制御するようになっている。コントローラ40は、燃料電池1の発電に係る電圧値及び電流値をそれぞれ入力するようになっている。また、コントローラ40は、電気自動車の運転操作に係る指令値として、運転席に設けられるアクセルセンサ36からアクセルペダル37の操作量に相当するアクセル開度ACCを入力するようになっている。更に、コントローラ40は、車速センサ38から電気自動車の車速SPDを入力するようになっている。コントローラ40は、中央処理装置(CPU)及びメモリを備え、燃料電池1へ供給される水素ガス量及びエア量を制御するために、メモリに記憶された所定の制御プログラムに基づいて主止弁5、各インジェクタ14〜17及びエアポンプ23等を制御するようになっている。
図3に、(a)主止弁5の開閉の挙動、(b)水素供給通路3における1次圧P1と2次圧P2の挙動をタイムチャートにより示す。時刻t1で、主止弁5が開弁状態から閉弁されて水素ボンベ2から水素供給通路3への水素ガス供給が停止すると、高圧レギュレータ7より上流の水素供給通路3における1次圧P1は下降し始め、これに対し、高圧レギュレータ7と各インジェクタ14〜17との間の水素供給通路3における2次圧P2は上昇を始める。この2次圧P2が、中圧リリーフ弁18の開弁圧である中圧リリーフ圧L2を超えると、中圧リリーフ弁18から水素ガスが大気へ放出されることになる。図3(b)において、中圧リリーフ圧L2のレベルより上の部分であって、太線で示す2次圧P2より下の部分に相当する水素ガスが大気へ放出されることになる。ここで、図3(b)に示すように、例えば、中圧リリーフ圧L2を中圧リリーフ圧L2aへアップさせることにより(対策1)、中圧リリーフ弁18からの水素ガスの放出量を低減させることができる。また、デリバリパイプ13等を設けて各インジェクタ14〜17より上流の配管容積をアップさせことにより(対策2)、図3(b)に破線で示すように、2次圧P2の上昇を抑え、その分だけ中圧リリーフ弁18からの水素ガスの放出量を低減させることができる。しかしながら、上記の対策1及び2を施しても、水素ガスの放出を有効に回避することはできない。そこで、この実施形態では、燃料電池1への水素ガスの供給を止したときに、水素ガスの放出を回避するために、コントローラ40が次のような水素供給制御を実行するようになっている。
図4に、水素供給制御プログラムをフローチャートにより示す。処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ100で、コントローラ40は、1次圧センサ31、2次圧センサ32及び3次圧センサ33の検出値に基づき、1次圧P1、2次圧P2及び3次圧P3をそれぞれ取り込む。
次に、ステップ110で、コントローラ40は、燃料電池1への水素供給が要求されているか否かを判断する。すなわち、燃料電池1で発電を行う水素供給時であるか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、すなわち、水素供給時である場合、コントローラ40は処理をステップ120へ移行する。この判断結果が否定となる場合、すなわち、水素供給停止時である場合、コントローラ40は処理をステップ160へ移行する。
ステップ120では、コントローラ40は、主止弁5を開弁制御する。これにより、水素ボンベ2から水素供給通路3へ水素ガスが導出される。
次に、ステップ130で、コントローラ40は、燃料電池1で要求される要求水素供給量H2tauを算出する。この要求水素供給量H2tauは、車両の運転状態に応じたパラメータであり、コントローラ40は、例えば、要求水素供給量H2tauを以下のように算出することができる。すなわち、先ず、コントローラ40は、アクセル開度ACCと車速SPDから運転要求量DRdを算出する。ここで、車速SPDは、モータ(図示略)の回転速度と相関性がある。次に、コントローラ40は、その運転要求量DRdからモータの要求出力OPdを算出する。コントローラ40は、例えば、図5に示すようなマップを参照することで、運転要求量DRdに対する要求出力OPdを求めることができる。次に、コントローラ40は、その要求出力OPdから要求水素供給量H2tauを算出する。コントローラ40は、例えば、図6に示すようなマップを参照することで、要求出力OPdに対する要求水素供給量H2tauを求めることができる。
次に、ステップ140で、コントローラ40は、各インジェクタ14〜17の水素供給量TH2tauを算出する。コントローラ40は、例えば、この水素供給量TH2tauを以下のように算出することができる。すなわちコントローラ40は、要求水素供給量H2tauから、各インジェクタ14〜17のそれぞれに対応した噴射時間Tinjを算出する。また、コントローラ40は、2次圧P2と3次圧P3との差圧ΔP23を算出し、その差圧ΔP23から噴射補正係数Kinjを算出する。コントローラ40は、例えば、図7に示すようなマップを参照することで、差圧ΔP23に対する噴射補正係数Kinjを求めることができる。そして、コントローラ40は、噴射時間Tinjに噴射補正係数Kinjを乗算することにより、各インジェクタ14〜17に対応した水素供給量TH2tauを算出する。このように水素供給量TH2tauを算出するのは、各インジェクタ14〜17の前後圧が、高圧レギュレータ7による調圧状態等によって変化することから、その変化による水素供給量TH2tauを補うためである。
次に、ステップ150で、コントローラ40は、水素供給量TH2tauに基づき各インジェクタ14〜17を制御することにより、燃料電池1に必要量の水素ガスを供給する。ここで、コントローラ40は、水素供給量TH2tauの大きさに応じて、使用すべきインジェクタ14〜17とその本数を決定し、各インジェクタ14〜17による噴射回数ができるだけ少なくなるようにしている。その後、コントローラ40は、処理をステップ100へ戻す。
一方、ステップ110から移行してステップ160では、コントローラ40は、2次圧P2が各インジェクタ14〜17の開弁圧に相当する所定の基準値B1より高いか否かを判断する。すなわち、各インジェクタ14〜17の上流側における水素ガスの圧力が、各インジェクタ14〜17の開弁圧よりも高いか否かを判断する。ここで、基準値B1として、例えば「1.6(MPa)」を当てはめることができる。この判断結果が肯定となる場合、コントローラ40は処理をステップ170へ移行する。この判断結果が否定となる場合、コントローラ40は処理をステップ180へ移行する。
ステップ170では、コントローラ40は、主止弁5を閉弁制御する。これにより、水素ボンベ2から水素供給通路3への水素ガスの導出が遮断される。
一方、ステップ180では、コントローラ40は、主止弁5を開弁制御する。これにより、水素ボンベ2から水素供給通路3へ水素ガスが導出される。
ステップ170又はステップ180から移行してステップ190では、コントローラ40は、3次圧P3が各インジェクタ14〜17の開弁圧に相当する所定の基準値B1より高いか否かを判断する。すなわち、各インジェクタ14〜17の下流側における水素ガスの圧力が、各インジェクタ14〜17の開弁圧よりも高いか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、コントローラ40は処理をステップ200へ移行する。この判断結果が否定となる場合、コントローラ40は処理をステップ210へ移行する。
ステップ200では、コントローラ40は、各インジェクタ14〜17による水素ガスの供給を停止させる。すなわち、各インジェクタ14〜17を閉弁させる。その後、コントローラ40は、処理をステップ100へ戻す。
一方、ステップ210では、コントローラ40は、各インジェクタ14〜17による水素ガスの供給を、停止時水素供給量TH2tauminに制御した後、処理をステップ100へ戻す。
上記制御によれば、コントローラ40は、水素供給停止時に、各インジェクタ14〜17の上流側における2次圧P2と各インジェクタ14〜17の下流側における3次圧P3を、それぞれ各インジェクタ14〜17の開弁圧力相当の圧力に調整するために、各インジェクタ14〜17を開弁制御するようになっている。換言すると、燃料電池1への水素ガスの供給が停止されるときに、コントローラ40は、検出される2次圧P2と各インジェクタ14〜17の開弁圧力(基準値B1)との差が所定値以下となったときに、2次圧P2を低減するために各インジェクタ14〜17を開弁するようになっている。
以上説明したこの実施形態における燃料電池システムによれば、燃料電池1への水素ガスの供給が停止されるとき、2次圧センサ32により検出される2次圧P2と各インジェクタ14〜17の開弁圧力(基準値B1)との差が所定値以下となったときに、コントローラ40により各インジェクタ14〜17が開弁される。従って、各インジェクタ14〜17が開弁された分だけ各インジェクタ14〜17の上流側における水素ガスが各インジェクタ14〜17の下流側へ流れ、各インジェクタ14〜17の上流側における2次圧P2が低減される。このため、燃料電池1への水素ガスの供給が停止されるときに、燃料電池1へ供給される水素ガスを流量調節する各インジェクタ14〜17の上流側における水素ガスを極力大気へ放出させずにその水素ガスの圧力(2次圧P2)の上昇を抑えることができる。この結果、水素ガスを大気へ放出させないので、水素ガスを無駄に消費することがなく、水素ガスの利用効率(燃費)を向上させることができる。また、各インジェクタ14〜17の上流側における2次圧P2が必要以上に高くならないので、各インジェクタ14〜17の下流側、すなわち燃料電池1へ供給される水素ガスの圧力(3次圧P3)が高くなり過ぎることがない。
図8に、(a)インジェクタ14〜17のオン・オフの挙動、(b)3次圧P3の挙動をタイムチャートにより示す。図8に示すように、水素供給停止時における停止時水素供給量TH2taumin(1)〜TH2taumin(3)は、3次圧P3が低圧リリーフ圧L1(低圧リリーフ弁19の開弁圧)を超えないようにするための各インジェクタ14〜17による1回の最小水素供給量(最小噴射時間)を意味する。図8において、太線は、図4のフローチャートにおけるステップ210の処理が成功した場合を示し、破線はそのステップ210の処理が失敗した場合を示す。図8(b)において、鎖線と太線との間の差圧分(網掛け部分)は、水素ガスが大気へ放出されることで調整される分を意味する。従って、水素供給停止時に、図8(a)に太線で示すように、各インジェクタ14〜17を停止時水素供給量TH2taumin(1),TH2taumin(2)に制御することで、図8(b)に太線で示すように、3次圧P3が低圧リリーフ圧L1を超えないように調整することができ、低圧リリーフ弁19から水素ガスを大気へ放出させないようにすることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明における燃料電池システムを具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明において前記第1実施形態と同等の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
この実施形態では、水素供給制御プログラムの内容の点で第1実施形態と構成が異なる。図9に、この制御プログラムをフローチャートにより示す。このフローチャートでは、ステップ300〜ステップ350の処理内容の点で、図4のステップ160、ステップ190〜ステップ210の処理内容と異なる。
このルーチンにおいて、ステップ110の判断結果が否定となり、すなわち、水素供給停止時の場合、処理がステップ300へ移行すると、コントローラ40は、2次圧P2が所定の低圧リリーフ圧L1から所定値αを減算した値より高いか否かを判断する。すなわち、各インジェクタ14〜17の上流側における水素ガスの圧力が、低圧リリーフ弁19が開弁する圧力に近付いたか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、コントローラ40は処理をステップ170へ移行し、主止弁5閉弁制御する。この判断結果が否定となる場合、コントローラ40は処理をステップ180へ移行し、主止弁5を開弁制御する。
その後、ステップ170又はステップ180から移行してステップ310では、コントローラ40は、3次圧P3が低圧リリーフ圧L1から所定値αを減算した値より高いか否かを判断する。すなわち、各インジェクタ14〜17の下流側における水素ガスの圧力が、低圧リリーフ弁19が開弁する圧力に近付いたか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、コントローラ40は処理をステップ320へ移行する。この判断結果が否定となる場合、コントローラ40は処理をステップ350へ移行する。
ステップ350では、コントローラ40は、各インジェクタ14〜17による水素ガス供給を停止時水素供給量TH2taumin1に制御し、その後、コントローラ40は、処理をステップ100へ戻す。
一方、ステップ320では、コントローラ40は、2次圧P2が各インジェクタ14〜17の開弁圧に相当する所定の基準値B1から所定値βを減算した値より高いか否かを判断する。すなわち、各インジェクタ14〜17の上流側における水素ガスの圧力が、各インジェクタ14〜17が開弁する圧力に近付いたか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、コントローラ40は処理をステップ330へ移行する。この判断結果が否定となる場合、コントローラ40は処理をステップ340へ移行する。
そして、ステップ330では、コントローラ40は、各インジェクタ14〜17による水素ガス供給を停止時水素供給量TH2taumin2(<TH2taumin1)に分割制御し、その後、コントローラ40は、処理をステップ100へ戻す。ここで、分割制御とは、各インジェクタ14〜17を小刻みに開弁させることで水素ガスを小刻みに噴射させることを意味する。
一方、ステップ340では、コントローラ40は、各インジェクタ14〜17による水素ガスの供給を停止させる。すなわち、各インジェクタ14〜17を閉弁させる。その後、コントローラ40は、処理をステップ100へ戻す。
上記制御によれば、コントローラ40は、水素供給停止時に、各インジェクタ14〜17の上流側における2次圧P2と各インジェクタ14〜17の下流側における3次圧P3を、それぞれ各インジェクタ14〜17の開弁圧力相当の圧力に調整するために、各インジェクタ14〜17を開弁制御するようになっている。換言すると、燃料電池1への水素ガスの供給が停止されるときに、コントローラ40は、検出される2次圧P2と各インジェクタ14〜17の開弁圧力(基準値B1)との差が所定値以下となったときに、2次圧P2を低減するために各インジェクタ14〜17を開弁するようになっている。また、コントローラ40は、水素供給停止時に、各インジェクタ14〜17の下流側における3次圧P3が瞬時に上昇しないようにするために、各インジェクタ14〜17の開弁を小刻みに繰り返すようになっている。
以上説明したこの実施形態における燃料電池システムによれば、第1実施形態の作用効果に加え、次のような作用効果を有する。すなわち、コントローラ40は、水素供給停止時に、各インジェクタ14〜17の下流側における3次圧P3が瞬時に上昇しないようにするために、各インジェクタ14〜17の開弁を小刻みに繰り返すように制御するので、水素ガスが各インジェクタ14〜17の下流側へ少しずつ流れ、減圧後圧力(2次圧P2)が少しずつ低減される。このため、各インジェクタ14〜17の下流側における水素ガスの圧力(3次圧P3)の急激な上昇を抑えることができる。
図10に、(a)インジェクタ14〜17のオン・オフの挙動、(b)2次圧P2の挙動、(c)3次圧P3の挙動をタイムチャートにより示す。図10に示すように、水素供給停止時における停止時水素供給量TH2taumin1は、3次圧P3が低圧リリーフ圧L1(低圧リリーフ弁19の開弁圧)を超えないようにするための各インジェクタ14〜17による1回の最小水素供給量(最小噴射時間)を意味する。また、停止時水素供給量TH2taumin2は、2次圧P2が各インジェクタ14〜17の開弁圧に相当する所定の基準値B1より所定値βだけ低い圧力を超えないようにするために各インジェクタ14〜17を小刻みに開弁したときの1回の最小水素供給量(最小噴射時間)を意味する。図10において、太線は図9のフローチャートにおけるステップ330の処理を行った場合を示し、図10(b)の破線はそのステップ330の処理を行わなたった場合を示す。図10(a)において、各インジェクタ14〜17による水素ガス供給を停止時水素供給量TH2taumin2に分割制御することで、図10(c)に網掛け部分で示すように、3次圧P3が小刻みに低圧リリーフ圧L1を上下し、水素ガスの大気への放出が小刻みに抑えられることで、2次圧P2を各インジェクタ14〜17の開弁圧(基準値B1)よりも低く抑えることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明における燃料電池システムを具体化した第3実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
この実施形態では、燃料電池システムと、水素及びエアの供給制御プログラムの内容の点で前記各実施形態と構成が異なる。図11に、この実施形態の燃料電池システムを概略構成図により示す。図11に示すように、この実施形態では、燃料電池1の他に、それとは異なる補助電池30等を備える点で前記各実施形態の燃料電池システムと構成が異なる。補助電池30は、充放電回路26を介して燃料電池1に接続される。コントローラ40は、燃料電池1から補助電池30への充電(蓄電)と、補助電池30からの放電と、補助電池30の電圧維持とを切り換えるために充放電回路26を制御するようになっている。また、コントローラ40は、補助電池30の電圧値及び電流値をそれぞれ入力するようになっている。
図12に、水素ガス及びエアの供給制御プログラムの内容をフローチャートにより示す。このフローチャートでは、ステップ400〜ステップ490の処理内容の点で、図4の処理内容と異なる。すなわち、図4のフローチャートと比較すると、ステップ100とステップ110の間にステップ400〜ステップ440の処理が設けられ、ステップ150の後にステップ450の処理が設けられ、ステップ190の後にステップ460〜ステップ490の処理が設けられる。
処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ100の後、ステップ400で、コントローラ40は、1次圧P1により補助電池30の充電率ガードBATmaxを求める。充電率ガードBATmaxは、補助電池30の充電率BATの上限値を意味する。コントローラ40は、図13に示すようなマップを参照することにより、1次圧P1に応じた補助電池30の充電率ガードBATmaxを求めることができる。このマップでは、1次圧P1が「0(MPa)」付近から増加するに連れて、最大値(100%)から緩やかに低下するようになっている。すなわち、コントローラ40は、検出される1次圧P1が高いほど補助電池30の最大充電率を低下させるようになっている。
次に、ステップ410で、コントローラ40は、補助電池30の充電率BATを求める。ここで、充電率BATとは、補助電池30の充電状態を示し、最大充電圧に対する充電電圧の割合を意味する。この充電率BATは、補助電池30の端子電圧、あるいは、バッテリー液の比重で求めることができる。ただし、端子電圧が高くても電極やバッテリー液が劣化していると電池が正常に機能しない場合がある。また、一般に、電池は、放電するとバッテリー液の濃度が低下してその比重が軽くなる。従って、この比重を測定することで電池の充電状態を確認することができる。この実施形態では、コントローラ40は、補助電池30の端子電圧に基づいて充電率BATを求めるようになっている。
次に、ステップ420で、コントローラ40は、補助電池30の充電率BATが充電率ガードBATmaxより大きい否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、コントローラ40は処理をステップ430へ移行する。この判断結果が否定となる場合、コントローラ40は処理をステップ440へ移行する。
そして、ステップ430では、コントローラ40は、補助電池30を放電優先制御する。すなわち、コントローラ40は、燃料電池1と補助電池30との間で補助電池30を優先的に放電させる。
一方、ステップ440では、コントローラ40は、補助電池30を充電要求に応じ充電又は放電又は維持させるように制御する。
その後、ステップ430又はステップ440から移行してステップ110〜ステップ150の処理を実行した後、ステップ450で、コントローラ40は、水素ガス供給時の最新(初期)の1次圧P1を最新1次圧P1newとして記憶した後、処理をステップ100へ戻す。この最新1次圧P1newは、水素供給停止時の初期の1次圧P1を意味する。水素供給停止初期に1次圧P1が高い程、燃料電池1に供給する水素ガス量(≒発電量)が増加するので、補助電池30の充電状態のガードに反映させる。
一方、コントローラ40は、ステップ110からステップ160へ移行し、ステップ160〜ステップ190の処理を実行する。そして、ステップ190からステップ460へ移行すると、コントローラ40は、2次圧P2が所定の中圧リリーフ圧L2から所定値αを減算した値より低いか否かを判断する。すなわち、各インジェクタ14〜17の上流側における水素ガスの圧力が、中圧リリーフ弁18が開弁する圧力に近付いたか否かを判断する。この判断結果が否定となる場合、コントローラ40は処理をステップ470へ移行する。この判断結果が肯定となる場合、コントローラ40は処理を490へ移行する。
そして、ステップ470では、コントローラ40は、各インジェクタ14〜17による水素ガス供給を停止時水素供給量TH2tauminに制御する。次に、ステップ480で、コントローラ40は、停止時水素供給量TH2tauminに応じてエアポンプ23を制御し、その後、処理をステップ100へ戻す。このように燃料電池1に水素ガスとエアをわずかに流れることにより、燃料電池1では少しの発電が行われることになる。
一方、ステップ490では、コントローラ40は、各インジェクタ14〜17による水素ガスの供給を停止させる。すなわち、各インジェクタ14〜17を閉弁させる。その後、コントローラ40は、処理をステップ100へ戻す。
上記制御によれば、コントローラ40は、水素供給停止時に、各インジェクタ14〜17の上流側における2次圧P2と各インジェクタ14〜17の下流側における3次圧P3を、それぞれ各インジェクタ14〜17の開弁圧力相当の圧力に調整するために、各インジェクタ14〜17を開弁制御するようになっている。換言すると、燃料電池1への水素ガスの供給が停止されるときに、コントローラ40は、検出される2次圧P2と各インジェクタ14〜17の開弁圧力(基準値B1)との差が所定値以下となったときに、2次圧P2を低減するために各インジェクタ14〜17を開弁するようになっている。また、コントローラ40は、水素供給停止時に、高圧レギュレータ7からの水素ガスの漏れ圧が中圧リリーフ圧L2まで上昇したときは、各インジェクタ14〜17を開弁して燃料電池1へ水素ガスを流すと共に、それに合わせてエアポンプ23を制御して燃料電池1へエアを流すようになっている。すなわち、コントローラ40は、各インジェクタ14〜17の開弁に合わせて、燃料電池1へエアを流すためにエアポンプ23を制御するようになっている。ここで、水素ガスとエアを受けて燃料電池1が発電したときは、その電力が補助電池30に充電されるようになっている。また、補助電池30の充電状態である充電率BATが必要以上に増えないようにするために、コントローラ40は、燃料電池1より優先して補助電池30からの放電を優先させるようになっている。すなわち、コントローラ40は、燃料電池1への水素ガスの供給が停止される前に、補助電池30が満充電状態にならないよう補助電池30から放電させるために充放電回路26を制御するようになっている。また、コントローラ40は、検出される1次圧P1が高いほど補助電池30の最大充電率を低下させるようになっている。
以上説明したこの実施形態における燃料電池システムによれば、第1実施形態の作用効果に加え次のような作用効果を有する。すなわち、燃料電池1への水素ガスの供給が停止されるときは、各インジェクタ14〜17の開弁に合わせてエアポンプ23が制御され、燃料電池1へエアが流される。従って、各インジェクタ14〜17の下流側から燃料電池1へ流れた水素ガスと燃料電池1へ流れたエアとを受けて燃料電池1で発電が行われる。このため、水素ガスを無駄なく発電に利用することができる。
この実施形態によれば、燃料電池1で発電された電気は補助的に補助電池30に蓄えられる。ここで、燃料電池1への水素ガスの供給が停止される前に、補助電池30が満充電状態にならないようコントローラ40により充放電回路26が制御されることで、補助電池30が放電する。従って、燃料電池1への水素ガスの供給が停止されてから燃料電池1で発電された電気は、満充電状態にない補助電池30に余裕を持って充電される。このため、補助電池30を有効に補助的に使用して電気を蓄えることができる。
この実施形態によれば、1次圧P1が高いほど、燃料電池1への水素ガス供給停止中に、各インジェクタ14〜17から下流側へ流れる水素ガスが多くなり、燃料電池1での発電も増えることになる。この構成によれば、1次圧P1が高いほど補助電池30の最大充電率をコントローラ40が予め低下させておくので、燃料電池1で発電された電気を補助電池30でより多く蓄えることが可能となる。この意味でも、補助電池30を有効に補助的に使用してより多くの電気を蓄えることができる。
なお、この発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して実施することもできる。
(1)前記各実施形態では、デリバリパイプ13と複数のインジェクタ14〜17を含む水素流量調節装置12を設けたが、燃料電池のサイズや最大発電量に応じて、デリバリパイプ13を省略したり、インジェクタを一つにしたりすることもできる。
(2)前記各実施形態では、減圧手段として二つのレギュレータ8,9を備えた高圧レギュレータ7を設けたが、減圧手段の構成はこれに限られるものではなく、一つのレギュレータを設けてもよい。
この発明は、電気自動車の電源や家庭用の電源として利用することができる。
1 燃料電池
2 水素ボンベ(燃料容器)
3 水素供給通路(燃料供給通路)
7 高圧レギュレータ(減圧手段)
14 第1インジェクタ
15 第2インジェクタ
16 第3インジェクタ
17 第4インジェクタ
23 エアポンプ(酸化剤流量調節手段)
26 充放電回路(充放電切換手段)
30 補助電池
31 1次圧センサ(減圧前圧力検出手段)
32 2次圧センサ(減圧後圧力検出手段)
40 コントローラ(制御手段)
P1 1次圧(減圧前圧力)
P2 2次圧(減圧後圧力)
B1 基準値(開弁圧力)

Claims (5)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスの供給を受けて発電を行う燃料電池と、
    前記燃料ガスを蓄えるための燃料容器と、
    前記燃料容器から前記燃料電池へ前記燃料ガスを供給するための燃料供給通路と、
    前記燃料容器より下流の前記燃料供給通路に設けられ、前記燃料ガスの圧力を減圧するための減圧手段と、
    前記減圧手段より下流の前記燃料供給通路に設けられ、前記燃料電池へ供給される前記燃料ガスの流量を調節するための調節弁と、
    前記調節弁は、その上流側に作用する前記燃料ガスの圧力により開弁を可能とする所定の開弁圧力が設定され、前記燃料電池への前記燃料ガスの供給を停止するときに閉弁されることと、
    前記減圧手段と前記調節弁との間の前記燃料供給通路における前記燃料ガスの圧力を減圧後圧力として検出するための減圧後圧力検出手段と、
    前記燃料電池への前記燃料ガスの供給が停止されるとき、検出される前記減圧後圧力と前記開弁圧力との差が所定値以下となったときに、前記減圧後圧力を低減させるために前記調節弁を開弁する制御手段と
    を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記制御手段は、前記調節弁の開弁を小刻みに繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池へ供給される前記酸化剤ガスの流量を調節するための酸化剤流量調節手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記調節弁の開弁に合わせて、前記燃料電池へ前記酸化剤ガスを供給するために前記酸化剤流量調節手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料電池で発電された電気を補助的に蓄えるための補助電池と、前記補助電池に対する充電と前記補助電池からの放電とを切り換えるための充放電切換手段とを更に備え、
    前記制御手段は、前記燃料電池への前記燃料ガスの供給が停止される前に、前記補助電池が満充電状態にならないよう前記補助電池から放電させるために前記充放電切換手段を制御する
    ことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記減圧手段と前記燃料容器との間の前記燃料供給通路における前記燃料ガスの圧力を減圧前圧力として検出するための減圧前圧力検出手段を更に備え、
    前記制御手段は、検出される前記減圧前圧力が高いほど前記補助電池の最大充電率を予め低下させておく
    ことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113757560A (zh) * 2020-06-04 2021-12-07 本田技研工业株式会社 气体供给系统

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