JP5136879B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料供給源から供給される燃料ガスを燃料電池へと流すための供給流路に可変ガス供給装置を備えた燃料電池システムに関する。
従来より、反応ガス(燃料ガス及び酸化ガス)の供給を受けて発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムが提案され、実用化されている。また、近年においては、水素タンク等の燃料供給源から供給される燃料ガスを燃料電池へと流すための燃料供給流路に、機械式可変レギュレータやインジェクタ等の可変ガス供給装置を設けることにより、燃料供給源からの燃料ガスの供給圧力をシステムの運転状態に応じて変化させることを可能にした燃料電池システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)
特開2005−302563号公報
このような燃料電池システムにおいては、例えば、燃料電池の発電電流値に基づいて燃料電池で消費される燃料ガス消費量をフィードフォワード項(F/F項)として演算する一方で、可変ガス供給装置の下流位置における目標調圧値と検出圧力値との偏差に基づいてフィードバック制御を行っている。
したがって、可変ガス供給装置の下流位置に配設された圧力センサに何らかの異常が発生した場合には、フィードバック制御による調圧ができなくなるため、フェールセーフの観点から燃料電池システムの強制停止を余儀なくされることがあった。上記特許文献1には、当該圧力センサに異常が発生した場合の制御方法については何ら開示されておらず、かかる場合の継続運転を可能にする技術の開発が望まれている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、可変ガス供給装置の下流位置に配設された圧力センサに異常が発生した場合にも継続運転を可能にする燃料電池システムの提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池と、燃料供給源から供給される燃料ガスを前記燃料電池へと流すための供給流路と、この供給流路の上流側のガス状態を調整して下流側に供給する可変ガス供給装置と、前記供給流路の前記可変ガス供給装置よりも下流位置に配設された圧力センサと、少なくとも前記圧力センサによる検出圧力値と前記燃料電池の運転状態に応じた物理量とを使用して前記可変ガス供給装置に対するガス供給指令量を演算し、その演算結果に基づいて当該可変ガス供給装置の動作を制御する制御部と、前記圧力センサの異常を判定する異常判定部と、を備え、前記制御部は、前記異常判定部によって前記圧力センサの異常が判定された場合には、前記ガス供給指令量を演算する際の前記検出圧力値の使用を禁止するものである。
この構成によれば、圧力センサの異常が判定された場合には、当該圧力センサによる検出圧力値を使用せず、少なくとも燃料電池の運転状態に応じた物理量を使用して可変ガス供給装置に対するガス供給指令量を演算するので、当該圧力センサの異常発生の影響を排除することができる。
前記制御部は、フィードバック制御とフィードフォワード制御とを併用して前記可変ガス供給装置の動作を制御するものであり、前記フィードバック制御におけるフィードバック項の演算には、少なくとも、前記可変ガス供給装置の下流位置における目標調圧値と前記検出圧力値との偏差と、前記可変ガス供給装置の駆動特性の学習値とが使用され、前記フィードフォワード制御におけるフィードフォワード項の演算には、前記燃料電池の運転状態に応じた物理量が使用されるものでもよい。
前記燃料電池の運転状態に応じた物理量は、当該燃料電池の発電電流値または燃料ガス消費量である。また、前記学習値は、前記目標調圧値と前記検出圧力値との偏差の時間的累積値を、前記燃料電池に対するガス供給要求量毎に積算して得た値である。
前記制御部は、前記異常判定部によって前記圧力センサの異常が判定された場合には、前記フィードフォワード項の値と前記学習値とから前記ガス供給指令量を演算するものでもよい。あるいは、前記フィードフォワード項の値と前記学習値と所定のマージンとから前記ガス供給指令量を演算するものでもよい。そして、前記所定のマージンは、例えば前記ガス供給指令量を減少方向に補正するものでもよい。
本発明の学習値は、フィードバック制御における制御目標値(目標調圧値)と、実際の検出値(検出圧力値)との偏差の時間的累積値(あるいは、この時間的累積値に関連する値)のガス供給要求量毎の積算値(あるいは、この積算値に関連する値)である。したがって、当該学習値とフィードフォワード項の値とからガス供給指令量を演算するだけで、継続運転可能な程度の追従性(応答性)を維持することが可能である。
さらに、当該演算に所定のマージンを加味してガス供給指令量を補正すれば、可変ガス供給装置からのガス供給流量が、本来供給すべき流量よりも常に多めか少なめかのいずれか一方向に制御されることになり、制御の簡素化を図ることができる。
特に、当該マージンがガス供給指令量を減少方向に補正するものである場合には、例えば供給流路にリリーフ弁を備えた燃料電池システムにおいては当該リリーフ弁の作動を抑制することが可能となる。また、かかる場合において、燃料電池の発電電圧(例えば、燃料電池スタックにおける単セルの平均値や最小値等)が所定の閾値以下となったときには、可変ガス供給装置を強制的に開駆動して追加的に燃料ガスを噴射することにより、発電電圧の低下を抑制することができる。
前記異常判定部によって前記圧力センサの異常が判定された場合には、前記燃料電池に対して出力制限をかけてもよい。このような出力制限を行えば、継続運転可能な時間を稼ぐことができる。
なお、前記可変ガス供給装置は、弁体を電磁駆動力で所定の駆動周期で駆動して弁座から離隔させる電磁駆動式の開閉弁(例えば、インジェクタ)でもよい。
本発明によれば、可変ガス供給装置の下流位置に配設された圧力センサに異常が発生した場合にも継続運転が可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る燃料電池システム1について説明する。
本実施形態においては、本発明を燃料電池車両(移動体)の車載発電システムに適用した例について説明することとするが、燃料電池車両以外の各種移動体(ロボット、船舶、航空機等)に本発明に係る燃料電池システムを搭載することもできる。また、本発明に係る燃料電池システムを、建物(住宅、ビル等)用の発電設備として用いられる定置用発電システムに適用してもよい。
本実施形態に係る燃料電池システム1は、図1に示すように、反応ガス(酸化ガス及び燃料ガス)の供給を受けて電力を発生する燃料電池10を備えるとともに、燃料電池10に酸化ガスとしての空気を供給する酸化ガス配管系2、燃料電池10に燃料ガスとしての水素ガスを供給する水素ガス配管系3、システム全体を統合制御する制御装置(制御部、異常判定部)4等を備えている。
燃料電池10は、反応ガスの供給を受けて電気化学反応により発電する単電池を所要数積層して構成したスタック構造を有している。燃料電池10により発生した電力は、PCU(Power Control Unit)11に供給される。PCU11は、燃料電池10とトラクションモータ12との間に配置されるインバータやDC‐DCコンバータ等を備えている。また、燃料電池10には、発電中の電流を検出する電流センサ13が取り付けられている。
酸化ガス配管系2は、加湿器20により加湿された酸化ガス(空気)を燃料電池10に供給する空気供給流路21と、燃料電池10から排出された酸化オフガスを加湿器20に導く空気排出流路22と、加湿器21から外部に酸化オフガスを導くための排気流路23と、を備えている。空気供給流路21には、大気中の酸化ガスを取り込んで加湿器20に圧送するコンプレッサ24が設けられている。
水素ガス配管系3は、高圧(例えば70MPa)の水素ガスを貯留した燃料供給源としての水素タンク30と、水素タンク30の水素ガスを燃料電池10に供給するための燃料供給流路としての水素供給流路(供給流路)31と、燃料電池10から排出された水素オフガスを水素供給流路31に戻すための循環流路(オフガス流路)32と、を備えている。
なお、水素タンク30に代えて、炭化水素系の燃料から水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、この改質器で生成した改質ガスを高圧状態にして蓄圧する高圧ガスタンクと、を燃料供給源として採用することもできる。また、水素吸蔵合金を有するタンクを燃料供給源として採用してもよい。
水素供給流路31には、水素タンク30からの水素ガスの供給を遮断又は許容する遮断弁33と、水素ガスの圧力を調整するレギュレータ34と、インジェクタ(可変ガス供給装置)35と、が設けられている。また、インジェクタ35の上流側には、水素供給流路31内の水素ガスの圧力及び温度を検出する一次側圧力センサ41及び温度センサ42が設けられている。
さらに、インジェクタ35の下流側であって水素供給流路31と循環流路32との合流部の上流側には、水素供給流路31内の水素ガスの圧力を検出する二次側圧力センサ43及び水素供給流路31内が所定の作動圧に達した際に開放されるリリーフ弁44が設けられている。
レギュレータ34は、その上流側圧力(一次圧)を、予め設定した二次圧に調圧する装置である。本実施形態においては、一次圧を減圧する機械式の減圧弁をレギュレータ34として採用している。機械式の減圧弁の構成としては、背圧室と調圧室とがダイアフラムを隔てて形成された筺体を有し、背圧室内の背圧により調圧室内で一次圧を所定の圧力に減圧して二次圧とする公知の構成を採用することができる。
インジェクタ35は、弁体を電磁駆動力で直接的に所定の駆動周期で駆動して弁座から離隔させることによりガス流量やガス圧を調整することが可能な電磁駆動式の開閉弁である。インジェクタ35は、水素ガス等の気体燃料を噴射する噴射孔を有する弁座を備えるとともに、その気体燃料を噴射孔まで供給案内するノズルボディと、このノズルボディに対して軸線方向(気体流れ方向)に移動可能に収容保持され噴射孔を開閉する弁体と、を備えている。
本実施形態においては、インジェクタ35の弁体は電磁駆動装置であるソレノイドにより駆動され、このソレノイドに給電されるパルス状励磁電流のオン・オフにより、噴射孔の開口面積(開口状態)を2段階、多段階又は無段階に切り替えることができるようになっている。
なお、インジェクタ35の弁体の開閉によりガス流量が調整されるとともに、インジェクタ35の下流に供給されるガス圧力がインジェクタ35の上流のガス圧力より減圧されるため、インジェクタ35を調圧弁(減圧弁、レギュレータ)と解釈することもできる。また、本実施形態では、ガス要求に応じて所定の圧力範囲の中で要求圧力に一致するようにインジェクタ35の上流ガス圧の調圧量(減圧量)を変化させることが可能な可変調圧弁と解釈することもできる。
以上のとおり、インジェクタ35は、水素供給流路31の上流側のガス状態(ガス流量、水素モル濃度、ガス圧力)を調整して下流側に供給するものであり、本発明における可変ガス供給装置に相当する。
なお、本実施形態においては、図1に示すように、水素供給流路31と循環流路32との合流部A1より上流側にインジェクタ35を配置している。また、図1に破線で示すように、燃料供給源として複数の水素タンク30を採用する場合には、各水素タンク30から供給される水素ガスが合流する部分(水素ガス合流部A2)よりも下流側にインジェクタ35を配置するようにする。
循環流路32には、気液分離器36及び排気排水弁37を介して、排出流路38が接続されている。気液分離器36は、水素オフガスから水分を回収するものである。排気排水弁37は、制御装置4からの指令によって作動することにより、気液分離器36で回収した水分と、循環流路32内の不純物を含む水素オフガスと、を外部に排出(パージ)するものである。
また、循環流路32には、循環流路32内の水素オフガスを加圧して水素供給流路31側へ送り出す水素ポンプ39が設けられている。なお、排気排水弁37及び排出流路38を介して排出される水素オフガスは、希釈器40によって希釈されて排気流路32内の酸化オフガスと合流するようになっている。
制御装置4は、車両に設けられた加速操作装置(アクセル等)の操作量を検出し、加速要求値(例えばトラクションモータ12等の負荷装置からの要求発電量)等の制御情報を受けて、システム内の各種機器の動作を制御する。
なお、負荷装置とは、トラクションモータ12のほかに、燃料電池10を作動させるために必要な補機装置(例えばコンプレッサ24、水素ポンプ39、冷却ポンプのモータ等)、車両の走行に関与する各種装置(変速機、車輪制御装置、操舵装置、懸架装置等)で使用されるアクチュエータ、乗員空間の空調装置(エアコン)、照明、オーディオ等を含む電力消費装置を総称したものである。
制御装置4は、図示していないコンピュータシステムによって構成されている。かかるコンピュータシステムは、CPU、ROM、RAM、HDD、入出力インタフェース及びディスプレイ等を備えるものであり、ROMに記録された各種制御プログラムをCPUが読み込んで所望の演算を実行することにより、後述するフィードバック制御やパージ制御など種々の処理や制御を行う。
具体的には、図2に示すように、電流センサ13で検出した燃料電池10の発電電流値に基づいて、燃料電池10で消費される水素ガスの流量(以下「水素消費量」という)をフィードフォワード項(以下、F/F項)として算出する(燃料消費量算出機能:B1)。本実施形態においては、発電電流値と水素消費量との関係を表す特定の演算式を用いて、制御装置4の演算周期毎に水素消費量を算出し更新することとしている。
また、制御装置4は、燃料電池10の発電電流値に基づいて、燃料電池10に供給される水素ガスのインジェクタ35の下流位置における目標圧力値を算出する(目標圧力値算出機能:B2)。本実施形態においては、発電電流値と目標圧力値との関係を表す特定のマップを用いて、制御装置4の演算周期毎に目標圧力値を算出している。
また、制御装置4は、算出した目標圧力値と、圧力センサ43で検出したインジェクタ35の下流位置の圧力値(検出圧力値)と、の偏差を算出する(圧力差算出機能:B3)。そして、制御装置4は、算出した偏差を低減させるために、フィードバック項(以下、F/B項)としてのP項(比例項)の算出(P項算出機能:B4)及びI項(積分項)の算出(I項算出機能:B5)を行う。
本実施形態のI項算出機能B5では、圧力差算出機能B3で算出された偏差ΔPに対して百分率で対応付けられたフィードバック値(以下、F/B値Δ%
)を所定のマップ等を用いて求め(図3の実線)、更にこのF/B値Δ%を時
間で積分して得られる時間的累積値∫Δ%dt(図3の破線)をI項とする。
以上説明したとおり、本実施形態の燃料電池システム1においては、インジェクタ35の下流位置における目標圧力値と、当該下流位置に配設された圧力センサ43による検出圧力値との偏差に基づいて、フィードバック補正流量としてのF/B項を算出している。
また、制御装置4は、燃料電池10の運転状態が所定の条件(学習許可条件)を満たした場合に、I項算出機能B5で算出したI項を、燃料電池10へのガス供給要求量であるインジェクタ35への噴射要求流量毎に別々に積算することにより、当該I項の学習値としてメモリ等に更新可能に記憶される学習項を算出する(学習項算出機能:B51)。
本実施形態の学習項算出機能B51では、燃料電池10の運転状態が所定の学習許可条件を満たす場合に、例えば図4の横軸で表されるインジェクタ35の噴射要求流量を所定流量毎に破線で区切ってなる学習ゾーンA〜F毎にI項を積算して不揮発性のメモリに記憶しておき、これら学習ゾーンA〜F毎に算出された積算値(図4中のドット)間を内挿あるいは外挿等を用いて補間することにより、噴射要求流量毎の学習項を求める。
なお、学習項は、学習ゾーンA〜F毎に算出されたI項の積算値を図4に示したような各学習ゾーンA〜F間で補間することに変えて、各学習ゾーンA〜F内で一定の値となるように設定してもよい。
また、所定の学習許可条件とは、例えば燃料電池10の発電電流に基づいて設定される許可条件をいうものであり、本実施形態では、燃料電池10の発電電流が、後述する無効噴射時間の影響が相対的に小さくなる所定の発電電流値よりも大きい場合であって、更に当該発電電流の変化が所定の範囲内で安定している場合に、当該学習許可条件を満たしていると判断する。
そして、制御装置4は、上記F/F項に上記P項を加算することにより、インジェクタ35への噴射要求流量を求める一方で、上記I項とその学習項とを1つの積分項として統合するべく両者を加算し(積分項統合機能:B52)、この加算値を上記インジェクタ35への噴射要求流量に乗じることにより、インジェクタ35の噴射流量を算出する(噴射流量算出機能:B7)。
なお、インジェクタ35の下流位置において前回算出した目標圧力値と、今回算出した目標圧力値と、の偏差に対応するフィードフォワード補正流量としての第2のF/F項を上記F/F項とは別個に算出し、この第2のF/F項を上記F/F項及びP項に加算し、この加算値(=F/F項+P項+第2のF/F項)に、上記I項と学習項との加算値を乗じることにより、インジェクタ35の噴射流量を算出するようにしてもよい。
かかる場合における第2のF/F項は、目標圧力値の変化に起因する水素ガス流量の変動分(目標圧変動補正流量)であり、例えば、目標圧力値の偏差と当該第2のF/F項との関係を表す特定の演算式を用いて、制御装置4の演算周期毎に更新されるものである。
一方、制御装置4は、インジェクタ35の上流のガス状態(圧力センサ41で検出した水素ガスの圧力及び温度センサ42で検出した水素ガスの温度)に基づいて、インジェクタ35の上流の静的流量を算出する(静的流量算出機能:B8)。本実施形態においては、インジェクタ35の上流側の水素ガスの圧力及び温度と静的流量との関係を表す特定の演算式を用いて、制御装置4の演算周期毎に静的流量を算出して更新することとしている。
制御装置4は、上記インジェクタ35の噴射流量を上記静的流量で除算(Duty算出機能:B9)した値に、インジェクタ35の駆動周期を乗じることにより、インジェクタ35の基本噴射時間を算出する(基本噴射時間算出機能:B10)とともに、この基本噴射時間に、後述する無効噴射時間を加算してインジェクタ35の総噴射時間を算出する(総噴射時間算出機能:B12)。
この駆動周期とは、インジェクタ35の噴射孔の開閉状態を表す段状(オン・オフ)波形の周期を意味し、本実施形態においては、制御装置4により駆動周期を一定の値に設定している。
無効噴射時間とは、インジェクタ35が制御装置4から制御信号を受けてから実際に噴射を開始するまでに要する時間(例えば機械的な遅れ)を意味し、本実施形態においては、インジェクタ35の上流側の水素ガスの圧力と、インジェクタ35の基本噴射時間と、当該無効噴射時間との関係を表す特定のマップを用いて、制御装置4の演算周期毎に無効噴射時間を算出して更新することとしている(無効噴射時間算出機能:B11)。
そして、制御装置4は、以上の手順を経て算出したインジェクタ35の総噴射時間を実現させるための制御信号を出力することにより、インジェクタ35のガス噴射時間及びガス噴射時期を制御して、燃料電池10に供給される水素ガスの流量及び圧力を調整する。以上のとおり、本実施形態の制御装置4は、本発明の制御部として機能する。
ところで、インジェクタ35の下流位置に配設された圧力センサ43に故障等の異常が発生すると、圧力センサ43の検出圧力値が不正確になる、あるいは圧力値を検出できなくなるので、そのまま上記のとおりの制御を行えば、F/B項であるP項及びI項、並びにI項の積算値である学習項の算出精度が著しく低下する、あるいは算出不能になる。
かかる場合の対策としては、フェールセーフの観点から燃料電池システム1の運転を強制停止する方法もあるが、それでは商品性の低下を招く虞がある。そこで、本実施形態の燃料電池システム1は、かかる強制停止を効果的に回避するべく、当該燃料電池システム1の起動時あるいは運転中に、制御装置4が圧力センサ43の異常の有無を監視することとしている。
具体的には、圧力センサ43からの出力信号を検知できない場合や、圧力センサ43からの出力信号の値が所定範囲から外れた異常値である場合等に、制御装置4は圧力センサ43に異常が発生していると判断する。このように、本実施形態の制御装置4は、本発明の制御部としてだけでなく異常判定部としても機能する。
そして、圧力センサ43の異常発生を検知した制御装置4は、圧力センサ43が正常に機能している場合にはF/F項とP項(F/B項の一部)との加算値に、I項(F/B項の一部)とその学習項との加算値を乗じたものをインジェクタ35の噴射流量としていたが、このような噴射流量の算出方法に変えて、F/F項と学習項との加算値を、より好ましくは当該加算値に更に所定のマージンを加算したものを、インジェクタ35の噴射流量とする。
すなわち、制御装置4は、圧力センサ43の異常発生検知後に、F/B項(P項及びI項)を例えば強制的に「ゼロ」に設定する等、噴射流量の算出過程において当該F/B項が反映されないようにして、インジェクタ35の噴射流量を算出する。これにより、圧力センサ43の異常発生後も燃料電池10の運転を強制停止させずに済み、運転を継続させることが可能となる。
なお、圧力センサ43の異常発生時に算出されるインジェクタ35の噴射流量は、本来噴射すべき流量よりも常に多めか少なめかのいずれか一方向に制御された方が、制御の簡素化を図ることができる。よって、上記所定のマージンは、インジェクタ35の噴射流量を増加方向に補正する正のマージンでもよいし、逆に減少方向に補正する負のマージンでもよい。
ここで、正のマージンを採用した場合には、インジェクタ35の噴射流量が常に多めに制御されることから、リリーフ弁44の開動作を誘発する可能性がある。したがって、燃費低下防止等の観点からは、負のマージンを採用することが好ましい。
ただし、その場合は、インジェクタ35の噴射流量が少なめに制御されることから、噴射要求流量に対する実際の噴射流量が不足して水素欠状態となる虞がある。
そこで、負のマージンを採用する場合には、燃料電池10に接続されたセルモニタ(不図示)によるセル電圧の監視結果に基づいて、例えば、セル電圧の平均値や最小値等が所定の閾値を下回った場合に、インジェクタ35を強制的に開駆動して追加的に水素ガスを噴射することにより、セル電圧の低下を抑制する。
また、所定のタイミングで排気排水弁37を開いて水素オフガスを外部に排出するパージ制御において、排気排水弁37を開くパージ動作はインジェクタ35の噴射直後に実施するのが好ましい。そのようなタイミングでパージ動作を行えば、インジェクタ35の噴射直後は循環流路32内が所定圧以上の圧力状態になっており、所定圧以上のパージ圧力を確保できるからである。
ここで、パージ動作に伴い循環流路32内の水素オフガスが外部へ放出されると、循環流路32から燃料電池10への水素ガス循環量が減少してセル電圧の低下を招く虞があるので、かかるセル電圧の低下を抑制するべく、当該水素ガス循環量の減少分を予め見込んで、インジェクタ35の噴射流量を設定するようにしてもよい。
また、制御装置4は、圧力センサ43の異常発生検知後に、燃料電池10に出力制限をかけるようにしてもよい。このような出力制限を行えば、応答性が多少犠牲になることはあるものの、燃料電池システム1の継続運転可能な時間を稼ぐことができる。かかる出力制限は、PCU11を制御することにより行う。
さらに、本実施形態に係る燃料電池システム1を搭載した車両においては、圧力センサ43の異常発生がインジケータパネル等を通じてユーザに通知するように構成されていれば、ユーザは当該車両を速やかにリンプホームさせる等の対処を行なうことが可能となる。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 図1に示す燃料電池システムの制御態様を説明するための制御ブロック図である。 図2に示した制御ブロック図のI項算出機能を説明するための図である。 図2に示した制御ブロック図の学習項算出機能を説明するための図である。
符号の説明
1…燃料電池システム、4…制御装置(制御部、異常判定部)、10…燃料電池、11…PCU、30…水素タンク(燃料供給源)、31…水素供給流路(供給流路)、35…インジェクタ(可変ガス供給装置)、43…圧力センサ

Claims (7)

  1. 燃料電池と、
    燃料供給源から供給される燃料ガスを前記燃料電池へと流すための供給流路と、
    この供給流路の上流側のガス状態を調整して下流側に供給する可変ガス供給装置と、
    前記供給流路の前記可変ガス供給装置よりも下流位置に配設された圧力センサと、
    少なくとも前記圧力センサによる検出圧力値と前記燃料電池の運転状態に応じた物理量とを使用して前記可変ガス供給装置に対するガス供給指令量を演算し、その演算結果に基づいて当該可変ガス供給装置の動作を制御する制御部と、
    前記圧力センサの異常を判定する異常判定部と、を備え、
    前記制御部は、フィードバック制御とフィードフォワード制御とを併用して前記可変ガス供給装置の動作を制御するものであり、
    前記フィードバック制御におけるフィードバック項の演算には、少なくとも、前記可変ガス供給装置の下流位置における目標調圧値と前記検出圧力値との偏差と、前記可変ガス供給装置の駆動特性の学習値とが使用され、
    前記フィードフォワード制御におけるフィードフォワード項の演算には、前記燃料電池の運転状態に応じた物理量が使用され、
    前記学習値は、前記目標調圧値と前記検出圧力値との偏差の時間的累積値を、前記燃料電池に対するガス供給要求量毎に積算して得た値であって、
    前記制御部は、前記異常判定部によって前記圧力センサの異常が判定された場合には、前記ガス供給指令量を演算する際の前記検出圧力値の使用を禁止する燃料電池システム。
  2. 請求項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記制御部は、前記異常判定部によって前記圧力センサの異常が判定された場合には、前記フィードフォワード項の値と前記学習値とから前記ガス供給指令量を演算する燃料電池システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記制御部は、前記異常判定部によって前記圧力センサの異常が判定された場合には、前記フィードフォワード項の値と前記学習値と所定のマージンとから前記ガス供給指令量を演算する燃料電池システム。
  4. 請求項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記所定のマージンは、前記ガス供給指令量を減少方向に補正するものである燃料電池システム。
  5. 請求項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記制御部は、前記異常判定部によって前記圧力センサの異常が判定された場合において、前記燃料電池の発電電圧が所定の閾値以下であることを検知したときは、前記可変ガス供給装置を強制的に開駆動する燃料電池システム。
  6. 請求項1からの何れかに記載の燃料電池システムにおいて、
    前記異常判定部によって前記圧力センサの異常が判定された場合には、前記燃料電池に対して出力制限がかかる燃料電池システム。
  7. 請求項1からの何れかに記載の燃料電池システムにおいて、
    前記可変ガス供給装置は、弁体を電磁駆動力で所定の駆動周期で駆動して弁座から離隔させる電磁駆動式の開閉弁である燃料電池システム。
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