JP2017091625A - 燃料電池システム用センサの異常検出方法 - Google Patents

燃料電池システム用センサの異常検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】センサのドリフトを検出することができる異常検出方法を提供する。【解決手段】燃料電池システム用センサの異常検出方法であって、燃料供給流路31に2つのインジェクタ35A、35Bを並列に配置し、インジェクタ下流側に燃料ガスの物理量を検出する圧力センサ41を配置し、第一のインジェクタ35Aのみを作動させた状態におけるセンサ41での検出値(第一の検出値)及び第二のインジェクタ35Bのみを作動させた状態におけるセンサ41での検出値(第二の検出値)を取得する。2つのインジェクタ35A、35Bの何れか一方のみを作動させた状態においてセンサ41で検出されることが想定される理論値と第一の検出値と第二の検出値とを比較し、第一の検出値と第二の検出値とが同一であり、かつ、第一及び第二の検出値がいずれも理論値と異なる場合に、センサ41が異常であると判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システム用センサの異常検出方法に関する。
従来より、反応ガス(燃料ガス及び酸化ガス)の供給を受けて発電を行う燃料電池を備える燃料電池システムが提案され、実用化されている。かかる燃料電池システムには、水素タンク等の燃料供給源から供給される燃料ガスを燃料電池へと流すための燃料供給流路が設けられている。現在においては、燃料ガスの供給圧力を変化させるインジェクタを燃料供給流路に配置するとともにインジェクタの下流側に圧力センサを配置し、この圧力センサでの検出値に基づいてインジェクタを制御する技術が提案されている。
ところで、圧力センサでの検出値に基づいてインジェクタを制御する燃料電池システムにおいて、断線や短絡等に起因して圧力センサが異常状態に陥った場合には、インジェクタを正常に制御することが不可能となる。そこで、近年においては、圧力センサでの検出値が所定の下限値未満となる場合又は所定の上限値を超える場合に、圧力センサが異常状態に陥ったものと判定してインジェクタの開閉動作を停止させる技術が提案されている(特許文献1参照)。かかる技術を採用すると、圧力センサの異常に起因したインジェクタの誤動作を抑制することができる、とされている。
特開2008−198535号公報
しかし、特許文献1に記載された技術は、検出値が所定の下限値未満となる場合又は所定の上限値を超える場合にセンサが異常状態に陥ったものと判定するものであるため、センサのドリフト(実際の値よりも検出される値が低目にシフトしたり高目にシフトしたりするセンサの特性異常)のような症状を検出することができないという問題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、センサのドリフトのような症状を検出することができる異常検出方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る方法は、燃料電池システムに設けられるセンサの異常を検出する方法であって、燃料電池に燃料ガスを供給するための燃料供給流路に、第一及び第二のインジェクタを並列に配置するインジェクタ配置工程と、燃料供給流路のインジェクタの下流側に、燃料供給流路内を流れる燃料ガスの所定の物理量を検出するセンサを配置するセンサ配置工程と、第一のインジェクタを所定の態様で作動させかつ第二のインジェクタを所定開度で停止させた状態においてセンサで検出された第一の検出値を取得する第一検出工程と、第二のインジェクタを所定の態様で作動させかつ第一のインジェクタを所定開度で停止させた状態においてセンサで検出された第二の検出値を取得する第二検出工程と、第一及び第二のインジェクタの何れか一方を所定の態様で作動させかつ他方を所定開度で停止させた状態においてセンサで検出されることが想定される理論値と、第一検出工程で取得した第一の検出値と、第二検出工程で取得した第二の検出値と、を比較する比較工程と、第一の検出値と第二の検出値とが同一であり、かつ、第一及び第二の検出値がいずれも理論値と異なる場合に、センサが異常であると判定する判定工程と、を含むものである。
かかる方法を採用すると、第一のインジェクタのみを所定の態様で作動させた状態においてセンサで検出された値(第一の検出値)と、第二のインジェクタのみを所定の態様で作動させた状態においてセンサで検出された値(第二の検出値)と、の双方を理論値と比較してセンサの異常を検出することができる。従って、センサのドリフト(実際の値よりも検出される値が低目にシフトしたり高目にシフトしたりするセンサの特性異常)のような症状を検出することが可能となる。
本発明によれば、センサのドリフトのような症状を検出することができる異常検出方法を提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構成の概略を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る燃料電池システムに設けられた圧力センサの異常検出方法を説明するためのフローチャートである。
以下、各図を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、図面の上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。また、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。さらに、以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施形態のみに限定する趣旨ではない。またさらに、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
まず、図1を用いて、本発明の実施形態に係る燃料電池システム1の構成について説明する。本実施形態に係る燃料電池システム1は、図1に示すように、反応ガス(酸化ガス及び燃料ガス)の供給を受けて電力を発生する燃料電池10を備えるとともに、燃料電池10に酸化ガスとしての空気を供給する酸化ガス配管系2、燃料電池10に燃料ガスとしての水素ガスを供給する水素ガス配管系3、システム全体を統合制御する制御装置4等を備えている。
燃料電池10は、反応ガスの供給を受けて発電する単電池を所要数積層して構成したスタック構造を有している。燃料電池10により発生した電力は、PCU(Power Control Unit)11に供給される。PCU11は、燃料電池10とトラクションモータ12との間に配置されるインバータやDC−DCコンバータ等を備えている。
酸化ガス配管系2は、加湿器20により加湿された酸化ガス(空気)を燃料電池10に供給する空気供給流路21と、燃料電池10から排出された酸化オフガスを加湿器20に導く空気排出流路22と、加湿器21から外部に酸化オフガスを導くための排気流路23と、を備えている。空気供給流路21には、大気中の酸化ガスを取り込んで加湿器20に圧送するコンプレッサ24が設けられている。
水素ガス配管系3は、高圧の水素ガスを貯留した燃料供給源としての水素タンク30と、水素タンク30の水素ガスを燃料電池10に供給するための燃料供給流路としての水素供給流路31と、燃料電池10から排出された水素オフガスを水素供給流路31に戻すための循環流路32と、を備えている。なお、水素タンク30に代えて、炭化水素系の燃料から水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、この改質器で生成した改質ガスを高圧状態にして蓄圧する高圧ガスタンクと、を燃料供給源として採用することもできる。また、水素吸蔵合金を有するタンクを燃料供給源として採用してもよい。
水素供給流路31には、水素タンク30からの水素ガスの供給を遮断又は許容する遮断弁33と、水素ガスの圧力を調整するレギュレータ34と、2つのインジェクタ(第一のインジェクタ35A及び第二のインジェクタ35B)と、が設けられている。また、インジェクタ35の下流側であって水素供給流路31と循環流路32との合流部Aの上流側には、水素供給流路31内の水素ガスの圧力を検出する圧力センサ41が設けられている。圧力センサ41は、本発明におけるセンサの一実施形態に相当するものである。本実施形態においては、同規格の2つのインジェクタ(第一のインジェクタ35A及び第二のインジェクタ35B)を水素供給流路31に並列に配置している。以下、第一のインジェクタ35A及び第二のインジェクタ35Bを区別せずに「インジェクタ35」と称することがある。
レギュレータ34は、その上流側圧力(一次圧)を、予め設定した二次圧に調圧する装置である。本実施形態においては、一次圧を減圧する機械式の減圧弁をレギュレータ34として採用している。機械式の減圧弁の構成としては、背圧室と調圧室とがダイアフラムを隔てて形成された筺体を有し、背圧室内の背圧により調圧室内で一次圧を所定の圧力に減圧して二次圧とする公知の構成を採用することができる。
インジェクタ35は、弁体を電磁駆動力で直接的に所定の駆動周期で駆動して弁座から離隔させることによりガス流量やガス圧を調整することが可能な電磁駆動式の開閉弁である。インジェクタ35は、水素ガス等の気体燃料を噴射する噴射孔を有する弁座を備えるとともに、その気体燃料を噴射孔まで供給案内するノズルボディと、このノズルボディに対して軸線方向(気体流れ方向)に移動可能に収容保持され噴射孔を開閉する弁体と、を備えている。本実施形態においては、インジェクタ35の弁体は電磁駆動装置であるソレノイドにより駆動され、このソレノイドに給電されるパルス状励磁電流のオン・オフにより、噴射孔の開口面積を2段階又は多段階に切り替えることができるようになっている。制御装置4から出力される制御信号によってインジェクタ35のガス噴射時間及びガス噴射時期が制御されることにより、水素ガスの流量及び圧力が高精度に制御される。インジェクタ35は、弁(弁体及び弁座)を電磁駆動力で直接開閉駆動するものであり、その駆動周期が高応答の領域まで制御可能であるため、高い応答性を有する。
インジェクタ35は、その下流に要求されるガス流量を供給するために、インジェクタ35のガス流路に設けられた弁体の開口面積(開度)及び開放時間の少なくとも一方を変更することにより、下流側(燃料電池10側)に供給されるガス流量(又は水素モル濃度)を調整する。なお、インジェクタ35の弁体の開閉によりガス流量が調整されるとともに、インジェクタ35下流に供給されるガス圧力がインジェクタ35上流のガス圧力より減圧されるため、インジェクタ35を調圧弁(減圧弁、レギュレータ)と解釈することもできる。また、本実施形態では、ガス要求に応じて所定の圧力範囲の中で要求圧力に一致するようにインジェクタ35の上流ガス圧の調圧量(減圧量)を変化させることが可能な可変調圧弁と解釈することもできる。
循環流路32には、気液分離器36及び排気排水弁37を介して、排出流路38が接続されている。気液分離器36は、水素オフガスから水分を回収するものである。排気排水弁37は、制御装置4からの指令によって作動することにより、気液分離器36で回収した水分と、循環流路32内の不純物を含む水素オフガス(燃料オフガス)と、を外部に排出(パージ)するものである。また、循環流路32には、循環流路32内の水素オフガスを加圧して水素供給流路31側へ送り出す水素ポンプ39が設けられている。なお、排気排水弁37及び排出流路38を介して排出される水素オフガスは、希釈器40で排気流路23内の酸化オフガスと合流して希釈されるようになっている。
制御装置4は、車両に設けられた加速操作部材(アクセル等)の操作量を検出し、加速要求値(例えばトラクションモータ12等の負荷装置からの要求発電量)等の制御情報を受けて、システム内の各種機器の動作を制御する。なお、負荷装置とは、トラクションモータ12のほかに、燃料電池10を作動させるために必要な補機装置(例えばコンプレッサ24、水素ポンプ39、冷却ポンプのモータ等)、車両の走行に関与する各種装置(変速機、車輪制御装置、操舵装置、懸架装置等)で使用されるアクチュエータ、乗員空間の空調装置(エアコン)、照明、オーディオ等を含む電力消費装置を総称したものである。
制御装置4は、図示していないコンピュータシステムによって構成されている。かかるコンピュータシステムは、CPU、ROM、RAM、HDD、入出力インタフェース及びディスプレイ等を備えるものであり、ROMに記録された各種制御プログラムをCPUが読み込んで実行することにより、各種制御動作が実現されるようになっている。
具体的には、制御装置4は、燃料電池10の運転状態に基づいて、燃料電池10で消費される水素ガスの量(水素消費量)を算出するとともに、インジェクタ35下流位置における水素ガスの目標圧力値(燃料電池10への目標ガス供給圧)を算出する。次いで、制御装置4は、算出した目標圧力値と、圧力センサ41で検出したインジェクタ35下流位置の検出圧力値と、の偏差に基づいてフィードバック補正流量を算出する。続いて、制御装置4は、水素消費量とフィードバック補正流量とを加算することによりインジェクタ35の噴射流量を算出し、この噴射流量に基づいてインジェクタ35の噴射時間を算出する。そして、制御装置4は、算出したインジェクタ35の総噴射時間を実現させるための制御信号を送出することにより、インジェクタ35のガス噴射時間及びガス噴射時期を制御して、燃料電池10に供給される水素ガスの流量及び圧力を調整する。このように、制御装置4は、圧力センサ41で検出したインジェクタ35下流位置の検出圧力値を参照して、インジェクタ35を制御している。
また、制御装置4は、圧力センサ41の異常判定を行う。具体的には、制御装置4は、第一のインジェクタ35Aを所定の態様で作動させかつ第二のインジェクタ35Bを所定開度で停止させた状態において圧力センサ41で検出された値(第一の検出値P1)を取得する。また、制御装置4は、第二のインジェクタ35Bを所定の態様で作動させかつ第一のインジェクタ35Aを所定開度で停止させた状態において圧力センサ41で検出された値(第二の検出値P2)を取得する。続いて、制御装置4は、第一及び第二のインジェクタ35A、35Bの何れか一方を所定の態様で作動させかつ他方を所定開度で停止させた状態において圧力センサ41で検出されることが想定される理論値P0と、取得した第一の検出値P1と、取得した第二の検出値P2と、を比較する。そして、制御装置4は、第一の検出値P1と第二の検出値P2とが同一であり、かつ、第一及び第二の検出値P1、P2がいずれも理論値P0と異なる場合に、圧力センサ41が異常であると判定する。理論値P0は、インジェクタ35の特性(噴射流量Q(NL/min))、インジェクタ35の噴射時間A(msec)、水素供給流路31のインジェクタ35下流側部分の容積V(ml)等に基づいて算出することができる。
続いて、図2のフローチャートを用いて、本実施形態に係る燃料電池システム1に設けられた圧力センサ1の異常検出方法について説明する。
まず、ユーザは、図1に示すように、燃料電池システム1の水素供給流路31に同規格の2つのインジェクタ(第一のインジェクタ35A及び第二のインジェクタ35B)を並列に配置する(インジェクタ配置工程:S1)とともに、インジェクタ35下流側に、水素供給流路31内を流れる水素ガスの圧力を検出する圧力センサ41を配置する(センサ配置工程:S2)。
次いで、ユーザは、燃料電池システム1の制御装置4を用いて、圧力センサ41での検出値の取得、比較、判定を行う。
具体的には、制御装置4は、第一のインジェクタ35Aを所定の態様で作動させ(例えば所定時間内に開度0%から100%へと移行させ)かつ第二のインジェクタ35Bを所定開度(例えば開度0%)で停止させた状態において、圧力センサ41で検出された値(第一の検出値P1)を取得する(第一検出工程:S3)。また、制御装置4は、第二のインジェクタ35Bを所定の態様(第一検出工程S3における第一のインジェクタ35Aの作動態様と同一の態様)で作動させかつ第一のインジェクタ35Aを所定開度(第一検出工程S3における第二のインジェクタ35Bの開度と同一の開度)で停止させた状態において、圧力センサ41で検出された値(第二の検出値P2)を取得する(第二検出工程)。ここで、第一の検出値P1に代えて、第一のインジェクタ35Aのみを所定の態様で作動させたときの作動前と作動後の圧力差(ΔP1)を採用し、第二の検出値P2に代えて、第二のインジェクタ35Bのみを所定の態様で作動させたときの作動前と作動後の圧力差(ΔP2)を採用することもできる。かかる場合には、理論値として、第一及び第二のインジェクタ35A、35Bの何れか一方のみを所定の態様で作動させたときに想定される作動前と作動後の圧力差(ΔP0)を採用することができる。
続いて、制御装置4は、第一及び第二のインジェクタ35A、35Bの何れか一方を所定の態様(第一及び第二検出工程S3、S4における作動態様と同一の態様)で作動させかつ他方を所定開度(第一及び第二検出工程S3、S4における開度と同一の開度)で停止させた状態において圧力センサ41で検出されることが想定される理論値P0と、第一検出工程S3で取得した第一の検出値P1と、第二検出工程S4で取得した第二の検出値P2と、を比較する(比較工程:S5)。そして、制御装置4は、第一の検出値P1と第二の検出値P2とが同一であり、かつ、第一及び第二の検出値P1、P2がいずれも理論値P0と異なる場合に、圧力センサ41が異常であると判定する(判定工程:S6)。
ここで、比較工程S5(S51〜S54)及び判定工程S6(S61〜S64)について具体的に説明する。
まず、制御装置4は、第一の検出値P1と第二の検出値P2とを比較し(第一比較工程:S51)、これら検出値P1とP2とが同一の場合には、第一の検出値P1と理論値P0とを比較し(第二比較工程:S52)、第一の検出値P1が理論値P0と異なる場合には、第二の検出値P2と理論値P0とを比較する(第三比較工程:S53)。そして、第二の検出値P2と理論値P0とが異なる場合に、圧力センサ41が異常であると判定する(センサ異常判定工程:S61)。これに対し、第一の検出値P1と第二の検出値P2とが同一であって、第一の検出値P1及び第二の検出値P2が理論値P0と同一である場合には、圧力センサ41が正常であると判定する(センサ正常判定工程:S62)。
また、制御装置4は、第一の検出値P1と第二の検出値P2とが異なる場合においても、第一の検出値P1と理論値P0とを比較する(第四比較工程:S54)。そして、第四比較工程S54で比較を行った結果、第一の検出値P1が理論値P0と異なる場合には、第一のインジェクタ35Aが異常であると判定し(第一インジェクタ異常判定:S63)、第一の検出値P1が理論理P0と同一である場合には、第二のインジェクタ35Bが異常であると判定する(第二インジェクタ異常判定:S64)。
なお、本実施形態において、第一の検出値P1と第二の検出値P2とが「同一」であるとは、第一の検出値P1と第二の検出値P2とが一致するだけでなく、両者の差が所定の閾値未満であることを含むものとする。また、第一の検出値P1(又は第二の検出値P2)と理論値P0とが「同一」であるとは、第一の検出値P1(又は第二の検出値P2)と理論値P0が一致するだけでなく、両者の差が所定の閾値未満であることを含むものとする。
以上説明した実施形態に係る異常検出方法においては、第一のインジェクタ35Aのみを所定の態様で作動させた状態において圧力センサ41で検出された値(第一の検出値P1)と、第二のインジェクタ35Bのみを所定の態様で作動させた状態において圧力センサ41で検出された値(第二の検出値P2)と、の双方を理論値P0と比較して圧力センサ41の異常を検出することができる。従って、圧力センサ41のドリフト(実際の値よりも検出される値が低目にシフトしたり高目にシフトしたりする圧力センサ41の特性異常)のような症状を検出することが可能となる。
また、以上説明した実施形態に係る異常検出方法においては、第一のインジェクタ35Aのみを作動させたときの圧力検出値(第一の検出値P1)と、第二のインジェクタ35Bのみを作動させたときの圧力検出値(第二の検出値P2)と、理論値P0と、を比較することにより、圧力センサ41に異常があるのか、第一のインジェクタ35A(又は第二のインジェクタ35B)に異常があるのか、を判別することができる。
なお、以上の実施形態においては、水素供給流路31のインジェクタ35下流側に、水素ガスの圧力を検出する圧力センサ41を配置し、この圧力センサ41の異常を検出する方法を例示したが、同様の方法を用いて、水素ガスの他の物理量(例えば流量や濃度)を検出するセンサの異常を検出することもできる。
また、以上の実施形態においては、同規格の2つのインジェクタを並列に配置した例を示したが、同規格の3つ以上のインジェクタを並列に配置し、これら3つ以上のインジェクタのうち2つを第一検出工程S3以下で使用してもよい。
また、以上の実施形態においては、第二のインジェクタ35Bの開度を0%に設定し、第一のインジェクタ35Aを所定時間内に開度0%から100%へと移行させる態様で作動させた例を示したが、インジェクタの開度や作動態様はこれに限られるものではない。例えば、第二のインジェクタ35Bの開度を100%に設定し、第一のインジェクタ35Aを所定時間内に開度100%から0%へと移行させる態様で作動させることもできる。また、第二のインジェクタ35Bの開度を50%に設定し、第一のインジェクタ35Aを所定時間内に開度50%から100%(又は0%)へと移行させる態様で作動させてもよい。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、この実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。すなわち、前記実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前記実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1…燃料電池システム
10…燃料電池
31…水素供給流路(燃料供給流路)
35A…第一のインジェクタ
35B…第二のインジェクタ
41…圧力センサ
S1…インジェクタ配置工程
S2…センサ配置工程
S3…第一検出工程
S4…第二検出工程
S5…比較工程
S6…判定工程

Claims (1)

  1. 燃料電池システムに設けられるセンサの異常を検出する方法であって、
    燃料電池に燃料ガスを供給するための燃料供給流路に、第一及び第二のインジェクタを並列に配置するインジェクタ配置工程と、
    前記燃料供給流路の前記インジェクタの下流側に、前記燃料供給流路内を流れる前記燃料ガスの所定の物理量を検出するセンサを配置するセンサ配置工程と、
    前記第一のインジェクタを所定の態様で作動させかつ前記第二のインジェクタを所定開度で停止させた状態において前記センサで検出された第一の検出値を取得する第一検出工程と、
    前記第二のインジェクタを所定の態様で作動させかつ前記第一のインジェクタを所定開度で停止させた状態において前記センサで検出された第二の検出値を取得する第二検出工程と、
    前記第一及び第二のインジェクタの何れか一方を所定の態様で作動させかつ他方を所定開度で停止させた状態において前記センサで検出されることが想定される理論値と、前記第一検出工程で取得した第一の検出値と、前記第二検出工程で取得した第二の検出値と、を比較する比較工程と、
    前記第一の検出値と前記第二の検出値とが同一であり、かつ、前記第一及び第二の検出値がいずれも前記理論値と異なる場合に、前記センサが異常であると判定する判定工程と、
    を含む、燃料電池システム用センサの異常検出方法。
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