JP2016183850A - 熱交換器ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】熱交換器ユニットの熱交換効率を高めつつ、製造コストの増大を出来る限り抑えることが可能な、熱交換器ユニットを提供する。【解決手段】熱交換器ユニット100は、空気と冷媒との間の熱交換を行う熱交換器101と、熱交換器101を通り抜ける空気の流れを生じさせる送風機102と、送風機102が一の面に設けられると共に熱交換器101が他の面に設けられる筐体103と、を備える。送風機102は、筐体103の内側から外側に空気を放出することにより、熱交換器101を通り抜けるように筐体103の外側から内側に空気を流入させる。熱交換器102は、筐体103に空気が流入するときの圧力損失を増大させる抵抗部材101aが設けられている第1領域、及び、抵抗部材101aが設けられていない領域であって第1領域よりも送風機102から離れた第2領域、を有する。【選択図】図4
Description
本発明は、空気と冷媒との間の熱交換を行う熱交換器と、熱交換器を通り抜ける空気の流れを生じさせる送風機と、送風機が一の面に設けられると共に熱交換器が他の面に設けられる筐体と、を備えた熱交換器ユニットに関する。
熱交換器および送風機を筐体に組み付けて一体化した熱交換器ユニットは、例えば、空気調和装置(ガスヒートポンプエアコン等)及びコージェネレーションシステム等における室外熱交換装置(室外機)に用いられる。このような熱交換器ユニットの用途を考慮し、熱交換器ユニットにおける熱交換効率(例えば、温度交換効率)を出来る限り高めることが、望まれている。
例えば、従来の熱交換器ユニット(以下「従来ユニット」という。)は、四角筒形状の筐体と、筐体の上面(一の面)に設けられた送風機と、筐体の側面(他の面)に設けられたフィン・アンド・チューブ式の熱交換器と、を備えている。筐体は、熱交換器および送風機以外の部分から空気が出入りしないように、筐体の内側と外側とを区分けしている。そのため、送風機が作動して筐体の内側から外側に空気を放出すると、熱交換器を通り抜けるように筐体の外側から内側に空気が流入する。即ち、送風機の吸引力により、熱交換器を通り抜ける空気の流れが生じることになる。
従来ユニットは、熱交換器を構成するフィンの厚さ(空気が通り抜ける方向におけるフィン幅)を、送風機に近付くにつれて大きく(厚く)するようになっている。その結果、送風機による吸引力が強い領域(送風機に近い領域)における熱交換器の圧力損失(通気抵抗)が、吸引力が弱い領域(送風機から離れた領域)における圧力損失に比べ、高まることになる。これにより、従来ユニットは、熱交換器の位置ごとの通気流速(熱交換器を通過して筐体に流入する空気の流速)のばらつきを低減して熱交換器全体における均一な熱交換を促し、熱交換効率を高めるようになっている(例えば、特許文献1を参照)。
以下、便宜上、熱交換器の位置ごとの通気流速のばらつきを低減することは、「熱交換器の通気流速を均一化する」とも称呼される。
(発明が解決しようとする課題)
従来ユニットは、特殊な形状(送風機に近いほど幅が広い形状)のフィンを用いることにより、熱交換器の通気流速の均一化を図っている。しかし、通常、そのような特殊な形状のフィンは、一般的な形状(幅が一定の形状)のフィンに比べて歩留まりが低い。更に、特殊な形状のフィンを用いた熱交換器を筐体に取り付ける際、専用の取り付け金具などが必要となる可能性もある。そのため、従来ユニットのように特殊な形状のフィンを用いると、熱交換器の通気流速を均一化し得るものの、熱交換器ユニットの製造コストが増大することになる。
従来ユニットは、特殊な形状(送風機に近いほど幅が広い形状)のフィンを用いることにより、熱交換器の通気流速の均一化を図っている。しかし、通常、そのような特殊な形状のフィンは、一般的な形状(幅が一定の形状)のフィンに比べて歩留まりが低い。更に、特殊な形状のフィンを用いた熱交換器を筐体に取り付ける際、専用の取り付け金具などが必要となる可能性もある。そのため、従来ユニットのように特殊な形状のフィンを用いると、熱交換器の通気流速を均一化し得るものの、熱交換器ユニットの製造コストが増大することになる。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、熱交換器ユニットの熱交換効率を高めつつ製造コストの増大を出来る限り抑えることが可能な、熱交換器ユニットを提供することにある。
(課題を解決するための手段)
上記課題を達成するための本発明の熱交換器ユニットは、
空気と冷媒との間の熱交換を行う「熱交換器」と、熱交換器を通り抜ける空気の流れを生じさせる「送風機」と、送風機が一の面に設けられると共に熱交換器が他の面に設けられる「筐体」と、を備える。
上記課題を達成するための本発明の熱交換器ユニットは、
空気と冷媒との間の熱交換を行う「熱交換器」と、熱交換器を通り抜ける空気の流れを生じさせる「送風機」と、送風機が一の面に設けられると共に熱交換器が他の面に設けられる「筐体」と、を備える。
そして、
「送風機」は、筐体の内側から外側に空気を放出することにより、熱交換器を通り抜けるように筐体の外側から内側に空気を流入させ、
「熱交換器」は、筐体の外側から内側に空気が流入するときの圧力損失を増大させる抵抗部材が設けられている第1領域、及び、抵抗部材が設けられていない領域であって第1領域よりも送風機から離れた第2領域、を有する、ように構成される。
「送風機」は、筐体の内側から外側に空気を放出することにより、熱交換器を通り抜けるように筐体の外側から内側に空気を流入させ、
「熱交換器」は、筐体の外側から内側に空気が流入するときの圧力損失を増大させる抵抗部材が設けられている第1領域、及び、抵抗部材が設けられていない領域であって第1領域よりも送風機から離れた第2領域、を有する、ように構成される。
上記構成によれば、「空気と冷媒との間の熱交換を行う熱交換器」の一部の領域、具体的には、送風機に近い領域(第1領域)に「筐体の外側から内側に空気が流入するときの圧力損失を増大させる抵抗部材」が設けられ、他部の領域、具体的には、送風機から遠い領域(第2領域)には抵抗部材が設けられない。そのため、空気が「熱交換器を通り抜けるように筐体の外側から内側に」入るときの圧力損失は、第1領域では熱交換器および抵抗部材によって定まり、第2領域では熱交換器によって定まる。よって、第1領域の圧力損失は、第2領域の圧力損失よりも、抵抗部材による圧力損失の分だけ大きいことになる。別の言い方をすると、「第1領域よりも送風機から離れた第2領域」(即ち、送風機による吸引力が小さい領域)では圧力損失が小さく、送風機に近い(即ち、送風機による吸引力が大きい)第1領域では圧力損失が大きいことになる。
このように、第1領域および第2領域を有する「熱交換器」は、送風機による吸引力に比例した通気抵抗(圧力損失)の分布を有することになる。よって、本発明の熱交換器ユニットは、従来ユニットのように特殊な形状の熱交換器を用いることなく、一般的な形状の熱交換器(例えば、厚さが一定の形状のフィンを用いた熱交換器)を用いても、熱交換器の通気流速を均一化できる。
したがって、本発明の熱交換器ユニットは、熱交換器ユニットの熱交換効率を高めつつ、製造コストの増大を出来る限り抑えることができる。
ところで、上記「熱交換器」は、「熱交換器を通り抜ける空気」と冷媒との間の熱交換を行い得る熱交換器であればよく、具体的な内部構造、形状および数などは特に制限されない。例えば、熱交換器として、金属薄板の多層体(多層フィン)を貫通するように冷媒配管を配置したフィン・アンド・チューブ型の熱交換器が用いられ得る。
なお、フィン・アンド・チューブ型の熱交換器を用いる場合、「熱交換器」は、1本の冷媒配管が熱交換器全体の熱交換を担う(即ち、冷媒が熱交換器全体を巡りながら熱交換を行い、熱交換器全体の熱交換に貢献する)ように構成されてもよく、複数の冷媒配管が熱交換器の部位ごとの熱交換を担う(即ち、冷媒が部位ごとに独立して熱交換を行い、他の部位の熱交換には貢献しない)ように構成されてもよい。前者の場合、熱交換器の通気流速に偏りが生じると、通気流速が均一化される場合に比べて狭い領域内で熱交換を行わなければならないため、熱交換が不十分なまま冷媒が熱交換器を通り抜ける可能性がある。一方、後者の場合、熱交換器の通気流速に偏りが生じると、一部の部位では想定通りに熱交換が行われるものの、他の部位では熱交換が不十分なまま冷媒がその部位を通り抜ける可能性がある。即ち、いずれの熱交換器であっても、熱交換器の熱交換効率が低下する可能性がある。そこで、いずれの熱交換器であっても、本発明の熱交換器ユニットの「熱交換器」として用いられ得る。
更に、「熱交換器」の厚さは、必ずしも熱交換器全体に亘って一定である必要はなく、熱交換器の位置(領域)によって相違しても良い。例えば、複数の板状の熱交換器(熱交換器プレート)を厚さ方向に積層して「熱交換器」を形成する場合、筐体に配設される他の部材(例えば、送風機)との干渉を避けるため、熱交換器プレートの積層数の多い領域(即ち、厚い部分)と、熱交換器プレートの積層数の少ない領域(即ち、薄い部分)と、を設けてもよい。
しかし、熱交換器の厚さを位置(領域)によって相違させることは、通気流速のばらつきの原因となり得る。そこで、熱交換器の通気流速を均一化する観点から、熱交換器の厚さが小さい領域に「抵抗部材」を設けることが好ましい。
具体的には、熱交換器は、
空気が厚さ方向に通り抜け可能な板状の熱交換器であり、第1領域における厚さが第2領域における厚さよりも小さい、ように構成され得る。
空気が厚さ方向に通り抜け可能な板状の熱交換器であり、第1領域における厚さが第2領域における厚さよりも小さい、ように構成され得る。
上記構成によれば、熱交換器の厚さが小さい領域(例えば、上述した積層型の熱交換器において、積層数が少ない領域)が送風機の近くに配置される場合であっても、その領域(第1領域)に抵抗部材を設けることにより、熱交換器の厚さが大きい領域(例えば、積層数が多い領域。第2領域)との間の通気流速のばらつきを小さくできる。即ち、熱交換器の通気流速を均一化できる。
なお、他の部材との干渉を避けるために熱交換器の一部分(第1領域)の厚さを低減する場合、その低減された厚さよりも抵抗部材の厚さが大きいと、抵抗部材が他の部材と干渉してしまう虞がある。そこで、厚さが小さくても十分な通気抵抗(圧力損失)が得られるように、抵抗部材の単位厚さあたりの圧力損失は、熱交換器の単位厚さあたりの圧力損失よりも大きいことが好ましい。
更に、上記「抵抗部材」は、「筐体に空気が流入するときの圧力損失を増大させる」機能を有していればよく、具体的な構造、材質、大きさ及び厚さ等は特に制限されない。例えば、抵抗部材として、複数の貫通孔が設けられた板状体(例えば、パンチングメタル)が用いられ得る。この板状体を用いる場合、貫通孔の孔径、単位面積あたりの貫通孔の数、及び、貫通孔の開口面積が板状体の表面積に占める開口率などを調整することにより、通気抵抗(圧力損失)の大きさを調整し得る。
具体的には、抵抗部材は、
第1領域を通り抜けて筐体の外側から内側に流入する空気の流速と、第2領域を通り抜けて筐体の外側から内側に流入する空気の流速と、の差がゼロに近付くような圧力損失を生じさせる、ように構成され得る。
第1領域を通り抜けて筐体の外側から内側に流入する空気の流速と、第2領域を通り抜けて筐体の外側から内側に流入する空気の流速と、の差がゼロに近付くような圧力損失を生じさせる、ように構成され得る。
上記構成によれば、第1領域と第2領域との間の通気流速のばらつきを出来る限り低減できる。
但し、抵抗部材は、2つの領域の通気流速の差が「ゼロに近付くような」圧力損失を生じさせればよく、必ずしもその差を完全なゼロにする圧力損失を生じさせる必要はない。更に、「第1領域を通り抜けて筐体の外側から内側に流入する空気の流速」は、例えば、第1領域の中心点における通気流速と定義し得る。同様に、「第2領域を通り抜けて筐体の外側から内側に流入する空気の流速」は、例えば、第2領域の中心点における通気流速と定義し得る。
ところで、熱交換器の第1領域は「抵抗部材が設けられた」領域であればよく、第1領域に抵抗部材以外の他の部材が更に設けられていてもよい。同様に、熱交換器の第2領域は、「抵抗部材が設けられていない」領域であり、第2領域に抵抗部材以外の他の部材が設けられていてもよい。第1領域および第2領域の一方または双方に他の部材が設けられる場合、抵抗部材は、他の部材に起因する圧力損失も考慮しながら、それら領域を通り抜ける空気の流速の差がゼロに近付くような圧力損失を生じさせるように構成されればよい。
例えば、本発明の熱交換器ユニットがエンジン駆動式空気調和装置に適用される場合、エンジン冷却水の放熱用のラジエータが第2領域を覆うように配置され得る。この場合、抵抗部材は、熱交換器の第1領域および抵抗部材を通り抜けて筐体に流入する空気の流速と、熱交換器の第2領域およびラジエータを通り抜けて筐体に流入する空気の流速と、の差がゼロに近付くような圧力損失を生じさせるように、設計されればよい。
更に、「抵抗部材」は、熱交換器の第1領域に設けられていればよく、熱交換器への具体的な取り付け方法は特に制限されない。
例えば、抵抗部材は、
緩衝材を介して熱交換器に取り付けられる、ように構成され得る。
緩衝材を介して熱交換器に取り付けられる、ように構成され得る。
上記構成によれば、抵抗部材と熱交換器(例えば、フィン・アンド・チューブ型の熱交換器の場合、フィンの端部)とが、緩衝材に遮られ、直接接触することが防がれる。そのため、例えば、熱交換器ユニットの製造時における抵抗部材と熱交換器との衝突、及び、その衝突に起因する熱交換器の損傷などが防がれる。
また、「抵抗部材」は、熱交換器の第1領域を覆うように、第1領域に設けられていてもよい。この場合、熱交換器は、厚さ方向が筐体の側面に垂直になるように筐体の側面に設けられるとともに空気が厚さ方向に通り抜け可能な板状の熱交換器であり、抵抗部材は、第1領域のうち厚さ方向に垂直な表面を覆うように、第1領域に設けられているのがよい。これによれば、抵抗部材が熱交換器の第1領域を覆うことにより、第1領域全体の通気抵抗(圧力損失)を高めることができ、その結果、熱交換器の位置ごとの通気流速のばらつきを効率的に低減することができる。
また、熱交換器の第1領域が、複数枚の板状の熱交換器(熱交換器プレート)が厚さ方向に積層されることにより構成されている場合、「抵抗部材」は、第1領域を構成する厚さ方向に隣接した2枚の熱交換器プレート間に挟まれるように、第1領域に設けられているとよい。この場合、熱交換器の第2領域は、第1領域を構成する熱交換器プレートの積層数よりも多い枚数の熱交換器プレートが厚さ方向に積層されることにより構成されていてもよい。また、上記した第1領域及び第2領域を持つ熱交換器は、厚さ方向が筐体の側面に垂直になるように、すなわち、筐体の側面から筐体内に流入する空気が熱交換器の厚さ方向に通り抜け可能なように、筐体の側面に設けられているとよい。
上記構成によれば、抵抗部材が、熱交換器の第1領域を構成する厚さ方向に隣接する2枚の熱交換器プレート間に挟持されることにより、抵抗部材を熱交換器自体で固定することができる。また、複数の熱交換器プレートを厚さ方向に積層して熱交換器を構成する場合、通常は、隣接する熱交換器プレートどうしの接触を防止するために、両熱交換器プレート間に微小の隙間が形成される。本発明では、このようにして形成されている隙間のうち、熱交換器の第1領域に形成された隙間に抵抗部材が挟み込まれる。これにより、実質的に熱交換器の第1領域の厚さを増加させることなく、第1領域に抵抗部材を設けることができる。
この場合において、「抵抗部材」は、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔が形成されたシート状の樹脂部材により構成され得る。このようなシート状の樹脂部材により構成される抵抗部材は、隣接する熱交換器プレート間の隙間に挟まれるように両熱交換器プレートとともに積層することができる。なお、シート状の樹脂部材の開口率(樹脂部材の表面の総面積に対する貫通孔の開口面積の比率)は、50%以下であるのがよく、より好ましくは、20%以上且つ30%以下である。
上記構成によれば、抵抗部材としての複数の貫通孔が形成されたシート状の樹脂部材が隣接する2枚の熱交換器プレートに積層状態で挟まれることにより、熱交換器プレートが振動した場合における振動エネルギーが樹脂製の抵抗部材の弾性によって吸収される。このため、熱交換器プレートの振動時に熱交換器プレートと抵抗部材が衝突することによる異音の発生が効果的に防止される。
さらにこの場合において、シート状の樹脂部材が、耐候性の優れる樹脂により構成されるとよい。例えば、耐候性ポリエチレン樹脂により樹脂部材が構成されるとよい。本発明に係る熱交換器ユニットが例えばエンジン駆動式空気調和装置の室外機に適用される場合、室外機は通常は室外に設置されるため、耐候性に優れる樹脂部材により抵抗部材を構成することで、抵抗部材の耐久性、ひいては熱交換ユニットの耐久性を向上させることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る熱交換器ユニット100(以下「実施ユニット100」という。)の概略構成を、図面を参照しながら説明する。なお、後述されるように、実施ユニット100は、エンジン駆動式空気調和装置(以下「GHP」という。)の室外機の一部を形成するようになっている。
以下、本発明の第1実施形態に係る熱交換器ユニット100(以下「実施ユニット100」という。)の概略構成を、図面を参照しながら説明する。なお、後述されるように、実施ユニット100は、エンジン駆動式空気調和装置(以下「GHP」という。)の室外機の一部を形成するようになっている。
図1は、実施ユニット100の外観を説明するための模式図である。図1に示すように、実施ユニット100は、熱交換器101と、送風機102と、筐体103とを備える。筐体103は、実施ユニット100の外郭を構成するケース状の部材であり、内部空間を有するように略直方体形状に形成され、上面、下面、及び、4側面を有する。筐体103の内部空間が、後述する室外機200の熱交換器室200aを構成する。筐体103の上面は天板103bにより構成され、下面は、後述するドレンパン103a(仕切り板)により構成される。天板103b及びドレンパン103aは、共に、上方から見て同じ外形寸法の長方形状に形成される。また、ドレンパン103aの4隅からそれぞれ支柱103cが上方に向けて延設されており、これらの支柱103cの上端が、天板103bの4隅にそれぞれ接続される。そして、上下方向に対応する天板103bの各辺とドレンパン103aの各辺との間の領域が、筐体103の4側面を構成する。
天板103bには、筐体103内の空気を排出するための円形の2つの排出孔が設けられており、これらの排出孔に嵌まり込むようにして2台の送風機102が天板103bに取り付けられる。従って、送風機102は、筐体103の一の面(上面)に設けられることになる。送風機102は、筐体103内の空気を天板103bに形成された排出孔を経由して外部(上方)に放出させるように作動する。
また、熱交換器101は、図1に示すように、筐体103の側面に設けられる。図2は、筐体103の側面に設けられた熱交換器101の全体形状を表す斜視図である。図2に示すように、熱交換器101は、平板状の熱交換器を折り曲げることによって、中心軸方向に沿って一部切りかかれた四角筒状に構成される。この熱交換器101が、筐体103の側面に沿うように、すなわち筐体103の側面を構成するように、筐体103内に配設される。従って、熱交換器101は、送風機102が設けられている筐体103の一の面(上面)とは異なる他の面(側面)に設けられることになる。熱交換器101は、空気と冷媒との間の熱交換を行う。
また、熱交換器101が筐体103の側面に設けられたとき、熱交換器101の切り欠き端部間から筐体103内に空気が流入しないように、切り欠き端部間を覆う壁状のパネル部材が筐体103に取り付けられる。また、筐体103の側面のうち熱交換器101が設けられる部分に金網等が取り付けられていてもよい。
図2に示すように、熱交換器101には、その内側面の一部(後述する第1領域)を覆うように、抵抗部材101aが設けられる。抵抗部材101aは、複数の貫通孔が設けられた金属製の板状体(パンチングメタル)である。
図3は、実施ユニット100を備えたGHPの室外機200を示す模式図である。図3に示すように、室外機200は熱交換器室(上室)200aとエンジン室(下室)200bとを有する。実施ユニット100(具体的には筐体103の内部空間)は熱交換器室(上室)200aを形成するようになっている。なお、図3において、送風機102の図示が省略されている。
図4は、この室外機200の内部構造を説明するための模式図である。図4に示すように、室外機200の熱交換器室(上室)200aとエンジン室(下室)200bとは、筐体103のドレンパン103aによって区分けされている。
また、筐体103の天板103bに形成されている2つの排出孔にそれぞれ下部ケース102aが固定されている。下部ケース102aは、下方に向かって窪んだ部分を有しており、この窪んだ部分に、送風機102が収められている。なお、下部ケース102aは、送風機102の作動時に熱交換器室200a内の空気が天板103bの排出孔を経由して外部に流出することができるように構成される。
熱交換器室200a(実施ユニット100)の側面、すなわち筐体103の側面、に設けられた熱交換器101は、3枚の板状の熱交換器(熱交換器プレート)1011,1012,1013が、厚さ方向(板厚方向)に積層された構造を有する板状の熱交換器である。各熱交換器プレート1011,1012,1013は、それぞれ、多層状に積層された複数のフィンと、複数のフィンを貫通する冷媒配管(冷媒チューブ)を備える。各熱交換器プレート1011,1012,1013に備えられるフィンは、空気が通り抜ける方向における厚さ(具体的には、筐体103の側面に垂直な方向における厚さ)が一定の形状のフィン、つまり、一般的な形状のフィンである。従って、各熱交換器プレートの厚さは一定であり、そのため熱交換器プレートの積層数を変化させることにより熱交換器101全体の厚さを調整することができる。また、熱交換器101は、その厚さ方向(熱交換器プレートの積層方向)が筐体103の側面に垂直な方向になるように、筐体103の側面に設けられる。この場合、熱交換器101は、送風機102の下部ケース102aとの干渉を避けるため、下部ケース102aの近傍における厚さが他の部分における厚さよりも小さいように(即ち、下部ケース102aの近傍における熱交換器プレートの積層数が、他の部分における熱交換器プレートの積層数よりも少ないように)構成される。そして、この厚さが小さい領域(積層数が小さい領域)を覆うように、抵抗部材101aが熱交換器101に設けられている。従って、抵抗部材101aは、熱交換器101のうち、送風機102(下部ケース102a)の近傍に位置する領域に設けられることになる。なお、熱交換器101の内側(熱交換器プレート1013の内側)には、後述されるガスエンジン放熱用のラジエータ201が設けられている。
熱交換器室200a(実施ユニット100)は、熱交換器101が設けられている部位及び送風機102が設けられている部位(天板103bに形成されている排出孔)以外の部分から空気が出入りしないように、筐体103の内側と外側とを区分けしている。そのため、送風機102が作動して、天板103bに設けられた排出孔を経由して筐体103の内側から外側に空気を放出すると、筐体103の側面に設けられた熱交換器101を通り抜けるように、筐体103の外側から内側に空気が流入する。つまり、送風機102は、筐体103の内側から外側に空気を放出することにより、熱交換器101を通り抜けるように筐体103の外側から内側に空気を流入させる。このとき、筐体103の外側の空気は、筐体103の側面に設けられた熱交換器101をその厚さ方向に通り抜けて筐体103の内側に流入する。すなわち、熱交換器101は、空気が厚さ方向に通り抜け可能な板状の熱交換器である。
上述したような空気の流出入によって、図中の破線で示す空気流AF1,AF2が生じる。なお、図4では、左右の送風機102と空気流AF1,AF2とが一対一に対応しているが、これは便宜上の表現に過ぎず、左右の送風機102の一方のみが作動しても2つの空気流AF1,AF2が生じる。
図5(左図)は、実施ユニット100の熱交換器101をより詳細に説明するための模式図である。図5に示すように、積層された3枚の熱交換器プレート1011,1012,1013のうち最も内側の熱交換器プレート1013は、他の熱交換器プレート1011,1012に比べ、図5における縦方向(上下方向)の長さが短い。そのため、それら熱交換器プレート1011,1012,1013を下端部を揃えて積層すると、積層数(すなわち、熱交換器101の厚さ)が小さい領域が熱交換器101の上側部分を形成し、積層数(熱交換器101の厚さ)が大きい領域が熱交換器101の下側部分を形成する。以下、この積層数が少ない(厚さが小さい)熱交換器101の上側部分の領域を「第1領域」と称呼し、積層数が多い(厚さが大きい)熱交換器101の下側部分の領域を「第2領域」と称呼する。第1領域は、厚さ方向に積層された2枚の熱交換器プレート1011,1012の上側部分により構成され、第2領域は、厚さ方向に積層された3枚の熱交換器プレート1011,1012,1013の下側部分により構成される。
図5(左図)に示すように、熱交換器101の厚さ方向に垂直な面である熱交換器101の内側面であって第1領域を構成する内側面を覆うように、すなわち第1領域を構成する熱交換器プレート1012の上側部分の内側面に面するように、抵抗部材101aが熱交換器101の第1領域に設けられている。この抵抗部材101aは、熱交換器101の第2領域には設けられていない。また、第1領域は、熱交換器101の上側部分を構成しており、この領域は、筐体103の上面(天板103b)に設けられている送風機102(下部ケース102a)に近い領域である。一方、第2領域は、熱交換器101の下側部分を構成しており、この領域は、第1領域よりも、送風機102から離れた領域(送風機102から遠い領域)である。従って、本実施形態においては、熱交換器101のうち、送風機102に近く且つ厚みが小さい(熱交換器プレートの積層数の小さい)第1領域に抵抗部材101aが設けられており、熱交換器101のうち、第1領域よりも送風機102から遠く(送風機102から離れ)且つ厚みが大きい(熱交換器プレートの積層数の大きい)第2領域には抵抗部材101aが設けられていないことになる。なお、本実施形態において、第1領域における熱交換器プレートの積層数は2層であり、第2領域における熱交換器プレートの積層数は3層である。また、本実施形態において、ラジエータ201は、熱交換器101の第2領域の一部に対面するように、筐体103内に配設されている。従って、ラジエータ201をも熱交換器プレートとみなした場合、第2領域には、部分的に4層の熱交換器プレートが積層していることになる。
熱交換器101の第1領域を覆うように設けられた抵抗部材101aは、その一端(図5における上端部)が取付アーム101c及び緩衝材(クッション材)101dを介して熱交換器プレート1011,1012の上端部に支持されており、その他端(図5における下端部)が取付アーム101e及び緩衝材(クッション材)101fを介してラジエータ201の上端部に支持されている。
抵抗部材101aは、空気が熱交換器101を厚さ方向に通り抜けて筐体103の外側から内側に流入するときの圧力損失を増大させるようになっている。具体的には、抵抗部材101aの構造(例えば、貫通孔の孔径、単位面積あたりの貫通孔の数、及び、貫通孔の開口面積が板状体の表面積に占める開口率)は、送風機102の作動時に、第1領域を通り抜けて筐体103の外側から内側に流入する空気の流速と第2領域を通り抜けて筐体103の外側から内側に流入する空気の流速との差が、出来る限りゼロに近付くように、定められている。
図5(右図)は、熱交換器101の通気流速が抵抗部材101aによって均一化される様子を表している。本図の破線は、第1領域に抵抗部材101aが設けられない場合における熱交換器101の位置ごとの通気流速を表す。一方、本図の実線は、第1領域に抵抗部材101aが設けられた場合における熱交換器101の位置ごとの通気流速を表す。本図に示すように、第1領域に抵抗部材101aを設けることにより、熱交換器101の通気抵抗が均一化され、熱交換器101の位置ごとの通気流速のばらつきが低減される。
再び図4を参照すると、エンジン室200bには、都市ガス及びプロパンガス等のガスを燃料とするガスエンジン202、ガスエンジン202から出力される駆動力を用いて冷媒を圧縮する圧縮機203、圧縮機203から吐出された冷媒をGHPの運転モード(冷房運転または暖房運転)に応じた方向に案内する四方切換弁204、圧縮機203に吸入される圧縮前の冷媒の気液分離を行うアキュムレータ205、及び、ガスエンジン202の排熱(ガスエンジン202を冷却するための冷却水)と冷媒との間の熱交換を行うサブ熱交換器206が、格納されている。なお、サブ熱交換器206はラジエータ201と接続されており、サブ熱交換器206を流れた冷却水がラジエータ201に流入する。また、サブ熱交換器206に流れる冷媒の流量は、流量調整弁207によって調整される。
熱交換器101及び上述した各部材は、冷媒が通過する冷媒パイプ208によって繋がれ、冷媒回路を構成している。冷媒回路は、図中の右方向に伸び、GHPの室内機(図示省略)に接続されている。これにより、圧縮機203によって圧縮された冷媒が、冷媒回路を循環するようになっている。このとき、熱交換器101内を流れる冷媒、より詳細には、フィン及び冷媒配管を有する熱交換器101の冷媒配管(冷媒チューブ)内を流れる冷媒が、送風機102の作動により筐体103の外側から内側に流入する空気と熱交換する。また、ラジエータ201に備えられる冷却水配管内を流れる冷却水が、送風機102の作動により筐体103の外側から内側に流入する空気と熱交換する。なお、ラジエータ201とガスエンジン202とサブ熱交換器206とを繋ぐ冷却水管209は、ガスエンジン202の冷却水を輸送するパイプであり、冷媒回路には属さない。
以上が、実施ユニット100の概要である。
図5(左図)に示すように、実施ユニット100は、熱交換器101の一部(第1領域)のみを抵抗部材101aによって覆い、他部(第2領域)は抵抗部材101aによって覆わないように構成されている。また、上述したように、熱交換器101の第1領域は送風機102に近く、そのため送風機102の吸引力が強く作用する領域である。一方、熱交換器101の第2領域は第1領域よりも送風機102から遠く、そのため送風機102の吸引力が弱く作用する領域である。つまり、本実施形態によれば、抵抗部材101aは、送風機102の吸引力が強く作用する第1領域に設けられており、送風機102の吸引力が弱く作用する第2領域には設けられていない。これにより、送風機102の吸引力が大きい領域(第1領域)における通気抵抗を、送風機102の吸引力が小さい領域(第2領域)の通気抵抗に対して高めることができる。その結果、図5(右図)に示すように、抵抗部材101aが無い場合に比べ、熱交換器101の通気抵抗が均一化され、熱交換器101の位置ごとの通気流速のばらつきが低減される。
このように、実施ユニット100は、一般的な形状(空気が通り抜ける方向における厚さが一定の形状)のフィンを有する熱交換器101(熱交換器プレート1011,1012,1013)を用いながら、熱交換器101の通気抵抗を均一化できる。したがって、実施ユニット100は、その熱交換効率を高めつつ、製造コストの増大を出来る限り抑えることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る熱交換器ユニットについて説明する。第2実施形態に係る熱交換器ユニット100A(実施ユニット100A)の外観形状は、図1に示す第1実施形態に係る熱交換器ユニット(実施ユニット100)の外観形状とほぼ同じである。図6は、第2実施形態に係る熱交換器ユニット100A(実施ユニット100A)を備えたエンジン駆動式空気調和装置の室外機200Aの内部構造を示す模式図である。この実施ユニット100Aの内部構成、及び、この実施ユニット100Aを備える室外機200Aの内部構成は、抵抗部材の材質及び配置を除き、前述した実施ユニット100及び実施ユニット100を備える室外機200の構成と基本的にはほぼ同一である。従って、同一の構成のうち以下に説明しない構成については、前述の説明を援用することとして、ここでの詳細な説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
次に、第2実施形態に係る熱交換器ユニットについて説明する。第2実施形態に係る熱交換器ユニット100A(実施ユニット100A)の外観形状は、図1に示す第1実施形態に係る熱交換器ユニット(実施ユニット100)の外観形状とほぼ同じである。図6は、第2実施形態に係る熱交換器ユニット100A(実施ユニット100A)を備えたエンジン駆動式空気調和装置の室外機200Aの内部構造を示す模式図である。この実施ユニット100Aの内部構成、及び、この実施ユニット100Aを備える室外機200Aの内部構成は、抵抗部材の材質及び配置を除き、前述した実施ユニット100及び実施ユニット100を備える室外機200の構成と基本的にはほぼ同一である。従って、同一の構成のうち以下に説明しない構成については、前述の説明を援用することとして、ここでの詳細な説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図6に示すように、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、実施ユニット100Aは、熱交換器101Aと、送風機102と、内部に熱交換器室200aが形成された直方体状の筐体103とを備える。熱交換器室200a(実施ユニット100A)の側面、すなわち筐体103の側面に、本実施形態に係る熱交換器101Aが設けられる。一方、熱交換器室200a(実施ユニット100A)の上面、すなわち筐体103の上面(天板103b)には、送風機102が設けられる。
図7は、本実施形態に係る熱交換器101Aの全体形状を表す斜視図である。図7に示すように、本実施形態に係る熱交換器101Aも、上記第1実施形態に係る熱交換器101と同様に、平板状の熱交換器を折り曲げることにより、中心軸方向に沿って一部切りかかれた四角筒状に構成される。この熱交換器101Aが、筐体103の側面に沿うように、すなわち筐体103の側面を構成するように、筐体103内に配設される。従って、熱交換器101Aは、送風機102が設けられている筐体103の一の面(上面)とは異なる他の面(側面)に設けられることになる。
図6に示すように、熱交換器101Aは、第1実施形態に係る熱交換器101と同様に、3枚の板状の熱交換器(熱交換器プレート)1011,1012,1013が厚さ方向(板厚方向)に積層されることにより構成される板状の熱交換器である。また、熱交換器101Aは、その厚さ方向(熱交換器プレートの積層方向)が筐体103の側面に垂直な方向になるように、筐体103の側面に設けられる。各熱交換器プレート1011,1012,1013は、空気が通り抜ける方向(筐体103の側面に垂直な方向)における厚さが一定の形状のフィン、つまり、一般的な形状のフィンを有する。従って、各熱交換器プレートの厚さは一定であり、そのため熱交換器プレートの積層数を変化させることにより熱交換器101全体の厚さを調整することができる。この場合、熱交換器101Aは、送風機102の下部ケース102aとの干渉を避けるため、下部ケース102aの近傍領域、つまり熱交換器101Aの上側領域における厚さが、他の部分における領域、つまり熱交換器101Aの下側領域における厚さよりも小さいように構成される。具体的には、下部ケース102aの近傍における熱交換器プレートの積層数が、他の部分における熱交換器プレートの積層数よりも少ないように、構成される。図6に示す例では、上記第1実施形態と同様に、下部ケース102aの近傍領域(熱交換器101Aの上側領域)における熱交換器プレートの積層数が2層であり、他の部分(熱交換器101Aの下側領域)における熱交換器プレートの積層数が3層である。熱交換器プレートの積層数が2層である熱交換器101Aの上側領域が、第1領域であり、熱交換器プレートの積層数が3層である熱交換器101Aの下側領域が、第2領域である。第1領域は、厚さ方向に積層された2枚の熱交換器プレート1011及び1012の上側部分により構成され、第2領域は、厚さ方向に積層された3枚の熱交換器プレート1011,1012、及び1013の下側部分により構成される。
そして、この厚さが小さい(熱交換器プレートの積層数が小さい)第1領域に、本実施形態に係る抵抗部材101bが設けられている。この抵抗部材101bは、熱交換器101の第2領域には設けられていない。また、第1領域は、上述したように熱交換器101Aの上側部分を構成しており、この領域は、筐体103の上面(天板103b)に設けられている送風機102(下部ケース102a)に近い領域である。一方、第2領域は、上述したように熱交換器101Aの下側部分を構成しており、この領域は、第1領域よりも、送風機102から離れた領域(送風機102から遠い領域)である。従って、本実施形態においては、熱交換器101Aのうち、送風機102に近く且つ厚みが小さい(熱交換器プレートの積層数の小さい)第1領域に抵抗部材101bが設けられており、熱交換器101Aのうち、第1領域よりも送風機102から遠く(送風機102から離れ)且つ厚みが大きい(熱交換器プレートの積層数の大きい)第2領域には抵抗部材101bが設けられていないことになる。
図8は、本実施形態に係る抵抗部材101bが、熱交換器101Aの第1領域に設けられた状態を示す模式図である。図6及び図8に示すように、本実施形態においては、厚さ方向(板厚方向)に隣接する熱交換器プレート間に、微小な隙間が形成されている。この微小な隙間は、隣接する熱交換器プレートの接触により生じる異音の発生を防止するために設けられている。本実施形態においては、第1領域を構成する2枚の厚さ方向に隣接して積層された熱交換器プレート1011,1012間に形成された微小な隙間に、抵抗部材101bが設けられている。すなわち、抵抗部材101bは、熱交換器101Aの第1領域を構成する厚さ方向に隣接して積層された2枚の熱交換器プレート1011,1012間に挟み込まれるとともに両熱交換器プレート1011,1012とともに積層されるような態様で、熱交換器101Aの第1領域に設けられている。なお、第1実施形態と同様に、熱交換器101Aの第2領域に面するように、ラジエータ201が設けられている。従って、ラジエータ201を熱交換器プレートとみなす場合、第2領域には、4枚のプレート(3層の熱交換器プレート及びラジエータ)が部分的に積層していることになる。
図9は、抵抗部材101bの概略正面図である。この抵抗部材101bは、筐体103に空気が流入するときの圧力損失を増大させるように構成される。本実施形態に係る抵抗部材101bは、樹脂部材によりシート状に形成される。より詳細には、この抵抗部材101bは、耐候性の優れた樹脂、具体的には耐候性PE(ポリエチレン)樹脂によりシート状に形成される。抵抗部材101bは、第1領域の全面に設けられるように、第1領域を構成する2枚の熱交換器プレート1011,1012間の隙間に両熱交換器プレート1011,1012とともに積層するようにして挟まれている。また、図9に示すように、抵抗部材101bには、表裏面に貫通した複数の貫通孔が形成される。抵抗部材101bの開口率(抵抗部材101bの全表面の面積に対する貫通孔の開口面積の比率)は、本実施形態では、20%〜30%である。また、抵抗部材101bの厚みは、約1mm〜2mmである。抵抗部材101bは、2つの熱交換器プレート1011,1012に挟持されることによって固定されていてもよいが、より確実に固定するために、抵抗部材101bの両側端を、熱交換器101Aの両側端に設けられているエンドプレートにインシュロックバンド等の締結部材を介して締結しておいてもよい。
このように、本実施形態に係る実施ユニット100Aは、筐体103の側面に配置された熱交換器101Aを備え、この熱交換器101Aは、筐体103の上面に設置された送風機102の近傍に位置する第1領域と、第1領域よりも送風機102から離れた第2領域を有する。また、第1領域は、厚さ方向に積層された2枚の熱交換器プレート1011、1012により構成され、第2領域は、厚さ方向に積層された3枚の熱交換器プレート1011,1012,1013により第1領域よりも厚くなるように構成される。そして、熱交換器101Aの第1領域を構成する2枚の厚さ方向に隣接して積層された熱交換器プレート1011,1012間に抵抗部材101aが挟み込まれるように設けられており、熱交換器101Aの第2領域を構成する熱交換器プレート1011,1012,1013間には抵抗部材101bは挟み込まれていない。
熱交換器101Aの第1領域は送風機102に近く、そのため送風機102の吸引力が強く作用する領域であり、熱交換器101Aの第2領域は第1領域よりも送風機102から遠く、そのため送風機102の吸引力が弱く作用する領域である。つまり、本実施形態によれば、抵抗部材101bは、送風機102の吸引力が強く作用する第1領域に設けられており、送風機102の吸引力が弱く作用する第2領域には設けられていない。これにより、送風機102の吸引力が大きい領域(第1領域)における通気抵抗を、送風機102の吸引力が小さい領域(第2領域)の通気抵抗に対して高めることができる。その結果、抵抗部材101bが無い場合に比べ、熱交換器101Aの通気抵抗が均一化され、熱交換器101Aの位置ごとの通気流速のばらつきが低減される。
図10は、本実施形態に係る抵抗部材101bが設けられた実施ユニット100Aの送風機102が作動した場合において、送風機102に対する熱交換器101Aの位置と、その位置にて熱交換器101Aを通り抜ける空気の風速との関係(以下、位置と風速との関係という場合もある)を示すグラフである。図10において横軸の目盛りは、送風機102からの熱交換器101Aの上下方向距離であり、右方に向かうほど送風機102から離れる位置であることを表す。また、図10において縦軸の目盛りは、熱交換器101Aを通り抜ける空気の風速であり、上方に向かうほど風速が高いことを表す。また、図10中の実線及び黒塗りの四角で示されたグラフが、本実施形態に係る抵抗部材101bが設けられている場合における、位置と風速との関係を表す。一方、図10中の点線(破線)及び黒塗りの菱形で示されたグラフは、抵抗部材101bが設けられていない場合における、位置と風速との関係を表す。また、図10に示すグラフは、筐体103に設けられる2台の送風機102の共振を回避するため一方の送風機102の回転数を820rpmとし他方の送風機102の回転数を880rpmとした場合における、位置と風速との関係を示す。
図10からわかるように、抵抗部材101bが設けられていない場合(破線の場合)には、送風機102からの距離が近い位置における風速と、送風機102からの距離が離れている位置における風速との差が大きい。一方、抵抗部材101bが設けられている場合(実線の場合)には、送風機102からの距離が近い位置における風速と、送風機102からの距離が離れている位置における風速との差が小さい。すなわち、本実施形態においては、送風機102に近い位置における風速と送風機102から遠い位置における風速との差を小さくすることができる。換言すれば、本実施形態においては、熱交換器101Aの第1領域に抵抗部材101bを挟み込むようにして設けたことにより、送風機102に近い位置における通気抵抗と送風機102から遠い位置における通気抵抗を近づけることができる。
よって、実施ユニット100Aは、一般的な形状(空気が通り抜ける方向における厚さが一定の形状)のフィンを有する熱交換器(熱交換器プレート1011,1012,1013)を用いながら、熱交換器101の通気抵抗を均一化できる。したがって、実施ユニット100Aは、その熱交換効率を高めつつ、製造コストの増大を出来る限り抑えることができる。
また、本実施形態によれば、抵抗部材101bが、熱交換器101Aの第1領域を構成する厚さ方向に隣接して積層された2枚の熱交換器プレート1011,1012間に挟持されるため、抵抗部材101bを熱交換器101A自体で固定することができる。また、本実施形態においては、厚さ方向に隣接する熱交換器どうしの接触を防止するために設けられている両熱交換器プレート間の微小の隙間に抵抗部材101bを挟み込むようにしている。このため、実質的に熱交換器101Aの第1領域の厚さを増加させることなく、第1領域に抵抗部材101bを設けることができる。つまり、抵抗部材を設けることに起因して熱交換器ユニットのサイズが増大することはない。別の言い方をすれば、本実施形態に示すように抵抗部材を設けることによって通気流速が均一化された熱交換器ユニットの、コンパクト化を図ることができる。
また、実施ユニット100Aに備えられる抵抗部材101bは、樹脂により構成されている。そのため、抵抗部材101bを挟んでいる2枚の熱交換器プレート1011及び1012が振動した場合における振動エネルギーが抵抗部材101bの弾性によって吸収される。その結果、熱交換器プレートの振動時に熱交換器プレートと抵抗部材101bが衝突することによる異音の発生が効果的に防止される。
さらに、実施ユニット100Aに備えられる抵抗部材101bは、耐候性ポリエチレン樹脂により構成されている。このため、抵抗部材101bの耐久性、ひいては実施ユニット100Aの耐久性を向上させることができる。
また、実施ユニット100Aに備えられる熱交換器101Aは、上述したように、中心軸方向に沿って一部切りかかれた四角筒状に形成されるが、このような形状の熱交換器は、平板状の熱交換器を曲げ機で曲げることにより製造される。このとき、2つの平板状の熱交換器プレート間にシート状の抵抗部材101bを挟み込んだ組み付け体を、曲げ機で曲げることによって、抵抗部材101bが設けられた熱交換器101Aを容易に製造することができる。つまり、実施ユニット100Aの製造方法は、積層された平板状の熱交換器プレート間に抵抗部材101bを挟み込んだ状態で曲げることによって、抵抗部材101bが挟み込まれた熱交換器101Aを成形する熱交換器成形工程と、熱交換器成形工程にて成形された熱交換器101Aを、筐体103の側面に配置する配置工程とを備える。これによれば、熱交換器101Aの成形と、抵抗部材101bの熱交換器101Aへの取付が同時に行われるために、熱交換器ユニット100Aの製造工数を削減することができる。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用できる。
例えば、実施ユニット100,100Aは、GHPの室外機200,200Aに適用されている。しかし、本発明の熱交換器ユニットは、必ずしもGHPに適用されなくてもよく、熱交換効率の向上を要する装置(例えば、コージェネレーションシステム)の熱交換器部分として適用されてもよい。
更に、第1実施形態に係る実施ユニット100は、抵抗部材101aとしてパンチングメタルを用いている。しかし、他の材料(例えば、スポンジ等の多孔質材)を抵抗部材101aとして用いてもよい。
更に、実施ユニット100,100Aにおいては、熱交換器101,101Aの第2領域の内壁面(筐体103の内側の表面)にラジエータ201が設けられている。しかし、本発明の熱交換器ユニットは、必ずしもラジエータ201を備える必要はない。なお、上記第1実施形態においてラジエータ201を設けない場合、抵抗部材101aを支持するための取付アーム101e(図5における下側の取付アーム)は、最も内側の熱交換器プレート1013の上端部に緩衝材101fを介して取り付けられればよい。
更に、第1実施形態に係る実施ユニット100においては、抵抗部材101aは、熱交換器101の内壁面(筐体103の内側の表面)を覆うように設けられている。しかし、本発明の熱交換器ユニットは、熱交換器101の外壁面(筐体103の外側の表面)を覆うように抵抗部材101aを設けてもよい。
また、第2実施形態に係る実施ユニット100Aにおいては、熱交換器101Aの第1領域が、2枚の熱交換器プレート1011,1012が積層されることによって構成された例について説明したが、3枚以上の熱交換器プレートが積層されることによって第1領域が構成されていてもよい。この場合、3枚以上の積層された熱交換器プレートのうち隣接して積層された2枚の熱交換器プレート間のいずれかに抵抗部材を挟み込むことができる。或いは、3枚以上の積層された熱交換器プレートのうち隣接して積層された2枚の熱交換器プレート間の一部あるいは全部に抵抗部材を挟み込むこともできる。また、第2実施形態に係る実施ユニット100Aにおいて、第2領域を構成する積層された熱交換器プレート間には、第2領域を通り抜ける空気の抵抗をさほど増加させないような態様で、スポンジ等のインシュレータを介在させるように構成させてもよい。
100,100A…熱交換器ユニット、101,101A…熱交換器、101a,101b…抵抗部材、101d,101f…緩衝材、102…送風機、102a…下部ケース、103…筐体、103a…ドレンパン、103b…天板、103c…支柱、200,200A…室外機、200a…熱交換器室、200b…エンジン室、1011,1012,1013…熱交換器プレート
Claims (7)
- 空気と冷媒との間の熱交換を行う熱交換器と、前記熱交換器を通り抜ける空気の流れを生じさせる送風機と、前記送風機が一の面に設けられると共に前記熱交換器が他の面に設けられる筐体と、を備えた熱交換器ユニットであって、
前記送風機は、
前記筐体の内側から外側に空気を放出することにより、前記熱交換器を通り抜けるように前記筐体の外側から内側に空気を流入させ、
前記熱交換器は、
前記筐体の外側から内側に空気が流入するときの圧力損失を増大させる抵抗部材が設けられている第1領域、及び、前記抵抗部材が設けられていない領域であって前記第1領域よりも前記送風機から離れた第2領域、を有する、
熱交換器ユニット。 - 請求項1に記載の熱交換器ユニットにおいて、
前記熱交換器が、
空気が厚さ方向に通り抜け可能な板状の熱交換器であり、前記第1領域における厚さが前記第2領域における厚さよりも小さい、
熱交換器ユニット。 - 請求項1または2に記載の熱交換器ユニットにおいて、
前記抵抗部材が、
前記第1領域を通り抜けて前記筐体の外側から内側に流入する空気の流速と、前記第2領域を通り抜けて前記筐体の外側から内側に流入する空気の流速と、の差がゼロに近付くような圧力損失を生じさせる、
熱交換器ユニット。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱交換器ユニットにおいて、
前記抵抗部材が、
緩衝材を介して前記熱交換器に取り付けられる、
熱交換器ユニット。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱交換器ユニットにおいて、
前記抵抗部材は、前記第1領域を覆うように前記第1領域に設けられている、
熱交換器ユニット。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱交換器ユニットにおいて、
前記第1領域が、複数枚の熱交換器プレートが厚さ方向に積層されることにより構成されており、
前記抵抗部材は、前記第1領域を構成する厚さ方向に隣接した2枚の前記熱交換器プレート間に挟まれるように、前記第1領域に設けられている、
熱交換器ユニット。 - 請求項6に記載の熱交換器ユニットにおいて、
前記抵抗部材が、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔が形成されたシート状の樹脂部材により構成される、
熱交換器ユニット。
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WO2018180933A1 (ja) * | 2017-03-27 | 2018-10-04 | ダイキン工業株式会社 | 熱交換器ユニット |
JP2018162934A (ja) * | 2017-03-27 | 2018-10-18 | ダイキン工業株式会社 | 熱交換器ユニット |
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