JP2016183225A - 封止用液状透明樹脂組成物、ウエハレベルチップサイズパッケージ、及び半導体装置 - Google Patents

封止用液状透明樹脂組成物、ウエハレベルチップサイズパッケージ、及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】塗膜の透明性、硬化性、均一性、外観に優れ、輝度低下を抑制することができる封止用液状透明樹脂組成物、該封止用液状透明樹脂組成物を用いて製造されたウエハレベルチップサイズパッケージ、及び半導体装置を提供する。【解決手段】(A)脂環式エポキシ化合物、(B)アルコキシ基含有シリコーン化合物、及び(C)アルミキレート化合物を含有する封止用液状透明樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、封止用液状透明樹脂組成物、該封止用液状透明樹脂組成物を用いて製造されたウエハレベルチップサイズパッケージ、及び半導体装置に関する。
従来、LEDやフォトダイオードなど、透明性を要する半導体素子の封止には、シリコーン系やエポキシ系の透明樹脂が広く用いられている。また、エポキシ系の透明樹脂では、硬化剤として酸無水物が広く用いられている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
近年、電子部品の小型低背化が進み、封止用樹脂組成物を硬化させてなる硬化膜の膜厚を薄くすることが求められている。該硬化膜の膜厚を薄く形成する方法として、ウエハあるいは基板上の電子部品に、樹脂組成物をコートする方法が用いられている(例えば、特許文献3)。
特開2001−213940号公報 特開2011−173951号公報 特開2003−238651号公報
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に記載の硬化剤として酸無水物を用いた樹脂組成物では、開放系で熱硬化させると硬化する前に酸無水物が気化してしまい、樹脂組成物中に含まれるエポキシ基との当量の比がずれてしまい、変色しやすくなり、また、硬化不良を起こす場合がある。また、透明樹脂組成物では、特許文献3に開示されたウエハあるいは基板上の電子部品をコートする用途で用いる製品はない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、塗膜の透明性、硬化性、均一性、外観に優れ、輝度低下を抑制することができる封止用液状透明樹脂組成物、該封止用液状透明樹脂組成物を用いて製造されたウエハレベルチップサイズパッケージ、及び半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、脂環式エポキシ化合物、アルコキシ基含有シリコーン化合物、及びアルミキレート化合物を含む封止用液状透明樹脂組成物が、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[5]を提供する。
[1](A)脂環式エポキシ化合物、(B)アルコキシ基含有シリコーン化合物、及び(C)アルミキレート化合物を含有する封止用液状透明樹脂組成物。
[2]前記(B)アルコキシ基含有シリコーン化合物の主鎖が、メチルフェニルシロキサンの繰り返し単位を含む、上記[1]に記載の封止用液状透明樹脂組成物。
[3]前記(B)アルコキシ基含有シリコーン化合物全量に対するアルコキシ基含有比率が、5質量%以上20質量%以下である、上記[1]又は[2]に記載の封止用液状透明樹脂組成物。
[4]上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の封止用液状透明樹脂組成物を用いて、ウエハ上に形成された半導体素子を封止し、硬化させた後にダイシングして製造される、ウエハレベルチップサイズパッケージ。
[5]上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の封止用液状透明樹脂組成物を用いて、半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面を一括封止し、硬化させて製造される、半導体装置。
本発明によれば、塗膜の透明性、硬化性、均一性、外観に優れ、輝度低下を抑制することができる封止用液状透明樹脂組成物、該封止用液状透明樹脂組成物を用いて製造されたウエハレベルチップサイズパッケージ、及び半導体装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(封止用液状透明樹脂組成物)
〔成分(A)〕
本発明で用いる成分(A)の脂環式エポキシ化合物は、脂環式エポキシ基、すなわち脂肪族環内のエチレン結合に酸素1原子が付加したエポキシ基をもつ環状脂肪族化合物である。上記成分(A)の脂環式エポキシ化合物としては、通常、エポキシ当量が120〜300程度の範囲のものが用いられる。
上記成分(A)の脂環式エポキシ化合物としては、例えば、(i)脂環を構成する隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基を有する化合物、及び(ii)脂環にエポキシ基が直接単結合で結合している化合物が挙げられる。
(i)脂環を構成する隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基(脂環式エポキシ基)を有する化合物としては、周知慣用のものの中から任意に選択して使用することができる。脂環式エポキシ基としては、シクロヘキセンオキシド基が好ましい。
上記(i)脂環を構成する隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基を有する化合物としては、透明性、耐熱性の観点から、下記一般式(1)で表される脂環式エポキシ化合物が好ましい。
上記一般式(1)中、Xは連結基(1以上の原子を有する2価の基)を示し、例えば、2価の炭化水素基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、カーボネート基、アミド基、及びこれらが複数個連結した基等が挙げられる。
2価の炭化水素基としては、炭素数が1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基等が挙げられる。炭素数が1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等が挙げられる。2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基等の2価のシクロアルキレン基(シクロアルキリデン基を含む)などが挙げられる。
連結基Xとしては、酸素原子を含有する連結基が好ましく、具体的には、−CO−,−O−CO−O−,−COO−,−O−,−CONH−;これらの基が複数個連結した基;これらの基の1又は2以上と2価の炭化水素基の1又は2以上とが連結した基などが挙げられる。2価の炭化水素基としては前記の基が挙げられる。
上記一般式(1)で表される脂環式エポキシ化合物としては、下記一般式(1−I)で表される化合物が好ましい。
上記一般式(1−I)中、Aは、−(CH−O−CO−又は−CO−O−(CH−、Bは、−O−又は単結合、Cは、シクロヘキシレン基、−(CH−又は単結合、Dは、−(CH−O−CO−、−CO−O−(CH−又は単結合である。mは、それぞれ独立に、0〜6の整数を表す。
また、上記一般式(1−I)で表される脂環式エポキシ化合物の代表的な例としては、下記一般式(1−i)〜(1−v)で表される化合物などが挙げられ、中でも、下記一般式(1−i)、一般式(1−ii)で表される化合物が好ましく用いられる。また、市販品としては、例えば、CEL2021P〔(株)ダイセル製、商品名、エポキシ当量:130〕、CEL2081〔(株)ダイセル製、商品名、エポキシ当量:200〕等が挙げられる。
(ii)脂環にエポキシ基が直接単結合で結合している化合物としては、例えば下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
上記一般式(2)中、Rは炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基または水素原子を表し、nは1〜24の整数を表す。
上記Rの炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。中でも、本発明の効果を発揮する観点から、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が好ましい。
上記nは、1〜24の整数であり、好ましくは3〜12の整数である。
上記一般式(2)で表されるエポキシ化合物は、軟化点が70℃程度であるため、常温(25℃)で固形状であるが、上記一般式(1)で表されるエポキシ化合物と予め溶融混合することで液状物質としての取り扱いが可能となる。
また、市販品としては、例えば、EHPE 3150〔(株)ダイセル製、商品名、エポキシ当量:170〜190〕等が挙げられる。
上記成分(A)の脂環式エポキシ化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記成分(A)の脂環式エポキシ化合物としては、CEL2021P、CEL2081が好ましく用いることができる。
樹脂組成物の全量に対する成分(A)の配合量は、硬化性の観点から、好ましくは60〜98質量%、より好ましくは65〜98質量%、更に好ましくは70〜96質量%である。
〔成分(B)〕
本発明で用いる成分(B)のアルコキシ基含有シリコーン化合物(以下、単に「シリコーン化合物」ともいう)は、片末端、両末端及び側鎖の少なくともいずれかにアルコキシ基を含有するシリコーン化合物である。
上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基等が挙げられ、中でも、硬化性の観点から、メトキシ基が好ましい。
また、上記成分(B)のアルコキシ基含有シリコーン化合物の粘度(25℃)は、混合性の観点から、好ましくは0.5〜100mm/s、より好ましくは0.8〜50mm/sである。
上記成分(B)のアルコキシ基含有シリコーン化合物の主鎖が、メチルフェニルシロキサンの繰り返し単位を含むことが好ましい。該シリコーン化合物の主鎖が、メチルフェニルシロキサンの繰り返し単位を含む場合、その屈折率は1.5程度であり、上記成分(A)の脂環式エポキシ化合物の屈折率(1.5程度)と同程度であることから、該シリコーン化合物の配合量を増やしても白濁しにくくすることができる。
また、上記成分(B)のアルコキシ基含有シリコーン化合物全量に対するアルコキシ基含有比率は、好ましくは5質量%以上45質量%以下、より好ましくは5質量%以上35質量%以下、更に好ましくは5質量%以上20質量%以下、より更に好ましくは5質量%以上15質量%以下である。
5質量%以上とすることにより、樹脂組成物の硬化性を良好にすることができる。45質量%以下とすることにより、樹脂強度の低下を抑制することができ、より好ましくは20質量%以下とすることにより、硬化物の靭性の低下を抑え、樹脂強度の低下を抑制することができる。また、硬化反応中に発生するメタノールの量を抑え、ボイドの発生を抑制することができる。
また、封止用液状透明樹脂組成物では、膜厚の均一性、及び塗膜硬度が重要な特性であるが、膜厚にバラつきがない場合でも、硬化時間が短いなど硬化が不十分な時には、塗膜硬度にバラつきが発生することがある。これに対し、用いるアルコキシ基含有シリコーン化合物中のアルコキシ基含有比率を20質量%以下とすることにより、反応を制御しやすく、硬化ムラの発生を抑制することができる。
上記成分(B)のアルコキシ基含有シリコーン化合物の市販品としては、例えば、メチル基を含有するアルコキシ基含有シリコーン化合物(信越化学工業(株)製、「KC−89S」、「KR−500」)、メチル基及びフェニル基を含有するアルコキシ基含有シリコーン化合物(信越化学工業(株)製、「KR−9218」、「KR−213」、「KR−510」)等が挙げられる。
これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、成分(B)の配合量は、樹脂組成物の全量に対し、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは2〜20質量%、更に好ましくは3〜18質量%である。1質量%以上とすることで、表面硬度が高い硬化物とすることができ、30質量%以下とすることで、樹脂組成物の粘度上昇を抑制し、ボイドの発生を抑え、硬化物の外観を良好にすることができる。
また、成分(A)と成分(B)との配合比率[成分(B)の配合比/成分(B)のアルコキシ当量]/[成分(A)の配合比/成分(A)のエポキシ当量]は、好ましくは0.03〜0.13、より好ましくは0.05〜0.10である。0.03以上とすることで、樹脂組成物の硬化性を良好にし、ベーク試験後の透過率を維持することができる。0.13以下とすることで、樹脂組成物のフロアライフ(室温での可使時間)の悪化を抑え、硬化物の機械強度の低下を抑制することができる。
〔成分(C)〕
本発明で用いる成分(C)のアルミキレート化合物は、上記成分(A)と上記成分(B)との反応を開始させる働きを有する。該アルミキレート化合物は、アルミニウム錯体を表し、キレート錯体であることが好ましい。
上記成分(C)のアルミキレート化合物としては、下記一般式(6)〜(8)で表される化合物が挙げられる。
上記一般式(6)〜(8)中、R〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表す。R〜Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基が好ましい。
上記一般式(6)〜(8)で表されるアルミキレート化合物の中でも、反応性の観点から、一般式(6)、一般式(7)で表されるアルミキレート化合物が好ましい。
また、上記一般式(6)〜(8)で表されるアルミキレート化合物の具体例としては、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジセカンダリーブチレート、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビスオレイルアセトアセテート、アルミニウムアルキルアセテートジイソプロピレート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート等が挙げられる。
成分(C)の配合量は、樹脂組成物の全量に対し、好ましくは0.03〜1.0質量%、より好ましくは0.05〜0.50質量%、更に好ましくは0.05〜0.30質量%である。0.03質量%以上とすることで、樹脂組成物の硬化性を良好にすることができる。1.0質量%以下とすることで、樹脂組成物のフロアライフ(室温での可使時間)の悪化を抑え、ベーク試験後の透過率の維持率悪化を抑制することができる。
本発明の封止用液状透明樹脂組成物には、以上の各成分の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合されるフェノール系、リン系等の酸化防止剤、染料、顔料等の着色剤や蛍光剤、煙霧シリカ等の沈降防止剤、反応性又は非反応性の希釈剤等を必要に応じて配合することができる。
また、上記成分(A)の脂環式エポキシ化合物以外のエポキシ化合物、及び上記(B)成分のアルコキシ基含有シリコーン化合物以外のシリコーン化合物を配合させてもよい。ただし、ブリード抑制の観点から、樹脂組成物の全量に対する、上記成分(A)及び上記成分(B)の配合量は、それぞれ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。
以上、上記で説明した成分(A)〜(C)、及びその他の成分を所定量配合したものを、ミキサー等により均一に混合することにより、本発明の封止用液状透明樹脂組成物を調製することができる。また、成分(A)及び成分(B)と、成分(A)及び成分(C)とを2液型とし、使用前にスターラー等でよく混合することで、常温でも長期に保管することができる。
本発明の封止用液状透明樹脂組成物中に含まれる上記成分(A)〜(C)の合計含有量は、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは85〜100質量%、更に好ましくは90〜100質量%である。
このようにして得られた封止用液状透明樹脂組成物の粘度(25℃)は、好ましくは50〜500mm/s、より好ましくは100〜400mm/sである。
また、上記封止用液状透明樹脂組成物は、22℃で8時間放置した後の粘度上昇率が、好ましくは200%未満、より好ましくは160%未満、更に好ましくは130%未満である。
なお、上記粘度は、回転粘度計(HAAKE)を用いて、実施例に記載の方法により測定できる。
また、上記封止用液状透明樹脂組成物を硬化させて得られた硬化物の表面硬度(ショアD硬度)は、好ましくは70以上、より好ましくは75以上である。また、上記硬化物の破断強度は、好ましくは80MPa以上、より好ましくは90MPa以上、更に好ましくは100MPa以上である。
なお、上記硬化物の表面硬度(ショアD硬度)及び破断強度は実施例に記載の方法により測定できる。
また、上記封止用液状透明樹脂組成物を硬化させて得られた硬化物の波長460nmの光透過率は、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上である。
更に、上記硬化物の輝度維持率は、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上である。
なお、上記光透過率及び輝度維持率は実施例に記載の方法により測定できる。
(ウエハレベルチップサイズパッケージ、及び半導体装置)
本発明の封止用液状透明樹脂組成物を用いて、ウエハ上に形成された半導体素子を封止し、硬化させた後にダイシングすることにより、ウエハレベルチップサイズパッケージを製造することができる。ここで、ウエハレベルチップサイズパッケージとは、半導体部品のパッケージ形式の1つであり、ボンディング・ワイヤーによる内部配線を行なわず、半導体の一部が露出したままの、ほぼ最小となる半導体パッケージのことである。
また、上記封止用液状透明樹脂組成物を用いて、半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面を一括封止し、硬化させることにより、半導体装置を製造することができる。
本発明の封止用液状透明樹脂組成物を接着剤として、あるいは封止材として使用することにより、上記ウエハレベルチップサイズパッケージ及び半導体装置を容易に製造することができる。
ウエハ上に形成された半導体素子を封止する方法としては、例えば、プリンティング、ディスペンティング、ディッピング、スピンコーティング等が挙げられる。
上記封止用液状透明樹脂組成物により、ウエハ上に形成された半導体素子を封止した後、オーブンで加熱し、硬化させる。オーブンでの加熱温度は、120℃以上とすることが好ましい。また、硬化は、ステップキュアで行なうこともできる。
次に実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、以下の記載において特に明示しない限り、「%」は「質量%」を示すものとする。
(調合例1:エポキシ化合物の予備混合物の作成)
脂環状エポキシ化合物((株)ダイセル製、CEL2021P、エポキシ当量:130)50%と、脂環式エポキシ化合物((株)ダイセル製、EHPE3150、エポキシ当量:177)50%とを80℃で混合して、固形分を溶融させ、常温(25℃)まで冷却して予備混合物を得た。
(実施例1〜14、及び比較例1〜3)
表1及び表2に記載の種類及び配合量の各成分を用いて、(A)液及び(B)液を調整した。その後、A液とB液とを質量比1:1で混合し封止用液状透明樹脂組成物及び比較用の樹脂組成物を調製した。
なお、封止用液状透明樹脂組成物及び比較用の樹脂組成物の調製に使用した表1及び表2に記載の各成分の詳細は以下のとおりである。
<(A)成分>
・脂環式エポキシ化合物:(株)ダイセル製、商品名「CEL2021P」、エポキシ当量:130
・脂環式エポキシ化合物:(株)ダイセル製、商品名「CEL2081」、エポキシ当量:200
<(B)成分>
・アルコキシ基含有シリコーン化合物:信越化学工業(株)製、商品名「KR−9218」、アルコキシ当量:207、アルコキシ基量:15質量%、粘度:36mm/s
・アルコキシ基含有シリコーン化合物:信越化学工業(株)製、商品名「KR−510」、アルコキシ当量:182、アルコキシ基量:17質量%、粘度:90mm/s
・アルコキシ基含有シリコーン化合物:信越化学工業(株)製、商品名「KR−213」、アルコキシ当量:141、アルコキシ基量:20質量%、粘度:15mm/s
・アルコキシ基含有シリコーン化合物:信越化学工業(株)製、商品名「KR−500」、アルコキシ当量:111、アルコキシ基量:28質量%、粘度:23mm/s
<(C)成分>
・アルミキレート化合物(アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート):川研ファインケミカル(株)製、商品名「ALCH」
・アルミキレート化合物(アルミニウムトリスエチルアセトアセテート):川研ファインケミカル(株)製、商品名「ALCH−TR」
<その他>
・フェノール系酸化防止剤:和光純薬工業(株)製、商品名「BHT」
・リン系酸化防止剤:(株)アデカ製、商品名「PEP−8」
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂:(株)アデカ製、商品名「EP−4100E」
・脂環式EP変性シリコーン:信越化学工業(株)製、商品名「X−22−169AS」
・酸無水物:日立化成(株)製、商品名「HN−5500E」
・硬化促進剤:サンアプロ(株)製、商品名「U−CAT5003」
以下に示す測定条件により、樹脂組成物の特性、及び硬化物の特性の測定、及び評価を行った。なお、結果を表1及び表2に示した。
<評価項目>
(1)粘度上昇率
樹脂組成物を22℃で8時間放置した後の粘度上昇率を下記式により算出した。
粘度上昇率=(22℃で8時間放置した後の粘度)/(イニシャル粘度)×100
ここで、「イニシャル粘度」は、樹脂組成物を製造した直後の粘度である。イニシャル粘度及び22℃で8時間放置した後の粘度は、回転粘度計(HAAKE)を使用して測定した。なお、上記粘度上昇率は、下記の基準により評価した。
×:粘度上昇率200%以上
△:粘度上昇率130%以上200%未満
〇:粘度上昇率130%未満
(2)表面硬度(ショアD硬度)
樹脂組成物を試験片型に注形した後、オーブンにより80℃で2時間加熱し、次いで、150℃で5時間加熱し、硬化させて試験片(縦30mm×横4mm×厚さ2mm)を作成した。当該試験片の表面硬度(ショアD硬度)をショアD硬度計、(株)テクロック製を用いて測定した。
〇:表面硬度が75以上
△:表面硬度が70以上75未満
×:表面硬度が70未満
(3)破断強度
縦30mm×横4mm×厚さ2mmの試験片を用い、支点間距離11mmの3点曲げ試験により、破断強度を測定した。
(4)光透過率
樹脂組成物を試験片型に注形した後、オーブンにより80℃で2時間加熱し、次いで、150℃で5時間加熱し、硬化させて試験片(縦30mm×横4mm×厚さ1mm)を作成した。該試験片の成形直後およびオーブンにより150℃で168時間加熱した後の460nm波長の透過率を分光光度計(日本分光(株)製、V−570)を用いて測定した。
(5)外観試験
青色LED素子(ピーク波長457nm)を搭載してワイヤボンディングされたPLCC−2(枠材アモデル)に樹脂組成物をポッティングして脱気した後に、オーブンにより80℃で2時間加熱し、次いで、150℃で2時間加熱し、硬化させてパッケージをそれぞれ4個作成した。得られたパッケージの外観を目視により観察した。評価基準を下記に示す。
〇:目減りがなく、ボイドがないもの
△:目減りによるワイヤ露出はないが、直径0.05mm以上0.2mm未満のボイドがあるもの
×:目減りによるワイヤ露出、または直径0.2mm以上のボイドがあるもの
(6)点灯試験(輝度維持率)
上記で得られたパッケージを基板に実装し、120mWになるように通電して500時間の点灯試験を行なった。フォトダイオード(浜松ホトニクス(株)製、S1226−8BQ)に当てた際の電流値を輝度とし、イニシャルからの輝度維持率を計算した。なお、輝度維持率は次の評価基準で評価した。
〇:輝度維持率70%以上
×:輝度維持率70%未満
(7)膜厚試験
テスト用シリコンウエハ(6インチ)に樹脂組成物を加熱硬化後の膜厚が20μmとなるようにスピンコートし、80℃で2時間加熱し、次いで、150℃で5時間加熱し、硬化させて塗膜を形成した。接触式段差計(ケーエルエー・テンコール(株)製、アルファステップ)を用いて、当該塗膜上の任意に選択した9点の膜厚を測定し、平均値及び標準偏差(σ)を求めた。また、標準偏差から3σを算出した。
〇:3σが5以下のもの
×:3σが5を超えるもの
(8)塗膜表面硬度
ガラス板(縦54mm×横76mm×厚さ1.4mm)上に、樹脂組成物を加熱硬化後の膜厚が100μmとなるように塗布し、80℃で2時間加熱し、次いで、150℃で5時間加熱し、硬化させて塗膜を形成した。薄膜硬度計(トリスタン製、TRH−001)を用いて、当該塗膜上の任意に選択した5点の表面硬度を測定し、平均値及び標準偏差(σ)を求めた。また、標準偏差から3σを算出した。
〇:3σが0.2以下のもの
△:3σが0.2超〜1.0以下のもの
×:3σが1を超えるもの
以上説明したように、成分(A)、成分(B)、及び成分(C)を含む樹脂組成物を用いた実施例1〜14では、樹脂組成物の粘度上昇が抑えられ、塗膜の透明性、硬化性、均一性、外観に優れ、輝度低下を抑制することができるという結果が得られた。
なお、比較例1及び比較例2では、硬化しなかったため、表2中に記載の評価項目について測定を行なわなかった。
本発明の封止用液状透明樹脂組成物は、小型低背化に対応した電子部品の封止に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. (A)脂環式エポキシ化合物、(B)アルコキシ基含有シリコーン化合物、及び(C)アルミキレート化合物を含有する封止用液状透明樹脂組成物。
  2. 前記(B)アルコキシ基含有シリコーン化合物の主鎖が、メチルフェニルシロキサンの繰り返し単位を含む、請求項1に記載の封止用液状透明樹脂組成物。
  3. 前記(B)アルコキシ基含有シリコーン化合物全量に対するアルコキシ基含有比率が、5質量%以上20質量%以下である、請求項1又は2に記載の封止用液状透明樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の封止用液状透明樹脂組成物を用いて、ウエハ上に形成された半導体素子を封止し、硬化させた後にダイシングして製造される、ウエハレベルチップサイズパッケージ。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の封止用液状透明樹脂組成物を用いて、半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面を一括封止し、硬化させて製造される、半導体装置。
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