JP2016182747A - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents

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亮太 阿波
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Abstract

【課題】シリカの分散性および分散安定性が良好であり、該シリカ分散により得た分散液の保管期間に関係なく保護層塗工しても、光沢が安定的で発色感度と繰り返し耐久性に優れた可逆性感熱記録媒体を提供する。
【解決手段】支持体上に通常無色ないし淡色の電子供与性呈色性化合物と、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消去した状態を形成させる可逆性電子受容性化合物とを含有する可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、該可逆性感熱記録層上に少なくともシリカとポリビニルブチラールを含有する保護層を設け、該ポリビニルブチラールの重量平均分子量が10,000以上であり、かつ添加量が該保護層に対して0.5〜5.0質量%である事とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した可逆性感熱発色組成物を用い、熱エネルギーを制御することにより発色画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記録媒体に関する。
電子供与性呈色性化合物と、電子受容性化合物との間の発色反応を利用した感熱記録媒体は広く知られており、OA化の進展と共にファクシミリ、ワードプロセッサ、科学計測機等の出力用紙として、また最近ではプリペイドカード、ポイントカードなどの磁気感熱カードとしても広く使用されている。このような実用化されている感熱記録媒体は、環境問題上、リサイクル、使用量の減量化などの見直しが迫られているが、不可逆的な発色であるため、一度記録した画像を消去して繰り返し使用することは出来ず、新しい情報は画像が記録されていない部分に追記できる程度であり、記録可能な部分の面積は限られている。そのため、記録する情報量を減らし、記録エリアがなくなった時点でカードを作り直しているのが実状である。そこで、近年のゴミ問題、森林破壊問題を背景として、何度でも書き換え可能な可逆性感熱記録媒体の開発が望まれている。
このような可逆性感熱記録媒体は、実用条件下で印字・消去を繰り返し行うと、度重なる熱および力(搬送力やプラテン圧による外力)によって、次第に記録面に劣化が生じる。そこで印字耐久性を向上させるために、耐熱性の保護層を設ける検討が行われ、感熱記録層上、あるいは中間層を介して熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、紫外線や電子線による硬化樹脂を主成分とする保護層を設けることを提案されている(例えば、特許文献2および3参照)。このような保護層では、繰り返し耐久性を向上させる目的で、各種顔料を添加することが行われており、平均粒子径が1〜10μmである多孔質合成シリカを疎水化したシリカを添加する方法、有機化クレーおよびカルシウムをコーティングしたシリカを添加する方法、シリカを主成分とする鱗片状顔料を添加する方法などが開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、これらの顔料を添加する方法では、未だ十分な繰り返し耐久性が得られず、さらなる繰り返し耐久性の改善が求められる場合がある。
この点を改良するため、特許文献5乃至13においては、熱硬化性樹脂としての働きを持つポリビニルブチラールを保護層に用いる方法が注目されている。しかし、これらはシリカの分散不良および該シリカ分散により得た分散液の経時安定性不良が基で、該分散液の保管期間により可逆性感熱記録媒体の光沢度が大きく変わり、発色感度にも悪影響を及ぼし、十分な品質が得られない時がある。
特開平6−8626号公報 特開平6−344672号公報 特開平8−11433号公報 特開平8−175012号公報 特開平10−291370号公報 特開平10−315627号公報 特開平11−99750号公報 特開平11−198530号公報 特開2002−160454号公報 特開2003−94820号公報 特開2005−342918号公報 特開2006−82299号公報 特開2008−246737号公報
本発明の課題は、シリカの分散性および分散安定性が良好であり、該シリカ分散により得た分散液の保管期間に関係なく保護層塗工しても、光沢が安定的で発色感度と繰り返し耐久性に優れた可逆性感熱記録媒体を提供することである。
本発明者らは、これらの課題を解決すべく可逆性感熱記録媒体の保護層の構成について検討した結果、下記の発明により上記の課題が解決されることを見出した。
支持体上に通常無色ないし淡色の電子供与性呈色性化合物と、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消去した状態を形成させる可逆性電子受容性化合物とを含有する可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、該可逆性感熱記録層上に少なくともシリカとポリビニルブチラールを含有する保護層を設け、該ポリビニルブチラールの重量平均分子量が10,000以上であり、かつ添加量が該保護層に対して0.5〜5.0質量%である事を特徴とする可逆性感熱記録媒体。
本発明によって、シリカの分散性および分散安定性が良好であり、該シリカ分散により得た分散液の保管期間に関係なく保護層塗工しても、光沢が安定的で発色感度と繰り返し耐久性に優れた可逆性感熱記録媒体を提供することが出来る。
本発明の請求項1は、支持体上に通常無色ないし淡色の電子供与性呈色性化合物と、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消去した状態を形成させる可逆性電子受容性化合物とを含有する可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、該可逆性感熱記録層上に少なくともシリカとポリビニルブチラールを含有する保護層を設け、該ポリビニルブチラールの重量平均分子量が10,000以上であり、かつ添加量が該保護層に対して0.5〜5.0質量%である事を特徴とする。
本発明の請求項1によれば、支持体上に通常無色ないし淡色の電子供与性呈色性化合物と、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消去した状態を形成させる可逆性電子受容性化合物とを含有する可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、該可逆性感熱記録層上に少なくともシリカとポリビニルブチラールを含有する保護層を設け、該ポリビニルブチラールの重量平均分子量が10,000以上であり、かつ添加量が該保護層に対して0.5〜5.0質量%である事で、シリカの分散性および分散安定性が良好であり、該シリカ分散により得た分散液の保管期間に関係なく保護層塗工しても、光沢が安定的で発色感度と繰り返し耐久性に優れた可逆性感熱記録媒体を提供することが出来る。
本発明の保護層は、表面光沢の調整、繰り返し耐久性向上、耐傷性向上等を目的に、支持体の少なくとも一方の面に、シリカを含有する保護層塗液を塗工・製膜することによって形成される。シリカを保護層塗液に含有させるための方法としては、単独で保護層塗液に用いる溶媒に分散してから混合する方法、シリカを含む保護層を構成する各々の化合物を混ぜ合わせてから溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法が挙げられるが、特に限定されるものではない。シリカを分散する際、分散液の粘度が上昇していくため、効率性がおびただしく悪化し、保護層塗液の調液時間が長大化する。また、分散液作製後もシリカの凝集が発生しやすく、経時安定性不良となり、該分散液の保管期間により可逆性感熱記録媒体の光沢度が大きく変わり、発色感度と繰り返し耐久性にも悪影響を及ぼす場合もある。そのため、これらの該分散液作製時には、分散剤種として少なくともポリビニルブチラールを添加する事が特に必要となる。
本発明に係る保護層は、単層でも、2層以上の複数層から構成されても良い。複数層から構成される場合には、少なくともシリカとポリビニルブチラールを含有し、ポリビニルブチラールの重量平均分子量およびポリビニルブチラールの保護層に対する添加量が本発明の範囲内であれば、それぞれの層においてポリビニルブチラールの重量平均分子量や添加量が異なっていても良く、またシリカを含むその他の保護層構成成分の添加量等も異なっていても良い。
本発明の保護層は、分散剤種として少なくともポリビニルブチラールを含有し、該ポリビニルブチラールの重量平均分子量が10,000以上であり、且つ該保護層に対する該ポリビニルブチラールの比率が0.5〜5.0質量%である事である。前述のどれか一つでは、シリカ分散により得た分散液の保管期間次第で、発色感度と繰り返し耐久性に優れた可逆性感熱記録媒体を得られない場合があった。そこで本発明者らは、前述を満たす事で十分な効果を得られることを見出した。該ポリビニルブチラールが高重合である事で該シリカへのループ型の結合を形成し、且つ添加量の調整にて、該シリカと該ポリビニルブチラールの結合範囲を制御でき、分散および分散安定性としての効果が高まったと推測される。
本発明のポリビニルブチラールとしては、重量平均分子量が10,000以上であるが、好ましい重量平均分子量は30,000以上、より好ましい重量平均分子量は50,000以上である。10,000未満である場合、分散不良となり、目標平均粒子径までシリカを分散出来ていない場合がある。分散安定性においても、該シリカ分散により得た分散液の経時安定性不良により、長期間保管後の塗工にて目標光沢度を得られず、発色感度が悪化する場合がある。
本発明のポリビニルブチラール量は、保護層に対して0.5〜5.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜3.0質量%、更に好ましくは1.5〜2.0質量%である。0.5質量%より少ない場合、分散不良となり、目標平均粒子径まで分散出来ていない場合がある。分散安定性においても、経時でシリカが凝集を引き起こす場合がある。これらの影響のために、該シリカ分散により得た分散液を長期間保管後に塗工した場合、目標光沢度を得られずに、発色感度が悪化する場合がある。5.0質量%より多い場合、該シリカ分散により得た分散液を長期間保管した時に、粘度が低下する場合がある。粘度が低下した状態で塗工すると、乾燥過程における製膜性が悪化し、発色感度が悪化する場合がある。また、分散時の液の昇温による増粘が著しく、円滑な処理が困難になる事、発色濃度低下問題も考えられる。
本発明のポリビニルブチラールの重量平均分子量は、例えば有機溶剤系SEC用カラムGPCを用いて測定する事が出来る。
本発明の保護層には二種類以上のポリビニルブチラールを併用しても良く、その際の重量平均分子量は混合後の測定値とする。
本発明の分散性の指標としては、シリカの平均粒子径にて判断した。該シリカの平均粒子径が小さい程、分散効率が高い事となる。
光沢度は、シリカ分散により得た分散液を、厚さ250μmの白色ポリエチレンテレフタレート(PET)シートに乾燥後の膜厚が2μmになるように手塗りで形成し、95℃で1分間乾燥した後、照射エネルギー120W/cmの紫外線ランプ下で10秒間硬化させ、日本電色工業社製変角光沢度計で測定した(入射角60度)。該光沢度は、10%以上40%以下、好ましくは15%以上25%以下である。光沢度が10%未満だと発色感度が不安定となり、十分な繰り返し耐久性が得られない場合がある。また、光沢度が40%を超える場合にも、十分な繰り返し耐久性が得られない場合がある。
本発明の分散安定性の指標としては、シリカ分散液を作製直後および温度23℃湿度50%RH下で1ヵ月保管後に上記方法で手塗り形成し、各々の光沢度を測定し、変動率を求める事にて判断した。
本発明のシリカとしては、公知のシリカ(二酸化珪素による粒子)から適宜選択することができる。例えば、湿式法シリカ、気相法シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。
湿式法シリカは、製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカに分類される。沈降法シリカは、珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカが凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。ゲル法シリカは、珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。気相法シリカは、乾式法シリカとも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には、四塩化ケイ素を水素および酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。コロイダルシリカは、珪酸化合物から各種方法で不純物を除去して無水珪酸のゾルとし、安定性を保持するためにpHおよび濃度を調整して製造されるものである。
本発明のシリカの平均粒子径(保護層塗液作製直後の分散液の平均粒子径)は5.0μm未満、好ましくは1.0μm未満である。平均粒子径が5.0μm未満であることにより、表面の平滑性が損なわれず、印字ヘッドとの接触性が良好となり、高い発色感度が得られる。これより大きい場合には、発色濃度が低下する場合がある。
平均粒子径は、遠心沈降法、レーザー回折/散乱法、光子相関法等公知の方法により得られ、数平均にて表す。
本発明のシリカの配合量は、保護層に対し、3.0質量%以上30質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3.0質量%以上20質量%以下、特に好ましくは5.0質量%以上15質量%以下である。配合量が3.0質量%未満であると、十分な繰り返し耐久性が得られない場合がある。また、配合量が30質量%を超える場合にも、十分な繰り返し耐久性が得られない場合がある。
本発明の分散処理する方法としては、分散・粉砕処理をする方法としては、メディアを用いる分散機で処理することが好ましく、具体的には、ペイントシェーカー、サンドミル、ダイノミル、アトライター、ボールミルなど各種のものがある。
本発明の分散時には各種のメディアが使われるが、通常は、フリント石、オツタワサンド、スチールボール、セラミックス、ハイアルミナボール、ジルコン、ガラスビーズなどが用いられる。これらの材質の中、球状のものが、特にガラスビーズが取り扱い性、保守性に優れている。
本発明の保護層塗液の分散時の固形分濃度は20〜70質量%、好ましくは40〜60質量%であり、これより低い場合には、長時間の分散処理時間が必要なほか分散機の摩耗を促進するという問題がある。また、これより高い場合には、分散時の液の昇温による増粘が著しく、円滑な処理が困難となる。
本発明の保護層塗液の粘度は5.0〜200mPa・s、好ましくは20〜100mPa・sであり、この範囲外では、塗工時の乾燥過程における製膜性が悪化し、発色感度が不安定となる場合がある。また、塗工自体が不可能となる場合もある。
粘度は、分散液温が23℃の条件にて、B型粘度計で測定する。
本発明の保護層で使用される樹脂は特に限定されないが、紫外線硬化性樹脂および/又は熱硬化性樹脂を含有することが好ましい。これらの樹脂を用いると特に良好な印字・消去の繰り返し耐久性が得られる。
保護層樹脂の機能向上のために、複数のモノマー、オリゴマーを混合することができる。紫外線硬化性樹脂としては、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ビニル系、不飽和ポリエステル系のオリゴマーや各種単官能、多官能のアクリレート、メタクリレート、ビニルエステル、エチレン誘導体、アリル化合物等のモノマーが挙げられる。特に好ましいのは3官能以上の重合性モノマーおよびオリゴマーである。多官能性モノマーおよびオリゴマーの例としてはトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、グリセリンプロピルオキシ付加トリアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド3モル付加物のトリアクリレート、グリセリルプロポキシトリアクリレート、ジペンタエリスリトール・ポリアクリレート、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン付加物のポリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールのテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールのペンタアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート付加ウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、DPHAのε−カプロラクトン付加物等が挙げられる。
紫外線を用いて硬化させる場合には、光重合開始剤、光重合促進剤を用いることができる。光重合開始剤はラジカル反応型とイオン反応型に大別でき、更にラジカル反応型は光開裂型と水素引抜き型とに分けられる。光重合開始剤の例としては、イソブチルベンゾインエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンベンジル、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、1−クロロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、塩素置換ベンゾフェノン等が挙げられ、単独又は2種以上混合して使用されるが、これらに限定されるものではない。また、光重合促進剤としては、ベンゾフェノン系やチオキサントン系などの水素引抜きタイプの光重合開始剤に対し、硬化速度を向上させる効果があるものが好ましく、例えば芳香族系の第3級アミンや脂肪族アミン系のものがある。具体的には、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルなどが挙げられる。これら光重合促進剤は単独で又は2種以上混合して使用される。これらの光重合開始剤および光重合促進剤の添加量としては保護層の樹脂成分全質量に対して0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、更に好ましくは1.0質量%以上10質量%以下である。
熱硬化性樹脂としては、例えばフェノキシ樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール等、水酸基やカルボキシル基など架橋剤と反応する基を持つ樹脂、又は水酸基やカルボキシル基などを持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂を用いることができる。中でもアクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂が好ましく、また、水酸基価としては70(KOHmg/g)以上で繰り返し耐久性、塗膜表面硬度、割れ抵抗性が向上することができる。特に好ましくは90(KOHmg/g)以上である。水酸基価の大小は架橋密度に影響するため、塗膜の耐化学薬品性、物性などを左右する。アクリルポリオール樹脂においては構成の違いによってその特性に違いがあり、水酸基モノマーとして2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチルアクリレートなどが用いられるが、特に第1級水酸基をもつモノマーを使用した方が塗膜のワレ抵抗性や繰り返し耐久性が良く、好ましく用いられる。
熱架橋の架橋剤としては、例えばイソシアネート類、アミノ樹脂、フェノール樹脂、アミン類、エポキシ化合物等が挙げられる。中でもイソシアネート類が好ましく、特に好ましくはイソシアネート基を複数持つポリイソシアネート化合物であり、具体的にはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等、およびこれらのトリメチロールプロパンなどによるアダクトタイプ、ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプおよびブロック化イソシアネート類等が挙げられる。架橋剤の樹脂に対する添加量としては、樹脂中の含まれる活性基の数に対する架橋剤の官能基の比が0.01以上2.00以下が好ましく、0.01未満では熱強度が不足することがあり、また、2.00を超えて添加すると発色・消色特性に悪影響を及ぼす場合がある。また更に、架橋促進剤としてこの種の反応に用いられる触媒を用いてもよい。架橋促進剤としては、例えば1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどの3級アミン類、有機スズ化合物などの金属化合物などが挙げられる。
本発明の保護層には、シリカ以外の顔料も本発明の目的を妨げない範囲で添加可能であり、例えば、アルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、チタン等の炭酸塩、酸化物、水酸化物、硫酸塩等、および湿式法シリカ、ゼオライト、カオリン、焼成カオリン、タルク等の粘土類を含む無機系顔料、澱粉、スチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、パラフィン、天然ワックス、合成ワックス等が使用可能である。また、滑剤としてステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩を使用することができる。また、一重項酸素の消去剤、スーパーオキシドアニオンの消去剤等を使用することができる。
本発明の保護層の膜厚は、0.1〜10μmの範囲が好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。膜厚が10μmを超えると、感熱記録層の感度が低下しやすい。膜厚が0.1μmより小さいと予期した塗層強度が得られにくく、塗層に傷が入りやすくなる。
本発明の可逆性感熱記録層は、画像の記録と消去が繰り返し可能な感熱記録材料として、該電子供与性呈色性化合物に加熱により可逆的な色調変化を与える可逆性電子受容性化合物を用いて、熱エネルギーを制御する事により画像形成および消去が可能な特徴を持つ。
以下に、一般式(1)で表される可逆性電子受容性化合物の具体的な例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2016182747
一般式(1)において、mは1から3の整数を表し、nは20以上の整数を表す。Xは両末端に炭化水素原子団を含まない−CO−、−NH−、又は−SO−結合を最小構成単位とする二価の基を含むが、その具体例としては、アミド(−CONH−、−NHCO−)、尿素(−NHCONH−)、ジアシルアミン(−CONHCO−)、ジアシルヒドラジン(−CONHNHCO−)、シュウ酸ジアミド(−NHCOCONH−)、アシル尿素(−CONHCONH−、−NHCONHCO−)、セミカルバジド(−NHCONHNH−、−NHNHCONH−)、アシルセミカルバジド(−CONHNHCONH−、−NHCONHNHCO−)、3−アシルカルバジン酸エステル(−CONHNHCOO−、−OCONHNHCO−)、スルホンアミド(−NHSO−、−SONH−)、スルホニルヒドラジド(−SONHNHCO−、−CONHNHSO−)等の基が挙げられるが、好ましくはジアシルヒドラジンである。
N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ヘンイコサンアミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ドコサンアミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]トリコサンアミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]テトラコサンアミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ペンタコサンアミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ヘキサコサンアミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ヘプタコサンアミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]オクタコサンアミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ノナコサンアミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]トリアコンタンアミド。
N−ヘンイコシル−[3−(p−ヒドロキシフェニル)]プロピオンアミド、N−ドコシル−[3−(p−ヒドロキシフェニル)]プロピオンアミド、N−トリコシル−[3−(p−ヒドロキシフェニル)]プロピオンアミド、N−テトラコシル−[3−(p−ヒドロキシフェニル)]プロピオンアミド、N−ペンタコシル−[3−(p−ヒドロキシフェニル)]プロピオンアミド、N−ヘキサコシル−[3−(p−ヒドロキシフェニル)]プロピオンアミド、N−ヘプタコシル−[3−(p−ヒドロキシフェニル)]プロピオンアミド、N−オクタコシル−[3−(p−ヒドロキシフェニル)]プロピオンアミド、N−ノナコシル−[3−(p−ヒドロキシフェニル)]プロピオンアミド、N−トリアコンチル−[3−(p−ヒドロキシフェニル)]プロピオンアミド。
N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−ヘンイコシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−ドコシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−トリコシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−テトラコシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−ペンタコシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−ヘキサコシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−ヘプタコシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−オクタコシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−ノナコシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−トリアコンチル尿素。
N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−ヘンイコサノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−ドコサノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−トリコサノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−テトラコサノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−ペンタコサノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−ヘキサコサノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−ヘプタコサノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−オクタコサノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−ノナコサノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−トリアコンタノヒドラジド。
本発明に用いる可逆性電子受容性化合物の使用量は、電子供与性呈色性化合物に対して5.0〜5000質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜3000質量%である。
本発明の可逆性感熱記録媒体は、消去性を向上させる目的で消去促進剤を添加することが好ましい。以下に好ましい例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
1,1−ジメチル−4−ドデシルセミカルバジド、1,1−ジメチル−4−オクタデシルセミカルバジド、1,1−ジエチル−4−イコシルセミカルバジド、1,1−ジプロピル−4−テトラコシルセミカルバジド、1,1−ジエチル−4−ノナコシルセミカルバジド、1−メチル−1−プロピル−4−ヘキサトリアコンチルセミカルバジド。
N−(1−ピロリジニル)−N′−ドデシル尿素、N−〔1−(3−メチル)イミダゾリオ〕−N′−テトラデシル尿素、N−(1−ピラゾリル)−N′−オクタデシル尿素、N−(3−チアゾリジニオ)−N′−オクタデシル尿素、N−(1−ピロリル)−N′−イコシル尿素、N−(1−イミダゾリル)−N′−テトラコシル尿素、N−(1−ピロリジニル)−N′−ノナコシル尿素、N−(1−ピロリル)−N′−ヘキサトリアコンチル尿素。
N−(1−ピペリジル)−N′−ドデシル尿素、N−(1−ピペリジル)−N′−テトラデシル尿素、N−〔1−(2,6−ジメチル)ピペリジル〕−N′−ペンタデシル尿素、N−(4−モルホリニル)−N′−オクタデシル尿素、N−(4−モルホリニル)−N′−イコシル尿素、N−〔4−(2,6−ジメチル)モルホリニル〕−N′−テトラコシル尿素、N−(4−チオモルホリニル)−N′−ヘキサコシル尿素、N−〔1−(4−メチル)ピペラジニル〕−N′−ノナコシル尿素、N−〔1−(4−メチル)ピペラジニル〕−N′−トリアコンチル尿素、N−(1−ピペラジニル)−N′−ヘキサトリアコンチル尿素、N−(1−(4−メチル)ピペラジニル)−N′−オクタデシル尿素。
本発明に用いる消去促進剤の使用量は、電子供与性呈色性化合物に対して0.05〜1000質量%、好ましくは0.05〜500質量%、より好ましくは0.05〜200質量%である。電子供与性呈色性化合物に対して消去促進剤が少なすぎると消去性(消去促進性)が悪化しやすく、逆に消去促進剤が多すぎると希釈効果により発色濃度が低下しやすい。
さらに、本発明の可逆性感熱記録媒体が含有する通常無色ないし淡色の電子供与性呈色性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロイコ染料等が好適に挙げられる。ロイコ染料としては、フルオラン化合物、アザフタリド化合物を好適に用いることができる。以下、電子供与性呈色性化合物の具体的な例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−アミルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジイソアミルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン。
2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−(m−トルイジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トルイジノ)−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−(p−トルイジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p−トルイジノ)−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン。
2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−6−(ジ−n−プロピルアミノ)フルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン。
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−[4−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フェニル]−4−アザフタリド、3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド。
2−(p−トルイジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、3−(p−トルイジノ)−2−メチル−8−ピロリジノフルオラン、2−(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ビス(p−メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン。
2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−n−プロピルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジ−n−プロピルアミノ)−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−(ジ−n−プロピルアミノ)−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン。
2−アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−n−プロピルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−n−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−n−プロピル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−n−プロピル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−n−プロピル−p−クロロアニリノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン。
4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー、3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン。
これらの電子供与性呈色性化合物は、単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良く、他の色調に発色する電子供与性呈色性化合物を混合することにより調色も行うことができる。また、異なる色調に発色する層を積層したり、平面上に並べたりすることによって、多色可逆性感熱記録媒体、フルカラー可逆性感熱記録媒体とすることもできる。電子供与性呈色性化合物は、マイクロカプセル化、樹脂被覆化、樹脂との複合粒子化等の処理がなされていても良い。
本発明の可逆性感熱記録層の強度を向上させる等の目的で、可逆性感熱記録層にバインダー樹脂を添加することも可能である。バインダー樹脂の具体例としては、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、(メタ)アクリル酸アミド−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸アミド−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸3元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート等が挙げられる。これらのバインダー樹脂の役割は、可逆性感熱記録層中に含まれている各素材が画像記録や画像消色の熱印加によって、片寄ることなく均一に分散した状態を保つことにある。従って、バインダー樹脂には耐熱性の高い樹脂を用いることが好ましい。耐熱性、耐水性、接着性が要求される場合、硬化性樹脂は特に好ましい。
硬化性樹脂としては、例えば熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂を適用する場合は架橋剤を含む液を塗工、製膜した後に熱により架橋させて用いる。熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、尿素樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、およびポリオール樹脂等が挙げられる。また、これらの熱硬化性樹脂に使用される硬化剤は、有機酸類、アミン類、イソシアネート類、エポキシ類、フェノール類等が挙げられるが、熱硬化性樹脂の種類により好適な反応性のものを選定すれば良い。特にこれらの中で、特開平10−230680号公報や同11−58963号公報に記載の、ポリオールをイソシアネート化合物で熱硬化して得られる架橋樹脂であることが好ましい。
電子線硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂に用いられるオリゴマー・モノマーとしては、種類も多く優れた放射線硬化特性を有するアクリル系オリゴマー・モノマーの他、ポリエン−チオール系オリゴマー・モノマー、光カチオン重合型エポキシオリゴマー・モノマー等が挙げられる。アクリル系モノマーは単官能性モノマー、二官能モノマー、多官能モノマー等が挙げられるが、特に紫外線架橋の際には光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。
アクリル系オリゴマー・モノマーの例としては、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ポリウレタンアクリレート、シリコーンアクリレート、メラミンアクリレート、ポリブタジエンアクリレート等が挙げられる。
本発明の可逆性感熱記録層において、好ましいバインダー樹脂であるポリオールとイソシアネート化合物との架橋により形成されるバインダー樹脂について説明する。ポリオールとしては、ポリ(メタ)アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、アルキドポリオール、カプロラクトンポリオール、シリコーンポリオール等が挙げられる。
ポリ(メタ)アクリルポリオールとは、アクリル酸、メタアクリル酸およびそれらのエステルの共重合体であって、水酸基を含むものをいい、水酸基を含む共重合成分としては、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール等が用いられる。アクリル酸、メタアクリル酸およびそれらのエステル以外の共重合成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリルアミド、メタアクリルアミドおよびその誘導体、酢酸ビニル、無水マレイン酸等が挙げられる。
また、ポリエステルポリオールとは、多塩基酸と多価アルコールとの縮合物のうち水酸基を有するものをいい、これらに使用される多塩基酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族多塩基酸、シュウ酸、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルこはく酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、ダイマ酸等の脂肪族多塩基酸があり、これらの多塩基酸から得られる酸無水物も同様に用いられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジアセトングリコール、ヘキサントリオール等の低分子量ポリオールの他、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等も用いられる。これらから得られるポリエステルポリオールの他、ヒドロキシカルボン酸、もしくはその環状ラクトンの縮合物もしくは開環重合、例えばポリブチロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンポリオールや、前記多塩基酸と多価アルコールに加え高級脂肪酸の3種を縮合して得られるアルキドポリオール等がある。ポリエーテルポリオールとは、主鎖がエーテル結合からなる高分子であって、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリチレングリコールの他これらの分岐状エステル等がある。
その他にも、水酸基含有のフルオロオレフィンのようなフッ素含有ポリオール、ポリオール水酸基末端のポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、ポリウレタン等が利用できる。さらには、低分子量のポリオール、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,4−シクロヘキサジオール、1,4−ジヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の脂肪族、脂環族、芳香族多価アルコールもしくは多価フェノールまたはこれらの縮合物を反応性希釈剤として用いられる。
ポリオールとしては、添加物分散性、塗工性、接着性、耐熱性および皮膜強度等の総合評価から、カプロラクタンポリオールおよびポリエステルポリオールが好ましい。本発明のポリオールは単独で1種、またはポリオール部分やそれ以外の部分構造の異なる、もしくは分子量等の異なる他の1種以上のポリオールと併用しても良い。
本発明の可逆性感熱記録層で使用するイソシアネート化合物としては、公知のものが使用できる。例えば、フェニレンジイソシアネート(PDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族脂肪族ジイソシアネート、水添TDI、水添XDI、水添MDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂肪族もしくは脂環族ジイソシアネートおよびこれらの誘導体であるポリオール付加物、ビュレット体3量体である3官能以上のイソシアネートの他、イソシアネートを含む各種のオリゴマー、ポリマーが挙げられる。本発明においては、イソシアネート化合物としてキシリレンジイソシアネートやトルエンイソシアネートを用いると発色濃度の向上により好ましく、さらには、地肌の白色度の高いキシリレンジイソシアネート(三井化学製タケネートD−110N等)を使用するとより好ましい。
本発明の可逆性感熱記録層で使用するイソシアネート化合物は、1種以上のポリオールに対して、単独で1種または2種以上のイソシアネート化合物と併用しても良い。イソシアネート化合物およびポリオールをともに複数種用いる場合は、その組み合わせは任意で良い。
ポリオールとイソシアネート化合物の混合物は、それぞれが液状の場合はそのままの混合物で用いても良いが、さらにイソシアネート化合物と非反応性の溶剤で希釈して使用することもできる。使用できる溶剤としては、ポリオールとイソシアネート化合物を溶解し、かつ電子供与性呈色性化合物や可逆性電子受容性化合物を分散・溶解させるものが好ましい。具体的には、電子供与性呈色性化合物および可逆性電子受容性化合物を可逆性感熱記録層塗液に含有させるための方法で例示した溶剤が使用できる。中でも、イソシアネート化合物と反応性のある活性水素を有しない有機溶媒を用いることが好ましい。また、上記ポリオールとイソシアネート化合物の架橋反応は、反応温度30〜160℃、反応時間1分〜120時間で行えば良い。なお、反応温度が低い場合は長時間を要し、高温では短時間で済むことは言うまでもない。
本発明の可逆性感熱記録層におけるバインダー樹脂の使用量としては、該可逆性感熱記録層全質量に対する該バインダー樹脂の質量百分率が35%以上65%以下の範囲内であることが好ましい。この範囲より大きくなると著しく発色濃度が低下する場合がある。逆にこの範囲より小さくなると、可逆性感熱記録層の耐熱性や機械的強度の低下、層の変形、発色濃度の低下が起きる場合がある。可逆性感熱記録層における該バインダー樹脂の質量百分率は、40%以上60%以下がより好ましく、45%以上55%以下が特に好ましい。
本発明に用いる支持体としては、紙、不織布・織布・編物等の布帛、プラスチックフィルム、樹脂被覆紙、合成紙、金属板、金属箔、ガラス、石英ガラス、シリコン樹脂、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等、あるいはこれらを組み合わせた複合体を目的に応じて任意に用いることができる。本発明に用いることができるプラスチックフィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリイミドフィルム、芳香族ポリアミドフィルム、アクリル(系)樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。力学的強度、平滑性、耐水性、耐溶剤性、耐熱性の点でポリエステルフィルムが好ましい。これらの合成樹脂材料は単独で使用しても良いし、2種以上混合して使用しても良い。
ポリエステルフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリキシリレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)等のフィルムが挙げられる。好ましいポリエステルフィルムとしては、強靱性、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性、透明性、電気絶縁性に優れるPETフィルムまたはPENフィルムが挙げられる。
支持体は、不透明、半透明あるいは透明のいずれであっても良い。地肌を白色その他の特定の色に見せるために、白色顔料や有色染顔料や気泡を支持体中または表面に含有させても良い。支持体上に可逆性感熱記録層等の塗層を設ける場合の親和性が低い時には、コロナ放電処理、酸化反応処理(クロム酸等)、エッチング処理、易接着処理、帯電防止処理等により支持体表面に対して改質処理を施しても良い。本発明の支持体としては、形状、構造、大きさ等については、特に制限はない。形状としては、例えば、平板状、ロール状等が挙げられる。構造としては、単層構造でも積層構造でも良く、大きさとしては、可逆性感熱記録媒体の用途に応じて適宜選択することができる。
本発明に用いる支持体の厚みは、可逆性感熱記録媒体の用途に応じて適宜選択することができるが、10〜2000μmが好ましく、20〜1000μmがより好ましい。
溶媒または分散媒としては、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、エチレンカーボネート等のエステル類;ジエチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、グリコールジエチルエーテル、ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン等の芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類等が使用できる。
可逆性感熱記録層塗液には、必要に応じて、塗工性の向上あるいは記録特性の向上を目的に、レベリング剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、消泡剤、消去調整剤、酸化防止剤、老化防止剤、フィラー、顔料、滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、着色染顔料、蛍光増白剤、熱可融性物質、防腐剤等を可逆性感熱記録層に含有させることができる。さらに、必要に応じて、可逆性感熱記録層の消去調節剤として熱可融性物質を加えることが出来る。
可逆性感熱記録層に硬化性樹脂が含有されている場合、加熱、紫外線照射、電子線照射を行う。紫外線照射は、公知の紫外線照射装置を用いて行うことができ、例えば、光源、灯具、電源、冷却装置、搬送装置等を備えたものが挙げられる。光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガリウムランプ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプ等が挙げられる。光源の波長は、光重合開始剤および光重合促進剤の紫外線吸収波長に応じて適宜選択することができる。紫外線照射の出力や搬送速度は、紫外線硬化性樹脂を架橋するために必要な照射エネルギーに応じて決定される。
可逆性感熱記録層の消去性を向上させる目的で添加される消去調整剤としては、60℃〜200℃の融点を有するものが好ましく、特に80℃〜180℃の融点を有するものが好ましい。一般の感熱記録紙に用いられている増感剤を使用することもできる。例えば、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等のワックス類、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル等のポリエーテル化合物、炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(p−メチルベンジル)エステル等の炭酸またはシュウ酸ジエステル誘導体等を併用して添加することができる。
可逆性感熱記録層の老化を防止する目的で添加される老化防止剤としては、p,p′−ジアミノジフェニルメタン、アルドール−α−ナフチルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン化合物、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のフェノール化合物、ベンゾトリアゾール化合物、トリアジン化合物、ベンゾフェノン化合物、安息香酸エステル類等が挙げられる。その他、o−フェニレンチオ尿素、2−アミノベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルチオカルバミン酸ニッケル、酸化亜鉛、パラフィン等が挙げられる。また、これらの老化防止剤構造を有するモノマーを重合の一成分として含むポリマーや、ポリマー主鎖に老化防止剤構造をグラフト化したものも用いることができる。2種類以上の老化防止剤を組み合わせて用いることもできる。
可逆性感熱記録層に添加することができる顔料等としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、チタン等の炭酸塩、酸化物、水酸化物、硫酸塩等、およびゼオライト、シリカ、カオリン、焼成カオリン、タルク等の粘土類を含む無機系顔料、澱粉、スチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、パラフィン、天然ワックス、合成ワックス等が使用可能である。また、滑剤としてステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩等を使用することができる。
本発明の可逆性感熱記録層の膜厚は、その組成と所望の発色濃度により決定されるものであり、具体的には、0.5〜20μmの範囲が好ましく、3〜15μmがより好ましい。
本発明において、可逆性感熱記録層と保護層の間に中間層を設けても良い。また、光反射層や空気層を設けても良い。中間層には紫外線吸収剤を含有しても良い。また、支持体の片面のみに可逆性感熱記録層を設ける場合、もう一方の面にバックコート層を設けても良い。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤等を挙げることができる。これらの層は、単層でも、2層以上の複数の層から構成されていても良い。また、これらの層は熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等の硬化性樹脂を含有していることが好ましい。
本発明において、支持体上に設けられた保護層、中間層等には、必要に応じて、レベリング剤、分散剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、防腐剤、フィラー、着色染顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、pH調節剤、消泡剤、顔料、滑剤、帯電防止剤等の各種添加剤を添加することができる。
本発明の可逆性感熱記録媒体には、オフセット印刷、グラビア印刷等の印刷;インクジェット記録層、熱転写受像層、昇華型熱転写受像層等の印字記録層を設けても良い。これらの印刷、印字記録層は、可逆性感熱記録層と積層して設けても良いし、可逆性感熱記録層と同一面の一部に設けても良い。また、可逆性感熱記録層を設けた面と反対側の面の一部または全面に設けても良い。印字記録層上に部分的にまたは全面的に硬化性樹脂を主成分とするオーバープリントニス(OPニス)層等を設けても良い。
本発明の可逆性感熱記録媒体において、可逆性感熱記録層中、他の層、可逆性感熱記録層が設けられている面や反対側の面等に、電気的、磁気的、光学的に情報が記録可能な材料が含まれていても良い。また、支持体を複層とし、その間にICチップを挟んでも良い。また、帯電防止を目的として帯電防止層を片面または両面に設けることもできる。本発明の可逆性感熱記録媒体は、粘着層等を介して、または支持体として熱融着性樹脂を用いて、他の媒体へ貼り付けることもできる。
可逆性感熱記録媒体の層間にICチップを封入する場合は、例えば、プラスチックフィルムの層間または紙基材とプラスチックフィルムの層間に封入することができる。好ましくは、可逆性感熱記録層から離れた層間に封入することが印字品質の点で好ましい。非接触のICチップを封入する場合は、アンテナと共に封入することができる。封入する際の圧力によりICチップが破損することを防ぐ目的で、クッション層を設けることができる。クッション層の厚みとしては、10μmに満たないとクッション性が不十分であるため10μm以上が好ましい。また、ICチップとアンテナとの接合部に負荷がかかるため、クッション層の面積はICチップとアンテナ接合部を十分覆い隠せる大きさが好ましい。クッション層は、片面もしくは両面に設けることができる。両面にクッション層を設けることがより好ましい。クッション層としては、熱可塑性の樹脂が好ましく。発泡樹脂であれば、よりクッション性が良いため、ICチップの破損を防ぐことができる。
本発明における各層を支持体上に積層し、可逆性感熱記録媒体を形成する方法は特に制限されるものではなく、従来の方法により形成することができる。例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアロールおよびトランスファロールコーター、ロールコーター、コンマコーター、スムージングコーター、マイクログラビアコーター、リバースロールコーター、4本あるいは5本ロールコーター、ディップコーター、ロッドコーター、キスコーター、ゲートロールコーター、スクイズコーター、スライドコーター、ダイコーター等の塗抹装置、平版、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン、ホットメルト等の方式による各種印刷機等を用いることができる。さらに通常の乾燥工程の他、紫外線照射または電子線照射により、さらには加熱等によるエージング等により各層を保持させることができる。これらの方法により、1層ずつあるいは多層同時に塗布、印刷することができる。
本発明の可逆性感熱記録媒体において、発色記録画像を形成するためには加熱に引き続き急速な冷却が起これば良く、記録画像の消去を行うためには加熱後の冷却速度が遅ければ良い。例えば、適当な方法で加熱した後、低温の金属ブロック等を押し当てるなどして急速に冷却することにより、発色状態を発現させることができる。また、サーマルヘッド、レーザー光等を用いて極めて短い時間だけ加熱すると、加熱終了後に直ちに冷却するため、発色状態を保持させることができる。一方、適当な熱源(サーマルヘッド、レーザー光、熱ロール、熱スタンプ、高周波加熱、電熱ヒーター、およびタングステンランプやハロゲンランプ等の光源等からの輻射熱、熱風等)で比較的長い時間加熱すると、記録層だけでなく支持体等も加熱されるために熱源を除いても冷却する速度が遅いため消去状態になる。従って、同じ加熱温度、同じ熱源を用いても、冷却速度を制御することにより発色状態および消去状態を任意に発現させることができる。
加熱に使用するレーザーとしては、半導体レーザー、YAGレーザー、炭酸ガスレーザーを挙げることができるが、これらに限定されない。半導体レーザー、YAGレーザーよる加熱を効率よく行うためには、可逆性感熱記録層中に近赤外部に吸収を有する光熱変換材料を含有させるか、あるいは光熱変換材料を含有する光熱変換層を可逆性感熱記録層に直接隣接して設けることが好ましい。近赤外部に吸収を有する光熱変換材料としては、例えば白金、チタン、ケイ素、クロム、ニッケル、ゲルマニウム、アルミニウム等の金属または半金属の層、インモニウム化合物、金属錯体化合物、シアニン色素、スクワリリウム色素、ナフトキノン色素、フタロシアニン化合物、ポリメチン化合物等の光熱変換色素が挙げられ、可逆性感熱記録層に分散状態または分子状態で含有することができる。好ましい光熱変換色素としては、光熱変換効率、溶剤への溶解性、樹脂への分散性、紫外光に対する耐光性の点でフタロシアニン化合物および金属錯体化合物が挙げられ、特にフタロシアニン化合物が好ましい。可逆性感熱記録層に近接して光熱変換層を設ける場合は、銅薄膜やITO等の金属膜による光熱変換層を用いることもできる。
フタロシアニン化合物の例としては、ナフタロシアニン化合物、無金属フタロシアニン化合物、鉄フタロシアニン化合物、銅フタロシアニン化合物、亜鉛フタロシアニン化合物、ニッケルフタロシアニン化合物、バナジルフタロシアニン化合物、塩化インジウムフタロシアニン化合物、スズフタロシアニン化合物等が好ましく、より好ましくは、バナジルフタロシアニン化合物、亜鉛フタロシアニン化合物、スズフタロシアニン化合物である。本発明に用いられるフタロシアニン化合物は吸収波長の調節、溶媒への溶解度の向上、耐光性の改良等の目的で、芳香環に置換基を有しても良い。置換基としては、アルキルエーテル基、アルキルチオエーテル基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アミド基、アミノ基、アルキルエステル基、アリールエステル基、塩素原子、フッ素原子等が挙げられる。芳香環に置換基が二つ以上ある場合に、それらは同一であっても異なっていても良く、また置換基同士が結合して環を形成しても良い。
光熱変換色素の使用量は、使用する光源の発振波長における吸光度が0.2以上になるように設定することが好ましい。この量より少ないと十分な発熱が得られず、記録感度が低下する。一方、光熱変換色素は可視部にも若干の吸収を有しており、使用量が多すぎるとコントラストの低下をもたらす。400nmから700nmの平均透過率が60%以上確保できるよう、光熱変換色素の使用量の上限を設定することが好ましい。光熱変換色素は、2種類以上を混合して用いることもできる。
光熱変換色素は、ロイコ染料と可逆性電子受容性化合物を含有する層に対して、同一の層か隣接する層の少なくとも一方に含有されることが好ましく、同一の層に含有されることが良好な感度を得る上でより好ましい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部数は質量基準である。
(実施例1)
(A)可逆性感熱記録層塗液の調製
電子供与性呈色性化合物として、2−(p−トルイジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン30部、可逆性電子受容性化合物として、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−ドコサノヒドラジド100部、消去促進剤としてN−[1−(4−メチル)ピペラジニル]−N′−オクタデシル尿素2.5部、ポリビニルブチラール(有効成分:100質量%、重量平均分子量:100,000)5.0部、カプロラクトンポリオール(ダイセル社製、商品名:PLACCEL303、有効成分:100質量%)30部、メチルエチルケトン1,000部の混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで5時間分散し、分散液を得た。こうして得た分散液を用いて、イソシアネート化合物(三井化学社製、商品名:タケネートD−110N、有効成分:75質量%)110部を加えて、十分に混合し、可逆性感熱記録層用塗液を調製した。
(B)可逆性感熱記録層塗液の塗工
(A)で得た可逆性感熱記録層塗液を、厚さ250μmの白色ポリエチレンテレフタレート(PET)シートに乾燥後の膜厚が8μmになるように塗工し、95℃で1分間乾燥した後、さらに50℃で48時間加熱処理して硬化させ、可逆性感熱記録層を設けた。
(C)中間層塗液の調製
紫外線吸収剤として2,2′−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]50部、ポリエステルポリオール(DIC社製、商品名:バーノック11−408、有効成分70質量%)100部、メチルエチルケトン800部の混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで5時間分散し、分散液を得た。こうして得た分散液に、イソシアネート化合物(三井化学社製、商品名:タケネートD−110N、有効成分75質量%)140部、メチルエチルケトン50部を加えて十分に混合し、中間層塗液を調製した。
(D)中間層塗液の塗工
(B)で作製した塗工シートの可逆性感熱記録層塗工面上に、(C)で得た中間層塗液を乾燥後の膜厚が1μmになるように塗工し、95℃で1分間乾燥した後、さらに50℃で48時間加熱処理して硬化させ、中間層を設けた。
(E)保護層塗液の調製
ポリエステルアクリレート系紫外線硬化樹脂(DIC社製、商品名:グランディックUV9020HV、有効成分:100質量%)13部、湿式法シリカ(東ソー製、商品名:ニップシールE220A)2.0部、ポリビニルブチラール(有効成分:100質量%、重量平均分子量:50,000)0.23部、イソプロピルアルコール10部を混合し、ガラスビーズと共にペイントシェーカーで5時間分散し、保護層塗液を調製した。
(F)保護層塗液の塗工
(D)で作製した塗工シートの中間層塗工面上に、(E)で得た保護層塗液を乾燥後の膜厚が2μmになるように塗工し、95℃で1分間乾燥した後、照射エネルギー120W/cmの紫外線ランプ下を10m/分の搬送速度で通して硬化させて保護層を設け、実施例1の可逆性感熱記録媒体を得た。
(実施例2)
実施例1(E)で、ポリビニルブチラールの部数を0.08部にした以外は実施例1と同様にして、実施例2の可逆性感熱記録媒体を得た。
(実施例3)
実施例1(E)で、ポリビニルブチラールの部数を0.15部にした以外は実施例1と同様にして、実施例3の可逆性感熱記録媒体を得た。
(実施例4)
実施例1(E)で、ポリビニルブチラールの部数を0.30部にした以外は実施例1と同様にして、実施例4の可逆性感熱記録媒体を得た。
(実施例5)
実施例1(E)で、ポリビニルブチラールの部数を0.46部にした以外は実施例1と同様にして、実施例5の可逆性感熱記録媒体を得た。
(実施例6)
実施例1(E)で、ポリビニルブチラールの部数を0.79部にした以外は実施例1と同様にして、実施例6の可逆性感熱記録媒体を得た。
(実施例7)
実施例1(E)で、重量平均分子量50,000のポリビニルブチラールを0.23部用いる代わりに、重量平均分子量30,000のポリビニルブチラールを0.23部用いた以外は実施例1と同様にして、実施例7の可逆性感熱記録媒体を得た。
(実施例8)
実施例1(E)で、重量平均分子量50,000のポリビニルブチラールを0.23部用いる代わりに、重量平均分子量10,000のポリビニルブチラールを0.23部用いた以外は実施例1と同様にして、実施例8の可逆性感熱記録媒体を得た。
(比較例1)
実施例1(E)で、ポリビニルブチラールを添加しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例1の可逆性感熱記録媒体を得た。
(比較例2)
実施例1(E)で、ポリビニルブチラールの部数を0.015部にした以外は実施例1と同様にして、比較例2の可逆性感熱記録媒体を得た。
(比較例3)
実施例1(E)で、ポリビニルブチラールの部数を0.06部にした以外は実施例1と同様にして、比較例3の可逆性感熱記録媒体を得た。
(比較例4)
実施例1(E)で、ポリビニルブチラールの部数を0.96部にした以外は実施例1と同様にして、比較例4の可逆性感熱記録媒体を得た。
(比較例5)
実施例1(E)で、ポリビニルブチラールの部数を1.70部にした以外は実施例1と同様にして、比較例5の可逆性感熱記録媒体を得た。
(比較例6)
実施例1(E)で、重量平均分子量50,000のポリビニルブチラールを0.23部用いる代わりに、重量平均分子量5,000のポリビニルブチラールを0.23部用いた以外は実施例1と同様にして、比較例6の可逆性感熱記録媒体を得た。
(比較例7)
実施例1(E)で、重量平均分子量50,000のポリビニルブチラールを0.23部用いる代わりに、重量平均分子量9,000のポリビニルブチラールを0.23部用いた以外は実施例1と同様にして、比較例7の可逆性感熱記録媒体を得た。
(比較例8)
実施例1(E)で、重量平均分子量50,000のポリビニルブチラールを0.23部用いる代わりに、重量平均分子量50,000の完全けん化型のポリビニルアルコールを0.23部用いた以外は実施例1と同様にして、比較例8の可逆性感熱記録媒体を得た。
(試験1)分散性試験
分散性の評価方法については、上記実施例1〜8および比較例1〜8にて得られた作製直後の保護層塗液おけるシリカの平均粒子径を、Leed&Northrup Instruments社製Microtrac FRA(レーザー回折/散乱法)を用いて測定した。平均粒子径が5.0μm未満であれば実使用において問題ないレベルである。シリカの分散性を以下の基準で評価した。
分散性
◎:1.0μm未満
○:1.0μm以上5.0μm未満
△:5.0μm以上10μm未満
×:10μm以上
(試験2)分散安定性試験
光沢安定性の評価方法については、上記実施例1〜8および比較例1〜8にて得られた分散液を、作製直後および温度23℃湿度50%RH下で1ヵ月保管後に、厚さ250μmの白色ポリエチレンテレフタレート(PET)シートに乾燥後の膜厚が2μmになるように手塗りで形成した。95℃で1分間乾燥した後、照射エネルギー120W/cmの紫外線ランプ下で10秒間硬化させ、日本電色工業社製変角光沢度計で光沢度を測定し(入射角60度)、各々の変動率を算出した。光沢安定性を以下の基準で評価した。
光沢安定性
◎:光沢度の変動率が、5%未満
○:光沢度の変動率が、5%以上20%未満
△:光沢度の変動率が、20%以上50%未満
×:光沢度の変動率が、50%以上
数式(1) A=(C/B)×100
A:光沢度の変動率(%)
B:分散直後の光沢度
C:分散直後と1ヵ月後の光沢度差
(試験3)発色性試験
発色性の評価方法については、上記実施例1〜8および比較例1〜8にて得られた可逆性感熱記録媒体を、温度23℃湿度50%RH下でスター精密社製プリンター(TCP−300II、消去温度150℃)にて、印字エネルギーを変えながら消去印字を行った。マクベス濃度計RD−19Iを用いて、発色濃度を測定した。実使用において問題ないレベルは、発色濃度1.0以上であり、以下の基準で評価した。
発色感度
◎:1.0を超える印字エネルギーが0.3mj以上0.4mj未満
○:1.0を超える印字エネルギーが0.4mj以上0.5mj未満
△:1.0を超える印字エネルギーが0.5mj以上0.6mj未満
×:1.0を超える印字エネルギーが0.6mj以上
(試験4)耐久性試験
繰り返し耐久性の評価方法については、上記試験3で得られた可逆性感熱記録媒体を、温度23℃湿度50%RH下でスター精密社製プリンター(TCP−300II、消去温度150℃)で印字を行い、次いで消去する作業を100回繰り返した。100回繰り返し後の印字の状態と記録媒体の表面状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
耐久性
◎:画像部は良好な発色状態で、膜剥がれも見られなかった。
○:画像部は良好な発色状態であるが、やや膜剥がれが見られた。
×:数回で膜剥がれが発生し、繰り返し試験が継続出来なかった。
試験1〜試験4の結果を表1に示す。
Figure 2016182747
以上の結果から明らかなように、支持体上に通常無色ないし淡色の電子供与性呈色性化合物と、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消去した状態を形成させる可逆性電子受容性化合物とを含有する可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、該可逆性感熱記録層上に少なくともシリカとポリビニルブチラールを含有する保護層を設け、該ポリビニルブチラールの重量平均分子量が10,000以上であり、かつ添加量が該保護層に対して0.5〜5.0質量%である事で、シリカの分散性および分散安定性が良好であり、該シリカ分散により得た分散液の保管期間に関係なく保護層塗工しても、光沢が安定的で発色感度と繰り返し耐久性に優れた可逆性感熱記録媒体を提供することができた。

Claims (1)

  1. 支持体上に通常無色ないし淡色の電子供与性呈色性化合物と、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消去した状態を形成させる可逆性電子受容性化合物とを含有する可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、該可逆性感熱記録層上に少なくともシリカとポリビニルブチラールを含有する保護層を設け、該ポリビニルブチラールの重量平均分子量が10,000以上であり、かつ添加量が該保護層に対して0.5〜5.0質量%である事を特徴とする可逆性感熱記録媒体。
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