JP2016182576A - スリットノズル、塗布方法、及び塗布装置 - Google Patents

スリットノズル、塗布方法、及び塗布装置 Download PDF

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Abstract

【課題】塗布膜の幅方向両端部に存在する膜厚不良部長さを短くして、膜厚が均一な製品領域を拡大することができるスリットノズルを提供する。【解決手段】本発明のスリットノズル10は、塗布液が供給される供給口16と、供給口から供給された塗布液を長手方向に分散させるマニホールド13と、マニホールドに接続して吐出口17に塗布液を誘導する流路部14とを備え、吐出口と略面一となる吐出口面20と、吐出口面の長手方向両端の縁部にそれぞれ連なってマニホールド側に延びる一対の切り上げ面21L、21Rとを有し、流路部のマニホールドとの接続位置における長手方向長さをWe、吐出口の長手方向長さをWdとしたとき、We>Wdである。【選択図】図4

Description

本発明は、スリット状の吐出口から塗布液を吐出して、被塗布部材上に塗布膜を形成するためのスリットノズル、このスリットノズルを用いて、被塗布部材上に塗布膜を形成する塗布方法、及びこのスリットノズルを用いて、被塗布部材上に塗布膜を形成する塗布装置に関する。
ガラス基板やフィルム等の被塗布部材上に、塗布液を塗布して、塗布膜を形成する塗布器として、スリット状の吐出口から塗布液を吐出するスリットノズルが知られている。スリットノズルは、塗布液が供給される供給口と、供給口に流体的に連通して塗布液をスリットノズルの長手方向に拡幅するマニホールドと、マニホールドに接続して塗布液が通過する吐出スリット(流路部)と、吐出スリットの出口で塗布液が吐出される吐出口を有している。供給口からマニホールドに流入した塗布液は、マニホールドで長手方向に拡幅され、マニホールド内で一旦充満した状態になってから、吐出スリットを通過して、吐出口から一定の間隔(ギャップ)離れた被塗布部材上に吐出される。この際に、スリットノズルを被塗布部材に相対的に移動させると、塗布液は、吐出口の長手方向全長に亘って一様に吐出されるため、被塗布部材に均一な膜厚の塗布膜を形成することができる。特許文献1には、上記のマニホールドの断面形状や吐出スリットのスリット幅を最適化して、スリットノズルの長手方向である塗布膜幅方向に均一な塗布膜を形成するようにしたスリットノズルが開示されている。
しかしながら、塗布液の特性(粘性や濡れ性など)や塗布条件(塗布速度、ギャップ、吐出圧力など)によっては、図6(a)に示されるように、長手方向の長さWdの吐出口17から被塗布部材W上に吐出された塗布液は、吐出口17の両端から長手方向両側に広がり、長さWdよりも大きな長さWcが塗布幅となって、被塗布部材W上に塗布膜が形成される。このように形成される塗布膜の膜厚に関しては、図6(b)に示されるように、中央部は所定の膜厚t0で均一となるが、塗布膜幅方向両端部では上記の塗布液の局部的な広がりの影響を受けて、膜厚t0よりも小さくなってしまう。その結果、膜厚が一定の基準内に収まらない膜厚不良部が、塗布膜幅方向両端部に相当の長さ範囲にわたって発生し、製品として使用できる均一膜厚の領域が著しく減少してしまう。
特開2010−5616号公報
上記の問題の根本原因となる塗布液の局部的な広がりは、特許文献1に示されるマニホールドの断面形状や吐出スリットのスリット幅を最適化して全体的に均一に塗布液を吐出する手段では、全く抑制することができないので、塗布膜幅方向両端部の膜厚減少をなくすことはできない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、その主な目的は、いかなる特性の塗布液や塗布条件であっても、塗布膜幅方向両端部で所定膜厚より減少している膜厚不良部の領域を小さくして、所定膜厚で均一な製品領域を拡大することができるスリットノズルと、このスリットノズルを用いて全領域にわたって膜厚が均一で高品位な塗布膜を形成することができる塗布方法及び塗布装置を提供することにある。
本発明に係るスリットノズルは、スリット状の吐出口から塗布液を吐出するスリットノズルであって、塗布液が供給される供給口と、供給口から供給された塗布液を長手方向に分散させるマニホールドと、マニホールドに接続して吐出口に塗布液を誘導する流路部とを備え、さらに吐出口と略面一となる吐出口面と、吐出口面の長手方向両端の縁部にそれぞれ連なってマニホールド側に延びる一対の切り上げ面とを備えているとともに、流路部のマニホールドとの接続位置における長手方向長さをWe、吐出口の長手方向長さをWdとしたとき、We>Wdであることを特徴する。
本発明に係る塗布方法は、上記スリットノズルを被塗布部材に対して相対的に移動させながら、吐出口から塗布液を吐出して、被塗布部材の表面に塗布液を塗布して塗布膜を形成することを特徴とする。
本発明に係る塗布装置は、上記スリットノズルと、スリットノズルに塗布液を供給する供給手段と、被塗布部材を支持する支持手段と、スリットノズルを支持手段に支持された被塗布部材に対して相対的に移動させる移動手段とを備えていることを特徴とする。
本発明のスリットノズルによれば、吐出口の長手方向両端部で塗布液の局部的な広がりが発生して、吐出口の長手方向長さよりも大きな塗布幅で塗布されても、吐出口の長手方向両端部で、塗布液の広がりに応じて局部的に塗布液を増量して吐出するので、塗布膜幅方向両端部の膜厚減少を大幅に減じることができる。その結果、塗布膜幅方向両端部で所定膜厚より減少している膜厚不良部の領域を極めて小さくできるので、所定膜厚で均一な製品領域を著しく拡大することができる。
本発明の塗布方法及び塗布装置によれば、上記の優れたスリットノズルを用いて被塗布部材に塗布液を塗布するのであるから、塗布膜のほぼ全領域にわたって膜厚が均一で高品位な塗布膜を形成することができる。
本発明の一実施形態におけるスリットノズルの構成を模式的に示した側面断面図である。 本発明の一実施形態におけるスリットノズルを備えた塗布装置の構成を模式的に示した斜視図である。 本発明の一実施形態におけるスリットノズルの分解斜視図である。 本発明の一実施形態におけるスリットノズルの長手方向に沿った正面断面図である。 (a)は、スリットノズルの塗布状況を示す正面断面図、(b)は、スリットノズルの長手方向に沿った塗布膜の膜厚分布図である。 (a)は、従来のスリットノズルの塗布状況を示す正面断面図、(b)は、スリットノズルの長手方向に沿った塗布膜の膜厚分布図である。 は、本発明のスリットノズルで塗布した時の一例となる、長手方向に沿った塗布膜の膜厚分布図である。 (a)は、本発明の他の実施形態におけるスリットノズルの長手方向に沿った正面断面図、(b)は、同じスリットノズルの側面断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、本発明の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。
図1は、本発明の一実施形態におけるスリットノズル10の構成を模式的に示した側面断面図、図2は、本実施形態におけるスリットノズル10を備えた塗布装置1の構成を模式的に示した斜視図である。
図1に示すように、本実施形態におけるスリットノズル10は、塗布液が供給される供給口16と、供給口16から供給された塗布液を長手方向に分散させるマニホールド13と、マニホールド13に接続して吐出口17に塗布液を誘導する流路部(吐出スリット)14とを備えている。供給口16とマニホールド13は第1のブロック11内に設けられている。そして、第1のブロック11の内面31と第2のブロック12の内面32とでシム15を間に挟み込んで、第1のブロック11と第2のブロック12とを互い一体的に結合している。これによって、流路部14に設けられる内面31と内面32間のX方向の間隔が、スリット間隔Lpとなる。従って、シム15の厚さがスリット間隔Lpに等しくなる。また、吐出口17と略面一となる第1のブロック11と第2のブロック12の最下端面が、吐出口面20となる。吐出口面20は、紙面に垂直な長手方向(Y方向)に延びている。
このスリットノズル10を用いて塗布を行う時は、流路部14の出口である吐出口17と、被塗布部材Wとの間を、一定の間隔(ギャップ)Gに保ち、スリットノズル10を、X方向に移動させながら、スリット状の吐出口17から塗布液を吐出する。これによって、塗布液は吐出口17から吐出口面20を伝わってX方向に広がってから被塗布部材Wに達し、被塗布部材W上に塗布膜Mが形成される。
図2に示すように、本実施形態における塗布装置1は、ガラス基板等の被塗布部材Wを支持するステージ(支持手段)2と、このステージ2上の被塗布部材Wに対して、塗布液を吐出するスリットノズル10と、塗布液を溜めるタンク6と、タンク6内の塗布液をスリットノズル10に供給するポンプ(供給手段)5と、スリットノズル10を、ステージ2に支持された被塗布部材Wに対して、X方向に相対的に移動させる移動手段3とを備えている。タンク6内の塗布液は、ポンプ5により配管4を通じて、スリットノズル10に供給される。また、塗布装置1は、図示されていない、スリットノズル10を上下方向であるZ方向に自在に移動させるZ方向移動手段も備えている。これにより、スリットノズル10の吐出口17と被塗布部材Wとの間を、Z方向に一定の間隔(ギャップ)Gに設定することができる。
スリットノズル10では、図3に示すように、第1のブロック11、第2のブロック12、マニホールド13、及び吐出口面20は、長手方向であるY方向に延びている。吐出口面20は、長手方向中央部では、第1のブロック11と第2のブロック12の上下方向(Z方向)の最下端面で構成されているが、長手方向両端部では、さらにシム15の最下端面も加えて構成されている。いずれにせよ、吐出口17と略面一となるものが、すべて吐出口面20となる。
また、図3では、吐出口面20の長手方向の両端となる縁部33L、33Rと、縁部33L、33Rから吐出口面20とは反対側に長手方向に傾斜して延びている切り上げ面21L、21Rが、示されている。縁部33L、33Rと、切り上げ面21L、21Rは、吐出口面20と同様に、第1のブロック11と第2のブロック12とシム15の、該当部分が合わさって構成されている。すなわち、縁部33L、33Rは、第1のブロック11と第2のブロック12とシム15の該当線分が略一直線状になって構成されている。一方、切り上げ面21L、21Rは、第1のブロック11と第2のブロック12とシム15の該当する傾斜面が、略面一になって構成されている。
次に、スリットノズル10の長手方向に沿った正面断面図である図4を見ると、スリットノズル10は、吐出口17と略面一となる吐出口面20と、吐出口面20の長手方向両端の縁部33L、33Rにそれぞれ連なって、マニホールド13側に延びる一対の切り上げ面21L、21Rとを備えている。切り上げ面21L、21Rは、上記したように、吐出口面20と同様に、第1のブロック11、第2のブロック12、シム15の該当する位置での傾斜面から構成されている。なお、図4では、吐出口面20の長手方向両端にある縁部33Lと33R間の長手方向長さはWpとしている。
また、図4に示すように、スリットノズル10は、流路部14が占める領域(コの字状の凹部)を形成するシム15を内部に備える。ここで、流路部14を形成するために、シム15のマニホールド13側の長手方向両端には、第1の内壁15aL、15aRが、長手方向に一定長さとなるように形成され、反対の吐出口17側の長手方向両端には、第2の内壁15bL、15bRが、吐出方向の傾斜長さLの範囲にわたって、吐出口17に向かって中央側に傾斜するように設けられている。なお、吐出方向はZ方向となる。これにより、流路部14は、マニホールド13から吐出口17に至る経路の途中から、マニホールド13側から吐出口17側に向けて、長手方向長さが、吐出方向の傾斜長さLの範囲にわたって、漸減するように形成されている。その帰結として、流路部14のマニホールド13との接続位置C−Cにおける長手方向の長さをWe、吐出口17の長手方向の長さをWdとしたとき、We>Wdとなるように形成されている。
次に、図5を用いて、図4に示す構成のスリットノズル10に塗布液を供給して、被塗布部材W上に塗布膜を形成する時の作用について説明する。図5(a)は、スリットノズル10の塗布状況を示す正面断面図、図5(b)は、長手方向に沿った塗布膜の膜厚分布図である。
まず、図5(a)を見ると、図4に示す構成のスリットノズル10に塗布液を供給して、被塗布部材W上に長手方向の長さWcで塗布している状況が、正面断面図として示されている。スリットノズル10の供給口16にポンプ5から流量Qで塗布液を供給すると、塗布液はマニホールド13に充満した後に、接続位置C−Cで流路部14に押し出される。塗布液が接続位置C−Cから吐出口17に向かう時の長手方向長さが一定の領域(第1の内壁15aL、15aRで規定された領域)では、塗布液は、長手方向の長さWeの全域に亘って、単位長さあたりの流量である単位流量q0で一様に通過する。なお、q0×We=Qである。長手方向の長さが一定の領域に続く長手方向の長さがWeからWdに漸減する領域(第2の内壁15bL、15bRで規定された領域)では、流路部14の長手方向両端部近傍を流れる塗布液は、第2の内壁15bL、15bRに案内されて、中央側にある吐出口17の長手方向両端部に向かい、長手方向の長さW1の範囲に集束する。その結果、吐出口17から吐出される塗布液は、中央部では長手方向の長さW0にわたって単位流量q0で吐出される一方、吐出口17の長手方向両端部から長さW1の範囲では、流路部14の長手方向両端部近傍から塗布液が向けられた分だけ単位流量q0より増量した単位流量q1で、吐出される。なお、q0×W0+2×q1×W1=Qである。従って、長手方向の長さWdの吐出口17から吐出される塗布液が、吐出口17の長手方向両端から広がって、長さWdよりも大きな長さWcで被塗布部材W上に塗布されても、単位流量q0からq1への増量分が、吐出口17の長手方向両端からの塗布液広がりによる膜厚減少分を補うことができる。その結果、図5(b)に示すように、吐出口17の長さWdよりも大きな長手方向の長さWfの範囲にわたって、中央部の膜厚t0で均一にすることができる。なお、スリットノズル10のX方向の移動速度をV0とすると、t0=q0/V0である。
また、図5(a)で、塗布膜の塗布幅となる長手方向の長さWcは、吐出口面20の長手方向両端にある縁部33L、33R間の長手方向の長さWpよりも少し大きな値となる。これは、縁部33L、33Rに長手方向に一対の切り上げ面21L、21Rが接続して形成されているため、吐出口17の両端部からの塗布液の広がりが、縁部33L、33Rを越えた1対の切り上げ面21L、21Rで制限されることによる。
以上説明した作用により、本実施形態におけるスリットノズル10を用いて塗布膜を形成すると、吐出口17の長手方向両端から局部的に増量した塗布液を吐出するとともに、吐出された塗布液の広がりを制限して塗布膜の塗布幅(長さWc)も制約するので、スリットノズル10の長手方向、すなわち塗布膜幅方向の両端部の領域で膜厚が小さくなるのを防止して、中央部の膜厚と略同一にすることができる。これにより、塗布膜の幅方向両端部における膜厚不良部の長さを小さくして、膜厚が均一な製品領域を拡大することができる。
以上の作用効果は、吐出口17の長手方向両端からの塗布液の広がり量が大きく、塗布幅である長さWcが1対の縁部33L、33R間の長さWp以上となるWc≧Wpの場合に特に発揮され、この時は、We>Wdになるように、より好ましくは、We≧Wpとなるようにスリットノズル10を構成する。また、吐出口17の両端部からの塗布液の広がり量が小さく、Wc<Wpの場合は、We>Wdであれば、長手方向両端部の領域で膜厚が小さくなるのを防止して、中央部の膜厚と略同一にすることができる。
なお、比較例として、We、Wd、Wpが好ましくない条件で、スリットノズル10が構成されている場合、すなわち、従来のスリットノズルで塗布する場合の膜厚分布を次に示す。図6(a)は、We、Wd、Wpが好ましくない条件で構成されているスリットノズル10の塗布状況を示す図5(a)に対応した正面断面図、図6(b)は、その時のスリットノズル10の長手方向に沿った塗布膜の膜厚分布図である。
図6(a)を見ると、スリットノズル10は、Wp>We=Wd=Wmとなるように構成され、長さWpよりも大きな長さWcを塗布幅として被塗布部材上に塗布膜を形成している。なお、長さWmは、マニホールド13の長手方向の長さである。
まず、供給口16から流量Qで塗布液を供給すると、マニホールド13からは接続位置C−Cにて、長さWeの範囲にわたって単位流量q0で一様に塗布液が流路部14に押し出されるとともに、同じ単位流量q0で長さWdの範囲にわたって一様に吐出口17から塗布液が吐出される。その後、塗布液は長さWcまで広がって被塗布部材上に塗布される。このようにして形成される塗布膜の長手方向の膜厚分布を図6(b)で見ると、中央部の膜厚t0に対して、吐出口17の長手方向の長さWdから塗布膜の塗布幅である長さWcまで塗布液が広がっているので、塗布膜の両端部にいくほど、膜厚は膜厚t0より小さくなる。さらに、塗布液が吐出口17の長手方向両端から長手方向(塗布膜の幅方向)に広がる時に、長さWdの吐出口17の長手方向両端部の近傍から塗布液を随伴で持ち出すため、膜厚t0となる領域の長手方向長さは、吐出口17の長さWdよりも小さい長さWfとなる。
以上より、膜厚が所定値t0で均一な製品領域を吐出口17の長さWd以上に拡大して、塗布膜の塗布幅である長さWcに近づけるには、上記の好ましい条件、すなわち、We>Wd、さらには、より好ましい条件、すなわち、We>Wpにて、スリットノズル10を構成する必要がある。
本実施形態において、流路部14の長手方向の長さの漸減率(We−Wd)/Lは、塗布液の特性(粘性や濡れ性など)や、塗布条件(塗布速度や吐出圧力など)によって、適宜決めればよい。さらには、塗布膜の幅方向両端部での膜厚の減少程度に応じて定めてもよい。ただし、漸減率に関わる傾斜長さLは、好ましくは20mm以下とする。これであれば、吐出口17の長手方向両端部で局部的に塗布液の吐出流量が増量し、増量分が吐出口17の長さWdの全長にわたって平均化されることはない。
また、本実施形態では、流路部14の長手方向両端部を流れる塗布液を、中央側に向けるように、第2の内壁15bL、15bRを、直線的な傾斜面で形成したが、これに限定されず、例えば、円弧状や曲線状の傾斜面であってもよい。
また、本実施形態では、流路部14を形成する領域は、スリットノズル10内に配置されたシム15によって規定されるため、スリットノズル10内に備えるシム15を異なるものに交換して、流路部14の長手方向の長さの漸減率を調整することができる。
通常、形成する塗布膜の塗布幅やスリットノズル10の構成に応じて、吐出口17の長手方向の長さWdが定められるため、流路部14の長手方向の長さの漸減率の調整は、流路部14のマニホールド13との接続位置C−Cにおける長手方向の長さWeや、傾斜長さLを調整すればよい。
なお、図4に示すように、マニホールド13の長手方向の長さWmについては、常にWm≧Weとなるように、予め大きめにしておくことが好ましい。これにより、長さWeが大きく異なるシム15に交換しても、常に、マニホールド13から塗布液を、接続位置C−Cで流路部14に、長手方向の長さWeに亘って同じ単位流量q0で一様に押し出すことができる。
また、図4に示す本実施形態において、吐出口17の長手方向の両端から縁部33L、33Rまでの長手方向の長さは長さWgで示されている。この長さWgが小さいと吐出口17の両端からの塗布液の広がり量が小さくなるので、Wgは1mm以下であることが好ましい。これにより、塗布膜の幅方向両端部における膜厚不良部の長さを、容易に小さくすることができる。
次に、表面張力が高い塗布液をスリットノズル10で塗布する時の膜厚形状の改善作用について、図7を用いて説明する。図7は、上記の実施形態のスリットノズル10で塗布した時の一例となる、長手方向に沿った塗布膜の膜厚分布図である。図7で、従来のスリットノズル(例えばWe=Wd<Wp)で塗布すると、破線で示すように、塗布膜の幅方向両端部に表面張力により近傍から塗布液が引き寄せられて、塗布膜両端部の膜厚が中央部の膜厚t0よりも相当大きくなる一方、塗布液を引き寄せにより持ち出された塗布膜両端部近傍の膜厚は、逆に中央部の膜厚t0よりも相当小さくなる。この場合、本発明の一実施形態におけるスリットノズル10を用いれば、We≧WpおよびWe>Wdとなっているので、吐出口17の長手方向両端部にのみ局部的に塗布液の吐出流量が増量し、その増量分が、塗布液が引き寄せにより持ち出された塗布膜の幅方向両端部近傍に補充されて、実線で示すように、塗布膜両端部近傍でも中央部の膜厚t0からの減少をなくして、同じ膜厚t0を維持することが可能となる。これにより、吐出口17の長さWdより大きな長さWfの範囲にわたって均一な膜厚t0を維持することができる。この結果、表面張力が高い塗布液を塗布する時でも、膜厚不良部の長さを小さくして、膜厚が均一な製品領域を拡大することができる。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、もちろん、種々の改変が可能である。
例えば、上記実施形態において、シム15は、その外殻形状を、第1のブロック11及び第2のブロック12の外殻形状に揃えて形成して配置した。これに対して、例えば、図8に示す形態にしてもよい。ここで、図8(a)は、他の実施形態のスリットノズル10の長手方向に沿った正面断面図、図8(b)は、同じスリットノズル10の側面断面図である。図8(a)を見ると、流路部14を形成する領域にのみ、1対のシム15L、15Rを配置する形態にしている。この場合、図8(b)に示すように、第1のブロック11の内面31Aがシム15のかわりに第2のブロック12の内面32に押し付けられ、内面31Aと内面31Bとの間で段差を作り、その段差量がスリット間隔Lpとなるようにしている。
また、その他、上記実施形態では、切り上げ面21L、21Rを、吐出口面20からマニホールド13側に延びる直線的な傾斜面としたが、これに限定されず、例えば、円弧状や曲線状の傾斜面であってもよい。また、切り上げ面21L、21Rの吐出口面20に対する傾斜角も特に制限されないが、例えば、1〜75°の範囲で設定することが好ましい。
なお、本発明の塗布方法であるが、塗布装置1を用い、上記に説明した好ましい実施形態のスリットノズル10を被塗布部材Wに対してX方向に相対的に移動させながら、吐出口17から塗布液を吐出して、被塗布部材Wの表面に塗布液を塗布して塗布膜を形成する。さらに、スリットノズル10内に備えるシム15を交換して、異なる長さWeに調整して塗布液を吐出する、ことをしてもよい。より具体的には、以下のステップ(1)〜(3)で行うことができる。
(1)塗布装置1で、スリットノズル10を被塗布部材Wの塗布開始位置まで移動させてから、図示しないZ方向移動手段により、スリットノズル10を下降させて、吐出口17と被塗布部材Wの表面との間のZ方向の間隔(ギャップ)Gが所定値になるようにする。
(2)続いて、スリットノズル10をX方向に速度V0で移動開始するとともに、ポンプ5から流量Qでスリットノズル10に塗布液を供給する。これによって吐出口17からX方向に相対的に移動する被塗布部材Wに向かって塗布液が吐出され、被塗布部材Wの表面に塗布液が塗布されて塗布膜を形成する。
(3)被塗布部材の塗布終了位置までスリットノズル10が移動したら、ポンプ5からの塗布液供給を停止するとともに、図示しないZ方向移動手段を駆動してスリットノズル10を上昇させて、塗布を終了する。塗布膜が形成された被塗布部材Wは、乾燥等の次工程に移動させる。
なお、形成した塗布膜の幅方向(スリットノズル10長手方向)の膜厚分布から、長さWeが異なるシム15に置き換えて、以上の塗布方法を実施してもよい。これによって、膜厚分布が調整、改善されて、中央部の膜厚で均一である製品領域を拡大することができる。
1 塗布装置
2 ステージ(支持手段)
3 移動手段
4 配管
5 ポンプ(供給手段)
6 タンク
10 スリットノズル
11 第1のブロック
12 第2のブロック
13 マニホールド
14 流路部(吐出スリット)
15 シム
15aL、15aR 第1の内壁
15bL、15bR 第2の内壁
16 供給口
17 吐出口
20 吐出口面
21L、21R 切り上げ面
31 内面
32 内面
33L、33R 縁部

Claims (8)

  1. スリット状の吐出口から塗布液を吐出するスリットノズルであって、
    塗布液が供給される供給口と、
    前記供給口から供給された塗布液を長手方向に分散させるマニホールドと、
    前記マニホールドに接続して前記吐出口に塗布液を誘導する流路部と、
    を備え、
    さらに前記吐出口と略面一となる吐出口面と、該吐出口面の長手方向両端の縁部にそれぞれ連なって前記マニホールド側に延びる一対の切り上げ面とを備えているとともに、
    前記流路部の前記マニホールドとの接続位置における長手方向長さをWe、前記吐出口の長手方向長さをWdとしたとき、We>Wdである、スリットノズル。
  2. 前記吐出口面の長手方向両端にある縁部間の長手方向長さをWpとしたとき、We≧Wpである、請求項1に記載のスリットノズル。
  3. 前記マニホールドの長手方向長さをWmとしたとき、Wm≧Weである、請求項1または2に記載のスリットノズル。
  4. 前記流路部が占める領域を形成するシムを内部に備える、請求項1〜3の何れかに記載のスリットノズル。
  5. 前記流路部は、前記マニホールド側から前記吐出口側に向けて、長手方向長さが漸減するように形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載のスリットノズル。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載のスリットノズルを前記被塗布部材に対して相対的に移動させながら、前記吐出口から塗布液を吐出して、被塗布部材の表面に塗布液を塗布して塗布膜を形成する塗布方法。
  7. さらに、前記スリットノズル内に備えるシムを交換して、異なる長さ(We)に調整して塗布液を吐出する、請求項6に記載の塗布方法。
  8. 請求項1〜5の何れかに記載のスリットノズルと、
    前記スリットノズルに塗布液を供給する供給手段と、
    被塗布部材を支持する支持手段と、
    前記スリットノズルを前記支持手段に支持された被塗布部材に対して相対的に移動させる移動手段と、
    を備えた、塗布装置。
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