JP2016182087A - 脱渋部材をヘタの上に定置する脱渋柿の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便かつ安全な脱渋柿の製造方法を提供する。
【解決手段】収穫前または収穫後の柿20のヘタ22の上に,アルコールを含浸させた脱渋部材10を定置して,柿の実の脱渋を行なう処理方法。前記脱渋部材(10)は,通気性を有する複数のシート部材(11,12)と,前記複数のシート部材(11,12)の間に挟み込まれ,前記アルコールが含浸した高吸水性樹脂(13)と,を備え,木から収穫する前の柿のヘタの上に前記脱渋部材(10)を定置することも可能である脱渋処理方法。
【効果】前記脱渋処理方法により,脱渋を行う際に,柿の実を包装袋等に封入する必要がなくなり,外気に露出したままでも柿の脱渋を行うことができるため,生産者の作業負担を大幅に軽減することができる。
【選択図】図2
【解決手段】収穫前または収穫後の柿20のヘタ22の上に,アルコールを含浸させた脱渋部材10を定置して,柿の実の脱渋を行なう処理方法。前記脱渋部材(10)は,通気性を有する複数のシート部材(11,12)と,前記複数のシート部材(11,12)の間に挟み込まれ,前記アルコールが含浸した高吸水性樹脂(13)と,を備え,木から収穫する前の柿のヘタの上に前記脱渋部材(10)を定置することも可能である脱渋処理方法。
【効果】前記脱渋処理方法により,脱渋を行う際に,柿の実を包装袋等に封入する必要がなくなり,外気に露出したままでも柿の脱渋を行うことができるため,生産者の作業負担を大幅に軽減することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は,アルコールによって柿の脱渋を行う脱渋柿の製造方法,及びこの製造方法で用いられる脱渋部材に関するものである。具体的に説明すると,本発明に係る脱渋柿の製造方法製造方法では,収穫前または収穫後の柿のヘタの上に,アルコールを含浸させた脱渋部材(「ヘタパット」ともいう)を定置して柿の実の脱渋を行なう。また,本発明は,香り付き脱渋柿の製造方法にも関連している。この香り付き脱渋柿の製造方法では,アルコールと香料を混合した香料入りアルコールを含浸させた脱渋部材(ヘタパット)を収穫前または収穫後の柿のヘタの上に定置することで,柿の実を脱渋すると同時に,この柿の実に対して所望の香りを付与する。
柿には甘柿と渋柿がある。渋柿の果肉は,強い渋味を呈するため,そのままでは食用に適さない。渋柿の渋味は,果肉中に存在する水溶性タンニンに起因するとされており,果肉中に水溶性のタンニンが多量に含まれると,柿を食した際にヒトは舌で渋味を感じる。
また,果肉中の水溶性タンニンが不溶性タンニンに変化すると,渋味がなくなることが知られる。このため,柿から渋味を除くための脱渋方法が考案されている。例えば,干して干柿にする方法の他,湯抜き法,アルコール法,炭酸ガス法,炭酸ガス・アルコール併用法等が知られている。現在は,脱渋後の食味がよいこと,簡便であることよりアルコール法が多用されている(特許文献1,特許文献2)。
一般に,アルコール法とは,アルコールを入れた包装袋などに柿を収容し,柿の実の呼吸の変化に伴って追熟を促進させ,水溶性タンニンを不溶性タンニンに変化させ,脱渋を行う手法である。渋味を除いた柿を脱渋柿と呼ぶ。従来は,収穫後の柿の実に対して脱渋を行うことが主流であったが,近年では,収穫前の木になった状態の渋柿に対して脱渋を行う,木なり渋柿の脱渋法も広く用いられている(特許文献3)。
現在知られている木なり脱渋法は大きく分けると,3種類の方法がある。ヘタ出し式樹上脱渋法と,包み込み式木なり柿脱渋法と,貼り付け式樹上脱渋法である。
ヘタ出し式樹上脱渋法とは,柿の果実を,固形アルコールを入れた包装袋で渋柿を包み込み,ヘタの付け根のすぐ下を輪ゴムで巻き止める方法である。しかし,輪ゴムを止めたヘタの付け根部分に隙間ができてしまい,雨水が包装袋内に入ってバクテリアが繁殖したり,脱渋が不十分になったりするという問題があった。
包み込み式木なり柿脱渋法とは,アルコールを入れた包装袋で柿の実を下から包み込み,果実の付いている小枝の上部に包装袋の口をねじり巻きし,ねじり巻いた箇所の上をさらに粘着テープで止着する手法である。しかし,小枝の表面は凹凸しているため,隙間ができないように包装袋を止着するのは困難である上,木の成長によって日々その凹凸は変化する。さらに,10日も経つと粘着テープの劣化が起こり,止着力が弱くなる。これにより,包装袋の口に弛みが生じて隙間ができるという問題があった。
貼り付け式樹上脱渋法とは,粉末アルコールを入れた粘着剤付の袋を柿の実の表面に貼付し,一定期間経過後にこれを除去する手法である。しかし,処理期間が短過ぎると脱渋が不十分となってしまい,逆に,処理時間が長過ぎると果実表面にシール痕が濃く残って柿の商品価値が低下してしまう。したがって,処理期間の管理が極めて難しいという問題があった。
また,いずれの方法も,高所で複数の作業を行わねばならない。しかし,落葉前の柿の木は枝が繁み合っていて作業を行いにくく,包装袋掛けや高所の柿の実にアルコール入りの粘着袋を張り付ける作業は重労働である。また,粘着テープを巻きつける作業も容易ではない。さらに,従来の木なり脱渋柿の製造方法では,柿の花の満開後105日〜110日の間に脱渋作業を行う必要があり,脱渋処理をすべき期間は限られていた。この期間を経過してから柿の脱渋作業を行うと,障害果(アバタ果:表面がデコボコした果実)や,軟果,落果などが多出するためである。
木なり脱渋法により製造した脱渋柿は,高い糖度や,サクサクした食感,食味の良さ,日持ちの良さ,強い甘味など,生産者,流通業者,及び消費者を惹きつける優れた魅力がある。しかし,高所になっている柿の実に包装袋を掛けたりアルコール入りの粘着袋を張り付けたりといった作業は重労働である。
このため,現在では,脱渋作業が単純であり,脱渋処理の期間の制限が緩和された,より簡便かつ安全な木なり柿の脱渋法が求められている。
そこで,本発明の発明者は,従来の問題の解決手段について鋭意検討した結果,収穫前または収穫後の柿のヘタの上に,アルコールを含浸させた脱渋部材(ヘタパット)を定置し,その状態で柿を成熟させることで,簡便かつ安全な作業で渋柿を脱渋することができるという知見を得た。そして,本発明者は,上記知見に基づけば,従来技術の課題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。具体的に説明すると,本発明は以下の工程・構成を有する。
本発明の第1の側面は,脱渋柿の製造方法に関する。
本発明に係る脱渋柿の製造方法は,アルコールを含浸させた脱渋部材(10)を柿のヘタの上に定置する定置工程を含む。アルコールを含浸させた脱渋部材(10)を柿のヘタの上に定置することで,この脱渋部材(10)から滲み出したアルコールが,ヘタの表面から直接柿の実の中に浸透して徐々に拡散し,渋味の元であるタンニンを不溶性に変化させる。これにより,果肉の渋味が消失し,脱渋柿を製造することができる。このように,本発明によれば,脱渋部材(10)をヘタに上に定置するという簡便な方法で,柿の脱渋作業を行うことができる。また,脱渋部材(10)は柿の実に直接貼付するものではないため,従来の貼り付け式樹上脱渋法のように脱渋処理期間を厳密に管理する必要もなく,脱渋処理の期間的な制限を緩和することができる。
本発明に係る脱渋柿の製造方法は,アルコールを含浸させた脱渋部材(10)を柿のヘタの上に定置する定置工程を含む。アルコールを含浸させた脱渋部材(10)を柿のヘタの上に定置することで,この脱渋部材(10)から滲み出したアルコールが,ヘタの表面から直接柿の実の中に浸透して徐々に拡散し,渋味の元であるタンニンを不溶性に変化させる。これにより,果肉の渋味が消失し,脱渋柿を製造することができる。このように,本発明によれば,脱渋部材(10)をヘタに上に定置するという簡便な方法で,柿の脱渋作業を行うことができる。また,脱渋部材(10)は柿の実に直接貼付するものではないため,従来の貼り付け式樹上脱渋法のように脱渋処理期間を厳密に管理する必要もなく,脱渋処理の期間的な制限を緩和することができる。
本発明に係る製造方法において,脱渋部材(10)は,通気性を有する複数のシート部材(11,12)と,これらの複数のシート部材(11,12)の間に挟み込まれてアルコールが含浸した高吸水性樹脂(13)と,を備えることが好ましい。脱渋用のアルコールを高吸水性樹脂(13)に含浸させておくことで,脱渋部材(10)が空気,雨,風などにさらされても急激に効力を失う事態を回避できるため,より確実に柿の脱渋を行うことができる。
本発明に係る製造方法において,脱渋部材(10)に含浸させるアルコールは,アルコールと香料を混合して得られた香料入りアルコールであることが好ましい。このように,香料入りアルコールを使用することで,他の植物,動物,菓子などの香りを付与した革新的な木なり脱渋柿を製造することができる。
本発明に係る製造方法において,脱渋部材(10)の定置工程は,木から収穫する前の柿のヘタの上にこの脱渋部材(10)を定置し,樹上にて柿の実の脱渋を行う工程であることが好ましい。本発明の製造方法は,脱渋部材(10)を柿のヘタに定置するという一つ工程で柿の脱渋を済ませることができるため,複数の作業を要した従来の木なり脱渋法に比べて,脱渋作業を極めて簡単かつ短時間で行うことができる。また,例えば,収穫の30日前までに,脱渋部材を柿のヘタの上に定置すればよいため,生産者は脱渋処理の期間をより幅広く選択できる。
本発明に係る製造方法において,香料入りアルコールは液状であり,この液状の香料入りアルコールを含浸させた高吸水性樹脂を備えた脱渋部材(10)を使用することが好ましい。液状の香料入りアルコールを用いると,アルコールと共に香料が気化しやすくなるため,香り成分を柿の実の内部まで効果的に浸透させることができる。
本発明に係る製造方法において,脱渋部材(10)を取り付ける対象の柿は甘柿であってもよい。本発明の製造方法を使用して製造した木なり香り付き甘柿は,収穫後の柿に比べれば,食味と甘さはほとんど変わりないが,日持ちは2倍強で,香りも非常に強く,サクサクした食感を呈するものとなる。
本発明の方法で製造した脱渋柿は,干し柿の原料として好適に利用することができる。つまり,本発明によって製造した脱渋柿は,公知の方法によって乾燥させることによって,甘みが強く触感良い干し柿を得ることができる。
本発明の第2の側面は,柿の脱渋に用いる脱渋部材に関する。
本発明に係る脱渋部材は,通気性を有する複数のシート部材(11,12)と,この複数のシート部材(11,12)の間に挟み込まれアルコールが含浸した高吸水性樹脂(13)と,を備える。従来の柿の脱渋作業では,アルコールを含浸させた脱脂綿等を用いることとしており,アルコールが急速に揮発してしまうのを防ぐために,この脱脂綿を柿の実と共に包装袋等に封入する必要があった。これに対して,本発明の脱渋部材では,高吸水性樹脂(13)にアルコールを封じ込めることとしており,風雨にさらされた場合であっても,この高吸水性樹脂(13)内のアルコールが急速に揮発することを防止できる。従って,本発明の脱渋部材を利用することで,包装袋等を用いることなく,柿の実を外気に露出したままでも脱渋を行うことが可能となる。
本発明に係る脱渋部材は,通気性を有する複数のシート部材(11,12)と,この複数のシート部材(11,12)の間に挟み込まれアルコールが含浸した高吸水性樹脂(13)と,を備える。従来の柿の脱渋作業では,アルコールを含浸させた脱脂綿等を用いることとしており,アルコールが急速に揮発してしまうのを防ぐために,この脱脂綿を柿の実と共に包装袋等に封入する必要があった。これに対して,本発明の脱渋部材では,高吸水性樹脂(13)にアルコールを封じ込めることとしており,風雨にさらされた場合であっても,この高吸水性樹脂(13)内のアルコールが急速に揮発することを防止できる。従って,本発明の脱渋部材を利用することで,包装袋等を用いることなく,柿の実を外気に露出したままでも脱渋を行うことが可能となる。
本発明に係る脱渋柿の製造方法によれば,生産者の作業負担を大幅に軽減させることができ,より簡便かつ安全に木なり脱渋柿を製造することができる。また,本発明に係る柿の脱渋部材によれば,柿の実を外気に露出したままであっても,効果的に脱渋を行うことが可能となる。
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
本発明は,脱渋柿の製造方法や,この製造方法で用いられる脱渋部材(10)に関する。脱渋部材(10)は,通気性及び通液性を有する複数のシート部材(11,12)と,これらのシート部材(11,12)の間に介在しアルコールを含浸させた高吸水性樹脂(13)を備えている。そして,脱渋柿の製造方法では,このアルコールが含浸した脱渋部材(10)を柿のヘタの上に定置することによって,柿の実の脱渋を行う。
特に,本発明では,収穫前の木になっている状態の柿に対して脱渋部材(10)を取り付けて,脱渋を行うことが好ましい。このような木なり脱渋柿の製造方法は,収穫前の木になっている状態(木なり)の柿の実にアルコールを作用させることよって,樹上にて脱渋を行う方法である。従来の方法(たとえば,特許文献3)は,収穫前の木なり状態の柿の実をアルコールとともに包装袋で包み込む等の作業を必要とするものであった。これに対し,本発明の方法では,木なり状態の柿のヘタの上に脱渋部材(10)を定置する作業を行うだけで柿の実の脱渋を行うことができ,従来のように柿の実を包装袋で包み込むといった作業を高所で行う必要がなくなる。
図1は,脱渋部材(10)の例を示した平面図と断面図である。図1に示されるように,脱渋部材(10)(ヘタパット)は,二層のシート部材(11,12)で高吸水性樹脂(13)を挟み込んだ三層構造となっている。そして,高吸水性樹脂には,柿の脱渋用のアルコールが含浸している。脱渋部材(10)の全体形状は,柿のヘタの上に定置できるものであれば特に制限されず,円形であってもよいし,正方形や三角形などの多角形であってもよい。また,脱渋部材の厚さも,柿のヘタの上に定置できる限り,特に制限されない。また,図1に示されるように,脱渋部材(10)には,切れ込み(14)を形成することが好ましい。脱渋部材(10)の切れ込み(14)に,例えば柿の軸を挟み込むことで,脱渋部材(10)を柿のヘタに取り付ける作業がさらに簡単になる。
シート部材(11,12)としては,通気性及び通液性を有するシート状の部材が用いられる。シート部材(11,12)の例は,紙,織布,不織布,又は多孔性フィルムである。また,シート部材(11,12)としては,例えば,ポリプロピレンやポリエチレン,ポリエステル,ナイロンのような熱可塑性樹脂の繊維を親水化処理してさらに不織布にしたものを用いることとしてもよい。
高吸水性樹脂(13)は,高吸水性ポリマー(SAP:Superabsorbent polymer)とも称されるものであり,水溶性高分子が架橋された三次元網目構造を有し,自重の数百倍〜千倍の水を吸収して保持することが可能な高分子製品である。高吸水性樹脂(13)の例としては,ポリアクリル酸塩系,ポリスルホン酸塩系,無水マレイン酸塩系,ポリアクリルアミド系,ポリビニルアルコール系,ポリエチレンオキシド系等の合成ポリマー系化合物,ポリアスパラギン塩酸系,ポリグルタミン酸塩系,ポリアルギン酸塩系,澱粉系,セルロース系の天然物由来系の化合物,あるいはこれらの2つ以上の混合物を挙げることができる。
高吸水性樹脂(13)に含浸させるアルコールとしては,渋柿の脱渋に用いられる公知のものを採用することができる。アルコールの例は,エタノールや,エタノールと精製水の混合液である。脱渋用アルコールとしては,例えば,アデチール750(ADEKAクリーンエイド株式会社製)や,シブトール(株式会社ニイタカ製),アンチモールド・マイルド(フロイント産業株式会社製)などが知られている。
本発明においては,脱渋部材(10)内の高吸水性樹脂(13)に含浸させるアルコールとして,香料入りアルコールを用いることが好ましい。香料入りアルコールは,脱渋用のアルコールに香料を混合したものである。香料としては,液状のものを用いることが好ましい。香料入りアルコールが液状であることにより,香料がアルコールと共に気化しやすくなるため,柿の実の内部に香り成分を分散浸透させることが容易となり,柿の実の全体に効率よく香りを付与することができる。
香料としては,食品添加物として用いられる公知のものを採用することができる。香料としては,一般的に使用される天然香料や,合成香料,及びこれらを調合した調合香料が挙げられる。天然香料は,天然に存在する香りのある植物や動物から,蒸留,抽出,圧搾等の分離操作により取り出したものである。合成香料には,天然香料からその含有成分を抽出,精留,晶析などの簡単な化学処理よって得る単離香料と,有機合成反応により製造する純合成香料とがある。
本発明に置いて用いられる香料の香り(フレーバー)の種類としては,例えば,フルーツ類や,植物類,動物類,乳類,茶類,菓子類を挙げることができる。
フルーツ類のフレーバーとしては,例えば,柑橘系(ミカン,オレンジ,グレープフルーツ,スウィーティー,キーライム,レモン等),ベリー系(イチゴ,ブルーベリー,ラズベリー,クランベリー等),核果系(桃,杏,プラム,マンゴー,梅,チェリー,ライチ,等),その他のフルーツ系(バナナ,ぶどう,イチジク,梨,りんご,パイナップル,メロン,キーウィ,アセロラ,パッションフルーツ,パパイヤ,アサイー,ヤーコン等)がある。
植物類のフレーバーとしては,例えば,ラベンダー,バラ,ヒノキ,バニラ,ジャスミン,ネロリ,イランイラン,チュベローズ,クラリセーズ,クローブ,ペパーミント,ゼラニウム,パッチェリー,ココナッツ,サンダルウッド,シンナモン,コリアンダー,ナツメグがある。
動物類のフレーバーとしては,例えば,ムスク,シベット,カストリウム,アンバーグリス,ジャコウを挙げることがある
乳類のフレーバーとしては,例えば,ミルク,バター,チーズ,クリーム,ヨーグルトがある。
茶類のフレーバーとしては,例えば,緑茶,ウーロン茶,紅茶,コーヒーなどがある。
菓子類のフレーバーとしては,例えば,ココア,チョコレートなどがある。
香料の種類は,上記したものに限定されず,食品添加物として用いられる公知のものを適宜採用することができる。
フルーツ類のフレーバーとしては,例えば,柑橘系(ミカン,オレンジ,グレープフルーツ,スウィーティー,キーライム,レモン等),ベリー系(イチゴ,ブルーベリー,ラズベリー,クランベリー等),核果系(桃,杏,プラム,マンゴー,梅,チェリー,ライチ,等),その他のフルーツ系(バナナ,ぶどう,イチジク,梨,りんご,パイナップル,メロン,キーウィ,アセロラ,パッションフルーツ,パパイヤ,アサイー,ヤーコン等)がある。
植物類のフレーバーとしては,例えば,ラベンダー,バラ,ヒノキ,バニラ,ジャスミン,ネロリ,イランイラン,チュベローズ,クラリセーズ,クローブ,ペパーミント,ゼラニウム,パッチェリー,ココナッツ,サンダルウッド,シンナモン,コリアンダー,ナツメグがある。
動物類のフレーバーとしては,例えば,ムスク,シベット,カストリウム,アンバーグリス,ジャコウを挙げることがある
乳類のフレーバーとしては,例えば,ミルク,バター,チーズ,クリーム,ヨーグルトがある。
茶類のフレーバーとしては,例えば,緑茶,ウーロン茶,紅茶,コーヒーなどがある。
菓子類のフレーバーとしては,例えば,ココア,チョコレートなどがある。
香料の種類は,上記したものに限定されず,食品添加物として用いられる公知のものを適宜採用することができる。
香料入りアルコールを作製するにあたり,アルコールと香料の混合比率は適宜調整すればよい。例えば,香料の混合比(質量比)は,香料入りアルコール全体の質量を100%とした場合に,0.03〜10%,0.05〜5%,0.07〜1%程度とすればよい。
次に,上記の脱渋部材(10)を柿のヘタの上に定置し,脱渋柿を製造する工程について説明する。図2は,柿に脱渋部材(10)を取り付ける様子を模式的に示している。図2(a)に示されるように,柿(20)は,大きく分けると,食に適する実(21)と,この実(21)の上部に設けられたヘタ(22)と,このヘタ(22)から上方に向かって延びる軸(23)とを含んでいる。柿の軸(23)は,柿の実が木の枝に付いた状態においては,実と枝とを繋ぐ部分である。
図2(b)に示されるように,収穫前の木なり状態の柿(20)に対しては,脱渋部材(10)に設けた切れ込み(14)によって柿の軸(23)を挟み込むようにして,この脱渋部材(10)を柿のヘタ(22)の上に定置することが好ましい。これにより,多少の雨風によっては,脱渋部材(10)が柿のヘタ(22)から簡単に外れないものとなる。なお,収穫後の柿に対しては,単純にヘタ(22)の上に脱渋部材(10)を載せて静置することとしてもよい。ただし,図2(b)に示すように,脱渋部材(10)の切れ込み(14)によって柿の軸(23)を挟み込むようにする取り付け方法が,最も好ましい方法である。柿(20)に対して脱渋部材(10)を取り付ける作業は,柿の収穫日の30日前までに行うことが好ましい。
脱渋部材(10)は,一定期間柿のヘタ(22)の上に定置される。これによって,脱渋部材(10)に含浸しているアルコールが,柿の実に作用して,柿の脱渋が促進される。このように,脱渋部材(10)をヘタ(22)の上に定置しておくことで,脱渋部材内のアルコールがヘタの表面から直接柿の実の中に浸透して徐々に拡散し,渋味の元であるタンニンを不溶性に変化させる。本発明者らの研究によれば,7〜10日程度の期間,脱渋部材(10)を柿のヘタ(22)の上に載せて置くことで,完全な脱渋柿を得ることができた。ただし,脱渋部材(10)は,10日以上定置してもよい。木なり柿の場合には,柿の実の収穫時に脱渋部材(10)を取り外すこととしてもよい。本発明の脱渋部材(10)は,アルコールが高吸水性樹脂(13)の中に封入されており,またこの高吸水性樹脂(13)は表面と裏面の両側から通気性を有するシート部材(11,12)によって保護されている。このため,この脱渋部材(10)を利用すれば,アルコールが局所的に柿の実に触れるような事態を回避できる。また,脱渋部材(10)内のアルコールを,柿の実に対して均一に作用させることができる。従って,脱渋部材(10)を長期間定置した場合であっても,従来の木なり脱渋法で作成した脱渋柿に見られたような褐変化や,黒斑点,軟化,あるいは腐敗などの障害が発生することを防止できる。
このように,本発明の製造方法で製造した脱渋柿は,従来の方法で得られた脱渋柿よりも多くの点で優れた品質を持つ。また,本発明の方法は,脱渋部材を柿のヘタの上に定置するという極めて単純な作業だけで済む。このため,生産者の作業負担が大きかった従来の方法に比べ,本発明の脱渋柿の製造方法によれば,1/3〜1/5程度の労働力で柿の脱渋を完了させることができる。
また,従来の木なり柿の脱渋法は,柿の花の満開後105日〜110日の間に脱渋作業を行う必要があり,作業期間の管理が難しいものであった。これに対して,本発明の方法では,収穫日の30日前までに脱渋部材を柿に取り付けておけば,その後は柿の収穫日まで脱渋部材を放置しておくことも可能である。このため,本発明の方法によれば,柿の脱渋処理の期間の制限を緩和することができる。
次に,香り付き脱渋柿の製造方法について説明する。本発明によれば,“香り”という付加価値を付与した新しい脱渋柿を製造することができる。本方法では,脱渋部材(10)内の高吸水性樹脂(13)に含浸させるアルコールとして,アルコールに香料を混合して得られる「香料入りアルコール」を用いる。それ以外の工程は,基本的に上述した脱渋処理と同じである。
すなわち,収穫後の柿においては,単純にヘタの上に「香料入りアルコール」を有する脱渋部材(10)を載せて静置するとしてもよいし,脱渋部材に設けた切れ込み(14)に柿の軸を挟むことでヘタの上に固定してもよい。収穫前の木なり柿においては,雨風などによって「香料入りアルコール」を有する脱渋部材が外れないように,脱渋部材(10)に設けた切れ込み(14)に柿の軸を挟む等の方法でヘタの上に固定するのが好ましい。この脱渋着香処理の間に,脱渋部材内のアルコールと共に香り成分がヘタの表面から直接柿の中に浸透して徐々に拡散し,柿の実全体にゆっくりと香りを付与することができる。本発明者らの研究によれば,通常,10日程度の脱渋着香処理によって,香り付き脱渋柿を得ることができる。「香料入りアルコール」を有する脱渋部材(10)は,10日以上定置してもよい。木なり柿の場合には,柿の実の収穫時に脱渋部材(10)を取り外すこととしてもよい。「香料入りアルコール」を有する脱渋部材(10)を長期間定置しても,従来の木なり脱渋法で作成した脱渋柿に見られた,褐変化,黒斑点,軟化,腐敗などの障害は見られない。
また,本発明の香り付き脱渋柿の製造方法は,従来の香り付き脱渋柿の製造方法には,無い利点を有する。
第一に,開花後105〜110日の間に木なり香り付き脱渋処理をした柿に顕著に見られる,商品価値を落とす現象,すなわち,アバタ果,軟化,落果などが起こらない点である。本発明の方法では,落葉前で収穫30日前に脱渋処理をした柿に障害果は全く見られなかった。
第二に,果肉に「ゴマ」が入らない点である。「ゴマ」とは,アルコールを用いて木なり脱渋柿を製造する際に,柿の果肉内に発露する黒く凝固した不溶性タンニンのことを指す。従来の木なり脱渋柿の製造方法では,渋柿を脱渋するときに,果肉の中にゴマが発生していた。これに対して,本発明の方法で製造した香り付き脱渋柿は,ゴマが入っていないにも関わらず,香りを付与できる。最近,ゴマ入り脱渋柿の人気が急上昇中ではあるが,消費者の大多数はゴマのない柿に慣れている。したがって,本発明の方法で製造したゴマなしの香り付き脱渋柿には,商品として十分な魅力がある。また,食味も良く甘く,日持ちも良いというメリットがある。ゴマなし香り付き脱渋柿は,ゴマ入り香り付き脱渋柿に比べれば,約10〜20%近く安価であるが,一般に流通しているゴマなし脱渋柿(収穫後脱渋)の価格よりも約20〜30%も高い。
第三に,香料入り脱渋部材は,収穫30日前の完全甘柿(いさはや等)に使用できることが実証された。甘柿には,ゴマは入らない。また,香料入り脱渋部材を使用した甘柿は,軟化したり,黒斑点が現れたり,アバタ果になったり小形果になったりするような障害は全く観察されない。メリットとして,落葉前の木なり香り完全甘柿は,収穫後の柿に比べれば、食味と甘さは殆んど変わりないが,日持ちは2倍強で,香りも非常に強くサクサクした食感も消費者に喜ばれている。
第四に,本発明の製造方法で製造した木なり香り付き脱渋柿は,これ以外の方法によって製造した脱渋柿に比べて,日持ちがはるかに長い点である。常温での日持ち日数が2〜3倍も延長できるようになる。落葉前の木なり香り付き脱渋柿は,日持ちの良いことは,すでに知られている。収穫後の柿(甘柿(いさはや),渋柿(平核無・市田・蜂屋))を使用して製造した香り付き脱渋柿では,木なりの柿を使用した場合に比べ,日持日数は約半分である。落葉前にヘタパットを使って製造した香り付き脱渋柿は,これ以外の方法によって製造した脱渋柿に比べればはるかに長い日持ちを得ることができる。これは,本発明の方法を使用して製造した木なり脱渋柿は,十分に光合成が出来,柿細胞も充実した柿を使用して製造されたためであると推察される。
第五に,木なり香り付き脱渋柿は,何の障害もなく干し柿(あんぽ柿)に加工することができる。あんぽ柿とは,例えば特開平8−289720号公報にあるように,干し柿の作成に際し,乾燥機を用いて乾燥に要する時間を短縮することで,水分が多くやわらかな仕上げにした干し柿である。香り付きあんぽ柿は,今までに市場に現れていない。落葉前木なり脱渋柿(または完全甘柿)で作ったあんぽ柿は,実もぎ脱渋柿(または完全甘柿)で作ったあんぽ柿に比べると,あらゆる品種(いさはや・平核無・市田・蜂屋)において,香り,糖度,食味が秀れている。これは、落葉前の木なり香り付き脱渋柿は,光合成が十分に行なわれ、果実内に糖分が蓄えられているからであると推察される。
続いて,本発明者が,本発明に至るために行った実験を,実施例として以下に記載する。
[実施例1]「いさはや柿(甘柿)」
樹齢10年のいさはや柿1本(二反畑)を実験用に選定(I)し,香り付き木なり脱渋柿(落葉前)A区と,香り付き実もぎ脱渋柿(落葉前収穫)C区とで,香り付き脱渋柿を各々20玉製造した。
樹齢10年のいさはや柿1本(二反畑)を実験用に選定(I)し,香り付き木なり脱渋柿(落葉前)A区と,香り付き実もぎ脱渋柿(落葉前収穫)C区とで,香り付き脱渋柿を各々20玉製造した。
着香開始日は,いさはや柿A区といさはや柿C区は共に平成26年10月20日とし,着香完了日(収穫日)は,A区C区共に平成26年10月30日とした。着香箇所はA区C区共に,ヘタの上にヘタパットを乗せヘタパットの切込みを柿の軸に挟み込む方法をとり,風雨にさらされても落下したり飛散したりしないようにした。また,香料は,1玉につきラベンダーオイル0.25mlに,アデチール750を3mlを混合した。
生柿の場合
A区とC区の重量は,同木Iの無処理区の甘柿に比較して不変であり,黒ゴマも観察されなかった。A区とC区の相違点は,A区では,C区に比べると香りが非常に強く,また,常温下での日持日数はA区ではC区に比べると約2倍にも達した。
A区とC区の重量は,同木Iの無処理区の甘柿に比較して不変であり,黒ゴマも観察されなかった。A区とC区の相違点は,A区では,C区に比べると香りが非常に強く,また,常温下での日持日数はA区ではC区に比べると約2倍にも達した。
干し柿にした場合
A区はC区に比べて香りが可なり強く,糖度も高かった。
A区はC区に比べて香りが可なり強く,糖度も高かった。
[実施例2] 「平核無柿(渋柿)」
樹齢40年の平核無柿1本(甚一畑)を実験用に選定(II)し,香り付き木なり脱渋柿(落葉前)B区と香り付き実もぎ脱渋柿(落葉前収穫)D区とで,香り付き脱渋柿を各々20玉製造した。この手法は,いさはや柿A区とC区と同じである。
樹齢40年の平核無柿1本(甚一畑)を実験用に選定(II)し,香り付き木なり脱渋柿(落葉前)B区と香り付き実もぎ脱渋柿(落葉前収穫)D区とで,香り付き脱渋柿を各々20玉製造した。この手法は,いさはや柿A区とC区と同じである。
着香開始日は,平核無柿B区とD区は共に平成26年10月30日とした。これは,いさはや柿に比べると熟期が10日余り遅いからである。着香完了日(収穫日)は,B区D区共に平成26年11月10日とした。着香箇所は,B区D区共にヘタの上にヘタパットの切り込みを柿の軸に挟み込む方法をとった。平核無柿の軸の長さは短いので,大風で飛散する心配はない。香料は,平核無柿1玉につきラベンダーオイル0.20mlにアデチール750を3ml混合した。ラベンダーオイルの量が,いさはや柿に比べて少ないのは,果実が若干小さいからである。
生柿の場合
B区とD区の重量は,同木IIの無処理区の渋柿に比較して不変であり,黒ゴマも観察されなかった。これは,着香開始日を開花後105日〜110日の間に限定して処理するのとは,信じ難いほどの違いである。これが最大の相違点である。B区とD区の他の相違点は,B区ではD区に比べると,常温での日持日数が,約2倍弱に達し,食味も上々で甘かった。着香開始日を遅らせて,脱渋処理をすれば,黒ゴマはつかないものの甘味は変わりない。消費者の大半は,ゴマのない脱渋柿を好み,香り付き柿であれば,尚更各方面にとってもプラスである。即ち,生産者は,着香脱渋日に限定されず随時に作業ができることは,生産者の生産意欲も盛り上げ,収入増にも繋がる。
B区とD区の重量は,同木IIの無処理区の渋柿に比較して不変であり,黒ゴマも観察されなかった。これは,着香開始日を開花後105日〜110日の間に限定して処理するのとは,信じ難いほどの違いである。これが最大の相違点である。B区とD区の他の相違点は,B区ではD区に比べると,常温での日持日数が,約2倍弱に達し,食味も上々で甘かった。着香開始日を遅らせて,脱渋処理をすれば,黒ゴマはつかないものの甘味は変わりない。消費者の大半は,ゴマのない脱渋柿を好み,香り付き柿であれば,尚更各方面にとってもプラスである。即ち,生産者は,着香脱渋日に限定されず随時に作業ができることは,生産者の生産意欲も盛り上げ,収入増にも繋がる。
干し柿にした場合
B区はD区に比べて,香りが可なり強い。
B区はD区に比べて,香りが可なり強い。
[実施例3] [市田柿(渋柿)]
樹齢6年の市田柿1本(前畑)を実験用に選定(III)し,香り付き木なり脱渋柿(落葉前)E区と,香り付き実もぎ脱渋柿(落葉前収穫)G区とで,香り付き脱渋柿を各々20玉製造した。
樹齢6年の市田柿1本(前畑)を実験用に選定(III)し,香り付き木なり脱渋柿(落葉前)E区と,香り付き実もぎ脱渋柿(落葉前収穫)G区とで,香り付き脱渋柿を各々20玉製造した。
着香開始日は,市田柿E区と市田柿G区は共に平成26年10月20日とし,着香完了日(収穫日)は,E区G区共に平成26年10月30日とした。着香箇所はE区G区共にヘタの上にヘタパットを乗せ,ヘタパットの切り込みを柿の多少長めの軸でなで肩のヘタにしっかりと挟み込む方法をとり,風雨にさらされても,落下したり飛散したりしないようにした。また,香料は,市田柿1玉につきラベンダーオイル0.20mlにアデチール750を3ml混合した。市田柿は小玉であるので,香料はこれで充分の量であると判断した。
生柿の場合
E区とG区の重量は,同木(III)の無処理区の渋柿に比べても同一で,黒ゴマも全く見当たらなかった。糖度が高い渋柿には,開花後105日〜110日の間に脱渋処理をしても,黒ゴマが観察されなかったのであるから,収穫前30日あたりの柿では尚更であると考えられる。E区とG区の相違点は,着香後の日持日数が,E区の方がG区よりも約50%長持ちし,糖度も約30%弱高いものであった。ただ,食味は良であるが,渋が口中に広がり我慢できないものであった。
E区とG区の重量は,同木(III)の無処理区の渋柿に比べても同一で,黒ゴマも全く見当たらなかった。糖度が高い渋柿には,開花後105日〜110日の間に脱渋処理をしても,黒ゴマが観察されなかったのであるから,収穫前30日あたりの柿では尚更であると考えられる。E区とG区の相違点は,着香後の日持日数が,E区の方がG区よりも約50%長持ちし,糖度も約30%弱高いものであった。ただ,食味は良であるが,渋が口中に広がり我慢できないものであった。
干し柿にした場合
E区,G区共に,色調,糖度,食味ともに干し柿の最高峰であると判断できた。ただし,香りは,あまり感じられなかった。
E区,G区共に,色調,糖度,食味ともに干し柿の最高峰であると判断できた。ただし,香りは,あまり感じられなかった。
[実施例4] 「蜂屋柿(渋柿)」
樹齢約30年の蜂屋柿1本(甚一畑)を実験用に選定(IV)し,香り付き木なり脱渋柿(落葉前)F区と,香り付き実もぎ脱渋柿(落葉前収穫)H区とで,香り付き脱渋柿を各々20玉製造した。この手法は,いさはや柿A区とC区,平核無柿B区とD区,市田柿E区とG区と同じである。
樹齢約30年の蜂屋柿1本(甚一畑)を実験用に選定(IV)し,香り付き木なり脱渋柿(落葉前)F区と,香り付き実もぎ脱渋柿(落葉前収穫)H区とで,香り付き脱渋柿を各々20玉製造した。この手法は,いさはや柿A区とC区,平核無柿B区とD区,市田柿E区とG区と同じである。
着香開始日は,蜂屋柿F区と蜂屋柿H区は共に平成26年10月30日とした。いさはや柿あるいは市田柿よりも約10日遅いのは,熟期が遅いからである。着香箇所は,F区,H区共にヘタの上であり,ここにヘタパットを乗せ,ヘタパットの切込みを多少長めの柿の軸に挟み込む方法をとり,大風にあっても落下したり飛ばされたりしないようにした。香料は,蜂屋柿1玉につき,ラベンダーオイル0.25mlに,アデチール750を3ml混合した。
生柿の場合
平均重量は,310g。これは,同木(IV)の無処理区の渋柿に比べても同じであり,黒ゴマは柿中心部に若干見られた。F区とH区には,香りがかなり強く観察され,食味は上々で,渋味はなかった。蜂屋柿F区とH区の相違点は,常温での日持日数が,F区ではH区よりも約16日(50%)も長いことである。また,軟果もなく黒褐変果もなかった。ポリ袋を掛けていないのでスリ傷果もなく,果皮にはデコボコ果も出なかった。
平均重量は,310g。これは,同木(IV)の無処理区の渋柿に比べても同じであり,黒ゴマは柿中心部に若干見られた。F区とH区には,香りがかなり強く観察され,食味は上々で,渋味はなかった。蜂屋柿F区とH区の相違点は,常温での日持日数が,F区ではH区よりも約16日(50%)も長いことである。また,軟果もなく黒褐変果もなかった。ポリ袋を掛けていないのでスリ傷果もなく,果皮にはデコボコ果も出なかった。
干し柿にした場合,
蜂屋柿F区とH区の相違点は,F区では,香りが可なり強く残っていて,あんぽ柿とは感じられないような別世界のドライフルーツの食感であると感じられた。
蜂屋柿F区とH区の相違点は,F区では,香りが可なり強く残っていて,あんぽ柿とは感じられないような別世界のドライフルーツの食感であると感じられた。
[実施例5] 落葉後の木なり柿の脱渋と着香テスト結果
落葉後の木なり柿にヘタパットを用いて,脱渋と着香テストを行なった。その結果,脱渋テストは成果があがらなかった。しかし,着香は全般にわたり,かなり良成績であった。脱渋と着香は,実もぎ柿の場合,落葉前に行なわれるべきことが判明した。
落葉後の木なり柿にヘタパットを用いて,脱渋と着香テストを行なった。その結果,脱渋テストは成果があがらなかった。しかし,着香は全般にわたり,かなり良成績であった。脱渋と着香は,実もぎ柿の場合,落葉前に行なわれるべきことが判明した。
[実施例6] 落葉後収穫の実もぎ柿の着香と食味テスト結果
落葉前に脱渋処理した木なり柿と完全甘柿とを使い,香りアルコールを含浸させたヘタパット(第2回目)によって得た各エッセンスの香りと食味テストの結果を以下に示す。テストの結果,柿とエッセンスの相性の良し悪しが判明した。バニラ,イチゴ,コーヒーは,柿果肉にスムーズに吸収されることが明らかとなった。今後の商品化のヒントになるものと推察される。
落葉前に脱渋処理した木なり柿と完全甘柿とを使い,香りアルコールを含浸させたヘタパット(第2回目)によって得た各エッセンスの香りと食味テストの結果を以下に示す。テストの結果,柿とエッセンスの相性の良し悪しが判明した。バニラ,イチゴ,コーヒーは,柿果肉にスムーズに吸収されることが明らかとなった。今後の商品化のヒントになるものと推察される。
本発明は,収穫前または収穫後の柿のヘタの上に,アルコールを含浸させた脱渋部材(ヘタパットという)を定置して柿の実の脱渋を行なう脱渋柿の製造方法に関する。したがって,本発明は,柿の生産業において好適に利用しうる。
10…脱渋部材 11,12…シート材 13…高吸水性樹脂 14…切れ込み
20…柿 21…実 22…ヘタ 23…軸
20…柿 21…実 22…ヘタ 23…軸
Claims (5)
- アルコールを含浸させた脱渋部材(10)を柿のヘタの上に定置する定置工程を含む,
脱渋柿の製造方法。 - 前記脱渋部材(10)は,
通気性を有する複数のシート部材(11,12)と,
前記複数のシート部材(11,12)の間に挟み込まれ,前記アルコールが含浸した高吸水性樹脂(13)と,を備える,
請求項1に記載の脱渋柿の製造方法。 - 前記アルコールは,アルコールと香料を混合して得られた香料入りアルコールである,
請求項1または2に記載の脱渋柿の製造方法。 - 前記定置工程は,木から収穫する前の柿のヘタの上に前記脱渋部材(10)を定置する工程である,
請求項1から請求項3のいずれかに記載の脱渋柿の製造方法。 - 通気性を有する複数のシート部材(11,12)と,
前記複数のシート部材(11,12)の間に挟み込まれ,アルコールが含浸した高吸水性樹脂(13)と,を備える
柿の脱渋部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015064811A JP2016182087A (ja) | 2015-03-26 | 2015-03-26 | 脱渋部材をヘタの上に定置する脱渋柿の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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