JP2016181959A - 車両用電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】損失を分担し、温度の上昇を抑止する。
【解決手段】実施形態の車両用電力変換装置は、単相交流電力を直流電力に変換する電力変換装置であって、2レベルコンバータと、3レベルコンバータと、制御部と、を備える。制御部は、2レベルコンバータと3レベルコンバータとによるマルチレベルコンバータから出力される電圧の一周期のうち、第1の期間において、2レベルコンバータでパルス幅変調制御を行うと共に3レベルコンバータでパルス幅変調制御を行わず、一周期のうち第1の期間以外において、2レベルコンバータでパルス幅変調制御を行わず、3レベルコンバータでパルス幅変調制御を行う。
【選択図】図6
【解決手段】実施形態の車両用電力変換装置は、単相交流電力を直流電力に変換する電力変換装置であって、2レベルコンバータと、3レベルコンバータと、制御部と、を備える。制御部は、2レベルコンバータと3レベルコンバータとによるマルチレベルコンバータから出力される電圧の一周期のうち、第1の期間において、2レベルコンバータでパルス幅変調制御を行うと共に3レベルコンバータでパルス幅変調制御を行わず、一周期のうち第1の期間以外において、2レベルコンバータでパルス幅変調制御を行わず、3レベルコンバータでパルス幅変調制御を行う。
【選択図】図6
Description
本発明の実施形態は、車両用電力変換装置に関する。
従来から、コンバータがダイオードクランプ形3レベル回路で構成されていることは多かった。
このコンバータに対して、近年、開発が進められているシリコンカーバイド素子等の低損失デバイスを適用することで、コンバータ装置を小型化することが期待されている。
しかしながら、現在提供されているシリコンカーバイド素子等においては、高い電圧に耐えられる素子がない。このため、素子の直列化や、現存のシリコン素子と組み合わせたマルチレベル化を行う必要がある。
そこで、従来技術においては、複数の回路(例えばインバータ)を組み合わせたマルチレベル回路が提案されている。
しかしながら、従来技術においては、複数のレベル回路を組み合わせたマルチレベル回路においては、いずれか一方のレベル回路の損失が大きくなるという問題が生じていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、損失分担を可能とする車両用電力変換装置を提供することを目的とする。
実施形態の車両用電力変換装置は、単相交流電力を直流電力に変換する電力変換装置であって、2レベルコンバータと、3レベルコンバータと、制御部と、を備える。2レベルコンバータは、コンデンサが設けられ、スイッチング素子と当該スイッチング素子と逆並列に接続されるダイオードとを有する一方のスイッチングデバイスが、単相交流電力を供給する電源と接続される第1の接続点を介して2個直列且つコンデンサに並列に接続され、他方のスイッチングデバイスが、第2の接続点を介して2個直列且つコンデンサと並列に接続される。3レベルコンバータは、2個直列接続されるコンデンサが設けられ、一方のスイッチングデバイスが第2の接続点と接続される第3の接続点を介して2個直列且つ2個直列接続されるコンデンサと並列に接続され、他方のスイッチングデバイスが、第4の接続点を介して2個直列且つ2個直列接続されるコンデンサと並列に接続され、第4の接続点から中性点までの経路上に、複数のスイッチングデバイスを逆極性に直列に接続する双方向スイッチが設けられる。制御部は、2レベルコンバータと3レベルコンバータとによるマルチレベルコンバータから出力される電圧の一周期のうち、第1の期間において、2レベルコンバータでパルス幅変調制御を行うと共に3レベルコンバータでパルス幅変調制御を行わず、一周期のうち第1の期間以外において、2レベルコンバータでパルス幅変調制御を行わず、3レベルコンバータでパルス幅変調制御を行う。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる車両用のマルチレベルコンバータ1を含む車両用電力変換装置11の構成を示した図である。図1に示すように、本実施形態にかかる車両用電力変換装置11は、単相3レベルコンバータ50と、単相2レベルコンバータ40と、を直列接続している。
図1は、第1の実施形態にかかる車両用のマルチレベルコンバータ1を含む車両用電力変換装置11の構成を示した図である。図1に示すように、本実施形態にかかる車両用電力変換装置11は、単相3レベルコンバータ50と、単相2レベルコンバータ40と、を直列接続している。
そして、車両用電力変換装置11は、リアクトル成分を有する受動素子2を介して電力系統等の交流電源100と接続し、単相交流電力を直流電力に変換した後、負荷3に対して電力を供給する。なお、本実施形態は、車両用電力変換装置11が搭載される車両を制限するものではなく、様々な車両に搭載して良い。負荷3は、本実施形態ではインバータとモータで構成されているが、どのような構成でも良い。
制御部150は、単相3レベルコンバータ50と、単相2レベルコンバータ40と、を制御する。
また、本実施形態の制御部150は、単相2レベルコンバータ40のスイッチングデバイス4a〜4dの各々の温度を検出するための温度センサ40a〜40dと接続されている。
そして、制御部150は、温度センサ40a〜40dで検出される、実施形態の単相2レベルコンバータ40のスイッチングデバイス4a〜4dの温度に応じて、単相2レベルコンバータ40及び単相3レベルコンバータ50の各々にかかる損失を制御する。
本実施形態の制御部150は、単相2レベルコンバータ40及び単相3レベルコンバータ50の各々にかかる損失を制御するための動作モードとして、モード1とモード2との間を切り替える。なお、具体的な制御については後述する。
単相2レベルコンバータ40は、単相コンバータであり、スイッチングデバイス4a〜4dと、(直流)コンデンサ14と、で構成される。また、単相2レベルコンバータ40では、スイッチングデバイス4a、4bが、単相交流電力を供給する交流電源100と接続される第1の接続点41を介して2個直列且つ当該コンデンサ14と並列に接続され、スイッチングデバイス4c、4dが、第2の接続点42を介して2個直列且つコンデンサ14と並列に接続される。
なお、各スイッチングデバイス4a〜4dには、自己消弧能力を有すると共にスイッチングを行うトランジスタ(スイッチング素子)4aa、4ba、4ca、4daと、トランジスタ4aa、4ba、4ca、4daに対して逆並列に接続された(還流)ダイオード4ab、4bb、4cb、4dbと、が含まれている。本実施形態にかかる単相2レベルコンバータ40は、SiC(シリコンカーバイドデバイス)で構成される。単相2レベルコンバータ40は、SiC(シリコンカーバイドデバイス)を用いることで、スイッチング損失を低減できる。
単相2レベルコンバータ40は、コンデンサ14より交流電源100側に、スイッチングデバイス4aと、スイッチングデバイス4bと、を直列に接続している。スイッチングデバイス4aは、コンデンサ14の正電位側に設けられ、スイッチングデバイス4bは、コンデンサ14の負電位側に設けられている。そして、単相2レベルコンバータ40は、スイッチングデバイス4aとスイッチングデバイス4bとの間の第1の接続点41を交流入出力点とし、第1の接続点41から、リアクトル成分を有する受動素子2を介して電力系統等の交流電源100と接続されている。
また、単相2レベルコンバータ40は、コンデンサ14より負荷3側に、スイッチングデバイス4cと、スイッチングデバイス4dと、を直列に接続している。スイッチングデバイス4cは、コンデンサ14の正電位側に設けられ、スイッチングデバイス4dは、コンデンサ14の負電位側に設けられている。そして、スイッチングデバイス4cとスイッチングデバイス4dと、の間の第2の接続点42(交流入出力点)から単相3レベルコンバータ50と接続されている。
次に、単相2レベルコンバータ40と負荷3との間に接続されている単相3レベルコンバータ50について説明する。単相3レベルコンバータ50は、2個のレグと、双方向スイッチングデバイス7と、(コンデンサ15a、コンデンサ15bで構成される)コンデンサ部15と、を備える。
単相3レベルコンバータ50は、2個直列接続されたコンデンサ15a、15bが設けられ、スイッチングデバイス5a、5bが(第2の接続点42と接続される)第3の接続点42aを介して2個直列且つ2個直列接続されるコンデンサ15a、15bと並列に接続され、スイッチングデバイス5c、5dが、第4の接続点42bを介して2個直列且つ2個直列接続されるコンデンサ15a、15bと並列に接続され、第4の接続点42bから中性点9までの経路上に、複数のスイッチングデバイス5e、5fを逆極性に直列に接続する双方向スイッチングデバイス7が設けられている。
なお、各スイッチングデバイス5a〜5fには、自己消弧能力を有すると共にスイッチングを行うトランジスタ(スイッチング素子)5aa、5ba、5ca、5da、5ea、5faと、トランジスタ5aa、5ba、5ca、5da、5ea、5faに対して逆並列に接続された(還流)ダイオード5ab、5bb、5cb、5db、5eb、5fbとが含まれている。
単相3レベルコンバータ50が備える2個のレグのうち一方は、スイッチングデバイス5a、スイッチングデバイス5bにより構成される。スイッチングデバイス5a、5bは直列に接続される。スイッチングデバイス5aは、コンデンサ部15の正電位と第3の接続点42aとの間に接続される。スイッチングデバイス5bは、コンデンサ部15の負電位と第3の接続点42aとの間に接続される。第3の接続点42aは、第2の接続点42と接続する点とする。
単相3レベルコンバータ50が備える2個のレグのうち他方は、スイッチングデバイス5c、スイッチングデバイス5dにより構成される。スイッチングデバイス5c、5dは直列に接続される。スイッチングデバイス5cは、コンデンサ部15の正電位と(双方向スイッチングデバイス7及び中性点9側と接続する)第4の接続点42bとの間に接続される。スイッチングデバイス5dは、コンデンサ部15の負電位と第4の接続点42bの間に接続される。
単相3レベルコンバータ50では、スイッチングデバイス5c、5d、5eを接続する第4の接続点42bを交流入出力点とし、リアクトル成分を有する受動素子2を介して電力系統等の交流電源100と接続される。
2個のレグの第4の接続点42b(他方の交流入出力点)の負荷3側には双方向スイッチングデバイス7が接続される。双方向スイッチングデバイス7は、逆極性に直列接続されたスイッチングデバイス5e、5fを有している。双方向スイッチングデバイス7の負荷3側は、コンデンサ部15と接続される。
コンデンサ部15は、コンデンサ15a、コンデンサ15bを有している。コンデンサ15aとコンデンサ15bは直列に接続される。コンデンサ15aは、負荷3の正電位導線10aを正側に、中性点9を負側に接続する。コンデンサ15bは、中性点9を正側に、負荷3の負電位導線10bを負側に接続する。コンデンサ部15内で直列接続されたコンデンサ15a、15bの間は、中性点9と接続される。
本実施形態にかかる単相2レベルコンバータ40は、上述したように、スイッチング損失が少ないシリコンカーバイドデバイス(SiC)等で構成され、単相3レベルコンバータ50は、高耐圧のシリコンデバイス等で構成される。これにより、単相2レベルコンバータ40は、単相3レベルコンバータ50より、スイッチング損失を少なくできる。これにより、単相2レベルコンバータ40のスイッチング回数を多くした場合でも、スイッチング損失を抑えることができる。一方、単相3レベルコンバータ50は、単相2レベルコンバータ40より、耐電圧性が高くなる。
図1に示されるように、中性点9を接地した場合、接地点に対してスイッチングデバイス5a〜5fは、中性点9を基点として、コンデンサ15a又は15bの電圧分の電位を有する。これに対して、スイッチングデバイス4a〜4dは、中性点9を基点として、コンデンサ15a又は15bの電圧に、さらにコンデンサ14の電圧を加算した電圧分の電位となる。このため、車両用電力変換装置11では、単相3レベルコンバータ50と、単相2レベルコンバータ40と、の間の電位差を考慮して、絶縁設計を行う必要がある。
単相3レベルコンバータ50の基本出力周期内では、単相3レベルコンバータ50の出力電圧が5段階で調整可能である。当該単相3レベルコンバータ50が有する(可制御)スイッチングデバイス5a〜5fの切り替え位相を制御する。次に、単相3レベルコンバータ50の5段階の出力電圧を含めて、車両用電力変換装置11の指令値電圧について説明する。
図2は、第1の実施形態にかかる車両用電力変換装置11に対する出力電圧指示に対応する、動作モードがモード1における各コンバータの指令値電圧を示した図である。図2には、車両用電力変換装置11の出力電圧指令値Vref201と、単相3レベルコンバータ50の指令値電圧202と、単相2レベルコンバータ40の指令値電圧203と、単相2レベルコンバータ40の出力電圧204と、が示されている。
つまり、本実施形態にかかる車両用電力変換装置11は、単相3レベルコンバータ50の指令値電圧202と単相2レベルコンバータ40の指令値電圧203とを組み合わせることで、車両用電力変換装置11の出力電圧指令値Vref201を実現している。
そして、本実施形態にかかる車両用電力変換装置11は、通常(動作モードがモード1の場合)、スイッチング損失が低い単相2レベルコンバータ40を、単相3レベルコンバータ50よりスイッチング周波数を高くした上で、出力電圧指令値Vref201の詳細な変化に追従するように単相2レベルコンバータ40を制御する。これにより詳細な電圧の制御と、スイッチング損失の低減とを実現する。
一般に、シリコンカーバイドデバイスなどのスイッチング損失が少ない素子は、耐電圧性が低いことが多い。そこで、本実施形態のモード1では、電圧の大きな変化を可能とするために、耐電圧性の高い単相3レベルコンバータ50に対して、階段波形を実現するための制御を行うこととした。
本実施形態では、車両用電力変換装置11の出力電圧指令値Vref201について、単相3レベルコンバータ50のコンデンサ15a、15bの直流電圧を出力するための閾値が設けられている。例えば、単相3レベルコンバータ50のコンデンサ15a、15bのいずれか1つで直流電圧を出力するための電圧の閾値を±Vthr1とする。さらには、単相3レベルコンバータ50のコンデンサ15a、15bの両方の直流電圧を出力するための電圧の閾値を±Vthr2とする。そして、制御部150は、出力電圧指令値Vrefが、電圧の閾値±Vthr1及び電圧の閾値±Vthr2を超えたか否かに基づいて、単相3レベルコンバータ50に含まれるスイッチングデバイス5a〜5fを制御する。
図2の指令値電圧202に示されるように、単相3レベルコンバータ50の出力電圧値202は、負の(コンデンサ15a、15bによる)全電圧、負の(コンデンサ15a、15bのいずれか一方による)半電圧、0、正の(コンデンサ15a、15bのいずれか一方による)半電圧、及び正の(コンデンサ15a、15bによる)全電圧の5段階で出力電圧値が制御される。そして、制御部150は、出力電圧値を5段階で切り替えるタイミングである、時刻t1〜t8に対応する位相の制御を行う。
さらには、単相2レベルコンバータ40の指令値電圧203に基づいて、制御部150は、単相2レベルコンバータ40の出力電圧204となるよう制御する。次に具体的なスイッチングデバイスの制御について説明する。
図3は、モード1における各コンバータに含まれているスイッチングデバイスによるスイッチ制御を示した図である。図3に示す例では、単相3レベルコンバータ50側のスイッチングデバイス5a〜5fのスイッチ制御205と、単相2レベルコンバータ40側のスイッチングデバイス4a〜4dのスイッチ制御206と、が示されている。
そして、Vthr1≧Vref≧−Vthr1の条件を満たす場合(時刻0〜t1、t4〜t5、t8以降)、制御部150は、単相3レベルコンバータ50に含まれる「スイッチングデバイス5a且つスイッチングデバイス5c」の組み合わせ、及び「スイッチングデバイス5b且つスイッチングデバイス5d」の組み合わせ、のうちいずれか1つの組み合わせをオン状態とする。これにより、単相3レベルコンバータ50の出力電圧には、コンデンサ15a、15bの電圧が重畳されず、制御部150が、単相2レベルコンバータ40に対するパルス幅変調制御でコンバータ全体の出力電圧指令値Vrefを出力する。さらに、本実施形態の制御部150は、単相3レベルコンバータ50に含まれる「スイッチングデバイス5a且つスイッチングデバイス5c」をオン状態にするときに、スイッチングデバイス5fをオン状態にしておく。さらに、制御部150は、単相3レベルコンバータ50に含まれる「スイッチングデバイス5b且つスイッチングデバイス5d」をオン状態にするときに、スイッチングデバイス5eをオン状態にしておく。
Vthr2≧Vref>Vthr1の条件を満たす場合(時刻t1〜t2、t3〜t4)、制御部150は、単相3レベルコンバータ50に含まれるスイッチングデバイス5a、5e、5fをオン状態に制御する。これにより、コンバータ出力電圧に、コンデンサ15aの電圧が足されるため、単相2レベルコンバータ40は、コンバータ全体の出力電圧指令値Vrefからコンデンサ15aの電圧を差し引いた差分電圧を、制御部150によるパルス幅変調制御に従って出力する。
Vref>Vthr2の条件を満たす場合(時刻t2〜t3)、制御部150は、単相3レベルコンバータ50に含まれるスイッチングデバイス5a、5dをオン状態とする。これにより、コンバータ出力電圧に、コンデンサ15a、15bの電圧が足されるため、単相2レベルコンバータ40はコンバータ全体の出力電圧指令値Vrefからコンデンサ15a、15bの電圧を差し引いた差分電圧を、制御部150によるパルス幅変調制御により出力する。さらに、本実施形態の制御部150は、単相3レベルコンバータ50に含まれるスイッチングデバイス5a、5dをオン状態にするときに、スイッチングデバイス5eをオン状態にしておく。
−Vthr1>Vref≧−Vthr2の条件を満たす場合(時刻t5〜t6、t7〜t8)、制御部150は、単相3レベルコンバータ50に含まれるスイッチングデバイス5b、5e、及び5fをオン状態とする。これにより、コンバータ出力電圧から、コンデンサ15bの電圧が引かれるため、単相2レベルコンバータ40はコンバータ全体の出力電圧指令値Vrefにコンデンサ15bの電圧を加算した差分電圧を、制御部150によるパルス幅変調制御により出力する。
−Vthr2>Vrefの条件を満たす場合(時刻t6〜t7)、制御部150は、単相3レベルコンバータ50に含まれるスイッチングデバイス5b、及び5cをオン状態とする。これにより、コンバータ出力電圧からコンデンサ15a、15bの電圧が引かれるため、単相2レベルコンバータ40は、コンバータ全体の出力電圧指令値Vrefに、コンデンサ15a、15bの電圧を加算した差分電圧を、制御部150によるパルス幅変調制御により出力する。さらに、本実施形態の制御部150は、単相3レベルコンバータ50に含まれるスイッチングデバイス5b、5cをオン状態にするときに、スイッチングデバイス5fをオン状態にしておく。
このように、本実施形態にかかる制御部150は、単相3レベルコンバータ50に含まれるスイッチングデバイス5a〜5fを、所定電圧単位(閾値±Vthr2、閾値±Vthr1)で制御する。そして、制御部150は、所定電圧より小さい出力電圧の変化に対応して、単相2レベルコンバータ40に含まれるスイッチングデバイス4a〜4dを制御する。
図2〜図3に示したモード1の例においては、単相3レベルコンバータ50が階段波形を出力し、単相2レベルコンバータ40がマルチレベルコンバータ1全体の出力電圧指令値Vrefと単相3レベルコンバータ50の階段波形との差分電圧を出力する。これにより、マルチレベルコンバータ1全体での損失低減を実現できる。
しかしながら、図2〜図3に示したモード1の例では、単相2レベルコンバータ40で生じているスイッチング損失のため、単相2レベルコンバータ40のスイッチングデバイス4a〜4dの温度が上昇する。このため、図3で示したPWM制御を停止して、温度上昇を抑制するのが好ましい。そこで、本実施形態では、単相2レベルコンバータ40が予め設定された温度以上になった場合に、動作モードを、モード1からモード2に切り替える。モード2では、マルチレベルコンバータ1の基本周期のうち、一部期間において、単相2レベルコンバータ40の代わりに単相3レベルコンバータ50でPWM制御を行う。これにより、単相2レベルコンバータ40のスイッチング損失を低減し、単相2レベルコンバータ40の温度上昇を抑制する。
なお、予め設定された温度は、実施の態様に応じて定められるが、単相2レベルコンバータ40のスイッチングデバイス4a〜4dの定格温度を超えないように設定される。例えば、スイッチングデバイス4a〜4dの上限となる定格温度に、所定値(例えば、10℃〜20℃)を減算した値を、予め設定された温度として設定する。
本実施形態では、一部期間を、Vref>Vthr2の条件を満たす期間、及びVref<−Vthr2の条件を満たす期間とする。つまり、電流値が高い期間でスイッチング損失が大きくなるため、電流値が大きくなる上記の期間(t2〜t3、t6〜t7)で、単相2レベルコンバータ40の代わりに、単相3レベルコンバータ50がPWM制御を行うことで、単相2レベルコンバータ40のスイッチング負担を軽減できる。
図4は、第1の実施形態にかかる車両用電力変換装置11に対する出力電圧指示に対応する、動作モードがモード2における各コンバータの指令値電圧を示した図である。図4には、車両用電力変換装置11の出力電圧指令値Vref201と、単相3レベルコンバータ50の指令値電圧212と、単相2レベルコンバータ40の指令値電圧213と、単相2レベルコンバータ40の出力電圧214と、が示されている。
図2と異なる点としては、t2〜t3、t6〜t7間において、単相2レベルコンバータ40に対する出力電圧指令213を0とし、単相3レベルコンバータ50に対する出力電圧指令212を、車両用電力変換装置11の出力電圧指令値Vref201と同じとする制御を行うところとする。
図5は、モード2における各コンバータに含まれているスイッチングデバイスによるスイッチ制御を示した図である。図5に示す例では、単相3レベルコンバータ50側のスイッチングデバイス5a〜5fのスイッチ制御215と、単相2レベルコンバータ40側のスイッチングデバイス4a〜4dのスイッチ制御216と、が示されている。
図5に示すモード2のスイッチング制御は、モード1のスイッチング制御を示した図3と比べて、t2〜t3、t6〜t7間の制御が異なる。
つまり、モード2では、単相3レベルコンバータ50が、t2〜t3、t6〜t7間において交流波形を出力する必要がある。このため、制御部150は、単相3レベルコンバータ50に対してパルス幅変調制御を行う。
時刻t2〜t3、換言すればVref>Vthr2の条件を満たす期間の場合、制御部150は、単相2レベルコンバータ40に含まれるスイッチングデバイス4a、4cをオン状態とし、単相2レベルコンバータ40のコンデンサ14に電流が流れない経路を生成する。また、制御部150は、コンデンサ15a単体の電圧と、コンデンサ15a+15bの電圧と、のデューティー比をパルス幅変調制御で出力する。そこで、制御部150は、単相3レベルコンバータ50に含まれるスイッチングデバイス5a、5eをオン状態とした上で、単相3レベルコンバータ50に含まれるスイッチングデバイス5d、5fをパルス幅変調制御する。これにより、時刻t2〜t3において、単相3レベルコンバータ50全体で出力電圧指令値Vrefになるような制御がなされる。
時刻t6〜t7、換言すればVref<−Vthr2の条件を満たす期間の場合、制御部150は、単相2レベルコンバータ40に含まれるスイッチングデバイス4b、4dをオン状態とし、単相2レベルコンバータ40のコンデンサ14に電流が流れない経路を生成する。また、制御部150は、コンデンサ15b単体の電圧と、コンデンサ15a+15bの電圧と、のデューティー比をパルス幅変調制御で出力する。単相3レベルコンバータ50に含まれるスイッチングデバイス5b、5fをオン状態とした上で、単相3レベルコンバータ50に含まれるスイッチングデバイス5c、5eをパルス幅変調制御する。これにより、時刻t6〜t7において、単相3レベルコンバータ50全体で出力電圧指令値Vrefになるような制御がなされる。
上述した制御を行うことで、本実施形態のマルチレベルコンバータ1では、スイッチング損失を、単相2レベルコンバータ40及び単相3レベルコンバータ50で分担することができる。これにより、単相2レベルコンバータ40の発熱を抑止できる。また、時刻t2〜t3でスイッチングデバイス4a、4cをオン状態とし、時刻t6〜t7でスイッチングデバイス4b、4dをオン状態とすることで、通電経路を切り替えている。これにより、通電による発熱を分担できる。次に、制御部150の構成について説明する。
図6は、本実施形態の制御部150の構成を例示したブロック図である。図6に示されるように、制御部150は、コンデンサ電圧制御部601と、電流制御部602と、温度判定部603と、電圧指令値生成部604と、2レベル用制御部605と、3レベル用制御部606と、電圧値判定部607と、正負判定部608と、演算部609と、を備える。
そして、制御部150は、上述した構成を用いることで、単相2レベルコンバータ40と単相3レベルコンバータ50とによるマルチレベルコンバータ1から出力される電圧の一周期のうち、所定の期間(本実施形態では、最初〜時刻t2、時刻t3〜t6、時刻t7〜最後)において、単相2レベルコンバータ40のスイッチングデバイス4a〜4dのうちいずれか一つ以上でPWM制御を行うと共に単相3レベルコンバータ50のスイッチングデバイス5a〜5fでPWM制御を行わない。そして、制御部150は、一周期のうち所定の周期以外(時刻t2〜t3、時刻t6〜t7)において、単相2レベルコンバータ40のスイッチングデバイス4a〜4dでPWM制御を行わず、単相3レベルコンバータ50のスイッチングデバイス5a〜5fのうちいずれか一つ以上でPWM制御を行う。
コンデンサ電圧制御部601は、コンデンサ14、及びコンデンサ15a、15bの電圧を調整するための電力制御を行う。そして、コンデンサ電圧制御部601は、コンデンサ14、コンデンサ15a、15bの電圧を調整するため電流指令値を出力する。
演算部609は、コンデンサ電圧制御部601から出力された電流指令値に、負荷3に対する電流指令値を、加算する。
電流制御部602は、演算部609から入力された電流指令値に基づいた電流が流れるようにP制御もしくはPI制御を行う。
温度判定部603は、温度センサ40a〜40dで検出された、単相2レベルコンバータ40のスイッチングデバイス4a〜4dの各々の温度が、予め設定された温度を超えたか否かを判定する。そして、単相2レベルコンバータ40のスイッチングデバイス4a〜4dの各々の温度が、予め設定された温度を超えていない場合には、モード1で制御する指示を、電圧指令値生成部604、2レベル用制御部605、及び3レベル用制御部606に行う。また、温度判定部603は、予め設定された温度を超えている場合には、モード2で制御する指示を、電圧指令値生成部604、2レベル用制御部605、及び3レベル用制御部606に行う。
電圧指令値生成部604は、第1のスイッチ651と、モード1用指令値生成部611と、モード2用指令値生成部612と、を備え、2レベルコンバータ出力電圧指令値と、3レベルコンバータ出力電圧指令値と、を出力する。
第1のスイッチ651は、温度判定部603からの指示に従って、切り替え制御を行う。例えば、第1のスイッチ651は、モード1で制御する指示を受け付けた場合に、モード1用指令値生成部611側に切り替える。また、第1のスイッチ651は、モード2で制御する指示を受け付けた場合に、モード2用指令値生成部612側に切り替える。
図7は、本実施形態のモード1の出力電圧指令値と、モード2の出力電圧指令値と、を例示した図である。図7に示されるように、温度判定部603からモード1で制御する指示を受け付けた場合に、電圧指令値生成部604は、図7(A)に示されるような、3レベルコンバータ出力電圧指令値と、2レベルコンバータ出力電圧指令値と、を出力する。温度判定部603からモード2で制御する指示を受け付けた場合に、電圧指令値生成部604は、図7(B)に示されるような、3レベルコンバータ出力電圧指令値と、2レベルコンバータ出力電圧指令値と、を出力する。
図6に戻り、モード1用指令値生成部611は、モード1の場合の2レベルコンバータ出力電圧指令値と、3レベルコンバータ出力電圧指令値と、を生成し、出力する。
モード2用指令値生成部612は、モード2の場合の2レベルコンバータ出力電圧指令値と、3レベルコンバータ出力電圧指令値と、を生成し、出力する。
電圧値判定部607は、出力電圧指令値Vref>Vthr2、又は出力電圧指令値Vref<−Vthr2か否かを判定する。そして、電圧値判定部607は、Vref>Vthr2、又はVref<−Vthr2ではない、換言すれば、−Vthr2≦Vref≦Vthr2の場合に、単相2レベルコンバータ40側でPWM制御を行うための指示を行う。また、電圧値判定部607は、Vref>Vthr2、又はVref<−Vthrである場合に、単相3レベルコンバータ50側でPWM制御を行うための指示を行う。
正負判定部608は、出力電圧指令値Vrefが正か否かを判定する。そして、正負判定部608は、正と判定した場合に、正の場合の制御を行うための指示を行う。また、正負判定部608は、負と判定した場合に、負の場合の制御を行うための指示を行う。
2レベル用制御部605は、第2のスイッチ652と、第4のスイッチ654と、第6のスイッチ656と、第1のPWM制御部621と、第2のPWM制御部622と、正用ロジック制御部623と、負用ロジック制御部624と、を備え、単相2レベルコンバータ40を制御する。
第2のスイッチ652は、温度判定部603からの指示に従って、切り替え制御を行う。例えば、第2のスイッチ652は、モード1で制御する指示を受け付けた場合に、第1のPWM制御部621側に切り替える。例えば、第2のスイッチ652は、モード2で制御する指示を受け付けた場合に、第4のスイッチ654側に切り替える。
第1のPWM制御部621は、2レベルコンバータ出力電圧指令値に従って、単相2レベルコンバータ40が有するスイッチングデバイス4a〜4dのオン/オフを制御する。第1のPWM制御部621は、単相2レベルコンバータ40が、単相3レベルコンバータ50の階段波形とマルチレベルコンバータ1の出力電圧の差分電圧を補償できるように、(可制御)スイッチングデバイス4a〜4dに対して高速スイッチング制御を行う。
第4のスイッチ654は、電圧値判定部607からの指示に従って切り替え制御を行う。例えば、第4のスイッチ654は、電圧値判定部607から、出力電圧指令値Vref>Vthr2、又は出力電圧指令値Vref<−Vthr2ではない、換言すれば出力電圧指令値−Vthr2≦Vref≦Vthr2であり、単相2レベルコンバータ40側でPWM制御を行うための指示を受け付けた場合に、第2のPWM制御部622側に切り替える。また、第4のスイッチ654は、電圧値判定部607から、出力電圧指令値Vref>Vthr2、又はVref<−Vthr2であり単相3レベルコンバータ50側でPWM制御を行うための指示を受け付けた場合に、第6のスイッチ656側に切り替える。
第2のPWM制御部622は、2レベルコンバータ出力電圧指令値に従って、単相2レベルコンバータ40が有するスイッチングデバイス4a〜4dをオン/オフを制御する。具体的には、一部期間(時刻t2〜t3、時刻t6〜t7)を除いて、第1のPWM制御部621と同様の高速スイッチング制御を行うことになる。
第6のスイッチ656は、正負判定部608からの指示に従って切り替え制御を行う。例えば、第6のスイッチ656は、正負判定部608から、出力電圧指令値Vrefが正であり、正の場合の制御を行うための指示を受け付けた場合に、正用ロジック制御部623側に切り替える。また、第6のスイッチ656は、正負判定部608から、出力電圧指令値Vrefが負であり、負の場合の制御を行うための指示を受け付けた場合に、負用ロジック制御部624側に切り替える。
正用ロジック制御部623は、出力電圧指令値Vref>Vthr2の場合の制御として、単相2レベルコンバータ40に含まれるスイッチングデバイス4a、4cをオン状態とする制御を行う。
負用ロジック制御部624は、出力電圧指令値Vref<−Vthr2の場合の制御として、単相2レベルコンバータ40に含まれるスイッチングデバイス4b、4dをオン状態とする制御を行う。
3レベル用制御部606は、第3のスイッチ653と、第5のスイッチ655と、第1のロジック制御部631と、第2のロジック制御部632と、PWM制御部633と、を備える。
第3のスイッチ653は、温度判定部603からの指示に従って、切り替え制御を行う。例えば、第3のスイッチ653は、モード1で制御する指示を受け付けた場合に、第1のロジック制御部631側に切り替える。例えば、第3のスイッチ653は、モード2で制御する指示を受け付けた場合に、第5のスイッチ655側に切り替える。
第1のロジック制御部631は、3レベルコンバータ出力電圧指令値に従って、電圧の閾値±Vthr1及び電圧の閾値±Vthr2を超えたか否かに基づいて、単相3レベルコンバータ50に含まれるスイッチングデバイス5a〜5fを制御する。
第5のスイッチ655は、電圧値判定部607からの指示に従って切り替え制御を行う。例えば、第5のスイッチ655は、電圧値判定部607から、出力電圧指令値Vref>Vthr2、又は出力電圧指令値Vref<−Vthr2ではない、換言すれば出力電圧指令値−Vthr2≦Vref≦Vthr2であり、単相2レベルコンバータ40側でPWM制御を行うための指示を受け付けた場合(単相3レベルコンバータ50側は階段波形制御)に、第2のロジック制御部632側に切り替える。また、第5のスイッチ655は、電圧値判定部607から、出力電圧指令値Vref>Vthr2、又はVref<−Vthrであり単相3レベルコンバータ50側でPWM制御を行うための指示を受け付けた場合に、PWM制御部633側に切り替える。
第2のロジック制御部632は、3レベルコンバータ出力電圧指令値に従って、電圧の閾値±Vthr1を超えたか否かに基づいて、単相3レベルコンバータ50に含まれるスイッチングデバイス5a〜5fを制御する。具体的には一部期間(t2〜t3、t6〜t7)を除いて、第1のロジック制御部631と同様の制御を行うことになる。
PWM制御部633は、3レベルコンバータ出力電圧指令値に従って、単相3レベルコンバータ50が有する、スイッチングデバイス5a〜5fのオン/オフを制御する。
本実施形態の制御部150では、上述した構成を備えることで、単相2レベルコンバータ40のスイッチングデバイスの温度上昇が大きい場合は、動作モードをモード2に切り替えることで、単相3レベルコンバータ50の損失の増加と引き換えに、単相2レベルコンバータ40の損失を低減し、温度上昇を抑制できる。
次に、本実施形態の制御部150における、切り替え処理について説明する。図8は、本実施形態の制御部150における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まず、温度判定部603が、温度センサ40a〜40dで検出された、単相2レベルコンバータ40のスイッチングデバイス4a〜4dの温度情報に基づいて、モード1で制御するか否かを判定する(ステップS801)。モード1で制御すると判定した場合(ステップS801:Yes)、温度判定部603が、第1のスイッチ651を、モード1用指令値生成部611側に切り替える(ステップS802)。また、温度判定部603が、第2のスイッチ652を、第1のPWM制御部621側に切り替える(ステップS803)。また、温度判定部603が、第3のスイッチ653を、第1のロジック制御部631側に切り替える(ステップS804)。
一方、温度判定部603が、モード1で制御しない、換言すればモード2で制御すると判定した場合(ステップS801:No)、温度判定部603が、第1のスイッチ651を、モード2用指令値生成部612側に切り替える(ステップS805)。また、温度判定部603が、第2のスイッチ652を、第4のスイッチ654側に切り替える(ステップS806)。また、温度判定部603が、第3のスイッチ653を、第5のスイッチ655側に切り替える(ステップS807)。
次に、電圧値判定部607が、出力電圧指令値Vref>Vthr2、又は出力電圧指令値Vref<−Vthr2か否かを判定する(ステップS808)。
電圧値判定部607が、出力電圧指令値Vref>Vthr2、又は出力電圧指令値Vref<−Vthr2ではない、換言すれば−Vthr2≦Vref≦Vthr2と判定した場合(ステップS808:No)、第4のスイッチ654を第2のPWM制御部622側に切り替える(ステップS809)。また、電圧値判定部607は、第5のスイッチ655を第2のロジック制御部632側に切り替える(ステップS810)。
一方、電圧値判定部607が、出力電圧指令値Vref>Vthr2、又は出力電圧指令値Vref<−Vthr2であると判定した場合(ステップS808:Yes)、第4のスイッチ654を第6のスイッチ656側に切り替える(ステップS811)。また、電圧値判定部607は、第5のスイッチ655をPWM制御部633側に切り替える(ステップS812)。
次に、正負判定部608が、出力電圧指令値が正か否かを判定する(ステップS813)。そして、正負判定部608が、出力電圧指令値が正であると判定した場合(ステップS813:Yes)、第6のスイッチ656を正用ロジック制御部623側に切り替える(ステップS814)。また、正負判定部608が、出力電圧指令値が正ではない、負であると判定した場合(ステップS813:No)、第6のスイッチ656を負用ロジック制御部624側に切り替える(ステップS815)。
上述した処理手順により、出力電圧指令値及び単相2レベルコンバータ40の温度状況に応じたマルチレベルコンバータ1の制御を実現できる。
(第1の実施形態の変形例)
上述した実施形態では、温度センサ40a〜40dで検出された、単相2レベルコンバータ40のスイッチングデバイス4a〜4dの温度が予め設定された温度以上であるか否かに基づいて、動作モードを切り替える例について説明した。しかしながら、上述した実施形態は、単相2レベルコンバータ40のスイッチングデバイス4a〜4dの温度が予め設定された温度以上であるか否かで切り替える例に制限するものではない。そこで、第1の実施形態の変形例では、他の態様で切り替える例について説明する。本変形例では、単相3レベルコンバータ50のスイッチングデバイス5a〜5fの各々にも温度センサが設けられている例とする。
上述した実施形態では、温度センサ40a〜40dで検出された、単相2レベルコンバータ40のスイッチングデバイス4a〜4dの温度が予め設定された温度以上であるか否かに基づいて、動作モードを切り替える例について説明した。しかしながら、上述した実施形態は、単相2レベルコンバータ40のスイッチングデバイス4a〜4dの温度が予め設定された温度以上であるか否かで切り替える例に制限するものではない。そこで、第1の実施形態の変形例では、他の態様で切り替える例について説明する。本変形例では、単相3レベルコンバータ50のスイッチングデバイス5a〜5fの各々にも温度センサが設けられている例とする。
そして、本変形例の温度判定部603は、単相2レベルコンバータ40のスイッチングデバイス4a〜4dの温度と、単相3レベルコンバータ50のスイッチングデバイス5a〜5fの温度と、の間の相対的な温度の違いに基づいて、動作モードを切り替える。なお、相対的な温度の違いは、単相2レベルコンバータ40のスイッチングデバイス4a〜4dの定格温度、単相3レベルコンバータ50のスイッチングデバイス5a〜5fの定格温度等を考慮して定めるものとして説明を省略する。
(第2の実施形態)
上述した実施形態及び変形例では、スイッチングデバイスの温度に基づいて、動作モードを切り替える例について説明した。しかしながら、動作モードの切り替えを、スイッチングデバイスの温度に基づくものに制限するものではない。
上述した実施形態及び変形例では、スイッチングデバイスの温度に基づいて、動作モードを切り替える例について説明した。しかしながら、動作モードの切り替えを、スイッチングデバイスの温度に基づくものに制限するものではない。
そこで第2の実施形態では、電流指令値に基づく例について説明する。図9は、本実施形態の制御部900の構成例を示した図である。図9に示される制御部900は、第1の実施形態の制御部150と比べて、温度判定部603を電流判定部901に置き換えた例とする。
電流判定部901は、演算部609から入力された電流指令値に基づいて、動作モードを切り替えるか否か判定する。
上述したスイッチングデバイス4a〜4d、スイッチングデバイス5a〜5fにおいては、流れた電流量からどの程度の温度なのか、ある程度推測できる。そこで、本実施形態の電流判定部901は、演算部609から入力された電流指令値を積分した値に基づいて、スイッチングデバイス4a〜4d等の温度を推測し、動作モードを切り替えるか否かを判定する。なお、電流に基づいて上昇する温度はスイッチングデバイス毎に異なるため、実際の値等については説明を省略する。
第1の実施形態では動作モードを切り替える条件として、スイッチングデバイス4a〜4dの温度、本実施形態では動作モードを切り替える条件として電流指令値を用いた。しかしながら、動作モードを切り替える条件をこれらに制限するものではなく、単相2レベルコンバータ40と単相3レベルコンバータ50との間で損失を分担可能な条件であれば良い。
本実施形態では、温度センサからのフィードバックが不要になるため、温度センサの設置負担及び設置コストを低減できる。
上述した実施形態においては、スイッチングデバイス4a〜4d、スイッチングデバイス5a〜5fの間で、スイッチング損失を分担できる。さらに、単相2レベルコンバータ40の温度が上昇していると推測される場合に、動作モードをモード2に切り替えて、スイッチングデバイス5a〜5fでPWM制御を行うこととした。つまり、通常は、スイッチング損失が低いスイッチングデバイス4a〜4dでPWM制御を行い、スイッチングデバイス4a〜4dの温度が高い場合に限り、スイッチングデバイス5a〜5fでPWM制御を行うこととした。これにより、スイッチングデバイス4a〜4d、スイッチングデバイス5a〜5fの間の損失分担と、スイッチング損失の上昇の抑止と、を両立することができる。
また、上述した実施形態では、出力電圧指令値がピーク値近傍の場合(例えば、出力電圧指令値Vref>Vthr2、又は出力電圧指令値Vref<−Vthr2の場合)に、単相2レベルコンバータ40のスイッチングデバイス4a〜4dはスイッチングせず、コンデンサ14にも電流が流れない。このため、スイッチング損失低減以外に、スイッチングデバイス4a〜4dに印加されるサージ電圧の低減、コンデンサ14の電流低減によるコンデンサ発熱の低減も可能となる。
また、上述した実施形態では、正用ロジック制御部623でスイッチングデバイス4a、4cをオン状態とする制御、負用ロジック制御部624でスイッチングデバイス4b、4dをオン状態とする制御としたが、正用ロジック制御部623でスイッチングデバイス4b、4dをオン状態とする制御、負用ロジック制御部624でスイッチングデバイス4a、4cをオン状態とする制御としても電流経路が異なるだけでありいずれでも良い。更に、出力電圧指令値が正負反転する毎にスイッチングデバイス4a、4cをオン状態とする制御とスイッチングデバイス4b、4dをオン状態とする制御とを切り替えたが、単相2レベルコンバータ40がPWM制御を行わないときにおいて、いずれか一方の状態、例えばスイッチングデバイス4a、4cをオン状態とする制御を所定の間継続しても良い。
また、上述した実施形態では、単相3レベルコンバータ50のパルス幅変調制御を行う期間が、t2〜t3、t6〜t7の間の場合について説明したが、どの期間で行っても良い。
また、上述した実施形態では、単相3レベルコンバータ50のパルス幅変調制御を行う期間が、t2〜t3、t6〜t7の間の場合について説明したが、どの期間で行っても良い。
(変形例)
上述した実施形態及び変形例では、単相2レベルコンバータ40のスイッチングデバイス4a〜4dの状況に応じて、動作モードを切り替える、換言すれば基本周期の一部期間で行われるPWM制御を単相2レベルコンバータ40と、単相3レベルコンバータ50と、の間で切り替える例について説明した。しかしながら、このような切り替えに制限するものではない。そこで、変形例としては、基本周期の一部期間において、単相3レベルコンバータ50でPWM制御を行い、それ以外の期間において、単相2レベルコンバータ40でPWM制御を行っても良い。これにより、上述した実施形態と同様に、スイッチング損失を分担できるので、単相2レベルコンバータ40の温度上昇を抑止できる。
上述した実施形態及び変形例では、単相2レベルコンバータ40のスイッチングデバイス4a〜4dの状況に応じて、動作モードを切り替える、換言すれば基本周期の一部期間で行われるPWM制御を単相2レベルコンバータ40と、単相3レベルコンバータ50と、の間で切り替える例について説明した。しかしながら、このような切り替えに制限するものではない。そこで、変形例としては、基本周期の一部期間において、単相3レベルコンバータ50でPWM制御を行い、それ以外の期間において、単相2レベルコンバータ40でPWM制御を行っても良い。これにより、上述した実施形態と同様に、スイッチング損失を分担できるので、単相2レベルコンバータ40の温度上昇を抑止できる。
上述した実施形態においては、単相2レベルコンバータ40のスイッチングデバイス4a〜4dと、単相3レベルコンバータ50のスイッチングデバイス5a〜5fとの間で損失を分担することで、素子温度の均等化を図ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…マルチレベルコンバータ、4a〜4d…スイッチングデバイス、5a〜5f…スイッチングデバイス、14…コンデンサ、15a、15b…コンデンサ、40…単相2レベルコンバータ、40a〜40d…温度センサ、50…単相3レベルコンバータ、150、900…制御部、601…コンデンサ電圧制御部、602…電流制御部、603…温度判定部、604…電圧指令値生成部、605…2レベル用制御部、606…3レベル用制御部、607…電圧値判定部、608…正負判定部、609…演算部、611…モード1用指令値生成部、612…モード2用指令値生成部、621…第1のPWM制御部、622…第2のPWM制御部、623…正用ロジック制御部、624…負用ロジック制御部、631…第1のロジック制御部、632…第2のロジック制御部、633…PWM制御部、651…第1のスイッチ、652…第2のスイッチ、653…第3のスイッチ、654…第4のスイッチ、655…第5のスイッチ、656…第6のスイッチ、901…電流判定部。
Claims (5)
- 単相交流電力を直流電力に変換する電力変換装置であって、
コンデンサが設けられ、スイッチング素子と当該スイッチング素子と逆並列に接続されるダイオードとを有する一方のスイッチングデバイスが、前記単相交流電力を供給する電源と接続される第1の接続点を介して2個直列且つ前記コンデンサに並列に接続され、他方のスイッチングデバイスが、第2の接続点を介して2個直列且つ前記コンデンサと並列に接続される2レベルコンバータと、
2個直列接続されるコンデンサが設けられ、一方のスイッチングデバイスが前記第2の接続点と接続される第3の接続点を介して2個直列且つ前記2個直列接続されるコンデンサと並列に接続され、他方のスイッチングデバイスが、第4の接続点を介して2個直列且つ前記2個直列接続されるコンデンサと並列に接続され、前記第4の接続点から中性点までの経路上に、複数のスイッチングデバイスを逆極性に直列に接続する双方向スイッチが設けられる3レベルコンバータと、
前記2レベルコンバータと前記3レベルコンバータとによるマルチレベルコンバータから出力される電圧の一周期のうち、第1の期間において、前記2レベルコンバータでパルス幅変調制御を行うと共に前記3レベルコンバータでパルス幅変調制御を行わず、前記一周期のうち前記第1の期間以外において、前記2レベルコンバータでパルス幅変調制御を行わず、前記3レベルコンバータでパルス幅変調制御を行う制御部と、
を備える車両用電力変換装置。 - 前記制御部は、さらに、前記一周期において、前記2レベルコンバータでパルス幅変調制御を行うと共に前記3レベルコンバータでパルス幅変調制御を行わず、第1の条件を満たした場合に、前記第1の期間において、前記2レベルコンバータでパルス幅変調制御を行うと共に前記3レベルコンバータでパルス幅変調制御を行わず、前記第1の期間以外において、前記2レベルコンバータでパルス幅変調制御を行わず、前記3レベルコンバータでパルス幅変調制御を行う、
請求項1に記載の車両用電力変換装置。 - 前記制御部が制御を切り替える前記第1の条件が、前記2レベルコンバータから検出された温度に基づいた条件である、
請求項2に記載の車両用電力変換装置。 - 前記制御部が制御を切り替える前記第1の条件が、前記2レベルコンバータと前記3レベルコンバータとに対して流す電流を指示する電流指令値に基づいた条件である、
請求項2に記載の車両用電力変換装置。 - 前記制御部は、前記3レベルコンバータでパルス幅変調制御を行わない場合に、前記3レベルコンバータの出力電圧を5段階で制御する、
請求項1乃至4のいずれか一つに記載の車両用電力変換装置。
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JP2020048315A (ja) * | 2018-09-19 | 2020-03-26 | 株式会社東芝 | Ac/dcコンバータ |
-
2015
- 2015-03-23 JP JP2015059849A patent/JP2016181959A/ja active Pending
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