JP2016181557A - 光電変換素子および太陽電池 - Google Patents

光電変換素子および太陽電池 Download PDF

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ひとみ 斉藤
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広貴 平賀
聡一郎 芝崎
Soichiro Shibazaki
聡一郎 芝崎
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Naoyuki Nakagawa
直之 中川
山崎 六月
Mutsuki Yamazaki
六月 山崎
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    • Y02E10/541CuInSe2 material PV cells

Abstract

【課題】開放電圧の高い光電変換素子及び太陽電池を提供する。
【解決手段】光電変換素子は第1電極2と、第2電極7と、第1電極2と第2電極7の間にp型半導体層3とn型半導体層4の接合体とを少なくとも有し、p型光吸収層3は、第11族の第一元素と第16族の第二元素と第13族の第13族の第三元素と、を含むカルコパイライト型構造を有する元素Mがドーピングされた半導体層であって、元素Mは、BVS(Bond Valence Sum)計算により規定される形式電荷が1.80以上3.0以下であり、p型半導体層の厚さ方向における中心から±30%の領域において、元素Mの濃度が1017atoms/cm以上1021atoms/cm以下を満たす。
【選択図】図1

Description

実施形態は、光電変換素子および太陽電池に関する。
買い取り制度により急速に普及が進んでいる単結晶/多結晶Si系光電変換素子の代替として、Si系光電変換素子より低コスト・省資源化が可能である多元系の化合物光電変換素子の開発が進められている。化合物系光電変換素子は元素の組み合わせによって大きく三種類あり、IIIb−V族(第13族−第15族)ではGaAs系、II−VIb族(第12族−第16族)ではCdTe系、Ib−IIIb−VIb族(第11族−第13族−第16族)ではカルコパイライト構造を有するCu(In,Ga)Se系が代表的である。中でもCu(In,Ga)Se系は、更なる効率向上を期待できる材料系として非常に注目を集めている。
光電変換素子の変換効率η(%)は開放電圧Voc、短絡電流密度Jsc、出力因子FF、入射パワー密度Pを用い、
η=Voc・Jsc・FF/P・100
で表される。理論的には開放電圧、短絡電流、出力因子の各ファクターを増加させれば変換効率は増加するが、実際にはVocが増加するほどJscが減少し、バンドギャップの関数として効率の変化を見ると、極大がおよそ1.4eVから1.5eVの間に存在する。特にCu(In,Ga)SeのバンドギャップはGa濃度とともに増大し、典型的には、Ga/(In+Ga)(原子比)がおよそ0.4から0.8の間で制御すると変換効率の良い光電変換素子を得ることが知られている。
Bull. Mater. Sci., 37, 469-472 (2014)
実施形態は、高品質な光吸収層を有する光電変換素子および太陽電池を提供することを目的とする。
実施形態の光電変換素子は第1電極と、第2電極と、第1電極と第2電極の間にp型半導体層とn型半導体層の接合体とを少なくとも有し、p型光吸収層は、第11族の第一元素と第16族の第二元素と第13族の第13族の第三元素と、を含むカルコパイライト型構造を有する元素Mがドーピングされた半導体層であって、元素Mは、式1を用いたBVS計算により規定される形式電荷が1.80以上3.0以下であり、p型半導体層の厚さ方向における中心から±30%の領域において、元素Mの濃度が1017atoms/cm以上1021atoms/cm以下を満たすことを特徴とする。
Figure 2016181557
(式1)
(但し、rを2価の陽イオンの元素Mと2価の陰イオンの第二元素をイオン対とする時にイオン対の組み合わせごとに定められた結合パラメータとし、rを第一元素と第二元素との結合距離とし、Bを元素Mと第二元素との組み合わせによって決定される固有定数とし、nを第一元素と第二元素の近接結合数とする)
実施形態にかかわる光電変換素子の断面概念図である。 実施形態にかかわる多接合型光電変換素子の断面概念図である。
図1に実施形態の太陽電池100の断面模式図を示す。図1の太陽電池100は、基板1と、第1電極2と、p型半導体層3と、n型半導体層4と、半絶縁層5と、透明電極6と、第2電極7と、反射防止膜8とを有する。中間層9をp型半導体層3と第1電極2との間に設けることが好ましい。太陽電池に含まれる光電変換素子は、第1電極2と、第2電極7と、第1電極と第2電極の間にp型半導体層3とn型半導体層4の接合体とを少なくとも有する。実施形態の太陽電池は、実施形態の光電変換素子を用いてなるものである。
図2の様に、別の太陽電池200と接合することで多接合型とすることができる。太陽電池100の光吸収層であるp型半導体層3は、太陽電池200の光吸収層よりもワイドギャップであることが好ましい。太陽電池200の光吸収層は、例えば、Siを用いたものである。なお、太陽電池100と太陽電池200の光吸収層のバンドギャップは少なくとも0.4eV以上離れていることが好ましい。
(基板)
実施形態の基板1としては、青板ガラスを用いることが望ましく、石英、白板ガラスなどガラス全般、ステンレス、Ti(チタン)又はCr(クロム)等の金属板あるいはポリイミド、アクリル等の樹脂を用いることもできる。多接合型の太陽電池の場合は、基板1には、透光性の高いガラス基板を用いることが好ましい。
(第1電極)
実施形態の第1電極2は、太陽電池100の下部側の電極である。第1電極2は、基板1とp型半導体層3の間に存在する。第1電極2は、金属膜、もしくは半導体膜である。第1電極2としては、MoやW等を含む導電性の金属膜(金属膜)や酸化インジウムスズ(ITO:Indium−Tin Oxide)を少なくとも含む透光性の有る半導体膜を用いることができる。第1電極2の膜厚は、例えば、100nm以上1000nm以下である。
(p型半導体層)
p型半導体層3は、太陽電池100の光吸収層である。p型半導体層3は、元素Mでドーピングされたカルコパイライト型構造を有する半導体層である。p型半導体層3は、n型半導体層4とホモ接合またはヘテロ接合する。p型半導体層3は、第1元素として第11族元素(Ib族元素)、第3元素として第13族元素(IIIb族元素)、及び、第2元素として第16族元素(VIb族元素)を含むことカルコパイライト型構造を有することが好ましい。
第1元素としては、Cu(銅)、Ag(銀)とCu及びAgのうちのいずれかが好ましい。第2元素としては、Se、SとSe及びSのうちのいずれかを含むことが好ましい。第2元素としては、Se(セレン)、S(硫黄)、O(酸素)とTe(テルル)の中から選ばれる1種以上が好ましい。第2元素は、Se、SとSe及びSのうちのいずれかが好ましい。第3族元素としては、Al(アルミニウム)、In(インジウム)とGa(ガリウム)の中から選ばれる1種以上が好ましい。
例えば、Cu(In,Ga)SeやCuGaSe、Cu(In,Al)Se,CuAlSe,CuAlS,CuAl(S,Se),Cu(Al,Ga)(S,Se)、(Cu,In)Ga(S,Se),Ag(In,Ga)Se,AgInSe,AgGaSe,やAg(In,Ga)(S,Se),(Cu,Ag)Ga(S,Se)といったカルコパイライト構造を有する化合物半導体層をp型半導体層3として用いることができる。p型半導体層3の膜厚は、例えば、300nm以上2000nm以下である。特にp型半導体層3単独の場合は1000nm以上1500nm以下が好ましく、別の太陽電池200と接合する場合(多接合型太陽電池)は300nm以上1000nm以下が好ましい。
太陽電池として光電変換効率向上のためにはp型半導体層3とn型半導体層4双方の伝導帯下端であるCBM(Conduction Band Minimum)の位置関係と、p型半導体層3とn型半導体層4のフェルミ準位の位置調整が重要となる。さらにp型半導体層3とn型半導体層4のCBMの位置関係をいかに調整しても、p型半導体層3を作製する際に少なからず構造内に欠陥が発生するため、実際の開放電圧は理論値より減少する。
この欠陥を補償するために元素Mをp型半導体層3のドーパントとして用いる。元素Mは2価のイオンとして、p型半導体層3の第一元素サイトの欠陥を補償する。ドーパントとしては、アルカリ土類金属や遷移金属が知られている。カルコパイライト型構造を有するp型半導体層3のドーパントとしてのアルカリ土類金属は、Mg,Ca,SrとBaからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。また、カルコパイライト型構造を有するp型半導体層3のドーパントとしての遷移金属は、Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co、NiとCdからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
AgGaSeを例にp型半導体層3のドーピングについて説明する。上記元素Mの2価のイオンは、それぞれイオン半径が異なり、さらに3層の結晶構造のAgサイトにおける配位環境(Seの4配位)で安定に存在しうるとは限らない。つまり、すべての元素Mの2価のイオンがAgサイトの欠陥補償をすることが容易であるとは限らない。そこでBVS(Bond Valence Sum)計算を用いてSeの4配位にあるAgサイトにドーパントが置換されると仮定して形式電荷を求め、2価に近い値をとるドーパントを有効なp型ドーパントとして選定し、可能性のある全元素をスクリーニングした。形式電荷は下記式1のBVS計算で求まる。
Figure 2016181557
(式1)
は、2価の陽イオンの元素Mと2価の陰イオンの第二元素をイオン対とする時にイオン対の組み合わせごとに定められた結合パラメータ(オングストローム)である。rは、第一元素と第二元素との結合距離(オングストローム)である。Bは、元素Mと第二元素との組み合わせによって決定される固有定数(オングストローム)である。nは、第一元素と第二元素の近接結合数(配位数)である。
イオン結晶中で各イオンがもっている形式電荷は配位している結合ごとに割り振ることができるため、結晶格子中の元素の形式電荷を大まかに見積もることができる。つまり実施形態においては2価に近い形式電荷を有するドーパントによる欠陥補償が容易であるとみなすことができる。なお、rとBは定数であるが元素の組み合わせごとに設定され、これまでに結晶学的に解析され蓄積されてきた膨大な量のデータベースに基づいているため、得られた形式電荷が実存する結晶構造中での形式電荷に近いという点からも有効である。データベースとしては、(BVS)Brown and Altermatt, Acta Cryst. B41, 244(1985)がその一例である。
AgGaSeを例にBVS計算を具体的に説明する。結晶構造中のAgサイトの近接結合数nはSeの4配位の4である。結合距離rは2.660Åである。p型ドーパントとしてZnを用いる場合、データベースからBは0.37Å、rは2.22Åである。この場合、BVS計算によって形式電荷Vは、2.03と求まった。これは想定するp型ドーパントの形式電荷である2価に近く、AgGaSe中に2価のZnイオンがドープされやすい(欠陥補償が容易)ということを示唆している。p型半導体層3としてAgInGa(1−x)Se(x=0.0、0.3、0.5、0.7、1.0)を用いBVS計算で得られた形式電荷をスクリーニングして判明した形式電荷が2に近いものを有するドーパントごとにまとめたものを表1に示す。表1には、AgInGa(1−x)Seのバンドギャップも示す。
Figure 2016181557
BVS計算により規定される形式電荷としては、いずれの元素も好ましい。これら元素中、Mn,Fe,Co,Niはd軌道に不対電子を有しており、欠陥補償した際に不純物準位を形成しやすい。そこで、これら元素の中でも、Zn,Mgが好ましい。
p型半導体層3としてCuGa(S(1−y)Se(y=0.0、0.3、0.5、0.7)を用いBVS計算で得られた形式電荷をスクリーニングして判明した形式電荷が2に近いものを有するドーパントごとにまとめたものを表2に示す。
Figure 2016181557
BVS計算により規定される形式電荷としては、いずれの元素も好ましい。これら元素中、Mn,Fe,Co,Niはd軌道に不対電子を有しており、欠陥補償した際に不純物準位を形成しやすい。そこで、これら元素の中でも、Mg,Zn,Cd,Cuが好ましく、ZnとMgがより好ましい。
p型半導体層3としてAgGa(S(1−y)Se(y=0.0、0.3、0.5、0.7)を用いBVS計算で得られた形式電荷をスクリーニングして判明した形式電荷が2に近いものを有するドーパントごとにまとめたものを表3に示す。
Figure 2016181557
BVS計算により規定される形式電荷としては、いずれの元素も好ましい。これら元素中、Mn,Fe,Co,Niはd軌道に不対電子を有しており、欠陥補償した際に不純物準位を形成しやすい。そこで、これら元素の中でも、Mg,Zn,Cd,Cuが好ましく、ZnとMgがより好ましい。
p型半導体層3としてCuAlSeとCuAlSを用いBVS計算で得られた形式電荷をスクリーニングして判明した形式電荷が2に近いものを有するドーパントごとにまとめたものを表4に示す。
Figure 2016181557
BVS計算により規定される形式電荷としては、いずれの元素も好ましい。これら元素中、Mn,Fe,Co,Niはd軌道に不対電子を有しており、欠陥補償した際に不純物準位を形成しやすい。そこで、これら元素の中でも、Mg,Zn,Cd,Cuが好ましく、ZnとMgがより好ましい。
元素Mのドーパントがp型半導体層3の欠陥補償効果を発現するためには、あくまでドーピングレベルの濃度、すなわち半導体層の主成分レベルの濃度にならないことが重要である。p型半導体層3中の元素Mの濃度は、欠陥補償効果の観点から1017atoms/cm以上1021atoms/cm以下であることが好ましい。元素Mの濃度を1017atoms/cm以上とするためには、欠陥補償が容易であることが好ましい。元素Mのドーパントが複数元素である場合は、元素Mの濃度は複数の元素の濃度の和がドーパント濃度である。欠陥補償が容易となる元素Mの形式電荷は、実施形態のp型半導体層3の場合、1.80以上3.00であるため、元素Mの形式電荷が1.80以上3.00以下の範囲内であることが好ましく、元素Mの形式電荷が1.90以上2.50以下の範囲内であることがより好ましい。したがって、元素Mは、Mg,Ca,Sr、Ba、Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co、NiとCdからなる群から選ばれる1種以上であり、BVS計算で求められる形式電荷が1.80以上3.00以下の範囲内のものが好ましく、形式電荷が1.90以上2.50以下の範囲内であることがより好ましい。p型半導体層3の欠陥が補償されることで、PL発光波長が理論値に近づき、高品質なp型半導体層3は、光電変換素子や太陽電池の光電変換効率の向上に寄与することが期待される。
また、欠陥補償が容易である元素Mをドーパントとして用いることで、p型半導体層3の全体で欠陥補償が可能となる。p型半導体層3の全体で欠陥補償がなされると、p型半導体層3の全体で欠陥が減少し、p型半導体層3全体の結晶品質を向上させることができる。p型半導体層3の結晶品質の観点から、p型半導体層3の全体で欠陥補償がなされていることが好ましい。実施形態では、p型半導体層3の全体で欠陥補償がなされていることを以下のように定義する。カルコパイライト構成元素のうち、例えばAgGaSeの場合、Ga濃度が1×1023atoms/cm以上になった位置から1×1023atoms/cm以下になった位置までをp型半導体の膜厚とする。p型半導体層の厚さ方向における中心から±30%の領域において、元素Mの濃度が1017atoms/cm以上1021atoms/cm以下を満たすことが好ましい。また、第1界面と第2界面の中央値からp型半導体層3の厚さ方向に±30%深部の領域までの間の領域において、元素Mの濃度の最大値をCMAX、元素Mの濃度の最小値をCMINとする時、CMAXとCMINは、(CMAX−CMIN)≦0.1CMAXを満たすことが好ましい。n型半導体層4とp型半導体層3とがホモ接合した太陽電池(光電変換素子)の場合、n型化の工程で、p型半導体層3にもn型のドーパントが一部存在する場合あるが、n型化の工程によって、p型半導体層3には上記の濃度のドーパントがドープされない。
元素Mの濃度は、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry:二次イオン質量分析法)分析により測定を行う。SIMS分析では一次イオン種をCsとし、加速電圧を5.0kVにした時に、検出範囲75×75μmから検出される二次イオン強度を濃度換算したものとする。
測定は次の箇所で行う。まず、対象となる光電変換素子について、光入射側から見た平面部においてp型半導体層3の面(積層面)を格子状にほぼ同等の面積になるよう4分割し、分割した各領域の中心部4点とp型半導体層3の面の中心点(格子の交点)の計5点を深さ方向に10nmずつ分析する。元素Mの濃度は、5点の測定位置の中で3点以上が前記濃度範囲に含まれるものとする。
p型半導体層3の形成方法としては、スパッタ法、多元蒸着法、ガス(Se化法)等が挙げられる。多元蒸着法では、第2元素と第3元素を高真空雰囲気中で低温(基板温度300℃から400℃)で蒸着し、次いで、第1元素と第2元素を高真空雰囲気中で基板温度を高温の400℃以上650℃以下で蒸着し、そして、第2元素と第3元素を再び低温に戻して蒸着することが好ましい。多元蒸着法では、一部高温で蒸着する工程で、中間層9に含まれる元素Mが拡散する。この拡散によって、元素Mがp型半導体層3の全体に存在するため、p型半導体層3の全体で欠陥補償が行われるため好ましい。なお、多元蒸着法を含めガラス基板が歪まない程度の高温でp型半導体層3の形成を行うことがより好ましい。基板温度が低すぎる場合、p型半導体層の結晶性が悪く、変換効率を下げる要因となりうる。あるいは製膜後アニールを行うのも良い。
元素Mをp型半導体層3にドーピングするために、p型半導体層3と第1電極2との間に中間層9を設けることが好ましい。中間層9は、p型半導体層3と直接接し、中間層9とp型半導体層3は界面を形成する。中間層9は、元素Mの酸化物や硫化物の層が好ましい。中間層9は、例えば、スパッタ法、浸漬法、スプレー法、スピンコート法、ベイパー法で元素Mを含む中間層9を設ける方法が挙げられる。p型半導体層3の欠陥補償を行う元素Mドーピングする方法としては、浸漬法、スプレー法、スピンコート法、ベイパー法等が挙げられる。浸漬法としては、例えば、2価のイオン状態の元素Mを含む40℃以上100℃以下のアンモニア溶液(例えば、硫酸塩−アンモニア水溶液)に、p型半導体層3の基板1側とは反対側の主面からp型半導体層3を全体的に浸し、25分間程度撹拌する。処理した部材を溶液から取り出し、表面を水洗いした後、処理した部材を乾燥させることが好ましい。中間層9の厚さは、例えば、5nm以上150nm以下が好ましい。
(n型半導体層)
実施形態のn型半導体層4は、p型半導体層3上に設けられたn型の半導体層である。n型半導体層4は、n型半導体層4とは、p型半導体層3とホモ接合又はヘテロ接合する層である。n型半導体層4は、高い開放電圧の光電変換素子または太陽電池を得ることのできるようにフェルミ準位が制御されたn型半導体が好ましい。ホモ接合型のn型半導体層4は、母体がp型半導体層3で、ドーピングすることによってp型からn型化した領域の層である。ヘテロ接合型のn型半導体層4は、例えば、Zn1−y1−x、Zn1−y−zMgO、ZnO1−x、Zn1−zMgO(RはB、Al、In及びGaからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素)や、CdO1−x、InO1−x、キャリア濃度を制御したn型のGaPなどを用いることができる。n型半導体層4の厚さは、10nm以上800nm以下であることが好ましい。
p型半導体層3の一部をn型化するドーピングする方法としては、浸漬法、スプレー法、スピンコート法、ベイパー法等が挙げられる。浸漬法としては、例えば、nドーパントであるCd、ZnとMg、Ca等のいずれかを含む40℃以上100℃以下の溶液(例えば、硫酸塩水溶液(アンモニア含有))に、p型光吸収層4の基板1側とは反対側の主面から浸し、25分間程度撹拌する。処理した部材を溶液から取り出し、表面を水洗いした後、処理した部材を乾燥させることが好ましい。溶液温度が低すぎるとn型ドーパントがドーピングされない。溶液温度が高すぎると溶媒として用いられるアンモニア水溶液が沸騰してn型半導体層を形成することが難しくなる。ヘテロ接合型のn型半導体層4は、例えば、スパッタやCBD法によって成膜される。
(半絶縁層5)
半絶縁層5は、例えば高抵抗な酸化物を含む層である。酸化物としては、ZnO、MgOやZnMOなどの透光性のある酸化物層が好ましい。半絶縁層5は、n型半導体層4の抵抗値が大きい場合は省略することも可能である。半絶縁層5は、スパッタで形成してもよいし、酸化物粒子を含む有機溶液を塗布乾燥して形成してもよい。あるいは、加熱後ZnO等になる反応性の塗布液を塗布乾燥して形成してもよい。
(透明電極6)
実施形態の透明電極6は太陽光のような光を透過し尚且つ導電性を有する膜である。透明電極6は、例えば、Ar雰囲気中でスパッタリングを行なって成膜する。透明電極6は、例えば、アルミナ(Al2O3)を2wt%含有したZnOターゲットを用いたて形成されるZnO:Al層或いはジボランまたはトリエチルボロンからのBをドーパントとしたZnO:B層、ITO層あるいはITO層とZnO層を積層した透明極を用いることができる。透明電極7と酸化物層の間に半絶縁層として、例えば、(Zn,Mg)O層を設けることができる。半絶縁層も透明電極6と同様に、スパッタリングを行なって成膜する。
(第2電極7)
実施形態の第2電極7は、太陽電池100の上部電極であって、透明電極6上に形成された金属膜である。第2電極7としては、NiやAl等の導電性の金属膜を用いることができる。第2電極7の膜厚は、例えば、200nm以上2000nm以下である。また、透明電極6の抵抗値が低く、直列抵抗成分が無視できるほどの場合には、第2電極7を省いることができる。
(反射防止膜8)
実施形態の反射防止膜8は、p型半導体層3へ光を導入しやすくするための膜であって、透明電極6上に形成されている。反射防止膜8としては、例えば、MgFやSiOを用いることが望ましい。なお、実施形態において、反射防止膜8を省くことができる。なお、光電変換素子100の組成分析及びその厚さは、光電変換素子を二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)によって測定することができる。
例えば、(Ag,Cu)(Al,In,Ga)(O,S,Se)、あるいは(Ag,Cu) (In,Ga)(O,S,Se)、等から構成されるp型半導体層3を備える光電変換素子においても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(実施例)
以下、実施例に基づき本発明をより具体的に説明するが、実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
縦12.5mm×横16mm×厚さ1.8mmの青板ガラス上にIn,Sn,Oから構成される膜状の第1電極をAr気流中スパッタにより青板ガラス上に形成する。第1電極の膜厚は100nmとする。第1電極の上に中間層としてZnOを100nm程度スパッタにより形成する。中間層上にAg、Ga、Seを多元蒸着法により製膜を行い、AgGaSeを形成する。膜厚は1μm程度とする。溶液浸漬法によりn型ドーパントをドーピングする。n型半導体層の抵抗が高い場合は次の半絶縁層を省いてもかまわない。n型半導体層と透明電極の間にZnMgO、ZnOSの高抵抗層を挟んでも良い。半絶縁層は前記反応性塗布液を使って20nm程度成膜する。半絶縁層上に透明電極としてZnO:Alを膜上に200nm程度スパッタする。適宜Alによる第2電極、反射防止膜層を製膜する。これにより実施形態の光電変換素子、太陽電池を得ることができる。この際、p型半導体層3の500nm付近の深部におけるZn濃度は1×1021atoms/cm程度になった。
(実施例2)
予め調整したアンモニア水溶液に第1電極までを形成した基板を浸漬し、アンモニア水溶液に溶かしたZnSO(0.16M)を加える。水溶液は80℃程度に保ち、数分後アンモニア水溶液に溶かしたチオ尿素(0.6M)を加える。攪拌しながら数分から数十分間保持する。取り出した後に水で洗浄し、乾燥することで第1電極上に中間層が形成される。他は、実施例1と同様にp型半導体層やn型半導体層などを作製することにより実施形態の光電変換素子、太陽電池を得ることができる。
(実施例3)
Mnを含んだ中間層を形成する場合は、MnSのターゲットを用いてAr気流中スパッタにより形成する。他は、実施例1と同様にp型半導体層やn型半導体層などを作製することにより実施形態の光電変換素子、太陽電池を得ることができる。
(実施例4)
Mnを含んだ中間層を溶液浸漬法で形成する場合は、予め調整した酢酸Mn(1.0M)とトリエタノールアミン(7.4M)、塩化アンモニウム(1.4M)の水溶液に0.2mLのヒドラジン一水和物を加え、60℃に保ちよく撹拌する。水溶液が均一に混合された後、チオアセトアミド水溶液(1.0M)を加え、ただちに第1電極までを形成した基板を浸漬し、撹拌しながら数分〜数十分間保持する。取り出した後に水で洗浄し、乾燥することで第1電極上に中間層が形成される。他は、実施例1と同様にp型半導体層やn型半導体層などを作製することにより実施形態の光電変換素子、太陽電池を得ることができる。
(比較例1)
SnOを含んだ中間層を形成する場合は、SnOのターゲットを用いてAr気流中スパッタにより形成する。他は、実施例1と同様にp型半導体層やn型半導体層などを作製することにより実施形態の光電変換素子、太陽電池を得ることができる。
(比較例2)
中間層を形成しないことの他は、実施例1と同様にp型半導体層やn型半導体層などを作製することにより実施形態の光電変換素子、太陽電池を得ることができる。
(PL発光強度試験)
実施例1、3および比較例1、2の各光電変換素子のPL発光強度を下記表5に示す。PL発光強度によって、p型半導体層の欠陥(非発光サイト)の量を評価した。PL発光強度は、532nmのレーザー光を照射したときの発光波長および強度を測定した。
Figure 2016181557
実施例1は中間層を含まないものよりPL強度が増加し、狙いの1.8eVにほぼ近い1.77eV付近に相当する697nm発光が得られているということから、本発明の効果が得られていることが明らかである。また、実施例2、3,4においても、比較例1と比較例2と比べて、PL強度が増加しており、実施例において、BVS計算で求めた形式電荷が好適な範囲内のドーパントがp型半導体層の結晶品質を向上させることがわかる。
明細書中、元素の一部は元素記号のみで表している。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態そのままに限定解釈されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成することができる。例えば、変形例の様に異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
1…基板、2…第1電極、3…p型光吸収層、4…n型半導体層、5…半絶縁層、6…透明電極、7…第2電極、8…反射防止膜、9…中間層、100…太陽電池(光電変換素子)

Claims (5)

  1. 第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極の間にp型半導体層とn型半導体層の接合体とを少なくとも有し、
    前記p型光吸収層は、第11族の第一元素と第16族の第二元素と第13族の第三元素と、を含むカルコパイライト型構造を有する元素Mがドーピングされた半導体層であって、
    前記元素Mは、式1を用いたBVS(Bond Valence Sum)計算により規定される形式電荷が1.80以上3.0以下であり、
    前記p型半導体層の厚さ方向における中心から±30%の領域において、前記元素Mの濃度が1017atoms/cm以上1021atoms/cm以下を満たすことを特徴とする光電変換素子。
    Figure 2016181557
    (式1)
    (但し、rを2価の陽イオンの前記元素Mと2価の陰イオンの前記第二元素をイオン対とする時にイオン対の組み合わせごとに定められた結合パラメータとし、rを前記第一元素と前記第二元素との結合距離とし、Bを前記元素Mと第二元素との組み合わせによって決定される固有定数とし、nを前記第一元素と前記第二元素の近接結合数とする)
  2. 前記p型半導体層の厚さ方向における中心から±30%の領域において、前記元素Mの濃度の最大値をCMAX、前記元素Mの濃度の最小値をCMINとする時、前記CMAXと前記CMINは、(CMAX−CMIN)≦0.1CMAXを満たすことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記第1元素は、Cu、AgとCu及びAgのうちのいずれかであり、
    前記第2元素は、Se、SとSe及びSのうちのいずれかを含み
    前記第3族元素としては、Al、InとGaの中から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換素子。
  4. 前記元素Mは、Mg,Ca,Sr、Ba、Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co、NiとCdからなる群から選ばれる1種以上であり、前記形式電荷が1.80以上3.00以下の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  5. 前記請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光電変換素子を用いてなる太陽電池。
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