JP2016180634A - 故障率の算出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の電線のそれぞれが、2つの中継点を介して複数のコネクタに接続されるワイヤハーネスの故障率を算出する装置であって、複数の電線のそれぞれと複数のコネクタとが対応付けられ、かつ、それぞれの前記電線とそれぞれの前記コネクタの種別情報が対応付けられた電線−コネクタ接続情報と、電線−コネクタ接続情報に属する前記種別情報と、前記種別情報に対応する故障率要素と、が対応付けられた故障率情報と、を記憶する記憶部5と、ワイヤハーネスが特定されると、電線−コネクタ接続情報と故障率情報を照合して、ワイヤハーネスにおける故障率を算出する処理部3と、を備える故障率算出装置10。
【選択図】図1
Description
特許文献1〜特許文献3で提案した技術は、いかなる複雑な配線も、接続を示す情報は下記の(a)及び(b)のいずれかに集約できることに基づいている。
(a)コネクタと電線
(b)コネクタと端末装置または中継装置
本発明によると、電線−コネクタ接続情報が種別情報を含み、この種別情報を記憶部に記憶される故障率情報に紐付けることで、当該ハーネスに関する故障率を容易に算出できる。この算出結果を解析対象のシステムに含まれる全てのハーネスについて行うことで、当該システムの配線の設計の妥当性を容易に確認できる。
また、設計変更を行ったとしても、電線−コネクタ接続情報に設計の変更を反映させておけば、以後も、同様に当該ハーネスにおける故障率を容易に算出できる。
また、本発明において、処理部は、コネクタの種別情報についての電線−コネクタ情報と、コネクタについての故障率情報とを照合して、コネクタに関する第3故障率を算出することができる。
そして本発明において、処理部は、第2故障率と第3故障率の合計としての第1故障率を算出することができる。
通常、ワイヤハーネスとしての故障率を判断する場合には第1故障率を採用することになるが、電線に関する第2故障率又はコネクタに関する第3故障率のそれぞれも、ワイヤハーネスの艤装設計において有用な情報である。したがって、本発明における故障率算出装置は、第2故障率だけ又は第3故障率だけを算出する形態を包含し、さらに、算出された第2故障率と第3故障率を合計して第1故障率を算出する形態を包含する。
もちろん、設計変更を行ったとしても、電線−コネクタ接続情報に設計の変更を反映させておけば、以後も、同様に当該ハーネスにおける故障率を容易に算出できる。
図1(a)に示すように、本実施形態に係る故障率算出装置10は、入力部1と、処理部3と、記憶部5と、表示部7と、を備えている。故障率算出装置10は、パーソナルコンピュータ、その他のコンピュータ装置により構成することができる。
また、故障率算出装置10は、配線描画システム20と接続されている。配線描画システム20もまた、コンピュータ装置により構成される。
ここで、ハーネスは、コネクタと電線束(バンドル)で構成されるアセンブリである。各電線はコネクタのピン(又は端子)とそれぞれ電気的に接続されている。
入力部1は、故障率算出装置10にて故障率算出を行うのに必要な指示を入力する部位である。入力部1は、コンピュータの入力装置としてのキーボードにより構成することができる。
処理部3は、入力部1からの指示に従って記憶部5に記憶された情報を読み出して、故障率算出を行うために必要な処理を行うとともに、算出結果を表示部7に表示させる。
表示部7は、処理部3により処理された結果を表示する。表示部7は、コンピュータの表示装置としてのディスプレイにより構成される。
配線描画システム20は、CAD(Computer Aided Design)21を備える。CAD21は、配線設計作業にともなうシステム構成要素に関する接続・位置情報を取得して、配線接続図(Wire Harness Diagrams、WHD)、及び、結線図(Wiring Diagrams、WD)を作成する。ここで、WHDはコネクタとバンドル(バンドルセクション、ノードを含む)との接続関係が図示されたものであり、WDはハーネスに含まれる電線とコネクタとの接続関係が図示されたものである。
CAD21は、取得したWHD、WDから電線−コネクタ接続情報を生成して故障率算出装置10の接続情報データベース51に提供する。接続情報データベース51は、CAD21から提供される電線−コネクタ接続情報を記憶する。
本実施形態において故障率算出を行うハーネスの一例を図2に示す。この配線例は、上述した配線接続図(WHD)に該当する。なお、ここでは、理解を容易にするために、配線例を構成する要素であるコネクタ及びバンドルを最小限に留めているが、本実施形態を大規模な配線システムに適用することができる。
図2のハーネスWH1は、コネクタC1、コネクタC2、コネクタC3及びコネクタC4の4つのコネクタの相互間がバンドルB1、バンドルB2、バンドルB3、バンドルB4及びバンドルB5並びに中継点A1及び中継点A2を介して接続されている。なお、ここでは、末端部分が全てコネクタだけを示しているが、これらのコネクタC1〜C4は、通常、入力装置、制御装置及び出力装置などの機器に付随、或いは、複数のハーネスをお互いに接続する中継コネクタに付随している。また、中継点A1〜A2は、複数バンドルが分岐、合流する位置の識別情報である。
同様に、中継点A1と中継点A2は、バンドルB3により接続され、バンドルB3は、一端が中継点A1のピン1に繋がれ、他端が中継点A2のピン1に繋がれている。
コネクタC3は、バンドルB4に接続される。バンドルB4は、一端が中継点A2のピン3に繋がれ、他端がコネクタC3に繋がれている。
コネクタC4は、バンドルB5に接続される。バンドルB5は、一端が中継点A2のピン2に繋がれ、他端がコネクタC4に繋がれている。
バンドルB1〜バンドルB5は、それぞれが複数の電線を含んでいるが、これについては後述する。
以下、ハーネスWH1に関する故障率算出について、図3〜図10を参照して説明する。
はじめに、図10を参照して、故障率算出の処理手順の概要を説明する。
一連の手順は、故障率の算出を行うハーネスの識別情報(以下、ハーネスID)を入力部1から入力することで処理が開始される(図10 S101)。ハーネスIDは、それぞれのハーネスを識別するために付与された情報であり、ここでは、図2の配線例にしたがって「WH1」というハーネスIDが入力される。入力されたハーネスIDは、処理部3に送られる。
処理部3は、ハーネスIDを取得すると、記憶部5の接続情報データベース51から当該ハーネスID(WH1)に対応する電線−コネクタ接続情報を読み出す(図10 S103,図3)。また、処理部3は、読み出した電線−コネクタ接続情報と照合することにより、記憶部5の部品情報データベース52から、故障率情報を読み出す。この故障率情報は、どの電線がどのような材質でできているのかという情報であり、ハーネスWH1に属するコネクタC1〜C4の種別情報及び電線W1〜W13の種別情報とそれぞれの材質や線径などの故障率要素とが対応付けられた情報である(図10 S105,図4)。
図5に示すように、バンドル接続情報は、それぞれのバンドルB1〜B5の単位で、その両端に接続されるコネクタ及び中継点がバンドルと対応付けられたものであり、バンドル単位の長さも得られるものである。
複数種:D=1.154×(d2 ANA+d2 BNB+d2 CNC…)1/2
D;バンドルの束径
dA,dB,dC…;電線A,B,C…のそれぞれの線径(直径)
NA,NB,NC…;電線A,B,C…のそれぞれの本数
同一種:D=1.154×(d2 ANA+d2 BNB+d2 CNC…)1/2
D=2d(2本の場合),D=2.155d(3本の場合)
D=2.414d(4本の場合),D=3d(5本,6本の場合)
d;電線の線径(直径)
第2故障率= Σ(λ(Mi,di,Dj)×ni)×Li
λ(x):故障率関数
Mi:電線iの材質
di:電線iの線径
D:バンドルjの束径
L:バンドルjの長さ
n:電線iの本数
Σ:バンドルj区間内のすべての電線の故障率の合計
そして、各コネクタ間の故障率として纏め、その合計をハーネスWH1の故障率として算出する(図10 S111,図9)。最後に、処理部3は、算出結果を表示部7に表示させる(図10 S113)。
[電線−コネクタ接続情報の読み出し(図10 S103,図3)]
故障率算出を行う際に、処理部3が接続情報データベース51から読み出す電線−コネクタ接続情報は、それぞれのハーネスに属する電線と、それぞれの電線の両端に直接接続されるコネクタと、それぞれの電線が他の電線及びコネクタを介して最終的に接続されるコネクタと、が対応付けられた情報である。
図3は、ハーネスWH1に関する電線−コネクタ接続情報を示している。
図3の例は、ハーネスWH1に13本の電線が属している。その中で、「W1」というWIRE IDが付与された電線の両端に接続される一対のコネクタには、それぞれ、「C1」、「C2」というコネクタIDが付与されている。
電線−コネクタ接続情報は、それぞれの電線W1〜W13が、コネクタC1〜C4のいずれのピン(端子)に接続されるのかの情報(PIN−1,2の欄)を含んでいる。
また、電線−コネクタ接続情報は、それぞれの電線W1〜W13の長さ情報(Leng.の欄)、電線の種別情報(WIRE CODE)及びコネクタの種別情報(CON. CODE)を含んでいる。
図4に示すように、記憶部5から読み出される故障率情報は、電線の種別情報(WIRE CODE)と故障率要素としての材質Mw,線径dとが対応付けられたものと、コネクタの種別情報(CON. CODE)と故障率要素としての材質Mcとが対応付けられたものの二種類がある。
図4は、例えば、種別が♯W1の電線は故障率要素としての材質がMw1であり、線径dがd1であること、種別が♯C1のコネクタは故障率要素としての材質がMc1であることを示している。
なお、ここでは電線及びコネクタの故障率要素として材質のMw,Mcと簡潔に示している。しかるに、実際の故障率の計算は、前述の通り、複数のパラメータを所定の式に代入することで求められており、また、電線の故障率については、断線に関するものとショート(短絡)に関するものが存在している。すなわち、材質Mwにより決まる電線の個別の柔軟性、可撓性等を考慮したパラメータ、及び、ハーネスを敷設する場所の振動や温度などの使用環境条件を考慮したパラメータを用い故障率を算出している。
前述したように、電線W1〜W13に関する故障率は、バンドルB1〜B5の束径を考慮する必要がある。そこで、電線−コネクタ接続情報(図3)とバンドル接続情報(図5)とを照合し、各バンドルを形成する電線の種別と本数を求めた後に、バンドルB1〜B5の束径を算出する。
バンドル接続情報は、図5に示すように、それぞれのバンドルB1〜B5の単位で、その両端に接続されるコネクタ及び中継点がバンドルと対応付けられたものである。図5において、例えばバンドルB1は、コネクタC1と中継点A1の間に配置されることが示されている。
同様に、コネクタC1とコネクタC3の関係のNo.2を例にすると、コネクタC1とコネクタC3を接続するのは電線W4、W5であり、コネクタC1とコネクタC3の間には、中継点A1、A2を介して、バンドルB1、バンドルB3及びバンドルB4が介在している。したがって、電線W4、W5のいずれもバンドルB1、バンドルB3及びバンドルB4に属するので、バンドルB1、バンドルB3及びバンドルB4のいずれにも2本の電線が属する。そして、図3に示すように、電線W4はWIRE CODEが♯W1であり、電線W5はWIRE CODEが♯W2であるから、バンドルB3及びバンドルB4のそれぞれにおいて、♯W1で識別される電線の本数が1本、♯W2で識別される電線の本数が1本である。以上のようにして求めた、対をなすコネクタとのそこに介在するバンドルごとの電線の本数を図6に示す。
処理部3は、バンドルの束径を算出したならば、図8に示すように、各対をなすコネクタ間のバンドル毎の故障率を算出する(図10 S109,図8)。そして、各コネクタ間の故障率を求め、その合計をハーネスWH1の故障率として算出する(図10 S111,図9)。
ここで、λwが電線に関する第2故障率、λcがコネクタに関する第3故障率であり、λtotalが第2、第3故障率を合計する第1故障率として算出しており、図8の通り、第2故障率は、一対のコネクタ及び中継要素の一方又は双方の間に介在し、電線の束であるバンドルの単位で算出する。
以上説明したように、本実施形態によると、電線−コネクタ接続情報が種別情報を含み、種別情報をもとに部品データベースに記述される故障率情報を紐付けることで、当該ハーネスにおける故障率を容易に算出できる。この算出結果を解析対象のシステムに含まれる全てのハーネスについて行うことで、当該システムの配線の設計の妥当性を確認できる。
また、設計変更を行ったとしても、電線−コネクタ接続情報に設計の変更を反映させておけば、以後も、同様に当該ハーネスにおける故障率を算出できる。
以上の例では、最終的な算出結果を表示の対象としたが、処理部3の処理手順により生成される情報を、表示部7に逐次表示させることもできる。
また、本実施形態の説明に用いた配線例はあくまで一例であり、他の配線例についても本発明を適用できることは言うまでもない。
また、本発明に適用される装置、機器類に制限はなく、末端装置及び中継装置がケーブルにより接続された種々の装置、機器に本発明を適用することができる。
3 処理部
5 記憶部
7 表示部
10 故障率算出システム
20 配線描画システム
51 接続情報データベース
52 部品情報データベース
53 バンドル接続情報データベース
54 算出結果データベース
A1,A2 中継点
B1〜B5 バンドル
C1〜C4 コネクタ
W1〜W13 電線
WH1 ハーネス
Claims (7)
- 複数の電線のそれぞれが、中継要素を介して末端に位置する一対のコネクタに接続されるワイヤハーネスの故障率を算出する装置であって、
複数の前記電線のそれぞれと前記一対のコネクタとが対応付けられ、かつ、前記電線及び前記コネクタのそれぞれの種別情報が対応付けられた電線−コネクタ接続情報と、
前記電線−コネクタ接続情報に属する前記電線及び前記コネクタの前記種別情報と、前記種別情報に対応する故障率要素と、が対応付けられた故障率情報と、を記憶する記憶部と、
前記ワイヤハーネスが特定されると、前記電線−コネクタ接続情報と前記故障率情報を照合して、前記ワイヤハーネスに関する故障率を算出する処理部と、
を備えることを特徴とする故障率の算出装置。 - 前記処理部は、
前記電線の前記種別情報についての前記電線−コネクタ情報と、前記電線についての前記故障率情報と、を照合して、前記電線に関する第2故障率を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の故障率の算出装置。 - 前記処理部は、
前記コネクタの前記種別情報についての前記電線−コネクタ情報と、前記コネクタについての前記故障率情報とを照合して、前記コネクタに関する第3故障率を算出する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の故障率の算出装置。 - 前記処理部は、
前記第2故障率と前記第3故障率の合計としての第1故障率を算出する、
ことを特徴とする請求項3に記載の故障率の算出装置。 - 前記記憶部は、
前記電線−コネクタ接続情報として、複数の前記電線のそれぞれの長さ情報が対応付けて記憶されており、
前記処理部は、
前記長さ情報を考慮しても前記第2故障率を算出する、
請求項4に記載の故障率の算出装置。 - 前記処理部は、
一対の前記コネクタ及び前記中継要素の一方又は双方の間に介在し、前記電線の束であるバンドルの単位で、前記第2故障率を算出する、
ことを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか一項に記載の故障率の算出装置。 - 前記記憶部は、
前記ワイヤハーネスにおけるバンドルと前記コネクタ及び中継要素の一方又は双方との接続関係を示すバンドル接続情報を記憶し、
前記処理部は、
さらに前記バンドル接続情報を照合することにより、前記故障率を算出する、
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の故障率の算出装置。
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