JP6019078B2 - 電線挿入順決定方法及び電線挿入順決定装置 - Google Patents
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Description
(1) 少なくとも1つの幹線部と、前記幹線部から分岐した複数の枝線部と、前記幹線部又は前記枝線部の端部に連結される複数のコネクタとを有するワイヤハーネスを製造する際に、前記幹線部又は前記枝線部を構成する複数の端子付き電線の各々を複数のコネクタのコネクタハウジングに挿入する順序を決定するための電線挿入順決定方法であって、
前記ワイヤハーネスに含まれる前記複数のコネクタを、事前に定めた規則に従って複数のグループに区分する第1の手順と、
区分された前記複数のグループについて、ワイヤハーネスの分岐部における電線の絡み特性を反映した優先度を割り当てる第2の手順と、
前記各グループに割り当てた前記優先度に基づいて、グループ内の複数コネクタ間、及び互いに異なるグループに属するコネクタ間を接続する各電線の挿入順序を決定する第3の手順と、
を有することを特徴とする。
(2) 上記(1)に記載の電線挿入順決定方法であって、
前記第2の手順では、前記ワイヤハーネスを構成する複数の電線を、接続元のコネクタ及び接続先のコネクタが属する前記グループ毎に異なる回路として区分し、含まれる回路の数の大小に応じて、前記各グループの優先度を決定する、
ことを特徴とする。
(3) 上記(1)に記載の電線挿入順決定方法であって、
前記第2の手順では、前記ワイヤハーネス上の同一箇所から分岐した前記枝線部の分岐枝数の大小に応じて、前記枝線部に該当する前記グループの優先度を定める、
ことを特徴とする。
(4) 上記(3)に記載の電線挿入順決定方法であって、
前記第2の手順では、前記幹線部上の分岐箇所に高い優先度を割り当て、前記ワイヤハーネスの末端に近づくにつれて分岐箇所に低い優先度を割り当てる、
ことを特徴とする。
(5) 上記(1)に記載の電線挿入順決定方法であって、
前記第3の手順では、分岐箇所における各電線の分岐方向の違いを区別し、グループ内の回路毎に分岐の優先度を考慮して挿入順序を決定する、
ことを特徴とする。
(6) 上記(5)に記載の電線挿入順決定方法であって、
前記第3の手順では、各電線の積層順序の違いを挿入順序に反映する、
ことを特徴とする。
(7) 上記(1)に記載の電線挿入順決定方法であって、
前記第1の手順では、共通の分岐点から分岐した複数の枝線に接続されるコネクタを共通のグループに割り当てる、
ことを特徴とする。
上記(2)の構成の電線挿入順決定方法によれば、回路数を考慮して、すなわち互いに配索経路や方向が異なる電線の数を区別して、絡みの生じやすさを推定し、各グループの優先度を決定することができる。
上記(3)の構成の電線挿入順決定方法によれば、同一箇所における分岐枝数の大小を考慮して各グループの優先度を決定することができる。つまり、分岐枝数が多くなるに従い、方向の異なる多数の電線が互いに絡みやすく近接した状態で積層される頻度が高くなるので、挿入する順番をより優先的に決めることが望ましい。
上記(4)の構成の電線挿入順決定方法によれば、より絡みの生じやすい分岐箇所に高い優先度を割り当てることができる。つまり、幹線部は電線数が最も多くなり、末端の枝線になると電線数が減るので、絡みの生じやすさに応じた優先度を割り当てることができる。
上記(5)の構成の電線挿入順決定方法によれば、同じグループ内の各コネクタに接続される複数の電線について、回路毎に優先度を決めることができ、回路毎に順番に各電線を挿入することができる。つまり、同じ方向に向かう複数の電線を順番に積層してコネクタハウジングに挿入できるので、電線が整然と並んで積層されることになり、絡みが生じるのを防止できる。
上記(6)の構成の電線挿入順決定方法によれば、隣接する各電線の積層順序を考慮して挿入順序を決定するので、分岐部における絡みの発生を抑制できる。
上記(7)の構成の電線挿入順決定方法によれば、各分岐点における絡みの生じやすさを考慮してグループ毎に優先度を割り当てることが可能になる。したがって、各電線の最適な挿入順序を効率的に決定することが可能になる。
(8) 少なくとも1つの幹線部と、前記幹線部から分岐した複数の枝線部と、前記幹線部又は前記枝線部の端部に連結される複数のコネクタとを有するワイヤハーネスを製造する際に、前記幹線部又は前記枝線部を構成する複数の端子付き電線の各々を複数のコネクタのコネクタハウジングに挿入する順序の決定を支援する電線挿入順決定装置であって、
前記ワイヤハーネスに含まれる前記複数のコネクタを、事前に定めた規則に従って複数のグループに区分する第1の手順と、
区分された前記複数のグループについて、ワイヤハーネスの分岐部における電線の絡み特性を反映した優先度を割り当てる第2の手順と、
前記各グループに割り当てた前記優先度に基づいて、グループ内の複数コネクタ間、及び互いに異なるグループに属するコネクタ間を接続する各電線の挿入順序を決定する第3の手順と、
を含む処理を実行する制御部を備える、
ことを特徴とする。
治具10上に配置されたワイヤハーネス20全体の構成の具体例を図2に示す。すなわち、車両上の様々な箇所に配置される電装品同士を電気的に接続するための多数の電線のそれぞれを、事前に定めた経路を通過するように配索すると共に、各電線の線路長や電線端部の位置を合わせ、これらの電線を積層し束ねた集合体をワイヤハーネス20もしくはその一部分として図2に示すように治具10上に構成する。
図2に示したような構成のワイヤハーネス20は、多数の電線を順番に積層した電線の集合体とすることにより、電線群を整然と配置することができる。しかし、ワイヤハーネス20の全ての箇所で多数の電線を整然と並べることは不可能である。すなわち、互いに異なる経路を通過する電線群の集合体としてワイヤハーネス20が構成されているので、各分岐部23A、24B、24C、24D、及び24Eでは、互いに隣接する電線同士の向きが変化したり、積層順の上下関係が入れ替わる場合もある。そのため、分岐部23A、24B、24C、24D、及び24Eにおいては、隣接する電線同士が絡み合った状態でワイヤハーネス20が形成される可能性がある。つまり、分岐箇所の近傍で電線の絡みが生じやすい。
ワイヤハーネス20に生じる電線間の絡みを減らすためには、ワイヤハーネス20の分岐箇所において、隣接する電線間で方向が頻繁に変化したり、積層順序の入れ替わりが生じるのを抑制する必要がある。具体的にはワイヤハーネス20を構成する各電線を各コネクタハウジングに挿入する際の挿入順序を工夫し最適化することにより、電線間の絡みを減らすことが可能である。
<各コネクタのグループ分け:S13>
電線挿入順序を最適化するためには、より絡みが生じやすい箇所について、優先的に順序を決めることが良いと考えられる。そこで、まず次に示す規則に従って、ワイヤハーネス20に含まれる多数のコネクタを複数のグループに区分する。
(規則2):1グループ内のコネクタ数を上限値(例えば10個)以内とする。
(規則3):1グループ内の回路数を上限値(例えば30回路)以内とする。
(規則4):幹線21からの枝寸法の差が所定値(例えば500mm)以上の場合は別グループに割り当てる。
図2に示したワイヤハーネス20の各コネクタをグループ毎に区分した状態の具体例を図3に示す。
接続元及び接続先のコネクタグループが共通の電線の回路数の一覧を図4に示す。製造対象のワイヤハーネス20の仕様は事前に決定されているので、例えば特定の接続元コネクタと接続先コネクタとの間を接続する電線の数(回路数)は既知である。そこで、これらの回路数を上述のコネクタグループと関連付ける。その結果が図4に示された内容である。
図5に示した各回路グループ単位で電線の挿入順序を決定する場合には、コネクタグループ毎に望ましい優先順位を決めることができる。すなわち、同じコネクタグループに属する各コネクタと接続される各電線は、共通の分岐点から分岐した各枝線と接続されるので、前記分岐点における電線の絡み発生具合に電線の挿入順序が同じように影響を及ぼす。
図2に示したワイヤハーネス20の各コネクタに電線を挿入する場合の、回路グループ毎の挿入順序の具体例を図6に示す。つまり、図5に示したように各コネクタグループGrA〜GrEに割り当てた優先順位に従い、優先順位の高いコネクタグループと接続される回路グループから順番に挿入順序を決定する。
図6に示すように回路グループ毎の挿入順序を割り当てた後で、回路グループ内の挿入順序を決定する。例えば、回路グループ毎の挿入順序が2番目の回路グループ31ACは、図5に示すように「6」回路の電線を含んでいるので、「6」回路の電線の挿入順序をそれぞれ決める必要がある。
電線挿入順決定方法の処理手順を図1に示す。すなわち、図2に示したようなワイヤハーネス20を製造する際に、ワイヤハーネス20を構成する多数の端子付き電線の各々を該当するコネクタのコネクタハウジングに挿入する順番を決定するために、図示しない処理装置(例えばパーソナルコンピュータ)を用いて図1の処理手順を含むプログラムを実行する。そして、図1の処理手順により決定された順番に従い、製造用ロボットを用いて該当する電線又は端子を順番に把持し対応するコネクタハウジングに実際に挿入する。
(1) 少なくとも1つの幹線部(幹線21)と、前記幹線部から分岐した複数の枝線部(枝線22A〜22K)と、前記幹線部又は前記枝線部の端部に連結される複数のコネクタ(24A〜24L)とを有するワイヤハーネス(20)を製造する際に、前記幹線部又は前記枝線部を構成する複数の端子付き電線の各々を複数のコネクタのコネクタハウジングに挿入する順序を決定するための電線挿入順決定方法であって、
前記ワイヤハーネスに含まれる前記複数のコネクタを、事前に定めた規則に従って複数のグループに(GrA〜GrE)区分する第1の手順(S13)と、
区分された前記複数のグループについて、ワイヤハーネスの分岐部(23A〜23F)における電線の絡み特性を反映した優先度を割り当てる第2の手順(S15)と、
前記各グループに割り当てた前記優先度に基づいて、グループ内の複数コネクタ間、及び互いに異なるグループに属するコネクタ間を接続する各電線の挿入順序を決定する第3の手順(S16〜S19)と、
を有することを特徴とする電線挿入順決定方法。
(2) 上記(1)の電線挿入順決定方法であって、
前記第2の手順では、前記ワイヤハーネスを構成する複数の電線を、接続元のコネクタ及び接続先のコネクタが属する前記グループ毎に異なる回路として区分し、含まれる回路の数の大小に応じて、前記各グループの優先度を決定する(S14,S15)、
ことを特徴とする電線挿入順決定方法。
(3) 上記(1)の電線挿入順決定方法であって、
前記第2の手順では、前記ワイヤハーネス上の同一箇所から分岐した前記枝線部の分岐枝数の大小に応じて、前記枝線部に該当する前記グループの優先度を定める、
ことを特徴とする電線挿入順決定方法。
(4) 上記(3)の電線挿入順決定方法であって、
前記第2の手順では、前記幹線部上の分岐箇所に高い優先度を割り当て、前記ワイヤハーネスの末端に近づくにつれて分岐箇所に低い優先度を割り当てる、
ことを特徴とする電線挿入順決定方法。
(5) 上記(1)の電線挿入順決定方法であって、
前記第3の手順では、分岐箇所における各電線の分岐方向の違いを区別し、グループ内の回路毎に分岐の優先度を考慮して挿入順序を決定する、
ことを特徴とする電線挿入順決定方法。
(6) 上記(5)の電線挿入順決定方法であって、
前記第3の手順では、各電線の積層順序の違いを挿入順序に反映する、
ことを特徴とする電線挿入順決定方法。
(7) 上記(1)の電線挿入順決定方法であって、
前記第1の手順では、共通の分岐点から分岐した複数の枝線に接続されるコネクタを共通のグループに割り当てる(図2、図3参照)、
ことを特徴とする電線挿入順決定方法。
(8) 少なくとも1つの幹線部と、前記幹線部から分岐した複数の枝線部と、前記幹線部又は前記枝線部の端部に連結される複数のコネクタとを有するワイヤハーネス(20)を製造する際に、前記幹線部又は前記枝線部を構成する複数の端子付き電線の各々を複数のコネクタのコネクタハウジングに挿入する順序の決定を支援する電線挿入順決定装置であって、
前記ワイヤハーネスに含まれる前記複数のコネクタを、事前に定めた規則に従って複数のグループに区分する第1の手順(S13)と、
区分された前記複数のグループについて、ワイヤハーネスの分岐部における電線の絡み特性を反映した優先度を割り当てる第2の手順(S15)と、
前記各グループに割り当てた前記優先度に基づいて、グループ内の複数コネクタ間、及び互いに異なるグループに属するコネクタ間を接続する各電線の挿入順序を決定する第3の手順(S16〜S19)と、
を含む処理を実行する制御部(図示せず)を備えることを特徴とする電線挿入順決定装置。
20 ワイヤハーネス
21 幹線
22A,22B,22C,22D,22E,22F 枝線
22G,22H,22I,22J,22K 枝線
23A,23B,23C,23D,23E,23F 分岐部
24A,24B,24C,24D,24E,24F コネクタ
24G,24H,24I,24J,24K,24L コネクタ
GrA,GrB,GrC,GrD,GrE コネクタグループ
31AA GrA内を接続する回路グループ
31AB GrA−GrB間を接続する回路グループ
31AC GrA−GrC間を接続する回路グループ
31AD GrA−GrD間を接続する回路グループ
31BC GrB−GrC間を接続する回路グループ
31BE GrB−GrE間を接続する回路グループ
31CC GrC内を接続する回路グループ
31CD GrC−GrD間を接続する回路グループ
31CE GrC−GrE間を接続する回路グループ
31DE GrD−GrE間を接続する回路グループ
Claims (8)
- 少なくとも1つの幹線部と、前記幹線部から分岐した複数の枝線部と、前記幹線部又は前記枝線部の端部に連結される複数のコネクタとを有するワイヤハーネスを製造する際に、前記幹線部又は前記枝線部を構成する複数の端子付き電線の各々を複数のコネクタのコネクタハウジングに挿入する順序を決定するための電線挿入順決定方法であって、
前記ワイヤハーネスに含まれる前記複数のコネクタを、事前に定めた規則に従って複数のグループに区分する第1の手順と、
区分された前記複数のグループについて、ワイヤハーネスの分岐部における電線の絡み特性を反映した優先度を割り当てる第2の手順と、
前記各グループに割り当てた前記優先度に基づいて、グループ内の複数コネクタ間、及び互いに異なるグループに属するコネクタ間を接続する各電線の挿入順序を決定する第3の手順と、
を有することを特徴とする電線挿入順決定方法。 - 請求項1に記載の電線挿入順決定方法であって、
前記第2の手順では、前記ワイヤハーネスを構成する複数の電線を、接続元のコネクタ及び接続先のコネクタが属する前記グループ毎に異なる回路として区分し、含まれる回路の数の大小に応じて、前記各グループの優先度を決定する、
ことを特徴とする電線挿入順決定方法。 - 請求項1に記載の電線挿入順決定方法であって、
前記第2の手順では、前記ワイヤハーネス上の同一箇所から分岐した前記枝線部の分岐枝数の大小に応じて、前記枝線部に該当する前記グループの優先度を定める、
ことを特徴とする電線挿入順決定方法。 - 請求項3に記載の電線挿入順決定方法であって、
前記第2の手順では、前記幹線部上の分岐箇所に高い優先度を割り当て、前記ワイヤハーネスの末端に近づくにつれて分岐箇所に低い優先度を割り当てる、
ことを特徴とする電線挿入順決定方法。 - 請求項1に記載の電線挿入順決定方法であって、
前記第3の手順では、分岐箇所における各電線の分岐方向の違いを区別し、グループ内の回路毎に分岐の優先度を考慮して挿入順序を決定する、
ことを特徴とする電線挿入順決定方法。 - 請求項5に記載の電線挿入順決定方法であって、
前記第3の手順では、各電線の積層順序の違いを挿入順序に反映する、
ことを特徴とする電線挿入順決定方法。 - 請求項1に記載の電線挿入順決定方法であって、
前記第1の手順では、共通の分岐点から分岐した複数の枝線に接続されるコネクタを共通のグループに割り当てる、
ことを特徴とする電線挿入順決定方法。 - 少なくとも1つの幹線部と、前記幹線部から分岐した複数の枝線部と、前記幹線部又は前記枝線部の端部に連結される複数のコネクタとを有するワイヤハーネスを製造する際に、前記幹線部又は前記枝線部を構成する複数の端子付き電線の各々を複数のコネクタのコネクタハウジングに挿入する順序の決定を支援する電線挿入順決定装置であって、
前記ワイヤハーネスに含まれる前記複数のコネクタを、事前に定めた規則に従って複数のグループに区分する第1の手順と、
区分された前記複数のグループについて、ワイヤハーネスの分岐部における電線の絡み特性を反映した優先度を割り当てる第2の手順と、
前記各グループに割り当てた前記優先度に基づいて、グループ内の複数コネクタ間、及び互いに異なるグループに属するコネクタ間を接続する各電線の挿入順序を決定する第3の手順と、
を含む処理を実行する制御部を備えることを特徴とする電線挿入順決定装置。
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