JP2016180276A - 取水設備の水生生物付着低減方法 - Google Patents

取水設備の水生生物付着低減方法 Download PDF

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Abstract

【課題】稼働中の取水設備に適用でき、環境汚染を発生させず、既存の取水設備に対して大きな改造を行うことなく低コストで取水設備への水生生物の付着を低減する。
【解決手段】取水設備の上流側流水中に、水生生物の幼生が付着しやすく、流れを停滞させない人工基質ユニットを流れに沿って3段配備し、一週間ごとに、流れに対して最後段の人工基質ユニットを付着した水生生物の幼生が大きく成長する前に水上に回収する工程と、残された流水中の人工基質ユニットを流れに対して後段側に移設する工程と、水上で待機中の人工基質ユニットを移設させた人工基質ユニットの前段側に設置する工程と、回収された人工基質ユニットを水洗い・乾燥させて付着した水生生物の幼生を除去する工程と、付着した水生生物の幼生を除去した人工基質ユニットを次に設置する人工基質ユニットとして待機させる工程を実行し、人工基質を3週間周期で回収して・再利用する。
【選択図】図9

Description

この発明は発電所の冷却設備等の取水設備への水生生物の付着を低減させる方法に関する。
発電所の冷却海水設備等においては、海水とともにイガイやカキなどの水生生物の幼生が取り込まれるため、これらが取水設備に付着し、プランクトン等を捕食して成長することにより、流動抵抗を増加させて冷却効率を低下させたり、大量脱落を生じて出力制限を余儀なくされたり、極端な場合には発電設備の稼動を停止させる必要が生ずるなど、重大なトラブルの原因となっている。
このような取水設備への水生生物の付着を防止するために、従来は、過酸化水素や次亜塩素酸などの薬物を注入して水生生物を死滅させる薬物注入法、取水設備の内部に塗装を施して水生生物の付着を防止する防汚塗装法が行われてきた。さらに、海水及び水中構造物に紫外線を照射して付着防止を図る紫外線照射法(例えば、特許文献1参照)、海水を加熱して水生生物を死滅させる温水処理法(例えば、特許文献2参照)、レーザを照射して水生生物を死滅させるレーザ照射法(例えば、特許文献3参照)などが提案されてきた。
特開2010−187637号公報 特開平07−190684号公報 特開平05−228456号公報
しかしながら、薬物注入法は、環境汚染を発生する可能性があるため、海域と濃度において限定的な使用に限られ、この方法だけで十分な効果を上げることは難しい。
防汚塗装法は、塗膜の劣化による性能劣化が生ずるため、定期的に塗り替えることが必要となり、そのための労力とコストを要する。
紫外線照射法は、特許文献1の記載では紫外線ランプをLED化することにより海棲生物の着生・繁殖を低コストで防止できるとしているが、これは実験室レベルでの検証であり、実際の発電所の取水設備において海水中の幼生を不活性化するためには、高いエネルギーが必要となりコスト高になると考えられる。また、取水設備内の海水の濁度により紫外線が減衰することから効果が安定しないという課題がある。
温水処理法は、取水設備のすべての付着生物を死滅させるには、大量の海水を一定時間以上加熱する必要があるため、多大なコストを要する。また、この方法は、取水設備の稼動を止めて行う必要があるため、長期運転のニーズに対応することができない。
レーザ照射法は、稼働中の取水設備に適用することが可能であるが、稼働中に取水される海水中のすべての水生生物の幼生を死滅させるためには、取水設備の大幅な改造を行うことが必要となり、多大なコストを要する。
このため、発電所では、取水設備に対して環境汚染を発生しない範囲で防汚塗装を施し、定期点検時や予防保全の必要時に取水設備を清掃して付着した水生生物を除去するようにしている場合が多く、発電所の稼働率向上の観点からも防汚塗装に加えて、稼働中の取水設備に適用できる新たな対策が望まれていた。
それ故に、本願発明は、稼働中の取水設備に適用でき、環境汚染を発生させず、既存の取水設備に対して大きな改造を行うことなく低コストで取水設備への水生生物の付着を低減できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明の取水設備の水生生物付着低減方法は、取水設備の上流側流水中に、水生生物の幼生が付着しやすく、流れを停滞させない人工基質を配備することで、取水設備への水生生物の付着を低減させる方法であって、前記取水設備の上流側流水中に配備された人工基質を付着した水生生物の幼生が大きく成長する前に水上に回収する工程と、水上で待機中の人工基質を前記回収された人工基質に代えて設置する工程と、前記回収された人工基質に付着した水生生物の幼生を除去する工程と、前記水生生物が除去された人工基質を次に設置する人工基質として水上で待機させる工程を繰り返し実行させるようにしたものである。
取水設備における水生生物の付着状況を調べると、上流ほど付着量が多く、下流に行くほど指数関数的に付着量が低減することが知られている。これは、流水中の水生生物の幼生は、生命を存続させるためにできる限り早く構造物に付着して餌を捕食しようとするためであると考えられる。このことから、発明者は、取水設備への水生生物の幼生の付着を避ける技術を開発するよりも、取水設備の上流側流水中に水生生物の幼生が付着しやすい人工基質を設け、これに水生生物の幼生を積極的に付着させ、付着した水生生物の幼生が大きく成長する前に人工基質ごと回収することの方が、稼働中の取水設備への水生生物の付着を低コストで効果的に低減できるのではないかと着想をするに到った。
この発明によれば、水生生物の幼生が付着しやすく、流れを停滞させない人工基質を取水設備の上流側流水中に配備することによって、流水中に含まれる水生生物の幼生が人工基質に付着し、取水設備内への水生生物の幼生の流入が抑制されるので、取水設備自体を改造することなく取水設備への水生生物の付着を低減できる。
また、取水設備の上流側流水中に配備した人工基質を、付着した水生生物の幼生が大きく成長する前に回収して交換するので、成長した水生生物の幼生が流れを停滞させたり、一度付着した水生生物の幼生がはがれて取水設備内に取り込まれたりすることを抑制でき、取水設備への水生生物の付着を効果的に低減できる。
また、流水中から回収された人工基質は、付着した水生生物の幼生を除去して再利用するようにしたので、廃棄物の発生を抑制して低コストで効率よく取水設備への水生生物の付着を低減できる。
尚、人工基質を水上に回収する工程は、水生生物の幼生の付着効率が低下する前に行うことが好ましい。これにより、一度付着した水生生物の幼生がはがれて取水設備内に取り込まれることをより効果的に抑制し、取水設備への水生生物の付着を低減できる。
また、この発明の取水設備の水生生物付着低減方法は、取水設備の上流側流水中に、水生生物の幼生が付着しやすく、流れを停滞させない人工基質を流れに沿って複数段配備することで、取水設備への水生生物の付着を低減させる方法であって、前記取水設備の上流側流水中に配備された人工基質のうち、流れに対して最後段に配備された人工基質を付着した水生生物の幼生が大きく成長する前に水上に回収する工程と、残された流水中の人工基質を流れに対して後段側に移設する工程と、水上で待機中の人工基質を前記移設させた人工基質の前段側に設置する工程と、前記回収された人工基質に付着した水生生物の幼生を除去する工程と、前記付着した水生生物の幼生を除去した人工基質を次に設置する人工基質として水上で待機させる工程を繰り返し実行させるようにしたものでもよい。
後述のように、水生生物の幼生は、最初に出会った人工基質に付着しやすく、人工基質への水生生物の幼生の付着率は、人工基質を流水中に設置して馴染ませることで上昇し、一定期間以上流水中に設置すると低下することが実験により確認されており、この発明によれば、人工基質を取水設備の上流側流水中に流れに沿って複数段配備し、一定の周期で流れに沿って移設させ、付着した水生生物の幼生が大きく成長する前に流水中から回収して交換するようにしたので、水生生物の幼生の付着率を一定の状態に維持しながら運用することができ、取水設備への水生生物の付着を効果的に低減できる。
尚、上述のように、人工基質を水上に回収する工程は、水生生物の幼生の付着率が低下する前に行うことが好ましい。
また、この発明の取水設備の水生生物付着低減方法は、前記人工基質を取水設備の上流側流水中に3段配備し、前記各工程を概ね1週間周期で実行するものであって、取水設備の上流側から第1段目に流水中に設置後概ね0〜1週間の人工基質が、第2段目に流水中に設置後概ね1〜2週間の人工基質が、第3段目に流水中に設置後概ね2〜3週間の人工基質が、それぞれ設置されるようにしたものでもよい。
後述のように、人工基質への水生生物の幼生の付着率は、人工基質を流水中に概ね1週間馴染ませることで上昇し、流水中で概ね3週間使用すると低下することが実験により確認されており、この発明によれば、取水設備の上流側から第1段目には流水中に設置後概ね0〜1週間の人工基質が、第2段目には流水中に設置後概ね1〜2週間の人工基質が、第3段目には流水中に設置後概ね2〜3週間の人工基質が、それぞれ設置されるように人工基質のローテーションが行われるので、水生生物の幼生の付着率を全体として高い状態に維持しながら運用することができ、取水設備への水生生物の付着をより効果的に低減できる。
前記人工基質に付着した水生生物の幼生を除去する工程は、前記人工基質を水洗い・乾燥させる工程を含むものでもよい。
人工基質を水洗い・乾燥させることで、人工基質に付着した水生生物の幼生を適切に除去し、人工基質の再利用を図ることができる。
前記人工基質は、水生生物の幼生が付着しやすい繊維体を所定の密度でループ状に形成した紐状の担体を取水設備の上流側の配管内に付設するようにしたものでもよい。
水生生物の幼生が付着しやすい繊維体を所定の密度でループ状に形成した紐状の担体を取水設備の上流側の配管内に付設することで、水流に対する人工基質の接触条件が一定化するので、所望の水生生物付着低減効果を安定的に達成することが可能となる。
尚、人工基質の設置・回収は、人工基質が付設された配管ごと行うようにしてもよく、上流側から配管内に人工基質を挿入することで設置し、配管内の人工基質を上流側から引き出すことで回収するようにしてもよい。
前記人工基質は、水生生物の幼生が付着しやすい繊維体を所定の密度でフレーム内に充填してブロック状に形成した人工基質ユニットを取水設備の上流側流水中に配備するようにしたものでもよい。
水生生物の幼生が付着しやすい繊維体を所定の密度でフレーム内に充填して形成した人工基質充填ユニットを取水設備の上流側流水中に配備することで、水流に対する人工基質の接触条件が一定化するので、所望の水生生物付着低減効果を安定的に達成することが可能となる。
尚、人工基質ユニットは、水生生物の幼生が付着しやすい繊維体を所定の密度でループ状に形成した紐状の担体を用い、これをフレームに設けた編地に配列して固定するようにしたものでもよく、ハニカム構造の通路を有するブロック内に付設するようにしたものでもよい。
前記人工基質は、ビニロンを含む混紡系の繊維体により形成することが好ましい。
ビニロンを含む混紡系の繊維体は、バイオフィルムが良く繁殖するので、水生生物の幼生の付着率が高い。また、流水中での使用に対して高い耐久性を有するため、繰り返し使用することができ、廃棄物の発生を抑制して低コストで取水設備への水生生物の付着低減を図ることができる。
前記人工基質は、対象とする水生生物の幼生を誘引する誘引物質を付着させたものでもよい。
人工基質に、対象とする水生生物の幼生が好むたんぱく質等の誘引物質を付着させておくことで、少ない人工基質によって、多くの水生生物の幼生を付着させることができ、より高い付着低減効果を得ることができる。
本願発明によれば、稼働中の取水設備に適用でき、環境汚染を発生させず、既存の取水設備に対して大きな改造を行うことなく低コストで取水設備への水生生物の付着を低減できるという効果がある。
発電所の取水設備の上流側に人工基質としてロープを設置して行ったロープ浸漬試験の結果得られた知見を示す図である。 人工基質付設配管を用いて行ったモデル試験における人工基質の設置・回収の手順を示す工程図であり、本願発明の水生生物付着低減方法を取水設備の上流側に人工基質付設配管を設ける場合の実施態様の例を示す概念図でもある。 人工基質付設配管を用いて行ったモデル試験において、水生生物付着低減効果を確認するために構成した装置系統図である。 人工基質付設配管を用いて行ったモデル試験において、設置3週間後に回収した人工基質への生物付着状況の写真である。 人工基質付設配管を用いて行ったモデル試験において、設置50日後の人工基質を付設しない配管を設置した対照区の下流側配管と、人工基質付設配管を設置した試験区の下流側配管の生物付着状況を比較した写真である。 人工基質付設配管を用いて行ったモデル試験において、設置2ヵ月後(試験終了時)の人工基質を付設しない配管を設置した対照区の下流側配管と、人工基質付設配管を設置した試験区の下流側配管の生物付着状況を比較した写真である。 人工基質付設配管を用いて行ったモデル試験において、人工基質付設配管を設置した試験区の下流側配管と、人工基質を付設しない配管を設置した対照区の下流側配管に付着した生物の付着量(乾燥重量)を比較した図である。 人工基質付設配管を用いて行ったモデル試験において、人工基質付設配管を設置した試験区の下流側配管と、人工基質を付設しない配管を設置した対照区の下流側配管に付着した水生生物の種類別の付着数を比較した図である。 本願発明の水生生物付着低減方法を取水路の除塵機の水生生物の付着低減に適用した場合の実施態様の例を示す概念図である。 本願発明の水生生物付着低減方法を取水路の除塵機の水生生物の付着低減に適用した場合の人工基質ユニットの一構成例を示す図である。 本願発明の水生生物付着低減方法を取水路の除塵機の水生生物の付着低減に適用した場合の人工基質ユニットの昇降機構の一構成例を示す図である。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
本願発明の方法の有効性を検証するため、発明者は、最初に、発電所の取水設備の取水路に試験用人工基質としてロープを一定期間設置し、水生生物の幼生の付着状況を確認するロープ浸漬試験を行った。
図1に、ロープ浸漬試験を行った実験装置の構成と、それによって得られた試験結果を示す。尚、対象とした発電所においては、取水設備に付着・成長して被害を発生させているのは主としてムラサキイガイであるため、除去対象とする水生生物をムラサキイガイとした。
ロープ浸漬試験に用いた実験装置の構成を図1(1)に示す。水生生物の幼生は、繊維状の基質に多く付着することが知られているため、流水中での使用に対して高い耐久性を有するビニロンを含む混紡系で直径8mm、長さ15cmの汎用ロープを試験用人工基質として用い、これを塩ビ管のフレームに取り付け、オモリで取水路の水面下1〜1.5mに垂下させて設置した。また、人工基質の最適な交換周期を検討するため、塩ビ管のフレームには4本の試験用人工基質を付設し、それぞれ1,2,3,4週間で回収するようにし、このような実験装置を取水路に3セット設置して、それぞれについて回収された各試験用人工基質の幼生の付着数を計測した。尚、幼生の付着数の計測は、回収した人工基質をガラスシャーレに置き、実体顕微鏡で観察しながら付着している幼生をピンセットで繊維から外し、シャーレ上に残った幼生を計数することによって行った。
浸漬後3週間の試験用人工基質に付着していたムラサキイガイの幼生の観測写真を図1(2)に示す。このように、付着した幼生が大きく成長する前に人工基質を回収することで、流れを停滞させず、また一度付着した幼生が外れて取水設備に流入することを防止できるので、取水設備への水生生物の付着を効率よく低減できると考えられる。
上記ロープ浸漬試験により計測された水生生物の幼生の付着数と人工基質の回収期間との関係を図1(3)に示す。これは、3セットの実験装置によって計測された水生生物の幼生の付着数の平均と標準偏差を示したものである。このように、1週間目から2週間目にかけては付着数が大きく増大しているが、3週間目では付着数の増加が小さくなり、4週間目では付着数が減少していることが観測された。このロープ浸漬試験により、新しい人工基質よりも、ある程度流水中で馴染ませた人工基質の方がバイオフィルムが形成されて付着率が高められること、3週間を超えるとバイオフィルムが古くなって付着率が低下するとともに、一度付着した幼生が外れて下流側に流れ出す可能性があるため、3週間程度で人工基質を回収して交換することが好ましいことが確認された。
次に、発明者は、流れを停滞させず、水生生物の幼生が付着しやすい人工基質を配管内に付設した人工基質付設配管を用い、これに海水を通水することで、下流側においてどの程度の水生生物の付着低減効果が得られるかを確認するモデル試験を行った。
モデル試験に用いた人工基質は、木綿製三つよりロープ、ポリプロピレン製三つよりロープ、ビニロン製三つよりロープ、ナイロン製三つよりロープ、ビニール製ネット、ナイロン製ネット、ビニール製ネット、ポリエチレン製接触材、ポリエステル製接触材、ビニロン製接触材、ポリプロピレン製接触材についての予備浸漬試験の結果に基づき、水生生物の幼生が付着しやすく、流れの停滞を発生させないビニロン製接触材を選定した。
モデル試験に用いたビニロン製接触材は、ビニロンを含む混紡系の繊維体を所定の密度でループ状に形成した紐状の担体であり、通常河川等の排水浄化に使用されるものである。これは、接触材に付着した種々の細菌により形成されるバイオフィルムにより、汚染された排水が浄化されるという原理に基づくものであるが、ここでは、バイオフィルムが形成されて一定期間の接触材には水生生物の幼生がよく付着する性質を利用し、取水設備の上流側での水生生物の幼生の回収に転用を図ったものである。
今回人工基質として採用したビニロン製接触材は、直径約45mmであることから、内径50mmの配管に接触材を封入したものを人工基質付設配管として用いた。
また、ここで除去対象としたイガイは、経験上流速が15〜30cm/秒のときに好んで配管に付着することから、今回のモデル試験では、人工基質と海水との接触時間が最も長くなる流速15cm/秒とし、流量20L/分とした。
通常、接触材を排水浄化に用いる際には、流量60L/分、流速1cm/秒に対して60mを使用するので、流量20L/分、流速15cm/秒に対しては同率で使用するとすれば約1.4mと考えられ、確実な効果を得るため、約2倍の3mの接触材を使用することとした。
図2に、人工基質付設配管を用いたモデル試験における人工基質の設置・回収の手順を示す。図において、10は人工基質、12は配管内に人工基質を付設した人工基質付設配管であり、長さ1mの人工基質付設配管を上流側から下流側に向かって3段配備し、1週間ごとに、第3段目の人工基質付設配管を回収する工程と、第1段目と第2段目の人工基質付設配管を下流側の第2段目と第3段目に移設させる工程と、改めて第1段目に待機中の補充用人工基質付設配管を設置する工程と、回収された人工基質付設配管内の人工基質を水洗い・乾燥させて付着幼生を除去して補充用人工基質として待機させる工程とを実行させる。これにより、上流側から第1段目には流水中に設置後0−1週間の人工基質付設配管が、第2段目には流水中に設置後1−2週間の人工基質付設配管が、第3段目には流水中に設置後2−3週間の人工基質付設配管が、それぞれ設置されるように人工基質がローテーションされる。
このようにすることで、水生生物が付着しやすい条件となった1〜3週間目の人工基質が流れの方向に常に含まれ、水生生物の幼生の付着率を全体として常に一定水準以上に保ちながら運用されるので、取水設備への水生生物の付着を安定的に低減できる。
図3に、人工基質付設配管を用いたモデル試験において、下流側での水生生物の付着低減効果を確認するためのモデル試験系統の構成を示す。モデル試験系統は、上流側に、人工基質を付設したモデル配管を配備した試験区配管系統と、効果を確認するための対照用として人工基質を付設しない配管を配備した対照区配管系統とを設け、それぞれの下流に水生生物の付着状況を観察する観察管と、付着重量を測定する付着量測定管とを設けた。
また、これらの配管系統に対して、一定の流量20L/分で連続して通水するために500Lのヘッドタンクを設け、揚水ポンプにより汲み上げた海水を送水ポンプによりそれぞれの配管系統に通水するようにした。
上記のようなモデル試験系統を用い、約2ヶ月間の海水通水実験を行った。尚、モデル試験は、試験実施時期の関係で、春季に付着するムラサキイガイに代えて、夏場の高水温時期に付着するミドリイガイで効果を確認することとした。
図4に、上記人工基質付設配管を用いたモデル試験において、設置3週間後に回収した人工基質への生物付着状況の写真を示す。写真に示すように、人工基質には評価対象のミドリイガイの他に、同じイガイ科のホトトギスガイや二枚貝のマガキが数多く付着し、糸状の人工基質には付着しないと考えていたフジツボ類の付着も確認された。
設置後3週間で最も大きく成長したマガキは、殻長が14mmあったが、全体としては概ね10mm以下であり、幼生の成長によって流れを停滞させることや、脱落して下流に悪影響が生ずる可能性のないサイズであった。
上記人工基質付設配管を用いたモデル試験において、設置50日経過後に上流側に人工基質を付設しない対照区の流量が著しく低下したため、配管内部を点検した所、下流部配管0〜4mにマガキが付着・成長し、ほぼ閉塞状態になっていた。そこで、閉塞のあった下流側配管0〜4mを、対照区と試験区をともに撤去し、半割にして生物の付着状況を観察した。
図5に、設置50日後の人工基質を付設しない対照区の下流側配管0〜3mと、人工基質を付設した試験区の下流側配管0〜3mの生物付着状況を比較した写真を示す。写真に示すように、対照区の下流側配管には殻長約2〜4cmに成長したマガキが配管を閉塞した様子が観測された。一方、試験区の下流側配管にはマガキがほとんど認められず、閉塞は生じていなかった。但し、試験区の下流側配管の地側に堆積した泥の中には、イガイ科のホトトギスガイが多く付着していることが観測された。
その後、10日間は下流側配管0〜4mを新しい配管に交換し、2ヶ月経過後に試験を終了し、下流側0m、4m、8m、12mの付着量測定管における付着生物重量と、種類別の付着数を測定した。
図6に、試験終了後の対照区と試験区の下流側0m、4m、8m、12mの付着量測定管における生物付着状況を比較した写真を示す。写真に示すように、対照区の0mと4mにおいて殻長が約2〜3cmのマガキの付着が認められ、8mと12mにはフジツボの付着が認められた。一方、試験区の下流側配管の地側には泥状の堆積があり、そのなかにホトトギスガイが多く認められた。
図7に、各付着量測定部位における付着生物の重量(乾燥重量)を対照区と試験区で比較した結果を示す。対照区では下流ほど付着量が減少する傾向が認められ、試験区の付着量は、最上流で対照区の約1/3であり、全体では対照区の付着量の58%に抑えられ、全体の付着低減率は42%という結果が得られた。
図8に、各付着量測定部位における付着数を種類別に合計した種類別付着数を対照区と試験区で比較した結果を示す。付着低減対象としたミドリイガイについては付着が少なく、イガイ類についての評価はできなかったが、優占種となったマガキでは75%、フジツボでは24%の付着低減効果がそれぞれ確認された。
尚、試験区の下流側配管の地側においては、泥を住処とするホトトギスガイが多く付着し、対照区を上回る結果となったが、これは試験装置の流速が発電所の取水設備の流速よりも低いため配管内に泥が堆積したことに起因して付着したものと想定され、発電所の取水設備に適用する場合には問題にならないと考えられる。
以上のように、ビニロン製接触材を配管内に付設した人工基質付設配管を用いたモデル試験により、取水設備の上流側に人工基質を設置して所定のタイミングでローテーションさせることで下流側の水生生物の付着を低減できることと、ビニロン製の接触材はバイオフィルムの生成や水生生物の幼生の付着により流量の低下を発生せず、取水設備の水生生物付着を低減させるための人工基質として適していることが確認された。
図2に示したモデル試験における人工基質付設配管をローテーションさせる工程は、本願発明の水生生物付着低減方法の一実施態様をなすものであり、小規模の取水設備においてはそのまま水生生物の付着を低減する方法として適用することができる。このように、取水設備の上流側に、人工基質付設配管を配備し、これを所定の周期で設置・交換することで、所期の水生生物付着低減効果が得られる。また、多数の人工基質付設配管を取水設備の上流側に並列して設けることで、より大きな取水量に対応させるようにすることもできる。
尚、上記モデル試験では、人工基質は配管とともに設置・交換するものとして説明したが、配管自体は固定設備とし、上流側から人工基質を配管内に挿入することで設置し、配管内から人工基質を引き出すことで回収するようにしてもよい。
ここで、前述のロープ浸漬試験で用いたビニロン製ロープやモデル試験で用いたビニロン製接触材を人工基質として発電所の取水設備の上流側に設置したときのムラサキイガイの付着低減率についての試算評価を行う。
まず、直径8mm、長さ15cmのビニロン製ロープを流れに対して垂直に1週間設置したときのムラサキイガイの付着低減率を試算する。ロープ浸漬試験を開始した際の発電所の取水設備に存在するムラサキイガイの幼生密度は、海水を採取して計測したところ、取水口で99個体/m3、循環水管(スポンジボール回収器のドレン)で41個体/m3であったことから、取水設備に付着するムラサキイガイは58個体/m3と推定される。これに対して、ロープ浸漬試験において付着した幼生の付着数の変化に基づいて幼生密度の変化率を求めて反映すると、1週間当りの幼生数は98.478個体/m3と推定される。従って、ビニロン製ロープを流れに対して垂直に1週間設置したときのムラサキイガイの付着低減率は、246÷98.478≒0.25%と推定される。また、取水路の流速は1.33m/秒であることから、直径8mmのロープが海水に接触する接触時間は、8÷1330=0.006秒である。
次に、ビニロン製接触材を流れに対して垂直に1週間設置したときのムラサキイガイの付着低減率を試算する。ビニロン製接触材は、直径0.18mmのビニロン繊維8本をひとつの束として6束を軸となるナイロン繊維に織り込んだものであるから、繊維数は48本である。また、各繊維は約10cm間隔でループをなしており、ループの全長は約30cmであることから、繊維の長さはコードの長さの約4倍である。従って、接触材150mmの表面積は、0.18×3.14×150×4×48=16,277.76mm2であり、直径8mmのロープの表面積の4.32倍である。また、直径45mmの接触材が海水に接する接触時間は、45÷1330=0.034秒であり、直径8mmのロープの5.7倍である。従って、ビニロン製接触材を流れに対して垂直に1週間設置したときのムラサキイガイの付着低減率は、0.25×4.32×5.7≒6.2%と推定される。
次に、ビニロン製接触材を流れの方向に1週間設置したときのムラサキイガイの付着低減率を試算する。直径45mm、長さ1330mmの接触材とすると、流速1.33m/秒では30本並べたことに相当する。従って、ビニロン製接触材を流れの方向に1週間設置したときのムラサキイガイの付着低減率は、最初の接触材の付着低減率6.2%に対して、2番目以降の接触材の付着低減率は流れの方向の幼生数の減少率0.126で指数的に減少していくので、各接触材の付着低減率を演算して合計することで求められ、長さ1330mmの接触材に対しては約48%、長さ1mであれば約47%と推定される。
以上の試算結果から、対象とする発電所の取水設備の循環水量89,160m3/時に対して、ムラサキイガイの付着低減率47%を実現するために必要となる接触材の長さは、20L/分(1.2m3/時)に対して接触材1mを使用することから、89160÷1.2=74300mであり、1m3の枠に5cmピッチでコードを設置すると、21×21=441本であることから、装置容積は74300÷441=168.5m3となり、取水路の断面を高さ6m×幅10mとすると、長さは2.8m必要であると推定される。
このように、モデル試験で用いたビニロン製接触材により発電所の取水設備の水生生物の付着低減を図るには、相当量の接触材が必要となることが予想されるが、取水路の流れを停滞させず、対象とする水生生物の幼生に対して更に付着率のよい接触材を用いることができれば、実用的な水生生物の付着低減方法を実現できると考えられる。
また、既存の接触材に対して、対象とする水生生物の幼生が好むたんぱく質等の誘引物質を付着するようにしてもよい。これにより、特定の水生生物の幼生に対して高い付着率を得ることが可能となり、設置場所の気候条件や設置目的等に対応したより実用性の高い水生生物の付着低減方法を実現できると考えられる。
尚、発電所の取水設備においては、取水路に除塵機を設けて取水設備への異物の進入を防ぐようにしているが、この除塵機の水面下1〜2mの範囲にイガイの幼生が付着し、これが成長することで除塵機の上流と下流で水位差が生じ、循環水ポンプが自動的に絞られて発電出力が抑えられるという障害を発生する場合がある。
このような除塵機への生物付着による障害発生を予防するためには、水深2mの範囲の水生生物の付着低減を図ればよいので、上記ビニロン製接触材を用いた本願発明の水生生物付着低減方法をそのまま適用することが可能と考えられる。
図9に、本願発明の水生生物付着低減方法を取水路の除塵機の水生生物の付着低減に適用した場合の実施態様の例を示す。図において、30は水生生物の付着低減を図る対象となる除塵機であり、取水路に設けられるレーキ付ロータリースクリーンである。このロータリースクリーンは、水深2mの範囲にイガイの幼生が付着して成長することが多く、取水制限が発生して障害となる危険性を有している。20は、除塵機への水生生物の付着を低減するために除塵機の上流側流水中に設置する人工基質ユニットであり、高さ2m、長さ2m、幅は水路幅の人工基質ユニットを4機用い、図2のモデル試験の場合と同様に、除塵機の上流側流水中の第1段目に設置後0〜1週間の人工基質ユニットを、第2段目に設置後1〜2週間の人工基質ユニットを、第3段目に設置後2〜3週間の人工基質ユニットを配備し、1週間周期で、最後段の人工基質ユニットを取り出す工程、下流側に向かってローテーションし、人工基質ユニットの設置・交換する工程を実行し、全体として3週間周期で流水中の設置した人工基質ユニットを回収する。尚、40は、流水中に設置した人工基質ユニットの下部の海水が除塵機の水深2mの範囲に回り込むことで、水生生物付着低減効果を低下させることを防止するための整流板である。
図10に、本願発明の水生生物付着低減方法を取水路の除塵機の水生生物の付着低減に適用した場合の人工基質ユニットの一構成例を示す。図において、22は人工基質10を流れに沿ってフレームに固定するための網地、24は人工基質10をブロック状に充填するための人工基質充填フレーム、26は人工基質ユニット20を除塵機の上流側流水中に3機配備するために連結固定した人工基質ユニットの結合体である。このように、人工基質充填フレーム内に所定の密度で人工基質を充填した人工基質ユニットを連結して除塵機の上流側流水中に設置し、前述の人工基質ユニットのローテーションを行うことで、除塵機に対して所期の水生生物付着低減効果を得ることができる。
図11に、除塵機の上流側流水中に設置した人工基質ユニットのローテーションを行うための人工基質ユニット結合体の昇降機構の構成例を示す。図に示すように、人工基質ユニット結合体の昇降機構は、人工基質ユニット結合体26をレールに沿って流水中と水上の間で上下移動させるための昇降架台28を備え、昇降架台28に人工基質ユニット結合体26をセットし、昇降架台28を吊り下げる吊具にクレーン等のフックを掛けて上下移動させることで、人工基質ユニット結合体26を昇降させる。なお、昇降架台28は、万が一装置が流されても下流の取水設備(除塵機等)に損傷を与えたり、取水を妨げたりすることがないように、保険ワイヤを介して陸上の構造物に固定されている。
このような昇降架台28を用いて、人工基質ユニット結合体26を所定の水深に設置し、1週間ごとに人工基質ユニット結合体26を水上に引き上げ、水上で最後段の人工基質ユニットを取り外し、最前段に待機中の人工基質ユニットを連結し、再び流水中に投入することで、人工基質ユニットのローテーションを行う。
上記実施態様では、人工基質ユニットを3段連結させた人工基質ユニット結合体を用い、人工基質ユニットのローテーションを水上において人手により行うものであるが、人工基質ユニットを連結固定せず、3機の人工基質ユニットを流れに沿って流水中で固定する固定機構と、固定機構により固定されている最後段の人工基質ユニットを水上に引き上げる引上機構と、固定機構に固定されている人工基質ユニットを後段側に移設させるスライド機構と、水上で待機中の人工基質ユニットを流水中の固定機構の最前段に降下させる降下機構と、引上機構により引き上げられた人工基質ユニット内の人工基質を水洗い・乾燥させて付着している水生生物の幼生を除去する水洗い・乾燥機構とを備え、人工基質ユニットのローテーションを機械的に行わせるようにしてもよい。
上記実施態様では、回収した人工基質ユニット内の人工基質に付着している幼生は、水洗い・乾燥させることで除去するものとして説明したが、自然乾燥のみを行って死滅した幼生を取水路に流すようにしてもよい。また、紫外線照射や加熱処理により水生生物の幼生を死滅させるようにしてもよく、人工基質に付着した水生生物の幼生を除去できるものである限りどのような手段を用いてもよい。
上記実施態様では、人工基質ユニットを流れの方向に3段配備するとして説明したが、これは水生生物の幼生が付着しやすい条件となった1〜3週間目の人工基質が流れの方向に常に含まれるようにすることで、水生生物の幼生の付着率を全体として常に一定水準以上に保つようにしたものであるが、このような効果は人工基質を複数段配備すれば得られるものであり、必ずしも3段に限定されるものではない。
また、水生生物の幼生の付着率を全体として一定水準に保ちながら運用する必要がない場合には、1段の人工基質ユニットでもよい。
上記実施態様では、人工基質は流水中に設置後3週間で回収するものとして説明したが、これはビニロン製ロープを人工基質として用い、ムラサキイガイを付着低減の対象とした場合に好ましいとされた設置条件であり、他の材質・形状の人工基質を用いた場合や、付着低減の対象とする水生生物の種類が異なる場合には異なる設置条件となることも考えられる。従って、使用する人工基質を用いて、対象とする水生生物の幼生の付着数の時間変化を事前に測定し、これに基づいて人工基質のローテーション周期を設定するようにすることがより好ましいと考えられる。
以上のように、本願発明によれば、稼働中の取水設備に適用でき、環境汚染を発生させず、既存の取水設備に対して大きな改造を行うことなく低コストで取水設備への水生生物の付着を低減することができる。
尚、本願発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、本願発明の効果を奏する限り、各実施形態で述べた構成要素を適宜入れ替えたり、新たな構成要素を追加したり、一部の構成要素を削除したりしてもよいことはいうまでもない。
10 人工基質(ビニロン製の接触材)
12 人工基質付設配管
20 人工基質ユニット
22 人工基質固定網地
24 人工基質充填フレーム
26 人工基質ユニットの結合体
28 人工基質ユニットの昇降機構
30 除塵機
40 整流板

Claims (8)

  1. 取水設備の上流側流水中に、水生生物の幼生が付着しやすく、流れを停滞させない人工基質を配備することで、取水設備への水生生物の付着を低減させる方法であって、
    前記取水設備の上流側流水中に配備された人工基質を付着した水生生物の幼生が大きく成長する前に水上に回収する工程と、水上で待機中の人工基質を前記回収された人工基質に代えて設置する工程と、前記回収された人工基質に付着した水生生物の幼生を除去する工程と、前記水生生物が除去された人工基質を次に設置する人工基質として水上で待機させる工程を繰り返し実行させるようにしたことを特徴とする、取水設備の水生生物付着低減方法。
  2. 取水設備の上流側流水中に、水生生物の幼生が付着しやすく、流れを停滞させない人工基質を流れに沿って複数段配備することで、取水設備への水生生物の付着を低減させる方法であって、
    前記取水設備の上流側流水中に配備された人工基質のうち、流れに対して最後段に配備された人工基質を付着した水生生物の幼生が大きく成長する前に水上に回収する工程と、残された流水中の人工基質を流れに対して後段側に移設する工程と、水上で待機中の人工基質を前記移設させた人工基質の前段側に設置する工程と、前記回収された人工基質に付着した水生生物の幼生を除去する工程と、前記付着した水生生物の幼生を除去した人工基質を次に設置する人工基質として水上で待機させる工程を繰り返し実行させるようにしたことを特徴とする、取水設備の水生生物付着低減方法。
  3. 前記人工基質を取水設備の上流側流水中に3段配備し、前記各工程を概ね1週間周期で実行するものであって、取水設備の上流側から第1段目に流水中に設置後概ね0〜1週間の人工基質が、第2段目に流水中に設置後概ね1〜2週間の人工基質が、第3段目に流水中に設置後概ね2〜3週間の人工基質が、それぞれ設置されるようにしたことを特徴とする、請求項2に記載の取水設備の水生生物付着低減方法。
  4. 前記人工基質に付着した水生生物の幼生を除去する工程は、前記人工基質を水洗い・乾燥させる工程を含むことを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の取水設備の水生生物付着低減方法。
  5. 前記人工基質は、水生生物の幼生が付着しやすい繊維体を所定の密度でループ状に形成した紐状の担体を取水設備の上流側の配管内に付設するようにしたことを特徴とする、請求項1ないし請求項4に記載の取水設備の水生生物付着低減方法。
  6. 前記人工基質は、水生生物の幼生が付着しやすい繊維体を所定の密度でフレーム内に充填してブロック状に形成した人工基質充填ユニットを取水設備の上流側流水中に配備するようにしたことを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の取水設備の水生生物付着低減方法。
  7. 前記人工基質は、ビニロンを含む混紡系の繊維体により形成されたものであることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の取水設備の水生生物付着低減方法。
  8. 前記人工基質は、対象とする水生生物の幼生を誘引する誘引物質を付着させたものであることを特徴とする、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の取水設備の水生生物付着低減方法。
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