JP2001017994A - 表層水清掃浄化装置およびその方法 - Google Patents

表層水清掃浄化装置およびその方法

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JP2001017994A
JP2001017994A JP19387399A JP19387399A JP2001017994A JP 2001017994 A JP2001017994 A JP 2001017994A JP 19387399 A JP19387399 A JP 19387399A JP 19387399 A JP19387399 A JP 19387399A JP 2001017994 A JP2001017994 A JP 2001017994A
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Makoto Kubonaga
誠 久保長
Shozaburo Dobashi
正三郎 土橋
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Tosco Co Ltd
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    • Y02W10/30Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies
    • Y02W10/37Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies using solar energy

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  • Aeration Devices For Treatment Of Activated Polluted Sludge (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】貯水池や湖沼・ため池・堀等の閉鎖水域におい
て、ゴミなどの浮遊物の清掃作業と廃棄作業を容易にす
ると同時に、有毒アオコ等の有害な藻類の異常繁殖の原
因となる窒素とリン成分の水質浄化を行うことのできる
小型・安価・低ランニングコストで省エネルギーな清掃
浄化装置およびその方法を提供する。 【解決手段】水域の水面上に浮体を浮かべ、前記浮体の
前方部から水中にアンカーを打ち、前記浮体の前方部水
中に導入口があり、前記浮体の後方部水上に風受部とゴ
ミ収集部があり、前記導入口から前記ゴミ収集部の間に
導入用ネットがあり、自然の風力により前記浮体の前方
部が常に風上に向き、風と波による自然対流により表層
水が前記浮体の前方から後方へと流れることによってゴ
ミや落ち葉などの浮遊物を前記導入用ネットに収集し、
前記浮遊物に微生物や藻類を付着生息させた後に前記ゴ
ミ収集部に収集し、前記ゴミ収集部に収集した前記浮遊
物を回収除去することを特徴とする表層水の清掃浄化装
置およびその方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、貯水池や湖沼・
ため池・堀等の閉鎖水域において、ゴミなどの浮遊物の
清掃と水質浄化を行うための装置および方法に関し、特
に自然の風と微生物や藻類の生物浄化作用を利用して、
水域の清掃・美化と水質浄化を行うことのできる省エネ
ルギー型の清掃浄化装置およびその方法に関するもので
あり、環境美化と水質浄化や環境保全産業上有用なもの
である。
【0002】
【従来の技術】 近年、貯水池や湖沼・ため池・堀等の
閉鎖水域において、ゴミなどの浮遊物の増加や水質汚濁
が大きな問題となっている。水面上のゴミなどの浮遊物
は、周辺住民のボランティア活動や自治体によって清掃
されているが、水面上のゴミの収集清掃は手間がかかる
上、その頻度は少なく十分に美化されているとはいえな
い。
【0003】また、落ち葉などの有機物のゴミは、放置
すると微生物などにより分解して、富栄養化の原因とな
る窒素やリン成分を溶出するため、短期間に水域外に除
去する必要がある。さらに水の富栄養化が進むと、藻類
の一種である有毒アオコが発生し、その毒性や臭気など
が環境問題となっている。有毒アオコが異常繁殖する主
な原因は、水中の窒素とリン成分の増加にある。このた
め、こうした水域からゴミなどの浮遊物を回収除去し、
さらに窒素とリン成分の水質浄化を行うことが強く望ま
れている。
【0004】従来、水面上のゴミなどの浮遊物は、水際
に漂着したものや排水口の網に引っかかったものを手作
業により回収清掃していたが、浮遊物は風と水の流れに
よって常に移動しているため、これらの作業は広範囲に
渡り、たいへん手間がかかる問題がある。また、一部の
堀などでは大きな排水口のない池もあり、この場合ゴミ
は広範囲に散乱しているため、清掃作業はさらに困難と
なる。
【0005】ダム湖などの貯水池には、ゴミを収集する
ためのネットが貯水池を横断する状態で敷設される。こ
の場合、川上から流れてきたゴミはネットに引っかかっ
て蓄積するが、風が川下から川上に向かって吹くときに
は、ゴミはネットからはずれて貯水池中に拡散してしま
う問題があり、ゴミを収集し易くする効果は十分でな
い。また、ネットに引っかかった落ち葉などの有機物の
ゴミは、水中に放置すると微生物などにより再分解され
富栄養化の原因となる窒素やリン成分を溶出し、アオコ
が発生する問題点があった。
【0006】また、水面上の浮遊物は水分を多く含むた
め、廃棄する際に焼却処分が困難であり、運搬・保管の
際には汚水の漏洩や腐敗による臭気の問題が発生するた
め、廃棄処分は極めて困難な作業となっている。
【0007】一方、こうした水域の水質浄化を行う装置
の中で最も一般的な装置として、礫間接触酸化法や活性
汚泥法などがあるが、装置コストが高い上、ポンプの駆
動が必要であるためランニングコストが高く、さらに生
成した生物膜や汚泥の逆洗・回収廃棄などの維持管理に
手間がかかるなどの問題点があり、貯水池などの大規模
な水質浄化には利用できない。
【0008】他に、糸状藻類の浄化作用を利用する比較
的低コスト・省エネルギータイプの水質浄化装置とし
て、特公平7-36920号では、水面上に設置した散水用の
給水管から水面下のネットに付着生息させた糸状藻類に
対して散水することにより、貯水池の水質浄化が行われ
ており、効果が確認されている。しかしながら、この場
合も貯水池の水をポンプにより散水する必要があるた
め、ランニングコストが高くなる問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、貯
水池や湖沼・ため池・堀等の閉鎖水域において、ゴミな
どの浮遊物の清掃作業と廃棄作業を容易にすると同時
に、有毒アオコ等の有害な藻類の異常繁殖の原因となる
窒素とリン成分の水質浄化を行うことのできる小型・安
価・低ランニングコストで省エネルギーな清掃浄化装置
およびその方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】 本発明者は、上記目的
を達成するため鋭意検討した結果、閉鎖水域中のゴミな
どの浮遊物が風と水流と波によって閉鎖水域の中を常に
移動しており、主に風と波の影響により移動すること、
風と波により閉鎖水域中の表層水も移動すること、さら
に風と波によって移動中のゴミなどの浮遊物の表面は好
気的かつ十分な光が得られるため水質浄化作用を有する
微生物や糸状藻類に最適な担体となること、この微生物
や糸状藻類の付着生育したゴミを水域外に回収除去する
ことによりゴミの回収と水質浄化を同時に行うことがで
きること、そして強風時に風と波の強い作用を利用する
ことにより波打ち際の浮遊物を自動的に水域外(陸上)に
除去することができる、さらに陸上に除去した浮遊物は
天日乾燥されて回収廃棄しやすくなることなどの知見を
見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成させたもの
である。
【0011】かかる本発明は、以下のとおりである。第
1発明は、浄化すべき水域の水面上に浮かべる浮体と、
前記浮体の前方部に取り付けたアンカーと、前記浮体の
前方部の水中に設けた表層水の導入口と、前記浮体の後
方部水上に設け前記導入口に連通した浮遊物収集部と、
さらに前記浮体の前方部を風上に向けるための前記浮体
に設けた風受部とを有することを特徴とする表層水清掃
浄化装置である。
【0012】第2発明は、浄化すべき水域の水面上に浮
かべる浮体と、前記浮体の前方部に取り付けたアンカー
と、前記浮体の前方部の水中に設けた表層水の導入口
と、前記浮体の後方部水上に設け前記導入口に連通した
浮遊物収集部と、さらに前記浮体の前方部を風上に向け
るための前記浮体に設けた風受部とを有する表層水清掃
浄化装置を使用し、前記浮体の前方部を風上に向けて、
浄化すべき水を前記導入口から導入して水上の前記浮遊
物収集部に浮遊物を収集することを特徴とする表層水清
掃浄化装置である。
【0013】第3発明は、浄化すべき水域の水面上に浮
かべる浮体と、前記浮体の前方部に取り付けたアンカー
と、前記浮体の前方部の水中に設けた表層水の導入口
と、前記浮体の後方部水中に設け前記導入口に連通した
浮遊物収集部と、さらに前記浮体の前方部を風上に向け
るための前記浮体に設けた風受部とを有することを特徴
とする表層水清掃浄化装置である。
【0014】第4発明は、浄化すべき水域の水面上に浮
かべる浮体と、前記浮体の前方部に取り付けたアンカー
と、前記浮体の前方部の水中に設けた表層水の導入口
と、前記浮体の後方部水中に設け前記導入口に連通した
浮遊物収集部と、さらに前記浮体の前方部を風上に向け
るための前記浮体に設けた風受部とを有する表層水清掃
浄化装置を使用し、前記浮体の前方部を風上に向けて、
浄化すべき水を前記導入口から導入して水中の前記浮遊
物収集部に浮遊物を収集し、収集された浮遊物に微生物
や藻類を付着生息させることを特徴とする表層水清掃浄
化装置である。第1発明及び第2発明において、浄化す
べき水域の水面上に浮体を浮かべ、前方部からアンカー
を打ち、後方部に風受部を装備すると、自然の風力によ
り浮体の前方が常に風上に向き、風と波による自然対流
により表層水が前方から後方へと流れると同時に、水面
上に浮かんでいるゴミなどの浮遊物(以下、浮遊物と記
載する)は、前方部に設けた導入口に入り、浮遊物収集
部すなわち導入用ネットの中を後方に押し流されて捕捉
収集される。一旦捕捉された浮遊物は、風向きが変わっ
ても後方部に装備した風受部の効果によって、浮体の前
方が速やかに風上を向き浮遊物は常に後方部に押し流さ
れるため、外に流出することはなく、風力と波力を利用
して浮遊物が集積される。風受部を装備していない場合
には、浮体よりも浮遊物の方が先に風に流されるため、
せっかく収集した浮遊物が拡散する問題が発生する。
【0015】次に、導入用ネットに集積した浮遊物の中
を、風力と波力により常に表層水が前方から後方へと流
れるため、浮遊物の表面は好気的かつ光も十分に当たる
状態となり、微生物や糸状藻類が付着増殖しやすい環境
となる。こうして浮遊物に付着生息した微生物や糸状藻
類は、閉鎖水域中の富栄養化成分である窒素やリン成分
を吸収して成長することにより水質浄化を行う。風速約
3m/秒の風が吹いた場合、表層水は約0.5m/分以上の
速度で移動するため、微風下においても、酸素や二酸化
炭素を多く含んだ好気的な水が、ゴミ表面に付着生息し
た微生物や糸状藻類に対して常に供給される。このた
め、ポンプなどの動力を必要とせず、常に水の循環を維
持できるため、電力などのエネルギーを消費せずに良好
な水質浄化作用を保つことができる。
【0016】次に導入用ネットの後方の水際に集積した
浮遊物は、風の強い日になると、風力と波力によってさ
らに後方に飛ばされて水中から水上に運ばれ、ゴミ収集
部のネットに捕捉収集される。その後、定期的にゴミ収
集部に溜まったゴミを回収することによって、水域の清
掃と水質浄化を維持することができる。ゴミ収集部が水
上に装備されてことにより、収集された浮遊物は天日乾
燥されて減量化している。このため、従来は濡れた状態
で回収していたゴミなどの浮遊物を乾燥した状態で取扱
いできるため、ゴミの回収作業が極めて容易となるはか
りでなく、汚水の漏洩や腐敗による悪臭の問題もなくな
る。
【0017】さらに微生物や藻類が付着生息した浮遊物
は、風力と波力により水中から自動的に水域外に除去し
た状態となるため、生分解による再汚染の心配がなく、
ゴミの回収頻度を減らすことができる。また、回収され
たゴミは水分が少ないため、容易に焼却処分もできる。
【0018】第3発明及び第4発明は、第1発明の構成
において、浮体の後方部のゴミ収集部が水中に装備され
ている。通常、ゴミ収集部は水上に装備することが望ま
しいが、ゴミを濡れた状態で回収してもよい場合や生態
系の保全場所として利用する場合には、ゴミ収集部を水
面下に設置してもよく、以下の理由により、第1発明と
ほぼ同様な清掃浄化作用を有する。即ち、請求項1と同
様に導入用ネットとゴミ収集部に集められた落ち葉やゴ
ミには、微生物や糸状藻類が付着生息することにより藻
場が形成される。こうしてできた藻場は、水棲昆虫・エ
ビ・カニ・カワニナ・草食の小魚の生息や産卵の場に適
しており、これらの小動物が微生物や糸状藻類を食べて
生息することにより、微生物や糸状藻類が再分解するこ
となく、水質は自然に浄化される。さらにこれらの小動
物を狙う鳥や肉食魚の餌場として生態系保全に寄与し、
生物による自然浄化のサイクルが形成される。このた
め、ゴミを回収する頻度を減らしても、自然の水質浄化
機能が維持されるだけでなく、清掃浄化効果の他に生態
環境保全効果に優れる。
【0019】
【実施形態】以下に本発明の実施形態を図に基づいて説
明する。実施例の表層水清掃浄化装置100は、図1及
び図2に示すように、二つの独立した部材からなる浮体
1の前方部にアンカーロープ8を取り付けてなる。浮体
1はさらに、二つの部材の間に、ネット状で、前方部に
導入口2を形成し、後方部水上に浮遊物収集部であるゴ
ミ収集部4を形成した導入用ネット3を備えられてい
る。浮体1の後方部のゴミ収集部4の上方には、浮体1
の前方部を風上に向けるための風受部5が設けられる。
【0020】浮体1の材質は特に限定されず、全体の浮
力を維持できるものであればよい。アンカーロープ8が
取り付けられるアンカー(図示せず)は、浮体1と風受
部5などに風や波を受けた場合にも移動せずにその位置
を維持できるものであればどのようなものでもよい。ア
ンカー(図示せず)は、浮体1が池の岸に接触しないよ
うに池の中央部付近に設置することが望ましい。風受部
5としては、図5に示すように、浮体1の後方部に植栽
した背丈の高い植物やゴミ収集部4の導入ネット3自体
を利用することもできる。導入口2は、前方に向かって
開いており、水や浮遊物が流れ込みやすい形状であれば
どのようなものでもよい。
【0021】導入口2からゴミ収集部4まで続く導入用
ネット3の形状や材質は特に限定されないが、浮遊物を
捕捉可能かつ水が通過しやすい大きさの隙間であればよ
い。例えば直径3mmのポリエチレンネットで、隙間が約
4cmのものなどが望ましい。ゴミ収集部4の形状や材質
は特に限定されないが、浮遊物を捕捉可能かつ風や水が
通過しやすい大きさの隙間であればよい。例えば、直径
3mmのポリエチレンネット(隙間約3cm)の箱状のもの
を、取り外し可能な状態に設置するなどが望ましい。ゴ
ミ収集部4の材質は、焼却処分しやすい天然物を用いる
と、ゴミと一緒に回収し焼却することができるため、回
収処理作業が容易になる。このようなものとしては、麻
製ネットやヤシ繊維不織布・ジュート製織物などがあ
る。導入用ネット3として生分解性プラスチックを用い
ることもできるが、水の中ですぐに崩壊しないような材
質を選ぶ必要がある。また、ポリエチレン製ネットやポ
リプロピレン製テープヤーン織物など焼却や埋め立て処
分しやすいプラスチック製を用いてもよい。こうして、
導入用ネット3やゴミ収集部4に収集蓄積されたゴミや
落ち葉などの浮遊物の表面では、微生物や糸状藻類が増
殖することにより水質浄化が繰り返され、ある一定期間
の経過後、ゴミと一緒に微生物や糸状藻類を回収処分す
ることにより、ゴミの清掃と水質浄化を同時に完了する
ことができる。
【0022】アンカー10の設置方法は、図6及び図7
に示すような1点アンカー方式、又は図8及び図9のよ
うな安定した3点アンカー方式を用いるとよい。
【0023】風受部5の形状や材質は特に限定されず、
浮体1の後方部に装備されていればよいが、強風に耐え
る強度を持ち、かつ微風でも浮体の前方が風上に向きや
すいものが好ましい。例えば、図1及び図2に示すよう
に、浮体1の長さが5mの場合には約0.15m2の三角
の帆を後方部に2枚装備する。この場合、風受部5は飛
行機の垂直尾翼のような三角形で、前方からの風を真直
ぐに切るような向きに設置することが望ましい。
【0024】
【表層水清掃浄化装置の実験例1】 図1ないし図3に
示すように、表層水清掃浄化装置100を外形寸法で幅
3m、長さ5mに製作した。浮体1の前方部は約3mの開
口の導入口2があり、その水面下50cmに導入用ネット
3(隙間4cm)を張り、後方部にゴミ収集部4として箱状
ネット(隙間3cm)をつけた。最後尾には風上を向けるた
めの風受部5として三角の帆(高さ0.5m、底辺0.6
m)を垂直に2枚立てた。
【0025】このような構成の表層水清掃浄化装置10
0を池に浮かべたところ、風により前方が常に風上に向
き、流されてきたゴミや落ち葉を収集することができ
た。また、流されてきたゴミや落ち葉には微生物と糸状
藻類が付着生息し、水質浄化を行うことができた。1ヶ
月後にゴミ収集部に集積したゴミ1.25kgを回収し
た。回収したゴミ1.25kg中の付着生物の乾燥重量は
35gであった。ゴミの水分量は15%に自然乾燥されて
おり、焼却処分も容易であった。
【0026】
【表層水清掃浄化装置の実験例2】図4及び図5に示す
ような表層水清掃浄化装置100を、緑化兼用の清掃浄
化装置(幅3m、長さ5m)として製作した。浮体1の前方は
3mの開口の導入口2があり、その水面下50cmに導入
用ネット3(隙間4cm)を張り、後方部にゴミ収集部4し
て箱状ネット(隙間3cm)をつけた。浮体の後部4分の1
の植栽部には、風上を向けるための風受部として背丈の
高い植栽物(アシ・ガマ・ショウブなど)を植栽し、それ
より前方部の植栽部には背丈の低い植物(クレソン・サ
クラソウなど)を植栽した。
【0027】
【表層水清掃浄化装置の実験例3】緑化兼用の表層水清
掃浄化装置を池に浮かべたところ、風により前方が常に
風上に向き、流されてきたゴミや落ち葉を収集すること
ができた。また、流されてきたゴミや落ち葉には微生物
と糸状藻類が付着生息し、水質浄化を行うことができ
た。
【0028】
【表層水清掃浄化装置の実験例4】生態環境保全兼用の
表層水清掃浄化装置を、図10及び図11に示すよう
に、幅3m、長さ5mを製作した。浮体の前方は3mの開
口の導入口があり、その水面下50cmに導入用のネット
(隙間4cm)を張り、後方部の水中にゴミ収集部として箱
状ネット(隙間3cm)をつけた。最後尾には風上を向ける
ための三角の帆(高さ0.5m、底辺0.6m)を垂直に2
枚立てた。浮体の後部4分の1の植栽部には、風上を向け
るための風受部として背丈の高い植栽物(アシ・ガマ・
ショウブなど)を植栽し、それより前方部の植栽部には
背丈の低い植物(クレソン・サクラソウなど)を植栽し
た。このような構成の表層水清掃浄化装置を池に浮かべ
たところ、風により前方が常に風上に向き、流されてき
たゴミや落ち葉を収集することができた。また、流され
てきたゴミや落ち葉には微生物と糸状藻類が付着生息
し、水質浄化を行うことができた。1ヶ月後に収集した
ゴミ8kgを回収した。回収したゴミ8kg中の付着生物の
乾燥重量は38gであった。ゴミや落ち葉などの浮遊物
の下にはエビ・ハヤ・フナの生息が確認され、シラサギ
とトンボの飛来も確認された。
【試験例1】(ゴミおよび表層水の移動要因の観察試
験)広島県三原市三原城の堀において、ゴミや落ち葉な
どの浮遊物の移動を6ヶ月間調査した結果、小さな流れ
込みや排水口によると見られる水流によって移動してい
る浮遊物は全体の5%で、残りの95%は風と波によって
移動していることが分かった。同時に水面下約1cmに水
中浮きを浮遊させて表層水の移動を観察した結果、小さ
な流れ込みや排水口によると見られる水流によって移動
している表層水は全体の6%で、残りの94%は風と波に
よって移動していることが分かった。
【0029】さらに広島県御調郡御調町御調ダムにおい
て、ゴミや落ち葉などの浮遊物の移動を6ヶ月間調査し
た結果、川からの流れ込みや出水口によると見られる水
流によって移動している浮遊物は全体の7%で、残りの
93%は風と波によって移動していることが分かった。
同時に水面下約1cmに水中浮きを浮遊させて表層水の移
動を観察した結果、川からの流れ込みや出水口によると
見られる水流によって移動している表層水は全体の8%
で、残りの92%は風と波によって移動していることが
分かった。このことから、ゴミや落ち葉などの浮遊物や
表層水が主に風と波の影響により移動していることが分
かった。また、強風時には風と波の影響により浮遊物が
波打ち際から陸上へと運ばれることが観察された。
【試験例2】(浮遊物に付着している生物量の測定)
広島県三原市三原城の堀において、ゴミや落ち葉などの
浮遊物10kgを採取し、これを10倍量の3%Tween80
溶液中で10分間撹拌洗浄したのち、100メッシュの
標準ふるいでゴミを除去し、付着している微生物と糸状
藻類の生物膜を含む洗浄液を回収した。洗浄液を120
00rpmで遠心分離したのち、水洗・撹拌・遠心分離を
繰り返し付着生物のみを回収した。回収した付着生物の
乾燥重量は28gであった。
【0030】また、採取した浮遊物の表面にはぬるぬる
とした微生物膜とともに糸状藻類の一種であるアオミド
ロが観察された。回収した付着生物の窒素およびリン成
分を、ケルダール分解法およびバナドモリブデン酸吸光
光度法により分析した結果、タンパク質が2.4%、リ
ン0.2%であった。したがって、これらの微生物と糸
状藻類が付着したゴミを回収処分することにより、水中
の窒素とリン成分の水質浄化ができることが分かった。
【0031】
【発明の効果】 本発明は、貯水池や湖沼・ため池・堀
等の閉鎖水域のゴミなどの浮遊物の清掃と同時に水の浄
化、特に窒素とリン成分の浄化を行うことができるた
め、環境美化とアオコの発生を抑制する効果がある。さ
らに本発明は、自然の風と自然の生物浄化作用を利用し
ているため、まったくエネルギーを消費せず、水質浄化
にかかるランニングコストを低減し、かつ地球温暖化の
原因となるCO2を削減することができる。また、環境の
美化と水質浄化のための清掃作業と維持管理の手間を低
減する効果および生態環境保全がある。さらに本発明は
構造が簡単であるため、小型で安価な装置設計が可能で
あり、あらゆる閉鎖水域に使用することができるため、
水質浄化や環境保全産業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表層水清掃浄化装置の実施例1の平面
図である。
【図2】本発明の表層水清掃浄化装置の実施例1の側面
図である。
【図3】本発明の表層水清掃浄化装置の実施例1の縦断
面図である。
【図4】本発明の表層水清掃浄化装置の実施例2の平面
図である。
【図5】本発明の表層水清掃浄化装置の実施例2の側面
図である。
【図6】本発明の表層水清掃浄化装置の実施例1のアン
カー設置方法の平面図である。
【図7】本発明の表層水清掃浄化装置の実施例1のアン
カー設置方法の側面図である。
【図8】本発明の表層水清掃浄化装置の3点アンカー設
置方法の平面図である。
【図9】本発明の表層水清掃浄化装置の3点アンカー設
置方法の側面図である。
【図10】本発明の表層水清掃浄化装置の実施例3の平
面図である。
【図11】本発明の表層水清掃浄化装置の実施例3の側
面図である。
【符号の説明】
1 浮体 2 導入口 3 導入用ネット 4 ゴミ収集部 5 風受部 6 植栽部 7 浮遊物 8 アンカーロープ 9 植栽物 10 アンカー 100 表層水清掃浄化装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浄化すべき水域の水面上に浮かべる浮体
    と、前記浮体の前方部に取り付けたアンカーと、前記浮
    体の前方部の水中に設けた表層水の導入口と、前記浮体
    の後方部水上に設け前記導入部に連通した浮遊物収集部
    と、さらに前記浮体の前方部を風上に向けるための前記
    浮体に設けた風受部とを有することを特徴とする表層水
    清掃浄化装置。
  2. 【請求項2】 浄化すべき水域の水面上に浮かべる浮体
    と、前記浮体の前方部に取り付けたアンカーと、前記浮
    体の前方部の水中に設けた表層水の導入口と、前記浮体
    の後方部水上に設け前記導入部に連通した浮遊物収集部
    と、さらに前記浮体の前方部を風上に向けるための前記
    浮体に設けた風受部とを有する表層水清掃浄化装置を使
    用し、前記浮体の前方部を風上に向けて、浄化すべき水
    を前記導入部から導入して水上の前記浮遊物収集部に浮
    遊物を収集することを特徴とする表層水清掃浄化装置。
  3. 【請求項3】 浄化すべき水域の水面上に浮かべる浮体
    と、前記浮体の前方部に取り付けたアンカーと、前記浮
    体の前方部の水中に設けた表層水の導入口と、前記浮体
    の後方部水中に設け前記導入部に連通した浮遊物収集部
    と、さらに前記浮体の前方部を風上に向けるための前記
    浮体に設けた風受部とを有することを特徴とする表層水
    清掃浄化装置。
  4. 【請求項4】 浄化すべき水域の水面上に浮かべる浮体
    と、前記浮体の前方部に取り付けたアンカーと、前記浮
    体の前方部の水中に設けた表層水の導入口と、前記浮体
    の後方部水中に設け前記導入部に連通した浮遊物収集部
    と、さらに前記浮体の前方部を風上に向けるための前記
    浮体に設けた風受部とを有する表層水清掃浄化装置を使
    用し、前記浮体の前方部を風上に向けて、浄化すべき水
    を前記導入部から導入して水中の前記浮遊物収集部に浮
    遊物を収集し、収集された浮遊物に微生物や藻類を付着
    生息させることを特徴とする表層水清掃浄化装置。
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