JP2016180068A - 炭素含有フィルムおよび炭素含有フィルムの製造方法ならびに高分子アクチュエータ素子および高分子アクチュエータ素子の製造方法 - Google Patents

炭素含有フィルムおよび炭素含有フィルムの製造方法ならびに高分子アクチュエータ素子および高分子アクチュエータ素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】適用性に優れる炭素含有フィルムおよび高分子アクチュエータ素子を提供する。
【解決手段】ベースポリマーとカーボン材料とイオン液体とを備え、ベースポリマーはフィブリル化されたポリテトラフルオロエチレンを含有し、フィブリル化されたポリテトラフルオロエチレンは炭素含有フィルムの主面内方向に配向している炭素含有フィルムを備える電極層3、4と、電極層3、4が備えるイオン液体と同種の材料からなるイオン液体および電解質用ベースポリマーを備える電解質層2と、を備える高分子アクチュエータ素子1であって、電解質層2の主面のそれぞれに、電極層3、4の主面が対向するように、2つの電極層3、4と電解質層2とは積層されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解質層と電極層とを備えた高分子アクチュエータ素子に関し、詳しくは、高分子アクチュエータ素子の電極層として使用されうる炭素含有フィルムおよびその製造方法、ならびに上記の炭素含有フィルムを備える電極層を備える高分子アクチュエータ素子およびその製造方法に関する。
特許文献1には、一対の電極層と、この一対の電極層の間に配置されている電解質を有する電解質層とを有するアクチュエータが開示されている。このアクチュエータにおいては、一対の電極層のうち少なくとも一方が多孔質のポリマー繊維を有しており、このポリマー繊維は、カーボンブラックその他の導電材料を有している。
特開2011−125094号公報
ところで、電解質層と電極層とを備えた高分子アクチュエータ素子には、用途に応じて様々な特性を高めることが求められる場合があり、具体例として、変位量を高めることが求められる場合や、剛性を高めることが求められる場合が挙げられる。特許文献1に記載される高分子アクチュエータ素子では、このような要請に対して、各層の構成材料や形状(厚さ等)などを個別に設計して対応することが必要であった。
本発明は、電解質層と電極層とを備えた高分子アクチュエータ素子であって、要求特性、具体的には、変位量および剛性が例示される、に応える能力、すなわち、適用性に優れる高分子アクチュエータ素子を提供することを目的とする。具体的には、本発明は、変位量を増大させることまたは剛性を高めることを容易に実現可能な高分子アクチュエータ素子の電極層として使用されうる炭素含有フィルムおよびその製造方法、ならびに上記の炭素含有フィルムからなる電極層を備える高分子アクチュエータ素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために提供される本発明の一態様は、ベースポリマーとカーボン材料とイオン液体とを備え、高分子アクチュエータ素子の電極層に使用される炭素含有フィルムであって、ベースポリマーはフィブリル化されたポリテトラフルオロエチレン(本明細書において「Fb−PTFE」と略記することもある。)を含有し、フィブリル化されたポリテトラフルオロエチレン(Fb−PTFE)は炭素含有フィルムの主面内方向に配向している炭素含有フィルムである。
本明細書において、「フィルム」とは、対向する2面が他の面に対して広い面積を有する(これらの他の面よりも面積が広い2面を「主面」と総称する。)6面体を基本形状とする部材であって、テープ、シート、およびリボンの概念を含むものとする。本明細書において、「主面内方向」とは、フィルムの主面の法線に垂直な方向であって、フィルム全体が湾曲している場合であっても、曲面となった主面の各位置の法線に対して垂直な方向であれば、その方向は主面内方向にあると定義される。層の主面も、フィルムの主面と同様に定義される。
本発明に係る炭素含有フィルムは、当該フィルムが含有するFb−PTFEが配向されていることに起因して、構造上の主面内異方性を有する。この構造上の主面内異方性に基づいて、本発明の一実施形態に係る炭素含有フィルムは、機械特性(撓みやすさ)について主面内異方性を有する。
炭素含有フィルムに対して湾曲するような変形を生じさせると、炭素含有フィルムの変形に伴って主面の湾曲した部分(湾曲部)の法線の方向が変化する。このため、炭素含有フィルムの湾曲部では主面内方向が変化する。この湾曲部において変化した主面内方向が、湾曲部に位置するFb−PTFEが配向する方向と平行な方向であるときには、湾曲部に位置するFb−PTFEのそれぞれを折り曲げるような外力が付与されることになる。このため、このような炭素含有フィルムの変形は生じにくい。以下、この変形モードを「変形モード1」という。
これに対し、炭素含有フィルムの変形に伴って変化した湾曲部の主面内方向が、湾曲部に位置するFb−PTFEが配向する方向と垂直な方向であるときには、炭素含有フィルムの上記の変形によって、湾曲部に位置するFb−PTFEのそれぞれについて、互いに隣接するFb−PTFEの長軸に直交する方向に位置ずれさせる外力が付与されることになる。このような炭素含有フィルムの変形(以下、この変形モードを「変形モード2」という。)は、上記の変形モード1に係る変形に比べると生じやすい。
このように、炭素含有フィルムの機械特性(撓みやすさ)が主面内異方性を有することにより、かかる炭素含有フィルムを電極層の少なくとも一部として備える高分子アクチュエータ素子に、変形量および剛性に異方性を付与することが可能となる。
上記の本発明に係る炭素含有フィルムが備えるベースポリマーの重量のカーボン材料の総重量に対する比は、0.02以上0.15以下であることが好ましい。かかる炭素含有フィルムを電極層の少なくとも一部として備える高分子アクチュエータ素子は、応答性を確保することと、変形量および剛性の異方性を適切に有することとを両立させることがより安定的に実現される。
上記の本発明に係る炭素含有フィルムが備えるカーボン材料は活性炭やカーボンブラックを用いるのが一般的であるが、カーボンナノファイバまたはカーボンナノチューブなどの線状の炭素材料を含有していてもよく、この場合において、線状の炭素材料は、Fb−PTFEが配向する方向に沿うように配向していることが好ましい。かかる構成を有することにより、Fb−PTFEの配向によりもたらされた炭素含有フィルムの機械特性(撓みやすさ)の主面内方向の異方性が、かかる炭素含有フィルムを電極層の少なくとも一部として備える高分子アクチュエータ素子における変形量および剛性の異方性として、反映されやすくなる。
上記のカーボンナノファイバは、賦活処理によって表面積を増大させたものであることが好ましい。かかる炭素含有フィルムを電極層として備える高分子アクチュエータ素子は、変形量または剛性が増大しやすい。
上記の本発明に係る炭素含有フィルムが備えるカーボン材料は、カーボンナノファイバに加えて、ナノ炭素材をさらに含有していてもよい。かかる炭素含有フィルムを電極層として備える高分子アクチュエータ素子は、変形量または剛性が増大しやすい。
上記のナノ炭素材はカーボンナノホーンを含有していてもよい。カーボンナノホーンは、ナノ炭素材の好ましい一例であり、ナノ炭素材はカーボンナノホーンからなっていてもよい。
上記のナノ炭素材の重量のカーボン材料の総重量に対する比は、0.4以上0.8以下であってもよい。かかる炭素含有フィルムを電極層の少なくとも一部として備える高分子アクチュエータ素子は、応答性を確保することと、変形量および剛性の異方性を適切に有することとを両立させることがより安定的に実現される場合もある。
上記の本発明に係る炭素含有フィルムが備えるイオン液体は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナートを含有していてもよい。かかる炭素含有フィルムを電極層の少なくとも一部として備える高分子アクチュエータ素子は、変形量または剛性が増大しやすくなることが、より安定的に実現される場合もある。
上記の本発明に係る炭素含有フィルムが備えるイオン液体の重量のカーボン材料の総重量に対する比は、1以上2.5以下であってもよい。かかる炭素含有フィルムを電極層の少なくとも一部として備える高分子アクチュエータ素子は、応答性を高めることが、より安定的に実現される場合もある。
本発明の別の一態様は、上記の本発明に係る炭素含有フィルムを備える電極層と、電極層が備えるイオン液体と同種の材料からなるイオン液体および電解質用ベースポリマーを備える電解質層と、を備え、電解質層の主面のそれぞれに、電極層の主面が対向するように、2つの電極層と電解質層とは積層されている高分子アクチュエータ素子である。
かかる高分子アクチュエータ素子は、前述のように、機械特性(撓みやすさ)について主面内方向の異方性を有する炭素含有フィルムを電極層の少なくとも一部として備えるため、変形量および剛性の異方性を有することができる。
上記の本発明に係る高分子アクチュエータ素子に電圧が印加されたときに電極層が伸縮する方向に平行な方向に沿うように、電極層に含有されるFb−PTFEの少なくとも一部は配向していてもよい。このような構成を有する高分子アクチュエータ素子に対して電圧が印加されると、電極層として機能している炭素含有フィルムには上記の変形モード1に係る変形が生じやすくなるため、高分子アクチュエータ素子の剛性が増大しやすい。
上記の本発明に係る高分子アクチュエータ素子に電圧が印加されたときに電極層が伸縮する方向に直交する方向に沿うように、電極層に含有されるFb−PTFEの少なくとも一部は配向していてもよい。このような構成を有する高分子アクチュエータ素子に対して電圧が印加されると、電極層として機能している炭素含有フィルムには上記の変形モード2に係る変形が生じやすくなるため、高分子アクチュエータ素子の変形量が増大しやすい。
上記の本発明に係る高分子アクチュエータ素子が備える電解質用ベースポリマーはポリフッ化ビニリデンを含有していてもよい。
本発明のさらに別の一態様は、上記の本発明に係る炭素含有フィルムの製造方法である。当該製造方法の一例は、カーボン材料にイオン液体を滴下し、その後に、ベースポリマーを添加して混練を行い、混練物を得る第1混練工程と、混練物からペレットを形成するペレット化工程と、ペレットを所定の方向に延伸して、前記炭素含有フィルムの少なくとも一部をなす膜状体を得る膜状化工程と、を備える。上記の本発明に係る炭素含有フィルムの製造方法の別の一例は、カーボン材料とベースポリマーと混練して混練物を得る第2混練工程と、混練物からペレットを形成するペレット化工程と、ペレットを所定の方向に延伸して、炭素含有フィルムの少なくとも一部をなす膜状体を得る膜状化工程と、膜状体にイオン液体を含浸させる含浸工程と、を備える。
上記の製造方法を採用することにより、本発明に係る炭素含有フィルムを安定的に製造することができる。
上記の製造方法において、膜状化工程では、膜状体を得るために繰り返し延伸を行うことが好ましい。この繰り返し延伸を行うことにより、Fb−PTFEを配向させることが容易となる。
本発明のさらにまた別の一態様は、上記の本発明に係る高分子アクチュエータ素子の製造方法であって、電解質層の主面のそれぞれに電極層の主面が対向するように2つの電極層と電解質層とを積層して積層体を得る積層工程と、積層体の積層方向に沿う方向に積層体を切断して、高分子アクチュエータ素子を得る切断工程と、を備える高分子アクチュエータ素子の製造方法である。
上記の製造方法を採用することにより、例えば同一工程で得た積層体から高分子アクチュエータ素子を切り出す際に、所定の方向を長軸とするもの、あるいは単軸とするものなど、切り出し方によって複数の特性が得ることができるなど、アクチュエータの特性範囲を広げることができ、また本発明に係る高分子アクチュエータ素子を安定的に製造することができる。
上記の本発明に係る炭素含有フィルムは、当該フィルムが含有するFb−PTFEが主面内方向に配向性を有することに基づいて、機械特性(撓みやすさ)が主面内異方性を有する。このため、かかる炭素含有フィルムを電極層の少なくとも一部としてとして備える高分子アクチュエータ素子は、変形量および剛性に異方性を有することができる。したがって、本発明に係る炭素含有フィルムを用いることにより、変位量または剛性が増大した高分子アクチュエータ素子が提供される。また、本発明によれば、上記の炭素含有フィルムの製造方法および当該フィルムを備える高分子アクチュエータ素子の製造方法も提供される。
本発明の実施形態に係る高分子アクチュエータ素子の部分断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る、炭素含有フィルムおよび炭素含有フィルムの製造方法ならびに高分子アクチュエータ素子および高分子アクチュエータ素子の製造方法について、図面を参照しつつ詳しく説明する。
1.炭素含有フィルム
本発明の一実施形態に係る炭素含有フィルムは、ベースポリマーとカーボン材料とイオン液体とを備え、高分子アクチュエータ素子の電極層に使用されるものである。炭素含有フィルムの厚さは限定されない。炭素含有フィルムの厚さとして、50〜250μmが例示される。
本発明の一実施形態に係る炭素含有フィルムが備えるベースポリマーは、フィブリル化されたポリテトラフルオロエチレン(Fb−PTFE)を含有する。かかるベースポリマーはFb−PTFEからなることが好ましい。ここで、フィブリル化とは、フィブリル構造さらにはミクロフィブリル構造を形成するための繊維化または紡糸化のことであって、例えば、固体の対象物を粉体とともに混練して剪断力を与えることによってフィブリル化し、さらにはミクロフィブリル化する。
本発明の一実施形態に係る炭素含有フィルムがベースポリマーの少なくとも一部として備えるFb−PTFEは、炭素含有フィルムの主面内方向に配向している。このような構造上の特徴を有することにより、炭素含有フィルムの機械特性(撓みやすさ)は主面内異方性を有する。具体的には、変形モード1の変形は生じにくく、変形モード2の変形は生じやすい。この機械特性(撓みやすさ)の主面内異方性を利用することにより、本発明の一実施形態に係る炭素含有フィルムを電極層の少なくとも一部として備える高分子アクチュエータ素子は、変形量および剛性の異方性を有することができる。
本発明の一実施形態に係る炭素含有フィルムは、Fb−PTFE以外の材料をベースポリマーの一部として含有していてもよい。かかる材料の例として、フィブリル化されていないポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどが例示される。
本発明の一実施形態に係る炭素含有フィルムが備えるカーボン材料の種類は限定されない。カーボン材料として、活性炭、カーボンブラック、カーボンナノファイバ、カーボンナノチューブ、ナノ炭素材、などが例示される。
カーボン材料としてカーボンナノファイバやカーボンナノチューブなどの線状の炭素材料を含有する場合において、線状の炭素材料、Fb−PTFEが配向する方向に沿うように配向していることが好ましい。炭素含有フィルムが備える針状の炭素材料が上記のように配向していることにより、炭素含有フィルムを電極層の少なくとも一部として備える高分子アクチュエータ素子における変形量または剛性が増大しやすくなることが、より安定的に実現される場合もある。
カーボンナノファイバの種類は限定されない。カーボンナノファイバとして、賦活処理によって活性化して表面積を増大させたものであることが好ましい。表面積を増大させたことによって、炭素含有フィルムを電極層の少なくとも一部として用いた際に、その内部でより多くのイオンが移動できるようになる。
カーボン材料としてナノ炭素材をさらに含有する場合において、ナノ炭素材の種類は限定されない。ナノ炭素材として、例えばカーボンナノホーンが挙げられる。
ベースポリマーの重量のカーボン材料の総重量に対する比(比1)は、0.02以上0.15以下であることが好ましい。比1が上記の範囲内にあることにより、炭素含有フィルムを電極層の少なくとも一部として備える高分子アクチュエータ素子は、応答性を確保することと、変形量および剛性に異方性を適切に有することとを両立させることが容易となる。
ナノ炭素材の重量のカーボン材料の総重量に対する比(比2)は、0.4以上0.8以下であることが好ましい場合がある。比2が上記の範囲内にあることにより、炭素含有フィルムを電極層の少なくとも一部として備える高分子アクチュエータ素子は、応答性を確保することと、変形量および剛性に異方性を適切に有することとを両立させることが容易となる場合がある。
本発明の一実施形態に係る炭素含有フィルムが備えるイオン液体の種類は限定されない。イオン液体として、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート(EMI−TfO)、エチルメチルイミダゾリウム テトラフルオロボレート(EMIBF4)、エチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(EMITFSI)等が例示される。これらの中でも、本発明の一実施形態に係る炭素含有フィルムが備えるイオン液体は、EMI−TfOを含有することが好ましく、EMI−TfOからなることがより好ましい。
イオン液体の重量のカーボン材料の総重量に対する比(比3)は、1以上2.5以下であることが好ましい場合もある。比3が上記の範囲内にあることにより、炭素含有フィルムを電極層の少なくとも一部として備える高分子アクチュエータ素子は、応答性を確保することが容易となる場合がある。
2.高分子アクチュエータ素子
図1は本発明の一実施形態に係る高分子アクチュエータ素子の部分断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る高分子アクチュエータ素子1は、電解質層2と、電解質層2の厚さ方向(図1のZ方向)の両側表面に形成される電極層3、4と、を備える。電解質層2の主面のそれぞれに、電極層3、4の主面が対向するように、2つの電極層3、4と電解質層2とは積層されている。図1に示される高分子アクチュエータ素子1は、電極層3、4が上記の本発明の一実施形態に係る炭素含有フィルムからなる。
図1に示す例では、高分子アクチュエータ素子1の基端部5が固定端部であり、この基端部5が、固定支持部6、6にて片持ちで固定支持されている。両面の電極層3、4間に駆動電圧を印加すると、図1の点線に示すように、電解質層2と電極層3、4との間のイオン移動などによって電極層3と電極層4の間に容積差が生じ、これにより曲げ応力が発生して、高分子アクチュエータ素子1の自由端部である先端部7を湾曲変形させることができる。上記イオン移動で電極層3、4間に容積の差が生じる原理は一般に一義的ではないとされているが、代表的な原理要因の1つに、陽イオンと陰イオンのイオンサイズの差で容積に差が生じることが知られている。
ここで、図1に示す固定支持部6は、電極層3、4と電気的に接続する接続部(給電部)として構成することができる。
高分子アクチュエータ素子1が固定支持部6から突出する方向(X方向)と、電極層3、4をなす炭素含有フィルムが備えるFb−PTFEが配向している方向との関係は限定されない。高分子アクチュエータ素子1に求められる用途に応じて、適宜設定される。
高分子アクチュエータ素子1に電圧が印加されたときに、電極層3、4が伸縮する方向に平行な方向に沿うように、電極層3、4が備えるFb−PTFEの少なくとも一部は配向していてもよい。この場合には、高分子アクチュエータ素子1に電圧が印加される前の状態において、電極層3、4に含有されるFb−PTFEの少なくとも一部は、図1のX方向に沿うように配向していることになる。このため、高分子アクチュエータ素子1が例えば自重により撓むように変形しようすると、この変形は変形モード1の変形であるから、電極層3、4に含有されるFb−PTFEを折り曲げるような力が発生することになる。それゆえ、電極層3、4に含有されるFb−PTFEが上記のように配向している場合には、高分子アクチュエータ素子1の剛性が相対的に増大する。高分子アクチュエータ素子1の剛性の程度は、電極層3、4に含有されるFb−PTFEの配向の程度を変化させることや、電極層3、4に含有されるFb−PTFEが配向する方向とX方向とが作る角度(0〜90°で定義される。)を変化させることにより制御することが可能である。
高分子アクチュエータ素子1に電圧が印加されたときに、電極層3、4が伸縮する方向に直交する方向に沿うように、電極層3、4に含有されるFb−PTFEの少なくとも一部は配向していてもよい。この場合には、高分子アクチュエータ素子1に電圧が印加される前の状態において、図1のY方向に沿うように、電極層3、4に含有されるFb−PTFEの少なくとも一部は配向していることになる。このため、高分子アクチュエータ素子1に電圧を印加して変形させたときに、電極層を構成する炭素含有フィルムには、変形モード2の変形が優先的に生じる。このため、電極層3、4に含有されるFb−PTFEを折り曲げるような力は発生しにくく、高分子アクチュエータ素子1の電極層3、4は変形しやすくなる。それゆえ、電極層3、4に含有されるFb−PTFEが上記のように配向している場合には、高分子アクチュエータ素子1の変形量が相対的に増大する。高分子アクチュエータ素子1の変形量の程度は、電極層3、4に含有されるFb−PTFEの配向の程度を変化させることや、電極層3、4に含有されるFb−PTFEが配向する方向とY方向とが作る角度(0〜90°で定義される。)を変化させることにより制御することが可能である。
高分子アクチュエータ素子1の電解質層2は、イオン液体および電解質用ベースポリマーを有する。この電解質層2は、例えば10〜30μmの厚さで形成する。
イオン液体の種類は限定されない。高分子アクチュエータ素子1の動作安定性を高める観点などから、通常、電極層3、4が備えるイオン液体と同種の材料からなる。
電解質用ベースポリマーの材料は限定されない。電解質用ベースポリマーの材料の例として、ポリフッ化ビニリデン、電極層3、4が備えるようなFb−PTFE、フィブリル化されていないポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
3.炭素含有フィルムの製造方法
本発明の一実施形態に係る炭素含有フィルムの製造方法は限定されない。次に説明する製造方法を実施すれば、本発明の一実施形態に係る炭素含有フィルムを効率的に製造することが可能である。
本発明の一実施形態に係る炭素含有フィルムの製造方法の一例は、(1)第1混練工程、(2)ペレット化工程、および(3)膜状化工程を備える。
(1)第1混練工程
第1混練工程では、カーボン材料にイオン液体を滴下し、その後に、ベースポリマーを添加して混練を行い、混練物を得る。カーボン材料へのイオン液体の滴下は複数回に分けて行うとよい。その後に、Fb−PTFEを含むベースポリマーを添加して混練を行う。混練の具体的な方法は限定されない。例えば、乳鉢や三本ロールを用いて行ってもよい。
カーボン材料に対してイオン液体を滴下すると、カーボン材料がほぐれるため、その後に添加したFb−PTFEが全体に均一に混ざりやすくなる。イオン液体を滴下した場合と、従来のように電極層の作製後に含浸法によってイオン液体を含有させた場合とを比較すると、滴下した場合の高分子アクチュエータ素子の変位量は、含浸法による場合の数倍となる。
また、混練によって調合すると、カーボン材料に対して少ない量のベースポリマーによって、カーボンナノファイバやカーボンナノホーンなどのカーボン材料を絡み込むようにして取り込むことができ、これにより、以後のペレット化工程および膜状化工程においてカーボン材料を確実に保持でき、素子の電極層として使用した際の駆動性能を高め、かつ安定化させることができる。
(2)ペレット化工程
ペレット化工程では、上記の混練工程により得られた混練物からペレットを形成する。この工程は、例えば、ペレタイザーを用いて造粒した後に、50〜100kg/cmで加圧することによって行うことができる。
(3)膜状化工程
膜状化工程では、上記のペレット化工程で得られたペレットを所定の方向に延伸して、炭素含有フィルムの少なくとも一部をなす膜状体を得る。炭素含有フィルムは上記の延伸によって得られた膜状体からなるものであってもよい。一群のペレットを延伸して膜状化することにより、ペレットに含有されるFb−PTFEは、延伸方向に沿うように整列し、Fb−PTFEが配向した膜状体を得ることができる。膜状化工程では、膜状体を得るために繰り返し延伸を行うことが好ましい。繰り返し延伸を行うことにより、膜状体に含まれるFb−PTFEの配向の程度を高めることができる。このように、膜状化工程において延伸の程度を変化させることにより、膜状体を備える炭素含有フィルムに含まれるFb−PTFEの配向の程度を調整することができる。
本発明の一実施形態に係る炭素含有フィルムの製造方法の他の一例は、(1)第2混練工程、(2)ペレット化工程、(3)膜状化工程および(4)含浸工程を備える。これらの工程のうち、(2)ペレット化工程および(3)膜状化工程は上記の製造方法の一例と同じであるから、説明を省略する。
(1)第2混練工程
第2混練工程では、カーボン材料とベースポリマー(Fb−PTFEを含む。)とを混練して混練物を得る。混練方法は限定されない。例えば、乳鉢や三本ロールを用いて行ってもよい。
(4)含浸工程
含浸工程では、膜状化工程で得られた膜状体にイオン液体を含浸させる。含浸方法は限定されない。スポイトなどを用いてイオン液体を滴下することが例示される。
このように、第2混練工程および含浸工程を備える製造方法の場合には、(3)膜状化工程により得られた膜状体は、乾燥体である、すなわち、イオン液体を含有しないため、取扱いが容易であり、保管や運搬が容易となる。
4.高分子アクチュエータ素子の製造方法
本発明の一実施形態に係る高分子アクチュエータ素子の製造方法は限定されない。次に説明する製造方法を実施すれば、本発明の一実施形態に係る高分子アクチュエータ素子を効率的に製造することが可能である。
本発明の一実施形態に係る高分子アクチュエータ素子の製造方法は、(1)積層工程および(2)切断工程を備える。
(1)積層工程
積層工程では、電解質層の主面のそれぞれに電極層の主面が対向するように2つの電極層と電解質層とを積層して積層体を得る。2つの電極層の少なくとも一方は、少なくとも一部に本発明の一実施形態に係る炭素含有フィルムを備える。各層の積層方法は限定されない。通常、一方の電極層を平面上に載置し、その上に電解質層を載置し、さらに他方の電極層を載置する。得られた積層部材を加圧することにより一体化して、積層体が得られる。2つの電極層は、それぞれに含有されるFb−PTFEの配向が揃うように配置されることが、高分子アクチュエータ素子の変位量および剛性の異方性を高める観点から好ましい。
(2)切断工程
切断工程では、上記の積層工程により得られた積層体の積層方向に沿う方向に積層体を切断して、高分子アクチュエータ素子を得る。切断方法は限定されない。切断刃や抜き型を用いてもよいし、水などの流体を高圧で噴射して切断してもよい。あるいは、レーザやイオンビームなどエネルギー線を用いて切断してもよい。
切断工程における積層体の切断方向を調整することによって、得られた高分子アクチュエータ素子の変位量および剛性の異方性を制御することができる場合もある。この場合には、異なる特性の高分子アクチュエータ素子を、切断工程の作業を変更することだけで作り分けることができ、生産性に優れる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、高分子アクチュエータ素子の電極層に含有されるFb−PTFEは、電極層の主面全体が等しい配向性を有していなくてもよい。その配向性を調整することにより、高分子アクチュエータ素子の変位量を部分的に変化させることができる。具体的には、高分子アクチュエータ素子は、図1のような構成であっても、電圧が印加されたときに、Z方向に非一様に変位して、結果的にねじれを含むような変形を生じさせることが可能となる。このように、本発明に係る高分子アクチュエータ素子は、その電極層に含有されるFb−PTFEの配向性を制御することにより、電圧が印加されたときの素子の動きに多様性を付与することができる。
電極層に含有されるFb−PTFEの配向性の制御方法は限定されない。電極層が本発明の炭素含有フィルムから構成され、その炭素含有フィルムに含有されるFb−PTFEの配向性が変化していてもよい。あるいは、電極層の一部が本発明の炭素含有フィルムから構成され、その電極層の一部について、含有されるFb−PTFEの配向性が制御されていてもよい。さらには、電極層が配向性の異なる炭素含有フィルムの複数から構成されていてもよい。
以下に実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、以下の条件で炭素含有フィルムおよび高分子アクチュエータ素子を製造した。各工程は、特に記載している場合を除いて常温・大気中で行った。
(1)炭素含有フィルムの作製
i)第2混練工程
下記カーボン材料にベースポリマーを添加して混練を行い、混練物を得た。
カーボン材料:活性炭およびカーボンブラック
ベースポリマー:Fb−PTFE
ここで、ベースポリマーの重量のカーボン材料の総重量に対する比(比1)は、0.11であった。
ii)ペレット化工程
上記の混練工程により得られた混練物を、ペレタイザーを用いて加圧することによってペレットを得た。
iii)膜状化工程
上記のペレット化工程で得られたペレットを一方向に偏って延伸させ、厚さ200μmの膜状体を得た。
iv)含浸工程
上記で得られた膜状体にイオン液体(EMI-TfO)を適量滴下することで含浸させ、炭素含有フィルムを作製した
(2)高分子アクチュエータ素子の作製
i)積層工程
以下の構成の電解質層(厚さ:20μm)を用意した。
ベースポリマー:ポリフッ化ビニリデン(PVdF)100mg
イオン液体:EMI−TfO 100mg
得られた電解質層の主面のそれぞれに、イオン液体(EMI−TfO)を含浸させた炭素含有フィルムからなる電極層の主面が対向するように、2つの電極層と電解質層とを積層した。具体的には、一方の電極層(厚さ:200μm)を平面上に載置し、その上に電解質層を載置し、さらに他方の電極層(厚さ:200μm)を載置した。得られた積層部材を加圧することにより一体化して、厚さ420μmの積層体を得た。ここで、積層した2つの電極層は、それぞれに含有されるFb−PTFEの配向が揃うように配置した。
ii)切断工程
上記の積層工程により得られた積層体の積層方向に沿う方向に、切断刃を用いて積層体を切断して、平面視形状が5mm×10mmの長方形の高分子アクチュエータ素子を得た。ここで、積層体を切断する際に、高分子アクチュエータ素子の平面視形状の長軸方向が、電極層に含有されるFb−PTFEの配向に沿った方向になるように、切断方向を調整した。
(実施例2)
実施例1と同様にしてイオン液体(EMI−TfO)を含浸させた炭素含有フィルムを製造した。この炭素含有フィルムを電極層として、実施例1と同様にして、高分子アクチュエータ素子の作製の積層工程までを実施した。上記の積層工程により得られた積層体の積層方向に沿う方向に、切断刃を用いて積層体を切断して、平面視形状が5mm×10mmの長方形の高分子アクチュエータ素子を得た。ここで、積層体を切断する際に、高分子アクチュエータ素子の平面視形状の短軸方向が、電極層に含有されるFb−PTFEの配向に沿った方向になるように、切断方向を調整した。
(比較例1)
炭素含有フィルムの作製において、用いたベースポリマーを、Fb−PTFEに代えて、フィブリル化されていない不定形のポリテトラフルオロエチレンとしたこと以外は、実施例1と同様にして、イオン液体(EMI−TfO)を含浸させた炭素含有フィルムを得た。
得られた炭素含有フィルムからなる電極層を用いて、実施例1と同様にして、高分子アクチュエータ素子を得た。なお、本例に係る炭素含有フィルムは、機械特性(撓みやすさ)に主面内異方性を有していないため、切断工程では特段の調整を行わず、5mm×10mmの長方形の平面視形状となるように、積層体の切断を行った。
(試験例1)変位量、応答性および発生力
実施例1および2ならびに比較例1において作製した高分子アクチュエータ素子のそれぞれを、平面視形状の長軸方向が突出方向(X方向)と平行であり、素子の主面の法線方向が鉛直方向(Z方向)と平行になるように、固定支持部を用いて固定した。突出長さは5mmであった。この固定支持部を、電極層のそれぞれと電気的に接続する接続部(給電部)として機能するものとして、外部電源からの電圧を固定支持部から電極層に印加可能とした。
各高分子アクチュエータ素子の固定支持部に対して、2.0V、50mHzの交流電圧を印加した。その結果、印加電圧の交番に応じて、各高分子アクチュエータ素子の突出端部が上下動(Z方向への反り)した。各高分子アクチュエータの突出端から固定支持部側に1mm入った位置をレーザ変位計で測定して、電圧印加前の位置に対する位置変化の最大値を、高分子アクチュエータ素子の変位量(単位:mm)とした。この変位量の測定に基づき、応答性(単位:mm/s)および発生力(単位:mN)を算出した。測定結果を表1に示す。
表1に示されるように、本実施例に係る高分子アクチュエータ素子は、その作製にあたり、切断工程における切断方向を調整するだけで、変位量および剛性が異なる素子とすることができた。すなわち、本実施例に係る高分子アクチュエータ素子は、変位量および剛性に異方性を有するものであった。
以上のように、本発明に係る炭素含有フィルム、およびこのフィルムを備える電極層として備える高分子アクチュエータ素子は、変位量および剛性に異方性を有するため、高分子アクチュエータ素子の適用範囲広げることができる点で有用である。
1 高分子アクチュエータ素子
2 電解質層
3、4 電極層
5 基端部
6 固定支持部
7 先端部

Claims (17)

  1. ベースポリマーとカーボン材料とイオン液体とを備え、高分子アクチュエータ素子の電極層に使用される炭素含有フィルムであって、
    前記ベースポリマーはフィブリル化されたポリテトラフルオロエチレンを含有し、
    前記フィブリル化されたポリテトラフルオロエチレンは前記炭素含有フィルムの主面内方向に配向していることを特徴とする炭素含有フィルム。
  2. 前記ベースポリマーの重量の前記カーボン材料の総重量に対する比は、0.02以上0.15以下である、請求項1に記載される炭素含有フィルム。
  3. 前記カーボン材料はカーボンナノファイバまたはカーボンナノチューブを含有し、前記カーボンナノファイバまたは前記カーボンナノチューブは、前記フィブリル化されたポリテトラフルオロエチレンが配向する方向に沿うように配向している、請求項1または請求項2に記載の炭素含有フィルム。
  4. 前記カーボンナノファイバは、賦活処理によって表面積を増大させたカーボンナノファイバである、請求項3に記載される炭素含有フィルム。
  5. 前記カーボン材料はナノ炭素材をさらに含有する、請求項3または請求項4に記載される炭素含有フィルム。
  6. 前記ナノ炭素材はカーボンナノホーンを含有する、請求項5に記載される炭素含有フィルム。
  7. 前記ナノ炭素材の重量の前記カーボン材料の総重量に対する比は、0.4以上0.8以下である、請求項5または請求項6に記載される炭素含有フィルム。
  8. 前記イオン液体は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナートを含有する、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載される炭素含有フィルム。
  9. 前記イオン液体の重量の前記カーボン材料の総重量に対する比は、1以上2.5以下である、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載される炭素含有フィルム。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載される炭素含有フィルムを備える電極層と、前記電極層が備えるイオン液体と同種の材料からなるイオン液体および電解質用ベースポリマーを備える電解質層とを備え、前記電解質層の主面のそれぞれに、前記電極層の主面が対向するように、2つの前記電極層と前記電解質層とは積層されていることを特徴とする高分子アクチュエータ素子。
  11. 前記高分子アクチュエータ素子に電圧が印加されたときに前記電極層が伸縮する方向に平行な方向に沿うように、前記電極層に含有される前記フィブリル化されたポリテトラフルオロエチレンの少なくとも一部は配向している、請求項10に記載の高分子アクチュエータ素子。
  12. 前記高分子アクチュエータ素子に電圧が印加されたときに前記電極層が伸縮する方向に直交する方向に沿うように、前記電極層に含有される前記フィブリル化されたポリテトラフルオロエチレンの少なくとも一部は配向している、請求項10または請求項11に記載の高分子アクチュエータ素子。
  13. 前記電解質用ベースポリマーはポリフッ化ビニリデンを含有する、請求項10から請求項12のいずれか一項に記載の高分子アクチュエータ素子。
  14. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載される炭素含有フィルムの製造方法であって、
    前記カーボン材料に前記イオン液体を滴下し、その後に、前記ベースポリマーを添加して混練を行い、混練物を得る第1混練工程と、前記混練物からペレットを形成するペレット化工程と、前記ペレットを所定の方向に延伸して、前記炭素含有フィルムの少なくとも一部をなす膜状体を得る膜状化工程と、を備えることを特徴とする炭素含有フィルムの製造方法。
  15. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載される炭素含有フィルムの製造方法であって、
    前記カーボン材料と前記ベースポリマーとを混練して混練物を得る第2混練工程と、前記混練物からペレットを形成するペレット化工程と、前記ペレットを所定の方向に延伸して、前記炭素含有フィルムの少なくとも一部をなす膜状体を得る膜状化工程と、前記膜状体にイオン液体を含浸させる含浸工程と、を備えることを特徴とする炭素含有フィルムの製造方法。
  16. 前記膜状化工程では、前記膜状体を得るために繰り返し延伸を行う、請求項14または15に記載の炭素含有フィルムの製造方法。
  17. 請求項10から請求項13のいずれか一項に記載される高分子アクチュエータ素子の製造方法であって、
    前記電解質層の主面のそれぞれに前記電極層の主面が対向するように2つの前記電極層と前記電解質層とを積層して積層体を得る積層工程と、
    前記積層体の積層方向に沿う方向に前記積層体を切断して、前記高分子アクチュエータ素子を得る切断工程と、
    を備えることを特徴とする高分子アクチュエータ素子の製造方法。
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