JP2016179988A - マンノオリゴ糖の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】食品製造廃棄物としてのコーヒー抽出残渣からマンノオリゴ糖含有物を製造する方法を提供する。
【解決手段】加熱温度、加熱時間、酸濃度、コーヒー抽出残渣の濃度などを特定の条件とすることによって、目的物を高い収量で製造でき、かつフルフラールの生成を抑制する。
【選択図】なし

Description

本発明は、コーヒー抽出残渣からマンノオリゴ糖を製造する方法に関する。
稲わら、間伐材、バガスなどの木質系廃棄物、または、おから、醤油粕、酒類製造粕、茶類粕、およびコーヒー抽出残渣などの、食品の製造過程で発生する残渣のバイオマスを有効利用する技術が従来から研究されている。例えば、木質系廃棄物を分解して得られる、グルコースなどの糖類からエタノールを製造する技術、または食品製造残渣を飼料化する技術などがあげられる。コーヒー抽出残渣については、脂質含量が高く飼料化できないため、産業廃棄物として焼却処分するか、または堆肥や活性炭の原料として利用されている。しかし、まだ十分な利用がなされているとはいえない。
コーヒー抽出残渣は、主としてマンノースからなる多糖類を多く含むことが知られている(非特許文献1)。コーヒー抽出残渣の利用に関しては、完全に抽出しきっていない焙炒粉砕コーヒーを200〜260℃で加水分解し、可溶性固形分およびアロマを分離する工程を含む、完全に抽出しきっていない焙煎粉砕コーヒーの加水分解法が開示されている(特許文献1)。そして、熱的加水分解によりアラビノガラクタンを除去したコーヒー粕から、マンナンオリゴマーを得る方法が開示されている(特許文献2)。さらに、アルカリ存在下でコーヒー抽出残渣を加熱処理した後、セルラーゼで多段階処理することによる、種々の多糖類の抽出方法が開示されている(特許文献3)。
コーヒー抽出残渣から抽出されるマンノオリゴ糖は、近年、様々な効能や機能を有することが報告されており、例えば、飲食物の呈味改善効果(特許文献4)、血清脂質改善効果(特許文献5)、過酸化脂質上昇抑制作用(特許文献6)、腸内有用菌増殖促進作用、難う蝕性、低カロリー(特許文献7)、免疫賦活作用(特許文献8)などを有することが開示されている。
一方で、多糖類を多く含む組成物を水の存在下で加熱すると、多糖類は、オリゴ糖類を経て、グルコース、キシロース、マンノースなどの単糖類に加水分解され、さらに加熱すると、これらの単糖類は、香気成分として知られている、フルフラール類と呼ばれる一群の芳香族アルデヒド類に変化する。例えば、セルロースの構成成分であるグルコースなどの六単糖を加熱すると、5−ヒドロキシメチルフルフラール(CAS登録番号:67−47−0)が生成し、そしてヘミセルロースの構成糖であるキシロースなどの五単糖を加熱すると、フルフラール(CAS登録番号:98−01−1)が生成することが知られている。これらのフルフラール類を更に加熱すると、一酸化炭素、およびフランなどの揮発性化合物に分解されることが知られている。
フルフラール類は、毒性が強いと一般的に認められているものを除き、着香の目的でのみ食品に添加することが認められている化合物群である。フルフラール類の中で、5−ヒドロキシメチルフルフラールは、蜂蜜、市販のオレンジジュース、またはソースなどの多くの食品に含まれる化合物である。近年の研究では、微量のフルフラール類が、鎌状赤血球症の治療薬、および抗癌剤として有用であることが報告されている。その一方で、高濃度のフルフラールは、皮膚接触、吸気、経口による毒性が報告され、発ガンの疑いが報告されている(例えば、非特許文献2)。このような高濃度フルフラール類の毒性に鑑み、木材チップを蒸煮して家畜の嗜好に適する飼料の製造において、牛の貧血や運動障害を引き起こすフルフラール類の飼料中の量を低く抑える技術が開示されている(特許文献9)。
コーヒー抽出残渣を有効利用するにあたり、食品製造廃棄物の再利用という観点から見れば、目的物の収率を高めるだけでなく、簡便、低エネルギー消費、かつ低廃棄物の実現が可能な方法が望ましい。しかし、特許文献1に開示の方法は、反応温度が高温であることから、多くのフルフラールが生成するため、樹脂や活性炭でこれを除去する必要がある。特許文献2に開示の方法は、フルフラール類の生成を抑制することを目的としておらず、これに関する開示は存在しない。また、加熱とろ過の工程を2回以上行う必要がある。特許文献3に開示の方法は、アルカリ処理と酵素処理をそれぞれ2回行う必要があるだけでなく、大量のアルカリ廃液が発生する。
特開平2−200147 特開昭61−96947 特開2007−217466 特開2002−272411 特開2002−262827 特開2002−262828 特開2004−159659 特開2004−51582 特開2004−121118
Allan G. W. Bradbury, Don J. Halliday, J. Agric. Food Chem., 1990, 38(2), pp 389-392. Arts JH, Muijser H, Appel MJ, Frieke Kuper C, Bessems JG, Woutersen RA., Food Chem Toxicol. 2004 Sep; 42(9): 1389-99.
本発明は、コーヒー抽出残渣からマンノオリゴ糖を高い収量で製造する方法であって、かつフルフラール類の生成および廃液の発生を抑制することができる、簡便な方法を提供することを目的とする。
上記の事情に鑑み、本発明者は、コーヒー抽出残渣からマンノオリゴ糖を抽出する際の条件に注目した。鋭意検討の結果、マンノオリゴ糖の収量が高く、かつフルフラール類の生成を抑えることができる簡便な方法を見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下を提供する。
(1)コーヒー抽出残渣を揮発性の酸を含む溶液に懸濁し、コーヒー抽出残渣を1.0〜40%(w/w)で含む懸濁液を調製する工程;
調製した懸濁液を150〜190℃で2〜20分間加熱する工程;および
加熱後の懸濁液から残渣を除去して水溶液を得る工程;
を含むマンノオリゴ糖含有物の製造方法。
(2)揮発性の酸は、酢酸またはギ酸である、(1)に記載の方法。
(3)溶液中の酢酸の濃度は、0.1〜10.0%(v/v)である、(2)に記載の方法。
(4)溶液中のギ酸の濃度は、0.05〜1.0%(v/v)である、(2)に記載の方法。
(5)懸濁液の加熱は、160〜190℃で5.0〜17.5分間行う、(1)〜(4)のいずれか1に記載の方法。
(6)マンノオリゴ糖の収量は、コーヒー抽出残渣1.0gあたり20mg以上である、(1)〜(5)のいずれか1に記載の方法。
(7)マンノオリゴ糖含有物中のフルフラール含量が、3.0%(w/w)以下である、(1)〜(6)のいずれか1に記載の方法。
(8)(1)〜(7)のいずれか1に記載の方法により製造された、マンノオリゴ糖含有物。
(9)(8)に記載のマンノオリゴ糖含有物を配合した、呈味改善作用、血清脂質改善作用、過酸化脂質上昇抑制作用、腸内有用菌増殖促進作用、抗う蝕作用、または免疫賦活作用を有する、食品、飼料または化粧品。
(10)(8)に記載のマンノオリゴ糖含有物を配合した、呈味改善作用、血清脂質改善作用、過酸化脂質上昇抑制作用、腸内有用菌増殖促進作用、抗う蝕作用、または免疫賦活作用を有する、医薬組成物。
本発明は、コーヒー抽出残渣からマンノオリゴ糖を高い収量で製造する方法であって、かつフルフラール類の生成を抑えることができる前記方法である。
本明細書において、マンノオリゴ糖とは、少なくとも1分子以上のマンノースを構成糖に含むオリゴ糖である。例えば、マンノースを構成糖に含む単糖が2〜20分子結合したものであり、好ましくはマンノースを構成糖に含む単糖が2〜15分子結合したものであり、より好ましくはマンノースを構成糖に含む単糖が2〜10分子結合したものである。マンノオリゴ糖の構成糖に占めるマンノースの割合は、限定されないが、構成糖の30%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは90%以上である。例えば、コーヒー由来のマンノオリゴ糖の大部分は、マンノースのみから構成される。
本発明のマンノオリゴ糖含有物は、単離されたマンノオリゴ糖であってもよく、マンノオリゴ糖以外の成分を含んでいてもよい。マンノオリゴ糖含有物に占めるマンノオリゴ糖の割合は、少なくとも10%(w/w)以上、好ましくは20%(w/w)以上、より好ましくは30%(w/w)以上、さらに好ましくは50%(w/w)以上である。また、必要に応じ、クロマトグラフィーなどを用いて、マンノオリゴ糖含有物中のマンノオリゴ糖の純度を任意に調節してもよい。
<コーヒー抽出残渣を懸濁する工程>
本明細書において、コーヒー抽出残渣とは、コーヒー飲料の調製において、コーヒー豆をドリップ抽出した後の、いわゆる出がらしであればよく、乾燥の有無、コーヒー豆の種類、焙煎度、および抽出の度合いなどに影響されることなく用いることができる。一態様として、コーヒー残渣は、焙煎し、ミル等で粉砕したコーヒー豆を市販のペーパーフィルター等に入れ、適量の熱湯(たとえば90〜98℃)を注ぎ入れてコーヒー豆から熱水可溶性画分を除くことによって得ることができる。
コーヒー抽出残渣と揮発性の酸を含む溶液を懸濁し、コーヒー抽出残渣を含む懸濁液を調製することができる。コーヒー抽出残渣と揮発性の酸を含む溶液の混合比は、限定されないが、例えば1.0〜66.7g、好ましくは1.2〜42.9g、より好ましくは1.5〜33.3g、特に好ましくは2.0〜25.0gのコーヒー抽出残渣と、100mLの揮発性の酸を含む溶液を混合してもよい。すなわち、揮発性の酸を含む溶液の比重を1.0とした場合、懸濁液中のコーヒー抽出残渣の濃度は、例えば1.0〜40.0%(w/w)、好ましくは1.2〜30.0%(w/w)、より好ましくは1.5〜25.0%(w/w)、特に好ましくは2.0〜20.0%(w/w)である。
本明細書において、揮発性の酸とは、常温・常圧で揮発する酸性化合物であって、かつコーヒー抽出残渣中のオリゴ糖を穏やかな条件で加水分解するものであればよい。そのような酸としては、弱酸性の化合物を用いることができる。特に好ましい弱酸性化合物として、酢酸およびギ酸があげられる。酢酸は、様々な食品中に広く存在し、古くから利用されている化合物である。酢酸として、純粋な酢酸である氷酢酸があげられる。氷酢酸は、指定添加物として食品に添加することが認められている。ギ酸は、広く天然に存在し、飼料安全法上、飼料に添加することが認められている揮発性の化合物である。一般的には、家畜用飼料の保存性を高めたり、病害菌を防除するために飼料に添加される。
本明細書において、揮発性の酸を含む溶液は、例えば、揮発性の酸を0.05〜10.0%(v/v)で含む。一態様として、揮発性の酸として酢酸を用いる場合には、揮発性の酸を含む溶液中の酢酸濃度は、好ましくは0.1〜5.0%(v/v)であり、より好ましくは0.2〜2.0%(v/v)であり、特に好ましくは0.5〜2.0%(v/v)である。別の態様として、揮発性の酸としてギ酸を用いる場合には、揮発性の酸を含む溶液中のギ酸濃度は、好ましくは0.05〜0.5%(v/v)であり、より好ましくは0.05〜0.2%(v/v)である。
さらに、揮発性の酸を含む溶液中の酢酸濃度は、懸濁液中のコーヒー抽出残渣の濃度に応じて次のように設定してもよい:
(i)懸濁液中のコーヒー抽出残渣の濃度が1.0〜10.0%(w/w)の場合、酢酸濃度を0.1〜5.0%(v/v)、好ましくは0.2〜2.0%(v/v)、より好ましくは0.5〜2.0%(v/v)に設定する。
(ii)懸濁液中のコーヒー抽出残渣の濃度が10.0〜20.0%(w/w)の場合、酢酸濃度を1.0〜7.5%(v/v)、好ましくは2.0〜6.5%(v/v)、より好ましくは3.0〜6.0%(v/v)に設定する。
(iii)懸濁液中のコーヒー抽出残渣の濃度が20.0〜40.0%(w/w)の場合、酢酸濃度を5.0〜10.0%(v/v)、好ましくは6.0〜9.5%(v/v)、より好ましくは7.0〜9.0%(v/v)に設定する。
また、揮発性の酸を含む溶液中のギ酸濃度は、懸濁液中のコーヒー抽出残渣の濃度に応じて次のように設定してもよい:
(I)懸濁液中のコーヒー抽出残渣の濃度が1.0〜10.0%(w/w)の場合、ギ酸濃度を0.05〜0.5%(v/v)、好ましくは0.05〜0.3%(v/v)、より好ましくは0.05〜0.2%(v/v)に設定する。
(II)懸濁液中のコーヒー抽出残渣の濃度が10.0〜20.0%(w/w)の場合、ギ酸濃度を0.3〜1.5%(v/v)、好ましくは0.5〜1.3%(v/v)、より好ましくは0.6〜1.0%(v/v)に設定する。
(III)懸濁液中のコーヒー抽出残渣の濃度が20.0〜40.0%(w/w)の場合、ギ酸濃度を0.7〜2.0%(v/v)、好ましくは0.9〜1.8%(v/v)、より好ましくは1.2〜1.6%(v/v)に設定する。
<懸濁液を加熱する工程>
本明細書において、加熱は、懸濁液に熱を加えることが可能であれば、どのような手段を使用してもよい。例えば、一般的なガス炎、電気、または電磁誘導等により反応容器の外部から加熱する外部加熱、または、遠赤外線、マイクロ波、または高周波等による反応器の内部から加熱する内部加熱のいずれを使用してもよい。また、反応容器は、密閉バッチ式、連続式のいずれを使用してもよい。
懸濁液の加熱温度および時間は、懸濁液中のコーヒー抽出残渣に含まれるオリゴ糖が加水分解されてマンノオリゴ糖が生成し、かつマンノオリゴ糖が揮発性の酸溶液中に抽出されるための充分な加熱温度および時間であればよい。マンノオリゴ糖の収率低下という観点から、150℃より低い加熱温度、および200℃より高い加熱温度は好ましくない。また、フルフラール生成量の増加という観点から、200℃より高い加熱温度は好ましくない。したがって、懸濁液の加熱温度は、好ましくは150〜200℃、より好ましくは160〜190℃、さらに好ましくは170〜190℃であり、そして懸濁液の加熱時間は、好ましくは2〜20分、より好ましくは2〜17.5分、特に好ましくは2〜15分である。
一態様として、揮発性の酸として酢酸を用いる場合には、懸濁液の加熱温度および加熱時間は、好ましくは160〜190℃で2〜20分、より好ましくは170〜190℃で2〜17.5分、特に好ましくは180〜190℃で2〜15分である。別の態様として、揮発性の酸としてギ酸を用いる場合には、懸濁液の加熱温度および加熱時間は、好ましくは160〜190℃で2〜17.5分、より好ましくは170〜190℃で2〜15分、特に好ましくは180〜190℃で2〜12.5分である。
<加熱後の懸濁液から水溶液を得る工程>
懸濁液の加熱によって、マンノオリゴ糖が生成し、当該マンノオリゴ糖は揮発性の酸を含む溶液中に可溶化される。加熱後の懸濁液から、例えば、ろ過、遠心分離などの一般的な方法により、不溶性の残渣を分離し、水溶液を得ることができる。当該水溶液は、マンノオリゴ糖含有物に相当し、必要に応じて凍結乾燥、スプレードライ等の一般的な濃縮操作に供することによって、マンノオリゴ糖含有物のシロップ、乾燥粉末を調製することができる。
本明細書では、コーヒー抽出残渣1.0gあたりのマンノオリゴ糖の収量が、例えば20mg以上、好ましくは50mg以上、より好ましくは100mg以上であれば、マンノオリゴ糖の収量が高いと判断する。さらに、本明細書では、マンノオリゴ糖含有物に占めるフルフラール含量が、例えば3.0%(w/w)以下、好ましくは2.0%(w/w)以下、より好ましくは1.0%(w/w)以下であれば、フルフラール含量が低いと判断する。
<マンノオリゴ糖の測定方法>
マンノオリゴ糖含有物中のマンノオリゴ糖の分析および測定には、特に限定されないが、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いることができる。一態様として、以下のような条件で測定することができる。
分析カラム: CARBOSep CHO−411(7.8φ×300mm、TRANSGENOMIC社製);
検出器: 示差屈折計(RI検出器);
カラム温度: 80℃;
移動相: 超純水;
溶出条件: 定組成
流速: 0.3mL/min.

上記の条件で分離された試料中のオリゴ糖のうち、より長鎖のオリゴ糖も存在するが明らかに定量可能な2〜5糖に相当するピークをマンノオリゴ糖とし、これらピークの面積の合計値を算出する。一方、マンノース標品を同様に分析し、ピーク面積を算出する。2〜5糖のピーク面積の合計値を、マンノース標品のピーク面積値で割ることによって、試料中のマンノオリゴ糖を定量することができる。本明細書中に記載されたマンノオリゴ糖の定量値は、特段の記載がある場合を除き、当該方法によって得られたものである。
<フルフラール測定法>
フルフラールの含量は、特に限定されないが、例えば、市販のフルフラールをHPLCを用いて作成した検量線から算出することができる。一態様として、以下のような条件で測定することができる。
分析カラム: COSMOSIL 5C18−AR−II(4.6φ×150mm、ナカライテスク株式会社);
検出器: 紫外検出器(測定波長:280nm);
カラム温度: 25℃;
移動相: 超純水(A)、メタノール(B);
溶出条件: 0〜1分(A:B=90:10),1〜10分(A:B=90:10→60:40(B=10%/3分上昇))。
本明細書中に記載されたフルフラールの定量値は、特段の記載がある場合を除き、当該方法によって得られたものである。
<マンノオリゴ糖含有物およびマンノオリゴ糖の用途>
マンノオリゴ糖含有物およびマンノオリゴ糖は、呈味改善作用、血清脂質改善作用、過酸化脂質上昇抑制作用、腸内有用菌増殖促進作用、抗う蝕作用、または免疫賦活作用を発揮することが可能である。そして、本発明の方法によって製造されるマンノオリゴ糖は、フルフラール含量が低いという特性を有しているため、従来品と比べて安全性の観点からより好ましい。したがって、当該マンノオリゴ糖を食品、飼料、化粧品、または医薬組成物に配合させれば、安全性のより高められた食品、飼料、化粧品、または医薬組成物を得ることができる。
<発明の効果>
本発明によれば、コーヒー抽出残渣からマンノオリゴ糖を高い収率で製造することが可能になるだけでなく、フルフラールの前駆体となり得るアラビノガラクタン等を予め除去するための前処理工程や、生成したフルフラールを除去するための活性炭または吸着樹脂などを使用する工程などを設けることなく、フルフラールの生成を抑制することができる。さらには、フルフラール除去工程に由来する廃液が発生することもない。
本発明をより具体的に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
[試験例1]
マンノオリゴ糖の収量およびフルフラールの含量を指標として、揮発性の酸としての酢酸濃度、および懸濁液の加熱温度について検討を行った。
(1−1)コーヒー抽出残渣を、秤量のため105℃で4時間以上乾燥させ、0.75mmのスクリーンを用いて粉砕した。粉砕したコーヒー抽出残渣(0.5g)、および酢酸を0〜10.0%(v/v)の範囲で含む溶液(20mL)を、密閉可能な耐熱耐圧容器に入れ、5分間超音波処理し、懸濁液を調製した。すなわち、当該懸濁液中のコーヒー抽出残渣の濃度は、0〜10.0%(v/v)酢酸溶液の比重を1.0とした場合、約2.4%(w/w)となる。容器を密閉し、懸濁液を120〜210℃で10分間加熱した。加熱後の懸濁液をろ過し、残渣とろ液をそれぞれ回収した。
ろ液を水で希釈定容した(30mL)。その10μLをHPLCに供し、試料中のマンノオリゴ糖の量を算出した。この値に、希釈定容したろ液の液量(30mL)を乗ずることによって、水溶液中のマンノオリゴ糖の量を算出した。さらに、この値を、使用したコーヒー抽出残渣の量(0.5g)で割ることにより、コーヒー抽出残渣1.0gあたりのマンノオリゴ糖の収量を求めた。
次に、残渣を凍結乾燥し、以下の式により、ろ液中に存在する、コーヒー抽出残渣由来成分の量を求めた。

[ろ液中に存在する、コーヒー抽出残渣由来成分の量]=[コーヒー抽出残渣の乾燥重量]−[凍結乾燥した、残渣の重量]

すなわち、ろ液中に存在する、コーヒー抽出残渣由来成分の量は、マンノオリゴ糖含有物の収量に相当する。
試料中のフルフラール含量を測定し、マンノオリゴ糖含有物1.0gあたりのフルフラール含量を算出した。
(1−2)結果を表1に示す。
マンノオリゴ糖の収量に関しては、加熱温度150℃以上でマンノオリゴ糖を得ることができた。各加熱温度において、オリゴ糖の生成が有意に認められるのは、(i)加熱温度150℃では、酢酸濃度2.0%(v/v)以上、(ii)加熱温度180℃では、検討した全範囲の酢酸濃度、(iii)加熱温度210℃では、酢酸濃度0.2%(v/v)以下であった。マンノオリゴ糖の収量が最も高かったのは、加熱温度180℃、酢酸濃度1.0%(v/v)であった。
フルフラール含量に関しては、加熱温度が高くなるにつれてフルフラール含量が高くなる傾向が示された。加熱温度180℃以下であれば、いずれの酢酸濃度においても、フルフラール含量は10mg/g[1.0%(w/w)]以下であった。酢酸濃度が高くなるにつれてフルフラール含量が高くなる傾向が見られた。
マンノオリゴ糖の収量の観点からは、適した加熱温度は150℃以上、好ましくは180〜210℃であることが示唆される。検討した中では、加熱温度180℃でマンノオリゴ糖の収量が最も高かった。そして、加熱温度は、フルフラール含量と相関する傾向があることが示唆されるため、フルフラール含量を低下させる観点からは、加熱温度をできるだけ低く設定することが好ましい。すなわち、マンノオリゴ糖の収量およびフルフラール含量の両方の観点から、揮発性の酸として酢酸を用いる場合には、加熱温度180〜190℃が好ましいと考えられる。
[試験例2]
マンノオリゴ糖の収量およびフルフラールの含量を指標として、揮発性の酸としてのギ酸濃度、および懸濁液の加熱温度について検討を行った。
(2−1)コーヒー抽出残渣を、秤量のため105℃で4時間以上乾燥させ、0.75mmのスクリーンを用いて粉砕した。粉砕したコーヒー抽出残渣(0.5g)、およびギ酸を0.05〜2.0%(v/v)で含む溶液(20mL)を、密閉可能な耐熱耐圧容器に入れ、5分間超音波処理して懸濁液を調製した。すなわち、当該懸濁液中のコーヒー抽出残渣の濃度は、0.05〜2.0%(v/v)ギ酸溶液の比重を1.0とした場合、約2.4%(w/w)となる。容器を密閉し、懸濁液を120〜210℃で10分間加熱した。加熱後の懸濁液をろ過し、残渣とろ液をそれぞれ回収した。ろ液中のマンノオリゴ糖の含量、およびマンノオリゴ糖含有物1.0gあたりのフルフラール含量を、試験例1の方法に従って測定した。
(2−2)結果を表2に示す。
マンノオリゴ糖の収量に関しては、加熱温度150℃以上でマンノオリゴ糖を得ることができた。具体的には、(i)加熱温度150℃では、ギ酸濃度0.2%(v/v)以上、(ii)加熱温度180℃では、ギ酸濃度0.05〜0.5%(v/v)、(iii)加熱温度210℃では、ギ酸濃度0.05%(v/v)でマンノオリゴ糖を得ることができた。しかし、加熱温度180℃と、加熱温度150℃および210℃の結果を比較すると、マンノオリゴ糖の収量に大きな差があることが示された。検討した中でマンノオリゴ糖の収量が最も高かったのは、加熱温度180℃、ギ酸濃度0.1%(v/v)の条件であった。
フルフラール含量に関しては、加熱温度180℃以下において、検討したいずれのギ酸濃度で、10mg/g[1.0%(w/w)]以下であった。
マンノオリゴ糖の収量の観点からは、加熱温度は150℃以上にする必要があるが、180℃付近が好適な加熱温度であると考えられる。そして、フルフラール含量と加熱温度は相関する傾向が示唆されることから、加熱温度をできるだけ低く設定することは、フルフラール含量を低下させる観点から好ましい。すなわち、マンノオリゴ糖の収量およびフルフラール含量の両方の観点から、揮発性の酸としてギ酸を用いる場合には、加熱温度180℃付近が好ましいと考えられる。
[試験例3]
試験例1において、揮発性の酸として酢酸を用いる場合には、酢酸濃度1.0%(v/v)でマンノオリゴ糖の収量が最も高いことが示された。本試験例では、懸濁液の加熱時間および温度を詳細に検討した。
(3−1)コーヒー抽出残渣を、秤量のため105℃で4時間以上乾燥させ、0.75mmのスクリーンを用いて粉砕した。粉砕したコーヒー抽出残渣(0.5g)、および酢酸を1.0%(v/v)で含む溶液(20mL)を、密閉可能な耐熱耐圧容器に入れ、5分間超音波処理し、懸濁液を調製した。すなわち、当該懸濁液中のコーヒー抽出残渣の濃度は、1.0%(v/v)酢酸溶液の比重を1.0とした場合、約2.4%(w/w)となる。容器を密閉し、懸濁液を150〜210℃で2〜20分間加熱した。加熱後の懸濁液をろ過し、残渣とろ液をそれぞれ回収した。ろ液中のマンノオリゴ糖含量、およびマンノオリゴ糖含有物1.0gあたりのフルフラール含量を、試験例1の方法に従って測定した。
(3−2)結果を表3に示す。
マンノオリゴ糖の収量に関しては、加熱温度150℃以上でマンノオリゴ糖を得ることができた。マンノオリゴ糖の収量が全体的に高いのは、加熱温度170〜190℃であり、特に180〜190℃であった。マンノオリゴ糖の収量のピークは、加熱温度180℃では12.5分、加熱温度190℃では7.5分であった。
フルフラール含量に関しては、加熱温度が高くなるにつれてフルフラール含量が高くなる傾向が示された。加熱温度190℃以下であれば、検討したいずれの加熱時間においても、フルフラール含量は、おおむね10mg/g[1.0%(w/w)]以下であった。
マンノオリゴ糖の収量の観点からは、適切な加熱温度は180〜190℃であると考えられる。一方、フルフラール含量の観点では、加熱温度180〜190℃で、フルフラール含量を10mg/g[1.0%(w/w)]以下にすることができる。加熱温度180〜190℃の範囲であれば、マンノオリゴ糖の収量とフルフラール含量の両観点から好ましいと考えられるが、加熱温度とフルフラール含量は相関する傾向があることを鑑みれば、より低い温度である180℃付近でフルフラール含量が低くなることが示唆される。
また、マンノオリゴ糖の収量は、加熱温度180℃では12.5分でピークに達し、加熱温度190℃では7.5分でピークに達した。このことから、加熱温度180℃付近では、加熱温度190℃に比べて、コーヒー抽出残渣由来のオリゴ糖の加水分解が穏やかに起こっていることが示唆される。このことから、本発明の方法に適した加熱温度は、180℃付近であることが考えられる。
以上のことから、揮発性の酸として酢酸を用いる場合の加熱温度は180℃付近、加熱時間は12.5分が特に好ましいと考えられる。
[試験例4]
試験例2において、揮発性の酸としてギ酸を用いる場合には、ギ酸濃度0.1%(v/v)でマンノオリゴ糖の収量が最も高いことが示された。本試験例では、懸濁液の加熱時間および温度を詳細に検討した。
(4−1)コーヒー抽出残渣は、秤量のため105℃で4時間以上乾燥させ、0.75mmのスクリーンを用いて粉砕した。粉砕したコーヒー抽出残渣(0.5g)、およびギ酸を0.1%(v/v)で含む溶液(20mL)を、密閉可能な耐熱耐圧容器に入れ、5分間超音波処理し、懸濁液を調製した。すなわち、当該懸濁液中のコーヒー抽出残渣の濃度は、0.1%(v/v)ギ酸溶液の比重を1.0とした場合、約2.4%(w/w)となる。容器を密閉し、懸濁液を150〜210℃で2〜20分間加熱した。加熱後の懸濁液をろ過し、残渣とろ液をそれぞれ回収した。ろ液中のマンノオリゴ糖の収量、およびマンノオリゴ糖含有物1.0gあたりのフルフラール含量を、試験例1の方法に従って測定した。
(4−2)結果を表4に示す。
マンノオリゴ糖の収量に関しては、加熱温度150℃以上でマンノオリゴ糖を得ることができた。マンノオリゴ糖の収量が全体的に高いのは、加熱温度160〜200℃であり、特に170〜190℃であった。マンノオリゴ糖の収量のピークは、加熱温度170℃では17.5分、加熱温度180℃では10分、加熱温度190℃では5分であった。
フルフラール含量に関しては、加熱温度が高くなるにつれてフルフラール含量が高くなる傾向が示された。加熱温度190℃以下であれば、検討したいずれの加熱時間においても、フルフラール含量は、おおむね10mg/g[1.0%(w/w)]以下であった。加熱時間180℃以下であれば、検討したいずれの加熱時間においても、フルフラール含量は10mg/g[1.0%(w/w)]以下であった。
マンノオリゴ糖の収量の観点からは、加熱温度は180〜190℃にすることが考えられる。一方、加熱温度とフルフラール含量は相関する傾向があることから、加熱温度180℃の方がフルフラール含量が低くなることが示唆される。
また、マンノオリゴ糖の収量は、加熱温度180℃では10分でピークに達し、加熱温度190℃では5分でピークに達した。このことから、加熱温度180℃では、加熱温度190℃に比べて、コーヒー抽出残渣由来のオリゴ糖の加水分解が穏やかに起こっていることが示唆される。このことから、加熱温度180℃付近は、本発明の方法により適していると考えられる。
以上のことから、揮発性の酸として酢酸を用いる場合の加熱温度は180℃付近、加熱時間は10分が特に好ましいと考えられる。
[試験例5]
コーヒー抽出残渣の懸濁液中の濃度と、揮発性の酸としての酢酸の濃度について検討した。
(5−1)コーヒー抽出残渣を、秤量のため105℃で4時間以上乾燥させた。コーヒー抽出残渣は、未粉砕のまま使用した。未粉砕のコーヒー抽出残渣(0.5〜10g)、および酢酸を1.0〜10.0%(v/v)の範囲で含む溶液(20mL)を、密閉可能な耐熱耐圧容器に入れ、5分間超音波処理し、懸濁液を調製した。すなわち、当該懸濁液中のコーヒー抽出残渣の濃度は、1.0〜10.0%(v/v)酢酸溶液の比重を1.0とした場合、約2.4〜約33.3%(w/w)となる。容器を密閉し、懸濁液を180℃で12.5分間加熱した。加熱後の懸濁液をろ過し、残渣とろ液をそれぞれ回収した。ろ液は、残渣の洗液と合わせ、反応に使用したコーヒー抽出残渣の量に応じて30〜220mLに希釈定容した。ろ液中のマンノオリゴ糖含量、およびマンノオリゴ糖含有物1.0gあたりのフルフラール含量を、試験例1の方法に従って測定した。
(5−2)結果を表5に示す。
マンノオリゴ糖の収量の観点から検討すると、本試験例で検討した全ての条件によって、マンノオリゴ糖を高い収量で得ることができた。そして、1.0%(v/v)または2.0%(v/v)酢酸を含有する揮発性の酸溶液で、コーヒー抽出残渣残を2.4%(w/w)含む懸濁液を調製すると、さらに高い収量でマンノオリゴ糖を得ることができた。
フルフラール含量の観点から検討すると、本試験例で検討した全ての条件においては、フルフラール含量は20mg/g[2.0%(w/w)]以下であることが示された。さらに、懸濁液のコーヒー抽出残渣濃度を2.4%(w/w)にすれば、フルフラール含量を10mg/g[1.0%(w/w)]以下にすることができた。
以上の結果から、懸濁液において、酢酸濃度を低くする条件とコーヒー抽出残渣濃度を低くする条件の組み合わせは、マンノオリゴ糖の収量を高め、かつフルフラール含量を低下させるという観点から好ましいことが示唆される。すなわち、5.0%(v/v)以下、例えば1.0〜2.0%(v/v)の酢酸と、20.0%(w/w)以下、例えば2.4〜9.1%(w/w)のコーヒー抽出残渣を含む懸濁液が好ましいことが示唆される。
[試験例6]
コーヒー抽出残渣の懸濁液中の濃度と、揮発性の酸としてのギ酸の濃度について検討した。
(6−1)コーヒー抽出残渣を、秤量のため105℃で4時間以上乾燥させた。コーヒー抽出残渣は、未粉砕のまま使用した。未粉砕のコーヒー抽出残渣(0.5〜10g)、およびギ酸を0.1〜1.0%(v/v)の範囲で含む溶液(20mL)を、密閉可能な耐熱耐圧容器に入れ、5分間超音波処理し、懸濁液を調製した。すなわち、当該懸濁液中のコーヒー抽出残渣の濃度は、0.1〜1.0%(v/v)ギ酸溶液の比重を1.0とした場合、約2.4〜約33.3%(w/w)となる。容器を密閉し、懸濁液を180℃で12.5分間加熱した。加熱後の懸濁液をろ過し、残渣とろ液をそれぞれ回収した。ろ液は、残渣の洗液と合わせ、反応に使用したコーヒー抽出残渣の量に応じて30〜220mLに希釈定容した。ろ液中のマンノオリゴ糖含量、およびマンノオリゴ糖含有物1.0gあたりのフルフラール含量を、試験例1の方法に従って測定した。
(6−2)結果を表6に示す。
マンノオリゴ糖の収量の観点から検討すると、本試験例で検討したほぼ全ての条件によって、マンノオリゴ糖を高い収量で得ることができた。そして、0.1%(v/v)または0.2%(v/v)ギ酸を含有する揮発性の酸溶液で、コーヒー抽出残渣を2.4%(w/w)で含む懸濁液を調製すると、さらに高い収量でマンノオリゴ糖を得ることができた。
フルフラール含量の観点から検討すると、本試験例で検討した全ての条件において、フルフラール含量は20mg/g以下であることが示された。さらに、コーヒー抽出残渣濃度を2.4%(w/w)にすれば、フルフラール含量を10mg/g[1.0%(w/w)]以下にすることができた。
以上の結果から、ギ酸濃度が低く、かつコーヒー抽出残渣の濃度が低い懸濁液を調製することは、マンノオリゴ糖の収量を高め、かつフルフラール含量を低くする観点から好ましいことが示唆される。すなわち、0.5%(v/v)以下、例えば0.1〜0.2%(v/v)のギ酸と、20.0%(w/w)以下、例えば2.4〜9.1%(w/w)のコーヒー抽出残渣を含む懸濁液が好ましいことが示唆される。

Claims (10)

  1. コーヒー抽出残渣を揮発性の酸を含む溶液に懸濁し、コーヒー抽出残渣を1.0〜40.0%(w/w)で含む懸濁液を調製する工程;
    調製した懸濁液を150〜190℃で2〜20分間加熱する工程;および
    加熱後の懸濁液から残渣を除去して水溶液を得る工程;
    を含むマンノオリゴ糖含有物の製造方法。
  2. 揮発性の酸は、酢酸またはギ酸である、請求項1に記載の方法。
  3. 溶液中の酢酸の濃度は、0.1〜10.0%(v/v)である、請求項2に記載の方法。
  4. 溶液中のギ酸の濃度は、0.05〜1.0%(v/v)である、請求項2に記載の方法。
  5. 懸濁液の加熱は、160〜190℃で5.0〜17.5分間行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. マンノオリゴ糖の収量は、コーヒー抽出残渣1.0gあたり20mg以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. マンノオリゴ糖含有物中のフルフラール含量が、3.0%(w/w)以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により製造された、マンノオリゴ糖含有物。
  9. 請求項8に記載のマンノオリゴ糖含有物を配合した、呈味改善作用、血清脂質改善作用、過酸化脂質上昇抑制作用、腸内有用菌増殖促進作用、抗う蝕作用、または免疫賦活作用を有する、食品、飼料、または化粧品。
  10. 請求項8に記載のマンノオリゴ糖含有物を配合した、呈味改善作用、血清脂質改善作用、過酸化脂質上昇抑制作用、腸内有用菌増殖促進作用、抗う蝕作用、または免疫賦活作用を有する、医薬組成物。
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