JP2016179953A - 新規サガミラクタム物質およびその製造法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)性状:白色粉末
(2)分子量:569
(3)分子式:C37H47O4N
高速原子衝突イオン化による[M+H]+ 理論値(m/z)507.3577、 実測値(m/z)570.3529
(4)比旋光度:[α]D27.4=−13.0(c=0.1、メタノール)
(5)紫外部吸収極大 λmax(メタノール中): 270.0(3.611),279(3.578),331(3.300)(括弧内は logε)
(6)赤外部吸収極大 vmax(KBr錠): 2916,2846,2364,2333cm−1に極大吸収を有する。
(7)プロトン核磁気共鳴スペクトル:重メタノール中の化学シフト(ppm)およびスピン結合定数(Hz)を表2に示す。
(8)カーボン核磁気共鳴スペクトル:重メタノール中の化学シフト(ppm)を表2に示す。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
δc δH mult Int.
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1 173.7 −
2 134.2 −
3 132.6 6.35 m 1H
4 128.8 6.53 m 1H
5 138.4 6.29 m 1H
6 134.2 6.38 m 1H
7 131.4 6.54 m 1H
8 129.5 6.06 m 1H
9 138.1 5.53 dd 1H
10 41.6 3.18 m 1H
11 129.0 5.56 m 1H
12 132.5 5.55 m 1H
13 30.2 2.34 m 1H
14 40.0 1.26 m 1H
1.82 m 1H
15 67.9 4.15 m 1H
16 43.3 1.42 m 1H
2.10 m 1H
17 67.0 3.66 td 1H
18 48.2 1.29 m 1H
19 44.3 2.75 m 1H
20 133.4 5.70 dd 1H
21 132.9 6.18 m 1H
22 134.3 6.06 m 1H
23 128.5 5.43 m 1H
24 42.7 2.20 m 1H
2.61 m 1H
25 67.6 4.63 td 1H
26 134.2 5.28 dd 1H
27 132.3 6.19 m 1H
28 127.7 6.59 m 1H
29 135.4 6.34 m 1H
30 134.4 6.28 m 1H
31 133.0 5.65 m 1H
32 39.7 2.32 m 1H
2.52 m 1H
33 52.1 4.38 m 1H
34 132.85 5.43 m 1H
35 126.3 5.59 m 1H
2−Me 13.7 1.93 d 3H
35−Me 17.6 1.68 ddd 3H
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(9)溶剤に対する溶解性:メタノール、エタノール、ピリジンに易溶。クロロホルム、水に難溶。
本発明者等によって神奈川県相模原の土壌より新たに、アクチノマデュラ・エスピーK13−0306株を分離した。アクチノマデュラ・エスピーK13−0306株の菌学的性状は以下の通りであった。
本菌株は、イースト・麦芽エキス寒天、オートミール寒天、栄養寒天などで良好に生育し、オートミール寒天やスターチ・無機塩寒天で気菌糸の着生がみられる。顕微鏡下の観察では、気菌糸上に8から12個程度の胞子の連鎖が認められ、その形態はゆるい螺旋状で、 胞子の大きさは約1.0×0.8μmの卵型で、胞子の表面はいぼ状である。
イー・ビー・シャーリング (E. B. Shirling) とデー・ゴットリーブ (D. Gottlieb) の方法(インターナショナル・ジャーナル・オブ・システィマティック・バクテリオロジー、16巻、313頁、1966年)によって調べた本生産菌の培養性状を表1に示す。色調は標準色として、カラー・ハーモニー・マニュアル第4版(コンテナー・コーポレーション・オブ・アメリカ・シカゴ、1958年)を用いて決定し、色票名とともに括弧内にそのコードを併せて記した。以下は特記しない限り、27℃、2週間目の各培地における観察の結果である。
利用する:D−グルコース、D−セロビオース、L−ラムノース、D−フルクトース、グリセロール
利用しない:L−アラビノース、ラフィノース、マルトース、myo−イノシトール、D−ソルビトール
細胞壁中にメソ型のジアミノピメリン酸を含み、全菌体糖にガラクトースとマジュロースを含む。主要メナキノンはMK−9(H6)とMK−9(H4)である。リン脂質としてフォスファチジルグリセロールおよびフォスファチジルイノシトールを含む。ミコール酸は検出されない。
16S rRNA遺伝子のうち約1350塩基の配列を決定し、DNAデータベースに登録され公開されている放線菌のデータを用いた相同性検索および近隣結合法による系統解析の結果、本菌株はアクチノマデュラ属に分類されるのが妥当である。
以上、本菌の菌学的性状を要約すると次のとおりである。細胞壁中のジアミノピメリン酸はメソ型、全菌体糖にはガラクトースとマジュロースを含む。主要メナキノンはMK−9(H6)とMK−9(H4)である。ミコール酸は含有しない。気菌糸上に8から12個からなるゆるい螺旋状の胞子連鎖が認められる。胞子は表面がいぼ状で大きさは約1.0×0.8 μmの卵型である。コロニーは白からオレンジ色の色調を呈し、気菌糸は白色である。メラニン色素は産生しない。
これらの結果および16S rRNA遺伝子の解析結果から、本菌株はバージーズ・マニュアル・オブ・システマティック・バクテリオロジー、第2版、5巻、2012年に基づくアクチノマデュラ属に属する1菌種であると判断される。なお、本菌株はアクチノマデュラ・エスピーK13−0306株として、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センターに寄託されている(NITE P−02006)。
スターチ2.4%、グルコース0.1%、ペプトン(極東製薬工業株式会社製)0.3%、カツオエキス(極東製薬工業株式会社製)0.3%、酵母エキス(オリエンタル酵母工業株式会社製)0.5%、炭酸水素カルシウム0.4%からなる液体培地(pH 7.0)100mLを含む500mL容三角フラスコに100本に、液体培地で培養したアクチノマデュラ・エスピーK13−0306株を各1mlずつ植菌し、27℃で3日間振盪培養した。得られた種培養液を、nutrient broth(Difco)3.3%、ソイビンミール(東京保存食糧(株))3.3%、グリセロール2.2%、可用性デンプン2.2%、炭酸水素カルシウム2.2%(pH7.0)100mLを含む500mL容三角フラスコに60本に、各1mLずつ植菌し、27℃で7日間振盪培養した。
(1)性状:白色粉末
(2)分子量:569
(3)分子式:C37H47O4N
高速原子衝突イオン化による[M+H]+ 理論値(m/z)507.3577、 実測値(m/z)570.3529
(4)比旋光度:[α]D 27.4=−13.0(c=0.1、メタノール)
(5)紫外部吸収極大 λmax(メタノール中): 270.0(3.611),279(3.578),331(3.300)(括弧内は logε)
(6)赤外部吸収極大 vmax(KBr錠): 2916,2846,2364,2333cm−1に極大吸収を有する。
(7)プロトン核磁気共鳴スペクトル:重メタノール中の化学シフト(ppm)およびスピン結合定数(Hz)を表2に示す。
(8)カーボン核磁気共鳴スペクトル:重メタノール中の化学シフト(ppm)を表2に示す。
(9)溶剤に対する溶解性:メタノール、エタノール、ピリジンに易溶。クロロホルム、水に難溶。
ヒト子宮頸がん細胞の亜種HeLa S3細胞およびヒト急性T細胞性白血病細胞由来細胞株Jurkat細胞を用いて、サガミラクタム物質による増殖への影響を検討した。
(1)HeLa S3細胞
HeLa S3細胞を10%非動化牛胎児血清(FBS)および抗生物質添加D−MEM培地にて維持、継代培養を行ったものを用いた。ヒト子宮頸がん細胞の亜種HeLa S3細胞をトリプシンで処理し、10%FBS含有D−MEM培地にて5×105cell/mlになるように浮遊液を調整し、96well plateに100μlを添加し混和後、37℃にて5% CO2−95 air下で2日間培養を行った後、各wellに本化合物の1μl(メタノール水溶液)1μlを添加し、混和後、前述のガス下で2日間培養を行った。HeLa S3細胞の増殖の有無はWST−8法にて比色定量した。本化合物の50%細胞増殖阻止濃度(IC50値)は化合物濃度作用曲線より求めた。
ヒト急性T細胞性白血病細胞由来細胞株Jurkat細胞を10%非道化牛胎児血清(FBS)および抗生物質添加RPMI1640培地(1%ピルビン酸ナトリウム添加)にて維持、継代培養を行ったものを用いた。ヒト急性T細胞性白血病細胞由来細胞株Jurkat細胞10%FBS含有RPMI1640培地にて3×106cell/mlになるように浮遊液を調整し、96well plateに100μlを添加し混和後、37℃にて5% CO2−95 air下で2日間培養を行った後、各wellに本化合物の1μl(メタノール水溶液)1μlを添加し、混和後、前述のガス下で2日間培養を行った。ヒト急性T細胞性白血病細胞由来細胞株Jurkat細胞の増殖の有無はWST−8法にて比色定量した。本化合物の50%細胞増殖阻止濃度(IC50値)は化合物濃度作用曲線より求めた。
HeLa S3細胞の結果を図1に、Jurkat細胞の結果を図2に示す。顕微鏡観察した結果、サガミラクタム物質のHeLa S3細胞に対する増殖阻害活性は低く、IC50≧100μMであった。また、サガミラクタム物質を100μMの濃度で処理したHeLa S3細胞を顕微鏡観察した結果、アポトーシス様細胞死は観察されなかった。一方、サガミラクタム物質は、Jurkat細胞に対して顕著な増殖阻害活性を示し、IC50=57.8±0.07μMであった。サガミラクタム物質を100μMの濃度で処理したJurkat細胞を顕微鏡観察した結果、クロマチンの凝集が認められ、核の断片化した形態が観察されたことから、アポトーシスによる細胞死を誘導していることが明らかとなった。
Claims (6)
- 前記式(1)で表される化合物を生産する能力を有する放線菌に属する微生物を培地中で培養し、培養物中に該化合物を蓄積せしめ、該培養物から該化合物を採取することを特徴とする請求項1に記載の化合物の製造方法。
- 前記式(1)で表される化合物を生産する能力を有する放線菌に属する微生物が、アクチノマデュラ・エスピー(Actinomadura sp.)K13−0306株(NITE P−02006)である、請求項2に記載の製造法。
- アクチノマデュラ・エスピー(Actinomadura sp.)K13−0306株(NITE P−02006)。
- 請求項1に記載の化合物又はそのエステル誘導体あるいはそれらの塩、水和物又は溶媒和物を有効成分として含有する、医薬組成物。
- 造血器腫瘍の治療用又は予防用である、請求項5に記載の医薬組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015060446A JP2016179953A (ja) | 2015-03-24 | 2015-03-24 | 新規サガミラクタム物質およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015060446A JP2016179953A (ja) | 2015-03-24 | 2015-03-24 | 新規サガミラクタム物質およびその製造法 |
Publications (1)
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---|---|
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JP2015060446A Pending JP2016179953A (ja) | 2015-03-24 | 2015-03-24 | 新規サガミラクタム物質およびその製造法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016179953A (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5087567A (en) * | 1990-01-12 | 1992-02-11 | Bristol-Myers Squibb Company | Antitumor antibiotic BMY-42428 |
-
2015
- 2015-03-24 JP JP2015060446A patent/JP2016179953A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5087567A (en) * | 1990-01-12 | 1992-02-11 | Bristol-Myers Squibb Company | Antitumor antibiotic BMY-42428 |
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
BOECKMAN, ROBERT K. ET AL.: "Toward the Development of a General Chiral Auxiliary. A Total Synthesis of (+)-Tetronolide via a Tan", JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 128(32), JPN6019009226, 2006, pages 10572 - 10588 * |
WEI, RONG-BIAN ET AL.: "Lobophorin C and D, new kijanimicin derivatives from a marine sponge-associated actinomycetal strain", MARINE DRUGS, vol. 9, JPN6019009228, 2011, pages 359 - 368 * |
木村徹 他: "希少放線菌Actinomadura sp.K13-0306株が産生する二次代謝産物に関する研究", 日本放線菌学会大会講演要旨集, vol. Vol.29, JPN6019009231, 19 June 2014 (2014-06-19), pages P.59 * |
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