JP2016179780A - ハイブリッド車両の駆動装置 - Google Patents

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Takahiko Tsutsumi
貴彦 堤
杉村 敏夫
Toshio Sugimura
敏夫 杉村
佐藤 俊
Takashi Sato
俊 佐藤
幸彦 出塩
Yukihiko Ideshio
幸彦 出塩
中江 公一
Koichi Nakae
公一 中江
渡辺 功
Isao Watanabe
功 渡辺
山内 友和
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Abstract

【課題】エンジンとモータとを備えるハイブリッド車両において、駆動輪のスリップによるモータの過回転を適切に防止する。
【解決手段】エンジンと、モータジェネレータ(MG)と、エンジンを駆動輪から切り離すためのエンジン切り離し用クラッチと、MGを駆動輪から切り離すためのMG切り離し用クラッチとを備えるハイブリッド車両において、ECUは、ノーマルモードに比べて燃費よりも駆動力が重視される駆動力重視モードをユーザが選択している場合、MG切り離し用クラッチを解放してMGを駆動輪から切り離した状態でエンジン切り離し用クラッチを係合してエンジンを用いてハイブリッド車両を走行させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンとモータとを備えるハイブリッド車両の駆動装置に関する。
特開2004−150507号公報(特許文献1)には、駆動輪に接続されるエンジンと、駆動輪に自動変速機を介して接続されるモータとを備えたハイブリッド車両において、駆動輪が路面に対して滑るスリップが発生していると判定された場合には、自動変速機をニュートラル状態(動力を伝達しない状態)に切り替えてモータを駆動輪から切り離す技術が開示されている。これにより、駆動輪のスリップによるモータの過回転が防止される。
特開2004−150507号公報 特開2013−133085号公報 国際公開第2013/084333号パンフレット
しかしながら、特許文献1に開示された技術においては、スリップが発生していると判定されてから自動変速機がニュートラル状態に実際に切り替わるまでにはある程度の時間を要する。そのため、駆動輪のスリップが発生してから自動変速機がニュートラル状態に切り替わるまでの期間において、駆動輪のスリップによるモータの過回転が生じてしまうことが懸念される。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、エンジンとモータとを備えるハイブリッド車両において、駆動輪のスリップによるモータの過回転を適切に防止することである。
この発明に係る駆動装置は、エンジンおよびモータを備えるハイブリッド車両の駆動装置であって、回転軸と、回転軸とエンジンとの間に設けられたエンジン切り離し用クラッチと、回転軸とモータとの間に設けられたモータ切り離し用クラッチと、回転軸と駆動輪との間に設けられた第1変速機と、ユーザの操作に基づいて、走行モードを第1モードと第1モードに比べて燃費よりも駆動力が重視される第2モードとの間で切替可能な制御装置とを備える。制御装置は、走行モードが第2モードである場合、モータ切り離し用クラッチを解放してモータを駆動輪から切り離した状態でエンジンを用いてハイブリッド車両を走行させる。
このような構成によれば、第2モードは、第1モードに比べて、燃費よりも駆動力が重視されるため駆動輪のスリップが発生し易くなる。そこで、走行モードが第2モードである場合、モータを駆動輪から予め切り離す。そのため、駆動輪のスリップによるモータの過回転を適切に防止することができる。
好ましくは、第2モードは、前駆動輪と後駆動輪とに動力を分配するトランスファーに設けられた第2変速機をローギヤ段にして走行するトランスファロー走行モード、他の車両を牽引して走行するトーイング走行モード、およびユーザのアクセル操作およびブレーキ操作が無い状態でエンジンおよび車輪ブレーキを自動的に制御して走行するクロール走行モードの少なくともいずれかを含む。
このような構成によれば、トランスファロー走行モード、トーイング走行モード、およびクロール走行モードの少なくともいずれかの走行モードをユーザが選択している場合に、駆動輪のスリップによるモータの過回転を適切に防止することができる。
好ましくは、第2モードは、エンジンの間欠運転を禁止するエンジン間欠禁止モード、第1変速機のギヤ段をユーザの操作に応じて切替可能な手動変速モード、および第1モードよりも大きな加速トルクおよび減速トルクを発生させるスポーツモードの少なくともいずれかを含む。
このような構成によれば、エンジン間欠禁止モード、手動変速モード、およびスポーツモードの少なくともいずれかの走行モードをユーザが選択している場合に、駆動輪のスリップによるモータの過回転を適切に防止することができる。
好ましくは、制御装置は、走行モードを第1モードから第2モードに切り替える際、エンジンが停止中であるときはエンジンを始動した後にモータ切り離し用クラッチを解放する。
このような構成によれば、走行モードを第1モードから第2モードに切り替える際に、エンジンを始動した後にモータを駆動輪から切り離すため、モータの切り離しによって一時的に駆動力が途切れることを防止することができる。
車両の全体構成図である。 車両の走行態様とクラッチK0,K2の制御状態との対応関係を示す図である。 ECUの処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、本実施の形態による車両1の全体構成図である。車両1は、エンジン10と、モータジェネレータ(以下「MG」ともいう)20と、電力制御回路(以下「PCU(Power Control Unit)」という)21と、バッテリ22と、トルクコンバータ30と、自動変速機(第1変速機)40と、副変速機43a(第2変速機)付きのトランスファー43と、油圧回路45と、図示しない左右の前駆動輪と、左右の後駆動輪50と、車輪ブレーキ51と、エンジン切り離し用クラッチK0(以下、単に「クラッチK0」ともいう)と、MG切り離し用クラッチK2(以下、単に「クラッチK2」ともいう)と、 ECU(Electronic Control Unit)100とを備える。
車両1は、エンジン10およびMG20の少なくとも一方の動力を用いて後駆動輪50および図示しない前駆動輪を回転させて走行可能な、4輪駆動(4WD)のハイブリッド車両である。
エンジン10の出力軸12は、クラッチK0を介して回転軸35に接続される。MG20のロータは、クラッチK2を介して回転軸35に接続される。回転軸35は、トルクコンバータ30を介して自動変速機40の入力軸41に接続される。
エンジン10は、ガソリンエンジンあるいはディーゼルエンジン等の内燃機関である。MG20は、バッテリ22からPCU21を経由して供給される高電圧の電力によって駆動される。また、MG20は、回転軸35から伝達される動力(エンジンあるいは駆動輪から伝達される動力)によって回転されることによって発電する。バッテリ22は、高電圧で作動するMG20に供給するための電力を蓄える。PCU21は、MG20とバッテリ22との間で電力変換を行なう。
トルクコンバータ30は、ポンプインペラ31と、タービンランナ32と、ステータ33と、ロックアップクラッチ34とを備える。ロックアップクラッチ34は、ECU100からの制御信号に基づいて、係合状態、解放状態、半係合状態(フレックス制御状態)のいずれかに制御される。
自動変速機(第1変速機)40は、変速比の異なる複数のギヤ段を選択的に形成可能な有段式の自動変速機である。
トランスファー43は、自動変速機40から入力された動力(エンジン10およびMG20の少なくとも一方の動力)を、後輪出力軸42と、前輪出力軸44とに分配する。後輪出力軸42に分配された動力は左右の後駆動輪50に伝達される。前輪出力軸44に分配された動力は図示しない左右の前駆動輪に伝達される。
トランスファー43内に備えられる副変速機(第2変速機)43aは、ECU100からの制御信号によってローギヤ段とローギヤ段よりも増速側のハイギヤ段とに切り替えられる。ローギヤ段では、ハイギヤ段に比べて、より大きなトルクを駆動輪に伝達することができる。
機械式オイルポンプMOPは、オイルパン(図示せず)に貯留される作動油を吸入して油圧回路45に吐出する。油圧回路45は、機械式オイルポンプMOPおよび図示しない電動オイルポンプから供給される油圧を元圧として、クラッチK0の制御油圧(K0圧)、クラッチK2の制御油圧(K2圧)、ロックアップクラッチ34の制御油圧(LUC圧)を、ECU100からの制御信号によってそれぞれ調圧する。
車輪ブレーキ51は、後駆動輪50および図示しない前駆動輪に、それぞれ油圧シリンダによって機械的に制動トルクを発生させる。車輪ブレーキ51が発生する制動トルクはブレーキ制御装置52によって制御される。ブレーキ制御装置52は電磁式の油圧制御弁や切替弁等を備えており、ECU100からの制御信号に従って車輪ブレーキ51の制動トルクを電気的に制御する。
車両1には、アクセルペダルの操作量(アクセル開度)、ブレーキペダルの操作量、エンジン回転速度、MG回転速度、回転軸35の回転速度、タービン回転速度、エンジントルク、車速など、車両1を制御するために必要な物理量を検出するための複数のセンサ(いずれも図示せず)が設けられる。これらのセンサは、検出結果をECU100に送信する。
さらに、車両1には、シフトポジションセンサ56、スポーツモードスイッチ58、ハイロー切替スイッチ60、トーイングスイッチ62、クロールスイッチ64が設けられる。
シフトポジションセンサ56は、ユーザによって操作されるシフトレバーの位置(シフトポジション)を検出する。ユーザは、シフトレバーの位置を切り替えることによって、アクセル開度や車速などに応じて自動変速機40のギヤ段を自動的に切り替える「自動変速モード」と、ユーザの手動操作に従って自動変速機40のギヤ段を切り替える「手動変速モード」とを、切り替えることができる。
スポーツモードスイッチ58は、加速性能および減速性能を含む走行性能を重視した走行が可能な「スポーツ走行モード」をユーザが選択するためのスイッチである。
ハイロー切替スイッチ60は、トランスファー43内の副変速機43aのギヤ段をハイギヤ段からローギヤ段に切り替えて走行する「トランスファーLo走行モード」をユーザが選択するためのスイッチである。
トーイングスイッチ62は、車両1が他の車両を牽引して走行する「トーイング走行モード」をユーザが選択するためのスイッチである。
クロールスイッチ64は、ユーザによるアクセルペダルの操作およびブレーキペダルの操作が無い状態でエンジン10、MG20、および車輪ブレーキ51を自動的に制御して低速走行する「クロール走行モード」をユーザが選択するためのスイッチである。
ECU100は、図示しないCPU(Central Processing Unit)および内部メモリを備える。ECU100は、各センサからの情報およびメモリに記憶された情報に基づいて所定の演算処理を実行し、演算結果に基づいて車両1の各機器を制御する。
ECU100は、ユーザがシフトレバーを操作して自動変速モードを選択した場合、アクセル開度や車速などをパラメータとして予め定められた変速マップ(変速線図)に従って自動変速機40のギヤ段を自動的に切り替える。一方、ユーザがシフトレバーを操作して手動変速モードを選択した場合、ECU100は、ユーザの手動操作による変速要求に従って自動変速機40のギヤ段を切り替える。
ECU100は、ユーザがスポーツモードスイッチ58を操作してスポーツ走行モードを選択した場合、スロットル開度の制御特性(アクセル開度とエンジン出力との対応関係)をノーマルモード(スポーツ走行モードが選択されていない状態)よりも高出力側へ変更することによって、同じアクセル開度でも大きなエンジン出力が得られるようにする。また、自動変速モード中にスポーツ走行モードが選択された場合においては、変速マップの変速線をノーマル状態よりも高車速側へ変更することによって、アップシフトし難くダウンシフトし易くなるようにし、大きな駆動力が速やかに得られる低速側(ロー側)のギヤ段が多用されるようにしてもよい。
ECU100は、ユーザがハイロー切替スイッチ60を操作してトランスファーLo走行モードを選択した場合、トランスファー43内の副変速機43aのギヤ段をハイギヤ段からローギヤ段に切り替えるとともに、スポーツ走行モードと同様にスロットル開度の制御特性を変更することによってノーマルモード(トランスファーLo走行モードが選択されていない状態)よりも大きな駆動力が速やかに得られるようにする。クトランスファーLo走行モードは、たとえば砂地やダート、岩石路等のオフロードや、雪道、凍結路等の滑り易い路面(いわゆる低μ路)を走行する場合など、駆動輪の動力が路面に伝わり難い条件下で走行する場合に特に有効である。
ECU100は、ユーザがトーイングスイッチ62を操作してトーイング走行モードを選択した場合、スポーツ走行モードと同様にスロットル開度の制御特性や変速マップの変速線を変更することによってノーマルモード(トーイング走行モードが選択されていない状態)よりも大きな駆動力が速やかに得られるようにする。
ECU100は、ユーザがクロールスイッチ64を操作してクロール走行モードを選択した場合、ユーザによるアクセルペダルの操作およびブレーキペダルの操作が無い状態でエンジン10、MG20、および車輪ブレーキ51を自動的に制御し、予め定められた低い車速(たとえば10km/時程度)で車両1を走行させる。クロール走行モード中は、ユーザはステアリング操作に集中できて運転操作が容易になる。このようなクロール走行モードは、たとえばオフロードや低μ路を走行する場合など、アクセルペダルやブレーキペダルの適切な操作が困難な条件下で走行する場合に特に有効である。
上記の「トーイング走行モード」、「クロール走行モード」、および「トランスファーLo走行モード」は、ノーマルモードに比べて、より大きな駆動力が必要とされる走行モードである。
また、上記の「スポーツ走行モード」および「手動変速モード」は、ノーマルモードに比べて、より高い加速性能および減速性能が必要とされる走行モードである。
また、ECU100は、アクセル開度、車速、およびバッテリ22の蓄電状態(以下「SOC:State Of Charge」ともいう)等に応じて、モータ走行、ハイブリッド走行、エンジン走行のいずれかの走行態様で車両1を走行させる。
図2は、車両1の走行態様とクラッチK0,K2の制御状態との対応関係を示す図である。
モータ走行中には、ECU100は、クラッチK2を係合し(MG20を回転軸35に接続し)かつクラッチK0を解放して(エンジン10を回転軸35から切り離して)、MG20の動力のみで回転軸35を回転させる。
ハイブリッド走行中には、ECU100は、クラッチK2を係合し(MG20を回転軸35に接続し)かつクラッチK0を係合して(エンジン10を回転軸35に接続して)、エンジン10およびMG20の少なくとも一方の動力で回転軸35を回転させる。
エンジン走行中には、ECU100は、クラッチK2を解放し(MG20を回転軸35から切り離し)かつクラッチK0を係合して(エンジン10を回転軸35に接続して)、エンジン10の動力のみで回転軸35を回転する。エンジン走行中は、MG20がパワートレーンから完全に切り離されるので、エンジンと駆動輪との間に自動変速機を備えた通常のエンジン車両と同様の構成となる。
ECU100は、上記のモータ走行、ハイブリッド走行、エンジン走行の3つの走行態様のうちから、アクセル開度、車速、およびSOC等に応じた適切な走行態様を選択する。たとえば、ECU100は、アクセル開度が小さくかつ車速が低い低負荷領域では燃費を向上させるためにモータ走行を選択し、低負荷領域を超える高負荷領域ではより大きな駆動力を得るためにハイブリッド走行あるいはエンジン走行を選択する。また、ECU100は、SOCが低い場合には、ハイブリッド走行を選択してMG20をモータではなくジェネレータとして作動させたり、エンジン走行を選択してMG20を完全に停止したりする。
以上のような構成を有する車両1が低μ路やオフロード等を走行する場合、あるいは他の車両を牽引する場合などにおいては、駆動輪が路面に対してスリップする場合がある。駆動輪のスリップ時にクラッチK2が係合状態である(すなわち駆動輪の回転がMG20に伝達され得る状態である)と、駆動輪のスリップによってMG20の回転速度が急増して許容値を超える過回転状態となり、MG20およびMG20を駆動するための電気系部品(PCU21、バッテリ22等)の負荷が増加し、これらの耐久性に影響を及ぼしてしまうことが懸念される。また、スリップが解消し駆動輪が路面にグリップした場合にも、MG20の回転速度が急減するため、MG20等の耐久性に影響を及ぼしてしまうことが懸念される。
そこで、本実施の形態によるECU100は、ハイブリッド機能(MG20による燃費向上)よりも駆動力が重視される走行モード(以下「駆動力重視モード」という)をユーザが選択している場合には、予めクラッチK2を解放してMG20を駆動輪から切り離しておく。これにより、駆動輪のスリップが生じた場合であっても、MG20の過回転を防止することができる。
本実施の形態においては、駆動力重視モードとして、トーイング走行モード、クロール走行モード、およびトランスファーLo走行モードの3つの走行モードが設定されている。これらの3つの走行モードの少なくともいずれかが選択されている場合には、滑りやすい路面や高負荷に対応すべくより大きな駆動力が出力されるため駆動輪のスリップが発生し易くなる一方で、燃費向上に寄与するMG20を用いて走行する必要性は低い。そのため、本実施の形態においては、これらの3つの走行モードが駆動力重視モードとして設定されている。
図3は、ECU100の処理手順を示すフローチャートである。ステップ(以下、ステップを「S」と略す)10にて、ECU100は、上記の駆動力重視モードをユーザが選択しているか否かを判定する。すなわち、ECU100は、トーイング走行モード、クロール走行モード、およびトランスファーLo走行モードの少なくともいずれかが選択されている場合に、駆動力重視モードをユーザが選択していると判定する。
駆動力重視モードをユーザが選択していない場合(S10にてNO)、ECU100は、S11にて、モータ走行、ハイブリッド走行、エンジン走行の3つの走行態様のうちから、アクセル開度、車速、SOC等に応じた走行態様を選択する。
一方、駆動力重視モードをユーザが選択している場合(S10にてYES)、ECU100は、S12にて、エンジン10が運転中であるか否かを判定する。エンジン10が停止中である場合(S12にてNO)、ECU100は、S13にてエンジン10を始動し、その後に処理をS14に移す。
エンジン10が既に運転中である場合(S12にてYES)には、ECU100は、そのまま処理をS14に移す。
S14にて、ECU100は、アクセル開度、車速、SOC等に関わらず、走行態様をエンジン走行に固定する。すなわち、ECU100は、クラッチK2を解放してMG20を駆動輪から切り離す。
以上のように、本実施の形態によるECU100は、駆動力重視モードをユーザが選択している場合には、駆動輪のスリップが発生し易くなることを考慮して、予めクラッチK2を解放してMG20を駆動輪から切り離してエンジン走行を行なう。そのため、ユーザの要求を満たしつつ、駆動輪のスリップによるMG20の過回転を適切に(未然に)防止することができる。
また、本実施の形態によるECU100は、駆動力重視モード以外の走行モードから駆動力重視モードに切り替える際、エンジン10が停止中であるときはエンジン10を始動した後にクラッチK2を解放する。そのため、MG20の切り離しによって一時的に駆動力が途切れることを防止することができる。
<変形例>
上述の実施の形態においては、駆動力重視モードとして、トーイング走行モード、クロール走行モード、およびトランスファーLo走行モードが設定されていたが、駆動力重視モードに設定される走行モードは、上記の3つの走行モードに限定されない。
たとえば、「スポーツ走行モード」および「手動変速モード」は、加速性能および減速性能の要求度が高い走行モードであり、燃費よりも駆動力が重視されるモードである。そのため、トーイング走行モード、クロール走行モード、およびトランスファーLo走行モードに代えてあるいは加えて、スポーツ走行モードおよび手動変速モードの少なくともどちらかを駆動力重視モードとして設定するようにしてもよい。
また、ユーザがエンジン間欠禁止スイッチを操作してエンジン10の間欠運転を禁止するエンジン間欠禁止モードを選択することができる場合には、駆動力重視モードとして、エンジン間欠禁止モードを設定するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態においては4輪駆動(4WD)のハイブリッド車両に本発明を適用する場合について説明したが、本発明は2輪駆動(2WD)のハイブリッド車両にも適用可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、10 エンジン、12 出力軸、22 バッテリ、30 トルクコンバータ、31 ポンプインペラ、32 タービンランナ、33 ステータ、34 ロックアップクラッチ、35 回転軸、40 自動変速機(第1変速機)、41 入力軸、42 後輪出力軸、43 トランスファー、43a 副変速機(第2変速機)、44 前輪出力軸、45 油圧回路、50 後駆動輪、51 車輪ブレーキ、52 ブレーキ制御装置、56 シフトポジションセンサ、58 スポーツモードスイッチ、60 ハイロー切替スイッチ、62 トーイングスイッチ、64 クロールスイッチ、100 ECU、K0 エンジン切り離し用クラッチ、K2 MG切り離し用クラッチ、MOP 機械式オイルポンプ。

Claims (4)

  1. エンジンおよびモータを備えるハイブリッド車両の駆動装置であって、
    回転軸と、
    前記回転軸と前記エンジンとの間に設けられたエンジン切り離し用クラッチと、
    前記回転軸と前記モータとの間に設けられたモータ切り離し用クラッチと、
    前記回転軸と駆動輪との間に設けられた第1変速機と、
    ユーザの操作に基づいて、走行モードを第1モードと前記第1モードに比べて燃費よりも駆動力が重視される第2モードとの間で切替可能な制御装置とを備え、
    前記制御装置は、走行モードが前記第2モードである場合、前記モータ切り離し用クラッチを解放して前記モータを前記駆動輪から切り離した状態で前記エンジンを用いて前記ハイブリッド車両を走行させる、ハイブリッド車両の駆動装置。
  2. 前記第2モードは、前駆動輪と後駆動輪とに動力を分配するトランスファーに設けられた第2変速機をローギヤ段にして走行するトランスファロー走行モード、他の車両を牽引して走行するトーイング走行モード、およびユーザのアクセル操作およびブレーキ操作が無い状態で前記エンジンおよび車輪ブレーキを自動的に制御して走行するクロール走行モードの少なくともいずれかを含む、請求項1に記載のハイブリッド車両の駆動装置。
  3. 前記第2モードは、前記エンジンの間欠運転を禁止するエンジン間欠禁止モード、前記第1変速機のギヤ段をユーザの操作に応じて切替可能な手動変速モード、および前記第1モードよりも大きな加速トルクおよび減速トルクを発生させるスポーツモードの少なくともいずれかを含む、請求項1に記載のハイブリッド車両の駆動装置。
  4. 前記制御装置は、走行モードを前記第1モードから前記第2モードに切り替える際、前記エンジンが停止中であるときは前記エンジンを始動した後に前記モータ切り離し用クラッチを解放する、請求項1〜3のいずれかに記載のハイブリッド車両の駆動装置。
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