JP2017047802A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】脱出操作の為の駆動力を確保し易くすることと、動力伝達装置の耐久性を確保し易くすることとを両立する。
【解決手段】駆動輪14がスリップしていると判定されても、ホイールブレーキにおける急制動操作が為されたと判定されないとクラッチK0及びクラッチK2を解放しないので、ホイールブレーキにおける急制動操作が為されるまでは脱出操作の為の駆動力をエンジン12及び電動機MGにて確保し易くされる。更に、ホイールブレーキにおける急制動操作が為されたと判定されたときにはクラッチK0及びクラッチK2を解放状態とするので、駆動系全体の回転慣性からエンジン12及び電動機MGの回転慣性が減らされて動力伝達装置16に付加されるトルクが抑制され、動力伝達装置16の耐久性を確保し易くされる。よって、脱出操作の為の駆動力を確保し易くすることと、動力伝達装置16の耐久性を確保し易くすることとを両立することができる。
【選択図】図2
【解決手段】駆動輪14がスリップしていると判定されても、ホイールブレーキにおける急制動操作が為されたと判定されないとクラッチK0及びクラッチK2を解放しないので、ホイールブレーキにおける急制動操作が為されるまでは脱出操作の為の駆動力をエンジン12及び電動機MGにて確保し易くされる。更に、ホイールブレーキにおける急制動操作が為されたと判定されたときにはクラッチK0及びクラッチK2を解放状態とするので、駆動系全体の回転慣性からエンジン12及び電動機MGの回転慣性が減らされて動力伝達装置16に付加されるトルクが抑制され、動力伝達装置16の耐久性を確保し易くされる。よって、脱出操作の為の駆動力を確保し易くすることと、動力伝達装置16の耐久性を確保し易くすることとを両立することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、エンジンと電動機とを備えたハイブリッド車両の制御装置に関するものである。
エンジンと、電動機と、エンジンからの動力と電動機からの動力とを駆動輪へ伝達する動力伝達装置とを備えたハイブリッド車両が良く知られている。例えば、特許文献1に記載されたハイブリッド自動車がそれである。この特許文献1には、車輪のスリップが発生したときに、電動機が過大な回転で運転されるのを防止する為に、動力伝達装置からその電動機を切り離すことが開示されている。
ところで、岩場や泥濘路などで車輪がはまり込んだ状態から脱出する為には、相応の駆動力が必要である。岩場などで車輪がはまり込んだときや、泥濘路を走行しているときに、車輪が空転し、スリップ状態と判定されて直ぐに電動機が動力伝達装置から切り離されると、脱出操作が難しくなる可能性がある。これに対して、スリップ状態で電動機を切り離さないと電動機が高回転してしまう。この状態で急ブレーキ操作が為されると、動力伝達装置にエンジン及び電動機を加えた駆動系全体の回転慣性体の角回転速度の変化が大きくなり、スリップ状態でないときの制動と比べて、動力伝達装置に大きなトルクが付加される。その為、動力伝達装置の耐久性を確保するには、動力伝達装置を構成する部品を強化したり大型化する必要がある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、脱出操作の為の駆動力を確保し易くすることと、動力伝達装置の耐久性を確保し易くすることとを両立することができるハイブリッド車両の制御装置を提供することにある。
第1の発明の要旨とするところは、(a) エンジンと、電動機と、前記エンジンからの動力と前記電動機からの動力とを駆動輪へ伝達する動力伝達装置と、前記動力伝達装置から前記エンジンを切り離すことが可能な第1クラッチと、前記動力伝達装置から前記電動機を切り離すことが可能な第2クラッチとを備えたハイブリッド車両の、制御装置であって、(b) 前記駆動輪がスリップしているか否かを判定するスリップ判定部と、(c) ホイールブレーキにおける急制動操作が為されたか否かを判定する急制動操作判定部と、(d) 前記駆動輪がスリップしていると判定され、且つ前記ホイールブレーキにおける急制動操作が為されたと判定された場合に、前記第1クラッチ及び前記第2クラッチのうちの少なくとも一方のクラッチを解放状態とするクラッチ制御部とを、含むことにある。
前記第1の発明によれば、駆動輪がスリップしていると判定されても、ホイールブレーキにおける急制動操作が為されたと判定されないと第1クラッチ及び第2クラッチを解放しないので、ホイールブレーキにおける急制動操作が為されるまでは脱出操作の為の駆動力をエンジン及び電動機にて確保し易くされる。更に、ホイールブレーキにおける急制動操作が為されたと判定されたときには第1クラッチ及び第2クラッチのうちの少なくとも一方のクラッチを解放状態とするので、駆動系全体の回転慣性からエンジン及び電動機のうちの少なくとも一方の回転慣性が減らされて動力伝達装置に付加されるトルクが抑制され、動力伝達装置の耐久性を確保し易くされる。よって、脱出操作の為の駆動力を確保し易くすることと、動力伝達装置の耐久性を確保し易くすることとを両立することができる。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用されるハイブリッド車両10(以下、車両10という)の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、走行用の駆動力源として機能するエンジン12と、走行用の駆動力源として機能する電動機MGと、駆動輪14と、エンジン12からの動力と電動機MGからの動力とを駆動輪14へ伝達する動力伝達装置16と、動力伝達装置16からエンジン12を切り離すことが可能な第1クラッチとしてのエンジン断接用のクラッチK0と、動力伝達装置16から電動機MGを切り離すことが可能な第2クラッチとしての電動機断接用のクラッチK2とを備えている。
動力伝達装置16は、変速機18、変速機18の出力回転部材としての変速機出力軸20に連結されたディファレンシャルギヤ22等を備えている。変速機18は、電動機MG、クラッチK0、及びクラッチK2と共に非回転部材としてのハウジング24内に配置されている。
クラッチK0は、エンジン12と変速機18との間の動力伝達経路に介在させられており、変速機18の入力回転部材としての変速機入力軸26を介して変速機18と連結されている。クラッチK2は、電動機MGと変速機18との間の動力伝達経路に介在させられており、変速機入力軸26を介して変速機18と連結されている。よって、電動機MGは、クラッチK2を介してクラッチK0と変速機18との間の動力伝達経路に連結されている。
このように構成された車両10では、エンジン12の動力(特に区別しない場合にはトルクや力も同義)は、クラッチK0が係合された場合、クラッチK0、変速機18、ディファレンシャルギヤ22等を順次介して駆動輪14へ伝達される。電動機MGの動力は、クラッチK2が係合された場合、クラッチK2、変速機18、ディファレンシャルギヤ22等を順次介して駆動輪14へ伝達される。
変速機18は、変速機入力軸26に連結されたトルクコンバータ28、トルクコンバータ28に連結された補助変速機30、トルクコンバータ28のポンプ翼車に連結されたオイルポンプ32、及び油圧制御回路34を備えている。トルクコンバータ28は、公知のロックアップクラッチ36を備えている。補助変速機30は、例えば公知の自動変速機(遊星歯車式多段変速機、同期噛合型平行2軸式自動変速機、DCT、ベルト式無段変速機等)である。補助変速機30では、例えば油圧アクチュエータが油圧制御回路34によって制御されることにより、アクセル開度や車速等に応じて所定の変速比が形成される。オイルポンプ32は、駆動力源(エンジン12及び/又は電動機MG)によって回転駆動されることで、油圧制御回路34が各種油圧アクチュエータへ供給する作動油圧の元圧を発生(出力)する。
エンジン12は、車両10の主動力源であり、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の公知の内燃機関である。このエンジン12は、後述する電子制御装置50によってスロットル開度或いは吸入空気量、燃料供給量、点火時期等の運転状態が制御されることによりエンジントルクTeが制御される。
電動機MGは、電気エネルギーから機械的な動力を発生させる発動機としての機能及び機械的なエネルギーから電気エネルギーを発生させる発電機としての機能を有する所謂モータジェネレータである。電動機MGは、インバータ38を介して蓄電装置40に接続されており、後述する電子制御装置50によってインバータ38が制御されることにより、電動機MGの出力トルク(或いは回生トルク)であるMGトルクTmが制御される。
クラッチK0及びクラッチK2は共に、湿式多板型の油圧式の摩擦クラッチ(摩擦係合装置)であり、オイルポンプ32が発生する油圧を元圧とし油圧制御回路34内のソレノイドバルブ等による各係合油圧(クラッチ油圧)の調圧により各トルク容量(クラッチトルク)が変化させられることで、各々、係合と解放とが制御される。
クラッチK0の係合状態では、エンジン12が変速機18に連結され、エンジン12と変速機18との間での動力伝達が可能とされる。一方で、クラッチK0の解放状態では、エンジン12が変速機18から切り離され、エンジン12と変速機18との間での動力伝達が遮断される。又、クラッチK2の係合状態では、電動機MGが変速機18に連結され、電動機MGと変速機18との間での動力伝達が可能とされる。一方で、クラッチK2の解放状態では、電動機MGが変速機18から切り離され、電動機MGと変速機18との間での動力伝達が遮断される。見方を換えれば、電動機MGはクラッチK0を介することなく変速機18に連結されるので、クラッチK0を解放することで、電動機MGと変速機18との連結/切離しに影響を与えることなく、エンジン12は変速機18から単独で切り離される。又、エンジン12はクラッチK2を介することなく変速機18に連結されるので、クラッチK2を解放することで、エンジン12と変速機18との連結/切離しに影響を与えることなく、電動機MGは変速機18から単独で切り離される。
車両10では、クラッチK0の解放状態且つクラッチK2の係合状態にて、電動機MGのみを走行用の駆動力源として走行するモータ走行を行うことができる。又、車両10では、クラッチK0の係合状態にて、少なくともエンジン12を走行用の駆動力源として走行するエンジン走行(すなわちハイブリッド走行)を行うことができる。このハイブリッド走行では、エンジン12に加えて電動機MGを走行用の駆動力源として走行することが可能である。このハイブリッド走行にて電動機MGを走行用の駆動力源とする場合には、クラッチK2を係合状態とする必要がある。このハイブリッド走行にてエンジン12のみを走行用の駆動力源として走行する場合には、必ずしもクラッチK2を解放状態とする必要はない。
車両10は、クラッチK0及びクラッチK2の係合/解放作動に関連する車両10の制御装置を含む電子制御装置50を備えている。図1は、電子制御装置50の入出力系統を示す図であり、又、電子制御装置50による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。電子制御装置50は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置50は、エンジン12の出力制御、電動機MGの回生制御を含む各出力制御、変速機18の変速制御、クラッチK0及びクラッチK2のトルク容量制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用、電動機制御用、油圧制御用等に分けて構成される。
電子制御装置50には、車両10が備える各種センサ(例えばエンジン回転速度センサ60、レゾルバ等の電動機回転速度センサ62、車輪速センサ64、アクセル開度センサ66、ブレーキスイッチ68、マスタシリンダ圧力センサ70など)により検出された検出信号に基づく各種実際値(例えばエンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Ne、電動機MGの回転速度であるMG回転速度Nm、各車輪(すなわち従動輪となる左右の前輪及び駆動輪14となる左右の後輪)の回転速度(各車輪速)Nwに対応する各車輪速Nwfl,Nwfr,Nwrl,Nwrr、運転者の加速要求量としてのアクセルペダルの操作量であるアクセル開度θacc、常用ブレーキであるホイールブレーキにおける制動操作(例えばブレーキペダル操作)が為された状態(ブレーキ操作状態)を示す信号であるブレーキオンBon、運転者による制動操作に応じてホイールシリンダへ供給されるブレーキ油圧(制動油圧)に対応するブレーキマスタシリンダから発生させられるブレーキフルード圧力(マスタシリンダ油圧)Pmcなど)が、それぞれ供給される。又、電子制御装置50からは、エンジン12の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号Se、電動機MGを制御するインバータ38を作動させる為の電動機制御指令信号Sm、クラッチK0やクラッチK2やロックアップクラッチ36や変速機18の油圧アクチュエータを制御する為に油圧制御回路34内のソレノイドバルブ等を作動させる為の油圧制御指令信号Spなどが、スロットルアクチュエータや燃料噴射装置等のエンジン制御装置、インバータ38、油圧制御回路34などへそれぞれ出力される。尚、電子制御装置50は、各種実際値の1つとして、左右の後輪(駆動輪14)の車輪速Nwrl,Nwrrに基づいて、左右の駆動輪14の周速度(以下、後輪周速という)Vwrl,Vwrrを算出する。又、電子制御装置50は、各種実際値の1つとして、左右の前輪の車輪速Nwfl,Nwfrの平均車輪速Nwfに基づいて、車両10の速度(以下、車速という)Vvを算出する。
電子制御装置50は、油圧制御手段すなわち油圧制御部52、及びハイブリッド制御手段すなわちハイブリッド制御部54を備えている。
油圧制御部52は、予め実験的或いは設計的に求められて記憶された(すなわち予め定められた)公知の関係(変速線図、変速マップ)に実際の車速Vv及びアクセル開度θaccを適用することで、形成するべき変速機18の変速比γを判断し、その判断した変速比γが得られるように変速機18の油圧アクチュエータを制御する為の油圧制御指令信号Spを油圧制御回路34へ出力して、変速機18の変速制御を実行する。このように油圧制御部52は、変速機18の変速制御を実行する変速制御手段すなわち変速制御部としての機能を備えている。
ハイブリッド制御部54は、エンジン12の駆動を制御する機能と、インバータ38を介して電動機MGによる駆動力源又は発電機としての作動を制御する機能とを含んでおり、それら制御機能によりエンジン12及び電動機MGによるハイブリッド駆動制御等を実行する。ハイブリッド制御部54は、予め定められた関係(例えば駆動力マップ)にアクセル開度θacc及び車速Vvを適用することで、運転者による車両10に対して要求される要求駆動力Fdemを算出する。ハイブリッド制御部54は、伝達損失、補機負荷、変速機18の変速比γ、蓄電装置40の充放電可能電力Win,Wout等を考慮して、その要求駆動力Fdemが得られるように、走行用駆動力源(エンジン12及び電動機MG)を制御する指令信号(エンジン出力制御指令信号Se及び電動機制御指令信号Sm)を出力する。
具体的には、ハイブリッド制御部54は、要求駆動力Fdemが電動機MGの出力のみで賄える範囲の場合には、走行モードをモータ走行モードとし、クラッチK0の解放状態且つクラッチK2の係合状態にて、モータ走行を行う。一方で、ハイブリッド制御部54は、要求駆動力が少なくともエンジン12の出力を用いないと賄えない範囲の場合には、走行モードをエンジン走行モード(すなわちハイブリッド走行モード)とし、クラッチK0の係合状態にて、ハイブリッド走行を行う。ハイブリッド制御部54は、このハイブリッド走行モードでは、クラッチK0の係合状態且つクラッチK2の係合状態にて、エンジン12に加えて電動機MGを走行用の駆動力源として走行することが可能である。
油圧制御部52は、モータ走行モードでは、クラッチK0を解放状態とし且つクラッチK2を係合状態とするように、クラッチK0とクラッチK2とへ各々供給される各クラッチ油圧を調圧する各ソレノイドバルブを駆動する為の油圧制御指令信号Spを油圧制御回路34へ出力して、クラッチK0及びクラッチK2の係合/解放制御を実行する。油圧制御部52は、ハイブリッド走行モードでは、クラッチK0を係合状態とし且つクラッチK2を係合状態とするように、各ソレノイドバルブを駆動する為の油圧制御指令信号Spを油圧制御回路34へ出力して、クラッチK0及びクラッチK2の係合/解放制御を実行する。このような、モータ走行モードやハイブリッド走行モードにおけるクラッチK0及びクラッチK2の係合/解放制御は、アクセルオン操作が為されたときの、クラッチK0及びクラッチK2の通常作動(通常制御)である。尚、油圧制御部52は、ハイブリッド走行モードにてエンジン12のみが走行用の駆動力源とされる場合には、クラッチK0を係合状態とし且つクラッチK2を解放状態とするように、各ソレノイドバルブを駆動する為の油圧制御指令信号Spを油圧制御回路34へ出力して、クラッチK0及びクラッチK2の係合/解放制御を実行しても良い。このように、油圧制御部52は、クラッチK0及びクラッチK2の係合/解放制御を実行するクラッチ制御手段すなわちクラッチ制御部としての機能を備えている。
ここで、一般的に、車両走行状態で制動すると、動力伝達装置16にエンジン12及び電動機MGを加えた駆動系全体の回転慣性体が減速されることでトルクが動力伝達装置16に付加される。特に、岩場や泥濘路での脱出操作における、駆動輪14の空転からの急制動時に高いトルクが発生する可能性がある。車両10のように電動機MGを備えるハイブリッドシステムの場合、電動機MGの回転慣性が加わる為、トルクがより大きくなる。そこで、電子制御装置50は、走行状態に応じてクラッチK0及びクラッチK2を適切な状態に係合/解放制御することで、岩場や泥濘路からの脱出操作をできるだけ妨げることなく、急制動時の大きなトルクの発生を抑制する(すなわち急制動時に動力伝達装置16に付加されるトルクの入力を抑制する)。電子制御装置50は、クラッチK0及びクラッチK2を解放状態とすることで、急制動時の大きなトルクの発生を抑制する、急制動時クラッチ解放制御を実行する。
電子制御装置50は、以下の手順に従って、急制動時クラッチ解放制御を実行する。車両10が、岩石路や泥濘路などにはまり込んだ状態かどうかを判定し、そうでない通常走行状態では、急制動時クラッチ解放制御を実行しないようにする為、駆動輪14のスリップ判定を行い、その状態を判別する。スリップ状態でも、アクセル操作が為され、駆動力をかけて脱出操作をしているときは、急制動時クラッチ解放制御を実行しないようにして脱出操作を妨げないようにする為、脱出操作中かどうかをアクセル開度θaccの値にて判定する。アクセル開度θaccが零で且つ急制動操作が為されたときに、急制動時クラッチ解放制御を実行する。動力伝達装置16に大きなトルクが入力されるのは急制動のときであり、それ以外の制動操作(ブレーキ操作)を除く為に、急制動操作が為されたかを判定し、急制動時にのみ急制動時クラッチ解放制御を実行するように限定する。急制動時クラッチ解放制御を実行することにより、動力伝達装置16に対する急制動による大きなトルクの発生を抑制することができる。
具体的には、電子制御装置50は、走行状態判定手段すなわち走行状態判定部56、及び制動操作判定手段すなわち制動操作判定部58を更に備えている。
走行状態判定部56は、駆動輪14がスリップしているか否かを判定するスリップ判定手段すなわちスリップ判定部としての機能を備えている。具体的には、走行状態判定部56は、後輪周速Vwr(Vwrl又はVwrr)の方が車速Vvよりも速い場合には、駆動輪14がスリップしていると判定する。或いは、走行状態判定部56は、後輪周速Vwrの方が車速Vvよりも速いときに、駆動輪14のスリップ率(=(Vwr−Vv)/Vwr)がスリップ判定閾値を超えている場合に、駆動輪14がスリップしていると判定しても良い。このスリップ判定閾値は、例えばスリップしていることを確実に判断する為の予め定められた適合値である。尚、後輪周速Vwrと車速Vvとを比較することに替えて、駆動輪14の車輪速Nwr(Nwrl又はNwrr)と左右の前輪の平均車輪速Nwfとを比較しても良い。
又、走行状態判定部56は、アクセル開度θaccが零(零判定値)であるか否か(すなわちアクセルオフの状態であるか否か)を判定する。
制動操作判定部58は、ホイールブレーキにおける制動操作が為されたか否かを判定する。具体的には、制動操作判定部58は、ブレーキオンBonの信号が有るか否かに基づいて、ホイールブレーキにおける制動操作が為されたブレーキオンの状態であるか否かを判定する。
又、制動操作判定部58は、ホイールブレーキにおける急制動操作が為されたか否かを判定する急制動操作判定手段すなわち急制動操作判定部としての機能を備えている。具体的には、制動操作判定部58は、ホイールブレーキにおける制動操作が為されたと判定した場合には、マスタシリンダ油圧Pmcが所定油圧Pmcp[Pa]を超えており、且つマスタシリンダ油圧Pmcの変化速度(ブレーキ油圧レート)dPmc(=dPmc/dt)が所定油圧レートdPmcp[Pa/sec]を超えているか否かに基づいて、ホイールブレーキにおける急制動操作が為された急ブレーキオンの状態であるか否かを判定する。上記所定油圧Pmcp及び所定油圧レートdPmcpは、例えば運転者による急制動操作が為されたと判定する為の予め定められた急制動操作判定値である。
油圧制御部52は、駆動輪14がスリップしているときに、アクセルオフで急制動操作が為された場合には、クラッチK0及びクラッチK2を共に解放状態とする。具体的には、油圧制御部52は、走行状態判定部56により駆動輪14がスリップしていると判定され、且つ、走行状態判定部56によりアクセル開度θaccが零であると判定され、且つ、制動操作判定部58によりホイールブレーキにおける制動操作が為されたブレーキオンの状態であると判定されたときに更にホイールブレーキにおける急制動操作が為されたと判定された場合には、クラッチK0及びクラッチK2を共に解放状態とするように、各ソレノイドバルブを駆動する為の油圧制御指令信号Spを油圧制御回路34へ出力する。
図2は、電子制御装置50の制御作動の要部すなわち脱出操作の為の駆動力を確保し易くすることと、動力伝達装置16の耐久性を確保し易くすることとを両立する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば車両10の走行中に繰り返し実行される。
図2において、先ず、走行状態判定部56の機能に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、駆動輪14がスリップしているか否かが判定される。このS10の判断が肯定される場合は走行状態判定部56の機能に対応するS20において、アクセル開度θaccが零であるか否かが判定される。このS20の判断が肯定される場合は制動操作判定部58の機能に対応するS30において、ホイールブレーキにおける制動操作が為されたブレーキオンの状態であるか否かが判定される。このS30の判断が肯定される場合は制動操作判定部58の機能に対応するS40において、ホイールブレーキにおける急制動操作が為された急ブレーキオンの状態であるか否かが判定される。このS40の判断が肯定される場合は油圧制御部52の機能に対応するS50において、クラッチK0及びクラッチK2を共に解放状態とする為の油圧制御指令信号Spが油圧制御回路34へ出力されて、クラッチK0及びクラッチK2の解放制御が実行される。次いで、上記S30へ戻される。一方で、上記S10の判断が否定されるか、上記S20の判断が否定されるか、上記S30の判断が否定されるか、或いは上記S40の判断が否定される場合は油圧制御部52の機能に対応するS60において、クラッチK0及びクラッチK2の通常制御(すなわちアクセル開度θaccや車速Vv等に応じた、モータ走行モードやハイブリッド走行モードにおけるクラッチK0及びクラッチK2の係合/解放制御)が実行される。
上述のように、本実施例によれば、駆動輪14がスリップしていると判定されても、ホイールブレーキにおける急制動操作が為されたと判定されないとクラッチK0及びクラッチK2を解放しないので、ホイールブレーキにおける急制動操作が為されるまでは脱出操作の為の駆動力をエンジン12及び電動機MGにて確保し易くされる。更に、ホイールブレーキにおける急制動操作が為されたと判定されたときにはクラッチK0及びクラッチK2を解放状態とするので、駆動系全体の回転慣性からエンジン12及び電動機MGの回転慣性が減らされて動力伝達装置16に付加されるトルクが抑制され、動力伝達装置16の耐久性を確保し易くされる。よって、脱出操作の為の駆動力を確保し易くすることと、動力伝達装置16の耐久性を確保し易くすることとを両立することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、駆動輪14がスリップしていると判定され、且つ、アクセル開度θaccが零であると判定され、且つ、ホイールブレーキにおける制動操作が為されたブレーキオンの状態であると判定されたときに更にホイールブレーキにおける急制動操作が為されたと判定された場合に、クラッチK0及びクラッチK2を共に解放状態としたが、この態様に限らない。急制動操作が為されたときは、既に制動操作が為されていることに加え、アクセルオフの状態であると考えられるので、アクセル開度θaccが零であるか否かの判定、及び、ホイールブレーキにおける制動操作が為されたブレーキオンの状態であるか否かの判定は、必ずしも必要でない。つまり、油圧制御部52は、駆動輪14がスリップしていると判定され、且つホイールブレーキにおける急制動操作が為されたと判定された場合に、クラッチK0及びクラッチK2を共に解放状態とすれば良い。このような実施態様では、図2のフローチャートにおけるS20及びS30は必ずしも必要でない。又、脱出操作中かどうかをアクセル開度θaccの値にて判定したが、スロットル弁開度などの値にて判定しても良い。
又、クラッチK0及びクラッチK2を共に解放状態とすることに替えて、クラッチK0及びクラッチK2のうちの少なくとも一方のクラッチを解放状態としても良い。このようにしても、脱出操作の為の駆動力を確保し易くすることと、動力伝達装置の耐久性を確保し易くすることとを両立するという、一定の効果は得られる。つまり、ホイールブレーキにおける急制動操作が為されたと判定されたときにはクラッチK0及びクラッチK2のうちの少なくとも一方のクラッチを解放状態とするので、駆動系全体の回転慣性からエンジン12及び電動機MGのうちの少なくとも一方の回転慣性が減らされて動力伝達装置16に付加されるトルクが抑制され、動力伝達装置16の耐久性を確保し易くされる。
ここで、差回転を許容しながらMGトルクTmを伝達するという態様を採用する必要性が低いクラッチK2では、摩擦クラッチではなく噛合式クラッチの形式を採用することが有用となる場合がある。このような場合、クラッチK0とクラッチK2とではクラッチの構造が異なることになるので、係合状態から解放状態への切替えが速やかに行える方のクラッチのみ解放状態へ切り替えても良い。
また、前述の実施例では、マスタシリンダ油圧Pmcに基づいて急制動操作が為されたか否かを判定したが、この態様に限らない。例えば、マスタシリンダ油圧Pmcを用いることに替えて、ブレーキペダルに設けられた踏力検出スイッチにより検出された運転者によるブレーキペダルの踏力、ホイールブレーキ装置によりマスタシリンダ油圧Pmcに応じて駆動輪14のホイールシリンダへ供給されるブレーキ油圧の制御値、又は駆動輪14の車輪速Nwrが低下する変化態様などを用いても良い。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:ハイブリッド車両
12:エンジン
14:駆動輪
16:動力伝達装置
50:電子制御装置(制御装置)
52:油圧制御部(クラッチ制御部)
56:走行状態判定部(スリップ判定部)
58:制動操作判定部(急制動操作判定部)
K0:クラッチ(第1クラッチ)
K2:クラッチ(第2クラッチ)
MG:電動機
12:エンジン
14:駆動輪
16:動力伝達装置
50:電子制御装置(制御装置)
52:油圧制御部(クラッチ制御部)
56:走行状態判定部(スリップ判定部)
58:制動操作判定部(急制動操作判定部)
K0:クラッチ(第1クラッチ)
K2:クラッチ(第2クラッチ)
MG:電動機
Claims (1)
- エンジンと、電動機と、前記エンジンからの動力と前記電動機からの動力とを駆動輪へ伝達する動力伝達装置と、前記動力伝達装置から前記エンジンを切り離すことが可能な第1クラッチと、前記動力伝達装置から前記電動機を切り離すことが可能な第2クラッチとを備えたハイブリッド車両の、制御装置であって、
前記駆動輪がスリップしているか否かを判定するスリップ判定部と、
ホイールブレーキにおける急制動操作が為されたか否かを判定する急制動操作判定部と、
前記駆動輪がスリップしていると判定され、且つ前記ホイールブレーキにおける急制動操作が為されたと判定された場合に、前記第1クラッチ及び前記第2クラッチのうちの少なくとも一方のクラッチを解放状態とするクラッチ制御部と
を、含むことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015173300A JP2017047802A (ja) | 2015-09-02 | 2015-09-02 | ハイブリッド車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015173300A JP2017047802A (ja) | 2015-09-02 | 2015-09-02 | ハイブリッド車両の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017047802A true JP2017047802A (ja) | 2017-03-09 |
Family
ID=58278037
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015173300A Pending JP2017047802A (ja) | 2015-09-02 | 2015-09-02 | ハイブリッド車両の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017047802A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020059364A (ja) * | 2018-10-09 | 2020-04-16 | トヨタ自動車株式会社 | ハイブリッド車両の制御装置 |
-
2015
- 2015-09-02 JP JP2015173300A patent/JP2017047802A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020059364A (ja) * | 2018-10-09 | 2020-04-16 | トヨタ自動車株式会社 | ハイブリッド車両の制御装置 |
JP7115202B2 (ja) | 2018-10-09 | 2022-08-09 | トヨタ自動車株式会社 | ハイブリッド車両の制御装置 |
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