JP2016179675A - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体に対して、定着性に優れ、印刷ムラが抑制された画像を安定性よく記録することのできるインクジェット記録方法を提供する。【解決手段】記録媒体1へ、色材を含む着色インクの成分を凝集又は増粘させる反応剤を含む反応液を付着させる反応液付着工程と、反応液付着工程の後、記録媒体1に付着した反応液の揮発成分の残存率が25質量%以上の状態で、反応液を付着させた領域へ、着色インクをインクジェット法により付着させる着色インク付着工程と、着色インクを付着させた領域へ、樹脂を含むクリアインクを付着させるクリアインク付着工程と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に関する。
従来から、インクジェット記録装置の記録ヘッドのノズルから微小なインク滴を吐出させて、記録媒体上に画像を記録するインクジェット記録方法が知られている。近年では、インクジェット記録方法は、インクの吸収性に優れた記録媒体(例えば、普通紙等)に対する画像の記録だけでなく、インクの吸収性の小さい(低吸収性)記録媒体(例えば、アート紙、コート紙等)や、インクをほとんど吸収しない(非吸収性)記録媒体(例えば、プラスチックフィルム等)に対する画像の記録にも用いられるようになってきた。また、このような低吸収性又は非吸収性の記録媒体に対する画像の記録に用いるインクに対しても、地球環境及び安全性等の観点から、水をベースとした水系インクを用いることが検討されている。
水系インクは、有機溶剤をベースとした非水系インクに比べて、低吸収性の記録媒体や非吸収性の記録媒体上ではじかれやすい性質を有する。そのため、低吸収性又は非吸収性の記録媒体に対しては、記録される画像に色ムラなどが生じやすかった。このような観点から、例えば、多価金属塩等を含有する反応液と、水性(水系)インク組成物とを、低吸収性の記録媒体上で反応させることが試みられている(特許文献1−3)。
特開2009−226851号公報 特開2013−071277号公報 特開2006−507159号公報
上記のように、反応液を用い、記録媒体上でインクと接触させることにより、画像におけるインクのブリード等の不具合は抑制されると考えられる。ただし特許文献1−3には、塗布した反応液の含水率(乾燥後の水の量)が少ないほうが良い旨の記載がある。一般的にも、反応液の塗布後、反応液を充分乾燥させてから着色インクを塗布するほうが、定着性のよい画像が得られると予想され、上記特許文献に開示された技術においても、反応液を乾燥させることを試みていると考えられる。
反応液が乾燥されないままで着色インクをこれに付与すると、インクの成分と記録媒体との間の密着性が十分に得られず、耐擦過性(定着性)が不十分となることがある。すなわち、反応液がぬれたままで着色インクを塗布すると、着色インクの凝集が早期に起こりすぎて、記録媒体に着色インクが十分に接触しない状態で定着しまうことがあり、これにより記録媒体との密着性が低下し、塗膜の定着性が低下することが懸念される。
しかし、反応液が乾燥する前に当該箇所にインクを付着させると、インクの成分の凝集及び/又はインクの増粘がより効果的に生じ、インクの成分が粒状の形状となり、発色性の点ではより有利になる。特許文献1−3の技術では、定着性を確保することを優先しており、発色性については必ずしも十分に向上できないと考えられる。
さらに、反応液を乾燥させるには、記録媒体を加熱する構成により記録ヘッドの目詰り
等を起こしやすく、乾燥に要する時間も必要となり、記録媒体を乾燥させるゾーンや乾燥手段を装置に含めることにあり、小型化の点でも好ましくない。したがって、反応液の乾燥工程を設けずに直ちにインクを記録することは、記録速度を速め、乾燥ゾーンをなくして装置をコンパクトにし、プラテン加熱によるヘッドへの悪影響をなくすためにも有利である。
本発明の幾つかの態様に係る目的の一つは、記録媒体に対して、定着性に優れ、印刷ムラが抑制された画像を安定性よく記録することのできるインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するために為されたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
[適用例1]本発明に係るインクジェット記録方法の一態様は、
記録媒体へ、色材を含む着色インクの成分を凝集又は増粘させる反応剤を含む反応液を付着させる反応液付着工程と、
前記記録媒体に付着した前記反応液の揮発成分の残存率が25質量%以上の状態で、前記反応液を付着させた領域へ、前記着色インクをインクジェット法により付着させる着色インク付着工程と、
着色インク付着工程の後、あるいは着色インク付着工程と同一時に、前記反応液を付着させた領域へ、樹脂を含むクリアインクを付着させるクリアインク付着工程と、
を含む。
本適用例のインクジェット記録方法によれば、記録媒体に対して、定着性に優れ、印刷ムラが抑制された画像を安定性よく記録することができる。すなわち、クリアインクの樹脂により、係る凝集体の記録媒体への定着性が良好な画像を形成することができる。
[適用例2]適用例1において、
前記記録媒体は、低吸収性記録媒体又は非吸収性記録媒体であってもよい。
本適用例のインクジェット記録方法によれば、着色インクが付着する際に、揮発成分の残存率の高い反応液が記録媒体の表面に残りやすいため、より発色性の良好な画像を形成することができる。すなわち、本適用例のインクジェット記録方法によれば、着色インクが、揮発成分を多く含む反応液に接触することにより、色材の凝集が粒状に生じることで発色性が良好である。
[適用例3]適用例1又は適用例2において、
前記着色インクは、樹脂を含む水系の着色インクであってもよい。
本適用例に係るインクジェット記録方法によれば、記録媒体に付着した際に着色インクの増粘性をさらに高めることができ、画像のブリードや滲みをさらに抑制することができる。
[適用例4]適用例3において、
前記クリアインクに含む樹脂及び前記着色インクに含む樹脂は、同種の樹脂であってもよい。
本適用例のインクジェット記録方法によれば、さらに定着性に優れた画像を形成することができる。
[適用例5]適用例1ないし適用例4のいずれか一例において、
前記反応液付着工程及び前記着色インク付着工程の間の記録媒体表面温度が38℃以下であり、前記反応液の前記記録媒体への付着の終了から30秒以内に前記着色インク付着の開始が行われてもよい。
本適用例のインクジェット記録方法によれば、着色インクが付着する際に、揮発成分の残存率の高い反応液が記録媒体の表面に残りやすいため、より発色性の良好な画像を形成することができる。
[適用例6]適用例1ないし適用例5のいずれか一例において、
前記反応液付着工程は、反応液を付着させた領域の前記反応液に含まれる前記反応剤の付着量が0.01mg/inch2以上0.2mg/inch2以下である反応液付着工程を含んでてもよい。
[適用例7]適用例1ないし適用例6のいずれか一例において、
前記クリアインク付着工程は、クリアインクを付着させた領域の前記クリアインクの付着量が0.5mg/inch2以上3mg/inch2以下であるクリアインク付着工程を含んでもよい。
[適用例8]適用例1ないし適用例7のいずれか一例において、
前記クリアインクの前記樹脂の含有量は、2質量%以上20質量%以下であってもよい。
[適用例9]本発明に係るインクセットの一態様は、
適用例1ないし適用例8の何れか一例に記載のインクジェット記録方法に用いるものであり、
色材を含む着色インクの成分を凝集又は増粘させる反応剤を含む反応液と、
着色インクと、
樹脂を含むクリアインクと、
を備える。
本適用例のインクセットによれば、記録媒体に対して、定着性に優れ、印刷ムラが抑制された画像を安定性よく記録することができる。すなわち、本適用例のインクセットによれば、クリアインクの樹脂により、係る凝集体の記録媒体への定着性が良好な画像を形成することができる。
本発明に係るインクジェット記録方法に使用するインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図。
以下に本発明のいくつかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
1.インクジェット記録方法
本実施形態に係るインクジェット記録方法は、記録媒体へ色材を含む着色インクの成分を凝集又は増粘させる反応剤を含む反応液を付着させる反応液付着工程と、反応液付着工
程の後、記録媒体に付着した反応液の揮発成分の残存率が25質量%以上の状態で、反応液を付着させた領域へ、着色インクをインクジェット法により付着させる着色インク付着工程と、着色インクを付着させた領域へ、第1樹脂(樹脂)を含むクリアインクを付着させるクリアインク付着工程と、を含む。
以下、本実施形態に係るインクジェット記録方法について、順次詳細に説明する。
1.1.反応液付着工程
反応液付着工程は、記録媒体へ、反応剤を含む反応液を付着させる工程である。反応液は、少なくとも着色インクの付着される領域に付着される。反応液は、記録媒体の一部に付着されてもよいし、全部に付着されてもよい。反応液は、着色インクが付着される領域のみに付着されるほうが、反応液の使用量の削減の観点では好ましい。また、記録媒体には反応液のみが付着された領域が残ってもよい。
反応剤は、着色インク(後述)に含まれる色材や、着色インクに含まれ得る樹脂分散剤(第2樹脂(樹脂))と反応(相互作用)することで、色材を凝集させる機能や着色インクを増粘させる作用を有する。すなわち、反応剤は、着色インクの成分を凝集又は増粘させ、色材の凝集により発色性を高め、印刷ムラを低減し、増粘により画像におけるブリードや滲みを抑制することができる。これにより記録される画像の印刷ムラ等を抑制することができる。
反応液を付着させる方法としては、例えば、スピンコート、スプレーコート、グラビアロールコート、リバースロールコート、バーコート、インクジェット法等のいずれの方法も使用できる。
反応液付着工程は、反応液に含まれる反応剤の、記録媒体への付着量が、0.01mg/inch2以上5mg/inch2以下である反応液付着工程を含むことが好ましく、より好ましくは0.05mg/inch2以上5mg/inch2以下、一層より好ましくは0.08mg/inch2以上3mg/inch2以下、さらに好ましくは0.1mg/inch2以上2mg/inch2以下である反応液付着工程を含むことがより好ましい。0.01mg/inch2以上である反応液付着工程を含むことで、色材を凝集させやすく、また、場合に応じて第2樹脂による増粘を生じさせやすくすることができる。また、5mg/inch2以下である反応液付着工程を含むことで、定着性に一層優れる点で好ましい。特に定着性に一層優れる点で、反応液に含まれる反応剤の記録媒体への付着量が、0.2mg/inch2以下が好ましく、0.1mg/inch2以下がより好ましい。
本実施形態のインクジェット記録方法は、このような反応液付着工程を含むものである。同様に以下の各付着工程において、所定の付着量の付着工程を含むという表現は、少なくとも、当該付着量である付着工程を含むという意味である。また、付着量は付着工程におけるものであり、最終的に得られる記録物においては付着した付着物が必ずしも全て残存しているとは限らない。
本実施形態のインクジェット記録方法では、反応液の加熱乾燥等は不要であるが、反応液付着工程の後、着色インク付着工程の前に、反応液を乾燥させる工程を備えていてもよい。この場合には、記録媒体に付着した反応液の揮発成分の残存率が25質量%以上の状態まで乾燥を行ってもよい。反応液の乾燥工程は、自然乾燥で行ってもよいが、加熱を伴う乾燥であってもよい。反応液の加熱方法は、特に限定されるものではないが、以下に説明する方法を利用できる。しかし、加熱乾燥工程は、使用する装置が大型化したり、使用するエネルギーが大きくなる場合がある。
ここで、反応液の揮発成分の残存率とは、着色インクの付着開始の直前の記録媒体上の
反応液の揮発成分の残存率(乾燥率)のことを指し、以下の式で算出することができる。
揮発成分残存率[%]=100−((Af−A)/(Af−Ae))×100
上記式中、Afは記録媒体へ付着させる反応液の合計の付与量(吐出量[mg])である。また、Aeは、記録物を使用するのに十分な状態まで反応液を乾燥(揮発)させた状態の記録媒体上の反応液の残留物量[mg]である。さらに、Aは、着色インクの付着直前の記録媒体上の反応液の総質量[mg]である。
式中、Afは反応液の付与量として、例えば、インクジェット記録装置の吐出データと1ドット当たりの質量から求めることができる。Aは、着色インクの付着を開始する時点の記録媒体の質量と、反応液付着工程前の記録媒体の質量を測定し、それらの差を取ることで求めることができる。
揮発成分の残存率の測定の際には、その測定用に用意した記録媒体を用いることが簡便である。例えば、測定は、電子天秤により測定することができる。また、測定の際には、反応液を付与してからプラテンにて所定の加熱乾燥した際の乾燥時間と残存量の関係を求めてもよい。また、インクジェット記録装置で記録を行う際には、反応液を付与してから着色インクを付与するまでの時間を、上記で求めた乾燥時間と残存量の関係から得られる時間とすることで、所定の残存量にすることができる。
反応液の乾燥工程が加熱を伴う場合には、その加熱方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ヒートプレス法、常圧スチーム法、高圧スチーム法、及びサーモフィックス法が挙げられる。また、加熱の熱源としては、例えば赤外線(ランプ)が挙げられる。なお、反応液を乾燥させる工程を有する場合には、記録媒体を移送する等の際の取り扱いを容易化できる。
ただし、前述の通り、反応液付着工程後、反応液を加熱乾燥させる加熱工程を有さないことが好ましい。また、反応液付着工程から着色インク付着工程までの記録媒体表面温度は、40℃以下が好ましく、38℃以下がより好ましく、35℃以下がさらに好ましく、30℃以下が特に好ましく、25℃以下が更に好ましい。また、反応液付着の終了から着色インク付着開始までの時間は、30秒以内が好ましく、20秒以内がより好ましく、10秒以内が更に好ましく、5秒以内が特に好ましい。この場合、反応液の揮発成分の残存率を上述の範囲にし易く好ましい。
また、本実施形態のインクジェット記録方法では、反応液付着工程の他に、例えばコロナ処理、大気圧プラズマ処理、フレーム処理、紫外線照射処理、溶剤処理等を含んでも良い。これらの処理は、公知の装置を用いて実施することができる。これらの処理を行う場合には、反応液付着工程の前に行われることがより好ましい。反応液付着工程の前に、例えばコロナ処理を行っておくことで、記録媒体の表面に対する反応液の密着性や濡れ性をより高めることができ、記録される画像の密着性や耐擦性を一層向上できることがある。
反応液の組成及び反応液に含まれる反応剤等については後述する。
1.2.記録媒体
本明細書における非吸収性又は低吸収性の記録媒体とは、インクを全く吸収しない、又はほとんど吸収しない性質を有する記録媒体を指す。定量的には、非吸収性又は低吸収性の記録媒体とは、「ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である記録媒体」を指す。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細は「JAPAN
TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に述べられている。
非吸収性の記録媒体としては、例えば、インク受容層を有していないプラスチックフィルム、プラスチックシート、プラスチック板、紙等の基材上にプラスチックがコーティングされているものやプラスチックフィルムが接着されているもの等が挙げられる。ここでいうプラスチックとしては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(メタ)アクリル酸、及びそれらの変性体、共重合体、ブレンド物等が挙げられる。
また、低吸収性の記録媒体としては、表面にインクを受容するための塗工層が設けられた記録媒体が挙げられ、例えば、基材が紙であるものとしては、アート紙、コート紙、マット紙等の印刷本紙が挙げられ、基材がプラスチックフィルムである場合には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の表面に、親水性ポリマーが塗工されたもの、シリカ、チタン等の粒子がバインダーとともに塗工されたものが挙げられる。
1.3.着色インク付着工程
着色インク付着工程は、上述した反応液付着工程の後に、色材を含むインクジェット記録用の着色インクを用いて、反応液を付着させた領域へ、画像を記録する工程である。着色インクは、反応液が付着された領域全体に付着される必要はなく、記録媒体には反応液が付着され、着色インクが付着されない領域が残ってもよい。これにより、着色インクに含まれる色材等と反応剤が反応することで、記録媒体の表面において色材が凝集するので、記録される画像の発色性などを向上できる。さらに、着色インクは、反応液が塗布(付着)された記録媒体の表面に付着するので、着色インクと反応剤との反応(相互作用)をより確実に行わせることができる。これにより、記録される画像の印刷ムラ等の発生を抑制できる。さらに、着色インクに第2樹脂が含まれる場合には、反応剤と接触することにより増粘することができ、これにより記録媒体におけるインク滴間の成分の拡散が抑制され、ブリードや滲みを低減することができる。
本明細書における「印刷ムラ」とは、記録媒体に同一の着色インクの液滴を付着させた際に液滴間で色の違いが生じたり、記録媒体上で弾かれた液滴によって画像の埋まり不良が生じたりすることで、記録される画像に色ムラが観察される現象のことをいう。
着色インク付着工程では、インクジェット記録用ヘッドのノズルから着色インクの液滴を吐出させて、記録媒体の表面(反応液が付着された領域)に付着させることにより、記録媒体に画像を記録する。本工程で付着される着色インクの色数は限定されず、単色(単色印刷)であってもよいし、複数色(カラー印刷)であってもよい。複数種の着色インクを使用する場合でも、各着色インクは、いずれも本項で述べるような挙動を示す。
着色インク付着工程において、着色インクの付着量が、0.01mg/inch2以上25mg/inch2以下、好ましくは0.1mg/inch2以上20mg/inch2以下、より好ましくは1mg/inch2以上10mg/inch2以下である着色インク付着工程を含むことが、記録物の画質をより優れたものにしつつ、記録物に所望の色の付与が可能な点や着色インクの使用量を削減できる点で好ましく、上記の着色インク付着工程は、上限としては、20mg/inch2以下がより好ましく、15mg/inch2以下がさらに好ましく、10mg/inch2以下が一層好ましい。上記付着量は、前述の反応液付着工程を行った記録媒体の領域におけるものである。
着色インク付着工程の後に、記録媒体の表面に記録された画像を乾燥させる工程を備え
ていてもよい。この場合には、記録媒体に付着した画像に触れた際に、べたつきが感じられない程度まで乾燥を行ってもよい。画像の乾燥工程は、自然乾燥で行ってもよいが、加熱を伴う乾燥であってもよい。画像の加熱方法は、特に限定されるものではないが、反応液の加熱方法で挙げたものと同様の方法を利用できる。
着色インク付着工程は、反応液の揮発成分の残存率が、25質量%以上で行われる。また、着色インク付着工程の際の反応液の揮発成分の残存率は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、一層好ましくは60質量%以上、とりわけ好ましくは70質量%以上の状態で行われる。すなわち、反応液の揮発成分の残存率が25質量%以上であれば、着色インクの液滴が全方位から反応液に接触しやすく、着色インクの色材の凝集や増粘をより効果的に行うことができる。なお、着色インク付着工程の際の反応液の揮発成分の残存率の上限は、特に制限はないが、例えば、100質量%以下あるいは95質量%以下である。
本実施形態のインクジェット記録方法では、非吸収性の記録媒体及び低吸収性の記録媒体を用いれば、反応液が記録媒体の表面により留まりやすい。また、反応液付着工程の後、乾燥を行わないようにすれば、反応液の揮発成分の残存率を25質量%以上の状態とすることが容易である。また、反応液が付着された後、自然乾燥や上述の加熱乾燥を行っても、その程度により、反応液の揮発成分の残存率を25質量%以上の状態を形成することができる。
着色インク付着工程は、インクジェット法で行われる。本工程で使用できるインクジェット記録装置としては、特に限定されず、例えば、所定の画像に対応してノズルからの着色インクの吐出タイミング及びノズルと媒体との相対位置を制御して、媒体の所定の位置にインクを付着させることができるものであればよい。ノズルからのインクの吐出方式も限定されず、例えば、静電吸引方式、ピエゾ方式、サーマルジェット方式等であればよい。また、ノズルと媒体の相対位置を変化させる方式として、いわゆるシリアル型であってもライン型であってもよい。なお典型的なインクジェット記録装置としては、インクジェット式記録ヘッド、本体、トレイ、ヘッド駆動機構、及びキャリッジを備えたものを例示できる。インクジェット式記録ヘッドは、複数のノズルを有しており、ノズルは付属又は別体のインクカートリッジ(インク収容容器)に連通して、係るカートリッジのインクを吐出する。そして、例えば少なくとも1つのインクカートリッジに、それぞれ色相の異なる着色インクを充填して使用してもよい。また、インクジェット記録装置は、着色インクの他に各種のインク(例えば、反応液、クリアインク等をインクジェット法によって付着させる場合には、それぞれをインクとして記録装置に導入する。)を吐出できるように構成してもよい。このようなインクジェット記録装置を用いれば、着色インクを容易に記録媒体に吐出して付着(付与)することができ、記録媒体に対して所定の画像ないしはパターンを形成することができる。
着色インクの組成及び着色インクに含まれ得る第2樹脂(樹脂)等については後述する。
1.4.クリアインク付着工程
クリアインク付着工程は、上述した着色インク付着工程の後に、あるいは、着色インク付着工程と同一時に、第1樹脂(樹脂)を含むクリアインクを、反応液を付着させた領域へ、付着させる工程である。クリアインクは、着色インクが付着された領域のみに付着される必要はなく、記録媒体の全面や、着色インクの付着されていない領域に付着されてもよい。着色インク付着工程と同一時にクリアインクの付着工程を行う場合は、例えば、ノズルを有するヘッドと記録媒体との相対的な位置を変化させながらノズルからインクを吐出して記録媒体へ付着させる走査(パス)を複数回行うことで、ヘッドと対向する記録領
域への記録が行われる場合に、着色インクを吐出し記録媒体へ付着させる走査と同じ走査にてクリアインクを吐出して同じ記録領域へクリアインクを付着させるような走査が行われる形態である。着色インク付着工程の後にクリアインクの付着工程を行う場合は、例えば、複数回の走査により記録領域への記録が行われる場合に、着色インクを吐出し記録領域への着色インクの付着が終わった後、クリアインクを吐出して当該記録領域へのクリアインクの付着が行われる形態や、1回の走査により記録領域への記録が行われる場合に、着色インクを吐出するノズルよりもクリアインクを吐出するノズルが走査の方向の下流側に配置されている形態である。このうち、着色インク付着工程の後に、クリアインク付着工程を行うことが、本実施形態の効果が一層高まる点で好ましい。
本工程により第1樹脂(樹脂)が少なくとも着色インクが付着された領域に付与される。これにより、クリアインクにより着色インクがコーティングされ、着色インクが記録媒体から脱落しにくくなり、画像の定着性(耐擦過性)を高めることができる。また、第1樹脂(樹脂)の存在により、着色インクが外部からの水分等に接触しにくくなるので、耐湿摩擦性も付与することができる。
上述の通り、本実施形態のインクジェット記録方法では、着色インクが付着された際に、着色インクの成分の凝集が生じている。係る凝集は、画像の発色性を向上させることができるが、係る凝集体の形状が粒状となりやすく、記録媒体との接触面積が小さくなる場合がある。本実施形態のインクジェット記録方法では、このような凝集体をクリアインクにより、コーティングして記録媒体に接着させて、優れた耐擦過性を付与している。
本付着工程における、クリアインクの付着量は、特に限定されるものではないが、例えば、クリアインクの付着量が、0.05mg/inch2以上、好ましくは0.1mg/inch2以上5.0mg/inch2以下、より好ましくは0.5mg/inch2以上3mg/inch2以下であるクリアインク付着工程を含むとすることができる。なお上記付着量は、反応液付着工程及び着色インク付着工程を行った領域におけるものである。
クリアインク付着工程を行う手法としては、例えば、スピンコート、ディップコート、スプレーコート、グラビアロールコート、リバースロールコート、バーコート、インクジェット法等の各種方法を利用でき、クリアインクの付着量や、記録媒体のサイズ、装置構成等を考慮して適宜選択することができる。
クリアインク付着工程を行った後、クリアインク、又は、記録媒体に付着した液体全体を乾燥させる工程を備えていてもよい。この場合には、例えば、記録媒体にべたつきが感じられない程度まで乾燥を行ってもよい。
係る乾燥は、自然乾燥で行ってもよいが、乾燥速度の向上や、第1樹脂(樹脂)の記録媒体に対する融着や、被膜の形成を促進するという観点から、加熱をしてもよい。加熱方法等は、特に限定されず、例えば、ヒートプレス法、常圧スチーム法、高圧スチーム法、及びサーモフィックス法が挙げられる。
クリアインクの組成及びクリアインクに含まれる第1樹脂(樹脂)等については後述する。
1.5.作用効果
本実施形態のインクジェット記録方法によれば、記録媒体に対して、発色性、定着性に優れ、印刷ムラが抑制された画像を安定性よく記録することができる。すなわち、本実施形態のインクジェット記録方法によれば、着色インクが、揮発成分の残存率が25質量%以上の状態の反応液に接触することにより、反応液乾燥工程を簡略化でき、かつ、クリア
インクの樹脂(第1樹脂)により、係る凝集体の記録媒体への定着性が良好な画像を形成することができる。
2.反応液、クリアインク及び着色インク
以下、本実施形態のインクジェット記録方法に使用される反応液、着色インク、及びクリアインクについて、反応液、クリアインク、及び着色インクの順に説明する。
2.1.反応液
本実施形態に係るインクジェット記録方法において、反応液付着工程には、反応液を使用する。以下、反応液に含まれる成分及び含まれ得る成分について説明する。
2.1.1.反応剤
本実施形態に係る反応液は、反応剤を含有する。反応剤は、着色インクに含まれる色材、着色インクに含まれ得る顔料分散体及び/又は樹脂と反応することで、色材を凝集させるという機能を有する。これにより、着色インクにより記録される画像の発色性等を向上させることができる。また、反応剤は、着色インクに含まれ得る顔料分散体及び/又は樹脂と反応することで、着色インクの粘度を高める(増粘)ことができる。これにより、着色インクの滲みやブリードを軽減させることができる。
反応剤としては、特に限定されるものではないが、金属塩、有機酸、カチオン性化合物等が挙げられ、カチオン性化合物としては、カチオン性樹脂、カチオン性界面活性剤等を用いることができる。金属塩としては好ましくは多価金属塩であるが、多価金属塩以外の金属塩も使用可能である。これらの反応剤の中でも、着色インクに含まれる成分との反応性に優れるという点から、金属塩、及び有機酸から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
反応剤により、着色インクに含む成分の表面電荷を中和させたり着色インクのpHを変化させることにより、これら成分を凝集や析出させ、着色インクを凝集や増粘させる。着色インクに含み反応剤と反応する成分としては、後述の色材や樹脂などがあげられる。
金属塩のうち多価金属化合物としては、以下に限定されないが、例えば、チタン化合物、クロム化合物、銅化合物、コバルト化合物、ストロンチウム化合物、バリウム化合物、鉄化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、及びマグネシウム化合物、並びにこれらの塩(多価金属塩)が挙げられる。これら多価金属化合物の中でも、顔料を効果的に凝集させることができるため、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、及びマグネシウム化合物、並びにこれらの塩からなる群より選択される一種以上が好ましく、カルシウムやマグネシウム等のアルカリ土類金属の解離性塩がより好ましく、カルシウム塩及びマグネシウム塩のうち少なくともいずれかがさらに好ましい。
なお、多価金属化合物はイオン性の多価金属塩であることが好ましく、特に、上記多価金属塩がマグネシウム塩、カルシウム塩である場合、反応液の安定性がより良好となる。また、多価金属の対イオンとしては、無機酸イオン、有機酸イオンのいずれでもよい。
上記の多価金属塩の具体例としては、重質炭酸カルシウム及び軽質炭酸カルシウムといった炭酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム等が挙げられる。これらの中でも、水への十分な溶解性を確保でき、かつ、反応液による跡残りが低減する(跡が目立たなくなる)ため、硫酸マグネシウム、硝酸カルシウム及び塩化カルシウムのうち少なくともいずれかが好ましく、硝酸カルシウムがより好ましい。
多価金属塩以外の金属塩としてはナトリウム塩、カリウム塩などの一価の金属塩が挙げられる。硫酸ナトリウム、硫酸カリウムなどが挙げられる。
なお、多価金属化合物としては、上記の他に、チョーク、カオリン、焼成クレー、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、セリサイト、ホワイトカーボン、サポナイト、カルシウムモンモリロナイト、ソジウムモンモリロナイト、及びベントナイト等の無機顔料、並びにアクリル系プラスチックピグメント、及び尿素高分子物質などの有機顔料が挙げられる。
有機酸としては、例えば、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等が好適に挙げられる。有機酸は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、又はこれらの塩等が好適に挙げられる。無機酸は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カチオン性樹脂としては、例えば、カチオン性のウレタン系樹脂、カチオン性のオレフィン系樹脂、カチオン性のアリルアミン系樹脂等が挙げられる。
カチオン性のウレタン系樹脂としては、公知のものを適宜選択して用いることができる。カチオン性のウレタン系樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、ハイドラン CP−7010、CP−7020、CP−7030、CP−7040、CP−7050、CP−7060、CP−7610(商品名、大日本インキ化学工業株式会社製)、スーパーフレックス 600、610、620、630、640、650(商品名、第一工業製薬株式会社製)、ウレタンエマルジョン WBR−2120C、WBR−2122C(商品名、大成ファインケミカル株式会社製)等を用いることができる。
カチオン性のオレフィン樹脂は、エチレン、プロピレン等のオレフィンを構造骨格に有するものであり、公知のものを適宜選択して用いることができる。また、カチオン性のオレフィン樹脂は、水や有機溶媒等を含む溶媒に分散させたエマルジョン状態であってもよい。カチオン性のオレフィン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、アローベースCB−1200、CD−1200(商品名、ユニチカ株式会社製)等が挙げられる。
カチオン性のアリルアミン系樹脂としては、公知のものを適宜選択して用いることができ、例えば、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアリルアミンアミド硫酸塩、アリルアミン塩酸塩・ジアリルアミン塩酸塩コポリマー、アリルアミン酢酸塩・ジアリルアミン酢酸塩コポリマー、アリルアミン酢酸塩・ジアリルアミン酢酸塩コポリマー、アリルアミン塩酸塩・ジメチルアリルアミン塩酸塩コポリマー、アリルアミン・ジメチルアリルアミンコポリマー、ポリジアリルアミン塩酸塩、ポリメチルジアリルアミン塩酸塩、ポリメチルジアリルアミンアミド硫酸塩、ポリメチルジアリルアミン酢酸塩、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジアリルアミン酢酸塩・二酸化硫黄コポリマー、ジアリルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェイト・二酸化硫黄コポリマー、メチルジアリルアミン塩酸塩・二酸化硫黄コポリマー、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・二酸化硫黄コポリマー、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミドコポリマー等を挙げることができる。このようなカチオン性のアリルアミン系樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、PAA−HCL−01、PAA−HCL−03、PAA−HCL−05、
PAA−HCL−3L、PAA−HCL−10L、PAA−H−HCL、PAA−SA、PAA−01、PAA−03、PAA−05、PAA−08、PAA−15、PAA−15C、PAA−25、PAA−H−10C、PAA−D11−HCL、PAA−D41−HCL、PAA−D19−HCL、PAS−21CL、PAS−M−1L、PAS−M−1、PAS−22SA、PAS−M−1A、PAS−H−1L、PAS−H−5L、PAS−H−10L、PAS−92、PAS−92A、PAS−J−81L、PAS−J−81(商品名、ニットーボーメディカル会社製)、ハイモ Neo−600、ハイモロック
Q−101、Q−311、Q−501、ハイマックス SC−505、SC−505(商品名、ハイモ株式会社製)等を用いることができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、第1級、第2級及び第3級アミン塩型化合物、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、脂肪族アミン塩、ベンザルコニウム塩、第4級アンモニウム塩、第4級アルキルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、オニウム塩、イミダゾリニウム塩等があげられる。具体的には、例えば、ラウリルアミン、ヤシアミン、ロジンアミン等の塩酸塩、酢酸塩等、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ジメチルエチルラウリルアンモニウムエチル硫酸塩、ジメチルエチルオクチルアンモニウムエチル硫酸塩、トリメチルラウリルアンモニウム塩酸塩、セチルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムブロマイド、ジヒドロキシエチルラウリルアミン、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルジメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
反応剤の含有量は、上述の効果が発揮されるように適宜決定することができ、例えば、反応液の全質量に対して、0.1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、2質量%以上25質量%以下であることが好ましい。
2.1.2.水
本実施形態に係る反応液は、水を含有してもよい。水は、反応液の主となる媒体として機能し、乾燥により蒸発飛散する成分である。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水のようなイオン性不純物を極力除去したものであることが好ましい。また、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、反応液を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
反応液に含まれる水の含有量は、反応液の全質量に対して、例えば50質量%以上とすることができ、60質量%以上としてもよい。
2.1.3.有機溶剤
本実施形態に係る反応液は、有機溶剤を含有してもよい。有機溶剤は、上述した低吸収性又は非吸収性の記録媒体に対する反応液の密着性を高める機能、保湿剤としての機能などを備える。
有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば1,2−アルカンジオール類、多価アルコール類、ピロリドン誘導体、グリコールエーテル類等が挙げられる。
1,2−アルカンジオール類としては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等が挙げられる。1,2−アルカンジオール類は、記録媒体に対する反応液の濡れ性を高めて均一に濡らす作用に優れている。1,2−アルカンジオール類を含有す
る場合には、その含有量が、反応液の全質量に対して、1質量%以上20質量%以下とすることができる。
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン等が挙げられる。多価アルコール類を含有する場合には、反応液の全質量に対して、2質量%以上30質量%以下とすることができる。
ピロリドン誘導体としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
グリコールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、エチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、エチレングリコールモノオクチルエーテル、エチレングリコールモノイソオクチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソオクチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソオクチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−メチルペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−メチルペンチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、及びトリプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。これらは、1種単独か又は2種以上を混合して使用することができる。グリコールエーテル類は、反応液の記録媒体に対する濡れ性などを制御することできる。
2.1.4.界面活性剤
本実施形態に係る反応液は、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤は、表面張力を低下させ記録媒体との濡れ性を向上させる機能を備える。界面活性剤の中でも、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤を好ましく用いることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA、DF110D(以上全て商品名、AirProductsandChemicals.Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商品名、日信化学工業社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル社製)が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、特に限定されないが、ポリシロキサン系化合物が好ましく挙げられる。当該ポリシロキサン系化合物としては、特に限定されないが、例えばポリエーテル変性オルガノシロキサンが挙げられる。当該ポリエーテル変性オルガノシロキサンの市販品としては、例えば、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−348(以上商品名、BYK社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学工業社製)が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素変性ポリマーを用いることが好ましく、具体例としては、BYK−340(ビックケミー・ジャパン社製)が挙げられる。
界面活性剤を含有する場合には、その含有量は、反応液の全質量に対して、0.1質量%以上1.5質量%以下とすることができる。
2.1.5.その他の成分
本実施形態に係る反応液は、必要に応じて、pH調整剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤、樹脂等を含有してもよい。
2.1.6.反応液の物性
本実施形態に係る反応液を、インクジェット法により記録媒体に付着させる場合には、像品質とインクジェット記録用のインクとしての信頼性とのバランスの観点から、20℃における表面張力が20mN/m以上40mN/mであることが好ましく、25mN/m以上35mN/m以下であることがより好ましい。また、反応液をインクジェット法により付着させる場合には、同様の観点から、反応液の20℃における粘度が、3mPa・s以上10mPa・s以下であることが好ましく、3mPa・s以上8mPa・s以下であることがより好ましい。
2.2.クリアインク
本実施形態に係るインクジェット記録方法において、クリアインク付着工程ではクリアインクを使用する。
クリアインク付着工程で使用されるクリアインクは、第1樹脂(樹脂)を含有する。第1樹脂は、記録媒体に付着した着色インクの成分をコーティングし、着色インクが記録媒体から脱落しにくくする。これにより画像の定着性(耐擦過性)を高める機能を有する。また、第1樹脂の存在により、着色インクが外部からの水分等に接触しにくくなるので、耐湿摩擦性も付与することができる。さらに、クリアインク付着工程の後、第1樹脂を溶融させる工程を含む場合には、記録媒体の表面に第1樹脂の被膜を形成することができ、さらに高品位な記録物とすることができる。クリアインクは、着色に用いる着色インクではないものであり、インクに対する色材の含有量は0.5質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以下であり、さらに好ましくは0.05質量%以下である。色材を含まないものでもよい。
以下、クリアインクに含まれる成分及び含まれ得る成分について説明する。
2.2.1.第1樹脂
クリアインクは、樹脂を含有する。本実施形態においてクリアインクに含有する樹脂を第1樹脂ともいう。第1樹脂は、記録される画像の密着性、耐擦過性(定着性)等の物理
的強度を向上させることができる。
クリアインクに含まれる第1樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、フルオレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ロジン変性樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、等の公知の樹脂が挙げられる。塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体などの塩化ビニル共重合体も含む。これらの樹脂は、1種単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記の樹脂の中でも、本実施形態に係るクリアインクに含まれる第1樹脂は、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂を含むことが好ましい。これらの樹脂を用いると、記録媒体への画像の密着性を向上させる効果が一層良好になる傾向にある。
ウレタン系樹脂とは、ウレタン結合を有する樹脂の総称である。ウレタン系樹脂には、ウレタン結合以外に、主鎖にエーテル結合を含むポリエーテル型ウレタン樹脂、主鎖にエステル結合を含むポリエステル型ウレタン樹脂、主鎖にカーボネート結合を含むポリカーボネート型ウレタン樹脂等を使用してもよい。ウレタン系樹脂としては、市販品を用いてもよく、例えば、スーパーフレックス 460、460s、840、E−4000(商品名、第一工業製薬株式会社製)、レザミン D−1060、D−2020、D−4080、D−4200、D−6300、D−6455(商品名、大日精化工業株式会社製)、タケラック WS−6021、W−512−A−6(商品名、三井化学ポリウレタン株式会社製)、サンキュアー2710(商品名、LUBRIZOL社製)、パーマリンUA−150(商品名、三洋化成工業社製)などの市販品を用いてもよい。
アクリル系樹脂は、少なくとも(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルなどのアクリル系単量体を重合して得られる重合体の総称であって、例えば、アクリル系単量体から得られる(メタ)アクリル樹脂や、アクリル系単量体とこれ以外の単量体(例えば、スチレンなどのビニル系単量体)との共重合体などが挙げられる。アクリル系単量体としてはアクリルアミド、アクリロニトリル等も使用可能である。アクリル系樹脂を原料とする樹脂エマルジョンには、市販品を用いてもよく、例えばFK−854(商品名、中央理科工業社製)、モビニール952B、718A(商品名、日本合成化学工業社製)、NipolLX852、LX874(商品名、日本ゼオン社製)等が挙げられる。
なお、本明細書において、アクリル系樹脂には、後述するスチレンアクリル系樹脂を含めても良い。また、本明細書において、(メタ)アクリルとの表記は、アクリル及びメタクリルの少なくとも一方を意味する。
スチレンアクリル系樹脂は、スチレン単量体とアクリル系単量体とから得られる共重合体であり、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α―メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α―メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。スチレンアクリル系樹脂には、市販品を用いても良く、例えば、ジョンクリル62J、7100、390、711、511、7001、632、741、450、840、74J、HRC−1645J、734、852、7600、775、537J、1535、PDX−7630A、352J、352D、PDX−7145、538J、7640、7641、631、790、780、7610(商品名、BASF社製)、モビニール966A、975N(商品名、日本合成化学工業社製)、ビニブラン2586(日信化学工業社製)等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂は、エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィンを構造骨格
に有するものであり、公知のものを適宜選択して用いることができる。オレフィン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えばアローベースCB−1200、CD−1200(商品名、ユニチカ株式会社製)等が挙げられる。
クリアインクに含まれる第1樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が50℃以下の樹脂を含むことが好ましく、Tgが−80℃以上50℃以下の樹脂を含むことがより好ましく、−80℃以上40℃以下の樹脂を含むことがさらに好ましい。Tgが50℃以下の樹脂を含むことで、クリアインクの記録媒体に対する密着性が良好になる場合があり、Tgが−80℃以上の樹脂を含むことで、記録媒体に付着したクリアインクの粘着性が高くなりすぎることを抑制できる。また、Tgが室温(25℃)以下であると、樹脂の造膜性(皮膜化)が良好になる場合がある。クリアインクに含まれる第1樹脂のガラス転移温度は、重合して得る際に用いられる樹脂を構成する、モノマー、2個以上のイソシアネート基を有する化合物、2個以上の活性水素基を有する化合物などの種類や構成比、重合条件、樹脂の変性の少なくとも一種を変えることにより変化させることができる。重合条件としては、重合の際の温度、モノマーを含有させる媒体の種類、媒体中のモノマー濃度、重合の際に用いる重合開始剤や触媒の種類や使用量等があげられる。ガラス転移温度はJIS K7121に基づいて、示差走査熱量測定法(DSC法)により測定することができる。
クリアインクにおける第1樹脂の含有量(固形分換算量)は、クリアインクの全質量に対して、1質量%以上30質量%以下、好ましくは1.5質量%以上25質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上20質量%以下である。クリアインクに含まれる第1樹脂の含有量が上記範囲内にあることで、画像の定着性(耐擦過性)を向上させる効果が一層良好になる傾向にある。
第1樹脂は、エマルジョンなどの分散体としてクリアインク中に含む形態や、溶解した状態でクリアインク中に含む形態とすることができる。分散体の場合、記録物の耐水性や耐擦過性などの点で一層好ましい。
2.2.2.水
本実施形態に係るクリアインクは、水を含有する。好ましく用いられる水としては、反応液で述べたものと同様であるので、その説明を省略する。水の含有量は、クリアインクの全質量に対して、例えば50質量%以上とすることができる。
2.2.3.有機溶剤
本実施形態に係るクリアインクは、有機溶剤を含有してもよい。有機溶剤は、第1樹脂に対する第2樹脂の密着性を高めたり、クリアインクの乾燥を抑制するなどの機能を備える。有機溶剤の具体例については、反応液の説明で例示した有機溶剤と同様のもの使用できるので、その説明を省略する。有機溶剤の含有量は、特に限定されるものではないが、着色インクの全質量に対して、例えば1質量%以上40質量%以下とすることができる。
2.2.4.界面活性剤
本実施形態に係るクリアインクは、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤は、クリアインクの表面張力を低下させ濡れ性を向上させるなどの機能を備える。界面活性剤の中でも、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤を好ましく用いることができる。これらの界面活性剤の具体例については、反応液の説明で例示した界面活性剤と同様のものを使用できるので、その説明を省略する。界面活性剤の含有量は、特に限定されるものではないが、クリアインクの全質量に対して、0.1質量%以上1.5質量%以下とすることができる。
2.2.5.その他の成分
本実施形態に係るクリアインクは、必要に応じて、pH調整剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤等を含有してもよい。
2.2.6.クリアインクの物性
本実施形態に係るクリアインクを、インクジェット法により記録媒体に付着させる場合には、像品質とインクジェット記録用のインクとしての信頼性とのバランスの観点から、20℃における表面張力が20mN/m以上40mN/mであることが好ましく、25mN/m以上35mN/m以下であることがより好ましい。また、クリアインクをインクジェット法により付着させる場合には、同様の観点から、クリアインクの20℃における粘度が、3mPa・s以上10mPa・s以下であることが好ましく、3mPa・s以上8mPa・s以下であることがより好ましい。
2.3.着色インク
本実施形態に係るインクジェット記録方法において、着色インク付着工程では、インクジェット記録用の着色インクを用いて画像を形成する。以下、着色インク付着工程に使用される着色インクに含まれる成分及び含まれ得る成分について説明する。
2.3.1.色材
本実施形態に係る着色インクは、色材を含有する。色材としては、上述した反応液に含まれる反応剤との反応性が優れているという観点から、顔料及び酸性染料を好ましく用いることができる。
顔料のうち、無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化鉄、及び酸化チタンが挙げられる。上記のカーボンブラックとしては、特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャンネルブラック(C.I.ピグメントブラック7)が挙げられる。また、カーボンブラックの市販品として、例えば、No.2300、900、MCF88、No.20B、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(以上全て商品名、三菱化学社(MitsubishiChemicalCorporation)製)、カラーブラックFW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリテックス35、U、V、140U、スペシャルブラック6、5、4A、4、250(以上全て商品名、デグサ社(DegussaAG)製)、コンダクテックスSC、ラーベン1255、5750、5250、5000、3500、1255、700(以上全て商品名、コロンビアカーボン社(ColumbianCarbonJapanLtd)製)、コロンビアンケミカルズ(ColumbianChemicals)製、リガール400R、330R、660R、モグルL、モナーク700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、エルフテックス12(以上全て商品名、キャボット社(CabotCorporation)製)が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料、及びアゾ系顔料が挙げられる。有機顔料の具体例としては、下記のものが挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、15:34、16、18、22、60、65、66、C.I.バットブルー4、60が挙げられる。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4
、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、254、264、C.I.ピグメントバイオレット19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、155、167、172、180、185、213が挙げられる。
なお、グリーンインクやオレンジインク等、上記以外の色のインクに用いられる顔料としては、従来公知のものが挙げられる。顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸性染料としては、アゾ系,アントラキノン系,ピラゾロン系,フタロシアニン系,キサンテン系,インジゴイド系,トリフェニルメタン系等の酸性染料が挙げられる。酸性染料の具体例としては、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー9,45,249、C.I.アシッドブラック1,2,24,94等が挙げられる。染料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
2.2.2.樹脂分散剤
色材として顔料を使用する場合には、顔料は、着色インクに適用するために、顔料が水中で安定的に分散保持できるようにすることが好ましい。その方法としては、水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂等の樹脂分散剤にて分散させる方法(以下、この方法により処理された顔料を「樹脂分散顔料」ということがある。)、分散剤にて分散させる方法(以下、この方法により処理された顔料を「分散剤分散顔料」ということがある。)、顔料粒子表面に親水性官能基を化学的・物理的に導入し、前記の樹脂あるいは分散剤なしで水中に分散及び/又は溶解可能とする方法(以下、この方法により処理された顔料を「表面処理顔料」ということがある。)等が挙げられる。
本実施形態に係る着色インクは、前記の樹脂分散顔料、分散剤分散顔料、表面処理顔料のいずれも用いることができ、必要に応じて複数種混合した形で用いることもできるが、樹脂分散顔料を含有していることが好ましい。
樹脂分散顔料に用いられる樹脂分散剤としては、ポリビニルアルコール類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α―メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α―メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等及びこれらの塩が挙げられる。これらの中でも、疎水性官能基を有するモノマーと親水性官能基を持つモノマーとの共重合体、疎水
性官能基と親水性官能基とを併せ持つモノマーからなる重合体が好ましい。共重合体の形態としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれの形態でも用いることができる。
樹脂分散剤の含有割合は、分散すべき顔料によって適宜選択することができるが、着色インク中の顔料の含有量100質量部に対して、好ましくは5質量部以上200質量部以下、より好ましくは30質量部以上120質量部以下である。
2.3.3.水
本実施形態に係る着色インクは、水を含有する。好ましく用いられる水としては、反応液で述べたものと同様であるので、その説明を省略する。水の含有量は、着色インクの全質量に対して、例えば50質量%以上とすることができる。
2.3.4.有機溶剤
本実施形態に係る着色インクは、有機溶剤を含有してもよい。有機溶剤は、上述した低吸収性又は非吸収性の記録媒体に対する着色インクの密着性を高めたり、インクジェット記録装置のヘッドの乾燥を抑制するなどの機能を備える。有機溶剤の具体例については、反応液の説明で例示した有機溶剤と同様のもの使用できるので、その説明を省略する。有機溶剤の含有量は、特に限定されるものではないが、着色インクの全質量に対して、例えば1質量%以上40質量%以下とすることができる。
2.3.5.界面活性剤
本実施形態に係る着色インクは、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤は、着色インクの表面張力を低下させ記録媒体との濡れ性を向上させるなどの機能を備える。界面活性剤の中でも、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤を好ましく用いることができる。これらの界面活性剤の具体例については、反応液の説明で例示した界面活性剤と同様のものを使用できるので、その説明を省略する。界面活性剤の含有量は、特に限定されるものではないが、着色インクの全質量に対して、0.1質量%以上1.5質量%以下とすることができる。
2.3.6.第2樹脂
本実施形態に係る着色インクは、樹脂を含有しても良い。本実施形態において着色インクに含有する樹脂を第2樹脂ともいう。第2樹脂の具体例については、クリアインクの説明で例示した第1樹脂と同様のものを使用できるので、その説明を省略する。第2樹脂を含有する場合には、その含有量(固形分換算量)は、着色インクの全質量に対して、好ましくは1質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上7質量%以下である。また、着色インクに樹脂分散剤を用いる場合には、それを第2樹脂とみなしてもよい。この場合には、第2樹脂は、顔料の分散剤としても機能する。
なお、着色インクが第2樹脂を含有する場合には、係る第2樹脂と上述の反応剤との相互作用により、着色インクの粘度を高めることができる。これにより、記録媒体上での着色インクの流動性が低下し、滲みや、複数種(互いに異なる色相)の着色インクが付着された場合に、それらの着色インクの間の成分の相互拡散が抑制され、ブリードをさらに抑制することができる。
2.3.7.その他の成分
本実施形態に係る着色インクは、必要に応じて、pH調整剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤等を含有してもよい。
2.3.8.着色インクの物性
本実施形態に係る着色インクは、画像品質とインクジェット記録用のインクとしての信頼性とのバランスの観点から、20℃における表面張力が20mN/m以上40mN/mであることが好ましく、25mN/m以上35mN/m以下であることがより好ましい。なお、表面張力の測定は、例えば、自動表面張力計CBVP−Z(商品名、協和界面科学株式会社製)を用いて、20℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。
また、同様の観点から、本実施形態に係る着色インクの20℃における粘度は、3mPa・s以上10mPa・s以下であることが好ましく、3mPa・s以上8mPa・s以下であることがより好ましい。なお、粘度の測定は、例えば、粘弾性試験機MCR−300(商品名、Pysica社製)を用いて、20℃の環境下での粘度を測定することができる。
また、着色インクに第2樹脂を配合する場合には、クリアインクに含まれる第1樹脂と同種の樹脂であってもよい。第2樹脂が第1樹脂と同種の樹脂であると、両者の親和性が高まり、例えば、記録媒体に対する第1樹脂及び第2樹脂の付着力が高まり、また、第1樹脂及び第2樹脂によって、着色インクの色材を包み込んで定着させる作用を高めることができる。これらの効果により、第2樹脂が第1樹脂と同種の樹脂であると、画像の耐擦過性や耐湿摩擦性を高めることができる。ここで、同種とは、前述したウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、フルオレン系樹脂などとして樹脂を分類した場合に、分類における同一の分類となる場合のことをいう。
3.インクジェット記録装置
本実施形態に係るインクジェット記録装置は、記録媒体に対して相対的に移動し、色材を含む着色インクの成分を凝集又は増粘させる反応剤を含む反応液、着色インク、及び、第1樹脂を含むクリアインクを吐出させる記録ヘッドを備える。そして、記録媒体へ、反応液を付着させた後、記録媒体に付着した反応液の揮発成分の残存率が25質量%以上の状態で、反応液を付着させた領域へ、着色インクを付着させ、着色インクを付着させた領域へ、クリアインクを付着させる。
本実施形態のインクジェット記録装置の例としては、「1.3.着色インク付着工程」の項で述べた着色インク付着工程で使用できるインクジェット記録装置が挙げられ、適宜に、ノズルから、上述の反応液、着色インク、クリアインクを吐出できるように構成したものを例示できる。
以下、本実施形態に係るインクジェット記録方法を実施可能なインクジェット記録装置の一例について、図面を参照しながら簡単に説明する。なお、本実施形態に係るインクジェット記録方法に使用できるインクジェット記録装置は、以下の態様に限定されるものではない。すなわち、以下の態様では、すべての工程を一のライン(インライン)で連続して行うものを示すが、各工程がインラインで実施されず、断続的に行われるものであってもよい。
図1は、本実施形態に係る画像の記録方法を実施可能なインクジェット記録装置を模式的に表す図である。本実施形態に係るインクジェット記録装置1000は、記録媒体1を搬送する搬送手段10と、記録手段20として、記録媒体1に対して相対的に移動し、反応液を記録媒体1に付着させる記録ヘッド22と、記録媒体1に対して相対的に移動し、着色インクを記録媒体1に付着させる記録ヘッド24と、記録媒体1に対して相対的に移動し、クリアインクを記録媒体1に付着させる記録ヘッド26と、を備える。
3.1.搬送手段
搬送手段10は、例えば、ローラー11によって構成されることができる。搬送手段10は、複数のローラー11を有してもよい。搬送手段10は、図示の例では、記録媒体1の搬送される方向(図中矢印で示した。)において、記録手段20より上流側に設けられているが、これに限定されず、記録媒体1が搬送できる限り、設けられる位置や個数は任意である。搬送手段10は、給紙ロール、給紙トレイ、排紙ロール、排紙トレイ、及び各種のプラテンなどを備えてもよい。
搬送手段10によって搬送される記録媒体1は、記録手段20によって各液体が付着される位置へ搬送される。なお、図1では、記録媒体1が連続体である場合を例示しているが、記録媒体10が単票であっても、搬送手段10を適宜に構成することで、上記のような記録媒体の搬送を行うことができる。
3.2.記録手段
本実施形態のインクジェット記録装置1000は、記録手段20は、記録ヘッド22,24,26を有している。記録ヘッド22は、記録媒体1の所定の領域上に反応液を付着させる。記録ヘッド24は、記録媒体1の反応液が付着された所定の領域上に着色インクを付着させる。また、記録ヘッド26は、記録媒体1の着色インクが付着された所定の領域上にクリアインクを付着させる。なお、図1では、記録手段20として、インクジェット法を用いた場合を示したが、これに限定されず、上述した方法(例えば、スプレーコート、ロールコート)を実施できる態様に変えてもよい。
また、図示しないが、記録媒体1に付着させた反応液は、図示しない乾燥手段によって乾燥してもよい。係る乾燥手段は、記録媒体1の搬送方向において、記録ヘッド22の下流側で記録ヘッド24の上流側に配置されることが好ましいが、配置される位置や個数は任意である。乾燥手段としては、液体の揮発成分の蒸発飛散を促進させる構成を備えていれば、特に限定されず、例えば、記録媒体1に熱を加える手段、液体に風を吹きつける手段、さらにそれらを組み合わせる手段等が挙げられる。具体的には、強制空気加熱、輻射加熱、電導加熱、高周波乾燥、マイクロ波乾燥等が好ましく用いられる。
本実施形態に係るインクジェット記録装置1000は、乾燥を自然乾燥で行う場合には、乾燥手段を備えていなくてもよい。また、記録媒体1に付着させた液体を乾燥させる手段は、記録手段20の記録ヘッド22,24,26と記録媒体1を介して対向する位置に設けてもよいし、各ヘッドの下流側に設けてもよいし、これらの両方の位置に設けてもよい。
記録手段20には、シリアル型の記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置、およびライン型の記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置のいずれも用いることができる。
シリアル型の記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置とは、記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に移動させつつ液体組成物を吐出させる走査(パス)を、複数回行うことによって記録を行うものである。シリアル型の記録ヘッドの具体例には、記録媒体の幅方向(記録媒体の搬送方向に交差する方向)に移動するキャリッジに記録ヘッドが搭載されており、キャリッジの移動に伴って記録ヘッドが移動することにより記録媒体上に液滴を吐出するものが挙げられる。
一方、ライン型の記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置は、記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に移動させつつ液体組成物を吐出させる走査(パス)を1回行うことにより記録を行うものである。ライン型の記録ヘッドの具体例には、記録ヘッドが記録媒体の幅よりも広く形成され、記録ヘッドが移動せずに記録媒体上に液滴を吐出するものが挙げられる。
シリアル型の記録ヘッドは、複数パスで画像を記録するため、最後のパスが行われるまでの間に、これ以前に行われたパスによって吐出された液滴の乾燥時間を確保することができる。これに対して、ライン型の記録ヘッドは、1回のパスで記録に必要な全ての液滴を記録媒体に付着させるため、シリアル型の記録ヘッドを用いた場合と比較して、液滴の乾燥時間が少ない。そのため、本実施形態に係るインクジェット記録方法ではより高い効果を得ることができる。
このように、本実施形態の一態様では、反応液、着色インク及びクリアインクをインクジェット記録に適した物性とすることが可能であり、このような液体をそれぞれインクジェット記録装置のインクカートリッジに導入すれば、本実施形態のインクジェット記録方法を容易に実施することができる。
このようなインクジェット記録装置によれば、記録媒体に対して、発色性、定着性に優れ、印刷ムラが抑制された画像を安定性よく記録することができる。すなわち、本実施異形態のインクジェット記録装置によれば、着色インクが、揮発成分を多く含む反応液に接触することにより、色材の凝集が粒状に生じることで発色性が良く、クリアインクの第1樹脂により、係る凝集体の記録媒体への定着性が良好な画像を形成することができる。
4.インクセット
本実施形態のインクセットは、上述の色材を含む着色インクの成分を凝集又は増粘させる反応剤を含む反応液と、上述の着色インクと、第1樹脂を含むクリアインクと、を含む。本実施形態のインクセットは、これらの構成の他に、他の液体組成物を含んでもよい。また、本実施形態のインクセットの反応液、クリアインクは、必ずしもインクジェット記録装置で使用できる物性を備えていなくてもよい。すなわち、反応液、クリアインクは、スピンコート、スプレーコート、グラビアロールコート、リバースロールコート、バーコート等に適した物性を有してもよい。したがって本実施形態のインクセットは、上述のインクジェット記録方法に使用できる液体の組であり、どのような荷姿でセットとなっていてもよい。
5.実施例
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をさらに説明するが、本発明は以下の例によってなんら限定されるものではない。
5.1.反応液の調製
表1の配合割合になるように各成分を混合、攪拌した後、10μmのメンブレンフィルターでろ過することにより、反応液を調製した。表2中の数値は、全て質量%を示し、イオン交換水は反応液の全質量が100質量%となるように添加した。表1に記載した各反応液は、反応剤として、硫酸マグネシウム(多価金属塩)、マレイン酸(有機酸)、又は硫酸ナトリウム(無機酸金属塩)を含んでいる。
なお、表1において化合物名で記載した成分は試薬を入手し、化合物名以外で記載した成分は、以下の通りとした。
・BYK−348(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、シリコーン系界面活性剤)
Figure 2016179675
5.2.着色インクの調製
表2の配合割合になるように、各成分を混合、攪拌した後、10μmのメンブレンフィルターでろ過することにより、着色インクを調製した。着色インクの調製にあたって、顔料、樹脂分散剤及び水を含有する顔料分散液をあらかじめ作成して、顔料分散液と残りの成分とを混合した。表2中の数値は、全て質量%を示し、イオン交換水は着色インクの全質量が100質量%となるように添加した。なお、顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:3(シアン顔料)を用いた。なお、表2に記載した各着色インクは、第2樹脂として、表中の物を含んでいる。各樹脂は以下のとおりである。いずれの表も固形分成分は固形分の質量である。
・ビニブラン2586(商品名、日信化学工業株式会社製、水系スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン)
・D4200(商品名:レザミンD−4200、大日精化工業株式会社製、水系ウレタンエマルジョン)
Figure 2016179675
5.3.クリアインクの調製
表3の配合割合になるように、各成分を混合、攪拌した後、10μmのメンブレンフィルターでろ過することにより、クリアインクを調製した。表3中の数値は、全て質量%を示し、イオン交換水はクリアインクの全質量が100質量%となるように添加した。なお、表3に記載した各クリアインクは、第2樹脂として、表中の物を含んでいる。
Figure 2016179675
5.4.記録媒体
また、以下の評価試験では、非吸収性の記録媒体として、ポリプロピレンフィルム(商品名「SY51M」、UPM RAFLATA社製)を使用した。
5.5.記録物の作成
実施例及び比較例の作成条件及び評価結果を表4、表5に示した。各例において、インクジェットプリンターPX−G930(セイコーエプソン株式会社製)の改造機に、上記で調製した反応液、着色インク及びクリアインクを1ノズル列/1液となるように充填した。プリンターの記録ヘッドのノズル列のノズル密度は300dpiとした。記録媒体をセットし、反応液を、表4、表5中の付着量で塗布した。パターンは10cm×10cmのベタパターンとした。付着後、記録媒体を戻して再びセットし着色インクを同じパターンに重ねて、付着量7mg/inch2で付与して印刷した。
その後、記録媒体を再び戻してセットし、同じパターンにクリアインクを、表4、表5に記載した塗布量で重ねて付着させた。印刷のドット解像度は、反応液、着色インク、クリアインクともに、1200×1200dpiとした。その後、記録媒体をオーブンで60℃×10分で加熱乾燥した。
なお、プリンターのプラテンにはヒーターを取り付け、記録媒体を記録中、加熱可能な構成にした。
表4、表5には、反応液の乾燥工程を行ったか否かについて併記した。乾燥工程なしの例は、ヒーターを作動せず、反応液付着後、直ちに記録媒体を再びセットした例である。記録中の記録媒体の表面温度は25℃とし、着色インクの印刷時の反応液の揮発成分の残存率は90%となるようにした。ただし、残存率50%の実施例6は、反応液付着後、室温で放置することにより、50%となるようにした。残存率は90%とした例は反応液付着終了から着色インク付着開始までは5秒以内であり、残存率50%の実施例6は、反応液付着終了から着色インク付着開始までは30秒であり、何れも各付着工程中の記録媒体表面温度は25℃であった。また、残存率30%の実施例11は、反応液付着終了から着色インク付着開始までの時間を25秒とし、付着工程中の記録媒体表面温度は50℃とした。残存率20%の比較例1及び比較例4は、反応液付着終了から着色インク付着開始までの時間を25秒とし、付着工程中の記録媒体表面温度は55℃とした。
また、乾燥工程が有る実施例10及び比較例5では、ヒーターを作動させ記録媒体の表面温度を45℃となるようにして印刷した。反応液付着終了から着色インク付着開始までは約25秒であった。反応液を印刷した後、反応液の揮発成分の残存率は、表中に記載した。
5.6.評価試験
5.6.1.定着性(耐擦過性)
画像の定着性を、布による擦過試験により評価した。学振型摩擦堅牢度試験機AB−301(商品名、テスター産業社製)を用いて耐擦性の評価を行った。具体的には、画像の記録された記録媒体の表面を、白綿布(JIS L 0803準拠)を取り付けた摩擦子で、荷重300gをかけて塗膜が剥がれるまで、又は、30往復擦った。そして、記録媒体の表面における画像(塗膜)のはがれ具合を目視で観察した。評価基準は以下の通りである。
☆:30往復擦っても塗膜が剥がれない
◎:20往復以上29往復以下で塗膜の剥がれが認められた
○:15往復以上19往復以下で塗膜の剥がれが認められた
△:10往復以上14往復以下で塗膜の剥がれが認められた
×:9往復以内に塗膜の剥がれが認められた
5.6.2.画質
各例のサンプルの記録媒体の表面に記録されたベタパターンを目視にて確認して、印刷ムラ(ベタ埋まり性)の有無を判定した。評価基準は以下の通りである。
◎:パターン内にインクの濃さが不均一になっている様子が観察されない
○:細かな不均一さが認められる
×:大きな不均一さが認められる
5.6.3.印字安定性1
定着性評価と同様にして、ベタパターンを300枚のA4PPC用紙に印刷した。ノズル列(300ノズル)について、50枚印刷するごとに、着色インクのノズル検査を行った。以下の評価基準に従って、印字安定性の評価を行い、結果を表に記載した。
○:吐出不能なノズルがない
×:吐出不能なノズルがある(ノズル抜けが発生)がパターンに着色インクの不吐出に起因する着色インクが未着の部分が目立つことはなかった(吐出不能なノズル数が全体の15%未満であった)
××:吐出不能なノズルがあり(ノズル抜けが発生)パターンに着色インクの不吐出に起因する着色インクが未着の部分が目立った(吐出不能なノズル数が全体の15%以上であった)
5.6.4.印字安定性2
定着性評価と同様にして、ベタパターンを300枚のA4PPC用紙に印刷した。ノズル列(300ノズル)について、50枚印刷するごとに、クリアインクのノズル検査を行った。以下の評価基準に従って、印字安定性の評価を行い、結果を表に記載した。
○:吐出不能なノズルがない
×:吐出不能なノズルがある(ノズル抜けが発生)がパターンにクリアインクの不吐出に起因する光沢感の悪い部分が目立つことはなかった(吐出不能なノズル数が全体の15%未満であった)
××:吐出不能なノズルがあり(ノズル抜けが発生)パターンにクリアインクの不吐出に起因する光沢感の悪い部分が目立った(吐出不能なノズル数が全体の15%以上であった)
5.7.評価結果
以上の評価試験の結果を表4、表5に示す。
Figure 2016179675
Figure 2016179675
実施例1〜9では、いずれも、定着性、画質及び印字安定性がともに良好であり、実施
例10、11では、印字安定性が若干低下したが、非常に良好な定着性及び画質が得られた。これに対して、比較例1、4では、いずれも画質及び印字安定性が不十分となった。さらにクリアインクを用いなかった比較例2では、定着性が不良であり、反応液を用いなかった比較例3では、画質が不十分であった。また、比較例5では、定着性及び印字安定性が低下したが、画質は良好に維持されていた。
また、少なくとも以下のことが表4及び表5の結果から判明した。
(1)実施例1、2から、スチレンアクリル系の第1樹脂を用いたクリアインクのほうが、より優れた耐擦過性が得られること
(2)実施例3−5から、着色インクの第2樹脂と、クリアインクの第1樹脂の種類が同じであると定着性が良好となる傾向があること
(3)実施例1、4、5から、反応剤はいずれも有効であるが、多価金属塩が特に良好であること
(4)実施例2、6から、反応液を乾燥させることにより、定着性が向上するが、記録時間が長くなってしまうこと
(5)実施例2、7から、反応液が少ないと、画質は若干劣るものの定着性が向上すること
(6)実施例1、7、8、9から、クリアインクの量が、定着性及び画質のバランスを左右すること
(7)比較例1から、反応液の乾燥の程度が強いとにより、定着性が向上するものの、ヒーターによる熱で記録ヘッドに悪影響があること、また、クリアインクの印字安定性も不良となること
(8)比較例2から、クリアインクがないと定着性が不十分となること
(9)比較例3から、反応液がないと定着性は良好となるが画質が不十分となること
(10)比較例4から、反応液の乾燥の程度が強いと、定着性が向上するものの、ヒーターによる熱で記録ヘッドに悪影響があること
(11)比較例5から、反応液を乾燥させると、ヒーターによる記録ヘッドへの悪影響があるものの、クリアインクが無くても定着性は確保できること
(12)実施例10及び実施例11から、反応液を適度に乾燥させると、定着性が非常に良好になること
(13)実施例10及び実施例11から、クリアインクは顔料を含まない分、着色インクよりは目詰りし難いこと、及びその反面、吐出不良があるとパターンの光沢感の劣化が目立つこと
なお、上記各例ではシリアルプリンターを用いて行ったが、本発明はラインプリンターを用いてもよいことは自明である。ラインプリンターの場合は、例えば、反応液を付着させるためのラインヘッドと、着色インクを付着させるためのラインヘッドと、クリアインクを付着させるためのラインヘッドとを備えて、搬送する記録媒体に対してそれぞれを付着(塗布)させればよい。ラインプリンターの場合、記録速度が特に速く、記録速度を低下させない点で本実施形態が特に有用である。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…記録媒体、10…搬送手段、11…ローラー、20…記録手段、22,24,26…記録ヘッド、1000…インクジェット記録装置

Claims (9)

  1. 記録媒体へ、色材を含む着色インクの成分を凝集又は増粘させる反応剤を含む反応液を付着させる反応液付着工程と、
    前記記録媒体に付着した前記反応液の揮発成分の残存率が25質量%以上の状態で、前記反応液を付着させた領域へ、前記着色インクをインクジェット法により付着させる着色インク付着工程と、
    前記着色インク付着工程の後、あるいは前記着色インク付着工程と同一時に、前記反応液を付着させた領域へ、樹脂を含むクリアインクを付着させるクリアインク付着工程と、を含む、インクジェット記録方法。
  2. 請求項1において、
    前記記録媒体は、低吸収性記録媒体又は非吸収性記録媒体である、インクジェット記録方法。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記着色インクは、樹脂を含む水系の着色インクである、インクジェット記録方法。
  4. 請求項3において、
    前記クリアインクに含む樹脂及び前記着色インクに含む樹脂は、同種の樹脂である、インクジェット記録方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
    前記反応液付着工程及び前記着色インク付着工程の間の記録媒体表面温度が38℃以下であり、前記反応液の前記記録媒体への付着の終了から30秒以内に前記着色インク付着の開始が行われる、インクジェット記録方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
    前記反応液付着工程は、反応液を付着させた領域の前記反応液に含まれる前記反応剤の付着量が0.01mg/inch2以上0.2mg/inch2以下である反応液付着工程を含む、インクジェット記録方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項において、
    前記クリアインク付着工程は、クリアインクを付着させた領域の前記クリアインクの付着量が0.5mg/inch2以上3mg/inch2以下であるクリアインク付着工程を含む、インクジェット記録方法。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項において、
    前記クリアインクの前記樹脂の含有量は、2質量%以上20質量%以下である、インクジェット記録方法。
  9. 請求項1ないし請求項8の何れか一項に記載のインクジェット記録方法に用いるものであり、
    色材を含む着色インクの成分を凝集又は増粘させる反応剤を含む反応液と、
    着色インクと、
    樹脂を含むクリアインクと、
    を備えた、インクセット。
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