[第1実施形態]
[スロットマシンの構成]
図1は、本実施形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、表示領域を有しており、透視窓3に対応する透過領域51bが透過可能である。これにより、表示領域で所定の演出を実行可能とするとともに、表示領域のうち透過領域51bが透過することで透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が視認可能となる。
図1および図2に示すように、前面扉1bは、筐体1aに対して回動することによって、筐体1aの開口された前面側を開閉することができる。前面扉1bが筐体1aの開口を閉鎖している状態(前面扉1bが閉じている状態)においては、前面扉1bを閉鎖状態で施錠することもできる。たとえば、前面扉1bが筐体1aの開口を閉鎖している状態では、前面扉1b側の係止片(図示略)と筐体1a側の係止部(図示略)とが係止され、前面扉1bが閉鎖状態で施錠される。一方、前面扉1bが施錠されている状態で、店員が所有するドアキー70dを前面扉1bに設けられた鍵穴70aに挿入したまま右に回す鍵操作をしたときには、係止片と係止部との係止が解除され、前面扉1bが解錠される。
図3は、各リールの図柄配列を示す図である。リール2L〜2Rには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。なお、リールの個数は、3つに限らず、1つであってもよく、2以上であってもよい。また、可変表示部は、物理的なリールにて構成されている例を示しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて構成されているものであってもよい。
液晶表示器51の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられ、前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53、54が設けられている。
また、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L〜2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rなどが設けられている。
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19、リプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6操作などにより規定数の賭数(たとえば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L〜2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せ(いわゆるばらけ目)が揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L〜2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L〜8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
図2は、スロットマシン1の内部構造を示す図である。図5は、スロットマシン1の機能構成例を示す図である。前面扉1bの内側には、ボーナス終了時やAT(Assist Time)の終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36aと、ボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36bとが設けられている。
ATとは、所定の入賞を発生させるためにストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順が遊技者に報知されるナビ演出が実行される期間である。AT制御の権利となるナビストックを保有していることを条件にATに制御される。ATは、保有するナビストックの数に基づき所定ゲーム数(本実施の形態では1セット50ゲーム)にわたり制御される。このため、ナビストック数は、ATに制御される権利の数を示すことになり、このナビストック数を多く保有すればするほど、長い期間に亘りATに制御される。
前面扉1bの内側には、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24と、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド(図示略)と、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ(流路切替ソレノイド30よりもホッパータンク34a側に配置)を有するメダルセレクタ29と、前面扉1bの開閉を検出するドアセンサ60とが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作によりエラー状態(たとえば、後述のドア開放エラー状態)および打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23が設けられている。リセットスイッチ23は、カバー23aに覆われている。リセットスイッチ23を覆うカバー23aは、前面扉1bを開放しなければ触れることは不可能である。このため、店員は、前面扉1bを開放し、さらにカバー23aを開けてリセットスイッチ23を外部に露呈させなければ、リセットスイッチ23を操作できない。
前面扉1bの内側には、遊技中の演出態様の基準となる設定を行うための演出設定スイッチ80が設けられている。演出設定スイッチ80は、前面扉1bを解錠して開放しなければ操作できないため、ドアキー70aを所有する店員以外の者は、外部から演出設定スイッチ80を操作不可能である。店員は、演出設定スイッチ80を操作することによって、遊技中の演出における音量および光量を設定することができる。
演出設定スイッチ80は、図4に示すように、「0」〜「F」までの計16個のチャンネルを切り替えるスイッチである。店員は、ツマミ81を回動操作することで、これらチャンネルを切り替えることができる。各チャンネル「0」〜「F」に対しては、演出における音量および光量の大きさが段階分けされている。チャンネル「0」〜「F」に対応する音量の段階を音量段階と称し、チャンネル「0」〜「F」に対応する光量の段階を光量段階とも称する。たとえば、チャンネルが「0」であれば、最小の音量に設定される音量段階と最小の光量に設定される光量段階とに設定される。チャンネルが「F」であれば、最大の音量に設定される音量段階と最大の光量に設定される光量段階とに設定される。
筐体1aの内部には、電源ボックス100が設けられている。電源ボックス100には、電源投入時(起動時)に設定確認状態および設定変更状態に切り替えるために、店員が設定キー37dを挿入する鍵穴37aが設けられている。店員が所有する設定キー37dを鍵穴37aに挿入したまま右に回す鍵操作をしたときには、設定キースイッチ37がON状態になる。一方、設定キー37dを鍵穴37aに挿入したまま左に回す鍵操作をしたときには、設定キースイッチ37がOFF状態になる。
設定キースイッチ37は、前面扉1bを解錠して開放しなければ操作できないため、ドアキー70aを所有する店員以外の者は、外部から設定キースイッチ37を操作不可能である。さらに、設定キースイッチ37は、設定キー37dを鍵穴37aに挿入しなければ操作できないため、設定キー37dを所有する店員以外の者は、設定キースイッチ37を操作不可能である。
また、電源ボックス100には、設定変更状態において内部抽選の当選確率(払出率)の設定値を変更するための設定スイッチ38と、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39とが設けられている。
また、筐体1aの内部には、制御基板が設けられている。図5の例では、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板90、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101、遊技の進行に応じた信号を外部に出力する外部出力基板1000などが設けられている。
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図5の遊技制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図5の遊技制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L〜33Rからの信号に基づき、リールモータ32L〜32Rを駆動制御する。
遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(図5の遊技制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送信され、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送信されることはない。
演出制御基板90は、液晶表示器51などの演出装置(図5の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(図5の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。電源基板101には、ホッパーモータ34b、各種の操作手段や検出手段(図5の電源基板101の右側に例示)などが接続されている。
ドアセンサ60は、前面扉1bが開放状態であるときには遊技制御基板40に対して検知信号を入力し(検知信号がON状態となる)、前面扉1bが閉鎖状態であるときには遊技制御基板40に対して検知信号を入力しない(検知信号がOFF状態となる)。
ドアキー挿入センサ70bは、ドアキー70dが鍵穴70aに挿入されているときには遊技制御基板40に対して検知信号を入力し(検知信号がON状態となる)、ドアキー70dが鍵穴70aに挿入されていないときには遊技制御基板40に対して検知信号を入力しない(検知信号がOFF状態となる)。
設定キー挿入センサ37bは、設定キー37dが鍵穴37aに挿入されているときには遊技制御基板40に対して検知信号を入力し(検知信号がON状態となる)、設定キー37dが鍵穴37aに挿入されていないときには遊技制御基板40に対して検知信号を入力しない(検知信号がOFF状態となる)。
設定キースイッチ37は、設定キー37dを鍵穴37aに挿入したまま右に回す鍵操作をしたときにON状態となり、設定キー37dを鍵穴37aに挿入したまま左に回す鍵操作をしたときには、設定キースイッチ37がOFF状態になる。設定キースイッチ37をON状態またはOFF状態とする鍵操作があったときには、当該鍵操作があった旨を特定可能な操作信号がメイン制御部41に対して入力される。メイン制御部41は、設定キースイッチ37から操作信号が入力されたときには、設定キースイッチ37の鍵操作を検知することができる。但し、メイン制御部41は、ドアキー70dが鍵穴70aに挿入されることによってドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態となり、かつ前面扉1bが開放状態であることによってドアセンサ60の検知信号がON状態となり、かつドア開放エラーが解除され、かつ設定キー37dが鍵穴37aに挿入されることによって設定キー挿入センサ37bの検知信号がON状態になっていることを条件に、設定キースイッチ37の鍵操作を検知することが可能である。言い換えると、メイン制御部41は、設定キースイッチ37の鍵操作がされても、ドアキー70dが鍵穴70aに挿入されていないとき、前面扉1bが閉鎖状態であるとき、ドア開放エラーが解除されていないとき、さらには、設定キー37dが鍵穴37aに挿入されていないときには、設定キースイッチ37の鍵操作に基づく処理を行わない。
リセットスイッチ23が操作されたときには、当該操作があった旨を特定可能な操作信号がメイン制御部41に対して入力される。メイン制御部41は、リセットスイッチ23から操作信号が入力されたときには、リセットスイッチ23の操作を検知することができる。但し、メイン制御部41は、ドアキー70dが鍵穴70aに挿入されることによってドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態となり、かつ前面扉1bが開放状態であることによってドアセンサ60の検知信号がON状態になっていることを条件に、リセットスイッチ23の操作を検知することが可能である。さらに、メイン制御部41には、リセットスイッチ23を覆うカバー23aが開けられたときに出力される検知信号も入力される。メイン制御部41は、この検知信号を検知することで、カバー23aが開放されたことを特定することができる。言い換えると、メイン制御部41は、リセットスイッチ23が操作されても、ドアキー70dが鍵穴70aに挿入されていないとき、前面扉1bが閉鎖状態であるとき、さらには、カバー23aが開放されていないときには、リセットスイッチ23の操作に基づく処理を行わない。
また、1ゲームが終了した後、未だリールが回転していない場合に全てのストップスイッチを長押しする操作がされたときには、当該操作があった旨を特定可能な操作信号がメイン制御部41に対して入力される。メイン制御部41は、ストップスイッチから操作信号が入力されたときには、ストップスイッチの長押し操作を検知することができ、サブ制御部91に対してストップスイッチの長押し操作を検知した旨のコマンドを送信する。これにより、サブ制御部91は、ストップスイッチの長押し操作を検知することができる。但し、メイン制御部41は、ドアキー70dが鍵穴70aに挿入されることによってドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態となり、かつ前面扉1bが開放状態であることによってドアセンサ60の検知信号がON状態となり、かつドア開放エラーが解除されていることを条件に、ストップスイッチの長押し操作を検知することが可能である。言い換えると、メイン制御部41は、ストップスイッチが長押し操作されても、ドアキー70dが鍵穴70aに挿入されていないとき、前面扉1bが閉鎖状態であるとき、さらには、ドア開放エラーが解除されていないときには、ストップスイッチの長押し操作に基づく処理を行わない。
ドア開放検知回路65は、ドアセンサ60からの検知信号に基づいて、前面扉1bの開放状態を検知する回路である。具体的には、ドア開放検知回路65は、ドアセンサ60からの検知信号がON状態であるときには、前面扉1bの開放状態を検知する。
なお、本実施の形態においては、ドアセンサ60の検知信号がON状態となったときに、ドア開放検知回路65による前面扉1bの開放検知が有効となる。前面扉1bの開放検知が有効となる状態をドア開放エラー状態とも称する。前面扉1bの開放検知は、前面扉1bが閉鎖されることによって無効となる。さらに、前面扉1bの開放検知は、前面扉1bが開放されているときにリセットスイッチ23が操作されることによっても無効となる。前面扉1bの開放検知が有効から無効になることを、ドア開放エラーの解除とも称する。
ドアキー挿入検知回路70cは、ドアキー挿入センサ70bからの検知信号に基づいて、ドアキー70dが鍵穴70aに挿入されていることを検知する回路である。具体的には、ドアキー挿入検知回路70cは、ドアキー挿入センサ70bからの検知信号がON状態であるときには、ドアキー70dが鍵穴70aに挿入されていることを検知する。
設定キー挿入検知回路37cは、設定キー挿入センサ37bからの検知信号に基づいて、設定キー37dが鍵穴37aに挿入されていることを検知する回路である。具体的には、設定キー挿入検知回路37cは、設定キー挿入センサ37bからの検知信号がON状態であるときには、設定キー37dが鍵穴37aに挿入されていることを検知する。
[ドアキーの挿入検知の仕組み]
図6(a)を参照しながら、ドアキー70dが鍵穴70aに挿入されたことを検知する仕組みについて説明する。
鍵穴70aの先端および一方側の側面にはドアキー挿入センサ70bが接続され、さらに、ドアキー挿入センサ70bにはドアキー挿入検知回路70cが接続されている。ドアキー挿入センサ70bは接触式のセンサであり、ドアキー挿入センサ70bにドアキー70dが接触することを検知可能である。たとえば、鍵穴70aに対してドアキー70dが奥まで挿入されたときには、鍵穴70aの先端および一方側の側面に接続されたドアキー挿入センサ70bに対してドアキー70dが接触する。ドアキー挿入センサ70bは、ドアキー70dの接触を検知したときには、ドアキー挿入検知回路70cに対して検知信号を入力する。すなわち、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態になる。ドアキー挿入検知回路70cは、ドアキー挿入センサ70bからの検知信号がON状態であるときには、ドアキー70dが鍵穴70aに挿入されていることを検知する。このように、鍵穴70aに対してドアキー70dが正常に奥まで挿入されたことを条件に、ドアキー70dの挿入が正常に検知される。なお、ドアキー70dの挿入検知は、図6(a)に示すものに限らず、その他の仕組みを用いてもよい。
さらに、本実施の形態においては、ドアキー70dを鍵穴70aに挿入することによって前面扉1bが開放状態になっているときには、鍵穴70aに挿入されたドアキー70dが抜けない構造になっている。このため、店員がドアキー70dを用いて前面扉1bを開放しているときにドアキー70dが抜けてしまって紛失することがない。さらに、店員がドアキー70dを用いて前面扉1bを開放したときには、ドアセンサ60の検知信号がON状態になるとともにドアキー挿入センサ70bの検知信号もON状態のままであるため、ドアキー70dが抜けてしまうことによって設定キースイッチ37、リセットスイッチ23、および演出設定スイッチ80の操作が検知されないといった不都合が生じず、各種操作を行う際の利便性が向上する。
[設定キーの挿入検知の仕組み]
図6(b)を参照しながら、設定キー37dが鍵穴37aに挿入されたことを検知する仕組みについて説明する。
鍵穴37aの先端および一方側の側面には設定キー挿入センサ37bが接続され、さらに、設定キー挿入センサ37bには設定キー挿入検知回路37cが接続されている。設定キー挿入センサ37bは接触式のセンサであり、設定キー挿入センサ37bに設定キー37dが接触することを検知可能である。たとえば、鍵穴37aに対して設定キー37dが奥まで挿入されたときには、鍵穴37aの先端および一方側の側面に接続された設定キー挿入センサ37bに対して設定キー37dが接触する。設定キー挿入センサ37bは、設定キー37dの接触を検知したときには、設定キー挿入検知回路37cに対して検知信号を入力する。すなわち、設定キー挿入センサ37bの検知信号がON状態になる。設定キー挿入検知回路37cは、設定キー挿入センサ37bからの検知信号がON状態であるときには、設定キー37dが鍵穴37aに挿入されていることを検知する。このように、鍵穴37aに対して設定キー37dが正常に奥まで挿入されたことを条件に、設定キー37dの挿入が正常に検知される。なお、設定キー37dの挿入検知は、図6(b)に示すものに限らず、その他の仕組みを用いてもよい。
さらに、本実施の形態においては、設定キー37dを鍵穴37aに挿入することによって設定確認や設定変更のための鍵操作がされているときには、鍵穴37aに挿入された設定キー37dが抜けない構造になっている。このため、店員が設定キー37dを用いて設定確認や設定変更をしているときに設定キー37dが抜けてしまって紛失することがない。さらに、店員が設定キー37dを用いて設定確認や設定変更のための鍵操作をしたときには、設定キー挿入センサ37bの検知信号がON状態のままであるため、設定キー37dが抜けてしまうことによって設定キースイッチ37の鍵操作が検知されないといった不都合が生じず、設定確認や設定変更を行う際の利便性が向上する。
[ドアセンサの構造]
図2および図7を参照しながら、ドアセンサ60の構造について説明する。
図2に示すように、ドアセンサ60は、筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bの内側の上方で回動軸と反対側の角部に設けられている。筐体1a内側の回動軸と反対側であってドアセンサ60に対応する角部には、ドアセンサ60の検知片60bが当接される検知片受け部材61が設置されている。なお、以下では、ドアセンサ60において検知片受け部材61に対向する面側をドアセンサ60の後方側とし、前面扉1bの前面側を向く面側をドアセンサ60の前方側として説明する。
ドアセンサ60は、図7(a)に示すように、ドアセンサ本体の内部において、ドアセンサ後方側の進出位置xからドアセンサ前方側の退避位置zの間を、外力により移動可能な検知片60bと、検知片60bが進出位置xと退避位置zとの間の検知位置yにあるか否かを検知可能な検知器60aと、検知片60bを退避位置zから進出位置xの方向に付勢する付勢バネ60cとを備えている。検知器60aは、投光部と受光部からなり、投光部からの光が検知片60bにより遮断され受光部が受光しなくなることで検知片60bが検知位置yにあることを検知するフォトセンサである。
検知片60bおよび検知器60aは、その位置関係が外部から視認困難となるように周囲を被覆する非透明のケース体60dに収容されており、ケース体60dに設けられた挿通孔60eを介して検知片60bの先端のみが外部に露呈する。
検知片60bは、図7に示すように、断面視で略L字状に形成されている。検知片60bの一端側は、検知片60bが進出位置xにあるときにセンサ本体の外部に進出する進出部であり、他端側は、検知片60bが検知位置yにあるときに検知器60aにより検知される検知部である。
検知器60aは、センサ本体内部の検知位置yに配置されており、検知片60bが検知位置yにあるか否かを示す検知信号を出力する。ドアセンサ60は、検知器60aにより検知片60bが検知されないとき、すなわち前面扉1bが開放状態であるときには検知信号を入力する(検知信号がON状態)。一方、ドアセンサ60は、検知器60aにより検知片60bが検知されるとき、すなわち前面扉1bが閉鎖状態であるときには検知信号を入力しない(検知信号がON状態)。
付勢バネ60cは、検知片60bを退避位置zから進出位置xの方向に付勢しており、検知片60bに外力が加えられていないときには検知片60bを進出位置xに位置させるようになっている一方で、検知片60bに外力が加えられることで付勢バネ60cが縮み、検知片60bが退避位置zまで移動可能となる。
検知片受け部材61は、図7(a)に示すように、断面視で開口が前面扉1b側を向く凹状に形成されており、凹状の凹部61aがドアセンサ60に対向するように筐体1aに固定されている。検知片受け部材61の凹部61aは、検知片60bの進出部と当接可能となっており、凹部61aの深さwは、検知片60bの進出位置xから検知位置yまでの長さとほぼ等しく形成されている。一方、検知片受け部材61においてドアセンサ60と対向する面には、図7(b)に示すように、前面扉1bの閉鎖時にドアセンサ60に当接する当接部61cが凹部61aを囲うように形成されている。
図7(a)に示すように、前面扉1bの開放時には、検知片60bには外力が加えられることがなく、付勢バネ60cで付勢されて進出位置xに位置する。検知器60aでは検知片60bが検知されない。そして、ドアセンサ60の検知信号は、ON状態になる。
図7(b)に示すように、前面扉1bの閉鎖時には、ドアセンサ60が前面扉1bとともに筐体1aの方向に移動されて検知片60bの進出部と検知片受け部材61の凹部61aとが当接することで、検知片60bが外力を受けて進出位置xから退避位置zの方向(退避方向)に移動する。前面扉1bが移動されて完全に閉鎖された状態では、ドアセンサ60と検知片受け部材61の当接部61cとが当接した状態になる。これにより、検知片60bは、検知片受け部材61の凹部61aの深さw分だけ退避方向に移動されることで、進出位置xから検知位置yまで移動して、検知器60aにおいて検知片60bの検知部が検知される。そして、ドアセンサ60の検知信号は、OFF状態になる。
図7(c)に示すように、ドアセンサ60の検知片60bが検知片受け部材61以外の指などで押されて退避方向に移動されると、検知片60bは、外力の大きさに応じて検知位置yを超えて退避位置zまで移動される。このようなときには、前面扉1bの開放時と同様に、検知器60aでは検知片60bが検知されずに、ドアセンサ60の検知信号は、ON状態になる。
このように、検知位置yが、検知片60bの移動可能な進出位置xと退避位置zとの間に設定されているため、検知片60bを検知片受け部材61以外の指などで押されて退避方向に移動させる場合には、検知片60bが検知位置yに位置しにくくなる。このため、ドアセンサ60の検知信号は、前面扉1bの開放時と同様にOFF状態となりやすくなる。
検知片60bおよび検知器60aは、不透明のケース体60dに収容されており、検知片60bと検知器60aとの位置関係が視認困難な構成である。このため、開放状態において故意に検知片60bを検知位置yに調整することで、閉鎖状態を検知させることが困難となる。
前面扉1bの閉鎖時において、検知片60bが検知片受け部材61の凹部61aに当接し、検知片受け部材61における凹部61aを囲う当接部61cがドアセンサ60に当接する。このため、前面扉1bの閉鎖時において検知片60bは、周囲が検知片受け部材61の周壁61bにより囲われることとなり、外部から検知片60bにアクセスできない。
スロットマシン1では、筐体1aの開口を閉塞する前面扉1bが、係止片と径止部とにより通常では閉じられた状態に維持され、店員などが所持する所定のキー操作により係止片と係止部との係止を解除することで開放できる。
前面扉1bには、前面扉1bの開放を検知するドアセンサ60が設けられており、前面扉1bが開放された際に、その旨を特定可能とすることで、何らかの不正がされた可能性を発見できる。
従来のドアセンサでは、検知片が押し込まれた状態で前面扉1bの閉鎖が検知されるため、検知片を押し込んで粘着テープで固定するだけで、前面扉1bの実際の開閉状況に関わらず、常に前面扉1bの閉鎖状態を検知させることができてしまう。このため、ドアセンサ60による前面扉1bの開放が検知されることなく、前面扉1bを開放することが可能となり、不正の特定ができなくなる虞があった。
これに対して、本実施の形態に係るスロットマシン1では、ドアセンサ60の検知片60bが、前面扉1bが開放状態において進出位置xにあり、前面扉1bが開放状態から閉鎖状態となる場合に進出位置xから進出位置xと退避位置zとの間の検知位置yまで移動可能であって、検知片60bの位置が検知位置yであるか否かが検知器60aにより検知される。さらに、メイン制御部41およびドア開放検知回路65は、検知片60bが検知位置yにないことが検知されたときに前面扉1bが開放状態であることを特定することができる。これにより、検知片60bを手で押し込んだり、検知片60bをテープで押し込んだ状態としたりした場合でも、検知片60bを前面扉1bの閉鎖状態が判定される検知位置yとすることが困難となる。その結果、前面扉1bが開放状態であるにも関わらず、閉鎖状態と誤って判定させるようなことができず、前面扉1bが閉鎖状態と誤って判定させるといった不正を防止することができる。
本実施の形態においては、検知片60bおよび検知器60aは、不透明のケース体60dに収容されており、検知片60bと検知器60aとの位置関係が視認困難な構成である。このため、開放状態において故意に検知片60bを検知位置yに調整することで、閉鎖状態を検知させることが困難となり、前面扉1bが閉鎖状態と誤って判定されることによる不正を一層効果的に防止することができる。
本実施の形態においては、ドアセンサ60の検知片60bが、筐体1aに対して一端を軸として移動させることが可能な前面扉1b側に検知片60bが設けられている。このため、検知片60bの状況を確認し易い位置へ移動可能となるため、検知片60bに不正な細工が施されているか否かを容易に確認できる。
本実施の形態においては、ドアセンサ60の検知片60bが、前面扉1bの閉鎖状態において該検知片60bと対向する位置に固定された検知片受け部材61に当接することで検知位置yに移動する。このため、前面扉1bが開放状態から閉鎖状態となる際に、検知片60bが対向する位置に固定された検知片受け部材61に当接することで検知位置yに移動する。これにより、前面扉1bを開定状態から閉鎖状態とした場合に、検知片60bを確実に検知位置yへ移動させることができるとともに、前面扉1bの閉鎖状態において安定した状態で検知片60bを検知位置yに停止させることができる。
本実施の形態においては、ドアセンサ60により、前面扉1bの開放が検知される。このため、前面扉1bが開放しているにも関わらず閉鎖状態と誤って判定させることにより、前面扉1bを開放して、不正な部品を取り付けたり、基板を交換したりするといった不正の可能性を特定できなくなってしまうことを防止することができる。
[各種操作の有効および無効のタイミング]
図8を参照しながら、リセットスイッチ23、演出設定スイッチ80、ストップスイッチの長押し操作、および設定キースイッチ37といった各種操作の検知の有効および無効のタイミングの一例について説明する。
タイミングt1において、鍵穴70aにドアキー70dが正常に挿入されたときには、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態になる。
タイミングt2において、前面扉1bが開放状態となったときには、ドアセンサ60の検知信号がON状態になるとともに、ドア開放エラー状態になる。このとき、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態となり、かつドアセンサ60の検知信号がON状態になるため、メイン制御部41によるリセットスイッチ23の操作検知が有効化される。
タイミングt3において、リセットスイッチ23が操作されたときには、ドア開放エラーが解除される。このとき、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態となり、かつドアセンサ60の検知信号がON状態となり、かつドア開放エラーが解除されるため、メイン制御部41によるストップスイッチの長押し操作検知およびメイン制御部41による演出設定スイッチ80の操作検知が有効化される。
タイミングt4において、鍵穴37aに設定キー37dが正常に挿入されたときには、設定キー挿入センサ37bの検知信号がON状態になる。このとき、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態となり、かつドアセンサ60の検知信号がON状態となり、かつドア開放エラーが解除され、かつ設定キー挿入センサ37bの検知信号がON状態になるため、メイン制御部41による設定キースイッチ37の操作検知が有効化される。
タイミングt5において、前面扉1bが閉鎖状態となったときには、ドアセンサ60の検知信号がOFF状態になる。このとき、メイン制御部41による演出設定スイッチ80の操作検知が無効化されるとともに、メイン制御部41によるストップスイッチの長押し、リセットスイッチ23、および設定キースイッチ37の操作検知が無効化される。
タイミングt6において、鍵穴70aからドアキー70dが抜かれたときには、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がOFF状態になる。
ここで、従来においては、たとえば、店員以外の者が不正に設定確認や設定変更するために、鍵穴37aに針金などを通して設定キースイッチ37をON状態にする鍵操作が不正にされる虞がある。さらに、前面扉1bを開放していないにも関わらず、前面扉1bの開放状態が不正に作り出されてしまう虞もある。
しかし、本実施の形態においては、設定確認や設定変更するために設定キー37dを用いることなく設定キースイッチ37の鍵操作が不正にされてしまっても、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入が検知されていなければ設定キースイッチ37の操作検知が有効化されない。また、設定キースイッチ37の鍵操作が不正にされてしまっても、前面扉1bの開放状態が検知されていなければ設定キースイッチ37の操作検知が有効化されない。また、設定キースイッチ37の鍵操作が不正にされてしまっても、ドア開放エラーが解除されなければ設定キースイッチ37の操作検知が有効化されない。さらに、設定キースイッチ37の鍵操作が不正にされてしまっても、鍵穴37aへの設定キー37dの挿入が検知されていなければ設定キースイッチ37の操作検知が有効化されない。このように、本実施の形態においては、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入、前面扉1bの開放状態、ドア開放エラーの解除、および鍵穴37aへの設定キー37dの挿入といった全ての条件が成立しないと、設定確認状態や設定変更状態に移行しないため、店員以外の者が不正に設定変更させることを防止することができる。
また、従来においては、たとえば、店員以外の者が不正にエラー状態を解除するために、針金などの細い器具を筐体1aと前面扉1bの隙間から通すことによってリセットスイッチ23が操作される虞がある。さらに、前面扉1bを開放していないにも関わらず、前面扉1bの開放状態が不正に作り出されてしまう虞もある。
しかし、本実施の形態においては、不正にリセットスイッチ23が操作されてしまっても、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入が検知されていなければリセットスイッチ23の操作検知が有効化されない。また、不正にリセットスイッチ23が操作されてしまっても、前面扉1bの開放状態が検知されていなければリセットスイッチ23の操作検知が有効化されない。このように、本実施の形態においては、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入および前面扉1bの開放状態といった全ての条件が成立しないと、エラー状態を解除できないため、店員以外の者が不正にエラー状態を解除させることを防止することができる。
また、従来においては、たとえば、店員以外の者が不正に音量段階や光量段階を設定するために、針金などの細い器具を筐体1aと前面扉1bの隙間から通すことによって演出設定スイッチ80が操作される虞がある。さらに、前面扉1bを開放していないにも関わらず、前面扉1bの開放状態が不正に作り出されてしまう虞もある。
しかし、本実施の形態においては、不正に演出設定スイッチ80が操作されてしまっても、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入が検知されていなければ演出設定スイッチ80の操作検知が有効化されない。また、不正に演出設定スイッチ80が操作されてしまっても、前面扉1bの開放状態が検知されていなければ演出設定スイッチ80の操作検知が有効化されない。さらに、不正に演出設定スイッチ80が操作されてしまっても、ドア開放エラーが解除されなければ演出設定スイッチ80の操作検知が有効化されない。このように、本実施の形態においては、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入、前面扉1bの開放状態、およびドア開放エラーの解除といった全ての条件が成立しないと、音量段階や光量段階を設定できないため、店員以外の者が不正に音量段階や光量段階を設定させることを防止することができる。
また、従来においては、たとえば、店員以外の者が不正に節電モードを設定するために、ストップスイッチの長押し操作がされる虞がある。また、ストップスイッチは、前面扉1bの外側に配置されるため、遊技者が遊技中に誤ってストップスイッチを長押しで操作してしまう虞もある。
しかし、本実施の形態においては、ストップスイッチの長押し操作がされてしまっても、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入が検知されていなければストップスイッチの長押し操作検知が有効化されない。また、ストップスイッチの長押し操作がされてしまっても、前面扉1bの開放状態が検知されていなければストップスイッチの長押し操作検知が有効化されない。さらに、ストップスイッチの長押し操作がされてしまっても、ドア開放エラーが解除されなければストップスイッチの長押し操作検知が有効化されない。このように、本実施の形態においては、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入、前面扉1bの開放状態、およびドア開放エラーの解除といった全ての条件が成立しないと、節電モードを設定できないため、店員以外の者が不正あるいは誤って節電モードを設定させることを防止することができる。
[ドア開放エラーの解除]
図9を参照しながら、ドア開放エラーの解除に関するタイミングの一例について説明する。
タイミングt1において、鍵穴70aにドアキー70dが正常に挿入されたときには、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態になる。このとき、メイン制御部41からサブ制御部91に対してドアキー挿入有コマンドが送信される。サブ制御部91は、ドアキー挿入有コマンドを受信することにより、鍵穴70aにドアキー70dが挿入されたことを特定可能である。
タイミングt2において、前面扉1bが開放状態となったときには、ドアセンサ60の検知信号がON状態になるとともに、ドア開放エラー状態になる。このとき、メイン制御部41からサブ制御部91に対してドア開放コマンドが送信される。サブ制御部91は、ドア開放コマンドを受信することにより、前面扉1bが開放状態になったことを特定可能である。また、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態になり、かつドアセンサ60の検知信号がON状態になるため、メイン制御部41によるリセットスイッチ23の操作検知が有効化される。
さらに、タイミングt2においては、サブ制御部91の制御に基づき、ドア開放報知が行われる。ドア開放報知は、前面扉1bが開放状態である旨を店員などに知らせる報知である。これにより、ドア開放報知によって、前面扉1bの開放状態が検知されていることを外部に報知することができる。
タイミングt3において、リセットスイッチ23が操作されたときには、ドア開放エラーが解除される。このとき、メイン制御部41からサブ制御部91に対してドア開放エラー解除コマンドが送信される。サブ制御部91は、ドア開放エラー解除コマンドを受信することにより、ドア開放エラーの解除を特定可能である。
タイミングt4において、前面扉1bが閉鎖状態となったときには、ドアセンサ60の検知信号がOFF状態となる。このとき、メイン制御部41からサブ制御部91に対してドア閉鎖コマンドが送信される。サブ制御部91は、ドア閉鎖コマンドを受信することにより、前面扉1bが閉鎖状態になったことを特定可能である。また、メイン制御部41によるリセットスイッチ23および設定キースイッチ37の操作検知が無効化される。さらに、サブ制御部91によるドア開放報知が終了する。
タイミングt5において、鍵穴70aからドアキー70dが抜かれたときには、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がOFF状態となる。このとき、メイン制御部41からサブ制御部91に対してドアキー挿入無コマンドが送信される。サブ制御部91は、ドアキー挿入無コマンドを受信することにより、鍵穴70aからドアキー70dが抜かれたことを特定可能である。
本実施の形態においては、サブ制御部91が実行するドア開放報知の報知態様として、エラー解除前報知態様およびエラー解除後報知態様といった互いに異なる2種類の報知態様が用意されている。これにより、ドア開放報知の報知態様に応じて、前面扉1bの開放状態が検知されていること、およびドア開放エラーが解除されていることを外部に報知することができる。
さらに、エラー解除前報知態様は、エラー解除後報知態様よりも目立つ態様である。このため、エラー解除前報知態様でドア開放報知が行われたときには、エラー解除後報知態様でドア開放報知が行われたときよりも、前面扉1bが開放状態であることを店員などに対して知らせ易くなっている。
たとえば、エラー解除前報知態様でドア開放報知が行われたときには、演出効果LED52が赤色に点灯するとともに液晶表示器51の画面上の大部分の領域で「扉開放」の文字画像が表示され、さらに、スピーカ53、54から「扉が開いています」の音声が出力される。一方、エラー解除後報知態様でドア開放報知が行われたときには、エラー解除前報知態様と同様に演出効果LED52が赤色に点灯するが、液晶表示器51の画面上の一部の領域でしか「扉開放」の文字画像が表示されず、しかも、スピーカ53、54からは音声が出力されない。
このように、エラー解除前はエラー解除後よりも報知態様が目立つ態様である。これにより、前面扉1bが開放されてドア開放エラー状態になったときには、前面扉1bが開放された旨をいち早く店員に知らせることができ、不正行為を未然に防止することができる。また、ドア開放エラーが解除された後は、前面扉1bが開放されていることを店員がすでに知っているため、目立たない態様で前面扉1bが開放されている旨を念のため知らせることができる。
図9に示すように、サブ制御部91は、前面扉1bが開放されてドア開放エラー状態となったとき(タイミングt2)から、リセットスイッチ23が操作されてドア開放エラーが解除されたとき(タイミングt3)までの期間において、エラー解除前報知態様でドア開放報知を行い、ドア開放エラーが解除されたとき(タイミングt3)から前面扉1bが閉鎖されたとき(タイミングt4)までの期間において、エラー解除後報知態様でドア開放報知を行う。
なお、本実施の形態においては、前面扉1bが開放されるとドア開放エラー状態になり、リセットスイッチ23が操作されるとドア開放エラー状態が一旦解除されるが、その後、所定期間(たとえば、10秒間)が経過しても未だ前面扉1bが閉鎖されなければ、再度、前面扉1bの開放検知が有効になってドア開放エラー状態に制御される。
このように、前面扉1bが開放状態にされ、かつドア開放エラーが解除されたとしても、所定期間が経過するまでに設定キースイッチ37や演出設定スイッチ80が操作されなければ、再度、前面扉1bの開放状態が検知されるため、店員以外の者が不正に設定確認や設定変更、あるいは音量段階や光量段階を設定させることを防止することができる。
なお、リセットスイッチ23の操作によってドア開放エラー状態が一旦解除されたときには、エラー解除前報知態様からエラー解除後報知態様にドア開放報知の報知態様が変更され、その後、所定期間(たとえば、10秒間)が経過しても未だ前面扉1bが閉鎖状態にされずにドア開放エラー状態に再び制御されたときには、エラー解除後報知態様からエラー解除前報知態様にドア開放報知の報知態様が再び変更される。
[払出率の設定確認および設定変更]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率(賭数設定に用いたメダルの総数と、入賞によって払い出されたメダルの総数との比率)が変わる。詳しくは、内部抽選などにおいて設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わる。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。払出率の点からでは、設定値として6が設定されているときが遊技者にとって最も遊技に関する有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど遊技に関する有利度が段階的に低くなる。
払出率の設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37を操作して、設定キースイッチ37をON状態にする必要がある。設定キースイッチ37をON状態にすると、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態であり、かつドアセンサ60の検知信号がON状態であり、かつドア開放エラーが解除され、かつ設定キー挿入センサ37bの検知信号がON状態であることを条件に、遊技の進行が不可能な状態である設定確認状態に移行する。設定確認状態に移行すると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示される。
払出率を設定変更するためには、筐体1a内に設けられている電源ボックス100の電源スイッチ39を操作して、スロットマシン1の電源がON状態である場合には一旦OFF状態にし、さらに、設定キースイッチ37を操作して、設定キースイッチ37をON状態にしてから、スロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態にしてスロットマシン1の電源をON状態にすると、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態であり、かつドアセンサ60の検知信号がON状態であり、かつドア開放エラーが解除され、かつ設定キー挿入センサ37bの検知信号がON状態であることを条件に、遊技の進行が不可能な状態である設定変更状態に移行する。設定変更状態に移行すると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示される。
設定変更状態においては、設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。その後、スタートスイッチ7が操作されると、表示値を設定値として確定する。設定キースイッチ37がOFF状態にされると、確定した表示値(設定値)がRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
[入賞役の種類]
図10および図11は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。名称欄には、入賞役の名称を示し、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。また、無効ラインに揃う図柄の組合せ欄には、入賞となる図柄の組合せが入賞ラインに停止したときに無効ラインに停止する図柄の組合せであって遊技者が認識しやすい図柄の組合せを示している。払出枚数欄には、入賞時に付与される価値(メダル払出、再遊技付与)を示している。また、図11の遊技状態欄には、入賞時に移行される遊技状態を示している。また、「/」は、「または」を示している。たとえば、図11の昇格リプレイ2について、無効ラインに揃う図柄の組合せは、「リプレイ−リプレイ−ベル」または「プラム‐リプレイ‐ベル」となり、入賞時にはRT0に制御され、付与される価値は再遊技付与である。
図12は、移行出目の図柄組合せを示す図である。移行出目は、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、入賞ラインLNに揃う出目である。RT0、2、3中において移行出目が入賞ラインLN上に停止すると、RT1へ移行される。
図13は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図14は、遊技状態及びRTの概要を示す図である。本実施形態におけるスロットマシン1は、リプレイが所定の当選確率(図14の上図の再遊技役欄の数値参照)で当選するRT0〜3のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかのRTに制御される(図13の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照、図14の上図の開始条件・終了条件欄の参照)。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類毎に定められている(図14の下図の丸印が抽選されるリプレイを示す)。
図15および図16は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せを示す図である。抽選対象役欄には、その名称を示し、遊技状態欄には、RTの種類毎に、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示し、丸印の下の数値により当選確率にかかわる判定値数を示している。たとえば、ベルは、RT0〜RT3いずれかの状態において、360/65536で当選する抽選対象役である。
図17は、抽選対象役に含まれる入賞役の組合せを示す図である。たとえば、弱チェリーは、下段チェリーである。弱スイカは、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとを含む。よって、内部抽選で弱スイカに当選したときには、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとに当選したことになる。
図18および図19は、複数の入賞役が同時当選したときのリール制御を説明するための図である。当選した抽選対象役毎に、押し順欄に示す押し順で停止操作されたときに、その右の停止する図柄組合せに示す入賞役の図柄組合せが入賞ラインLNに停止させるリール制御が行なわれる。たとえば、リプレイGR1が当選したときにおいて、押し順が左中右であるときは、昇格リプレイ1が導出されて、押し順が左中右以外であるときは通常リプレイが導出される。また、たとえば、左ベルが当選したときにおいて、押し順が左第1停止であるときは、右下がりベルが導出されて、押し順が左第1停止以外であれば、上段ベルまたは移行出目が導出される。
スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L〜2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L〜2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると乱数抽選により入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理が行われる(図15〜図17など参照)。内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L〜2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる(図18、図19など参照)。
リール2L〜2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理が行われる(図10〜図12など参照)。入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算が行われるとともに、入賞ライン上の図柄組合せに応じて遊技状態が移行される(図13、図14など参照)。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
メイン制御部41は、ゲーム制御処理実行中において、遅延条件が成立したときにゲームの進行を所定期間に亘って遅延させるフリーズを発生させる処理を行う。遅延条件は、たとえば、所定の入賞役に当選あるいは入賞することや、消化ゲーム数が所定ゲーム数に到達することなどにより成立するものであってもよい。また、遅延させる対象は、たとえば、賭数設定が可能となるタイミングや、ゲーム進行のためのリール回転を開始させるタイミング、ゲーム進行のためのストップスイッチを有効化するタイミングなどであってもよい。
[リールユニットについて]
次に、リールユニット2の詳細な構造について説明する。図20は、左リールのリール体200Lの構造を示す分解斜視図である。図21は、リール体200Lの側面図である。リール体200C、200Rはリール体200Cと同様の構造であるため、ここではリール体200Lについてのみ説明してリール体200C、200Rの説明は省略する。以下の説明においては、スロットマシンを正面から見たときの上下左右方向を基準として説明する。
図20に示すように、リール2Lは、一面に複数種類の図柄が所定の順番で配列された帯状のリールシート400と、該リールシート400の左右端部を保持する円環状の保持枠401、402(リールホイールとも言う)と、から構成されている。保持枠401は、リールモータ32Lのロータ32dに相対回転不能に固着される円形状のリール取付盤405(表示帯取付部材)に複数のネジ405c(図20では一部を省略している)により、相対回動不能に取り付けられる円形状の取付板401aと、取付板401aから放射状に延設される複数の連結片401cに固定される環状部401bと、から構成される。保持枠402は、環状部のみにて構成される。また、図20では、図示していないが、保持枠401と保持枠402とを一体的に連結させるための一体化部材が、保持枠401と保持枠402に設けられている。保持枠401と保持枠402とを一体的に連結させることにより、環状部401bおよび保持枠402各々を上底面および下底面とする円柱形状が形成される。リール2Lは、一体的に連結された環状部401bおよび保持枠402各々の外周面にリールシート400を貼付することにより完成する。リール2Cおよびリール2Rについても同様である。
リール支持板350Lは、合成樹脂材により板状に形成され、前端辺部は、側面視でリール2Lと同心をなし、かつ、該リール2Lよりも直径が小さい同心円の円弧形状に形成されており、この円弧状の前端辺部には、各リール2L、2C、2Rをリールボックス351に組み付けたときにおいて各リール2L、2C、2R間に形成される隙間を隠蔽する帯状のリール間隠蔽片410が、板状部の前端辺の長手方向に亘り該板状部に対し直交するように形成されている。
リール支持板350Lの上辺部におけるリール間隠蔽片410の後端から後側に離れた位置には、リールボックス351に取り付けるネジ353aの取付穴411aを有する取付片411が上向きに突設されているとともに、下部には、リールボックス351に取り付けるネジ354aの取付穴412aを有する取付片412が突設されている。また、後端面には、3つのリールが収容されるリールボックスの凹溝に嵌合される凸部413が後向きに突設されているとともに、該凸部413の後端中央位置には、差込片が差し込まれる水平なスリット414が形成されている。
下側の取付片412は、上側の取付片411よりも前面側(遊技者側)に配設されている。リールボックスの前面開口は上側に向けて背面側に傾倒するように形成されており、リールボックスの取付凹部が取付凹部よりも前面側(遊技者側)に配設されているのに対応している。このように構成されることで、組み付けられたリール2L、2C、2Rの前上部が前下部よりも大きく露呈する。そして、リール2L、2C、2Rは透視窓3の上方から下方に向けて図柄が移動するように縦回転するため、遊技者はリール2L、2C、2Rの前上部にて手前側に移動してくる図柄を見やすくなるので、図柄を狙いやすくなる。
リール支持板350Lの左側面略中央位置には、リールモータ32Lが取り付けられる直方形状をなすモータ取付凸部415が、リール支持板350Lの左側面350aに突設されており、このモータ取付凸部415の取付面415bには、リールモータ32Lが、ロータ32dが左側を向くように右側方からネジ415aにより取り付けられている。
モータ取付凸部415の前方には、LEDユニット55Lが取り付けられるLEDユニット取付凸部418が、リール支持板350Lの左側面350aに突設されており、このLEDユニット取付凸部418の取付面418bには、LEDユニット55Lが、左側方からネジ418aにより取り付けられている。
リールLED55は、リフレクタ417と、前面の上段、中段、下段それぞれに、照射手段としての左右一対のリールLED55が配設されたリールLED基板416と、から構成され、リフレクタ417の背面には、リールLED基板416がネジ416aにより取り付けられている。
リフレクタ417は、上段の2つのリールLED55を前方に臨ませる上穴、中段の2つのリールLED55を前方に臨ませる中穴、下段の2つのリールLED55を前方に臨ませる下穴がそれぞれ背面に形成されるとともに、各穴間を区画する2枚の区画板により上・中・下段に区画されており、リール2Lにおける可変表示領域における上段の図柄、中段の図柄、下段の図柄それぞれを、リール2Lの内側、つまり、リールシート400の背面側から前方に向けて個別に照射できるようになっている。
LEDユニット取付凸部418は、モータ取付凸部415から所定の隙間を隔てた前方位置に形成されており、これらモータ取付凸部415とLEDユニット取付凸部418との間には、補強用凸部425がモータ取付凸部415とLEDユニット取付凸部418とを連結するように形成されている。
モータ取付凸部415及びLEDユニット取付凸部418は、左側面350aにおけるリール2Lにより囲まれる領域に形成されている。つまり、リールモータ32L及びLEDユニット55Lは、環状のリール2L内に納まるように配設される。
図20及び図21に示すように、リール支持板350Lの左側面350aにおけるモータ取付凸部415の上方位置には、リールLED基板416に接続される配線C2を係止するための配線フック419が形成されているとともに、その後側には、リールLED基板416に接続される配線C2と、リールモータ32L及びリールセンサ33Lそれぞれに接続される配線が収束された配線C1と、をまとめて右側に挿通するための配線穴420が形成されている。
[リールシート400について]
次に、図22を用いて、リールシート400について説明する。ここでは、左リール2Lのリールシート400Lについて説明するが、他のリール2C、2Rのリールシート400C、400Rについて構成は同様である。リールシート400は、環状に湾曲可能な帯状の透明部材に対して、図柄が印刷された帯状の図柄シートが長手方向に沿って接着されることにより形成される。リールシート400の図柄については、有色インク等で印刷され(たとえば、ベル図柄であれば黄色で印刷され)、図柄以外の部分については、所定の色(本実施の形態では白色)インクなどで印刷されている。つまり、白色を背景とし、所定間隔で図柄が描かれたリールシート400が形成される。
さらに、本実施の形態では、「7」図柄(網7、黒7、白7)に、透過部502が設けられる。本実施の形態の透過部502は星形形状である。透過部502は、透過部502以外の部分よりも、透過率(透過度)が高くなる処理が施されている。したがって、リールLED55Lから照射された光の透過する光量は、透過部502の方が、透過部502以外の部分よりも多くなる。このため、「7」図柄に照射されたときには、透過部502が光っているように、遊技者に視認させることができる。
さらに、透過部502は縮み印刷により形成されている。縮み印刷とは、図柄の表面にシワを発生させることにより、光の乱反射を生じさせる印刷手法である。したがって、LEDユニット55Lから透過部502に光が照射されることにより、当該光が乱反射され透過部502を輝かせて(つまり、星がキラキラするように)遊技者に視認させることができる。透過部502については、透過部502以外の部分よりも透過率が高ければよく、縮み印刷を施さないようにしてもよい。
リールシート400Lの両端のうち、図柄番号が「0」の図柄(「スイカ」図柄)側の端を「一端505」とし、図柄番号が「20」の図柄(「ベル」図柄)側の端部を「他端504」とする。また、リールシート400の全領域は、全体図柄領域512と余り領域508Xとを含む。全体図柄領域512は、図柄が印刷される範囲内の領域である。また、余り領域508Xは、リールシート400の全領域のうち、一端505側の領域である。本実施の形態では、余り領域508Xは、図柄が印刷されていない領域である。
次に、各図柄の図柄領域について説明する。図柄領域は、各図柄が描かれる仮想的な(つまり、遊技者などからは視認できない)領域である。図柄領域は、全体図柄領域512の長手方向において、図柄の総数(本実施の形態では21個)で分割した矩形上の領域であり、全ての図柄領域は、同一の形状である。図柄領域の横辺の長さはリールシート400の幅となり、図柄領域の縦辺の長さは、全体図柄領域512の長手方向の長さを図柄の総数で分割した長さとなる。図柄シートの各図柄領域の中央に各図柄が形成されることで、各図柄を均等に(つまり、隣接する図柄間の距離を同一に)印刷することができる。図23に示すように、たとえば、図柄番号20のベル図柄の図柄領域は、図柄領域513Xである。
リールシート400のうち、余り領域508Xを有する箇所を「余り部508」とし、図柄領域513Xを有する箇所を「他端部513」とする。なお、図柄領域513Xの下辺を示す線は図柄領域513Xを特定しやすくするために記載したものであり、実際には線は描かれていない。
次に、余り領域508Xの詳細について説明する。余り領域508Xは、着色領域508Cと透明領域508Dとを含む。着色領域508Cは、全体図柄領域512における装飾と同じ装飾が施された領域であり、つまり、図柄そのものが形成されている領域以外の領域の色(白色)と同一の色が着色(装飾)されている領域である。また、透明領域508Dは着色(装飾)されておらず、透明となっている。該透明領域508Dは、透明部材の一部である。図柄シートの図柄が印刷されている領域は、全体図柄領域512と着色領域508Cに相当する。つまり、図柄シートの長手方向の長さを、透明部材の長手方向の長さよりも短くすることができるので、該図柄シートのコストを削減できる。また、透明部材の長手方向の長さは、図柄シートの長手方向の長さ以上であればよい。
全体図柄領域512と着色領域508Cとの境界線を「第1ライン508A」とし、着色領域508Cと透明領域508Dとの境界線を「第2ライン508B」という。なお、第1ライン508Aおよび第2ライン508Bは、着色領域508Cと、透明領域508Dとを特定しやすくするために記載したものであり、実際には第1ライン508Aおよび第2ライン508Bは描かれていない。
また、互いに隣接する図柄と図柄の間(たとえば、隣接する図柄領域において一致する辺上)であり、かつリールシート400Lの側方には、図柄とは別の装飾図柄506が印刷されている。図22の例では、装飾図柄506は、黒塗りされた菱形である。また、リールシート400Lの他端504には、装飾図柄506の下半分である第1装飾図柄506aが印刷されている。第1装飾図柄506aは、装飾図柄506の下半分であることから、三角形状である。図22の例では、該三角形状の一辺が、他端504の辺上に位置するように第1装飾図柄506aは印刷されている。また、着色領域508Cには、装飾図柄の上半分である第2装飾図柄506bが印刷されている。第1装飾図柄506aは、装飾図柄506の下半分であることから、三角形状である。図22の例では、該三角形状の一辺が、第2ライン508B上に位置するように第2装飾図柄506bは印刷されている。
[リールシート400の巻き付け処理]
次に、図23を用いて、リールシート400の巻き付け方について説明する。リールシート400の巻き付けは、作業員が手作業で実行するようにしてもよく、巻き付け装置により自動的に実行するようにしてもよい。本実施の形態では、作業員により手作業でリールシート400の巻き付けを行う一例について説明する。また、リールシート400の長手方向に沿って、両側方の縁であって、保持枠401、402に接着される位置に接着部が設けられている。ここで、接着部とは、接着剤や、両面テープなどである。
次に、リールシート400の巻き付け処理の流れについて説明する。まず、作業台の上に、全体図柄領域512の面が下向きになるようにリールシート400を広げて載置する。そして、保持枠401の環状部401bに付加された目印401dと、一端505とを一致させて、リールシート400の一側方と、環状部401bの外周部分とが、接着部により接着されるように、作業員が、リールシート400の延伸方向に保持枠401を転動させる。また、保持枠401を転動させることで、保持枠402も一体的に転動することから、リールシート400の他側方に設けられた接着部により、リールシート400の他側方と、保持枠402の環状部分とも接着される。
他端部513が余り部508よりも外側(上側)になるように、該他端部513と余り部508とが重ねられてリールシート400Lは巻かれる。つまり、図柄領域に描かれた図柄(図23の例では、ベル図柄)が外向きになるように、リールシート400はリール枠に対して環状に巻かれる。これにより、他端部513の図柄領域に描かれたベル図柄は、外側に臨むようになる。また、「余り部508の両面のうち、他端部513と対向する面(余り領域508Xの面)」、および「他端部513の両面のうち、ベル図柄が描かれている面と反対側の面」のうち少なくとも一方に接着部が設けられる。本実施の形態では、透明領域508Dに接着部が形成されて、該接着部により、図柄領域513Xが余り領域508Xと接着されて、リールシート400は、の保持枠401、402に巻かれる。
[位置ずれの検査方法について]
次に、各リール2L、2C、2Rの位置ずれの検査方法について説明する。図24、25は、リールシート400と、該リールシート400が環状に巻かれた保持枠401、402との側面図、斜視図である。リールシート400には、図24及び図25に示すように、該リールシート400の余り部508と他端部513とが重ねられることにより継ぎ目400aおよび重複部分422が形成される。
また、リールシート400は、保持枠401、402に対してその継ぎ目400aが特定の位置となるように取り付けられる。詳しくは、図24に示すように、保持枠401をリール取付盤405に相対回動不能に取り付け、さらにリール取付盤405をリールモータ32Lのロータ32dに相対回動不能に取り付け、リールユニット2を構成するリールボックス351に組み付けられた状態で、リール2Lが、リールセンサ33Lによってリール2Lの特定箇所(切欠部408)が検出される基準状態になった場合に、前面扉1bに形成された透視窓3を透して継ぎ目400aが視認可能となる位置となるようにリールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられる。
リール2Cについても同様であり、保持枠401をリール取付盤405に相対回動不能に取り付け、さらにリール取付盤405をリールモータ32Cのロータ32dに相対回動不能に取り付け、リールユニット2を構成するリールボックス351に組み付けられた状態で、リール2Cが、リールセンサ33Cによってリール2Lの特定箇所(切欠部408)が検出される基準状態になった場合に、前面扉1bに形成された透視窓3を透して継ぎ目400aが視認可能となる位置となるようにリールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられる。
リール2Rについても同様であり、保持枠401をリール取付盤405に相対回動不能に取り付け、さらにリール取付盤405をリールモータ32Rのロータ32dに相対回動不能に取り付け、リールユニット2を構成するリールボックス351に組み付けられた状態で、リール2Rが、リールセンサ33Rによってリール2Rの特定箇所(切欠部408)が検出される基準状態になった場合に、前面扉1bに形成された透視窓3を透して継ぎ目400aが視認可能となる位置となるようにリールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられる。
このため、図25に示すように、リール2L、2C、2Rがそれぞれ基準状態になった場合に、リール2L、2C、2Rそれぞれの継ぎ目400aが、リールボックス351に被覆されることなく視認可能となる位置であり、かつリールユニット2を筐体1aに取り付けて、前面扉1bによりその開放面を閉塞した状態において、前面扉1bに形成された透視窓3を透して視認可能となる位置に、一直線上に並ぶようになっている。
次に、リールシート400の位置ずれを発見するための検査方法について説明する。スロットマシン1の製造工程においてリールユニット2を筐体1aに取り付ける前にリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを検査する場合には、リール2L、2C、2Rをリールボックス351に組み付けた状態で、リールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405の切欠部408と、を一致させる。すなわちリール2L、2C、2Rの継ぎ目400aが特定の位置となるようにリール2L、2C、2Rを移動させる。この際、リールセンサ33L、33C、33Rにより切欠部408が検出されるまでリールモータ32L、32C、32Rに対して駆動信号を入力させることによりリールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405の切欠部408と、を一致させることができる。
そして、上記のリールユニット2を規定の位置に配置し、レーザーラインを照射する。この際、レーザーラインは、リールユニット2に組み付けられたリール2L、2C、2Rが、リールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405の切欠部408と、を一致させた場合にその継ぎ目400aが位置すべき位置を直線上に照射するようになっており、継ぎ目400aの位置と、レーザーラインが照射する位置と、を比較することにより、一致しなければリールシート400と保持枠401、402との位置ずれが生じていることを発見できる。なお、図24記載の検査器具については、変形例で説明する。
[第1ライン508A、および第2ライン508Bについて]
次に、第1ライン508Aおよび第2ライン508Bについて説明する。本実施の形態では、作業員の手作業により、各リール2L、2C、2Rのリールシートが保持枠401、402に巻かれるとして説明した。したがって、作業員の技量により、リールシート400を適切に巻けない場合がある。図26(A)は、リールシート400が適切に巻けられた場合の継ぎ目400a付近を示した図であり、図26(B)は、リールシート400が適切に巻けなかった場合の継ぎ目400a付近を示した図である。
本実施の形態では、図26(A)に示すように、リールシート400の適切な巻き方は、リールシートの他端504と、第1ライン508Aとが一致するような巻き方である。このような適切な巻き方がされることにより、隣接する図柄間の間隔を全て等しくすることができる。しかし、作業レベルが低い作業員によっては、適切に巻けない場合がある(不適切に巻く場合がある)。たとえば、リールシートの他端504と、第1ライン508Aとが一致せずに、リールシート400が巻かれる場合がある。たとえば、リールシート400不適切な巻き方として、該他端504と第2ライン508Bとが一致して巻かれる場合がある。このように不適切な巻き方がされた場合であっても、図26(B)に示すように、全体図柄領域512と同一の着色が施されている着色領域508Cが露出されることから、リールシート400が不自然に見えることを防止できる。
なお、他端504と第2ライン508Bとが一致して、リールシート400が巻かれた場合には、図柄番号20のベル図柄と図柄番号0のスイカ図柄との距離と、他の図柄番号の隣接する図柄間の距離とが異なるようになる。しかしながら、他端504と第2ライン508Bとが一致して、リールシート400が巻かれた場合には、第1装飾図柄506aと第2装飾図柄506bとが組み合わせられることにより、装飾図柄506が形成される。したがって、不適切な巻き方がされた場合であっても、このような距離が異なる事象により生じる不自然さを軽減できる。
なお、図26(A)に示すように、リールシート400が適切に巻かれた場合には、第2装飾図柄506bのみが露出されず、第1装飾図柄506aのみが露出される。遊技者は通常、リールの図柄に対して注目し、装飾図柄506については注目しない。したがって、リールシート400が適切に巻かれて、第2装飾図柄506bのみが露出されず、第1装飾図柄506aのみが露出されたとしても、リールシート400が不自然に見えることを防止できる。
また、他端504と、第1ライン508Aとが一致せず、他端504が、着色領域508C内に位置するようにリールシート400が巻き付けられたとしても、該他端504から第1ライン508Aまでの着色領域が露出されることになるから、リールシート400が不自然に見えることを防止できる。
[透過させるための加工について]
次に、図27を用いて、LEDユニット55から照射された光を透過させるための加工について説明する。図27(A)は、透過部502を有する「7」図柄を裏側から見た図であり、図27(B)は、透過部502を有さない図柄である「ベル」図柄を裏側から見た図である。
図27(A)に示すように、「7」図柄が描かれた全領域のうち、透過部502の領域については、フレーム550が施されていないが、透過部502以外の領域については、フレーム550が施されている。フレーム550とは、LEDユニット55からの光の透過率を下げる部材である。したがって、透過部502の領域では、当該透過部502以外の領域よりも光の透過率を向上させることができる。また、透過部502については、縮み印刷が施されていることから、LEDユニット55から照射された光を透過部502において乱反射させることができ、透過部502を輝かせて遊技者に視認させることができる。一方、「7」図柄以外の図柄(図27(B)の例では、ベル図柄)は、透過部502を有さないことから、全ての領域においてフレーム550が施される。
なお、フレーム550の施し方については、まず、図柄シートの全体図柄領域512に対して、図柄を印刷した後に、図柄シートを反転させて、各図柄の輪郭をかたどったフレーム550を該図柄と同座標に印刷する(各図柄の裏側をフレームで被覆する)ようにしてもよい。また、図柄の印刷とフレームの印刷を同時に行う(つまり、図柄とフレームとの両面印刷)ようにしてもよい。また、図柄シートの全体図柄領域512に対して、図柄を印刷した後に、作業員などによる手作業で、各図柄の輪郭をかたどったフレーム550を張り付ける(各図柄の裏側をフレームで被覆する)ようにしてもよい。また、図27の例では、各図柄の輪郭をかたどったフレーム550を用いた例を説明しているが、たとえば、1のフレームで全ての図柄を被覆するようにしてもよい。
1のフレームとは、たとえば、全体図柄領域512と同一の形状のフレームである。また、透明部材をフレームとして、図柄シートを貼り付けるようにしてもよい。これらの構成であっても、該フレームをくり抜くなどをして透過部502を形成するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、フレームを形成することにより、光の透過率を低下させるとして説明したが、光の透過率を向上させるようなフレームを形成させるようにしてもよい。
[リールシート400の重複部分422について]
次に、図28を用いて、リールシート400の重複部分422において、図柄領域513Xと余り領域508Xの関係について説明する。図28の例において、太線は、リールシート400の重複部分422を示している。本実施の形態では、図28(A)に示すように図柄領域513Xの面積と余り領域508Xの面積とが等しく設計されている。また、本実施の形態では、余り領域508Xの全領域に接着部が形成されて、該接着部により、余り部508が他端部513に接着される。図28(B)、(C)については変形例で説明する。
[AT抽選処理について]
メイン制御部41は、所定のAT抽選契機が成立したときにアシストタイム(以下、ATという)に制御するか否かを抽選するAT抽選処理を行う。所定のAT抽選契機は、AT抽選対象役が当選したことにより成立する契機である。AT抽選対象役は、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、中段チェリー、強チェリーである。
サブ制御部91は、メイン制御部41によりATに制御すると決定された(以下、「AT当選」という。)ときには、所定のAT当選報知契機が成立したときにAT当選を遊技者に対して報知するAT報知処理を行った後に、ATに制御するAT制御処理を行う。本実施の形態のAT抽選処理では、ナビストックを付与するか否かおよび付与する場合にはナビストック数を決定し、AT制御処理では、付与されているナビストック数に応じてATに制御する。1ナビストックは、たとえば50ゲーム消化するまでATに制御可能となる。AT報知処理では、AT当選したこと、または、AT当選したことにより付与されるナビストックを報知する。
また、サブ制御部91は、AT中においては、内部抽選処理によりたとえば図18、図19に示す所定のナビ対象役に当選したときに送信されるコマンド受信時に、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行する。このため、ATに制御されることにより、遊技者は有利となる。有利な図柄組合せとは、たとえば、リプレイGR1〜6当選時には昇格リプレイをいい、リプレイGR11〜13当選時には通常リプレイをいい、リプレイGR21〜23当選時には特殊リプレイをいい、左ベル1〜右ベル4当選時には右下がりベルあるいは中段ベルをいう。
図29は、AT抽選用テーブルの一例を示したものである。図29の例では、たとえば、AT抽選対象役としての弱スイカが当選したときには、95%の確率でナビストックが付与されないことが決定され、5%の確率で1ナビストックが付与されることが決定される。他のAT抽選対象役(強スイカ、弱チェリー、中段チェリー、強チェリー)が当選したときのAT当選確率、および付与されるATゲーム数の振分率については、図29に示す通りである。図29のAT抽選用テーブルは、メイン制御部41のROM41bに予め格納されている。以下では、1以上のナビストックの付与が決定されることを「ナビストック当選」という。
[ボタン演出について]
サブ制御部91は、AT当選した可能性を示唆するボタン演出を実行可能である。該ボタン演出を実行することにより、AT当選したかといった期待感を遊技者に抱かせることができる。ボタン演出は、液晶表示器51の所定表示領域51Aにボタン画像を表示することにより(図31参照)、演出用スイッチ56の操作を遊技者に対して要求する演出である。ボタン画像は、演出用スイッチ56を模倣した画像の中央に「PUSH」という文字画像が表示される画像である。ボタン演出を実行することにより、AT当選したのではないかといった期待感を遊技者に抱かせると共に、ゲームを進行させる以外の操作を遊技者に実行させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
メイン制御部41は、AT抽選対象役が当選したことによりAT抽選を実行した場合には、決定された付与ナビストック数(0〜3のいずれか)を特定可能なナビストック数コマンドをサブ制御部91に対して送信する。サブ制御部91は、受信したナビストック数コマンドを解析することにより、AT抽選により付与されるナビストック数を特定できる。
サブ制御部91は、ナビストック数コマンドを受信したときに、ボタン演出決定用テーブルと、該ナビストック数コマンドから特定されたナビストック数とに基づいてボタン演出を実行するか否か、およびボタン演出の態様を決定するボタン演出決定処理を実行する。ここで、ボタン演出の態様(またはボタン画像の態様)として、色彩態様、大きさ態様、および位置態様という3種類の態様がある。色彩とは、たとえば、色、色取り、色合い、模様、および柄などを含む概念である。
色彩態様は、ボタン画像の色彩を示す態様である。色彩態様は、白色態様と、縞模様態様と、虹色(レインボー)態様とを含む。白色態様は、ボタン画像を白色で表示する態様である。縞模様態様は、ボタン画像を縞模様で表示する態様である。虹色態様はボタン画像を虹色で表示する態様である。白色態様<縞模様態様<虹色態様となるような関係で、ナビストック数の期待値は高くなる。ここで、ナビストックの期待値とは、ナビストックの付与に関して遊技者が抱く期待度の高さを示す値であって、ナビストックに当選している可能性(割合または確率)の高さ、および、付与されているナビストック数の量(多さ)の双方を含む概念である。なお、変形例として、ナビストックの期待値には、ナビストックの当選確率、および付与ナビストック数のうちいずれか一方を含む概念としてもよい。
このように、虹色態様が、付与されるナビストック数の期待値が最も高い態様であり、縞模様態様が、付与されるナビストック数の期待値が2番目に高い態様であり、白色態様が、付与されるナビストック数の期待値が最も低い態様である。
大きさ態様は、ボタン画像の大きさを示す態様である。大きさ態様は、小態様と、大態様とを含む。小態様は、ボタン画像を小さく表示する態様である。大態様は、小態様よりもボタン画像を大きく表示する態様である。小態様<大態様となるような関係で、ナビストック数の期待値は高くなる。
位置態様は、ボタン画像の位置を示す態様である。位置態様は、左態様と、右態様とを含む。左態様は、遊技者から見て所定表示領域51Aの左側にボタン画像を表示する態様である。右態様は、遊技者から見て所定表示領域51Aの右側にボタン画像を表示する態様である。左態様<右態様となるような関係で、ナビストック数の期待値は高くなる。
図30は、ボタン演出決定処理で用いられるボタン演出決定用テーブルの一例を示したものである。図30の例では、ボタン演出の種類として、第1演出〜第6演出が定められている。図30の記載では、第1演出〜第6演出それぞれ下方の括弧書きで、該第1演出〜第6演出それぞれの態様として、ボタン画像の色(色彩態様)、ボタン画像の大きさ(大きさ態様)、ボタン画像の位置(位置態様)を示している。たとえば、第1演出の色彩態様は白態様であり、大きさ態様は小態様であり、位置態様は左態様であり、図30では(白、小、左)と示している。第1演出〜第6演出を実行するためのボタン演出データは、サブ制御部91のROM91bに予め格納されている。
ここで、図30の※印で示すように、(縞、小、左)、(虹、小、左)、(縞、大、左)、(虹、大、左)、(縞、小、右)、(虹、小、右)のボタン演出データについては存在しない(ROM91bに格納されていない)。つまり、縞模様態様であるボタン画像は、小態様および左態様のうちいずれの態様でも表示されない。虹色態様であるボタン画像は、小態様および左態様のうちいずれの態様でも表示されない。
図30の例では、付与することが決定されたナビストック数に応じて、「ボタン演出実行なし」、および第1演出〜第6演出それぞれについて、決定確率が振り分けられている。たとえば、付与することが決定されたナビストック数が0の場合には、「ボタン演出実行なし」が決定される確率は62%、第1演出〜第4演出の実行が決定される確率はそれぞれ9%、第5演出の実行が決定される確率は2%、第6演出の実行が決定される確率は0%となる。
図30の例では、付与することが決定されたナビストック数が多いほど第5演出または第6演出が実行される割合が高くなるようにボタン演出決定用テーブルは設定されている。一方、付与することが決定されたナビストック数が少ないほどボタン演出実行なし、または第1演出が実行される割合が高くなるようにボタン演出決定用テーブルは設定されている。
このように、たとえば、第5演出または第6演出が実行されることにより、ナビストック数の期待値が高いという期待感を遊技者に抱かせることができ、たとえば、第1演出が実行されることによりナビストック数の期待値が少ないと予想させることができる。
図31は、ボタン演出の具体例を示したものである。図31(A)は、第5演出が実行されることにより表示されたボタン画像600Aを示したものである。ボタン画像600Aは、縞模様であり、表示領域51Aの右側に大きく表示される画像である。なお、第6演出は、特に図示しないが、ボタン画像600Aの縞模様が虹色に代替されたボタン画像が表示される演出である。
図31(B)は、第1演出が実行されることにより表示されたボタン画像600Bを示したものである。ボタン画像600Bは、白色態様であり、左態様かつ小態様で表示される画像である。
図31(C)は、第3演出が実行されることにより表示されたボタン画像600Cを示したものである。ボタン画像600Cは、白色態様であり、右態様かつ小態様で表示される画像である。
図31(D)は、第4演出が実行されることにより表示されたボタン画像600Dを示したものである。ボタン画像600Dは、白色態様であり、右態様かつ大態様で表示される画像である。なお、特に図示しないが、第2演出は、ボタン画像600Dが左側に(右態様ではなく左態様で)表示される演出である。
このように、白色のボタン画像は、大きく表示されることもあり、小さく表示されることもある。
一方、図30の※印で示したボタン演出データに基づくボタン画像は表示されることはない。たとえば、図31(E)に示すように、縞模様のボタン画像は、小態様および右態様で表示されることはない。また、図31(F)に示すように、縞模様のボタン画像は、小態様および左態様で表示されることはない。つまり、縞模様のボタン画像は小態様で表示されることはない。また、縞模様のボタン画像については、虹色のボタン画像に代替され、図31(E)、図31(F)に示すように、虹色のボタン画像も小態様で表示されることはない。
このように、縞模様のボタン画像または虹色ボタン画像は、小さく表示されることはなく大きく(大態様で)表示される。また、縞模様のボタン画像または虹色ボタン画像は、表示領域51Aの左側に表示されることはなく右側に(右態様で)表示される。
なお、第2演出は実行しないようにしてもよい。つまり、(白、大、左)のボタン演出データについてはROM91bに格納しないようにしてもよい。第2演出を実行することにより、大態様である白いボタン画像が左態様に表示されることから、遊技者にナビストック数の期待値を認識させ難くなる虞があるからである。
[ドア開放エラー解除処理]
図32を参照しながら、メイン制御部41が実行するドア開放エラー解除処理について説明する。ドア開放エラー解除処理は、店員がドア開放エラー状態を解除するための処理であり、割込処理によって実行される。
メイン制御部41は、リセットスイッチ23が操作されたか否かを判定する(S10)。メイン制御部41は、リセットスイッチ23が操作されていないと判定したときには(S10でN)、ドア開放エラー解除処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、リセットスイッチ23が操作されたと判定したときには(S10でY)、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態であるか否かを判定する(S11)。メイン制御部41は、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がOFF状態であると判定したときには(S11でN)、エラーの解除の異常を特定可能なエラー解除異常コマンドをサブ制御部91に対して送信し(S12)、ドア開放エラー解除処理を終了する。つまり、メイン制御部41は、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入が検知されていないにも関わらず、エラー状態を解除するためにリセットスイッチ23が操作されたときに、サブ制御部91に対してエラー解除異常コマンドを送信する。
サブ制御部91は、エラー解除異常コマンドを受信したときに、エラー解除の異常を特定可能な情報を報知する。たとえば、サブ制御部91は、液晶表示器51の画面上に「エラー解除異常」の文字画像を表示するとともに、スピーカ53、54から「エラー解除の異常です」の音声を出力する。
一方、メイン制御部41は、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態であると判定したときには(S11でY)、ドアセンサ60の検知信号がON状態であるか否かを判定する(S13)。メイン制御部41は、ドアセンサ60の検知信号がOFF状態であると判定したときには(S13でN)、ドア開放エラー解除処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、ドアセンサ60の検知信号がON状態であると判定したときには(S13でY)、現在がドア開放エラー状態であるか否かを判定する(S14)。メイン制御部41は、ドア開放エラー状態ではない、つまり、すでにドア開放エラーが解除されていると判定したときには(S14でN)、ドア開放エラー解除処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、未だドア開放エラー状態であると判定したときには(S14でY)、リセットスイッチ23のカバー23aが開放されているか否かを判定する(S15)。メイン制御部41は、リセットスイッチ23のカバー23aが閉鎖されていると判定したときには(S15でN)、ドア開放エラー解除処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、リセットスイッチ23のカバー23aが開放されていると判定したときには(S15でY)、S10におけるリセットスイッチ23の操作に基づく操作信号を有効に受け付け、ドア開放エラー状態を解除する(S16)。その後、メイン制御部41は、ドア開放エラーが解除されたことを特定可能なドア開放エラー解除コマンドをサブ制御部91に送信し(S17)、ドア開放エラー解除処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態であり、かつドアセンサ60の検知信号がON状態であることを条件に、リセットスイッチ23の操作に基づく操作信号が有効に受け付けられてドア開放エラーが解除される。言い換えると、リセットスイッチ23が操作されても、ドアキー70dが鍵穴70aに挿入されていないとき、さらには、前面扉1bが閉鎖状態であるときには、リセットスイッチ23の操作に基づく処理が行われず、ドア開放エラーの解除が禁止される。これにより、ドア開放エラーの解除が不正に行われてしまうことを防止することができる。
しかも、リセットスイッチ23はカバー23aで覆われており、カバー23aの開放が検知されないとリセットスイッチ23の操作が有効に受け付けられず、ドア開放エラー状態を解除することができない。このため、不正にドア開放エラー状態を解除することをより効果的に防止することができる。
また、本実施の形態においては、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入が検知されていないにも関わらず、エラー状態を解除するためにリセットスイッチ23が操作されたときには、液晶表示器51の画面上に「エラー解除異常」の文字画像を表示されるとともに、スピーカ53、54から「エラー解除の異常です」の音声が出力されるため、外部にエラー解除異常の発生を報知することができる。
[設定確認処理]
図33を参照しながら、メイン制御部41が実行する設定確認処理について説明する。設定確認処理は、店員が払出率の設定値を確認するための処理であり、割込処理によって実行される。
メイン制御部41は、設定キースイッチ37がON状態となるように鍵操作されたか否かを判定する(S20)。メイン制御部41は、設定キースイッチ37がON状態にされていないと判定したときには(S20でN)、設定確認処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、設定キースイッチ37がON状態にされたと判定したときには(S20でY)、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態であるか否かを判定する(S21)。メイン制御部41は、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がOFF状態であると判定したときには(S21でN)、設定確認の異常を特定可能な設定確認異常コマンドをサブ制御部91に対して送信し(S22)、設定確認処理を終了する。つまり、メイン制御部41は、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入が検知されていないにも関わらず、設定確認するために設定キースイッチ37が操作されたときに、サブ制御部91に対して設定確認異常コマンドを送信する。
サブ制御部91は、設定確認異常コマンドを受信したときに、設定確認の異常を特定可能な情報を報知する。たとえば、サブ制御部91は、液晶表示器51の画面上に「設定確認異常」の文字画像を表示するとともに、スピーカ53、54から「設定確認の異常です」の音声を出力する。
一方、メイン制御部41は、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態であると判定したときには(S21でY)、ドアセンサ60の検知信号がON状態であるか否かを判定する(S23)。メイン制御部41は、ドアセンサ60の検知信号がOFF状態であると判定したときには(S23でN)、設定確認処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、ドアセンサ60の検知信号がON状態であると判定したときには(S23でY)、ドア開放エラーが解除されているか否かを判定する(S24)。メイン制御部41は、未だドア開放エラーが解除されていないと判定したときには(S24でN)、設定確認処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、ドア開放エラー状態がすでに解除されていると判定したときには(S24でY)、設定キー挿入センサ37bの検知信号がON状態であるか否かを判定する(S25)。メイン制御部41は、設定キー挿入センサ37bの検知信号がOFF状態であると判定したときには(S25でN)、サブ制御部91に対して設定確認異常コマンドを送信し(S22)、設定確認処理を終了する。つまり、メイン制御部41は、鍵穴37aへの設定キー37dの挿入が検知されていないにも関わらず、設定確認するために設定キースイッチ37が操作されたときに、サブ制御部91に対して設定確認異常コマンドを送信する。
一方、メイン制御部41は、設定キー挿入センサ37bの検知信号がON状態であると判定したときには(S25でY)、S20における設定キースイッチ37の操作に基づく操作信号を有効に受け付け、サブ制御部91に対して設定確認状態に移行することを特定可能な確認開始コマンドを送信し(S26)、設定確認状態に移行する(S27)。
設定確認状態において、メイン制御部41は、RAM41cから現在の設定値を読み出し、読み出した設定値を表示値に変換し(S28)、変換した表示値を設定値表示器24に表示する(S29)。
その後、メイン制御部41は、設定キースイッチ37がOFFとなるように鍵操作されたか否かを判定する(S30)。メイン制御部41は、設定キースイッチ37がOFF状態にされていないと判定したときには(S30でN)、設定キースイッチ37がOFF状態にされるまで待機する。
一方、メイン制御部41は、設定キースイッチ37がOFF状態にされたと判定したときには(S30でY)、サブ制御部91に対して設定確認状態を終了することを特定可能な確認終了コマンドを送信し(S31)、設定確認状態を終了する(S32)。その後、メイン制御部41は、設定確認処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態であり、かつドアセンサ60の検知信号がON状態であり、かつドア開放エラーが解除され、かつ設定キー挿入センサ37bの検知信号がON状態であることを条件に、設定キースイッチ37の操作に基づく操作信号が有効に受け付けられて設定確認状態に移行する。言い換えると、設定キー37dを用いることなく設定キースイッチ37の鍵操作が不正にされてしまっても、ドアキー70dが鍵穴70aに挿入されていないとき、前面扉1bが閉鎖状態であるとき、ドア開放エラーが解除されていないとき、さらには、設定キー37dが鍵穴37aに挿入されていないときには、設定キースイッチ37の操作に基づく処理が行われず、設定確認状態への移行が禁止される。これにより、不正に設定値を確認されてしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態においては、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入が検知されていない、さらには、鍵穴37aへの設定キー37dの挿入が検知されていないにも関わらず、設定確認するために設定キースイッチ37が操作されたときには、液晶表示器51の画面上に「設定確認異常」の文字画像を表示されるとともに、スピーカ53、54から「設定確認の異常です」の音声が出力されるため、外部に設定確認異常の発生を報知することができる。
[設定変更処理]
図34を参照しながら、メイン制御部41が実行する設定変更処理について説明する。設定変更処理は、店員が払出率の設定値を変更するための処理であり、割込処理によって実行される。
メイン制御部41は、電源の切替後に設定キースイッチ37がON状態にされたか否かを判定する(S40)。つまり、メイン制御部41は、スロットマシン1の電源がOFF状態からON状態に切り替わったときに、設定キースイッチ37がON状態になっているか否かを判定する。メイン制御部41は、設定キースイッチ37がOFF状態であると判定したときには(S40でN)、設定変更処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、設定キースイッチ37がON状態であると判定したときには(S40でY)、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態であるか否かを判定する(S41)。メイン制御部41は、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がOFF状態であると判定したときには(S41でN)、設定変更の異常を特定可能な設定変更異常コマンドをサブ制御部91に対して送信し(S42)、設定変更処理を終了する。つまり、メイン制御部41は、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入が検知されていないにも関わらず、設定変更するために設定キースイッチ37が操作されたときに、サブ制御部91に対して設定変更異常コマンドを送信する。
サブ制御部91は、設定変更異常コマンドを受信したときに、設定変更の異常を特定可能な情報を報知する。たとえば、サブ制御部91は、液晶表示器51の画面上に「設定変更異常」の文字画像を表示するとともに、スピーカ53、54から「設定変更の異常です」の音声を出力する。
一方、メイン制御部41は、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態であると判定したときには(S41でY)、ドアセンサ60の検知信号がON状態であるか否かを判定する(S43)。メイン制御部41は、ドアセンサ60の検知信号がOFF状態であると判定したときには(S43でN)、設定変更処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、ドアセンサ60の検知信号がON状態であると判定したときには(S43でY)、ドア開放エラーが解除されているか否かを判定する(S44)。メイン制御部41は、未だドア開放エラーが解除されていないと判定したときには(S44でN)、設定変更処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、すでにドア開放エラーが解除されていると判定したときには(S44でY)、設定キー挿入センサ37bの検知信号がON状態であるか否かを判定する(S45)。メイン制御部41は、設定キー挿入センサ37bの検知信号がOFF状態であると判定したときには(S45でN)、サブ制御部91に対して設定変更異常コマンドを送信し(S42)、設定変更処理を終了する。つまり、メイン制御部41は、鍵穴37aへの設定キー37dの挿入が検知されていないにも関わらず、設定変更するために設定キースイッチ37が操作されたときに、サブ制御部91に対して設定変更異常コマンドを送信する。
一方、メイン制御部41は、設定キー挿入センサ37bの検知信号がON状態であると判定したときには(S45でY)、S40における設定キースイッチ37の操作に基づく操作信号を有効に受け付け、サブ制御部91に対して設定変更状態に移行することを特定可能な設定開始コマンドを送信する(S46)。その後、メイン制御部41は、設定変更状態に移行する(S47)。
設定変更状態において、メイン制御部41は、RAM41cから現在の設定値を読み出し、読み出した設定値を表示値に変換し(S48)、変換した表示値を設定値表示器24に表示する(S49)。その後、メイン制御部41は、店員によって設定スイッチ38が操作されたか否かを判定する(S50)。メイン制御部41は、所定期間内に設定スイッチ38が操作されたと判定したときには(S50でY)、表示値を1更新し(S51)、更新後の表示値を設定値表示器24に表示する(S49)。
一方、メイン制御部41は、所定期間内に設定スイッチ38が操作されなかったと判定したときには(S50でN)、スタートスイッチ7が操作されたか否かを判定する(S52)。メイン制御部41は、所定期間内にスタートスイッチ7が操作されなかったと判定したときには(S52でN)、S50の処理に戻る。
一方、メイン制御部41は、所定期間内にスタートスイッチ7が操作されたと判定したときには(S52でY)、設定値表示器24に表示された表示値を設定値に変換して、RAM41cに記憶する(S53)。
次に、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して設定変更状態を終了することを特定可能な設定終了コマンドを送信する(S54)。その後、メイン制御部41は、設定変更状態を終了し(S55)、設定変更処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態であり、かつドアセンサ60の検知信号がON状態であり、かつドア開放エラーが解除され、かつ設定キー挿入センサ37bの検知信号がON状態であることを条件に、設定キースイッチ37の操作に基づく操作信号が有効に受け付けられて設定変更状態に移行する。言い換えると、設定キー37dを用いることなく設定キースイッチ37の鍵操作が不正にされてしまっても、ドアキー70dが鍵穴70aに挿入されていないとき、前面扉1bが閉鎖状態であるとき、ドア開放エラーが解除されていないとき、さらには、設定キー37dが鍵穴37aに挿入されていないときには、設定キースイッチ37の操作に基づく処理が行われず、設定変更状態への移行が禁止される。これにより、不正に設定値を変更されてしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態においては、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入が検知されていない、さらには、鍵穴37aへの設定キー37dの挿入が検知されていないにも関わらず、設定変更するために設定キースイッチ37が操作されたときには、液晶表示器51の画面上に「設定変更異常」の文字画像を表示されるとともに、スピーカ53、54から「設定変更の異常です」の音声が出力されるため、外部に設定変更異常の発生を報知することができる。
[演出設定処理]
図35を参照しながら、サブ制御部91が実行する演出設定処理について説明する。演出設定処理は、店員が遊技中の演出態様の基準となる設定を変更するための処理であり、割込処理によって実行される。
演出設定処理が実行されることによって、店員は、演出における音量の基準となる大きさ(音量段階)と、演出における光量の基準となる大きさ(光量段階)とを設定することができる。さらに、演出設定処理が実行されることによって、店員は、非節電状態となる通常モードまたは節電状態となる節電モードを設定することができる。
メイン制御部41は、演出設定スイッチ80のチャンネルが切り替えられたか否かを判定する(S60)。メイン制御部41は、演出設定スイッチ80のチャンネルが切り替えられたと判定したときには(S60でY)、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態であるか否かを判定する(S61)。メイン制御部41は、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がOFF状態であると判定したときには(S61でN)、音量段階および光量段階の設定の異常を特定可能な演出設定異常コマンドをサブ制御部91に対して送信し(S62)、演出設定処理を終了する。つまり、メイン制御部41は、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入が検知されていないにも関わらず、音量段階および光量段階を変更するために演出設定スイッチ80が操作されたときに、サブ制御部91に対して演出設定異常コマンドを送信する。
サブ制御部91は、演出設定異常コマンドを受信したときに、音量段階および光量段階の変更の異常を特定可能な情報を報知する。たとえば、サブ制御部91は、液晶表示器51の画面上に「演出設定変更異常」の文字画像を表示するとともに、スピーカ53、54から「演出設定変更の異常です」の音声を出力する。
一方、メイン制御部41は、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態であると判定したときには(S61でY)、ドアセンサ60の検知信号がON状態であるか否かを判定する(S63)。メイン制御部41は、ドアセンサ60の検知信号がOFF状態であると判定したときには(S63でN)、演出設定処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、ドアセンサ60の検知信号がON状態であると判定したときには(S63でY)、ドア開放エラー解除コマンドを受信したか否かを判定する(S64)。メイン制御部41は、未だドア開放エラー解除コマンドを受信していないと判定したときには(S64でN)、演出設定処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、すでにドア開放エラー解除コマンドを受信していると判定したときには(S64でY)、S60における演出設定スイッチ80のチャンネル切替操作に基づく操作信号を有効に受け付け、演出における音量および光量の基準となる大きさを、切り替え後のチャンネル設定に対応する音量段階および光量段階に設定する(S65)。その後、メイン制御部41は、演出設定処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態であり、かつドアセンサ60の検知信号がON状態であり、かつドア開放エラーが解除されていることを条件に、演出設定スイッチ80の操作に基づく操作信号が有効に受け付けられて音量段階および光量段階を設定することができる。言い換えると、演出設定スイッチ80が操作されても、ドアキー70dが鍵穴70aに挿入されていないとき、前面扉1bが閉鎖状態であるとき、さらには、ドア開放エラーが解除されていないときには、演出設定スイッチ80の操作に基づく処理が行われず、音量段階および光量段階の設定が禁止される。これにより、不正に音量段階および光量段階が設定されてしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態においては、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入が検知されていないにも関わらず、音量段階および光量段階を設定するために演出設定スイッチ80が操作されたときには、液晶表示器51の画面上に「演出設定変更異常」の文字画像を表示されるとともに、スピーカ53、54から「演出設定変更の異常です」の音声が出力されるため、外部に演出設定変更異常の発生を報知することができる。
一方、メイン制御部41は、演出設定スイッチ80のチャンネルが切り替えられていないと判定したときには(S60でN)、全てのストップスイッチが長押しされたか否かを判定する(S66)。メイン制御部41は、ストップスイッチが長押しされなかったと判定したときには(S67でN)、演出設定処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、ストップスイッチが長押しされたと判定したときには(S66でY)、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態であるか否かを判定する(S67)。メイン制御部41は、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がOFF状態であると判定したときには(S67でN)、節電モードの設定の異常を特定可能な節電モード異常コマンドをサブ制御部91に対して送信し(S68)、演出設定処理を終了する。つまり、メイン制御部41は、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入が検知されていないにも関わらず、節電モードを設定するためにストップスイッチが長押しされたときに、サブ制御部91に対して節電モード異常コマンドを送信する。
サブ制御部91は、節電モード異常コマンドを受信したときに、節電モードの設定の異常を特定可能な情報を報知する。たとえば、サブ制御部91は、液晶表示器51の画面上に「節電モード設定異常」の文字画像を表示するとともに、スピーカ53、54から「節電モード設定の異常です」の音声を出力する。
一方、メイン制御部41は、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態であると判定したときには(S67でY)、ドアセンサ60の検知信号がON状態であるか否かを判定する(S69)。メイン制御部41は、ドアセンサ60の検知信号がOFF状態であると判定したときには(S69でN)、演出設定処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、ドアセンサ60の検知信号がON状態であると判定したときには(S69でY)、ドア開放エラー解除コマンドを受信したか否かを判定する(S70)。メイン制御部41は、未だドア開放エラー解除コマンドを受信していないと判定したときには(S70でN)、演出設定処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、すでにドア開放エラー解除コマンドを受信していると判定したときには(S70でY)、S60におけるストップスイッチの長押し操作に基づく操作信号を有効に受け付け、サブ制御部91に対してモード選択状態に移行することを特定可能なモード選択開始コマンドを送信する(S71)。
モード選択状態において、メイン制御部41は、店員によって通常モードまたは節電モードが選択されたか否かを判定する(S72)。メイン制御部41は、所定期間内にいずれかのモードが選択されたと判定したときには(S72でY)、選択されたモードを設定する(S73)。その後、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して選択されたモードを特定可能なモード特定コマンドを送信する(S74)。これにより、サブ制御部91は、選択されたモードに応じて各種の演出手段を制御する。たとえば、節電モードに設定されたときには、通常モード時に比べて、演出に用いるLEDの数を減らしたり、LEDの光量を下げたりといった制御を行う。
一方、メイン制御部41は、所定期間内にいずれのモードも選択されなかったと判定したとき(S72でN)、またはモード特定コマンドを送信した後(S74の後)には、終了操作されたか否かを判定する(S75)。この終了操作は、スタートスイッチ7を長押しすることによって行われる。メイン制御部41は、所定期間内に終了操作されなかったと判定したときには(S75でN)、S72の処理に戻る。
一方、メイン制御部41は、所定期間内にスタートスイッチ7が長押しされたと判定したときには(S75でY)、サブ制御部91に対してモード選択状態を終了することを特定可能なモード選択終了コマンドを送信し(S76)、演出設定処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態であり、かつドアセンサ60の検知信号がON状態であり、かつドア開放エラーが解除されていることを条件に、ストップスイッチの長押し操作に基づく操作信号が有効に受け付けられて節電モードを設定することができる。言い換えると、ストップスイッチの長押し操作がされても、ドアキー70dが鍵穴70aに挿入されていないとき、前面扉1bが閉鎖状態であるとき、さらには、ドア開放エラーが解除されていないときには、ストップスイッチの長押し操作に基づく処理が行われず、節電モードの設定が禁止される。これにより、不正あるいは誤って節電モードが設定されてしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態においては、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入が検知されていないにも関わらず、節電モードを設定するためにストップスイッチが長押し操作されたときには、液晶表示器51の画面上に「節電モード設定異常」の文字画像を表示されるとともに、スピーカ53、54から「節電モード設定の異常です」の音声が出力されるため、外部に節電モード設定異常の発生を報知することができる。
[遊技進行異常処理]
図36を参照しながら、メイン制御部41が実行する遊技進行異常処理について説明する。遊技進行異常処理は、遊技の進行異常を外部に報知するための処理であり、割込処理によって実行される。
メイン制御部41は、遊技を進行させる操作(たとえば、リールを回転させるためのスタートスイッチ7の操作、リールを停止させるためのストップスイッチの操作)を検知したか否かを判定する(S80)。メイン制御部41は、遊技を進行させる操作を検知していないと判定したときには(S80でN)、遊技進行異常処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、遊技を進行させる操作を検知したと判定したときには(S80でY)、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態であるか否かを判定する(S81)。メイン制御部41は、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がON状態であると判定したときには(S81でY)、遊技の進行の異常を特定可能な遊技進行異常コマンドをサブ制御部91に対して送信し(S82)、遊技進行異常処理を終了する。
サブ制御部91は、遊技進行異常コマンドを受信したときに、遊技の進行異常を特定可能な情報を報知する。たとえば、サブ制御部91は、液晶表示器51の画面上に「遊技進行異常」の文字画像を表示するとともに、スピーカ53、54から「遊技進行の異常です」の音声を出力する。
一方、メイン制御部41は、ドアキー挿入センサ70bの検知信号がOFF状態であると判定したときには(S81でN)、設定キー挿入センサ37bの検知信号がON状態であるか否かを判定する(S83)。メイン制御部41は、設定キー挿入センサ37bの検知信号がON状態であると判定したときには(S83でY)、サブ制御部91に対して遊技進行異常コマンドを送信し(S82)、遊技進行異常処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、設定キー挿入センサ37bの検知信号がOFF状態であると判定したときには(S83でN)、遊技進行異常処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入が検知されている、さらには、鍵穴37aへの設定キー37dの挿入が検知されているにも関わらず、遊技を進行させる操作がされたときには、液晶表示器51の画面上に「遊技進行異常」の文字画像を表示されるとともに、スピーカ53、54から「遊技進行の異常です」の音声が出力されるため、外部に遊技進行異常の発生を報知することができる。
[実施の形態による主な効果]
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図30の※印で示したボタン演出データに基づくボタン演出が実行されるスロットマシンでは、虹色態様や縞模様態様のボタン画像が、大態様および小態様のいずれかで表示されることになるので、虹色態様や縞模様を遊技者が認識し難くなることから、ナビストック数の期待度も認識し難くなり、遊技者の困惑を招く。
これに対し、前述した実施の形態におけるスロットマシンでは、サブ制御部91により虹色態様となるボタン演出を、大態様で実行され得る一方、小態様では実行させない(図30、図31参照)。つまり、虹色態様でのボタン演出は、大態様および小態様のうち一の態様(つまり大態様)のみで実行される。このため、虹色態様でボタン演出が実行されたことを容易に遊技者に認識させることができ、遊技者を困惑させ難くすることができる。また、虹色であるボタン画像は、大態様で表示領域51Aに表示されることから、ボタン画像の色彩が虹色であることを容易に遊技者に認識させることができ、遊技者を困惑させ難くすることができる。
(2) サブ制御部91は、縞模様態様となるボタン演出を大態様で実行する一方、小態様では実行しない(図30、図31参照)。したがって、縞模様態様でのボタン演出は、大態様および小態様のうち一の態様(つまり大態様)のみで実行されることから、縞模様態様でボタン演出が実行されたことを容易に遊技者に認識させることができる。また、縞模様であるボタン画像は、大態様で表示領域51Aに表示されることから、ボタン画像の色彩が縞模様であることを容易に遊技者に認識させることができる。
(3) 図30の※印で示したボタン演出データに基づくボタン演出が実行されるスロットマシンでは、虹色態様や縞模様態様のボタン画像が、左態様および右態様のいずれかで表示されることになるので、虹色態様や縞模様を遊技者が認識し難くなることから、ナビストック数の期待度も認識し難くなり、遊技者の困惑を招く。
これに対し、前述した実施の形態におけるスロットマシンでは、サブ制御部91により虹色態様となるボタン演出を、右態様で実行され得る一方、左態様では実行させない(図30、図31参照)。つまり、虹色態様でのボタン演出は、右態様および左態様のうち一の態様(つまり右態様)のみで実行される。このため、虹色態様でボタン演出が実行されたことを容易に遊技者に認識させることができ、遊技者を困惑させ難くすることができる。
(4) サブ制御部91は、縞模様態様となるボタン演出を、右態様で実行する一方、左態様では実行しない(図30、図31参照)。したがって、縞模様態様でのボタン演出は、右態様および左態様のうち一の態様(つまり右態様)のみで実行されることから、縞模様態様でボタン演出が実行されたことを容易に遊技者に認識させることができ、遊技者を困惑させ難くすることができる。
(5) ボタン演出の態様として、3種類の色彩態様、2種類の大きさ態様、2種類の位置態様とがある。そうすると、ボタン演出の態様の全体数として、12種類(=3×2×2)の態様が想定されることから、12種類のボタン演出が想定される。ところが、本実施形態のスロットマシンでは、“[実施の形態による主な効果]”の(1)〜(4)で説明した効果を奏するために、演出データとして、第1演出〜第6演出を実行するための演出データ(6種類の演出データ)を用い、図30の※印で示した画像データについては用いない。したがって、12種類のボタン演出を実行するスロットマシンよりも、本実施形態のスロットマシン(6種類のボタン演出を実行するスロットマシン)の方が、ボタン演出の演出データの削減を図ることができる。
(6) 本実施の形態では、図23に示されるように、余り部508(余り領域508X)の上に、他端部513(図柄領域513X)が重なるように、リールシート400は、保持枠401および402に巻かれる。環状に巻かれたリールシート400のうち、重複部分422については、余り部508および他端部513の二重構造になっていることから、重複部分422とは異なる部分(重複されていない部分)よりも光の透過率が低い。そこで、本実施の形態においては、重複部分422を形成している他端部513(図柄領域513X)には、透過部502を有さない図柄であるベル図柄510が描かれている。したがって、LEDユニット55から光を照射させたときの効果を損なわれることを防止することができる。
また、重複部分422以外の箇所(つまり、重複部分422よりも透過率が高い箇所)の所定位置には、透過部502を有する図柄(「7」図柄)が描かれている。したがって、透過部502を有する図柄に対して、LEDユニット55から光が照射されたときには、高い透過率で透過部502から当該光を透過させることができるので、「7」図柄を遊技者に綺麗に視認させることができ、LEDユニット55からの光を有効に活用することができる。さらに、本実施の形態では、透過部502については、縮み印刷で印刷されている。したがって、透過部502を輝かせて視認させることができる。
(7) 本実施の形態では、図22、図28(A)に示すように、図柄領域513Xの面積と余り領域508Xの面積とが等しく設計されており、余り領域の全領域に接着部が形成される。したがって、リールシート400の他端部513と余り部508とを堅固に固定することができる。
(8) 本実施の形態では、透過部502を有する「7」図柄が描かれている領域の面積(つまり、「7」図柄の大きさ)は、透過部502を有さない図柄(「7」図柄以外の図柄)が描かれている領域の面積(つまり、「7」図柄以外の図柄の大きさ)よりも大きい。したがって、透過部502を有する図柄の方を、透過部502を有さない図柄よりも、遊技者に目立たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図柄が描かれている領域とは、図柄そのものの領域としてもよい。図柄そのものの領域とは、該図柄の輪郭形状の領域であり、たとえば、ベル図柄そのものの領域とは、ベルの輪郭形状の領域である。
(9) 本実施の形態では、リールシート400の一端505を目印401dに一致させて、リールシート400は環状に巻きつけられる。したがって、たとえば、作業員による手作業によりリールシートの巻き付け処理が実行されるときには、リールシート400の巻き付け開始位置を作業員に容易に認識させることができるので、リールシートの巻き付け処理の負担を軽減することができる。
また、リールシート400の一端505を目印401d(図23、図26参照)に一致させて、リールシート400は環状に巻きつけられることにより、リール2L、2C、2Rそれぞれが基準状態であるときに、リール2L、2C、2Rそれぞれの継ぎ目400aを一直線上に並ぶように視認させることができる。したがって、位置ずれの検査方法の結果の信頼性を高めることができる。
(10) 本実施の形態の余り領域508Xは、着色領域508Cと透明領域508Dとを含む。したがって、リールシート400を適切に巻けなかったとしても(他端504と第2ライン508Bとが一致するように巻かれたとしても)、着色領域508Cが露出され得ることから、リールシート400が不自然に見えることを防止できる。また、リールシート400を適切に巻けなかったとしても、リールが基準状態になったときは、継ぎ目400aが視認可能となる位置となるように設計されることが好ましい。
また、余り領域508Xにおいて、着色領域508Cには装飾が施されている一方、透明領域508Dには、装飾が施されていない。したがって、装飾コストを削減することができる。
(11) 本実施の形態では、各リール2L、2C、2Rが基準状態のときには、各リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aが、一直線上となって(図25参照)、透視窓3から視認可能となる。したがって、該一直線上となった継ぎ目400aと、レーザーラインにて特定される正常位置とを比較することでリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを容易に発見することができる。
(12) 鍵を用いることなく、設定確認状態または設定変更状態に移行させるための鍵操作が不正にされてしまっても(図33のS20でYES、または図34のS40でYES)、鍵穴への鍵の挿入が検知されていなければ(図33のS25でNO、または図34のS45でNO)、たとえば、設定確認状態(図33のS27)に移行させたり、設定変更状態(図34のS47)に移行させたりしないので、これらの状態に不正に移行させることを防止することができる。
(13) ドア開放エラーを解除するためのリセットスイッチ23が操作されたときにおいて、ドアセンサの検知信号がON状態であるときには(S13のYES)、ドア開放エラー状態を解除する(S16)一方、ドアセンサの検知信号がOFF状態であるときには(S13のNO)、ドア開放エラー状態を解除しない(S16の処理を実行しない)。したがって、不正にドア開放エラー状態が解除されてしまうことを防止することができる。
[第2実施形態]
第1実施形態ではスロットマシン1について説明したが、図37および図38を参照しながら説明するパチンコ遊技機200に置き換えてもよい。パチンコ遊技機200は、スロットマシン1と同一の構成を一部含んでおり、同一の構成・処理について説明を省略し、異なる構成・処理について説明する。また、上記で説明した実施形態の内容は、パチンコ遊技機に適用してもよい。
パチンコ遊技機200の遊技領域の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置160が設けられるとともに、右下には遊技球を遊技領域に向けて発射する打球操作ハンドル190が設けられている。遊技球が所定の入賞口に入賞すると、特別変動表示装置(図示は省略)が特別第1特別図柄および第2特別図柄のうち少なくとも一方を変動表示させるとともに、演出表示装置160では、第1特別図柄および第2特別図柄のうち少なくとも一方の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示(可変表示、更新表示、または、巡回表示ともいう)が行われる。演出図柄の変動表示は、スクロール表示などの各種の変動態様で実行される。演出表示装置160では、表示画面上で演出図柄を表示する演出図柄表示領域が設けられており、当該演出図柄表示領域に、たとえば「左」、「中」、「右」の3つ(複数)の演出図柄を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。
遊技球が所定の入賞口(図示は省略)に入賞したが、所定の開始条件(大当り遊技中でなくかつ先に始動入賞した保留記憶に起因する可変表示が終了しているとき)が成立していないときには、所定の上限数の範囲内(たとえば、4個)で保留記憶情報として記憶する。保留記憶情報とは、たとえば、特定遊技状態(たとえば、大当り状態)に制御するか否かなどを特定するための情報である。
パチンコ遊技機200は、保留記憶に起因する可変表示において、演出図柄が特定の図柄組合せ(大当り図柄組合せ)で停止表示されれば「大当り」となり、特定遊技状態に制御される。
このようなパチンコ遊技機200は、図37および図38に示すように、額縁状の外枠100aに対して、前枠(セルともいう)100bとガラス扉100cとがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。パチンコ遊技機200は、背面側が開口しているため、パチンコ遊技機200の背面側からであれば、内部に設けられたスイッチや基板に触れることができる。しかし、通常、パチンコ遊技機200は遊技場に設置されるため、パチンコ遊技機200の背面が遊技場の壁に接するか、あるいは、他の遊技機と共に形成される遊技島においてパチンコ遊技機200の背面が他の遊技機の背面と接する。このため、通常、店員以外の者はパチンコ遊技機200の背面側から内部に設けられたスイッチや基板に触れることができない。一方、店員は、前枠100bやガラス扉100cを開放することによって、パチンコ遊技機200の前面側を開放状態にすることができるため、遊技機200が遊技場に設置されていても、内部に設けられたスイッチや基板に触れることができる。なお、以下では、パチンコ遊技機200が遊技場に設置された状態、すなわち、パチンコ遊技機200の背面側が開口していない状態を想定して説明する。
前枠100bにおける揺動中心とは反対側の端縁付近には、上下1対の係合突起104,106が設けられている。この係合突起104,106は、図示しないばねによって下方向に押圧されている。一方、外枠100aの係合突起104、106に対向する位置に、係合受け片105,107が設けられている。開放状態の前枠100bを外枠100aに押し付けることにより係合突起104,106が係合受け片105,107を乗り越え、乗り越えた状態でばねの付勢力により係合突起104,106が下方に移動し、閉鎖状態が維持される。このようにして、外枠100aに対して、前枠100bを閉鎖することができる。
前枠100bがパチンコ遊技機200の開口を閉鎖している状態(前枠100bが閉じている状態)においては前枠100bを閉鎖状態で施錠することもできる。たとえば、前枠100bがパチンコ遊技機200の開口を閉鎖している状態においては、係合突起104,106と係合受け片105,107とが係止して、前枠100bが閉鎖状態で施錠される。前枠100bが施錠されている状態で、店員が所有するドアキー150dを前枠100bに設けられた鍵穴150aに挿入したまま右に回す鍵操作をしたときには、ばねの付勢力に抗して上下1対の係合突起104,106が上方に押し上げられ、その結果、係合受け片105,107に対する係合突起104,106の係止が解除されて前枠100bが解錠される。
さらに、前枠100bにはガラス扉100c用の係合突起103も設けられており、その係合突起103に対向するガラス扉100c部分には、係合穴102が設けられている。係合突起103は、図示しないばねによって下方に押圧されており、開放状態のガラス扉100cを前枠100bに押し付けることにより係合穴102の下縁部分によって係合突起103が押し上げられて乗り越えることにより、ばねの付勢力により係合突起103が押し下げられ、係合突起103と係合穴102とが係合されて閉鎖状態が維持される。このようにして、前枠100bに対して、ガラス扉100cを閉鎖することができる。
このようなパチンコ遊技機200においても、スロットマシン1と同様に以下のような構成を備えていてもよい。
たとえば、パチンコ遊技機200の内部には、遊技中の演出態様の基準設定を行うための演出設定スイッチ180が設けられていてもよい。なお、図38においては、外枠100aにおける内側の側面に演出設定スイッチ180が設けられているが、前枠100bの裏面に演出設定スイッチ180が設けられてもよい。通常、外枠100aに対しては、前枠100bが閉鎖しているため、前枠100bを開放するためのドアキー150dを所有しない店員以外の者は、演出設定スイッチ180を操作することができない。店員は、演出設定スイッチ180を操作することによって、音量段階および光量段階を設定することができる。
また、パチンコ遊技機200の内部には、ドア開放エラー状態を解除するためのリセットスイッチ123が設けられていてもよい。なお、図38においては、外枠100aにおける内側の側面にリセットスイッチ123が設けられているが、前枠100bの裏面にリセットスイッチ123が設けられてもよい。
また、前枠100bが開放状態であることを検知するドアセンサ(図示は省略)、および鍵穴150aにドアキー150dが挿入されていることを検知するドアキー挿入センサが設けられていてもよい。
さらに、パチンコ遊技機200においては、図32に示すドア開放エラー解除処理と同様に、ドアキー挿入センサの検知信号がON状態であり、かつドアセンサの検知信号がON状態であることを条件に、リセットスイッチ123の操作に基づく操作信号が有効に受け付けられてドア開放エラーが解除されるものであってもよい。言い換えると、リセットスイッチ123が操作されても、ドアキー150dが鍵穴150aに挿入されていないとき、さらには、前枠100bが閉鎖状態であるときには、リセットスイッチ123の操作に基づく処理が行われず、ドア開放エラーの解除が禁止されるものであってもよい。これにより、ドア開放エラーの解除が不正に行われてしまうことを防止することができる。
また、パチンコ遊技機200においては、鍵穴150aへのドアキー150dの挿入が検知されていないにも関わらず、エラー状態を解除するためにリセットスイッチ123が操作されたときには、演出表示装置160の画面上に「エラー解除異常」の文字画像を表示されるとともに、スピーカから「エラー解除の異常です」の音声が出力されて外部にエラー解除異常の発生を報知するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機200においては、図35に示す演出設定処理と同様に、ドアキー挿入センサの検知信号がON状態であり、かつドアセンサの検知信号がON状態であり、かつドア開放エラーが解除されていることを条件に、演出設定スイッチ180の操作に基づく操作信号が有効に受け付けられて音量段階および光量段階を設定することができるものであってもよい。言い換えると、演出設定スイッチ180が操作されても、ドアキー150dが鍵穴150aに挿入されていないとき、前枠100bが閉鎖状態であるとき、さらには、ドア開放エラーが解除されていないときには、演出設定スイッチ180の操作に基づく処理が行われず、音量段階および光量段階の設定が禁止されるものであってもよい。これにより、不正に音量段階および光量段階が設定されてしまうことを防止することができる。
また、パチンコ遊技機200においては、鍵穴150aへのドアキー150dの挿入が検知されていないにも関わらず、音量段階および光量段階を設定するために演出設定スイッチ180が操作されたときには、演出表示装置160の画面上に「演出設定変更異常」の文字画像を表示されるとともに、スピーカから「演出設定変更の異常です」の音声が出力されて外部に演出設定変更異常の発生を報知するものであってもよい。
さらに、ドア開放エラーが解除された後においては、所定期間(たとえば、10秒間)が経過しても未だ前枠100bが開放されているときには、再度、ドア開放エラー状態となってもよい。これにより、前枠100bの開放が検知される状態を不正に作り出され、かつドア開放エラーが解除されたとしても、所定期間が経過するまでに音量および光量の基準設定などの各種設定のための操作が受け付けられなければ、再度、ドア開放エラー状態となるため、より効果的に不正に各種設定がされてしまうことを防止することができる。
また、パチンコ遊技機200においては、前枠100bが開放されている間に、前枠100bが開放されている旨のドア開放報知が行われてもよい。さらに、ドア開放エラーの解除前におけるドア開放報知の報知態様は、ドア開放エラーの解除後におけるドア開放報知の報知態様よりも目立つ態様であってもよい。これにより、ドア開放報知における報知態様に応じて、ドア開放エラー状態であること、およびドア開放エラーが解除されていることを店員に知らせることができる。
また、パチンコ遊技機200においては、ドアキー150dを鍵穴150aに挿入することによって前枠100bが開放状態になっているときには、鍵穴150aに挿入されたドアキー150dが抜けない構造になっていてもよい。これによれば、店員がドアキー150dを用いて前枠100bを開放しているときにドアキー150dが抜けてしまって紛失することがない。さらに、店員がドアキー150dを用いて前枠100bを開放したときには、ドアセンサの検知信号がON状態になるとともにドアキー挿入センサの検知信号もON状態のままであるため、ドアキー150dが抜けてしまうことによってリセットスイッチ123および演出設定スイッチ180の操作が検知されないといった不都合が生じず、各種操作を行う際の利便性が向上する。
また、パチンコ遊技機200においては、図36に示す遊技進行異常処理と同様に、鍵穴150aへのドアキー150dの挿入が検知されているにも関わらず、遊技を進行させる操作(たとえば、遊技球を発射する打球操作ハンドル190の操作)がされたときには、演出表示装置160の画面上に「遊技進行異常」の文字画像を表示されるとともに、スピーカから「遊技進行の異常です」の音声が出力されて外部に遊技進行異常の発生を報知するものであってもよい。
なお、パチンコ遊技機200におけるドア開放エラー解除処理および演出設定処理では、前枠100bが開放しているか否かを判定し、該判定結果に応じて、所定事象の発生を禁止するものであったが、これに限らず、前枠100bに加えてガラス扉100cが開放しているか否かも判定し、該判定結果に応じて、所定事象の発生を禁止するものであってもよい。
また、ドア開放エラーの解除有無に応じて有効または無効となる操作によって可能な設定は、音量および光量の基準設定以外のものであってもよい。たとえば、節電モードの設定などの各種設定や、遊技球の払い出しに関するエラーの解除など、各種エラーの解除に適用してもよい。
さらに、ドア開放エラー状態を解除する方法として、リセットスイッチ123を操作するものであったが、これに限らない。たとえば、前枠100bを開放するためのドアキー150dを左に回すなどの鍵操作によってドア開放エラー状態を解除するものであってもよい。つまり、ドアキー挿入センサの検知信号がON状態であり、かつドアセンサの検知信号がON状態であり、かつドア開放エラーが解除されていることを条件に、ドアキー150dの鍵操作に基づく操作信号が有効に受け付けられてエラー状態を解除することができるものであってもよい。言い換えると、ドアキー150dを用いることなく鍵操作が不正にされてしまっても、ドアキー150dが鍵穴150aに挿入されていないとき、前枠100bが閉鎖状態であるとき、さらには、ドア開放エラーが解除されていないときには、鍵操作に基づく処理が行われず、エラーの解除が禁止されるものであってもよい。これにより、不正にエラーが解除されてしまうことを防止することができる。
さらに、ドアキー150dの鍵操作に基づきエラー状態が解除されているときには、鍵穴150aに挿入されたドアキー150dが抜けない構造になっていてもよい。これによれば、店員がドアキー150dを用いてエラー状態を解除しているときにドアキー150dが抜けてしまって紛失することがない。さらに、店員がエラー状態を解除するための鍵操作をしたときには、ドアセンサの検知信号がON状態になるとともにドアキー挿入センサの検知信号もON状態のままであるため、ドアキー150dが抜けてしまうことによって鍵操作が検知されないといった不都合が生じず、エラー状態の解除を行う際の利便性が向上する。
なお、上記のパチンコ遊技機200においては、外枠100aにおける内部の側面や前枠100bの裏面にリセットスイッチ123および演出設定スイッチ180が設けられ、前枠100bが開放しているか否か、また、前枠100bに設けられた鍵穴150aに鍵150dが挿入されているか否かを判定し、該判定結果に応じて、所定事象の発生を禁止するものであった。しかし、このような前枠100bと外枠100aとの関係に限らず、ガラス扉100cと前枠100bとの関係において、ドア開放エラー解除処理や演出設定処理を行ってもよい。つまり、前枠100bの表面にリセットスイッチおよび演出設定スイッチを設け、鍵を用いてガラス扉100cを開放しないと前枠100bに設けられたリセットスイッチおよび演出設定スイッチを操作できないものであってもよい。そして、ガラス扉100cが前枠100bに対して開放しているか否か、また、ガラス扉100cに設けられた鍵穴に鍵が挿入されているか否かを判定し、該判定結果に応じて、所定事象の発生を禁止するものであってもよい。さらに、ガラス扉100cに設けられた鍵穴に鍵を挿入し、左に回すなどの鍵操作によってエラー状態を解除するものであってもよい。そして、鍵が挿入され、かつガラス扉100cが開放されていることを条件に、鍵操作に基づく操作信号が有効に受け付けられてエラー状態を解除することができるものであってもよい。
また、パチンコ遊技機の遊技機用枠の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者などによって操作される打球操作ハンドル(図示せず)が設けられ、遊技機用枠の下部には、遊技者が操作可能なスティックコントローラ(図示せず)が取り付けられている。スティックコントローラの上方には、遊技者が押下操作により所定の操作を可能なプッシュボタン(図示せず)が設けられている。
パチンコ遊技機の演出表示装置160において、大当たり状態に制御される可能性を示唆するボタン演出が実行される。このボタン演出は、たとえば、プッシュボタンを操作することを遊技者に対して要求する演出でもある。該ボタン演出を実行することにより、AT当選したかといった期待感を遊技者に抱かせることができる。
図30において、「付与ナビストック数の0」が「大当たり状態に制御されないことが決定された」に代替され、「付与ナビストック数の3」が「大当たり状態に制御されることが決定された」に代替され、「付与ナビストック数の1、2」が削除される。また。図31の表示領域51Aは、演出表示装置160の表示領域に代替される。
本実施形態のパチンコ遊技機が有するさらなる構成、および奏される効果を説明する。
(1) パチンコ遊技機は、大当り状態に制御される信頼度が最も高い虹色態様となるボタン演出を、大態様で実行する一方、小態様では実行しない(図30、図31参照)。したがって、虹色態様でのボタン演出は、大態様および小態様のうち一の態様(つまり大態様)のみで実行されることから、虹色態様でボタン演出が実行されたことを容易に遊技者に認識させることができ、遊技者を困惑させ難くすることができる。また、虹色であるボタン画像は、大態様で表示領域51Aに表示されることから、ボタン画像の色彩が虹色であることを容易に遊技者に認識させることができ、遊技者を困惑させ難くすることができる。
(2) パチンコ遊技機は、大当り状態に制御される信頼度が2番目に高い縞模様態様となるボタン演出を、大態様で実行する一方、小態様では実行しない(図30、図31参照)。したがって、縞模様態様でのボタン演出は、大態様および小態様のうち一の態様(つまり大態様)のみで実行されることから、縞模様態様でボタン演出が実行されたことを容易に遊技者に認識させることができ、遊技者を困惑させ難くすることができる。また、縞模様であるボタン画像は、大態様で表示領域51Aに表示されることから、ボタン画像の色彩が縞模様であることを容易に遊技者に認識させることができ、遊技者を困惑させ難くすることができる。
(3) パチンコ遊技機は、大当り状態に制御される信頼度が最も高い虹色態様となるボタン演出を、右態様で実行する一方、左態様では実行しない(図30、図31参照)。したがって、虹色態様でのボタン演出は、右態様および左態様のうち一の態様(つまり右態様)のみで実行されることから、虹色態様でボタン演出が実行されたことを容易に遊技者に認識させることができ、遊技者を困惑させ難くすることができる。
(4) パチンコ遊技機は、大当り状態に制御される信頼度が2番目に高い縞模様態様となるボタン演出を、右態様で実行する一方、左態様では実行しない(図30、図31参照)。したがって、縞模様態様でのボタン演出は、右態様および左態様のうち一の態様(つまり右態様)のみで実行されることから、縞模様態様でボタン演出が実行されたことを容易に遊技者に認識させることができ、遊技者を困惑させ難くすることができる。
(5) ボタン演出の態様として、3種類の色彩態様、2種類の大きさ態様、2種類の位置態様とがある。そうすると、ボタン演出の態様の全体数として、12種類(=3×2×2)の態様が想定されることから、12種類のボタン演出が想定される。ところが、本実施形態のパチンコ遊技機では、(1)〜(4)で説明した効果を奏するために、演出データとして、第1演出〜第6演出を実行するための演出データ(6種類の演出データ)を用い、図30の※印で示した画像データについては用いない。したがって、12種類のボタン演出を実行するパチンコ遊技機よりも、本実施形態のパチンコ遊技機(6種類のボタン演出を実行するパチンコ遊技機)の方が、ボタン演出の演出データの削減を図ることができる。
(6) 本実施形態のパチンコ遊技機は、図20〜図28などで説明したリールを備えるようにしてもよい。このようなパチンコ遊技機においては、大当たり状態に制御されることが決定されたときには、該リールを回転させて、特定表示結果を導出させる。たとえば、導出されることで、遊技者にとって有利な状態(確変状態や大当たり状態)となる図柄に対して、透過部を設けたり、透過度合いを高めたりするようにしてもよい。パチンコ遊技機は、第1実施形態での[実施の形態による主な効果]の欄で説明した(6)〜(11)の構成を備え、さらに該(6)〜(11)で説明した効果を奏する。
[変形例]
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。本発明は、上記の実施例に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例などについて説明する。また、前述した本実施形態で説明した技術事項、および、以下の変形例で説明する技術事項のうち少なくとも2つを組み合わせて実施するようにしてもよく、前述した本実施形態で説明した技術事項を以下の変形例で説明する技術事項に置換して実施するようにしてもよく、当該置換したものに対して、以下の変形例で説明する技術事項をさらに組み合わせて実施するようにしてもよい。以下では、「スロットマシン」の変形例について説明するが、同様の思想をパチンコ遊技機にも適用できる。
[所定演出について]
(1) 本実施形態の所定演出は、所定画像としてのボタン画像を表示領域51Aに表示する演出であるとして説明した。しかしながら、表示される画像はボタン画像に限られず他の画像(たとえば、所定のキャラクタ)を表示するようにしてもよい。
また、本実施形態のボタン画像の色彩態様として、白色態様、縞模様態様、虹色態様とがあるとして説明した。ボタン画像の態様のうち、「色彩と属性が異なる態様」として、大きさ態様および位置態様とがあるとして説明した。しかしながら、「色彩と属性が異なる態様」をたとえば以下のような態様としてもよい。
(1−1) 所定画像を所定キャラとした場合には、「色彩と属性が異なる態様」は、「該所定キャラの特徴を特定できる態様」としてもよい。たとえば所定キャラの特徴を性別とした場合には、所定キャラは、男キャラと女キャラとを含む。また、男キャラ<女キャラとなるような関係で、ナビストック数の期待値は高くなる。
このような場合において、白色態様で表示される所定キャラとしては、男キャラおよび女キャラのいずれでも表示可能である。一方、縞模様態様または虹色態様で表示される所定キャラとしては女キャラで表示される一方、男キャラでは表示されない。このような構成によれば、縞模様態様または虹色態様での所定キャラ画像は、男キャラ画像および女キャラ画像のうち一のキャラ画像(つまり女キャラ)のみで表示されることから、縞模様態様または虹色態様での所定キャラ画像(女キャラ画像)が表示されたことを容易に遊技者に認識させることができる。また、「所定キャラの特徴」は性別ではなく、たとえば、スロットマシンで実行される演出内において、主役のキャラおよび脇役のキャラなどとしてもよい。
(1−2) 所定画像をセリフ画像とした場合には、「色彩と属性が異なる態様」は、「該セリフ画像に係る文言を特定できる態様」としてもよい。セリフ画像とは、たとえば、コメント、キャラ同士の会話、タイトルなどを含む。ここでは、ナビストックが付与されることを期待させるメッセージである「チャンス!」というセリフと、「激熱!」というセリフとする。また、「チャンス!」<「激熱!」となるような関係で、ナビストック数の期待値は高くなる。
このような場合において、白色態様で表示されるセリフ画像としては、「チャンス!」、および「激熱!」のいずれでも表示可能である。なお、白色態様で表示されるセリフ画像とは、たとえば、セリフの文字の縁が白色で表示される画像である。縞模様態様または虹色態様で表示されるセリフ画像としては「激熱!」が表示される一方、「チャンス!」は表示されない。なお、縞模様態様または虹色態様で表示されるセリフ画像とは、たとえば、セリフの文字の縁が縞模様または虹色で表示される画像である。
このような構成によれば、縞模様態様または虹色態様でのセリフ画像は、「チャンス!」というセリフ、および「激熱!」というセリフのうち一のセリフ画像(つまり「激熱!」というセリフ)のみで表示されることから、縞模様態様または虹色態様でセリフ画像(「激熱!」というセリフ画像)が表示されたことを容易に遊技者に認識させることができる。
(1−3) 所定演出をステップアップ演出としてもよい。ステップアップ演出とは、所定回数段階、ステップアップする(発展する)演出である。ステップアップ演出は、所定条件が成立したときにステップアップする(発展する)演出である。所定条件は、所定時間経過するごとに成立する条件としてもよい。所定条件は、1のリールが停止することにより成立する条件としてもよい。所定条件は、1ゲーム終了することにより成立する条件としてもよい。
この場合において、「色彩と属性が異なる態様」は、「ステップアップ演出の段階数を特定できる態様」としてもよい。本変形例では、ステップアップ演出は、1段階ステップアップする第1ステップアップ演出、2段階ステップアップする第2ステップアップ演出、3段階ステップアップする第3ステップアップ演出を含むとする。第1ステップアップ演出<第2ステップアップ演出<第3ステップアップ演出となるような関係で、ナビストック数の期待値は高くなる。また、第1〜第3ステップアップ演出それぞれにおいて、最終段階においては特定画像(特定のキャラ、特定のセリフ、特定の風景画像など)が表示される。
このような場合において、白色態様で表示される特定画像は、第1〜3ステップアップ演出のいずれかの最終段階で表示可能である一方、縞模様態様または虹色態様で表示される特定画像は、第3ステップアップ演出の最終段階で表示されるが、第1、第2ステップアップ演出の最終段階では表示されない。このような構成によれば、縞模様態様または虹色態様での特定画像は、複数のステップアップ演出のうち一のステップアップ演出(つまり、第3ステップアップ演出のみ)の最終段階で表示されることから、縞模様態様または虹色態様で特定画像が表示されたことを容易に遊技者に認識させることができる。
(2) また、所定演出は、表示領域51Aに所定画像などを表示する演出に限らず、表示領域51Aを用いない演出としてもよい。また、「所定演出の色彩」の態様は、所定態様と、該所定態様とは異なる特定態様とを含むとする。ここで、「所定演出の色彩」とは、たとえば、「所定演出が実行されることにより、発色される光の色彩」をいう。
所定演出は、たとえば、可動体(役物)を動作させる演出とする。この場合には、可動体の内部に複数態様で発光可能な発光体が内蔵されている。本変形例では、「所定演出の色彩の態様」とは、「該発光体から発光される光の色彩の態様」であるとする。可動体は、所定態様として青色光を発光し、特定態様として赤色光を発光する。青色光を発光<赤色光を発光となるような関係で、ナビストック数の期待値は高くなる。
このような場合において、「色彩と属性が異なる態様」は可動体の動作の態様としてもよい。可動体の動作の態様としては第1態様と第2態様とがある。ここでは、第1態様は、可動体が回転しながら直線運動で動作する態様であり、第2態様は、可動体は回転せずに直線運動のみで動作する態様である。このように、第1態様は、第2態様よりも遊技者にとって目立つ態様(派手な態様)である。第2態様で動作<第1態様で動作となるような関係で、ナビストック数の期待値は高くなる。
このような場合において、青色光が発光される態様では、第1態様および第2態様のいずれでも可動体は制御される。赤色光が発光される態様では第1態様で可動体は制御される一方、第2態様では可動体は制御されない。このような構成によれば、赤色光で発光される可動体は、第1態様および第2態様のうち一の態様(つまり第1態様)のみで動作されることから、赤色光が発光されたことを容易に遊技者に認識させることができる。
(3) (2)の変形例では、「所定演出の色彩の態様」とは、「該発光体から発光される光の色彩の態様」であるとして説明したが、「所定演出の色彩の態様」を表示領域51Aに表示される特別画像してもよい。該特別画像は、可動体と連動して表示されることが好ましい。
特別画像の色彩の態様は、所定態様として青色で表示される青色態様と、特定態様として赤色で表示される赤色態様とがある。青色態様<赤色態様となるような関係で、ナビストック数の期待値は高くなる。また、可動体の動作の態様としては(2)と同様に、第1態様と第2態様とがある。
このような場合において、青色態様では、第1態様および第2態様のいずれでも可動体は制御される。赤色態様では第1態様で可動体は制御される一方、第2態様では可動体は制御されない。このような構成によれば、赤色態様で特別画像が表示されたときには、可動体は、第1態様および第2態様のうち一の態様(つまり第1態様)のみで動作されることから、赤色態様で特別画像が表示されたことを容易に遊技者に認識させることができる。
(4) 所定演出は、所定画像(ここでは「所定キャラ画像とする。)を表示するとともに、スピーカ53、54から音を出力する演出としてもよい。この場合において、「色彩と属性が異なる態様」は、スピーカ53、54から出力される音の態様としてもよい。音の態様としては第1態様と第2態様とがある。ここでは、第1態様は、スロットマシンの題材となっている所定キャラ画像のテーマソングとする。第2態様は、通常ゲームでの音の態様とする一方、ここで通常ゲームとは、遊技の大半(あるいは通常時など)で制御されているゲームである。第2態様での音出力<第1態様での音出力となるような関係で、ナビストック数の期待値は高くなる。
このような場合において、白色態様で所定キャラ画像が表示される態様では、第1態様および第2態様のいずれでも音出力は実行される。一方、縞模様態様または虹色態様で所定キャラ画像が表示される態様では第1態様で音出力は実行されるが、第2態様では音出力は実行されない。このような構成によれば、縞模様態様または虹色態様で所定キャラ画像が表示されたときには、第1態様および第2態様のうち一の態様(つまり第1態様)のみで音出力は実行されることから、縞模様態様または虹色態様で所定キャラ画像が表示されたことを容易に遊技者に認識させることができる。
(5) 本実施形態では、ボタン演出の態様には、色彩態様が含まれており、ナビストックの期待値に応じて、ボタン画像の色彩を異ならせるようにするとして説明した。色彩態様には、白色態様と、縞模様態様と、虹色態様があるとして説明した。このように、色彩には、色(白色や虹色)と、模様(縞模様)とが含まれる概念であるとして説明した。しかしながら、色彩の概念に、模様の概念を含ませないようにしてもよい。つまり、色彩態様を「色彩または模様の態様」に代替してもよい。
具体的には、たとえば、ナビストックの期待値が低い態様としてボタン画像を桃色の単色とし、ナビストックの期待値が高い態様としてボタン画像を桜模様とする例について説明する。この例の場合、双方の態様ともボタン画像の色は桃色であり、双方の態様で色彩は異なっておらず、模様が異なるとした方が好ましい。このように、所定演出の態様の概念として、色彩の態様または模様の態様とがあるとしてもよい。
また、所定演出の態様の概念として、色彩、模様に限らず、柄を含ませるようにしてもよい。また、所定演出の態様の概念として、たとえば、明度、彩度、色相などのうち含ませるようにしてもよい。
(6) 本実施形態では、色彩態様は、白色態様、縞模様態様、および虹色態様としたが、これらに限られるものではない。色彩態様は、2種類としてもよく、4種類以上としてもよい。たとえば、色彩態様は、青色態様、赤色態様、金色態様、虹色態様とし、青色態様<赤色態様<金色態様<虹色態様となるような関係で、ナビストック数の期待値は高くなるなどとしてもよい。
位置態様は、左態様および右態様の2種類とし、左態様<右態様となるような関係で、ナビストック数の期待値は高くなるとして説明した。しかしながら、位置態様は、他の態様でもよく、たとえば、ボタン画像が表示領域51Aの上方に表示される上態様と、下方に表示される下態様としてもよい。また、下態様<上態様となるような関係で、ナビストック数の期待値は高くなるなどとしてもよい。また、位置態様の種類は、2種類に限られず、たとえば、3種類以上としてもよい。たとえば、位置態様は、左態様、中央態様(中央にボタン画像が表示される態様)、右態様の3種類としてもよい。さらに、左態様<中央態様<右態様となるような関係で、ナビストック数の期待値は高くなるなどとしてもよい。
大きさ態様は、小態様および大態様の2種類とし、小態様<大態様となるような関係で、ナビストック数の期待値は高くなるとして説明した。しかしながら、大きさ態様は、3種類以上としてもよい。たとえば、大きさ態様は、小態様、中態様、大態様の3種類としてもよい。さらに、小態様<中態様<大態様となるような関係で、ナビストック数の期待値は高くなるなどとしてもよい。
(7) 本実施形態では、図30のボタン演出決定用テーブルを用いたボタン演出決定処理において、ボタン演出の態様を一度に決定する例を説明した。しかしながら、ボタン演出決定処理では、以下のように段階的に実行するようにしてもよい。まず、1段階目において、サブ制御部91は、ナビストック数コマンドを受信したときに、決定されたナビストックの付与数(0も含む)に応じた割合に基づいて、ボタン演出を実行するか否かを決定する。1段階目の処理においてボタン演出を実行しないと決定された場合には、ボタン演出決定処理を終了する。1段階目の処理においてボタン演出を実行すると決定された場合には、2段階目において、サブ制御部91は、決定されたナビストックの付与数(0も含む)に応じた割合に基づいて、ボタン演出の色彩態様として、白色態様、縞模様態様、および虹色態様のいずれかを決定する。3段階目において、サブ制御部91は、決定されたナビストックの付与数(0も含む)に応じた割合に基づいて、大きさ態様および位置態様を決定する。
ここで、2段階目において、ボタン演出の色彩態様として縞模様態様または虹色態様のいずれかに決定されたときには、3段階目では大きさ態様として大態様が決定されるが小態様が決定されず、位置態様として右態様が決定されるが左態様は決定されない。一方、2段階目において、ボタン演出の色彩態様として白色態様に決定されたときには、3段階目では大きさ態様として大態様および小態様のうちいずれかが決定されたナビストックの付与数(0も含む)に応じた割合に基づいて決定され、位置態様として右態様および左態様のうちいずれかが該割合に基づいて決定される。
(8) 本実施形態では、所定演出(ボタン演出)の態様として、所定態様と、該所定態様と属性が異なる特定態様とがあり、所定態様はボタン画像の色彩の態様であり、特定態様はボタン画像の大きさの態様であり、所定態様にはさらに、第1所定態様としての白色態様と、第2所定態様としての縞模様態様および虹色態様とがあるとして説明した。また、特定態様には、第1特定態様としての小態様と第2特定態様としての大態様とがあるとして説明した。また、第1所定態様<第2所定態様となるような関係でナビストック数の期待値は高くなり、第1特定態様<第2特定態様となるような関係でナビストック数の期待値は高くなるとして説明した。さらに、第1所定態様となる所定演出については、第1特定態様および第2特定態様のいずれでも実行可能であり、第2所定態様となる所定演出については、第2特定態様で実行する一方第1特定態様では実行しないとして説明した(図30、図31参照)。
しかしながら、所定態様および特定態様は他の態様としてもよい。たとえば、色彩態様を用いないようにしてもよい。具体的には、所定態様を大きさ態様とし、特定態様を位置態様とし、色彩態様は用いないようにしてもよい。この場合には、小態様(第1所定態様)となる所定演出については、右態様(第1特定態様)および左態様(第2特定態様)のいずれでも実行可能である一方、大態様(第2所定態様)となる所定演出については右態様(第1特定態様)で実行されるが左態様(第2特定態様)で実行しないようにする。このような構成によれば、所定演出をさらに多様に実行することができる。
また、色彩態様を用いない例において、図31(B)と図31(C)とを比較した場合において、ボタン画像600B<ボタン画像600Cとなるような関係で、ナビストック数の期待値は高くなるようにしてもよい。また、色彩の態様を用いない例において、図31(C)と図31(D)とを比較した場合において、ボタン画像600C<ボタン画像600Dとなるような関係で、ナビストック数の期待値は高くなるようにしてもよい。
(9) 所定演出として、図39(A)または図39(B)に示すような選択演出を実行するようにしてもよい。図39(A)(B)の演出では、ボタン画像が、右態様および左態様のいずれで表示されるかといった、主に位置態様に対する緊張感を遊技者に抱かせるための演出である。
図39(A−1)の例では、2枚のプラカードを保持した所定のキャラXが表示される。キャラXは、小態様および白色態様のボタン画像620Lが表示されたプラカードを左手で保持する(小態様および白色態様のボタン画像620Lは左態様で表示される)。つまり、ボタン画像620Lは、図30に示す第1演出(白、小、左)により表示されるボタン画像600B(図31(B))に相当する。また、キャラXは、大態様および縞模様態様のボタン画像620Rが表示されたプラカードを右手で保持する(大態様および縞模様態様のボタン画像620Rは右態様で表示される)。つまり、ボタン画像620Rは、図30に示す第5演出(縞、大、右)により表示されるボタン画像600A(図31(A))に相当する。
図39(A−1)のキャラXの上部には「どっちかな?」といったメッセージが表示される。(A−1)の画面が所定時間(たとえば、5秒間)表示される。このような画面が表示されることにより、ボタン画像620Lおよびボタン画像620Rのうちどちらが決定されるかといった期待感を遊技者に抱かせることができる。また、本実施形態で説明したように、ボタン画像620L<ボタン画像620Rの関係でナビストック数の期待値は高くなる。つまり、付与されたナビストック数が多いほど、ボタン画像620Rが決定され易く、付与されたナビストック数が少ない(ナビストック数が0も含む)ほど、ボタン画像620Lが決定され易い。
図39(A−1)の画面が5秒間表示された後には、図39(A−2)に示すように、ボタン画像620Lおよびボタン画像620Rのうち決定されたボタン画像が表示される。図39(A−2)は、ボタン画像620Rが決定されたことを示す画面の一例である。これにより、遊技者に対して、ボタン画像620Rが決定されたこと明確に認識させることができる。図39(A−2)の画面が、所定時間(たとえば、5秒間)表示されたときには、プラカードの表示領域が、ボタン画像620Rが表示領域51Aと一致するように、プラカードの表示領域が大きく表示されると共に、「押せ!」といったメッセージが表示される。これにより、遊技者に対して、演出用スイッチ51を操作させることを認識させることができる。
図39(B)は、図39(A)のボタン画像620Rがボタン画像622Rに代替されたものであり、他の箇所は同一である。ボタン画像622Rは、縞模様態様、小態様、および右態様のボタン画像である。なお、本実施形態では、縞模様態様、小態様、および右態様のボタン画像は表示されないとして説明したが(図30の※印、図31(E)参照)、本変形例では、該ボタン画像は表示されるとする。
ボタン画像620Lと、ボタン画像622Rとを比較すると、大きさ態様は同一であるものの、位置態様および色彩態様はいずれもボタン画像620Rの方がナビストック数の期待度は高いものとなっている。よって、ボタン画像620L<ボタン画像622Rの関係でナビストック数の期待値は高くなる。つまり、付与されたナビストック数が多いほど、ボタン画像622Rが選択され易く、付与されたナビストック数が少ない(ナビストック数が0も含む)ほど、ボタン画像620Lが選択され易い。
このように、図39の選択演出では、キャラXが、右手で保持したプラカード(右態様)でボタン画像620R、622Rを表示し、左手で保持したプラカード(左態様)でボタン画像620Lを表示して、付与されたナビストック数に応じて、右態様のボタン画像および左態様のボタン画像のうちのいずれかのボタン画像を表示する。したがって、ボタン画像の位置態様の違いを際立たせつつ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図39の例において、右手で保持したプラカード(右態様)でボタン画像と、左手で保持したプラカード(左態様)でボタン画像とは、ナビストック数の期待値が異なっていれば、如何なるボタン画像であってもよい。また、右手で保持したプラカード(右態様)で表示されるボタン画像と、左手で保持したプラカード(左態様)で表示されるボタン画像とは同一であってもよい。本実施形態で説明したように、左態様<右態様となるような関係で、ナビストック数の期待値は高くなることから、付与されたナビストック数が多いほど、右手で保持したプラカード(右態様)に表示されたボタン画像が決定され易く、付与されたナビストック数が少ない(ナビストック数が0も含む)ほど、左手で保持したプラカード(左態様)に表示されたボタン画像が決定され易いようにしてもよい。
また、図39の例では、位置態様として、右態様および左態様の2種類の態様について説明したが、たとえば、3種類以上の位置態様としてもよい。たとえば、3種類の位置態様とした場合には、キャラXが、左手で保持したプラカード(左態様)、頭の上に乗せたプラカード(中央態様)、右手で保持したプラカード(右態様)にそれぞれボタン画像が表示され、付与されたナビストック数に応じて、ボタン画像が決定されるようにしてもよい。
また、図39で説明したボタン画像の色彩態様は、「縞模様態様」であるが、該縞模様態様を「虹色態様」に代替したボタン画像を表示するようにしてもよい。
[所定演出の色彩の態様について]
(1) 本実施形態では、所定演出(または所定演出により表示される所定画像)の色彩の態様として、白色態様、縞模様態様、および虹色態様があるとして説明した。これらの態様は、ナビストック数の期待値に依存した割合で決定されるとして説明した(図30参照)。しかしながら、これらの態様は、ナビストックの期待値ではなく他の事象に依存した割合で決定されるようにしてもよい。他の事象とは、たとえば、消化ゲーム数としてもよい。たとえば、消化ゲーム数が多いほど、白色態様<縞模様態様<虹色態様という関係で、態様が決定される割合が高くなるようにしてもよい。なお、消化ゲーム数は、所定の基準ゲームから起算した消化ゲーム数とする。該基準ゲームは、たとえば、ATが終了したゲームの次のゲームとする。
また、これらの態様は、他の事象に依存せずに乱数抽選により決定されるようにしてもよい。ここで、白色態様、縞模様態様、および虹色態様のうちいずれか1つの態様の決定確率を他の態様の決定確率と同一としてもよく、異なるようにしてもよい。また、これらの態様は、時間帯に応じて決定されるようにしてもよい。たとえば、10時から13時では、白色態様でボタン演出が実行され、13時から16時までは縞模様態様でボタン演出が実行され、16時から22時までは虹色態様でボタン演出が実行される。
また、これらの態様は、遊技者により選択可能としてもよい。たとえば、所定タイミングで遊技者が演出用スイッチを操作することにより、選択画像を表示領域51Aに表示させ、該選択画面によりこれら3つの態様のうちいずれの態様でボタン演出を実行するかを決定させるようにしてもよい。このような構成によれば、遊技者の好みに応じた演出(ボタン演出)を実行可能である。
[特典について]
(1) 第1実施形態のボタン演出は、特典としてナビストックが付与されているか否かを煽る演出であるとして説明した。しかし、特典は遊技者にとって有利となるものであれば、如何なるものでもよい。たとえば、特典は、ATゲーム数、所定枚数(たとえば、300枚)のメダルが払出されるまで継続するボーナス状態への制御、ATゲーム数の上乗せとしてもよい。また、特典は、毎ゲーム、AT抽選を実行する特定状態への制御としてもよい。また、特典は、たとえば、非AT中であるもののATゲーム数をすでに獲得しておりATに制御されることが確定しているいわゆるAT潜伏中であるか否かを特定するための情報を報知するもの、あるいは報知されたときに所定の信頼度で実際にAT潜伏中となるように実行される情報(すなわちAT潜伏を示唆する潜伏示唆情報)を報知するものであってもよい。
また、第2実施形態のボタン演出は、特典として大当り状態に制御されるか否かを煽る演出であるとして説明した。しかし、特典は、たとえば、確変状態(大当たりになる確率が通常時より大きい状態)、時短状態など遊技者にとって遊技な状態への制御としてもよい。また、第1実施形態および第2実施形態において、特典は、特定演出の実行(特別キャラクタ出現など)、一定数を集めることで遊技機が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な二次元コードを表示などであってもよい。
(2) 本実施形態では、メイン制御部41がAT抽選を実行するとして説明した。しかしながら、サブ制御部91がAT抽選を実行するようにしてもよい。このような構成によれば、サブ制御部91自身が、AT抽選により付与されるナビストック数を特定することができるので、メイン制御部41からサブ制御部91に対して、ナビストック数コマンドを送信する処理を削減できる。
[透過度合いについて]
(1) 本実施の形態では、複数種類の図柄において、透過部502の有無により、透過度合いの差を設けるとして説明した。以下では、透過度合いが高い図柄を「透過度高図柄」とし、透過度合いが低い図柄を「透過度低図柄」とする。また、図柄領域513Xに描かれる図柄を「特定図柄」という。本実施の形態では、透過度高図柄は「7」図柄であるとし、透過度低図柄は「7」図柄以外の図柄であり、特定図柄は、透過度低図柄のうちから、所定の図柄(本実施の形態では図柄番号20の「ベル」図柄)であるとして説明した。しかし、複数種類の図柄において、透過度合いの差を設ける手法として以下の手法を用いるようにしてもよい。
第1の手法として、図柄全体での透過率により、透過度合いの差を設けるようにしてもよい。たとえば、透過度高図柄は図柄の全体的に透過率が高い図柄であり、透過度低図柄は図柄の全体的に透過率が低い図柄としてもよい。たとえば、透過度高図柄は、透過率が高くなるような所定のインクで印刷するようにしてもよく、また、図柄の裏に形成されるフレームの量(厚さ)を少なくしてもよい。また、透過度低図柄は、透過率が低くなるような所定のインクで印刷するようにしてもよく、また、図柄の裏に形成されるフレームの量(厚さ)を多くしてもよい。つまり、第1の手法を用いた場合には、全体的に透過率が低い図柄(透過度低図柄)が、他端部513に描かれ、全体的に透過率が高い図柄(透過度高図柄)が、図柄領域513X以外の全体図柄領域に描かれる。
また、透過率の高低は、所定の透過率よりも高いか否かにより決定してもよく、一の図柄の透過率と他の図柄の透過率とを比較して高いか否かを決定するようにしてもよい。また、透過率が高いか否かの判断は、LEDユニット55により図柄に対して光を照射して、検査員により目視で判断するようにしてもよく、当該照射された光を測定して測定結果から判断するようにしてもよい。
なお、透過度低図柄は、透過率が0%である図柄(つまり、LEDユニット55からの光が全く透過されない図柄)としてもよい。また、透過度高図柄は、透過率が100%である図柄(つまり、LEDユニット55からの光が全て透過される図柄)としてもよい。
第2の手法として、透過部の合計面積により、透過度合いの差を設けるようにしてもよい。たとえば、透過度高図柄は透過部の合計面積が大きい図柄であり、透過度低図柄は透過部の合計面積が小さい図柄である。つまり、第2の手法を用いた場合には、透過部の合計面積が小さい図柄(透過度低図柄)が、他端部513に描かれ、透過部の合計面積が大きい図柄(透過度高図柄)が、図柄領域513X以外の全体図柄領域に描かれる。
また、第3の手法として、透過部の数により、透過度合いの差を設けるようにしてもよい。たとえば、透過度高図柄は透過部の数が多い図柄であり、透過度低図柄は透過部の数が少ない図柄である。つまり、第3の手法を用いた場合には、透過部の数が少ない図柄(透過度低図柄)が、他端部513に描かれ、透過部の数が多い図柄(透過度高図柄)が、図柄領域513X以外の全体図柄領域に描かれる。
また、第1〜第3の手法、および、本実施の形態で説明した「透過部の有無」で判断した手法のうち、少なくとも2つを組み合わせた手法により、透過度低図柄および透過度高図柄を決定するようにしてもよい。この場合には、検査員などが目視などにより、光の透過具合を判断して、透過度低図柄および透過度高図柄を決定するようにしてもよい。
(2) 本実施の形態においては、特定図柄(他端部513に描かれる図柄)は、透過度合いが低い図柄(本実施の形態では、透過部502を有さない図柄)であるとして説明した。しかしながら、特定図柄は、透過度合いの大小に関わらず、縮み印刷がされていない図柄としてもよい。たとえば、複数種類の図柄が、透過部を有し、かつ縮み印刷がされている図柄と、透過部を有するが縮み印刷がされていない図柄とを含む場合には、特定図柄は、透過部を有するが縮み印刷がされていない図柄としてもよい。特定図柄が透過部を有するが縮み印刷がされていない図柄としても、LEDユニット55から光を照射させたときの効果を損なわないようにすることができる。
(3) 本実施の形態では、透過度高図柄は、「7」図柄であるとして説明した。しかし、透明度高図柄は、他の図柄(たとえば、「7」図柄)であってもよい。さらに、透明度高図柄は、導出されることで遊技者にとって有利な特典が付与される図柄であることが好ましい。ここで、該特典とは、ナビストック、所定役(小役など)の当選確率が向上するボーナス状態への移行など、遊技を行なうために用いる遊技用価値(賭けられたメダル枚数、打ち込まれた遊技球)に対し、遊技者に付与される遊技用価値の占める付与割合(メダルあるいは遊技球の払出率)に直接影響を及ぼす価値の付与としてもよい。その他の特典としては、遊技の進行上において遊技者にとって有益となる価値であってもよい。たとえば、非AT中であるもののATゲーム数をすでに獲得しておりATに制御されることが確定しているいわゆるAT潜伏中であるか否かを特定するための情報を報知するもの、あるいは報知されたときに所定の信頼度で実際にAT潜伏中となるように実行される情報(すなわちAT潜伏を示唆する潜伏示唆情報)を報知するものであってもよい。
また、特典としては、特典演出の実行(特別キャラクタ出現など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることで遊技機が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能なQRコード(登録商標)を表示などであってもよい。
[重複部分422について]
(1) 本実施の形態においては、図28(A)に示したように、余り領域508Xの面積と、図柄領域513Xの面積とを同一として、余り部508と他端部513とを重複させるとして説明した。しかしながら、図28(A)に限られず、図28(B)または(C)に示すような重複のさせ方であってもよい。なお、太線は重複部分422を示す。
図28(B)は、余り領域508Xの面積を、図柄領域513Xの面積よりも小さくした場合を示す図である。図28(B)に示すように、余り部508と他端部513とが重ねられた場合には、ベル図柄510の下(裏側)に、一端505が存在することになる。図28(B)に示すような重複の手法により、図28(A)の場合と比較して、余り部508を小さくすることができ、リールシート400のコストを削減することができる。
図28(C)は、余り領域の面積を、図柄領域513Xの面積よりも大きくした場合を示す図である。図28(B)に示すような重複の手法により、図28(A)の場合と比較して、重複部分422の面積を大きくすることができ、より堅固に固定することができる。
(2) また、本実施の形態においては、重複部分422を形成する他端部513に透過度合いの低い図柄を描くとして説明した。しかしながら、重複部分422を形成する他端部513に透過度合いの高い図柄を描いてもよい。この場合には、重複部分422を形成する他端部513に、該透過度合いの高い図柄のうち透過度合いが高い部分(たとえば、透過部502)を描かないようにし、透過度合いが低い部分を描くようにすればよい。具体的には、図28(B)に示すベル図柄510が透過部を有する場合には、該透過部を重複部分には、描かずに、重複部分とは異なる部分(重複しない部分)に描くようにする。このような構成により、LEDユニット55から光を照射させたときの効果を損なわないようにすることができるとともに、図柄の配列の自由度を高めることができる。
また、透過度合いが高い部分(たとえば、透過部502)が、重複部分422上に描かれた場合には、該透過度合いが高い部分の裏側の重複部分422に対して、透過率を高める後処理を実行するようにしてもよい。該後処理とは、たとえば、該透過度合いが高い部分の裏側の重複部分422をくり抜く処理などである。このような後処理を行うことで、LEDユニット55から光を照射させたときの効果を損なわないようにすることができるとともに、図柄の配列の自由度を高めることができる。
(3) また、本実施の形態においては、リールシート400の巻き方として、余り部508と他端部513とを重複させるとして説明した。しかしながら、このような重複をさせずに、リールシート400を巻くようにしてもよい。具体的には、余り部508を設けないようにする。つまり、リールシート400の一端は、505ではなく、508Aとなる。リールシート400を巻くときには、508Aと他端504とが当接するようにし、当該当接を維持するように、リールシート400の裏側に接着部を設ける。該接着部は、具体的には、所定方向に延伸している接着部材(たとえば、矩形上の接着テープなど)である。具体的には、該当接している箇所(つまり、継ぎ目400a)を跨ぐように、該接着部材が接着される。これにより、余り部508を設けなくても、リールシート400を環状に巻くことができ、リールシート400のコストを削減することができる。
また、このような接着部材を用いた場合には、重複部分422は形成されないものの、該接着部材が設けられている箇所は、該接着部材とリールシート400とで二重構造が形成される。そこで、該二重構造の箇所(つまり、接着部材が施されている箇所)には、透過度合いが高い図柄を描かないか、もしくは、透過度合いが高い部分を描かないようにすることが好ましい。これにより、余り部508を設けずに、かつ、LEDユニット55から光を照射させたときの効果を損なわないようにすることができる。
また、該接着部材とリールシート400とで二重構造が形成された箇所に、透過度合いが高い図柄、もしくは透過度合いが高い部分が描かれた場合には、後処理として、該透過度合いが高い図柄、または透過度合いが高い部分の裏側の二重構造の箇所をくり抜く処理を行えばよい。
(4) 本実施の形態において、余り領域508Xの全領域に接着部を設けて、該余り部508と他端部513とを接着させることにより、重複部分422を形成するとして説明した。しかしながら、余り領域508Xの接着部を設ける領域は、余り領域508Xの一部の領域であってもよい。たとえば、余り領域508Xの一端505側の縁に接着部を設けて、該余り部508と他端部513とを接着させるようにしてもよい。このような構成によれば、接着部のコストを削減することができる。
[リールシート400について]
(1) 本実施の形態においては、装飾図柄は菱形であるとして説明した。しかしながら、装飾図柄の形状は、菱形に限らず、他の形状(たとえば、三角形状)であってもよい。また、装飾図柄は、隣接する各図柄の間に描かれるとして説明したがこれに限られるものではない。たとえば、所定個(たとえば、2個)の図柄おきに、装飾図柄を描くものでもよく、所定の図柄に対応して描かれるものでもよい。また、本実施の形態においては、装飾図柄は、リールシート400の一側方に描かれるとして説明したが、これに限られるものではなく、たとえば、リールシート400の両側方に描かれるものであってもよい。
(2) 本実施の形態では、透明部材に、透明部材の長手方向の長さよりも短い長さの図柄シートが接着されることから、透明領域508Dが形成されるとして説明した。しかしながら、図柄シートが接着される対象は、透明部材でなくとも、環状に湾曲可能な帯状の部材であれば如何なる部材であってもよい。たとえば、模様が入った部材(以下、「模様部材」という。)を用いてもよい。このような模様部材に対して図柄シートが接着された場合には、透明領域508Dの部分は、当該模様部材の模様が描かれた領域となる。このように、図柄シートが接着される対象は、透明部材に限られないことから、リールシートの製造工程の自由度を高めることができる。また、模様部材を用いて、模様が付された領域508Dが設けられたとしても、着色領域508Cが形成されていることから、リールシート400を適切に巻けなかったとしても、着色領域508Cが露出され得ることから、リールシート400が不自然に見えることを防止できる。また、模様部材を用いたとしても、図柄シートを短くできることから、図柄シートのコストや、装飾コストを低減することができる。
(3) 本実施の形態の余り部508には、図柄は描かれないとして説明した。しかしながら、余り部508に、図柄を描くようにしてもよい。余り部508は他端部513に重ねられることから、該図柄は、露出されることがない。したがって、余り部508に、図柄を描かれたとしても、リールシートの巻き付け処理においては、何ら支障はない。
(4) 本実施の形態においては、図柄番号0の図柄を、透過度合いが低いスイカ図柄として説明した。しかしながら、図柄番号0の図柄は、透過度合いが高い図柄を描くようにしてもよい。
(5) 本実施の形態において、リールシート400が巻かれたリールは、所定の役に入賞したことを遊技者に認識させるリールとして用いられるとして説明した。しかしながら、所定の役に入賞したことを遊技者に認識させるためのリールではなく、たとえば、演出のために用いられるリール(いわゆるサブリール)として用いるようにしてもよい。
(6) 本実施の形態において、「各々が識別可能な複数種類の識別情報」は図柄であるとして説明した。しかしながら、識別情報は、他の情報であってもよく、たとえば、記号、数字、文字、キャラクタなど如何なるものであってもよい。識別情報が図柄以外のものであっても、透過度合いが特定の識別情報よりも低い所定の識別情報が、図柄領域513に描かれることにより、本実施の形態と同様の効果を奏する。
(7) 本実施の形態において、リールシート400の形状は、帯状でありかつ矩形状であるとして説明したが、これに限られるものではない。リールシート400の形状は、帯状であり、かつ環状に巻かれるものであれば、如何なる形状であってもよい。本実施の形態においては、他端504および一端505は直線状であるとして説明したが、他端504および一端505のうち少なくとも一方は、曲線であってもよい。
(8) 本実施の形態において、回転軸がスロットマシン1の幅方向となるように、それぞれのリールが回転する(つまり、遊技者からは、上から下に図柄が変動するように見える)として説明した。しかしながら、該回転軸は、幅方向となることに限られず、高さ方向となる(つまり、遊技者からは、右から左、または左から右に図柄が変動するように見える)ようにしてもよい。また、リールの回転軸は、スロットマシン1の幅方向や高さ方向となることに限られず、他の方向となってもよい。
(9) 本実施の形態において、リールは一重構造であるとして説明した。しかしながら、リールは二重構造や三重構造としてもよい。たとえば、リールの二重構造とは、外側のリールと、該外側のリールの径よりも小さい内側のリールとにより構造である。このように二重構造のリールのうち、少なくとも1つのリールに対して、本実施の形態の思想を適用することができる。
[保持枠401、402について]
(1) 本実施の形態の保持枠401、402に付され、リールシート400の一端505が位置する箇所を特定するための情報としての目印401dは三角形状であるとして説明した。しかしながら、該目印401dは、リールシート400の巻き付け作業を行う作業員などにより、巻き付け開始位置が特定できれば、他の情報(記号のみならず文字)であってもよい。
また、本実施の形態の目印401dは、リールシート400の一端505が一致するものであるとして説明した。しかしながら、該目印401dは、リールシートの他の箇所と一致されるものであるとしてもよい。また、当該他の箇所は、作業員により容易に特定可能な個所であることが好ましい。たとえば、他の箇所を「第2ライン508B」としてもよい。第2ライン508Bは、着色領域508Cと、透明領域508Dの境界線であることから、作業員によって容易に特定できる箇所である。また、該目印401dは、特定の図柄番号(たとえば、0)の図柄が一致する箇所としてもよい。このように、目印401dが他の箇所と一致するようなものであっても、リールシート400が適切に巻かれたことを条件に、リールが基準状態になったときには、継ぎ目400aが視認されるような位置関係にすることが好ましい。
また、目印401dの箇所を他の形状としてもよい。たとえば、目印401dを凸形状としてもよい。この場合には、該目印401dと一致されるリールシート400の箇所を切欠き部とすればよい。このような構成によれば、作業員は、該目印401dと該切欠き部とを係合させることにより、容易に、リールシート400と保持枠401、402との位置合わせを行うことができる。
(2) 本実施の形態の、リールシート400を保持する部材は、保持枠401、402であるとして説明した。しかしながら、保持枠の形状はこの形状に限られない。たとえば、保持枠は、略円柱形上であり、該円柱形上の外周に、リールシート400が巻かれるものとしてもよい。また、保持枠401、402の形状によっては、リールシート400が外周に巻かれる形状でないようにしてもよい。また、リールシート400を環状に巻いて、図柄が露出されるように、円形部材で挟み込むようにしてもよい。
(3) また、本実施の形態においては、リールシート400の巻き付け処理を作業員が行うとして説明したが、巻き付け装置により自動的に実行するようにしてもよい。この場合であっても、リールシート400の特定部分と目印401dとが一致して巻き付け処理を行うような調整を該巻き付け装置に対して行うことが好ましい。
[位置ずれの検査方法について]
(1) 本実施の形態では、位置ずれの検査方法においてレーザーラインを用いるとして説明した。しかし、レーザーラインを照射せずとも、リールユニット2に組み付けられたリール2L、2C、2Rが、リールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405の切欠部408と、を一致させた場合に、位置ずれがなければリール2L、2C、2Rのそれぞれの継ぎ目400aが一直線上に揃うこととなるため、リール2L、2C、2Rのそれぞれの継ぎ目400aが一直線上に揃っていないことによってもリールシート400と保持枠401、402との位置ずれが生じていることを発見できる。
また、レーザーラインを用いない方法としては、リールユニット2の所定の位置に当接させた場合にリール2L、2C、2Rの継ぎ目400aが本来位置すべき位置に印が設けられた検査器具をリールユニット2の所定位置に当接させ、検査器具に設けられた印と、リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aと、を比較することにより、一致しなければリールシート400と保持枠401、402との位置ずれが生じていることを発見できる。
このとき用いる検査器具は、リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aのそれぞれに対して同時に検査できるようにそれぞれ対応する位置に印が設けられたものでも良いし、いずれか1つのリールの継ぎ目400aに対して検査できるように対応する位置に印が設けられたものでも良い。この場合でも、リールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405の切欠部408と、を一致させた場合に、リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aは、一直線上に並ぶので、いずれか1つのリールのみ検査器具を当接させて検査することで、他のリールについてもリールシート400と保持枠401、402との位置ずれが生じているか否かを特定することが可能となる。
尚、上記では継ぎ目400aが位置すべき位置を直線上に照射するレーザーラインやリールユニット2の所定の位置に当接させた場合にリール2L、2C、2Rの継ぎ目400aが本来位置すべき位置に印が設けられた検査器具を用いた検査方法を例示しているが、リールユニット2を筐体1aに取り付ける前に継ぎ目400aの位置が正常な位置か否かを特定できる方法であればどのような検査方法を用いても良く、例えば、リールユニット2を構成する部材に継ぎ目400aが本来位置すべき位置を特定可能なマークが形成され、継ぎ目400aと当該マークとを比較することで継ぎ目400aの位置が正常な位置か否かを特定できる構成としても良い。
スロットマシン1の完成後、すなわちリールユニット2を筐体1aに取り付けた後にリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを検査する場合には、リールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405の切欠部408と、を一致させる。この際、リールセンサ33L、33C、33Rにより切欠部408が検出されるまでリールモータ32L、32C、32Rに対して駆動信号を入力させることによりリールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405の切欠部408と、を一致させることができる。
そして、図24に示すように、前面扉1bの所定の位置に当接させた場合に検査器具のA点とB点とが通る線(図中一点差線)上に、リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aが本来位置すべき位置となるように形成された検査器具を前面扉1bの所定位置に当接させ、検査器具のA点とB点とが通る線上から見た際に、A点、B点、継ぎ目400aと、が一致しなければリールシート400と保持枠401、402との位置ずれが生じていることを発見できる。
尚、上記では前面扉1bの所定の位置に当接させた場合に検査器具のA点とB点とが通る線上に、リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aが本来位置すべき位置となるように形成された検査器具を用いた検査方法を例示しているが、リールユニット2を筐体1aに取り付けた後に継ぎ目400aの位置が正常な位置か否かを特定できる方法であればどのような検査方法を用いても良く、例えば、リールユニット2を構成する部材または前面扉1bに継ぎ目400aが本来位置すべき位置を特定可能なマークが形成され、継ぎ目400aと当該マークとを比較することで継ぎ目400aの位置が正常な位置か否かを特定できる構成としても良い。
(2) また、本実施の形態では、リールユニット2に対して複数のリール2L、2C、2Rが一体に組み付けられる構成であるが、1のリールユニットに対して1のリールのみが組み付けられる構成であっても良く、このような構成であっても、上記のようにリールシート400の継ぎ目400aの位置が、保持枠401をリール取付盤405に相対回動不能に取り付け、さらにリール取付盤405をリールモータのロータ32dに相対回動不能に取り付け、リールユニットに組み付けられた状態で、リールモータの本体32bに対してセンサ取付板480を介して取り付けられたリールセンサと、リール取付盤405に形成された切欠部408、すなわちリールセンサによってリールの基準位置が検出される部分と、を一致する位置に移動させた場合に、リールユニットを構成するリールボックスによって被覆されることなく視認可能となる位置となるように、リールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられることにより、リールをリールユニットを構成するリールボックスに組み付けた状態でリールの基準位置となるリール取付盤405の切欠部408をリールセンサの検出位置に位置するように設定することで、透視窓3からリールの継ぎ目400aが視認可能な位置となるため、リールの継ぎ目400aとリールユニットに当接された検査器具やレーザーラインにて特定される正常位置と比較することでリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを容易に発見することができる。
また、本実施の形態では、リールセンサ33L、33C、33Rによりリール2L、2C、2Rの基準位置の通過が検出される被検出部(切欠部408)がリール2L、2C、2Rをリールモータ32L、32C、32Rのロータ32dに固定するためのリール取付盤405に形成されていることにより、リールの成型精度やロータ32dに対する取付け精度に影響されることなく、かつ、リールの回動に応じた基準位置の検出が行われることで、ロータ32dの回動とリールの回動とのずれによる図柄の位置ずれが発生しにくいため、リールと基準位置との関係が正確な位置関係となる。これにより被検出部(切欠部408)を基準位置に合わせたときのリールの継ぎ目400aの位置にばらつきが生じにくく、リールの継ぎ目400aとリールユニットに当接された検査器具やレーザーラインにて特定される正常位置と比較することでリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを発見するときの精度を高めることができる。
また、本実施の形態では、リールセンサ33L、33C、33Rによりリール2L、2C、2Rの基準位置の通過が検出される被検出部(切欠部408)がリール2L、2C、2Rをリールモータ32L、32C、32Rのロータ32dに固定するためのリール取付盤405に形成されているが、リールセンサ33L、33C、33Rによりリール2L、2C、2Rの基準位置の通過が検出される被検出部がリール2L、2C、2Rをリール保持枠401等のリール取付盤405以外の部位に形成される構成としても良く、このような構成であっても、リールセンサ33L、33C、33Rと、被検出部と、を一致する位置に移動させた場合に、リールボックス351によって被覆されることなく視認可能となる位置となるように、リールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられることにより、リール2L、2C、2Rをリールユニット2を構成するリールボックス351に組み付けた状態でリール2L、2C、2Rの被検出部をリールセンサ33L、33C、33Rの検出位置に位置するように設定することで、リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aが視認可能な位置となるため、リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aとリールユニット2に当接された検査器具やレーザーラインにて特定される正常位置と比較することでリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを容易に発見することができる。
また、本実施の形態では、リールシート400の継ぎ目400aの位置が、保持枠401をリール取付盤405に相対回動不能に取り付け、さらにリール取付盤405をリールモータ32L、32C、32Rのロータ32dに相対回動不能に取り付け、リールユニット2を構成するリールボックス351に組み付けられた状態で、リールモータ32L、32C、32Rの本体32bに対してセンサ取付板480を介して取り付けられたリールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405に形成された切欠部408と、を一致する位置に移動させた場合に、リールボックス351によって被覆されることなく視認可能となる位置となるだけでなく、リールユニット2を筐体1aに取り付けて、前面扉1bによりその開放面を閉塞した状態において、前面扉1bに形成された透視窓3を透して視認可能となる位置となるようにリールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられる。これにより、スロットマシン1が完成した状態、すなわちリールユニット2を筐体1aに取り付けた後であっても、そのままの状態でリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを発見することができる。
また、本実施の形態では、リールユニット2に複数のリール2L、2C、2Rが並んだ状態で組み付けられるとともに、リールシート400の継ぎ目400aの位置が、保持枠401をリール取付盤405に相対回動不能に取り付け、さらにリール取付盤405をリールモータ32L、32C、32Rのロータ32dに相対回動不能に取り付け、リールユニット2を構成するリールボックス351に組み付けられた状態で、リールモータ32L、32C、32Rの本体32bに対してセンサ取付板480を介して取り付けられたリールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405に形成された切欠部408と、を一致する位置に移動させた場合に、リール2L、2C、2Rのそれぞれの継ぎ目400aが一直線上に揃うように、リールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられる。複数のリールを並べてリールユニット2に組み付けた状態でリールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405に形成された切欠部408と、が一致するように設定することで、これら複数のリールの継ぎ目400aが一直線上に並ぶこととなるため、複数のリールの継ぎ目400aの位置関係からリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを容易に発見することができる。
また、本実施の形態では、複数のリールを並べてリールユニット2に組み付けた状態でリールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405に形成された切欠部408と、を一致させる位置とした場合に、リール2L、2C、2Rのそれぞれの継ぎ目400aが一直線上に揃うように、リールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられる構成であり、複数のリール全てにおいて保持枠401、402に対するリールシート400の位置ずれが生じていないときには継ぎ目400aが一直線上に並ぶので、継ぎ目400aが一直線上に並ぶか否かにより保持枠401、402に対するリールシート400の位置ずれを発見することができることから好ましいが、複数のリールを並べてリールユニット2に組み付けた状態でリールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405に形成された切欠部408と、を一致させる位置とした場合に、リール2L、2C、2Rのそれぞれの継ぎ目400aが特定の位置関係(例えば、それぞれ1図柄分ずらした位置関係等)であっても、複数のリールの継ぎ目400aの位置関係が特定の位置関係となるか否かを確認することにより、リールシート400と保持枠401、402との位置ずれを容易に発見することができる。
また、本実施の形態では、リールセンサ33L、33C、33Rによりリール2L、2C、2Rの基準位置の通過が検出される被検出部(切欠部408)がリール2L、2C、2Rをリールモータ32L、32C、32Rのロータ32dに固定するためのリール取付盤405に形成されていることにより、リールの成型精度やロータ32dに対する取付け精度に影響されることなく、かつ、リールの回動に応じた基準位置の検出が行われることで、ロータ32dの回動とリールの回動とのずれによる図柄の位置ずれが発生しにくいため、リールと基準位置との関係が正確な位置関係となる。これにより被検出部(切欠部408)を基準位置に合わせたときの複数のリールの継ぎ目400aの位置にばらつきが生じにくく、複数のリールの継ぎ目400aの位置関係からリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを発見するときの精度を高めることができる。
また、本実施の形態では、リールセンサ33L、33C、33Rによりリール2L、2C、2Rの基準位置の通過が検出される被検出部(切欠部408)がリール2L、2C、2Rをリールモータ32L、32C、32Rのロータ32dに固定するためのリール取付盤405に形成されているが、リールセンサ33L、33C、33Rによりリール2L、2C、2Rの基準位置の通過が検出される被検出部がリール2L、2C、2Rをリール保持枠401等のリール取付盤405以外の部位に形成される構成としても良く、このような構成であっても、リールセンサ33L、33C、33Rと、被検出部と、を一致する位置に移動させた場合に、リール2L、2C、2Rのそれぞれの継ぎ目400aが特定の位置関係となるように、リールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられることにより、リール2L、2C、2Rを、リールユニット2を構成するリールボックス351に組み付けた状態でリール2L、2C、2Rの被検出部をリールセンサ33L、33C、33Rの検出位置に位置するように設定することで、これら複数のリールの継ぎ目400aが特定の位置関係となるため、複数のリールの継ぎ目400aの位置関係からリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを容易に発見することができる。
(3) また、本実施の形態においては、図25に示すように、リール2L、2C、2Rをそれぞれ基準状態になるようにした場合には、継ぎ目400aが透視窓3を透して視認可能となるように、一直線に並ぶ、として説明した。しかしながら、リール2L、2C、2Rをそれぞれ基準状態になるようにした場合において、各リールそれぞれの継ぎ目400aの位置関係は、一直線に並ぶ位置関係に限られず、他の位置関係であってもよい。たとえば、各リールそれぞれの継ぎ目400aの位置関係は、リール2L、2C、2Rがそれぞれ基準状態であるときに、リール2L、2C、2Rがそれぞれ基準状態であることを直感的に検査員に認識させる位置関係であることが好ましい。
各リールそれぞれの継ぎ目400aの位置関係の他の例として、リール2L、2C、2Rがそれぞれ基準状態であるときに、左リール2Lの継ぎ目400aが上方の第1位置に位置し、中リール2Cの継ぎ目400aが、第1位置よりも、第1所定距離分下方にずれた第2位置に位置し、右リール2Rの継ぎ目400aが、第2位置よりも第2所定距離分下方にずれた第3位置に位置し、かつリール2L、2C、2R全ての継ぎ目400aが視認可能となることが好ましい。第1所定距離、および第2所定距離は、同一であってもよく、異なっていてもよい。また、第1所定距離および第2所定距離が同一であれば、第1所定距離および第2所定距離は、図柄領域の縦辺の長さとしてもよい。第1所定距離、および第2所定距離は他の距離であってもよい。
[所定事象について]
本実施の形態においては、店員の操作によって発生させる所定事象として、ドア開放エラーの解除、払出率の設定確認、払出率の設定変更、演出の音量設定、演出の光量設定、および節電モードの設定の許可について例示したが、店員の操作によって発生させる所定事象はこれら以外のものであってもよい。
たとえば、所定事象は、メイン側(メイン制御部41や遊技制御基板40)に直接、あるいは間接的に接続される構成に関する設定、およびサブ側(サブ制御部91や演出制御基板90)に直接、あるいは間接的に接続される構成に関する設定の許可であってもよい。
たとえば、メイン側の設定として、スタートスイッチ7やストップスイッチ8L、8C、8Rなどの各種操作手段を操作するときの圧力(押圧)や固さを設定できるものであってもよいし、投入要求LED17やスタート有効LEDなどの各種点灯手段の点灯および消灯とその点灯度合を設定できるものであってもよい。つまり、これらメイン側の設定をするための操作が不正あるいは誤ってされてしまっても、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入、前面扉1bの開放、ドア開放エラーの解除、および鍵穴37aへの設定キー37dの挿入のいずれか、もしくは全て満たしていないときには、当該操作に基づく処理が禁止されるものであってもよい。
たとえば、サブ側の設定として、演出用スイッチ56などの各種操作手段を操作するときの圧力や固さを設定できるものであってもよい。時刻を計時するRTC(real time clock)を備えたスロットマシンであれば、サブ側の設定として、RTCにおける時刻を設定できるものであってもよい。複数種類の演出モード(たとえば、キャラクタAが主役の演出モードとキャラクタBが主役の演出モードなど)に制御可能なスロットマシンであれば、サブ側の設定として、演出モードを設定できるものであってもよい。また、サブ側の設定として、メダル詰まり時や不正行為時、もしくは推奨手順でストップスイッチが操作されなかったときに実行されるエラー報知の態様や実行頻度を設定できるものであってもよい。さらに、サブ側の設定として、遊技履歴(たとえば、ゲーム回数、ボーナス入賞回数、払出枚数など)の削除や表示有無などの設定、あるいはエラーの履歴確認ができるものであってもよい。つまり、これらサブ側の設定をするための操作が不正あるいは誤ってされてしまっても、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入、前面扉1bの開放、ドア開放エラーの解除、および鍵穴37aへの設定キー37dの挿入のいずれか、もしくは全て満たしていないときには、当該操作に基づく処理が禁止されるものであってもよい。
また、ドア開放エラーの解除に限らず、オーバーフロータンク35が満タン状態となったときに検出されるオーバーフローエラー、ホッパータンク34aに貯留されたメダルが無くなったときに検出されるメダル補給エラー、ホッパータンク34a内やホッパータンク34aからメダル払出口9までの経路内にメダル以外の異物が滞留したり、メダル払出口9にメダルが詰まったりしたときなどに検出されるホッパーエラー、メダルセレクタ29内の投入メダルセンサ31によってメダル以外の異物を検出したときなどに検出されるセレクターエラーリールが正常に回転および停止しないときなどに検出されるリールエラーなど、メイン制御部41によって管理されるその他のエラーの解除を許可するものであてもよい。つまり、これらメイン側のエラー解除をするための操作が不正あるいは誤ってされてしまっても、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入、前面扉1bの開放、ドア開放エラーの解除、および鍵穴37aへの設定キー37dの挿入のいずれか、もしくは全て満たしていないときには、当該操作に基づく処理が禁止されるものであってもよい。
また、メイン側のエラー解除に限らず、たとえば、メイン制御部41からのコマンドが欠落したときに検出されるコマンド欠落、メイン制御部41からのコマンドが異常であるときに検出されるコマンド異常、AT回数が異常な値となったときに検出されるATカウンタエラーなど、サブ制御部91によって管理されるその他のエラーの解除を許可するものであってもよい。つまり、これらサブ側のエラー解除をするための操作が不正あるいは誤ってされてしまっても、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入、前面扉1bの開放、ドア開放エラーの解除、および鍵穴37aへの設定キー37dの挿入のいずれか、もしくは全て満たしていないときには、当該操作に基づく処理が禁止されるものであってもよい。
本実施の形態においては、ドア開放エラー状態を解除する方法として、リセットスイッチ23を操作するものであったが、これに限らない。たとえば、前面扉1bを開放するためのドアキー70dを左に回すなどの操作によってドア開放エラー状態を解除するものであってもよいし、リセットスイッチ23以外のエラー解除のためのスイッチが設けられていてもよい。たとえば、鍵穴70aにドアキー70dを挿入したまま左に回す鍵操作をしたときに所定のエラーが解除される場合、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入、前面扉1bの開放、およびドア開放エラーの解除のいずれか、もしくは全て満たしていないときには、当該操作に基づく処理が禁止されるものであってもよい。
また、リセットスイッチ23などのエラー解除のためのスイッチは、スロットマシン1の内部(たとえば、筐体1aの内側や前面扉1bの内側)に設けられていてもよいし、スロットマシン1の外部(たとえば、筐体1aの外側や前面扉1bの外側)に設けられていてもよい。なお、前面扉1bを開放できる店員のみが操作できることに鑑みると、エラー解除のためのスイッチは、スロットマシン1の内部に設けられている方が好ましい。さらに、前面扉1bの外側に店員のみが解除することができる鍵がかけられたエラー解除のためのスイッチが設けられていてもよい。いずれにしても、前面扉1bを開放していることを条件にエラー解除のためのスイッチを操作可能である態様が好ましい。
[所定事象の発生禁止について]
本実施の形態においては、前面扉1bが開放されてドア開放エラー状態となったときに、最初にリセットスイッチ23を操作してドア開放エラー状態を解除し、その後、設定変更などの各種操作(たとえば、設定キースイッチ37をON)をすることで、設定変更状態に移行するなど所定事象が発生可能となるものであった。しかし、このような手法に限らない。
たとえば、前面扉1bが開放されてドア開放エラー状態となったときに、最初に設定変更などの各種操作(たとえば、設定キースイッチ37をON)を行い、さらに、リセットスイッチ23を操作することでドア開放エラーが解除され、設定変更などに移行するなど所定事象が発生可能となるものであってもよい。あるいは、前面扉1bが開放されてドア開放エラー状態となったときに、最初に設定変更などの各種操作(たとえば、設定キースイッチ37をON)を行い、さらに、再度、設定変更などの各種操作(たとえば、設定キースイッチ37をON)を行うことでドア開放エラーが解除されて設定変更状態に移行するなど所定事象が発生可能となるものであってもよい。いずれにしても、前面扉1bが開放されていることを条件にドア開放エラーが解除され、さらに、ドア開放エラーが解除されたことを条件に所定事象が発生可能となるものが好ましい。
本実施の形態においては、図32のS15の処理に示すように、リセットスイッチ23を覆うカバー23aの開放が検知されたことを条件に、ドア開放エラーが解除されるものであったが、このようなソフトウェアを用いた処理に限らず、カバー23aに店員のみが所有する鍵を付けて、店員のみがカバー23aを開放できるものであってもよい。
本実施の形態においては、リセットスイッチ23が操作されても、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入、前面扉1bの開放、およびドア開放エラーの解除のいずれか、もしくは全て満たしていないときには、当該操作に基づく操作信号が有効に受け付けられず、これによって、不正にドア開放エラーが解除されることを防止するものであった。つまり、本実施の形態の場合、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入、前面扉1bの開放、ドア開放エラーの解除、および鍵穴37aへの設定キー37dの挿入のいずれかを満たしてしないときには、リセットスイッチ23が作動して操作可能であって、当該操作に基づく信号がメイン制御部41などの制御部に入力されるが、当該信号に基づいて制御部が処理不可能となるものであった。しかし、このようなものに限らず、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入、前面扉1bの開放、およびドア開放エラーの解除のいずれか、もしくは全て満たしていないときには、リセットスイッチ23が作動不能(たとえば、固定されて動かない)となるもの、あるいは、リセットスイッチ23が作動して操作可能であるが、当該操作に基づく信号が制御部に入力されない(たとえば、制御部の入力センサに電力が供給されないなど)ものであってもよい。
本実施の形態においては、設定確認や設定変更などの各種設定をするための操作手段が操作されても、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入、前面扉1bの開放、ドア開放エラーの解除、および鍵穴37aへの設定キー37dの挿入のいずれか、もしくは全て満たしていないときには、当該操作に基づく操作信号が有効に受け付けられず、これによって、不正に各種設定が行われてしまうことを防止するものであった。つまり、本実施の形態の場合、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入、前面扉1bの開放、ドア開放エラーの解除、および鍵穴37aへの設定キー37dの挿入のいずれか、もしくは全て満たしていないときには、操作手段が作動して操作可能であって、当該操作に基づく信号がメイン制御部41などの制御部に入力されるが、当該信号に基づいて制御部が処理不可能となるものであった。しかし、このようなものに限らず、鍵穴70aへのドアキー70dの挿入、前面扉1bの開放、ドア開放エラーの解除、および鍵穴37aへの設定キー37dの挿入のいずれか、もしくは全て満たしていないときには、操作手段が作動不能(たとえば、固定されて動かない)となるもの、あるいは、操作手段が作動して操作可能であるが、当該操作に基づく信号が制御部(たとえば、制御部の入力センサに電力が供給されないなど)に入力されないものであってもよい。
本実施の形態においては、前面扉1bの開放、ドアキー70dの挿入、および設定キー37dの挿入のいずれについても、メイン制御部41によって検知され、当該検知されたことを特定可能なコマンドがサブ制御部91に送信されるものであった。しかし、メイン制御部41のみがこれらの検知をするものに限らず、メイン制御部41とサブ制御部91の両方が検知するもの、あるいは、サブ制御部91のみが検知するものであってもよい。たとえば、サブ制御部91がドア開放エラー状態を検知したときには、サブ制御部91がドアキー70dの挿入や設定キー37dの挿入を検知していることを条件にドア開放エラーを解除するものであってもよい。
[異常の報知態様について]
本実施の形態においては、前面扉1bが開放状態になったときには、演出効果LED52、液晶表示器51、およびスピーカ53,54を用いてドア開放報知が行われたが、その他の報知手段を用いてドア開放報知が行われてもよい。
また、エラー解除前報知態様におけるドア開放報知と、エラー解除後報知態様におけるドア開放報知とでは、用いられる報知手段の種類および数は同じであってもよいし、異なっていてもよい。いずれにしても、エラー解除前報知態様は、エラー解除後報知態様よりも目立つ態様であるものが好ましい。
本実施の形態においては、ドア開放エラーが解除された後、所定期間が経過したときには、再度、ドア開放エラー状態となり、ドア開放報知の報知態様も、エラー解除後報知態様からエラー解除前報知態様に変更されるものであったが、これに限らない。たとえば、ドア開放エラーの解除後に再度、ドア開放エラー状態となることが繰り返し行われたときには、不正行為の疑いがあるため、この場合は、ドア開放エラーが解除された後であっても、エラー解除前報知態様でドア開放報知が行われるものであってもよい。
また、本実施の形態においては、エラー解除異常、設定確認異常、設定変更異常、演出設定変更異常、節電モード設定異常、および遊技進行異常のいずれかが発生したときに、液晶表示器51およびスピーカ53,54を用いて異常報知が行われたが、その他の報知手段を用いて異常報知が行われてもよい。
[ドアセンサについて]
本実施の形態においては、前面扉1bの閉鎖状態において検知片60bが検知片受け部材61の凹部61aの底面に当接することで、検知片受け部材61の凹部61aの深さ分だけ検知片60bを移動させるようになっているが、たとえば、前面扉1bを閉鎖状態とした際に、検知片60bが筐体1a側の平面部に当接することで、検知片受け部材61の凹部61aの深さ分だけ検知片60bを移動させる構成としてもよい。このようにすることで、検知片60bが検知位置となる移動距離を推測することが困難となるため、開放状態において故意に検知片60bを検知位置yに調整することで、閉鎖状態を検知させることが困難となり、前面扉1bが閉鎖状態と誤って判定されることによる不正を一層効果的に防止することができる。
本実施の形態においては、ドアセンサ60が前面扉1bに配置されており、ドアセンサ60の検知片60bが筐体1aに配置された検知片受け部材61に当接するように構成されているが、ドアセンサ60を筐体1aに配置するとともに前面扉1bにおいてドアセンサ60の検知片60bと対応する位置に検知片受け部材61を配置するように構成してもよい。このようにすることで、ドアセンサ60を前面扉1bに配置して検知片受け部材61を筐体1aに配置する場合と同様に、前面扉1bが閉鎖状態と誤って判定されることによる不正を防止することができる。
[その他]
(1) 本実施形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、本実施形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、これに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、本実施形態においては、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちのいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえばメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
(2) 本実施形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、すべてのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
(3) 本実施形態に係るスロットマシン1は、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な複数の可変表示領域(透視窓3)のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値(メダル、クレジット)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、複数の可変表示領域のすべてに表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として複数の可変表示領域のそれぞれに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであってもよい。
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
また、遊技機の一例としてスロットマシンを例に挙げて説明したが、本実施の形態はパチンコ遊技機に適用することも可能である。この場合、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すパチンコ遊技機を採用してもよく、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のパチンコ遊技機を採用してもよい。封入式のパチンコ遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉をパチンコ遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、パチンコ遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取り付けた構成であるが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。
また、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
また、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。