本発明に係るスロットマシンを実施するための形態について以下に説明する。
[スロットマシンの構成]
本発明が適用されたスロットマシンの実施の形態1を図面を用いて説明すると、本実施の形態のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L,2C,2R(以下、左リール,中リール,右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L,2C,2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L,2C,2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリーa」、「チェリーb」、「ベル」、「リプレイ」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L,2C,2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。なお、以下では、「赤7」、「青7」、「白7」をまとめて単に「7」という場合があり、「チェリーa」、「チェリーb」をまとめて単に「チェリー」という場合がある。
各リール2L,2C,2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L,32C,32R(図4参照)によって回転されることで、各リール2L,2C,2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される一方で、各リール2L,2C,2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L,2C,2Rの内側には、リール2L,2C,2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L,33C,33Rと、リール2L,2C,2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L,2C,2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L,2C,2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51bを介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できるようになっている。また、表示領域51a上、透過領域51bの横には、表示灯51cが表示されている。表示灯51cは、後述するAT(ART)への制御を特定可能な画像を表示する領域である。
前面扉1bには、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では後述するRT0〜4の規定数として3、RBの規定数として2が定められている)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L,2C,2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8Rが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L,2C,2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、その停止を第3停止もしくは最終停止と称する。左リール2Lを第1停止することを左第1停止、左リール2Lを第2停止することを左第2停止、左リール2Lを第3停止することを左第3停止とも称する。中リール2Cを第1停止することを中第1停止、中リール2Cを第2停止することを中第2停止、中リール2Cを第3停止することを中第3停止とも称する。右リール2Rを第1停止することを右第1停止、右リール2Rを第2停止することを右第2停止、右リール2Rを第3停止することを右第3停止とも称する。
本実施の形態では、遊技者がストップスイッチ8L,8C,8Rを操作する停止順(押し順とも称する)には、順押し、順挟み押し、中左押し、中右押し、逆挟み押し、および逆押しが含まれる。順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に中リール2Cを第2停止させる停止順をいう。順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に右リール2Rを第2停止させる停止順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に左リール2Lを第2停止させる停止順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に右リール2Rを第2停止させる停止順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に左リール2Lを第2停止させる停止順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に中リール2Cを第2停止させる停止順をいう。
また、前面扉1bには、図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L,8C,8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L,8C,8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、図2に示すように、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定の契機(たとえば、後述のBB終了時)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定の契機(たとえば、BB終了時)に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1aの内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1aの内部には、図2に示すように、前述したリール2L,2C,2R、リールモータ32L,32C,32R(図4参照)、各リール2L,2C,2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L,33C,33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図4参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留されたメダルが所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンク35が満タン状態となったことを検出する満タンセンサ35a(図4参照)が設けられている。
電源ボックス100の前面には、図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
なお、電源ボックス100は、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員などが所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員などの者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、後述するRT0〜4における規定数の賭数として3枚が定められ、後述するRBにおける規定数の賭数として2枚が定められており、これら遊技状態に応じた規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施の形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
また、本実施の形態では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(たとえば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
また、本実施の形態では、入賞役として、入賞ラインLNに役として定められた所定の図柄の組合せ(たとえば、後述の図6では「ベル−スイカ−チェリーb」)が揃ったときに入賞するとともに、かつ所定の図柄組合せが揃うことにより無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄組合せよりも認識しやすい指標となる図柄の組合せ(たとえば、後述の図6では「スイカ−スイカ−スイカ」)が揃うことにより、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃った図柄の組合せによって入賞したように見せることが可能な役を含む。以下では、所定の図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったときに無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃う図柄の組合せを、指標となる図柄の組合せと呼び、指標となる図柄の組合せを構成する図柄を指標図柄と呼ぶ。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L,2C,2Rが回転し、各リール2L,2C,2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rを操作すると、対応するリール2L,2C,2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L,2C,2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役ともいう)が各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
なお、本実施の形態では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
また、本実施の形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよく、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。また、本実施の形態では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていてもよい。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L,2C,2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L,8C,8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作から対応するリール2L,2C,2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L,2C,2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L,8C,8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L,2C,2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L,2C,2Rを単にリールという場合がある。また、リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。また、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作によりリール2L,2C,2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
図4に示すように、スロットマシン1には、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給される。なお、演出制御基板に対して電源を供給する電源供給ラインが遊技制御基板40を介さず、電源基板101から演出制御基板90に直接接続され、電源基板101から演出制御基板90に対して直接電源が供給される構成としてもよい。
電源基板101には、ホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L,33C,33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力される。
遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L,32C,32Rが接続されているとともに、電源基板101を介してホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の制御に基づいて駆動される。
遊技制御基板40には、遊技の制御を行うメイン制御部41が搭載されている。メイン制御部41は、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、およびI/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなる。遊技制御基板40には、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42と、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44と、リールモータ32L,32C,32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45と、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46と、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49と、その他各種デバイスおよび回路とが搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持される。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。メインCPU41aは、割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断処理(メイン)を実行し、一定時間間隔ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡する。
電断処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行われる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。次に、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。このように電断処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納され、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できる。
リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させる。リセット回路49は、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行わなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送信され、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送信されることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力される。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図3参照)、演出効果LED52、スピーカ53,54、リールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91による制御に基づいて駆動される。
本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53,54、リールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われる。
本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53,54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これに限らず、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53,54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98などが搭載されている。サブ制御部91は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成されている。サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させてタイマ割込処理(サブ)を実行する。
サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行する。
サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持される。
[設定値]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わる。詳しくは、内部抽選などにおいて設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わる。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち払出率の点からでは、設定値として6が設定されているときが遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
なお、「電源ON」+「設定キーON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉1bが開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。さらに、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キーがOFF操作)が成立するまで前面扉1bの開閉状態にかかわらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉1bが閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰する。
なお、「設定キーON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉1bが開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。さらに、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キーがOFF操作)が成立するまで前面扉1bの開閉状態にかかわらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉1bが閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
[電断処理]
本実施の形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行するごとに、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させる。
サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM91cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化する。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であると判断された場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す設定コマンドを受信した場合、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す復帰コマンドも設定コマンドも受信しない場合にも、RAM91cを初期化する。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
[初期化]
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。RAM41cの格納領域は、重要ワーク、特別ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
本実施の形態においてメイン制御部41は、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37およびリセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、設定キースイッチ37がON、リセット/設定スイッチ38がOFFの状態での起動時、設定キースイッチ37がOFFの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行う。
初期化0は、RAM異常エラー時、設定キースイッチ37およびリセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41cの全ての領域が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がON、リセット/設定スイッチ38がOFFの状態であり、設定変更状態へ移行する場合においてその前に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち重要ワークおよび特別ワーク以外の領域が初期化される。初期化2では、RAM41cの格納領域のうち一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施の形態では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行ったりしてもよい。
[内部抽選]
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L,2C,2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施の形態の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと称する)上に、役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役とがある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも称する。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越される。
内部抽選は、各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L,2C,2Rの表示結果が導出表示される以前(実際には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。遊技状態(RTの種類)に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態(RTの種類)、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数とに応じて内部抽選が行われる。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態(現在のRTの種類)および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選する。
いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられる。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
なお、本実施の形態では、特別役を備えていない構成であるため、上記内部当選フラグ格納ワークのうち一般役格納ワークのみが用いられる。
[リールの停止制御]
リール2L,2C,2Rの停止制御について説明する。
メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L,8C,8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L,8C,8Rに対応するリール2L,2C,2Rの回転を停止させる制御を行う。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L,32C,32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L,32C,32Rを336ステップ駆動させることでリール2L,2C,2Rが1周する。リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられている。停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できる。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L,8C,8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。ストップスイッチ8L,8C,8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止する。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態(RTの種類)における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態(RTの種類)、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われる。
本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できる。1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行うようにすればよい。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。なお、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わない。
なお、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行ってもよい。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われるようにすればよい。なお、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L,2C,2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作タイミングにかかわらずに、必ず再遊技役が揃って入賞する。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞する。なお、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わない。
メイン制御部41は、リール2L,2C,2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行う。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行う。
本実施の形態では、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止するため、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
メイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させるごとにその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入などにより規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間(本実施の形態では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していれば、その時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
一方、1ゲームの終了後、メダルの投入などにより規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していなければ、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間に到達するまで待機し、所定の規制時間に到達した時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
すなわちメイン制御部41は、前のゲームにおけるリールの回転開始から所定の規制時間が経過していない場合には、この所定の規制時間が経過するまでゲームの進行を規制して、1ゲームの最短時間が所定の規制時間以上となるようにゲームの進行を規制する。
本実施の形態において、メイン制御部41は、停止操作に伴い、全てのリール2L,2C,2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン上に入賞に対応する役が揃ったか否かを判定し、いずれかの入賞に対応する役が揃っていると判定した場合には、入賞時の制御を行う。たとえば、小役が揃っている場合には、揃った小役に応じたメダルを付与する制御を行い、再遊技役が揃っている場合には、リプレイゲームを付与する制御などを行う。
[コマンドの種類]
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施の形態では、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、遊技状態コマンド、AT状態コマンド、内部当選コマンド、停止順コマンド、AT抽選結果コマンド、上乗せ抽選結果コマンド、状態移行抽選結果コマンド、フリーズコマンド、リール加速情報1コマンド、リール加速情報2コマンド、停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンド、遊技終了コマンド、入賞枚数コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
遊技状態コマンドは、当該ゲームの遊技状態(RT0〜4、RB)を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
AT状態コマンドは、当該ゲームにおけるナビストックの残り個数、前兆期間の残りゲーム数、ATの残りゲーム数を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、遊技状態コマンドの後に送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときであって、遊技状態コマンドの送信後に送信される。内部当選コマンドは、ゲームが開始したときであって、AT状態コマンドの後に送信される。
遊技状態コマンド、AT状態コマンド、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したことを特定可能である。
また、内部当選コマンドは、後述の押し順ベルのいずれかが当選したことは特定可能であるが、どの種類(中左ベル、中右ベル、右左ベル、右中ベル)が当選したか、すなわち押し順ベルの当選時に、中段ベルを入賞させる停止順が特定できないようになっている。また、内部当選コマンドは、後述の7リプレイのいずれかが当選したことは特定可能であるが、どの種類(7リプレイ1、2)の7リプレイが当選したか、すなわち7リプレイの当選時に、赤7リプレイまたは青7リプレイを入賞させる停止順が特定できないようになっている。また、内部当選コマンドは、後述のリプレイGR1〜4のいずれかが当選したことは特定可能であるが、リプレイGR1〜4のうちどの種類が当選したか、すなわちリプレイGR1〜4の当選時に、昇格リプレイを入賞させる停止順が特定できないようになっている。また、内部当選コマンドは、後述のリプレイGR11〜13のいずれかが当選したことは特定可能であるが、リプレイGR11〜13のうちどの種類が当選したか、すなわちリプレイGR11〜13の当選時に、特殊リプレイを入賞させる停止順が特定できないようになっている。
停止順コマンドは、押し順ベル当選時の中段ベルを入賞させる停止順、7リプレイ1または7リプレイ2当選時の中段リプレイ若しくは右上がりリプレイを入賞させる停止順、赤7リプレイを入賞させる停止順または青7リプレイを入賞させる停止順、リプレイGR1〜4当選時の昇格リプレイを入賞させる停止順、リプレイGR11〜13当選時の特殊リプレイを入賞させる停止順を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、後述のナビ報知を行うときに、内部当選コマンドの送信後に送信される。
AT抽選結果コマンドは、後述のAT抽選の当選の有無およびナビストックの当選個数を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、AT抽選が行われたゲームにおいて内部当選コマンドの送信後に送信される。
上乗せ抽選結果コマンドは、後述の上乗せ抽選の当選の有無および上乗せ抽選で当選したゲーム数を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、上乗せ抽選が行われたゲームにおいて内部当選コマンドの送信後に送信される。
状態移行抽選結果コマンドは、後述の状態移行抽選の当選の有無を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、状態移行抽選が行われたゲームにおいて内部当選コマンドの送信後に送信される。
フリーズコマンドは、当該ゲームにおいて遊技の進行を所定期間に亘り遅延させるフリーズ状態に制御されるか否か、フリーズ状態に制御される場合にはその種類を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、内部当選コマンドの送信後に送信される。
リール加速情報1コマンドは、遊技の進行に伴いリールの回転が開始する旨を特定可能なコマンドであり、遊技の進行に伴いリールの回転を開始するときに送信する。なお、フリーズ状態の終了に伴って遊技の進行に伴うリールの回転を開始するときにも送信されるため、フリーズコマンドによりフリーズ状態の開始が特定された後、リール加速情報1コマンドを受信することで遊技の進行に伴いリールの回転が開始する旨だけではなく、フリーズ状態の終了も特定可能となる。
リール加速情報2コマンドは、フリーズ状態において行われるリールを用いた演出の種類を特定可能なコマンドであり、フリーズ状態においてリールを作動させるときに送信される。
停止操作時コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。
滑りコマ数コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作がされてから停止するまでに移動する滑りコマ数を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する停止操作時コマンドが送信された後に送信される。
停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する滑りコマ数コマンドが送信された後に送信される。
停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンドは、いずれも停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、を特定可能であり、かつ各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信されるので、これらコマンドを受信することで、いずれかのリールの停止操作がされたことおよび停止するリールを特定可能である。
遊技終了コマンドは、遊技が終了された旨および次ゲームの遊技状態(RT0〜4、RB)を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信される。
入賞枚数コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときであり、遊技終了コマンドの送信後に送信される。
遊技終了コマンド、入賞枚数コマンドは、いずれも遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了したことを特定可能である。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに終了推定時間(本実施の形態では60秒)経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間毎に送信される。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理においてに生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理が10回実行される毎に、スイッチの検出状態に基づいて生成されるとともに、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
本実施の形態においてメイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させる毎にその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入などにより規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間(本実施の形態では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していれば、ウェイトを発生させず、その時点で当該ゲームにおける遊技(以下では、後述の擬似遊技と区別するため、ゲームの進行に伴う遊技を通常遊技とする)のためのリールの回転を開始させる。
一方、1ゲームの終了後、メダルの投入などにより規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態で通常遊技の開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していなければ、ウェイトを発生させて、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間に到達するまで待機し、規定時間に到達した時点で通常遊技におけるリールの回転を開始させる。
[コマンド受信時のサブ制御部91による制御]
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLED55の点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
[入賞役]
図5〜図7は、本実施の形態のスロットマシン1における役の種類、図柄組合せ、および役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図8は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図9は、遊技状態の概要を示す図である。
本実施の形態におけるスロットマシン1は、図8に示すように、RT0〜4、RB(BB中のRB含む)のいずれかに制御される。
まず、図5を参照して、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス(以下、各々のビッグボーナスをBBと称する)、レギュラーボーナス(以下、各々のレギュラーボーナスをRBと称する)の2種類のボーナスが含まれる。
BBは、RT0〜4において入賞ラインLNに「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BBに入賞すると、後述のレギュラーボーナス(以下、RBと称する)に毎ゲーム制御されるビッグボーナスに移行する。そして、ビッグボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
RBは、RT0〜4において入賞ラインLNに「BAR−BAR−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。RBに入賞すると、レギュラーボーナス(以下、RBと称する)に移行される。そして、レギュラーボーナスは、いずれかの役が6回入賞するか、12ゲーム消化したことを条件として終了する。
図8に示すように、BBおよびRBのいずれかに当選してから入賞するまでは、RT4に制御され、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス(まとめてボーナスと呼ぶ)が終了した後は、RT3に制御されることとなる。
いずれのリールにおいてもBBを構成する図柄(各リールの「赤7」)、RBを構成する図柄(各リールの「BAR」)は5コマ以内に配置されていない箇所があるため、後述する内部抽選においてBB、RBのうちいずれかに当選していても、停止操作を適正なタイミングで行わなければ、当選しているBB、RBに入賞することはない。
次に、図6を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、副役A1、副役A2、副役A3、副役A4、副役A5、副役A6、副役B1、副役B2、制御役1、制御役2、制御役3、制御役4、中段ベル、右下がりベル、中段スイカ、右下がりスイカ、中段チェリー、角チェリーが含まれる。
なお、以下、副役A1、副役A2、副役A3、副役A4、副役A5、副役A6を区別する必要がない場合には、単に副役Aと呼び、副役B1、副役B2を区別する必要がない場合には、単に副役Bと呼ぶ。また、副役A、副役Bを区別する必要のない場合には、単に副役と呼ぶ。また、制御役1、制御役2、制御役3、制御役4を区別する必要がない場合には、単に制御役と呼ぶ。
副役A1は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイ−チェリーa−チェリーa」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても副役A1が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。副役A1の入賞時においては、無効ラインLM1〜LM4のいずれにも同一の図柄または互いに類似する図柄が揃うことはない。また、副役A1を構成する左リールの「リプレイ」は5コマ以内に配置されているが、副役A1を構成する中リールの「チェリーa」、右リールの「チェリーa」は5コマ以内に配置されていない箇所があるため、後述する内部抽選において副役A1に当選していても、中リール、右リールの停止操作を適正なタイミングで行わなければ、当選している副役A1に入賞することはない。
その他の副役A2〜A6についても、副役A1と同様に、入賞ラインLNに図6に示す図柄組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても入賞したときには8枚のメダルが払い出される。また、入賞時においては、無効ラインLM1〜LM4のいずれにも同一の図柄または互いに類似する図柄が揃うことはない。また、後述する内部抽選において副役Aに当選していても、リールの停止操作を適正なタイミングで行わなければ、当選している副役Aに入賞することはない。
副役B1は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「青7−ベル−赤7」、「青7−ベル−リプレイ」、「スイカ−ベル−赤7」、「スイカ−ベル−リプレイ」のいずれかの組合せが揃ったときに入賞となり、RT0〜RT4において副役B1が入賞したときには1枚のメダルが払い出される。また、RBにおいて副役B1が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。副役B1の入賞時においては、無効ラインLM1〜LM4のいずれにも同一の図柄または互いに類似する図柄が揃うことはない。また、副役B1を構成する左リールの「青7」、「スイカ」のいずれか1の図柄、副役B1を構成する中リールの「ベル」、副役B1を構成する右リールの「赤7」、「リプレイ」のいずれか1の図柄は5コマ以内に配置されているため、後述する内部抽選において副役B1に当選しているときには、原則として、停止操作のタイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
その他の副役B2についても、副役B1と同様に、入賞ラインLNに図6に示す図柄組合せが揃ったときに入賞となり、RT0〜RT4において副役B1が入賞したときには1枚のメダルが払い出され、RBにおいて副役B1が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。また、入賞時においては、無効ラインLM1〜LM4のいずれにも同一の図柄または互いに類似する図柄が揃うことはない。また、後述する内部抽選において副役Bに当選しているときには、原則として、停止操作のタイミングに関わらず入賞させることができる。
制御役1は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイ−チェリーa−チェリーb」の組合せが揃ったときに入賞となり、RT0〜RT4において制御役1が入賞したときには1枚のメダルが払い出される。また、RBにおいて制御役1が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。制御役1の入賞時においては、無効ラインLM1〜LM4のいずれにも同一の図柄または互いに類似する図柄が揃うことはない。また、制御役1を構成する左リールの「リプレイ」は5コマ以内に配置されているが、制御役1を構成する中リールの「チェリーa」、右リールの「チェリーb」は5コマ以内に配置されていない箇所があるため、後述する内部抽選において制御役1に当選していても、中リール、右リールの停止操作を適正なタイミングで行わなければ、当選している制御役1に入賞することはない。
その他の制御役2〜4についても、制御役1と同様に、入賞ラインLNに図6に示す図柄組合せが揃ったときに入賞となり、RT0〜RT4において制御役1が入賞したときには1枚のメダルが払い出され、RBにおいて制御役1が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。また、入賞時においては、無効ラインLM1〜LM4のいずれにも同一の図柄または互いに類似する図柄が揃うことはない。また、後述する内部抽選において制御役に当選していても、リールの停止操作を適正なタイミングで行わなければ、当選している制御役に入賞することはない。
中段ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても中段ベルが入賞したときには8枚のメダルが払い出される。中段ベルを構成する左リールの「ベル」、中リールの「ベル」、右リールの「ベル」は5コマ以内に配置されているため、後述する内部抽選において中段ベルに当選しているときには、原則として、停止操作のタイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
右下がりベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイ−ベル−赤7」または「リプレイ−ベル−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても右下がりベルが入賞したときには8枚のメダルが払い出される。右下がりベルを構成する左リールの「リプレイ」は、「ベル」の1つ下の位置に配置されており、右リールの「赤7」および「リプレイ」は、「ベル」の1つ上の位置に配置されているので、入賞ラインLNに「リプレイ−ベル−赤7」または「リプレイ−ベル−リプレイ」の組合せが揃うと、「ベル−ベル−ベル」の組合せが右下がり、すなわち無効ラインLM3に揃うこととなる。また、右下がりベルを構成する左リールの「リプレイ」、中リールの「ベル」、右リールの「赤7」、「リプレイ」のいずれか1の図柄は5コマ以内に配置されているため、後述する内部抽選において右下がりベルに当選しているときには、原則として、停止操作のタイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
中段スイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「スイカ−スイカ−スイカ」または「スイカ−スイカ−青7」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても中段スイカが入賞したときには5枚のメダルが払い出される。中段スイカを構成する左中右リールの「スイカ」は5コマ以内に配置されていない箇所があるため、後述する内部抽選において中段スイカに当選していても、左中右リールの各停止操作が適正なタイミングで行われなければ、当選している中段スイカに入賞することはない。
右下がりスイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「ベル−スイカ−チェリーb」または「ベル−スイカ−白7」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても右下がりスイカが入賞したときには5枚のメダルが払い出される。右下がりスイカを構成する左リールの「ベル」は、「スイカ」または「青7」の1つ下の位置に配置されているとともに、右下がりスイカを構成する右リールの「チェリーb」、「白7」は、「スイカ」の1つ上の位置に配置されているので、入賞ラインLNに「ベル−スイカ−チェリーb」または「ベル−スイカ−白7」の組合せが揃うと、「スイカ−スイカ−スイカ」または「青7−スイカ−スイカ」の組合せが右下がり、すなわち無効ラインLM3に揃うこととなる。また、右下がりスイカを構成する左リールの「ベル」は5コマ以内に配置されているが、右下がりスイカを構成する中リールの「スイカ」、右リールの「チェリーb」、「白7」のいずれか1の図柄は5コマ以内に配置されていない箇所があるため、後述する内部抽選において右下がりスイカに当選していても、中リール、右リールの停止操作が適正なタイミングで行われなければ、当選している右下がりスイカに入賞することはない。
中段チェリーは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「チェリーa−ベル−リプレイ)」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても中段チェリーが入賞したときには1枚のメダルが払い出される。中段チェリーを構成する中リールの「ベル」、右リールの「リプレイ」は5コマ以内に配置されているが、中段チェリーを構成する左リールの「チェリーa」は5コマ以内に配置されていない箇所があるため、後述する内部抽選において中段チェリーに当選していても、左リールの停止操作が適正なタイミングで行われなければ、当選している中段チェリーに入賞することはない。
角チェリーは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「赤7−ベル−リプレイ」、「BAR−ベル−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても角チェリーが入賞したときには1枚のメダルが払い出される。角チェリーを構成する左リールの「赤7」、「BAR」は、「チェリー」の1つ上に配置されているので、入賞ラインLNに「赤7−ベル−リプレイ」、「BAR−ベル−リプレイ」の組合せが揃うと、「チェリーa−any−any(anyはいずれの図柄でも可)」の組合せが下段および右上がり、すなわち無効ラインLM2およびLM4に揃うこととなる。また、角チェリーを構成する中リールの「ベル」、右リールの「リプレイ」は5コマ以内に配置されているが、角チェリーを構成する左リールの「赤7」、「BAR」は5コマ以内に配置されていない箇所があるため、後述する内部抽選において角チェリーに当選していても、左リールの停止操作が適正なタイミングで行われなければ、当選している角チェリーに入賞することはない。
次に、図7を参照して、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、中段リプレイ、右上がりリプレイ、昇格リプレイ、特殊リプレイ、赤7リプレイ、青7リプレイが含まれる。
中段リプレイは、RT0〜RT4において入賞ラインLNに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。中段リプレイを構成する左リールの「リプレイ」、中リールの「リプレイ」、右リールの「リプレイ」は5コマ以内に配置されているため、後述する内部抽選において中段リプレイに当選しているときには、原則として、停止操作のタイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
右上がりリプレイは、RT1〜RT4において入賞ラインLNに「ベル−リプレイ−赤7」または「ベル−リプレイ−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。右上がりリプレイを構成する左リールの「ベル」は、「リプレイ」の1つ上の位置に配置されており、右リールの「赤7」および「ベル」は、「リプレイ」の1つ下の位置に配置されているので、入賞ラインLNに「ベル−リプレイ−赤7」または「ベル−リプレイ−ベル」の組合せが揃うと、右上がり、すなわち無効ラインLM4に「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃うこととなる。また、右上がりリプレイを構成する左リールの「ベル」、中リールの「リプレイ」、右リールの「赤7」、「ベル」のいずれか1の図柄は5コマ以内に配置されているため、後述する内部抽選において右上がりリプレイに当選しているときには、原則として、停止操作のタイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
昇格リプレイは、RT1において入賞ラインLNに「ベル−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。また、昇格リプレイの入賞により、遊技状態がRT0に移行されることとなる。また、昇格リプレイを構成する左リールの「ベル」、中リールの「リプレイ」、右リールの「リプレイ」は5コマ以内に配置されているため、後述する内部抽選において昇格リプレイに当選しているときには、原則として、停止操作のタイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
特殊リプレイは、RT0において入賞ラインLNに「リプレイ−リプレイ−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。また、特殊リプレイの入賞により、遊技状態がRT2に移行されることとなる。また、特殊リプレイを構成する左リールの「リプレイ」、中リールの「リプレイ」、右リールの「ベル」は5コマ以内に配置されているため、後述する内部抽選において特殊リプレイに当選しているときには、原則として、停止操作のタイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
赤7リプレイは、RT0〜4において入賞ラインLNに「リプレイ−青7−リプレイ」、「リプレイ−スイカ−リプレイ」または「リプレイ−チェリーa−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。特に、赤7リプレイを構成する左リールの「リプレイ」は、「赤7」の1つ上の位置に配置されており、中リールの「青7」は、「赤7」の1つ上の位置に配置されており、右リールの「リプレイ」は、「赤7」の1つ上の位置に配置されているので、入賞ラインLNに「リプレイ−青7−リプレイ」の組合せが揃うと、下段、すなわち無効ラインLM2に「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃い得る。赤7リプレイを構成する左リールの「リプレイ」、中リールの「青7」、「スイカ」、「チェリーa」のいずれか1の図柄、右リールの「リプレイ」は5コマ以内に配置されているため、後述する内部抽選において赤7リプレイに当選しているときには、原則として、停止操作のタイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
青7リプレイは、RT0〜4において入賞ラインLNに「チェリーa−青7−リプレイ」、「チェリーa−スイカ−リプレイ」、「チェリーa−チェリーa−リプレイ」、「チェリーa−青7−リプレイ」、「チェリーa−スイカ−リプレイ」または「チェリーa−チェリーa−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。特に、青7リプレイを構成する左リールの「チェリーa」は、「青7」の1つ上の位置に配置されており、右リールの「リプレイ」は、「青7」の1つ下の位置に配置されているので、入賞ラインLNに「チェリーa−青7−リプレイ」の組合せが揃うと、右上がり、すなわち無効ラインLM4に「青7−青7−青7」の組合せが揃い得る。青7リプレイを構成する左リールの「チェリーa」、「リプレイ」のいずれか1の図柄、中リールの「青7」、「スイカ」、「チェリーa」のいずれか1の図柄、右リールの「リプレイ」は5コマ以内に配置されているため、後述する内部抽選において青7リプレイに当選しているときには、原則として、停止操作のタイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
[抽選対象役]
次に、図10〜図15を参照して、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明する。本実施の形態では、遊技状態が、RT0〜3であるか、RT4であるか、RB(BB中RB含む)であるかによって内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。さらに遊技状態がRT0〜3であれば、RT0〜3の種類によって、内部抽選の対象となる再遊技役およびその当選確率の少なくとも一方が異なる。なお、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図10〜図15においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図10〜図13においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときの抽選対象役となる旨を示し、×印は、当該遊技状態であるときの抽選対象役とならない旨を示している。
また、○印の下に示す数値は、所定の設定値の判定値数(本実施の形態では設定値に関わらず共通)を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「300」が設定されている抽選対象役の当選確率は、300/65536となる。
また、図10は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される特別役の組合せを示し、図11および図12は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される小役の組合せを示し、図14は、抽選対象役として読み出される再遊技役の組合せを示している。
遊技状態がRT0であるときには、BB、BB+強チェリー、BB+弱チェリー、BB+スイカ、RB、RB+弱チェリー、RB+スイカ、中左ベル1、中左ベル2、中左ベル3、中左ベル4、中左ベル5、中左ベル6、中右ベル1、中右ベル2、中右ベル3、中右ベル4、中右ベル5、中右ベル6、右左ベル1、右左ベル2、右左ベル3、右左ベル4、右左ベル5、右左ベル6、右中ベル1、右中ベル2、右中ベル3、右中ベル4、右中ベル5、右中ベル6、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、リプレイGR11、リプレイGR12、リプレイGR13が内部抽選の対象役となる。
遊技状態がRT1であるときには、BB、BB+強チェリー、BB+弱チェリー、BB+スイカ、RB、RB+弱チェリー、RB+スイカ、中左ベル1、中左ベル2、中左ベル3、中左ベル4、中左ベル5、中左ベル6、中右ベル1、中右ベル2、中右ベル3、中右ベル4、中右ベル5、中右ベル6、右左ベル1、右左ベル2、右左ベル3、右左ベル4、右左ベル5、右左ベル6、右中ベル1、右中ベル2、右中ベル3、右中ベル4、右中ベル5、右中ベル6、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、7リプレイ1、7リプレイ2、リプレイGR1、リプレイGR2、リプレイGR3、リプレイGR4、通常リプレイが内部抽選の対象役となる。
遊技状態がRT2であるときには、BB、BB+強チェリー、BB+弱チェリー、BB+スイカ、RB、RB+弱チェリー、RB+スイカ、中左ベル1、中左ベル2、中左ベル3、中左ベル4、中左ベル5、中左ベル6、中右ベル1、中右ベル2、中右ベル3、中右ベル4、中右ベル5、中右ベル6、右左ベル1、右左ベル2、右左ベル3、右左ベル4、右左ベル5、右左ベル6、右中ベル1、右中ベル2、右中ベル3、右中ベル4、右中ベル5、右中ベル6、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、7リプレイ1、7リプレイ2、通常リプレイが内部抽選の対象役となる。
遊技状態がRT3であるときには、BB、BB+強チェリー、BB+弱チェリー、BB+スイカ、RB、RB+弱チェリー、RB+スイカ、中左ベル1、中左ベル2、中左ベル3、中左ベル4、中左ベル5、中左ベル6、中右ベル1、中右ベル2、中右ベル3、中右ベル4、中右ベル5、中右ベル6、右左ベル1、右左ベル2、右左ベル3、右左ベル4、右左ベル5、右左ベル6、右中ベル1、右中ベル2、右中ベル3、右中ベル4、右中ベル5、右中ベル6、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、7リプレイ1、7リプレイ2、通常リプレイが内部抽選の対象役となる。
遊技状態がRT4であるときには、中左ベル1、中左ベル2、中左ベル3、中左ベル4、中左ベル5、中左ベル6、中右ベル1、中右ベル2、中右ベル3、中右ベル4、中右ベル5、中右ベル6、右左ベル1、右左ベル2、右左ベル3、右左ベル4、右左ベル5、右左ベル6、右中ベル1、右中ベル2、右中ベル3、右中ベル4、右中ベル5、右中ベル6、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、7リプレイ1、7リプレイ2、通常リプレイが内部抽選の対象役となる。
遊技状態がRBであるときには、中左ベル1、中左ベル2、中左ベル3、中左ベル4、中左ベル5、中左ベル6、中右ベル1、中右ベル2、中右ベル3、中右ベル4、中右ベル5、中右ベル6、右左ベル1、右左ベル2、右左ベル3、右左ベル4、右左ベル5、右左ベル6、右中ベル1、右中ベル2、右中ベル3、右中ベル4、右中ベル5、右中ベル6、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベルが内部抽選の対象役となる。
図14に示すように、中左ベル1とは、副役A1+副役A3+副役B1+中段ベルの組合せであり、中左ベル2とは、副役A2+副役A4+副役B1+中段ベルの組合せ、中左ベル3とは、副役A3+副役A5+副役B1+中段ベルの組合せ、中左ベル4とは、副役A4+副役A6+副役B1+中段ベルの組合せ、中左ベル5とは、副役A1+副役A5+副役B1+中段ベルの組合せ、中左ベル6とは、副役A2+副役A6+副役B1+中段ベルの組合せである。
また、中右ベル1とは、副役A1+副役A3+副役B1+制御役1+中段ベルの組合せであり、中右ベル2とは、副役A2+副役A4+副役B1+制御役3+中段ベルの組合せ、中右ベル3とは、副役A3+副役A5+副役B1+制御役2+中段ベルの組合せ、中右ベル4とは、副役A4+副役A6+副役B1+制御役4+中段ベルの組合せ、中右ベル5とは、副役A1+副役A5+副役B1+制御役1+中段ベルの組合せ、中右ベル6とは、副役A2+副役A6+副役B1+制御役3+中段ベルの組合せである。
また、右左ベル1とは、副役A1+副役A3+副役B2+中段ベルの組合せ、右左ベル2とは、副役A2+副役A4+副役B2+中段ベルの組合せ、右左ベル3とは、副役A3+副役A5+副役B2+中段ベルの組合せ、右左ベル4とは、副役A4+副役A6+副役B2+中段ベルの組合せ、右左ベル5とは、副役A1+副役A5+副役B2+中段ベルの組合せ、右左ベル6とは、副役A2+副役A6+副役B2+中段ベルの組合せである。
また、右中ベル1とは、副役A1+副役A3+副役B2+制御役1+中段ベルの組合せ、右中ベル2とは、副役A2+副役A4+副役B2+制御役3+中段ベルの組合せ、右中ベル3とは、副役A3+副役A5+副役B2+制御役2+中段ベルの組合せ、右中ベル4とは、副役A4+副役A6+副役B2+制御役4+中段ベルの組合せ、右中ベル5とは、副役A1+副役A5+副役B2+制御役1+中段ベルの組合せ、右中ベル6とは、副役A2+副役A6+副役B2+制御役3+中段ベルの組合せである。
なお、以下、特に区別する必要のない場合には、中左ベル1〜6を単に中左ベルと呼び、中右ベル1〜6を単に中右ベルと呼び、右左ベル1〜6を単に右左ベルと呼び、右中ベル1〜6を単に右中ベルと呼ぶ場合がある。また、中左ベル1〜6、中右ベル1〜6、右左ベル1〜6、右中ベル1〜6をいずれも区別する必要のない場合には、単に押し順ベルと呼ぶ場合がある。
共通ベルとは、中段ベル+右下がりベルの組合せである。スイカは、中段スイカ+右下がりスイカの組合せである。強チェリーは、中段チェリー+角チェリーの組合せであり、弱チェリーは、角チェリーの単独当選である。
図15に示すように、7リプレイ1とは、中段リプレイ+赤7リプレイ+青7リプレイであり、7リプレイ2とは、中段リプレイ+赤7リプレイ+青7リプレイ+右上がりリプレイであり、リプレイGR1とは、中段リプレイ+昇格リプレイの組合せ、リプレイGR2とは、中段リプレイ+昇格リプレイ+右上がりリプレイの組合せ、リプレイGR3とは、中段リプレイ+昇格リプレイ+赤7リプレイの組合せ、リプレイGR4とは、中段リプレイ+昇格リプレイ+赤7リプレイ+右上がりリプレイの組合せ、リプレイGR11とは、中段リプレイ+特殊リプレイであり、リプレイGR12とは、中段リプレイ+特殊リプレイ+右上がりリプレイであり、リプレイGR13とは、中段リプレイ+特殊リプレイ+赤7リプレイの組合せであり、通常リプレイとは、中段リプレイの単独当選である。
なお、以下、特に区別する必要のない場合には、7リプレイ1、2を単に7リプレイと呼ぶ場合がある。
このように、遊技状態がRT0〜3であるか、RT4であるか、RB(BB中のRBを含む)であるか、によって内部抽選の対象役が異なるとともに、RBでは、小役の当選確率がRT0〜4よりも高く定められた抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
また、遊技状態がRT0〜3である場合には、RT0〜3のいずれかであるかによって、内部抽選の対象となる再遊技役が異なるとともに、RT0〜3のいずれかであるかによって、対象となる再遊技役およびその当選確率が異なる抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
本実施の形態では、複数種類の小役が同時に当選している場合には、同時当選した小役の種類および停止操作順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。
中左ベルの当選時には、図16に示すように、中左右の停止順で停止操作を行うことで、中段ベルが入賞することとなり、中右左、右左中、右中左の停止順で停止操作を行うことで、副役B1が入賞することとなり、左中右、左右中の停止順で停止操作を行うことで、中リールおよび右リールにおいて当選している副役Aの構成図柄の引込範囲で停止操作が行われた場合には、当選している副役Aが入賞することとなり、中リールまたは右リールのいずれか一方でも当選している副役Aの構成図柄の引込範囲外で停止操作が行われた場合には、いずれの役も揃わない。すなわち中左右の停止順で停止操作を行った場合には、8枚のメダルを獲得できるのに対して、左中右または左右中の停止順で停止操作を行った場合には、一定の割合で8枚のメダルを獲得できる場合もあるが、1枚のメダルも獲得できない場合もあり、中右左、右左中または右中左の停止順で停止操作を行った場合には、1枚のメダルしか獲得することができない。
中右ベル当選時には、図16に示すように、中右左の停止順で停止操作を行うことで、中段ベルが入賞することとなり、中左右、右左中、右中左の停止順で停止操作を行うことで、副役B1が入賞することとなり、左中右、左右中の停止順で停止操作を行うことで、中リールおよび右リールにおいて当選している副役Aの構成図柄の引込範囲で停止操作が行われた場合には、当選している副役Aが入賞することとなり、中リールまたは右リールのいずれか一方でも当選している副役Aの構成図柄の引込範囲外で停止操作が行われた場合には、いずれの役も揃わない。すなわち中右左の停止順で停止操作を行った場合には、8枚のメダルを獲得できるのに対して、左中右または左右中の停止順で停止操作を行った場合には、一定の割合で8枚のメダルを獲得できる場合もあるが、1枚のメダルも獲得できない場合もあり、中左右、右左中または右中左の停止順で停止操作を行った場合には、1枚のメダルしか獲得することができない。
右左ベル当選時には、図17に示すように、右左中の停止順で停止操作を行うことで、中段ベルが入賞することとなり、右中左、中左右、中右左の停止順で停止操作を行うことで、副役B2が入賞することとなり、左中右、左右中の停止順で停止操作を行うことで、中リールおよび右リールにおいて当選している副役Aの構成図柄の引込範囲で停止操作が行われた場合には、当選している副役Aが入賞することとなり、中リールまたは右リールのいずれか一方でも当選している副役Aの構成図柄の引込範囲外で停止操作が行われた場合には、いずれの役も揃わない。すなわち右左中の停止順で停止操作を行った場合には、8枚のメダルを獲得できるのに対して、左中右または左右中の停止順で停止操作を行った場合には、一定の割合で8枚のメダルを獲得できる場合もあるが、1枚のメダルも獲得できない場合もあり、中左右、中右左または右中左の停止順で停止操作を行った場合には、1枚のメダルしか獲得することができない。
右中ベル当選時には、図17に示すように、右中左の停止順で停止操作を行うことで、中段ベルが入賞することとなり、右左中、中左右、中右左の停止順で停止操作を行うことで、副役B2が入賞することとなり、左中右、左右中の停止順で停止操作を行うことで、中リールおよび右リールにおいて当選している副役Aの構成図柄の引込範囲で停止操作が行われた場合には、当選している副役Aが入賞することとなり、中リールまたは右リールのいずれか一方でも当選している副役Aの構成図柄の引込範囲外で停止操作が行われた場合には、いずれの役も揃わない。すなわち右中左の停止順で停止操作を行った場合には、8枚のメダルを獲得できるのに対して、左中右または左右中の停止順で停止操作を行った場合には、一定の割合で8枚のメダルを獲得できる場合もあるが、1枚のメダルも獲得できない場合もあり、中左右、中右左または右左中の停止順で停止操作を行った場合には、1枚のメダルしか獲得することができない。
このように本実施の形態では、RT0〜4において中左ベル、中右ベル、右左ベル、右中ベル、すなわち押し順ベルのいずれかが当選した場合には、当選役の種類に応じた操作態様で停止操作を行うことで、中段ベルが必ず入賞し、8枚のメダルを獲得できる一方で、当選役の種類に応じた操作態様以外の操作態様で停止操作を行うことで、左リールを第1停止とした場合には、副役Aが入賞して8枚のメダルを獲得できる場合もあるが、1枚もメダルを獲得できないこともあり、中リールまたは右リールを第1停止とし、かつ当選役の種類に応じた操作態様以外であれば、副役Bが必ず入賞して1枚しかメダルを獲得することができない。
このため、RT0〜4における押し順ベルの当選時には、当選役の種類に応じた操作態様で操作されたか否かによって払い出されるメダル数の期待値を変えることができる。すなわち、押し順ベルのいずれかが当選しても、その種類が分からなければ意図的に特定の操作態様を選択することはできず、停止順が一致すれば、8枚のメダルを確実に獲得できるものの、停止順が一致しなければ、確実にメダルを獲得することができない。
特に、本実施の形態では、中リールまたは右リールを第1停止とした場合には、押し順ベルの種類に応じた操作態様で停止操作がされることで中段ベルが入賞して8枚のメダルを獲得することがでるとともに、左リールを第1停止とした場合には、中段ベルが入賞することはないものの、一定の割合で副役Aが入賞して8枚のメダルを獲得できるので、遊技者がどの停止順で停止操作を行っても、極端に不利となってしまうことを防止できる。
なお、本実施の形態では、左リールを第1停止とした場合には、中段ベルが入賞することのない構成であるが、たとえば、どの停止順で停止操作を行った場合にも略均等な割合で中段ベルまたは中段ベルと同じ8枚の払出を伴う小役が入賞して8枚のメダルを獲得できる構成としてもよく、このような構成とした場合でも、遊技者がどの停止順で停止操作を行っても、極端に不利となってしまうことを防止できる。
また、RT0、2、3において押し順ベルが当選して副役Aまたは副役Bが入賞することでRT1に移行することとなる。
本実施の形態では、いずれの遊技状態においても共通ベルの当選時においては、後述する推奨停止順(左リールを第1停止とする停止順)で停止操作がされた場合に、中段ベルまたは右下がりベルが入賞する。一方、RT0〜4における押し順ベルの当選時には、前述のように推奨停止順で停止操作がされた場合に中段ベルが入賞することはない。このため、RT0〜4において左リールを第1停止として停止操作を行った結果、中段ベルまたは右下がりベルが入賞することで、遊技者は共通ベルが当選したことを認識することができる。
また、本実施の形態では、いずれの遊技状態においても弱チェリーの当選時には、左リールの「チェリーa」を中段にも下段にも停止させることが可能なタイミングで停止操作された場合に、左リールの「チェリーa」が下段に停止するのに対して、強チェリーの当選時には、左リールの「チェリーa」を中段にも下段にも停止させることが可能なタイミングで停止操作された場合に、左リールの「チェリーa」が中段に停止する。このため、左リールの「チェリーa」を中段にも下段にも停止させることが可能なタイミングで停止操作を行った結果、左リールの「チェリーa」が中段に停止することで、遊技者は強チェリーが当選したことを認識することができる。
本実施の形態では、特に図示しないが、RB(BB中のRBを含む)において押し順ベルが当選している場合には、リールの停止順に関わらず中段ベルの組合せを入賞ラインLNに引き込む制御を行う。この際、必ず中段ベルの組合せが入賞ラインLNに停止する。
本実施の形態では、複数種類の再遊技役が同時に当選している場合には、同時当選した再遊技役の種類および停止操作順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。
7リプレイ1当選時には、図18に示すように、左リールを第1停止とする停止順、すなわち左中右、左右中の停止順で停止操作がなされた場合に、中段リプレイまたは右上がりリプレイを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。また、中リールを第1停止とする停止順、すなわち中左右、中右左の停止順で停止操作がなされた場合に、赤7リプレイを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。この際、各リールにおいて「赤7」を下段、すなわち無効ラインLM2に引込可能なタイミングで停止操作が行われた場合には、赤7リプレイの組合せのうち「赤7−赤7−赤7」の組合せを下段、すなわち無効ラインLM2に揃えて停止させる制御を行う。また、右リールを第1停止とする停止順、すなわち右左中、右中左の停止順で停止操作がされた場合には、青7リプレイを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。この際、左リールにおいて「青7」を下段、中リールにおいて「青7」を中段、右リールにおいて「青7」を上段、すなわち無効ラインLM4に引込可能なタイミングで停止操作が行われた場合には、青7リプレイの組合せのうち「青7−青7−青7」の組合せを右上がり、すなわち無効ラインLM4に揃えて停止させる制御を行う。
7リプレイ2当選時には、左リールを第1停止とする停止順、すなわち左中右、左右中の停止順で停止操作がなされた場合に、中段リプレイまたは右上がりリプレイを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。また、中リールを第1停止とする停止順、すなわち中左右、中右左の停止順で停止操作がなされた場合に、青7リプレイを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。この際、左リールにおいて「青7」を下段、中リールにおいて「青7」を中段、右リールにおいて「青7」を上段、すなわち無効ラインLM4に引込可能なタイミングで停止操作が行われた場合には、青7リプレイの組合せのうち「青7−青7−青7」の組合せを右上がり、すなわち無効ラインLM4に揃えて停止させる制御を行う。また、右リールを第1停止とする停止順、すなわち右左中、右中左の停止順で停止操作がされた場合には、赤7リプレイを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。この際、各リールにおいて「赤7」を下段、すなわち無効ラインLM2に引込可能なタイミングで停止操作が行われた場合には、赤7リプレイの組合せのうち「赤7−赤7−赤7」の組合せを下段、すなわち無効ラインLM2に揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR1(中段リプレイ+昇格リプレイ)が当選し、中左右の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中左右以外の順番で停止操作がなされた場合には、中段リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR2(中段リプレイ+右上がりリプレイ+昇格リプレイ)が当選し、中右左の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中右左以外の順番で停止操作がなされた場合には、中段リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR3(中段リプレイ+昇格リプレイ+赤7リプレイ)が当選し、右左中の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、右左中以外の順番で停止操作がなされた場合には、中段リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR4(中段リプレイ+右上がりリプレイ+昇格リプレイ+赤7リプレイ)が当選し、右中左の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、右中左以外の順番で停止操作がなされた場合には、中段リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、昇格リプレイおよび中段リプレイを構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内で配置されているため、停止順に応じて、ストップスイッチ8L,8C,8Rの停止操作タイミングに関わらず、昇格リプレイまたは中段リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
このように、リプレイGR1〜4とで、昇格リプレイに入賞させるための操作態様として異なる操作態様が設定されている。
このため、リプレイGR1〜4が内部抽選の対象となるRT1において、リプレイGR1〜4のいずれかが当選していれば1/4の確率で昇格リプレイが入賞することとなり、RT0に移行することとなる。
なお、本実施の形態では、左リールを第1停止とした場合には、昇格リプレイが入賞することのない構成、すなわち遊技者にとって有利なRT2へ移行する条件となるRT0へ移行することのない構成であるが、たとえば、どの停止順で停止操作を行った場合にも略均等な割合で昇格リプレイが入賞してRT0へ移行する構成としてもよく、このような構成とした場合には、遊技者がどの停止順で停止操作を行っても、極端に不利となってしまうことを防止できる。
リプレイGR11(中段リプレイ+特殊リプレイ)が当選し、左リールを第1停止とする停止順、すなわち左中右、左右中の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左リール以外を第1停止とする順番で停止操作がなされた場合には、中段リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR12(中段リプレイ+特殊リプレイ+右上がりリプレイ)が当選し、中リールを第1停止とする停止順、すなわち中左右、中右左の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中リール以外を第1停止とする順番で停止操作がなされた場合には、中段リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR13(中段リプレイ+特殊リプレイ+赤リプレイ)が当選し、右リールを第1停止とする停止順、すなわち右左中、右中左の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、右リール以外を第1停止とする順番で停止操作がなされた場合には、中段リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、特殊リプレイおよび中段リプレイを構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内で配置されているため、停止順に応じて、ストップスイッチ8L,8C,8Rの停止操作タイミングに関わらず、特殊リプレイまたは中段リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
このように、リプレイGR11〜13とで、特殊リプレイに入賞させるための操作態様として異なる操作態様が設定されている。
このため、リプレイGR11〜13が内部抽選の対象となるRT0において、リプレイGR11〜13のいずれかが当選していれば1/3の確率で特殊リプレイが入賞することとなり、RT2に移行することとなる。
本実施の形態では、図8および図9に示すように、RT0〜4、ボーナス(RB、BB中のRB)のいずれかに制御される。
RT0は、RT1において昇格リプレイが入賞したとき(リプレイGR1〜4のいずれかが当選し、昇格リプレイが入賞する停止順で停止操作がなされたとき)に移行する。そして、RT0は、RT0に移行してからのゲーム数に関わらず、副役の入賞によりRT1に移行するか、特殊リプレイの入賞によりRT2に移行するか、特別役が当選してRT4に移行することで終了する。RT0における特別役の当選確率は通常(約1/346.8)、再遊技役の当選確率は高確率(約1/2.8)、小役の当選確率は通常(約1/2.9)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は100%未満となる。また、RT0では、再遊技役のうちリプレイGR11〜13のみが内部抽選の対象となる。
RT1は、RT0、RT2、RT3において副役が入賞したときに移行する。そして、RT1は、昇格リプレイが入賞することでRT0に移行するか、特別役が当選してRT4に移行することで終了する。RT1における特別役の当選確率はRT0と同じく通常(約1/346.8)、再遊技役の当選確率はRT0よりも低く通常(約1/7.3)、小役の当選確率はRT0と同じく通常(約1/2.9)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は100%未満となる。また、RT1では、再遊技役のうち7リプレイ1、7リプレイ2、リプレイGR1〜4、通常リプレイのみが内部抽選の対象となる。
RT2は、RT0において特殊リプレイが入賞したときに移行する。そして、RT2は、副役が入賞してRT1に移行するか、特別役が当選してRT4に移行することで終了する。RT2における特別役の当選確率はRT0と同じく通常(約1/346.8)、再遊技役の当選確率はRT0よりもさらに高く高確率(約1/1.5)、小役の当選確率はRT0と同じく通常(約1/2.9)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は100%以上となる。また、RT2では、再遊技役のうち7リプレイ1、7リプレイ2、通常リプレイのみが内部抽選の対象となる。
RT3は、ボーナス(BB、RB)の終了時に移行する。そして、RT3は、RT3に移行してからのゲーム数に関わらず、副役が入賞してRT1に移行するか、特別役が当選してRT4に移行することで終了する。RT3における特別役の当選確率は通常(約1/346.8)、再遊技役の当選確率はRT0よりも低く通常(約1/7.3)、小役の当選確率はRT0と同じく通常(約1/2.9)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は100%未満となる。また、RT3では、再遊技役のうち7リプレイ1、7リプレイ2、通常リプレイのみが内部抽選の対象となる。
RT4は、RT0〜3において特別役(BB、RB)が当選したときに移行する。そして、RT4は、RT4に移行してからのゲーム数に関わらず、RT4に移行する契機となった特別役が入賞してボーナス(BBまたはRB)に移行することで終了する。RT4においては、特別役が内部抽選の対象外となり、再遊技役の当選確率はRT2よりは低いが、RT0、RT1、RT3よりも高く高確率(約1/2.3)、小役の当選確率は通常(約1/2.9)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は100%未満となる。また、RT4では、再遊技役のうち7リプレイ1、7リプレイ2、通常リプレイのみが内部抽選の対象となる。
RBは、RT4においてRB1またはRB2が入賞したときに移行する。そして、RBは、12ゲーム消化するか、6回入賞することで終了する。RBにおいては、特別役および再遊技役が内部抽選の対象外となり、小役の当選確率は、RT0〜5よりも高く高確率(約1/1.0)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は100%以上となる。
BBは、RT4においてBBが入賞したときに移行する。そして、BBは、BBに移行してからのゲーム数に関わらず、BBに払い出されたメダルの総数が規定数を超えることで終了する。BBにおいては、常時上述のRBに制御されることから、特別役および再遊技役が内部抽選の対象外となり、小役の当選確率は、RT0〜5よりも高く高確率(約1/1.0)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は100%以上となる。
RT0〜4、RB、BB(RB)のうち、RBおよびBBが1ゲームあたりのメダルの払出率がもっとも高く、最も有利な遊技状態である。また、RT0〜4のうちRT0、2、4は、再遊技役の当選確率が高確率となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT1、3に比較して高い点、特にRT0は、RT2へ移行可能となる点において、RT1、3よりも遊技者にとって有利な状態といえる。また、RT0、2、4のうちRT2は、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT2、4に比較して高い点において、RT2、4よりも遊技者にとって有利な状態といえる。
また、本実施の形態におけるスロットマシンでは、遊技状態がRT0〜2であるときに、メイン制御部41により、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を報知するナビ報知およびナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に制御可能となっている。
ここで本実施の形態の遊技状態の移行状況について説明すると、図8に示すように、RBまたはBBが終了すると、RT3に移行する。
RT3では、副役が入賞することで、RT1に移行し、特別役が当選することでRT4に移行する。RT3において押し順ベルが当選した場合に、副役が入賞し得るため、RBまたはBBの終了後に移行したRT3において押し順ベルが当選し、副役が入賞した場合にRT1に移行することとなる。
RT1では、昇格リプレイが入賞することでRT0に移行し、特別役が当選することでRT4に移行する。RT1においてリプレイGR1〜4が当選し、停止順が正解することで昇格リプレイが入賞することとなるため、RT1では、リプレイGR1〜4が当選し、停止順に正解することでRT0へ移行することとなる。
RT0では、副役が入賞することでRT1に移行し、特殊リプレイが入賞することでRT2へ移行し、特別役が当選することで、RT4に移行する。RT0においてリプレイGR11〜13が当選し、停止順が正解することで特殊リプレイが入賞することとなるため、RT0では、リプレイGR11〜13が当選し、停止順に正解することでRT2へ移行することとなる。
また、RT0において押し順ベルが当選した場合に副役が入賞し得る。このため、RT0では、リプレイGR11〜13が当選し、特殊リプレイが入賞することでRT2へ移行する前に押し順ベルが当選し、副役が入賞した場合にRT1へ移行することとなる。
RT2では、副役が入賞することでRT1に移行し、特別役が当選することでRT4に移行する。RT2において押し順ベルが当選した場合に副役が入賞し得る。このため、RT2では、押し順ベルが当選し、副役が入賞した場合にRT1へ移行することとなる。
RT4は、当該内部中へ移行する契機となった特別役が入賞することでRBまたはBBに移行する。
メイン制御部41は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ報知を実行するとともに、サブ制御部91に対して押し順コマンドを送信することで、ナビ演出を実行させる。遊技状態に応じたナビ対象役とは、RT1であるときにはリプレイGR1〜4であり、RT0であるときにはリプレイGR11〜13であり、また、RT0〜2のいずれにおいても、7リプレイ、押し順ベルが共通のナビ対象役である。また、本実施の形態においてメイン制御部41は、ATにもARTにも制御していない通常状態(RT1かつ非ATの状態)であっても、一定の条件を満たすことにより、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させることが可能である。
本実施の形態のナビ報知は、遊技補助表示器12の点灯態様によりストップスイッチ8L,8C,8Rの停止順を識別可能に報知する。ナビ報知の態様については後に詳述する。
本実施の形態のナビ演出は、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって行われる。ナビ画像として、たとえば、リプレイGR1や中左ベルに当選したときには、「213」(中リールが第1停止、左リールが第2停止、右リールが第3停止であることを示す)といったストップスイッチ8L,8C,8Rの停止順を示す停止順画像と、スロットマシン1のモチーフに合わせたキャラクタ画像とを表示する。また、ナビ音声として、たとえば、「中左右!」(中リールが第1停止、左リールが第2停止、右リールが第3停止であることを示す)といったストップスイッチの停止順を示す音声を出力する。なお、ナビ音声は、遊技者が最初あるいは次に押下すべきストップスイッチのみが出力される。したがって、全リールの回転中であれば、たとえば最初に「中!」と出力され、左リールを停止させると次に「左!」と出力され、中リールおよび左リールを停止させると次に「右!」といった音声が出力される。他のリプレイGR2〜4や押し順ベル、7リプレイ、リプレイGR11〜13に関しても、対応するナビ画像が液晶表示器51から表示されるとともにナビ音声がスピーカ53、54から出力される。
リプレイGR1〜4に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプレイを入賞させるための停止順が報知される(図18参照)。また、リプレイGR11〜13に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて特殊リプレイを入賞させるための停止順が報知される(図18参照)。また、押し順ベルのいずれかに当選したときのナビ演出としては、中段ベルを確実に入賞させるための停止順が報知される(図16,17参照)。このため、ナビ報知およびナビ演出が実行されることにより、押し順ベル当選時に意図的に中段ベルを入賞させることができる。また、7リプレイ1および7リプレイ2が当選したときのナビ演出(後述の7ナビ演出)としては、当選状況に応じて中段リプレイ若しくは右上がりリプレイ、赤7リプレイまたは青7リプレイを入賞させるための停止順が報知される(図18参照)。特に、赤7リプレイを入賞させるための停止順または青7リプレイを入賞させるための停止順が報知される場合には、併せて各リールに赤7および青7を狙ったタイミングでの停止操作を促す画像も表示され、そのタイミングでの停止操作が促されるようになっている。
以上のように、本実施の形態におけるナビ演出は、遊技者にとって有利となる操作態様を想起させるメッセージが、ナビ対象役の種類に関わらず同じ態様で報知される。このため、遊技者は、当選したナビ対象役の種類を意識せずに遊技者にとって有利となる操作態様で操作することができる。また、ナビ演出の実行時には、当選役に応じた画像(リプレイGR1〜4の当選時には、ベル−リプレイ−リプレイ」、リプレイGR11〜13の当選時には「リプレイ−リプレイ−ベル」、7リプレイ当選時に中段リプレイ若しくは右上がりリプレイの停止順が報知される場合には「リプレイ」、7リプレイ当選時に赤7リプレイまたは青7リプレイの停止順が報知される場合には「7を狙え」の画像が表示されるようになっており、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより入賞する役についても認識させることができるようになっている。
そして、ナビ演出が実行されることにより、意図的に当選した昇格リプレイ、特殊リプレイ、中段ベル、赤7リプレイ、青7リプレイを入賞させること、副役の入賞を回避させることができる。
なお、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などを用いて実行するものであってもよい。
[リールユニットについて]
次に、リールユニット2の詳細な構造について説明する。図19は、左リールのリール体200Lの構造を示す分解斜視図である。図20は、リール体200Lの側面図である。リール体200C,200Rはリール体200Cと同様の構造であるため、ここではリール体200Lについてのみ説明してリール体200C,200Rの説明は省略する。以下の説明においては、スロットマシン1を正面から見たときの上下左右方向を基準として説明する。
図19に示すように、リール2Lは、一面に複数種類の図柄が所定の順番で配列された帯状のリールシート400と、該リールシート400の左右端部を保持する円環状の保持枠401,402(リールホイールともいう)とから構成されている。保持枠401は、リールモータ32Lのロータ32dに相対回転不能に固着される円形状のリール取付盤405(表示帯取付部材)に複数のネジ405c(図19では一部を省略している)により、相対回動不能に取り付けられる円形状の取付板401aと、取付板401aから放射状に延設される複数の連結片401cに固定される環状部401bとから構成される。保持枠402は、環状部のみにて構成される。また、図19では、図示していないが、保持枠401と保持枠402とを一体的に連結させるための一体化部材が、保持枠401と保持枠402に設けられている。保持枠401と保持枠402とを一体的に連結させることにより、環状部401bおよび保持枠402各々を上底面および下底面とする円柱形状が形成される。リール2Lは、一体的に連結された環状部401bおよび保持枠402各々の外周面にリールシート400を貼付することにより完成する。リール2Cおよびリール2Rについても同様である。
リール支持板350Lは、合成樹脂材により板状に形成され、前端辺部は、側面視でリール2Lと同心をなし、かつ、該リール2Lよりも直径が小さい同心円の円弧形状に形成されており、この円弧状の前端辺部には、各リール2L,2C,2Rをリールボックス351に組み付けたときにおいて各リール2L,2C,2R間に形成される隙間を隠蔽する帯状のリール間隠蔽片410が、板状部の前端辺の長手方向に亘り該板状部に対し直交するように形成されている。
リール支持板350Lの上辺部におけるリール間隠蔽片410の後端から後側に離れた位置には、リールボックス351に取り付けるネジ353aの取付穴411aを有する取付片411が上向きに突設されているとともに、下部には、リールボックス351に取り付けるネジ354aの取付穴412aを有する取付片412が突設されている。また、後端面には、3つのリールが収容されるリールボックスの凹溝に嵌合される凸部413が後向きに突設されているとともに、該凸部413の後端中央位置には、差込片が差し込まれる水平なスリット414が形成されている。
下側の取付片412は、上側の取付片411よりも前面側(遊技者側)に配設されている。リールボックスの前面開口は上側に向けて背面側に傾倒するように形成されており、リールボックスの取付凹部が取付凹部よりも前面側(遊技者側)に配設されているのに対応している。このように構成されることで、組み付けられたリール2L,2C,2Rの前上部が前下部よりも大きく露呈する。そして、リール2L,2C,2Rは透視窓3の上方から下方に向けて図柄が移動するように縦回転するため、遊技者はリール2L,2C,2Rの前上部にて手前側に移動してくる図柄を見やすくなるので、図柄を狙いやすくなる。
リール支持板350Lの左側面略中央位置には、リールモータ32Lが取り付けられる直方形状をなすモータ取付凸部415が、リール支持板350Lの左側面350aに突設されており、このモータ取付凸部415の取付面415bには、リールモータ32Lが、ロータ32dが左側を向くように右側方からネジ415aにより取り付けられている。
モータ取付凸部415の前方には、LEDユニット55Lが取り付けられるLEDユニット取付凸部418が、リール支持板350Lの左側面350aに突設されており、このLEDユニット取付凸部418の取付面418bには、LEDユニット55Lが、左側方からネジ418aにより取り付けられている。
リールLED55は、リフレクタ417と、前面の上段、中段、下段それぞれに、照射手段としての左右一対のリールLED55が配設されたリールLED基板416とから構成され、リフレクタ417の背面には、リールLED基板416がネジ416aにより取り付けられている。
リフレクタ417は、上段の2つのリールLED55を前方に臨ませる上穴、中段の2つのリールLED55を前方に臨ませる中穴、下段の2つのリールLED55を前方に臨ませる下穴がそれぞれ背面に形成されるとともに、各穴間を区画する2枚の区画板により上・中・下段に区画されており、リール2Lにおける可変表示領域における上段の図柄、中段の図柄、下段の図柄それぞれを、リール2Lの内側、つまり、リールシート400の背面側から前方に向けて個別に照射できるようになっている。
LEDユニット取付凸部418は、モータ取付凸部415から所定の隙間を隔てた前方位置に形成されており、これらモータ取付凸部415とLEDユニット取付凸部418との間には、補強用凸部425がモータ取付凸部415とLEDユニット取付凸部418とを連結するように形成されている。
モータ取付凸部415およびLEDユニット取付凸部418は、左側面350aにおけるリール2Lにより囲まれる領域に形成されている。つまり、リールモータ32LおよびLEDユニット55Lは、環状のリール2L内に納まるように配設される。
図19および図20に示すように、リール支持板350Lの左側面350aにおけるモータ取付凸部415の上方位置には、リールLED基板416に接続される配線C2を係止するための配線フック419が形成されているとともに、その後側には、リールLED基板416に接続される配線C2と、リールモータ32Lおよびリールセンサ33Lそれぞれに接続される配線が収束された配線C1とをまとめて右側に挿通するための配線穴420が形成されている。
[リールシート400について]
次に、図21を用いて、リールシート400について説明する。ここでは、左リール2Lのリールシート400Lについて説明するが、他のリール2C、2Rのリールシート400C、400Rについて構成は同様である。リールシート400は、環状に湾曲可能な帯状の透明部材に対して、図柄が印刷された帯状の図柄シートが長手方向に沿って接着されることにより形成される。リールシート400の図柄については、有色インクなどで印刷され(たとえば、ベル図柄であれば黄色で印刷され)、図柄以外の部分については、所定の色(本実施の形態では白色)インクなどで印刷されている。つまり、白色を背景とし、所定間隔で図柄が描かれたリールシート400が形成される。
さらに、本実施の形態では、「7」図柄(赤7、青7、白7)に、透過部502が設けられる。本実施の形態の透過部502は星形形状である。透過部502は、透過部502以外の部分よりも、透過率(透過度)が高くなる処理が施されている。したがって、リールLED55Lから照射された光の透過する光量は、透過部502の方が、透過部502以外の部分よりも多くなる。このため、「7」図柄に照射されたときには、透過部502が光っているように、遊技者に視認させることができる。
さらに、透過部502は縮み印刷により形成されている。縮み印刷とは、図柄の表面にシワを発生させることにより、光の乱反射を生じさせる印刷手法である。したがって、LEDユニット55Lから透過部502に光が照射されることにより、当該光が乱反射され透過部502を輝かせて(つまり、星がキラキラするように)遊技者に視認させることができる。透過部502については、透過部502以外の部分よりも透過率が高ければよく、縮み印刷を施さないようにしてもよい。
リールシート400Lの両端のうち、図柄番号が「0」の図柄(「リプレイ」図柄)側の端を「一端505」とし、図柄番号が「20」の図柄(「赤7」図柄)側の端部を「他端504」とする。また、リールシート400の全領域は、全体図柄領域512と余り領域508Xとを含む。全体図柄領域512は、図柄が印刷される範囲内の領域である。また、余り領域508Xは、リールシート400の全領域のうち、一端505側の領域である。本実施の形態では、余り領域508Xは、図柄が印刷されていない領域である。
次に、各図柄の図柄領域について説明する。図柄領域は、各図柄が描かれる仮想的な(つまり、遊技者などからは視認できない)領域である。図柄領域は、全体図柄領域512の長手方向において、図柄の総数(本実施の形態では21個)で分割した矩形上の領域であり、全ての図柄領域は、同一の形状である。図柄領域の横辺の長さはリールシート400の幅となり、図柄領域の縦辺の長さは、全体図柄領域512の長手方向の長さを図柄の総数で分割した長さとなる。図柄シートの各図柄領域の中央に各図柄が形成されることで、各図柄を均等に(つまり、隣接する図柄間の距離を同一に)印刷することができる。図21に示すように、たとえば、図柄番号20のベル図柄の図柄領域は、図柄領域513Xである。
リールシート400のうち、余り領域508Xを有する箇所を「余り部508」とし、図柄領域513Xを有する箇所を「他端部513」とする。なお、図柄領域513Xの下辺を示す線は図柄領域513Xを特定しやすくするために記載したものであり、実際には線は描かれていない。
次に、余り領域508Xの詳細について説明する。余り領域508Xは、着色領域508Cと透明領域508Dとを含む。着色領域508Cは、全体図柄領域512における装飾と同じ装飾が施された領域であり、つまり、図柄そのものが形成されている領域以外の領域の色(白色)と同一の色が着色(装飾)されている領域である。また、透明領域508Dは着色(装飾)されておらず、透明となっている。該透明領域508Dは、透明部材の一部である。図柄シートの図柄が印刷されている領域は、全体図柄領域512と着色領域508Cに相当する。つまり、図柄シートの長手方向の長さを、透明部材の長手方向の長さよりも短くすることができるので、該図柄シートのコストを削減できる。また、透明部材の長手方向の長さは、図柄シートの長手方向の長さ以上であればよい。
全体図柄領域512と着色領域508Cとの境界線を「第1ライン508A」とし、着色領域508Cと透明領域508Dとの境界線を「第2ライン508B」という。なお、第1ライン508Aおよび第2ライン508Bは、着色領域508Cと、透明領域508Dとを特定しやすくするために記載したものであり、実際には第1ライン508Aおよび第2ライン508Bは描かれていない。
また、互いに隣接する図柄と図柄の間(たとえば、隣接する図柄領域において一致する辺上)であり、かつリールシート400Lの側方には、図柄とは別の装飾図柄506が印刷されている。図21の例では、装飾図柄506は、黒塗りされた菱形である。また、リールシート400Lの他端504には、装飾図柄506の下半分である第1装飾図柄506aが印刷されている。第1装飾図柄506aは、装飾図柄506の下半分であることから、三角形状である。図21の例では、該三角形状の一辺が、他端504の辺上に位置するように第1装飾図柄506aは印刷されている。また、着色領域508Cには、装飾図柄の上半分である第2装飾図柄506bが印刷されている。第1装飾図柄506aは、装飾図柄506の下半分であることから、三角形状である。図21の例では、該三角形状の一辺が、第2ライン508B上に位置するように第2装飾図柄506bは印刷されている。
[リールシート400の巻き付け処理]
次に、図22を用いて、リールシート400の巻き付け方について説明する。リールシート400の巻き付けは、作業員が手作業で実行するようにしてもよく、巻き付け装置により自動的に実行するようにしてもよい。本実施の形態では、作業員により手作業でリールシート400の巻き付けを行う一例について説明する。また、リールシート400の長手方向に沿って、両側方の縁であって、保持枠401、402に接着される位置に接着部が設けられている。ここで、接着部とは、接着剤や、両面テープなどである。
次に、リールシート400の巻き付け処理の流れについて説明する。まず、作業台の上に、全体図柄領域512の面が下向きになるようにリールシート400を広げて載置する。そして、保持枠401の環状部401bに付加された目印401dと、一端505とを一致させて、リールシート400の一側方と、環状部401bの外周部分とが、接着部により接着されるように、作業員が、リールシート400の延伸方向に保持枠401を転動させる。また、保持枠401を転動させることで、保持枠402も一体的に転動することから、リールシート400の他側方に設けられた接着部により、リールシート400の他側方と、保持枠402の環状部分とも接着される。
他端部513が余り部508よりも外側(上側)になるように、該他端部513と余り部508とが重ねられてリールシート400Lは巻かれる。つまり、図柄領域に描かれた図柄(図22の例では、赤7図柄)が外向きになるように、リールシート400はリール枠に対して環状に巻かれる。これにより、他端部513の図柄領域に描かれた赤7図柄は、外側に臨むようになる。また、「余り部508の両面のうち、他端部513と対向する面(余り領域508Xの面)」、および「他端部513の両面のうち、ベル図柄が描かれている面と反対側の面」のうち少なくとも一方に接着部が設けられる。本実施の形態では、透明領域508Dに接着部が形成されて、該接着部により、図柄領域513Xが余り領域508Xと接着されて、リールシート400は、の保持枠401、402に巻かれる。
[位置ずれの検査方法について]
次に、各リール2L,2C,2Rの位置ずれの検査方法について説明する。図23,24は、リールシート400と、該リールシート400が環状に巻かれた保持枠401、402との側面図、斜視図である。リールシート400には、図23および図24に示すように、該リールシート400の余り部508と他端部513とが重ねられることにより継ぎ目400aおよび重複部分422が形成される。
また、リールシート400は、保持枠401、402に対してその継ぎ目400aが特定の位置となるように取り付けられる。詳しくは、図23に示すように、保持枠401をリール取付盤405に相対回動不能に取り付け、さらにリール取付盤405をリールモータ32Lのロータ32dに相対回動不能に取り付け、リールユニット2を構成するリールボックス351に組み付けられた状態で、リール2Lが、リールセンサ33Lによってリール2Lの特定箇所(切欠部408)が検出される基準状態になった場合に、前面扉1bに形成された透視窓3を透して継ぎ目400aが視認可能となる位置となるようにリールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられる。
リール2Cについても同様であり、保持枠401をリール取付盤405に相対回動不能に取り付け、さらにリール取付盤405をリールモータ32Cのロータ32dに相対回動不能に取り付け、リールユニット2を構成するリールボックス351に組み付けられた状態で、リール2Cが、リールセンサ33Cによってリール2Lの特定箇所(切欠部408)が検出される基準状態になった場合に、前面扉1bに形成された透視窓3を透して継ぎ目400aが視認可能となる位置となるようにリールシート400が保持枠401,402に対して取り付けられる。
リール2Rについても同様であり、保持枠401をリール取付盤405に相対回動不能に取り付け、さらにリール取付盤405をリールモータ32Rのロータ32dに相対回動不能に取り付け、リールユニット2を構成するリールボックス351に組み付けられた状態で、リール2Rが、リールセンサ33Rによってリール2Rの特定箇所(切欠部408)が検出される基準状態になった場合に、前面扉1bに形成された透視窓3を透して継ぎ目400aが視認可能となる位置となるようにリールシート400が保持枠401,402に対して取り付けられる。
このため、図24に示すように、リール2L,2C,2Rがそれぞれ基準状態になった場合に、リール2L,2C,2Rそれぞれの継ぎ目400aが、リールボックス351に被覆されることなく視認可能となる位置であり、かつリールユニット2を筐体1aに取り付けて、前面扉1bによりその開放面を閉塞した状態において、前面扉1bに形成された透視窓3を透して視認可能となる位置に、一直線上に並ぶようになっている。
次に、リールシート400の位置ずれを発見するための検査方法について説明する。スロットマシン1の製造工程においてリールユニット2を筐体1aに取り付ける前にリールシート400と保持枠401,402との位置ずれを検査する場合には、リール2L,2C,2Rをリールボックス351に組み付けた状態で、リールセンサ33L,33C,33Rと、リール取付盤405の切欠部408とを一致させる。すなわちリール2L,2C,2Rの継ぎ目400aが特定の位置となるようにリール2L,2C,2Rを移動させる。この際、リールセンサ33L,33C,33Rにより切欠部408が検出されるまでリールモータ32L,32C,32Rに対して駆動信号を入力させることによりリールセンサ33L,33C,33Rと、リール取付盤405の切欠部408とを一致させることができる。
そして、上記のリールユニット2を規定の位置に配置し、レーザーラインを照射する。この際、レーザーラインは、リールユニット2に組み付けられたリール2L,2C,2Rが、リールセンサ33L,33C,33Rと、リール取付盤405の切欠部408とを一致させた場合にその継ぎ目400aが位置すべき位置を直線上に照射するようになっており、継ぎ目400aの位置と、レーザーラインが照射する位置とを比較することにより、一致しなければリールシート400と保持枠401、402との位置ずれが生じていることを発見できる。なお、図23に記載の検査器具については、変形例で説明する。
[第1ライン508A、および第2ライン508Bについて]
次に、第1ライン508Aおよび第2ライン508Bについて説明する。本実施の形態では、作業員の手作業により、各リール2L,2C,2Rのリールシートが保持枠401、402に巻かれるとして説明した。したがって、作業員の技量により、リールシート400を適切に巻けない場合がある。図25(A)は、リールシート400が適切に巻けられた場合の継ぎ目400a付近を示した図であり、図25(B)は、リールシート400が適切に巻けなかった場合の継ぎ目400a付近を示した図である。
本実施の形態では、図25(A)に示すように、リールシート400の適切な巻き方は、リールシートの他端504と、第1ライン508Aとが一致するような巻き方である。このような適切な巻き方がされることにより、隣接する図柄間の間隔を全て等しくすることができる。しかし、作業レベルが低い作業員によっては、適切に巻けない場合がある(不適切に巻く場合がある)。たとえば、リールシートの他端504と、第1ライン508Aとが一致せずに、リールシート400が巻かれる場合がある。たとえば、リールシート400不適切な巻き方として、該他端504と第2ライン508Bとが一致して巻かれる場合がある。このように不適切な巻き方で巻かれた場合であっても、図25(B)に示すように、全体図柄領域512と同一の着色が施されている着色領域508Cが露出されることから、リールシート400が不自然に見えることを防止できる。
なお、他端504と第2ライン508Bとが一致して、リールシート400が巻かれた場合には、図柄番号20の赤7図柄と図柄番号0のリプレイ図柄との距離と、他の図柄番号の隣接する図柄間の距離とが異なるようになる。しかしながら、他端504と第2ライン508Bとが一致して、リールシート400が巻かれた場合には、第1装飾図柄506aと第2装飾図柄506bとが組合せられることにより、装飾図柄506が形成される。したがって、不適切な巻き方がされた場合であっても、このような距離が異なる事象により生じる不自然さを軽減できる。
なお、図25(A)に示すように、リールシート400が適切に巻かれた場合には、第2装飾図柄506bのみが露出されず、第1装飾図柄506aのみが露出される。遊技者は通常、リールの図柄に対して注目し、装飾図柄506については注目しない。したがって、リールシート400が適切に巻かれて、第2装飾図柄506bのみが露出されず、第1装飾図柄506aのみが露出されたとしても、リールシート400が不自然に見えることを防止できる。
また、他端504と、第1ライン508Aとが一致せず、他端504が、着色領域508C内に位置するようにリールシート400が巻き付けられたとしても、該他端504から第1ライン508Aまでの着色領域が露出されることになるから、リールシート400が不自然に見えることを防止できる。
[透過させるための加工について]
次に、図26を用いて、LEDユニット55から照射された光を透過させるための加工について説明する。図26(A)は、透過部502を有する「7」図柄を裏側から見た図であり、図26(B)は、透過部502を有さない図柄である「ベル」図柄を裏側から見た図である。
図26(A)に示すように、「7」図柄が描かれた全領域のうち、透過部502の領域については、フレーム550が施されていないが、透過部502以外の領域については、フレーム550が施されている。フレーム550とは、LEDユニット55からの光の透過率を下げる部材である。したがって、透過部502の領域では、当該透過部502以外の領域よりも光の透過率を向上させることができる。また、透過部502については、縮み印刷が施されていることから、LEDユニット55から照射された光を透過部502において乱反射させることができ、透過部502を輝かせて遊技者に視認させることができる。一方、「7」図柄以外の図柄(図26(B)の例では、ベル図柄)は、透過部502を有さないことから、全ての領域においてフレーム550が施される。
なお、フレーム550の施し方については、まず、図柄シートの全体図柄領域512に対して、図柄を印刷した後に、図柄シートを反転させて、各図柄の輪郭をかたどったフレーム550を該図柄と同座標に印刷する(各図柄の裏側をフレームで被覆する)ようにしてもよい。また、図柄の印刷とフレームの印刷を同時に行う(つまり、図柄とフレームとの両面印刷)ようにしてもよい。また、図柄シートの全体図柄領域512に対して、図柄を印刷した後に、作業員などによる手作業で、各図柄の輪郭をかたどったフレーム550を張り付ける(各図柄の裏側をフレームで被覆する)ようにしてもよい。また、図26の例では、各図柄の輪郭をかたどったフレーム550を用いた例を説明しているが、たとえば、1のフレームで全ての図柄を被覆するようにしてもよい。
1のフレームとは、たとえば、全体図柄領域512と同一の形状のフレームである。また、透明部材をフレームとして、図柄シートを貼り付けるようにしてもよい。これらの構成であっても、該フレームをくり抜くなどをして透過部502を形成するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、フレームを形成することにより、光の透過率を低下させるとして説明したが、光の透過率を向上させるようなフレームを形成させるようにしてもよい。
[リールシート400の重複部分422について]
次に、図27を用いて、リールシート400の重複部分422において、図柄領域513Xと余り領域508Xの関係について説明する。図27の例において、太線は、リールシート400の重複部分422を示している。本実施の形態では、図27(A)に示すように図柄領域513Xの面積と余り領域508Xの面積とが等しく設計されている。また、本実施の形態では、余り領域508Xの全領域に接着部が形成されて、該接着部により、余り部508が他端部513に接着される。図27(B),(C)については変形例で説明する。
以上、説明したように、本実施の形態では、図22に示されるように、余り部508(余り領域508X)の上に、他端部513(図柄領域513X)が重なるように、リールシート400は、保持枠401および402に巻かれる。環状に巻かれたリールシート400のうち、重複部分422については、余り部508および他端部513の二重構造になっていることから、重複部分422とは異なる部分(重複されていない部分)よりも光の透過率が低い。そこで、本実施の形態においては、重複部分422を形成している他端部513(図柄領域513X)には、透過部502を有さない図柄であるベル図柄510が描かれている。したがって、LEDユニット55から光を照射させたときの効果を損なわれることを防止することができる。
また、重複部分422以外の箇所(つまり、重複部分422よりも透過率が高い箇所)の所定位置には、透過部502を有する図柄(「7」図柄)が描かれている。したがって、透過部502を有する図柄に対して、LEDユニット55から光が照射されたときには、高い透過率で透過部502から当該光を透過させることができるので、「7」図柄を遊技者に綺麗に視認させることができ、LEDユニット55からの光を有効に活用することができる。さらに、本実施の形態では、透過部502については、縮み印刷で印刷されている。したがって、透過部502を輝かせて視認させることができる。
図21、図27(A)に示すように、図柄領域513Xの面積と余り領域508Xの面積とが等しく設計されており、余り領域の全領域に接着部が形成される。したがって、リールシート400の他端部513と余り部508とを堅固に固定することができる。
本実施の形態では、透過部502を有する「7」図柄が描かれている領域の面積(つまり、「7」図柄の大きさ)は、透過部502を有さない図柄(「7」図柄以外の図柄)が描かれている領域の面積(つまり、「7」図柄以外の図柄の大きさ)よりも大きい。したがって、透過部502を有する図柄の方を、透過部502を有さない図柄よりも、遊技者に目立たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図柄が描かれている領域とは、図柄そのものの領域としてもよい。図柄そのものの領域とは、該図柄の輪郭形状の領域であり、たとえば、ベル図柄そのものの領域とは、ベルの輪郭形状の領域である。
本実施の形態では、リールシート400の一端505を目印401dに一致させて、リールシート400は環状に巻きつけられる。したがって、たとえば、作業員による手作業によりリールシートの巻き付け処理が実行されるときには、リールシート400の巻き付け開始位置を作業員に容易に認識させることができるので、リールシートの巻き付け処理の負担を軽減することができる。
また、リールシート400の一端505を目印401d(図22、図25参照)に一致させて、リールシート400は環状に巻きつけられることにより、リール2L、2C、2Rそれぞれが基準状態であるときに、リール2L、2C、2Rそれぞれの継ぎ目400aを一直線上に並ぶように視認させることができる。したがって、位置ずれの検査方法の結果の信頼性を高めることができる。
本実施の形態の余り領域508Xは、着色領域508Cと透明領域508Dとを含む。したがって、リールシート400を適切に巻けなかったとしても(他端504と第2ライン508Bとが一致するように巻かれたとしても)、着色領域508Cが露出され得ることから、リールシート400が不自然に見えることを防止できる。また、リールシート400を適切に巻けなかったとしても、リールが基準状態になったときは、継ぎ目400aが視認可能となる位置となるように設計されることが好ましい。
また、余り領域508Xにおいて、着色領域508Cには装飾が施されている一方、透明領域508Dには、装飾が施されていない。したがって、装飾コストを削減することができる。
本実施の形態では、各リール2L、2C、2Rが基準状態のときには、各リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aが、一直線上となって(図24参照)、透視窓3から視認可能となる。したがって、該一直線上となった継ぎ目400aと、レーザーラインにて特定される正常位置とを比較することでリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを容易に発見することができる。
[AT抽選]
本実施の形態において、メイン制御部41は、抽選条件1〜9のいずれかが成立した場合にART(RT2でATに制御される状態)に制御する権利であるナビストックを付与するか否かを決定するAT抽選を実行する。AT抽選では、0を含むナビストック数を決定することにより、ナビストック数を付与するか否か、および付与する場合にはその個数が決定される。なお、ナビストック数が残っているときに、ナビストック数を新たに獲得したときには、残っているナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せ加算させる。
また、ART中においては、抽選条件1〜9のいずれかが成立した場合に、AT抽選が行われ、ARTのゲーム数を上乗せするか否かが決定される。本実施の形態においては、AT中であるか否かに関わらず、後述する図28に示す条件でAT抽選が行われる。AT抽選において、0以上のゲーム数が当選した場合には、当選したゲーム数をARTの残りゲーム数に加算する。
ナビストックとは、RT1であればRT2へ移行させるための権利であり、かつRT2移行後、所定ゲーム数(本実施の形態ではナビストック1個につき50ゲーム)にわたりARTに制御される権利の数を示す。RT2へ移行後、ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定ゲーム数の間、ARTに制御され、その間、ナビ報知およびナビ演出が実行される。このため、決定されたナビストック数が多い程、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
図28を参照しながら、AT抽選について説明する。図28は、AT抽選テーブルを説明するための図である。メイン制御部41は、AT抽選テーブルに基づきAT抽選を実行することにより、ナビストックを付与するか否かを決定する。
図28(b)に示すように、抽選条件1は、スイカ当選したことを条件とする。抽選条件2は、弱チェリー当選したことを条件とする。抽選条件3は、強チェリー当選したことを条件とする。
抽選条件4は、前回AT終了から1000ゲーム消化したことを条件とする。なお、前回AT終了から消化したゲーム数は、メイン制御部41によって計数され、その計数結果は、RAM41cの所定領域に格納される。この計数結果は、ゲーム数が消化される毎に更新される。なお、本実施の形態においては、AT当選したときにゲーム数の計数結果はクリアされるが、AT当選してもゲーム数の計数結果はクリアされないものであってもよい。メイン制御部41は、RAM41cに格納された計数結果を毎ゲーム参照して、前回AT終了から消化したゲーム数が1000ゲームに達したか否かを判定し、達したと判定したときに抽選条件4が成立したと判断する。
抽選条件5は、AT抽選での非当選回数が50回に到達したことを条件とする。なお、AT抽選での非当選回数は、メイン制御部41によって計数され、その計数結果は、RAM41cの所定領域に格納される。この計数結果は、AT抽選で非当選となる毎に更新される。なお、本実施の形態においては、AT当選したときにAT抽選での非当選回数の計数結果はクリアされるが、AT当選しても非当選回数の計数結果はクリアされないものであってもよい。メイン制御部41は、RAM41cに格納された計数結果をAT抽選で非当選になったときに参照して、AT抽選での非当選回数が50回に達したか否かを判定し、達したと判定したときに抽選条件5が成立したと判断する。
このように、抽選条件4および5は、AT当選しない限り、遊技者が遊技を続けていれば必ず成立する条件(所謂、天井に達することで成立する抽選条件)である。
抽選条件6は、BB当選したことを条件とする。抽選条件7は、RB(BB中のRB含む)中に中右ベル1〜4および右中ベル1〜4のいずれかに当選したことを条件とする。抽選条件8は、7リプレイ1および7リプレイ2のいずれかに当選したことを条件とする。抽選条件9は、通常リプレイに当選したことを条件とする。
図28(a)に示すように、抽選条件1が成立したときには、90%の確率で付与されるナビストック数が0に決定され、5%の確率で付与されるナビストック数が1に決定され、3%の確率で付与されるナビストック数が2に決定され、2%の確率で付与されるナビストック数が3に決定される。
抽選条件2が成立したときには、80%の確率で付与されるナビストック数が0に決定され、10%の確率で付与されるナビストック数が1に決定され、7%の確率で付与されるナビストック数が2に決定され、3%の確率で付与されるナビストック数が3に決定される。
抽選条件3が成立したときには、70%の確率で付与されるナビストック数が0に決定され、15%の確率で付与されるナビストック数が1に決定され、10%の確率で付与されるナビストック数が2に決定され、5%の確率で付与されるナビストック数が3に決定される。
抽選条件4が成立したときには、97%の確率で付与されるナビストック数が0に決定され、3%の確率で付与されるナビストック数が1に決定され、ナビストック数が2および3には決定されない。
抽選条件5が成立したときには、95%の確率で付与されるナビストック数が0に決定され、5%の確率で付与されるナビストック数が1に決定され、ナビストック数が2および3には決定されない。
抽選条件6が成立したときには、90%の確率で付与されるナビストック数が0に決定され、5%の確率で付与されるナビストック数が1に決定され、5%の確率で付与されるナビストック数が2に決定され、ナビストック数が3には決定されない。
抽選条件7が成立したときには、90%の確率で付与されるナビストック数が0に決定され、5%の確率で付与されるナビストック数が1に決定され、5%の確率で付与されるナビストック数が2に決定され、ナビストック数が3には決定されない。
抽選条件8が成立したときには、80%の確率で付与されるナビストック数が0に決定され、10%の確率で付与されるナビストック数が1に決定され、10%の確率で付与されるナビストック数が2に決定され、ナビストック数が3には決定されない。
抽選条件9が成立したときには、90%の確率で付与されるナビストック数が0に決定され、5%の確率で付与されるナビストック数が1に決定され、5%の確率で付与されるナビストック数が2に決定され、ナビストック数が3には決定されない。
以上のように、複数の抽選条件のうち、成立した抽選条件に応じて異なる確率で、ナビストックが付与されるか否か、および付与されるナビストック数が決定される。また、抽選条件4および5のような、所謂、天井に達することで成立する条件が成立したときには、その他の抽選条件が成立したときよりも、ナビストックが付与される確率が低く、さらに、付与されるナビストック数も少ないため、遊技者にとって有利度が低い。
これにより、抽選条件4や抽選条件5が成立するまで、遊技者が遊技の進行を必要以上に継続してしまうことを防止することができ、のめり込みを防止することができる。
[非AT中の期待演出]
図29を参照しながら、非AT中に実行される期待演出について説明する。非AT中の期待演出は、非AT中のAT抽選におけるAT当選、すなわち初当り時におけるナビストックの付与を遊技者に期待させる演出である。非AT中の期待演出は、AT抽選が実行された以降の複数ゲームからなる前兆期間中に実行されるとともにナビストックが付与されるか否かを遊技者に示唆する前兆演出と、前兆演出の後にナビストックが付与されるか否かを遊技者に報知する報知演出とから構成される。なお、前兆期間とは、AT抽選が行われた後、AT抽選による結果が確定的に遊技者に報知されるまでの期間であり、後述する報知ゲーム数決定抽選によって決定される。
1回の前兆演出と1回の報知演出とで1セットの期待演出となり、AT抽選が1回実行されたときに1セットの期待演出が実行されることもあれば、複数セットの期待演出が実行されることもある。複数セットの期待演出が実行されるときには、前兆演出と報知演出とが繰り返し実行されることになり、先のセット内での報知演出ではナビストックが付与されるか否かが確定的ではなく仮に報知(前報知ともいう)され、最終セット内での報知演出によってナビストックが付与されるか否かが確定的に報知(本報知ともいう)される。
具体的には、メイン制御部41は、AT抽選の実行後にAT抽選の結果を特定可能なAT抽選結果コマンドをサブ制御部91に対して送信する。サブ制御部91は、非AT中においてAT抽選結果コマンドを受信した場合、まず、図29(a)に示す報知ゲーム数抽選テーブルを用いて、AT抽選の結果、すなわちナビストックが付与されるか否かを遊技者に本報知するまでのゲーム数を決定する報知ゲーム数抽選を実行する。たとえば、サブ制御部91は、AT抽選においてナビストックの付与を決定した場合、報知ゲーム数抽選によって、本報知するまでのゲーム数を決定する。次に、サブ制御部91は、図29(b)に示す期待演出抽選テーブルを用いて、期待演出の演出種別を決定する期待演出抽選を実行する。サブ制御部91は、非AT中に期待演出抽選を実行することによって、前兆演出および報知演出を繰り返し実行するか否か、各セット内での前兆演出および報知演出のゲーム数、および報知演出の内容などを決定する。なお、本実施の形態において、サブ制御部91は、抽選条件8,9以外の条件が成立してAT抽選が実行されたときに限り報知ゲーム数抽選および期待演出抽選を実行するが、抽選条件8,9が成立してAT抽選が実行されたときにも報知ゲーム数抽選および期待演出抽選を実行してもよい。
図29(a)は、非AT中の報知ゲーム数抽選テーブルを説明するための図である。図29(a)に示すように、本報知するまでのゲーム数としては、12ゲーム、22ゲーム、30ゲームの3種類が設けられている。12ゲームに決定された場合は、期待演出が1セットしか行われないため、前兆演出および報知演出が繰り返し実行されない。22ゲームに決定された場合は、期待演出が2セット行われるため、前兆演出および報知演出が2回繰り返し実行される。30ゲームに決定された場合は、期待演出が3セット行われるため、前兆演出および報知演出が3回繰り返し実行される。なお、本報知するまでのゲーム数としては、3種類よりも少ない種類のゲーム数や、3種類よりも多い種類のゲーム数が設けられていてもよい。
報知ゲーム数抽選においては、AT抽選でナビストック数が0に決定されたときには、90%の確率で12ゲームに決定され、10%の確率で22ゲームに決定され、30ゲームには決定されない。AT抽選でナビストック数が1に決定されたときには、50%の確率で12ゲームに決定され、50%の確率で22ゲームに決定され、30ゲームには決定されない。AT抽選でナビストック数が2に決定されたときには、20%の確率で12ゲームに決定され、70%の確率で22ゲームに決定され、10%の確率で30ゲームに決定される。AT抽選でナビストック数が3に決定されたときには、10%の確率で22ゲームに決定され、90%の確率で30ゲームに決定され、12ゲームには決定されない。
図29(b)は、期待演出抽選テーブルを説明するための図である。図29(b)に示すように、非AT中の期待演出の種別としては、演出種別A、演出種別B1、演出種別B2、演出種別C1、演出種別C2、演出種別C3、および演出種別C4の7種類が設けられている。なお、演出種別B1および演出種別B2は、まとめて演出種別Bということもあり、演出種別C1、演出種別C2、演出種別C3、および演出種別C4は、まとめて演出種別Cということもある。
演出種別Aは、本報知されるまでのゲーム数が12ゲームに決定されたときに限り決定され、1セットの期待演出が実行される。1セットの期待演出においては、第1前兆演出によってナビストックが付与されるか否かが遊技者に示唆され、その後、第1報知演出によってナビストックが付与されるか否かが遊技者に本報知される。第1前兆演出においては、AT抽選後、1〜11ゲーム目の11ゲーム間に亘りチャンス演出(たとえば、表示領域51aに毎ゲーム、あるいはランダムで「チャンス」の文字画像が表示される)が行われる。第1報知演出においては、第1前兆演出の後、AT抽選後の12ゲーム目の1ゲーム間に亘り文字演出による本報知が行われる。たとえば、AT抽選でナビストックの付与が決定されているときには、表示領域51aに「ナビ獲得!!」の文字画像が表示される。一方、AT抽選でナビストックの付与が決定されていないときには、表示領域51aに「残念」の文字画像が表示される。
演出種別B1および演出種別B2は、本報知されるまでのゲーム数が22ゲームに決定されたときに限り決定され、2セットの期待演出が実行される。1セット目の期待演出においては、第1前兆演出によってナビストックが付与されるか否かが遊技者に示唆され、その後、第1報知演出によってナビストックが付与されるか否かが遊技者に前報知される。次に、2セット目の期待演出が実行され、2セット目の期待演出においては、第2前兆演出によってナビストックが付与されるか否かが遊技者に示唆され、その後、第2報知演出によってナビストックが付与されるか否かが遊技者に本報知される。
演出種別B1の場合、第1前兆演出においては、AT抽選後、1〜11ゲーム目の11ゲーム間に亘りチャンス演出が行われ、第1報知演出においては、第1前兆演出の後、AT抽選後の12ゲーム目の1ゲーム間に亘り文字演出による前報知が行われる。たとえば、AT抽選でナビストックの付与が決定されたか否かに関わらず、表示領域51aに「残念」の文字画像が表示される。その後、1セット目の前報知が行われたゲームの次のゲームでは、すぐに第2前兆演出が行われる。第2前兆演出においては、AT抽選後の13〜20ゲーム目の8ゲーム間に亘り第1前兆演出と同様のチャンス演出が行われ、第2報知演出においては、第2前兆演出の後、AT抽選後の21ゲーム目および22ゲーム目の2ゲーム間に亘りフリーズ演出による本報知が行われる。たとえば、AT抽選でナビストックの付与が決定されているときには、スタートスイッチ7が操作されたときに停止操作の有効化を所定期間に亘り遅延させるフリーズ状態に制御されるとともにリールを仮停止して特定図柄組合せ(たとえば、白7図柄揃い)を導出するなどのリール演出が行われ、表示領域51aに「ナビ獲得!!」の文字画像が表示される。一方、AT抽選でナビストックの付与が決定されていないときには、スタートスイッチ7が操作されたときに停止操作の有効化を所定期間に亘り遅延させるフリーズ状態に制御されるとともにリールを仮停止して非特定図柄組合せ(たとえば、ばらけ目)を導出するなどのリール演出が行われ、表示領域51aに「残念」の文字画像が表示される。
演出種別B2は、演出種別B1の場合と同様に、第1前兆演出、第1報知演出、第2前兆演出、および第2報知演出が行われるが、第1報知演出による前報知が行われたゲームの次のゲームではなく、さらにその次のゲームで第2前兆演出が行われる点で演出種別B1と異なる。すなわち、演出種別B2の場合、第2前兆演出は、AT抽選後の14〜20ゲーム目の7ゲーム間に亘り行われる。
演出種別C1〜C4においては、本報知されるまでのゲーム数が30ゲームに決定されたときに限り決定され、3セットの期待演出が実行される。1セット目の期待演出においては、第1前兆演出によってナビストックが付与されるか否かが遊技者に示唆され、その後、第1報知演出によってナビストックが付与されるか否かが遊技者に前報知される。次に、2セット目の期待演出が実行され、2セット目の期待演出においては、第2前兆演出によってナビストックが付与されるか否かが遊技者に示唆され、その後、第2報知演出によってナビストックが付与されるか否かが遊技者に前報知される。次に、3セット目の期待演出が実行され、3セット目の期待演出においては、第3前兆演出によってナビストックが付与されるか否かが遊技者に示唆され、その後、第3報知演出によってナビストックが付与されるか否かが遊技者に本報知される。
演出種別C1の場合、第1前兆演出においては、AT抽選後、1〜11ゲーム目の11ゲーム間に亘りチャンス演出が行われ、第1報知演出においては、第1前兆演出の後、AT抽選後の12ゲーム目の1ゲーム間に亘り文字演出による前報知が行われる。たとえば、AT抽選でナビストックの付与が決定されたか否かに関わらず、表示領域51aに「残念」の文字画像が表示される。その後、前報知が行われたゲームの次のゲームでは、すぐに第2前兆演出が行われる。第2前兆演出においては、AT抽選後の13〜20ゲーム目の8ゲーム間に亘り第1前兆演出と同様のチャンス演出が行われ、第2報知演出においては、第2前兆演出の後、AT抽選後の21ゲーム目および22ゲーム目の2ゲーム間に亘りフリーズ演出による前報知が行われる。その後、2セット目の前報知が行われたゲームの次のゲームでは、すぐに第3前兆演出が行われる。第3前兆演出においては、AT抽選後の23〜27ゲーム目の5ゲーム間に亘り第1前兆演出や第2前兆演出と同様のチャンス演出が行われ、第3報知演出においては、第2前兆演出の後、AT抽選後の28〜30ゲーム目の3ゲーム間に亘りバトル演出による本報知が行われる。たとえば、AT抽選でナビストックの付与が決定されているときには、表示領域51aに味方キャラクタと敵キャラクタとが闘う画像が表示されて30ゲーム目で味方キャラクタが勝利する画像が表示され、表示領域51aに「ナビ獲得!!」の文字画像が表示される。一方、AT抽選でナビストックの付与が決定されていないときには、表示領域51aに味方キャラクタと敵キャラクタとが闘う画像が表示されて30ゲーム目で味方キャラクタが敗北する画像が表示され、表示領域51aに「残念」の文字画像が表示される。
演出種別C2は、演出種別C1の場合と同様に、第1前兆演出、第1報知演出、第2前兆演出、第2報知演出、第3前兆演出、および第3報知演出が行われるが、第2報知演出による前報知が行われたゲームの次のゲームではなく、さらにその次のゲームで第3前兆演出が行われる点で演出種別C1と異なる。すなわち、演出種別C2の場合、第3前兆演出は、AT抽選後の25〜27ゲーム目の3ゲーム間に亘り行われる。
演出種別C3は、演出種別C1の場合と同様に、第1前兆演出、第1報知演出、第2前兆演出、第2報知演出、第3前兆演出、および第3報知演出が行われるが、第1報知演出による前報知が行われたゲームの次のゲームではなく、さらにその次のゲームで第2前兆演出が行われる点で演出種別C1と異なる。
演出種別C4は、演出種別C1の場合と同様に、第1前兆演出、第1報知演出、第2前兆演出、第2報知演出、第3前兆演出、および第3報知演出が行われるが、第1報知演出による前報知が行われたゲームの次のゲームではなく、さらにその次のゲームで第2前兆演出が行われる点と、第2報知演出による前報知が行われたゲームの次のゲームではなく、さらにその次のゲームで第3前兆演出が行われる点とで演出種別C1と異なる。
期待演出抽選においては、本報知されるまでのゲーム数が12ゲームに決定された場合、AT抽選でナビストックが付与されたか否かに関わらず、100%の確率で演出種別Aに決定される。
本報知されるまでのゲーム数が22ゲームに決定された場合、AT抽選でナビストックが付与されたか否かに関わらず、80%の確率で演出種別B1に決定され、20%の確率で演出種別B2に決定される。
本報知されるまでのゲーム数が30ゲームに決定された場合、AT抽選でナビストックが付与されたか否かに関わらず、50%の確率で演出種別C1に決定され、30%の確率で演出種別C2に決定され、15%の確率で演出種別C3に決定され、5%の確率で演出種別C4に決定される。
以上のように、演出種別B1,2およびC1〜4のいずれかに決定された場合、1セット目の第1報知演出は1ゲーム間に限り実行されるのに対して、2セット目の第2報知演出は2ゲーム間に亘り実行される。さらに、演出種別C1〜4のいずれかに決定された場合、2セット目の第1報知演出は2ゲーム間に限り実行されるのに対して、3セット目の第3報知演出は3ゲーム間に亘り実行される。つまり、前兆演出および報知演出が繰り返し実行されるときには、1セット目の報知演出に要するゲーム数よりも、2セット目や3セット目の報知演出に要するゲーム数の方が多い。すなわち、前兆演出および報知演出が繰り返し実行されるときには、先の報知演出に要するゲーム数よりも、後の報知演出に要するゲーム数の方が多い。
これにより、前兆演出および報知演出が繰り返し実行されるときには、1セット目の報知演出よりも2セット目や3セット目の報知演出の方が、ナビストックが付与されることに対してより長く遊技者を期待させる。また、前兆演出および報知演出が繰り返し実行されるときには、先の報知演出よりも後の報知演出の方が、ナビストックが付与されることに対してより長く遊技者を期待させる。このため、ナビストックの付与を示唆する前兆演出とナビストックが付与されるか否かを報知する報知演出とを繰り返し実行する際に、十分に遊技者の期待感を向上させることができる。
また、報知ゲーム数抽選では、ナビストックが付与されるときは、ナビストックが付与されないときよりも、本報知されるまでのゲーム数が22ゲームや30ゲームに決定される確率が高いため、前兆演出および報知演出が繰り返し実行される確率が高くなっている。つまり、前兆演出および報知演出が繰り返し実行されるときには、1セット目の報知演出よりも、2セット目や3セット目の報知演出の方が、ナビストックが付与されることが本報知される確率が高い。すなわち、前兆演出および報知演出が繰り返し実行されるときには、先の報知演出よりも、後の報知演出の方が、ナビストックが付与されることが本報知される確率が高い。
これにより、1セット目の報知演出によってナビストックが付与されないことが前報知された場合でも、2セット目や3セット目の報知演出によって、より高い確率でナビストックが付与されることが本報知されることに対して遊技者に期待させることができる。また、先の報知演出によってナビストックが付与されないことが前報知された場合でも、後の報知演出によって、より高い確率で特典が付与されることが本報知されることに対して遊技者に期待させることができる。
さらに、報知ゲーム数抽選では、付与されるナビストック数が多いほど、本報知されるまでのゲーム数が多くなる確率が高いため、前兆演出および報知演出が繰り返し実行される確率が高くなっている。つまり、前兆演出および報知演出が繰り返し実行されるときには、1セット目の報知演出で本報知されるナビストック数よりも、2セット目や3セット目の報知演出で本報知されるナビストック数の方が多くなる。すなわち、前兆演出および報知演出が繰り返し実行されるときには、先の報知演出で本報知されるナビストック数よりも、後の報知演出で本報知されるナビストック数の方が多く、遊技者にとって有利度が高い。
これにより、1セット目の報知演出によってナビストックが付与されないことが本報知された場合でも、2セット目や3セット目の報知演出によって、より多くのナビストックが付与されることが本報知されることに対して遊技者に期待させることができる。また、先の報知演出によってナビストックが付与されないことが本報知された場合でも、後の報知演出によって、より多くのナビストックが付与されることが本報知されることに対して遊技者に期待させることができる。
また、AT抽選が実行されたときには、まず先に、報知ゲーム数抽選によって本報知されるまでのゲーム数が決定され、その後、決定されたゲーム数に応じて、期待演出抽選によって期待演出の演出種別が決定される。演出種別Aに決定されたときには、第1前兆演出後に第1報知演出による文字演出で本報知が行われ、演出種別Bに決定されたときには、第1前兆演出後に第1報知演出による文字演出で前報知が行われた後、第2前兆演出後に第2報知演出によるフリーズ演出で本報知が行われ、演出種別Cに決定されたときには、第1前兆演出後に第1報知演出による文字演出で前報知が行われた後、第2前兆演出後に第2報知演出によるフリーズ演出で本報知が行われ、さらにその後、第3前兆演出後に第3報知演出によるバトル演出で本報知が行われる。
このように、ナビストックの付与が本報知されるまでのゲーム数に応じて前兆演出および報知演出の内容、すなわち、前兆演出および報知演出の実行回数、および報知演出の演出内容が決定されるため、本報知されるまでのゲーム数と、その間に実行される示唆演出および報知演出の内容との整合を取ることができる。
また、本報知されるまでのゲーム数が22ゲームに決定された場合、第1報知演出が実行されたゲームの2ゲーム後に第2前兆演出が実行される演出種別B2よりも、第1報知演出が実行されたゲームの次のゲームで第2前兆演出が実行される演出種別B1の方が、高い確率で決定されるようになっている。
このように、AT抽選後の1セット目に実行された報知演出によってナビストックが付与されないことが前報知された場合でも、次のゲームにおいて、前兆期間中の他のゲームよりも高い確率で前兆期間が実行(開始ともいえる)される。これにより、前報知によってナビストックが付与されないことが前報知された場合でも、その次のゲームにおいて再び前兆演出が実行されることで、遊技者が遊技をやめてしまうことを防止することができる。さらに、このように前兆演出が繰り返されることで、ナビストックの付与、および付与されるナビストック数が多いことに対して期待することもできるため、遊技者が遊技をやめてしまうことを効果的に防止することができる。
また、1セット目の第1前兆演出および第1報知演出は、1〜12ゲーム目の12ゲームに亘り実行されるのに対して、2セット目の第2前兆演出および第2報知演出は、13〜22ゲーム目の10ゲーム、あるいは14〜22ゲーム目の9ゲームに亘り実行され、さらに、3セット目の第3前兆演出および第3報知演出は、23〜30ゲーム目の8ゲーム、あるいは25〜30ゲーム目の6ゲームに亘り実行される。つまり、前兆演出および報知演出が繰り返し実行されるときには、1セット目の前兆演出および報知演出に要するゲーム数よりも、2セット目や3セット目の前兆演出および報知演出に要するゲーム数の方が少ない。すなわち、前兆演出および報知演出が繰り返し実行されるときには、先の前兆演出および報知演出に要するゲーム数よりも、後の前兆演出および報知演出に要するゲーム数の方が少ない。
これにより、前兆演出および報知演出が繰り返し実行されるときでも、前兆演出および報知演出による遊技者を期待させるゲーム数を極力短くして、ナビストックが付与されるか否かの確定的な本報知まで間延びしてしまうことを防止することができる。
[AT中の期待演出]
図30および図31を参照しながら、AT中に実行される期待演出について説明する。AT中の期待演出は、AT中のAT抽選におけるAT当選、すなわち上乗せ当選時におけるナビストックの付与を遊技者に期待させる演出である。期待演出は、AT抽選が実行された以降の複数ゲームからなる前兆期間中に実行されるとともにナビストックが付与されるか否かを遊技者に示唆する前兆演出と、前兆演出の後にナビストックが付与されるか否かを遊技者に報知する報知演出とから構成される。なお、ナビストックが付与されない場合は、報知演出は実行されないこともある。前兆期間とは、AT抽選が行われた後、AT抽選による結果が確定的に遊技者に報知されるまで、あるいは遊技者がAT抽選による結果を確定的に認識するまでの期間であり、演出種別によって異なる。具体的には、後述する演出種別aの場合は前兆演出が3ゲームのみであるため、前兆期間は3ゲームになる。また、後述する演出種別bの場合は前兆演出が3ゲームで、報知演出が1ゲームであるため、前兆期間は4ゲームになる。また、後述する演出種別cの場合は前兆演出が3ゲームで、報知演出が3ゲームであるため、前兆期間は6ゲームになる。
具体的には、メイン制御部41は、AT抽選の実行後にAT抽選の結果を特定可能なAT抽選結果コマンドをサブ制御部91に対して送信する。サブ制御部91は、AT中においてAT抽選結果コマンドを受信した場合、図30(a)に示す期待演出抽選テーブルを用いて、期待演出の種別を決定する期待演出抽選を実行する。なお、本実施の形態において、サブ制御部91は、抽選条件8,9以外の条件が成立してAT抽選が実行されたときに限り、期待演出抽選を実行するが、抽選条件8,9が成立してAT抽選が実行されたときにも期待演出抽選を実行してもよい。
図30(a)は、期待演出抽選テーブルを説明するための図である。図30(a)に示すように、AT中の期待演出の種別としては、演出種別a、演出種別b、および演出種別cの3種類が設けられている。
演出種別aにおいては、前兆期間中の3ゲームに亘り強ナビを実行可能な前兆演出が実行される。強ナビとは、AT中における前兆期間以外のゲームで行われ得る通常のナビ演出とは異なり、派手な態様によるナビ演出である。この強ナビに対して、通常のナビ演出を弱ナビともいう。つまり、前兆期間中の3ゲーム間においてナビ対象役に当選したときには、通常のナビ演出(弱ナビ)ではなく、強ナビが実行される。このような前兆演出による強ナビが実行されると、遊技者にナビストックが付与されることに対して期待させることができる。なお、演出種別aは、ナビストックが付与されない場合にのみ決定されるため、報知演出は実行されない。
演出種別bにおいては、前兆期間中の3ゲームに亘り強ナビを実行可能な前兆演出が実行され、その後、前兆期間中の1ゲームに亘り報知演出が実行される。この報知演出においては、演出用スイッチ56の操作を促すボタン演出によって、ナビストックが付与されるか否かの確定的な本報知が行われる。たとえば、表示領域51aに「PUSH」の文字画像が表示されて演出用スイッチ56の操作を遊技者に促し、AT抽選でナビストックの付与が決定されているときには演出用スイッチ56が操作されると、表示領域51aに「ナビ獲得!!」の文字画像が表示され、AT抽選でナビストックの付与が決定されていないときには演出用スイッチ56が操作されると、表示領域51aに「残念」の文字画像が表示される。
演出種別cにおいては、前兆期間中の3ゲームに亘り強ナビを実行可能な前兆演出が実行され、その後、前兆期間中の3ゲームに亘り報知演出が実行される。この報知演出においては、バトル演出による本報知が行われる。バトル演出の内容は、上述した非AT中における報知演出のバトル演出と同様である。なお、AT中における報知演出のバトル演出は、非AT中における報知演出のバトル演出と内容を異ならせてもよい。
図30(b)は、ナビ演出態様抽選テーブルを説明するための図である。サブ制御部91は、メイン制御部41から停止順コマンドを受信したときには、ナビ演出態様抽選テーブルを用いて、ナビ演出の態様を弱ナビおよび強ナビのいずれかに決定するナビ演出対応抽選を実行する。そして、サブ制御部91は、決定した態様でナビ演出を実行する。
図30(b)に示すように、サブ制御部91は、AT中の前兆期間であるか否かに応じて異なる確率で、ナビ演出の態様を決定する。さらに、サブ制御部91は、非前兆期間である場合は、前兆期間の次のゲームであるか否かに応じて異なる確率で、ナビ演出の態様を決定する。
具体的には、AT中の非前兆期間である場合、前兆期間の次のゲーム以外のゲームであるときには、98%の確率で弱ナビに決定され、2%の確率で強ナビに決定される。一方、前兆期間の次のゲームであるときには、100%の確率で弱ナビに決定される。また、AT中の非前兆期間である場合、100%の確率で強ナビに決定される。
このように、AT抽選の実行を契機に設定される前兆期間中においては、100%の確率でナビ演出が強ナビになるのに対して、非前兆期間中においては、前兆期間の次のゲーム以外のゲームで僅か2%の低確率でしかナビ演出が強ナビにならない。よって、強ナビは、弱ナビよりも、ナビストックが付与されている確率が高いナビ演出といえるため、強ナビが実行されたときには、遊技者にナビストックが付与されることに対して期待させることができる。一方、非前兆期間中においては、前兆期間の次のゲームで100の確率でナビ演出が弱ナビになる。このため、強ナビの実行が続いた後に弱ナビが実行されると、前兆期間が終了したことを遊技者に示唆することができる。さらに、演出種別aのように報知演出が実行されない場合は、強ナビの実行が続いた後に弱ナビが実行されることで、ナビストックが付与されなかったことを遊技者に認識させることができる。
図31を参照しながら、AT中における期待演出について具体例を用いながら説明する。図31は、スイカ当選後の期待演出の一例について説明するための図である。
図31(a)に示すように、AT中にスイカ当選することによって抽選条件1が成立したときには、図31(b)に示すように、メイン制御部41によってAT抽選が実行されるとともに、サブ制御部91によって期待演出抽選が実行される。
AT抽選によりナビストックの付与が決定され、かつ期待演出抽選により演出種別bに決定されたときには、メイン制御部41によって前兆期間が4ゲームに設定され、図31(c)に示す次のゲームに移行する。
図31(c)に示すように、前兆期間の1ゲーム目で中左ベルに当選したときには、ナビ演出態様抽選によって100%の確率で強ナビに決定されるため、前兆演出として強ナビが実行される。強ナビにおいては、「213」の停止順画像に装飾が施され、図31(f)に示す弱ナビのような停止順画像よりも派手な態様になる。
図31(d)に示すように、前兆期間の2ゲーム目で右中ベルに当選したときには、ナビ演出態様抽選によって100%の確率で強ナビに決定されるため、前兆演出として強ナビが実行される。
図31(e)に示すように、前兆期間の3ゲーム目で中左ベルに当選したときには、ナビ演出態様抽選によって100%の確率で強ナビに決定されるため、前兆演出として強ナビが実行される。
図31(f)に示すように、前兆期間の4ゲーム目では、報知演出としてボタン演出が実行される。図31(g)に示すように、ボタン演出において演出用スイッチ56が操作されると、表示領域51aに「ナビ獲得!!」の文字画像が表示され、ナビストックの付与が遊技者に報知される。
図31(h)に示すように、非前兆期間に移行した後、右中ベルに当選したときには、ナビ演出態様抽選によって100%の確率で弱ナビに決定されるため、弱ナビが実行される。これにより、前兆期間が終了したことを遊技者に示唆することができる。
一方、AT抽選によりナビストックの付与が決定されず、かつ期待演出抽選により演出種別aに決定されたときには、メイン制御部41によって前兆期間が3ゲームに設定され、図31(i)に示す次のゲームに移行する。
図31(i)に示すように、前兆期間の1ゲーム目で中左ベルに当選したときには、ナビ演出態様抽選によって100%の確率で強ナビに決定されるため、前兆演出として強ナビが実行される。
図31(j)に示すように、前兆期間の2ゲーム目で右中ベルに当選したときには、ナビ演出態様抽選によって100%の確率で強ナビに決定されるため、前兆演出として強ナビが実行される。
図31(k)に示すように、前兆期間の3ゲーム目で中左ベルに当選したときには、ナビ演出態様抽選によって100%の確率で強ナビに決定されるため、前兆演出として強ナビが実行される。
図31(m)に示すように、非前兆期間に移行した後、右中ベルに当選したときには、ナビ演出態様抽選によって100%の確率で弱ナビに決定されるため、弱ナビが実行される。これにより、前兆期間が終了したことを遊技者に示唆することができる。
以上のように、AT抽選においてナビストックの付与が決定されていない場合、前兆期間の終了した次のゲームでは、ナビストックの付与が決定されている確率が高い強ナビではなく弱ナビが実行されるため、必要以上に遊技者の期待を煽ってしまうことを防止することができる。さらに、図31(i)〜(k)に示すように、たとえば、前兆期間中に強ナビが継続して実行されていたときに、図31(m)に示すように、弱ナビが実行されたときには、当該弱ナビの実行によって、前兆期間が終了したことを示唆することもできる。
また、強ナビは、弱ナビに比べて派手な演出であるため、強ナビと弱ナビとが区別しやすく、強ナビが実行されたことを遊技者に認識させやすくすることができる。
また、図30(b)に示すナビ演出態様決定テーブルにおいては、前兆期間以外におけるゲームのうち、前兆期間の次のゲームと、それ以外のゲームとで、弱ナビおよび強ナビのうちの実行するナビ演出が異なるように、当選確率のデータを異ならせている。これにより、強ナビと弱ナビとを使い分けることで、前兆期間が終了したことを示唆することができる。
[7ナビ演出]
図32および図33を参照しながら、7ナビ演出について説明する。7ナビ演出は、7リプレイ1、7リプレイ2、および通常リプレイのいずれかに当選したゲームで実行されるナビ演出の一種であるが、非AT中およびAT中のいずれにおいても実行され得る。7ナビ演出は、ライン上に7図柄を揃えさせるように促すナビ演出である。具体的には、7リプレイ1、7リプレイ2、および通常リプレイのいずれかに当選したときには、中第1停止または右第1停止を促す停止順画像が表示領域51aに表示されるとともに、併せて各リールに赤7および青7を狙ったタイミングでの停止操作を促すように「7を狙え」の文字画像も表示領域51aに表示される。なお、7リプレイ1または7リプレイ2には、赤7リプレイおよび青7リプレイが含まれるため、当選時の7ナビ演出に従って停止操作すれば、赤7が揃ったり、青7が揃ったりする可能性がある。一方、通常リプレイには、赤7リプレイおよび青7リプレイのいずれも含まれないため、当選時の7ナビ演出に従って停止操作しても、赤7が揃ったり、青7が揃ったりする可能性はない。つまり、通常リプレイの当選時に実行される7ナビ演出は、所謂、ガセ演出である。
7リプレイ1および7リプレイ2のいずれかに当選したときには、7ナビ演出が実行されて7図柄揃いを導出させるように促される。また、前述したように、7リプレイ1または7リプレイ2に当選したときには、抽選条件8が成立し、AT抽選が実行される。このため、7図柄揃いが導出されると、ナビストックが付与されたことを期待することができるため、遊技者は、7ナビ演出に従って、7図柄揃いを導出するようになっている。
メイン制御部41は、抽選条件8または抽選条件9が成立したときにAT抽選を実行し、当該AT抽選の実行後にAT抽選の結果を特定可能なAT抽選結果コマンドをサブ制御部91に対して送信する。サブ制御部91は、AT抽選結果コマンドを受信した場合、図32に示す7ナビ演出抽選テーブルを用いて、7ナビ演出の種別を決定する7ナビ演出抽選を実行する。
図32は、7ナビ演出抽選テーブルを説明するための図である。図32に示すように、7ナビ演出の種別としては、演出種別αおよび演出種別βの2種類が設けられている。
演出種別αにおいては、表示領域51aにキャラクタAが表示され、キャラクタAによる7ナビ演出が実行される。一方、演出種別βにおいては、表示領域51aにキャラクタBが表示され、キャラクタBによる7ナビ演出が実行される。
サブ制御部91は、抽選条件8および抽選条件9のいずれが成立したかに応じて異なる確率で、7ナビ演出の種別を決定する。
具体的には、7図柄を揃えることが可能な抽選条件8が成立したときには、10%の確率で演出種別αに決定され、90%の確率で演出種別βに決定される。一方、7図柄を揃えることが不可能な抽選条件9が成立したときには、90%の確率で演出種別αに決定され、10%の確率で演出種別βに決定される。
このように、7図柄を揃えることが可能な抽選条件8が成立したときには、キャラクタAによる7ナビ演出となる演出種別αよりも、キャラクタBによる7ナビ演出となる演出種別βの方が高い確率で決定されるのに対して、7図柄を揃えることが不可能な抽選条件9が成立したときには、キャラクタBによる7ナビ演出となる演出種別βよりも、キャラクタAによる7ナビ演出となる演出種別αの方が高い確率で決定される。したがって、7ナビ演出の種類に応じて、7ナビ演出に従って停止操作したときに7図柄揃いが導出される確率が異なるものとなる。つまり、キャラクタBによる7ナビ演出に従って停止操作したときには、キャラクタAによる7ナビ演出による7ナビ演出に従って停止操作したときよりも、7図柄揃いが導出される確率が高くなっている。
図33を参照しながら、7ナビ演出について具体例を用いながら説明する。図33は、7リプレイ1当選後の7ナビ演出の一例について説明するための図である。
図33(a)に示すように、7リプレイ1に当選することによって抽選条件8が成立したときには、図33(b)に示すように、メイン制御部41によってAT抽選が実行されるとともに、サブ制御部91によって7ナビ演出抽選が実行される。
AT抽選によりナビストックの付与が決定され、かつ7ナビ演出抽選により演出種別βに決定されたときには、図33(c)に示すようにキャラクタBによる7ナビ演出が実行される。
図33(c)に示すように、表示領域51aには、中第1停止を促す停止順画像と、「7を狙え」の文字画像と、キャラクタBの画像とが表示される。
図33(d)に示すように、遊技者が7ナビ演出に従って中リールを第1停止したときには、中リールにおいてLM2上に赤7が停止する。
図33(e)に示すように、その後、遊技者が7ナビ演出に従って左リールを第2停止したときには、中リールにおいてLM2上に赤7が停止する。
図33(f)に示すように、その後、遊技者が7ナビ演出に従って右リールを第3停止したときには、右リールにおいてLM2上に赤7が停止する。これにより、LM2上に赤7図柄揃いが導出される。このとき、赤7図柄揃いが停止したタイミングで、表示領域51aに「ナビ獲得!!」の文字画像が表示されて、ナビストックの付与が遊技者に報知される。さらに、赤7図柄揃いが導出されたタイミングで、表示灯51cに「AT」(あるいは、「ART])の文字画像が表示されて、AT(あるいは、ART)に制御されることが遊技者に報知される。
一方、図33(g)に示すように、遊技者が7ナビ演出に従わずに左リールを第1停止したときには、たとえば、左リールにおいてLM2上にベルが停止する。この場合、赤7図柄揃いを導出することは不可能となる。このとき、7図柄以外のベルが停止したタイミングで、表示領域51aに「ナビ獲得!!」の文字画像が表示されるとともに、表示灯51cに「AT」の文字画像が表示される。
このように、遊技者が、故意あるいは誤って7ナビ演出で報知された停止順以外の停止順でストップスイッチを操作したときには、7図柄以外のベルが停止したタイミングでナビストックの付与が報知される。
また、図33(h)に示すように、遊技者が7ナビ演出に従って左リールを第2停止した場合でも、LM2上に赤7図柄を引き込むタイミングで停止操作できなかったときには、たとえば、左リールにおいてLM2上にスイカが停止する。この場合、赤7図柄揃いを導出することは不可能となる。このとき、7図柄以外のスイカが停止したタイミングで、表示領域51aに「ナビ獲得!!」の文字画像が表示されるとともに、表示灯51cに「AT」の文字画像が表示される。
このように、遊技者が、故意あるいは誤って7ナビ演出で報知された停止タイミング以外の停止タイミングでストップスイッチを操作したときには、7図柄以外のスイカが停止したタイミングでナビストックの付与が報知される。
なお、通常リプレイにすることによって抽選条件9が成立したときには、図33(c)に示す7ナビ演出と同様に、中第1停止を促す停止順画像と、「7を狙え」の文字画像とが表示領域51aに表示される。しかし、7ナビ演出に従った停止順、かつ停止タイミングでストップスイッチを操作したとしても、7図柄揃いを導出することはない。よって、この場合、7図柄以外の図柄が導出されたタイミングで、表示領域51aに「ナビ獲得!!」の文字画像が表示されるとともに、表示灯51cに「AT」の文字画像が表示される。
以上のように、7リプレイ1または7リプレイ2に当選し、かつ7ナビ演出が実行された場合において、7ナビ演出で報知された停止順および停止タイミング以外の操作手順でストップスイッチが操作されたときには、7図柄以外の図柄が導出されたタイミングでナビストックの付与が報知されるため、全ての図柄が導出されるまでナビストックの付与が報知されない場合に比べて、ナビストックが付与されたことについて遊技者に認識させやすく、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、7図柄が導出できなかったタイミングでナビストックの付与が報知されるため、全ての図柄が導出された結果、7図柄揃い以外の図柄組合せが導出されたにも関わらずナビストックの付与が報知されてしまうといったことがなく、ナビストックの付与タイミングについて遊技者に困惑させてしまうことを防止することができる。
また、リールを第1停止したとき、およびリールを第2停止したときのいずれで7図柄以外の図柄が導出されたタイミングであっても、ナビストックの付与が報知されるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図33(f)に示すように7ナビ演出に従って7図柄揃いが導出されたときと、図33(g)および図33(h)に示すように7ナビ演出に従わずに7図柄以外の図柄が導出されたときとでは、同じように、表示領域51aに「ナビ獲得!!」の文字画像が表示されるとともに、表示灯51cに「AT」の文字画像が表示される。このため、ナビストックが付与されたことについて遊技者に認識させやすい。
また、7図柄揃いが導出される確率が低い演出種別αの7ナビ演出が実行されたときには、遊技者は敢えて7ナビ演出に従わない場合があるが、このような場合でも、7図柄以外の図柄が導出されたタイミングでナビストックが付与されることが報知されるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、ナビストックの付与が報知されたタイミングと同時に、表示灯51cに「AT」の文字画像が表示されて、ATへの制御が特定可能となるため、ATへの制御を遊技者に認識させやすくすることができる。
なお、図33においては、第1停止で停止順を誤った場合と、第2停止で停止タイミングを誤った場合とにおいてナビストックの付与を報知することを例示したが、これ以外にも、第1停止で停止タイミングを誤った場合と、第2停止で停止順を誤った場合とにおいても、ナビストックの付与を報知することもある。
[AT管理処理]
メイン制御部41は、AT抽選において1以上のナビストックが決定されたときに、ナビストック数をRAM41cの所定領域に格納する。メイン制御部41は、RAM41cのナビストックの有無に基づき、ARTに制御するか否かを特定する。そして、1以上のナビストックが残っている場合には、まずATに制御する。ATの制御を開始した後、RT2へ移行するまでの状態を準備状態とも呼ぶ。
メイン制御部41は、準備状態において、対象役の当選時にナビ報知を実行し、サブ制御部91に対して停止順コマンドを送信することでナビ演出を実行させる。この際、RT1においては、リプレイGR1〜4の当選時にナビ演出の対象となり、リプレイGR1〜4の当選時に昇格リプレイを入賞させる停止順がナビ報知およびナビ演出により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことによりRT1からRT0に移行させることが可能となる。また、準備状態に移行後は、RT0〜2のどの遊技状態であっても押し順ベルの当選時には中段ベルを入賞させる停止順がナビ報知およびナビ演出により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することも可能となる。
RT1において昇格リプレイが入賞し、RT0に移行した後は、リプレイGR11〜13の当選時にナビ演出の対象となり、リプレイGR11〜13の当選時に特殊リプレイを入賞させる停止順がナビ報知およびナビ演出により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことによりRT0からRT2に移行させることが可能となる。また、前述のように押し順ベルの当選時には中段ベルを入賞させる停止順がナビ報知およびナビ演出により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となるとともに、副役の入賞を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。
RT0において特殊リプレイが入賞し、RT2に移行した場合には、ARTに制御される。ARTに制御されたときには、対応するゲーム数(50ゲーム)を、RAM41cに割り当てられたARTの残りゲーム数として設定し、ARTの残りゲーム数の計数を開始する。この際、ART中に特別役の当選により中断し、ボーナス終了に伴う再開の場合を除いてナビストックを1消費(減算)する。
ART開始後は、押し順ベルの当選時に中段ベルを入賞させる停止順がナビ報知およびナビ演出により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することも可能となるとともに、副役の入賞を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。
また、ARTの開始後、1ゲーム消化する毎に残りゲーム数が1減算されるとともに、残りゲーム数が0となる前に特別役が当選した場合には、特別役の当選が確定した旨を示すボーナス確定報知を行う。特別役の当選と同時にRT2は終了し、ARTが中断し、これに伴いARTのゲーム数の計数も中断することとなる。その後、当選した特別役の入賞を経て対応するボーナスに制御され、当該ボーナス終了後に移行するRT3において副役が入賞してRT1に移行した時点でART確定報知を行い、ATの制御を再開し、これに伴い準備状態を経てRT2に再度移行することでART開始演出を行ってARTを再開し、ARTの残りゲーム数の計数も再開する。この場合は、前述のようにナビストックは消費(減算)されないようになっている。
また、ARTの開始後、残りゲーム数が0となった場合には、残っているナビストック数が0でなければ、対応するゲーム数(50ゲーム)を、RAM41cに割り当てられたARTの残りゲーム数として設定し、ARTの残りゲーム数の計数を開始し、ナビストックを1消費(減算)する。これにより、ARTを継続する。
また、ARTの開始後、残りゲーム数が0となり、残っているナビストック数が0であればART終了演出を実行し、ATの制御を終了する。これに伴いナビ報知およびナビ演出が実行されなくなるので、押し順ベルの当選時に副役の入賞を回避することが不可能となり、副役が入賞することでRT1に移行することで一連のATおよびARTの制御が終了することとなる。
本実施の形態においてメイン制御部41は、RT1において中リールまたは右リールを第1停止とする停止順にてRT0へ移行することとなる昇格リプレイが入賞することとなるリプレイGR1〜4のみが抽選対象となる。すなわち中リールまたは右リールを第1停止とする停止順で停止操作がされたときのみ、昇格リプレイを入賞させることが可能となる。
また、本実施の形態では、7リプレイ1または7リプレイ2の当選時に、中リールまたは右リールを第1停止とする停止順で停止操作がされたときに赤7リプレイまたは青7リプレイが入賞することとなる。
本実施の形態では、前述のようにメイン制御部41が、遊技補助表示器12の点灯態様によりストップスイッチ8L,8C,8Rの停止順を識別可能に報知するナビ報知を実行する。
[ナビ報知]
図34に示すように、遊技補助表示器12は、第1〜第8セグメントをそれぞれ点灯/消灯可能な2つの表示器12L,12Rからなり、それぞれのセグメントを白、桃、黄、橙、赤、緑、青の7色に点灯させることが可能な表示器である。
ナビ報知における遊技補助表示器の点灯態様は、図35に示すように、報知される停止順(中左右、中右左、右左中、右中左、左−−(左第1停止)、−中−(中第1停止)、−−右(右第1停止))毎に点灯するセグメントの組合せが異なることで、点灯中のセグメントの組合せから停止順が識別できるようになっている。たとえば、表示器12Lの第4セグメント、第5セグメントが点灯し、表示器12Rの第1セグメント、第2セグメントが点灯し、他のセグメントが消灯している状態であれば中左右の停止順を識別可能となる。ただし、停止順に対応して点灯するセグメントの組合せは、停止順を直接的に想起するようなものではなく、点灯するセグメントの組合せから即座に停止順を識別することが困難なものであり、対応表などがなければ容易に識別できないものである。
また、押し順ベルの当選時に実行するナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが黄色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、中段ベルが入賞することが識別できるようになっている。
また、7リプレイの当選時に実行するナビ報知のうち中段リプレイまたは右上がりリプレイ(図中リプレイ)を入賞させるナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが青色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、中段リプレイまたは右上がりリプレイが入賞することが識別できるようになっている。
また、7リプレイの当選時に実行するナビ報知のうち赤7リプレイまたは青7リプレイを入賞させるナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが桃色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、赤7リプレイまたは青7リプレイが入賞することが識別できるようになっている。
また、リプレイGR1〜4の当選時に実行するナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが赤色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、昇格リプレイが入賞することが識別できるようになっている。
また、リプレイGR11〜13の当選時に実行するナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが緑色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、特殊リプレイが入賞することが識別できるようになっている。
また、本実施の形態では、表示器12Rの第8セグメントを赤色に点灯させることで、ART(AT含む)中であることが識別できるようになっている。
次に、ナビ報知およびナビ演出の実行態様について説明する。
図36(a)に示すように、遊技補助表示器12は、小役の入賞によるメダルの払出がある場合の次ゲームの開始までの期間を除き、全てのセグメントが消灯状態とされており、液晶表示器51にも通常状態に対応する画像が表示されている。
この状態でAT当選すると、図36(b)に示すように、メイン制御部41は、前兆期間の経過後に、表示器12Rの第8セグメントを赤色点灯し、ART中である旨の報知を開始するとともに、サブ制御部91に対して液晶表示器51にてナビストックの獲得報知(たとえば、「ナビ獲得」の文字画像の表示)を行わせるとともに、ART確定報知(たとえば、「ART確定」の文字画像の表示)を行わせる。
また、ATまたはART中にナビ対象役が当選した場合には、図36(c)、図36(d)に示すように、メイン制御部41は、ナビ報知として遊技補助表示器12の対応するセグメントを点灯させて停止順を報知し、停止順コマンドを送信することで、サブ制御部91にナビ演出を実行させる。
この際、当選役が異なり、報知された停止順に従った停止操作を行うことで入賞する役が異なるが、対象となる役を入賞させる停止順が同一となる場合、たとえば、押し順ベル当選時に中段ベルを入賞させる停止順と、リプレイGR1〜4の当選時に昇格ベルを入賞させる停止順とが同一となる場合には、遊技補助表示器12のナビ報知にて停止順を識別可能に点灯するセグメントの組合せは同じであるが、点灯色が異なることで、入賞する役も識別できるようになっている。たとえば、図36(c)に示すように、押し順ベルの当選時であれば、点灯するセグメントが黄色点灯となることで、報知された停止順に従った停止操作を行うことで中段ベルが入賞することが識別可能となり、図36(d)に示すように、リプレイGR1〜4の当選時であれば、点灯するセグメントが橙色点灯となることで、報知された停止順に従った停止操作を行うことで昇格リプレイが入賞することが識別可能となる。
また、ナビ演出においても、停止順を報知する画像の態様は同じであるが、入賞する役の画像が表示されることで、入賞する役も識別できるようになっている。たとえば、図36(c)に示すように、押し順ベルの当選時であれば、停止順を報知する画像に加え、「ベル」が表示されることで、報知された停止順に従った停止操作を行うことで中段ベルが入賞することが識別可能となり、図36(d)に示すように、リプレイGR1〜4の当選時であれば、停止順を報知する画像に加え「ベル−リプレイ−リプレイ」が表示されることで、報知された停止順に従った停止操作を行うことで昇格リプレイが入賞することが識別可能となる。
また、ARTの残りゲーム数が0となり、ナビストックも0となってARTが終了する場合には、図36(e)に示すように、メイン制御部41は、表示器12Rの第8セグメントを消灯し、ART中である旨の報知を終了する。
また、ATまたはART中にナビ対象役が当選した場合に、図37に示すように、メイン制御部41は、ナビ報知に従った停止順で停止操作されたか否かに関わらず、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ報知を継続する。この際、小役が入賞した場合には、図37(d)に示すように、ゲーム終了時から次ゲーム開始までの期間にわたりメダルの払出枚数を遊技補助表示器12に表示する。この際、ナビ報知では用いられていない赤色にてメダルの払出枚数が表示されることで、ナビ報知であるか、払出枚数であるか、を明確に区別できるようになっている。
一方、図37(a)〜(d)に示すように、サブ制御部91は、ナビ報知に従った停止順で停止操作がされている限り、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ演出を継続するが、ナビ報知に従った停止順と一致しない停止順で停止操作がされた場合には、図37(e)に示すように、報知された停止順と一致しない停止操作がされた時点からナビ演出を終了するようになっている。
また、本実施の形態では、7リプレイ当選時、リプレイGR11〜13の当選時において、第1停止リールのみ停止順が一致すれば、第2停止リール以降の停止順に関わらず、対象となる役が入賞することとなる。すなわち第2停止リール以降は、任意の停止順にて停止操作を行えば、対象となる役を入賞させることが可能となる。このため、メイン制御部41が行うナビ報知では、7リプレイ当選時、リプレイGR11〜13の当選時において、左中右および左右中の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、中左右および中右左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、右左中および右中左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様として、それぞれ共通の点灯態様を適用している。
一方で、サブ制御部91は、7リプレイ当選時、リプレイGR11〜13の当選時において、第1停止リールの停止順だけでなく、第2停止リール以降の停止順を抽選などにより振り分け、振り分けた結果に基づいて、第1停止リールの停止順だけでなく、第2停止リール以降の停止順についてもナビ演出により報知するようになっている。
たとえば、リプレイGR12の当選時には、左リールを第1停止とする停止順で停止操作がされることで、図38(a),(b)に示すように、中左右および中右左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様でナビ報知が行われるのに対して、ナビ演出では、図38(a)に示す中左右の停止順を報知する報知態様と、図38(b)に示す中右左の停止順を報知する報知態様と、のいずれか一方の報知態様にて停止順が報知されるようになっている。
本実施の形態においてサブ制御部91は、入賞ラインLNにいずれかの役が揃って入賞した場合に、その旨を報知する入賞報知演出を実行可能である。
入賞報知演出では、入賞した役に応じて入賞ラインLN上に揃っている図柄(たとえば、入賞ラインLNに同一の図柄が揃う中段ベルなどが入賞した場合)の領域に対応するリールLED55、または無効ラインLM1〜LM4に揃っている指標図柄(たとえば、入賞ラインLNに揃った図柄が同一の図柄とはならないが、無効ラインに揃った指標図柄が同一の図柄となる右下がりベルなどが入賞した場合)の領域に対応するリールLED55の点灯態様を変化させるとともに、液晶表示器51に入賞した旨の画像を表示することにより役が入賞した旨が報知される。
なお、本実施の形態では、入賞報知演出として、リールLED55の点灯態様を変化させること、液晶表示器51の表示態様を変化させることにより役が入賞した旨を報知する演出を適用しているが、音声の出力、演出効果LED52などの他の演出装置により役が入賞した旨を報知する演出を適用してもよい。
サブ制御部91は、役が入賞した際に、常に入賞報知演出を実行するのではなく、通常状態であり、かつナビ報知が実行されない場合において推奨停止順で停止操作がされ、いずれかの役が入賞した場合、ナビ報知が実行され、報知された停止順に従って停止操作がされ、いずれかの役が入賞した場合に入賞報知演出を実行するのに対して、通常状態であり、かつナビ報知が実行されない場合において推奨停止順以外の停止順で停止操作がされ、いずれかの役が入賞した場合、ナビ報知が実行され、報知された停止順以外の停止順に従って停止操作がされ、いずれかの役が入賞した場合には、入賞報知演出を実行しない。
たとえば、図39(a),(b)に示すように、押し順ベルの当選時にナビ報知が実行され、報知された停止順で停止操作がされて中段ベルが入賞した場合には、入賞報知演出が実行されるのに対して、図39(c),(d)に示すように、押し順ベルの当選時にナビ報知が実行されたにも関わらず、報知された停止順以外の停止順で停止操作がされて副役Aが入賞した場合には、入賞報知演出が実行されることがない。
以上、説明したように、本実施の形態では、遊技の制御を行うメイン制御部41と演出の制御を行うサブ制御部91とを備える構成において、メイン制御部41が遊技補助表示器12により遊技者にとって有利となるリールの停止順を識別可能に報知させる制御、すなわちナビ報知を行う制御を行うため、サブ制御部91側に異常が生じても遊技者の有利度に影響を与えてしまうことを防止できる。
また、遊技補助表示器12によるナビ報知において、たとえば、中段ベルが入賞する押し順ベルの当選時と、昇格リプレイが入賞するリプレイGR1〜4の当選時とで同じ停止順を識別可能に報知する場合でも、異なる点灯色にて報知されるので、ナビ報知により識別される停止順が同じであっても、その際の点灯色により報知された停止順に従って停止操作を行うことにより入賞する役を認識させることができる。
また、本実施の形態では、ナビ報知において報知された停止順を即座に識別することが困難な報知態様で停止順が報知されるようになっており、サブ制御部91による液晶表示器51などを用いたナビ演出によって報知される停止順に着目させることができる。また、ナビ演出が機能しない場合でも、対応表などを用いることにより停止順を識別させることができる。即座に識別することが困難な報知態様とは、たとえば、停止順などの操作手順に対応して定められた識別記号、識別番号などを報知するものが該当する。
なお、本実施の形態では、ナビ報知において報知された停止順を即座に識別することが困難な報知態様で停止順が報知される構成であるが、後述の変形例にて説明するように、ナビ報知において報知された停止順を即座に識別することが可能な報知態様で操作手順が報知される構成としてもよい。
また、本実施の形態では、サブ制御部91が、メイン制御部41によりナビ報知が実行される場合に、液晶表示器51によりナビ報知よりも目立つ報知態様にてナビ報知にて報知される停止順を識別可能に報知させる制御を行うようになっており、液晶表示器51などの演出装置を用いることにより好適な態様にて遊技者にとって有利なリールの停止順を報知することができる。なお、ナビ報知よりも目立つ報知態様とは、ナビ報知が行われる遊技補助表示器12よりも大きい画面にてナビ演出が行われる報知態様、複数の演出装置にてナビ演出が行われる報知態様、即座に操作手順を把握できる報知態様などであればよい。
また、本実施の形態では、メイン制御部41は、ナビ報知に従った停止順で停止操作されたか否かに関わらず、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ報知を継続する一方、サブ制御部91は、ナビ報知に従った停止順で停止操作がされている限り、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ演出を継続するが、ナビ報知に従った停止順と一致しない停止順で停止操作がされた場合には、報知された停止順と一致しない停止操作がされた時点からナビ演出を終了するようになっており、報知された停止順とは異なる操作手順で停止操作されたときに、ナビ報知による報知は継続することで、その後も報知内容を確認できる一方で、ナビ報知よりも目立つ態様で報知される液晶表示器51による報知は終了するので、操作ミスをした場合に遊技者に対して煩わしい思いをさせてしまうことを防止できる。
なお、本実施の形態では、メイン制御部41は、ナビ報知に従った停止順で停止操作されたか否かに関わらず、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ報知を継続する一方、サブ制御部91は、ナビ報知に従った停止順で停止操作がされている限り、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ演出を継続するが、ナビ報知に従った停止順と一致しない停止順で停止操作がされた場合には、報知された停止順と一致しない停止操作がされた時点からナビ演出を終了する構成であるが、メイン制御部41は、ナビ報知に従った停止順で停止操作されたか否かに関わらず、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ報知を継続し、サブ制御部91も、ナビ報知に従った停止順で停止操作された否かに関わらず、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ演出を継続する構成としてもよいし、メイン制御部41も、ナビ報知に従った停止順で停止操作がされている限り、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ報知を継続するが、ナビ報知に従った停止順と一致しない停止順で停止操作がされた場合には、報知された停止順と一致しない停止操作がされた時点からナビ報知を終了し、サブ制御部91も、ナビ報知に従った停止順で停止操作がされている限り、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ演出を継続するが、ナビ報知に従った停止順と一致しない停止順で停止操作がされた場合には、報知された停止順と一致しない停止操作がされた時点からナビ演出を終了する構成としてもよいし、メイン制御部41は、ナビ報知に従った停止順で停止操作がされている限り、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ報知を継続するが、ナビ報知に従った停止順と一致しない停止順で停止操作がされた場合には、報知された停止順と一致しない停止操作がされた時点からナビ報知を終了する一方、サブ制御部91は、ナビ報知に従った停止順で停止操作された否かに関わらず、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ演出を継続する構成としてもよい。
また、本実施の形態では、7リプレイ当選時、リプレイGR11〜13の当選時において、第1停止リールのみ停止順が一致すれば、第2停止リール以降の停止順に関わらず、対象となる役が入賞することとなる。すなわち第2停止リール以降は、任意の停止順にて停止操作を行えば、対象となる役を入賞させることが可能となるため、メイン制御部41が行うナビ報知では、7リプレイ当選時、リプレイGR11〜13の当選時において、左中右および左右中の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、中左右および中右左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、右左中および右中左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様として、それぞれ共通の点灯態様を適用している。一方で、サブ制御部91は、7リプレイ当選時、リプレイGR11〜13の当選時において、第1停止リールの停止順だけでなく、第2停止リール以降の停止順を抽選などにより振り分け、振り分けた結果に基づいて、第1停止リールの停止順だけでなく、第2停止リール以降の停止順についてもナビ演出により報知するようになっており、メイン制御部41の負荷を増やすことなく、液晶表示器51などの演出装置により多彩な報知態様にて停止順の報知を行うことができる。
なお、本実施の形態では、メイン制御部41が行うナビ報知では、7リプレイ当選時、リプレイGR11〜13の当選時において、左中右および左右中の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、中左右および中右左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、右左中および右中左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様として、それぞれ共通の点灯態様を適用しているが、7リプレイ当選時、リプレイGR11〜13の当選時において左中右の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、左右中の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、中左右の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、中右左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、右左中の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、右中左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様をそれぞれ振り分けてナビ報知を行う構成としてもよい。また、サブ制御部91が、7リプレイ当選時、リプレイGR11〜13の当選時において、第1停止リールの停止順のみナビ演出により報知する構成としてもよい。
また、本実施の形態では、サブ制御部91は、役が入賞した際に、常に入賞報知演出を実行するのではなく、ナビ報知が実行され、報知された停止順に従って停止操作がされ、いずれかの役が入賞した場合に入賞報知演出を実行するのに対して、ナビ報知が実行され、報知された停止順以外の停止順に従って停止操作がされ、いずれかの役が入賞した場合には、入賞報知演出を実行しないようになっており、ナビ報知により停止順が報知され、報知された停止順以外の停止順で停止操作されていずれかの役が入賞した場合には入賞報知演出が実行されないことから、報知された停止順を無視しても役が入賞することを遊技者に印象付けてしまうことを防止できる。
また、図39(c),(d)で示す例では、ナビ報知が実行されたにも関わらず、報知された停止順以外の停止順で停止操作がされて入賞する役が、一直線上に同一または類似の図柄が揃わない構成であるが、ナビ報知が実行されたにも関わらず、報知された停止順以外の停止順で停止操作がされて入賞する役が、一直線上に同一または類似の図柄が揃う構成、すなわち一見して入賞を把握することができる役である場合に、入賞報知演出を実行しないことにより、より効果的に報知された停止順を無視しても役が入賞することを遊技者に印象付けてしまうことを防止できる。
また、ナビ報知が実行されない場合に、入賞した場合には入賞報知演出が実行される役が、ナビ報知が実行されたにも関わらず、報知された停止順以外の停止順で停止操作がされて入賞した場合に、入賞報知演出が実行されないようにしてもよく、このような構成とした場合でも、より効果的に報知された停止順を無視しても役が入賞することを遊技者に印象付けてしまうことを防止できる。
また、本実施の形態では、ナビ報知を、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードが表示される遊技補助表示器12を用いて行っている。すなわちナビ報知に係る情報以外も表示可能な遊技補助表示器12を用いてナビ報知を行っているので、ナビ報知を行う報知手段を、ナビ報知だけでなく他の情報を報知する報知手段と共用することができる。
また、ナビ報知を、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードが表示される遊技補助表示器12と共用する場合には、ナビ報知において表示される報知態様と、払出枚数の報知態様またはエラーコードの報知態様と、が異なる報知態様(たとえば、表示色が異なる報知態様、表示内容が重複しない報知態様など)となることが好ましく、このようにすることで、遊技補助表示器12に表示されている報知内容を誤認してしまうことを防止できる。
また、たとえば、ゲームの進行中にエラーが検知された場合に、遊技補助表示器12にエラーが検知された時点でエラーコードを表示するものの、ゲーム終了時までエラー状態には制御しない構成においては、ナビ報知の実行中にエラーが検知された場合に、エラーコードを表示せず、ナビ報知をゲーム終了時まで継続する構成とすることが好ましく、このような構成とすることで、ナビ報知中のエラーにより報知された内容を確認できず、遊技者に不利益となってしまうことを防止できる。さらにこの場合には、ナビ報知で用いていないセグメント(たとえば、表示器12Lの第8セグメント)を用いてエラーが検知されたことを報知することが好ましく、このようにすることで、ナビ報知を継続しつつ、エラーが検知されたことを認識させることができる。
なお、本実施の形態では、ナビ報知を、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードが表示される遊技補助表示器12を用いて行う構成であるが、後述する変形例で説明するように、専用の表示器にてナビ報知を行う構成としてもよい。
本実施の形態では、ナビ報知により報知される操作手順として、リールの停止順、すなわち複数のリールに対応するストップスイッチ8L,8C,8Rによる複数の操作順のうちいずれかの操作順で操作する操作手順を適用しているが、複数の異なる操作タイミングのうちいずれかの操作タイミングで操作する操作手順、停止順と操作タイミングの組合せによる操作手順を適用してもよい。
また、本実施の形態では、ナビ報知により報知される特定の操作手順として複数の操作手順からランダムに決定された操作手順が報知される構成であるが、ナビ報知により報知される特定の操作手順は一律に固定された操作手順でもよい。
また、本実施の形態では、当選役が異なり、報知された停止順に従った停止操作を行うことで入賞する役が異なるが、対象となる役を入賞させる停止順が同一となる場合に、遊技補助表示器12のナビ報知にて停止順を識別可能に点灯するセグメントの組合せは同じであるが、点灯色が異なることで、入賞する役も識別できる構成であるが、一方が点灯で他方が点滅による報知、点滅の切替速度が異なる報知とすることで、入賞する役も識別できる構成としてもよい。また、後述する変形例で説明するように、表示内容が異なる報知とすることで、入賞する役も識別できる構成としてもよい。特に、一方が点灯で他方が点滅による報知、点滅の切替速度が異なる報知、表示内容が異なる報知を適用する場合には、当選役が異なり、報知された停止順に従った停止操作を行うことで入賞する役が異なるが、対象となる役を入賞させる停止順が同一となる場合に、単色表示の表示器を用いてナビ報知を行っても、入賞する役を識別することができる。
また、本実施の形態では、当選役が異なり、報知された停止順に従った停止操作を行うことで導出されることとなる異なる役として、中段ベルと昇格リプレイ(押し順ベルとリプレイGR1〜4)、すなわち一方はメダルの払出を伴う小役、他方は再遊技の付与を伴う再遊技役であり、かつ遊技状態の移行を伴う役、中段リプレイ若しくは右上がりリプレイ、青7リプレイまたは赤7リプレイと特殊リプレイ(7リプレイとリプレイGR11〜13)、すなわち一方は、いずれも再遊技の付与を伴う再遊技役であるが、一方は遊技状態の移行を伴わない役、他方は遊技状態の移行を伴う役を適用しているが、特定の操作手順で操作された場合に、前者が一のラインに第1の図柄組合せが導出されるのに対して後者が一のラインに第1の図柄組合せとは異なる第2の図柄組合せが導出されるもの(たとえば、「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃うことで入賞する中段ベルと「ベル−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃うことで入賞する昇格リプレイなど)、特定の操作手順で操作された場合に、前者が第1のラインに特定の図柄組合せが導出されるのに対して後者が第1のラインとは異なる第2のラインに特定の図柄組合せが導出されるもの(たとえば、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが入賞ラインLNに揃う中段リプレイと「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが無効ラインLM4に揃う右上がりリプレイ)、特定の操作手順で操作された場合に、前者が第1数のメダルの付与を伴う第1の小役が導出されるのに対して後者が第2数のメダルの付与を伴う第2の小役が導出されるもの(たとえば、8枚のメダルの払出を伴う中段ベルと1枚のメダルの払出を伴う副役B)、特定の操作手順で操作された場合に、前者がメダルの付与を伴う小役が導出されるのに対して後者が再遊技の付与を伴う再遊技役または遊技状態の移行を伴う特別役が導出されるもの(たとえば、メダルの付与を伴う中段ベルと再遊技の付与を伴う中段リプレイまたは遊技状態の移行を伴うBB)、特定の操作手順で操作された場合に、前者が再遊技の付与を伴う再遊技役が導出されるのに対して後者が遊技状態の移行を伴う特別役が導出されるもの、特定の操作手順で操作された場合に、前者が第1の遊技状態への移行を伴う第1の特別役が導出されるのに対して後者が第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態への移行を伴う第2の特別役が導出されるもの(たとえば、BBへの移行を伴うBBとRBへの移行を伴うRB)、これらの組合せなどが該当する。また、遊技状態の移行を伴う役は、特別役に限られず、小役、再遊技役、ハズレのうちの特定役を適用してもよい。
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[AT抽選について]
本実施の形態においては、AT抽選が実行されるための抽選条件として、図28に示す抽選条件1〜9が設けられていたが、これ以外の抽選条件が設けられていてもよい。たとえば、抽選条件4および5のように、所謂、天井に達することで成立する抽選条件としては、前回BB終了から所定ゲーム数(たとえば、1000ゲーム)消化したときに成立する抽選条件であってもよいし、スイカやチェリーなどの所謂レア役の当選回数が所定回数(たとえば、50回)になったときに成立する抽選条件であってもよい。
また、天井に達することで成立する抽選条件が成立したときには、AT抽選におけるナビストック付与の当選確率が通常のAT抽選よりも高まったり、付与されるナビストック数が通常のAT抽選よりも多くなったりするCZ(チャンスゾーン)に制御する権利のみが付与される可能性があるのに対して、その他のたとえばレア役が当選したときに抽選条件が成立したときには、CZに制御する権利に加えてナビストックも付与される可能性があるようにしてもよい。このようにしても、遊技者が遊技の進行を必要以上に継続してしまうことを防止することができ、のめり込みを防止することができる。
また、本実施の形態においては、非AT中と、AT中とで、同じ図28に示す抽選条件および当選確率に基づきAT抽選が行われるものであったが、これに限らず、非AT中と、AT中とで、AT抽選における抽選条件や当選確率を異ならせてもよい。
[図29に示す期待演出について]
本実施の形態においては、図29に示す期待演出(前兆演出、報知演出)は、非AT中においてAT抽選が実行されたことに基づき行われ、非AT中の初当り時におけるナビストックの付与を遊技者に期待させる演出であったが、これに限らない。たとえば、図29に示す期待演出は、AT中においてAT抽選が実行されたことに基づき行われ、AT中の上乗せ当選時におけるナビストックの付与を遊技者に期待させる演出であってもよい。
また、ナビストックに限らず、期待演出は、CZに制御する権利を付与するか否かを決定するCZ抽選が実行されたことに基づき行われ、CZに制御する権利の付与を遊技者に期待させる演出であってもよい。つまり、前兆演出は、CZが付与されるか否かを遊技者に示唆する演出であってもよく、報知演出は、前兆演出の後にCZが付与されるか否かを遊技者に報知する演出であってもよい。また、期待演出は、その他の特典の付与を期待させる演出であってもよい。
本実施の形態においては、図29(b)に示すように、報知ゲーム数抽選によって決定されたゲーム数に応じて、報知演出の演出内容が異なるものであったが、これに限らない。たとえば、報知ゲーム数抽選によって決定されたゲーム数に応じて、前兆演出の演出内容が異なるものであってもよいし、前兆演出および報知演出のいずれの演出内容も異なるものであってもよい。
また、図29に示す報知ゲーム数抽選および期待演出抽選においては、付与されたナビストック数に応じて、本報知までのゲーム数および演出種別を決定してもよい。
本実施の形態においては、1セット目の報知演出に要するゲーム数よりも、2セット目や3セット目の報知演出に要するゲーム数の方が必ず多くなるものであったが、これに限らず、1セット目の報知演出に要するゲーム数と、2セット目や3セット目の報知演出に要するゲーム数とが同じになる場合があってもよいし、1セット目の報知演出に要するゲーム数よりも、2セット目や3セット目の報知演出に要するゲーム数の方が少なくなる場合があってもよい。しかし、このような場合においては、複数回のAT抽選の実行において、前兆演出および報知演出が繰り返し実行される場合において、1セット目の報知演出に要するゲーム数の平均値よりも、2セット目や3セット目の報知演出に要するゲーム数の平均値の方が多いものが好ましい。たとえば、報知ゲーム数抽選で22ゲームに決定された場合には、期待演出の演出種別として、第1報知演出に要するゲーム数よりも多いゲーム数を要する第2報知演出aに決定される場合と、第1報知演出に要するゲーム数よりも少ないゲーム数を要する第2報知演出bに決定される場合とがあり、第2報知演出bに決定される確率よりも第2報知演出aに決定される確率の方が高いものであってもよい。
これにより、前兆演出および報知演出が繰り返し実行されるときには、1セット目の報知演出よりも2セット目や3セット目の報知演出の方が、ナビストックが付与されることに対してより長く遊技者を期待させる可能性が高くなる。つまり、前兆演出および報知演出が繰り返し実行されるときには、先の報知演出よりも後の報知演出の方が、ナビストックが付与されることに対してより長く遊技者を期待させる可能性が高くなる。このため、ナビストックの付与を示唆する前兆演出とナビストックが付与されるか否かを報知する報知演出とを繰り返し実行する際に、十分に遊技者の期待感を向上させることができる。
本実施の形態においては、AT抽選後、まず、報知ゲーム数抽選によってナビストックが付与されるか否かを遊技者に本報知するまでのゲーム数を決定し、次に、期待演出抽選によって、決定されたゲーム数に応じて予めシナリオとして準備された演出種別の中から一の演出種別を決定することで、前兆演出および報知演出を繰り返し実行するか否かと、前兆演出に要するゲーム数と、報知演出に要するゲーム数とを決定するものであった。しかし、このように、本報知するまでのゲーム数を先決めして、先決めされたゲーム数に応じて予めシナリオを準備するものに限らない。たとえば、AT抽選後、AT当選したか否かに応じて、前兆演出および報知演出を繰り返し実行するか否かを決定し、その後、複数種類のゲーム数の中から、各前兆演出に要するゲーム数と、各報知演出に要するゲーム数とを決定するものであってもよい。前兆演出および報知演出を繰り返し実行するか否かの決定は、AT当選しているときは、AT当選していないときよりも前兆演出および報知演出を繰り返し実行するように決定すればよい。また、1セット目の報知演出に要するゲーム数よりも、その後の2セット目や3セット目の報知演出に要するゲーム数の方が、必ず多く、あるいは平均して多くなるように、各前兆演出に要するゲーム数と、各報知演出に要するゲーム数とを決定すればよい。
本実施の形態においては、1セット目の報知演出に要するゲーム数は、1ゲームであったが、複数ゲームであってもよい。複数ゲームである場合でも、その後に繰り返される報知演出に要するゲーム数は、1セット目の報知演出に要するゲーム数よりも必ず多い、あるいは平均して多くなるものであればよい。
本実施の形態においては、サブ制御部91が、図29に示す報知ゲーム数抽選および期待演出抽選を実行するものであったが、メイン制御部41が実行し、その結果を示すコマンドをサブ制御部91に送信するものであってもよい。
[図30に示す期待演出について]
本実施の形態においては、図30に示す期待演出(前兆演出、報知演出)は、ナビストックの付与を遊技者に期待させる演出であった。しかし、これに限らず、期待演出は、CZに制御する権利を付与するか否かを決定するCZ抽選が実行されたことに基づき行われ、CZに制御する権利の付与を遊技者に期待させる演出であってもよい。つまり、前兆演出は、CZが付与されるか否かを遊技者に示唆する演出であってもよく、報知演出は、前兆演出の後にCZが付与されるか否かを遊技者に報知する演出であってもよい。また、期待演出は、その他の特典の付与を期待させる演出であってもよい。
本実施の形態においては、図30(a)に示すように、ナビストックが付与されたか否かに応じて、演出種別を決定するものであったが、これに限らず、付与されたナビストック数に応じて、演出種別を決定してもよい。
本実施の形態においては、図31に示すように、強ナビは、停止順画像において、弱ナビにはない装飾が施されることによって、弱ナビよりも派手な演出であったが、その他の手法によって強ナビを弱ナビよりも派手な演出にしてもよい。たとえば、弱ナビの場合は、停止順を示す音声がスピーカ53,54から出力されないのに対して、強ナビの場合は、停止順を示す音声がスピーカ53,54から出力されるものであってもよい。
本実施の形態においては、図30(b)に示すナビ演出態様抽選テーブルを用いて、前兆期間中では必ず強ナビを実行するように決定し、非前兆期間における前兆期間の次のゲームでは必ず弱ナビを実行するように決定するものであった。しかし、このようにテーブルによって、ナビ演出の態様を決定するものに限らず、ナビ演出を決定するための制御を異ならせてもよい。たとえば、前兆期間であるか否かに関わらず、同じように弱ナビおよび強ナビのいずれを実行するかをランダムに決定するものにおいて、前兆期間中では弱ナビに決定されていても強ナビに変更する制御を行い、非前兆期間における前兆期間の次のゲームでは強ナビに決定されていても弱ナビに変更する制御を行ってもよい。
本実施の形態においては、非前兆期間における前兆期間の次のゲームで必ず弱ナビを実行するものであったが、これに限らず、前兆期間が終了した以降のゲームにおいて、最初にナビ演出が実行されるゲームで必ず弱ナビを実行するものであってもよい。
本実施の形態においては、表示領域51aにおいて行われるナビ演出が弱ナビと強ナビとで区別されていたが、これに限らず、遊技補助表示器12において行われるナビ報知においても、弱ナビと強ナビとで区別されていてもよい。たとえば、ナビ報知においては、遊技補助表示器12が点灯表示すれば弱ナビとなり、遊技補助表示器12が点滅表示すれば強ナビとなってもよい。ナビ報知においても、前兆期間中では必ず強ナビを実行し、非前兆期間における前兆期間の次のゲームあるいは最初にナビ演出が実行されるゲームでは必ず弱ナビを実行するものであってもよい。
本実施の形態においては、ナビ演出の態様として、弱ナビと強ナビの2種類であったが、これに限らない。たとえば、ナビ演出は、最もナビストックの付与が期待できる強ナビと、強ナビよりもナビストックの付与が期待できないが、少しはナビストックの付与が期待できる弱ナビと、全くナビストックの付与が期待できない通常ナビとで、区別されていてもよい。このような場合、前兆期間中においては強ナビまたは弱ナビが実行されるのに対して、前兆期間の次のゲームあるいは最初にナビ演出が実行されるゲームにおいては通常ナビが実行されるものであってもよい。このように、前兆期間中にナビストックの付与が期待できるナビ演出が実行され、その後、前兆期間が終了した後はナビストックの付与が期待できないナビ演出が実行されることで、必要以上に遊技者の期待を煽ってしまうことを防止することができるとともに、前兆期間が終了したことを示唆することができる。さらに、前兆期間中においては必ず強ナビが実行されるのに対して、前兆期間の次のゲームあるいは最初にナビ演出が実行されるゲームにおいては弱ナビが実行され、それ以外のゲームにおいては通常ナビが実行されるものであってもよい。このように、前兆期間中にナビストックの付与が最も期待できるナビ演出が実行され、その後、前兆期間が終了した後はナビストックの付与が少しだけ期待できるナビ演出が実行され、その後は通常ナビが実行されることで、必要以上に遊技者の期待を煽ってしまうことを防止することができるとともに、前兆期間が終了したことを示唆することができる。
本実施の形態においては、サブ制御部91が、図30に示す期待演出抽選およびナビ演出態様抽選を実行するものであったが、メイン制御部41が実行し、その結果を示すコマンドをサブ制御部91に送信するものであってもよい。
[7ナビ演出について]
本実施の形態においては、7ナビ演出は、ナビストックの付与を遊技者に期待させる演出であった。しかし、これに限らず、7ナビ演出は、CZに制御する権利を付与するか否かを決定するCZ抽選が実行されたことに基づき行われ、CZに制御する権利の付与を遊技者に期待させる演出であってもよい。また、7ナビ演出は、その他の特典の付与を期待させる演出であってもよい。
本実施の形態においては、図32に示すように、抽選条件8および抽選条件9のいずれかが成立したときには、演出種別αおよび演出種別βのいずれかの7ナビ演出が必ず実行されるものであったが、これに限らず、抽選結果に応じて7ナビ演出が実行されない場合があってもよい。たとえば、抽選条件8および抽選条件9のいずれが成立したかに応じて、7ナビ演出を実行するか否か、および実行する場合の演出種別を決定してもよい。また、AT当選したか否かに応じて、7ナビ演出を実行するか否か、および実行する場合の演出種別を決定してもよい。さらに、付与されたナビストック数に応じて、7ナビ演出を実行するか否か、および実行する場合の演出種別を決定してもよい。
本実施の形態においては、7ナビ演出が実行される契機となる当選種別である「7リプレイ」は、停止順および停止タイミングの両方が特定の操作手順であったときに、ライン上に7図柄揃いが導出されるものであった。このため、7ナビ演出は、7図柄揃いを導出させるための停止順および停止タイミングの両方を報知するものであった。しかし、これに限らず、「7リプレイ」は、停止順のみが特定の操作手順であったときに、ライン上に7図柄揃いが導出されるものであってもよい。この場合、7ナビ演出は、7図柄揃いを導出させるための停止順のみを報知するものであってもよい。また、「7リプレイ」は、停止タイミングのみが特定の操作手順であったときに、ライン上に7図柄揃いが導出されるものであってもよい。この場合、7ナビ演出は、7図柄揃いを導出させるための停止タイミングのみを報知するものであってもよい。
本実施の形態においては、図33において、第1停止で停止順を誤った場合と、第2停止で停止タイミングを誤った場合とにおいて、ナビストックの付与を報知することを例示したが、これ以外にも、第1停止で停止タイミングを誤った場合、第2停止で停止順を誤った場合においても、ナビストックの付与を報知することもある。
本実施の形態においては、7ナビ演出によって7図柄揃いを導出させることを促すものであったが、7図柄揃いに限らず、たとえば、ベル図柄揃いやBAR図柄揃いのように、7ナビ演出によってその他の特定図柄揃いを導出させることを促すものであってもよい。また、7リプレイのような再遊技役の当選を契機に7ナビ演出を実行するものに限らず、右下がりベルや右下がりスイカのような小役の当選を契機に7ナビ演出を実行するものであってもよいし、BBのような特別役の当選を契機に7ナビ演出を実行するものであってもよい。
本実施の形態においては、7図柄揃いが導出される可能性が低い演出種別αと、7図柄揃いが導出される可能性が低い演出種別βとで、表示領域51aに表示されるキャラクタ画像が異なるものであったが、これに限らない。たとえば、キャラクタ画像に限らず、その他の画像によって演出種別αと演出種別βとを区別してもよいし、スピーカ53,54から出力される音声によって演出種別αと演出種別βとを区別してもよい。また、7図柄揃いが導出される可能性が高い演出種別βは、7図柄揃いが導出される可能性が低い演出種別αよりも、派手な態様で7ナビ演出が実行されるものであってもよい。このようにすれば、遊技者は、派手な態様の7ナビ演出が実行されれば、7ナビ演出に従って7図柄揃いを導出させるように慎重にストップスイッチを操作し、派手ではない態様の7ナビ演出が実行されれば、7ナビ演出に従わずに適当にストップスイッチを操作するようになる。このような場合であっても、7図柄以外の図柄が導出されたタイミングでナビストックが付与されることが報知されることで、ナビストックが付与されたことについて遊技者に認識させやすくすることができる。
また、遊技者が7図柄以外の図柄を導出したタイミングにおいて、表示領域51aに「目押しミス」の文字画像などを表示して、7図柄揃いの導出を誤ったことを遊技者に報知するものであってもよい。そして、「目押しミス」の文字画像が表示されたタイミングでナビストックが付与されることを報知してもよい。
本実施の形態においては、7ナビ演出に従って7図柄揃いが導出されたときと、7ナビ演出に従わずに7図柄以外の図柄が導出されたときとで、同じ態様でナビストックが付与されたことを報知するものであったが、これに限らず、異なる態様でナビストックが付与されたことを報知するものであってもよい。たとえば、7図柄揃いが導出されたときには、表示領域51aに「7揃いでナビ獲得!!」の文字画像とともにキャラクタ画像が表示されるのに対して、7図柄以外の図柄が導出されたときには、表示領域51aに単に「ナビ獲得!!」の文字画像が表示されるものであってもよい。このようにすれば、ナビストックの付与の報知の報知態様の違いによって遊技者を楽しませることができる。
本実施の形態においては、7図柄以外の図柄が導出されたタイミングで表示灯51cに「AT」の文字画像が表示されることにより、ATへの制御を報知するものであったが、ATへの制御を報知するタイミングはこれに限らない。たとえば、表示領域51aに「ナビ獲得!!」の文字画像が表示されることでナビストックの付与が報知された以降であれば、全ての図柄が導出されたタイミングでATへの制御を報知してもよいし、次のゲームの開始時にATへの制御を報知してもよい。
本実施の形態においては、サブ制御部91が、図32に示す7ナビ演出抽選を実行するものであったが、メイン制御部41が実行し、その結果を示すコマンドをサブ制御部91に送信するものであってもよい。
また、本実施の形態においては、サブ制御部91が、表示灯51cに「AT」の文字画像を表示してATへの制御を報知するものであったが、たとえば、メイン制御部41によって、遊技補助表示器12などの手段を用いてATへの制御を報知するものであってもよい。
[透過度合いについて]
本実施の形態では、複数種類の図柄において、透過部502の有無により、透過度合いの差を設けるとして説明した。以下では、透過度合いが高い図柄を「透過度高図柄」とし、透過度合いが低い図柄を「透過度低図柄」とする。また、図柄領域513Xに描かれる図柄を「特定図柄」という。本実施の形態では、透過度高図柄は「7」図柄であるとし、透過度低図柄は「7」図柄以外の図柄であり、特定図柄は、透過度低図柄のうちから、所定の図柄(本実施の形態では図柄番号20の「ベル」図柄)であるとして説明した。しかし、複数種類の図柄において、透過度合いの差を設ける手法として以下の手法を用いるようにしてもよい。
第1の手法として、図柄全体での透過率により、透過度合いの差を設けるようにしてもよい。たとえば、透過度高図柄は図柄の全体的に透過率が高い図柄であり、透過度低図柄は図柄の全体的に透過率が低い図柄としてもよい。たとえば、透過度高図柄は、透過率が高くなるような所定のインクで印刷するようにしてもよく、また、図柄の裏に形成されるフレームの量(厚さ)を少なくしてもよい。また、透過度低図柄は、透過率が低くなるような所定のインクで印刷するようにしてもよく、また、図柄の裏に形成されるフレームの量(厚さ)を多くしてもよい。つまり、第1の手法を用いた場合には、全体的に透過率が低い図柄(透過度低図柄)が、他端部513に描かれ、全体的に透過率が高い図柄(透過度高図柄)が、図柄領域513X以外の全体図柄領域に描かれる。
また、透過率の高低は、所定の透過率よりも高いか否かにより決定してもよく、一の図柄の透過率と他の図柄の透過率とを比較して高いか否かを決定するようにしてもよい。また、透過率が高いか否かの判断は、LEDユニット55により図柄に対して光を照射して、検査員により目視で判断するようにしてもよく、当該照射された光を測定して測定結果から判断するようにしてもよい。
なお、透過度低図柄は、透過率が0%である図柄(つまり、LEDユニット55からの光が全く透過されない図柄)としてもよい。また、透過度高図柄は、透過率が100%である図柄(つまり、LEDユニット55からの光が全て透過される図柄)としてもよい。
第2の手法として、透過部の合計面積により、透過度合いの差を設けるようにしてもよい。たとえば、透過度高図柄は透過部の合計面積が大きい図柄であり、透過度低図柄は透過部の合計面積が小さい図柄である。つまり、第2の手法を用いた場合には、透過部の合計面積が小さい図柄(透過度低図柄)が、他端部513に描かれ、透過部の合計面積が大きい図柄(透過度高図柄)が、図柄領域513X以外の全体図柄領域に描かれる。
また、第3の手法として、透過部の数により、透過度合いの差を設けるようにしてもよい。たとえば、透過度高図柄は透過部の数が多い図柄であり、透過度低図柄は透過部の数が少ない図柄である。つまり、第3の手法を用いた場合には、透過部の数が少ない図柄(透過度低図柄)が、他端部513に描かれ、透過部の数が多い図柄(透過度高図柄)が、図柄領域513X以外の全体図柄領域に描かれる。
また、第1〜第3の手法、および、本実施の形態で説明した「透過部の有無」で判断した手法のうち、少なくとも2つを組み合わせた手法により、透過度低図柄および透過度高図柄を決定するようにしてもよい。この場合には、検査員などが目視などにより、光の透過具合を判断して、透過度低図柄および透過度高図柄を決定するようにしてもよい。
本実施の形態においては、特定図柄(他端部513に描かれる図柄)は、透過度合いが低い図柄(本実施の形態では、透過部502を有さない図柄)であるとして説明した。しかしながら、特定図柄は、透過度合いの大小に関わらず、縮み印刷がされていない図柄としてもよい。たとえば、複数種類の図柄が、透過部を有し、かつ縮み印刷がされている図柄と、透過部を有するが縮み印刷がされていない図柄とを含む場合には、特定図柄は、透過部を有するが縮み印刷がされていない図柄としてもよい。特定図柄が透過部を有するが縮み印刷がされていない図柄としても、LEDユニット55から光を照射させたときの効果を損なわないようにすることができる。
本実施の形態では、透過度高図柄は、「7」図柄であるとして説明した。しかし、透明度高図柄は、他の図柄(たとえば、「7」図柄)であってもよい。さらに、透明度高図柄は、導出されることで遊技者にとって有利な特典が付与される図柄であることが好ましい。ここで、該特典とは、ナビストック、所定役(小役など)の当選確率が向上するボーナス状態への移行など、遊技を行うために用いる遊技用価値(賭けられたメダル枚数、打ち込まれた遊技球)に対し、遊技者に付与される遊技用価値の占める付与割合(メダルあるいは遊技球の払出率)に直接影響を及ぼす価値の付与としてもよい。その他の特典としては、遊技の進行上において遊技者にとって有益となる価値であってもよい。たとえば、非AT中であるもののATゲーム数をすでに獲得しておりATに制御されることが確定しているいわゆるAT潜伏中であるか否かを特定するための情報を報知するもの、あるいは報知されたときに所定の信頼度で実際にAT潜伏中となるように実行される情報(すなわちAT潜伏を示唆する潜伏示唆情報)を報知するものであってもよい。
また、特典としては、特典演出の実行(特別キャラクタ出現など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることで遊技機が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能なQRコード(登録商標)を表示などであってもよい。
[重複部分422について]
本実施の形態においては、図27(A)に示したように、余り領域508Xの面積と、図柄領域513Xの面積とを同一として、余り部508と他端部513とを重複させるとして説明した。しかしながら、図27(A)に限られず、図27(B)または(C)に示すような重複のさせ方であってもよい。なお、太線は重複部分422を示す。
図27(B)は、余り領域508Xの面積を、図柄領域513Xの面積よりも小さくした場合を示す図である。図27(B)に示すように、余り部508と他端部513とが重ねられた場合には、ベル図柄510の下(裏側)に、一端505が存在することになる。図27(B)に示すような重複の手法により、図27(A)の場合と比較して、余り部508を小さくすることができ、リールシート400のコストを削減することができる。
図27(C)は、余り領域の面積を、図柄領域513Xの面積よりも大きくした場合を示す図である。図27(B)に示すような重複の手法により、図27(A)の場合と比較して、重複部分422の面積を大きくすることができ、より堅固に固定することができる。
また、本実施の形態においては、重複部分422を形成する他端部513に透過度合いの低い図柄を描くとして説明した。しかしながら、重複部分422を形成する他端部513に透過度合いの高い図柄を描いてもよい。この場合には、重複部分422を形成する他端部513に、該透過度合いの高い図柄のうち透過度合いが高い部分(たとえば、透過部502)を描かないようにし、透過度合いが低い部分を描くようにすればよい。具体的には、図27(B)に示すベル図柄510が透過部を有する場合には、該透過部を重複部分には、描かずに、重複部分とは異なる部分(重複しない部分)に描くようにする。このような構成により、LEDユニット55から光を照射させたときの効果を損なわないようにすることができるとともに、図柄の配列の自由度を高めることができる。
また、透過度合いが高い部分(たとえば、透過部502)が、重複部分422上に描かれた場合には、該透過度合いが高い部分の裏側の重複部分422に対して、透過率を高める後処理を実行するようにしてもよい。該後処理とは、たとえば、該透過度合いが高い部分の裏側の重複部分422をくり抜く処理などである。このような後処理を行うことで、LEDユニット55から光を照射させたときの効果を損なわないようにすることができるとともに、図柄の配列の自由度を高めることができる。
また、本実施の形態においては、リールシート400の巻き方として、余り部508と他端部513とを重複させるとして説明した。しかしながら、このような重複をさせずに、リールシート400を巻くようにしてもよい。具体的には、余り部508を設けないようにする。つまり、リールシート400の一端は、505ではなく、508Aとなる。リールシート400を巻くときには、508Aと他端504とが当接するようにし、当該当接を維持するように、リールシート400の裏側に接着部を設ける。該接着部は、具体的には、所定方向に延伸している接着部材(たとえば、矩形上の接着テープなど)である。具体的には、該当接している箇所(つまり、継ぎ目400a)を跨ぐように、該接着部材が接着される。これにより、余り部508を設けなくても、リールシート400を環状に巻くことができ、リールシート400のコストを削減することができる。
また、このような接着部材を用いた場合には、重複部分422は形成されないものの、該接着部材が設けられている箇所は、該接着部材とリールシート400とで二重構造が形成される。そこで、該二重構造の箇所(つまり、接着部材が施されている箇所)には、透過度合いが高い図柄を描かないか、もしくは、透過度合いが高い部分を描かないようにすることが好ましい。これにより、余り部508を設けずに、かつ、LEDユニット55から光を照射させたときの効果を損なわないようにすることができる。
また、該接着部材とリールシート400とで二重構造が形成された箇所に、透過度合いが高い図柄、もしくは透過度合いが高い部分が描かれた場合には、後処理として、該透過度合いが高い図柄、または透過度合いが高い部分の裏側の二重構造の箇所をくり抜く処理を行えばよい。
本実施の形態において、余り領域508Xの全領域に接着部を設けて、該余り部508と他端部513とを接着させることにより、重複部分422を形成するとして説明した。しかしながら、余り領域508Xの接着部を設ける領域は、余り領域508Xの一部の領域であってもよい。たとえば、余り領域508Xの一端505側の縁に接着部を設けて、該余り部508と他端部513とを接着させるようにしてもよい。このような構成によれば、接着部のコストを削減することができる。
[リールシート400について]
本実施の形態においては、装飾図柄は菱形であるとして説明した。しかしながら、装飾図柄の形状は、菱形に限らず、他の形状(たとえば、三角形状)であってもよい。また、装飾図柄は、隣接する各図柄の間に描かれるとして説明したがこれに限られるものではない。たとえば、所定個(たとえば、2個)の図柄おきに、装飾図柄を描くものでもよく、所定の図柄に対応して描かれるものでもよい。また、本実施の形態においては、装飾図柄は、リールシート400の一側方に描かれるとして説明したが、これに限られるものではなく、たとえば、リールシート400の両側方に描かれるものであってもよい。
本実施の形態では、透明部材に、透明部材の長手方向の長さよりも短い長さの図柄シートが接着されることから、透明領域508Dが形成されるとして説明した。しかしながら、図柄シートが接着される対象は、透明部材でなくとも、環状に湾曲可能な帯状の部材であれば如何なる部材であってもよい。たとえば、模様が入った部材(以下、「模様部材」という。)を用いてもよい。このような模様部材に対して図柄シートが接着された場合には、透明領域508Dの部分は、当該模様部材の模様が描かれた領域となる。このように、図柄シートが接着される対象は、透明部材に限られないことから、リールシートの製造工程の自由度を高めることができる。また、模様部材を用いて、模様が付された領域508Dが設けられたとしても、着色領域508Cが形成されていることから、リールシート400を適切に巻けなかったとしても、着色領域508Cが露出され得ることから、リールシート400が不自然に見えることを防止できる。また、模様部材を用いたとしても、図柄シートを短くできることから、図柄シートのコストや、装飾コストを低減することができる。
本実施の形態の余り部508には、図柄は描かれないとして説明した。しかしながら、余り部508に、図柄を描くようにしてもよい。余り部508は他端部513に重ねられることから、該図柄は、露出されることがない。したがって、余り部508に、図柄を描かれたとしても、リールシートの巻き付け処理においては、何ら支障はない。
本実施の形態においては、図柄番号0の図柄を、透過度合いが低いリプレイ図柄として説明した。しかしながら、図柄番号0の図柄は、透過度合いが高い図柄を描くようにしてもよい。
本実施の形態において、リールシート400が巻かれたリールは、所定の役に入賞したことを遊技者に認識させるリールとして用いられるとして説明した。しかしながら、所定の役に入賞したことを遊技者に認識させるためのリールではなく、たとえば、演出のために用いられるリール(いわゆるサブリール)として用いるようにしてもよい。
本実施の形態において、「各々が識別可能な複数種類の識別情報」は図柄であるとして説明した。しかしながら、識別情報は、他の情報であってもよく、たとえば、記号、数字、文字、キャラクタなど如何なるものであってもよい。識別情報が図柄以外のものであっても、透過度合いが特定の識別情報よりも低い所定の識別情報が、図柄領域513に描かれることにより、本実施の形態と同様の効果を奏する。
本実施の形態において、リールシート400の形状は、帯状でありかつ矩形状であるとして説明したが、これに限られるものではない。リールシート400の形状は、帯状であり、かつ環状に巻かれるものであれば、如何なる形状であってもよい。本実施の形態においては、他端504および一端505は直線状であるとして説明したが、他端504および一端505のうち少なくとも一方は、曲線であってもよい。
本実施の形態において、回転軸がスロットマシン1の幅方向となるように、それぞれのリールが回転する(つまり、遊技者からは、上から下に図柄が変動するように見える)として説明した。しかしながら、該回転軸は、幅方向となることに限られず、高さ方向となる(つまり、遊技者からは、右から左、または左から右に図柄が変動するように見える)ようにしてもよい。また、リールの回転軸は、スロットマシン1の幅方向や高さ方向となることに限られず、他の方向となってもよい。
本実施の形態において、リールは一重構造であるとして説明した。しかしながら、リールは二重構造や三重構造としてもよい。たとえば、リールの二重構造とは、外側のリールと、該外側のリールの径よりも小さい内側のリールとにより構造である。このように二重構造のリールのうち、少なくとも1つのリールに対して、本実施の形態の思想を適用することができる。
[保持枠401、402について]
本実施の形態の保持枠401、402に付され、リールシート400の一端505が位置する箇所を特定するための情報としての目印401dは三角形状であるとして説明した。しかしながら、該目印401dは、リールシート400の巻き付け作業を行う作業員などにより、巻き付け開始位置が特定できれば、他の情報(記号のみならず文字)であってもよい。
また、本実施の形態の目印401dは、リールシート400の一端505が一致するものであるとして説明した。しかしながら、該目印401dは、リールシートの他の箇所と一致されるものであるとしてもよい。また、当該他の箇所は、作業員により容易に特定可能な個所であることが好ましい。たとえば、他の箇所を「第2ライン508B」としてもよい。第2ライン508Bは、着色領域508Cと、透明領域508Dの境界線であることから、作業員によって容易に特定できる箇所である。また、該目印401dは、特定の図柄番号(たとえば、0)の図柄が一致する箇所としてもよい。このように、目印401dが他の箇所と一致するようなものであっても、リールシート400が適切に巻かれたことを条件に、リールが基準状態になったときには、継ぎ目400aが視認されるような位置関係にすることが好ましい。
また、目印401dの箇所を他の形状としてもよい。たとえば、目印401dを凸形状としてもよい。この場合には、該目印401dと一致されるリールシート400の箇所を切欠き部とすればよい。このような構成によれば、作業員は、該目印401dと該切欠き部とを係合させることにより、容易に、リールシート400と保持枠401、402との位置合わせを行うことができる。
本実施の形態の、リールシート400を保持する部材は、保持枠401、402であるとして説明した。しかしながら、保持枠の形状はこの形状に限られない。たとえば、保持枠は、略円柱形上であり、該円柱形上の外周に、リールシート400が巻かれるものとしてもよい。また、保持枠401、402の形状によっては、リールシート400が外周に巻かれる形状でないようにしてもよい。また、リールシート400を環状に巻いて、図柄が露出されるように、円形部材で挟み込むようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、リールシート400の巻き付け処理を作業員が行うとして説明したが、巻き付け装置により自動的に実行するようにしてもよい。この場合であっても、リールシート400の特定部分と目印401dとが一致して巻き付け処理を行うような調整を該巻き付け装置に対して行うことが好ましい。
[位置ずれの検査方法について]
本実施の形態では、位置ずれの検査方法においてレーザーラインを用いるとして説明した。しかし、レーザーラインを照射せずとも、リールユニット2に組み付けられたリール2L、2C、2Rが、リールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405の切欠部408とを一致させた場合に、位置ずれがなければリール2L、2C、2Rのそれぞれの継ぎ目400aが一直線上に揃うこととなるため、リール2L、2C、2Rのそれぞれの継ぎ目400aが一直線上に揃っていないことによってもリールシート400と保持枠401、402との位置ずれが生じていることを発見できる。
また、レーザーラインを用いない方法としては、リールユニット2の所定の位置に当接させた場合にリール2L、2C、2Rの継ぎ目400aが本来位置すべき位置に印が設けられた検査器具をリールユニット2の所定位置に当接させ、検査器具に設けられた印と、リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aと、を比較することにより、一致しなければリールシート400と保持枠401、402との位置ずれが生じていることを発見できる。
このとき用いる検査器具は、リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aのそれぞれに対して同時に検査できるようにそれぞれ対応する位置に印が設けられたものでもよいし、いずれか1つのリールの継ぎ目400aに対して検査できるように対応する位置に印が設けられたものでもよい。この場合でも、リールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405の切欠部408と、を一致させた場合に、リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aは、一直線上に並ぶので、いずれか1つのリールのみ検査器具を当接させて検査することで、他のリールについてもリールシート400と保持枠401、402との位置ずれが生じているか否かを特定することが可能となる。
なお、上記では継ぎ目400aが位置すべき位置を直線上に照射するレーザーラインやリールユニット2の所定の位置に当接させた場合にリール2L、2C、2Rの継ぎ目400aが本来位置すべき位置に印が設けられた検査器具を用いた検査方法を例示しているが、リールユニット2を筐体1aに取り付ける前に継ぎ目400aの位置が正常な位置か否かを特定できる方法であればどのような検査方法を用いてもよく、たとえば、リールユニット2を構成する部材に継ぎ目400aが本来位置すべき位置を特定可能なマークが形成され、継ぎ目400aと当該マークとを比較することで継ぎ目400aの位置が正常な位置か否かを特定できる構成としてもよい。
スロットマシン1の完成後、すなわちリールユニット2を筐体1aに取り付けた後にリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを検査する場合には、リールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405の切欠部408と、を一致させる。この際、リールセンサ33L、33C、33Rにより切欠部408が検出されるまでリールモータ32L、32C、32Rに対して駆動信号を入力させることによりリールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405の切欠部408と、を一致させることができる。
そして、図23に示すように、前面扉1bの所定の位置に当接させた場合に検査器具のA点とB点とが通る線(図中一点差線)上に、リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aが本来位置すべき位置となるように形成された検査器具を前面扉1bの所定位置に当接させ、検査器具のA点とB点とが通る線上から見た際に、A点、B点、継ぎ目400aと、が一致しなければリールシート400と保持枠401、402との位置ずれが生じていることを発見できる。
なお、上記では前面扉1bの所定の位置に当接させた場合に検査器具のA点とB点とが通る線上に、リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aが本来位置すべき位置となるように形成された検査器具を用いた検査方法を例示しているが、リールユニット2を筐体1aに取り付けた後に継ぎ目400aの位置が正常な位置か否かを特定できる方法であればどのような検査方法を用いてもよく、たとえば、リールユニット2を構成する部材または前面扉1bに継ぎ目400aが本来位置すべき位置を特定可能なマークが形成され、継ぎ目400aと当該マークとを比較することで継ぎ目400aの位置が正常な位置か否かを特定できる構成としてもよい。
また、本実施の形態では、リールユニット2に対して複数のリール2L、2C、2Rが一体に組み付けられる構成であるが、1のリールユニットに対して1のリールのみが組み付けられる構成であってもよく、このような構成であっても、上記のようにリールシート400の継ぎ目400aの位置が、保持枠401をリール取付盤405に相対回動不能に取り付け、さらにリール取付盤405をリールモータのロータ32dに相対回動不能に取り付け、リールユニットに組み付けられた状態で、リールモータの本体32bに対してセンサ取付板480を介して取り付けられたリールセンサと、リール取付盤405に形成された切欠部408、すなわちリールセンサによってリールの基準位置が検出される部分と、を一致する位置に移動させた場合に、リールユニットを構成するリールボックスによって被覆されることなく視認可能となる位置となるように、リールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられることにより、リールをリールユニットを構成するリールボックスに組み付けた状態でリールの基準位置となるリール取付盤405の切欠部408をリールセンサの検出位置に位置するように設定することで、透視窓3からリールの継ぎ目400aが視認可能な位置となるため、リールの継ぎ目400aとリールユニットに当接された検査器具やレーザーラインにて特定される正常位置と比較することでリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを容易に発見することができる。
また、本実施の形態では、リールセンサ33L、33C、33Rによりリール2L、2C、2Rの基準位置の通過が検出される被検出部(切欠部408)がリール2L、2C、2Rをリールモータ32L、32C、32Rのロータ32dに固定するためのリール取付盤405に形成されていることにより、リールの成型精度やロータ32dに対する取付け精度に影響されることなく、かつ、リールの回動に応じた基準位置の検出が行われることで、ロータ32dの回動とリールの回動とのずれによる図柄の位置ずれが発生しにくいため、リールと基準位置との関係が正確な位置関係となる。これにより被検出部(切欠部408)を基準位置に合わせたときのリールの継ぎ目400aの位置にばらつきが生じにくく、リールの継ぎ目400aとリールユニットに当接された検査器具やレーザーラインにて特定される正常位置と比較することでリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを発見するときの精度を高めることができる。
また、本実施の形態では、リールセンサ33L、33C、33Rによりリール2L、2C、2Rの基準位置の通過が検出される被検出部(切欠部408)がリール2L、2C、2Rをリールモータ32L、32C、32Rのロータ32dに固定するためのリール取付盤405に形成されているが、リールセンサ33L、33C、33Rによりリール2L、2C、2Rの基準位置の通過が検出される被検出部がリール2L、2C、2Rをリール保持枠401などのリール取付盤405以外の部位に形成される構成としてもよく、このような構成であっても、リールセンサ33L、33C、33Rと、被検出部と、を一致する位置に移動させた場合に、リールボックス351によって被覆されることなく視認可能となる位置となるように、リールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられることにより、リール2L、2C、2Rをリールユニット2を構成するリールボックス351に組み付けた状態でリール2L、2C、2Rの被検出部をリールセンサ33L、33C、33Rの検出位置に位置するように設定することで、リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aが視認可能な位置となるため、リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aとリールユニット2に当接された検査器具やレーザーラインにて特定される正常位置と比較することでリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを容易に発見することができる。
また、本実施の形態では、リールシート400の継ぎ目400aの位置が、保持枠401をリール取付盤405に相対回動不能に取り付け、さらにリール取付盤405をリールモータ32L、32C、32Rのロータ32dに相対回動不能に取り付け、リールユニット2を構成するリールボックス351に組み付けられた状態で、リールモータ32L、32C、32Rの本体32bに対してセンサ取付板480を介して取り付けられたリールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405に形成された切欠部408と、を一致する位置に移動させた場合に、リールボックス351によって被覆されることなく視認可能となる位置となるだけでなく、リールユニット2を筐体1aに取り付けて、前面扉1bによりその開放面を閉塞した状態において、前面扉1bに形成された透視窓3を透して視認可能となる位置となるようにリールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられる。これにより、スロットマシン1が完成した状態、すなわちリールユニット2を筐体1aに取り付けた後であっても、そのままの状態でリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを発見することができる。
また、本実施の形態では、リールユニット2に複数のリール2L、2C、2Rが並んだ状態で組み付けられるとともに、リールシート400の継ぎ目400aの位置が、保持枠401をリール取付盤405に相対回動不能に取り付け、さらにリール取付盤405をリールモータ32L、32C、32Rのロータ32dに相対回動不能に取り付け、リールユニット2を構成するリールボックス351に組み付けられた状態で、リールモータ32L、32C、32Rの本体32bに対してセンサ取付板480を介して取り付けられたリールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405に形成された切欠部408と、を一致する位置に移動させた場合に、リール2L、2C、2Rのそれぞれの継ぎ目400aが一直線上に揃うように、リールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられる。複数のリールを並べてリールユニット2に組み付けた状態でリールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405に形成された切欠部408とが一致するように設定することで、これら複数のリールの継ぎ目400aが一直線上に並ぶこととなるため、複数のリールの継ぎ目400aの位置関係からリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを容易に発見することができる。
また、本実施の形態では、複数のリールを並べてリールユニット2に組み付けた状態でリールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405に形成された切欠部408と、を一致させる位置とした場合に、リール2L、2C、2Rのそれぞれの継ぎ目400aが一直線上に揃うように、リールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられる構成であり、複数のリール全てにおいて保持枠401、402に対するリールシート400の位置ずれが生じていないときには継ぎ目400aが一直線上に並ぶので、継ぎ目400aが一直線上に並ぶか否かにより保持枠401、402に対するリールシート400の位置ずれを発見することができることから好ましいが、複数のリールを並べてリールユニット2に組み付けた状態でリールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405に形成された切欠部408とを一致させる位置とした場合に、リール2L、2C、2Rのそれぞれの継ぎ目400aが特定の位置関係(たとえば、それぞれ1図柄分ずらした位置関係など)であっても、複数のリールの継ぎ目400aの位置関係が特定の位置関係となるか否かを確認することにより、リールシート400と保持枠401、402との位置ずれを容易に発見することができる。
また、本実施の形態では、リールセンサ33L、33C、33Rによりリール2L、2C、2Rの基準位置の通過が検出される被検出部(切欠部408)がリール2L、2C、2Rをリールモータ32L、32C、32Rのロータ32dに固定するためのリール取付盤405に形成されていることにより、リールの成型精度やロータ32dに対する取付け精度に影響されることなく、かつ、リールの回動に応じた基準位置の検出が行われることで、ロータ32dの回動とリールの回動とのずれによる図柄の位置ずれが発生しにくいため、リールと基準位置との関係が正確な位置関係となる。これにより被検出部(切欠部408)を基準位置に合わせたときの複数のリールの継ぎ目400aの位置にばらつきが生じにくく、複数のリールの継ぎ目400aの位置関係からリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを発見するときの精度を高めることができる。
また、本実施の形態では、リールセンサ33L、33C、33Rによりリール2L、2C、2Rの基準位置の通過が検出される被検出部(切欠部408)がリール2L、2C、2Rをリールモータ32L、32C、32Rのロータ32dに固定するためのリール取付盤405に形成されているが、リールセンサ33L、33C、33Rによりリール2L、2C、2Rの基準位置の通過が検出される被検出部がリール2L、2C、2Rをリール保持枠401などのリール取付盤405以外の部位に形成される構成としてもよく、このような構成であっても、リールセンサ33L、33C、33Rと、被検出部と、を一致する位置に移動させた場合に、リール2L、2C、2Rのそれぞれの継ぎ目400aが特定の位置関係となるように、リールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられることにより、リール2L、2C、2Rを、リールユニット2を構成するリールボックス351に組み付けた状態でリール2L、2C、2Rの被検出部をリールセンサ33L、33C、33Rの検出位置に位置するように設定することで、これら複数のリールの継ぎ目400aが特定の位置関係となるため、複数のリールの継ぎ目400aの位置関係からリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを容易に発見することができる。
また、本実施の形態においては、図24に示すように、リール2L、2C、2Rをそれぞれ基準状態になるようにした場合には、継ぎ目400aが透視窓3を透して視認可能となるように、一直線に並ぶ、として説明した。しかしながら、リール2L、2C、2Rをそれぞれ基準状態になるようにした場合において、各リールそれぞれの継ぎ目400aの位置関係は、一直線に並ぶ位置関係に限られず、他の位置関係であってもよい。たとえば、各リールそれぞれの継ぎ目400aの位置関係は、リール2L、2C、2Rがそれぞれ基準状態であるときに、リール2L、2C、2Rがそれぞれ基準状態であることを直感的に検査員に認識させる位置関係であることが好ましい。
各リールそれぞれの継ぎ目400aの位置関係の他の例として、リール2L、2C、2Rがそれぞれ基準状態であるときに、左リール2Lの継ぎ目400aが上方の第1位置に位置し、中リール2Cの継ぎ目400aが、第1位置よりも、第1所定距離分下方にずれた第2位置に位置し、右リール2Rの継ぎ目400aが、第2位置よりも第2所定距離分下方にずれた第3位置に位置し、かつリール2L、2C、2R全ての継ぎ目400aが視認可能となることが好ましい。第1所定距離、および第2所定距離は、同一であってもよく、異なっていてもよい。また、第1所定距離および第2所定距離が同一であれば、第1所定距離および第2所定距離は、図柄領域の縦辺の長さとしてもよい。第1所定距離、および第2所定距離は他の距離であってもよい。
[ナビ報知の変形例について]
上記実施の形態では、当選役が異なり、報知された停止順に従った停止操作を行うことで入賞する役が異なるが、対象となる役を入賞させる停止順が同一となる場合に、遊技補助表示器12のナビ報知にて停止順を識別可能に点灯するセグメントの組合せは同じであるが、点灯色が異なることで、入賞する役も識別できる構成であった。
これに対してナビ報知の変形例1では、遊技補助表示器12のナビ報知にて停止順を識別可能に点灯するセグメントの組合せが異なることで、入賞する役も識別できるようになっている。
詳しくは、ナビ報知における遊技補助表示器の点灯態様が、図40に示すように、報知される停止順(中左右、中右左、右左中、右中左、左−−(左第1停止)、−中−(中第1停止)、−−右(右第1停止))およびナビ報知の対象役の種類毎に点灯するセグメントの組合せが異なることで、点灯中のセグメントの組合せから停止順および報知された停止順に従って停止操作がされることで入賞する役も識別できるようになっている。
このような構成とすることにより、当選役が異なり、報知された停止順に従った停止操作を行うことで入賞する役が異なるが、対象となる役を入賞させる停止順が同一となる場合に、単色表示の表示器を用いてナビ報知を行っても、報知された停止順に従って停止操作がされることで入賞する役を識別することができる。
なお、変形例1では、停止順およびナビ報知の対象役に対応して点灯するセグメントの組合せが、停止順やナビ報知の対象役を直接的に想起するようなものではなく、点灯するセグメントの組合せから即座に停止順を識別することが困難なものであり、対応表などがなければ容易に識別できないものであるが、後述のようにナビ報知において報知された停止順およびナビ報知の対象役を即座に識別することが可能な報知態様で操作手順および報知の対象役が報知される構成としてもよい。
上記実施の形態では、ナビ報知において報知された停止順を即座に識別することが困難な報知態様で停止順が報知される構成であった。
これに対して変形例2、3では、ナビ報知において報知された停止順を即座に識別することが可能な報知態様で操作手順が報知される。
変形例2では、ナビ報知における遊技補助表示器12の点灯態様が、図41に示すように、リール回転開始から第1停止までの第1期間、第1停止から第2停止までの第2期間、第2停止から第3停止までの第3期間の各期間毎に変化する。第1期間における点灯態様は、表示器12Rの点灯態様が第1停止リールに該当するリールを示す文字(左リールがL、中リールがC、右リールがr)となり、第2期間における点灯態様は、表示器12Rの点灯態様が第2停止リールに該当するリールを示す文字となり、第3期間における点灯態様は、表示器12Rの点灯態様が第3停止リールに該当するリールを示す文字となる。たとえば、中左右の停止順を報知する場合には、表示器12Rの点灯態様が、C→L→rの順番で切り替わる。また、左−−(第1停止リールが左、第2停止リール、第3停止リールは任意の場合)の停止順を報知する場合には、表示器12Rの点灯態様が、L→−→−の順番で切り替わる。これにより、ナビ報知における遊技補助表示器12の表示器12Rにより第1期間、第2期間、第3期間に表される文字によってリールの停止順を識別できるようになっている。
また、第1期間から第3期間のいずれの期間においても、表示器12Lには、ナビ報知の対象役を示す番号(押し順ベルが1、7リプレイが2、リプレイGR1〜4が3、リプレイGR11〜13が4)が表示されるようになっており、第1期間から第3期間において表示器12Lに表示された番号から、報知された停止順に従って停止操作がされることで入賞する役が識別できるようになっている。
このような構成とすることにより、ナビ報知において報知された停止順および入賞する役を即座に識別することが可能な報知態様で操作手順が報知されるので、たとえば、液晶表示器51などの演出装置が機能しない場合でも、対応表などを用いることなく操作手順や入賞する役を認識させることができる。
変形例3では、ナビ報知における遊技補助表示器12の点灯態様が、図42に示すように、リール回転開始から第1停止までの第1期間、第1停止から第2停止までの第2期間、第2停止から第3停止までの第3期間の各期間毎に変化する。第1期間における点灯態様は、表示器12Lの点灯態様がナビ報知の対象役の種類を示す番号となりおよび表示器12Rの点灯態様が第1停止リールに該当するリールを示す番号(左リールが1、中リールが2、右リールが3)となる第1の状態と、表示器12Lおよび表示器12Rの点灯態様が第1停止リールを停止させる目安となる停止位置(いわゆる目押しすべき位置)を示す番号(図柄番号、ただし任意の停止位置でよい場合には99とする)となる第2の状態と、が一定時間毎に切り替わる点灯態様となり、第2期間における点灯態様は、表示器12Lの点灯態様がナビ報知の対象役の種類を示す番号となりおよび表示器12Rの点灯態様が第2停止リールに該当するリールを示す番号となる第1の状態と、表示器12Lおよび表示器12Rの点灯態様が第2停止リールを停止させる目安となる停止位置を示す番号となる第2の状態と、が一定時間毎に切り替わる点灯態様となり、第3期間における点灯態様は、表示器12Lの点灯態様がナビ報知の対象役の種類を示す番号となりおよび表示器12Rの点灯態様が第3停止リールに該当するリールを示す番号となる第1の状態と、表示器12Lおよび表示器12Rの点灯態様が第3停止リールを停止させる目安となる停止位置を示す番号となる第2の状態とが一定時間毎に切り替わる点灯態様となる。たとえば、7リプレイ1当選時に赤7リプレイを入賞させる停止順を報知するナビ報知において、−中−(第1停止リールが中リールで、第2停止リール、第3停止リールは任意の場合)で、全てのリールに停止させる目安となる停止位置として「赤7」が指定される場合には、第1期間において7リプレイの当選および中リールの停止操作を示す22と中リールの赤7の図柄番号を示す18とが交互に表示され、第2期間において7リプレイの当選および左リールの停止操作を示す21と左リールの赤7の図柄番号を示す20とが交互に表示され、第3期間において7リプレイの当選および右リールの停止操作を示す23と右リールの赤7の図柄番号を示す18とが交互に表示される。これにより、ナビ報知における遊技補助表示器12により第1期間、第2期間、第3期間に表される交互に表示される番号によってリールの停止順および停止操作の目安となる停止位置、報知された停止順に従って停止操作がされることで入賞する役を識別できるようになっている。
停止させる目安となる停止位置とは、たとえば、遊技者にとって有利となる停止位置が複数存在する場合に、そのうちの最も狙いやすい図柄(「赤7」、「青7」、「BAR」のように他の図柄よりも大きい図柄、他の図柄の色彩に比較して識別し易い色彩の図柄、透かしを有し、リールLED55の点灯により発行して見える図柄など)、遊技者にとって有利となる停止位置が狙いにくい図柄であれば、その近辺の狙いやすい図柄などが該当する。
また、上記のように停止させる目安いとなる停止位置が図柄番号で報知される場合には、遊技者の操作により液晶表示器51に表示されるメニュー画面などにおいて、図柄配列と図柄番号と、の関係を確認できる構成とすることが好ましい。
このような構成とすることにより、ナビ報知において報知された停止順や停止操作の目安となる停止位置、入賞する役を即座に識別することが可能な報知態様で操作手順が報知されるので、たとえば、液晶表示器51などの演出装置が機能しない場合でも、対応表などを用いることなく操作手順や入賞する役を認識させることができる。
なお、即座に識別することが可能な報知態様は、変形例2,3で説明したものに限らず、たとえば、報知手順を文字、操作すべき導出操作手段に対応する番号、頭文字、リールを停止させる際のタイミングの目安となる図柄番号、リールを停止させる際のタイミングの目安となる図柄、その図柄を示す文字、頭文字、その図柄の色など(たとえば、赤7の場合にr7、青7の場合にb7など)を報知するものであればよい。
上記実施の形態では、ナビ報知を、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードが表示される遊技補助表示器12を用いて行う構成であった。
これに対して変形例4,5では、専用の表示器にてナビ報知を行うようになっている。
変形例4では、ナビ報知を行うために、図43(a)に示すように、8のセグメントを有する5桁の表示器を専用に設けたものであり、いずれか3桁の表示器において左リール、中リール、右リールの停止順が報知され、残りの2桁の表示器において上述の第1期間、第2期間、第3期間においてそれぞれ停止操作の目安となる停止位置が報知されることで操作手順を識別できるようになっている。また、ナビ報知の対象役は、表示色、表示/非表示の切替の有無、表示/非表示の切替速度などにより識別可能となる。
変形例5では、ナビ報知を行うために、図43(b)に示すように、8のセグメントを有する9桁の表示器を専用に設けたものであり、いずれか3桁の表示器において左リール、中リール、右リールの停止順が報知され、残りの6桁の表示器のうちいずれか2桁の表示器において左リールの停止操作の目安となる停止位置が報知され、残りの4桁の表示器のうちいずれか2桁の表示器において中リールの停止操作の目安となる停止位置が報知され、残りの2桁の表示器において右リールの停止操作の目安となる停止位置が報知されることで操作手順を識別できるようになっている。また、ナビ報知の対象役は、表示色、表示/非表示の切替の有無、表示/非表示の切替速度などにより識別可能となる。
このようにナビ報知を行うために、専用の表示器を用いることにより、操作手順や入賞する役などの情報をより分かりやすく報知することが可能となる。
なお、変形例4,5では、全ての表示器について専用の表示器を設ける構成であるが、一部については、他の情報を報知する表示器と併用する構成としてもよい。
また、変形例4,5では、8のセグメントを有する表示器を適用しているが、たとえば、左リール,中リール,右リールに対応する3つのLEDを設けて、停止時期毎に対応するLEDを点灯することにより停止順を識別可能となる構成としてもよい。この場合にも、ナビ報知の対象役は、表示色、表示/非表示の切替の有無、表示/非表示の切替速度などにより識別可能となる。
上記実施の形態および変形例では、ナビ報知によりリールの操作手順に加え、報知された操作手順に従って停止操作を行うことにより入賞する役も識別可能となる構成であったが、ナビ報知により少なくともリールの操作手順が識別可能となる構成であればよい。
上記実施の形態では、メイン制御部41が行う操作手順を識別可能な報知として、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を報知するナビ報知について説明しているが、操作手順を識別可能な報知として、内部抽選結果に応じて入賞し得る役を識別可能に報知する役報知を実行し、報知内容から操作手順を識別可能となる構成としてもよい。
役報知では、図44に示すように、遊技補助表示器12の点灯態様として、内部抽選結果、またはその組合せに応じて、点灯するセグメントの組合せが異なることで、点灯中のセグメントの組合せからリールの操作手順および入賞し得る役が識別できるようになっている。
たとえば、遊技補助表示器12に1Aと表示されている場合には、共通ベルまたは押し順ベルが当選していることが識別され、これにより、遊技者は確実に中段ベルを入賞させる操作手順を特定できず、かつどのタイミングで停止操作を行っても遊技者の有利度に影響しないことから、任意の停止順、任意のタイミングでの停止操作を識別でき、中段ベル、右下がりベルまたは副役が入賞し得る役として識別できるようになっている。
また、遊技補助表示器12に2Fと表示されている場合には、スイカ、強チェリーまたは弱チェリーのいずれかが当選していることが識別され、これにより、中段スイカ、右下がりスイカ、中段チェリーまたは角チェリーを入賞させるためには、引込範囲内での停止操作を必要とすることから、左リールについては、「スイカ」および「チェリー」の引込範囲、中リールおよび右リールについては、「スイカ」の引込範囲となるタイミングでの停止操作を識別でき、中段スイカ、右下がりスイカ、中段チェリーまたは角チェリーが入賞し得る役として識別できるようになっている。
このように、メイン制御部41が、内部抽選結果に応じて入賞し得る役を識別可能に報知する役報知を実行し、報知内容から操作手順および入賞し得る役を識別可能となる構成とした場合においても、メイン制御部41が遊技補助表示器12によりリールの操作手順を識別可能に報知させる制御、すなわち役報知を行う制御を行うため、サブ制御部91側に異常が生じても遊技者の有利度に影響を与えてしまうことを防止できるとともに、遊技補助表示器12による役報知において、たとえば、中段ベルが入賞し得る押し順ベルや共通ベルの当選時と、中段リプレイや右上がりリプレイが入賞する7リプレイの当選時と、で同じ操作手順を識別可能に報知する場合でも、異なる報知態様にて報知されるので、役報知により識別される操作手順が同じであっても、その際の報知態様の違いにより、報知された操作手順に従って停止操作を行うことにより入賞し得る役を認識させることができる。
[その他の変形例]
上述した実施形態では、3つのリール2L,2C,2Rを有する可変表示装置を備え、すべてのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうち何れか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機(スロットマシン、パチンコ遊技機201)を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機に本発明を適用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。
また、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンに限らず、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筐体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
さらに、このような封入式の遊技機には、遊技点を計数した上で、計数結果を記録媒体処理装置(遊技用装置)の一例となるカードユニットに送信する機能を設けてもよい。この場合、遊技点の計数を指示するための計数操作手段(計数ボタン)を封入式の遊技機に設けることが望ましい。たとえば、遊技点の計数結果は“持点”に変換されて、カードユニットに挿入されている(受付けられている)カードまたは端末などの「遊技者によって携帯される記録媒体」に直接記録される。あるいは、カードユニットに接続された点数管理用サーバで記録媒体に記録されているカードIDを管理し、計数結果をカードユニットから点数管理用サーバに送信することによって、点数管理用サーバがカードID毎に遊技者の持点を記憶するようにしてもよい。
本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。