[スロットマシンの構成]
図1は、本実施形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、表示領域51aを有しており、透視窓3に対応する透過領域51bが透過可能である。これにより、表示領域51aで所定の演出を実行可能とするとともに、表示領域51aのうち透過領域51bが透過することで透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が視認可能となる。図2は、各リールの図柄配列を示す図である。リール2L〜2Rには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。なお、リールの個数は、3つに限らず、1つであってもよく、2以上であってもよい。また、可変表示部は、物理的なリールにて構成されている例を示しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて構成されているものであってもよい。
液晶表示器51の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられ、前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53、54が設けられている。
また、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L〜2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rなどが設けられている。
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19、リプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6操作などにより規定数の賭数(たとえば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L〜2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せ(いわゆるばらけ目)が揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L〜2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L〜8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
図3は、スロットマシン1の内部構造を示す図である。図4は、スロットマシン1の機能構成例を示す図である。筐体1の内部には、リールユニット2や、ホッパーユニット34、電源ボックス100、リール中継基板ケース370などが設けられている。リールユニット2は、リール2L〜2R各々に対応して、リール回転させるためのリールモータ32L、32C、32R、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rを含む。ホッパーユニット34は、投入メダルを貯留するホッパータンク34a、貯留メダルをメダル払出口9から払い出すホッパーモータ34b、払出メダルを検出する払出センサ34cなどを含む。電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、エラーを解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては内部抽選の当選確率(払出率)の設定値(たとえば1〜6、6が最も払出率が高い)を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
また、筐体1の内部には、制御基板が設けられている。図4の例では、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板90、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101、遊技の進行に応じた信号を外部に出力する外部出力基板1000などが設けられている。
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L〜33Rからの信号に基づき、リールモータ32L〜32Rを駆動制御する。
遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(図4の遊技制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
演出制御基板90は、液晶表示器51などの演出装置(図4の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(図4の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。電源基板101には、ホッパーモータ34b、各種の操作手段や検出手段(図4の電源基板101の右側に例示)などが接続されている。
図5および図6は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。名称欄には、入賞役の名称を示し、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。また、無効ラインに揃う図柄の組合せ欄には、入賞となる図柄の組合せが入賞ラインに停止したときに無効ラインに停止する図柄の組合せであって遊技者が認識しやすい図柄の組合せを示している。払出枚数欄には、入賞時に付与される価値(メダル払出、再遊技付与)を示している。また、図6の遊技状態欄には、入賞時に移行される遊技状態を示している。また、「/」は、「または」を示している。たとえば、図6の転落リプレイについて、図柄の組合せは、「ベル‐リプレイ‐ベル」となり、入賞時にはRT1に制御され、付与される価値は再遊技付与である。
図7は、移行出目の図柄組合せを示す図である。移行出目は、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、入賞ラインLNに揃う出目である。RT0、2、3中において移行出目が入賞ラインLN上に停止すると、RT1へ移行される。
図8は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図9は、遊技状態及びRTの概要を示す図である。本実施形態におけるスロットマシン1は、リプレイが所定の当選確率(図9の上図の再遊技役欄の数値参照)で当選するRT0〜3のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかのRTに制御される(図8の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照、図9の上図の開始条件・終了条件欄の参照)。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類毎に定められている(図9の下図の丸印が抽選されるリプレイを示す)。
図10および図11は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せを示す図である。抽選対象役欄には、その名称を示し、遊技状態欄には、RTの種類毎に、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示し、丸印の下の数値により当選確率にかかわる判定値数を示している。たとえば、ベルは、RT〜RT3いずれかの状態において、360/65536で当選する抽選対象役である。
図12は、抽選対象役に含まれる入賞役の組合せを示す図である。たとえば、弱チェリーは、下段チェリーである。弱スイカは、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとを含む。よって、内部抽選で弱スイカに当選したときには、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとに当選したことになる。
図13および図14は、複数の入賞役が同時当選したときのリール制御を説明するための図である。当選した抽選対象役毎に、押し順欄に示す押し順で停止操作されたときに、その右の停止する図柄組合せに示す入賞役の図柄組合せが入賞ラインLNに停止させるリール制御が行なわれる。たとえば、リプレイGR1が当選したときにおいて、押し順が左中右であるときは、昇格リプレイ1が導出されて、押し順が左中右以外であるときは通常リプレイが導出される。また、たとえば、左ベルが当選したときにおいて、押し順が左第1停止であるときは、右下がりベルが導出されて、押し順が左第1停止以外であれば、上段ベルまたは移行出目が導出される。
スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L〜2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L〜2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると乱数抽選により入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理が行われる(図10〜図12など参照)。内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L〜2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる(図13、図14など参照)。
リール2L〜2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理が行われる(図5〜図7など参照)。入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算が行われるとともに、入賞ライン上の図柄組合せに応じて遊技状態が移行される(図8、図9など参照)。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
メイン制御部41は、ゲーム制御処理実行中において、遅延条件が成立したときにゲームの進行を所定期間に亘って遅延させるフリーズを発生させる処理を行う。遅延条件は、たとえば、所定の入賞役に当選あるいは入賞することや、消化ゲーム数が所定ゲーム数に到達することなどにより成立するものであってもよい。また、遅延させる対象は、たとえば、賭数設定が可能となるタイミングや、ゲーム進行のためのリール回転を開始させるタイミング、ゲーム進行のためのストップスイッチを有効化するタイミングなどであってもよい。
また、メイン制御部41は、上記に例示した処理の実行に応じたゲームの進行状況および処理結果を特定可能なコマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、各種処理を行う。
サブ制御部91は、たとえば、所定のAT抽選契機が成立したときにアシストタイム(以下、ATという)に制御するか否かを抽選するAT抽選処理を行い、ATに制御すると決定されてAT当選したときには、所定のAT当選報知契機が成立したときにAT当選を遊技者に対して報知するAT報知処理を行った後に、ATに制御するAT制御処理を行う。本実施の形態のAT抽選処理では、ナビストックを付与するか否かおよび付与する場合にはナビストック数を決定し、AT制御処理では、付与されているナビストック数に応じてATに制御する。1ナビストックは、たとえば50ゲーム消化するまでATに制御可能となる。AT報知処理では、AT当選したこと、または、AT当選したことにより付与されるナビストックを報知する。
また、サブ制御部91は、AT中においては、内部抽選処理によりたとえば図13、図14に示す所定の抽選対象役に当選したときに送信されるコマンド受信時に、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行する。このため、ATに制御されることにより、遊技者は有利となる。有利な図柄組合せとは、たとえば、リプレイGR1〜6当選時には昇格リプレイをいい、リプレイGR11〜13当選時には通常リプレイをいい、リプレイGR21〜23当選時には特殊リプレイをいい、左ベル1〜右ベル4当選時には右下がりベルあるいは中段ベルをいう。
[リールユニットについて]
次に、リールユニット2の詳細な構造について、図15〜図24に基づいて説明する。図15は、リールユニットを示す六面図である。図16は、リールユニットを示す斜視図である。図17は、リールユニットを示す分解斜視図である。図18は、各リール体の構造を示す分解斜視図である。図19は、図18の要部を示す分解斜視図である。図20は、リール体を示す斜視図である。図21は、リール体の側面図である。図22は、図21のA−A断面図である。図23は、図21のB−B断面図である。図24は、リールユニットが筐体に取り付けられた状態を示す要部断面図である。尚、以下の説明においては、スロットマシンを正面から見たときの上下左右方向を基準として説明する。
図15〜図17に示すように、リールユニット2は、外周面に複数種類の図柄が配列された円筒状の表示帯としてのリール2L、2C、2Rと、リール2L、2C、2Rを回転駆動する駆動モータとしてのリールモータ32L、32C、32Rと、基準位置を検出する基準位置検出手段としてのリールセンサ33L、33C、33Rと、これらリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、リールセンサ33L、33C、33Rを回動可能に支持するリール支持板350L、350C、350Rと、リール2L、2C、2Rの可変表示領域を背面側から照射するLEDユニット55Lと、から主に構成されるリール体200L、200C、200Rと、リール2L、2C、2Rを左右方向に並設した状態で保持する保持部材としてのリールボックス351と、から主に構成され、リールボックス351の上面にはリール中継基板ケース370が取り付けられている。
リールボックス351は、図15に示すように、合成樹脂材により前面が開口する箱状に形成されている。上板の前後幅寸法は下板の前後幅寸法よりも短寸に形成され、前面開口は上方に向けて背面側に傾斜しているとともに、上板の左右幅寸法は下板の左右幅寸法よりも若干短寸に形成され、前面開口は正面視台形状をなし、上側に向けて背面側に傾倒するように形成されている。また、前面開口の左右側辺は、組み付けられたリール2L、2C、2Rの略回転中心位置を通過するように形成されているため、組み付けられたリール2L、2C、2Rの前上部が前下部よりも大きく露呈するようになっている。
さらに、左右側板の前辺は後辺よりも長寸に形成されているため、前面開口は背板の面積よりも大きく形成されている。上下幅寸法はリール2L、2C、2Rの直径よりもやや長寸で、各リール2L、2C、2Rの後半部を収容可能な大きさを有している。
図17に示すように、リールボックス351の前面開口周囲には外向きに突出するフランジ片352が形成されており、該フランジ片352における上辺部前面にはリール支持板350L、350C、350Rを取り付けるネジ353aのネジ穴を有する取付凹部353L、353C、353Rが各リール2L、2C、2Rに対応して形成されているとともに、下辺部前面にはリール支持板350L、350C、350Rを取り付けるネジ354aのネジ穴を有する取付凹部354L、354C、354Rが各リール2L、2C、2Rに対応して形成されている。また、取付凹部353L、353Rの左側には、リール中継基板ケース370を係止する係止穴355a、355bが形成されている。
底板の上面には、各リール支持板350L、350C、350Rを前後方向にスライド移動案内する案内片356が立設されているとともに、その後側には短寸の位置決め片357が立設されており、これら案内片356と位置決め片357との間にリール支持板350L、350C、350Rが差し込まれて位置決めされるようになっている。また、背板の内面における各リール支持板350L、350C、350Rに対応する位置には、該リール支持板350L、350C、350Rの後端部が嵌合可能な凹溝358が上下方向に延設されているとともに、各凹溝358の上下方向の中央よりもやや下方位置には、各リール支持板350L、350C、350Rを支持する差込片359が各凹溝358を横切るように前向きに突設されている。
図15に示すように、背板の背面上部左右側には、上向きに延設される上係止片360a、360bがネジによりそれぞれ取り付けられているとともに、これらの内側には、リール中継基板ケース370が取り付けられるネジ穴363cを有する取付凹部363a、363bが形成されている。また、上下方向の略中央位置には、下リール支持金具314(図24参照)に係止される下係止片361がネジ(図示略)により水平に取り付けられているとともに、下係止片361の下方位置には、筺体1aの背板1g(図24参照)の内面に当接する凸条362が左右方向に突設されている。
図16に示すように、リール中継基板ケース370は、各リール2L、2C、2Rのリールモータ32L、32C、32R及びリールセンサ33L、33C、33Rと遊技制御基板40とを中継するリール中継基板430と、各リール2L、2C、2RのリールLED55と演出制御基板90とを中継するリールLED中継基板431と、を収納する透明な合成樹脂材からなる基板ベース440及び基板カバー441から構成されている。
リール中継基板430は、リールモータ32L、32C、32R及びリールセンサ33L、33C、33Rに接続された配線に設けられたコネクタ(図示略)が接続される基板側コネクタ432aと、遊技制御基板40に接続される配線に設けられたコネクタ(図示略)が接続される基板側コネクタ432bと、が上面430aに配設される。
リールLED中継基板431は、リールLED55に接続された配線に設けられたコネクタ(図示略)が接続される基板側コネクタ433aと、演出制御基板90に接続される配線に設けられたコネクタ(図示略)が接続される基板側コネクタ433bと、が上面431aにおける左右側に配設される。
次に、リール体200Lについて説明する。尚、リール体200C、200Rはリール体200Cと同様の構造であるため、ここではリール体200Lについてのみ説明してリール体200C、200Rの説明は省略する。
図18に示すように、リール2Lは、一面に複数種類の図柄が所定の順番で配列された帯状のリールシート400と、該リールシート400の左右端部を保持する円環状の保持枠401、402(リールホイールとも言う)と、から構成されている。保持枠401は、リールモータ32Lのロータ32dに相対回転不能に固着される円形状のリール取付盤405(表示帯取付部材)に複数のネジ405c(図18では一部を省略している)により、相対回動不能に取り付けられる円形状の取付板401aと、取付板401aから放射状に延設される複数の連結片401cに固定される環状部401bと、から構成される。保持枠402は、環状部のみにて構成される。また、図18では、図示していないが、保持枠401と保持枠402とを一体的に連結させるための一体化部材が、保持枠401と保持枠402に設けられている。保持枠401と保持枠402とを一体的に連結させることにより、環状部401bおよび保持枠402各々を上底面および下底面とする円柱形状が形成される。リール2Lは、一体的に連結された環状部401bおよび保持枠402各々の外周面にリールシート400を貼付することにより完成する。リール2Cおよびリール2Rについても同様である。
保持枠401の環状部401bは、リール取付盤405に対し左方向にずれた位置に配置されているため、連結片401cはリール取付盤405の外周縁から左側の保持枠401に向けて傾斜するように延設されている(例えば、図22参照)。このように、リール2Lは、左右幅方向の左端部側のみが保持枠401を介してロータ32dに固定されているため、片持ちで支持されている。
図19〜図23に示すように、リール支持板350Lは、合成樹脂材により板状に形成され、前端辺部は、側面視でリール2Lと同心をなし、かつ、該リール2Lよりも直径が小さい同心円の円弧形状に形成されており、この円弧状の前端辺部には、各リール2L、2C、2Rをリールボックス351に組み付けたときにおいて各リール2L、2C、2R間に形成される隙間を隠蔽する帯状のリール間隠蔽片410が、板状部の前端辺の長手方向に亘り該板状部に対し直交するように形成されている。
リール支持板350Lの上辺部におけるリール間隠蔽片410の後端から後側に離れた位置には、リールボックス351に取り付けるネジ353aの取付穴411aを有する取付片411が上向きに突設されているとともに、下部には、リールボックス351に取り付けるネジ354aの取付穴412aを有する取付片412が突設されている。また、後端面には、リールボックス351の凹溝358に嵌合される凸部413が後向きに突設されているとともに、該凸部413の後端中央位置には、差込片359が差し込まれる水平なスリット414が形成されている。
下側の取付片412は、上側の取付片411よりも前面側(遊技者側)に配設されている。つまり、前述したように、リールボックス351の前面開口は上側に向けて背面側に傾倒するように形成されており、取付凹部354L、354C、354Rが取付凹部353L、353C、353Rよりも前面側(遊技者側)に配設されているのに対応している。このように構成されることで、組み付けられたリール2L、2C、2Rの前上部が前下部よりも大きく露呈する。そして、リール2L、2C、2Rは透視窓3の上方から下方に向けて図柄が移動するように縦回転するため、遊技者はリール2L、2C、2Rの前上部にて手前側に移動してくる図柄を見やすくなるので、図柄を狙いやすくなる。
リール支持板350Lの左側面略中央位置には、リールモータ32Lが取り付けられる直方形状をなすモータ取付凸部415が、リール支持板350Lの左側面350aに突設されており、このモータ取付凸部415の取付面415bには、リールモータ32Lが、ロータ32dが左側を向くように右側方からネジ415aにより取り付けられている。
モータ取付凸部415は、特に図20及び図22に示すように、リール支持板350Lの成型時において板状部の一部をリール2L側に隆起させることにより該板状部と一体に形成されていることで、右側面350bにおけるモータ取付凸部415に対応する位置にはモータ取付凹部415Hが形成されている。このように、リール支持板350Lの左側面350aにモータ取付凸部415が凸設されることで、これらモータ取付凸部415の側周壁が、左側面350aに対して立設するリブとして機能するため、リブ等を別途形成することなく、板状部の強度が高められている。
また、取付面415bの中央には、リールモータ32L放熱用の円形の放熱孔415cが形成されている。また、取付面415bの周縁には、リールモータ32Lの取付位置を決定するための位置決め枠415dが環状に凸設されている。
モータ取付凸部415の前方には、LEDユニット55Lが取り付けられるLEDユニット取付凸部418が、リール支持板350Lの左側面350aに突設されており、このLEDユニット取付凸部418の取付面418bには、LEDユニット55Lが、左側方からネジ418aにより取り付けられている。
LEDユニット取付凸部418は、特に図20及び図23に示すように、リール支持板350Lの成型時において板状部の一部をリール2L側に隆起させることにより該板状部と一体に形成されていることで、右側面350bにおけるLEDユニット取付凸部418に対応する位置にはLED取付凹部418Hが形成されている。このように、リール支持板350Lの左側面350aにLEDユニット取付凸部418が凸設されることで、これらLEDユニット取付凸部418の側周壁が、左側面350aに対して立設するリブとして機能するため、リブ等を別途形成することなく、板状部の強度が高められている。
リールLED55は、リフレクタ417と、前面の上段、中段、下段それぞれに、照射手段としての左右一対のリールLED55が配設されたリールLED基板416と、から構成され、リフレクタ417の背面には、リールLED基板416がネジ416aにより取り付けられている。
リフレクタ417は、上段の2つのリールLED55を前方に臨ませる上穴、中段の2つのリールLED55を前方に臨ませる中穴、下段の2つのリールLED55を前方に臨ませる下穴がそれぞれ背面に形成されるとともに、各穴間を区画する2枚の区画板により上・中・下段に区画されており、リール2Lにおける可変表示領域における上段の図柄、中段の図柄、下段の図柄それぞれを、リール2Lの内側、つまり、リールシート400の背面側から前方に向けて個別に照射できるようになっている。
LEDユニット取付凸部418は、モータ取付凸部415から所定の隙間を隔てた前方位置に形成されており、これらモータ取付凸部415とLEDユニット取付凸部418との間には、補強用凸部425がモータ取付凸部415とLEDユニット取付凸部418とを連結するように形成されている。
補強用凸部425は、特に図20及び図23に示すように、リール支持板350Lの成型時において板状部の一部をリール2L側に隆起させることにより該板状部と一体に形成されていることで、右側面350bにおける補強用凸部425に対応する位置には補強用凹部425Hが形成されている。このように、リール支持板350Lの左側面350aにおけるモータ取付凸部415とLEDユニット取付凸部418との間を連結するように補強用凸部425が凸設されることで、板状部におけるモータ取付凸部415とLEDユニット取付凸部418との間の強度が高められるため、板状部の成型精度や撓みやリールモータ32Lの駆動による振動などによって、モータ取付凸部415の取付面415bに対するLEDユニット取付凸部418の取付面418bの向きに変化が生じてしまうことが回避される。
つまり、取付面415bに対する取付面418bの向きが変化すると、リールモータ32Lのロータ32dに対するリールLED55の照射方向に変化が生じ、これにより図柄に対するLEDの照射方向がずれてしまうため、モータとLEDとの位置関係を好適に維持することが可能となる。
また、リール支持板350Lの右側面350bには、補強用のリブ426が複数立設されており、リール支持板350Lの板状部の成型時の変形や振動による撓みなどが防止されている。特に、モータ取付凹部415HとLEDユニット取付凹部418Hとの間には、上下方向を向くリブ426が補強用凹部425Hを横切るように立設され、補強用凹部425Hによる曲げ強度が補強されている。
モータ取付凸部415は、取付面415bがリール支持板350Lの左側面350aに対し突出幅L1だけ離れた位置に配置される高さを有するように左側面350aに凸設されている。
LEDユニット取付凸部418は、取付面418bがリール支持板350Lの左側面350aに対し、突出幅L1よりも短寸の突出幅L2だけ離れた位置に配置される高さを有するように左側面350aに凸設されている(L1>L2)。つまり、モータ取付凸部415は、左側面350aに対する突出幅L1は差幅L3(L3=L1−L2)分だけ、LEDユニット取付凸部418の突出幅L2よりも大きい。
補強用凸部425は、左側面がリール支持板350Lの左側面350aに対し突出幅L2よりも短寸の離間幅L4だけ離れた位置に配置される高さを有するように左側面350aに凸設されている(L2>L4)。
尚、モータ取付凸部415及びLEDユニット取付凸部418は、リールLED55の照射方向が若干上向きとなるように、リールモータ32Lのロータ32dを中心として前上向きに傾いた状態で配設されていることで、図24に示すように、遊技者の目線位置EP1に対してリールLED基板416が略直交する向き、つまり、透視窓3に対して略並行をなすように配設されている。つまり、設計上の基準とする目線位置EP1よりもロータ32dはやや下方に位置するため、ロータ32dと目線位置EP1とを結ぶ仮想線に対しモータ取付凸部415及びLEDユニット取付凸部418が略平行をなすように配設される。
また、これらモータ取付凸部415及びLEDユニット取付凸部418は、左側面350aにおけるリール2Lにより囲まれる領域に形成されている。つまり、リールモータ32L及びLEDユニット55Lは、環状のリール2L内に納まるように配設される。
図19及び図22に示すように、リールモータ32Lの本体32bにおけるリール取付盤405との対向面32cには、ロータ32dが突出されているとともに、リールセンサ33Lを取り付けるための金属製のセンサ取付板480(検出手段取付板)がネジ481により取りけられている。センサ取付板480は、対向面32cに取り付けられる第1取付板部480aと、リールセンサ33Lが取り付けられる第2取付板部480bと、第1取付板部480aと第2取付板部480bとを連設する段部480cと、から構成され、第2取付板部480bは、段部480cを介して第1取付板部480aよりも右側、つまり、リール取付盤405から離れた位置に配置されている。尚、段部480cの段差幅L5は約2mmとされている。
第1取付板部480aには、ロータ32dを避けるための切欠部482が形成されており、ロータ32dにリール取付盤405を取り付けた状態でも、該リール取付盤405と対向面32cとの間に側方から差し込んで該対向面32cにネジ止めすることができるようになっている。また、第1取付板部480aは、本体32bに対し第2取付板部480bが上方に位置するように取り付けられる。
第2取付板部480bには、一対の取付孔483が、ロータ32dを通過する仮想線に対して平行に形成されており、これら取付孔483にリールセンサ33Lの係止爪を係止することで、配線C1が外向き、つまり、ロータ32dと反対側に延出されるように取り付けできるようになっている。一対の取付孔483は、リールセンサ33Lの投光部及び受光部に対応する箇所に形成される。
取付孔483の側方には、リールセンサ33Lから外向きに延出される配線C1をロータ32d側に向けた状態で抑える配線フック485と、該配線フック485により抑えられた配線C1をリール支持板350L側(右側)に挿通するための配線孔484が形成されている。このように、配線C1を、リールモータ32Lの外側に向けて延出した後、内側に折返し配線フック485により押えてから右側に送出するので、リール取付盤405と干渉しないように取り付けることができる。
リール取付盤405は、円盤状をなすリール取付部405aと、リール取付部405aの周縁からリールモータ32L側に屈曲された円環状の屈曲片部405bと、から構成される。リール取付部405aの中心位置には、貫通孔部406が右側に向けて延設され、該貫通孔部406には、ロータ32dが相対回動不能に圧入により固定されている。また、リール取付部405aには、複数の小径孔407aと大径孔407bとが複数形成され、軽量化が図られている。尚、複数の小径孔407aは、前述したネジ481に対応するように形成されているため、小径孔407aの左側方からドライバー等の工具を差し込むことでネジ481を取り付けできるようになっている。
屈曲片部405bの所定箇所には、リールセンサ33Lにより検出される被検出部としての切欠部408が形成されている。よって、ロータ32dにリール取付盤405が圧入により固定した後、センサ取付板480を対向面32cに取り付けることで、リールセンサ33Lの投光部と受光部との間に屈曲片部405bが入り込む。よって、リール取付盤405の回動により切欠部408が周回することで、リールセンサ33Lにより被検出部としての切欠部408が検出される。これにより、リール2Lの基準位置を検出できるようになっている。
このように本実施の形態では、被検出部としての切欠部408が、ロータ32dに相対回動不能に固定された金属製のリール取付盤405に形成されるとともに、リールセンサ33Lが、リールモータ32Lの本体32bに直接取り付けられたセンサ取付板480に取り付けられている。すなわち、検出部としてのリールセンサ33Lと被検出部としての切欠部408とは、共通のリールモータ32Lにそれぞれ取り付けられているので、リールセンサ33Lと切欠部408との間に位置ずれが発生しにくいため、基準位置を正確に検出することができ、これにより、ゲームの実行やリール演出の実行に伴うリールの変動並びに停止を正確に行うことができる。
また、切欠部408は、リール2Lを構成する合成樹脂材の保持枠401でなく、リール2Lをロータ32dに相対回動不能に固定するための金属製のリール取付盤405に形成されていることで、ロータ32dから極力離れない箇所で基準位置検出が行なわれるため、例えば保持枠401の変形などによる検出誤差などが発生しにくい。
また、リールセンサ33Lを第2取付板部480bとリール取付盤405との間に配置するために、ロータ32dを伸ばしてリール取付盤405をリールモータ32Lの本体32bから遠ざける必要がないので、リールモータ32Lをコンパクト化できるばかりか、表示帯を安定して回動できる。特に、第2取付板部480bが本体32bの外側に配置されるので、リール取付盤405を本体32bに近づけてもその分、リールセンサ33Lを逃すことができるため、リールセンサ33Lの大きさに関係なく、リール取付盤405をロータ32dに固定することができる。
図18及び図19に示すように、リール支持板350Lの左側面350aにおけるモータ取付凸部415の上方位置には、リールLED基板416に接続される配線C2を係止するための配線フック419が形成されているとともに、その後側には、リールLED基板416に接続される配線C2と、リールモータ32L及びリールセンサ33Lそれぞれに接続される配線が収束された配線C1と、をまとめて右側に挿通するための配線穴420が形成されている。
また、図16や図24に示すように、配線穴420からリール支持板350Lの右側に挿通された配線C1、C2は、取付片411とリール間隠蔽片410の後端との間から上方に向けて送出された状態で、右側面350bにネジ421aにより取り付けられる配線押え421により保持される。つまり、配線C1、C2は、リール支持板350Lの右側面350b側から上方に挿通して、リールボックス351のフランジ片352の近傍位置に上下方向に配線され、リールボックス351の前面開口の上辺よりも前側位置から上方に送出され、リールボックス351の上面351aに取り付けられたリール中継基板430に接続される。
このように、配線C1、C2をリール支持板350Lの右側面350b側に挿通してからリール支持板350Lの右側面350b側から上方に挿通することで、リール支持板350Lにより支持されるリール2Lに配線C1、C2を干渉させることなく上方に挿通させることができる。尚、右側には右隣りのリール2Cが存在するが、各リール体200L、200C、200Rをリールボックス351に対し組み付け可能としていることで、隣りのリール体2Cとの間には多少の隙間を持たせる必要があるため、配線C1、C2を干渉させることなく上方に挿通させやすい。一方、リール支持板350Lとリール2Lとの間を極力近づけることができるので、リール間の隙間を最小限に抑えることができ、その分、リール幅を増加することが可能となる。
図24に示すように、配線押え421の配置位置は、リール支持板350Lの上端におけるリール2Lの回動中心P1よりも僅かに後方位置であるため、配線C1、C2を遊技者が通常の目線位置EP1から見た場合だけでなく、該目線位置EP1よりも低い目線位置EP2から覗き込むように見た場合でも目立たない場所でリール2L、2C、2R間上部から上方に送出することができる。また、この配線C1、C2を上方に送出する部分にはリール間隠蔽片410が存在しないので、この隙間からリールモータ32Lの熱を上方に効率良く逃がすことができる。特に近年においては、リール2Lを順方向に回転させるだけでなく、演出として逆方向に回転させたり微振動させたりすることがあり、これによりリールモータ32Lが熱を持ちやすいため、発生した熱を図24中白矢印で示す方向に効率良くリール外部に放出することで、熱だれなどによる誤動作等を防止できる。
各リール2L、2C、2R及びリール中継基板ケース370が一体的に組み付けられたリールボックス351は、図23に示すように、背板1gに設けられた下リール支持金具314に下係止片361を上方から差し込んで係止することで、背板1gの内面に背面351bを近接させた状態で保持される。また、保持された状態において、凸条362の背面が背板1gの背面に当接され、背板1gに対して背面351bが平行に保持されるとともに、左右の上係止片360a、360bが上リール支持金具311の左右の押え片(図示略)の前面に配置されるため、押え爪(図示略)を回転させて上係止片360a、360bを押え片(図示略)との間に挟持することで、リールボックス351が安定的に保持される。
また、リールユニット2は、リール2L、2C、2Rの前面側に形成される可変表示領域を透視窓3に臨ませるように、背板1gの内面に取り付けられる。また、このリールユニット2の上方位置には、透視窓3の上方に設けられる演出用透視窓を構成する上部パネル112に内部装置を臨ませるように前面扉1bの背面に取り付けられる演出装置ユニット70が配設される。
リールボックス351は、リール2L、2C、2Rの後部側を覆うように配置されることで、上面351aがリール2L、2C、2Rの頂部よりも背面側に配置されるとともに、リールボックス351は背板1gの内面に背面351bを近接させた状態で保持されるため、上面351aは、筐体1aにおける前後方向の中央位置よりも背板1g寄りに配置される。
このように本実施の形態では、リール2L、2C、2Rの幅寸法の変更に応じてリールLED55の配置位置を変更した場合でも、リールモータ32L、32C、32Rが予めリール支持板350L、350C、350Rの一側面から離れた位置に設けられていることで、リールLED55との位置関係が大きく変わることがない。よって、リールモータ32L、32C、32RとリールLED55との位置関係を極力変えることなく、リール2L、2C、2Rの幅寸法の変更に容易に対応することができる。
具体的には、例えば図25(A)に示すように、リールモータ32Lをリール支持板350の左側面350aに直接取り付ける場合、上図の幅広リール2LAとする場合と、下図の幅狭リール2LAとする場合とで、リール2LAの可変表示領域における左右幅方向の中央を通過する基準線Pの位置がずれることになる。つまり、リールモータ32Lは、リールの幅方向におけるリール支持板350L側に偏った位置に固定されるため、リール支持板350Lを基準とし、その反対側を伸縮させることでしかリール2LA幅を変更できないため、保持枠401の左右幅を変えるなどしてリール幅を変更すると、リールモータ32Lに対するLEDユニット55Lの相対位置が変化してしまう。
これに対し、本実施の形態のリール2Lは、図25(B)に示すように、リールモータ32Lがリール支持板350の左側面350aに突設されたモータ取付凸部415の取付面415bに取り付けられていることで、上図の幅広リール2Lとする場合と、下図の幅狭リール2Lとする場合とで、リール2Lの可変表示領域における左右幅方向の中央を通過する基準線Pの位置がずれることがない。つまり、リールモータ32Lは、リール支持板350Lの左側面350aから離れた位置に固定されていることで、リール2Lの幅方向の中央位置に近づくため、リール2Lは、基準線Pを中心として左右双方向に伸縮させることができ、これにより、保持枠401の左右幅を変えるなどしてリール幅を変更しても、リールモータ32Lに対するLEDユニット55Lの相対位置が変化することがない。
よって、リールモータ32LとLEDユニット55Lとの相対位置関係を変化させることなくリール2L幅を変更することができるとともに、リールモータ32Lのリール幅方向の配置位置がずれてリールの回動バランス等が変わることがない。特に、図25(A)の幅広リールのように、リール支持板350Lから離れる方向にリール幅を広げると、保持枠401の幅寸法が長くなるので、リールの停止時や逆回動時において保持枠401にかかる負荷が大きくなり、停止時においてバウンド等が発生しやすくなるが、本実施の形態のリール2Lは、左右方向に同じように伸縮できるため、上記のような問題が生じにくい。
また、リール幅の変更に応じて保持枠401の左右幅が大きくなりすぎる、つまり、連結片401cの長さが増大することを回避できるので、リール停止時に生じる連結片401cの変形などによりリールに微振動が生じることを防止できる。
また、リールモータ32Lがリール支持板350の左側面350aに突設されたモータ取付凸部415の取付面415bに取り付けられていることで、左側面350aに直接取り付ける場合に比べて、取付面415bの強度が高まるため、リールモータ32Lの駆動やリール停止による振動等が生じにくい。
また、前記実施例では、リールモータ32Lがリール支持板350の左側面350aに突設されたモータ取付凸部415の取付面415bに取り付けられていたが、左側面350aから離れた位置に設けられていれば良く、例えば、左側面350aに別部材のスペーサ等を設け、該スペーサの左側面に取り付けても良い。さらに、モータ取付凸部415の反対面にはモータ取付凹部415Hが形成されていたが、肉厚に形成しても良い。
また、前記実施例では、LEDユニット55L、55C、55Rを取り付けるためのLEDユニット取付凸部418が突設されていたが、LEDユニット55L、55C、55Rは左側面350aに直接取り付けられていても良い。
さらに、左側面350aの複数個所に突設した複数の取付用ボス(図示略)等の端面にリールモータ32Lを取り付けても良い。
[リールシート400について]
次に、図26を用いて、リールシート400について説明する。ここでは、左リール2Lのリールシート400Lについて説明するが、他のリール2C、2Rのリールシート400C、400Rについて構成は同様である。リールシート400は、環状に湾曲可能な帯状の透明部材に対して、図柄が印刷された帯状の図柄シートが長手方向に沿って接着されることにより形成される。リールシート400の図柄については、有色インク等で印刷され(たとえば、ベル図柄であれば黄色で印刷され)、図柄以外の部分については、所定の色(本実施の形態では白色)インクなどで印刷されている。つまり、白色を背景とし、所定間隔で図柄が描かれたリールシート400が形成される。
さらに、本実施の形態では、「7」図柄(網7、黒7、白7)に、透過部502が設けられる。本実施の形態の透過部502は星形形状である。透過部502は、透過部502以外の部分よりも、透過率(透過度)が高くなる処理が施されている(図31参照)。したがって、リールLED55Lから照射された光の透過する光量は、透過部502の方が、透過部502以外の部分よりも多くなる。このため、「7」図柄に照射されたときには、透過部502が光っているように、遊技者に視認させることができる。
さらに、透過部502は縮み印刷により形成されている。縮み印刷とは、図柄の表面にシワを発生させることにより、光の乱反射を生じさせる印刷手法である。したがって、LEDユニット55Lから透過部502に光が照射されることにより、当該光が乱反射され透過部502を輝かせて(つまり、星がキラキラするように)遊技者に視認させることができる。透過部502については、透過部502以外の部分よりも透過率が高ければよく、縮み印刷を施さないようにしてもよい。
リールシート400Lの両端のうち、図柄番号が「0」の図柄(「スイカ」図柄)側の端を「一端505」とし、図柄番号が「20」の図柄(「ベル」図柄)側の端部を「他端504」とする。また、リールシート400の全領域は、全体図柄領域512と余り領域508Xとを含む。全体図柄領域512は、図柄が印刷される範囲内の領域である。また、余り領域508Xは、リールシート400の全領域のうち、一端505側の領域である。本実施の形態では、余り領域508Xは、図柄が印刷されていない領域である。
次に、各図柄の図柄領域について説明する。図柄領域は、各図柄が描かれる仮想的な(つまり、遊技者などからは視認できない)領域である。図柄領域は、全体図柄領域512の長手方向において、図柄の総数(本実施の形態では21個)で分割した矩形上の領域であり、全ての図柄領域は、同一の形状である。図柄領域の横辺の長さはリールシート400の幅となり、図柄領域の縦辺の長さは、全体図柄領域512の長手方向の長さを図柄の総数で分割した長さとなる。図柄シートの各図柄領域の中央に各図柄が形成されることで、各図柄を均等に(つまり、隣接する図柄間の距離を同一に)印刷することができる。
図26に示すように、たとえば、図柄番号20のベル図柄の図柄領域は、図柄領域513Xである。また、リールシート400のうち、余り領域508Xを有する箇所を「余り部508」とし、図柄領域513Xを有する箇所を「他端部513」とする。なお、図柄領域513Xの下辺を示す線は図柄領域513Xを特定しやすくするために、記載したものであり、実際には線は描かれていない。
次に、余り領域508Xの詳細について説明する。余り領域508Xは、他端504側に設けられた着色領域508Cと、一端505側に設けられた透明領域508Dとを含む。着色領域508Cは、全体図柄領域512における装飾と同じ装飾が施された領域であり、つまり、図柄そのものが形成されている領域以外の領域の色(白色)と同一の色が着色(装飾)されている領域である。また、透明領域508Dは着色(装飾)されておらず、透明となっている。該透明領域508Dは、透明部材の一部である。また、図柄シートの図柄が印刷されている領域は、全体図柄領域512と着色領域508Cに相当する。つまり、図柄シートの長手方向の長さを、透明部材の長手方向の長さよりも短くすることができるので、該図柄シートのコストを削減できる。また、透明部材の長手方向の長さは、図柄シートの長手方向の長さ以上であればよい。
また、全体図柄領域512と着色領域508Cとの境界線を「第1ライン508A」とし、着色領域508Cと透明領域508Dとの境界線を「第2ライン508B」という。なお、第1ライン508Aおよび第2ライン508Bは、着色領域508Cと、透明領域508Dとを特定しやすくするために記載したものであり、実際には第1ライン508Aおよび第2ライン508Bは描かれていない。
また、互いに隣接する図柄と図柄の間(たとえば、隣接する図柄領域において一致する辺上)であり、かつリールシート400Lの側方には、図柄とは別の装飾図柄506が印刷されている。図26の例では、装飾図柄506は、黒塗りされた菱形である。また、リールシート400Lの他端504には、装飾図柄506の下半分である第1装飾図柄506aが印刷されている。第1装飾図柄506aは、装飾図柄506の下半分であることから、三角形状である。図26の例では、該三角形状の一辺が、他端504の辺上に位置するように第1装飾図柄506aは印刷されている。また、着色領域508Cには、装飾図柄の上半分である第2装飾図柄506bが印刷されている。第1装飾図柄506aは、装飾図柄506の下半分であることから、三角形状である。図26の例では、該三角形状の一辺が、第2ライン508B上に位置するように第2装飾図柄506bは印刷されている。
[リールシート400の巻き付け処理]
次に、図27を用いて、リールシート400の巻き付け方について説明する。リールシート400の巻き付けは、作業員が手作業で実行するようにしてもよく、巻き付け装置により自動的に実行するようにしてもよい。本実施の形態では、作業員により手作業でリールシート400の巻き付けを行う一例について説明する。また、リールシート400の長手方向に沿って、両側方の縁であって、保持枠401、402に接着される位置に接着部が設けられている。ここで、接着部とは、接着剤や、両面テープなどである。
次に、リールシート400の巻き付け処理の流れについて説明する。まず、作業台の上に、全体図柄領域512の面が下向きになるようにリールシート400を広げて載置する。そして、保持枠401の環状部401bに付加された目印401d(図27参照)と、一端505とを一致させて、リールシート400の一側方と、環状部401bの外周部分とが、接着部により接着されるように、作業員が、リールシート400の延伸方向に保持枠401を転動させる。また、保持枠401を転動させることで、保持枠402も一体的に転動することから、リールシート400の他側方に設けられた接着部により、リールシート400の他側方と、保持枠402の環状部分とも接着される。
そして、図27に示されるように、他端部513が余り部508よりも外側(上側)になるように、該他端部513と余り部508とが重ねられてリールシート400Lは巻かれる。つまり、図柄領域に描かれた図柄が外向きになるように、リールシート400はリール枠に対して環状に巻かれる。他端部513の図柄領域に描かれたベル図柄は、外側に臨むようになる。また、「余り部508の両面のうち、他端部513と対向する面(余り領域508Xの面)」、および「他端部513の両面のうち、ベル図柄が描かれている面と反対側の面」のうち少なくとも一方に接着部が設けられる。本実施の形態では、透明領域508Dに接着部が形成されて、該接着部により、図柄領域513Xが余り領域508Xと接着されて、リールシート400は、の保持枠401、402に巻かれる。
[位置ずれの検査方法について]
次に、各リール2L、2C、2Rの位置ずれの検査方法について説明する。図28、29は、リールシート400と、該リールシート400が環状に巻かれた保持枠401、402との側面図、斜視図である。リールシート400には、図28及び図29に示すように、該リールシート400の余り部508と他端部513とが重ねられることにより継ぎ目400aおよび重複部分422が形成される。
また、リールシート400は、保持枠401、402に対してその継ぎ目400aが特定の位置となるように取り付けられる。詳しくは、図28に示すように、保持枠401をリール取付盤405に相対回動不能に取り付け、さらにリール取付盤405をリールモータ32Lのロータ32dに相対回動不能に取り付け、リールユニット2を構成するリールボックス351に組み付けられた状態で、リール2Lが、リールセンサ33Lによってリール2Lの特定箇所(切欠部408)が検出される基準状態になった場合に、前面扉1bに形成された透視窓3を透して継ぎ目400aが視認可能となる位置となるようにリールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられる。
リール2Cについても同様であり、保持枠401をリール取付盤405に相対回動不能に取り付け、さらにリール取付盤405をリールモータ32Cのロータ32dに相対回動不能に取り付け、リールユニット2を構成するリールボックス351に組み付けられた状態で、リール2Cが、リールセンサ33Cによってリール2Lの特定箇所(切欠部408)が検出される基準状態になった場合に、前面扉1bに形成された透視窓3を透して継ぎ目400aが視認可能となる位置となるようにリールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられる。
リール2Rについても同様であり、保持枠401をリール取付盤405に相対回動不能に取り付け、さらにリール取付盤405をリールモータ32Rのロータ32dに相対回動不能に取り付け、リールユニット2を構成するリールボックス351に組み付けられた状態で、リール2Rが、リールセンサ33Rによってリール2Rの特定箇所(切欠部408)が検出される基準状態になった場合に、前面扉1bに形成された透視窓3を透して継ぎ目400aが視認可能となる位置となるようにリールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられる。
このため、図29に示すように、リール2L、2C、2Rがそれぞれ基準状態になった場合に、リール2L、2C、2Rそれぞれの継ぎ目400aが、リールボックス351に被覆されることなく視認可能となる位置であり、かつリールユニット2を筐体1aに取り付けて、前面扉1bによりその開放面を閉塞した状態において、前面扉1bに形成された透視窓3を透して視認可能となる位置に、一直線上に並ぶようになっている。
次に、リールシート400の位置ずれを発見するための検査方法について説明する。スロットマシン1の製造工程においてリールユニット2を筐体1aに取り付ける前にリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを検査する場合には、リール2L、2C、2Rをリールボックス351に組み付けた状態で、リールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405の切欠部408と、を一致させる。すなわちリール2L、2C、2Rの継ぎ目400aが特定の位置となるようにリール2L、2C、2Rを移動させる。この際、リールセンサ33L、33C、33Rにより切欠部408が検出されるまでリールモータ32L、32C、32Rに対して駆動信号を入力させることによりリールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405の切欠部408と、を一致させることができる。
そして、上記のリールユニット2を規定の位置に配置し、レーザーラインを照射する。この際、レーザーラインは、リールユニット2に組み付けられたリール2L、2C、2Rが、リールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405の切欠部408と、を一致させた場合にその継ぎ目400aが位置すべき位置を直線上に照射するようになっており、継ぎ目400aの位置と、レーザーラインが照射する位置と、を比較することにより、一致しなければリールシート400と保持枠401、402との位置ずれが生じていることを発見できる。なお、図28記載の検査器具については、変形例で説明する。
[第1ライン508A、および第2ライン508Bについて]
次に、第1ライン508Aおよび第2ライン508Bについて説明する。本実施の形態では、作業員の手作業により、各リール2L、2C、2Rのリールシートが保持枠401、402に巻かれるとして説明した。したがって、作業員の技量により、リールシート400を適切に巻けない場合がある。図30(A)は、リールシート400が適切に巻けられた場合の継ぎ目400a付近を示した図であり、図30(B)は、リールシート400が適切に巻けなかった場合の継ぎ目400a付近を示した図である。
本実施の形態では、図30(A)に示すように、リールシート400の適切な巻き方は、リールシートの他端504と、第1ライン508Aとが一致するような巻き方である。このような適切な巻き方がされることにより、隣接する図柄間の間隔を全て等しくすることができる。しかし、作業レベルが低い作業員によっては、適切に巻けない場合がある(不適切に巻く場合がある)。たとえば、リールシートの他端504と、第1ライン508Aとが一致せずに、リールシート400が巻かれる場合がある。たとえば、リールシート400不適切な巻き方として、該他端504と第2ライン508Bとが一致して巻かれる場合がある。このように不適切な巻き方がされた場合であっても、図30(B)に示すように、全体図柄領域512と同一の着色が施されている着色領域508Cが露出されることから、リールシート400が不自然に見えることを防止できる。
なお、他端504と第2ライン508Bとが一致して、リールシート400が巻かれた場合には、図柄番号20のベル図柄と図柄番号0のスイカ図柄との距離と、他の図柄番号の隣接する図柄間の距離とが異なるようになる。しかしながら、他端504と第2ライン508Bとが一致して、リールシート400が巻かれた場合には、第1装飾図柄506aと第2装飾図柄506bとが組み合わせられることにより、装飾図柄506が形成される。したがって、不適切な巻き方がされた場合であっても、このような距離が異なる事象により生じる不自然さを軽減できる。
なお、図30(A)に示すように、リールシート400が適切に巻かれた場合には、第2装飾図柄506bのみが露出されず、第1装飾図柄506aのみが露出される。遊技者は通常、リールの図柄に対して注目し、装飾図柄506については注目しない。したがって、リールシート400が適切に巻かれて、第2装飾図柄506bのみが露出されず、第1装飾図柄506aのみが露出されたとしても、リールシート400が不自然に見えることを防止できる。
また、他端504と、第1ライン508Aとが一致せず、他端504が、着色領域508C内に位置するようにリールシート400が巻き付けられたとしても、該他端504から第1ライン508Aまでの着色領域が露出されることになるから、リールシート400が不自然に見えることを防止できる。
[透過させるための加工について]
次に、図31を用いて、LEDユニット55から照射された光を透過させるための加工について説明する。図31(A)は、透過部502を有する「7」図柄を裏側から見た図であり、図31(B)は、透過部502を有さない図柄である「ベル」図柄を裏側から見た図である。
図31(A)に示すように、「7」図柄が描かれた全領域のうち、透過部502の領域については、フレーム550が施されていないが、透過部502以外の領域については、フレーム550が施されている。フレーム550とは、LEDユニット55からの光の透過率を下げる部材である。したがって、透過部502の領域では、当該透過部502以外の領域よりも光の透過率を向上させることができる。また、透過部502については、縮み印刷が施されていることから、LEDユニット55から照射された光を透過部502において乱反射させることができ、透過部502を輝かせて遊技者に視認させることができる。一方、「7」図柄以外の図柄(図31(B)の例では、ベル図柄)は、透過部502を有さないことから、全ての領域においてフレーム550が施される。
なお、フレーム550の施し方については、まず、図柄シートの全体図柄領域512に対して、図柄を印刷した後に、図柄シートを反転させて、各図柄の輪郭をかたどったフレーム550を該図柄と同座標に印刷する(各図柄の裏側をフレームで被覆する)ようにしてもよい。また、図柄の印刷とフレームの印刷を同時に行う(つまり、図柄とフレームとの両面印刷)ようにしてもよい。また、図柄シートの全体図柄領域512に対して、図柄を印刷した後に、作業員などによる手作業で、各図柄の輪郭をかたどったフレーム550を張り付ける(各図柄の裏側をフレームで被覆する)ようにしてもよい。また、図31の例では、各図柄の輪郭をかたどったフレーム550を用いた例を説明しているが、たとえば、1のフレームで全ての図柄を被覆するようにしてもよい。
1のフレームとは、たとえば、全体図柄領域512と同一の形状のフレームである。また、透明部材をフレームとして、図柄シートを貼り付けるようにしてもよい。これらの構成であっても、該フレームをくり抜くなどをして透過部502を形成するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、フレームを形成することにより、光の透過率を低下させるとして説明したが、光の透過率を向上させるようなフレームを形成させるようにしてもよい。
[リールシート400の重複部分422について]
次に、図32を用いて、リールシート400の重複部分422において、図柄領域513Xと余り領域508Xの関係について説明する。図32の例において、太線は、リールシート400の重複部分422を示している。本実施の形態では、図32(A)に示すように図柄領域513Xの面積と余り領域508Xの面積とが等しく設計されている。また、本実施の形態では、余り領域508Xの全領域に接着部が形成されて、該接着部により、余り部508が他端部513に接着される。図32(B)、(C)については変形例で説明する。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 本実施の形態では、図27に示されるように、余り部508(余り領域508X)の上に、他端部513(図柄領域513X)が重なるように、リールシート400は、保持枠401および402に巻かれる。環状に巻かれたリールシート400のうち、重複部分422については、余り部508および他端部513の二重構造になっていることから、重複部分422とは異なる部分(重複されていない部分)よりも光の透過率が低い。そこで、本実施の形態においては、重複部分422を形成している他端部513(図柄領域513X)には、透過部502を有さない図柄であるベル図柄510が描かれている。したがって、LEDユニット55から光を照射させたときの効果を損なわれることを防止することができる。
また、重複部分422以外の箇所(つまり、重複部分422よりも透過率が高い箇所)の所定位置には、透過部502を有する図柄(「7」図柄)が描かれている。したがって、透過部502を有する図柄に対して、LEDユニット55から光が照射されたときには、高い透過率で透過部502から当該光を透過させることができるので、「7」図柄を遊技者に綺麗に視認させることができ、LEDユニット55からの光を有効に活用することができる。さらに、本実施の形態では、透過部502については、縮み印刷で印刷されている。したがって、透過部502を輝かせて視認させることができる。
(2) 本実施の形態では、図32(A)に示すように、図柄領域513Xの面積と余り領域508Xの面積とが等しく設計されており、余り領域の全領域に接着部が形成される。したがって、リールシート400の他端部513と余り部508とを堅固に固定することができる。
(3) 本実施の形態では、透過部502を有する「7」図柄が描かれている領域の面積(つまり、「7」図柄の大きさ)は、透過部502を有さない図柄(「7」図柄以外の図柄)が描かれている領域の面積(つまり、「7」図柄以外の図柄の大きさ)よりも大きい。したがって、透過部502を有する図柄の方を、透過部502を有さない図柄よりも、遊技者に目立たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図柄が描かれている領域とは、図柄そのものの領域としてもよい。図柄そのものの領域とは、該図柄の輪郭形状の領域であり、たとえば、ベル図柄そのものの領域とは、ベルの輪郭形状の領域である。
(4) 本実施の形態では、リールシート400の一端505を目印401dに一致させて、リールシート400は環状に巻きつけられる。したがって、たとえば、作業員による手作業によりリールシートの巻き付け処理が実行されるときには、リールシート400の巻き付け開始位置を作業員に容易に認識させることができるので、リールシートの巻き付け処理の負担を軽減することができる。
また、リールシート400の一端505を目印401dに一致させて、リールシート400は環状に巻きつけられることにより、リール2L、2C、2Rそれぞれが基準状態であるときに、リール2L、2C、2Rそれぞれの継ぎ目400aを一直線上に並ぶように視認させることができる。したがって、位置ずれの検査方法の結果の信頼性を高めることができる。
(5) 本実施の形態の余り領域508Xは、着色領域508Cと透明領域508Dとを含む。したがって、リールシート400を適切に巻けなかったとしても(他端504と第2ライン508Bとが一致するように巻かれたとしても)、着色領域508Cが露出され得ることから、リールシート400が不自然に見えることを防止できる。また、リールシート400を適切に巻けなかったとしても、リールが基準状態になったときは、継ぎ目400aが視認可能となる位置となるように設計されることが好ましい。
また、余り領域508Xにおいて、着色領域508Cには装飾が施されている一方、透明領域508Dには、装飾が施されていない。したがって、装飾コストを削減することができる。
(6) 本実施の形態では、各リール2L、2C、2Rが基準状態のときには、各リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aが、一直線上となって(図29参照)、表示窓3から視認可能となる。したがって、該一直線上となった継ぎ目400aと、レーザーラインにて特定される正常位置とを比較することでリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを容易に発見することができる。
[変形例]
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。本発明は、上記の実施例に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例などについて説明する。また、前述した本実施形態で説明した技術事項、および、以下の変形例で説明する技術事項のうち少なくとも2つを組み合わせて実施するようにしてもよく、前述した本実施形態で説明した技術事項を以下の変形例で説明する技術事項に置換して実施するようにしてもよく、当該置換したものに対して、以下の変形例で説明する技術事項をさらに組み合わせて実施するようにしてもよい。
[透過度合いについて]
(1) 本実施の形態では、複数種類の図柄において、透過部502の有無により、透過度合いの差を設けるとして説明した。以下では、透過度合いが高い図柄を「透過度高図柄」とし、透過度合いが低い図柄を「透過度低図柄」とする。また、図柄領域513Xに描かれる図柄を「特定図柄」という。本実施の形態では、透過度高図柄は「7」図柄であるとし、透過度低図柄は「7」図柄以外の図柄であり、特定図柄は、透過度低図柄のうちから、所定の図柄(本実施の形態では図柄番号20の「ベル」図柄)であるとして説明した。しかし、複数種類の図柄において、透過度合いの差を設ける手法として以下の手法を用いるようにしてもよい。
第1の手法として、図柄全体での透過率により、透過度合いの差を設けるようにしてもよい。たとえば、透過度高図柄は図柄の全体的に透過率が高い図柄であり、透過度低図柄は図柄の全体的に透過率が低い図柄としてもよい。たとえば、透過度高図柄は、透過率が高くなるような所定のインクで印刷するようにしてもよく、また、図柄の裏に形成されるフレームの量(厚さ)を少なくしてもよい。また、透過度低図柄は、透過率が低くなるような所定のインクで印刷するようにしてもよく、また、図柄の裏に形成されるフレームの量(厚さ)を多くしてもよい。つまり、第1の手法を用いた場合には、全体的に透過率が低い図柄(透過度低図柄)が、他端部513に描かれ、全体的に透過率が高い図柄(透過度高図柄)が、図柄領域513X以外の全体図柄領域に描かれる。
また、透過率の高低は、所定の透過率よりも高いか否かにより決定してもよく、一の図柄の透過率と他の図柄の透過率とを比較して高いか否かを決定するようにしてもよい。また、透過率が高いか否かの判断は、LEDユニット55により図柄に対して光を照射して、検査員により目視で判断するようにしてもよく、当該照射された光を測定して測定結果から判断するようにしてもよい。
なお、透過度低図柄は、透過率が0%である図柄(つまり、LEDユニット55からの光が全く透過されない図柄)としてもよい。また、透過度高図柄は、透過率が100%である図柄(つまり、LEDユニット55からの光が全て透過される図柄)としてもよい。
第2の手法として、透過部の合計面積により、透過度合いの差を設けるようにしてもよい。たとえば、透過度高図柄は透過部の合計面積が大きい図柄であり、透過度低図柄は透過部の合計面積が小さい図柄である。つまり、第2の手法を用いた場合には、透過部の合計面積が小さい図柄(透過度低図柄)が、他端部513に描かれ、透過部の合計面積が大きい図柄(透過度高図柄)が、図柄領域513X以外の全体図柄領域に描かれる。
また、第3の手法として、透過部の数により、透過度合いの差を設けるようにしてもよい。たとえば、透過度高図柄は透過部の数が多い図柄であり、透過度低図柄は透過部の数が少ない図柄である。つまり、第3の手法を用いた場合には、透過部の数が少ない図柄(透過度低図柄)が、他端部513に描かれ、透過部の数が多い図柄(透過度高図柄)が、図柄領域513X以外の全体図柄領域に描かれる。
また、第1〜第3の手法、および、本実施の形態で説明した「透過部の有無」で判断した手法のうち、少なくとも2つを組み合わせた手法により、透過度低図柄および透過度高図柄を決定するようにしてもよい。この場合には、検査員などが目視などにより、光の透過具合を判断して、透過度低図柄および透過度高図柄を決定するようにしてもよい。
(2) 本実施の形態においては、特定図柄(他端部513に描かれる図柄)は、透過度合いが低い図柄(本実施の形態では、透過部502を有さない図柄)であるとして説明した。しかしながら、特定図柄は、透過度合いの大小に関わらず、縮み印刷がされていない図柄としてもよい。たとえば、複数種類の図柄が、透過部を有し、かつ縮み印刷がされている図柄と、透過部を有するが縮み印刷がされていない図柄とを含む場合には、特定図柄は、透過部を有するが縮み印刷がされていない図柄としてもよい。特定図柄が透過部を有するが縮み印刷がされていない図柄としても、LEDユニット55から光を照射させたときの効果を損なわないようにすることができる。
(3) 本実施の形態では、透過度高図柄は、「7」図柄であるとして説明した。しかし、透明度高図柄は、他の図柄(たとえば、「7」図柄)であってもよい。さらに、透明度高図柄は、導出されることで遊技者にとって有利な特典が付与される図柄であることが好ましい。ここで、該特典とは、ナビストック、所定役(小役など)の当選確率が向上するボーナス状態への移行など、遊技を行なうために用いる遊技用価値(賭けられたメダル枚数、打ち込まれた遊技球)に対し、遊技者に付与される遊技用価値の占める付与割合(メダルあるいは遊技球の払出率)に直接影響を及ぼす価値の付与としてもよい。その他の特典としては、遊技の進行上において遊技者にとって有益となる価値であってもよい。たとえば、非AT中であるもののATゲーム数をすでに獲得しておりATに制御されることが確定しているいわゆるAT潜伏中であるか否かを特定するための情報を報知するもの、あるいは報知されたときに所定の信頼度で実際にAT潜伏中となるように実行される情報(すなわちAT潜伏を示唆する潜伏示唆情報)を報知するものであってもよい。
また、特典としては、特典演出の実行(特別キャラクタ出現など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることで遊技機が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能なQRコード(登録商標)を表示などであってもよい。
[重複部分422について]
(1) 本実施の形態においては、図32(A)に示したように、余り領域508Xの面積と、図柄領域513Xの面積とを同一として、余り部508と他端部513とを重複させるとして説明した。しかしながら、図32(A)に限られず、図32(B)または(C)に示すような重複のさせ方であってもよい。なお、太線は重複部分422を示す。
図32(B)は、余り領域508Xの面積を、図柄領域513Xの面積よりも小さくした場合を示す図である。図32(B)に示すように、余り部508と他端部513とが重ねられた場合には、ベル図柄510の下(裏側)に、一端505が存在することになる。図32(B)に示すような重複の手法により、図32(A)の場合と比較して、余り部508を小さくすることができ、リールシート400のコストを削減することができる。
図32(C)は、余り領域の面積を、図柄領域513Xの面積よりも大きくした場合を示す図である。図32(B)に示すような重複の手法により、図32(A)の場合と比較して、重複部分422の面積を大きくすることができ、より堅固に固定することができる。
(2) また、本実施の形態においては、重複部分422を形成する他端部513に透過度合いの低い図柄を描くとして説明した。しかしながら、重複部分422を形成する他端部513に透過度合いの高い図柄を描いてもよい。この場合には、重複部分422を形成する他端部513に、該透過度合いの高い図柄のうち透過度合いが高い部分(たとえば、透過部502)を描かないようにし、透過度合いが低い部分を描くようにすればよい。具体的には、図32(B)に示すベル図柄510が透過部を有する場合には、該透過部を重複部分には、描かずに、重複部分とは異なる部分(重複しない部分)に描くようにする。このような構成により、LEDユニット55から光を照射させたときの効果を損なわないようにすることができるとともに、図柄の配列の自由度を高めることができる。
また、透過度合いが高い部分(たとえば、透過部502)が、重複部分422上に描かれた場合には、該透過度合いが高い部分の裏側の重複部分422に対して、透過率を高める後処理を実行するようにしてもよい。該後処理とは、たとえば、該透過度合いが高い部分の裏側の重複部分422をくり抜く処理などである。このような後処理を行うことで、LEDユニット55から光を照射させたときの効果を損なわないようにすることができるとともに、図柄の配列の自由度を高めることができる。
(3) また、本実施の形態においては、リールシート400の巻き方として、余り部508と他端部513とを重複させるとして説明した。しかしながら、このような重複をさせずに、リールシート400を巻くようにしてもよい。具体的には、余り部508を設けないようにする。つまり、リールシート400の一端は、505ではなく、508Aとなる。リールシート400を巻くときには、508Aと他端504とが当接するようにし、当該当接を維持するように、リールシート400の裏側に接着部を設ける。該接着部は、具体的には、所定方向に延伸している接着部材(たとえば、矩形上の接着テープなど)である。具体的には、該当接している箇所(つまり、継ぎ目400a)を跨ぐように、該接着部材が接着される。これにより、余り部508を設けなくても、リールシート400を環状に巻くことができ、リールシート400のコストを削減することができる。
また、このような接着部材を用いた場合には、重複部分422は形成されないものの、該接着部材が設けられている箇所は、該接着部材とリールシート400とで二重構造が形成される。そこで、該二重構造の箇所(つまり、接着部材が施されている箇所)には、透過度合いが高い図柄を描かないか、もしくは、透過度合いが高い部分を描かないようにすることが好ましい。これにより、余り部508を設けずに、かつ、LEDユニット55から光を照射させたときの効果を損なわないようにすることができる。
また、該接着部材とリールシート400とで二重構造が形成された箇所に、透過度合いが高い図柄、もしくは透過度合いが高い部分が描かれた場合には、後処理として、該透過度合いが高い図柄、または透過度合いが高い部分の裏側の二重構造の箇所をくり抜く処理を行えばよい。
(4) 本実施の形態において、余り領域508Xの全領域に接着部を設けて、該余り部508と他端部513とを接着させることにより、重複部分422を形成するとして説明した。しかしながら、余り領域508Xの接着部を設ける領域は、余り領域508Xの一部の領域であってもよい。たとえば、余り領域508Xの一端505側の縁に接着部を設けて、該余り部508と他端部513とを接着させるようにしてもよい。このような構成によれば、接着部のコストを削減することができる。
[リールシート400について]
(1) 本実施の形態においては、装飾図柄は菱形であるとして説明した。しかしながら、装飾図柄の形状は、菱形に限らず、他の形状(たとえば、三角形状)であってもよい。また、装飾図柄は、隣接する各図柄の間に描かれるとして説明したがこれに限られるものではない。たとえば、所定個(たとえば、2個)の図柄おきに、装飾図柄を描くものでもよく、所定の図柄に対応して描かれるものでもよい。また、本実施の形態においては、装飾図柄は、リールシート400の一側方に描かれるとして説明したが、これに限られるものではなく、たとえば、リールシート400の両側方に描かれるものであってもよい。
(2) 本実施の形態では、透明部材に、透明部材の長手方向の長さよりも短い長さの図柄シートが接着されることから、透明領域508Dが形成されるとして説明した。しかしながら、図柄シートが接着される対象は、透明部材でなくとも、環状に湾曲可能な帯状の部材であれば如何なる部材であってもよい。たとえば、模様が入った部材(以下、「模様部材」という。)を用いてもよい。このような模様部材に対して図柄シートが接着された場合には、透明領域508Dの部分は、当該模様部材の模様が描かれた領域となる。このように、図柄シートが接着される対象は、透明部材に限られないことから、リールシートの製造工程の自由度を高めることができる。また、模様部材を用いて、模様が付された領域508Dが設けられたとしても、着色領域508Cが形成されていることから、リールシート400を適切に巻けなかったとしても、着色領域508Cが露出され得ることから、リールシート400が不自然に見えることを防止できる。また、模様部材を用いたとしても、図柄シートを短くできることから、図柄シートのコストや、装飾コストを低減することができる。
(3) 本実施の形態の余り部508には、図柄は描かれないとして説明した。しかしながら、余り部508に、図柄を描くようにしてもよい。余り部508は他端部513に重ねられることから、該図柄は、露出されることがない。したがって、余り部508に、図柄を描かれたとしても、リールシートの巻き付け処理においては、何ら支障はない。
(4) 本実施の形態においては、図柄番号0の図柄を、透過度合いが低いスイカ図柄として説明した。しかしながら、図柄番号0の図柄は、透過度合いが高い図柄を描くようにしてもよい。
(5) 本実施の形態において、リールシート400が巻かれたリールは、所定の役に入賞したことを遊技者に認識させるリールとして用いられるとして説明した。しかしながら、所定の役に入賞したことを遊技者に認識させるためのリールではなく、たとえば、演出のために用いられるリール(いわゆるサブリール)として用いるようにしてもよい。
(6) 本実施の形態において、「各々が識別可能な複数種類の識別情報」は図柄であるとして説明した。しかしながら、識別情報は、他の情報であってもよく、たとえば、記号、数字、文字、キャラクタなど如何なるものであってもよい。識別情報が図柄以外のものであっても、透過度合いが特定の識別情報よりも低い所定の識別情報が、図柄領域513に描かれることにより、本実施の形態と同様の効果を奏する。
(7) 本実施の形態において、リールシート400の形状は、帯状でありかつ矩形状であるとして説明したが、これに限られるものではない。リールシート400の形状は、帯状であり、かつ環状に巻かれるものであれば、如何なる形状であってもよい。本実施の形態においては、一端504および他端505は直線状であるとして説明したが、一端504および他端505のうち少なくとも一方は、曲線であってもよい。
(8) 本実施の形態において、回転軸がスロットマシン1の幅方向となるように、それぞれのリールが回転する(つまり、遊技者からは、上から下に図柄が変動するように見える)として説明した。しかしながら、該回転軸は、幅方向となることに限られず、高さ方向となる(つまり、遊技者からは、右から左、または左から右に図柄が変動するように見える)ようにしてもよい。また、リールの回転軸は、スロットマシン1の幅方向や高さ方向となることに限られず、他の方向となってもよい。
(9) 本実施の形態において、リールは一重構造であるとして説明した。しかしながら、リールは二重構造や三重構造としてもよい。たとえば、リールの二重構造とは、外側のリールと、該外側のリールの径よりも小さい内側のリールとにより構造である。このように二重構造のリールのうち、少なくとも1つのリールに対して、本実施の形態の思想を適用することができる。
[保持枠401、402について]
(1) 本実施の形態の保持枠401、402に付され、リールシート400の一端505が位置する箇所を特定するための情報としての目印401dは三角形状であるとして説明した。しかしながら、該目印401dは、リールシート400の巻き付け作業を行う作業員などにより、巻き付け開始位置が特定できれば、他の情報(記号のみならず文字)であってもよい。
また、本実施の形態の目印401dは、リールシート400の一端505が一致するものであるとして説明した。しかしながら、該目印401dは、リールシートの他の箇所と一致されるものであるとしてもよい。また、当該他の箇所は、作業員により容易に特定可能な個所であることが好ましい。たとえば、他の箇所を「第2ライン508B」としてもよい。第2ライン408Bは、着色領域508Cと、透明領域508Dの境界線であることから、作業員によって容易に特定できる箇所である。また、該目印401dは、特定の図柄番号(たとえば、0)の図柄が一致する箇所としてもよい。このように、目印401dが他の箇所と一致するようなものであっても、リールシート400が適切に巻かれたことを条件に、リールが基準状態になったときには、継ぎ目400aが視認されるような位置関係にすることが好ましい。
また、目印401dの箇所を他の形状としてもよい。たとえば、目印401dを凸形状としてもよい。この場合には、該目印401dと一致されるリールシート400の箇所を切欠き部とすればよい。このような構成によれば、作業員は、該目印401dと該切欠き部とを係合させることにより、容易に、リールシート400と保持枠401、402との位置合わせを行うことができる。
(2) 本実施の形態の、リールシート400を保持する部材は、保持枠401、402であるとして説明した。しかしながら、保持枠の形状はこの形状に限られない。たとえば、保持枠は、略円柱形上であり、該円柱形上の外周に、リールシート400が巻かれるものとしてもよい。また、保持枠401、402の形状によっては、リールシート400が外周に巻かれる形状でないようにしてもよい。また、リールシート400を環状に巻いて、図柄が露出されるように、円形部材で挟み込むようにしてもよい。
(3) また、本実施の形態においては、リールシート400の巻き付け処理を作業員が行うとして説明したが、巻き付け装置により自動的に実行するようにしてもよい。この場合であっても、リールシート400の特定部分と目印401dとが一致して巻き付け処理を行うような調整を該巻き付け装置に対して行うことが好ましい。
[位置ずれの検査方法について]
(1) 本実施の形態では、位置ずれの検査方法においてレーザーラインを用いるとして説明した。しかし、レーザーラインを照射せずとも、リールユニット2に組み付けられたリール2L、2C、2Rが、リールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405の切欠部408と、を一致させた場合に、位置ずれがなければリール2L、2C、2Rのそれぞれの継ぎ目400aが一直線上に揃うこととなるため、リール2L、2C、2Rのそれぞれの継ぎ目400aが一直線上に揃っていないことによってもリールシート400と保持枠401、402との位置ずれが生じていることを発見できる。
また、レーザーラインを用いない方法としては、リールユニット2の所定の位置に当接させた場合にリール2L、2C、2Rの継ぎ目400aが本来位置すべき位置に印が設けられた検査器具をリールユニット2の所定位置に当接させ、検査器具に設けられた印と、リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aと、を比較することにより、一致しなければリールシート400と保持枠401、402との位置ずれが生じていることを発見できる。
このとき用いる検査器具は、リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aのそれぞれに対して同時に検査できるようにそれぞれ対応する位置に印が設けられたものでも良いし、いずれか1つのリールの継ぎ目400aに対して検査できるように対応する位置に印が設けられたものでも良い。この場合でも、リールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405の切欠部408と、を一致させた場合に、リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aは、一直線上に並ぶので、いずれか1つのリールのみ検査器具を当接させて検査することで、他のリールについてもリールシート400と保持枠401、402との位置ずれが生じているか否かを特定することが可能となる。
尚、上記では継ぎ目400aが位置すべき位置を直線上に照射するレーザーラインやリールユニット2の所定の位置に当接させた場合にリール2L、2C、2Rの継ぎ目400aが本来位置すべき位置に印が設けられた検査器具を用いた検査方法を例示しているが、リールユニット2を筐体1aに取り付ける前に継ぎ目400aの位置が正常な位置か否かを特定できる方法であればどのような検査方法を用いても良く、例えば、リールユニット2を構成する部材に継ぎ目400aが本来位置すべき位置を特定可能なマークが形成され、継ぎ目400aと当該マークとを比較することで継ぎ目400aの位置が正常な位置か否かを特定できる構成としても良い。
スロットマシン1の完成後、すなわちリールユニット2を筐体1aに取り付けた後にリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを検査する場合には、リールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405の切欠部408と、を一致させる。この際、リールセンサ33L、33C、33Rにより切欠部408が検出されるまでリールモータ32L、32C、32Rに対して駆動信号を入力させることによりリールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405の切欠部408と、を一致させることができる。
そして、図28に示すように、前面扉1bの所定の位置に当接させた場合に検査器具のA点とB点とが通る線(図中一点差線)上に、リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aが本来位置すべき位置となるように形成された検査器具を前面扉1bの所定位置に当接させ、検査器具のA点とB点とが通る線上から見た際に、A点、B点、継ぎ目400aと、が一致しなければリールシート400と保持枠401、402との位置ずれが生じていることを発見できる。
尚、上記では面扉1bの所定の位置に当接させた場合に検査器具のA点とB点とが通る線上に、リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aが本来位置すべき位置となるように形成された検査器具を用いた検査方法を例示しているが、リールユニット2を筐体1aに取り付けた後に継ぎ目400aの位置が正常な位置か否かを特定できる方法であればどのような検査方法を用いても良く、例えば、リールユニット2を構成する部材または前面扉1bに継ぎ目400aが本来位置すべき位置を特定可能なマークが形成され、継ぎ目400aと当該マークとを比較することで継ぎ目400aの位置が正常な位置か否かを特定できる構成としても良い。
(2) また、本実施の形態では、リールユニット2に対して複数のリール2L、2C、2Rが一体に組み付けられる構成であるが、1のリールユニットに対して1のリールのみが組み付けられる構成であっても良く、このような構成であっても、上記のようにリールシート400の継ぎ目400aの位置が、保持枠401をリール取付盤405に相対回動不能に取り付け、さらにリール取付盤405をリールモータのロータ32dに相対回動不能に取り付け、リールユニットに組み付けられた状態で、リールモータの本体32bに対してセンサ取付板480を介して取り付けられたリールセンサと、リール取付盤405に形成された切欠部408、すなわちリールセンサによってリールの基準位置が検出される部分と、を一致する位置に移動させた場合に、リールユニットを構成するリールボックスによって被覆されることなく視認可能となる位置となるように、リールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられることにより、リールをリールユニットを構成するリールボックスに組み付けた状態でリールの基準位置となるリール取付盤405の切欠部408をリールセンサの検出位置に位置するように設定することで、透視窓3からリールの継ぎ目400aが視認可能な位置となるため、リールの継ぎ目400aとリールユニットに当接された検査器具やレーザーラインにて特定される正常位置と比較することでリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを容易に発見することができる。
また、本実施の形態では、リールセンサ33L、33C、33Rによりリール2L、2C、2Rの基準位置の通過が検出される被検出部(切欠部408)がリール2L、2C、2Rをリールモータ32L、32C、32Rのロータ32dに固定するためのリール取付盤405に形成されていることにより、リールの成型精度やロータ32dに対する取付け精度に影響されることなく、かつ、リールの回動に応じた基準位置の検出が行われることで、ロータ32dの回動とリールの回動とのずれによる図柄の位置ずれが発生しにくいため、リールと基準位置との関係が正確な位置関係となる。これにより被検出部(切欠部408)を基準位置に合わせたときのリールの継ぎ目400aの位置にばらつきが生じにくく、リールの継ぎ目400aとリールユニットに当接された検査器具やレーザーラインにて特定される正常位置と比較することでリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを発見するときの精度を高めることができる。
また、本実施の形態では、リールセンサ33L、33C、33Rによりリール2L、2C、2Rの基準位置の通過が検出される被検出部(切欠部408)がリール2L、2C、2Rをリールモータ32L、32C、32Rのロータ32dに固定するためのリール取付盤405に形成されているが、リールセンサ33L、33C、33Rによりリール2L、2C、2Rの基準位置の通過が検出される被検出部がリール2L、2C、2Rをリール保持枠401等のリール取付盤405以外の部位に形成される構成としても良く、このような構成であっても、リールセンサ33L、33C、33Rと、被検出部と、を一致する位置に移動させた場合に、リールボックス351によって被覆されることなく視認可能となる位置となるように、リールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられることにより、リール2L、2C、2Rをリールユニット2を構成するリールボックス351に組み付けた状態でリール2L、2C、2Rの被検出部をリールセンサ33L、33C、33Rの検出位置に位置するように設定することで、リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aが視認可能な位置となるため、リール2L、2C、2Rの継ぎ目400aとリールユニット2に当接された検査器具やレーザーラインにて特定される正常位置と比較することでリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを容易に発見することができる。
また、本実施の形態では、リールシート400の継ぎ目400aの位置が、保持枠401をリール取付盤405に相対回動不能に取り付け、さらにリール取付盤405をリールモータ32L、32C、32Rのロータ32dに相対回動不能に取り付け、リールユニット2を構成するリールボックス351に組み付けられた状態で、リールモータ32L、32C、32Rの本体32bに対してセンサ取付板480を介して取り付けられたリールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405に形成された切欠部408と、を一致する位置に移動させた場合に、リールボックス351によって被覆されることなく視認可能となる位置となるだけでなく、リールユニット2を筐体1aに取り付けて、前面扉1bによりその開放面を閉塞した状態において、前面扉1bに形成された透視窓3を透して視認可能となる位置となるようにリールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられる。これにより、スロットマシン1が完成した状態、すなわちリールユニット2を筐体1aに取り付けた後であっても、そのままの状態でリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを発見することができる。
また、本実施の形態では、リールユニット2に複数のリール2L、2C、2Rが並んだ状態で組み付けられるとともに、リールシート400の継ぎ目400aの位置が、保持枠401をリール取付盤405に相対回動不能に取り付け、さらにリール取付盤405をリールモータ32L、32C、32Rのロータ32dに相対回動不能に取り付け、リールユニット2を構成するリールボックス351に組み付けられた状態で、リールモータ32L、32C、32Rの本体32bに対してセンサ取付板480を介して取り付けられたリールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405に形成された切欠部408と、を一致する位置に移動させた場合に、リール2L、2C、2Rのそれぞれの継ぎ目400aが一直線上に揃うように、リールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられる。複数のリールを並べてリールユニット2に組み付けた状態でリールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405に形成された切欠部408と、が一致するように設定することで、これら複数のリールの継ぎ目400aが一直線上に並ぶこととなるため、複数のリールの継ぎ目400aの位置関係からリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを容易に発見することができる。
また、本実施の形態では、複数のリールを並べてリールユニット2に組み付けた状態でリールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405に形成された切欠部408と、を一致させる位置とした場合に、リール2L、2C、2Rのそれぞれの継ぎ目400aが一直線上に揃うように、リールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられる構成であり、複数のリール全てにおいて保持枠401、402に対するリールシート400の位置ずれが生じていないときには継ぎ目400aが一直線上に並ぶので、継ぎ目400aが一直線上に並ぶか否かにより保持枠401、402に対するリールシート400の位置ずれを発見することができることから好ましいが、複数のリールを並べてリールユニット2に組み付けた状態でリールセンサ33L、33C、33Rと、リール取付盤405に形成された切欠部408と、を一致させる位置とした場合に、リール2L、2C、2Rのそれぞれの継ぎ目400aが特定の位置関係(例えば、それぞれ1図柄分ずらした位置関係等)であっても、複数のリールの継ぎ目400aの位置関係が特定の位置関係となるか否かを確認することにより、リールシート400と保持枠401、402との位置ずれを容易に発見することができる。
また、本実施の形態では、リールセンサ33L、33C、33Rによりリール2L、2C、2Rの基準位置の通過が検出される被検出部(切欠部408)がリール2L、2C、2Rをリールモータ32L、32C、32Rのロータ32dに固定するためのリール取付盤405に形成されていることにより、リールの成型精度やロータ32dに対する取付け精度に影響されることなく、かつ、リールの回動に応じた基準位置の検出が行われることで、ロータ32dの回動とリールの回動とのずれによる図柄の位置ずれが発生しにくいため、リールと基準位置との関係が正確な位置関係となる。これにより被検出部(切欠部408)を基準位置に合わせたときの複数のリールの継ぎ目400aの位置にばらつきが生じにくく、複数のリールの継ぎ目400aの位置関係からリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを発見するときの精度を高めることができる。
また、本実施の形態では、リールセンサ33L、33C、33Rによりリール2L、2C、2Rの基準位置の通過が検出される被検出部(切欠部408)がリール2L、2C、2Rをリールモータ32L、32C、32Rのロータ32dに固定するためのリール取付盤405に形成されているが、リールセンサ33L、33C、33Rによりリール2L、2C、2Rの基準位置の通過が検出される被検出部がリール2L、2C、2Rをリール保持枠401等のリール取付盤405以外の部位に形成される構成としても良く、このような構成であっても、リールセンサ33L、33C、33Rと、被検出部と、を一致する位置に移動させた場合に、リール2L、2C、2Rのそれぞれの継ぎ目400aが特定の位置関係となるように、リールシート400が保持枠401、402に対して取り付けられることにより、リール2L、2C、2Rを、リールユニット2を構成するリールボックス351に組み付けた状態でリール2L、2C、2Rの被検出部をリールセンサ33L、33C、33Rの検出位置に位置するように設定することで、これら複数のリールの継ぎ目400aが特定の位置関係となるため、複数のリールの継ぎ目400aの位置関係からリールシート400と保持枠401、402との位置ずれを容易に発見することができる。
(3) また、本実施の形態においては、図29に示すように、リール2L、2C、2Rをそれぞれ基準状態になるようにした場合には、継ぎ目400aが透視窓3を透して視認可能となるように、一直線に並ぶ、として説明した。しかしながら、リール2L、2C、2Rをそれぞれ基準状態になるようにした場合において、各リールそれぞれの継ぎ目400aの位置関係は、一直線に並ぶ位置関係に限られず、他の位置関係であってもよい。たとえば、各リールそれぞれの継ぎ目400aの位置関係は、リール2L、2C、2Rがそれぞれ基準状態であるときに、リール2L、2C、2Rがそれぞれ基準状態であることを直感的に検査員に認識させる位置関係であることが好ましい。
各リールそれぞれの継ぎ目400aの位置関係の他の例として、リール2L、2C、2Rがそれぞれ基準状態であるときに、左リール2Lの継ぎ目400aが上方の第1位置に位置し、中リール2Cの継ぎ目400aが、第1位置よりも、第1所定距離分下方にずれた第2位置に位置し、右リール2Rの継ぎ目400aが、第2位置よりも第2所定距離分下方にずれた第3位置に位置し、かつリール2L、2C、2R全ての継ぎ目400aが視認可能となることが好ましい。第1所定距離、および第2所定距離は、同一であってもよく、異なっていてもよい。また、第1所定距離および第2所定距離が同一であれば、第1所定距離および第2所定距離は、図柄領域の縦辺の長さとしてもよい。第1所定距離、および第2所定距離は他の距離であってもよい。
[パチンコ遊技機について]
本実施の形態では、リールシート400が用いられたリール2は、スロットマシン1に適用されるものとして説明した。しかしながら、該リール2は、パチンコ遊技機に適用してもよい。該パチンコ遊技機とは、たとえば、リールを備えているものである。このようなパチンコ遊技機においては、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当たり状態)に制御されることが決定されたときには、該リールを回転させて、特定表示結果を導出させる。たとえば、導出されることで、遊技者にとって有利な状態(確変状態や大当たり状態)となる図柄に対して、透過部を設けたり、透過度合いを高めたりするようにしてもよい。
[その他]
(1) 本実施形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、本実施形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、これに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、本実施形態においては、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちのいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえばメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
(2) 本実施形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、すべてのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
(3) 本実施形態に係るスロットマシン1は、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な複数の可変表示領域(透視窓3)のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値(メダル、クレジット)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、複数の可変表示領域のすべてに表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として複数の可変表示領域のそれぞれに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであってもよい。
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。