JP2016178870A - コンバイン - Google Patents
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Abstract
【課題】穀粒タンクに貯留される穀粒による荷重が走行機体に安定的に掛かるようにしながら、穀粒タンクから穀粒を残らないように排出し易いコンバインを提供する。【解決手段】穀粒タンク20を、下降貯留姿勢と上昇排出姿勢とにわたって昇降軸芯Xまわりに上下揺動自在に設けてある。穀粒タンク20のうち、上昇排出姿勢で下側となる端部に穀粒排出口31を設けてある。穀粒タンク20の底部22の形状を、上昇排出姿勢で上側となる端部と、穀粒排出口側とにわたって一直線状にしてある。【選択図】図6
Description
本発明は、脱穀装置からの穀粒を貯留する穀粒タンクを、下降貯留姿勢と上昇排出姿勢とにわたって昇降軸芯まわりに上下揺動自在に設けたコンバインに関する。
従来、例えば、特許文献1に示される穀粒タンクがあった。この穀粒タンクは、タンク部と、タンク部の横一端側の下方にタンク部に連通して位置する籾収納部とを備えている。タンク部は、上下傾動が可能に構成されている。
上記した従来の穀粒タンクにあっては、上方のタンク部のうちの下方に籾収納部が存在する部位と、籾収納部とにわたって貯留される穀粒の量が、上方のタンク部のうちの下方に籾収納部が存在しない部位に貯留される穀粒の量よりもかなり多くなる状態で、穀粒タンクの全体にわたって穀粒が貯留される。従って、籾収納部が存在しない部位において貯留される穀粒のために発生する荷重と、籾収納部が存在する部位において貯留される穀粒のために発生する荷重との差が大になり、不安定な荷重が走行機体に掛かる。
本発明の目的は、穀粒タンクに貯留される穀粒による荷重が走行機体に安定的に掛かるようにしながら、穀粒タンクから穀粒を残らないように排出し易いコンバインを提供することにある。
本発明によるコンバインは、
脱穀装置からの穀粒を貯留する穀粒タンクを、下降貯留姿勢と上昇排出姿勢とにわたって昇降軸芯まわりに上下揺動自在に設け、
前記穀粒タンクのうち、前記上昇排出姿勢で下側となる端部に穀粒排出口を設け、
前記穀粒タンクの底部の形状を、前記上昇排出姿勢で上側となる端部と、前記穀粒排出口側とにわたって一直線状にしてあることを特徴とする。
脱穀装置からの穀粒を貯留する穀粒タンクを、下降貯留姿勢と上昇排出姿勢とにわたって昇降軸芯まわりに上下揺動自在に設け、
前記穀粒タンクのうち、前記上昇排出姿勢で下側となる端部に穀粒排出口を設け、
前記穀粒タンクの底部の形状を、前記上昇排出姿勢で上側となる端部と、前記穀粒排出口側とにわたって一直線状にしてあることを特徴とする。
本発明の構成によると、穀粒排出口が穀粒タンクのうちの上昇排出姿勢で下側となる端部に位置し、穀粒タンクの底部の形状が上昇排出姿勢で上側となる端部と穀粒排出口側とにわたって一直線状であるから、穀粒タンクに貯留される穀粒の堆積高さを穀粒タンクの全体にわたって極力等しくできる。
穀粒タンクを上昇排出姿勢にすると、底部が傾斜するのみならず、底部の形状が底部の上側となる端部と穀粒排出口側とにわたって一直線状であることにより、穀粒を穀粒排出口にスムーズに流動させることができる。
穀粒タンクを上昇排出姿勢にすると、底部が傾斜するのみならず、底部の形状が底部の上側となる端部と穀粒排出口側とにわたって一直線状であることにより、穀粒を穀粒排出口にスムーズに流動させることができる。
穀粒タンクの底部の形状が上昇排出姿勢で上側となる端部と穀粒排出口側とにわたって一直線状であるから、穀粒タンクの内部を穀粒排出口から見通し易い。
従って、本発明によると、穀粒タンクに貯留される穀粒の荷重分布が穀粒タンクの全体において極力均一になる安定的な状態で、穀粒よる荷重を走行機体に掛かるようにできる。そして、穀粒タンクから穀粒を排出する際、穀粒が穀粒排出口にスムーズに流動してタンク内に残り難い。
収穫対象の品種が異なっても混ざらないように残留穀粒の有無をチェックするなど、穀粒タンクの内部を確認するのに、タンク内を高所から見なくとも穀粒排出口から楽に行える。
本発明において、前記穀粒タンクは、走行機体の全幅又はほぼ全幅にわたって配備され、前記昇降軸芯は、前記穀粒タンクの走行機体横方向又は走行機体前後方向での端部側に位置していると好適である。
本発明によると、昇降軸芯が穀粒タンクの端部側に位置していることにより、穀粒タンクを上昇排出姿勢にした際、穀粒タンクの昇降軸芯が位置する側と反対側の端部が高く上昇して、底部のうちの穀粒排出口側の部位への反対側の部位からの落差が大になる。従って、穀粒排出口への穀粒流動をよりスムーズに行わせることができて、タンク内に穀粒がより残り難い。
本発明において、前記下降貯留姿勢における前記穀粒タンクの底部が水平姿勢であると好適である。
本発明によると、穀粒タンクに貯留される穀粒の堆積高さを穀粒タンクの全体にわたって等しくし易く、穀粒タンクに貯留される穀粒による荷重を、穀粒タンクの全体における荷重分布がより均一になるものにして走行機体に掛かるようにできる。
本発明において、前記昇降軸芯が前記底部よりも下方に位置していると好適である。
本発明によると、穀粒タンクを上昇排出姿勢にした際の底部の傾斜角を、昇降軸芯が底部よりも上方に位置するものよりも急な傾斜角にでき、穀粒が穀粒排出口によりスムーズに流動してタンク内により残り難くなる。
本発明において、前記穀粒タンクは、前記脱穀装置の上方に配置してあると好適である。
本発明によると、脱穀装置の上方のスペースを穀粒貯留用に利用して穀粒を貯留することができるから、穀粒タンクのためにコンバインが大型になることを抑制しながら、多くの穀粒の貯留が可能になる。
本発明において、前記下降貯留姿勢における前記穀粒タンクの底部と、前記脱穀装置の天板とが近接するように構成してあると好適である。
本発明によると、脱穀装置の上方スペースを利用して多くの穀粒を貯留できるものでありながら、穀粒を極力低くい箇所に位置させて、コンバイン全体の重心高さが穀粒のために高くなることを抑制できる。
本発明において、前記昇降軸芯が前記脱穀装置の扱胴軸芯よりも上方に位置していると好適である。
穀粒タンクを上昇排出姿勢にした際の底部の傾斜角が急傾斜角になると、穀粒が穀粒排出口に急激に流動する。本発明によると、穀粒タンクを上昇排出姿勢にした際の底部の傾斜角が急傾斜角になることを防止でき、穀粒を穀粒排出口に適切な速度で流動させることができる。
本発明において、前記昇降軸芯は、前記穀粒タンクの走行機体横方向での端部側に位置し、前記穀粒タンクを前記昇降軸芯まわりに上下揺動自在に支持する軸受部材を支持する支持フレームを備え、前記支持フレームは、前記脱穀装置の横側方に配備してあると好適である。
本発明によると、脱穀装置の横側方のスペースに支持フレームを配備するものだから、脱穀装置の横側方スペースを利用して、頑丈なフレーム構造を支持フレームに備えさせることができ、穀粒タンクを強固に支持させることができる。
本発明において、前記穀粒タンクに、前記穀粒排出口からの穀粒を前記穀粒タンクの外部に排出する排出スクリューを装備し、前記昇降軸芯と、前記排出スクリューの回転軸芯とを同一軸芯に設定してあると好適である。
本発明によると、穀粒タンク用と排出スクリュー用とに共用の軸受によって穀粒タンクを上下揺動自在に支持し、かつ排出スクリューを回転自在に支持することができる。また、排出スクリューを駆動する伝動回転体を穀粒タンクの昇降軸芯と同軸芯で配備して、排出スクリューに対する伝動系を穀粒タンクの上下揺動に対する障害にならように配備できるなど、排出スクリューを備えるものでありながら有利に構成できる。
本発明において、前記穀粒タンクの底部のうちの前記穀粒排出口が位置する側の端部に、前記穀粒排出口に連通し、かつ前記排出スクリューが入り込んだ凹入部を設け、前記穀粒タンクの底部の形状を、前記上昇排出姿勢で上側となる端部と、前記凹入部の上端縁とにわたって一直線状にしてあると好適である。
本発明によると、穀粒タンクを上昇排出姿勢にした際、底部が傾斜するのみならず、底部の形状が上記した一直線状であることにより、穀粒を穀粒排出口にスムーズに流動させると共に穀粒排出口から凹入部にスムーズに流入させて排出スクリューにスムーズに供給することができ、排出スクリューによって穀粒を取出すものでありながら、穀粒の取出し漏れが生じ難い。
本発明において、前記穀粒タンクの前端部に前記排出スクリューによる穀粒送出口を設け、前記排出スクリューからの穀粒を搬送するアンローダを、前記穀粒タンクの走行機体前方側に設け、前記穀粒タンクの前壁と横壁とによって形成される角部に、前記アンローダが入り込むアンローダ収容凹入部を設けてあると好適である。
本発明によると、アンローダがアンローダ収容凹入部に入り込むことにより、前壁よりも前方へのアンローダの突出を防止や抑制でき、アンローダを備えるものでありながら、穀粒タンクを走行機体前方側に極力寄せて配備することができる。
本発明において、前記穀粒タンクの底部のうち、前記アンローダ収容凹入部の後端よりも前側に位置する部分の形状を、後方下がりの傾斜状にしてあると好適である。
本発明によると、穀粒タンクを上昇排出姿勢にし、底部のうち、アンローダ収容凹入部の後端よりも前側に位置する部分に沿って穀粒排出口へ流動する際、その部分の形状が後方下がりの傾斜状であることにより、その部分に沿っての流動をスムーズに行わせることができ、穀粒の取出し漏れが生じ難い。
本発明において、前記穀粒タンクの内部に、対向し合う縦壁どうしを連結する連結杆を装備してあると好適である。
本発明によると、穀粒タンクに貯留された穀粒の重圧によって縦壁がタンク外部に膨出することを連結杆によって防止や抑制することができ、穀粒が縦壁の膨出のために流動せずにタンク内に残ることを防止できる。
本発明において、前記穀粒タンクの前壁の形状を平面視で直線状にしてあると好適である。
本発明によると、穀粒タンクを上昇排出姿勢にして穀粒が前壁に沿って流動する際、前壁の形状が平面視で直線状であることにより、前壁に沿っての流動をスムーズに行わせることができ、穀粒の取出し漏れが生じ難い。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るコンバインの全体を示す左側面図である。図2は、本発明の実施例に係るコンバインの全体を示す右側面図である。図3は、本発明の実施例に係るコンバインの全体を示す平面図である。図4は、本発明の実施例に係るコンバインの全体を示す背面図である。図1〜4に示すように、本発明の実施例に係るコンバインは、機体フレーム1の前部に左右一対の前車輪2,2が駆動自在に支持され、機体フレーム1の後部に左右一対の後車輪3,3が操向操作自在に支持され、前車輪2と後車輪3とによって自走するよう構成した走行機体を備えている。走行機体の前部に、運転キャビン4aが備えられた運転部4を設けてある。走行機体の後部に、脱穀装置5及び穀粒タンク20を設けてある。脱穀装置5の前部にフィーダ11が上下揺動自在に連結された刈取部10を走行機体に備えてある。
図1は、本発明の実施例に係るコンバインの全体を示す左側面図である。図2は、本発明の実施例に係るコンバインの全体を示す右側面図である。図3は、本発明の実施例に係るコンバインの全体を示す平面図である。図4は、本発明の実施例に係るコンバインの全体を示す背面図である。図1〜4に示すように、本発明の実施例に係るコンバインは、機体フレーム1の前部に左右一対の前車輪2,2が駆動自在に支持され、機体フレーム1の後部に左右一対の後車輪3,3が操向操作自在に支持され、前車輪2と後車輪3とによって自走するよう構成した走行機体を備えている。走行機体の前部に、運転キャビン4aが備えられた運転部4を設けてある。走行機体の後部に、脱穀装置5及び穀粒タンク20を設けてある。脱穀装置5の前部にフィーダ11が上下揺動自在に連結された刈取部10を走行機体に備えてある。
このコンバインは、刈取部10を下降作業状態にして走行機体を走行させることにより、稲、麦などの収穫作業を行なうものであり、次の如く構成してある。
左右一対の前車輪2,2は、機体フレーム1の前部に装備された走行ミッションケース(図示せず)に駆動自在に支持され、前車輪2と後車輪3との間に位置する原動部に装備されたエンジン7から走行ミッションケースに伝達される駆動力によって駆動されるようになっている。
フィーダ11は、脱穀装置5の前部から運転キャビン4aの下方及び左右一対の前車輪2,2の間を通って走行機体前方箇所まで上下揺動自在に延出されている。刈取部10は、フィーダ11が昇降シリンダ12によって上下に揺動操作されることにより、フィーダ11の前端部に連結している刈取部フレーム13が地面近くに下降した下降作業状態と刈取部フレーム13が地面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降する。刈取部10は、エンジン7からの駆動力によって駆動され、下降作業状態で駆動されることにより、稲、麦などの植立穀稈を刈取り、刈取穀稈を脱穀装置5に供給する。
すなわち、刈取部フレーム13の前端部の左右に設けてあるデバイダ14が植立穀稈を刈取対象の植立穀稈と刈取対象外の植立穀稈とに梳き分ける。刈取部フレーム13の上方で回動する回転リール15が刈取り対象の植立穀稈の穂先側を刈取部フレーム13の後方上方に掻き寄せる。刈取部フレーム13の下部に装備してあるバリカン型の刈取装置16が掻き寄せ状態の植立穀稈の株元を切断して植立穀稈の刈取りを行なう。刈取部フレーム13の後部内で回動する横送りオーガ17が刈取穀稈を搬送デッキ13aに沿わせてフィーダ11の前方箇所に横送り搬送する。フィーダ11の前方箇所に到達した刈取穀稈の株元から穂先までの全体を、横送りオーガ17に装備してある掻込みアーム17aによってフィーダ11に送り込み、フィーダ11によって脱穀装置5に送り込む。
脱穀装置5は、フィーダ11からの刈取穀稈の株元から穂先までの全体を扱室(図示せず)に導入し、扱室で走行機体前後向きの扱胴軸芯Pまわりに回動する扱胴5a(図5,11参照)によって脱穀処理し、脱穀処理後の処理物を穀粒と塵埃とに選別し、選別処理後の穀粒を脱穀機体の横外側に搬出する。脱穀装置5からの穀粒を、脱穀装置5の搬出部から延出され、延出端側が脱穀装置5と運転部4との間に位置する揚穀装置8によって穀粒タンク20に供給する。
穀粒タンク20について詳述する。
図5〜10に示すように、穀粒タンク20は、タンク本体20Aと、タンク本体20Aを下方から支持するタンクフレーム21とを備えて構成し、走行機体の全幅又はほぼ全幅にわたって位置する状態(図4参照)で脱穀装置5の上方に配備してある。
図5〜10に示すように、穀粒タンク20は、タンク本体20Aと、タンク本体20Aを下方から支持するタンクフレーム21とを備えて構成し、走行機体の全幅又はほぼ全幅にわたって位置する状態(図4参照)で脱穀装置5の上方に配備してある。
タンクフレーム21は、複数の走行機体前後向きの前後向きフレームと複数の走行機体横向きの横向きフレームとを格子状に組わせて構成してある。
タンク本体20Aは、タンクフレーム21の上面側に取り付けられた底部22と、穀粒タンク20の走行機体前方側に位置する前壁23と、穀粒タンク20の走行機体後方側に位置する後壁24と、穀粒タンク20の走行機体左横側に位置する左横壁25と、穀粒タンク20の走行機体右横側に位置する右横壁26と、貯留空間の上方を覆う上部壁27とを備えている。前壁23のうちの左端側の部位23bであって、後述する投入口84を備えている部位は、平面視での形状が直線状になるように形成してある。上部壁27は、前後方向視で中央側が上方側に膨出する形状に形成してある。
タンク本体20Aの内部に、走行機体前後方向に所定間隔を隔て並んだ複数の走行機体横向きの連結杆28、及び走行機体横方向に所定間隔を隔て並んだ複数の走行機体前後向きの連結杆29を装備してある。走行機体横向きの連結杆28は、上下2段に設けてある。走行機体横向きの連結杆28と走行機体前後向きの連結杆29とは、交差しないように走行機体上下方向に位置ずれしている。走行機体横向きの連結杆28は、走行機体横方向に対向し合う縦壁どうしである左横壁25と右横壁26とを連結し、左横壁25及び右横壁26の穀粒の重圧によるタンク外側への膨らみを防止するように構成してある。走行機体前後向きの連結杆29は、走行機体前後方向に対向し合う縦壁どうしである前壁23と後壁24とを連結し、前壁23及び後壁24の穀粒の重圧によるタンク外側への膨らみを防止するように構成してある。走行機体横向きの連結杆28及び走行機体前後向きの連結杆29のそれぞれは、前壁23や後壁24や左横壁25や右横壁26の内面に穀粒タンク20の上下方向に沿わせて装着された補強部材を介して前壁23や後壁24、左横壁25や右横壁26に連結されている。
図7,8,9に示すように、右横壁26の下部に穀粒排出口31を形成してある。穀粒排出口31は、右横壁26の全幅にわたって形成してある。穀粒排出口31は、穀粒排出口31の横幅方向での中央側の開口高さが両端側の開口高さよりも高い形状に形成してある。具体的には、穀粒排出口31の上縁の形状を、穀粒排出口31のうちの中央側部分と両端側部分との間で折れ曲がった山形にしてある。従って、穀粒排出口31は、中央側における単位時間当たりの穀粒流出量が両端側における単位時間当たりの穀粒流出量よりも多くなる状態で穀粒を穀粒タンク20から流出させる。穀粒排出口31の中央側の開口高さを両端側の開口高さよりも高くするのに、穀粒排出口31の上縁の形状を山形にする他、上縁の形状を全長にわたって円弧形あるいは弓形にしてもよい。
底部22は、内面が走行機体前後方向視で左横壁側の端部と穀粒排出口側とにわたって一直線状になるように形成にしてある。底部22は、底部22のうち、穀粒タンク20の右端部に設けてある連結用ドラム部33の上方に位置する部位を構成する板部材22b(図8参照)と、その他の部位を構成する板部材とによって構成してある。連結用ドラム部33の上に位置する部位を構成する板部材22bは、連結用ドラム部33が穀粒タンク内に向かって開口する状態で備える凹入部のその開口を閉じる蓋体を構成している。底部22の製作や組付けの際に発生する歪みや誤差によってほぼ一直線状になることも、一直線状に形成する概念とする。穀粒排出口31への穀粒流動の障害にならないように走行機体横方向に沿った方向の多少のリブを内面に突設することも、一直線状に形成する概念とする。
図8に示すように、穀粒タンク20の内側の穀粒排出口31の両端が位置する隅部に、当て板32を装着してある。当て板32は、穀粒排出口31に近い側ほど穀粒排出口31の横幅方向での中央側に位置する傾斜姿勢で装着してあり、穀粒を穀粒排出口31の中央側に向けて流動するように案内する。当て板32の高さを、穀粒排出口31の端部での高さよりも高く設定してある。従って、当て板32は、穀粒排出口31よりも高い部位で右横壁26と後壁24や前壁23とによって形成される隅部に穀粒が入り込んで残ることを防止する。
穀粒タンク20の右端部側を、穀粒タンク20の前後側に設けた軸受部40に支持してある。前後の軸受部40は、穀粒タンク20に固定された走行機体前後向きの支軸41と、支軸41の回転を許容する状態で支軸41に外側から嵌った軸受部材42とによって構成してある。前後の軸受部40それぞれの支軸41は、穀粒タンク20の右端部に設けた連結用ドラム部33の前端部や後端部に固定されている。前後の軸受部40それぞれの軸受部材42は、脱穀装置5の横側方に配備され、機体フレーム1及び脱穀装置5の機体に連結されている枠組み構造の支持フレーム43のうちの上部フレーム45に支持してあり、穀粒タンク20は、前後の支軸41が備える軸芯で成り、穀粒タンク20の走行機体横方向での右端部側に位置する走行機体前後向きの昇降軸芯Xまわりに走行機体に対して上下揺動自在に支持されている。昇降軸芯Xは、底部22よりも下方に位置している。昇降軸芯Xは、脱穀装置5の扱胴軸芯Pよりも上方に位置している。
穀粒タンク20の前後方向での中央部分の下方に、操作部34をタンクフレーム21に支持された状態で設けてある。操作部34と、支持フレーム43に設けた走行機体上下向きのシリンダ支持フレーム46の上端部とに連結してある昇降シリンダ35により、穀粒タンク20を昇降軸芯Xまわりに下降貯留姿勢と上昇排出姿勢とにわたって揺動操作できるように構成してある。シリンダ支持フレーム46の上下方向での中間箇所と上部フレーム45とに補強フレーム47を連結してある。シリンダ支持フレーム46及び補強フレーム47の走行機体前後方向視での姿勢を、穀粒タンク20が下降貯留姿勢になっている際の昇降シリンダ35の傾斜にほぼ沿った傾斜姿勢にしてある。
図11は、下降貯留姿勢の穀粒タンク20を示す正面図である。図6,11に示すように、穀粒タンク20は、操作部34が昇降シリンダ35によって引き下げ操作されると、揚穀装置8からの穀粒を貯留するように下降貯留姿勢になる。このとき、底部22の姿勢が水平姿勢になる。このとき、底部22が水平面に対して若干傾斜した姿勢、すなわちほぼ水平姿勢になってもよく、ほぼ水平姿勢も水平姿勢の概念とする。また、底部22と、脱穀装置5に設けてある天板5bの上端とが近接する状態になる。すなわち、底部22の走行機体に対する取付け高さと、天板5bの走行機体に対する取付け高さとがほぼ同じになり、かつ底部22と天板5bとが合い対向する状態になる。
図10は、上昇排出姿勢の穀粒タンク20を示す斜視図である。図10,12に示すように、穀粒タンク20は、操作部34が昇降シリンダ35によって押し上げ操作されると、穀粒を穀粒排出口31から走行機体右横外側に向けて自然流出によって流出させるように上昇排出姿勢になる。すなわち、底部22は、底部22のうちの左横壁側の端部が上側となり、底部22のうちの穀粒排出口側が下側となった傾斜姿勢になり、穀粒が穀粒排出口31に自然流動によって流動する。
図7,8,11に示すように、穀粒タンク20の右端部側に案内シュート50を装備してある。
案内シュート50は、シュート本体51と、シュート本体51の両横端部からシュート本体51の案内面51aが位置する側に立上がった側板部52とを備えている。案内シュート50の先端側に、シュート本体51及び側板部52の穀粒案内方向での長さを延長する脱着自在な延長案内シュート53を取り付けてある。
案内シュート50は、シュート本体51と、シュート本体51の両横端部からシュート本体51の案内面51aが位置する側に立上がった側板部52とを備えている。案内シュート50の先端側に、シュート本体51及び側板部52の穀粒案内方向での長さを延長する脱着自在な延長案内シュート53を取り付けてある。
案内シュート50の基端側を、穀粒排出口31の外側に配置して穀粒タンク20に設けてある排出デッキ部36の排出側端部に回転自在に支持してあり、案内シュート50は、案内シュート50の基端側に位置する走行機体前後向きの揺動軸芯Yまわりに穀粒タンク20に対して下降使用姿勢と上昇格納姿勢とにわたって上下揺動自在に構成してある。揺動軸芯Yは、穀粒タンク20の底部22より下方又は底部22と同じ高さに位置している。
案内シュート50の両横側の側板部52それぞれと穀粒タンク側とにわたり、案内シュート50の上下揺動操作を行い、かつ案内シュート50の姿勢設定を行なう屈伸リンク54を連結してある。屈伸リンク54の穀粒タンク側は、排出デッキ部36の上方に位置する庇状の覆い部37に連結してある。覆い部37は、上部壁27から横外側に延出する状態で穀粒タンク20に設けてある。両横側の屈伸リンク54におけるタンク側リンク54aは、覆い部37に回転自在に支持された一本の回転支軸55によって一体揺動自在に連結されている。
図12は、下降使用姿勢の案内シュート50を示す正面図である。図12に示すように、屈伸リンク54が伸展側に操作されて案内シュート50を重力によって下降揺動させ、屈伸リンク54が伸展限界状態になって案内シュート50の先端側を吊り下げ支持した状態になると、案内シュート50は、穀粒タンク20の穀粒排出口31から流出して排出デッキ部36から流下する穀粒を走行機体横外側に位置する運搬車荷台などの供給対象に向けて落下させるように下降使用姿勢になる。
図13は、上昇格納姿勢の案内シュート50を示す縦断正面図である。図13に示すように、案内シュート50は、屈伸リンク54が短縮側に操作されて案内シュート50を引き上げ操作し、屈伸リンク54が所定の短縮状態になると、下降使用姿勢の際よりも走行機体横内側に引退するように上昇格納姿勢になる。案内シュート50が上昇格納姿勢になると、延長案内シュート53は、覆い部37の上端37aよりも下方に収容される。
案内シュート50は、上昇格納姿勢になると、穀粒排出口31に連なる穀粒タンク上下向き壁としての右横壁26をタンク横外側に所定距離れた箇所でシュート本体51によって覆う取付姿勢になり、右横壁26との間に穀粒退避空間Kを形成するように構成してある。穀粒退避空間Kは、上昇格納姿勢に切り換えられる案内シュート50に穀粒が残っている場合、残っている穀粒を収容して案内シュート50の上昇格納姿勢への切り換わりを可能にするように構成してある。穀粒退避空間Kは、右横壁26の全幅又はほぼ全幅にわたって形成される。
図13,14に示すように、排出デッキ部36が穀粒退避空間Kの下方を閉じる底部になる。穀粒退避空間Kの容積が大になるように、穀粒退避空間Kの奥行を案内シュート50の両方の側板部52の立上がり高さ52aよりも大に設定してある。穀粒タンク20が上昇格納姿勢になると、一方の側板部52が、前壁23から穀粒退避空間Kの前側に延出している前壁延出部23aに対して穀粒退避空間Kが位置する側とは反対側に前壁延出部23aと重なり合う状態で位置し、側板部52と前壁延出部23aとが穀粒退避空間Kの前側を閉じるように構成してある。穀粒タンク20が上昇格納姿勢になると、他方の側板部52が、後壁24から穀粒退避空間Kの後側に延出している後壁延出部24aに対して穀粒退避空間Kが位置する側とは反対側に後壁延出部24aと重なり合う状態で位置し、側板部52と後壁延出部24aとが穀粒退避空間Kの後側を閉じるように構成してある。穀粒退避空間Kの上方が前記覆い部37によって覆われるように構成してあり、かつ延長案内シュート53が案内シュート50から上方に突出していることにより、穀粒退避空間Kの上方からの穀粒こぼれが防止される。
図15に示すように、案内シュート50と穀粒タンク20とを、操作ケーブル57を備えた連係機構58によって連係させてある。連係機構58は、前記操作ケーブル57を備える他、前記一対の屈伸リンク54,54のうちの一方の屈伸リンク54を備えて構成してある。連係機構58は、穀粒タンク20の後側に配備してある。
図15に示すように、操作ケーブル57は、屈伸リンク54のタンク側リンク54aと、穀粒タンク20の下方に設けたインナーホルダー59とに連結されたインナーケーブル57aを備えている。操作ケーブル57は、インナーケーブル57aが摺動自在に内装されたアウターケーブル57bを備えている。
インナーホルダー59は、タンクフレーム21に連結されたケーブル操作フレーム60に支持されている。アウターケーブル57bのシュート側端部は、前壁23に設けたアウターホルダー61に支持されている。アウターケーブル57bのタンク側端部は、支持アーム62の上端部に設けられアウターホルダー63に支持されている。支持アーム62は、支持フレーム43から上方向きに突設されている。
図15は、連係機構58の作動を示す正面図である。図15(a)は、穀粒タンク20が下降貯留姿勢になった状態の連係機構58を示している。図15(b)は、穀粒タンク20が上昇排出姿勢から下降貯留姿勢に向けて所定量揺動した状態の連係機構58を示している。図15(c)は、穀粒タンク20が上昇排出姿勢になった状態の連係機構58を示している。図16は、連係機構58によって操作される案内シュート50の穀粒タンク20との姿勢関係を示す説明図である。図16の縦軸は、案内シュート50及び穀粒タンク20の姿勢を示し、横軸は、姿勢変化の経過時間を示す。縦軸の〔TD〕は、穀粒タンク20の下降貯留姿勢を示し、縦軸の〔TU〕は、穀粒タンク20の上昇排出姿勢を示す。縦軸の〔SU〕は、案内シュート50の上昇格納姿勢を示し、縦軸の〔SD〕は、案内シュート50の下降使用姿勢を示す。図16の線〔T〕は、穀粒タンク20の姿勢変化を示し、線〔S〕は、案内シュート50の姿勢変化を示している。
図15,16に示すように、穀粒タンク20が下降貯留姿勢から上昇排出姿勢に切り換えられる際、穀粒タンク20が下降貯留姿勢から上昇排出姿勢への揺動を開始すると、インナーケーブル57aがインナーホルダー59の上昇によってただちに緩め操作されて屈伸リンク54の伸展側への作動を開始させ、操作ケーブル57は、穀粒タンク20が下降貯留姿勢から上昇排出姿勢への揺動を開始すると、ただちに案内シュート50の上昇格納姿勢から下降使用姿勢への揺動を開始させる。穀粒タンク20が下降貯留姿勢から所定量揺動すると、インナーケーブル57aがインナーホルダー59の上昇によって緩め操作されて屈伸リンク54を伸展限界状態に操作し、操作ケーブル57は、穀粒タンク20が上昇排出姿勢に切り換わるまでに、案内シュート50を下降使用姿勢に切り換える。案内シュート50が下降使用姿勢に切り換わった後、インナーケーブル57aが穀粒タンク20の上昇揺動によるインナーホルダー59の上昇によって弛みを発生させ、操作ケーブル57は、穀粒タンク20が上昇排出姿勢に切り換わるまで案内シュート50を下降使用姿勢に維持する。
穀粒タンク20が上昇排出姿勢から下降貯留姿勢に切り換えられる際、穀粒タンク20が上昇排出姿勢から下降貯留姿勢への揺動を開始してインナーホルダー59が下降し始めても、インナーケーブル57aが弛みを備えていて屈伸リンク54の短縮側への操作をただちに開始させず、操作ケーブル57は、穀粒タンク20が上昇排出姿勢から下降貯留姿勢への揺動を開始しても、案内シュート50の下降使用姿勢から上昇格納姿勢への揺動をただちには開始させない。穀粒タンク20が上昇排出姿勢から下降貯留姿勢に向けて所定量を揺動すると、インナーケーブル57aがインナーホルダー59の下降によって弛みを解消し、この後、インナーケーブル57aがインナーホルダー59の下降によって引張り操作されて屈伸リンク54の短縮側への操作を開始し、操作ケーブル57は、穀粒タンク20が上昇排出姿勢から下降貯留姿勢に向けて所定量を揺動した後に、案内シュート50の下降使用姿勢から上昇格納姿勢への揺動を開始させる。この後、インナーケーブル57aがインナーホルダー59の下降によって引張り操作されて屈伸リンク54を短縮側に操作し、操作ケーブル57は、穀粒タンク20が下降貯留姿勢に切り換わると、案内シュート50を上昇格納姿勢に切り換える。
従って、連係機構58は、穀粒タンク20の上昇排出姿勢への揺動に連係させて案内シュート50を下降使用姿勢に切り換え、かつ穀粒タンク20の下降貯留姿勢への揺動に連係させて案内シュート50を上昇格納姿勢に切り換える。
さらに、連係機構58は、穀粒タンク20が下降貯留姿勢から上昇排出姿勢への揺動を開始すると、ただちに、案内シュート50が上昇格納姿勢から下降使用姿勢に向かう揺動を開始させる。そして、連係機構58は、穀粒タンク20が上昇排出姿勢に切り換わるに先立って案内シュート50を下降使用姿勢にする。
さらに、連係機構58は、穀粒タンク20が上昇排出姿勢から下降貯留姿勢に向けて揺動を開始して、所定量揺動してから、案内シュート50が下降使用姿勢から上昇格納姿勢に向かう揺動を開始させる。連係機構58は、この案内シュート50の揺動遅れをインナーケーブル57aの弛みによって発生させる。そして、連係機構58は、穀粒タンク20が下降貯留姿勢になった際に案内シュート50を上昇格納姿勢にする。
図17,18に示すように、シュート本体51の案内面51aのうちの案内シュート両横端側部分に、穀粒を案内シュート50の出口51bの横幅方向中央側へ案内する傾斜ガイド65を支持してある。両方の傾斜ガイド65それぞれに、円弧形の調節孔67を備えた角度調節手段66を備えてある。
両方の傾斜ガイド65それぞれの角度調節手段66は、傾斜ガイド65の基部に設けた扇形の位置決め板68と、位置決め板68に設けた円弧形の調節孔67と、調節孔67を挿通する状態でシュート本体51に装着してある位置決めボルト69とを備えている。
位置決め板68は、傾斜ガイド65の基端側をシュート本体51に回転自在に連結している連結軸70を揺動支点に傾斜ガイド65と一体揺動する。位置決めボルト69は、位置決め板68をシュート本体51に締め付け固定することにより、傾斜ガイド65をシュート本体51に所定の取付角度で固定するように構成してある。
すなわち、位置決めボルト69による位置決め板68のシュート本体51に対する締め付け固定を解除して、連結軸70を揺動支点にした傾斜ガイド65の揺動調節を行ない、傾斜ガイド65が所定の調節位置になると、位置決めボルト69を締め込み操作して位置決め板68をシュート本体51に固定することにより、穀粒を案内シュート50の出口51bの中央側に向けて案内するよう傾斜ガイド65が備える角度を変更できる。
従って、収穫作業を行なう際、穀粒タンク20を昇降シリンダ35によって下降操作して下降貯留姿勢に切り換えておくことにより、脱穀装置5からの穀粒が揚穀装置8によって穀粒タンク20に供給されて貯留される。底部22の左横壁側の端部と穀粒排出口側とにわたる一直線状の形状により、穀粒タンク20に貯留される穀粒の堆積高さを穀粒タンク20のほぼ全体にわたって極力等しくなる状態で貯留できる。
穀粒タンク20から穀粒を取出すには、穀粒タンク20を昇降シリンダ35によって上昇操作して上昇排出姿勢に切り換える。すると、穀粒タンク20の左横壁側が上側になり、穀粒排出口側が下側になるから、そして底部22の形状が左横壁側の端部と穀粒排出口側とにわたって一直線状であることにより、穀粒タンク20の内部に位置する穀粒が自然流動によって穀粒排出口31にスムーズに流動する。そして、穀粒が当て板32によって穀粒排出口31に流動するよう案内されるから、穀粒を穀粒排出口31からスムーズに流出させることができる。穀粒タンク20を上昇排出姿勢に切り換えると、案内シュート50が連係機構58によって下降使用姿勢に自動的に切り換えられており、穀粒排出口31から流出した穀粒を、排出デッキ部36から案内シュート50に流動させ、案内シュート50及び傾斜ガイド65によって走行機体横側の運搬車荷台などの供給対象に流下するよう案内させながら供給対象に供給できる。
穀粒タンク20を上昇排出姿勢から下降貯留姿勢に向けて若干揺動させて穀粒の流出量調節などを行なっても、穀粒タンク20が下降貯留姿勢に向けて揺動を開始して、所定量揺動してから案内シュート50の上昇格納姿勢に向かう揺動を開始させる連係機構58の作用により、案内シュート50はまだ下降使用姿勢になっており、案内シュート50及び傾斜ガイド65による供給対象への流下案内を所定どおり行わせることができる。
穀粒タンク20を上昇排出姿勢から下降貯留姿勢に戻す際、案内シュート50に穀粒が残っていても、残っている穀粒が穀粒退避空間Kに退避して案内シュート50の上昇揺動に対する障害にならず、案内シュート50が連係機構58によって上昇格納姿勢に自動的に切換えられる。
図9(b)に示すように、前後の軸受部40それぞれに、支軸41に設けた環状の位置決め突部72を有した位置保持機構73を備えてある。前後の軸受部40それぞれの位置保持機構73は、穀粒タンク20の昇降軸芯方向での位置保持を行ない、走行機体の発進や停止による静止慣性や動慣性などによって穀粒タンク20が走行機体前後方向に位置ずれすることを防止や抑制するように構成してある。
具体的には、前後の軸受部40それぞれの位置保持機構73は、軸受部材42のうちの支軸41が挿通している軸受本体42aの前後側に振り分け配置して支軸41に設けた位置決め突部72と位置決め段部74とを備えている。位置決め突部72は、支軸41に装着した脱着自在な止め輪によって構成してある。
前後の軸受部40それぞれの位置保持機構73は、穀粒タンク20が前後側にずれ動こうとすると、支軸41が穀粒タンク20と共に前後側にずれ動こうとして、位置決め突部72や位置決め段部74の端面が軸受本体42aの端面に当接することにより、穀粒タンク20のずれ動きを防止や抑制する。
図11に示すように、穀粒タンク20が下降貯留姿勢になった際、底部22のうちの軸受部40が位置する側とは反対側の部分であって、軸受部40に近い部分が、脚フレーム75を備えるフレーム側支持構造76を介して支持フレーム43によって下方から支持され、底部22のうちの軸受部40が位置する側とは反対側の部分であって、軸受部40に遠い部分が、脱穀側支持構造78を介して脱穀装置5によって下方から支持されるように構成してある。従って、下降貯留姿勢の穀粒タンク20は、昇降軸芯Xから離れた部位の振れ動きが生じ難いように安定的に支持される。
図10,11に示すように、フレーム側支持構造76は、穀粒タンク側に設けた複数の脚フレーム75を備えている。複数の脚フレーム75は、昇降軸芯Xの方向に沿う方向に所定間隔を隔て並ぶ状態でタンクフレーム21の所定箇所から下方向きに延出している。各脚フレーム75は、穀粒タンク20が下降貯留姿勢になると、下端が支持フレーム43のうちの走行機体前後向きのフレーム材48の上面に当接して、フレーム材48によって下方から支持される。
従って、フレーム側支持構造76は、穀粒タンク20が下降貯留姿勢になると、穀粒タンク20の底部22のうちの軸受部40が位置する側と反対側に部分の所定箇所を、複数の脚フレーム75及びタンクフレーム21を介して支持フレーム43によって下方から支持させる。
図10,11に示すように、脱穀側支持構造78は、脱穀装置5に支持した一対の支持フレーム79,79を備えている。一対の支持フレーム79,79は、昇降軸芯Xの方向に沿う方向に所定間隔を隔て並ぶ状態で脱穀装置5の天板5bに走行機体上方向きに突設してある。一対の支持フレーム79,79のうちの一方の支持フレーム79は、穀粒タンク20が下降貯留姿勢になると、上部に設けてあるタンク受け面79aでタンクフレーム21のうちの走行機体左横端側部分における前端部を下方から受け止め支持するように構成してある。一対の支持フレーム79,79のうちの他方の支持フレーム79は、穀粒タンク20が下降貯留姿勢になると、上部に設けてあるタンク受け面79aでタンクフレーム21のうちの走行機体左横端側部分における後端部を下方から受け止め支持するように構成してある。天板5bは、脱穀機体に上下揺動開閉自在に支持されており、一対の支持フレーム79,79は、天板5bと共に脱穀機体に対して上下揺動する。天板5bの開閉軸芯は、天板5bの走行機体右横端側、すなわち昇降軸芯Xに近い方の横端側に走行機体前後向きに位置している。
従って、脱穀側支持構造78は、穀粒タンク20が下降貯留姿勢になると、穀粒タンク20の底部22のうちの軸受部40が位置する側と反対側の部分であって、走行機体左横端側部分における前端部と後端部とを、支持フレーム79及びタンクフレーム21を介して脱穀装置5によって下方から支持させる。
脱穀側支持構造78の一対の支持フレーム79,79それぞれの上端部に位置保持部80を備えてある。一対の支持フレーム79,79それぞれの位置保持部80は、下降貯留姿勢の穀粒タンク20の昇降軸芯方向での位置保持を行ない、穀粒タンク20のうちの軸受部40で支持される側とは反対側の部分が、走行機体の発進や停止による静止慣性や動慣性などによって走行機体前後方向に位置ずれすることを防止や抑制するように構成してある。
具体的には、一対の支持フレーム79,79それぞれに備えてある位置保持部80は、支持フレーム79にタンク受け面79aを形成する部材に備えた走行機体上方向きの折曲げ端部によって構成してある。前側の支持フレーム79の位置保持部80は、タンクフレーム21の前端部に前方から受け止め支持することにより、穀粒タンク20の走行機体前方側へのずれ動きを防止や抑制する。後側の支持フレーム79の位置保持部80は、タンクフレーム21の後端部に後方から受け止め支持することにより、穀粒タンク20の走行機体後方側へのずれ動きを防止や抑制する。
延長案内シュート53の取付構造について説明する。
図7,17に示すように、案内シュート50の両方の側板部52それぞれの先端部に延長案内シュート53のための取付部82を備えてあり、両方の取付部82にわたって延長案内シュート53を連結するように構成してある。両方の側板部52それぞれの取付部82は、複数の取付ボルト孔83を備え、延長案内シュート53のうちの案内シュート50の側板部52を延長するための側板延長部53aの基部を複数本の連結ボルトによって脱着自在に連結するように構成してある。延長案内シュート53は、案内シュート50のシュート本体51及び両方の側板部52それぞれの外面側に重ね合わせるように構成してある。
図7,17に示すように、案内シュート50の両方の側板部52それぞれの先端部に延長案内シュート53のための取付部82を備えてあり、両方の取付部82にわたって延長案内シュート53を連結するように構成してある。両方の側板部52それぞれの取付部82は、複数の取付ボルト孔83を備え、延長案内シュート53のうちの案内シュート50の側板部52を延長するための側板延長部53aの基部を複数本の連結ボルトによって脱着自在に連結するように構成してある。延長案内シュート53は、案内シュート50のシュート本体51及び両方の側板部52それぞれの外面側に重ね合わせるように構成してある。
図17は、延長案内シュート53を取外した状態の案内シュート50を示す正面図である。図17に示すように、運搬車荷台56などの供給対象の対地高さが高いなどの場合、延長案内シュート53を取り外すことにより、延長案内シュート53が付いている場合のように延長案内シュート53による障害を受けず、案内シュート50を下降使用姿勢にすることができる。
穀粒タンク20に穀粒供給する構造について説明する。
図11に示すように、穀粒タンク20のうちの昇降軸芯Xと直交する壁面としての前壁23における左端側の部位23bに投入口84を設けてある。投入口84は、穀粒タンク20の貯留空間のうちの上部箇所に連通するように、前壁23のうちの穀粒タンク20の上部側に位置する部位に設けてある。
図11に示すように、穀粒タンク20のうちの昇降軸芯Xと直交する壁面としての前壁23における左端側の部位23bに投入口84を設けてある。投入口84は、穀粒タンク20の貯留空間のうちの上部箇所に連通するように、前壁23のうちの穀粒タンク20の上部側に位置する部位に設けてある。
図5に示すように、揚穀装置8は、脱穀装置5の穀粒搬出部に搬送始端側が接続された状態で脱穀装置5の横側方に位置する走行機体上下向きのバケットコンベヤ85Fと、このバケットコンベヤ85Fの搬送終端側に中継ケース85Kを介して搬送始端側が接続され、穀粒タンク20の前方に位置する走行機体上下向きのスクリューコンベヤ85Rと、このスクリューコンベヤ85Rの上端部に設けられた吐出装置86とを備えている。図20,22に示すように、吐出装置86は、スクリューコンベヤ85Rの搬送筒に内部が連通した吐出ケース87と、吐出ケース87の内部に回転駆動自在に設けた複数の回転羽根88とを備えている。複数の回転羽根88は、スクリューコンベヤ85のスクリュー軸85aに一体回転自在に連結され、スクリューコンベヤ85の駆動力によって回転駆動される。
穀粒タンク20が下降貯留姿勢になると、穀粒タンク20の投入口84と、吐出ケース87に設けてある揚穀装置8の供給口89とが接続部90(図18,21参照)によって接続される。そして、揚穀装置8は、脱穀装置5からの穀粒をバケットコンベヤ85F及びスクリューコンベヤ85Rによって投入口84の前方に揚送し、スクリューコンベヤ85Rからの穀粒を、回転羽根88による放出により、供給口89から接続部90の内周側に吐出して投入口84から穀粒タンク20に供給する。
図19〜図22に示すように、接続部90は、穀粒タンク側に設けたタンク側壁部材91と、揚穀装置側に設けた揚穀側壁部材92とによって構成してあり、穀粒タンク20を上昇排出姿勢に切り換える際、穀粒タンク20を揺動させるだけで投入口84と供給口89との接続が自動的に解除されるように、かつ、穀粒タンク20を下降貯留姿勢に切り換えると、供給口89と投入口84とが自動的に接続されるようになっている。
接続部90は、具体的には、次の如く構成してある。図18は、供給口89と投入口84とを接続した状態の接続部90を示す平面図である。図19は、タンク側壁部材91を示す斜視図である。図20は、揚穀側壁部材92を示す斜視図である。図21は、供給口89と投入口84とを接続した状態の接続部90を示す右側面図である。図22は、供給口89と投入口84とを接続した状態の接続部90の縦断背面図である。図23は、供給口89と投入口84とを接続した状態の接続部90の縦断正面図である。図24は、供給口89と投入口84とを接続した状態の接続部90の縦断側面図である。
これらの図に示すように、接続部90を構成する筒部材を周方向に2分割して形成された2つの分割筒部材の一方の分割筒部材をタンク側壁部材91として備え、前記2つの分割筒部材の他方の分割筒部材を揚穀側壁部材92として備えて、接続部90を構成してある。
タンク側壁部材91は、基部に連結された取付部91aを備え、この取付部91aによって前壁23における左端側の部位23bに装着してある。タンク側壁部材91は、取付部91aから前方向きに突出した壁部91cと、壁部91cの突出端部に連結されたフランジ部91dとを備えている。壁部91cは、横板部91y及び縦板部91tを備えている。縦板部91tは、横板部91yよりも穀粒タンク20の揺動方向での排出姿勢側に位置している。取付部91aには、投入口84に臨む開口91bを設けてある。
揚穀側壁部材92は、基部に連結された取付部92aを備え、この取付部92aによって吐出ケース87に装着してある。揚穀側壁部材92は、横板部92y及び縦板部92tを備えている。縦板部92tは、横板部92yよりも穀粒タンク20の揺動方向での貯留姿勢側に位置している。取付部92aは、吐出ケース87のうちの供給口89を形成する突出部87aに外側から嵌るように構成してある。
穀粒タンク20が下降貯留姿勢になった際、タンク側壁部材91と揚穀側壁部材92とは、寄り合って投入口84と供給口89とを接続する筒部材を形成する。すなわち、接続部90が投入口84と供給口89とを接続する。
穀粒タンク20が揺動する際、タンク側壁部材91と揚穀側壁部材92とは、互いに干渉しないように相対移動して筒部材の形成を解除する。すなわち、接続部90が投入口84と供給口89とを分離させる。
接続部90についてさらに詳述する。
図23に示すように、接続部90は、昇降軸芯Xの方向に沿う方向での断面形状が四角形であるように形成してある。接続部90のうち、昇降軸芯Xに最も近い頂点90aと昇降軸芯Xに最も遠い頂点90bとを結ぶ直線Lよりも揺動方向排出姿勢側に位置する部分を、タンク側壁部材91に設定してある。接続部90のうち、前記直線Lよりも揺動方向貯留姿勢側に位置する部分を、揚穀側壁部材92に設定してある。
図23に示すように、接続部90は、昇降軸芯Xの方向に沿う方向での断面形状が四角形であるように形成してある。接続部90のうち、昇降軸芯Xに最も近い頂点90aと昇降軸芯Xに最も遠い頂点90bとを結ぶ直線Lよりも揺動方向排出姿勢側に位置する部分を、タンク側壁部材91に設定してある。接続部90のうち、前記直線Lよりも揺動方向貯留姿勢側に位置する部分を、揚穀側壁部材92に設定してある。
これにより、穀粒タンク20が下降貯留姿勢になり、タンク側壁部材91が揚穀側壁部材92に当接してタンク側壁部材91と揚穀側壁部材92とが接合する接合面93(直線L上に位置する)は、タンク側壁部材91の移動経路に対する傾斜角が比較的急な接合面になる。従って、タンク側壁部材91が揚穀側壁部材92に強く当接しても、タンク側壁部材91と揚穀側壁部材92との間に接合面93に沿った方向のずれ動きが生じ難い。
タンク側壁部材91に内タンク側壁部材94を備え、揚穀側壁部材92に内揚穀側壁部材95を備え、供給口89からの穀粒がタンク側壁部材91や揚穀側壁部材92に当接することを抑制できるように構成してある。
具体的には、内タンク側壁部材94は、取付部91a及びタンク側壁部材91の両端部に連結され、タンク側壁部材91に一体移動自在に支持されている。内タンク側壁部材94は、タンク側壁部材91の横板部91yに対向した横板部94y、及びタンク側壁部材91の縦板部91tに対向した縦板部94tを備えている。縦板部94tは、横板部94yよりも穀粒タンク20の揺動方向での貯留姿勢側に位置している。
内揚穀側壁部材95は、吐出ケース87のうちの供給口89を形成する突出部87aの一部によって構成してあり、揚穀側壁部材92に取付部92aを介して支持されている。内揚穀側壁部材95は、揚穀側壁部材92の横板部92yに対向した横板部95y、及び揚穀側壁部材92の縦板部92tに対向した縦板部95tを備えている。縦板部95tは、横板部95yよりも穀粒タンク20の揺動方向での排出姿勢側に位置している。
図23に示すように、穀粒タンク20が下降貯留姿勢なり、接続部90が供給口89と投入口84とを接続すると、内タンク側壁部材94は、接続部90の内周側において揚穀側壁部材92と重なって揚穀側壁部材92に対するガード機能を発揮し、内揚穀側壁部材95は、接続部90の内周側においてタンク側壁部材91と重なってタンク側壁部材91に対するガード機能を発揮する。
図24に示すように、内タンク側壁部材94と内揚穀側壁部材95とは、供給口89と投入口84とが接続部90によって接続された状態において、昇降軸芯Xの方向に沿う方向において重なり合わないように配備してある。これにより、接続部90によって供給口89と投入口84とが接続された状態において、タンク側壁部材91と揚穀側壁部材92とによって形成される穀粒移送経路の中心に対して穀粒移送経路を横断する方向で互いに反対側に位置する状態で内タンク側壁部材94と内揚穀側壁部材95とが接続部90の内周側に位置する。従って、タンク側壁部材91及び揚穀側壁部材92に対する内タンク側壁部材94及び内揚穀側壁部材95のガードを、穀粒移送経路の中心に対して穀粒移送経路を横断する方向での反対側に位置する箇所から行わせることができる。
内タンク側壁部材94のうちの揚穀側壁部材92に対向する側面にシール部材96を装着してある。シール部材96は、横板部94yの側面と、縦板部94tの側面とにわたって装着してある。シール部材96は、接続部90によって供給口89と投入口84とが接続された際、内タンク側壁部材94と揚穀側壁部材92との間を穀粒漏れが発生しないようにシールする。シール部材96は、また、穀粒タンク20が下降貯留姿勢になり、タンク側壁部材91と揚穀側壁部材92とが寄り合うに伴って内タンク側壁部材94が揚穀側壁部材92に当接する際の衝撃緩和を行なう緩衝機能を備えている。シール部材96は、揚穀側壁部材92のうちの内タンク側壁部材94に対向する側面に装着してもよい。
図25に示すように、穀粒タンク20と揚穀装置8とにわたってロック部100を設けてある。ロック部100は、穀粒タンク20が下降貯留姿勢になると、接続部90に走行振動などによる接続不良が発生することを防止するように、穀粒タンク20に対する揚穀装置8の昇降軸芯Xに沿った方向での位置決めを行なうものである。
ロック部100について詳述する。
図19,21,22,25に示すように、ロック部100は、揚穀側壁部材92に支持されることによって揚穀装置8に取り付けられた被位置決め部材101と、前壁23の左端側の部位23bに支持されることによって穀粒タンク20に取り付けられた位置決め部材102とを備えて構成してある。
図19,21,22,25に示すように、ロック部100は、揚穀側壁部材92に支持されることによって揚穀装置8に取り付けられた被位置決め部材101と、前壁23の左端側の部位23bに支持されることによって穀粒タンク20に取り付けられた位置決め部材102とを備えて構成してある。
被位置決め部材101は、揚穀側壁部材92から走行機体上方向きに突設されたロッド部材によって構成してある。
位置決め部材102は、位置決め作用部103と案内部104とを備えている。位置決め作用部103は、平面視での形状がU字形となるように形成され、被位置決め部材101が出入りする開口103aを一端側に備えている。案内部104は、位置決め作用部103の開口103aの両横外側に分かれて位置する一対の傾斜ガイド片104a,104aを備えて構成してある。一対の傾斜ガイド片104a,104aは、位置決め作用部103の開口側に一体成形してあり、位置決め作用部103と案内部104とは、被位置決め部材101を案内部104から位置決め作用部103にスムーズに移動させるように連なっている。位置決め作用部103の被位置決め部材101に対する接触面、及び一対の傾斜ガイド片104aそれぞれの被位置決め部材101に対する接触面を弾性変形自在な接触面に形成する弾性プレートの一例としてのゴムプレート105を、位置決め作用部103及び案内部104にわたって装着してある。
ロック部100は、次の如く作用する。
穀粒タンク20が下降貯留姿勢に向かって揺動していくと、位置決め部材102が被位置決め部材101に向かって移動していき、被位置決め部材101が一対の傾斜ガイド片104a,104aの間に入り込み、案内部104は、被位置決め部材101を一対の傾斜ガイド片104a,104aによって位置決め作用部103に案内する。穀粒タンク20がさらに揺動して下降貯留姿勢になると、被位置決め部材101が位置決め作用部103の開口103aから奥側に入り込み、位置決め作用部103が被位置決め部材101に対して走行機体前後方向から受け止め支持作用し、ロック部100が穀粒タンク20に対する揚穀装置8の位置決めを行なうようにロック作用状態になる。
穀粒タンク20が下降貯留姿勢に向かって揺動していくと、位置決め部材102が被位置決め部材101に向かって移動していき、被位置決め部材101が一対の傾斜ガイド片104a,104aの間に入り込み、案内部104は、被位置決め部材101を一対の傾斜ガイド片104a,104aによって位置決め作用部103に案内する。穀粒タンク20がさらに揺動して下降貯留姿勢になると、被位置決め部材101が位置決め作用部103の開口103aから奥側に入り込み、位置決め作用部103が被位置決め部材101に対して走行機体前後方向から受け止め支持作用し、ロック部100が穀粒タンク20に対する揚穀装置8の位置決めを行なうようにロック作用状態になる。
穀粒タンク20が上昇排出姿勢に向かって揺動していくと、位置決め部材102が被位置決め部材101から離れていき、被位置決め部材101が位置決め作用部103及び案内部104から抜け外れていく。
〔別実施形態〕
図26(a)は、別の実施構造を備えた穀粒タンク20を示す断面図である。
別の実施構造を備えた穀粒タンク20では、穀粒排出口31の横幅方向での左端が右横壁26の左端近くに位置し、穀粒排出口31の横幅方向での右端が右横壁26の右端近くに位置している。すなわち、穀粒排出口31の横幅が右横壁26のほぼ全幅にわたっている。このように穀粒排出口31が壁のほぼ全幅にわたることも、穀粒排出口31が壁の全幅にわたる概念とする。
図26(a)は、別の実施構造を備えた穀粒タンク20を示す断面図である。
別の実施構造を備えた穀粒タンク20では、穀粒排出口31の横幅方向での左端が右横壁26の左端近くに位置し、穀粒排出口31の横幅方向での右端が右横壁26の右端近くに位置している。すなわち、穀粒排出口31の横幅が右横壁26のほぼ全幅にわたっている。このように穀粒排出口31が壁のほぼ全幅にわたることも、穀粒排出口31が壁の全幅にわたる概念とする。
図26(b)は、右横壁26と後壁24とによって形成される隅部を示す断面図である。隅部に設けた当て板32は、穀粒を隅部に入り込んで滞留しないように穀粒排出口31に向けて流動させるべく案内するように配備してある。右横壁26と前壁23とによって形成される隅部にも、同じ構成を備えた当て板32を設けてある。
図27は、別の実施構造を備えたコンバインを示す側面図である。図28は、別の実施構造を備えたコンバインを示す平面図である。図27,28に示すように、別の実施構造を備えたコンバインは、穀粒タンク20に貯留された穀粒をアンローダ110によって搬出できるように構成してある。
図29(a)に示すように、穀粒タンク20の底部22の形状を、底部22のうちの左横壁側の端部と、連結用ドラム部33が備える凹入部112の上端縁112aとにわたって一直線状にし、凹入部112の開口を穀粒排出口31とし、凹入部112に排出スクリュー111を回転駆動自在に入り込ませてある。排出スクリュー111の回転軸芯と、穀粒タンク20の昇降軸芯Xとを、同一軸芯に設定してある。
穀粒タンク20の前端部に排出スクリュー111による穀粒送出口113を設けてある。排出スクリュー111に搬送始端側が接続された状態で穀粒タンク20の前方に設けられ、排出スクリュー111からの穀粒を揚送する走行機体上下方向の縦スクリューコンベヤ110aと、縦スクリューコンベヤ110aの上端部から延出され、縦スクリューコンベヤ110aからの穀粒を搬出する横スクリューコンベヤ110bとを備えて、アンローダ110を構成してある。案内シュート50を備え、案内シュート50による穀粒取出しも可能にしてある。
穀粒タンク20の前壁23と右横壁26とに形成される角部にアンローダ収容凹入部114を設け、このアンローダ収容凹入部114にアンローダ110のうちの縦スクリューコンベヤ110aが入り込む状態でアンローダ110を配備してある。
穀粒タンク20の底部22のうち、アンローダ収容凹入部114の後端よりも前側に位置する部分22a(図1,9参照)の形状を、後方下がりの傾斜状にしてある。すなわち、穀粒タンク20を上昇排出姿勢にして、穀粒を排出スクリュー111に流動させる際、穀粒を前記部分22aの傾斜形状によってスムーズに流動させることができる。
図29(b)は、アンローダ110を備えたコンバインにおいて、さらに別の実施構造を備えた穀粒タンク20を示す縦断正面図である。この穀粒タンク20では、穀粒退避空間を備えさせる際に使用するように右横壁26の横外側に位置する空間を閉じる外壁115を案内シュート50に替えて取り付けてある。
図29(c)は、アンローダ110を備えたコンバインにおいて、さらに別の実施構造を備えた穀粒タンク20を示す縦断正面図である。この穀粒タンク20では、排出スクリュー111よりもタンク横外側に右横壁26を設けてある。
〔別実施例〕
(1)上記した実施例では、穀粒タンク20の上昇排出姿勢として、走行機体右横外側に排出する上昇排出姿勢を設定した例を示したが、走行機体左横外側に排出する上昇排出姿勢、あるいは走行機体後方側に排出する上昇排出姿勢を設定して実施してもよい。
すなわち、穀粒タンク20を走行機体左横方向の端部側に設けた走行機体前後向きの昇降軸芯まわりに上下揺動自在に構成しても、走行機体前後方向での端部側に設けた走行機体横向きの昇降軸芯まわりに上下揺動自在に構成してもよい。
(1)上記した実施例では、穀粒タンク20の上昇排出姿勢として、走行機体右横外側に排出する上昇排出姿勢を設定した例を示したが、走行機体左横外側に排出する上昇排出姿勢、あるいは走行機体後方側に排出する上昇排出姿勢を設定して実施してもよい。
すなわち、穀粒タンク20を走行機体左横方向の端部側に設けた走行機体前後向きの昇降軸芯まわりに上下揺動自在に構成しても、走行機体前後方向での端部側に設けた走行機体横向きの昇降軸芯まわりに上下揺動自在に構成してもよい。
(2)穀粒タンクを走行機体前後向きの昇降軸芯まわりに上昇排出姿勢にして走行機体横外側に排出するよう構成するのに、走行機体前後向きの昇降軸芯を穀粒タンクの走行機体横方向での端部側に設ける他、走行機体横方向での中央側に設けて実施してもよい。
(3)上記した実施例では、昇降軸芯Xが底部22より下方に位置するよう構成した例を示したが、底部22と同じ位置あるいは底部22より上方に位置するように構成して実施してもよい。
(4)上記した実施例では、下降貯留姿勢の穀粒タンク20の底部22と天板5bとが近接する例を示したが、底部22と天板5bとが比較的離れるよう構成して実施してもよい。
(5)上記した実施例では、穀粒タンク20を走行機体の全幅又はほぼ全幅にわたって配備した例を示したが、穀粒タンク20の横幅を走行機体の全幅より狭くして実施してもよい。
(6)上記した実施例では、昇降軸芯Xが扱胴軸芯Pよりも上方に位置する例を示したが、扱胴軸芯Pと同じ高さに、あるいは扱胴軸芯Pよりも下方に位置するように構成して実施してもよい。
(7)上記した実施例では、昇降軸芯Xと排出スクリューの回転軸芯とを同一軸芯に設定した例を示したが、異なる軸芯に設定して実施してもよい。
本発明は、前車輪2、後車輪3を走行用に備える他、クローラ走行装置を備えたコンバイン、また自脱型コンバインにも利用可能である。
5 脱穀装置
5b 天板
20 穀粒タンク
22 底部
22a 部分
28,29 連結杆
31 穀粒排出口
42 軸受部材
43 支持フレーム
110 アンローダ
111 排出スクリュー
112 凹入部
112a 上端縁
113 穀粒送出口
114 アンローダ収容凹入部
P 扱胴軸芯
X 昇降軸芯
5b 天板
20 穀粒タンク
22 底部
22a 部分
28,29 連結杆
31 穀粒排出口
42 軸受部材
43 支持フレーム
110 アンローダ
111 排出スクリュー
112 凹入部
112a 上端縁
113 穀粒送出口
114 アンローダ収容凹入部
P 扱胴軸芯
X 昇降軸芯
Claims (14)
- 脱穀装置からの穀粒を貯留する穀粒タンクを、下降貯留姿勢と上昇排出姿勢とにわたって昇降軸芯まわりに上下揺動自在に設け、
前記穀粒タンクのうち、前記上昇排出姿勢で下側となる端部に穀粒排出口を設け、
前記穀粒タンクの底部の形状を、前記上昇排出姿勢で上側となる端部と、前記穀粒排出口側とにわたって一直線状にしてあるコンバイン。 - 前記穀粒タンクは、走行機体の全幅又はほぼ全幅にわたって配備され、
前記昇降軸芯は、前記穀粒タンクの走行機体横方向又は走行機体前後方向での端部側に位置している請求項1に記載のコンバイン。 - 前記下降貯留姿勢における前記穀粒タンクの底部が水平姿勢である請求項1又は2に記載のコンバイン。
- 前記昇降軸芯が前記底部よりも下方に位置している請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンバイン。
- 前記穀粒タンクは、前記脱穀装置の上方に配置してある請求項1〜4のいずれか一項に記載のコンバイン。
- 前記下降貯留姿勢における前記穀粒タンクの底部と、前記脱穀装置の天板とが近接するように構成してある請求項5に記載のコンバイン。
- 前記昇降軸芯が前記脱穀装置の扱胴軸芯よりも上方に位置している請求項5又は6に記載のコンバイン。
- 前記昇降軸芯は、前記穀粒タンクの走行機体横方向での端部側に位置し、
前記穀粒タンクを前記昇降軸芯まわりに上下揺動自在に支持する軸受部材を支持する支持フレームを備え、
前記支持フレームは、前記脱穀装置の横側方に配備してある請求項1〜7のいずれか一項に記載のコンバイン。 - 前記穀粒タンクに、前記穀粒排出口からの穀粒を前記穀粒タンクの外部に排出する排出スクリューを装備し、
前記昇降軸芯と、前記排出スクリューの回転軸芯とを同一軸芯に設定してある請求項1〜8のいずれか一項に記載のコンバイン。 - 前記穀粒タンクの底部のうちの前記穀粒排出口が位置する側の端部に、前記穀粒排出口に連通し、かつ前記排出スクリューが入り込んだ凹入部を設け、
前記穀粒タンクの底部の形状を、前記上昇排出姿勢で上側となる端部と、前記凹入部の上端縁とにわたって一直線状にしてある請求項9に記載のコンバイン。 - 前記穀粒タンクの前端部に前記排出スクリューによる穀粒送出口を設け、
前記排出スクリューからの穀粒を搬送するアンローダを、前記穀粒タンクの走行機体前方側に設け、
前記穀粒タンクの前壁と横壁とによって形成される角部に、前記アンローダが入り込むアンローダ収容凹入部を設けてある請求項9又は10に記載のコンバイン。 - 前記穀粒タンクの底部のうち、前記アンローダ収容凹入部の後端よりも前側に位置する部分の形状を、後方下がりの傾斜状にしてある請求項11に記載のコンバイン。
- 前記穀粒タンクの内部に、対向し合う縦壁どうしを連結する連結杆を装備してある請求項1〜12のいずれか一項に記載のコンバイン。
- 前記穀粒タンクの前壁の形状を平面視で直線状にしてある請求項1〜13のいずれか一項に記載のコンバイン。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013164574A JP2016178870A (ja) | 2013-08-07 | 2013-08-07 | コンバイン |
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Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018171022A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-11-08 | 株式会社クボタ | 収穫機 |
JP2018171023A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-11-08 | 株式会社クボタ | 収穫機 |
-
2013
- 2013-08-07 JP JP2013164574A patent/JP2016178870A/ja active Pending
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