JP2016177213A - 現像剤担持体の製造方法、及び現像剤担持体 - Google Patents

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Abstract

【課題】溝形成された現像剤担持体を複数の回転体で外側から支持して回転させた際に振動が発生しにくく、現像剤担持体の回転軸の加工を精度高く行うことができる現像剤担持体の製造方法を提供する。
【解決手段】円周面に多数の溝を有する金属製の円筒部材の一例であるスリーブ管41の回転軸線方向の両端に回転軸が配置された現像スリーブ70の中間体を使用する。現像スリーブ70の中間体は、スリーブ管41の端部が円筒状のカバー36で覆われ、支持ベアリング31がカバー36を介してスリーブ管41の回転中心を位置決めし、駆動ローラ32がカバー36を介して支持ベアリング31に向かってスリーブ管41を付勢している。このような位置決め状態で回転軸43の円周面が切削加工又は研削加工される。
【選択図】図7

Description

本発明は、円周面に現像剤を担持して回転し、像担持体との対向部へ現像剤を搬送して静電潜像をトナー像に現像する現像剤担持体の製造方法に関する。
回転する現像剤担持体の円周面にトナーを含む現像剤を磁気的に担持させて、現像剤担持体と像担持体の対向部へ現像剤を搬送することにより、静電潜像をトナー像に現像する画像形成装置が広く用いられている。
画像形成装置における現像剤担持体と像担持体の対向距離の変動は、現像剤担持体から像担持体へトナーを移動させる電界の強度を変動させるので、現像されたトナー像において、現像剤担持体の回転周期の濃度変動をもたらす可能性がある。
このため、現像剤担持体は、それ自体の真円度とともに、円周面に対する回転軸の取り付け位置精度及び回転軸の回転軸線に対する傾き精度が求められる(特許文献1)。
そこで、特許文献2では、両端に回転軸が接続された現像剤担持体の円形の断面を外側から3個の回転体で支持して回転させた状態で、回転軸の周面を切削加工することにより、円周面と回転軸の軸ずれ及び回転軸の傾きを修正する方法が提案されている。ここでは、現像剤担持体の円周面を基準とした回転軸の仕上げ加工を行うことで、円周面の回転軸線に回転軸の回転軸線を一致させている。
一方、従来の現像剤担持体の製造方法では、現像剤担持体の円周面に対してガラスビーズを用いたサンドブラスト処理を行っている。サンドブラスト処理によって、円周面に現像剤粒子の平均径レベルの凹凸を一様に形成することで、現像剤担持体の円周面における現像剤粒子の担持性能を高めることができるからである。
そして、現像剤担持体の円周面をサンドブラスト処理する場合には、後述するように、サンドブラスト処理の前でも後でも現像剤担持体の両端の回転軸を特許文献2に示されるように、切削加工することができる。
特開2000−127006号公報 特開2004−66395号公報
しかし、サンドブラスト処理では、金属表面にガラスビーズの被弾によって、凹凸を形成する加工と凹凸を均す加工とが同時に進行するため、振幅の大きな凹凸を形成することができない。このため、現像剤担持体の円周面が現像装置の内部で、現像剤との摩擦に晒されて次第に摩耗してくると、凹凸が浅くなって現像剤の担持性能が低下する。その結果、静電潜像を現像したトナー像の濃度が低下したり、画像の濃度変動が発生し易くなったりする。
そこで、現像剤担持体の円周面に、サンドブラスト処理による凹凸の代わりに、高密度で規則的な溝を形成することが検討された。サンドブラスト処理による凹凸よりも深い溝を現像剤担持体の表面に形成することで、摩耗を経ても現像剤を保持するために十分な振幅の凹凸が残るようにする。
そして、現像剤担持体に組み立てた後に現像剤担持体の円周面に溝を形成するのは時間とコストがかかるため、最初から円周面に溝が形成された長尺の円筒材料を必要な長さに切断して現像剤担持体に組み立てることが検討された。そして、全長にわたって溝が形成された円筒材料の両端にフランジ付き回転軸を固定する。その後、溝が形成された現像剤担持体の円周面を複数の回転体で支持して、円周面を基準とした回転軸の仕上げ加工を行う。
しかし、円周面に溝が形成された現像剤担持体は、上述した回転軸の仕上げ加工を精度高く行うことができないことが判明した。円周面に溝が形成された現像剤担持体の円形の断面を外側から複数の回転体で支持して回転させると、回転体が溝を乗り越えるときに現像剤担持体に振動が発生する。現像剤担持体が振動している状態では、回転軸に対して切削加工を高精度に行うことができない。
本発明は、外周面に溝が形成された現像剤担持体を複数の回転体で外側から支持して、現像剤担持体の回転軸の加工を精度高く行うことができる現像剤担持体の製造方法を提供することを目的としている。
本発明の現像剤担持体の製造方法は、円周面に多数の溝を有する金属製の円筒部材の回転軸線方向の両端に回転軸が配置された中間体を使用し、前記中間体の前記回転軸の円周面を加工する物の製造方法である。そして、前記中間体の前記円筒部材の端部が円筒状のカバーで覆われ、1以上の回転体が前記カバーを介して前記円筒部材の回転中心を位置決めした状態で前記回転軸の円周面を切削加工又は研削加工する。
本発明の現像剤担持体の製造方法によれば、溝形成された現像剤担持体を複数の回転体で外側から支持して回転させた際に振動が発生しにくいため、現像剤担持体の回転軸の加工を精度高く行うことができる。
画像形成装置の構成の説明図である。 現像装置の構成の説明図である。 現像スリーブの説明図である。 SDギャップの変動に起因する画像の濃度ムラの説明図である。 比較例1の現像スリーブの製造方法の説明図である。 比較例2の現像スリーブの製造方法の説明図である。 実施の形態1の現像スリーブの製造方法の説明図である。 実施の形態1の変形例における突起の説明図である。 実施の形態2の現像スリーブの製造方法の説明図である。 支持ベアリングと駆動ローラの配置の説明図である。 実施の形態3の現像スリーブの製造方法の説明図である。 支持ベアリングと駆動ローラの配置の説明図である。 現像スリーブと回転軸とにおける断面の真円度誤差の説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
<実施の形態1>
(画像形成装置)
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図1に示すように、画像形成装置60は、中間転写ベルト61の下向き面に沿って、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
画像形成部10Yでは、感光ドラム1Yにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト61に転写される。画像形成部60Mでは、感光ドラム1Mにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト61に転写される。画像形成部60C、60Bkでは、それぞれ感光ドラム1C、1Bkにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト61に転写される。
中間転写ベルト61に転写された四色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送されて記録材Sへ二次転写される。分離ローラ63は、記録材カセット62から引き出した記録材Sを1枚ずつに分離して、レジストローラ65へ送り出す。レジストローラ65は、中間転写ベルト61のトナー像にタイミングを合わせて記録材Sを二次転写部T2へ送り込む。四色のトナー像を二次転写された記録材Sは、定着装置9で加熱加圧を受けて表面にトナー像を定着された後、排出ローラ69によって排出トレイ68へ排出される。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、それぞれの現像装置3で用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、ほぼ同一に構成される。以下では、画像形成部10Bkについて説明し、他の画像形成部10Y、10M、10Cについて重複する説明を省略する。
画像形成部10Bkは、感光ドラム1Bkを囲んで、帯電装置2、露光装置6、現像装置3、転写ローラ4、ドラムクリーニング装置5を配置している。感光ドラム1Bkは、アルミニウム製シリンダの外周面に感光層を形成しており、所定のプロセススピードで回転する。
帯電装置2は、負極性の直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧を帯電ローラに印加して、感光ドラム1Bkを一様な負極性の電位に帯電させる。露光装置6は、ブラックの画像を展開した走査線画像信号をON−OFF変調したレーザービームを回転ミラーで走査して、感光ドラム1Bkの表面に画像の静電像を書き込む。現像装置3は、トナーを感光ドラム1Bkに移転させて静電像をトナー像に現像する。画像形成によって現像装置3で消費されたトナー量に見合った量の新しいトナーが、トナーカートリッジ64から不図示のトナー搬送経路を経て現像装置3に供給される。
転写ローラ4は、中間転写ベルト61を押圧して、感光ドラム1Bkと中間転写ベルト61の間にトナー像の転写部を形成する。転写ローラ4に正極性の直流電圧が印加されることにより、感光ドラム1Bkに担持された負極性のトナー像が中間転写ベルト61へ転写される。ドラムクリーニング装置5は、感光ドラム1Bkにクリーニングブレードを摺擦させて、感光ドラム1Bkの表面に付着した転写残トナーを除去する。
中間転写ベルト61は、テンションローラ7c、二次転写対向ローラを兼ねた駆動ローラ66、及び張架ローラ7a、7bに掛け渡して支持され、駆動ローラ66に駆動されて矢印C方向に回転する。二次転写ローラ67は、駆動ローラ66に内周面を支持された中間転写ベルト61に当接して二次転写部T2を形成する。二次転写ローラ67に正極性の直流電圧が印加されることで、中間転写ベルト61上のトナー像が記録材Sへ二次転写される。ベルトクリーニング装置8は、中間転写ベルト61にクリーニングブレードを摺擦させて、中間転写ベルト61の表面の転写残トナーを回収する。
(現像装置)
図2は現像装置の構成の説明図である。図2に示すように、現像装置3は、トナーとキャリアを含む二成分現像剤を使用する二成分現像方式である。現像容器20の内部は、隔壁20hによって第一搬送室21と第二搬送室22とに仕切られている。第一搬送室21と第二搬送室22とは、隔壁20hの長手方向の両端部に形成された不図示の開口部によって連結されて現像剤の循環路を形成している。
第一搬送室21には第一搬送スクリュー23が配置される。第二搬送室22には第二搬送スクリュー24が配置される。第一搬送スクリュー23と第二搬送スクリュー24とが回転して逆方向に現像剤を搬送することで、現像剤が攪拌を受けつつ第一搬送室21と第二搬送室22とを循環する。
現像容器20の中には重量比で8〜12%のトナーと約90%のキャリアを含む現像剤(二成分現像剤)が収納されている。現像剤のトナーとキャリアは、第一搬送室21を搬送される過程で十分に攪拌されて摩擦帯電し、キャリアがプラス、トナーがマイナスに帯電する。第二搬送室22には、第二搬送スクリュー24と平行に現像剤担持体の一例である現像スリーブ70が配置されている。第二搬送スクリュー24は、第二搬送室22の現像剤を搬送しつつ現像スリーブ70に供給する。
現像スリーブ70は、アルミニウムの薄肉の円管で構成されて矢印D方向に回転するスリーブ管41の内側に、周面に複数の磁極を配置した非回転のマグネット71を配置している。マグネット71は、スリーブ管41の表面の各位相位置に所望の磁界を形成してスリーブ管41に現像剤を担持させる。
第二搬送スクリュー24から供給された現像剤は、マグネット71の磁束によって現像スリーブ70の表面に担持されて矢印D方向に搬送される。感光ドラム1と現像スリーブ70の対向位置にはマグネット71の磁極が配置されるので、対向位置では、トナーを担持したキャリアが磁気穂となって立ち上がり、磁気ブラシを形成して感光ドラム1の表面を摺擦する。この状態で、直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧を現像スリーブ70に印加することで、トナーが感光ドラム1に移転して感光ドラム1の静電像がトナー像に現像される。
現像スリーブ70の回転方向における感光ドラム1との対向位置の上流側に、スリーブホルダフレーム27が配置されて現像スリーブ70に対向している。スリーブホルダフレーム27は、現像スリーブ70が現像剤を搬送する際のガイドとなる現像剤整流部25と、現像スリーブ70に担持される現像剤の層厚を規制する層厚規制部26と、を有する。現像剤整流部25と層厚規制部26とは、樹脂成形されたスリーブホルダフレーム27が有する形状として一体に構成されている。
現像剤整流部25では、現像剤がくさび状の空間に押し込まれて小さな循環ループを形成し、現像剤が現像スリーブ70の表面を摺擦する。層厚規制部26と現像スリーブ70の対向位置にはマグネット71の磁極が配置されているので、両者の対向位置では、トナーを担持したキャリアが磁気穂となって立ち上がる。そして、層厚規制部26によって磁気穂が層厚規制部26と現像スリーブ70の対向間隔の長さに切り揃えられる。
(現像スリーブ)
図3は現像スリーブの説明図である。図4はSDギャップの変動に起因する画像の濃度ムラの説明図である。
現像スリーブ70は、アルミニウム合金やステンレス鋼などの金属材料で厚さ1mm、直径16mmの円筒状に形成されている。現像スリーブ70は、精密な円筒状に外周面が加工された回転自在なスリーブ管41の内側に、非回転のマグネット71が配置されている。スリーブ管41の端部にフランジ44が挿入され、フランジ44の中心に回転軸43が固定されている。現像スリーブ70は、回転軸43が軸受を介して現像装置3の現像容器30に支持されている。マグネット71は、スリーブ管41の内部でフランジ44に配置された軸受によってスリーブ管41に対する相対回転が可能に支持されている。
現像スリーブ70と感光ドラム1は、所定の対向距離(SDギャップと呼ぶ)で対向している。回転軸43は、感光ドラム1の周面に摺擦するスペーサ12に設けられた軸受13によって回転自在に支持されている。このため、仮に回転軸43の回転軸線とスリーブ管41の回転軸線とが平行に距離δずれていると、現像スリーブ70の一回転において、SDギャップが距離δの2倍変化する。現像スリーブ70に担持されたトナーが感光ドラム1へ移転する量は、現像スリーブ70と感光ドラム1との間に形成される電界に応じて変化する。現像スリーブ70の一回転において、SDギャップが周期的に変動すると、現像スリーブ70と感光ドラム1との間に形成される電界が強くなったり、弱くなったりする。同一の静電潜像であっても、電界が強くなったタイミングではトナーが多く現像され、電界が弱くなったタイミングではトナーが少なく現像される。
回転軸43の回転軸線とスリーブ管41の回転軸線とが平行にずれている場合、均一濃度の全面画像あるいはハーフトーン画像において、図4に示すような、現像スリーブ70の回転周期の縞模様が発生することがある。このため、現像装置3における現像スリーブ70の回転精度は、画像形成装置60の出力画像の品質に大きく影響する。
図4に示す縞模様の濃度ムラを低減するには、SDギャップに印加される電界を安定させる必要がある。回転軸43とスリーブ管41とが平行でない場合、交差角度を持つ場合等も、場所ごとのSDギャップの変動を引き起こして出力画像の濃度ムラとなる。
また、現像スリーブ70の円周面の振れは、層厚規制部26における現像スリーブ70と層厚規制部26の対向間隔(SBギャップと呼ぶ)の周期的変動を引き起こす。SBギャップの変動は、現像スリーブ70に担持される現像剤量を変動させるため、これによっても出力画像の濃度ムラが発生してしまう。
画像形成装置の出力画像における画像濃度の面内均一性の向上、ピッチムラの低減を実現させるためには、SDギャップに形成される電界を安定化させる必要がある。そして、「現像スリーブ70の円周面の振れ」は、縞模様の濃度ムラの要因の一つであって、大きなウエイトを占めている。「現像スリーブ70の円周面の振れ」は、スリーブ管41の円筒体として真直度、スリーブ管41の外周の真円度、スリーブ管41に対する両端の回転軸43の同軸度、スリーブ管41の回転軸線に対する両端の回転軸43の回転軸線の傾きに関係している。
そこで、「現像スリーブ70の円周面の振れ」を減少させるために、次のような加工技術が実用化されている。ここでは、所定の真円度に加工された現像スリーブ70の外周面を複数の回転体で支持して回転させた状態で、回転軸43の外周面を現像スリーブ70の外周面と同心状に切削加工している。これにより、スリーブ管41に対する両端の回転軸43の同軸度を修正し、スリーブ管41の回転軸線に対する両端の回転軸43の回転軸線の傾きを解消している。
(比較例1の製造方法)
図5は比較例1の現像スリーブの製造方法の説明図である。
比較例1では、サンドブラスト処理により現像スリーブの表面に現像剤を搬送するための凹凸を形成している。
図5の(a)に示すように、スリーブ管41となる筒状素材は、3片のアルミニウム板を熱間で貼り合わせて円筒に成形後、円形のダイスを用いた押し出し加工または引き抜き加工によって、ほぼ所望の内径及び外径を有する円筒状に成形されている。円筒状に成形された筒状素材を所望の長さに切断してスリーブ管41とする。
図5の(b)に示すように、スリーブ管41の長手方向の一方の端部に第1のフランジ部材Faを圧入するための挿入孔41aを形成して、挿入孔41aに第1のフランジ部材Faを圧入する。この時点で、回転軸43に対するスリーブ管41の振れ精度は30μm程度である。
図5の(c)に示すように、芯無加工(センターレス加工)を施して、スリーブ管41の円周面41bを仕上げ加工してゆがみ等を取り除く。その後、スリーブ管41の他方の端部に機械加工を行って第2のフランジ部材Fbを圧入するための挿入孔41aを形成する。芯無加工では、例えば、特許文献1に示されるように、一対の回転砥石(又は回転砥石とゴムローラ)の対向面上にスリーブ管41を載置し、スリーブ管41が自転を伴って周面が研削されるように、一対の回転砥石を回転させる。
図5の(d)に示すように、加工後、洗浄工程を経て、現像スリーブ70の円周面41bにサンドブラスト処理などの表面処理を施す。
図5の(e)に示すように、サンドブラスト処理後、フランジ部材Faの挿入孔44aに軸受44bを取り付ける。そして、スリーブ管41の他方の端部側からマグネットローラ71を装入して一方の端部を軸受44bで支持させる。さらに、スリーブ管41の他方の端部の挿入孔41aに第2のフランジ部材Fbを焼き嵌めする。
図5の(f)に示すように、現像スリーブ70の円周面41bが所定の真円度(5μm以下)に加工されていても、一対の回転軸43を基準とする現像スリーブ70全体の円周面41bの振れ量は、20μmから30μm程度にも達している。このため、このままでは、出力画像に濃度ムラが少ない画像形成装置60において現像スリーブ70に要求される精度を満たさない。
そこで、図5の(g)に示すように、組み立て終わった現像スリーブ70の両端部を、2個の支持ベアリング31と1個の駆動ローラ32とで外側からそれぞれ支持して回転させた状態で、両端の回転軸43の外周面を切削加工する。これにより、回転軸43を基準とした現像スリーブ70の外周面の振れを8μm〜15μmまで修正している。
これにより、両端の回転軸43の外周面が現像スリーブ70の円周面41bと同心状になり、現像スリーブ70の回転軸線に対する一対の回転軸43の回転軸線の偏心及び傾きが修正される。現像スリーブ40の円周面41bの振れが解消されて、出力画像にピッチムラが出なくなる。
(比較例2の製造方法)
図6は比較例2の現像スリーブの製造方法の説明図である。
比較例1で製造された現像スリーブ70は、アルミニウムの表面にサンドブラスト処理で凹凸を形成しているので、十点平均粗さRzが10μm前後である。このような凹凸は、画像形成の累積に伴って次第に削れて、現像スリーブ70の現像剤の搬送性が低下する。
そこで、現像スリーブ70の現像剤の搬送性を安定化させ長寿命化する手法として、サンドブラスト処理を、溝形成に置き換えることが提案されている。20〜200μm程度の比較的に深い溝を現像スリーブ70の円周面に形成することで、累積画像形成枚数で評価した現像スリーブ50の交換寿命を、サンドブラスト処理の50万枚から100万枚以上へと改善することができる。
スリーブ管41の円周面に20〜200μm程度の比較的に深い溝を形成しようとする場合、押し出し加工や引き抜き加工を行ってパイプ材料を形成する際に、使用するダイスに予め溝に対応する突起を設けておく方法が好ましい。パイプ材料の形成と同時に溝形成が行われるからである。そして、溝形成されたパイプ材料を必要な長さに切断してスリーブ管41を形成し、現像スリーブ70に組み立てた後に、図5の(f)に示すように、両端の回転軸43を切削加工して「現像スリーブ70の円周面の振れ」を解消させることが望ましい。
しかし、溝形成された現像スリーブ70の場合、図5の(f)に示すように、現像スリーブ70の円周面41bを複数の支持ベアリング31及び駆動ローラ32で支持して回転させると、円周面41bの溝が邪魔をして安定した回転ができない。スリーブ管41の回転に伴って支持ベアリング31とスリーブ管41との間に振動が発生する。支持ベアリング31とスリーブ管41とは、互いの円周面が円周上の一点で接して転動しているため、スリーブ管41の回転に伴って支持ベアリング31が溝に落ちるごとに転動の中心が失われ、転動の中心が溝を超えた前方へ移動する。現像スリーブ70の転動が途切れて不連続になり、支持ベアリング31とスリーブ管41の中心距離が変動するため、支持ベアリング31に支持されたスリーブ管41に振動が発生する。
このような状態では、当然、回転軸43の切削加工の加工精度が低下する。そこで、比較例2の現像スリーブの製造方法では、スリーブ管41の回転軸線方向の両端部に円周面を形成し、この円周面を利用して回転軸43の切削加工を行っている。
図6の(a)に示すように、アルミニウムのパイプ材料の引き抜き加工又は押し出し加工において、溝41mに対応する突起を内周面に設けたダイス(金型)を使用し、引き抜き加工又は押し出し加工に伴ってパイプ材料に溝41mを形成する。その後、パイプ材料を所定長さ(320mm)に切断してスリーブ管41を製作する。
図6の(b)に示すように、スリーブ管41を旋盤にチャックして、回転軸線方向の両端部の20mmの範囲を溝41mが無くなるまで切削加工して、溝41mが形成されていない溝無し面41cを形成する。
図6の(c)に示すように、スリーブ管41の内部にマグネット71を回転可能に収容し、スリーブ管41の両端にフランジ部材Fa、Fbを固定して現像スリーブ70を組み立てる。
図6の(d)に示すように、スリーブ管41の溝41mが無い溝無し面41cを支持ベアリング31、32で支持して現像スリーブ70を回転させた状態で回転軸43を切削加工する。
比較例2の製造方法では、溝41mが形成されていない溝無し面41cに対して中心位置と傾きとを修正した回転軸43が削り出される。そのため、溝無し面41cとスリーブ管41の円周面41bとの間に中心位置のずれや回転軸線の傾きがあった場合、「現像スリーブ70の円周面の振れ」を解消できない。
図6の(b)に示すように、溝無し面41cを旋盤で切削加工する際には、溝無し面41cとスリーブ管41の円周面41bの中心位置がずれないように、スリーブ管41を旋盤の回転軸に対して高精度にチャック(加工目的の取り付け)する必要がある。この作業には大変な時間がかかるため、現像スリーブ70の量産において比較例2の製造方法は現実的でなかった。
このように、現像スリーブ70の円周面の現像剤の担持性能を高める方法を、従来のサンドブラスト処理から、溝加工されたスリーブ管41の使用に変更すると、「現像スリーブ70の円周面の振れ」をうまく解消できなかった。現像スリーブ70の現像剤の搬送性能を安定させて交換寿命が延びる一方で、出力画像の濃度均一性の向上、ピッチムラ画像の低減に課題を残していた。
(実施の形態1の加工方法)
図7は実施の形態1の現像スリーブの製造方法の説明図である。上述したように、スリーブ管41の円周面41bを支持ベアリング31及び駆動ローラ32により支持して回転させた場合、円周面41bに溝41mがあるためにスリーブ管41に振動が発生する。そこで、実施の形態1では、図7の(d)に示すように、現像スリーブ70の支持ベアリング31及び駆動ローラ32に支持される領域にカバー36を被せて、支持ベアリング31及び駆動ローラ32に溝41mが接触しないようにした。
図7の(a)に示すように、スリーブ管41のパイプ材料は、3片のアルミニウム板を貼り合わせて円筒に成形後、押し出し加工又は引き抜き加工によって、所望の内外径を有して円周面41bに溝を形成された円筒状に形成されている。スリーブ管41の円周面41bには、母線に沿ったピッチが100μm、深さが50μmのV字型断面の溝41mが形成されている。アルミニウムのパイプ材料は、引き抜き加工又は押し出し加工において、溝41mに対応する三角形の突起を内周面に設けたダイス(金型)を使用しているため、引き抜き加工又は押し出し加工に伴ってパイプ材料に溝41mが形成される。その後、パイプ材料を所定長さ(320mm)に切断してスリーブ管41を製作している。
図7の(b)に示すように、スリーブ管41の内部にマグネット71を回転可能に収容し、スリーブ管41の両端にフランジ部材Fa、Fbを固定して、現像スリーブ70を組み立てる。現像スリーブ70の回転軸線方向の両端部に、中心に回転軸44が固定されたフランジ44が圧入される。現像スリーブ70の組み立て後、現像スリーブ70は、上述した芯無加工(センターレス加工)を施して、円周面41bの歪みを取り除く。現像スリーブ70の円周面41bを上述したように研削して、圧入等で生じた真円度の歪みを修正している。
ただし、この状態では、スリーブ管41の回転軸線と回転軸44の回転軸線とは、位置が最大20μmずれて相対的に傾いているため、スリーブ管41に合せて回転軸44の外周面を削り直す必要がある。
図7の(c)に示すように、円周面41bに溝41mが無い状態で現像スリーブ70を支持ベアリング(31)により支持させるため、現像スリーブ70の回転軸線方向の両端部に厚さが均一なカバー36が圧入装着される。カバー36の厚さは50μm、材質はステンレスSUS304である。カバー36の内径は、スリーブ管41の外径より数μm〜数10μm小さい。このため、カバー36をスリーブ管41に装着したとき、スリーブ管41の円周面41bの上に厚さが均一で密着したステンレス層が形成され、カバー36の表面は、溝41mに起因する凹凸の無い滑らかな円周面になっている。
図7の(d)に示すように、回転軸43の削り直しを行う工程では、現像スリーブ70のカバー36が被せられた部分を一対の支持ベアリング31と駆動ローラ32によって外側から支持する。支持ベアリング31は、ステンレスの金属ローラであり、駆動ローラ32は、スリップの回避と振動吸収性能を考慮して、金属ローラの外周面に厚さ1mmのゴム弾性層を形成したゴムローラとした。ただし、駆動ローラ32のゴム層の圧縮変形が回転軸43の加工誤差にならないように、切削工具35で切り込む方向は、切削抵抗の反力が作用する接線方向に支持ベアリング31が配置されているように定めている。
この状態で、不図示のモータを作動させて駆動ローラ32を回転させることにより、現像スリーブ70を回転させる。切削工具35を回転軸43の表面に浅く切り込ませて、スリーブ管41の回転軸線方向にゆっくりと移動させることにより、回転軸43の円周面がカバー36の円周面41bに合せて削り直される。削り直された回転軸43の回転軸線は、カバー36の外周面の回転軸線と一致して相対的な傾き角度も解消されるので、「現像スリーブ70の円周面の振れ」が小さくなる。
カバー36は、薄くて、現像スリーブ70に圧入されているので、回転軸43の削り直し後に、取り外して再利用することが難しい。そこで、回転軸43の削り直し後、カバー36がついたそのままの状態で現像スリーブ70として使用される。図2に示すように、現像装置3は、二成分現像装置であって、現像スリーブ70と感光ドラム1の対向間隔が300μmあるので、厚さ10μm程度のカバー36は何ら問題とならない。
実施の形態1では、現像スリーブ70の端部に厚さが均一なカバー36を装着することで、溝41mに支持ベアリング31が落ちて現像スリーブ70が振動することがなくなり、回転軸43の切削加工による精度出しが不具合なく行える。カバー36を用いた回転軸34の削り直しによって、現像スリーブ70の円周面41bに対する回転軸34の同軸度は0〜5μmにまで改善した。回転軸34で支持して回転させた際の現像スリーブ70の円周面41bの振れは10μm以下になった。同軸度の加工誤差が0〜5μmという小さい値に収まることによって、出力画像の画像濃度の面内均一性が向上して、ピッチムラ画像が観察されなくなった。
以上説明したように、実施の形態1では、円周面に多数の溝を有する金属製の円筒部材の一例であるスリーブ管41の回転軸線方向の両端に回転軸が配置された現像スリーブ70の中間体を使用する。そして、現像スリーブ70の中間体は、スリーブ管41の端部が円筒状のカバー36で覆われ、一対の回転体の一例である支持ベアリング31がカバー36を介してスリーブ管41の回転中心を位置決めしている。このような位置決め状態でスリーブ管41の両端から突出した回転軸43の円周面が切削加工又は研削加工される。
(実施の形態1の変形例)
図8は実施の形態1の変形例における突起の説明図である。実施の形態1では、回転軸43の切削加工時にカバーが伸びてスリップする場合があった。そこで、カバー36の支持ベアリング31に接触しない部分の内側面に突起36aを形成してスリップ止めとした。
図3に示すように、溝41mを有するスリーブ管41の端部に、一周にわたって厚さが均一なカバー36を挿入している。カバー36は、スリーブ管41に接する内周面に1つ以上の突起36aを有する。突起36aがスリーブ管41の円周面41bの溝41mに嵌ることで、現像スリーブ70に対してカバー36がスリップしにくくなる。
(実施の形態1の効果)
実施の形態1では、円周面に溝があるとできなかった「現像スリーブの円周面を基準にした回転支持により円周面と中心軸とを同軸化する加工が可能になる。基準となるべき所定の真円度に加工された現像スリーブ70を、複数の回転体によって円周面41bで支持して回転させた状態で、振動を発生することなく回転軸43の円周面を削り直すことができる。その結果、寿命と精度を兼ね備えた現像スリーブ70の量産が可能になる。回転軸43の回転中心とスリーブ管41の回転中心とを精度高く一致させ、両者の回転軸線の相対的な傾きを解消することができる。
実施の形態1では、サンドブラスト処理した現像スリーブに比較して寿命が長い溝形成した現像スリーブ70において、回転精度を向上し、長期に渡って安定的に画像濃度の面内均一性を向上させてピッチムラ画像を低減することができる。溝形成した現像スリーブ70を搭載することで、現像装置、プロセスカートリッジにおける現像の均一性が高まり、画像形成装置における出力画像の濃度ムラが少なくなる。
実施の形態1では、スリーブ管41は、溝に対応する突起が形成されたダイスを用いて金属材料を押し出し加工又は引き抜き加工することにより形成された円筒材料を所定長さに切断したものである。このため、溝を低コストに形成できる。
実施の形態1では、スリーブ管41は、スリーブ管41の円周面を基準にしてスリーブ管41の円周面を研削加工する芯無加工が施されている。このため、スリーブ管41の円周面の真円度が高められる。
現像スリーブ70の中間体は、スリーブ管41の端部の内周面に形成した段差部に、回転軸43を有するフランジを挿入されている。このため、回転軸を回転軸線方向に精度高く位置決めできる。
<実施の形態2>
図9は実施の形態2の現像スリーブの製造方法の説明図である。図10は支持ベアリングと駆動ローラの配置の説明図である。
実施の形態1では、カバー36は、現像スリーブ70の端部に圧入装着されるので、カバー36を無傷で抜き取ることが難しく、抜き取ったカバー36を、カバー36として再利用することが困難である。また、完成した現像スリーブ70の外観としては、カバー36は、無い方が好ましい。そこで、実施の形態2では、カバー36の内径を現像スリーブ70の外径より大きくして、カバー36との間に十分な隙間を持たせた。そして、大きなカバー36の内側で現像スリーブ70をガタつきなく支持するために、図9に示すように、駆動ローラ32をカバー36から外れた位置に配置した。
図10に示すように、カバー36の外径は、溝形成された現像スリーブ70の外径よりも5μm以上、好ましくは20μm〜40μm大きい。現像スリーブ70に対してカバー36は、抜き差しできる程度の挿入ガタをもっている。
カバー36は、その円周のどの部分をとっても厚さが一定で、周方向にはしなやかに曲がるが、溝41mのような短周期の急峻な不連続面には追従しない。カバー36は、ステンレスSUS304からなる無端ベルトで厚さが30μm、回転軸線方向の幅が10mmである。
現像スリーブ70が挿入されたカバー36の周面に当接させて2個の支持ベアリング31が配置される。駆動ローラ32は、カバー36の装着領域よりも回転軸線方向の内側に配置した。駆動ローラ32は、直径20mmの金属ローラの外周面に厚さ1mmのゴム弾性層を形成したゴムローラである。
駆動ローラ32は、溝形成された現像スリーブ70の円周面に直接接触して現像スリーブ70を回転駆動する。駆動ローラ32は、現像スリーブ70に形成された溝の深さに比較して十分厚い弾性層を有するため、溝の凹凸は、現像スリーブ70の振動を引き起こさない。
現像スリーブ70が矢印D方向に回転すると、切削工具35には矢印E方向の切削抵抗が作用する。このとき、回転軸43には矢印F方向の下向きの加圧力が作用して現像スリーブ70が一対の支持ベアリング31に押し付けられる。現像スリーブ70の全体は両端一対ずつの合計4個の支持ベアリング31によって高さ方向に位置決めされている。
図10に示すように、現像スリーブ70には、下向きの加圧力がかかっているので、現像スリーブ70の断面は、下側の支持ベアリング31の2点P31に位置決められ、駆動ローラ32の弾性層によって位置ずれ、振動等を発生しない。このため、高精度に回転軸43の円周面を切削加工して、現像スリーブ70の円周面41bと同心に仕上げることができる。
<実施の形態3>
図11は実施の形態3の現像スリーブの製造方法の説明図である。図12は支持ベアリングと駆動ローラの配置の説明図である。
実施の形態3では、実施の形態2よりも厚みが大きくて、剛性の高いカバー36を使用した。その結果、現像スリーブ70の支持が少し不安定になったので、図11に示すように、駆動ローラ32と対称な位置に付勢ローラ38を配置して、現像スリーブ70の円周上の2点を支持ベアリング31に向かって押圧する構成とした。
図11に示すように、カバー36は、その円周のどの部分をとっても厚さが一定の真円形状であって、その真円形状がほとんど変化しない実質的に剛体とみなせる材料を使用している。カバー36は、ここでは、ステンレスSUS304の厚さ0.8mm、幅10mmのリングである。
実施の形態2と同様に、一対の支持ベアリング31を、現像スリーブ70の端部が挿入されたカバー36の円周面に当接させて、現像スリーブ70の断面を位置決めている。現像スリーブ70の全体は、両端一対ずつの合計4個の支持ベアリング31によって支持されている。
駆動ローラ32及び付勢ローラ38は、表面に弾性層を配置して同一に形成されている。駆動ローラ32及び付勢ローラ38は、現像スリーブ70の溝41mが形成された円周面41bに直接接触して、現像スリーブ70を支持ベアリング31に向かって付勢する。カバー36は、内側面に現像スリーブ70が押し付けられたときに、現像スリーブ70の円周面41bに沿って変形しないため、カバー36の内側で現像スリーブ70の回転断面が前後方向へ移動する余地がある。そのため、実施の形態3では、現像スリーブ70を支持ベアリング31へ向かって押圧する駆動ローラ33及び付勢ローラ38を配置して、現像スリーブ70の回転断面が前後方向へ移動する余地を無くした。
図12に示すように、このようにすることで、駆動ローラ33及び付勢ローラ38の反対側の点Q31が不動点となって、現像スリーブ70の回転位置が変動しなくなる。また、点Q31と記述しているが、ほぼ径の等しい円が内接する点のことなので、現像スリーブ70の円周面41bが駆動ローラ33及び付勢ローラ38の反対側の面全体で接することと等価になる。このため、円周面41bに溝41mが形成されていても、カバー36が溝41mに落ちて現像スリーブ70の回転中心位置を移動させるような動きは発生しない。このため、現像スリーブ70の断面を安定して保持して、回転軸43の円周面をスリーブ管41の円周面41bと同軸加工することができる。
ただし、不図示のモータに接続されて現像スリーブ70を回転駆動するローラは、駆動ローラ33のみとした。付勢ローラ38は、カバー36の回転に伴って従動回転する。駆動ローラ33は、1個あれば、現像スリーブ70回転駆動が可能になるからである。
このようにすることで、カバー36は、スリーブ管41への抜き差しが容易になり、繰り返し使用することが可能になった。そして、カバー36の繰り返し使用を可能にしながら、出力画像の濃度の面内均一性を向上させてピッチムラ画像を低減させることができる。
<製造方法の特定方法>
図13は現像スリーブと回転軸とにおける断面の真円度誤差の説明図である。図13中、(a)は芯無加工、(b)は円周面の真円度の測定結果、(c)は回転軸の真円度の測定結果である。
実施の形態2、3では、加工工程でカバーが装着されるが、製造された現像スリーブにはカバーが装着されていないため、カバーを装着して回転軸を仕上げ加工したか否かを判断することは難しい。しかし、使用した材料が比較的に柔らかいアルミニウムであるため、加工工程におけるカバーの装着の有無をカバーが装着されていない現像スリーブにおいて判断可能である。
図13の(a)に示すように、実施の形態1乃至3では、現像スリーブ70の組み立て後に芯無加工(センターレス加工)によってスリーブ管41の断面の真円度の歪みを修正している。このため、図13の(b)に示すように、真円度測定器を用いてスリーブ管41の円周面41bの真円度を測定すると、芯無加工に特有の連続的な誤差分布曲線が現れる。円周面41bの輪郭形状は、芯無加工の履歴を少なからずもっており、円周面41bの輪郭をデフォルメすると略三角のおにぎり形状に1〜5μm程度の偏りを持った形状となっている。なお、真円度測定器は、同軸度、真円度の測定に用いられる汎用製品であり、ここでは、東京精密株式会社のロンコム55Aを使用した。
そして、回転軸43の仕上げ工程では、修正された円周面41bの断面の円形状を基準にして、両端の回転軸43の円周面を切削加工している。このため、真円度測定器を用いて回転軸43の輪郭の真円度を測定すると、図13の(c)に示すように、円周面41bのものと相似形状の誤差分布曲線が現れる。
図13の(b)、(c)に示す誤差分布曲線は、輪郭の一周における角度位置ごとの半径を誇張して描いたものである。実施の形態2、3では、円周面41bの断面の円形状を基準にして回転軸43を切削加工しているため、真円度測定器を用いて誤差分布曲線を測定すると、両者の重心位置のずれ量(同軸度)は5μm以内に収まっている。しかし、円周面41bの断面の円形状を基準にした切削加工に起因して、円周面41bの輪郭に残っている真円からの歪みが、回転軸43の断面形状にそのままトレースされている。円周面41bの溝41mではない部分を結んだ包絡線としての円形の輪郭線は、芯無加工を施した後であっても、真円からの偏りが数μm程度残っている。円周面41bの断面の周方向の角度位置ごとの真円からのずれ量は、回転軸43の断面の周方向の角度位置ごとの真円からのずれ量にほぼ等しい。すなわち、スリーブ管41の断面の一周における真円度の誤差分布と回転軸の断面の一周における真円度の誤差分布とが相似形である。
ただし、支持ベアリング31の位置と切削工具35の位置との周方向の位相差に応じて、両者のずれ量の増減位置は周方向にずれている。回転軸43の加工時の切削工具の位置により、両者の角度位置にずれは生じるが、真円からの偏りの角度位相周期は円周面41bと回転軸43の円周面とで同一となる。
このため、円周面41bと回転軸43の輪郭を真円度測定器を用いて測定して、両者の誤差分布曲線が相似形であれば、円周面41bの断面の円形状を基準にして回転軸43の円周面を切削加工していることが明らかになる。「同軸度」と「真円からの偏りの角度位相周期」の2点を検証すれば、実施の形態2、3の加工方法を実施したか否かの検証が可能である。
そして、円周面41bに予め溝41mが形成されている場合には、円周面41bの断面の円形状を基準にして回転軸43の円周面を形成することは容易でないから、カバー36が使用されたと推論できる。また、アルミニウムに比較して硬いステンレスのカバー36が押圧された現像スリーブ70の円周面41bは、溝41mが部分的に変形しているため、カバー36が装着された領域を見分けることができる。また、樹脂材料等のアルミニウムよりも柔らかい材料のカバー36が使用された場合には、カバー36の材料の一部が円周面41bに付着している場合がある。また、実施の形態2、3では、駆動ローラに用いたゴムローラのゴム屑がスリーブ管41bの溝41mに付着している場合がある。
なお、円周面41bの誤差分布曲線と回転軸43の誤差分布曲線とが、仮に180度ずれていたとしても、真円度が十分に高ければ、現像スリーブ70の回転に伴う感光ドラム1と現像スリーブ70の対向間隔の変動は許容範囲である。それぞれの真円からの最大変位が5μm程度であれば、画像濃度の周期的変動は許容範囲とされている。ただし、円周面41bの誤差分布曲線と回転軸43の誤差分布曲線との位相差は、30°以下であることが望ましく、回転軸43の仕上げ加工時に、そのように切削工具35を接触させることが望ましい。
また、上述した三角形のおにぎり型の誤差分布曲線の場合は、円周面41bの誤差分布曲線と回転軸43の誤差分布曲線が120°±30°ずれるように回転軸43の仕上げ加工時に切削工具35を接触させることが望ましい。一般化するとN角形ならば、(360°/N)ずれていても良い。
実施の形態1では、スリーブ管41が挿入される前のカバー36の内径がスリーブ管41の外径以下である。そして、スリーブ管41の回転中心を位置決めした状態では、支持ベアリング31に向かってスリーブ管41を付勢するように、1以上の回転体の一例である駆動ローラ32がカバー36を介してスリーブ管41を押圧している。このようにして形成された現像スリーブ70は、スリーブ管41の回転軸線方向の端部に円筒状のカバーが挿入されている。
実施の形態2では、スリーブ管41が挿入される前のカバー36の内径がスリーブ管41の外径よりも大きい。そのため、カバー36を介して押圧された部分の溝がつぶれていたり、摩耗していたりする場合がある。そして、スリーブ管41の回転中心を位置決めした状態では、スリーブ管41の回転軸線方向のカバー36から外れた位置で、弾性回転体の一例である駆動ローラ32がスリーブ管41を押圧している。駆動ローラ32は、支持ベアリング31に向かってスリーブ管41を付勢してスリーブ管41の回転軸線を支持ベアリング31に対して位置決めする。このようにして形成された現像スリーブ70は、スリーブ管41の回転軸線方向における端部の溝にカバー36の材料が付着している場合がある。あるいは、スリーブ管41の回転軸線方向における端部よりも内側の溝に、弾性回転体の一例である駆動ローラ32の材料が付着している場合がある。
<その他の実施の形態>
実施の形態1では、二成分現像剤を用いる現像装置の現像スリーブの実施形態を説明したが、本発明は、一成分現像剤を用いる現像装置の現像スリーブで実施してもよい。画像形成装置60は、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
現像装置は、感光ドラムと現像スリーブとが非接触であれば、非磁性トナーに磁性キャリアを混合した二成分現像方式には限らない。現像スリーブと感光ドラムの対向位置において、現像スリーブの回転に伴う対向距離の変動が問題となるすべての現像装置で実施できる。例えば、磁性トナーを使用する磁性一成分現像方式、更には非磁性トナーのみを用いる非磁性一成分現像方式であってもよい。現像スリーブと感光ドラムの対向距離の変動が現像されたトナー像のトナー載り量の変動に結びつく画像形成装置において本発明を実施可能である。
実施の形態2、3の製造方法によって製造される現像スリーブ70は、両端部に溝が残った形状となるので、現像剤の漏れ防止(シール性向上)のために、回転軸43の仕上げ加工後、図6に示すように、溝の深さ分外周面を切削加工してもよい。ただし、このように形成された溝無し部分は、回転軸43の円周面の加工の基準面ではない。
回転軸43の円周面の仕上げ加工において、切削工具35を用いた切削加工は、回転砥石を用いた研削加工に置き換えてもよい。カバー36の材質及び厚みは上述した数値には限られない。
カバー36を介して現像スリーブ70を支持する支持ベアリング31の個数は1でもかまわない。ただし、支持の安定性を考慮すれば、2個以上が好ましい。支持ベアリング31の直径は、大きいほうが現像スリーブ70の支持精度が高まるが、作業性と切削部の視認性、切削工具の移動範囲等を考慮すれば、現像スリーブ70の直径程度であることが好ましい。
現像スリーブ70の回転駆動は、2個以上の駆動ローラを用いて行っても良く、フレキシブルな回転伝達手段を介して回転軸43を直接に回転駆動してもよい。また、回転軸43の仕上げ加工の前に行う円周面41bの芯無加工(センターレス加工)は省略してもよい。
1、1Y、1M、1C、1Bk 感光ドラム
3、3Y、3M、3C、3Bk 現像装置
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成部
12 スペーサ、20 現像容器、20h 隔壁
21 第一搬送室、22 第二搬送室
23 第一搬送スクリュー、24 第二搬送スクリュー
25 現像剤整流部、26 層厚規制部、27 スリーブホルダフレーム
31 支持ベアリング、32 駆動ローラ、35 切削工具
36 カバー、38 付勢ローラ
41 スリーブ管、41a 挿入孔、41b 円周面、41c 溝無し面
41m 溝、43 回転軸 44 フランジ
70 現像スリーブ、71 マグネット

Claims (13)

  1. 円周面に多数の溝を有する金属製の円筒部材の回転軸線方向の両端に回転軸が配置された中間体を使用し、前記中間体の前記回転軸の円周面を加工する現像剤担持体の製造方法であって、
    前記中間体の前記円筒部材の端部が円筒状のカバーで覆われ、1以上の回転体が前記カバーを介して前記円筒部材の回転中心を位置決めした状態で前記回転軸の円周面を切削加工又は研削加工することを特徴とする現像剤担持体の製造方法。
  2. 円周面に多数の溝を有する金属製の円筒部材の回転軸線方向の両端に回転軸が配置された中間体を使用し、前記中間体の前記回転軸の円周面を加工する現像剤担持体の製造方法であって、
    前記中間体の前記円筒部材の端部が円筒状のカバーで覆われ、一対の回転体が前記カバーを介して前記円筒部材の回転中心を位置決めした状態で前記回転軸の円周面を切削加工又は研削加工することを特徴とする現像剤担持体の製造方法。
  3. 前記円筒部材が挿入される前の前記カバーの内径が前記円筒部材の外径以下であって、
    前記円筒部材の回転中心を位置決めした状態では、前記一対の回転体に向かって前記円筒部材を付勢するように、1以上の回転体が前記カバーを介して前記円筒部材を押圧していることを特徴とする請求項2に記載の現像剤担持体の製造方法。
  4. 前記円筒部材が挿入される前の前記カバーの内径が前記円筒部材の外径より大きく、
    前記円筒部材の回転中心を位置決めした状態では、前記円筒部材の回転軸線方向の前記カバーから外れた位置で、前記一対の回転体に向かって前記円筒部材を付勢するように、1以上の弾性回転体が前記円筒部材を押圧していることを特徴とする請求項2に記載の現像剤担持体の製造方法。
  5. 前記円筒部材は、前記溝に対応する突起が形成されたダイスを用いて金属材料を押し出し加工又は引き抜き加工することにより形成されたものであることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の現像剤担持体の製造方法。
  6. 前記円筒部材は、前記溝に対応する突起が形成されたダイスを用いて金属材料を押し出し加工又は引き抜き加工することにより形成された円筒材料を現像剤担持体において必要な長さに切断したものであることを特徴とする請求項5に記載の現像剤担持体の製造方法。
  7. 前記円筒部材は、前記円筒部材の円周面を基準にして前記円筒部材の円周面を研削加工する芯無加工が施されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の現像剤担持体の製造方法。
  8. 前記中間体は、前記円筒部材の端部の内周面に形成した段差部に、前記回転軸を有するフランジを挿入されていることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の現像剤担持体の製造方法。
  9. 円周面に多数の溝を有する金属製の円筒部材と、
    前記円筒部材の両端から回転軸線方向に突出し、前記円筒部材と一体に回転する回転軸と、
    前記円筒部材の回転軸線方向の端部に挿入された円筒状のカバーと、を備えることを特徴とする現像剤担持体。
  10. 円周面に多数の溝を有する金属製の円筒部材と、
    前記円筒部材の両端から回転軸線方向に突出し、前記円筒部材と一体に回転する回転軸と、を備え、
    前記円筒部材の回転軸線方向における端部の前記溝は、前記円筒部材の回転軸線方向における前記端部よりも内側の前記溝よりも摩耗していることを特徴とする現像剤担持体。
  11. 円周面に多数の溝を有する金属製の円筒部材と、
    前記円筒部材の両端から回転軸線方向に突出し、前記円筒部材と一体に回転する回転軸と、を備え、
    前記円筒部材の回転軸線方向における端部の前記溝にはカバーの材料が付着しているが、前記円筒部材の回転軸線方向における端部よりも内側の前記溝にはカバーの材料が付着していないことを特徴とする現像剤担持体。
  12. 前記円筒部材の回転軸線方向における端部の前記溝には弾性回転体の材料が付着していないが、前記円筒部材の回転軸線方向における端部よりも内側の前記溝には、弾性回転体の材料が付着していることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の現像剤担持体。
  13. 前記円筒部材の断面の一周における真円度の誤差分布と前記回転軸の断面の一周における真円度の誤差分布とが相似形であることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の現像剤担持体。
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