JP2012098538A - 感光体ドラムユニット、該感光体ユニットを備えるプロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

感光体ドラムユニット、該感光体ユニットを備えるプロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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【課題】感光体ドラムの振れを抑制し、個体間で振れのばらつきを抑制することが可能な感光体ドラムユニットを提供する。
【解決手段】円筒形の感光体ドラム(11)と、感光体ドラムの円筒形の内側に摺動することなく固定された円筒状である制振部材(20、30)と、を備え、制振部材は、該制振部材の円筒状の外周面が軸方向全長に亘って前記感光体ドラムの内面に接触し、かつ、制振部材の円筒状の軸線方向両端で外径が異なるように形成されており、制振部材は感光体ドラムの軸線方向に複数配置され、隣り合う制振部材は外径が大きい側同士が対向しないように配置されていることを特徴とする感光体ドラムユニットである。
【選択図】図5

Description

本発明は、レーザプリンタ、複写機等の画像形成装置に具備される感光体ドラムユニット、該感光体ユニットを備えるプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
レーザプリンタ、複写機等の画像形成装置には、該画像形成装置の本体にプロセスカートリッジが備えられている。
プロセスカートリッジとは、文字や図形等、表されるべき内容を紙等の記録媒体に転写する部材であり、ここには転写する内容が形成される感光体ドラムユニットが備えられる。従ってプロセスカートリッジには、転写すべき内容を感光体ドラムユニットに形成するための各種手段が併せて配置される。これには、例えば現像、帯電、クリーンニングを行う手段を挙げることができる。
感光体ドラムユニットに具備される感光体ドラムは円筒形の部材であり、その作動時には円筒の軸を中心に回転し、その回転に伴って騒音を発する場合がある。騒音の原因として次のことが挙げられる。すなわち、感光体ドラムを帯電させるための装置として帯電ローラを用い、感光体ドラムを一様に帯電させるために直流電圧に加えて交流電圧を重畳すると、帯電ローラと感光体ドラムとの間の静電容量により、静電容量型スピーカーと同様の原理により騒音が発生する。また、クリーニングブレードを感光体ドラムに当接してクリーニングを行う際にクリーニングブレードがびびり、このときにも騒音が発生する場合がある。
これらの騒音を低減する手段として、感光体ドラムの内側に制振部材を挿入する技術が特許文献1〜特許文献3に開示されている。
特許第3257267号公報 特開2005−62463号公報 特開2005−4005号公報
しかしながら、これらの制振部材を挿入すると感光体ドラムの製造コストが上がるため、少しでもコストを削減するために制振部材の製造方法の工夫が行われている。具体的には、従来は押出成形により円筒形状に成形した後、機械加工によりスリットを形成していたところを、金型を工夫することにより押出成形により最初からスリットを形成する方法、再生樹脂等の安価な原料の使用、サイクルタイム短縮のため、冷却を強化して押出速度を速くする等の方法が行われている。ところが、これらのコスト削減の方策は、制振部材の寸法精度や、真円度、真直度、円筒度等の形状精度を悪化させる場合があり、感光体ドラムの精度悪化を引き起こすことがあった。
すなわち、押出成形によりスリットを形成する方法は、その性質上、精度の維持管理が難しく、真円度が悪化したり、冷却条件によっては残留応力により切断後の押出前後方向で外径が異なったりし易い。従って、ダイス(金型)の設計が悪いと偏肉が発生したり、真円度や切断後の押出前後の外径差を更に強調してしまうこともある。
また、射出成形の場合にも、安価な原料の使用や、冷却を強化したり離型性を向上させたりする等して、成形サイクル短縮等の工夫が行われている。離型性を向上させる方法として、制振部材外面に軸方向のテーパを設けることもあった。しかしながらこれらコスト削減の方策も、制振部材の寸法精度や、真円度、真直度、円筒度等の形状精度を悪化させる場合があり、感光体ドラムの精度悪化の一因になる場合があった。
一方、レーザプリンタ、複写機等の画像形成装置は高精細化、カラー化の進展に伴い、感光体ドラムにも高精度化が求められており、制振部材を挿入することによる感光体ドラムの精度悪化が問題となってきている。特に感光体ドラムの振れ精度が悪化すると、画像ぼけや歪み、色ずれとなって現れる。
ここで、「振れ」とは、感光体ドラムの中心軸を基準として回転させたときに、軸方向の任意の位置で測定した径方向の最大の変位であり、JIS B0621に定義されている全振れを意味する。
特許文献1〜特許文献3に記載のような従来の感光体ドラムユニットは制振の観点から一定の効果を奏するものであった。しかしながら、多量の感光体ドラムユニットを安価に製造するに際し、特に1つの感光体ドラムユニットに複数の制振部材を用いる場合に、感光体ドラムの振れを一定の水準以下としつつ、多数生産する感光体ドラムユニット間での感光体ドラムの振れのばらつきを抑えることについて考慮されていなかった。従って、従来においては、感光体ドラムユニット間で感光体ドラムの振れにばらつきが大きいことが問題であった。
そこで、本発明は感光体ドラムの振れを一定水準以下に抑制し、安価に多数生産する場合にも個体間で感光体ドラムの振れのばらつきを抑制することが可能な感光体ドラムユニットを提供することを課題とする。また、該感光体ドラムユニットを備えるプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
以下、本発明について説明する。ここではわかりやすさのため括弧書きにて図面の参照符号を付すが、本発明はこれに限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、円筒形の感光体ドラム(11)と、感光体ドラムの円筒形の内側に摺動することなく固定された円筒状である制振部材(20、30)と、を備え、制振部材は、該制振部材の円筒状の外周面が軸方向全長に亘って感光体ドラムの内面に接触し、かつ、制振部材の円筒状の軸線方向両端で外径が異なるように形成されており、制振部材は感光体ドラムの軸線方向に複数配置され、隣り合う制振部材は外径が大きい側同士が対向しないように配置されていることを特徴とする感光体ドラムユニット(10)である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に感光体ドラムユニット(10)において、隣り合う制振部材は外径が小さい側同士が対向して配置されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の感光体ドラムユニット(10)において、制振部材(20、30)は、軸線方向に沿ったスリット(22、32)が設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、筐体(2)と、該筐体内に配置される請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光体ドラムユニット(10)と、筐体内に配置され感光体ドラムを帯電させる手段と、を備えるプロセスカートリッジ(1)である。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のプロセスカートリッジ(1)を備え、該プロセスカートリッジに回転駆動力を付与することにより画像を形成する画像形成装置である。
本発明によれば、感光体ドラムユニットの振れに関し、その個体間における振れのばらつきを抑制し、かつ振れの大きさも一定の水準以下に抑えることができる。
プロセスカートリッジの模式図である。 図2(a)は感光体ドラムユニットの外観斜視図、図2(b)はその一部を透視して示した斜視図である。 制振部材の外観斜視図である。 図4(a)は制振部材の正面図、図4(b)は制振部材の背面図、図4(c)は制振部材の左側面図である。 制振部材の配置を説明するための図である。 制振部材の配置のうちスリットの位置関係を説明するための図である。 振れ測定器を説明するための図であり、図7(a)が正面図、図7(b)が側面図である。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
図1は1つの実施形態に係る感光体ドラムユニット10(図2参照)を具備するプロセスカートリッジ1の構成を模式的に示した図である。このようなプロセスカートリッジ1を不図示の画像形成装置本体に挿入して配置することにより、画像形成装置である例えばレーザプリンタ、複写機、ファクシミリ等が機能する。以下詳しく説明する。
プロセスカートリッジ1は、その外郭を形成する筐体2を有し、その内側に各種部品が内包されている。本実施形態では具体的には、感光体ドラムユニット10(図2参照)、帯電ローラ3、現像ローラ4、規制部材5、転写手段6、及びクリーニングブレード7を有している。紙などの媒体がプロセスカートリッジ1の内部を図1にPで示した線に沿って移動することにより、当該媒体に画像が形成される。
感光体ドラムユニット10には、紙等の記録媒体に転写すべき文字や図形等が形成される。図2(a)に感光体ドラムユニット10の外観斜視図を示した。また、図2(b)には、感光体ドラムユニット10の一部を透視した図を示した。図2(a)、図2(b)からわかるように感光体ドラムユニット10は、感光体ドラム11、フランジ12、駆動フランジ13、及び制振部材20、30を備えている。以下、図2及び適宜示す図を参照しつつ感光体ドラムユニット10について説明する。
感光体ドラム11は、円筒形であるドラムシリンダの外周面に感光層を被覆した部材である。ドラムシリンダは、アルミニウム等の導電性の円筒形シリンダに感光層を塗布して構成されている。形成される感光層は特に限定されるものではなく、その目的に応じて公知のものを適用することができる。
感光体ドラム11の一端には後述するように駆動フランジ13が取り付けられ、他端にはフランジ12が配置されている。また、円筒形の筒内には図2(b)からわかるように制振部材20、30が挿入されている。
フランジ12は、樹脂により形成された部材で、感光体ドラム11の円筒内側に嵌合される嵌合部と、感光体ドラム11の一端面を覆うように配置される軸受部とが同軸に形成されている。軸受部は、感光体ドラム11の端面を覆う円板状であるとともに、画像形成装置本体に具備される軸を受ける部位が設けられている。また、フランジ12には、導電性材料によりなるアース板が配置され、これにより感光体ドラム11と画像形成装置本体とを電気的に接続させている。
駆動フランジ13は、感光体ドラム11の端部のうち上記フランジ12とは反対側の端部に取り付けられる部材である。駆動フランジ13は、画像形成装置本体からの駆動力を受けて感光体ドラムユニット10自体を回転させるとともに、感光体ドラムユニット10に隣接する他のローラ(帯電ローラ等)にもこの回転力を伝達する機能を有する。具体的には、駆動フランジ13は画像形成装置本体が具備する回転軸を受ける不図示の軸受を有し、画像形成装置本体からの回転駆動力を受ける。また、図2(a)、図2(b)からわかるように、駆動フランジ13の外周面13aには歯車形状が形成されており、これが隣接するローラ(帯電ローラ等)に具備される歯車形状と噛み合うことで回転駆動力が伝達される。
制振部材20、30は、感光体ドラム11の内側に挿入される略円筒状の部材である。図3には制振部材20の斜視図を示した。図4には、二次元図を示した。図4(a)が正面図、図4(b)が背面図、図4(c)が左側面図である。制振部材30の形状は制振部材20と同じなので、ここでは制振部材20についてのみ説明し、制振部材30の説明は省略する。
図3、図4からわかるように、制振部材20は円筒状の部材である。ただし、制振部材20は円筒状の本体21に円筒軸に沿った所定の幅のスリット22が設けられている。従って、図4(c)からわかるように、円筒軸に直交する断面において制振部材20はC字状となっている。また、本体21の外周面のうち、スリット22が設けられた部位の直径方向反対側の外周面にはスリット22と平行に溝23が形成されている。
このように、本体21にスリット22を設けることにより制振部材20を感光体ドラム11内に挿入する際に制振部材を撓ませて外径を小さくして感光体ドラムへの挿入を容易にすることができる。さらに、本体21を感光体ドラム11内に配置したときには、感光体ドラム11を内側から押圧することにより、感光体ドラム11内に制振部材を固定することができる。
また、スリット22と反対側に溝23を設けることによりさらに制振部材20が撓みやすくなり、溝の幅と深さにより押圧力を制御することが可能となる。
ここで、制振部材20に備えられる各構成の具体的な大きさは特に限定されることはなく適宜変更可能である。
ただし、本体21の外径は感光体ドラム11の内径より若干大きいことが好ましい。これにより、本体21の弾性力によって感光体ドラム11の内面に制振部材20を密着させることができる。
また、本体21の厚さは2mm以上、長さは50mm以上であることが好ましい。これは本体の重量が大きいほど振動抑制の効果が大きいことによるものである。
さらに、感光体ドラム内に挿入し易い程度に外径を小さくするため、及び弾性変形の吸収効果の観点から、スリット22の幅は1mm以上であることが好ましい。また、溝23の深さは、感光体ドラム内に挿入する際の撓ませ易さ、挿入後の感光体ドラム内面への密着力の強さ、及び振動抑制効果の観点から0.5mm以上であることが好ましい。
また、図4(a)、図4(b)からわかるように、制振部材20の外径は軸方向一端側と他端側とで異なるようにテーパ状とされている。ただし、図4では分かり易さのためテーパの程度を誇張して表している。テーパの角度αは小さいほど好ましく、0.3°以下、より好ましくは0.1°以下に設定される。制振部材を射出成形で製造する場合には、製造コストを削減するためにサイクルタイムの短縮が図られるが、その一つの方法として、離型性を良くするためにテーパを設けると良い。
このような制振部材20、30は樹脂から成形される。樹脂としては、例えばABS、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、各種のゴム等を挙げることができ、複数の材料の混合物であってもよい。PETボトル等の再生樹脂も使用可能である。これらの樹脂に無機フィラーを混練したものを使用しても良く、無機フィラーを混練することにより、製造時のベース樹脂の収縮を抑制することができ、精度の高い制振部材を製造することが可能となる。また、無機フィラーの混練により制振効果を向上させることも可能である。無機フィラーとしてはタルク、炭酸カルシウム、マイカ鱗片、ガラス、カーボンファイバー、等を挙げることができる。
また、制振部材20、30は上記した形状に加え、その端部付近にC面やテーパが形成されていてもよい。これにより感光体ドラム11への挿入が容易になる。
このような制振部材は、押出成形、スリット加工、又は射出成型等により製造することができる。
押出成形の場合は、制振部材の断面形状に対応した金型(ダイス)を準備し、ここに溶融又は半溶融した材料を流入させて押圧する。その後、冷却や切断の工程を経て個々の制振部材を製造することができる。
スリット加工は、制振部材の材料により形成された円筒形の部材に切削加工によりスリットや溝を形成する方法である。ここで、スリット加工は押出成形のダイスを工夫することにより、押出加工時に形成することも可能である。
射出成型は、断面方向のみでなくその軸方向にも対応する型に溶融した材料を射出して冷却することにより制振部材を製造する。
以上のような各部材を有する感光体ドラムユニット10は、次のように組み合わされて形成されている。すなわち、本実施形態では、図2(b)からわかるように、感光体ドラム11の筒状の内側に2つの制振部材20、30が軸方向に並べられて配置される。図5に説明のための図を示した。図5(a)は制振部材20、30の感光体ドラム11内への配置の1つの態様、図5(b)は他の態様を説明する図である。
図5(a)の態様では、2つの制振部材20、30において、外径の小さい側同士が向き合うように配置される。また、図5(b)の態様では、2つの制振部材20、30において外径の小さい側と外径の大きい側とが向き合うように配置される。すなわち、本発明では、外径の大きい側同士が向き合わないように配置される。
これにより、複数の感光体ユニットにおいて、各感光体ユニット間の振れの大きさを所定の大きさ以下に抑え、バラツキを抑えることが可能となる。従って、安定した品質の感光体ドラムユニットを提供することが可能となる。
従来の感光体ドラムユニットでは、制振部材を挿入しても各感光体ドラムユニット間の振れのバラツキが大きかった。その中には振れの大きいもの多く含まれており、このようなものは製品として提供することはできずに無駄となっていた。
これに対して本発明によれば、感光体ドラムユニット間のばらつきを抑制することができ、振れの絶対値も所定の範囲に抑えることが可能となる。従って、安定した品質の感光体ドラムユニットを効率よく提供することができる。
なお、図5では制振部材20、30の外径が大きい側のみが感光体ドラム11の内面に接しているように表しているが、これは見易さのためであり、実際には制振部材20、30のスリット等の部材形状や材質による撓みの効果により軸方向全長に亘って感光体ドラム11の内面に接触している。従って、制振部材20、30の部位によって感光体ドラム11を押圧する力が異なる。すなわち、制振部材の外径が大きい方は、感光体ドラムを内側から押圧する力が大きく、制振部材の真円度が悪い場合には、感光体ドラムを弾性変形させる力も大きくなる。従って、制振部材の外径の大きい側同士を向き合わせるように配置すると感光体ドラムを弾性変形させる押圧力がより大きくなり、感光体ドラムの振れ精度を悪化させることになる。
本実施形態では2つの制振部材20、30を配置した例を示したがこれに限定されることはなく、3つ以上の制振部材を配置してもよい。このときにはいずれの位置でも外径が大きい側同士が向き合わないようにする。
本実施形態では制振部材20、30はスリット22、32、及び溝23、33を備えているが、これらは必ずしも必要ではない。ただし、スリット33、32を備える場合には制振部材20、30を次のように配置することが好ましい。図6に説明図を示した。図6(a)は斜視図、図6(b)は、図6(a)に矢印VIbで示した方向から見た図である。図6(a)ではわかりやすさのため、2つの制振部材20、30を離隔して示しているが、実際には図2(b)のように近接して配置する。図6(b)では、制振部材30のスリット32、溝33の位置を破線で表わしている。
なお、制振部材30において、本体31は本体21、スリット32はスリット22、溝33は溝23にそれぞれ相当する。また、破線Aは感光体ドラム11の軸線、破線Bは制振部材20のスリット22が延びる方向(軸線に平行)、破線Cは制振部材30のスリット32が延びる方向(軸線に平行)をそれぞれ表わしている。
図6からわかるように、制振部材20と制振部材30とは次のように配置されることが好ましい。すなわち、軸線Aと制振部材20のスリット22とを結ぶ半径方向と、軸線Aと制振部材30のスリット32とを結ぶ半径方向と、の成す角を考える。この角は0度〜180度である側と0度〜−180度である側とが考えられるが、その絶対値をθとしたとき、θは60度以上120度以下とする。好ましくは90度である。
従って、制振部材20のスリット22の位置が、制振部材30のスリット32の位置に対して感光体ドラム11の軸線を中心とした軸線回りで60度以上120度以下の角度を有して配置されている。
これにより、複数の感光体ユニットにおいて、さらに各感光体ユニット間の振れの大きさを所定の大きさ以下に抑え、バラツキを抑えることが可能となる。従って、安定した品質の感光体ドラムユニットを提供することができる。
ここで、制振部材20、30は感光体ドラム11が回転してもその内側で摺動することがないように固定される。制振部材20、30のこのような感光体ドラム11内側への固定は、本体21の弾性変形の内面圧による保持や、接着剤を用いておこなわれる。
上記のように制振部材20、30が挿入された後、感光体ドラム11の両端にフランジ12と駆動フランジ13が取り付けられ、感光体ドラムユニット10とされる。
図1に戻って、プロセスカートリッジ1について説明を続ける。プロセスカートリッジ1の筐体2の内側に備えられる他の構成である帯電ローラ3、現像ローラ4、規制部材5、転写手段6、及びクリーニングブレード7は次のようなものである。
帯電ローラ3は、画像形成装置本体からの電圧印加により感光体ドラム11を帯電させる。これは、当該帯電ローラ3が感光体ドラム11に追随して回転し、感光体ドラム11の外周面に接触することにより行われる。
現像ローラ4は、感光体ドラム11に現像剤を供給するローラである。そして、当該現像ローラ4により、感光体ドラム11に形成された静電潜像が現像される。なお現像ローラ4には、固定磁石が内蔵されている。
規制部材5は、上記した現像ローラ4の外周面に付着する現像剤の量を調整するとともに、現像剤自体に摩擦帯電電荷を付与するブレードである。
転写手段6は、感光体ドラム11に形成された像を紙等の記録媒体に転写するためのローラである。
クリーニングブレード7は、感光体ドラム11の外周面に接触してその先端により転写後に残存した現像剤を除去するブレードである。
上記各ローラは筐体2の内側に回転可能に収められる。すなわち各ローラは筐体2の内側で必要に応じて回転してその機能を発揮する。
ここでは、プロセスカートリッジ1に備えられる各ローラ及びブレードについて説明したが、ここに具備される部材はこれに限定されるものではなく、その他プロセスカートリッジに通常に備えられる部材、部位、及び現像剤等が具備されていることが好ましい。
このようなプロセスカートリッジ1が画像形成装置本体に装着されて作動する。詳しくは次の通りである。画像を形成するときには、画像形成装置本体からの駆動力により感光体ドラム11を回転させて、帯電ローラ3により帯電させる。この状態で、ここに備えられる各種光学部材を用いて画像情報に対応したレーザ光を感光体ドラム11に照射し、当該画像情報に基づいた静電潜像を得る。この潜像は現像ローラ4により現像される。
一方、紙等の記録媒体は、画像形成装置本体にセットされ、該画像形成装置本体に設けられた送り出しローラ、搬送ローラ等により転写位置に搬送される。転写位置には転写手段6が配置されており、記録媒体の通過に伴い転写手段6に電圧が印加されて感光体ドラム11から記録媒体に像が転写される。その後、記録媒体に熱及び圧力が加えられることにより当該像が記録媒体に定着する。そして排出ロール等により画像形成装置本体から像が形成された記録媒体が排出される。
以下実施例で本発明をさらに説明する。ただし本発明は実施例に限定されるものではない。本実施例では、図5(a)に示した配置の感光体ドラムユニットを10ユニット(No.1〜No.10)、図5(b)に示した配置の感光体ドラムユニットを10ユニット(No.11〜No.20)、及び図5(b)の左右を反転した配置の感光体ドラムユニットを10ユニット(No.21〜No.30)準備し、その振れを測定した。また比較例として、2つの制振部材の外径が大きい同士を向き合わせて配置した感光体ドラムユニット(No.31〜No.40)を10ユニット準備して振れを測定した。また、図6に示したθは90度とした。
本実施形態では、感光体ドラムはアルミ合金(JIS規格で定められる合金番号3003)製とし、外径30mm、肉厚0.75mm、長さ340mmのものを用いた。制振部材はABSにタルクを混合した樹脂を用い、外径28.8mm、長さ100mm、肉厚4.4mm、溝幅2mm、溝深さ0.8mm、スリット幅3.0mmとした。
また、振れは次のように測定した。図7に振れ測定機の模式図を示す。図7は測定時の様子を表しており、図7(a)は正面図、図7(b)は側面図である。振れ測定機は感光体ドラムの左右のそれぞれに配置されるモーター、継手、高精度スピンドルユニット、測定コロを備えてこれがユニットとされている。このユニットは図示しないエアシリンダー及びLMガイドにより感光体ドラムの軸方向外側へ後退可能である。また、感光体ドラムの上部には揺れ止めコロが備えられ、ユニットの前進後退時に図示しないエアシリンダーにより上昇下降が可能である。また、感光体ドラムの下方にはドラム受台が備えられ、図示しないエアシリンダーにより2段階に上昇下降が可能である。
測定前には、左右のユニットを後退しておき、揺れ止めコロは上昇され、ドラム受台は感光体ドラムを載置しやすい位置まで上昇している。感光体ドラムをドラム受台に載置するとドラム受台は1段階下降し、左右のユニットが前進して測定コロが感光体ドラム内に挿入される。次にドラム受台をもう1段階下降させて感光体ドラムを測定コロに載せると同時に、揺れ止めコロが下降してドラムの揺れを止める。
この状態で左右のモーターを回転させ、レーザ測定機で感光体ドラムの上側の変位量を測定し、これを振れの測定値とする。レーザ測定機は、アンリツ製レーザ外径寸法測定機(検出部:KL1003BN、表示部:KL3000A)を使用した。
測定の終了後は、揺れ止めコロを上昇させると同時にドラム受台を1段階上昇させ、感光体ドラムを測定コロから離し、左右のユニットを後退させてから、ドラム受台をもう1段上昇させて、測定終了した感光体ドラムを取り出す。
ここで、測定コロは、その回転振れが1μm以下に製作されており、感光体ドラムの振れを高精度に測定することが可能である。通常、感光体ドラムの振れは中央付近で最大となるため、レーザ測定機はドラム中央に配置し、その測定値を振れ値とした。また、JIS規格で定義される全振れは、感光体ドラムの中心軸で回転させて測定されなければならないが、本測定機では感光体ドラム端部内面が基準となるため、厳密な全振れではなく、端部の真円度や偏肉等の影響も含んでいる。
表1に結果を示す。
Figure 2012098538
表1からわかるように、No.1〜No.30では、いずれもその振れを30μmより小さくに抑えることができた。一方、No.31〜No.40では、振れが30μm以上より大きくなるものがあった。
また、ばらつきの観点からも、標準偏差からわかるように、No.1〜No.30の例の方がNo.31〜No.40によるものより良好であった。
1 プロセスカートリッジ
10 感光体ドラムユニット
11 感光体ドラム
12 フランジ
13 駆動フランジ
20 制振部材
21 本体
22 スリット
23 溝
30 制振部材
31 本体
32 スリット
33 溝

Claims (5)

  1. 円筒形の感光体ドラムと、
    前記感光体ドラムの円筒形の内側に摺動することなく固定された円筒状である制振部材と、を備え、
    前記制振部材は、該制振部材の円筒状の外周面が軸方向全長に亘って前記感光体ドラムの内面に接触し、かつ、前記制振部材の円筒状の軸線方向両端で外径が異なるように形成されており、
    前記制振部材は前記感光体ドラムの軸線方向に複数配置され、隣り合う前記制振部材は前記外径が大きい側同士が対向しないように配置されていることを特徴とする感光体ドラムユニット。
  2. 隣り合う前記制振部材は前記外径が小さい側同士が対向して配置されていることを特徴とする請求項1に感光体ドラムユニット。
  3. 前記制振部材は、軸線方向に沿ったスリットが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の感光体ドラムユニット。
  4. 筐体と、該筐体内に配置される請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光体ドラムユニットと、前記筐体内に配置され前記感光体ドラムを帯電させる手段と、を備えるプロセスカートリッジ。
  5. 請求項4に記載のプロセスカートリッジを備え、該プロセスカートリッジに回転駆動力を付与することにより画像を形成する画像形成装置。
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