JP2016176594A - バランスウエイト - Google Patents
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Abstract
【課題】車両用ホイールのバランスウエイトについて、バランス調整が容易に行えるとともに調整後の状態を維持しやすくすることを課題とする。【解決手段】非鉛系金属を平面視長方形の薄板状に形成したウエイト本体10の底面に両面接着テープを貼付したバランスウエイト1において、そのウエイト本体10は、複数本の分割用溝条11が所定の単位重量になる位置毎に上面から所定深さで短径方向に亘って形成されたことで単位重量を有したものとして各々分割可能な小片部10a,10b,10c,10dからなり、小片部10a,10b,10c,10dの上面には分割用溝条11よりも幅狭で浅い湾曲用溝条12が短径方向に各々形成されており、分割用溝条11の位置で分割可能であるとともに分割用溝条11及び湾曲用溝条12の位置で厚さ方向に屈曲させながら貼付対象のホイール形状に合致するように全体的に湾曲可能なものとした。【選択図】図1
Description
本発明はバランスウエイトに関し、殊に、車両用ホイールに貼付してその重量分布の偏りを修正するためのバランスウエイトに関する。
車両用ホイールに貼付してその重量分布の偏りを修正するためのバランスウエイトとしては、実登第3055185号公報に提案された図8に示すものが周知であるが、このバランスウエイトは、両面接着テープ20の上にブロック状のウエイト本体10Cが複数個連設されており、修正に必要な重量になる位置で両面接着テープ20を剥離紙30とともに切断・分離して貼付するものである。
斯かるバランスウエイトでは、ウエイト本体10Cの素材として公害発生の心配が少ない鉄等の非鉛系金属を用いるのが一般的である。この場合、鉛と比べて比重が軽くなるとともに高い硬度により湾曲させにくくなる関係で、湾曲しているホイール(リム)の内周面に密着した状態で貼付するために1枚当たりの長さが短くなり、その分だけ厚さが増したものとなっている。そのため、ウエイト本体10Cの上端側がブレーキキャリパーに当たったり、両面接着テープ20への負荷が増して脱落しやすくなったりして、調整後の状態を長期間に亘って維持しにくいという難点がある。
また、そのウエイト本体10Cの1枚当たりの単位重量は、5グラム程度に設定されているのが通常であるが、10グラム以上の重量が必要な場合はウエイト本体10Cを複数個並べて貼付する必要がある。この場合、両面接着テープ20自体は一体であってもウエイト本体10Cは複数個の別体になることから、ウエイト本体が総て一体の場合と比べて剥離しやすくなるという問題もある。さらに、5グラムの半分の重さの2.5グラム等、基本となる単位重量よりも小さな単位で微調整を行いたい場合には、硬度の高い非鉛系金属からなるウエイト100を作業現場で切断して分割することが容易ではない。
本発明は、上記のような問題を解決しようとするものであり、車両用ホイールのバランスウエイトについて、バランス調整が容易に行えるとともに調整後の状態を維持しやすくすることを課題とする。
そこで、本発明は、非鉛系の金属を平面視長方形の薄板状に形成したウエイト本体の底面に両面接着テープを貼付してなる車両用ホイールのバランスウエイトにおいて、そのウエイト本体は、複数本の分割用溝条が所定の単位重量になる位置ごとに上面から所定深さで短径方向に亘って形成されたことで前記単位重量を有したものとして各々分割可能な複数の小片部からなるものとされ、その小片部の上面には前記分割用溝条よりも幅狭で浅い湾曲用溝条が短径方向に各々形成されており、前記分割用溝条の位置で分割可能であるとともに、前記分割用溝条及び前記湾曲用溝条の位置で厚さ方向に屈曲させながら貼付対象のホイール形状に合致するように全体的に湾曲可能とされている、ことを特徴とするものとした。
このように、両面接着テープでホイール周面に貼付する方式の薄板状バランスウエイトについて、そのウエイト本体の上面に、所定の単位重量に分割するための分割用溝条及び全体を湾曲変形させるための分割用溝条よりも幅狭で浅い湾曲用溝条を設けたことにより、その分割用溝条の位置で他の位置よりも容易に切断可能としながら単位重量の倍数にて正確に分割できるものとなり、且つ、分割用溝条に加え湾曲用溝条があることで硬度の高い素材であってもホイール形状に沿うように容易に湾曲変形させることが可能なものとなり、加えて、ウエイト本体を単位重量の倍数になる一体物としてホイール内面に密着して貼付可能としたことで、バランス調整後の状態を長期間に亘って維持しやすいものとなる。
また、このバランスウエイトにおいて、その平面視長方形のウエイト本体の少なくとも一方の長手方向端部側に、基本の単位重量になる前記小片部の半分の幅で半分の重量になる小片部が形成されている、ことを特徴としたものとすれば、より精密なバランス調整が容易に行えるものとなる。
さらに、上述したバランスウエイトにおいて、そのウエイト本体は、その上面の前記分割用溝条又は/及び前記湾曲用溝条の位置の裏側に相当する底面の位置に、分割又は/及び屈曲を行いやすくするための補助用溝条が少なくとも短径方向2分の1以上に亘って形成されている、ことを特徴としたものとすれば、分割作業及び変形作業が一層容易なものとなる。
さらにまた、上述したバランスウエイトにおいて、その分割用溝条は、湾曲用溝条の2倍以上の幅と深さを有したものであることを特徴としたものとすれば、分割位置が容易に認識できるとともに分割作業も容易なものとなる。
加えて、上述したバランスウエイトにおいて、その両面接着テープは、剥離紙を有した状態でその分割用溝条の位置で剥離紙とともに分離されたものとして小片部ごとに1枚ずつ貼付されていることを特徴としたものとすれば、分割用溝条の位置で切断しやすくなるとともに両面接着テープの粘着材が刃に付着しにくいものとなり、且つ、裏面を上にした状態でも正確な位置で切断しやすいものとなる。
この場合、その分離された両面接着テープは、隣接する両面接着テープとの間に切断具の刃を挿入させるための所定幅の隙間を短径方向に亘って形成しながら貼付されていることを特徴としたものすれば、この隙間が切断線に一致するため切断具の刃がこれに案内されて正確な切断が極めて容易に行えるようになる。また、その隙間が存在することで両面接着テープの粘着材が切断具の刃に一層付着しにくくなるため、連続した切断作業をスムースに行いやすいものとなる。
ウエイト本体の上面に、所定の単位重量に分割するための分割用溝条及びそれを湾曲変形させるための湾曲用溝条を設けた本発明によると、バランス調整が容易に行えるとともに調整後の状態を長期間に亘って維持しやすいものとなる。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を説明する。
図1は、本発明における実施の形態としてのバランスウエイト1を示している。このバランスウエイト1は、ゴムタイヤを装着した車両用ホイールの内周面側におけるバランス調整に適した位置にて、底面側の両面接着テープ20により非鉛系で鉛よりも硬度の高い金属からなるウエイト本体10又はそれを分割したものを貼付することにより、ホイール内周面に密着した状態にて設けることを想定したものである。
そのウエイト本体10の素材としては、比重・コスト面及び加工性・耐久性の観点から鉄又は鉄合金が好適であるが、本実施の形態においては、図2に示すようにその鉄系金属を平面視長方形の薄板状に形成してなるウエイト本体10の底面に、接着手段としての両面接着テープ20を貼付して設けたバランスウエイト1としている。
そして、そのウエイト本体10は、複数本の分割用溝条11が所定の単位重量になる位置ごとに上面から所定深さで短径方向に亘って形成されたことにより、その単位重量を有したものとして各々分割可能な複数個の小片部10a,10b,10cと、これらの半分の重量になる小片部10dからなるものとされている。
本実施の形態では、基本となる単位重量が5グラムの場合を示しているが、その小片部10a,10b,10cの上面中央には、その重量を示す数字が表示されている。また、これらの上面及び小片部10dの上面には、前述した分割用溝条11よりも幅狭で浅い湾曲用溝条12が短径方向に亘って形成されており、これらが全体として長径方向に所定間隔で並列している。
そのため、このウエイト本体10は、分割用溝条11の位置で容易に綺麗な状態で分割可能であるとともに、各分割用溝条11及び各湾曲用溝条12の位置で屈曲させながら貼付側のホイール形状に合わせてその全体を厚さ方向に容易に湾曲可能なものとされており、この点が本発明における最大の特徴部分となっている。
この場合、例えばウエイト本体10の厚さが2〜3.2ミリメートルであるとすると、断面が略V字状の分割用溝条11の深さは1〜2ミリメートル程度、最も広い上面側の幅は2〜4ミリメートル程度とすることが、切断作業の容易さと強度確保のバランスの観点から好ましい。また、湾曲用溝条12は分割用溝条11の2分の1以下の幅・深さであれば良いが、一般的には3分の1程度が好適であり、これにより分割用溝条11を湾曲用溝条12から見分けるのが容易になる。
尚、ウエイト本体10の長手方向両端側の上面側角部には、分割用溝条11を分割した状態と同様の角度・サイズによる面取り13が施されており、端部側から脱落しにくい形状となっている。また、両面接着テープ20としては、1ミリメートル程度の厚さの発泡樹脂による帯状体の表裏両面に粘着層が設けてなるものが好ましく、これにより分割用溝条12と湾曲用溝条11の位置で多角形的に変形させて湾曲した場合でも、それが厚さ方向に適度に変形することで弧状の貼付面に対する高い接着力を発揮することができる。さらに、基本となる小片部の単位重量は5グラムには限定されず、2グラムでも10グラムであっても良い。
図3は、上述したバランスウエイト1の分割方法の一例を示している。このバランスウエイト1は、そのウエイト本体10が分割用溝条11の位置にてプライヤやニッパ等の簡易な工具(切断具)を用いて容易に切断して分割できるようになっているが、本実施の形態では、小片部10a,10b,10cが5グラムになり小片部10dが2.5グラムになる。
そのため、5グラム、10グラム、15グラムの5グラムの倍数のほか、2.5グラム、7.5グラム、12.5グラムのように、2.5グラムの倍数でも分割可能であり、様々な重量調整の場合に容易に対応することができる。また、このバランスウエイト1は、17.5グラム以下の総重量であれば、貼付するウエイト本体は一体のものとして使用できることから、貼付後の安定性にも優れている。
図4は、上述したバランスウエイト1を、ホイール100の内周面に沿うように湾曲させた状態を示している。図のように、バランスウエイト1のウエイト本体10は、その上面側に、短径方向に亘って設けた分割用溝条11、湾曲用溝条12が長手方向に複数本並列して設けられていることから、各溝の開口側の幅を狭める向きで厚さ方向に変形しやすい構造となっているため、比較的容易に塑性変形させることが可能となっており、道具を使わなくてもホイール100における弧状の内周面に沿う形状にすることができる。
図5は、ウエイト本体10を1枚の両面接着テープ20の上に複数個並べて配置し、上述したバランスウエイト1が長手方向に複数連なった状態の製品の一例を示している。この例では、基本的な重量になる3つの小片部10a,10b,10cとその半分の重量になる1つの小片部10dが一体となったウエイト本体10では重量が足りない場合であっても、後続のウエイト本体10における所定の分割用溝条11の位置で両面接着テープ20を剥離紙30とともに分割することでそのまま連続的に貼付可能であることから、極めて作業性に優れている。
図6は、上述したウエイト本体10の応用例としてのウエイト本体10Bを底面図(バランスウエイトから両面接着テープを外した状態)で示している。このウエイト本体10Bは、底面の構造を除く部分は上述したウエイト本体10と共通しており、その上面側の分割用溝条11及び湾曲用溝条12の裏側に相当する底面の各位置に、それよりも浅い補助用溝条11b,12bが少なくとも短径方向2分の1以上に亘って形成されている点を特徴としており、底面に両面接着テープ20を貼付して上述したバランスウエイト1と同様に使用するものである。
より詳しくは、そのウエイト本体10Bにおいて、上面の分割用溝条11の裏側になる底面の各位置には補助用溝条11bが、湾曲用溝条12の裏側の裏側になる底面の各位置には補助用溝条12bが形成されており、表側からの溝の最深部と裏側からの溝の最深部に挟まれた部分が一層薄くなっているため、その部分での切断や湾曲方向の変形作業が一層容易なものとなっている。
また、その補助用溝条11b,12bは、ウエイト本体10の短径よりも僅かに短く形成されており、その長手方向の両端側はウエイト本体10Bの正面と背面になる外周面側に開口していないことから、両面接着テープ20を貼付した状態でこれらは総て外部に露出しない構成となっている。そのため、底面に形成した溝の内部に水やゴミや侵入しにくくなっており、貼付状態を維持しやすいものとしている。
図7(A)は、上述したバランスウエイト1の応用例としてのバランスウエイト1Cを示している。このバランスウエイト1Cは、ウエイト本体10Cの分割箇所に分割用溝条14,14,14,14が形成され、その間に湾曲用溝条15が各々形成されている点は上述のバランスウエイト1とほぼ共通しているが、図(B)の正面図に示すように、その両面接着テープ22が、剥離紙32とともに分割用溝条14の位置で分離されたものとして、小片部10e,10f,10g,10h,10iごとに1枚ずつ貼付されている点を特徴としている。
これにより、分割用溝条14の位置で正確に切断しやすくなることに加え、図7(C)のように裏面を上にした状態でも切断位置が認識しやすいものとなり、且つ、予め両面接着テープが分離されていることでその粘着材が切断具の刃に付着しにくいものとなる。また、この例においては、その両面接着テープ22が、その剥離紙32とともに隣接する両面接着テープ22・剥離紙32との間に切断具の刃を挿入させる隙間(1mm程度)を短径方向に亘って形成しながら貼付されており、且つ、その隙間に沿って補助用溝条14bが形成されている。これにより、その隙間部分で切断具の刃がスムースに案内されるため、切断作業が一層正確且つ容易に行いやすいものとしている。
以上、述べたように、車両用ホイールのバランスウエイトについて、本発明により、バランス調整が容易に行えるとともに調整後の状態を維持しやすいものとなった。
1,1C バランスウエイト、10,10B,10C ウエイト本体、10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g,10h,10i 小片部、11,14 分割用溝条、11b,12b,14b 補助用溝条、12,15 湾曲用溝条、20,22 両面接着テープ、100 ホイール
Claims (6)
- 非鉛系の金属を平面視長方形の薄板状に形成したウエイト本体の底面に両面接着テープを貼付してなる車両用ホイールのバランスウエイトにおいて、前記ウエイト本体は、複数本の分割用溝条が所定の単位重量になる位置ごとに上面から所定深さで短径方向に亘って形成されたことで前記単位重量を有したものとして各々分割可能な複数の小片部からなるものとされ、前記小片部の上面には前記分割用溝条よりも幅狭で浅い湾曲用溝条が短径方向に各々形成されており、前記分割用溝条の位置で分割可能であるとともに、前記分割用溝条及び前記湾曲用溝条の位置で厚さ方向に屈曲させながら貼付対象のホイール形状に合致するように全体的に湾曲可能とされている、ことを特徴とするバランスウエイト。
- 前記ウエイト本体は、その少なくとも一方の長手方向端部側に、基本の前記単位重量になる前記小片部の半分の幅で半分の重量になる小片部が形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載したバランスウエイト。
- 前記ウエイト本体は、その上面の前記分割用溝条又は/及び前記湾曲用溝条の位置の裏側に相当する底面の位置に、分割又は/及び屈曲を行いやすくするための補助用溝条が少なくとも短径方向2分の1以上に亘って形成されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載したバランスウエイト。
- 前記分割用溝条は、前記湾曲用溝条の2倍以上の幅と深さを有したものである、ことを特徴とする請求項1,2または3に記載したバランスウエイト。
- 前記両面接着テープは、剥離紙を有した状態で前記分割用溝条の位置で前記剥離紙とともに分離されたものとして前記小片部ごとに1枚ずつ貼付されている、ことを特徴とする請求項1,2,3または4に記載したバランスウエイト。
- 前記分離された両面接着テープは、隣接する前記両面接着テープとの間に切断具の刃を挿入させるための所定幅の隙間を短径方向に亘って形成しながら貼付されている、ことを特徴とする請求項5に記載したバランスウエイト。
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Cited By (1)
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2015
- 2015-04-30 JP JP2015092503A patent/JP2016176594A/ja active Pending
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JP2020148228A (ja) * | 2019-03-11 | 2020-09-17 | トヨタ自動車株式会社 | 車両用回転軸のバランスウェイト |
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