JP2016175967A - 遮光性粘着テープ及びこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

遮光性粘着テープ及びこれを用いた液晶表示装置 Download PDF

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【課題】基材に易接着処理がされていなくても基材と遮光層の密着性に優れ、さらには遮光層中に残留溶剤が少ない遮光性粘着テープを提供すること。【課題手段】基材と、該基材の少なくともいずれか一方の面に設けられた遮光層と、前記基材の少なくともいずれか一方の面側に設けられた粘着剤層と、を備え、前記遮光層は、ポリウレタン樹脂、数平均分子量が1,000〜10,000であるポリエステル樹脂、及びポリイソシアネートを含有するインキ組成物から形成されている遮光性粘着テープを提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、遮光性粘着テープ、及びこれを用いた液晶表示装置に関する。
携帯電話、PHS、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、及びノート型パーソナルコンピュータ等の携帯情報機器及び/又は携帯通信機器(以下、これらを「携帯情報・通信機器」と称することがある。)は、近年、薄型化が進んでいる。それら携帯情報・通信機器の薄型化に伴い、その機器を構成する周辺部材に対する薄型化の要求も非常に多くなってきている。この薄型化の要求は、携帯情報・通信機器に備えられる液晶表示装置において、液晶ディスプレイと筐体とを貼着するため、かつ筐体内の光源からの光漏れを防止するために用いられる、遮光性粘着テープにおいても例外ではない。
従来の遮光性粘着テープに使用されている基材としては、厚さ8μm以上のポリエチレンテレフタレートフィルムが主流であり、さらにその基材に対して、プライマー処理やコロナ処理等の易接着処理を施すことが一般的である(例えば特許文献1及び2参照)。
特開2002−235053号公報 特開2010−53240号公報
近年の携帯情報・通信機器の薄型化に伴い、最近では、遮光性粘着テープにおいて、厚さ8μm未満の基材を使用することも少なくない。遮光性粘着テープに使用される基材の厚さが8μm未満である場合、その基材に対して、易接着処理を施すことが難しいため、基材と遮光層間の密着性を維持するのが非常に困難である。
本発明者らは、易接着処理が施されていない基材に遮光層を密着させるべく、遮光層にポリエステル樹脂を用いることを検討した。しかしながら、インキを印刷等することにより形成された遮光層中に、インキに使用された溶剤が非常に多く残り、その残留溶剤量が多いことにより、遮光層の耐ブロッキング性の悪化や臭気が残るなどの弊害があった。更には粘着剤層を遮光層上に塗布した場合、遮光層に含まれる残留溶剤の影響で粘着剤層の外観不良を起こす場合もある。
そこで、本発明は、基材に易接着処理がされていなくても基材と遮光層の密着性に優れ、更には遮光層中に残留溶剤が少ない遮光性粘着テープを提供することを目的とする。
本発明者らは、易接着処理が施されていない基材に対しても良好に密着し、かつ残留溶剤量が少ない遮光層が得られるよう鋭意研究を重ねた結果、遮光層を形成するインキ組成物に、ポリウレタン樹脂、特定の数平均分子量範囲のポリエステル樹脂、及びポリイソシアネートを組み合わせて用いることで、目的とする遮光性粘着テープが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下に示す遮光性粘着テープが提供される。
[1]基材と、該基材の少なくともいずれか一方の面に設けられた遮光層と、前記基材の少なくともいずれか一方の面側に設けられた粘着剤層と、を備え、前記遮光層は、ポリウレタン樹脂、数平均分子量が1,000〜10,000であるポリエステル樹脂、及びポリイソシアネートを含有するインキ組成物から形成されている遮光性粘着テープ。
[2]前記ポリウレタン樹脂と前記ポリエステル樹脂の固形分比率が質量基準で99:1〜80:20である前記[1]に記載の遮光性粘着テープ。
[3]前記遮光層はカーボンブラックを含有する前記[1]又は[2]に記載の遮光性粘着テープ。
[4]前記基材がポリエチレンテレフタレートフィルムである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
[5]前記粘着剤層がアクリル系粘着剤から形成されている前記[1]〜[4]のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
[6]液晶表示装置に用いられる前記[1]〜[5]のいずれかに記載の遮光性粘着テープ。
[7]液晶ディスプレイと筐体とを備え、前記液晶ディスプレイと前記筐体とが、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の遮光性粘着テープで貼着されている、液晶表示装置。
本発明によれば、基材に易接着処理がされていなくても基材と遮光層の密着性に優れ、更には遮光層中に残留溶剤が少ない遮光性粘着テープを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
本発明に係る遮光性粘着テープは、基材と、基材の少なくともいずれか一方の面に設けられた遮光層と、基材の少なくともいずれか一方の面側に設けられた粘着剤層と、を備える。そして、遮光性粘着テープにおける前記遮光層は、ポリウレタン樹脂、数平均分子量(Mn)が1,000〜10,000であるポリエステル樹脂、及びポリイソシアネートを含有するインキ組成物から形成されている。以下、本発明の一実施形態に係る遮光性粘着テープの各構成について、詳細に説明する。
[基材]
基材としては、プラスチック系基材、金属系基材、及び繊維系基材などのいずれの基材であってもよいが、強度や薄さの観点から、プラスチック系基材を用いることが好ましい。プラスチック系基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、セルロース類、ポリスチレン(PS)、並びにポリカーボネート(PC)等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステルが好ましく、PETが強度及び絶縁性に優れ、安価であるため、より好ましい。
基材に使用できるPETフィルム等のプラスチック系基材は、易接着処理がなされていても、易接着処理がなされていなくてもよい(以下、易接着処理がなされていないことを「非易接着処理」と称することがある。)。後述する遮光層は、易接着処理の基材(易接着処理PETフィルム等)に対しても、非易接着処理の基材(非易接着処理PETフィルム等)に対しても、良好な密着性を示すため、易接着処理の有無を適宜選択すればよい。本明細書において、「易接着処理」とは、コロナ処理、ブラスト処理、プラズマ処理、オゾン処理(紫外線処理)及びフレーム処理、並びにプライマー処理等の公知の易接着処理を指す。
PETフィルム等の基材の厚さとしては、特に限定されないが、例えば、1〜150μmが好ましく、より好ましくは2〜100μm、さらに好ましくは2〜50μmである。また、後述する遮光層は、非易接着処理の基材に対しても良好に密着することから、コロナ処理等の易接着処理を施すことが困難であるような厚さ10μm以下の基材も好適であり、さらには厚さ8μm未満の基材も好適である。
なお、プラスチック系基材等の基材には、より隠蔽性を付与するために、酸化チタン等の白色顔料や、カーボンブラック等の黒色顔料等の各顔料が含まれていてもよい。
[遮光層]
遮光性粘着テープにおける遮光層は、基材との積層によって、光の入射を防ぐ役割をする層である。遮光層は、基材の少なくともいずれか一方の面に設けられていればよいが、遮光性を高める観点から、基材の両面に設けられていることが好ましい。また、遮光層が設けられる基材の一方の面において、遮光層は略全面に設けられていてもよく、一部分に設けられていてもよい。
本発明においては、遮光層が、ポリウレタン樹脂、数平均分子量が1,000〜10,000であるポリエステル樹脂、及びポリイソシアネートを含有するインキ組成物から形成されていることを特徴とする。これにより、遮光層は、PETフィルム等の基材に易接着処理がなされていなくても、その基材に対して良好に密着することができる。
遮光層を形成するポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリイソシアネートは、それぞれ、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。また、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリイソシアネートは、それぞれ市場から入手してそのまま使用することもできる。遮光層を形成するインキ組成物は、次に述べるポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリイソシアネートをバインダー樹脂の成分として含有することができる。バインダー樹脂は、インキ組成物の被着体である基材に対して、インキ組成物から形成されるインキ層として固着させる働きを担う成分である。なお、インキ組成物には、必須成分以外のその他の樹脂成分が含まれていてもよい。
<ポリウレタン樹脂>
遮光層を形成するインキ組成物に含まれるポリウレタン樹脂は、例えばジイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応によりウレタンプレポリマーを合成し、これに必要に応じて鎖伸長剤、反応停止剤を反応させて得られる。ジイソシアネート化合物、ポリオール化合物、鎖伸長剤、及び反応停止剤は、それぞれ従来から使用されている公知のものを使用することができる。
ジイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、及び脂環族ジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香族ジイソシアネートの具体例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4−ジイソシアネート、2,2−ジフェニルプロパン−4,4−ジイソシアネート、3,3−ジメチルジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、4,4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、及び3,3−ジメトキシジフェニル−4,4−ジイソシアネート等を挙げることができる。脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びリジンジイソシアネート等を挙げることができる。脂環族ジイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水添化トリレンジイソシアネート、水添化キシレンジイソシアネート、及び水添化ジフェニルメタンジイソシアネート等を挙げることができる。これらのジイソシアネート化合物は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリオール化合物としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びポリエーテルポリオール等を挙げることができる。ポリオール化合物は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多価カルボン酸類と、多価アルコール類又は第2〜3級アミン類との脱水重縮合反応で得られる、ポリエステルポリオール又はポリエステルアミドポリオールが挙げられる。多価カルボン酸類の具体例としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、及びナフタレンジカルボン酸、並びにトリメリット酸等のポリカルボン酸、並びにそれらの酸エステル、及びそれらの酸無水物等が挙げられ、これらのうちの一種以上を用いることができる。多価アルコール類の具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリン、及びペンタエリスリトール等の低分子アルコール化合物、並びにモノエタノールアミン及びジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール化合物等が挙げられ、これらのうちの一種以上を用いることができる。第2〜3級アミン類の具体例としては、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、及びイソホロンジアミン等の低分子アミン化合物等が挙げられ、これらのうちの一種以上を用いることができる。また、ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子アルコール化合物及び低分子アミノアルコール化合物等を開始剤として、ε−カプロラクトン及びγ−バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーを開環重合して得られるラクトン系ポリエステルポリオールを用いることもできる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール化合物とホスゲンとの脱塩酸反応で得られるもの、前記低分子アルコール化合物と、ジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びジフェニルカーボネート等とのエステル交換反応で得られるものが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール化合物、低分子アミン化合物及び低分子アミノアルコール化合物、並びにフェノール類等を開始剤として、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシド等のアルキレンオキシド、並びにテトラヒドロフラン等を開環重合させたポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール等が挙げられる。さらに、前述のポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールを開始剤とするポリエステルエーテルポリオールが挙げられる。
鎖伸長剤としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、及びヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン類、イソホロンジアミン及び4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン等の脂環式ジアミン類、トルイレンジアミン等の芳香族ジアミン類、キシレンジアミン等の芳香脂肪族ジアミン類、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、及びN,N’−ジ(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等の水酸基を有するジアミン類、並びにエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、及びトリエチレングリコール等のジオール化合物が例示できる。更に、ポリウレタン樹脂がゲル化しない範囲で、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン類を併用することができる。
反応停止剤としては、n−プロピルアミン及びn−ブチルアミン等のモノアルキルアミン類、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類、モノエタノールアミン及びジエタノールアミン等のアルカノールアミン類、並びにエタノール等のモノアルコール類等を例示することができる。
ポリウレタン樹脂の製造には、上記材料を用いて、公知のポリウレタン樹脂の製造方法をそのまま使用できる。ポリウレタン樹脂としては、重量平均分子量(Mw)が5,000〜100,000のものが好ましく、より好ましくは10,000〜60,000である。ポリウレタン樹脂のMwが5,000以上であることにより、遮光層の皮膜凝集力を高め易く、耐摩耗性及び耐熱水性等の耐性を得られ易い。この観点から、ポリウレタン樹脂のMwは、7,000以上がより好ましく、さらに好ましくは10,000以上である。一方、ポリウレタン樹脂のMwが100,000以下であることにより、溶剤に対して溶解し易く、インキ(インキ組成物)の流動性が良好となり、良好に印刷することが可能となる。この観点から、ポリウレタン樹脂のMwは、80,000以下がより好ましく、さらに好ましくは60,000以下である。なお、それぞれの成分の分子量や化学構造、当量比が異なると、得られるポリウレタン樹脂の硬さも異なることから、これら成分を適宜組み合わせることによって、遮光層の基材に対する密着性や耐ブロッキング性を調節することが可能である。本明細書において、ポリウレタン樹脂のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される値である。この測定は、東ソー社製のTSKgel SuperHZM−Hカラム(6.0nmI.D.×150mm)を2本直列に接続し、移動相(溶媒)としてTHF(テトラヒドロフラン)を用い、カラム温度40℃、流速0.3mL/分にて行うことができ、標準試料に純正のポリスチレンを使用して検量線を作成し、重量平均分子量を算出することができる。
ポリウレタン樹脂の含有量(配合量)は、特に限定されないが、残留溶剤量の少ない遮光層を得る観点から、遮光層を形成するインキ組成物における溶剤量を除いた全固形分中のポリウレタン樹脂の固形分として、20〜80質量%が好ましく、より好ましくは30〜70質量%、さらに好ましくは40〜60質量%である。また、インキ組成物の全質量中のポリウレタン樹脂の含有量(配合量)は、適用する塗布方法に応じてインキ組成物を良好に塗布できれば特に限定されないが、例えばグラビアインキとしてグラビア印刷法を好適に利用できる観点から、ポリウレタン樹脂の固形分として、1〜30質量%が好ましく、より好ましくは5〜25質量%、さらに好ましくは7〜20質量%である。
<ポリエステル樹脂>
遮光層の形成に使用されるポリエステル樹脂は、多価カルボン酸及び/又はその無水物と、単量体としてのポリオールとが共重合してなるエステル結合を主鎖中に有する重合体である。
多価カルボン酸及びその無水物の具体例としては、マロン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、コハク酸、グルタル酸、ヘキサクロロエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンヘキサヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、デカジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメシン酸、及びシクロペンタンジカルボン酸等、並びにこれらの無水物が挙げられる。これらの多価カルボン酸及びその無水物は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
一方、ポリエステル樹脂に使用できるポリオールの具体例としては、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、及びポリエチレングリコール等のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、2,2,4?トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリン、グリセリンモノアリルエーテル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及びペンタエリスリトール等が挙げられる。これらのポリオールは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリエステル樹脂の合成に使用されるポリオール及び多価カルボン酸等の各成分の組み合わせは特に限定されず、ポリエステル樹脂は、一種類の組み合わせに係る重合体であってもよいし、複数種類の組み合わせに係る重合体であってもよい。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、1,000〜10,000であり、好ましくは1,000〜9,000、より好ましくは1,000〜8,000である。Mnが1,000未満のポリエステル樹脂を用いると、バインダー樹脂としての役割を果たし難い。Mnが10,000を超えるポリエステル樹脂を用いると、ポリウレタン樹脂との相溶性が悪くなり、混合した際にゲル化を起こす場合がある。その結果、基材と遮光層との間の密着性が低下する場合がある。一方、Mnが1,000〜10,000のポリエステル樹脂は、ポリウレタン樹脂と混合した際にゲル化を生じない。1,000〜10,000のMnを有するポリエステル樹脂に由来する構造が遮光層内に存在することで、その遮光層は、非易接着処理の基材(非易接着処理PETフィルム等)に対しても良好に密着することができる。なお、本明細書において、ポリエステル樹脂のMnは、蒸気圧浸透法(VPO法)又はGPCにて測定することができる値である。Mnが1,000〜10,000のポリエステル樹脂の市販品としては、例えば、ユニチカ社製のエリーテル(登録商標)シリーズ、東洋紡社製のバイロン(登録商標)シリーズを使用することができる。これら市販品のうち、前者のMnはVPO法で測定することができ、後者のMnは移動相(溶媒)としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いたGPCによって測定することができる。
遮光層を形成するインキ組成物にポリエステル樹脂を用いない(ポリウレタン樹脂のみを用いる)場合では、非易接着処理の基材(非易接着処理PETフィルム等)に対する密着性が劣る。これに対して、インキ組成物にポリウレタン樹脂と数平均分子量1,000〜10,000のポリエステル樹脂とを組み合わせて用いることで、基材に対して良好な密着性を示す遮光層を得ることができる。
また、遮光層にポリウレタン樹脂に由来する構造を含まない場合、遮光層中に溶剤が非常に多く残り、遮光層の耐ブロッキング性の悪化や臭気が残るなどの弊害がある。これに対して、遮光層の形成にポリウレタン樹脂と数平均分子量1,000〜10,000のポリエステル樹脂とを組み合わせて用いることで、遮光層中の残留溶剤量を抑えることができる。遮光層中の残留溶剤量をより少なくする観点から、ポリウレタン樹脂とポリエステル樹脂の固形分比率は、質量基準で99:1〜80:20であることが好ましく、より好ましくは98:2〜80:20である。ポリウレタン樹脂の固形分/ポリエステル樹脂の固形分は、質量基準で99〜4であることが好ましく、より好ましくは80〜4、さらに好ましくは49〜4である。
ポリエステル樹脂の含有量(配合量)は、特に限定されないが、基材に対して良好に密着する遮光層を得る観点から、遮光層を形成するインキ組成物における溶剤量を除いた全固形分中のポリエステル樹脂の固形分として、0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。また、インキ組成物の全質量中のポリエステル樹脂の含有量(配合量)は、適用する塗布方法に応じてインキ組成物を良好に塗布できれば特に限定されないが、例えばグラビアインキとしてグラビア印刷法を好適に利用できる観点から、ポリエステル樹脂の固形分として、0.05〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.08〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜5質量%である。
<ポリイソシアネート>
前述の通り、遮光層を形成するインキ組成物には、硬化剤としてポリイソシアネートを含有することが必須である。遮光層を形成するインキ組成物の成分として、前述のポリウレタン樹脂及びポリエステル樹脂と組み合わせてポリイソシアネートを用いることにより、基材と遮光層との間、並びに遮光層と粘着剤層との間の密着性が向上する。また、ポリイソシアネートを用いることで、インキ組成物から形成された遮光層において架橋構造が導入され、それに伴い、遮光層の耐熱性及び耐溶剤性の向上効果が期待できる。遮光層の耐溶剤性が向上すれば、遮光層の上に粘着剤を設ける際に、粘着剤に含まれ得る溶剤による、遮光層への溶剤アタックを防ぐことが可能である。
硬化剤として用いるポリイソシアネートとしては、例えば、芳香族系ポリイソシアネート、芳香脂肪族系ポリイソシアネート、脂環族系ポリイソシアネート及び脂肪族系ポリイソシアネート等を挙げることができる。
芳香族系ポリイソシアネートとしては、例えば、m−又はp−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、4,4’−、2,4’−又は2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、及び4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族系ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−又は1,4−キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,3−又は1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等を挙げることができる。
脂環族系ポリイソシアネートとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート;IPDI)、4,4’−、2,4’−又は2,2’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、及び1,3−又は1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(水添XDI)等を挙げることができる。
脂肪族系ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−、2,3−又は1,3−ブチレンジイソシアネート、及び2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
遮光層に使用するポリイソシアネートとしては、1分子中にイソシアネート基を3つ以上有する3官能以上のポリイソシアネートを用いることもでき、3官能のポリイソシアネートが好ましい。3官能のポリイソシアネートを使用すれば、2官能のものに比べて、充分な架橋構造が得られ、耐溶剤性の向上効果がより期待できる。3官能のポリイソシアネートとしては、例えば、前述の各ポリイソシアネート(ジイソシアネート)の誘導体、トリフェニルメタントリイソシアネート、及び1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート等を挙げることができる。これらのうち、より好適な前述の各ポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、アダクト変性体、ビューレット変性体、及びヌレート変性体等が挙げられる。なお、ポリイソシアネートは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリイソシアネートの含有量(配合量)は、特に限定されないが、ポリイソシアネートの配合による効果を得る観点から、遮光層を形成するインキ組成物における溶剤量を除いた全固形分中のポリイソシアネートの固形分として、1〜50質量%が好ましく、より好ましくは5〜40質量%である。また、インキ組成物の全質量中のポリイソシアネートの含有量(配合量)は、適用する塗布方法に応じてインキ組成物を良好に塗布できれば特に限定されないが、例えばグラビアインキとしてグラビア印刷法を好適に利用できる観点から、ポリイソシアネートの固形分として、例えば0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜15質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。
<着色剤>
遮光層には、着色剤が含まれていることが好ましい。遮光層に着色剤を含むことにより、容易に遮光性を付与することができる。そのような着色剤としては、公知の顔料を使用することができる。顔料としては、例えば、無機顔料及び有機顔料等の各種着色顔料を使用できる。白色の場合の顔料としては、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉛、及び硫化亜鉛が好ましく、銀色の場合の顔料としては、例えばアルミペーストが好ましく、黒色の場合の顔料としては、例えばカーボンブラック、アゾメチンアゾ系顔料、及びペリレン系顔料が好ましく使用できる。これらの中でも、隠蔽性に優れた黒色の遮光層を形成できること、さらには分散性やコストの観点から、カーボンブラックを使用することがより好ましい。遮光層を形成するインキ組成物中のカーボンブラックの含有量は、遮光層に充分な遮光性が得られるように適宜調整することができる。遮光層に充分な遮光性を得る観点から、インキ組成物中のカーボンブラックの含有量は、例えば2質量%以上が好ましく、より好ましくは5質量%以上である。また、インキ組成物中のカーボンブラックの含有量の上限は特に限定されないが、多過ぎれば無駄にコストが高くなることから、また、インキ組成物の流動性を保つ観点から、30質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以下である。
<溶剤>
遮光層を形成するインキ組成物には、溶剤が含まれていてもよい。溶剤としては、特に限定されないが、例えばケトン系溶剤、炭化水素系溶剤、及びエステル系溶剤等が好ましい。ケトン系溶剤の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、及びジアセトンアルコール等を挙げることができる。炭化水素系溶剤の具体例としては、トルエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、及びエチルシクロペンタン等を挙げることができる。エステル系溶剤の具体例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、及び酢酸ブチル等を挙げることができる。
溶剤としては、前述の溶剤に相溶する溶剤を用いてもよい。そのような溶剤として、例えばアルコール系溶剤、及びグリコールエーテル系溶剤を用いることができる。アルコール系溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、イソプロピルアルコール、及び各種ブタノール等を挙げることができる。グリコールエーテル系溶剤としては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及びプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等を挙げることができる。インキ組成物が含有できる各溶剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。また、溶剤として、印刷適性に応じて水とアルコール系溶剤を適宜組み合わせることで水系インキを設計することも可能である。
<その他添加剤>
遮光層、及び遮光層を形成するインキ組成物には、本発明の目的を妨げない範囲で、可塑剤、艶消し剤、沈降防止剤、レベリング剤、消泡剤、顔料分散剤、及びシランカップリング剤等の添加剤が含まれていてもよい。
<遮光層の形成>
遮光層は、インキ組成物から形成される。そのインキ組成物は、必須成分として、前述のポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂及びポリイソシアネートを含有し、必要に応じて、前述の着色剤(顔料)、溶剤及びその他の添加剤を含有する。基材上にインキ組成物から遮光層を形成する方法は特に限定されず、公知の印刷手法及びコーティング方法等の様々な塗布方法を用いることができる。印刷手法としては、例えば、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、凸版印刷法、及びスクリーン印刷法等を挙げることができる。コーティング方法としては、例えばグラビアコーター、コンマコーター、ロールコーター、エアガン塗装、及び浸漬塗装等を挙げることができる。
前述の塗布方法の中では、印刷方法が好ましく、グラビア印刷法がより好ましく、グラビア印刷法で基材上にインキ組成物を2〜4回印刷して複数の印刷層を積層し、その複数層の印刷層によって遮光層を構成することが、ピンホールを軽減できるため、さらに好ましい。基材上に1層又は複数層の印刷層が形成された後、その1層又は複数層の印刷層が乾燥することで、遮光層が形成される。遮光層の遮光性としては、特に制限されることはないが、光学濃度(オプティカル・デンシティ:OD値)が3以上であることが好ましく、より好ましくは4以上、さらに好ましくは5以上である。
[粘着剤層]
次に粘着剤層について説明する。粘着剤層は、基材の少なくとも一方の面側に設けられている。粘着剤層が基材の一方の面側に設けられている場合、遮光性粘着テープは、片面粘着タイプの遮光性粘着テープとなり、粘着剤層が基材の両面側に設けられている場合、遮光性粘着テープは、両面粘着タイプの遮光性粘着テープとなる。
前述の遮光層が基材の一方の面に設けられている場合、粘着剤層は、基材における遮光層が設けられている当該一方の面とは反対側の基材表面(基材の他方の面)に設けられてもよいが、粘着剤層により、遮光層を保護し得るという観点から、粘着剤層は、基材の当該一方の面側において、遮光層上に設けられていることが好ましい。また、前述の遮光層が基材の両面に設けられている場合、粘着剤層は、基材の一方の面側及び/又は他方の面側において、遮光層上に設けられる。
粘着剤層を形成する粘着剤としては、特に限定されず、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、及びシリコーン系粘着剤等を挙げることができる。これらのうち、アクリル系粘着剤が好ましい。
アクリル系粘着剤を構成するモノマーとしては、例えば炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリレートとしては、例えばエチルへキシル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、及びブチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。また、ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート等を用いることもでき、その(メタ)アクリレートとしては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及びヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのモノマーは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」には、アクリレート及びメタクリレートの両方が含まれる。
アクリル系粘着剤を構成するモノマーの重合方法としては、特に限定されるものではなく、例えば溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等が採用可能である。例えば溶液重合法を採用する場合には、前記モノマーを溶剤に混合し、40〜90℃程度で2〜10時間程度攪拌することによって前記モノマーを重合させることができる。
前記モノマーを重合させて得られる重合体の重量平均分子量が大き過ぎると粘着剤層の凝集力が高くなり過ぎて粘着力が低くなる場合があり、当該重量平均分子量が低過ぎると糊残りの現象が起こる場合がある。このことから、当該重量平均分子量は、300,000〜1,500,000であるのが好ましい。この重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した際のポリスチレン換算の値である。
なお、アクリル系粘着剤としては、市販品を使用してもよい。市販のアクリル系粘着剤としては、例えば、綜研化学社製のSKダイン2094、SKダイン2147、SKダイン1811L、SKダイン1442、SKダイン1435、SKダイン1415、SKダイン1700DT、SKダイン1502C、SKダイン1717DT、SKダイン1755、SKダイン1720DT、SKダイン1760、SKダイン801BT、及びSKダイン1986DT等を好適に用いることができる。
粘着剤層は、粘着剤と架橋剤とを含む粘着剤組成物から形成することが好ましい。架橋剤を含む粘着剤組成物で粘着剤層を形成することで、架橋剤により粘着剤の凝集力を高めることができる。架橋剤は、粘着剤に用いる樹脂種(例えばアクリル系樹脂)を架橋できるものであれば特に限定されず、例えば、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤等を挙げることができる。また、粘着剤組成物には、粘着剤層の粘着力を高めるために、粘着付与樹脂が含まれていてもよい。粘着付与樹脂としては、従来から粘着剤に用いられている粘着付与樹脂を用いることができ、例えば、ロジン系樹脂及びテルペン系樹脂等を挙げることができる。
粘着剤層の厚さは、特に限定されないが、充分な粘着性を得るため、2〜100μmが好ましい。粘着剤層の厚さは、充分な粘着性を得る観点から、2μm以上が好ましく、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは7μm以上である。一方、遮光性粘着テープを適用する機器の薄型化への要求に応える観点からは、粘着剤層の厚さは、100μm以下が好ましく、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。
なお、粘着剤層は、遮光性粘着剤層としての黒色層や、反射性接着剤層としての白色層である場合、呈している色に応じた顔料(黒色顔料や白色顔料)を含有していてもよい。
遮光性粘着テープにおける粘着剤層の形成方法は、特に制限されない。例えば、所定の面上に、粘着剤又は粘着剤組成物を塗布し、乾燥硬化させる方法や、セパレーター(剥離ライナー)上に、粘着剤又は粘着剤組成物を塗布し、乾燥硬化させて粘着剤層を形成した後、その粘着剤層を所定の面上に貼り合わせて転写させる方法等が挙げられる。これらの方法における前記「所定の面」には、基材表面、基材に設けられた遮光層の表面、又はそれらの両方の表面が含まれる。粘着剤又は粘着剤組成物の塗工には、例えば、グラビアロールコーター、ナイフコーター、バーコーター、及びリバースロールコーター等の各種塗工機を用いることができる。
遮光性粘着テープは、さらに粘着剤層上にセパレーター(剥離ライナー)を備えることが好ましい。この場合、遮光性粘着テープにおいて、粘着剤層の表面をセパレーターにより保護することができる。セパレーターとしては、公知の剥離フィルム(例えば、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム等)を用いることができる。
また、粘着剤層が、基材の片面側のみに設けられている場合、遮光性粘着テープは、基材の粘着剤層が設けられている面とは反対の面側(基材の背面側)に、さらに剥離層を備えることが好ましい。遮光性粘着テープが剥離層を備えることにより、その剥離層と粘着剤層が接触する形態でロール状に巻くことで、粘着剤層の表面を保護することができる。剥離層は、例えば、公知のシリコーン系剥離剤や非シリコーン系剥離剤により形成することができる。前述のセパレーター(剥離ライナー)や剥離層により粘着剤層を保護することにより、遮光性粘着テープを保管し易く、流通し易い形態とすることができる。
以上詳述した本実施形態の遮光性粘着テープでは、基材の少なくともいずれか一方の面に備える遮光層が、ポリウレタン樹脂、数平均分子量が1,000〜10,000であるポリエステル樹脂、及びポリイソシアネートを含有するインキ組成物から形成されているため、その遮光層は非易接着処理の基材に対しても密着性に優れ、かつ残留溶剤量の少ないものである。さらに、この遮光性粘着テープは遮光性に優れることから、携帯情報・通信機器等における液晶表示装置に好適に用いることができる。具体的には、この遮光性粘着テープは、液晶ディスプレイと筐体とを備える液晶表示装置において、液晶ディスプレイと筐体との間で、それらを貼着するために好適に用いることができ、さらには筐体内の光源からの光漏れを防止するためにより好適に用いることができる。こうした用途において、遮光性粘着テープは、通常額縁状に形成され、液晶ディスプレイの縁側の周囲に設けることができる。
<液晶表示装置>
本発明に係る一実施形態の液晶表示装置は、少なくとも液晶ディスプレイと筐体とを備える。そして、この液晶表示装置は、液晶ディスプレイと筐体とが、前述の遮光性粘着テープで貼着されていることを特徴とする。
液晶表示装置が備える筐体の内部には、通常、背面から液晶ディスプレイを照明するバックライトとしての役割をもつ光源が設けられる。光源は、特に限定されず、液晶表示装置が用いられる機器に応じたものが挙げられ、例えば、冷陰極管、発光ダイオード(LED)、及びエレクトロルミネッセンス(EL)パネル等が挙げられる。また、バックライトの照明方式も特に限定されず、導光板を利用するエッジライト(サイドライト)方式でも直下型方式でもよい。なお、液晶表示装置は、筐体内に光源のほか、導光板、反射板、拡散シート、プリズムシート、及び基板等を備えることができる。
本実施形態の液晶表示装置は、前述の遮光性粘着テープを備えるため、液晶ディスプレイと筐体とを固定でき、筐体内の光源からの光漏れを防止することができる。さらに遮光性粘着テープは遮光層中の残留溶剤量が少ないため、溶剤による臭気の問題がなく安全な液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明を試験例及び実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、試験例、実施例、及び比較試験例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
<ポリエステル樹脂A〜Dの調製>
(ポリエステル樹脂Aの調製)
ユニチカ社製の熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂である商品名「エリーテル(登録商標)UE−3320」(Mn:1,800)30部に対して、メチルエチルケトン35部、トルエン35部を加え、溶解釜にて40℃で2時間攪拌し、固形分30%のポリエステル樹脂溶液Aを得た。
(ポリエステル樹脂Bの調製)
ユニチカ社製の熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂である商品名「エリーテル(登録商標)UE−3380」(Mn:8,000)30部に対して、メチルエチルケトン35部、トルエン35部を加え、溶解釜にて40℃で2時間攪拌し固形分30%のポリエステル樹脂溶液Bを得た。
(ポリエステル樹脂Cの調製)
ユニチカ社製の熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂である商品名「エリーテル(登録商標)UE−9800」(Mn13,000)30部に対して、メチルエチルケトン35部、トルエン35部を加え、溶解釜にて40℃で2時間攪拌し固形分30%のポリエステル樹脂溶液Cを得た。
(ポリエステル樹脂Dの調製)
ユニチカ社製の熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂である商品名「エリーテル(登録商標)UE−3210」(Mn:20,000)30部に対して、メチルエチルケトン35部、トルエン35部を加え、溶解釜にて40℃で2時間攪拌し固形分30%のポリエステル樹脂溶液Dを得た。
<遮光層を形成するインキ組成物の製造>
(製造例1:墨インキAの製造)
固形分30%のポリウレタン樹脂溶液(日立化成社製、商品名「TA21−124X」、Mw:50,100、溶剤:メチルエチルケトン(24.5%)/酢酸エチル(35%)/イソプロピルアルコール(10.5%))を40部、ポリエステル樹脂溶液Aを1部、メチルエチルケトンを20部、酢酸エチルを10部、トルエンを10部、イソプロピルアルコールを10部、及びカーボンブラック(三菱化学社製、商品名「MA−11」、後記製造例2〜9においても同じ。)を10部配合し、ダイノミル(分散条件;容積25L、吐出量3.0L/min、2パス)で分散し、墨インキaを得た。この墨インキaに、3官能のポリイソシアネート系硬化剤(大日精化工業社製、商品名「ラミック Bハードナー」、HDI誘導体、固形分:30%)を5部添加し、その後、希釈溶剤としてメチルエチルケトン/トルエン/イソプロピルアルコールの混合溶剤(体積比:5/3/2、大日精化工業社製、商品名「ラミック F No.2溶剤(S)」)を30部添加して、墨インキAを得た。
(製造例2:墨インキBの製造)
製造例1で使用した固形分30%のポリウレタン樹脂溶液を33部、ポリエステル樹脂溶液Aを7部、メチルエチルケトンを20部、酢酸エチルを10部、トルエンを10部、イソプロピルアルコールを10部、及びカーボンブラックを10部配合し、製造例1と同じ分散条件にてダイノミルで分散し、墨インキbを得た。この墨インキbに、製造例1で使用したポリイソシアネート系硬化剤を5部添加し、その後、製造例1で使用した希釈溶剤を30部添加して、墨インキBを得た。
(製造例3:墨インキCの製造)
製造例1で使用した固形分30%のポリウレタン樹脂溶液を40部、ポリエステル樹脂溶液Bを1部、メチルエチルケトンを20部、酢酸エチルを10部、トルエンを10部、イソプロピルアルコールを10部、及びカーボンブラックを10部配合し、製造例1と同じ分散条件にてダイノミルで分散し、墨インキcを得た。この墨インキcに、製造例1で使用したポリイソシアネート系硬化剤を5部添加し、その後、製造例1で使用した希釈溶剤を30部添加して、墨インキCを得た。
(製造例4:墨インキDの製造)
製造例1で使用した固形分30%のポリウレタン樹脂溶液を33部、ポリエステル樹脂溶液Bを7部、メチルエチルケトンを20部、酢酸エチルを10部、トルエンを10部、イソプロピルアルコールを10部、及びカーボンブラックを10部配合し、製造例1と同じ分散条件にてダイノミルで分散し、墨インキdを得た。この墨インキdに、製造例1で使用したポリイソシアネート系硬化剤を5部添加し、その後、製造例1で使用した希釈溶剤を30部添加して、墨インキDを得た。
(製造例5:墨インキEの製造)
製造例1で使用した固形分30%のポリウレタン樹脂溶液を25部、ポリエステル樹脂溶液Bを15部、メチルエチルケトンを20部、酢酸エチルを10部、トルエンを10部、イソプロピルアルコールを10部、及びカーボンブラックを10部配合し、製造例1と同じ分散条件にてダイノミルで分散し、墨インキeを得た。この墨インキeに、製造例1で使用したポリイソシアネート系硬化剤を5部添加し、その後、製造例1で使用した希釈溶剤を30部添加して、墨インキEを得た。
(製造例6:墨インキFの製造)
製造例1で使用した固形分30%のポリウレタン樹脂溶液を40部、メチルエチルケトンを20部、酢酸エチルを10部、トルエンを10部、イソプロピルアルコールを10部、及びカーボンブラックを10部配合し、製造例1と同じ分散条件にてダイノミルで分散し、墨インキfを得た。この墨インキfに、製造例1で使用したポリイソシアネート系硬化剤を5部添加し、その後、製造例1で使用した希釈溶剤を30部添加して、墨インキFを得た。
(製造例7:墨インキGの製造)
製造例1で使用した固形分30%のポリウレタン樹脂溶液を40部、ポリエステル樹脂溶液Cを10部、メチルエチルケトンを20部、酢酸エチルを10部、トルエンを10部、イソプロピルアルコールを10部、及びカーボンブラックを10部配合し、製造例1と同じ分散条件にてダイノミルで分散し、墨インキgを得た。この墨インキgに、製造例1で使用したポリイソシアネート系硬化剤を5部添加し、その後、製造例1で使用した希釈溶剤を30部添加して、墨インキGを得た。
(製造例8:墨インキHの製造)
製造例1で使用した固形分30%のポリウレタン樹脂溶液を40部、ポリエステル樹脂溶液Bを1部、メチルエチルケトンを20部、酢酸エチルを10部、トルエンを10部、イソプロピルアルコールを10部、及びカーボンブラックを10部配合し、製造例1と同じ分散条件にてダイノミルで分散し、墨インキhを得た。この墨インキhに、ポリイソシアネート系硬化剤を添加せず、製造例1で使用した希釈溶剤を30部添加して、墨インキHを得た。
(製造例9:墨インキIの製造)
ポリエステル樹脂溶液Dを40部、メチルエチルケトンを20部、酢酸エチルを10部、トルエンを20部、及びカーボンブラックを10部配合し、製造例1と同じ分散条件にてダイノミルで分散し、墨インキiを得た。この墨インキiに、製造例1で使用したポリイソシアネート系硬化剤を5部添加し、その後、希釈溶剤としてメチルエチルケトン/トルエンの混合溶剤(体積比:1/1、大日精化工業社製、商品名「アルミック NO.18 NO.2溶剤」)を40部添加して、墨インキIを得た。
製造例1〜5で製造した墨インキA〜Eの配合を表1に示し、製造例6〜9で製造した墨インキF〜Iの配合を表2に示す。
Figure 2016175967
Figure 2016175967
<遮光フィルムの作製>
(試験例1)
基材としてポリエチレンテレフタレートフィルム(フタムラ化学社製、品種「FE2000」、両面ともコロナ処理無)の一方の面(基材表面)に、墨インキAを、塗布量が5g/m2−dryになるように、グラビア印刷法で3回刷りを行い、その後40℃にて3日エージングした。エージング後、さらにポリエチレンテレフタレートフィルムの他方の面(前記一方の面とは反対側の面:基材裏面)に同様に墨インキAの3回刷りを行い、その後40℃にて4日エージングを行った。このようにして、基材フィルムの両面に墨インキAで形成された遮光層を備える遮光フィルム1を得た。
(試験例2)
試験例2では、試験例1で使用した墨インキAを墨インキBに変更した以外は、試験例1と同様の方法にて、基材フィルムの両面に墨インキBで形成された遮光層を備える遮光フィルム2を得た。
(試験例3)
試験例3では、試験例1で使用した墨インキAを墨インキCに変更した以外は、試験例1と同様の方法にて、基材フィルムの両面に墨インキCで形成された遮光層を備える遮光フィルム3を得た。
(試験例4)
試験例4では、試験例1で使用した墨インキAを墨インキDに変更した以外は、試験例1と同様の方法にて、基材フィルムの両面に墨インキDで形成された遮光層を備える遮光フィルム4を得た。
(試験例5)
試験例5では、試験例1で使用した墨インキAを墨インキEに変更した以外は、試験例1と同様の方法にて、基材フィルムの両面に墨インキEで形成された遮光層を備える遮光フィルム5を得た。
(比較試験例1〜4)
比較試験例1〜4では、試験例1で使用した墨インキAを、それぞれ墨インキF〜Iに変更した以外は、試験例1と同様の方法にて、それぞれ遮光フィルム6〜9を得た。
(比較試験例5)
比較試験例5では、試験例1で使用した墨インキAの代わりに、ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面及び他方の面のそれぞれの1層目に墨インキI、2層目及び3層目に墨インキFを使用した以外は、試験例1と同様の方法にて、遮光フィルム10を得た。
作製した遮光フィルム1〜10における遮光層に使用した墨インキを表3に示す。表3は、中央に基材フィルムの欄を設け、基材表面に適用した1層目〜3層目の墨インキと、基材裏面に適用した1層目〜3層目の墨インキとを分けて、遮光フィルムの層構成が表れるように示したものである。
Figure 2016175967
試験例及び比較試験例で得られた遮光フィルム1〜10について、以下の物性評価を行った。
<密着性試験>
遮光フィルム1〜10にニチバン社製セロハンテープ18mm幅を押し付け、その後、強剥離し、遮光層が剥がれるかどうか目視にて確認することで、基材に対する遮光層の密着性試験を行った。遮光層が剥がれなかった遮光フィルムを表中「○」と示して密着性が良好であると評価し、遮光層が剥がれた遮光フィルムを表中「×」と示して密着性が乏しいと評価した。
<残留溶剤測定>
島津製作所社製パーソナルガスクロマトグラフGC−8A(カラム:PEG600、検出器:FID、カラム温度:70℃)を用いて、遮光フィルム1〜10の残留溶剤量を測定した。測定方法は、軟包装衛生協議会編集「軟包装材料の製造に関する管理機器マニュアル」に記載の残留溶媒測定法に準拠した。残留溶剤量が20mg/m2未満であった遮光フィルムを表中「A」と示して残留溶剤量が非常に少ないと評価した。残留溶剤量が20mg/m2以上50mg/m2未満であった遮光フィルムを表中「B」と示して残留溶剤量が少ないと評価した。残留溶剤量が50mg/m2以上であった遮光フィルムを表中「C」と示して残留溶剤量が多いと評価した。
<遮光性の確認>
エックスライト社製の卓上式透過濃度計361Tを使用し、遮光フィルム1〜10の光学濃度(OD値)を測定した。
<耐溶剤性試験>
遮光フィルム1〜10における遮光層に対して、イソプロピルアルコールを含浸させた綿棒を3cm幅で10往復擦った後の遮光層の状態を確認した。遮光層が殆ど取られず、基材が露出しなかった遮光フィルムを表中「〇」と示して耐溶剤性が良好であると評価し、遮光層が取られ、基材が露出した遮光フィルムを表中「×」と示して耐溶剤性が不良であると評価した。
以上述べた遮光フィルム1〜10の評価結果を表4及び表5に示す。
Figure 2016175967
Figure 2016175967
試験例1〜5で得られた遮光フィルム1〜5は表4に示したとおり、非コロナ処理ポリエチレンテレフタレートフィルムへの密着性に優れ、残留溶剤量が少なく、さらには遮光性も高く(隠蔽性も損なわず)、耐溶剤性も充分に発現できることが確認された。試験例1〜4で得られた遮光フィルム1〜4では、遮光層に使用したポリウレタン樹脂とポリエステル樹脂の固形分比率が99:1〜80:20の範囲内であったため、残留溶剤量をさらに少なくできたことが確認された。
一方、比較試験例1で得た遮光フィルム6は、その遮光層にポリエステル樹脂を用いなかったため、基材に対する遮光層の密着性が乏しかった。比較試験例2で得た遮光フィルム7では、その遮光層に使用したポリエステル樹脂Cの数平均分子量が高かったために、基材に対する遮光層の密着性が乏しく、また、遮光性も他の例に比べて低い結果となった。比較試験例3で得た遮光フィルム8では、その遮光層にポリイソシアネートを用いなかったために、基材に対する遮光層の密着性が乏しく、また、耐溶剤性が不良という結果になった。
また、比較試験例4で得た遮光フィルム9では、その遮光層にポリウレタン樹脂を用いず、かつ遮光層に使用したポリエステル樹脂Dの数平均分子量が高かったために、残留溶剤量が非常に多い結果となった。比較試験例5で得た遮光フィルム10では、遮光層に、ポリウレタン樹脂を含まない墨インキIとポリエステル樹脂を含まない墨インキFとを用いたため、残留溶剤量が多い結果となった。
<遮光性粘着テープの作製>
(実施例1)
次に、アクリル系粘着剤(綜研化学社製、商品名「SKダイン(登録商標) 1700DT」)100部に、ポリイソシアネート系硬化剤(三井化学社製、商品名「タケネート(登録商標)D−170N」)2部を加えて撹拌することにより、粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、セパレーター(剥離ライナー)としての離型処理された厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、バーコーターにて粘着剤層の厚さが25μmとなる塗布量にて塗布し、90℃で1分乾燥させ、粘着剤層を得た。得られた粘着剤層を試験例1で作製した遮光フィルム1の両面に貼り合わせ、熱ラミネート機でラミネートした後、40℃で3日エージングすることで両面遮光性粘着テープ1を得た。
(実施例2〜4)
実施例2〜4では、実施例1で使用した遮光フィルム1を、それぞれ遮光フィルム2〜4に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、それぞれ両面遮光性粘着テープ2〜4を得た。
実施例1〜4で得られた両面遮光性粘着テープ1〜4は、試験例1〜4で示した結果の通り、遮光層の残留溶剤量が非常に少ないために、粘着剤層の外観不良が起こらなかった。また、両面遮光性粘着テープ1〜4は、試験例1〜4で示した結果の通り、遮光層の耐溶剤性が充分であるために、粘着剤組成物に含まれる溶剤によるアタックを受けることもなかった。こうした結果から、実施例1〜4で得られた両面遮光性粘着テープ1〜4は、液晶表示装置に好適に用いることができると考えられる。
本発明に係る遮光性粘着テープは、例えば遮光したい箇所へ貼り付ける用途、具体的には、液晶表示装置において液晶ディスプレイと筐体とを貼着し、筐体内の光源からの光漏れを防止するための材料や、フレキシブルプリント基板を固定するための材料等として、好適に用いられる。

Claims (7)

  1. 基材と、
    該基材の少なくともいずれか一方の面に設けられた遮光層と、
    前記基材の少なくともいずれか一方の面側に設けられた粘着剤層と、を備え、
    前記遮光層は、ポリウレタン樹脂、数平均分子量が1,000〜10,000であるポリエステル樹脂、及びポリイソシアネートを含有するインキ組成物から形成されている遮光性粘着テープ。
  2. 前記ポリウレタン樹脂と前記ポリエステル樹脂の固形分比率が質量基準で99:1〜80:20である請求項1に記載の遮光性粘着テープ。
  3. 前記遮光層はカーボンブラックを含有する請求項1又は2に記載の遮光性粘着テープ。
  4. 前記基材がポリエチレンテレフタレートフィルムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の遮光性粘着テープ。
  5. 前記粘着剤層がアクリル系粘着剤から形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の遮光性粘着テープ。
  6. 液晶表示装置に用いられる請求項1〜5のいずれか1項に記載の遮光性粘着テープ。
  7. 液晶ディスプレイと筐体とを備え、
    前記液晶ディスプレイと前記筐体とが、請求項1〜6のいずれか1項に記載の遮光性粘着テープで貼着されている、液晶表示装置。
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