JP2016175675A - 製袋包装機 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルムロールから引き出されるフィルムをフォーマで筒状に成形する製袋包装機であって、フィルムロールの巻き芯からフィルムが剥がれることを防止可能な、信頼性の高い製袋包装機を提供する。【解決手段】製袋包装機は、フィルムロール保持部と、フォーマ本体と、可動ローラ機構12と、終端検知部と、エアシリンダ15と、を備える。フィルムロール保持部は、フィルムロールを保持する。フォーマ本体は、フィルムロールから引き出されて搬送されるシート状のフィルムを、筒状に成形する。可動ローラ機構は、可動ローラ14を有する。可動ローラは、フィルムの搬送方向においてフィルムロールとフォーマ本体との間に配置され、搬送されるフィルムに接触し、フィルムをガイドする。終端検知部は、フィルムロールの終端を検知する。エアシリンダは、フィルムロールの終端の検知時に、可動ローラがフィルムに作用させる力を低減させる。【選択図】図5

Description

本発明は、製袋包装機に関する。本発明は、より具体的には、フィルムロールから引き出されるフィルムをフォーマで筒状に成形して用いる製袋包装機に関する。
従来、フィルムロールから引き出されるフィルムをフォーマで筒状に成形し、筒状に成形されたフィルム内に被包装物を投入するとともに、筒状に成形されたフィルムをシールして、被包装物の収容された袋を作る製袋包装機が知られている。
このような製袋包装機では、皺や曲がりを発生させることなくフォーマでフィルムを成形するため、フィルムロールとフォーマとの間に可動ローラを配置し、可動ローラでフィルムを押して、フィルムに張力を生じさせる場合がある(例えば、特許文献1(国際公開番号WO2002/098737)参照)。
ところで、特許文献1(国際公開番号WO2002/098737)の製袋包装機では、フィルムロールのフィルム切れが自動で検知され、フィルムロールの交換のため製袋包装機の運転が自動停止される。このように構成されることで、オペレータがフィルムロールのフィルム切れを監視する労力を省くことができる。
しかし、特許文献1(国際公開番号WO2002/098737)の製袋包装機では、その構造上、フィルムロールのフィルム切れが発生し、フィルムロールのフィルムが終端まで引き出されると、可動ローラにフィルムを押す力を生じさせるばねが引き伸ばされ、フィルムに作用する張力が大きくなる。そのため、フィルムロールのフィルム切れ時に、フィルムロールの終端で、フィルムが巻き芯から剥がれてしまう場合がある。
フィルムが巻き芯から剥がれた場合には、フィルムをフィルムの搬送経路に再度セットし直す手間が生じる。また、フィルムが巻き芯から剥がれた場合には、フィルムに作用する張力がゼロとなることから、フィルムのずれが生じ、多大なフィルムロスが発生する。
本発明の課題は、フィルムロールから引き出されるフィルムをフォーマで筒状に成形する製袋包装機であって、フィルムロールの巻き芯からフィルムが剥がれることを防止可能な、信頼性の高い製袋包装機を提供することにある。
本発明の第1観点に係る製袋包装機は、フィルムロール保持部と、フォーマと、可動ローラ機構と、終端検知部と、力低減部と、を備える。フィルムロール保持部は、フィルムロールを保持する。フォーマは、フィルムロールから引き出されて搬送されるシート状のフィルムを、筒状に成形する。可動ローラ機構は、可動ローラを有する。可動ローラは、フィルムの搬送方向においてフィルムロールとフォーマとの間に配置され、搬送されるフィルムに接触し、フィルムをガイドする。終端検知部は、フィルムロールの終端を検知する。力低減部は、フィルムロールの終端の検知時に、可動ローラがフィルムに作用させる力を低減させる。
本発明の第1観点に係る製袋包装機では、フィルムロールの終端の検知時に、可動ローラがフィルムに作用させる力が低減されるため、フィルムロールの巻き芯からフィルムが剥がれることを防止可能な、信頼性の高い製袋包装機を実現できる。
本発明の第2観点に係る製袋包装機は、第1観点に係る製袋包装機であって、可動ローラは、上方からフィルムに力を作用させる。力低減部は、フィルムロールの終端の検知時に、可動ローラ機構の自重だけがフィルムに作用するよう、可動ローラがフィルムに作用させる力を低減させる。
本発明の第2観点に係る製袋包装機では、フィルムロールの終端の検知時に、可動ローラがフィルムに作用させる力が、可動ローラ機構の自重だけにまで低減されるため、フィルムロールの巻き芯からフィルムが剥がれることを防止することが容易である。また、フィルムロールの終端の検知時であっても、可動ローラ機構の自重がフィルムに作用するため、フィルムの張力がゼロとなり、フィルムのずれ等が生じ、多大なフィルムロスが発生することを防止できる。
本発明の第3観点に係る製袋包装機は、第1観点又は第2観点に係る製袋包装機であって、力低減部は、流体圧シリンダである。
本発明の第3観点に係る製袋包装機では、流体圧シリンダを力低減部として用いることで、フィルムロールの終端の検知時に、可動ローラがフィルムに作用させる力を容易に低減できる。
本発明の第4観点に係る製袋包装機は、第1観点から第3観点のいずれかに係る製袋包装機であって、終端検知部は、可動ローラの位置に関する物理量に基づき、フィルムロールの終端を検知する。
フィルムロールが終端に到達すると、フィルムに作用する張力が大きくなり、それに応じて可動ローラが移動させられる。そのため、可動ローラの位置に関する物理量を用いることで、フィルムロールの終端を容易に検知できる。
本発明の第5観点に係る製袋包装機は、第1観点から第4観点のいずれかに係る製袋包装機であって、固定ローラを更に備える。固定ローラは、フィルムの搬送方向においてフィルムロールとフォーマとの間に配置され、搬送されるフィルムに接触し、フィルムをガイドする。可動ローラおよび固定ローラは、フィルムを貯留するフィルム貯留部として機能する。
本発明の第5観点に係る製袋包装機では、可動ローラおよび固定ローラがフィルム貯留部として機能することで、フィルムロールのフィルム切れの際にも、被包装物を無駄にせず、製袋を行うことが可能である。また、フィルム貯留部を有することで、フィルムの搬送量を調整することが容易である。
本発明に係る製袋包装機では、フィルムロールの終端の検知時に、可動ローラがフィルムに作用させる力が低減されるため、フィルムロールの巻き芯からフィルムが剥がれることを防止可能な、信頼性の高い製袋包装機を実現できる。
本発明の一実施形態に係る製袋包装機の斜視図である。 図1に係る製袋包装機の平面図である。製袋包装機の一部の構成を省略して描画している。 図1に係る製袋包装機の構成を示す概略側面図である。 図1に係る製袋包装機のブロック図である。 図1に係る製袋包装機の張力調整機構の左側面図である。可動ローラ機構のアームが基準位置にある状態を描画している。 図1に係る製袋包装機の固定ローラおよび可動ローラへのフィルムの掛け回し方を説明するための斜視図である。 図1に係る製袋包装機の張力調整機構の左側面図である。製袋包装機の通常運転中の、可動ローラ機構のアームが所定位置にある状態(アームが、アームの基準位置に対し、回転軸の軸心周りを所定角度だけ反時計方向に回転した状態)を描画している。 図1に係る製袋包装機の張力調整機構の左側面図である。フィルムロールのフィルム切れ時に、可動ローラ機構のアームが、通常運転中に比べて、回転軸の軸心周りを反時計方向に回転させられた状態を描画している。
以下図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
なお、以下の説明では、方向や位置関係等を説明するために、垂直、直交、水平等の表現を用いる場合があるが、これは厳密に垂直、直交、水平等である場合だけではなく、実質的に垂直、直交、水平等である場合を含む。また、以下の説明では、同一もしくはこれに類する表現を用いる場合があるが、これは厳密に同一である場合だけではなく、実質的に同一である場合を含む。
(1)全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る製袋包装機100の斜視図である。図2は、製袋包装機100の平面図である。図3は、製袋包装機100の概略側面図である。図4は、製袋包装機100のブロック図である。
製袋包装機100は、フィルムロール保持部80、張力調整機構10、フォーマ本体31およびチューブ32を有するフォーマユニット30、搬送ベルト40、縦シール機構50、横シール機構60、およびコントローラ90を有する(図3および図4参照)。
製袋包装機100は、フィルムから袋状の包装材を製袋し、内部に物品Cが収容された袋Bを作る装置である。物品Cは、例えばポテトチップスであるが、これに限定されるものではない。物品Cは、例えば、製袋包装機100の上方に設置された組合せ計量機(図示せず)から供給される。
製袋包装機100では、コントローラ90により各部の動作が制御されることで、概ね以下のような流れで、物品Cが収容された袋Bを作る(図3参照)。
フィルムロール保持部80は、包装材の材料となるシート状のフィルムFが巻き回されたフィルムロールRを保持する。フィルムロールRから引き出されたシート状のフィルムFは、搬送ベルト40により搬送される。シート状のフィルムFは、後述する張力調整機構10の固定ローラ11および可動ローラ14を含む複数のローラにガイドされ、フォーマ本体31へと搬送される。張力調整機構10では、可動ローラ14によりフィルムFに力が作用させられ、搬送されるフィルムFの張力が調整される。フォーマ本体31では、シート状のフィルムFが筒状に成形され、筒状フィルムFtとなる。筒状フィルムFtは、搬送ベルト40により下方に搬送され、フォーマ本体31の下方に配置された縦シール機構50により筒状フィルムFtの重なり部分が縦方向にシールされる。縦シール機構50により縦方向にシールされた筒状フィルムFtは、搬送ベルト40により更に下方に搬送され、縦シール機構50の下方に配置された横シール機構60により、横方向に(筒状フィルムFtの搬送方向と直交する方向に)シールされる。さらに、横シール機構60では、筒状フィルムFtの横シール部分が、筒状フィルムFtの搬送方向における中央部で横方向に切断され、上下端の封止された袋Bが製袋される。なお、袋Bとなる筒状フィルムFtの内部には、横シール機構60による筒状フィルムFtの封止前に、フォーマユニット30のチューブ32内を通って物品Cが供給される。その結果、製袋包装機100では、物品Cが収容された袋Bが作られる。
製袋包装機100により作られた物品Cが収容された袋Bは、例えば、横シール機構60の下方に配置された図示されないコンベア等により、下流側の工程へと搬送される。
(2)詳細構成
製袋包装機100の、フィルムロール保持部80、張力調整機構10、フォーマユニット30、搬送ベルト40、縦シール機構50、横シール機構60、およびコントローラ90(図3および図4参照)について以下に説明する。
以下の説明では、方向等を表すために、「前(正面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「左」、「右」等の表現を使用する場合がある。ここでは、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」は、図2、図3、図5、図7、および図8に描画された矢印のように定義される。特記しない場合には、図2、図3、図5、図7、および図8の定義に従って、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」等の表現を使用する。また、以下の説明では、「上流」、「下流」という表現を使用する場合があるが、「上流」、「下流」はフィルム(フィルムFおよび筒状フィルムFt)の搬送方向を基準とする。
(2−1)フィルムロール保持部
フィルムロール保持部80は、シート状のフィルムFが巻き芯Rcに巻き回されたフィルムロールRを保持する機構である(図3参照)。フィルムロールRに巻き回されたフィルムFの巻き芯Rc側の末端は、例えば巻き芯Rcに図示しないテープにより貼り付けられたり、巻き芯Rcに接着剤等により接着されたりして、巻き芯Rcに連結(固定)されている。
フィルムロール保持部80は、フィルムロールRの巻き芯Rcが取り付けられた回転軸81(図1参照)を回動させるロール駆動モータ82を有する(図4参照)。コントローラ90がロール駆動モータ82を作動させることで、フィルムロールRからフィルムFが繰り出され、繰り出されたフィルムFは搬送ベルト40により搬送される。フィルムロールRから引き出されたフィルムFは、張力調整機構10の固定ローラ11および可動ローラ14を含む複数のローラにガイドされ、フォーマ本体31へと搬送される(図3参照)。
(2−2)張力調整機構
張力調整機構10は、搬送されるフィルムFに作用する張力の大きさを調整する機構である。張力調整機構10は、主に、3つの固定ローラ11と、可動ローラ機構12と、回転軸18と、シリンダチューブ15aおよびロッド15bを有するエアシリンダ15と、エンコーダ16と、を有する(図1、図4および図5参照)。
可動ローラ機構12は、2つの可動ローラ14と、一対のアーム13と、を有する(図1および図5参照)。アーム13は、2つの可動ローラ14を支持する部材である。一対のアーム13は、左右方向に延びる可動ローラ14を挟むように、可動ローラ14の左側および右側に配置され、可動ローラ14の端部を支持する(図1参照)。
アーム13について詳細に説明する。各アーム13は、側面視において略L字状に形成されたアーム本体13aを有する(図5参照)。一対のアーム13のアーム本体13aは、その一端(後方側の端部)が、製袋包装機100のフレーム70に回転自在に取り付けられた、左右方向に延びる単一の回転軸18に固定されている(図5参照)。つまり、一対のアーム本体13aは、単一の回転軸18によって連結されている。アーム本体13aは、左右方向に延びる回転可能な回転軸18と連結されることで、垂直平面内を、回転軸18の軸心周りに、所定の角度範囲内で回転可能に構成されている。各アーム本体13aは、回転軸18の軸心周りを、他方のアーム本体13aと連動して回転可能である。アーム本体13aは、回転軸18と固定されている側の端部から下方側に延び、方向を変えて前方側に延びる(図5および図7参照)。アーム本体13aの前方部(回転軸18と固定されている側とは反対側の端部の近傍部分)では、アーム本体13aと交差する方向に(上方側に)、2箇所から延伸部13bが延びる(図5および図7参照)。各延伸部13bの先端部には、一方の可動ローラ14の、一方の端部が固定されている。これにより、各可動ローラ14は、右側のアーム本体13aの延伸部13bの一方と、左側のアーム本体13aの延伸部13bの一方とにより、その両端が支持される(図1参照)。
固定ローラ11および可動ローラ14は、フィルムFの搬送方向において、フィルムロールRとフォーマ本体31との間に配置される(図3参照)。つまり、固定ローラ11および可動ローラ14は、フィルムロールRの下流側であって、フォーマ本体31の上流側に配置される。
固定ローラ11および可動ローラ14は、いずれも回転自在のローラである。固定ローラ11および可動ローラ14は、いずれも左右方向に延びる。固定ローラ11は、製袋包装機100のフレーム70に固定され、その位置は変化しない。一方、可動ローラ14は、上記のように回転軸18の軸心周りを回転可能なアーム13に固定されているため、アーム13の動きによりその位置が変化する(すなわち可動である)。
固定ローラ11および可動ローラ14は、フィルムロールRから搬送されてくるフィルムFに接触し、フィルムFをガイドする。フィルムFは、フィルムロールRからの搬送時に、上流側から、固定ローラ11、可動ローラ14、固定ローラ11、可動ローラ14、固定ローラ11の順にフィルムFと接触するよう、固定ローラ11および可動ローラ14に巻き掛けられている(図3および図6参照)。フィルムFは、固定ローラ11が搬送されるフィルムFの下面に接触し、可動ローラ14が搬送されるフィルムFの上面に接触するように、固定ローラ11および可動ローラ14に巻き掛けられている(図3および図6参照)。
可動ローラ14は、フィルムロールRから搬送されてくるフィルムFを下方に押す。言い換えれば、可動ローラ14は、搬送されるフィルムFに上方から力を作用させる。その結果、フィルムFには張力が作用する。
可動ローラ14がフィルムFを下方に押す力は、以下の2つの力によるものである。
1つの力は、可動ローラ機構12の自重による力(重力)である。可動ローラ14は、フィルムFに上方から接触するため、フィルムFには可動ローラ機構12の自重による力が作用する。
他の力は、エアシリンダ15が生じさせる力である。エアシリンダ15が、可動ローラ14にフィルムFを押す力を発生させる原理を、以下に説明する。
初めに、エアシリンダ15と連結されている回転軸18について説明をする。回転軸18は、製袋包装機100のフレーム70に回転可能に取り付けられている。アーム13と連結(固定)される回転軸18の一端(ここでは、左側の端部)は、エアシリンダ15のロッド15bの一端と固定(連結)されている(図1および図7参照)。エアシリンダ15のロッド15bの他端は、シリンダチューブ15a内部の図示しないピストンと連結されている。ロッド15bは、シリンダチューブ15aの内部に入り込むように、あるいは、シリンダチューブ15aから外部に出て行くように動作可能である。
回転軸18のエアシリンダ15と連結されている側の端部とは反対側の端部(ここでは右側の端部)には、回転軸18の回転角度を検知するためのエンコーダ16(図4参照)が取り付けられている。エンコーダ16の検知結果は、後述するコントローラ90の第2制御部91bによる可動ローラ14の位置の制御に用いられる。また、エンコーダ16の検知結果は、後述するコントローラ90の終端検知部91cによるフィルムロールRの終端の検知に用いられる。
さて、製袋包装機100の運転中にフィルムFが搬送される際、後述するように、コントローラ90(特に後述する第2制御部91b)は、エンコーダ16の検知結果に基づいて、ロール駆動モータ82によるフィルムロールRの回転速度を調整することで、フィルムFをガイドする可動ローラ14の位置を所定位置(例えば、図7に示される位置)に制御する。言い換えれば、コントローラ90は、エンコーダ16の検知結果に基づいて、可動ローラ14の固定されたアーム13が、アーム13の基準位置に対し、回転軸18の軸心周りに所定角度だけ回転した状態(例えば、図7に示された状態)となるよう制御する。なお、ここでは、アーム13の基準位置とは、アーム13が最下方まで下げられた位置(図5参照)を意味するものとする。図7のように、アーム13が基準位置に対し回転軸18の軸心周りに所定角度だけ回転した状態にある時、ロッド15bは、アーム13が基準位置にある場合に比べ、シリンダチューブ15aの内部に入りこんだ状態にある。
仮に、図7の状態で、可動ローラ14が、フィルムFに、可動ローラ機構12の自重による力だけを作用させていたとする。この状態で、コントローラ90(特に後述する第1制御部91a)がシリンダチューブ15aの内圧を上げると、シリンダチューブ15a内で図示しないピストンが動かされ、ロッド15bはシリンダチューブ15aから外部に出て行くように動作する。このロッド15bの動きに連れて、アーム13は、左側面視において(つまり図7の視点において)、回転軸18の軸心周りを時計方向に回動する。そして、アーム13に固定された可動ローラ14は、下方に移動する。この結果、可動ローラ14には、エアシリンダ15によりフィルムFを下方に押す力が発生させられることとなる。そして、可動ローラ14には、可動ローラ機構12の自重による力と、エアシリンダ15による力との合力が、フィルムFを下方に押す力として生じることになる。
なお、仮に、図7の状態で、可動ローラ14が、フィルムFに、可動ローラ機構12の自重による力と、エアシリンダ15による力との両方を作用させていたとする。この状態で、コントローラ90(特に後述する第1制御部91a)がシリンダチューブ15aの内圧を下げると、シリンダチューブ15a内で図示しないピストンが動かされ、ロッド15bはシリンダチューブ15aの内部に入り込むように動作する。このロッド15bの動きに連れて、アーム13は、左側面視において(つまり図7の視点において)、回転軸18の軸心周りを反時計方向に回動する。そして、アーム13に固定された可動ローラ14は、上方に移動する。この結果、エアシリンダ15が可動ローラ14に発生させているフィルムFを下方に押す力は、低減されることとなる。
エアシリンダ15が通常運転中にどのように制御されるかについては、後述するコントローラ90に関する記載の中で説明する。なお、ここで、通常運転中とは、製袋包装機100が運転中であって、後述するコントローラ90の終端検知部91cがフィルムロールRの終端を検知していない状態を意味するものとする。
なお、製袋包装機100の運転中に、後述するコントローラ90の終端検知部91cがフィルムロールRの終端を検知した時には、エアシリンダ15は、可動ローラ14がフィルムFに作用させる力を低減させる。つまり、エアシリンダ15は、力低減部として機能する。エアシリンダ15の力低減部としての動作(フィルムロールRの終端の検知時のコントローラ90によるエアシリンダ15の制御)については、後述するコントローラ90に関する記載の中で説明する。
固定ローラ11および可動ローラ14は、フィルムFを貯留するフィルム貯留部としても機能する。固定ローラ11および可動ローラ14では、例えば、1つの袋Bを製袋するのに必要な長さのフィルムFが貯留される。固定ローラ11および可動ローラ14に、フィルムFを貯留することで、例えば、フィルムロールRのフィルム切れが発生したものの、既に上流側の工程から物品Cが供給されている場合に、物品Cを無駄にすることなく、物品Cを収容した袋Bを作ることができる。また、固定ローラ11および可動ローラ14がフィルム貯留部として機能することで、フィルム貯留部を利用してフィルムFの搬送量を調整すること等が容易である。
固定ローラ11および可動ローラ14によりフィルムFが貯留される原理について、具体的に説明する。
アーム13は、回転軸18の軸心周りに、アーム13の基準位置と、アーム13の最大回転位置との間を回転可能に構成されている。アーム13の最大回転位置とは、アーム13が、アーム13の基準位置に対し、回転軸18の軸心周りに回転可能な最大角度回転した時に、アーム13が配置される位置である。例えば、左側面視であれば、基準位置に対して、アーム13が回転軸18の軸心周りに反時計方向に最大角度回転した時に、アーム13が配置される位置である。可動ローラ14は、アーム13が基準位置にある時に固定ローラ11から最も離れた位置(最下方)に配置され、アーム13が最大回転位置にある時に固定ローラ11から最も近い位置(最上方)に配置される。可動ローラ14が、固定ローラ11から最も離れた位置に配置される時には、最上流側の固定ローラ11と、最下流側の固定ローラ11との間のフィルムFの長さが最も長くなる。一方、可動ローラ14が、固定ローラ11から最も近い位置に配置される時には、最上流側の固定ローラ11と、最下流側の固定ローラ11との間のフィルムFの長さが最も短くなる。
製袋包装機100の通常運転中、アーム13は、基準位置と最大回転位置との中間位置に配置される。言い換えれば、可動ローラ14は、固定ローラ11から最も離れた位置と、固定ローラ11から最も近い位置との中間位置に配置されている。そのため、製袋包装機100の通常運転中には、可動ローラ14が固定ローラ11から最も近い位置に位置する時に比べ、最上流側の固定ローラ11と最下流側の固定ローラ11との間のフィルムFの長さが長い。この、製袋包装機100の通常運転中の最上流側の固定ローラ11と最下流側の固定ローラ11との間のフィルムFの長さと、固定ローラ11から最も近い位置に位置する時の最上流側の固定ローラ11と最下流側の固定ローラ11との間のフィルムFの長さとの差を利用して、固定ローラ11および可動ローラ14は、フィルムFを貯留する。貯留しているフィルムFを利用する時には、可動ローラ14が、通常運転時の位置から、上方へと移動する。
(2−3)フォーマユニット
フォーマユニット30は、主に、フォーマ本体31と、チューブ32と、ベース33と、を有する(図2参照)。
(2−3−1)フォーマ本体
フォーマ本体31は、フォーマの一例である。フォーマ本体31は、フィルムロールRから引き出されてフォーマ本体31へと搬送されてくるシート状のフィルムFを、フィルムFの左端部と右端部が重なるように曲げて筒状に成形する。つまり、フォーマ本体31は、搬送ベルト40により搬送されるシート状のフィルムFを、筒状フィルムFtに成形する。
フォーマ本体31は、後述する円筒状のチューブ32を周方向に取り囲むように配置されている(図2参照)。フォーマ本体31により成形された筒状フィルムFtは、円筒状のチューブ32の下部側の外周面に巻きつくように案内され、チューブ32に巻き付いた状態で下方に搬送される。
(2−3−2)チューブ
チューブ32は、垂直方向に延び、上下の端部が開口した円筒状の部材である。チューブ32の上部は、上端側ほど径が大きくなる漏斗状に形成されている(図3参照)。チューブ32の下部は、径が一様に形成されている(図3参照)。
チューブ32は、落下してくる物品Cを、上部の開口から受け入れる(図3参照)。チューブ32の上部の開口から投入された物品Cは、チューブ32の内部を通過して、チューブ32の下部の開口から筒状フィルムFtの内部に供給される。
(2−3−3)ベース
ベース33は、平板状の部材である(図2参照)。
ベース33には、フォーマ本体31およびチューブ32が固定されている。上下方向に延びるチューブ32は、ベース33に、ベース33をその厚み方向に貫くように取り付けられている。フォーマ本体31は、ベース33の上方に、チューブ32を周方向に取り囲むように配置されている。
ベース33は、製袋包装機100のフレームと固定されたベース戴置台34(図2参照)に着脱可能に固定されている。
(2−4)搬送ベルト
製袋包装機100は、一対の搬送ベルト40を有する(図3参照)。一対の搬送ベルト40は、フォーマユニット30の下方に配置される(図3参照)。一対の搬送ベルト40は、筒状フィルムFtが巻き付いたフォーマユニット30のチューブ32の左側および右側にそれぞれ配置される。図3では、左側の搬送ベルト40のみを描画している。
一対の搬送ベルト40は、フィルム搬送機構の一例である。一対の搬送ベルト40は、フィルムロールRから引き出されるフィルムFをフォーマ本体31へと搬送する。また、搬送ベルト40は、フォーマ本体31で成形された筒状フィルムFtを横シール機構60へ搬送する。具体的には、搬送ベルト40は、チューブ32に巻き付いた筒状フィルムFtを吸着して下方に搬送する。
各搬送ベルト40は、ベルト41、駆動ローラ42、および従動ローラ43を有する(図3参照)。ベルト41は、吸着機能を有する。ベルト41は、駆動ローラ42および従動ローラ43に巻き掛けられている。駆動ローラ42は、ローラ駆動モータ44(図4参照)と連結され、ローラ駆動モータ44により駆動される。ベルト41がフィルムを吸着した状態で、駆動ローラ42がローラ駆動モータ44により駆動されると、筒状フィルムFtは下方に搬送される。
(2−5)縦シール機構
縦シール機構50(図3参照)は、チューブ32に巻き付いた筒状フィルムFtの重なり部分を縦シールする(上下方向にシールする)機構である。
縦シール機構50は、図示されないヒータと、筒状フィルムFtの重なり部分に接触するヒータベルト(図示せず)と、ヒータベルトを駆動する駆動機構(図示せず)と、を有する。ヒータは、ヒータベルトを加熱する。駆動機構は、ヒータベルトをチューブ32に近づくように、あるいは、チューブ32から遠ざかるように前後方向に駆動する。ヒートベルトが、駆動機構によりチューブ32に近づくように駆動されることで、チューブ32に巻き付いた筒状フィルムFtの重なり部分が、ヒータベルトとチューブ32との間に挟まれる。縦シール機構50は、加熱されたヒータベルトで、筒状フィルムFtの重なり部分を所定の圧力でチューブ32に押しつけることで、筒状フィルムFtの重なり部分を縦方向に熱シールする。
(2−6)横シール機構
横シール機構60は、搬送ベルト40および縦シール機構50の下方に配置されている(図3参照)。横シール機構60は、搬送ベルト40により下方に搬送されてくる、縦シール機構50による縦シール後の筒状フィルムFtを、横シールする機構である。言い換えれば、横シール機構60は、筒状フィルムFtの搬送方向と交差する方向、より具体的には筒状フィルムFtの搬送方向と直交する方向(左右方向)に筒状フィルムFtをシールする機構である。
横シール機構60は、筒状フィルムFtの前後にそれぞれ配置される一対の回転体63を有する(図3参照)。各回転体63には、ヒータを内蔵するシールジョー62aおよびシールジョー62bが取り付けられている(図3参照)。両回転体63のシールジョー62aは、筒状フィルムFtを横シールする際、対となって機能する。また、両回転体63のシールジョー62bは、筒状フィルムFtを横シールする際、対となって機能する。
シールジョー62aによる筒状フィルムFtの横シールおよび筒状フィルムFtの切断について説明する。
図示しない駆動機構が駆動され、一対の回転体63が旋回すると、各回転体63に取り付けられたシールジョー62aは、側面視において互いに対称な軌跡を描きながら旋回する(図3の点線で描画された軌跡を参照)。そして、旋回する一対のシールジョー62aは、互いに押しつけ合う状態で筒状フィルムFtを挟持し、袋Bの上下の端部となる筒状フィルムFtの一部分に圧力および熱を加えて横シールする。シールジョー62aの一方の内部には、図示しないカッターが内蔵されている。カッターは、筒状フィルムFtの横シール部分を、筒状フィルムFtの搬送方向における中心位置において切断し、袋Bと後続の筒状フィルムFtとを切り離す。
シールジョー62bによる筒状フィルムFtの横シールおよび筒状フィルムFtの切断については、シールジョー62aと同様であるので、説明は省略する。なお、一対のシールジョー62aと、一対のシールジョー62bとは、搬送されてくる筒状フィルムFtを交互に横シールする。
(2−7)コントローラ
コントローラ90は、製袋包装機100の各部の動作を制御する。
コントローラ90は、CPU(Central Processing Unit)を主に有する制御部91と、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等を主に有する記憶部92と、を主に有する。コントローラ90では、制御部91が記憶部92に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、製袋包装機100の各部の動作を制御する。
コントローラ90は、製袋包装機100の各部、例えば、フィルムロール保持部80のロール駆動モータ82と、搬送ベルト40のローラ駆動モータ44と、張力調整機構10のエアシリンダ15およびエンコーダ16と、縦シール機構50と、横シール機構60と、に電気的に接続されている(図4参照)。
コントローラ90は、エンコーダ16の検知結果(可動ローラ14の固定されたアーム13と連結される回転軸18の回転角度)を受け付ける。エンコーダ16の検出結果は、後述する第2制御部91bによる可動ローラ14の位置の制御に用いられる。また、エンコーダ16の検出結果は、後述する終端検知部91cによるフィルムロールRの終端の検知に用いられる。
コントローラ90は、製袋包装機100の各部、例えば、ロール駆動モータ82と、ローラ駆動モータ44と、エアシリンダ15と、縦シール機構50と、横シール機構60との動作を、例えば以下の様に制御する。
コントローラ90は、搬送ベルト40がフィルムロールRから引き出されるシート状のフィルムFを所定速度(製袋包装機100の運転負荷等から決定される速度)で搬送するよう、ベルト41によるフィルムの吸引と、ローラ駆動モータ44とを制御する。なお、製袋包装機100の運転方式には、フィルムF(筒状フィルムFt)を一定速度で連続的に搬送する連続運転と、フィルムF(筒状フィルムFt)の搬送/停止を交互に繰り返す間欠運転とがある。製袋包装機100の運転方式は、運転条件に応じて適宜選択される。
コントローラ90は、フィルムFの搬送状態や、エンコーダ16の検知結果に基づき、ロール駆動モータ82の起動/停止や、ロール駆動モータ82によるフィルムロールRの回転速度を制御する。例えば、コントローラ90は、ローラ駆動モータ44が起動/停止されるタイミングに合わせて、ロール駆動モータ82を起動/停止させる。また、コントローラ90は、エンコーダ16の検知結果に基づいて、ロール駆動モータ82によるフィルムロールRの回転速度を制御する。ロール駆動モータ82に関する制御は、制御部91の機能部としての、後述する第2制御部91bが実行する。
コントローラ90は、通常運転中に、可動ローラ14が搬送中のフィルムFに一定の力を作用させるよう、エアシリンダ15を制御する。また、コントローラ90は、後述する終端検知部91cによるフィルムロールRの終端の検知時に、エアシリンダ15を制御し、可動ローラ14がフィルムFに作用させる力を、通常運転時に比べて低減させる。エアシリンダ15の制御は、制御部91の機能部としての、後述する第1制御部91aが実行する。
コントローラ90は、縦シール機構50が所定のタイミングで筒状フィルムFtの縦シールを行い、横シール機構60が所定のタイミングで筒状フィルムFtの横シールを行うよう、縦シール機構50および横シール機構60の動作を制御する。
以下に、制御部91の機能部としての、終端検知部91c、第1制御部91a、および第2制御部91bについて説明する。
(2−7−1)終端検知部
終端検知部91cは、フィルムロールRの終端を検知する。なお、フィルムロールRの終端とは、巻き芯Rcに巻き回されたフィルムFの末端を意味する。終端検知部91cは、言い換えれば、フィルムロールRに巻き回されたフィルムFが全てフィルムロールRから引き出された状態(巻き芯RcとフィルムFとの固定(連結)部分がフィルムロールRの表面に見えている状態)を検知する。
終端検知部91cは、エンコーダ16の検知する可動ローラ14の位置に関する物理量、具体的には、可動ローラ14の固定されたアーム13が連結された回転軸18の回転角度に基づき、フィルムロールRの終端を検知する。なお、可動ローラ14の位置に関する物理量とは、その物理量を用いて可動ローラ14の位置を把握することが可能な物理量を意味する。
後述するように、製袋包装機100の通常運転中には、可動ローラ14の位置は、第2制御部91bにより、固定ローラ11から最も離れた位置(最下方)と、固定ローラ11から最も近い位置(最上方)との中間の所定位置に制御される(図7参照)。そのため、製袋包装機100の通常運転中には、可動ローラ14は所定位置の近傍(所定領域内)に配置される。しかし、フィルムロールRの終端では、フィルムロールRからフィルムFをそれ以上引き出すことができず、更にフィルムFの末端が巻き芯Rcと固定されているため、可動ローラ14はフィルムFに持ち上げられて上方へと、所定領域を超えて移動する(図8参照)。
そこで、終端検知部91cは、具体的には、エンコーダ16の検知する回転軸18の回転角度が所定の閾値を超えているか(アーム13が、通常運転中には取り得ない位置まで回転しているか)否かを判定する。そして、終端検知部91cは、回転軸18の回転角度が所定の閾値を超えている場合に、フィルムロールRの終端を検知する。
(2−7−2)第1制御部
第1制御部91aは、エアシリンダ15を制御する。
第1制御部91aによるエアシリンダ15の制御を、通常運転中の制御と、フィルムロールRの終端の検知時の制御とに分けて説明する。
(a)通常運転中
第1制御部91aは、通常運転中、張力調整機構10の可動ローラ14が搬送中のフィルムFに一定の力を作用させるようにエアシリンダ15を制御する。より具体的には、第1制御部91aは、図示しない電空比例弁を操作し、シリンダチューブ15a内の内圧を制御することで、可動ローラ14が搬送中のフィルムFに一定の力を作用させるようにエアシリンダ15を制御する。なお、可動ローラ14が搬送中のフィルムFに作用させる力とは、可動ローラ機構12の自重による力と、エアシリンダ15による力との合力を意味する。可動ローラ14が搬送中のフィルムFに作用させる力の大きさは、例えば、フィルムFの種類や、フィルムFのサイズ等に基づいて適切に決定される。
第1制御部91aは、フィルムFの搬送状態に応じて、以下の様にエアシリンダ15を制御する。
搬送ベルト40がフィルムFを等速で搬送する時、例えば一定速度でフィルムFを連続搬送する連続運転時には、第1制御部91aは、エアシリンダ15のシリンダチューブ15aの内圧が一定になるよう、エアシリンダ15を制御する。
搬送ベルト40がフィルムFを搬送する速度が変化する時、例えば間欠運転時にフィルムFの搬送速度が変化する時には、第1制御部91aは、以下の様にエアシリンダ15を制御する。
搬送ベルト40がフィルムFの搬送速度を加速する時には、フィルムFに作用する張力が増大する傾向にある。具体的には、仮に、第1制御部91aがシリンダチューブ15aの内圧の制御を行わないとすると、搬送ベルト40がフィルムFの搬送速度を加速する場合、可動ローラ14は上方に引っ張られ、エアシリンダ15のロッド15bがシリンダチューブ15a内に押し込まれる。その結果、シリンダチューブ15aの内圧は上昇し、可動ローラ14がフィルムFを押す力が上昇する。そこで、搬送ベルト40がフィルムFの搬送速度を加速する時、第1制御部91aは、エアシリンダ15のシリンダチューブ15aの内圧が低下するようにエアシリンダ15を制御する。
搬送ベルト40がフィルムFの搬送速度を減速する際には、フィルムFに作用する張力が減少する傾向にある。具体的には、仮に、第1制御部91aがシリンダチューブ15aの内圧の制御を行わないとすると、搬送ベルト40がフィルムFの搬送速度を減速する場合、可動ローラ14は下方へと移動し、エアシリンダ15のロッド15bがシリンダチューブ15aから外部に出て行く。その結果、シリンダチューブ15aの内圧は低下し、可動ローラ14がフィルムFを押す力が低下する。そこで、搬送ベルト40がフィルムFの搬送速度を減速する時、第1制御部91aは、エアシリンダ15のシリンダチューブ15aの内圧が上昇するようにエアシリンダ15を制御する。
(b)フィルムロールの終端の検知時
第1制御部91aは、終端検知部91cがフィルムロールRの終端を検知すると(終端検知部91cがフィルムロールRの終端の検知を知らせる信号を出力すると)、可動ローラ14がフィルムFに作用される力を、通常運転中に比べて低減させるよう、エアシリンダ15の動作を制御する。言い換えれば、エアシリンダ15は、フィルムロールRの終端の検知時に、第1制御部91aに制御されて、可動ローラ14がフィルムFに作用させる力を、通常運転中に比べて低減させる。
具体的には、第1制御部91aは、終端検知部91cがフィルムロールRの終端を検知すると、図示しない電空比例弁を操作し、シリンダチューブ15a内の内圧を制御することで、可動ローラ14がフィルムFに作用させる力を通常運転中に比べて低減させるよう、エアシリンダ15を制御する。より具体的には、第1制御部91aは、フィルムロールRの終端の検知時に、図示しない電空比例弁を操作してシリンダチューブ15aの内圧を大気圧として、可動ローラ14がフィルムFに作用させる力のうち、エアシリンダ15による力をゼロとする。言い換えれば、エアシリンダ15は、フィルムロールRの終端の検知時に、可動ローラ機構12の自重だけがフィルムFに作用するよう、可動ローラ14がフィルムFに作用させる力を通常運転中に比べて低減させる。
この結果、フィルムロールRの巻き芯Rcと、フィルムFの末端との固定(連結)部分に強い力が作用することを防止でき、巻き芯RcからフィルムFの末端が剥がれることを防止できる。また、フィルムFには、可動ローラ機構12の自重が作用しているため、フィルムFの張力がゼロとなって緩んだ状態となり、フィルムFにずれ等が生じることを防止できる。
(2−7−3)第2制御部
第2制御部91bは、可動ローラ14の位置を制御する。第2制御部91bは、ローラ駆動モータ44の起動/停止およびフィルムFの搬送速度や、エンコーダ16の検知結果に基づいて、ロール駆動モータ82によるフィルムロールRの回転速度を調整することで、可動ローラ14の位置を制御する。可動ローラ14は、上記のように、固定ローラ11から最も離れた位置(最下方)と、固定ローラ11から最も近い位置(最上方)との中間の所定位置に配置される(図7参照)。
第2制御部91bは、ローラ駆動モータ44の起動/停止に合わせて、ロール駆動モータ82を起動/停止する。
また、第2制御部91bは、エンコーダ16の検知結果(回転軸18の回転角度の検知結果)に基づいて、ロール駆動モータ82によるフィルムロールRの回転速度を制御する。
具体的には、第2制御部91bは、搬送ベルト40がフィルムFを等速で搬送する時、例えば連続運転時に、エンコーダ16の検知結果に基づいて、ロール駆動モータ82によるフィルムロールRの回転速度を調整し、可動ローラ14の位置が一定位置になるよう制御する。より具体的には、第2制御部91bは、エンコーダ16の検知結果に基づいて、可動ローラ14が所定位置より低い位置にあると判断される場合にはロール駆動モータ82によるフィルムロールRの回転速度を減速する。また、第2制御部91bは、エンコーダ16の検知結果に基づいて、可動ローラ14が所定位置より高い位置にあると判断される場合にはロール駆動モータ82によるフィルムロールRの回転速度を加速する。
第2制御部91bは、製袋包装機100が間欠運転される場合にも、可動ローラ14の位置が所定の一定位置になるよう制御する。ただし、製袋包装機100が間欠運転される場合には、連結運転時に比べ、可動ローラ14の位置が変動しやすい。可動ローラ14の位置が変動すると、可動ローラ14が搬送中のフィルムFに作用させる力が変動しやすくなるが、第1制御部91aがフィルムFの搬送速度の加速/減速時に上記のような制御を行うことで、可動ローラ14が搬送中のフィルムFに作用させる力が一定に制御される。
(3)特徴
(3−1)
本実施形態に係る製袋包装機100は、フィルムロール保持部80と、フォーマ本体31と、可動ローラ機構12と、終端検知部91cと、力低減部の一例としてのエアシリンダ15と、を備える。フィルムロール保持部80は、フィルムロールRを保持する。フォーマ本体31は、フィルムロールRから引き出されて搬送されるシート状のフィルムFを、筒状に成形する。可動ローラ機構12は、可動ローラ14を有する。可動ローラ14は、フィルムFの搬送方向においてフィルムロールRとフォーマ本体31との間に配置され、搬送されるフィルムFに接触し、フィルムFをガイドする。終端検知部91cは、フィルムロールRの終端を検知する。エアシリンダ15は、フィルムロールRの終端の検知時に、可動ローラ14がフィルムFに作用させる力を低減させる。
製袋包装機100では、フィルムロールRの終端の検知時に、可動ローラ14がフィルムFに作用させる力が低減されるため、フィルムロールRの巻き芯RcからフィルムFが剥がれることを防止可能な、信頼性の高い製袋包装機を実現できる。
また、ここでは、エアシリンダ15を力低減部として用いることで、フィルムロールRの終端の検知時に、可動ローラ14がフィルムFに作用させる力を容易に低減できる。
(3−2)
本実施形態に係る製袋包装機100では、可動ローラ14は、上方からフィルムFに力を作用させる。エアシリンダ15は、フィルムロールRの終端の検知時に、可動ローラ機構12の自重だけがフィルムFに作用するよう、可動ローラ14がフィルムFに作用させる力を低減させる。
本製袋包装機100では、フィルムロールRの終端の検知時に、可動ローラ14がフィルムFに作用させる力が、可動ローラ機構12の自重だけにまで低減されるため、フィルムロールRの巻き芯RcからフィルムFが剥がれることを防止することが容易である。また、フィルムロールRの終端の検知時であっても、可動ローラ機構12の自重がフィルムFに作用するため、フィルムFの張力がゼロとなり、フィルムFのずれ等が生じ、多大なフィルムロスが発生することを防止できる。
(3−3)
本実施形態に係る製袋包装機100では、終端検知部91cは、可動ローラ14の位置に関する物理量、具体的には、可動ローラ14の固定されたアーム13と連結される回転軸18の回転角度に基づき、フィルムロールRの終端を検知する。なお、可動ローラ14の位置に関する物理量とは、その物理量を用いて可動ローラ14の位置を把握することが可能な物理量を意味する。
フィルムロールRが終端に到達すると、フィルムFに作用する張力が大きくなり、それに応じて可動ローラ14が移動させられる。そのため、可動ローラ14の位置に関する物理量を用いることで、フィルムロールRの終端を容易に検知できる。
(3−4)
本実施形態に係る製袋包装機100は、固定ローラ11を備える。固定ローラ11は、フィルムFの搬送方向においてフィルムロールRとフォーマ本体31との間に配置され、搬送されるフィルムFに接触し、フィルムFをガイドする。可動ローラ14および固定ローラは、フィルムFを貯留するフィルム貯留部として機能する。
製袋包装機100では、可動ローラ14および固定ローラ11がフィルム貯留部として機能することで、フィルムロールRのフィルム切れの際にも、被包装物である物品Cを無駄にせず、製袋を行うことが可能である。また、フィルム貯留部を有することで、フィルムFの搬送量を調整することが容易である。
(4)変形例
以下に本実施形態の変形例を示す。変形例は、互いに矛盾のない範囲で適宜組み合わされてもよい。
(4−1)変形例A
上記実施形態では、固定ローラ11および可動ローラ14は、フィルムFを貯留するフィルム貯留部として機能するが、これに限定されるものではない。例えば、固定ローラ11および可動ローラ14とは別に、フィルム貯留部を設けてもよい。
(4−2)変形例B
上記実施形態では、製袋包装機100は2つの可動ローラ14を有するが、これに限定されるものではない。例えば、製袋包装機100は、1つ又は3つ以上の可動ローラ14と、これに対応する数の固定ローラ11とを有するものであってもよい。
(4−3)変形例C
上記実施形態では、製袋包装機100は、力低減部としてエアシリンダ15を有するが、これに限定されるものではない。例えば、力低減部は、油圧シリンダ等の他の流体圧シリンダであってもよい。また、例えば、力低減部は、電動アクチュエータ等であってもよい。
(4−4)変形例D
上記実施形態では、固定ローラ11および可動ローラ14は左右方向(水平方向)に延びるが、これに限定されるものではない。
例えば、他の例に係る製袋包装機では、上記実施形態のフィルムロール保持部80および張力調整機構10が、回転軸81の軸方向と、固定ローラ11および可動ローラ14の軸方向とが垂直方向を向くよう、90度回転させられた状態で構成されてもよい。この場合には、フィルムFの搬送方向における張力調整機構10とフォーマ本体31との間にターンバーを設け、フィルムFが最終的に水平な状態でフォーマ本体31に向かって搬送されるよう構成されることが好ましい。なお、このように構成される場合には、可動ローラ機構12の自重による力がフィルムFに作用せず、エアシリンダ15で、可動ローラ14がフィルムFに作用させる力を生じさせる。この場合にも、エアシリンダ15は、フィルムロールRの終端の検知時に、通常運転中に比べ、可動ローラ14がフィルムFに作用させる力を低減させる。なお、エアシリンダ15は、可動ローラ14がフィルムFに作用させる力がゼロにならない範囲で力を低減させることが好ましい。
(4−5)変形例E
上記実施形態では、可動ローラ14がフィルムFに作用させる力をエアシリンダ15により発生させているが、これに限定されるものではない。
例えば、製袋包装機は、特許文献1(国際公開番号WO2002/098737)のように、可動ローラ14がフィルムFに作用させる力をばねによって発生させるものであってもよい。その上で、製袋包装機は、フィルムロールRの終端の検知時に、ばねの弾性力を打ち消す向きに力を作用させるエアシリンダ等を力低減部として備えてもよい。
このように構成されることで、特許文献1(国際公開番号WO2002/098737)のような製袋包装機100に、力低減部を取り付けるだけで、フィルムロールRの巻き芯RcからのフィルムFの剥がれを防止することができる。
(4−6)変形例F
上記実施形態では、可動ローラ14がフィルムFに作用させる力をエアシリンダ15により発生させているが、これに限定されるものではない。
例えば、製袋包装機は、特許文献1(国際公開番号WO2002/098737)のように、可動ローラ14がフィルムFに作用させる力をばねによって発生させるものであってもよい。その上で、製袋包装機は、フィルムロールRの終端の検知時に、アーム13を保持して移動を規制する機構を力低減部として備えてもよい。アーム13が力低減部により保持されることで、可動ローラ14がフィルムFに力を作用させないようにすることができる。
(4−7)変形例G
上記実施形態では、エンコーダ16の検知する回転軸18の回転角度に基づいて、終端検知部91cがフィルムロールRの終端を検知するが、これに限定されるものではない。例えば、製袋包装機は、アーム13が、回転軸18の軸心周りに所定の角度範囲(通常運転中に取り得る角度範囲)を超えて回転していることを検知可能な光電センサ等を有し、終端検知部91cがこの検知結果を利用してフィルムロールRの終端を検知するよう構成されてもよい。ただし、エンコーダ16の検知結果を、可動ローラ14の位置の制御と、フィルムロールRの終端の検知との両方に用いることで、製袋包装機100に設置するセンサの数を抑制することができる。
(4−8)変形例H
上記実施形態では、フィルムロールRの終端の検知時に、エアシリンダ15が、可動ローラ14がフィルムFに作用させる力を、可動ローラ機構12の自重だけになるように低減させるが、これに限定されるものではない。
例えば、エアシリンダ15は、可動ローラ14がフィルムFに作用させる力を、通常運転時より小さく、可動ローラ機構12の自重より大きい所定の力に低減させるよう構成されてもよい。
また、製袋包装機は、例えば、フィルムロールRの終端の検知時に、可動ローラ14がフィルムFに作用させる力を、可動ローラ機構12の自重より小さく低減させるように構成された力低減部を有するものであってもよい。ただし、フィルムロールRの終端の検知時であっても、可動ローラ14がフィルムFに作用させる力はゼロとならないことが好ましい。
本発明によれば、フィルムロールから引き出されるフィルムをフォーマで筒状に成形する製袋包装機であって、フィルムロールからフィルムが剥がれることを防止可能な、信頼性の高い製袋包装機を提供でき、有用である。
11 固定ローラ
12 可動ローラ機構
14 可動ローラ
15 エアシリンダ(力低減部、流体圧シリンダ)
31 フォーマ本体(フォーマ)
80 フィルムロール保持部
91c 終端検知部
100 製袋包装機
F フィルム
Ft 筒状フィルム
R フィルムロール
国際公開番号WO2002/098737

Claims (5)

  1. フィルムロールを保持するフィルムロール保持部と、
    前記フィルムロールから引き出されて搬送されるシート状の前記フィルムを、筒状に成形するフォーマと、
    前記フィルムの搬送方向において前記フィルムロールと前記フォーマとの間に配置され、搬送される前記フィルムに接触して前記フィルムをガイドすると共に、前記フィルムに力を作用させる可動ローラ、を有する可動ローラ機構と、
    前記フィルムロールの終端を検知する終端検知部と、
    前記フィルムロールの前記終端の検知時に、前記可動ローラが前記フィルムに作用させる力を低減させる力低減部と、
    を備える、製袋包装機。
  2. 前記可動ローラは、上方から前記フィルムに力を作用させ、
    前記力低減部は、前記フィルムロールの前記終端の検知時に、前記可動ローラ機構の自重だけが前記フィルムに作用するよう、前記可動ローラが前記フィルムに作用させる力を低減させる、
    請求項1に記載の製袋包装機。
  3. 前記力低減部は、流体圧シリンダである、
    請求項1又は2に記載の製袋包装機。
  4. 前記終端検知部は、前記可動ローラの位置に関する物理量に基づき、前記フィルムロールの前記終端を検知する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の製袋包装機。
  5. 前記フィルムの搬送方向において前記フィルムロールと前記フォーマとの間に配置され、搬送される前記フィルムに接触し、前記フィルムをガイドする固定ローラ、
    を更に備え、
    前記可動ローラおよび前記固定ローラは、前記フィルムを貯留するフィルム貯留部として機能する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の製袋包装機。
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