従来、帯状包装フィルムのような帯状包装材を巻き取ったロールを包装材の供給源とし、当該ロールから繰り出された帯状包装材を走行経路に沿って走行させ、当該走行経路を経て供給される帯状包装材を両側縁部が互いに重ねるように湾曲状包装材に曲成し、この湾曲状包装材の重なり合った両側縁部に縦ヒートシールを施すことで湾曲状包装材を筒状包装材に形成し、当該筒状包装材に横ヒートシールを施すことで袋底部を形成し、包装すべき製品を筒状包装材の内部に投入し、その後、投入済みの製品の上方位置で筒状包装材に横ヒートシールを施すことで袋上底部を形成して、筒状包装材から切り離すことにより上記製品が封入された包装袋を順次製造する縦型製袋包装機が知られている。こうした縦型製袋包装機の一例として、引用文献1に開示されているものがある。
引用文献1においては、製袋包装機に関して連続印字方式と間欠印字方式の長所を兼ね備え、間欠印字方式を採用しながらもフィルムの連続走行が可能で製袋包装機の処理能力を損なうことのない製袋包装機におけるフィルムへの印字方法及びその印字方法を使用した製袋包装機が提案されている。このような印字方法及び製袋包装機によれば、構成や制御が比較的簡単な間欠印字方式を採用しながらもフィルムを連続走行させることにより、製造コストの低減と製袋包装機の処理能力の向上とを両立させることが図られている。
引用文献1に記載されているところの帯状フィルムを包装袋に成形しながら該包装袋に物品を供給して封止する製袋包装機において帯状フィルムに印字を行う印字方法としては、帯状フィルムの走行経路上の二箇所の蓄積部において該フィルムを蓄積及び排出しながら、これらの蓄積部間にないフィルムの部分を連続走行させる一方で、上記蓄積部間にあるフィルムの部分を間欠的に停止させてこれに印字することを特徴としている。また、同じく引用文献1に記載の帯状フィルムを包装袋に成形しながら該包装袋に物品を供給して封止する製袋包装機としては、帯状フィルムを連続走行させる駆動手段と、帯状フィルムを該フィルムの走行経路上の二箇所においてそれぞれ蓄積させる上流側及び下流側の蓄積手段と、これらの上流側及び下流側の蓄積手段間にあるフィルムの部分を間欠的に停止させる間欠停止手段とを備えていて、該間欠停止手段によってフィルムが間欠停止されている間に上記上流側及び下流側の蓄積手段間にないフィルムの部分が連続走行されるのに充分なフィルムを該上流側及び下流側の蓄積手段が備蓄するように構成していると共に、フィルムが間欠停止されている間に上記上流側及び下流側の蓄積手段間で停止されたフィルムの部分に印字を行なう印字手段とを備えていることを特徴としている。
上記製袋包装機における帯状フィルムの蓄積・間欠停止を伴う走行の具体的な手段については、製袋包装機は、本体の前面側に物品投入用の円筒状シュート、フォーマ、縦シール装置及び横シール装置が配設される型式のものである。帯状フィルムの供給源であるロール(フィルムを巻き取ったロール)は本体の背面側に配置されており、ロールから繰り出しされた帯状フィルムは、本体の背面に架設された複数の固定ローラやダンサローラ等で案内されながら本体の上部に沿った走行経路を経て本体の前方に移送されてフォーマに連続供給される。フィルムに対する印字装置は、本体の上部の走行経路途中に備えられており、帯状フィルムが包装袋に成形される前に、フィルムに製造年月日や製造番号等の情報を印字する。
本体の上部に沿った走行経路においては、回動中心の回りに揺動するアームの回動中心から等しい距離にある前後両端にはフィルムが巻き掛けられた揺動ローラが配置されており、アームが揺動することでフィルムの同量の蓄積と排出を交互に行う二つの蛇行部が構成されている。印字装置は当該前後の蛇行部間に配設されており、前後の蛇行部におけるフィルムの蛇行の増減量が等しくなっている。フィルムの前進に伴って該フィルム上のマークがマークセンサで検出されると、蛇行部の作用によって蛇行部間ではフィルムが停止している状態になり、この停止期間に印字装置がフィルムに印字を行う。
しかしながら、引用文献1に記載の帯状フィルムの送りについては、フィルムの蓄積と排出を繰り返すために回動中心の回りに揺動するアームを用いているので、アームの先端にあってフィルムが巻き掛けられるローラは当該アームの揺動によってフィルムの送り経路に交差する方向に移動する。したがって、この帯状フィルムの送り機構については、フィルムの送り方向のみならず、当該送り方向に交差する方向にも十分なスペースを確保しておく必要がある。しかも、フィルムの連続送り中に一時的に送りを停止させる期間を長く確保したい場合には、アームの先端に設けられているローラの移動量を大きくして、フィルムの蓄積量と排出量を多くする必要があり、このときには送り方向に交差する方向に確保するスペースが更に大きくなることが避けられない。
そこで、包装用の帯状包装材の送りに関して、包装材ロールからの帯状包装材の繰り出しと製袋包装機への帯状包装材の送りを連続的に行う中で、送り途中の帯状包装材に対して付属物の貼付け、印刷、穿孔等の作業を行うために、帯状包装材の送りを一時的に停止させる帯状包装材供給装置において、作業を確実に行って袋包装体としての不良品の発生を低減させるとともに、帯状包装材供給装置の構造に着目してその構造簡素化を図り且つ設置に要するスペースを少なくする点で解決すべき課題がある。
この発明の目的は、上記課題を解決することであり、袋包装体としての不良品の発生を低減させるとともに、帯状包装材供給装置の構造を簡素化し、設置スペースについても省スペースを図った製袋包装機における帯状包装材供給装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明による製袋包装機における帯状包装材供給装置は、走行する帯状包装材の両側端縁をシールして筒状包装材に成形する縦シール装置と、製品が投入された前記筒状包装材を横方向にシールする横シール装置を備えており、前記帯状包装材から前記両シール装置によって包装袋を形成しつつ当該包装袋に前記製品が封入された袋包装体を製造する製袋包装機に対して、前記帯状包装材を巻き取った包装材ロールから繰り出され且つ作業機によって作業が施された前記帯状包装材を供給する帯状包装材供給装置であって、シャトル本体と、前記シャトル本体に回転自在に支持されていて前記帯状包装材が巻き掛けられる上流側及び下流側の二つのローラと、前記シャトル本体を往復移動させる駆動部を有するシャトル機構が備わっており、前記包装材ロールは、前記製袋包装機に求められる前記帯状包装材の送り速度と同調した速度パターンで連続的に前記帯状包装材を繰り出し制御されており、前記シャトル機構の前記シャトル本体の移動を制御して、前記包装材ロールから繰り出されてくる前記帯状包装材を吸収し且つ前記製袋包装機に向けて前記帯状包装材を送り出すことにより、前記上流側のローラに巻き掛けられた後に前記下流側のローラに巻き掛けられるまでの間に設定される作業区間での前記帯状包装材の送りを停止させ、前記作業機は、前記作業区間で停止中の前記帯状包装材に対して前記作業を施し、前記作業区間における前記帯状包装材の送りの停止は、前記製袋包装機の前記縦シール装置が前記帯状包装材の前記両側端縁をシールする縦シール期間内において、前記シャトル本体の移動を前記帯状包装材の送りに同調させる制御によって行われることを特徴としている。
この製袋包装機における帯状包装材供給装置によれば、シャトル機構は、シャトル本体、上流側及び下流側の二つのローラ及びシャトル本体を往復移動させる駆動部という構造であるので、シャトル機構に必要なスペースは基本的にローラ付きのシャトル本体が往復移動するスペースで足り、そうしたシャトル機構とその往復移動動作によって作業区間での帯状包装材の送りを停止させることができるので、帯状包装材供給装置の構造を簡素化するとともに省スペースを図ることができる。そして、製袋包装機の縦シール装置が帯状包装材の両側端縁をシールする縦シール期間は、確実な縦シールを得る上で重要な工程であって包装サイクルの中で比較的長い期間を占めており、この縦シール期間を利用して帯状包装材の送りに同調してシャトル本体の移動を制御することで、作業区間における帯状包装材の送りを確実且つ効率的に停止させることができる。
この製袋包装機における帯状包装材供給装置において、前記製袋包装機は、前記帯状包装材を湾曲成形するフォーマと、当該フォーマの内部に配置されていて前記帯状包装材が取り囲むとともに前記製品が投入される充填筒とを備えており、前記縦シール装置が前記充填筒の側方において縦方向にボックスモーションをする縦シールバーを備えており、前記横シール装置が前記充填筒の下方に配置されている縦型製袋充填包装機であるとすることができる。縦型製袋充填包装機は、設置スペースを省スペースにでき且つ高速で袋包装体を製造できる製袋包装機として、従来、良く知られた構造を有しているものであり、帯状包装材供給装置と組み合わせることで、種々の作業を施した帯状包装材を用いて、機能性の高い袋包装体を製造することができる。
この製袋包装機における帯状包装材供給装置において、前記包装材ロール及び前記作業機は、前記縦型製袋充填包装機の背後において、前記包装材ロールを下側に且つ前記作業機を上側にして配置されており、前記作業区間は、前記帯状包装材が縦方向に延びる態様で配置されており、前記シャトル本体の移動方向は、前記作業区間における前記帯状包装材が延びる方向と平行な方向とすることができる。帯状包装材供給装置を縦型製袋充填包装機の背後において配置し、帯状包装材供給装置の内部構造についても、包装材ロールと作業機を縦配置とし、帯状包装材の作業区間を縦方向に延びる態様で配置し、シャトル本体の移動方向についても縦方向とすることで、帯状包装材供給装置の構造の一層の簡素化と省スペース化を図ることができる。
この製袋包装機における帯状包装材供給装置において、前記作業区間における前記帯状包装材が延びる縦方向に沿って、一つの前記作業機が単段に、若しくは複数の前記作業機が隣り合って又は一つの前記包装袋に相当する長さを単位として一つ又は複数の前記単位の長さの前記帯状包装材を間に置いて離間して多段に配置されており、前記帯状包装材の送り量と前記作業機の作動タイミングの組合わせにより、前記単段に又は離間して前記多段に配置されている場合の前記作業機が特定の前記包装袋に対応する前記帯状包装材の部分に、前記隣り合って配置されている場合の前記複数の作業機が連続する前記包装袋に対応する前記帯状包装材の部分に前記作業を施すことにより、前記単位毎に前記作業が施された前記帯状包装材を供給することができる。複数の作業機を上流側から下流側へと隣り合って又は一つ又は複数の単位の長さの帯状包装材を間に置いて離間して多段に配置する場合には一つの作業機の単段配置の場合と比べて帯状包装材への作業の効率化を図ることができる。作業機の間隔と作動タイミング及び帯状包装材の送りを組み合わせることで、一つの作業機の単段配置の場合又は離間して前記多段に配置されている場合には特定の包装袋に対応する帯状包装材の部分にのみ作業を施すことも、複数の作業機を隣り合って多段配置する場合には連続する包装袋に対応する帯状包装材の部分にそれぞれ作業を施すこともできる。作業機が配置される間隔と作業機の作動タイミング及び帯状包装材の送りについては、同じ包装袋となる帯状包装材の部分への重複作業や、作業抜けを生じることのないように、組合せが選択される。
この製袋包装機における帯状包装材供給装置において、二つの前記作業機が二つの前記単位の長さの前記帯状包装材を間に置いて離間して配置されており、前記帯状包装材は二つの前記単位の長さの前記帯状包装材を送る毎に間欠送りされ、前記各作業機は前記作業区間で停止している前記帯状包装材に対して同時に前記作業を施すとすることができる。複数の作業機を配設する場合においては、二つの作業機を二つの単位の長さの帯状包装材を間に置いて離間して配置することが最も簡素な配置となり、このとき、帯状包装材を二つの単位の長さ毎に間欠送りをすることで、各作業機は帯状包装材に対しては一つの包装袋に相当する長さ毎に同時に作業を施すことになる。即ち、上流側の作業機は単位長さの帯状包装材を間に空けて帯状包装材に作業を施し、下流側の作業機は単位長さの作業済みの帯状包装材を間に置いた作業が施されていない単位長さの帯状包装材に作業を施すことになる。その結果、製袋包装機には、単位の長さ毎に作業が施された作業抜けのない帯状包装材が供給される。
この製袋包装機における帯状包装材供給装置において、前記シャトル機構は、サ−ボモータと、当該サ−ボモータの回転出力が伝達される回転体と、当該回転体に巻き掛けられており前記回転体の回転に伴って走行する可撓帯と、前記シャトル本体を前記可撓帯に対して連結するクランプ体と、前記シャトル本体に形成されているガイド孔に挿通されており前記可撓帯による前記クランプ体を介しての前記シャトル本体の移動を案内するサポートシャフトを備えているとすることができる。このように構成されたシャトル機構によれば、サーボモータの回転出力により回転体が回転駆動され、巻き掛けられた可撓帯が走行することで、可撓帯に対してクランプ体を介して連結されたシャトル本体が、ガイド孔に挿通されているサポートシャフトによって移動案内される。したがって、シャトル本体の位置や速度は、サーボモータの駆動を制御することによって制御される。
この製袋包装機における帯状包装材供給装置において、前記袋包装体を製造する包装サイクルの中で前記縦シール期間における前記帯状包装材の送り速度は一定速度であり、前記縦シール期間における前記シャトル本体の移動速度は前記一定速度と同調する速度であるとすることができる。この場合、シャトル本体の移動速度は、包装サイクルにおける帯状包装材の送り速度の中で一定速度と同調する速度であるので、シャトル本体の速度の制御が容易であり確実に行うことができる。更に、前記縦シール期間における前記シャトル本体の移動速度は、前記縦シール期間と、当該縦シール期間の前後でそれぞれ連続し且つ前記帯状包装材の前記送り速度が前記一定速度よりも増速した速度の期間とを併せた期間において、前記送り速度に同調する速度であるとすることができる。この場合、シャトル本体の移動速度が同調する期間を縦シール期間よりも長く確保することができ、作業区間における帯状包装材の送りの停止期間も長く確保することができる。更にまた、前記シャトル本体の移動速度は、前記帯状包装材の前記送り速度の半分の速度であるとすることができる。シャトル本体に設けられるローラが帯状包装材に対して動滑車の働きをすることを利用して、シャトル本体の移動速度を帯状包装材の送り速度の半分の速度とすることができる。
この製袋包装機における帯状包装材供給装置において、前記作業区間の前記帯状包装材に対してブレーキを掛けることで前記帯状包装材の送りを停止させ、前記帯状包装材の送りの停止中において前記シャトル本体を移動させる前記サーボモータの駆動をトルク制御することができる。サーボモータの駆動をトルク制御することで、帯状包装材の送りに掛かる負荷を軽減することができる。
この製袋包装機における帯状包装材供給装置において、前記作業機は、前記帯状包装材の前記側端縁に対して前記袋包装体とされたときにその内部に含まれる気体を外部に放出可能なバルブの貼付けを施すバルブ貼り機、前記帯状包装材に対して前記袋包装体とされたときにその外面側となる面にラベルの貼付けを施す、或いはその内面側となる面に脱酸素剤のような付属物の貼付けを施す貼付け機、前記帯状包装材に対して吊り下げ用等の孔穿けを施す穿孔機、前記帯状包装材に対して印刷を施す印刷機、又は前記帯状包装材にその長手方向又は横方向に筋を付ける筋付け機であるとすることができる。
この発明は、上記のように構成されており、特にシャトル機構は、シャトル本体、上流側及び下流側の二つのローラ及びシャトル本体を往復移動させる駆動部という構造であるので、シャトル機構に必要なスペースは基本的にローラ付きのシャトル本体が往復移動するスペースで足り、そうしたシャトル機構とその往復移動動作によって作業区間での帯状包装材の送りを停止させることができる。また、製袋包装機の縦シール装置が帯状包装材の両側端縁をシールする縦シール期間は、確実な縦シールを得る上で重要な工程であって包装サイクルの中で比較的長い期間を占めており、この縦シール期間を利用して帯状包装材の送りに同調してシャトル本体の移動が制御される。したがって、作業区間における帯状包装材の送りを確実且つ効率的に停止させることができ、停止している帯状包装材に対して作業機が作業を施すので、当該作業を確実に行うことができ、袋包装体として不良品の発生を低減させることができる。また、帯状包装材供給装置の構造を簡素化するとともに、必要な設置スペースについて省スペースを図った製袋包装機における帯状包装材供給装置を提供することができる。
以下、添付した図面に基づいて、この発明による製袋包装機における帯状包装材供給装置の実施例を説明する。図1はこの発明による帯状包装材供給装置が適用された製袋包装機を用いる縦型製袋充填包装システムの一例を示す側面概略図であり、図2は図1に示す帯状包装材供給装置に用いられるシャトル機構の詳細を示す斜視図である。この実施例において、帯状包装材は帯状フィルムから成る包装材であるので、以下、符号Fwを付して、「帯状フィルムFw」と称する。
図1に示すように、縦型製袋充填包装システム1は、前面側となる製袋包装機としての縦型製袋充填包装機2と、背面側に設けられる帯状包装材供給装置としてのフィルム供給装置3を備えている。縦型製袋充填包装機2は、投入される製品を帯状フィルFwから作られる袋に順次投入することで袋包装体Pを連続的に製造する縦型の製袋包装機として従来知られたものである。縦型製袋充填包装機2は、固定のフレーム10と、フレーム10に取り付けられておりフィルム供給装置3から送られてきた帯状フィルムFwを両側縁部が重なる略筒状にまで湾曲形成するフォーマ11と、フレーム10に設けられており重ねられた両側縁部を溶着して帯状フィルムFwを筒状フィルムFtに成形する縦シール装置としての縦ヒートシール装置12と、フレーム10に案内されて設けられており筒状フィルムFtを横方向に溶着して先行して形成された袋包装体Pの上底封止部を形成するとともに、後続に形成される包装袋の下底封止部を形成する横シール装置としての横ヒートシール装置13を備えている。横ヒートシール装置13は、対向配置されていて互いに接離する動作をする二つの横ヒートシールバー13a,13bを備えており、更に先行して形成された袋包装体Pの上底封止部と後続に形成される包装袋の下底封止部との間で筒状フィルムFtを切断するカッタ14を組み込むことができる。フォーマ11の内部には、包装すべき製品が筒内部に投入される充填筒15が配置されており、筒状フィルムFtはその内部に充填筒15の外周面を取り囲むようにして案内される。縦方向にボックスモーションをする縦ヒートシール装置12の縦ヒートシールバー(縦シール装置の縦シールバー)が充填筒15の側方に配置されており、横ヒートシール装置13は充填筒15の下方に配置されている。なお、図1において、帯状フィルムFwには一つの包装袋の区切りに便宜上、マーク(レジマークと考えてもよい)を付けて示している。
縦型製袋充填包装機2には、帯状フィルムFwに日付を印刷する日付装置16がフィルム送り経路に沿う箇所に設けられている。また、縦型製袋充填包装機2には、図示を省略しているが、縦ヒートシール装置12と横ヒートシール装置13を駆動する駆動源としての各種サーボモータや、当該サーボモータの出力を各装置に伝達する伝動機構が配設されている。更に、充填筒15の側方には、筒状フィルムFtを充填筒15との間で挟み込んで筒状フィルムFtを送るベルト式等の紙送り機構(図示せず)が設けられている。縦型製袋充填包装機2は、全体として、上記の各駆動源からの出力を伝達する伝動装置、及び縦ヒートシール装置12や横ヒートシール装置13等の各種の包装機構を内部に収容したボックス構造に構成されている。
フィルム供給装置3は縦型製袋充填包装機2の背面側に接する状態に配設されている。フィルム供給装置3は、図示の例では、帯状フィルムFwを巻き取った包装材ロールであって最も下側に配置されたフィルムロールFrと、作業機として上側に配置された二つのバルブ貼り機17a,17bを備えている。バルブ貼り機17a,17bは、フィルムロールFrから繰り出される帯状フィルムFwに、袋包装体となったときに内部の気体を外に排出するバルブ(弁)を貼り付けるという作業を行う。フィルムロールFrそれ自体は、図示しないサーボモータによって回転駆動される。フィルムロールFrから繰り出された帯状フィルムFwは、テンションレバー18によって張力が付与された後、上方に向って案内される。バルブ貼り機17a,17bは、フィルムロールFrの上方に、一つの包装袋に相当する長さを単位として二つの単位の長さの帯状包装材を間に置いて上下に離れた同じ構造を備える二段に配置されている。即ち、上流側の作業機17aがその作業対象としている帯状フィルムFwの袋相当部分と下流側の作業機17bがその作業対象としている帯状フィルムFwの袋相当部分との間には、二つの単位の長さの帯状包装材が連続して接続するように置かれている。この例では、フィルム供給装置3は、その高さが縦型製袋充填包装機2の高さよりも高くなっており、且つ全体としてボックス構造に構成されている。
フィルムロールFrからの帯状フィルムFwの繰出しとその後の送りは、基本的には、連続送りの態様でも間欠送りの態様でも良く、また速度については一定速度であっても変速速度であっても良い。しかしながら、フィルム供給装置3においては、重量のあるフィルムロールFrの回転と停止を頻繁に繰り返すのは効率上好ましくなく、また、バルブ貼り機17a,17bによるバルブ貼付け作業については、作業不良となることなく確実に実行するため、バルブ貼り機17a,17bを通過する帯状フィルムFwに対してその送りの停止中に行うことが好ましい。そのため、フィルムロールFrについては、縦型製袋充填包装機2において縦ヒートシール装置12の作動から求められる速度パターンに合わせて、変速はあっても停止することなく連続的に帯状フィルムFwを繰り出すが、バルブ貼り機17a,17bによるバルブの貼付け作業の際には、連続的な送りを所定時間の間だけ停止するように間欠送り化が図られる。
帯状フィルムFwの連続的な送りは、シャトル機構(スライドユニット)20によって、バルブ貼り機17a,17bが帯状フィルムFwに対して作業を行う場所又は領域を含む一定の作業区間において、間欠的な送りに変換される。シャトル機構20の詳細については後述する。フィルムブレーキ19が間欠送りの停止中にある帯状フィルムFwを抑えて、帯状フィルムFwの停止を確実にする。フィルムブレーキ19は、帯状フィルムFwばたつき等の不用意な動きを抑えるのにも用いることができる。フィルムブレーキ19は、例えば、エアシリンダ26と、当該エアシリンダ26によって駆動されて停止中の帯状フィルムFwを押える押さえパッド27を備えるものである。押さえ方式に代えて、停止中の帯状フィルムFwを吸引する形式のフィルムブレーキであってもよい。また、帯状フィルムFwの送り制御は、レジマークセンサ21が帯状フィルムFwに印刷等で付されたレジマークを検出したことの情報に基づいて行われる。
帯状フィルムFwは、固定のフレームに回転自在に取り付けられている上流側の第1ガイドローラ22aとフィルム供給装置3の上端近くの固定のフレームに回転自在に設けられた下流側の第2ガイドローラ22bに掛け渡されていて、両ガイドローラ22a,22b間に掛け渡された帯状フィルムFwは、バルブ貼り機17a,17bに対して、作業区間LHを提供している。作業区間LHにおいては、帯状フィルムFwは、バルブ貼り機17a,17bに対してバルブ貼り作業の都合上、部分的に走行経路を傾けられているところもあるが、全体として下から上へと縦方向に走行される。以下、作業区間LHが延びている方向、即ち、両ガイドローラ22a,22b間における帯状フィルムFwの大略的な送り方向は、縦方向であると定めて説明する。
フィルム供給装置3に設けられるシャトル機構20は、図2に示すように、作業区間LHが延びる方向と平行な方向、即ち、縦方向に移動可能なシャトル本体30を備えている。シャトル本体30には、左右(帯状フィルムFwの幅方向)両側部に縦方向に沿ったガイド孔31,31が形成されている。シャトル本体30は、また、それぞれ左右方向に延びる回転軸線を持つとともに帯状フィルムFwが巻き掛けられる二つのローラ、即ち、フィルム送りについて上流側の第1ローラ32aと下流側の第2ローラ32bを回転自在に支持している。第1ローラ32aと第2ローラ32bは、シャトル本体30の本体表面に平行配置されている。シャトル機構20は、シャトル本体30のガイド孔31,31に挿通されていて縦方向に沿って伸びる一対のサポートシャフト33,33を備えており、更にシャトル本体30を往復移動させる駆動部として、固定のフレームに取り付けられているシャトル駆動用のサーボモータ34と、その出力軸に取り付けられている駆動用の回転体としての駆動プーリ35と、回転自在な別の回転体としての従動プーリ36と、両プーリ35,36に巻き掛けられたタイミングベルトのような可撓体としてのベルト37と、シャトル本体30に固定されているとともにベルト37を握り締めているクランプ体としてのベルトクランプ38を備えている。
シャトル機構20において、帯状フィルムFwは図1に示すように巻き掛けられ、これを図2に示すシャトル本体30に関して説明すると、紙面下側から送られる帯状フィルムFwは、第1ローラ32aに対してその裏側から巻き掛けられて、第1ローラ32aの表側から紙面下方に向けて反転される。帯状フィルムFwは更に、第1ガイドローラ22aに巻き掛けられて上方に向けて反転され、作業区間LHを経て、第2ガイドローラ22bに巻き掛けられる。次いで、帯状フィルムFwは第2ガイドローラ22bから更に下方に向けて反転され、続いてシャトル本体30の第2ローラ32bに対してその表側から裏側へと巻き掛けられて上方に向けて反転される。シャトル機構20の上流側では、帯状フィルムFwはテンションレバー19や複数のガイドローラ23に案内され、シャトル機構20の下流側では、帯状フィルムFwは複数のガイドローラ24に案内される。
フィルムロールFrを繰り出されてから作業区間LHを経て更にフィルム供給装置3から縦型製袋充填包装機2に供給されるまでの帯状フィルムFwの経路長さは、シャトル機構20の位置に限らず、したがってシャトル機構20がどの位置をどのような速度で移動していても、一定の長さである。フィルムロールFrからの帯状フィルムFwの繰出し速度パターンは、縦型製袋充填包装機2における縦ヒートシール装置12における帯状フィルムFw又は筒状フィルムFtの送り速度パターンと同調されているので、帯状フィルムFwは、フィルムロールFrを繰り出されるのと同じ速度パターンで、縦型製袋充填包装機2に送り込まれる。したがって、縦型製袋充填包装機2への帯状フィルムFwの供給量も、フィルムロールFrからの帯状フィルムFwの繰出し量と同じである。
図2に示すシャトル機構20においては、サーボモータ34の作動によって駆動プーリ35が駆動されると、従動プーリ36との間に巻きかけられているベルト37が走行する。ベルト37が走行するに従って、ベルトクランプ38を介してベルト37に連結されているシャトル本体30が、ガイド孔31,31を挿通するサポートシャフト33,33によって案内されつつ上方又は下方に向って移動する。サーボモータ34は、ベルトクランプ38が駆動プーリ35と従動プーリ36の間で往復走行するように、回転方向を交互に代えて駆動される。
シャトル機構20の往復動作という性質上、縦型製袋充填包装機2におけるある一つの包装サイクルでの縦ヒートシール時に、帯状フィルムFwの送りに同期してシャトル機構20の往動作(同期動作)を行うことで、作業区間LHに掛け渡された帯状フィルムFwの送りを停止させることができる。その停止中の帯状フィルムFwに対して、バルブ貼り機17a,17bがそれぞれバルブを同時作動にて貼り付ける。そして、次の包装サイクルの縦ヒートシール時にはシャトル機構20の復動作(復帰動作)を行うことで、シャトル本体30が当該次の包装サイクルに合わせたタイミングで元の位置に戻るまで帯状フィルムFwは送り中となり、当該送り中の帯状フィルムFwに対してはバルブ貼り機17a,17bはいずれもバルブを貼り付ける作業を行うことがない。シャトル機構20が同期動作を終えて次の同期動作までの期間中、作業区間LHでの帯状フィルムFwの送り量は、袋二つ分の長さに相当する長さとなる。
こうしたシャトル機構20が縦方向に往復動作をすることによって、少なくとも作業区間LHを送られている帯状フィルムFwは停止と送りとを繰り返し、帯状フィルムFwの間欠送りを行うことができる。バルブ貼り機17a,17bの配置とシャトル機構20の作動との組合わせによって、作業区間LHを送られる帯状フィルムFwの一方の側縁部には、結果的に、袋一つ分の長さに対して一つのバルブが貼り付けられる。フィルム供給装置3を通過し縦型製袋充填包装機2に送り込まれる帯状フィルムFwに貼り付けられているバルブは、縦ヒートシール装置12を通過する際に、フィルムの両側縁部間に挟み込まれ、縦ヒートシールによって当該両側縁部に密封状態に取り付けられる。間欠送りの詳細は、例えば図4を参照して後に説明する。
図1及び図2に示されているように、シャトル機構20の動作は縦方向に移動する動作のみであり、帯状フィルムFwの間欠送りを得るのに必要な高さ(帯状フィルムFwのフィルム面に直交する方向の高さ)は、シャトル機構20の高さHS、即ち、シャトル本体30の高さと両ローラ32a,32bの直径との合計高さと、更に加えるにしても、両ガイドローラ22a,22bの直径寸法を加える程度である。シャトル機構20がこうした構造を備え且つ縦方向に移動する動作をすることによって、帯状フィルムFwの間欠送りを得るのに必要な高さスペースは大きくなることがなく、したがってフィルム供給装置3の奥行き寸法に大きな影響を与えることもない。一方、シャトル機構20が作業区間LHが延びる方向である縦方向に沿って移動することで作業区間LHでの帯状フィルムFwの送りを間欠送りとすることができるので、帯状フィルムFwの間欠送り化に必要なシャトル機構20の往復長さについては、フィルム供給装置3の高さを利用して充分確保することができ、したがって、帯状フィルムFwに対する作業に利用できる停止時間についても充分長く確保することができる。
図3は、この発明による帯状包装材供給装置において、帯状フィルムFwを間欠送りさせるために設けられる制御装置の概要を示すブロック図である。図3に示すように、レジマークセンサ21がフィルム供給装置3の作業区間LHにおいて送られている帯状フィルムFw上のレジマークを検出してその検出情報が制御装置25に入力され、制御装置25はその検出情報に基づいて、シャトル機構20の駆動用に設けられているサーボモータ34とフィルムブレーキ19のエアシリンダ26の動作を制御する。
制御装置25による制御の一例としては、レジマークセンサ21が帯状フィルムFw上のレジマークを検出することで、制御装置25は、その検出情報に基づいて帯状フィルムFwがバルブ貼り機17a,17bに対して所定のタイミング(所定の時間後)で所定の位置に到来することが計算可能である。制御装置25は、そのタイミングに合わせてサーボモータ34を駆動させてシャトル機構20を移動させることで、全体としては連続的に送られている帯状フィルムFwのうち、作業区間LHに掛け渡されている帯状フィルムFwについてはその送りを停止させることができる。帯状フィルムFwの送りの停止に合わせてエアシリンダ26を駆動させることにより、停止中の帯状フィルムFwを押さえパッド27で押さえて帯状フィルムFwの動きを押さえ込むことができる。バルブ貼り機17a,17bは、静止されている帯状フィルムFwに対してバルブ貼りの作業を安定して確実に行うことができる。
図4は、この発明による帯状包装材供給装置において、制御装置による帯状包装材の送り速度とシャトル速度の関係の一例を示す速度線図である。図4(a)に示す帯状フィルムFwの送り速度は、縦型製袋充填包装機2において、縦ヒートシール装置12の作動に同調して充填筒15との間に挟み込んだ帯状フィルムFwを紙送りする紙送り機構の送り速度である。この送り速度は、縦ヒートシール装置12の縦ヒートシールバーがするボックスモーション動作に対応しており、包装サイクル中で変速される速度パターンを示す。フィルムロールFrからの帯状フィルムFwの繰出し速度や、その他、途中に設けられるとする送り機構があればその送り機構による帯状フィルムFwの送り速度(速度パターン)も、縦型製袋充填包装機2での紙送り速度に同調する速度とされる。
帯状フィルムFwの送り速度において、変速のパターンは、一つの包装袋を製造する包装サイクル当たり、縦ヒートシール装置12の縦ヒートシールバーが帯状フィルムFwの両側端縁を挟み込んでヒートシールをするシール期間THでの送り速度を一定の速度Vcとし、期間TH以外のヒートシールをしていない非シール期間TNでの送り速度を速度Vcよりも増速するパターンである。非シール期間TNでの送り速度は、速度Vcから加速し、一定時間、最大速度Vmを継続した後、速度Vcにまで減速するパターンである。シール期間THでの送り速度を包装サイクル中で速度Vcに設定することで、縦ヒートシール装置12の縦ヒートシールバーが帯状フィルムFwの両側端縁を確実にヒートシールするように、充分なヒートシール時間を確保している。また、非シール期間TNでの送り速度を増速することで、一包装サイクル当たり、帯状フィルムFwの送り長さを確保するとともに、送りに要する時間を短くすることを図っている。一定の速度Vcは、この例では最も遅い速度と設定しているが、必ずしも遅い速度とする必要はなく、包装態様に応じて適宜に定めることができる。
図4(b)に示すシャトル機構20のシャトル本体30が移動する速度(以下、「シャトル速度」という)のパターンは、縦ヒートシール装置12のシール期間THに同調して、作業区間LHに掛け渡されている帯状フィルムFwの送りを停止させるパターンである。一般的に、シャトル本体30が縦型製袋充填包装機2での帯状フィルムFwの送り速度の半分の速度で上方へ向かって移動すると、動滑車の作用と同じく、フィルムロールFrから繰り出されるフィルム長さと同じ長さの量が上昇する第1ローラ32aの移動で吸収される。また、第2ローラ32bの上昇によって、当該上昇に対応して第2ローラ32bの両側の同じ長さの量のフィルムが縦型製袋充填包装機2に向かって供給される。帯状フィルムFwはフィルムロールFrから繰り出し続けられ且つ縦型製袋充填包装機2には当該繰出し量と同じ長さの帯状フィルムFwが供給され続ける。シャトル速度Vsがゼロから開始して、シール期間THの間、縦型製袋充填包装機2での帯状フィルムFwの送り速度が一定速度Vcであるときに、シャトル速度Vsはその半分の速度となるように制御される。図4(c)は、作業区間におけるフィルム送り速度である。シャトル速度Vsが帯状フィルムFwの送り速度である一定速度Vcの半分の速度であるときのシール期間THの間、作業区間LHの帯状フィルムFwは停止状態にあるので、バルブ貼り機17a,17bは、停止している帯状フィルムFwに対して安定且つ確実にバルブの貼付け作業を行うことができる。
その後、シャトル速度Vsはゼロとなるまで減速するが、この間、非シール期間TNに入った縦型製袋充填包装機2での帯状フィルムFwの送り速度は一定速度Vcから最大速度Vmまで加速される。それに応じて、作業区間LHにおいては、停止していたことで陥っていた走行不足を回復すべく、帯状フィルムFwの送りが開始され、最大速度Vmにまで大きな加速度で加速される。シャトル速度Vsがゼロとなると、非シール期間TNにおける縦型製袋充填包装機2での帯状フィルムFwの送り速度はフィルムロールFrからの繰出し速度に同調する速度とされるので、作業区間LHでの帯状フィルムFwの送り速度も最大速度Vmで同調する。
更にその後、サーボモータ34を逆作動させることで、シャトル本体30は復帰方向(縦方向下向き)に駆動される。逆方向の速度及び時間は、シャトル本体30が更に次の包装サイクルの開始時点では、元の移動開始位置に戻っているように制御される。シャトル速度Vsが戻り方向に加速(一定速度Vcの半分の速度までもどりを加速)し、縦型製袋充填包装機2での帯状フィルムFwの送り速度が最大速度Vmから一定速度Vcまで減速する。作業区間LHにおいては、両者の速度変化の影響は相殺され、帯状フィルムFwの送りの速度には変化がない。縦型製袋充填包装機2での帯状フィルムFwの送り速度が一定速度Vcとなって次の包装サイクルのシール期間THが開始されると、シャトル速度Vsが復帰方向に一定速度Vcの半分の速度となり、シャトル機構20のこの復帰動作中、作業区間LHでは帯状フィルムFwは速度Vmで送られる。この間、バルブ貼りの作業は行われない。なお、前述したように、帯状フィルムFwの縦型製袋充填包装機2への送り速度パターンは、常に一定である。以上のように、縦ヒートシール装置12のシール期間THであってシャトル速度Vsが一定速度Vcの半分の速度であるときには、作業区間LHでの帯状フィルムFwの送りが停止されて作業区間LHでのバブル貼り作業が行われ、次のシール期間THでは、シャトル速度Vsが復帰方向に一定速度Vcの半分の速度であって作業区間LHでは帯状フィルムが速度Vmで送られるのでバブル貼り作業が行われないものとなり、その結果、図1に示す二段に配置された作業機を備える縦型製袋充填包装システムにおけるバルブ貼り作業に対応した速度制御が行われる。
図5は、この発明による帯状包装材供給装置において、制御装置による帯状包装材の送り速度とシャトル速度の関係の別の例を示す速度線図である。図5(a)〜(c)の並びは図4の場合と同等であるので再度の説明を省略する。図5に示す速度線図において、図5(a)に示すフィルム速度は図4(a)と同じである。図5(b)に示すように、シャトル速度Vsは、図4に示したように縦ヒートシール装置12によるシール期間THにおいて同調するのみならず、その前後の加速・減速時にも同調される速度パターンが示されている。シャトル速度Vsは、縦ヒートシール装置12によるシール期間THに前において、フィルム速度Vfの増加した速度Vmの期間(時刻t1からt2までの期間)とその後の速度Vcまでの減速期間(時刻t2からt3までの期間)、及び縦ヒートシール装置12によるシール期間TH(時刻t3からt4までの期間)に後において、速度Vcから加速期間(時刻t4からt5までの期間)とその後の増加した速度Vmの期間(時刻t5からt6までの期間)も、帯状フィルムFwの縦型製袋充填包装機2への送り速度の半分の速度として同調している。
次の包装サイクルでは、シャトル速度Vsは、フィルム速度Vfの減速期間(時刻t6からt7までの期間)に合わせて、シャトル本体30が停止するまで減速し、その後、縦ヒートシール装置12によるシール期間TH(時刻t7からt8までの期間)においてフィルム速度Vfが一定の速度Vcにあるとき、シャトル速度Vsは、シャトル本体30が復帰する動作に対応して大きな速度で復帰方向に移動する。この例では、シャトル速度Vsは、フィルム速度Vfと長い期間(時刻t1からt6までの期間)に亙って同調しているので、図5(c)に示すように、作業区間LHで帯状フィルムFwが停止している時間が長くなり、帯状フィルムFwへのバルブの貼付け作業に充分な時間を確保して、バルブの貼付け作業をより確実に行うことができる。
図6は、この発明による帯状包装材供給装置の一つの制御方式を説明するフローチャートである。この制御方式はフィルム同調方式と言えるものであり、帯状フィルムFw上のレジマークを使用する場合には、まず、レジマークセンサ21がレジマークを探知したか否かの判定から始まる(ステップ1;「S1」と略す。以下、同じ)。レジマークセンサ21がレジマークを探知しなければ(判定:No)、S1での判定を繰り返す。S1でレジマークを探知する(判定:Yes)と、シャトル機構20が動作を開始し、シャトル本体30はフィルム速度(一定速度Vc)との同調速度(速度Vcの半分の速度)まで加速する(S2)。その同調速度にあるとき、設定された時間まで、設定された同調率でフィルム速度に同調する(S3)。設定時間が経過するまで作業区間LHの部分の帯状フィルムFwについては間欠動作の停止中となるフィルム停止部が発生し、フィルム停止部においてバルブ貼りの作業が行われる。設定時間が経過すると、シャトル本体20は減速を開始する(S4;この時以後、フィルム停止部は終了する)。減速の結果、シャトル本体30が停止する(S5)。その後、次の包装サイクルの復帰タイミングで復帰動作が開始される(S6)。シャトル機構20が当初の状態に復帰するときに、シャトル本体30が停止し(S7)、レジマーク探知判定(S1)に戻る。帯状フィルムFw上のレジマークを使用しないときは、シャトル機構20の動作はすべてタイミング動作となり、設定タイミングに達したか否かを判定して(S8)、設定タイミングに達していない(判定:No)が否であればS8を繰り返し、設定タイミングに達して(判定:Yes)いれば、S2に移行してシャトル動作を開始する。
図7は、この発明による帯状包装材供給装置の他の制御方式を説明するフローチャートである。この制御方式はトルク制御方式と言えるものであり、帯状フィルムFw上のレジマークを使用する場合には、まず、レジマークセンサ21がレジマークを探知したか否かの判定から始まる(S11)。レジマークセンサ21がレジマークを探知しなければ(判定:No)、S11での判定を繰り返す。S11でレジマークを探知する(判定:Yes)と、シャトル機構20のトルク制御を開始させ(S12)、次にフィルムブレーキ19をONする(S13)ことでシャトル本体30が移動を開始する。帯状フィルムFwは作業区間LHにおいて間欠動作の停止中となる(作業区間LHの部分の帯状フィルムFwについては間欠動作の停止中となるフィルム停止部が発生し、フィルム停止部においてバルブ貼りの作業が行われる)。シャトル本体30を上昇させるときのサーボモータ34の動作についてトルク制御をすることにより、シャトル本体30の上昇動作がサポートされ、例えば、当該サポートがされないとしたときに縦型製袋充填包装機2における紙送り機構が担うことになる帯状フィルムFwの送りに掛かる負荷を、当該サポートによって軽減することができる。作業区間LHにおける間欠送りの停止期間が経過したときに、フィルムブレーキ19をOFFにする(S14)ことで、フィルム停止部が終了される。次の包装サイクルにおける復帰タイミングで、サーボモータ34を通常の位置制御によってシャトル本体30が元のトルク制御開始位置へ復帰される(S15)。シャトル機構20が当初の状態に復帰すると、シャトル本体30が停止し、レジマーク探知判定(S11)に戻る。帯状フィルムFw上のレジマークを使用しないときは、シャトル機構20の動作はすべてタイミング動作となり、設置タイミングに達したか否かを判定して(S18)、判定が否であればS18を繰り返し、判定がYesであれば、S12に移行してシャトル動作を開始する。
以上、本発明の実施例について説明したが、実施例の一部について、種々の変更を行うことも可能である。例えば、帯状フィルムFwの作業期間での送り方向については縦方向であるとして説明したが、帯状フィルムFwが横方向に走行される場合であっても、シャトル機構20を横方向に移動させることで、間欠送りを得ることができる。
また、上流側と下流側の二つの作業機については、両作業機がそれぞれ作業を施す帯状フィルムFwの部分の間には二つの包装袋の長さに相当する帯状包装材が置かれているとして説明したが、作業機が小型のものであれば両作業機がそれぞれ作業を施す帯状フィルムFwの部分は間に距離を置くことなく隣り合わせに置いてもよい。作業機が一つの包装袋の長さとの対比上大型であれば、一つの包装袋に相当する長さを単位として四つの包装袋の長さの帯状包装材を置いてもよい。更に、同じ包装袋に相当する帯状包装材の部分に対して重ねて作業をしないように、また包装袋となる帯状包装材の部分に作業抜けが生じないようにすることを前提にして、作業機を複数とするときのその数や配置パターン、或いは帯状包装材の送りパターンについても種々の変更・選択が可能である。
更に、作業機を1台とし、包装袋一つの長さが送られる毎にバルブを張り付ける作業を行うものでもよい。この場合、シャトル機構20においては、一つの袋包装体を製造する包装サイクルの中で、一部の期間においてシャトル本体30が製袋包装機での帯状フィルムFwの送りに同調して移動することで作業区間LHでの帯状フィルムFwの送りを停止させ、残る期間においてシャトル本体30を元の位置に復帰させることで作業区間LHでの帯状フィルムFwの送りを一つの包装袋の長さに相当する長さとする、というようにシャトル本体30を小刻みに作動することになる。
更にまた、作業区間LHの帯状フィルムFWを停止させるために、シャトル本体30の移動速度を帯状フィルムFWの設定送り速度に100%同調する速度であるとして説明したが、現実の装置においてはフィルムロールFrや各種ローラのフィルム送りに対する抵抗、帯状フィルムFWの伸び、シャトル機構20を構成する各種機械の機械誤差、制御に用いるコンピュータ上の計算誤差等の誤差要因が存在するので、そうした誤差を吸収するため、シャトル本体30の上記同調速度には若干の調整範囲が設けられている。
以上、本発明の実施例に用いられる作業機については、袋包装体とされたときにその内部に含まれる気体を外部に放出可能なバルブの貼付けを施すバルブ貼り機を例に挙げて説明したが、それ以外に、帯状包装材に対して袋包装体とされたときにその外面側となる面に製品内容を表示する等のためにラベルの貼付けを施す、或いはその内面側となる面に脱酸素剤のような付属物の貼付けを施す貼付け機や、帯状包装材に対して吊り下げ用等の孔穿けを施す穿孔機、帯状包装材の外面側となる面に製品内容を表示する等のために印刷を施す印刷機、或いは袋にヘムやガセット折りが形成された袋包装体を製造するために帯状包装材にその長手方向又は横方向に筋を付ける筋付け機とすることもできる。