JP2016175457A - タイヤ - Google Patents

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聡太郎 岩渕
Sotaro Iwabuchi
聡太郎 岩渕
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【課題】タイヤのサイドウオール部の表面に現れる凹凸をより目立ちにくくする装飾帯を有するタイヤを提供し、またサイドウオール部の外観をより向上させる装飾帯を有するタイヤを提供すること。【解決手段】タイヤ(10)のサイドウオール部(16)の表面に形成されタイヤの周方向へ伸びる外周縁(30)及び内周縁(32)を有する装飾帯(20)は、タイヤの周方向へ互いに間隔をおいて配置され内外両周縁の一方からその他方まで伸長する複数のリッジ(24)と、互いに異なる2以上の角度へそれぞれ伸長する複数組の突起群(26)とを備える。各突起群は、その伸長方向へ互いに間隔をおいて配置された、平坦な表面を有する複数の突起(34)からなり、これらの突起は表面の面積が突起群の伸長方向に向けて漸増又は漸減している。【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤのようなタイヤに関し、より詳細にはそのサイドウオール部の表面に形成された装飾帯を有するタイヤに関する。
タイヤの重量軽減、転がり抵抗の低減等のために、タイヤのサイドウオール部の肉厚を薄くすることが行われている。しかし、タイヤのサイドウオール部の薄肉化の結果、当該タイヤを構成するベルト、カーカスプライ等の一部が前記サイドウオール部を通して該サイドウオール部の表面に凹凸となって現れることがある。
タイヤのサイドウオール部の表面に現れる前記凹凸は、当該タイヤの外観を損ねる一因となる。このため、従来、前記サイドウオール部の表面に、タイヤの周方向へ伸びる装飾帯を形成することが行われている。前記装飾帯はタイヤの周方向に間隔をおいて設けられた複数のリッジや、前記複数のリッジに加えて整然と配置された複数のディンプルを有し、これらが前記凹凸を目立ちにくくする作用をなす。
特開2010−106583号公報 特開2013−233854号公報
本発明の目的は、このような従来の装飾帯の機能に鑑み、タイヤのサイドウオール部の表面に現れる凹凸をより一層目立ちにくくする装飾帯を有するタイヤを提供することにある。また、本発明の他の目的は、タイヤのサイドウオール部の外観をより向上し得る装飾帯を有するタイヤを提供することにある。
本発明に係るタイヤは、そのサイドウオール部の表面に形成され、前記タイヤの周方向へ伸びる外周縁及び内周縁を有する装飾帯を備える。前記装飾帯は、前記タイヤの周方向へ互いに間隔をおいて配置され前記装飾帯の内外両周縁の一方からその他方へ伸長する複数のリッジと、互いに異なる2以上の角度へそれぞれ伸長する複数組の突起群とを備え、各突起群は、該突起群の伸長方向へ互いに間隔をおいて配置された、平坦な表面を有する複数の突起であって前記表面の面積が前記突起群の伸長方向に向けて漸増又は漸減する複数の突起からなる。ここにおいて「平坦な表面」とは、実質的に凹凸が存しない平らな平面又は曲面からなる表面をいう。
本発明によれば、タイヤのサイドウオール部をその周方向に伸びる装飾帯における複数のリッジと複数組の突起群とが、前記サイドウオール部の表面に生じることがある凹凸を視覚的に目立たないようにする作用をなす。本発明にあっては、線状を呈するリッジの表面の面積は比較的小さく、他方、平坦な表面を有する前記突起の表面の面積は比較的大きい。このため、前記タイヤのサイドウオールの表面に当たって反射する光に関して、前記突起からの反射光量は多くまた前記リッジからの反射光量は少ない。このことから、視認上、前記突起と前記リッジとの間に明暗の差(コントラスト)が生じる。その結果、高明度の複数の突起が、低明度の複数のリッジを背景とする注目物として視認され、これが前記タイヤのサイドウオール部の表面に生じている凹凸をより目立たないようにし、また、前記サイドウオール部の表面の外観の向上に寄与する。
また、各突起群を構成する複数の突起について、これらが前記突起群の伸長方向へ互いに間隔をおいて配置されていることに起因する整然性と、これらの突起の表面の面積が前記突起群の伸長方向に向けて漸増又は漸減することに起因する規則性と、これらの整然性及び規則性が2つの角度以上に見られることとにより、さらに前記コントラストの発現と併せて、前記突起群に対する注目度をより高め、前記タイヤのサイドウオール部の表面に生じている凹凸をより一層目立たないようにする。また、このことが、前記装飾帯に対する視認性を高め、前記サイドウオール部の表面の外観の向上にさらに寄与する。
タイヤの部分斜視図である。
図1を参照すると、空気入りタイヤのようなタイヤの一部が全体に符号10で示されている。タイヤ10は、路面に直接に接することとなる部分であるトレッド部12と、タイヤ10の肩の部分であるショルダー部14と、タイヤ10のサイズ、メーカー名等が表示される部分であるサイドウオール部16と、タイヤ10をリム(図示せず)に固定する役目を担う部分であるビード部(図示せず)とを備える。符号18は、タイヤ10に取り付けられたホイールを示す。
ここでタイヤ10のサイドウオール部16に着目すると、サイドウオール部16には該サイドウオール部と一体をなしかつその表面16Aの一部を規定する装飾帯20が設けられている。装飾帯20はサイドウオール部16の表面16A上をタイヤ10の周方向に伸びている。より詳細には、装飾帯20は、タイヤ10の回転軸線(図示せず)の周りの仮想円に沿って伸びている。図示の装飾帯20は、タイヤ10の径をより大きく見せる意図等から、タイヤ10の横断面で見てタイヤ10の幅が最大となる個所(タイヤ幅最大個所)よりもタイヤ10の径方向外方の側に配置されている。
装飾帯20は、タイヤ10を構成するベルト、カーカスプライ等(図示せず)の一部がサイドウオール部16を通して該サイドウオール部の表面16Aに現れることがある凹凸(図示せず)を、視覚上、認識されにくくする作用をなす。必要に応じて、装飾帯20に加えて他の装飾帯22を設けることができる。他の装飾帯22は、タイヤ10の径方向に関して、装飾帯20の内方の側に位置する。これによれば、前記凹凸に対する視覚上の認識をより困難なものとすることができる。装飾帯20は複数のリッジ24と複数の突起群26(26A、26B)とを有し、また、他の装飾帯22は従来から用いられているジグザグに伸びる複数のリッジ28を有する。
図示の装飾帯20は円環の一部からなり、タイヤ10の周方向へそれぞれ伸びる円弧状の外周縁30及び円弧状の内周縁32を有する。これに対し、他の装飾帯22は円環からなり、同心円状の内外両周縁を有する。装飾帯20は、他の装飾帯22と同様に、円環からなるものとすることができる。装飾帯20の内外両周縁30、32間には、サイドウオール部16の表面16Aを開放頂面とする浅溝が形成されている。他の装飾帯22の内外両周面間にも同様に浅溝が形成されている。
装飾帯20を構成する複数のリッジ24は、前記浅溝の底面上に、内外両周縁30、32の伸長方向であるタイヤ10の周方向へ互いに間隔をおいて配置されている。図示の複数のリッジ24は、それぞれ、内外両周縁30、32の一方から他方まで直線的に伸び、内外両周縁20、32の両接線に対して非直角の角度で交差している。前記角度の大きさは任意に設定することができる。リッジ24はこれが直線的に伸びる図示の例に代えて、例えば、他の装飾帯22におけるリッジ28のように、ジグザグに伸びるもの、あるいは曲線状に伸びるものとすることができる。リッジ24は矩形又は三角形の横断面形状を有し、前記浅溝の底面とその開放頂面との間の間隔である深さ寸法より小さい高さ寸法を有する。装飾帯20における前記浅溝の幅寸法(内外両周縁30、32間の距離)及び深さ寸法、並びに、リッジ24の高さ寸法、幅寸法、及びリッジ24相互の間隔は、それぞれ、例えば20mm(装飾帯幅)及び0.4mm(装飾帯深さ)、並びに、0.3mm(リッジ高さ)、0.2mm(リッジ最高部の平滑面幅)及び1.0mm(リッジ相互間隔)とすることができる。
装飾帯20の複数の突起群26は前記浅溝の底面上を、互いに異なる2つの角度にそれぞれ伸長している。より詳細には、複数の突起群26Aが一点鎖線Aと平行な方向に伸び、また、複数の突起群26Bが一点鎖線Bと平行な方向に伸びている。好ましくは、複数の突起群26A、26Bは、それぞれ、これらの方向を示す一点鎖線A、Bとタイヤ10の周方向を示す円弧状の一点鎖線Cとが交差するように配置されていることが望ましい。一点鎖線A、Bと一点鎖線Cとの交差角度α、βは、概略30°〜60°の範囲内の角度、好ましくは概略45°の角度をなして交差するように配置されていることが望ましい。これは、突起群26がタイヤ26の周方向に、すなわち一点鎖線Cに沿って伸長するときは、サイドウオール部16に周方向クラックが発生することが懸念され、その可能性を小さくするためである。複数の突起群26は、図示の例に代えて、3以上の方向へ伸びるものとすることができる。
各突起群26は、その伸長方向(一点鎖線A、Bと平行な方向)へ互いに間隔をおいて配置された、平坦な表面を有する複数の突起34からなる。各突起群26を構成する複数の突起34は、これらの表面の面積が突起群26の伸長方向に向けて漸増又は漸減している。図示の例にあっては、突起34相互間の間隔が、面積の増大に伴って漸減し、逆に、面積の減少に伴って漸増している。図示の例において、突起34とリッジ24とは互いに交差し、交差箇所において互いに連なっている。突起34の表面の面積の大きさ、突起34の表面の面積の増大の度合い又は減少の度合い、突起34の相互間の間隔の大きさ、突起群26における突起34の数量等は、任意に定めることができる。
平坦な表面を有する各突起34は、前記浅溝の深さ寸法と同一の大きさの高さ寸法を有する。また、各突起34の表面はリッジ24の表面より大きい面積を有する。したがって、サイドウオール部16の表面16Aに当たる光は、リッジ24及び突条26において相対的に少量及び多量の光を反射する。このため、リッジ24と突起34との間に反射光量の多少による明度の差(コントラスト)が生じる。その結果、高明度の複数の突起34は、低明度の複数のリッジ24を背景として、視覚を刺激する注目物をなす。これにより、サイドウオール部16の表面16Aに現れている前記凹凸がより目立たないようにされ、これに伴い、サイドウオール部16の表面16Aの外観の向上が図られる。
各突起34は矩形、好ましくは角丸の矩形からなる表面形状を有する。角丸とすることにより、非角丸であることに起因してサイドウオール部16に生じることがあるクラックの発生の懸念を少なくすることができる。突起34の表面は、装飾帯20における前記浅溝の底面から見て、リッジ24の前記表面よりも高い位置にある。前記表面の高低差は突起34を立体的に見せることに寄与し、突起34に対する注目度をより高め、タイヤ10のサイドウオール部16の表面16Aに生じている前記凹凸をより一層目立たないようにする。さらに、このことが、装飾帯20に対する視認性をより高め、サイドウオール部16の表面16Aの外観の向上に寄与する。
各突起群26を構成する複数の突起34にはこれらが各突起群26の伸長方向へ互いに等間隔をおいて配置されていることに起因する整然性と、これらの突起34の表面の面積の漸増又は漸減に起因する規則性とが見られ、また、これらの整然性及び規則性が2方向以上に見られることから、さらに前記コントラストの発現と併せて、突起群26に対する注目度がより高められる。その結果、タイヤ10のサイドウオール部16の表面に生じている前記凹凸をより一層目立たないようにされる。また、これらは、装飾帯20に対する視認性をより高め、サイドウオール部16の表面16Aの外観性をより向上させる。
各突起34の表面の輪郭は、これを矩形又は角丸の矩形とすることに代えて、他の多角形又は角丸の多角形、あるいは、円形、楕円形等とすることができる。
前記リッジの伸長方向と、各組の突起群の複数の突起の伸長方向とは互いに交差している、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ。
10・・・タイヤ、16・・・サイドウオール部、20・・・装飾帯、24・・・リッジ、26・・・突起群、26A・・・一方向へ伸びる突起群、26B・・・他方向へ伸びる突起群、30・・・装飾帯の外周縁、32・・・装飾帯の内周縁、34・・・突起

Claims (4)

  1. タイヤであって
    該タイヤのサイドウオール部の表面に形成され、前記タイヤの周方向へ伸びる外周縁及び内周縁を有する装飾帯を備え、
    前記装飾帯は、前記タイヤの周方向へ互いに間隔をおいて配置され前記装飾帯の内外両周縁の一方からその他方まで伸長する複数のリッジと、互いに異なる2以上の角度へそれぞれ伸長する複数組の突起群とを備え、
    各突起群は、該突起群の伸長方向へ互いに間隔をおいて配置された、平坦な表面を有する複数の突起であって前記表面の面積が前記突起群の伸長方向に向けて漸増又は漸減する複数の突起からなる、タイヤ。
  2. 各突起群の伸長方向は、前記タイヤの周方向に対して、30°〜60°の角度で交差している、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 各突起の表面の輪郭は、角丸の多角形からなる、請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 前記リッジの伸長方向と、各組の突起群の複数の突起の伸長方向とは互いに交差している、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ。
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