JP2016175280A - 液体噴射装置 - Google Patents

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【課題】ラインヘッドの昇降に伴い液体供給用の可撓性チューブに加わるストレスを低減しつつ、ラインヘッドの各ノズルへの液体の供給圧力のバラツキを低減すること【解決手段】第1の方向F1に沿って長尺なラインヘッド14に液体を供給する第1可撓性チューブ9aを備え、ラインヘッドは、第1の方向に沿って位置する複数のノズルNと、第1可撓性チューブと接続される第1継手10と、第1継手と複数のノズルとの間の複数の流路11とを備え、第1の方向に直交する第2の方向F2に昇降し、第1可撓性チューブは、第1継手と接続される第1接続部分13と、第1接続部分から第1の方向における一方側へ該第1の方向に沿って延設され、ラインヘッドの昇降に伴い移動可能な第1延設部分15とを備え、第1継手は第1の方向においてラインヘッドを3等分した場合の中央部17bに配置される。【選択図】図3

Description

本発明は、ラインヘッドを備える液体噴射装置に関する。
ラインヘッドを備えるインクジェットプリンター等の液体噴射装置には、特許文献1から特許文献3に開示されているように、液体収容体等の液体供給元から可撓性のチューブを流路として、或いはインク経路管を介して該液体をラインヘッドに供給する構造のものがある。
また、該ラインヘッドは、位置が固定されている電子回路基板等とフレキシブルフラットケーブル(以下、単に「FFC」と言う場合がある)によって接続されているものがある。
ラインヘッドは、媒体の搬送方向と交差する方向に長尺である。該ラインヘッドのノズル形成面には液体を噴射する複数のノズルがその長手方向のほぼ全長に及んで設けられている。前記可撓性チューブは、該ラインヘッドに設けられた継手にチューブ側の接続部分を接続することによって液体供給元からの液体供給流路の全部又は一部を構成する。前記継手から供給された液体はラインヘッド内に設けられている複数の流路を通って各ノズルに供給される。
また、媒体の厚みの違いに対応して、或いは媒体のカールに対応して該媒体とノズル形成面との間隔を調整できるように、該ラインヘッドは媒体を支持する支持面に対して昇降移動できる構造が採用されている。更に、ラインヘッドを下方に位置するメンテナンスポジションに移動する構造のものがあり、この構造の場合は上下方向の移動距離が前記媒体との間隔調整のための移動距離よりも増す。
ラインヘッドは、上記のように昇降移動すると前記継手と該継手に接続されている可撓性チューブも一緒に昇降移動する。また、FFCも一緒に昇降移動する。
この昇降移動によって可撓性チューブにストレスがかかり、前記継手の部分から液体漏れが発生する虞がある。可撓性チューブが該ラインヘッドの近傍において装置本体側の固定部によって位置が固定されている場合には、特に前記ストレスがかかりやすい。
また、ラインヘッドの昇降移動によってFFCにねじれが発生する虞がある。また、ラインヘッドの昇降移動によってFFCにストレスがかかり、該ラインヘッドとの接続部からFFCが外れたり、断線に至る虞がある。
また、前記継手からラインヘッド内に供給された液体は、前記複数の流路を通って各ノズルに送られるが、各ノズルは長尺なラインヘッドの長手方向の全体に亘って設けられているので、前記継手から各ノズルまでの各流路長にバラツキが生じやすい。前記流路長のバラツキが大きいと液体供給元からの供給圧力にバラツキが発生し、これにより各ノズルから噴射される液滴の重量にバラツキが発生する虞がある。
また、メンテナンス等の際に可撓性のチューブをラインヘッドの継手から取り外す構造である場合、その取り外しに伴って液体が垂れる場合がある。該ラインヘッドの下方には媒体搬送領域があるので、前記垂れた液体が該媒体搬送領域に落下する虞がある。
特開2014−111388号公報 特開2011−062851号公報 特開2009−113212号公報
上記各特許文献には、前記可撓性チューブにかかるストレスや液体供給側からの供給圧力のバラツキの問題については記載も示唆もない。
本発明の目的は、ラインヘッドの昇降に伴い該ラインヘッドに接続された液体供給用の可撓性チューブに加わるストレスを低減しつつ、ラインヘッドの各ノズルへの液体の供給圧力のバラツキを低減することにある。
上記目的を達成するため本発明に係る第1の態様の液体噴射装置は、第1の方向に沿って長尺なラインヘッドと、前記ラインヘッドに液体を供給する第1可撓性チューブとを備え、前記ラインヘッドは、第1の方向に沿って位置する複数のノズルと、前記第1可撓性チューブと接続される第1継手と、前記第1継手と前記複数のノズルとの間の複数の流路とを備え、第1の方向に直交する第2の方向に昇降し、前記第1可撓性チューブは、前記第1継手と接続される第1接続部分と、前記第1接続部分から、第1の方向における一方側へ該第1の方向に沿って延設され、他方側には延設されず、ラインヘッドの昇降に伴い移動可能な第1延設部分とを備え、前記第1継手は、第1の方向において前記ラインヘッドを3等分した場合の中央部分に配置されることを特徴とする。
本態様によれば、第1可撓性チューブは、ラインヘッドの第1継手と接続される第1接続部分から、ラインヘッドの長手方向である第1の方向における一方側へ該第1の方向に沿って延設され、他方側には延設されず、ラインヘッドの昇降に伴い移動可能な第1延設部分を備えている。このように当該第1延設部分は、長尺なラインヘッドの長手方向における一方の端部側から中央部分まで該ラインヘッドに沿って延設されているので、該第1延設部分はラインヘッドの昇降動作に柔軟に対応することが可能となる。
これにより、該ラインヘッドの昇降に伴って該ラインヘッドに接続された第1可撓性チューブに加わるストレスを、当該第1延設部分によって吸収して低減することができる。
また、前記第1継手は、ラインヘッドの長手方向である第1の方向において該ラインヘッドを3等分した場合の中央部分に配置されるので、液体の供給口となる第1継手からノズルまでの流路長のバラツキを、該継手を前記長手方向の端部に配置した構造に比して小さくすることができる。これにより、ラインヘッドの各ノズルへの液体の供給圧力のバラツキを低減することができる。
ここで、「第1継手は、第1の方向において前記ラインヘッドを3等分した場合の中央部分に配置される」における「3等分した場合の中央部分」とは、当該第1継手は長尺なラインヘッドに対してその長手方向(第1の方向)における端の部分ではなく中央部分に設けるのであるが、その中央部分の前記長手方向における範囲を規定したものである。前記「流路長のバラツキ」に基づく前記「供給圧力のバラツキ」を低減する課題との関係で当該「中央部分」の範囲は決まり、従って、「3等分」は厳密な3等分であることは要しない。
ラインヘッドの長手方向の全体に亘ってノズルが設けられている構造のラインヘッドにおいては、該ラインヘッドの長手方向(第1方向)における端から端までを全体として3等分した領域の中央部分である。
本発明に係る第2の態様の液体噴射装置は、第1の態様において、前記ラインヘッドは、前記昇降方向における上面に前記第1継手が位置し、前記第1可撓性チューブは、第2の方向における位置が互いに重なるように配置される一番チューブと二番チューブとを含み、前記第1継手は、前記一番チューブと接続される一番継手と、二番チューブと接続される二番継手とを含むことを特徴とする。
本態様によれば、第1可撓性チューブは、複数のチューブを成す一番チューブと二番チューブが第2の方向における位置が互いに重なるように配置されている。従って、第2の方向に二段に積み上げる配置に対して第2の方向(装置の高さ方向)に小型化することができる。
本発明に係る第3の態様の液体噴射装置は、第2の態様において、前記複数の流路は、前記一番継手と連通し第1の方向に沿って複数の分岐点を有する一番流路と、前記二番継手と連通し第1の方向に沿って複数の分岐点を有する二番流路とを含み、前記一番チューブ及び二番チューブは、第1の方向及び第2の方向のそれぞれに直交する第3の方向に沿って、前記一番流路及び二番流路と同じ順番に並んでいることを特徴とする。
本態様によれば、前記一番チューブ及び二番チューブは、第1の方向及び第2の方向のそれぞれに直交する第3の方向に沿って、前記一番流路及び二番流路と同じ順番に並んでいるので、複数の継手と複数の流路との連通構造を簡素化でき、異なる順番に並んでいる構造に対してその部分を小型化することができる。
また、前記一番流路及び二番流路を透明部材を用いて外部から視認可能な流路にした場合、複数のチューブの接続位置が解り易く、誤接続を低減できる。
ここで、「分岐点」とは、一つの流路において、一つの供給口に対して、複数の流出口を設けるために流路を分岐させるポイントである。つまり流出口の数に対応して、分岐点が設けられる。
本発明に係る第4の態様の液体噴射装置は、第2の態様又は第3の態様において、前記第1継手は、前記一番継手、二番継手を含む複数の各継手が第3方向に沿って配置されることを特徴とする。
本態様によれば、第1継手を構成する前記一番継手、二番継手を含む複数の継手が第3方向に沿って配置されるので、第3の方向と交差する方向に配置される構造に比して一番チューブ及び二番チューブを含む複数のチューブより供給する液体の流路長を揃えやすくなる。
本発明に係る第5の態様の液体噴射装置は、第4の態様において、前記第1可撓性チューブの前記第1延設部分は、前記ラインヘッドから第1の方向に離間した位置に該ラインヘッドと共に昇降する際の支点部を有し、前記支点部は、前記一番チューブ、二番チューブを含む複数の各チューブに対する各支点が第3の方向に沿って配置されることを特徴とする。
本態様によれば、前記支点部は前記複数の各チューブに対する各支点が第3の方向に沿って配置され、更に、前記第1継手は、前記複数の各継手が第3方向に沿って配置されている。これにより、第1延設部分は、第1継手と支点部との間に位置する複数の各チューブの長さがほぼ同じになる。更に複数の各チューブは第2の方向における位置が互いに重なるように配置されている。
ラインヘッドの昇降移動によって第1延設部分が前記支点部を支点に揺動した際、本態様によれば、前記「複数の各チューブの長さがほぼ同じ」であること、及び前記「複数の各チューブは第2の方向における位置が互いに重なる」ことの構成によって、その揺動姿勢は複数の各チューブでほぼ同じになる。これにより、前記揺動に基づくストレスを複数の各チューブでほぼ同等に受けることができ、以って前記揺動に基づくストレスを効果的に吸収して低減することができる。
別の言い方をすると、前記揺動に基づいて各チューブにかかるストレスが一様でない場合には、大きなストレスがかかった一部のチューブに外れや劣化等の問題が集中する虞があるが、本態様によればそのような虞は少ない。
本発明に係る第6の態様の液体噴射装置は、第2の態様から第5の態様のいずれか一つの態様において、前記第1可撓性チューブの前記第1延設部分は、前記ラインヘッドから第1の方向に離間した位置に該ラインヘッドと共に昇降する際の支点部を有し、前記第1延設部分のラインヘッド上の長さは、該ラインヘッドに最も近い本体側の支点とラインヘッドまでの長さよりも長いことを特徴とする。
本態様によれば、第1可撓性チューブがラインヘッドの端部近傍で拘束され、その拘束部分が前記昇降の際の支点になる場合でも、前記第1延設部分のラインヘッド上の長さは、該ラインヘッドに最も近い本体側の支点とラインヘッドまでの長さよりも長いので、該ラインヘッドの昇降に伴って該ラインヘッドに接続された第1可撓性チューブに加わるストレスを、当該第1延設部分によって吸収して低減することができる。
本発明に係る第7の態様の液体噴射装置は、第2の態様から第6の態様のいずれか一つの態様において、前記第1延設部分は、第2の方向へ射影した場合に前記ラインヘッドの幅内に位置することを特徴とする。
本態様によれば、第1延設部分は、第2の方向へ射影した場合に前記ラインヘッドの幅内に位置するので、ラインヘッドの昇降に際して可撓性チューブが嵩張らず、装置を小型化することができる。
本発明に係る第8の態様の液体噴射装置は、第1の態様から第7の態様のいずれか一つの態様において、前記複数の流路のそれぞれに負圧発生部が設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、負圧発生部によって、ラインヘッドの各ノズルへの液体の供給圧力のバラツキを効果的に低減することができ、以ってノズルから噴射される液滴の重量のバラツキを低減することができる。
ここで、「負圧発生部」とは、ノズルに連通する流路内を所定の負圧に維持するものであり、該負圧発生部より下流側のノズルまでの流路内の供給圧力を一定の所定圧にして該負圧発生部の上流側における供給圧力のバラツキの影響を低減する機能を有するものである。
また、ラインヘッドのノズルのクリーニング動作として、液体をノズルから噴射させる動作があるが、該動作を実行する場合に、前記負圧発生部を非動作状態にする構造のものがある。この構造の場合、クリーニングの際には前記流路長のバラツキが大きいとその影響を受けてクリーニング流速にバラツキが出る虞がある。
しかし、本態様によれば、上記の通り、前記第1継手は、ラインヘッドの長手方向において前記中央部分に配置されて、液体の供給口となる第1継手からノズルまでの流路長のバラツキを上記の通り小さくしている。従って、前記クリーニング流速にバラツキが出る虞を低減して効果的なクリーニングを実行することができる。
本発明に係る第9の態様の液体噴射装置は、第1の態様から第8の態様のいずれか一つの態様において、前記ラインヘッドに気体を供給する第2可撓性チューブを備え、前記ラインヘッドは、前記第2可撓性チューブと接続される第2継手を備え、前記第2可撓性チューブは、前記第2継手と接続される第2接続部分と、前記第2接続部分から、第1の方向における一方側へ第1の方向に沿って延設され、他方側には延設されず、ラインヘッドの昇降に伴い移動可能な第2延設部分とを備え、前記第2継手は、前記第1継手よりも第1の方向における前記他方側に配置されていることを特徴とする。
本態様によれば、第2可撓性チューブについても、第1可撓性チューブと同様に、該ラインヘッドの昇降に伴って該ラインヘッドに接続された該第2可撓性チューブに加わるストレスを、当該第2延設部分によって吸収して低減することができる。
また、第2継手は、前記第1継手よりも第1の方向における前記他方側に配置されているので、継手の構造が複雑化しない。
本発明に係る第10の態様の液体噴射装置は、第9の態様において、前記第1可撓性チューブと第2可撓性チューブは、第2の方向における位置が互いに重なるように配置されていることを特徴とする。
本態様によれば、第1可撓性チューブと第2可撓性チューブは、第2の方向における位置が互いに重なるように配置されているので、第2方向における位置が異なる構造に比して第2方向における小型化を図ることができる。
本発明に係る第11の態様の液体噴射装置は、第1の態様から第10の態様のいずれか一つの態様において、前記ラインヘッドにより液体が吐出される対象である媒体を搬送する搬送経路を備え、前記搬送経路は、第1の方向に直交する平面上において該ラインヘッドの周囲を囲んでいることを特徴とする。
本態様によれば、搬送経路は、第1の方向に直交する平面上において該ラインヘッドの周囲を囲んでいるので、可撓性チューブの延設部分に沿って当該搬送経路を配設することができる。即ち、ラインヘッドに近接して搬送経路を設けることができ、装置の小型化を図ることができる。
本発明に係る第12の態様の液体噴射装置は、第1の態様から第11の態様のいずれか一つの態様において、前記ラインヘッドに接続されたフレキシブルフラットケーブルを備え、前記ラインヘッドは、第1の方向に沿って複数の端子が位置するコネクタを備え、前記フレキシブルフラットケーブルは、前記コネクタと接続されるケーブル接続部分と、第2の方向と直交するようにフラット面が配置され、前記ケーブル接続部分側から、第1の方向における一方側へ該第1の方向に沿って延設され、他方側には延設されないケーブル延設部分と、前記ケーブル接続部分と前記ケーブル延設部分との間の折り曲げられた折り曲げ部分とを備えることを特徴とする。
本態様によれば、FFCは、第1の方向に沿って長尺なラインヘッドの前記コネクタと接続されるケーブル接続部分と、第1の方向と直交する第2の方向に対して直交するようにフラット面が配置され、前記ケーブル接続部分側から、第1の方向における一方側へ該第1の方向に沿って延設され、他方側には延設されないケーブル延設部分とを備えている。
従って、ラインヘッドの昇降に伴って該ラインヘッドに接続されたFFCにねじれが発生する虞を、第2の方向に対して直交するようにフラット面が配置された当該ケーブル延設部分によって低減することができる。
また、前記昇降に伴ってFFCに加わるストレスを軽減することができる。
本発明に係る第13の態様の液体噴射装置は、第12の態様において、前記コネクタは、第2の方向において前記ケーブル延設部分より「降」側に位置し、前記折り曲げ部分は、前記ケーブル延設部分から折り曲げられ、フラット面が第2の方向と直交する第1折り曲げ部分と、前記第1折り曲げ部分から折り曲げられ、フラット面が第1の方向及び第2の方向のそれぞれに直交する第3の方向と直交する第2折り曲げ部分とを備えることを特徴とする。
本態様によれば、折り曲げ部分は、ケーブル延設部分から折り曲げられ、フラット面が第2の方向と直交する第1折り曲げ部分と、該第1折り曲げ部分から折り曲げられ、フラット面が第1の方向及び第2の方向のそれぞれに直交する第3の方向と直交する第2折り曲げ部分とを備える。
これにより、当該液体噴射装置の第3の方向における小型化を図ることができる。
本発明に係る第14の態様の液体噴射装置は、第13の態様において、前記フレキシブルフラットケーブルの前記ケーブル延設部分は、前記ラインヘッドの長手方向の長辺に沿って隣接して位置し、前記第1折り曲げ部分の少なくとも一つは、前記ラインヘッドに対して該フレキシブルフラットケーブルと反対側の位置まで延設された横断部を有することを特徴とする。
本態様によれば、前記ケーブル延設部分はラインヘッドの長手方向の長辺に沿って一方側に位置し、前記第1折り曲げ部分の少なくとも一つはラインヘッドに対して該FFCと反対側となる他方側に延設された横断部を有する。この横断部によって、ラインヘッドの前記コネクタの配置に対するFFCの配置の自由度が増し、設計及び製造が容易になる。
本発明に係る第15の態様の液体噴射装置は、第14の態様において、前記ラインヘッドの昇降方向における上面に該ラインヘッドへ液体を供給する第1可撓性チューブを備え、前記横断部は、前記第1可撓性チューブの下に配置されていることを特徴とする。
ラインヘッドを当該液体噴射装置から取り外して新しく交換する場合において、該新たなラインヘッドに前記第1可撓性チューブを接続しない状態でヘッド内に充填されている保護液の排出のための吐出動作等、所定のヘッド駆動を行う必要があるものがある。
本態様によれば、FFCの電気的接続状態だけを確保して上記所定のヘッド駆動を行い、その後に第1可撓性チューブを前記FFCの上に配置して接続することができる。従って、ラインヘッドの交換が容易である。
本発明に係る第16の態様の液体噴射装置は、第12の態様から第15の態様のいずれか一つの態様において、前記コネクタは第1の方向に沿って複数設けられ、複数のコネクタのそれぞれと接続された複数のフレキシブルフラットケーブルは、前記ケーブル延設部分が重なるように配置されていることを特徴とする。
本態様によれば、複数のFFCは、前記ケーブル延設部分が重なるように配置されているので、ラインヘッドが昇降しても複数のFFCはかさばらない。以って装置の小型化を図ることができる。
本発明に係る第17の態様の液体噴射装置は、第12の態様から第16の態様のいずれか一つの態様において、前記ラインヘッドは、第1の方向及び第2の方向のそれぞれに直交する第3の方向に沿って位置する複数のコネクタを備え、該複数のコネクタは、第1の方向における位置が重なることを特徴とする。
本態様によれば、ラインヘッドに複数のコネクタを高密度で配設することができる。
本発明に係る第18の態様の液体噴射装置は、第12の態様から第17の態様のいずれか一つの態様において、前記フレキシブルフラットケーブルが前記ラインヘッドと接続される一端側と反対側である他端側が接続される本体側コネクタを備え、前記ラインヘッドは、該ラインヘッドに対して第2の方向の一方側に設けられたカバーを開くことで本体と分離可能であり、前記本体側コネクタは、前記ラインヘッドに対して、第2の方向の一方側に設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、ラインヘッドを当該液体噴射装置から取り外す場合に、先ずカバーを開いてFFCの装置本体との接続を外す。FFCの本体側コネクタは、前記カバーを開けた状態でラインヘッドの取り出し側に位置する(第2の方向の一方側に設けられている)ので、FFCを本体側コネクタから外し、続いてラインヘッドを当該液体噴射装置から取り外す。
これにより、ラインヘッドを当該液体噴射装置から容易に取り外すことができる。
本発明に係る液体噴射装置の一例の外観全体斜視図で、(A)は前方向からの図、(B)は後方からの図。 同上液体噴射装置の実施形態に係る、ラインヘッドと可撓性チューブと液体収容体の部分を表す要部斜視図。 同上要部平面図。 同上要部正面図。 図1に表した液体噴射装置の概略構成図。 同実施形態に係るラインヘッドの分解斜視図(上方から)。 同実施形態に係るラインヘッドの分解斜視図(下方から)。 同実施形態に係るラインヘッドを媒体側からみた平面図。 同実施形態に係るラインヘッドの流路の説明図。 同実施形態に係るラインヘッドの流路構造体の側面図および平面図。 図10におけるVII-VII線断面図。 同実施形態に係るラインヘッドの流路構造体とインクおよび空気の供給管との関係の説明図。 同実施形態に係るラインヘッドの流路制御部のうち1系統のインクの流路に着目した構成図。 図1に表した液体噴射装置の実施形態に係る、ラインヘッドとFFCの部分を表す要部平面図。 同上要部側面図。 図1に表した液体噴射装置の実施形態に係る、ラインヘッドと可撓性チューブとFFCの部分を表す要部斜視図。 図16の状態から可撓性チューブを外して持ち上げた状態を表す同斜視図。 図17の状態からFFCを外した状態を表す同斜視図。 図14に表したラインヘッドと媒体搬送経路の位置関係を表す概略側面図。 図1に表した液体噴射装置の実施形態に係る、媒体排出部の媒体受面を開けた状態を表す前方からの斜視図。 (A)は図20の状態から媒体搬送経路の一部を外した状態を表す同斜視図、(B)は(A)より上方から見た同斜視図。 (A)は図21(A)の状態から可撓性チューブを外して保持部に保持した状態を表す同斜視図、(B)は(A)より上方から見た同斜視図。 (A)は図22(A)の状態かラインヘッドを外している状態を表す同斜視図、(B)は(A)より上方から見た同斜視図。 図1に表した液体噴射装置の実施形態に係る、ラインヘッドと可撓性チューブの部分を表す斜視図。 図1に表した液体噴射装置の実施形態に係る、可撓性チューブを外して保持部に保持する直前の状態を表す斜視図。 図1に表した液体噴射装置の実施形態に係る、ラインヘッドと可撓性チューブの部分を表す一部切欠斜視図。 図1に表した液体噴射装置の背面カバーを開けてサブタンクにアクセスできる状態にした斜視図(後方から)。 図27に表したサブタンクの正面側斜視図。 図28におけるA−A線断面図。 図1に表した液体噴射装置の実施形態に係る、背面カバーを開けて払拭ユニットにアクセスできる状態にした斜視図(後方から)。 同実施形態の払拭ユニットの平面図(A)、該平面図(A)におけるA−A線断面図(B)、正面図(C)及び要部拡大断面図(D)。 同実施形態の払拭ユニットの平面図(A)、該平面図(A)におけるA−A線断面図(B)、正面図(C)及び要部拡大断面図(D)。 同実施形態の払拭ユニットから払拭部材を取り外した要部拡大分解断面図。 同実施形態の払拭ユニットから払拭部材を取り外した要部拡大正面図。 図1に表した液体噴射装置の実施形態に係る、ラインヘッドと払拭部材と搬送経路の位置関係を表した概略断面図。 図1に表した液体噴射装置の実施形態に係る、ラインヘッドと払拭部材の位置関係を表した模式図。 図1に表した液体噴射装置の実施形態に係る、ラインヘッドと払拭部材の位置関係を表した模式図で、(A)はキャップ部材の離間状態で支持部が支持位置に在る状態、(B)はキャップ部材による封止状態で支持部は退避状態。 図1に表した液体噴射装置の実施形態に係る、左側面についての斜視図。 図38の状態から左側面のカバーを外した状態を表す同斜視図。 図39の状態から排出ユニットを取り外した状態を表す同斜視図。 図40の要部拡大斜視図。 図40の状態から第1チューブの一端を中継流路から外した状態を表す同斜視図。 図42の状態を一部を切欠して表した正面図。 図42の状態からキャップユニットを取り外した状態を表す同斜視図。 図44の要部拡大斜視図。 図42の状態からキャップ部材を取り外した状態を表す同斜視図。
以下、図面に基づいて本発明に係る液体噴射装置の各実施形態について説明する。
各図において示したX−Y−Z座標系は、X方向が装置幅方向(媒体の全幅方向)、Y方向が媒体の搬送方向、及びZ方向が装置高さ方向を表している。尚、説明を理解しやすくするために装置としての前側、後側、左側及び右側の方向を一部の図面に併記した。
図1は本発明に係る液体噴射装置の一例の外観全体斜視図である。
この液体噴射装置は、記録装置の一つであるインクジェットプリンター1(以下、単にプリンター1と言うことがある)である。該プリンター1はスキャナーユニット2を上部に備えて複合機として構成されている。尚、本発明においてスキャナーユニット2は備えていなくてもよい。
該プリンター1は、装置本体3の下部に「媒体」の一例として普通紙や写真用紙等の用紙M(図5、以下「媒体M」と記す場合もある)を収容する複数の媒体収容カセット4が配置され、該媒体収容カセット4の上側に、内部にラインヘッド14(図2)を備える記録実行部6が設けられている。各媒体収容カセット4は、装置本体3の前面側から着脱可能になっている。
記録実行部6とスキャナーユニット2との間であって該記録実行部6の天面部の一部に、ラインヘッド14で記録実行された用紙Mが排出される排出用トレイ7が設けられている。図1において、符号8は、用紙Mが排出用トレイ7に向けて排出される出口を示す。また、該排出用トレイ7は、開閉可能に構成され、内部のラインヘッド14を上方に持ち上げて取り出せるようになっている。このラインヘッド14の取り出し構造については後述する。
(A)◆◆ラインヘッドの昇降で可撓性チューブが受ける問題への対処◆◆
ラインヘッド14が昇降することによって可撓性チューブ9が受ける問題に対する対処の実施形態を以下説明する。
図2から図13、図19を主に用いて本実施形態について説明する。
(A-1)実施形態1
(A-1-1)構成
図2から図4に表したように、本実施形態では、可撓性チューブ9は、液体であるインクをラインヘッド14に供給する4本の第1可撓性チューブ9aと、気体である空気をラインヘッド14に供給する2本の第2可撓性チューブ9bを備えている。尚、該チューブの本数はこれらに限定されない。
第1可撓性チューブ9aの基端側は、液体供給元となる液体収容体18側につながっている。図2から図4において、符号30は液体収容体ホルダーであり、該液体収容体ホルダー30に液体収容体18が装着される。液体収容体18はインクカートリッジやインクパック等である。第2可撓性チューブ9bの基端側は、空気供給源となるポンプ16(図5)につながっている。
図2から図4に表したように、このプリンター1は、第1の方向F1(X方向と同じ)に沿って長尺なラインヘッド14と、ラインヘッド14にインクを供給する第1可撓性チューブ9aとを備えている。
ラインヘッド14は、第1の方向F1に沿って位置する複数のノズルN(図8も参照)と、第1可撓性チューブ9aと接続される第1継手10と、第1継手10と複数のノズルNとの間の流路を成す複数の流路11とを備えている。更に、ラインヘッド14は、第1の方向F1に直交する第2の方向F2(Z方向と同じ)に図示しない昇降機構によって昇降する。
第1可撓性チューブ9aは、第1継手10と接続される第1接続部分13を備える。更に、第1可撓性チューブ9aは、第1接続部分13が第1継手10に接続された状態において、該第1接続部分13から第1の方向F1における一方側(+X側)へ該第1の方向F1に沿って延設され、他方側(−X側)には延設されず、ラインヘッド14の昇降に伴い移動可能な第1延設部分15を備える。
前記「複数の流路」については、後述する図5から図13に基づくラインヘッドの構造の説明の部分において詳しく説明する。
第1継手10は、第1の方向F1においてラインヘッドを3等分した各領域17a、17b、17cの中央部分17bに配置されている。
ここで、「第1継手10は、第1の方向F1においてラインヘッド14を3等分した場合の中央部分17bに配置される」における「3等分した場合の中央部分17b」とは、第1継手10は長尺なラインヘッド14に対してその長手方向(第1の方向F1)における端の部分ではなく中央部分に設けるのであるが、その中央部分の前記長手方向における範囲を規定したものである。前記「流路長のバラツキ」に基づく前記「供給圧力のバラツキ」を低減する課題との関係で当該「中央部分17b」の範囲は決まる。従って、「3等分」は厳密な3等分であることは要しない。
単純には、ラインヘッド14の長手方向の全体に亘ってノズルNが設けられている構造のラインヘッド14においては、該ラインヘッド14の長手方向における端から端までを全体として3等分した領域の中央部分でよい(図3)。
或いは、第1継手10と複数のノズルNとの間に設けられる複数の流路11(後述する流路構造体G1に設けられた流路PI1(図9))について、その第1の方向F1における形成範囲の端から端を全体として3等分した領域の中央部分でもよい。
本実施形態において、ラインヘッド14とは、インク等の液体が噴射される媒体Mの搬送方向である移動方向FMと交差する方向である第1の方向F1に形成されたノズルNの領域が、媒体Mの第1の方向F1における媒体搬送領域19(図3)の全体をカバー可能に設けられているものである。尚、ラインヘッド14の第1の方向F1におけるノズルNの領域は、当該液体噴射装置が対応している全ての媒体Mの第1の方向F1の全体をカバー可能でなくてもよい。
本実施形態では、ラインヘッド14は、前記昇降方向(第2の方向F2)における上面5に第1継手10が位置する。
更に、第1可撓性チューブ9aは、第2の方向F2(Z方向)における位置が互いに重なる、即ち略水平面内に位置するように配置される4本の一番チューブ9a(C)、二番チューブ9a(M)、三番チューブ9a(Y)及び四番チューブ9a(K)を含む。一番チューブ9a(C)はインクの色がシアン、二番チューブ9a(M)はマゼンタ、三番チューブ9a(Y)はイエロー、四番チューブ9a(K)はブラックに対応する。
そして、第1継手10は、一番チューブ9a(C)と接続される一番継手10C、二番チューブ9a(M)と接続される二番継手10M、三番チューブ9a(Y)と接続される三番継手10Y、四番チューブ9a(M)と接続される四番継手10Kとを含む(後述する図26も参照)。
尚、チューブの本数は4本に限定されない。プリンターの種類によってチューブの本数は定まる。
また、各チューブは、上記の異なる色(CMYK)のインクを供給するチューブに限定されず、例えば同じ種類(色)のインクを供給するチューブ、或いはインクを供給するチューブとインクを回収するチューブ等であってもよい。更に、液体噴射装置がプリンター以外の装置である場合は、チューブ内を通す液体はインクではなく、その装置用の液体になることは勿論である。
図3に表したように、本実施形態では、複数の流路11は、一番継手10Cと連通し第1の方向F1に沿って複数の分岐点を有する一番流路11Cと、二番継手10Mと連通し第1の方向F1に沿って複数の分岐点を有する二番流路11Mと、三番継手10Yと連通し第1の方向F1に沿って複数の分岐点を有する三番流路11Yと、四番継手10Kと連通しれ第1の方向F1に沿って複数の分岐点を有する四番流路11Kとを含む。
そして、一番チューブ9a(C)、二番チューブ9a(M)、三番チューブ9a(Y)及び四番チューブ9a(K)は、第1の方向F1及び第2の方向F2のそれぞれに直交する第3の方向F3に沿って、一番流路11C、二番流路11M、三番流路11Y、四番流路11Kと同じ順番に並んで配設されている。
ここで、「複数の分岐点」とは、一つの流路において、一つの供給口に対して、複数の流出口を設けるために流路を分岐させるポイントである。つまり流出口の数に対応して、分岐点が設けられる。この「複数の分岐点」については、後述する図5から図13に基づくラインヘッドの構造の説明の部分において更に詳しく説明する。
更に、図2、図3及び後述する図26に表したように、本実施形態では、第1継手10は、一番継手10C、二番継手10M、三番継手10Y、及び四番継手10Kの各継手が第3の方向F3(Y方向)に沿って配置されている。言い換えると、第1継手10の複数の各継手10C,10M,10Y,10Kの並ぶ方向は、第3の方向F3(Y方向)と平行である。
更に、図2、図3及び後述する図26に表したように、本実施形態では、第1可撓性チューブ9aの第1延設部分15は、ラインヘッド14から第1の方向F1に離間した位置に該ラインヘッド14と共に昇降移動する際の支点部34を有する。この支点部34は、一番チューブ9a(C)、二番チューブ9a(M)、三番チューブ9a(Y)及び四番チューブ9a(K)の各チューブに対する各支点34C、34M、34Y、34Kを含む。そして、各支点34C、34M、34Y、34Kは、第1継手10の複数の各継手10C,10M,10Y,10Kと同じく、第3の方向F3に沿って配置されている。
ここでは、支点部34は、装置本体3内を引き回される第2可撓性チューブ9aを下側から支持する支持部35の端部36で構成されているが、支点部34はこの端部36により構成に限定されない。
また、図2から図4に表したように、本実施形態のプリンター1は、ラインヘッド14に気体である空気を供給する第2可撓性チューブ9bを備え、ラインヘッド14は、第2可撓性チューブ9bと接続される第2継手27を備える。
第2可撓性チューブ9bは、第2継手27と接続される第2接続部分28を備える。更に、第2接続部分28が第2継手27に接続された状態において、該第2接続部分28から第1の方向F1における一方側(+X側)へ第1の方向F1に沿って延設され、他方側(−X側)には延設されず、ラインヘッド14の昇降に伴い移動可能な第2延設部分29を備える。
第2継手27は、第1継手10よりも第1の方向F1における他方側(−X側)に配置されている。
尚、第2可撓性チューブ9bで送られる空気のラインヘッド14内での流路及び役割については、後述する図5から図13に基づくラインヘッドの構造の説明の部分において詳しく説明する。
本実施形態では、ラインヘッド14は、前記昇降方向(第2の方向F2)における上面5に第2継手27が位置する。
そして、前記4本の第1可撓性チューブ9aと2本の第2可撓性チューブ9bは、第2の方向F2(Z方向)における位置が互いに重なる、即ち略水平面内に位置するように配置されている。
更に、本実施形態では、第2継手27は、一番継手27A1、二番継手27A2の各継手が第3の方向F3(Y方向)に沿って配置されている。言い換えると、第2継手27の複数の各継手27A1,27A2の並ぶ方向は、第3の方向F3(Y方向)と平行である。
更に、本実施形態では、第2可撓性チューブ9bの第2延設部分29は、ラインヘッド14から第1の方向F1に離間した位置に該ラインヘッド14と共に昇降移動する際の支点部34を有する。この支点部34は、第1延設部分15に対する前記支点部34と共通のもので、一番チューブ9b(A1)、二番チューブ9b(A2)の各チューブに対する各支点34A1、34A2を含む。そして、各支点34A1、34A2は、第2継手27の複数の各継手27A1,27A2と同じく、第3の方向F3に沿って配置されている。
(A-1-2)効果
(1)上記実施形態によれば、第1可撓性チューブ9aは、ラインヘッド14の第1継手10と接続される第1接続部分13から、ラインヘッド14の長手方向である第1の方向F1における一方側(+X側)へ該第1の方向F1に沿って延設され、他方側(−X側)には延設されず、ラインヘッド14の昇降に伴い移動可能な第1延設部分15を備えている。このように第1延設部分15は、長尺なラインヘッド14の長手方向における一方の端部側から中央部分17bまで該ラインヘッド14に沿って延設されているので、該第1延設部分15はラインヘッド14の昇降動作に柔軟に対応することが可能となる。
これにより、該ラインヘッド14の昇降に伴って該ラインヘッド14に接続された第1可撓性チューブ9aに加わるストレスを、当該第1延設部分15によって吸収して低減することができる。
また、第1継手10は、ラインヘッド14の長手方向である第1の方向F1において該ラインヘッド14を3等分した場合の中央部分17bに配置されるので、液体の供給口となる第1継手10からノズルNまでの流路長のバラツキを、該第1継手を前記長手方向の端部に配置した構造に比して小さくすることができ、以ってラインヘッド14の各ノズルNへの液体の供給圧力のバラツキを低減することができる。
(2)本実施形態によれば、第1可撓性チューブ9aは、複数のチューブを成す一番チューブ9a(C)、二番チューブ9a(M)、三番チューブ9a(Y)及び四番チューブ9a(K)が第2の方向F2(Z方向)における位置が互いに重なるように配置されている。従って、第2の方向F2に積み重ねるような他の配置に対して第2の方向F2(装置の高さ方向)に小型化することができる。
(3)本実施形態によれば、一番チューブ9a(C)、二番チューブ9a(M)、三番チューブ9a(Y)及び四番チューブ9a(K)は、第1の方向F1及び第2の方向F2のそれぞれに直交する第3の方向F3(Y方向)に沿って、一番流路11C、二番流路11M、三番流路11Y、四番流路11Kと同じ順番に並んでいる。これにより、複数の継手(10C、10M、10Y、10K)と複数の流路(11C、11M、11Y、11K)との連通構造を簡素化でき、異なる順番に並んでいる構造に対してその部分を小型化することができる。
また、一番チューブ9a(C)、二番チューブ9a(M)、三番チューブ9a(Y)及び四番チューブ9a(K)を透明部材を用いることで外部から視認可能な流路にした場合、複数のチューブ(9a(C)、9a(M)、9a(Y)、9a(K))の接続位置が解り易く、誤接続を低減できる。
(4)本実施形態によれば、第1継手10の複数の各継手10C,10M,10Y,10Kが第3方向F3に沿って配置されるので、第3の方向F3と交差する方向に配置される構造に比して一番チューブ9a(C)、二番チューブ9a(M)、三番チューブ9a(Y)及び四番チューブ9a(K)より供給する液体の流路長を揃えやすくなる。
(5)また、本実施形態によれば、支点部34は複数の各チューブ9a(C)、9a(M)、9a(Y)及び9a(K)に対する各支点34C、34M、34Y、34Kが第3の方向F3に沿って配置され、更に、第1継手10は、複数の各継手10C,10M,10Y,10Kが第3の方向F3に沿って配置されている。これにより、第1延設部分15は、第1継手10と支点部34との間に位置する複数の各チューブ9a(C)、9a(M)、9a(Y)及び9a(K)の長さがほぼ同じになる。更に複数の各チューブ9a(C)、9a(M)、9a(Y)及び9a(K)は第2の方向F2における位置が互いに重なるように配置されている。
ラインヘッド14の昇降移動によって第1延設部分15が支点部34を支点に揺動する際、本実施形態によれば、上記の通り、前記「複数の各チューブの長さがほぼ同じ」であること、及び前記「複数の各チューブは第2の方向における位置が互いに重なる」ことの構成によって、その揺動姿勢は複数の各チューブ9a(C)、9a(M)、9a(Y)及び9a(K)でほぼ同じになる。これにより、前記揺動に基づくストレスを複数の各チューブ9a(C)、9a(M)、9a(Y)及び9a(K)においてほぼ同等に受けることができ、以って前記揺動に基づくストレスを偏り無く効果的に吸収して低減することができる。
別の言い方をすると、前記揺動に基づいて各チューブ9a(C)、9a(M)、9a(Y)及び9a(K)にかかるストレスが一様でない場合には、大きなストレスがかかった一部のチューブに外れや劣化等の問題が集中する虞があるが、本実施形態によればそのような虞は少ない。
(6)本実施形態によれば、第2可撓性チューブ9bについても、第2延設部分29は、長尺なラインヘッド14の長手方向における一方の端部側から第2継手27の位置まで該ラインヘッド14に沿って延設されている。これにより、第1可撓性チューブ9aと同様に、第2延設部分29はラインヘッド14の昇降動作に柔軟に対応することが可能となる。従って、該ラインヘッド14の昇降に伴って該ラインヘッド14に接続された第2可撓性チューブ9bに加わるストレスを、当該第2延設部分15によって吸収して低減することができる。
また、第2継手27は、第1継手10よりも第1の方向F1における前記他方側(−X側)に配置されているので、継手の構造が複雑化しない。
(7)本実施形態によれば、第1可撓性チューブ9aと第2可撓性チューブ9bは、第2の方向F2(Z方向)における位置が互いに重なる、即ち略水平面内に位置するように配置されている。これにより、第2方向F2における位置が異なる他の構造に比して第2方向F2における小型化を図ることができる。
更に、支点部34の各支点34A1、34A2は、第2継手27の複数の各継手27A1,27A2と同じく、第3の方向F3に沿って配置されている。
従って、ラインヘッド14の昇降移動によって第2延設部分29が支点部34を支点に揺動する際、その揺動姿勢は複数の各チューブ9b(A1)、二番チューブ9b(A2)でほぼ同じになる。これにより、前記揺動に基づくストレスを複数の各チューブ9b(A1)、9b(A2)においてほぼ同等に受けることができ、以って前記揺動に基づくストレスを偏り無く効果的に吸収して低減することができる。
(A-1-3)ラインヘッドの構造の説明
ラインヘッド14の構造について図5から図13に基いて詳しく説明する。
図5は、本発明の実施形態に係るプリンター1の部分的な構成図である。このプリンター1は、液体の例示であるインクを印刷用紙等の印刷媒体(噴射対象)Mに噴射する液体噴射装置であり、制御装置100と搬送機構12とラインヘッド(以下、「液体噴射ヘッド」という場合がある)14とポンプ16とを具備する。複数色のインクIを貯留する液体収容体(以下、「液体容器(インクカートリッジ)」と言う場合がある)18がプリンター1には装着される。本実施形態では、シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(B)の4色のインクIが液体容器18に貯留される。
制御装置100は、プリンター1の各要素を統括的に制御する。搬送機構12は、制御装置100による制御のもとで印刷媒体MをY方向に搬送する。ポンプ16は、制御装置100による制御のもとで2系統の空気A(A1,A2)を第2可撓性チューブ9bを介して液体噴射ヘッド14に供給する給気装置である。空気A1および空気A2は、液体噴射ヘッド14の内部の流路の制御に利用される気体である。本実施形態のポンプ16は、空気A1および空気A2の各々を相互に独立に加圧することが可能である。
液体噴射ヘッド14は、液体容器18から供給されるインクIを制御装置100による制御のもとで印刷媒体Mに噴射する。本実施形態の液体噴射ヘッド14は、Y方向に交差するX方向に長尺なラインヘッドである。なお、X-Y平面(印刷媒体Mの表面に平行な平面)に垂直な方向を以下ではZ方向と表記する。液体噴射ヘッド14によるインクIの噴射方向が−Z方向に相当する。
図6および図7は、液体噴射ヘッド14の分解斜視図である。図6および図7に例示される通り、本実施形態の液体噴射ヘッド14は、流路構造体G1と流路制御部G2と液体噴射部G3とを含んで構成される。概略的には流路構造体G1と液体噴射部G3との間に流路制御部G2が設置される。すなわち、流路構造体G1と流路制御部G2と液体噴射部G3とはZ方向からみて相互に重複する。液体噴射部G3は、6個の液体噴射ユニットU3を筐体142に収容および支持した構造体である。
図8は、液体噴射部G3のうち印刷媒体Mとの対向面の平面図である。図8に例示される通り、6個の液体噴射ユニットU3はX方向に沿って配列される。各液体噴射ユニットU3は、X方向に沿って配列する複数(本実施形態の例示では6個)の噴射ヘッド部70を具備する。各噴射ヘッド部70は、複数のノズルNからインクIを噴射するヘッドチップを包含する。1個の噴射ヘッド部70の複数のノズルNは、X方向およびY方向に対して所定の角度で傾斜するW方向に沿って2列に配列される。液体噴射ユニットU3の各噴射ヘッド部70には4系統(4色)のインクIが並列に供給される。1個の噴射ヘッド部70の複数のノズルNは4個の集合に区分され、集合毎に相異なるインクIを噴射する。
図9は、流体(インクIおよび空気A)の流路に着目した液体噴射ヘッド14の構成図である。図9から理解される通り、流路構造体G1には、液体容器18から4系統のインクIが供給されるとともにポンプ16から2系統の空気A(A1,A2)が供給される。流路構造体G1は、4系統のインクIの各々と2系統の空気Aの各々とを、相異なる液体噴射ユニットU3に対応する6系統に分配する。すなわち、流路構造体G1による1系統のインクIの分配数(6)はインクIの種類数K(K=4)を上回る。
図6および図7の流路制御部G2は、液体噴射ヘッド14の流路(例えば流路の開閉や流路内の圧力)を制御する要素であり、相異なる液体噴射ユニットU3に対応する6個の流路制御ユニットU2を含んで構成される。図9に例示される通り、4系統のインクIと2系統の空気Aとが流路構造体G1での分配により6個の流路制御ユニットU2に並列に供給される。各流路制御ユニットU2は、流路構造体G1が各液体噴射ユニットU3に分配した4系統のインクIの流路の開閉や圧力を2系統の空気Aに応じて制御する。
流路構造体G1での分配後に各流路制御ユニットU2を経由した4系統のインクIが6個の液体噴射ユニットU3に並列に供給される。各液体噴射ユニットU3は液体分配部60を具備する。液体分配部60は、前段の流路制御ユニットU2から供給される4系統のインクIの各々を、相異なる噴射ヘッド部70に対応する6系統に分配する。すなわち、液体分配部60による分配後の4系統のインクIが6個の噴射ヘッド部70の各々に並列に供給される。各噴射ヘッド部70は、4系統のインクIの各々を相異なるノズルNから噴射する。
以上に概説した液体噴射ヘッド14の各要素(流路構造体G1,流路制御部G2、液体噴射部G3)の具体例を以下に詳述する。
<流路構造体G1>
図10は、流路構造体G1の側面図および平面図であり、図11は、図10におけるVII-VII線の断面図である。図10の側面図に例示される通り、本実施形態の流路構造体G1は、基板20と複数の封止部25(25a,25b,25c)と複数の封止部26(26a,26b)とを包含する平板状の構造体である。なお、図10の平面図では各封止部25および各封止部26の図示を便宜的に省略した。
本実施形態の基板20は、X方向に長尺な平板材であり、X-Y平面に平行な第1面21および第2面22を包含する。図10には、第1面21の平面図と第2面22の平面図とが併記されている。第1面21は、流路制御部G2や液体噴射部G3とは反対側の表面(上面)であり、第2面22は、第1面21とは反対側の表面(流路制御部G2との対向面)である。本実施形態の基板20は、熱可塑性の樹脂材料(例えばポリプロピレン)で形成される。
図10に例示される通り、基板20の第1面21は、領域31aと領域31bと領域31cとを包含する。第1面21のうち領域31aと領域31bとの間には、各系統のインクIに対応する4個の供給口SI1が形成され、第1面21のうち領域31bと領域31cとの間には、各系統の空気Aに対応する2個の供給口SA1が形成される。
図12は、流路構造体G1の接続状態の説明図である。図12に例示される通り、4個の供給口SI1の各々には、第1面21に設置された接続部(ジョイント)381(図3の第1継手10が設けられる部分)を介して、第1可撓性チューブ9aより成る各インクIの供給管TI1の端部が接続される。各供給管TI1は、領域31aの面上でX方向に沿って延在し、供給口SI1とは反対側の端部が液体容器18に接続される。
他方、2個の供給口SA1の各々には、第1面21に設置された接続部382(図3の第2継手27が設けられる部分)を介して、第2可撓性チューブ9bより成る各空気A(A1,A2)の供給管TA1の端部が接続される。各供給管TA1は、領域31bおよび領域31aの面上でX方向に延在し、供給口SA1とは反対側の端部がポンプ16に接続される。
以上の構成において、液体容器18に貯留された4系統のインクI(C,M,Y,K)は、各供給管TI1を介して4個の供給口SI1に並列に供給され、ポンプ16から送出された2系統の空気A(A1,A2)は、各供給管TA1を介して2個の供給口SA1に並列に供給される。
図10に例示される通り、基板20の第1面21の領域31aには、各インクIに対応する4個の溝部341aが形成される。同様に、領域31bには4個の溝部341bが形成され、領域31cには4個の溝部341cが形成される。溝部341aと溝部341bとは、平面視で(すなわち基板20に垂直なZ方向からみて)供給口SI1を挟んで相互に反対側に位置する。
また、基板20の第1面21の領域31aには、各空気Aに対応する2個の溝部342aが形成される。同様に、領域31bには2個の溝部342bが形成され、領域31cには2個の溝部342cが形成される。溝部342bと溝部342cとは、平面視で供給口SA1を挟んで相互に反対側に位置する。
図10に例示される通り、第1面21の各領域31(31a,31b,31c)において、空気Aに対応する2個の溝部342(342a,342b,342c)を挟む両側に、インクIに対応する各溝部341(341a,341b,341c)が位置する。
各溝部341(341a,341b,341c)および各溝部342(342a,342b,342c)は、概略的には、X方向に延在するように形成された溝(表側溝部)である。具体的には、本実施形態では、インクIに対応する各溝部341はX方向に沿って略直線状に延在し、空気Aに対応する各溝部342は、基板20に形成された取付孔23を迂回するように屈曲した形状に形成される。各取付孔23は、基板20の固定に利用される貫通孔であり、具体的には、流路構造体G1を流路制御部G2に固定する螺子(図示略)が挿入される螺子孔である。
図10の側面図に例示される通り、第1面21の各領域31(31a,31b,31c)には相互に別体の封止部25(25a,25b,25c)が設置される。具体的には、封止部25aが領域31aに設置され、封止部25bが領域31bに設置され、封止部25cが領域31cに設置される。各封止部25は、基板20の第1面21に貼着されるフィルム状(0.1mm程度の膜厚)の部材であり、第1面21に形成された各溝部341および各溝部342を封止(閉塞)することで流路を構成する。
他方、基板20の第2面22は、図10に例示される通り、領域32aと領域32bとを包含する。領域32aは、第1面21の領域31aと領域31bとの間隙の領域(すなわち4個の供給口SI1が形成された領域)に平面視で重なる領域であり、領域32bは、第1面21の領域31bと領域31cとの間隙の領域(すなわち2個の供給口SA1が形成された領域)に平面視で重なる領域である。
第2面22の領域32aには、各インクIに対応する4個の溝部351aと各空気Aに対応する2個の溝部352aとが形成される。領域32bにも同様に、4個の溝部351bと2個の溝部352bとが形成される。各溝部351(351a,351b)および各溝部352(352a,352b)は、第2面22に形成された溝(裏側溝部)である。領域32b内では2個の溝部352bの外側に4個の溝部351bが位置するのに対し、領域32a内では、一対の溝部351aの間隙に溝部352aが位置する。
図10には、各液体噴射ユニットU3の境界が破線で図示されている。図10に例示される通り、第2面22には、各インクIに対応する4個の流出口DI1と各空気Aに対応する2個の流出口DA1とが、6個の液体噴射ユニットU3の各々(6個の流路制御ユニットU2の各々)について形成される。各流出口DI1および各流出口DA1は、第2面22からZ方向に突出する円管状の部分である。
任意の1系統のインクIに対応する6個の流出口DI1は、第1面21のうち当該インクIに対応する各溝部341(341a,341b,341c)に平面視で重なるように略等間隔でX方向に沿って配列し、図11から理解される通り、基板20をZ方向に貫通する貫通孔Hを介して各溝部341に連通する。同様に、任意の1系統の空気Aに対応する6個の流出口DA1は、第1面21のうち当該空気Aに対応する各溝部342(342a,342b,342c)に平面視で重なるように略等間隔でX方向に沿って配列し、基板20の貫通孔Hを介して各溝部342に連通する。
図10の側面図に例示される通り、第2面22の各領域32(32a,32b)には相互に別体の封止部26(26a,26b)が設置される。具体的には、封止部26aが領域32aに設置され、封止部26bが領域32bに設置される。各封止部26は、第2面22に貼着されるフィルム状(0.1mm程度の膜厚)の部材であり、第1面21側の封止部25と同様に、第2面22に形成された各溝部351(351a,351b)および各溝部352(352a,352b)を封止することで流路を構成する。
以上の例示の通り、本実施形態では、フィルム状の封止部25および封止部26が基板20に設置されるから、例えば所定の板厚の平板材を基板20に貼着することで流路を形成する構成と比較して流路構造体G1のZ方向の寸法(厚さ)を低減できるという利点がある。
また、本実施形態では、複数の封止部25が第1面21に設置されるから、第1面21の全体を単体の封止部25で被覆する構成と比較して封止部25の設置が容易である(各溝部の封止の不良を低減できる)という利点がある。封止部26についても同様である。
本実施形態の各封止部25および各封止部26は、基板20と共通の材料(ポリプロピレン等の熱可塑性の樹脂材料)で表層が形成され、当該表層の表面を加熱状態で基板20に押圧することで基板20に溶着される。したがって、各封止部25および各封止部26の設置が容易であるという利点がある。例えば、封止部25および封止部26は、PETとポリプロピレンとの積層で好適に構成される。
また、本実施形態では、各封止部25と各封止部26とが相互に別体に形成される。したがって、封止部25と封止部26とが一体に形成された構成と比較して封止部25および封止部26の設置が容易であるという利点がある。
図10および図11に例示される通り、第2面22の溝部351aは、基板20の貫通孔Hを介して第1面21の供給口SI1に連通する。また、第2面22の各溝部351(351a,351b)は、基板20の貫通孔Hを介して第1面21の各溝部341に連通する。具体的には、図10から理解される通り、溝部351aは溝部341aと溝部341bとに連通し、溝部351bは溝部341bと溝部341cとに連通する。すなわち、第1面21の溝部341aと溝部341bと溝部341cとが第2面22の溝部351aと溝部351bとを介して相互に連通する。
以上の説明から理解される通り、任意の1個の供給口SI1から第2面22の溝部351と第1面21の各溝部341とを経由して第2面22の6個の流出口DI1に至る図9の流路PI1が、4系統のインクの各々について形成される。すなわち、流路PI1は、供給口SI1に供給される1系統のインクIを6個の流出口DI1に分配する流路である。
他方、図10における第2面22の各溝部352bは、基板20の貫通孔Hを介して第1面21の供給口SA1に連通する。また、第2面22の各溝部352(352a,352b)は、基板20の貫通孔Hを介して第1面21の各溝部342に連通する。具体的には、溝部352aは溝部342aと溝部342bとに連通し、溝部352bは溝部342bと溝部342cとに連通する。すなわち、第1面21の溝部342aと溝部342bと溝部342cとが第2面22の溝部352aと溝部352bとを介して相互に連通する。
以上の説明から理解される通り、任意の1個の供給口SA1から第2面22の溝部352と第1面21の各溝部342とを経由して第2面22の6個の流出口DA1に至る図9の流路PA1が、2系統の空気Aの各々について形成される。すなわち、流路PA1は、供給口SA1に供給される1系統の空気A(A1,A2)を6個の流出口DA1に分配する流路である。
なお、本実施形態の流路PA1は、取付孔23を迂回するようにX-Y平面内で屈曲する。インクIの供給用の流路PI1を同様に屈曲させた場合には流路抵抗の増加が問題となるが、流路PA1に流通する流体は空気Aであるから、流路PA1の屈曲に起因した流路抵抗の増加は特段の問題とならない。
以上の通り、本実施形態の流路構造体G1には、供給口(SI1,SA1)から複数の流出口(DI1,DA1)に至る流路(PI1,PA1)が、インクIと空気Aとを含む複数の流体の各々について形成される。図10から理解される通り、本実施形態では、空気Aの分配用の2個の流路PA1の両側に、インクIの分配用の4個の流路PI1が2個ずつ位置する。
本実施形態に係る流路構造体G1の構成は以上の通りである。
以上に説明した通り、本実施形態では、各供給口(SI1,SA1)が基板20の第1面21に形成され、各流出口(DI1,DI2)が基板20の第2面22に形成されるから、基板の側面に供給口や流出口を形成して配管を接続する他の構成と比較して、Z方向からみた流路構造体G1のサイズが縮小される。したがって、液体噴射ヘッド14を小型化することが可能である。
<流路制御部G2>
図6に例示される通り、流路制御部G2の各流路制御ユニットU2のうち流路構造体G1との対向面には4個の供給口SI2と2個の供給口SA2とが形成される。流路構造体G1と各流路制御ユニットU2とが相互に固定された状態では、流路構造体G1の流出口DI1が流路制御ユニットU2の供給口SI2に挿入され、流路構造体G1の流出口DA1が流路制御ユニットU2の供給口SA2に挿入される。したがって、図9からも理解される通り、流路制御ユニットU2の各供給口SI2には流路構造体G1の各流出口DI1から各系統のインクIが供給され、流路制御ユニットU2の各供給口SA2には流路構造体G1の各流出口DA1から各系統の空気Aが供給される。
以上の例示の通り、本実施形態では、流路構造体G1の流出口DI1と各流路制御ユニットU2の供給口SI2とが直接的に接続されるから、例えば流出口DI1と供給口SI2とを配管で接続する構成と比較して、部品点数の削減や液漏れの防止等を実現することが可能である。
他方、図7に例示される通り、各流路制御ユニットU2のうち液体噴射部G3との対向面には4個の流出口DI2が形成される。図9に例示される通り、流路制御ユニットU2は、各供給口SI2から各流出口DI2に至る4系統の流路PI2を内包する。流路構造体G1による分配後に各流路制御ユニットU2に供給される4系統のインクIの各々が各流路PI2を経由して4個の流出口DI2から後段の液体噴射ユニットU3に並列に供給される。
図9に例示される通り、流路制御ユニットU2には、負圧発生部42と流路開閉部44と圧力調整部46とが4系統の流路PI2の各々について設置される。また、本実施形態の流路制御ユニットU2は、供給口SA2に供給された空気A1を各流路PI2に対応する4系統に分配する流路PA2_1と、供給口SA2に供給された空気A2を各流路PI2に対応する4系統に分配する流路PA2_2とを内包する。流路PA2_1で分配された空気A1が流路制御ユニットU2の4個の流路開閉部44に並列に供給され、流路PA2_2で分配された空気A2が流路制御ユニットU2の4個の圧力調整部46に並列に供給される。
図13は、流路制御ユニットU2の任意の1系統のインクIの流路PI2に着目した構成図である。図13に例示される通り、負圧発生部42は、流路PI2上に設置されて流路PI2内を所定の負圧に維持する。具体的には、通常状態では流路PI2を閉塞し、液体噴射ユニットU3によるインクIの噴射(消費)に起因して流路PI2内の負圧が所定値に到達した場合に自律的に流路PI2を開放してインクIを導入する圧力制御弁が、負圧発生部42として好適に採用される。
図13に例示される通り、流路PI2における負圧発生部42の下流側に流路開閉部44が設置され、流路開閉部44の下流側に圧力調整部46が設置される。すなわち、流路開閉部44は流路PI2上で負圧発生部42と圧力調整部46との間に位置する。
流路開閉部44は、流路PA2_1を介して供給される空気A1に応じて流路PI2の開閉(閉塞/開放)を制御する機構(チョーク弁)である。図13に例示された流路開閉部44は、インクIの流路PI2と空気A1の流路PA2_1との間に介在する可撓部材442と、可撓部材442を流路PA2_1側に付勢する弾性体444とを含んで構成される。流路PA2_1の空気A1が加圧されていない通常状態(減圧状態)では流路PI2が開放され、空気A1がポンプ16により加圧されると、図13に破線で図示される通り、弾性体444による付勢に対抗して可撓部材442が変形することで流路PI2が閉塞される。
図13の圧力調整部46は、流路PI2内の圧力(流路PI2の容積)を調整する機構であり、例えば流路PI2の負圧を解除する負圧解除弁である。具体的には、図13の圧力調整部46は、インクIの流路PI2と空気A2の流路PA2_2との間に介在する可撓部材462と、可撓部材462を流路PA2_2側に付勢する弾性体464とを含んで構成される。通常状態では流路PA2_2の空気A2が大気圧に設定(大気開放)され、空気A2がポンプ16により加圧されると、図13に破線で図示される通り、弾性体464による付勢に対抗して可撓部材462が流路PI2側に変形する(流路PI2の容積が減少する)ことで、負圧発生部42による負圧が解除される程度に流路PI2の圧力が増加する。
例えば液体噴射ユニットU3(噴射ヘッド部70)の清掃時にはインクIの流路の負圧が解除されたうえで各ノズルNからインクIが噴射される。ただし、負圧発生部42が有効な状態では、圧力調整部46による負圧の解除が阻害され得る。したがって、各ノズルNからインクIが充分に排出されない可能性や各ノズルNから気泡が進入する可能性がある。そこで、本実施形態では、流路PA2_1の空気A1を加圧することで流路開閉部44により流路PI2を閉塞してから、流路PA2_2の空気A2を加圧することで圧力調整部46により流路PIの負圧を解除する。
以上の動作によれば、流路開閉部44による流路PI2の閉塞で負圧発生部42と圧力調整部46とを相互に隔絶した状態(すなわち負圧発生部42による負圧の付与が無効とされた状態)で圧力調整部46による負圧の解除が実行されるから、流路開閉部44の下流側の流路の負圧を有効に解除できるという利点がある。
以上の説明から理解される通り、本実施形態の負圧発生部42と流路開閉部44と圧力調整部46とは、各インクIの流路PI2を制御する要素として機能し、流路制御部G2は、流路構造体G1による分配後の各系統の空気A(A1,A2)を利用して各流路PI2を制御する要素として包括的に表現される。本実施形態に係る流路制御部G2の各流路制御ユニットU2の構成は以上の通りである。
<液体噴射部G3>
液体噴射部G3は、流路制御部G2を経由した各系統のインクIをノズルNから噴射する。図6に例示される通り、液体噴射部G3の各液体噴射ユニットU3のうち流路制御部G2との対向面には4個の供給口SI3が形成される。流路制御部G2と液体噴射部G3(筐体142)とが相互に固定された状態では、各液体噴射ユニットU3の各供給口SI3が流路制御ユニットU2の各流出口DI2に挿入される。したがって、図9から理解される通り、各液体噴射ユニットU3の4個の供給口SI3には、流路制御ユニットU2の流出口DI2から各系統のインクIが並列に供給される。
液体噴射部G3の構造の詳細な説明は省略する。
(A-1-4)他の構成と効果
(2)更に、図3及び図4に表したように、本実施形態では、第1可撓性チューブ9aの第1延設部分15は、ラインヘッド14から第1の方向F1に離間した位置に該ラインヘッド14と共に昇降する際の支点部34を有し、第1延設部分15のラインヘッド上の長さL1は、該ラインヘッド14に最も近い本体3側の支点部34とラインヘッド14までの長さL2よりも長く構成されている。
第1可撓性チューブ9aがラインヘッド14の端部近傍で拘束され、その拘束部分が前記昇降の際の支点部34になる場合がある。
本実施形態によれば、第1延設部分15のラインヘッド14上の長さL1は、該ラインヘッド14に最も近い本体3側の支点34とラインヘッド14までの長さL2よりも長いので、該ラインヘッド14の昇降に伴って該ラインヘッド14に接続された第1可撓性チューブ9aに加わるストレスを、当該第1延設部分15によって吸収して低減することができる。
(3)更に、図3に表したように、本実施形態では、第1可撓性チューブ9aの第1延設部分15は、第2の方向F2へ射影した場合にラインヘッド14の幅内に位置する。更に、第2可撓性チューブ9bの第2延設部分29も、第2の方向F2へ射影した場合にラインヘッド14の幅内に位置する。
これにより、ラインヘッド14の昇降に際して可撓性チューブ9(9a、9b)が嵩張らず、装置を小型化することができる。
(4)更に、図13に表したように、本実施形態では、ラインヘッド14内でノズルNに至るまでの複数の流路のそれぞれに負圧発生部42が設けられている。
ここで、負圧発生部42は、既述の通り、ノズルNに連通する流路内を所定の負圧に維持するものであり、該負圧発生部42より下流側のノズルNまでの流路内の供給圧力を一定の所定圧にして該負圧発生部42の上流側における供給圧力のバラツキの影響を低減する機能を有するものである。
本実施形態によれば、負圧発生部42によって、ラインヘッド14の各ノズルNへの液体の供給圧力のバラツキを効果的に低減することができ、以ってノズルNから噴射される液滴の重量のバラツキを低減することができる。
また、ラインヘッド14のノズルNのクリーニング動作として、液体をノズルNから噴射させる動作があるが、該動作を実行する場合に、負圧発生部42を非動作状態にする構造のものがある。この構造の場合、クリーニングの際には前記流路長のバラツキが大きいとその影響を受けてクリーニング流速にバラツキが出る虞がある。
しかし、本実施形態によれば、上記の通り、第1継手10は、ラインヘッド14の長手方向において前記中央部分17bに配置されて、液体の供給口となる第1継手10からノズルNまでの流路長のバラツキを上記の通り小さくしている。従って、前記クリーニング流速にバラツキが出る虞を低減して効果的なクリーニングを実行することができる。
(5)上記第11の態様に対応する実施形態は、媒体Mを搬送する搬送経路が第1の方向F1に直交する平面上において該ラインヘッド14の周囲を囲んでいる構成であるが、この具体的な説明は後述する(図19、図35)。
(6)その他
(6-1)第2継手27は、前記配置と逆に、第1継手10よりも第1の方向F1における前記一方側(+X側)に配置される構造でもよい。
(6-2)第2可撓性チューブ9bを介してラインヘッドに供給する「気体」の使い方としては、ラインヘッド内の液体を加圧するために用いる以外に、ノズル面に付着したゴミ等を吹き飛ばすために用いる等が挙げられる。勿論、この使い方に限定されない。
(B)◆◆ラインヘッドの昇降でFFCが受ける問題への対処◆◆
ラインヘッドが昇降することによってFFCが受ける問題に対する対処の実施形態を以下説明する。
図14から図19を主に用いて本実施形態について説明する。尚、上記(A)の実施形態における構成部材と共通の構成部材については同一符号を付してその説明は省略する。
(B-1)実施形態1(図14、図15)
(B-1-1)構成
図14及び図15に基いて、ラインヘッドが昇降することによってFFCが受ける問題に対する対処の実施形態1について説明する。
これらの図においては、図面を解り易くするために第1可撓性チューブ9a及び第2可撓性チューブ9bの図示は省略されている。本実施形態においては、可撓性チューブ9の当該ラインヘッド14に対する接続位置や延設位置等は、図2から図4において説明したものと同じである。
尚、可撓性チューブ9の当該ラインヘッド14に対する接続位置や延設位置等は、図2から図4において説明したものと異なっているものでもよい。
図14及び図15に表したように、本実施形態のプリンター1は、第1の方向F1に沿って長尺なラインヘッド14と、ラインヘッド14に接続されたFFC50とを備えている。ラインヘッド14は、第1の方向F1に沿って複数の端子51が位置するコネクタ52を備え、第2の方向F2(Z方向と同じ)に図示しない昇降機構によって昇降する。
FFC50は、先端にコネクタ52と接続されるケーブル接続部分53を備える。更に、FFC50は、ケーブル接続部分53がコネクタ52に接続された状態において、第2の方向F2と直交するように、即ち水平にフラット面54が配置され、ケーブル接続部分53側から第1の方向F1における一方側(+X側)へ該第1の方向F1に沿って延設され、他方側(−X側)には延設されないケーブル延設部分55を備える。
ケーブル接続部分53とケーブル延設部分55との間にFFC50が折り曲げられた折り曲げ部分56を備える。即ち、FFC50は折り曲げ部分56を介してコネクタ52に接続される。
図15に示したように、本実施形態では、コネクタ52は、第2の方向F2においてケーブル延設部分55の位置より「降」側(−Z方向)、即ち下方に位置する。
そして、FFC50の折り曲げ部分56は、ケーブル延設部分55から折り曲げられ、フラット面54aが第2の方向F2と直交する第1折り曲げ部分56aと、第1折り曲げ部分56aから折り曲げられ、フラット面54bが第3の方向F3と直交する第2折り曲げ部分56bとを備える。この第2折り曲げ部分56bを介して下方に位置するコネクタ52に接続される。
尚、上記実施形態では、折り曲げ部分は2回異なる方向に折り曲げられているが、他の実施形態として、コネクタ52を、第2の方向F2においてケーブル延設部分55と同一平面に配置し、折り曲げ部分56を第1折り曲げ部分56aだけの構造にしてもよい。
また、図14に示したように、FFC50のケーブル延設部分55は、ラインヘッド14の長手方向の長辺に沿って隣接して位置する。本実施形態では、コネクタ52は、第1の方向F1に沿って配設される複数のコネクタ521,522,523,524,525を含む。FFC50も、第1の方向F1に沿って配設される複数のFFC501,502,503,504,505を含む。そして、これら複数のコネクタ521,522,523,524,525のそれぞれに複数のFFC501,502,503,504,505の各ケーブル接続部分53が接続される。
更に、図14に示したように、複数の各FFCC501,502,503,504,505の各ケーブル延設部分55は互いに重なるように配置される。本実施形態で、FFC501、502、503の3つがラインヘッド14の一方側に位置して重なり、FFC504、505の2つがラインヘッド14の他方側に位置して重なっている。尚、FFC50の数は前記5つに限定されず、他の複数の数、或いは一つでもよい。
(B-1-2)効果
上記実施形態によれば、FFC50は、第1の方向F1に沿って長尺なラインヘッド14のコネクタ52と接続されるケーブル接続部分53と、第2の方向F2に対して直交するようにフラット面54が配置され、ケーブル接続部分53側から、第1の方向F1における一方側(+X側)へ該第1の方向F1に沿って延設され、他方側(−X側)には延設されないケーブル延設部分55とを備えている。従って、ラインヘッド14が昇降移動した場合、その昇降に伴って該ラインヘッド14に接続されたFFC50にねじれが発生する虞を、第2の方向F2に対して直交するようにフラット面54が配置された当該ケーブル延設部分55によって低減することができる。また、前記昇降に伴ってFFC50に加わるストレスを軽減することができる。
また本実施形態によれば、折り曲げ部分56は、ケーブル延設部分55から折り曲げられ、フラット面54aが第2の方向F1と直交する第1折り曲げ部分56aと、該第1折り曲げ部分56aから折り曲げられ、フラット面54bが第3の方向F3と直交する第2折り曲げ部分56bとを備える。これにより、当該液体噴射装置の第3の方向における小型化を図ることができる。
また、複数のFFC501,502,503,504,505は、ケーブル延設部分55が重なるように配置されているので、ラインヘッド14が昇降しても複数のFFC501,502,503,504,505はかさばらない。以って装置の小型化を図ることができる。
(B-1-3)他の構成と効果
(1)更に、図14に表したように、ラインヘッド14は、第3の方向F3に沿って位置する複数のコネクタ523、525を備える。そして、これらのコネクタ523,525は、第1の方向F1における位置が重なるように、即ち略水平面内に配置されている。
これにより、ラインヘッド14の昇降移動に基くFFC503,504への前記ストレスのかかり方が同等になるので、該ストレスを効果的に軽減することができる。加えて、ラインヘッド14に複数のコネクタ52を高密度で配設することができる。
尚、第1の方向F1における位置が重なるように配置するコネクタ52としては、上記の一対(523、525)に限定されないことは勿論である。
(2)図1に基いて既述の通り、該プリンター1においては、ラインヘッド14は、該ラインヘッド14に対して第2の方向F2の一方側(+Z方向)に、即ち上方に設けられたカバーを兼ねる排出用トレイ7(図1)を開くことで装置本体3と分離可能に構成されている。即ち、ラインヘッド14は、排出用トレイ7を開けることにより装置本体3内の設置位置から上方に持ち上げて外部に取り出せるようになっている。
また、図15に示したように、本実施形態のプリンター1は、FFC50がラインヘッド14と接続される一端側(ケーブル接続部分53側)と反対側である他端側のケーブル接続部分58が接続される本体側コネクタ57を装置本体3に備えている。
更に、この本体側コネクタ57は、ラインヘッド14に対して、第2の方向F2の一方側(+Z方向)、即ちラインヘッド14の上面5より上方の位置に設けられている。これにより、FFC50の他端側のケーブル接続部分58は、ケーブル延設部分55の位置から上方に向かって立ち上がる立ち上がり部分59を介して本体側コネクタ57に接続されるようになっている。
≪ラインヘッドの取り外し≫
ラインヘッド14を当該プリンター1から取り外す場合に、先ずカバーを兼ねる排出用トレイ7を開き、装置本体3内のラインヘッド14に上方からアクセスできる状態にする。
次に、可撓性チューブ9(図14及び図15では図示を省略されている)をラインヘッド14から外し、更にFFC50の装置本体3側との接続を外す。FFC50の本体側コネクタ57は、カバー(排出用トレイ7)を開けた状態においてラインヘッド14の上方となる取り出し側に位置する。即ち、本体側コネクタ57は、上方から容易にアクセスできる位置に設けられている。従って、FFC50を本体側コネクタ57から容易に外すことができる。
続いて、ラインヘッド14を持ち上げて当該プリンター1の外部に取り外す。
このように、ラインヘッド14を当該プリンター1から容易に取り外すことができる。
(B-2)実施形態2(図16〜図18)
(B-2-1)構成
図16から図18に基いて実施形態2について説明する。
図16に表したように、本実施形態のプリンター1は、FFC50のケーブル延設部分55は、ラインヘッド14の長手方向の長辺に沿って隣接して位置し、5つの第1折り曲げ部分56aの内の3つは、ラインヘッド14に対してFFC50と反対側の位置まで延設された横断部66を有する。
詳しく説明すると、コネクタ521,522,523,524,525は、図14の配置と同じであるが、5つのFFC501,502,503,504,505は、図14の配置と異なり、いずれもラインヘッド14の一方側(コネクタ521,522,523と反対側、コネクタ524,525と同じ側)に配置されている。そのため、ラインヘッド14を横切る横断部66がFFC501,502,503の各第1折り曲げ部分56aに設けられている。
そして、5つのFFC501,502,503,504,505は、各ケーブル延設部分55が上下で重なるように配置されている。即ち、ケーブル接続部分53がコネクタ52に接続された状態において、各フラット面54が第2の方向F2と直交するように、即ち略水平に配置されている。
FFC501,502,503の各ケーブル接続部分58は、本体側コネクタ57に接続されている。
尚、複数のコネクタ52の配置に対応して横断部66の数が決まることになるので、横断部66は上記3つに限定されない。
図16に表したように、本実施形態では、ラインヘッド14の昇降方向における上面5に第1可撓性チューブ9a及び第2可撓性チューブ9bが設けられている。第1可撓性チューブ9a及び第2可撓性チューブ9bは、ラインヘッド14に対して図2から図4に示したものと同様の接続位置(第1継手10の位置)及び延設位置(第1延設部分15の配置)で設けられている。
更に、本実施形態では、各横断部66は、第1可撓性チューブ9a及び第2可撓性チューブ9bの下に配置されている。即ち、各横断部66は、ラインヘッド14の上面5と第1可撓性チューブ9a及び第2可撓性チューブ9bとの間に配置されている。
≪ラインヘッドの取り外し≫
図16から図18に基いて、プリンター1からラインヘッド14を取り外す場合について工程順に説明する。
(1)先ず、図1の状態からカバーである排出用トレイ7を開けて装置本体3内のラインヘッド14に上方からアクセス可能な図16の状態にする。
(2)次に、図17に表したように、第1可撓性チューブ9a及び第2可撓性チューブ9bをラインヘッド14から外して持ち上げ、装置本体3側に設けられている後述する保持部71、80(図23、図25)を用いて第1接続部分13を上にして保持する。
(3)次に、図18に表したように、本体側コネクタ57に接続されているFFC501,502,503を該本体側コネクタ57から外す。更に該FFC501,502,503をラインヘッド14からも外す。これにより、残りのFFC504,505にアクセスできる状態になる。
残りのFFC504,505は、本実施形態では、本体側コネクタ57を介さずに直接制御元の回路基板側(後述する電装部材83、図30)にまで引き回されて接続されている。
該FFC50は、各種の信号を送信するために使われるが、送信する信号の種類(高速転送等)によっては、複数のFFCをコネクタによって繋げて配線した場合にノイズの影響を大きく受ける場合がある。ノイズの影響を大きく受ける場合は、図18に表したように、コネクタを介さずに一本のFFCによってダイレクトに制御元(電装部材83、図30)と接続される。
そこで、残りのFFC504,505は、ラインヘッド14との接続部分(コネクタ524,525の部分)だけを外す。これにより、ラインヘッド14は可撓性チューブ9及びFFC50との接続から解放され、取り外しが可能な状態になる。そこで、ラインヘッド14を持ち上げて外部に取り出す。
(B-2-2)効果
本実施形態によれば、ケーブル延設部分55は、ラインヘッド14の長手方向の長辺に沿って一方側に位置し、第1折り曲げ部分56aの少なくとも一つはラインヘッド14に対して該FFC50と反対側となる他方側に延設された横断部66を有する。この横断部66によって、ラインヘッド14のコネクタ52の配置に対するFFC50の配置の自由度が増し、設計及び製造が容易になる。
ラインヘッド14を当該プリンター1から取り外して新しく交換する場合において、新たなラインヘッド14に第1可撓性チューブ9a及び第2可撓性チューブ9bを接続しない状態でラインヘッド14内に充填されている保護液の排出のための吐出動作等、所定のヘッド駆動を行う必要のあるものがある。
本実施形態によれば、FFC50の横断部66は、第1可撓性チューブ9a及び第2可撓性チューブ9bの下に配置されているので、FFC50の電気的接続状態だけを確保して上記所定のヘッド駆動を行い、その後に第1可撓性チューブ9a等をFFC50の横断部66の上に配置して接続することができる。従って、ラインヘッド14の交換が容易である。
(B-3)実施形態3(図19)
図19に基いて実施形態3について説明する。
図19に表したように、本実施形態では、プリンター1は、ラインヘッド14により液体が吐出される対象である媒体Mを搬送する搬送経路69を備えている。この搬送経路69は、第1の方向F1(X方向)に直交する平面上において該ラインヘッド14の周囲を囲んでいる。図19においては、搬送経路69は模式的に記載されている。
該搬送経路69は、媒体収容カセット4側からラインヘッド14のノズルNと対向する記録実行領域(液体吐出領域)を通って排出用トレイ7側に向かう片面記録用の搬送経路69aと両面記録用の反転経路69bとを含む。即ち、ラインヘッド14は、片面記録用の搬送経路69aと両面記録用の反転経路69bによって周囲を囲まれている。
尚、搬送経路69の構造は、後述の他の実施形態(図35)において詳しく説明される。
ここで、ラインヘッド14は、図2から図4で説明した可撓性チューブ9と、図14及び図15で説明したFFC50を備える。可撓性チューブ9及びFFC50は前記のものに限定されず、例えば図16乃至図18に表した構造のFFC50であってもよい。
本実施形態によれば、搬送経路69は、第1の方向F1(X方向)に直交する平面上において該ラインヘッド14の周囲を囲んでいるので、FFC50のケーブル延設部分55のフラット面54に沿って当該搬送経路69を配設することができる。また、可撓性チューブ9の各延設部分15、29に沿って当該搬送経路69を配設することができる。即ち、ラインヘッド14に近接して搬送経路69を設けることができ、装置の小型化を図ることができる。
(C)◆◆ラインヘッドから液体供給流路を取り外す際の問題への対処◆◆
ラインヘッドから液体供給流路を取り外す際に生じる問題に対する対処の実施形態を以下説明する。
図2から図4及び図20から図29を主に用いて本実施形態について説明する。尚、上記(A)(B)の各実施形態における構成部材と共通の構成部材については同一符号を付してその説明は省略する。
(C-1)実施形態1(図2から図4、図20から図23)
(C-1-1)構成
図2から図4に基いて、ラインヘッドから液体供給流路を取り外す際に生じる問題に対する対処の実施形態1について説明する。
図2から図4に表したように、本実施形態のプリンター1は、媒体Mが搬送される媒体搬送領域19と、媒体搬送領域19を搬送される媒体Mに液体を噴射するラインヘッド14と、ラインヘッド14に接続されてラインヘッド14に液体を供給する液体供給流路を成す第1可撓性チューブ9aとを備えている。第1可撓性チューブ9aは、鉛直方向(Z方向)において媒体搬送領域19との間にラインヘッド14が位置するように配置されている。即ち、第1可撓性チューブ9aは、ラインヘッド14に接続された状態では、下方の媒体搬送領域19と直接面することのない配置になっており、仮に第1可撓性チューブ9aから液漏れが生じたとしても、間にラインヘッド14が在ることで、漏れた液体が媒体搬送領域19にダイレクトに垂れる虞を低減している。
本実施形態では、第1可撓性チューブ9aのラインヘッド14に接続された接続部(第1接続部分13)は、ラインヘッド14の上面5に位置する。そして、第1可撓性チューブ9aは、第1接続部分13がラインヘッド14の第1継手10に接続された状態において、該第1継手10及び第1接続部分13の位置からラインヘッド14の上面5を通って媒体Mの搬送方向FM(図2、図3)と交差する方向(第1の方向F1)に延設された延設部分(第1延設部分15)を有している。更に、第1延設部分15であってラインヘッド14の上面5の外側になる部分は、媒体搬送領域19の外側に位置するように構成されている。
また、図22に一例として表したように、第1可撓性チューブ9aをラインヘッド14から外した状態で媒体搬送領域19の範囲外において第1可撓性チューブ9aの接続部(第1接続部分13)を上方にして保持する保持部71を備えている。尚、保持部71の構造は特定の構造に限定されない。第1可撓性チューブ9aをラインヘッド14から外した状態で媒体搬送領域19の範囲外において第1接続部分13を上方にして保持することができる構造であればよい。
≪ラインヘッドの取り外し≫
ここで、図20から図23に基いて、本実施形態においてプリンター1からラインヘッド14を取り外す場合について工程順に説明する。
(1)先ず、図1の状態からスキャナーユニット2を少し回動させて排出用トレイ7の上部空間を拡大し、作業しやすくする。そして、カバーである排出用トレイ7を開ける(図20)。更に、装置本体3内においてラインヘッド14の上方に位置する搬送経路69(図19)の一部を取り外して該ラインヘッド14に上方からアクセス可能な状態にする(図21)。この状態のラインヘッド14と液体収容体18の部分だけを表すと図2乃至図4となる。
(2)次に、図22に表したように、可撓性チューブ9(第1可撓性チューブ9a及び第2可撓性チューブ9b)の各接続部(第1接続部分13、第2接続部分28)をラインヘッド14の各継手(第1継手10、第2継手27)から外して持ち上げる。そして、装置本体3側に設けられている保持部71に第2接続部分28を係止し、これにより第1接続部分13及び第2接続部分28を上にして吊下げた状態で保持する。
次に、FFC50(図14、図16等)をラインヘッド14から外す。これにより、ラインヘッド14は可撓性チューブ9及びFFC50との接続から解放され、取り外しが可能な状態になる。
(3)次に、図23に表したように、ラインヘッド14をその装置本体3内の設置位置から持ち上げて外部に取り出す。その後、ラインヘッド14に必要なメンテナンスを施して、或いは新しいラインヘッド14に換えて、上記と逆の工程で装置本体3内の設置位置に設置し、可撓性チューブ9及びFFC50を接続する。
(C-1-2)効果
本実施形態によれば、液体供給流路である第1可撓性チューブ9aは、鉛直方向において媒体搬送領域19との間にラインヘッド14が位置するように配置されている。即ち、第1可撓性チューブ9aの下側にラインヘッド14が存在する。これにより、第1可撓性チューブ9aの第1接続部分13から液体が漏れても、媒体搬送領域19に液体が直接垂れ落ちる虞を低減することができる。
また、本実施形態によれば、第1可撓性チューブ9aをラインヘッド14から外す場合は、第1可撓性チューブ9aの第1接続部分13をラインヘッド14の第1継手10から外し、更に第1可撓性チューブ9aの第1接続部分13を上方に持ち上げながらラインヘッド14の上面に沿って移動することにより、第1接続部分13から液体が垂れた場合でも、媒体搬送領域19の上側にラインヘッド14が位置しているので、前記液体が該媒体搬送領域19に直接落下する虞を低減することができる。そして、第1可撓性チューブ9aの第1接続部分13が持ち上げられてラインヘッド14の上面5から外れた外側の領域に到達する際は、その位置は媒体搬送領域19の範囲外になる。従って、第1可撓性チューブ9aの第1接続部分13の真下には媒体搬送領域19が存在しないので、同様に液体が媒体搬送領域19に直接落下する虞を低減することができる。
また、本実施形態によれば、第1可撓性チューブ9aをラインヘッド14から外した状態で第1接続部分13を上方にして保持する保持部71を備えるので、ラインヘッド14を取り外してメンテナンスを行う際に、前記外した状態の第1可撓性チューブ9aが邪魔にならず、メンテナンス性が向上する。
また、保持部71は媒体搬送領域19の範囲外に位置するので、保持部71に保持された状態の第1可撓性チューブ9aから媒体搬送領域19に液体が垂れ落ちる虞を低減することができる。
(C-2)実施形態2(図4、図23)
図4、図23に基いて、ラインヘッドから液体供給流路を取り外す際に生じる問題に対する対処の実施形態2について説明する。
図23に表したように、本実施形態のプリンター1においては、ラインヘッド24は当該プリンター1に対して着脱可能であり、更に保持部71はラインヘッド14の着脱経路から外れる位置に設けられている。着脱経路とは、ラインヘッド14を装置本体3内の設置位置から上方に持ち上げて取り出す際に該ラインヘッドが通る領域を意味する。
このように、保持部71は、ラインヘッド71の着脱経路から外れる位置に設けられているので、該ラインヘッド14の修理や交換等のメンテナンスの際に装置本体3の外に取り出すが、該保持部71は前記取り出しの邪魔にならない状態で可撓性チューブ9を保持することができる。
また、図4に表したように、本実施形態においては、既述の通り、ラインヘッド14に供給される液体を収容する液体収容体18(図4)を該ラインヘッドの位置よりも上方の位置に備えている。そして、保持部71に保持された状態における第1可撓性チューブ9aの第1接続部分13の位置73(図4)は、液体収容部18の液体の出口72の中心位置より上であるように構成されている。
これにより、ラインヘッド14から外した状態の第1可撓性チューブ9aの第1接続部分13から液体が垂れる虞を抑制することができる。
(C-3)実施形態3(図24)
図24に基いて、ラインヘッドから液体供給流路を取り外す際に生じる問題に対する対処の実施形態3について説明する。
図24に表したように、第1可撓性チューブ9aは、複数の流路体(一番チューブ9a(C)、二番チューブ9a(M)、三番チューブ9a(Y)及び四番チューブ9a(K))から成る。更に、第2可撓性チューブ9bは2本の流路体(一番チューブ9b(A1)、二番チューブ9b(A2))から成る。
本実施形態では、これらの第1可撓性チューブ9aと第2可撓性チューブ9bの接続部(第1接続部分13及び第2接続部分28)を上方に持ち上げる際に、該接続部(第1接続部分13及び第2接続部分28)がラインヘッド14の上面5に沿って移動することをサポートするサポート機構74を備えている。
ここで、サポート機構74による「サポート」とは、液体供給流路である第1可撓性チューブ9aの接続部(第1接続部分13)を上方に持ち上げる際に該接続部(第1接続部分13)がラインヘッド14の上面に沿って移動するようにガイドすることを意味し、機械的構造によるガイド、矢印や移動先の目標位置に設けられたマークや前記保持部71、その他の移動先の目印となる表示(目標表示)によるガイド等が挙げられる。
本実施形態のサポート機構74は、機械的構造によるガイドで具体的には以下のように構成されている。
図24に表したように、このサポート機構74は、ラインヘッド14に設けられ、可撓性チューブ9の延設部分(第1延設部分15、第2延設部分29)に沿って両側に位置し、第1可撓性チューブ9aと第2可撓性チューブ9bの接続部(第1接続部分13及び第2接続部分28)をラインヘッド14の上面5に沿って上方に持ち上げる際の持ち上げ方向に沿う規制面75a、76aを有する板状の規制部75、76である。
本実施形態によれば、可撓性チューブ9の接続部(第1接続部分13及び第2接続部分28)を上方に持ち上げる際に当該サポート機構74にサポートされて該接続部(第1接続部分13及び第2接続部分28)をラインヘッド14の上面5に沿って容易に移動することができる。
具体的には、サポート機構74を成す規制部75、76の規制面75a、76aは、可撓性チューブ9の接続部(第1接続部分13及び第2接続部分28)をラインヘッド14の上面5に沿って上方に持ち上げる際の持ち上げ方向に沿っている。従って、規制部の規制面75a、76aは、可撓性チューブ9の接続部(第1接続部分13及び第2接続部分28)を上方に持ち上げる際に、該接続部がラインヘッド14の上面5に沿って移動するように自然に促す作用をする。即ちサポートする。
また、可撓性チューブ9は、延設部分(第1延設部分15、第2延設部分29)における複数の流路体(第1可撓性チューブ9aの4本と第2可撓性チューブ9bの2本)のラインヘッド14の上面5における位置が、規制部75、76の規制面75a、76aによって両側から規制される。従って、該規制部75、76は、前記複数の流路体(4本の9aと2本の9b)がラインヘッド14上でばらつくことを抑制することができる。
(C-4)実施形態4(図3、図25)
図3、図25に基いて、ラインヘッドから液体供給流路を取り外す際に生じる問題に対する対処の実施形態4について説明する。
本実施形態のサポート機構74は以下のように構成されている。
図25に表したように、サポート機構74は、可撓性チューブ9の接続部(第1接続部分13及び第2接続部分28)を上方に持ち上げてラインヘッド14の上面5に沿って移動する方向線77(図3)上の位置に設けられ、移動先の位置を示す目標表示78(図3、図25)である。
本実施形態における目標表示78は単なるマークではなく、装置本体3の対応する位置に設けられて可撓性チューブ9が収まる凹溝79である。目標表示78は単なるマークであって勿論よい。凹溝79には可撓性チューブ9の第1接続部分13が収まって保持される保持部80も設けられている。この保持部80も目標表示78として機能する。
尚、図25は可撓性チューブ9及び第1接続部分13が凹部79及び保持部80に収まる直前の状態である。
本実施形態によれば、可撓性チューブ9の接続部(第1接続部分13及び第2接続部分28)を上方に持ち上げてラインヘッド14の上面5に沿って移動する方向線77上の位置に移動先の位置を示す目標表示78が設けられている。従って、該目標表示78は、可撓性チューブ9の接続部(第1接続部分13及び第2接続部分28)を上方に持ち上げる際に、該接続部がラインヘッド14の上面5に沿って移動するように自然に促す、即ちサポートすることができる。
更に、目標表示78は単なるマークではなく、装置本体3の対応する位置に設けられて可撓性チューブ9が収まる凹溝79であるので、ラインヘッド14から外した可撓性チューブ9を凹溝79内に収めた状態で保持することができる。これにより、ラインヘッド14の取り出しの際の邪魔になる虞を一層低減することができる。
(C-5)実施形態5(図26)
図26に基いて、ラインヘッドから液体供給流路を取り外す際に生じる問題に対する対処の実施形態5について説明する。
図26に表したように、ラインヘッド14は、第1可撓性チューブ9aの第1接続部分13が接続する第1継手10が設けられている部位に液体を溜めて下方への流出を止める液体溜め部181を備えている。
ここで、「液体を溜めて下方への流出を止める」における「流出を止める」とは、本願明細書では、液体が完全に下方へ流出しないように止める構造に限定されず、下方への流出を抑制できる構造も含む意味で使われている。
本実施形態によれば、第1可撓性チューブ9aの第1接続部分13をラインヘッド14の第1継手10から上方に向かって外した際に液体が漏れても、液体溜め部181によって前記液体の下方への流出を止めることができる。以って、媒体搬送領域19に液体が垂れ落ちる虞を低減することができる。
ここで、ラインヘッド14は、液体吐出領域を往復移動するシリアル型の液体吐出ヘッドに比べてサイズも大きく形状も長いので、液体を一時的に溜める液体溜め部181を設ける場所を確保しやすい。
(C-6)他の構成
(1)サブタンク
図2から図4及び図27から図29に表したように、ラインヘッド14と液体収容体18との間の液体供給流路(第1可撓性チューブ9a等)には、ラインヘッド14による記録を中断することなく液体収容体18の交換を可能にするために、液体収容体18とラインヘッド14との間の液体供給流路に、液体を貯留可能な液体室24を有するサブタンク33が設けられている。図27において、符号49は背面カバーである。
図28、図29に表したように、サブタンク33は、液体のラインヘッド14に向かう流れ方向の上流側に位置する第1サブタンク33Aと、下流側に位置する第2サブタンク33Bのセットを2つ含む。そして、サブタンク33は、第1プレート37と第2プレート38を螺子47を締め付けて接合することで形成されている。各サブタンク33A、33Bの各液体室24は、フィルム39で構成された面を有し、該フィルム39は付勢部材40によって加圧されている。フィルム39の周縁部はOリング48によって大気と遮断されている。液体室24は、該フィルム39の変位により液体を貯留する空間容積が変化する。付勢部材40は前記空間容積を減少させる方向に付勢する。
液体収容体18内から加圧ポンプ109(後述する図36参照)で加圧されて送られる液体は、第1サブタンク33A用の液体入口41から該第1サブタンク33Aの液体室24内に導入されて溜まり、更に液体出口43から出て、チューブ45(図28)を通り、再び第2サブタンク33B用の液体入口41から第2サブタンク33Bの液体室24内に導入されて溜まり、更に液体出口43から出て、ラインヘッド14側に送られる。
以上の構成において、液体収容体18からサブタンク33を介してラインヘッド14に至る液体供給流路は、大気圧よりも高圧状態にある。そのため、ラインヘッド14を装置本体3から取り外す場合に、単に第1可撓性チューブ9aをラインヘッド14の第1継手10から外すと、該第1可撓性チューブ9a内の液体が噴き出ることになる。そこで、各動作を制御する制御部(後述する電装部材83、図30)は、液体供給流路内の加圧状態を解除するための加圧解除用シーケンスを通常備えている。
しかし、この加圧解除用シーケンスが正常に動作しない場合、第1可撓性チューブ9aをラインヘッド14の第1継手10から外すことができない。
本実施形態のプリンター1では、このような場合に、サブタンク33を構成する第1プレート37と第2プレート38を接合する螺子47を緩めることで、液体室24の空間容積を変えることができ、それにより前記加圧状態を解除することが可能である。即ち、第1可撓性チューブ9aをラインヘッド14の第1継手10から外した際に、該第1可撓性チューブ9a内の液体が噴き出る虞を低減できる。
(2)ラインヘッド14に接続されて該ラインヘッド14に液体を供給する「液体供給流路」として、前記実施形態では可撓性チューブ9が使われているが、この可撓性チューブ9に限定されない。「液体供給流路」の少なくとも一部が可撓性チューブで構成されていればよい。即ち、該「液体供給流路」をラインヘッド14から外して前記「一部の可撓性チューブ」の部分を変形させて縦向きにし、保持部71、79に保持させる構造でもよい。
(3)ラインヘッド14の上面5と液体供給流路との間にカバー部材を設けてもよい。このカバー部材によって液体供給流路の着脱時に液体が垂れても該垂れた液体がラインヘッド14上に直接落ちる虞を低減できる。
(4)詳細は後述する(図35、図37)が、ラインヘッド14のノズルNのノズル形成面81と対向して媒体Mを支持する支持部105(プラテン、搬送ベルト等)を、「媒体支持位置111」と「退避位置112」との両位置を取り得るように構成し、液体供給流路をラインヘッド14から外す際やラインヘッド14を装置本体3から取り外す際には、前記支持部105を「退避位置112」に移動させてラインヘッド14及び液体供給流路の真下から退避させる構成にしてもよい。ここで、前記支持部105は、媒体Mの下面を静的に支持する支持部(プラテンと称されることが多い)と、媒体Mを動的に支持する移動ベルト等の支持部が含まれる。
更に、前記支持部105を退避位置に移動させた後、ラインヘッド14のノズル形成面81に接してノズルNを封止する後述するキャップ部材106をラインヘッド14の下方に移動させて位置させるようにしてもよい。
これらにより、液体漏れによる被害を抑制することができる。
(5)ラインヘッド14を交換や修理等のために装置本体3から取り外す際に、各動作を制御する制御部(後述する電装部材83、図30)が、前記支持部105やキャップ部材106を前記液体漏れによる被害を抑制できる位置に自動的に移動させるシーケンスを備えていてもよい。
(6)ラインヘッド14の第1継手10から外した状態の第1可撓性チューブ9aは、その第1接続部分13をクランプ等を用いて閉塞させるのが、垂れや汚損を避けるためには好ましい。
(7)ラインヘッド14から第1可撓性チューブ9aの接続を解除する方向は、上記説明から理解できるように、ラインヘッド14を取り外す際に該ラインヘッド14にアクセスする方向と同方向(上下方向)である。従って作業性がよい。
(D)◆◆払拭部材を設置場所から取り外す際の問題への対処◆◆
ラインヘッドのノズル形成面を払拭する払拭部材を設置場所から取り外す際に生じる問題に対する対処の実施形態を以下説明する。
図2から図4及び図30から図37を主に用いて本実施形態について説明する。尚、上記(A)(B)(C)の各実施形態における構成部材と共通の構成部材については同一符号を付してその説明は省略する。
(D-1)実施形態1(図2から図4、図30から図37)
(D-1-1)構成
図2から図4及び図30から図37に基いて、設置場所から払拭部材を取り外す際に生じる問題に対する対処の実施形態1について説明する。
図2から図4及び図30から図37に表したように、本実施形態のプリンター1は、媒体Mに対し複数のノズルNから液体を噴射するラインヘッド14と、ノズルNが形成されているノズル形成面81(図2、図4)を払拭可能な払拭部材(ワイパーとも称されることもある)82を有する払拭ユニット91と、電気的制御を司る電子回路基板等で構成される電装部材83とを備えている。払拭部材82は該プリンター1の装置本体3に対して着脱可能に構成されている。そして、電装部材83は払拭部材82を着脱する際の着脱経路84の下方とは異なる場所に配置されている。
図31から図34に表したように、払拭ユニット91は、本実施形態では、払拭部材82、保持部85、キャリッジ86、及びモーター89を主な構成要素としている。
払拭部材82は、保持部85に保持されている。保持部85は、キャリッジ86に着脱可能に一例としての螺子87で取り付けられている。これにより、螺子87を外すことにより払拭部材82は保持部85に保持された状態でキャリッジ86から外すことができる。
キャリッジ86は、ねじ軸88に移動可能に取り付けられている。ねじ軸88は、モーター89の回転がウォームギヤ90を介して伝達されて回転する。このねじ軸88が回転することでキャリッジ86がねじ軸88の長手方向である第1の方向F1(ラインヘッド14の長手方向、媒体Mの搬送される方向FMと交差する方向)に移動し、該払拭部材82はラインヘッド14のノズル形成面81を払拭する。
図において、符号104はガイドであり、払拭部材82をスライド可能に支持してねじ軸88の長手方向(第1の方向F1)への移動を安定化させる。
払拭部材82は、上記の通り、媒体Mが搬送される方向FMに対して交差する方向(ラインヘッド14の長手方向)に移動可能である。そして、この移動可能な方向の少なくとも一方の位置において取り外し可能に構成されている。この取り外し可能な位置は、本実施形態では、当該プリンター1の後面側である。
即ち、図30に表したように、本実施形態では当該プリンター1の後面の背面カバー49を開けると、前記移動した払拭部材82にアクセスできるようになっている。これにより、背面カバー49を開けて螺子87を外すことで、該払拭部材82を装置本体3の外部に取り外すことができる。
また、本実施形態では、払拭部材82は、当該プリンター1の装置本体3から取り外す際は、前記モーター89の動作を制御する制御部である電装部材83によって前記着脱を行える位置に自動的に移動するように構成されている。
また、図30に表したように、本実施形態では、払拭部材82をプリンター1の装置本体3に対して着脱する側に、該装置本体3の筐体を成す背面カバー49が上記の通り開閉可能に設けられている。この背面カバー49の内面に電装部材83が取り付けられている。そして、該背面カバー49を開けると当該電装部材83は払拭部材82の着脱経路84から退避するように構成されている。
即ち、背面カバー49が閉じられている通常状態では、電装部材83は前記着脱経路84に位置している。しかし、払拭部材82を取り外すために背面カバー49を開けると、自動的に当該電装部材83は払拭部材82の着脱経路84から退避する。
ここで、着脱経路84とは、払拭部材82をプリンター1に対して着脱する際に、該払拭部材82がその着脱動作によって通る可能性のある領域のことである。単純な言い方をすると払拭部材82を着脱する際の作業領域を意味する。
また、上記構造において、「払拭部材82は該プリンター1の装置本体3に対して着脱可能」における「着脱可能」とは、本願明細書では、ノズル形成面81に接触して払拭する払拭部材82の部分を交換や修理するために着脱すること、払拭ユニット91の一部又は全部を交換や修理するために着脱することの両方を含む意味で使われている。
本実施形態では、上記の通り、払拭部材82と保持部85が着脱可能になっているが、払拭部材82だけ、或いは払拭ユニット91全体を着脱可能に構成してもよい。
≪払拭部材の取り外し≫
ここで、図30から図34に基いて、本実施形態においてプリンター1内の設置位置から払拭部材82を取り外す場合について工程順に説明する。
(1)先ず、プリンター1の後面の背面カバー49を開ける(図30)。これにより、電装部材83は払拭部材82の着脱経路84から自動的に退避する。
(2)払拭部材82は、本実施形態では、ねじ軸88が回転して取り外し可能な位置に自動的に移動する。このように自動的に移動する構成でない場合は、取り外し可能な位置に移動させる。
(3)次に螺子87を外すことにより、払拭部材82は保持部85に保持された状態でキャリッジ86から外すことができる。その際、電装部材83は払拭部材82の着脱経路84から退避しているので、払拭部材82から液体が垂れても電装部材83には付着する虞は少ない。
尚、本実施形態では、払拭部材82と保持部85の部分だけを取り外す場合について説明したが、払拭ユニット91全体を取り外す構造の場合は、その全体を取り外す。
(D-1-2)効果
本実施形態によれば、電子回路基板等の電装部材83は、払拭部材82を着脱する際の着脱経路84の下方とは異なる場所(開状態の背面カバー49の内面)に配置されているので、払拭部材82を交換や修理のために設置場所から取り外す際に、電装部材83に払拭部材82に付着している液体が垂れる虞を低減することができる。
また、長尺なラインヘッド14の場合は、該ラインヘッド14は移動せず、払拭部材82をラインヘッド14のノズル形成面81に沿って移動させて払拭する場合が多い。本実施形態によれば、このように移動可能な払拭部材82を、その移動可能な方向の少なくとも一方から取り外し可能であるので、該払拭部材82の交換や修理等のための取り外しを容易に行うことが可能になる。
本実施形態によれば、電子回路基板等の電装部材83は、筐体に設けられた開閉可能な背面カバー49の内面に取り付けられ、該カバー49を開けることで払拭部材82の着脱経路84から退避する。これにより、払拭部材82をメンテナンスするとき以外は着脱経路84に位置している電装部材82を、該払拭部材82をメンテナンスする際は前記カバー49を開けるだけで、着脱経路84から退避させることができる。従って、払拭部材82を設置場所から取り外す際に前記カバー49を開けるだけで、電装部材83に液体が垂れ落ちる虞を低減できる状態にすることができる。
(D-2)実施形態2(図31から図34、図36)
図31から図34、図36に基いて、設置場所から払拭部材を取り外す際に生じる問題に対する対処の実施形態2について説明する。
図31から図34及び図36に表したように、本実施形態のプリンター1においては、払拭部材82を保持する保持部85は、前記払拭動作によってノズル形成面81から払拭された液体が溜まる貯留部92を備える。この貯留部92に溜まった液体は満杯になる前に貯留部92から排出する必要がある。
その排出手段として、払拭部材82が移動する移動端において保持部85と係合する係合部材93を備えている。本実施形態の係合部材93は、保持部85との係合状態において液溜め部92と連通する連通部96として内部に吸引路を有する吸引針97を備えている。一方、保持部85は、吸引針97を受け入れる受け入れ孔101を備え、該受け入れ孔101は吸引針97の挿抜によって流路を開閉する弁102を備える。
図36に表したように、連通部96には吸引部である減圧ポンプ110による負圧が付与される。この負圧の付与により貯留部92内の液体は排出され、廃液貯留部98に送られる。図36において、符号99は減圧室である。尚、減圧ポンプ110、廃液貯留部98及び減圧室99は、後述するキャップ部材106(図36、図37及び図38以降)に対して設けられているものが兼用されている。
払拭部材82の係合部材93との係合(受け入れ孔101に吸引針97が挿入)は、払拭動作毎に実行される。尚、払拭動作毎でなくてもよい。
払拭部材82は、当該プリンター1の装置本体3から取り外す際には係合部材93との係合位置94(図31の位置)から前記着脱を行える位置95(図32の位置)に移動可能である。この係合位置94から着脱を行える位置95への移動は、当該プリンター1から払拭部材82を取り外す指令が電装部材83(制御部)に送られることで自動的に実行されるように構成することが望ましい。
本実施形態によれば、払拭部材82は、当該プリンター1から取り外す際は、移動端における係合位置94から前記着脱を行える位置95に移動可能であるので、払拭部材82の交換や修理等のための取り外しを容易に行うことが可能になる。
また、払拭部材82を移動させて払拭することで液体が集められ、その液体は払拭部材82の液溜め部92に溜まる。払拭部材82が係合位置94に移動して係合部材93と係合すると、その係合により係合部材93の連通部96が液溜め部92の受け入れ孔101に挿入されて連通状態になる。この連通状態において連通部96に吸引部である減圧ポンプ110(図36)から負圧が作用することで、液溜め部92に集められた液体は排出される。
更に、払拭部材82は、当該プリンター1から取り外す際は、移動端における前記係合位置94における連通部96との連通状態を解除して前記着脱を行える位置95に移動可能であるので、払拭部材82の交換や修理等のための取り外しを容易に行うことが可能になる。
(D-3)実施形態3(図31、図32)
図31及び図32に基いて、設置場所から払拭部材を取り外す際に生じる問題に対する対処の実施形態3について説明する。
図31及び図32に表したように、本実施形態のプリンター1においては、払拭部材82を清掃する清掃部103を備える。清掃部103は、モーター89側に設けられ、上下に移動可能である。払拭部材82を清掃する際は下がって清掃位置に移動する。非清掃時は上がって退避位置に移動している。また、この清掃部103は、払拭部材82と同じ方向に着脱可能に構成されている。
本実施形態によれば、払拭部材82を清掃する清掃部103を修理や交換等のために取り外す際に、同様に電子回路基板等の電装部材83に液体が垂れ落ちる虞を低減することができる。
(D-4)他の構成
(1)清掃部103は、上記実施形態では、その着脱方向が払拭部材81の着脱方向と同じであるとして説明したが、反対側に着脱可能に構成してもよい。
(2)図37に表したように、ラインヘッド14のノズルNの形成面と対向して媒体Mを支持する支持部105(プラテン、搬送ベルト等)を、媒体支持位置111(図37(A))と退避位置112(図37(B))との両位置を取り得るように構成し、払拭部材82を修理や交換等のために取り外す際には、支持部105を退避位置112(図37(B))に移動させてラインヘッド14及び液体供給流路の真下から退避させる構成にしてもよい。ここで、支持部105は、媒体Mの下面を静的に支持する支持部(プラテンと称されることが多い)と、媒体Mを動的に支持する移動ベルト等の支持部が含まれる。図35及び図37では支持部はプラテンである。
更に、ラインヘッド14のノズル形成面81に接してノズルNを封止するキャップ部材106も封止位置113(図37(B))から離間した退避位置114(図37(A))に退避させるようにしてもよい。図において、符号107は、キャップ部材106の前記各位置間の移動をガイドするガイドレール、符号108は大気解放機構である。
これらにより、払拭部材82からの液体垂れによる被害を抑制することができる。
(3)払拭部材82を修理や交換等のために取り外す際に、各動作を制御する制御部が、払拭部材82を着脱を行える位置95に移動させ、前記支持部105及び/又はキャップ部材106を前記退避位置112,114に自動的に移動させるシーケンスを備えていてもよい。
(4)図35から図36に表したように、払拭部材83は、装置本体3内の設置位置からの取り外しを搬送経路69の下側で行えるように設けられている。
これにより、払拭部材82は、前記取り外しを搬送経路69の下側で行えるので、払拭部材82を、プリンター1から取り外す際に液体が垂れても搬送経路69に落下する虞を低減できる。
(E)◆◆ラインヘッドに対するキャップ部材を設置場所から取り外す際の問題への対処◆◆
ラインヘッドに対するキャップ部材を設置場所から取り外す際に生じる問題に対する対処の実施形態を以下説明する。
図35から図37、図38から図46を主に用いて本実施形態について説明する。尚、上記(A)(B)(C)(D)の各実施形態における構成部材と共通の構成部材については同一符号を付してその説明は省略する。
(E-1)実施形態1(図35から図37、図38から図45)
(E-1-1)構成
図35から図37、図38から図45に基いて、ラインヘッドに対するキャップ部材を設置場所から取り外す際に生じる問題に対する対処の実施形態1について説明する。
図35から図37、図38から図45に表したように、本実施形態のプリンター1は、搬送される媒体Mに対し複数のノズルNから液体を噴射するラインヘッド14と、ラインヘッド14を封止可能なキャップ部材106と、媒体Mを搬送する搬送経路69とを備える。搬送経路69は、その一部が当該プリンター1の装置本体3に対して着脱可能な着脱ユニット115になっている(図40)。
キャップ部材106は、着脱ユニット115を取り外した状態において、該着脱ユニット115と同じ方向Fc(図35、図40、図44)に取り外すことが可能に構成されている。この方向Fcは当該プリンター1の左方向である。装置本体3の左面を成す筐体には、開閉可能なカバー118が設けられている(図38)。
キャップ部材106は、図36及び図37に基いて説明したように、ラインヘッド14の非使用時にはそのノズル形成面81に接してノズルNを封止する。キャップ部材106は、ガイドレール107にガイドされて封止位置113(図37(B))と退避位置114(図37(A))に移動する。封止位置にあるキャップ部材106に吸引部である減圧ポンプ110による負圧が付与されると、ラインヘッド14のノズルNから液体が吸引排出される。キャップ部材106内に排出された液体は廃液貯留部98に送られる。
図35に表したように、着脱ユニット115は、湾曲反転経路116を有し媒体Mを搬送経路69の外に排出する排出ユニット117である。
媒体Mの搬送経路69は、媒体Mの搬送中に詰り(「ジャム」とも言われる)等のトラブルが発生することがある。該搬送経路69の一部又は全部を当該プリンター1の装置本体3に対して着脱可能に構成することで、そのトラブル処理が行い易くなる。本実施形態では、排出ユニット117の他にも、排出用トレイ7の直下に位置する部分がラインヘッド14を上方に取り出せるようにするために着脱可能に構成されている(図20及び図21、図35)。
上記構造において、「キャップ部材106は、…(略)…取り外すことが可能」における「取り外す」とは、本願明細書では、ラインヘッド14のノズル形成面81に直接接触して封止する部材であるキャップ部材106を交換や修理するために取り外すこと、キャップ部材106を保持する保持部126(図44)やキャップ部材106の封止動作に関わる移動機構121等を含むキャップユニット119(図44)の一部又は全部を交換や修理するために取り外すことの両方を含む意味で使われている。
キャップ部材106は、移動機構121によってラインヘッド14のノズル形成面81に対する封止位置113(図37(B))と退避位置114(図37(A))との間を移動可能にキャップユニット119に設けられている。
本実施形態では、キャップ部材が装着された状態のキャップユニット119が当該プリンター1の装置本体3から取り外すことが可能に構成されている。移動機構121は、ガイドレール107及びガイドレール107に案内されて移動するための駆動機構(図示せず)等を備え、制御部(電装部材83)によってその動作が制御される。
更に、図36、図40及び図41に表したように、キャップ部材106に負圧を作用させてラインヘッド14内の液体を吸引する吸引部である減圧ポンプ110と、一方がキャップ部材106側に接続され、他方が減圧ポンプ110側に接続される第1チューブ122とを備えている。第1チューブ122は、前記減圧ポンプ110側との接続が該キャップ部材106を取り外す方向に前記接続を解除可能に構成されている。
本実施形態では、図36及び図41に表したように、減圧ポンプ110と第1チューブ122との間に中継流路130を備えている。即ち、第1チューブ122の前記他方は中継流路130に接続されている。中継流路130と減圧ポンプ110とは第2チューブ123によって接続されている。
≪キャップユニットの取り外し≫
(1)図38の状態の当該プリンター1に対して、先ず左面の筐体に設けられたカバー118を取り外す(図39)。これにより、搬送経路69の一部を成す着脱ユニット115(排出ユニット117)にアクセス可能になる。
(2)図40に表したように、着脱ユニット115(排出ユニット117)を方向Fc(装置左方)に引き出す。該着脱ユニット115(排出ユニット117)は、装置本体3側のレール(図示せず)に案内されて引き出せるようになっている。この引き出しにより、その奥に位置しているキャップユニット119にアクセス可能となる。
(3)次に、第1チューブ122について中継流路130との接続を解除する。その解除の方向は、着脱ユニット115(排出ユニット117)を装置本体3から取り外す方向Fcと同じである。これにより、図42の状態になる。第1チューブ122は可撓性であるが、剛性が比較的高く、前記接続を解除された状態では、図に表したように略直線の姿勢になる。
図42において、符号124は中継流路130との接続部である。図45の符号125は、前記接続部124が接続される中継流路130側の継手部である。
図43に表したように、第1チューブ122の中継流路130との接続を解除した状態においては、第1チューブ122の先端の接続部124は、装置本体3内に位置する。これにより、第1チューブ122から液体が垂れても装置本体3内に留めることができる。
(4)次に、図44に表したように、キャップユニット119を装置本体3外に取り外す。この取り外し方向は、着脱ユニット115(排出ユニット117)を装置本体3から取り外す方向Fcと同じである。これにより、図44の状態になる。
尚、本実施形態では、キャップユニット119は、装置本体3側のレール(図示せず)に案内されて引き出せるようになっている。
(E-1-2)効果
本実施形態によれば、キャップ部材106は、前記構成の着脱ユニット115(排出ユニット117)を取り外した状態において、該着脱ユニット115(排出ユニット117)と同じ方向Fcに取り外すことが可能に設けられている。即ち、着脱ユニット115(排出ユニット117)を取り外して生じるスペースが当該キャップ部材106を取り外すための取り外し用スペースとなり、該スペースを利用してキャップ部材106を着脱ユニット115と同じ方向に取り外すことが可能に構成されている。このように、該キャップ部材106は、着脱ユニット115を取り外して生じるスペースを利用して着脱ユニット115と同じ方向Fcに取り外すことができるので、当該キャップ部材106の修理や交換等のメンテナンスを作業性良く実施することができる。
また、キャップ部材106を取り外すに際して、その手前に位置する搬送経路69は着脱ユニット115になっているので、該ユニット115を一体として取り外すだけでよく、各部品に分解する必要がないので、作業性が良い。
本実施形態によれば、元々着脱可能構造に構成されることが多い排出ユニット117の取り外しによって生じるスペースを、当該キャップ部材106を取り外すための取り外し用スペースとして利用することになる。従って、キャップ部材106を取り外し可能にするために、その手前の構成部材を、わざわざ当該キャップ部材106の取り出しを可能にするために着脱構造に変更する必要性が少なく、設計及び製造に無駄がない。
本実施形態によれば、キャップ部材106をキャップユニット119全体として取り外すので、キャップ部材106の修理や交換の作業性が良いと共に、キャップユニット119全体の修理や交換も容易に行うことができる。
また、本実施形態によれば、キャップ部材106に負圧を作用させるために接続される第1チューブ122が、該キャップ部材106を取り外す方向Fcと同じ方向へその接続を解除可能である。従って、当該キャップ部材106の修理や交換等のメンテナンスの際に、障害になる第1チューブ112の接続解除処理を作業性良く実施することができる。
また、本実施形態によれば、キャップ部材106は、第1チューブ122、中継流路130及び第2チューブ123によって減圧ポンプ(吸引部)110につながる構成にした。従って、キャップ部材106を取り外す際に接続を解除する必要がある第1チューブ122の長さを、中継流路130及び第2チューブ123の分だけ短くすることができ、以って取り外しの作業性がよくなる。
(E-2)実施形態2(図41、図45)
図41、図45に基いて、ラインヘッドに対するキャップ部材を設置場所から取り外す際に生じる問題に対する対処の実施形態2について説明する。
図41、図45に表したように、本実施形態のプリンター1においては、第2チューブ123は、キャップ部材106の取り外しの際の移動経路外に設けられている。即ち、キャップ部材106を含むキャップユニット119の前記取り出しの方向Fcと交差する方向(X方向)に占める領域によって前記移動経路が占める範囲が決まるが、第2チューブ123はその範囲の外側に位置するように構成されている。
これにより、第2チューブ123の接続状態はそのままにしてキャップ部材106或いはキャップユニット119を取り外すことができるので、作業性がよい。
また、吸引部である減圧ポンプ110は、当該プリンター1に対して着脱可能であり、第2チューブ123は、減圧ポンプ110を取り外す方向に接続を解除可能に構成されている。本実施形態では、背面カバー49を開けて、減圧ポンプ110を装置本体3の後方から取り外せるように構成されている。
これにより、第2チューブ123は、減圧ポンプ110を取り外す方向(装置後方であるY方向)に接続を解除可能である。従って、減圧ポンプ110の修理や交換のための取り外しの際に、第2チューブ123に減圧ポンプ110の取り外し方向(装置後方)からアクセスして接続を解除することができるので、その作業性が良くなる。
(E-3)実施形態3(図46)
図46に基いて、ラインヘッドに対するキャップ部材を設置場所から取り外す際に生じる問題に対する対処の実施形態3について説明する。
図46に表したように、本実施形態のプリンター1においては、キャップ部材106は、移動機構121によってラインヘッド14に対する封止位置113(図37(B))と退避位置114(図37(A))との間を移動可能である。移動機構121は、キャップ部材106を当該プリンター1から取り外す際にはキャップ部材106を退避位置114に移動可能である。
本実施形態では、キャップ部材106の封止位置113と退避位置114との間の移動動作を制御する制御部(電装部材83)を備え、キャップ部材106を当該プリンター1から取り外す際には、その信号を前記制御部(電装部材83)が受けてキャップ部材106を退避位置114へ自動的に移動するように構成されている。尚、自動的な移動構造に限定されない。
そして、キャップ部材106は、キャップユニット119上の退避位置114から前記方向Fcに取り外すことが可能に構成されている。キャップユニット119は取り外されず、装置本体3内に残る。
これにより、キャップ部材106の退避位置114をキャップ部材106を取り外すための取り外し位置として利用することができ、設計及び製造に無駄がない。
(E-4)他の構成
(1)図35に表したように、キャップ部材106は、装置本体3内の設置位置からの取り外しを搬送経路69の下側で行えるように設けられている。
これにより、キャップ部材106は、前記取り外しを搬送経路69の下側で行えるので、キャップ部材106をプリンター1から取り外す際に液体が垂れても搬送経路69に落下する虞を低減できる。
(2)第1チューブ122及び第2チューブ123は、一端の接続を解除した状態では、クランプ等を用いて液体が漏れないように閉塞してもよい。
(3)第1チューブ122は、キャップ部材106との接続部分の接続を解除してもよい。
(4)キャップ部材106を修理や交換等のために取り外す際に、各動作を制御する制御部(電装部材83)が、キャップ部材106を着脱を行える位置(退避位置114等)に自動的に移動させるキャップ移動用シーケンスを備えていてもよい。
(5)図44においてキャップユニット119を装置本体3から取り外す際の移動用レールは、着脱ユニット115(排出ユニット117)の取り出しのためのレールを兼用する構造であってもよい。
(6)図35等に表したように、キャップ部材106の着脱経路の下方には媒体収容カセット4が配置されているが、前記キャップ部材106の着脱経路と媒体収容カセット4との間に遮蔽部材が設けられていてもよい。この遮蔽部材により、キャップ部材の着脱の際に垂れた液体が媒体収容カセット4に直接落ちる虞を低減できる。
(7)以上の(A)〜(E)の各実施形態において説明したように、上記プリンター1においては、ラインヘッド14は装置本体3の上方からカバー(排出用トレイ7)を開けて上方に取り外せるように構成され、ラインヘッド14のノズル形成面81に接してノズルNを封止するキャップ部材106は装置本体3の側面から外部に取り出せるように構成され、払拭部材82とキャップ部材106に対する吸引部97及び第2チューブは装置本体3の背面から取り出せるように構成されているので、メンテナンスを効率的に行うことができる。
1 インクジェットプリンター、2 スキャナーユニット、3 装置本体、
4 媒体収容カセット、5 上面、6 記録実行部、7 排出用トレイ、
8 出口、9 可撓性チューブ、9a 第可撓性チューブ、
9a(C) 一番チューブ、9a(M) 二番チューブ、
9a(Y) 三番チューブ、9a(K) 四番チューブ、
9b 第2可撓性チューブ、10 第1継手、
10C 一番継手、10M 二番継手、
10Y 三番継手、10K 四番継手、11 複数の流路、
11C 一番流路、11M 二番流路、
11Y 三番流路、11K 四番流路、12 搬送機構、
13 第1接続部分、14 ラインヘッド(液体噴射ヘッド)、
15 第1延設部分、16 ポンプ(空気供給源)、
17a,17b,17c 3等分した領域、17b 中央部分、
18 液体収容体、19 媒体搬送領域、 20 基板、21 第1面、
22 第2面、23 取付孔、24 液体室、
25(25a,25b,25c) 封止部、26(26a,26b) 封止部、
27 第2継手、28 第2接続部分、29 第2延設部分、
30 液体収容体ホルダー、31a,31b,31c 領域、
32(32a,32b) 領域、33 サブタンク、
33A 第1サブタンク、33B 第2サブタンク、34 支点、
35 支持部、36 端部、37 第1プレート、38 第2プレート、
39 フィルム、40 付勢部材、41 液体入口、43 液体出口、
48 Oリング、42 負圧発生部、44 流路開閉部、
46 圧力調整部、 47 螺子、50 FFC、51 複数の端子、
52 コネクタ、53 ケーブル接続部分、54 フラット面、
55 ケーブル延設部分、56 折り曲げ部分、
56a 第1折り曲げ部分、56b 第2折り曲げ部分、
57 本体側コネクタ、58 ケーブル接続部分、66 横断部、
69 搬送経路、69a 片面記録用の搬送経路、
69b 両面記録用の反転経路、70 噴射ヘッド部、71 保持部、
72 液体収容部18の液体の出口、
73 第1可撓性チューブ9aの第1接続部分13の位置、
74 サポート機構、75 規制部、75a 規制面、76 規制部、
76a規制面、77 方向線、78 目標表示、79 凹溝、
80 保持部、81 ノズル形成面、82 払拭部材、83 電装部材、
84 着脱経路、85 保持部、86 キャリッジ、87 螺子、
88 ねじ軸、89 モーター、90 ウォームギヤ、
91 払拭ユニット、92 貯留部、93 係合部材、94 係合位置、
95 着脱を行える位置、96 連通部、97 吸引針、
98 廃液貯留部、99 減圧室、100 制御装置、
101 受け入れ孔、102 弁、103 清掃部、104 ガイド、
105 支持部、106 キャップ部材、107 ガイドレール、
108 大気解放機構、109 加圧ポンプ、110 減圧ポンプ(吸引部)、
111 媒体支持位置、112 退避位置、113 封止位置、
114 退避位置、115 着脱ユニット、116 湾曲反転経路、
117 排出ユニット、118 カバー、119 キャップユニット、
121移動機構、122 第1チューブ、123 第2チューブ、
124 減圧室との接続部、126 保持部、130 中継流路、142 筐体、
181 液体溜め部、341(341a,341b,341c) 溝部、
342(342a,342b,342c) 溝部、
351(351a,351b) 溝部、352(352a,352b) 溝部、
381 接続部、382 接続部、442 可撓部材、444 弾性体、
462可撓部材、464 弾性体、
501,502,503,504,505 複数のFFC、
521,522,523,524,525 複数のコネクタ、
F1 第1の方向(ラインヘッドの長手方向)、
F2 第2の方向(装置の高さ方向)、F3 第3の方向、
Fc FM 媒体の搬送方向である移動方向、
L1 ラインヘッド上の長さ、
L2 支点34とラインヘッドまでの長さ、M 媒体(用紙)、N ノズル。

Claims (18)

  1. 第1の方向に沿って長尺なラインヘッドと、
    前記ラインヘッドに液体を供給する第1可撓性チューブと、を備え、
    前記ラインヘッドは、
    第1の方向に沿って位置する複数のノズルと、
    前記第1可撓性チューブと接続される第1継手と、
    前記第1継手と前記複数のノズルとの間の複数の流路と、を備え、
    第1の方向に直交する第2の方向に昇降し、
    前記第1可撓性チューブは、
    前記第1継手と接続される第1接続部分と、
    前記第1接続部分から、第1の方向における一方側へ該第1の方向に沿って延設され、他方側には延設されず、ラインヘッドの昇降に伴い移動可能な第1延設部分と、を備え、
    前記第1継手は、第1の方向において前記ラインヘッドを3等分した場合の中央部分に配置される、ことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 請求項1に記載された液体噴射装置において、
    前記ラインヘッドは、前記昇降方向における上面に前記第1継手が位置し、
    前記第1可撓性チューブは、
    第2の方向における位置が互いに重なるように配置される一番チューブと二番チューブと、を含み、
    前記第1継手は、前記一番チューブと接続される一番継手と、二番チューブと接続される二番継手と、を含む、ことを特徴とする液体噴射装置。
  3. 請求項2に記載された液体噴射装置において、
    前記複数の流路は、
    前記一番継手と連通し第1の方向に沿って複数の分岐点を有する一番流路と、
    前記二番継手と連通し第1の方向に沿って複数の分岐点を有する二番流路と、を含み、
    前記一番チューブ及び二番チューブは、第1の方向及び第2の方向のそれぞれに直交する第3の方向に沿って、前記一番流路及び二番流路と同じ順番に並んでいる、ことを特徴とする液体噴射装置。
  4. 請求項2又は3に記載された液体噴射装置において、
    前記第1継手は、前記一番継手、二番継手を含む複数の各継手が第3方向に沿って配置される、ことを特徴とする液体噴射装置。
  5. 請求項4に記載された液体噴射装置において、
    前記第1可撓性チューブの前記第1延設部分は、前記ラインヘッドから第1の方向に離間した位置に該ラインヘッドと共に昇降移動する際の支点部を有し、
    前記支点部は、前記一番チューブ、二番チューブを含む複数の各チューブに対する各支点が第3の方向に沿って配置される、ことを特徴とする液体噴射装置。
  6. 請求項2から5のいずれか一項に記載された液体噴射装置において、
    前記第1可撓性チューブの前記第1延設部分は、前記ラインヘッドから第1の方向に離間した位置に該ラインヘッドと共に昇降する際の支点部を有し、
    前記第1延設部分のラインヘッド上の長さは、該ラインヘッドに最も近い本体側の支点とラインヘッドまでの長さよりも長い、ことを特徴とする液体噴射装置。
  7. 請求項2から6のいずれか一項に記載された液体噴射装置において、
    前記第1延設部分は、第2の方向へ射影した場合に前記ラインヘッドの幅内に位置する、ことを特徴とする液体噴射装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載された液体噴射装置において、
    前記複数の流路のそれぞれに負圧発生部が設けられている、ことを特徴とする液体噴射装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載された液体噴射装置において、
    前記ラインヘッドに気体を供給する第2可撓性チューブを備え、
    前記ラインヘッドは、前記第2可撓性チューブと接続される第2継手を備え、
    前記第2可撓性チューブは、
    前記第2継手と接続される第2接続部分と、
    前記第2接続部分から、第1の方向における一方側へ第1の方向に沿って延設され、他方側には延設されず、ラインヘッドの昇降に伴い移動可能な第2延設部分と、を備え、
    前記第2継手は、前記第1継手よりも第1の方向における前記他方側に配置されている、ことを特徴とする液体噴射装置。
  10. 請求項9に記載された液体噴射装置において、
    前記第1可撓性チューブと第2可撓性チューブは、第2の方向における位置が互いに重なるように配置されている、ことを特徴とする液体噴射装置。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載された液体噴射装置において、
    前記ラインヘッドにより液体が吐出される対象である媒体を搬送する搬送経路を備え、
    前記搬送経路は、第1の方向に直交する平面上において該ラインヘッドの周囲を囲んでいる、ことを特徴とする液体噴射装置。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載された液体噴射装置において、
    前記ラインヘッドに接続されたフレキシブルフラットケーブルを備え、
    前記ラインヘッドは、
    第1の方向に沿って複数の端子が位置するコネクタを備え、
    前記フレキシブルフラットケーブルは、
    前記コネクタと接続されるケーブル接続部分と、
    第2の方向と直交するようにフラット面が配置され、前記ケーブル接続部分側から、第1の方向における一方側へ該第1の方向に沿って延設され、他方側には延設されないケーブル延設部分と、
    前記ケーブル接続部分と前記ケーブル延設部分との間の折り曲げられた折り曲げ部分と、を備えることを特徴とする液体噴射装置。
  13. 請求項12に記載された液体噴射装置において、
    前記コネクタは、第2の方向において前記ケーブル延設部分より「降」側に位置し、
    前記折り曲げ部分は、
    前記ケーブル延設部分から折り曲げられ、フラット面が第2の方向と直交する第1折り曲げ部分と、
    前記第1折り曲げ部分から折り曲げられ、フラット面が第1の方向及び第2の方向のそれぞれに直交する第3の方向と直交する第2折り曲げ部分と、を備えることを特徴とする液体噴射装置。
  14. 請求項13に記載された液体噴射装置において、
    前記フレキシブルフラットケーブルの前記ケーブル延設部分は、前記ラインヘッドの長手方向の長辺に沿って隣接して位置し、
    前記第1折り曲げ部分の少なくとも一つは、前記ラインヘッドに対して該フレキシブルフラットケーブルと反対側の位置まで延設された横断部を有する、ことを特徴とする液体噴射装置。
  15. 請求項14に記載された液体噴射装置において、
    前記ラインヘッドの昇降方向における上面に該ラインヘッドへ液体を供給する第1可撓性チューブを備え、
    前記横断部は、前記第1可撓性チューブの下に配置されている、ことを特徴とする液体噴射装置。
  16. 請求項12から15のいずれか一項に記載された液体噴射装置において、
    前記コネクタは第1の方向に沿って複数設けられ、
    複数のコネクタのそれぞれと接続された複数のフレキシブルフラットケーブルは、前記ケーブル延設部分が重なるように配置されている、ことを特徴とする液体噴射装置。
  17. 請求項12から16のいずれか一項に記載された液体噴射装置において、
    前記ラインヘッドは、第1の方向及び第2の方向のそれぞれに直交する第3の方向に沿って位置する複数のコネクタを備え、
    該複数のコネクタは、第1の方向における位置が重なる、ことを特徴とする液体噴射装置。
  18. 請求項12から17のいずれか一項に記載された液体噴射装置において、
    前記フレキシブルフラットケーブルが前記ラインヘッドと接続される一端側と反対側である他端側が接続される本体側コネクタを備え、
    前記ラインヘッドは、該ラインヘッドに対して第2の方向の一方側に設けられたカバーを開くことで本体と分離可能であり、
    前記本体側コネクタは、前記ラインヘッドに対して、第2の方向の一方側に設けられている、ことを特徴とする液体噴射装置。
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