JP2011161685A - 流体噴射装置及びクリーニング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体の消費を抑制しつつ、気泡を排出することができる流体噴射装置及びクリーニング方法を提供する。
【解決手段】プリンター11は、インクを噴射するノズルが複数設けられた流体噴射ヘッド24と、流体噴射ヘッド24側に向けてインクを供給するインク供給チューブ27と、インク供給チューブ27内のインクに対して加圧を行うことでノズルからインクを膨出させるとともに、加圧に伴いノズルからインクが膨出した状態において減圧を行う圧力付与機構29とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体噴射装置及び該流体噴射装置のクリーニング方法に関する。
従来、媒体に対して流体を噴射する流体噴射装置として、インクジェット式プリンターが広く知られている。このプリンターは、流体噴射ヘッドに形成されたノズルからインク(流体)を噴射することで、媒体に印刷処理を施すようになっている。
こうしたプリンターにおいては、ノズル内に気泡が混入したノズル抜け状態で噴射を行うことで、印刷した画像にドット抜けが生じることがあった。そして、ドット抜けによる印字不良の発生を抑制するため、インクとともにノズル内の気泡を排出するクリーニングを実行するようにしたプリンターがあった(例えば、特許文献1)。
特開2007−152725号公報
こうしたクリーニングにおいては、気泡を排出するために多量のインクを消費してしまうため、特許文献1においては、印字不良の度合いに応じてインクの供給量を変化させるようにしていた。しかし、クリーニングに伴ってまだかなりのインクを消費してしまうため、さらなるインク消費量の低減が課題となっていた。
本発明は、こうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、流体の消費を抑制しつつ、気泡を排出することができる流体噴射装置及びクリーニング方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の流体噴射装置は、流体を噴射するノズルが複数設けられた流体噴射ヘッドと、該流体噴射ヘッド側に向けて前記流体を供給する流体供給路と、前記流体供給路内の前記流体に対して加圧を行うことで前記ノズルから前記流体を膨出させるとともに、該加圧に伴い前記ノズルから前記流体が膨出した状態において減圧を行う圧力付与機構とを備える。
この構成によれば、圧力付与機構が流体供給路内の流体に対して加圧を行うことで、ノズルから流体の一部を膨出させ、その流体の膨出部分に混入している気泡をノズル開口の外側となる大気側に押し出すことができる。また、圧力付与機構が加圧と連続的に減圧を行うと、加圧に伴ってノズルから膨出した状態にある流体をノズル開口からの落下等によって無駄に消費されないように流体噴射ヘッド内に引き戻すことができる。したがって、流体の消費を抑制しつつ、気泡を排出することができる。
本発明の流体噴射装置は、前記圧力付与機構において、前記減圧を行う減圧時間は、前記加圧を行う加圧時間よりも長い。
この構成によれば、加圧を短時間で行って気泡の排出性を確保するとともに、減圧時間を加圧時間より長くすることで、ノズル開口からの気泡の引き込みを抑制することができる。
本発明の流体噴射装置において、前記圧力付与機構は、前記流体供給路の容積を減少させることで前記加圧を行うとともに、前記流体供給路の容積を増加させることで前記減圧を行う。
この構成によれば、圧力付与機構が流体供給路の容積を減少させることで、減少した容積分の流体を押し出し、ノズル側に圧力を波及させることができる。また、減圧は流体供給路の容積を増加させることで行うので、加圧のために減少させた容積を元に戻すことで、加圧と連続的に減圧を行うことができる。
本発明の流体噴射装置は、前記圧力付与機構において、前記減圧のために増加させる前記流体供給路の容積は、前記加圧のために減少させる前記流体供給路の容積よりも小さい。
この構成によれば、加圧に伴ってノズルから気泡が排出されると、その分ノズル内に空隙が生じるが、減圧のために増加させる流体供給路の容積は、加圧のために減少させる流体供給路の容積よりも小さいので、空隙に起因するノズル抜けの発生を抑制することができる。
本発明の流体噴射装置において、前記流体噴射ヘッドは複数設けられ、前記流体供給路を介して供給された前記流体を貯留するとともに、貯留した前記流体を複数の前記流体噴射ヘッドに供給する流体貯留室をさらに備える。
この構成によれば、各ノズルの背圧を流体貯留室で調整することで、ノズルのメニスカスを均一に整えることができる。また、圧力付与機構は流体流路において流体貯留室よりも上流側に設けられるので、流体噴射ヘッド数が増加した場合にも、構成が複雑にならない。
本発明の流体噴射装置は、前記圧力付与機構において、前記加圧を行う加圧時間は0.025秒から0.5秒である。
この構成によれば、圧力付与機構が加圧を行う加圧時間は0.025秒から0.5秒と非常に短時間であるので、ノズルの内壁に付着した気泡を引きはがして排出することができる。
上記目的を達成するために、本発明のクリーニング方法は、流体を噴射するノズルが複数設けられた流体噴射ヘッドと、該流体噴射ヘッド側に向けて前記流体を供給する流体供給路と、該流体供給路内の前記流体に対して加圧と減圧を連続的に実行可能な圧力付与機構とを有する流体噴射装置のクリーニング方法であって、前記圧力付与機構が前記加圧を行って前記ノズルから前記流体を膨出させる加圧工程と、前記加圧工程の後に、前記ノズルから前記流体が膨出した状態において前記圧力付与機構が前記減圧を行う減圧工程とを備える。
この構成によれば、上記流体噴射装置と同様の作用効果を得ることができる。
第1実施形態におけるインクジェット式プリンターの概略構成を示す模式正面図。 ラインヘッドの構成を示す底面図。 流体噴射ヘッド内の概略構成を示す断面図。 キャッピング装置の概略構成を示す断面図。 ワイピング装置の概略構成を示す断面図。 圧力付与機構の構成及び作用を説明するための断面図で、(a)は加圧前、(b)は加圧時を示す。 インク非供給クリーニングを説明するための断面図で、(a)は加圧前、(b)は加圧時、(c)は減圧時、(d)は静置後を示す。 加圧時間と減圧時間との関係を示すグラフ。 第1実施形態におけるインクジェット式プリンターの流路条件1を示す表。 (a)は流路条件1における加圧インク量の範囲を示す表、(b)は流路条件1における加圧時間及び減圧時間の範囲を示す表。 第2実施形態におけるインクジェット式プリンターの概略構成を示す模式正面図。 差圧弁の構成及び作用を説明するための断面図で、(a)は閉弁時、(b)は開弁時を示す。 (a)は第2実施形態におけるインクジェット式プリンターの流路条件2における加圧インク量の範囲を示す表、(b)は流路条件2における加圧時間及び減圧時間の範囲を示す表。 圧力付与機構の構成の変形例を示す断面図。
(第1実施形態)
以下、本発明を流体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンター(以下、単に「プリンター」という)に具体化した第1実施形態を図1〜図10を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」をいう場合は各図中に矢印で示す前後方向、左右方向、上下方向をそれぞれ示すものとする。
図1に示すように、プリンター11は、媒体としての用紙Pを搬送する搬送ユニット12と、用紙Pに印刷処理を施すラインヘッド13と、ラインヘッド13に流体としてのインクを供給するインク供給ユニット14と、メンテナンスユニット15とを備えている。
搬送ユニット12は、一対の給紙ローラー16と、無端状の搬送ベルト17と、駆動ローラー18と、従動ローラー19と、駆動ローラー18に接続された駆動モーター20と、一対の排紙ローラー21とを備えている。搬送ベルト17は、駆動ローラー18及び従動ローラー19に巻き掛けられ、駆動モーター20の駆動によって駆動ローラー18が図1における時計回り方向に回転すると周回移動する。そして、給紙ローラー16、搬送ベルト17及び排紙ローラー21によって用紙Pを搬送方向Xに沿って搬送するようになっている。なお、搬送ベルト17は、少なくとも用紙Pの幅方向Y(前後方向)の両端を支持するように複数本(例えば2本)設けられているとともに、前後方向に並ぶ搬送ベルト17の間にメンテナンスユニット15が配置されている。
ラインヘッド13は、基体部23と、基体部23に支持された流体噴射ヘッド24とを備えている。図2に示すように、流体噴射ヘッド24は、用紙Pの幅方向Yに沿って延びる2列のラインを形成するように、千鳥状に配列されている。そして、搬送方向Xにおける上流側(左側)に位置する1列目は、幅方向Yに沿って並ぶ4つの流体噴射ヘッド24から構成される一方、搬送方向Xにおける下流側(右側)に位置する2列目は、幅方向Yに沿って並ぶ4つの流体噴射ヘッド24から構成される。
各流体噴射ヘッド24には、インクを噴射するためのノズル25が複数設けられている。そして、流体噴射ヘッド24の下面(底面)からなるノズル形成面24aには、複数のノズル25のノズル開口25aによって幅方向Yに沿って延びる2列のノズル列Nが形成されている。図2の部分拡大図に示すように、2列のノズル列Nは、幅方向Yに沿う配置間隔が1/2画素ずつずれるように、ノズル開口25aが千鳥状に配列されている。そして、1列目と2列目の流体噴射ヘッド24は、搬送方向Xに投影したときに両端部の少なくとも1個のノズル25が重なるか、両端のノズル25がノズルピッチを開けて連続するようになっている。
このため、プリンター11では、ラインヘッド13を固定したままでも用紙最大幅範囲の印字が可能となっている。なお、本実施形態においては、1つの流体噴射ヘッド24が用紙1.1インチに対応し、8つの流体噴射ヘッド24でA4サイズ(縦297mm×横210mm)の横幅(約8.3インチ)をカバーするようになっている。また、1本のノズル列Nは330個のノズル25から構成される。したがって、1つのラインヘッド13は、幅方向Yに沿って並ぶ8(流体噴射ヘッド24の数)×2(ノズル列Nの数)×330(ノズル列Nを構成するノズル25の数)=5280個のノズル25を有している。
なお、ラインヘッド13及びインク供給ユニット14は、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のカラー印刷を行う場合には、色毎に4組設けられる(図1及び図2には簡略化のために1つずつ図示している)。そして、4つのラインヘッド13から、搬送される用紙Pに4色のインク滴を重ね打つことにより、解像度600dpiでの印刷処理が可能となっている。
図1に示すように、インク供給ユニット14は、インクを収容したインクカートリッジ26と、インクカートリッジ26から流体噴射ヘッド24側に向けてインクを供給する流体供給路を構成するインク供給チューブ27と、インクを加圧供給するための加圧ポンプ28とを備えている。なお、インクカートリッジ26は図示しないカートリッジホルダーに着脱可能に装着されることで、インク供給チューブ27に接続される。また、インク供給チューブ27の途中位置には、圧力付与機構29が設けられている。
ラインヘッド13の基体部23内には、インク供給チューブ27を通じてインクカートリッジ26から供給されるインクを一時的に貯留する共通インク室30が設けられている。共通インク室30には、各流体噴射ヘッド24に対応する複数の分岐流路31が接続されている。そして、共通インク室30内に貯留されたインクは、分岐流路31を通じて複数の流体噴射ヘッド24に供給される。
図3に示すように、流体噴射ヘッド24は、上下方向に積層された流路形成部材32、振動板33、流路形成部材34及びノズルプレート35を備えている。流路形成部材32には共通インク室30に連通する分岐流路31と、リザーバー36と、収容室37とが形成されている。振動板33には、リザーバー36と対応する位置に連通孔38が設けられている。流路形成部材34には、連通孔38を通じてリザーバー36と連通するキャビティ39が形成されている。
また、振動板33の上面側には、キャビティ39の上方となる位置に圧電素子40が配設されている。そして、ノズルプレート35にはキャビティ39と連通するノズル25が形成されている。すなわち、共通インク室30から分岐流路31を通じて各流体噴射ヘッド24に分配されたインクはリザーバー36に貯留され、リザーバー36から連通孔38及びキャビティ39を通じて各ノズル25に供給される。
振動板33は上下方向に振動可能に貼り付けられているとともに、圧電素子40は駆動信号を受けて伸縮することで、振動板33を上下方向に振動させるようになっている。また、振動板33が上下方向に振動すると、キャビティ39の容積が拡縮するようになっている。そして、キャビティ39の容積が縮小されると、キャビティ39内のインクがノズル25からインク滴Fbとして噴射されるようになっている。なお、流体噴射ヘッド24のノズル形成面24aはノズルプレート35の下面(底面)によって構成される態様となっている。また、本実施形態において、ノズル開口25aは直径約20マイクロメートル、ノズルプレート35の上下方向の厚さは約100マイクロメートルとなっている。
ここで、インクカートリッジ26はラインヘッド13よりも低い位置に設けられている。そのため、流体噴射ヘッド24内の領域(インク流路)は、水頭差によって−1kPa程度の負圧となっている。この負圧は、ノズル25からインクが垂れ落ちることを防止するとともに、ノズル25内に凹状のメニスカスを形成して噴射動作を安定させるためのものである。
次に、メンテナンスユニット15について説明する。
メンテナンスユニット15は、流体噴射ヘッド24のノズル形成面24aをキャッピングするためのキャッピング装置41(図4参照)と、ノズル形成面24aをワイピングするためのワイピング装置42(図5参照)とを備えている。なお、キャッピング装置41及びワイピング装置42は流体噴射ヘッド24毎に設けてもよいし、複数の流体噴射ヘッド24を同時にキャッピングしたりワイピングしたりするようにしてもよい。
キャッピング装置41は、ノズル25の乾燥を防止するためのキャッピングに用いられる他、インクカートリッジ26内のインクをノズル25から吸引することで、気泡や増粘したインクなどを排出させる吸引クリーニングを実行する際に用いられる。さらに、キャッピング装置41は、インクカートリッジ26内のインクを加圧ポンプ28でノズル25から排出させる加圧クリーニングの際にも、ノズル25から排出されるインクを受容するために用いられる。一方、ワイピング装置42は、ノズル形成面24aを払拭して紙粉やインク等の付着物を除去したり、ノズル25のメニスカスを整えたりするためのワイピングを実行する際に用いられる。
まず、キャッピング装置41について説明する。
図4に示すように、キャッピング装置41は、有底四角箱状のキャップ43と、キャップ43を昇降させる昇降機構44と、吸引機構45とを備えている。キャップ43の周壁の上面全体には可撓性材料からなる四角枠状のシール部材46が設けられているとともに、キャップ43の底壁には排出管47が下方に向かって突設されている。
排出管47には、吸引機構45を構成する可撓性材料よりなる排出チューブ48の一端側が接続されている。排出チューブ48の他端側は廃インクタンク49内に挿入されている。また、廃インクタンク49内には、多孔質部材からなる廃インク吸収材50が収容されている。
キャップ43と廃インクタンク49との間には、吸引機構45を構成するチューブポンプ51が配設されている。チューブポンプ51は、円筒状のケース52と、平面視円形状をなすポンプホイル53と、ホイル軸54と、一対の押圧ローラー55とを有している。ポンプホイル53は、ケース52の軸心に設けられたホイル軸54を中心にケース52内に回動可能に収容されている。また、排出チューブ48の中間部は、ケース52の内周壁に沿うようにケース52内に収容されている。
ポンプホイル53には、円弧状をなす一対のローラー案内溝56がホイル軸54を挟んで対向するように形成されている。各ローラー案内溝56は、一端がポンプホイル53の内周側に位置する一方、他端がポンプホイル53の外周側に位置している。すなわち、両ローラー案内溝56は、一端から他端に向かって徐々にホイル軸54から遠ざかるように延びている。また、一対の押圧ローラー55は両ローラー案内溝56内に回動軸57を介して挿通支持されている。なお、両回動軸57は、それぞれ両ローラー案内溝56内を摺動自在になっている。
そして、ポンプホイル53を、正方向(図4に矢印で示す時計回り方向)に回動させると、押圧ローラー55がローラー案内溝56の他端側(ポンプホイル53の外周側)に往路移動し、排出チューブ48の中間部を上流側から下流側へ順次押し潰しながら回動する。この回動により、チューブポンプ51より上流側の排出チューブ48の内部が減圧される。
また、ポンプホイル53を逆方向(図4における反時計回り方向)に回動させると、押圧ローラー55がローラー案内溝56の一端側(ポンプホイル53の内周側)に復路移動する。この移動により、両押圧ローラー55がそれぞれ排出チューブ48の中間部に軽く接した状態となり、排出チューブ48の内部の減圧状態が解消される。
昇降機構44は、キャップ43に下方から当接するカム部材58と、カム部材58を回動させるためのモーター59と、動力伝達機構60とを備えている。そして、モーター59が正方向に駆動されると、動力伝達機構60を介してカム部材58が回動されて、キャップ43がノズル形成面24aに当接するようになっている。
したがって、キャップ43がノズル形成面24aに当接した状態でポンプホイル53が正方向に駆動されると、キャップ43とノズル形成面24aとで囲み形成された空間域Rに負圧が発生する。これにより、ノズル25からインクが排出される吸引クリーニングが実行される。なお、ポンプホイル53が逆方向に駆動されると空間域Rの負圧が解消される。その後、昇降機構44のモーター59が逆方向に駆動されると、キャップ43が下降して、用紙Pの搬送経路から退避する。
次に、ワイピング装置42について説明する。
図5に示すように、ワイピング装置42は、ワイピング機構61と、ワイピング機構61を昇降させる昇降機構62とを備えている。
ワイピング機構61は、ホルダー63と、前後方向に沿って延びるようにホルダー63に架設されたリードスクリュー64と、リードスクリュー64を回転させるためのモーター65と、支持部材66と、ゴムなどの弾性体からなる板状のワイパー67とを備えている。ワイパー67は支持部材66上に立設される態様で支持されるとともに、支持部材66はリードスクリュー64に支持されている。また、支持部材66の上面側には、貯留凹部66aが形成されている。
昇降機構62はワイピング機構61のホルダー63に下方から当接するカム部材68と、カム部材68を回動させるためのモーター69と、動力伝達機構70とを備えている。そして、モーター69が正方向に駆動されると、動力伝達機構70を介してカム部材68が回動されて、ワイパー67がノズル形成面24aに当接する位置までワイピング機構61が上昇するようになっている。
また、モーター65が正方向に駆動されるとリードスクリュー64が正方向に回転し、支持部材66とともにワイパー67が前後方向に沿って移動する過程で、ノズル形成面24aに摺接する。これにより、ノズル形成面24aを払拭により清掃するワイピングが実行される。このとき、ノズル形成面24aから払拭されたインクや紙粉はワイパー67を伝って流下し、貯留凹部66aに貯留される。
次に、圧力付与機構29について説明する。
図6に示すように、圧力付与機構29は、定形性を有する流路形成部材71を有している。流路形成部材71の左端には上流側のインク供給チューブ27と接続される接続部72が設けられる一方、流路形成部材71の右端には下流側のインク供給チューブ27と接続される接続部73が設けられる。また、流路形成部材71の上面側には、平面視円形状の凹部71aが形成されている。そして、接続部72内には、上流側のインク供給チューブ27と凹部71a内とを連通させる流入路72aが形成されている。一方、接続部73内には、下流側のインク供給チューブ27と凹部71a内とを連通させる流出路73aが形成されている。
流路形成部材71の上面側には、可撓性を有するフィルム部材74が凹部71aの開口を封止するように撓みを有した状態で固着されている。また、フィルム部材74の外面側の略中央部には、凹部71aの開口面積よりも面積の小さい円板状の押圧板74aが固着されている。そして、フィルム部材74と凹部71aとによって、圧力室75が囲み形成されている。圧力室75は、流入路72a及び流出路73aを通じてインク供給チューブ27と連通することで、流体供給路の一部を構成する。
圧力室75内には、圧力室75の内容積を拡大する方向にフィルム部材74を付勢する付勢部材76が配設されている。付勢部材76は、例えばコイルばねや板ばねなどから構成することができる。また、押圧板74aの上方には、押圧板74aに当接するカム部材77が配置されている。カム部材77は回転軸78を介して支持されているとともに、モーター79の駆動に伴って回転軸78とともに回動するようになっている。
したがって、図6(a)に示す状態でモーター79を正方向に駆動するとカム部材77が付勢部材76の付勢力に抗して同図における反時計回り方向に回動する。これにより、図6(b)に示すようにフィルム部材74が圧力室75の内容積を減少させる方向に変位し、圧力室75から押し出されたインクによってインク供給チューブ27内のインクが加圧される。また、図6(b)に示す状態でモーター79を逆方向に駆動すると、カム部材77が同図における時計回り方向に回動する。これにより、付勢部材76の付勢力でフィルム部材74が圧力室75の内容積を増加させる方向に変位し、圧力室75内に引き込まれるインクによってインク供給チューブ27内が減圧される。
次に、プリンター11におけるメンテナンス動作について説明する。
プリンター11においては、インクカートリッジ26の交換時にインク供給チューブ27内に気泡が混入してドット抜けが生じたり、電源を切ったまま放置していたためにインクが増粘してノズル25の目詰まりが生じたりすることがある。こうしたドット抜けや目詰まりに起因する印刷品質の低下を抑制するため、プリンター11ではキャッピング装置41を用いて吸引クリーニングや加圧クリーニングを実行する。以下、このようにインクカートリッジ26内のインクを供給しつつノズル25からインクを排出するクリーニングを「インク供給クリーニング」という。
また、印刷処理によってノズル形成面24aに紙粉などが付着した場合には、ワイピング装置42でノズル形成面24aをワイピングする。なお、インク供給クリーニング後には、排出されたインクがノズル形成面24aに付着したり、ノズル開口25aに凸状のメニスカスが形成されたりするため、インク供給クリーニングの直後にもワイピングを行う。
ところが、このようなワイピングを行うと、ワイパー67がノズル25内に空気を押し込んでしまい、ノズル25内に微少な気泡を生じてしまうことがある。こうした気泡はインクカートリッジ26の交換等で混入する気泡と比較するとかなり小さく、ノズル25付近に留まっていることが多い。そのため、プリンター11においては、ノズル25付近の微少な気泡を排出するために、圧力付与機構29によるインク非供給クリーニングを実行する。
次に、圧力付与機構29によるインク非供給クリーニングについて詳述する。
インク非供給クリーニングは、圧力付与機構29が加圧を行ってノズル25からインクを膨出させる加圧工程と、この加圧工程の後に、加圧に伴いノズル25からインクが膨出した状態において圧力付与機構29が減圧を行う減圧工程とから構成される。すなわち、加圧工程では、圧力付与機構29が圧力室75のインクを一気に押し出すことによってノズル25内に圧力を伝播させ、図7(a)に示すようにノズル25の内壁に付着した気泡を引きはがす。そして、図7(b)に示すようにノズル25からインクを膨出させることで、気泡をノズル開口25aの外側となる大気側に押し出す。
また、減圧工程では、圧力付与機構29が圧力室75の容積を増加させることで、圧力室75に押し出した分のインクを引き戻す。これにより、ノズル25からインク滴Fbが噴射したり落下(滴下)したりする前に、ノズル25から凸状に膨出した状態のインクを図7(c)に示すようノズル25内に回収する。なお、気泡が排出されるとノズル25内に気泡の容積分の空隙が生じるが、短時間静置すると毛管力によって共通インク室30のインクが図7(d)に示すようにノズル25内に補給される。
こうしたインク非供給クリーニングの加圧と減圧は、複数回繰り返して実施することで、排出されにくい気泡についても、徐々に外側に移動させることができる。例えば、複数回加圧と減圧を繰り返す場合には、ノズル25内だけでなく、流体噴射ヘッド24内や共通インク室30内にある気泡も排出させることができる。また、気泡の排出に伴ってノズル25内に空隙が生じた場合にも、加圧と減圧を繰り返し行うことで、ノズル25の液面位置が徐々に揃えられる。
なお、減圧工程においては、加圧工程で減少させた容積を元に戻してもよいし、減圧のために増加させる容積を加圧のために減少させた容積よりも小さくしてもよい。例えば、加圧と減圧を複数回繰り返して共通インク室30内にある比較的大きな気泡が排出された場合には、ノズル25全体が空隙となるノズル抜けを生じる虞もある。こうしたノズル抜けが生じると、毛管力によるインクの補給がされにくいこともあるので、特に複数回加圧と減圧を繰り返した最後の減圧時には、引き込むインクの量を少なくするのが好ましい。
ここで、図8に示すように、減圧工程で減圧を行う減圧時間Tdは、加圧工程で加圧を行う加圧時間Taよりも長く設定されるのが好ましい。また、加圧時間Taについては、短すぎると伝播する圧力でインク滴Fbが噴射されてインクが無駄に消費されてしまったり、減圧開始が早すぎて気泡が押し出される前にインクを引き戻してしまったりする虞がある。逆に、加圧時間Taが長すぎると、インクの流速が遅くなって気泡をノズル25の内壁から引きはがすことができなかったり、減圧によってインクを引き戻すのが間に合わなくなってインクが消費されてしまったりする虞がある。
一方、減圧時間Tdが長すぎると、同じくインクを引き戻すのが間に合わなくなってインクが消費されてしまう虞がある。逆に、減圧時間Tdが短すぎると、ノズル25の外側から空気を引き込み、気泡を生じてしまう虞がある。
そして、インク滴Fbの噴射を抑制しつつ気泡の排出性を確保するために適正な加圧時間Taは、例えば0.05秒から0.5秒と非常に短時間である。一方、このような短時間で減圧を行うと空気を引き込んでしまうため、0.05秒から0.5秒の加圧時間Taに対しては、加圧時間Ta<減圧時間Tdとすることが好ましい。
本実施形態において、加圧及び減圧は、ノズル25からインク滴Fbが噴射されない程度に圧力室75の容積を変動させることで実行される。そのため、加圧のための容積変動に伴って押し出されるインクの量(以下、これを「加圧インク量Vd」という)、加圧時間Ta及び減圧時間Tdの適切な値は、ノズル25や流体噴射ヘッド24の設置数などの流路条件によって変動する。そこで、加圧インク量Vd、加圧時間Ta及び減圧時間Tdの適切な値の範囲と流路条件について説明する。
本実施形態のプリンター11の流路条件(以下、これを「流路条件1」という)としては、図9に示すように、インクカートリッジ26の内容積(領域No1)が約50cc、インクカートリッジ26から圧力室75までのインク供給チューブ27の内容積(領域No2)が約3.5ccとなっている。また、圧力室75の変動可能な容積(領域No3)が約1.0cc、圧力室75より下流側のインク供給チューブ27の内容積(領域No4)が約1.9cc、共通インク室30の内容積(領域No5)が約3.1cc、8つの流体噴射ヘッド24を合計した内容積(領域No6)が約0.9ccとなっている。
そして、流路条件1でインク非供給クリーニングを行う場合の加圧インク量Vdの適正範囲を図10(a)に、加圧時間Ta及び減圧時間Tdの適正範囲を図10(b)に示す。
加圧インク量Vdについては、圧力室75の容積約1.0ccのうち、0.22cc≦Vd≦0.62ccとなる範囲で容積を減少させて加圧を行うことが好ましい。なお、0.22cc>Vdの場合には気泡を排出するだけの加圧力が得られない虞があり、0.62cc<Vdの場合にはインクが消費されてしまう虞がある。
また、0.22cc≦Vd≦0.62ccとした場合の加圧時間Taは0.05秒≦Ta≦0.5秒、減圧時間Tdは0.09秒≦Td≦0.7秒(ただし、Ta<Td)であることが好ましい。
圧力付与機構29によるインク非供給クリーニングは、実行後にノズル形成面24aにインクが付着することがない上、ノズル25のメニスカスを整えることができるため、インク供給クリーニンクのように後処理としてワイピングを行う必要がない。また、インク消費を限りなくゼロにすることができるとともに非常に短時間で行うことができる。
以上説明した実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)圧力付与機構29がインク供給チューブ27内のインクに対して加圧を行うことで、ノズル25からインクの一部を膨出させ、そのインクの膨出部分に混入している気泡をノズル開口25aの外側となる大気側に押し出すことができる。また、圧力付与機構29が加圧と連続的に減圧を行うと、加圧に伴ってノズル25から膨出した状態にあるインクをノズル開口25aからの落下等によって無駄に消費されないように流体噴射ヘッド24内に引き戻すことができる。したがって、圧力付与機構29によるインク非供給クリーニングによれば、インクの消費を抑制しつつ、気泡を排出することができる。
(2)加圧を短時間で行って気泡の排出性を確保するとともに、減圧時間Tdを加圧時間Taより長くすることで、ノズル開口25aからの気泡の引き込みを抑制することができる。
(3)圧力付与機構29が圧力室75の容積を減少させることで、減少した容積分のインクを押し出し、ノズル25側に圧力を波及させることができる。また、減圧は圧力室75の容積を増加させることで行うので、加圧のために減少させた容積を元に戻すことで、加圧と連続的に減圧を行うことができる。
(4)加圧に伴ってノズル25から気泡が排出されると、その分ノズル25内に空隙が生じるが、減圧のために増加させる圧力室75の容積を、加圧のために減少させる圧力室75の容積よりも小さくすることで、空隙に起因するノズル抜けの発生を抑制することができる。
(5)各ノズル25の背圧を共通インク室30で調整することで、ノズル25のメニスカスを均一に整えることができる。例えば、インク非供給クリーニングの加圧や減圧に伴うインクの流動は、共通インク室30を経由してノズル25内に波及する。そのため、気泡が排出された一つのノズル25内に空隙が生じた場合にも、加圧と減圧を繰り返すことで、その他のノズル25との間で液面位置が揃えられる。そして、圧力付与機構29はインク流路において共通インク室30よりも上流側に設けられるので、流体噴射ヘッド24数が増加した場合にも、構成が複雑にならない。
(6)流路条件1において、圧力付与機構29が加圧を行う加圧時間Taは0.05秒から0.5秒と非常に短時間であるので、ノズル25の内壁に付着した気泡を引きはがして排出することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図11〜図13に基づいて説明する。
第1実施形態のプリンター11においては、インク流路を構成する各領域No1〜No6は連通しているため、圧力室75から押し出されたインクは、下流側の領域No3〜No6のみならず、上流側の領域No1,No2にも移行する。そのため、上流側に圧力が波及する分、ノズル25内に至る圧力が弱まる。そこで、第2実施形態においては、押し出されたインクを下流側のみに流下させることができるプリンター11Aについて説明する。
図11に示すように、第2実施形態のプリンター11Aは、プリンター11のインク供給ユニット14に代えて、インク供給ユニット14Aを備えている。そして、インク供給ユニット14Aにおいては、インク供給チューブ27に差圧弁80と開閉弁81とが設けられている。
開閉弁81は任意に開閉操作を行うことができる弁であり、圧力付与機構29のすぐ上流側に設けられる。なお、開閉弁81としては、電磁弁や機械的に動作する弁を採用することができる。そして、インク非供給クリーニングを実行する際には、差圧弁80を閉弁状態とすることで、圧力室75から押し出されたインクを下流側のみに流下させる。
また、差圧弁80は大気圧とインク圧との差圧を利用して開閉するダイアフラム式の自己封止弁で、インクカートリッジ26と開閉弁81との間に配置されている。プリンター11Aにおいては、インクカートリッジ26(図示しないカートリッジホルダ)がラインヘッド13よりも高い位置に設けられている。そのため、差圧弁80によって流体噴射ヘッド24内を−1kPa程度の負圧にしている。
図12(a)に示すように、差圧弁80は、定形性を有する流路形成部材82を有している。流路形成部材82の左端には上流側のインク供給チューブ27と接続される接続部83が設けられる一方、流路形成部材82の右端には下流側のインク供給チューブ27と接続される接続部84が設けられる。また、流路形成部材82の上面側には平面視円形状の凹部82aが形成されるとともに、凹部82aの内底面において中心から左方に偏心した位置には、円錐台形状をなす凸部82bが一つ形成されている。そして、この凸部82bの上端面に凹部82a内への開口が形成されるように、接続部83内には上流側のインク供給チューブ27と凹部82a内とを連通させる流入路83aが形成されている。一方、接続部84内には、下流側のインク供給チューブ27と凹部82a内とを連通させる流出路84aが形成されている。
流路形成部材82の上面側には、凹部82aの開口を封止するように可撓性を有するフィルム部材85が撓みを有した状態で固着されている。また、フィルム部材85の凹部82a内に臨む内面側の略中央部には、凹部82aの開口面積よりも面積の小さい円板状の押圧板86が固着されている。そして、フィルム部材85と凹部82aとによって、圧力室87が囲み形成されている。
圧力室87内には、基台部88と、この基台部88に傾動自在に支持されたアーム部材89と、アーム部材89の一端側(左端側)を、凸部82b側に向けて付勢する付勢ばね90とが収容されている。アーム部材89は、常時は付勢ばね90の付勢力を受けて、一端側が凸部82bの上端面に設けられた流入路83aの開口を封止するとともに、他端側(右端側)が押圧板86を上方に向けて押し上げた状態となっている。これにより、フィルム部材85が圧力室87の内容積を拡大する方向に撓み変位され、圧力室87及びその下流域に位置する流体噴射ヘッド24内は−1kPa程度の負圧となる。
また、流入路83aには、加圧ポンプ28によってインクが加圧状態で供給されるとともに、常には付勢ばね90の付勢力を受けたアーム部材89の一端側によって、圧力室87内への流入が抑制された状態となっている。そして、ノズル25からの噴射又は流出によりインクが消費されると、圧力室87内の負圧が増し、図12(b)に示すように、フィルム部材85が付勢ばね90の付勢力に抗して圧力室87の内容積を減少させる方向に撓み変位する。すると、アーム部材89の他端側が押圧板86を介してフィルム部材85に押圧されて傾動し、一端側が流入路83aの開口を開放するので、流入路83aを通じて圧力室87内に加圧されたインクが流入する。
そして、インクの流入に伴って圧力室87内の負圧が減少すると、アーム部材89及びフィルム部材85は再び付勢ばね90の付勢力によって元の位置に復帰する。したがって、流体噴射ヘッド24には消費量に応じたインクが供給されるようになっている。
次に、本実施形態におけるインク非供給クリーニングについて説明する。
プリンター11Aにおいては、インク非供給クリーニングを実行する際には差圧弁80が閉弁状態とされる(以下、この状態を「流路条件2」という)。流路条件2では、図9に示す領域のうち、領域No1,2を除いた領域No3〜6が加圧及び減圧の影響範囲となる。
そして、流路条件2でインク非供給クリーニングを行う場合の加圧インク量Vdの適正範囲を図13(a)に、加圧時間Ta及び減圧時間Tdの適正範囲を図13(b)に示す。
加圧インク量Vdについては、圧力室75の容積約1.0ccのうち、0.18cc≦Vd≦0.48ccとなる範囲で容積を減少させて加圧を行うことが好ましい。すなわち、領域No1,2側にインクが流れることで発生する圧力の損失がなくなるため、流路条件2では流路条件1よりも少ない加圧インク量Vdで気泡を排出することができる。この場合、1つのラインヘッド13には5280個のノズル25が設けられていることから、1ノズル当たりのインクの膨出良好域は、およそ3.5×10−5cc〜9.0×10−5ccとなる。また、Vd=0.33cc、Ta=0.15秒で加圧を行い、Td=0.35秒で減圧を行うことで、特に良好な結果が得られることが確認されている。
また、0.18cc≦Vd≦0.48ccとした場合の加圧時間Taは0.025秒≦Ta≦0.2秒、減圧時間Tdは0.1秒≦Td≦0.5秒(ただし、Ta<Td)であることが好ましい。すなわち、流路条件1,2を考慮すると、加圧工程で圧力付与機構29が加圧を行う加圧時間Taは0.025秒から0.5秒に設定されるのが好ましいといえる。
以上説明した実施形態によれば、上記(1)〜(5)と同様の作用効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(6)流路条件2において、圧力付与機構29が加圧を行う加圧時間Taは0.025秒から0.2秒と非常に短時間であるので、ノズル25の内壁に付着した気泡を引きはがして排出することができる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・圧力付与機構29は、図14に示す構成の圧力付与機構29Aとしてもよい。
圧力付与機構29Aは、定形性を有する流路形成部材91を有している。流路形成部材91の左端にはインク供給チューブ27と接続される接続部92が設けられる一方、流路形成部材91の右端にはインク供給チューブ27と接続される接続部93が設けられる。また、流路形成部材91の上面側には平面視円形状の凹部91aが形成されている。そして、接続部92内には、インク供給チューブ27と凹部91a内とを連通させる流入路92aが形成される。一方、接続部93内には、インク供給チューブ27と凹部91a内とを連通させる流出路93aが形成される。
流路形成部材91の凹部91a内には、ピストン94が摺動自在な状態で収容されている。ピストン94の一端側(下端側)は圧力室75の一壁面を構成する円盤形状の可動部94aを構成するとともに、ピストン94の他端側(上端側)は円盤形状の受圧部94bを構成する。そして、ピストン94の可動部94aと流路形成部材91の凹部91aとによって、圧力室75が囲み形成されている。
流路形成部材91の上面側と受圧部94bの下面側との間には、ばねからなる付勢部材76が配設されている。したがって、モーター79が正方向に駆動してカム部材77が同図における反時計回り方向に回動すると、ピストン94の可動部94aが回転軸78から離間する方向に移動する。すると、圧力室75の容積が減少し、圧力室75から押し出されたインクによってインク供給チューブ27内のインクが加圧される。また、モーター79が逆方向に駆動してカム部材77が同図における時計回り方向に回動すると、付勢部材76の付勢力でピストン94の可動部94aが回転軸78に近接する方向に移動する。すると、圧力室75の容積が増加し、圧力室75内に引き込まれるインクによってインク供給チューブ27内が減圧される。
・圧力付与機構29は、圧力付与機構29Aのピストン94を可動鉄心で構成するとともに、その周囲にソレノイドを設けるようにしてもよい。この場合には、ソレノイドに電流を流して磁界を発生させることにより、可動鉄心からなるピストン94を移動させることができる。
・圧力付与機構が圧電素子を備え、圧電素子によって流体供給路の容積を変動させることで加圧や減圧を行うようにしてもよい。
・弾性変形可能なインク供給チューブ27をカム部材77で押し潰すことで加圧を行うようにしてもよい。この場合には、流路形成部材71を備えなくてもよいので、構成を簡素化することができる。
・共通インク室30を備えず、例えばインク供給チューブ27の一端側(基端側)がインクカートリッジ26に接続される一方、他端側(先端側)が複数に分岐して流体噴射ヘッド24に接続されるようにしてもよい。この場合には、基端側に圧力付与機構29を設けてもよいし、分岐した先端側に圧力付与機構29を設けてもよい。
・圧力付与機構は、共通インク室30とリザーバー36との間に設けてもよいし、リザーバー36とキャビティ39との間に設けてもよい。
・液体供給路を弾性変形しにくい剛体の管路から構成してもよい。この場合には、加圧工程における加圧や減圧工程における減圧に伴う圧力変動を、管路の弾性変形で吸収することなくノズル25内に伝播させることができる。
・流路条件や噴射する流体を変更した場合には、摩擦抵抗や流路抵抗、粘性等が変化するので、加圧インク量Vd、加圧時間Ta及び減圧時間Tdもそれぞれ適切な値に変更するのが好ましい。
・流体噴射ヘッド24やノズル25の数、ノズル列Nの列数などは任意に設定することができる。
・流体収容体は着脱式でないインクタンクを採用してもよい。
・長尺の流体噴射ヘッドを備えるフルラインタイプのラインヘッド式プリンターや、ラテラル式プリンター、あるいはシリアル式プリンターとして実現してもよい。
・上記実施形態では、流体噴射装置をインクジェット式プリンターに具体化したが、インク以外の他の流体を噴射したり吐出したりする流体噴射装置を採用してもよく、微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうち何れか一種の噴射装置に本発明を適用することができる。
11,11A…流体噴射装置としてのプリンター、24…流体噴射ヘッド、25…ノズル、27…流体供給路を構成するインク供給チューブ、29,29A…圧力付与機構、30…流体貯留室としての共通インク室、75…流体供給路を構成する圧力室、Ta…加圧時間、Td…減圧時間。

Claims (7)

  1. 流体を噴射するノズルが複数設けられた流体噴射ヘッドと、
    該流体噴射ヘッド側に向けて前記流体を供給する流体供給路と、
    前記流体供給路内の前記流体に対して加圧を行うことで前記ノズルから前記流体を膨出させるとともに、該加圧に伴い前記ノズルから前記流体が膨出した状態において減圧を行う圧力付与機構とを備えることを特徴とする流体噴射装置。
  2. 前記圧力付与機構において、前記減圧を行う減圧時間は、前記加圧を行う加圧時間よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の流体噴射装置。
  3. 前記圧力付与機構は、前記流体供給路の容積を減少させることで前記加圧を行うとともに、前記流体供給路の容積を増加させることで前記減圧を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の流体噴射装置。
  4. 前記圧力付与機構において、前記減圧のために増加させる前記流体供給路の容積は、前記加圧のために減少させる前記流体供給路の容積よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の流体噴射装置。
  5. 前記流体噴射ヘッドは複数設けられ、
    前記流体供給路を介して供給された前記流体を貯留するとともに、貯留した前記流体を複数の前記流体噴射ヘッドに供給する流体貯留室をさらに備えることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の流体噴射装置。
  6. 前記圧力付与機構において、前記加圧を行う加圧時間は0.025秒から0.5秒であることを特徴とする請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の流体噴射装置。
  7. 流体を噴射するノズルが複数設けられた流体噴射ヘッドと、該流体噴射ヘッド側に向けて前記流体を供給する流体供給路と、該流体供給路内の前記流体に対して加圧と減圧を連続的に実行可能な圧力付与機構とを有する流体噴射装置のクリーニング方法であって、
    前記圧力付与機構が前記加圧を行って前記ノズルから前記流体を膨出させる加圧工程と、前記加圧工程の後に、前記ノズルから前記流体が膨出した状態において前記圧力付与機構が前記減圧を行う減圧工程とを備えることを特徴とするクリーニング方法。
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