JP2016175005A - 塗工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の継続的な冷却に有効な冷却手法を提案する。【解決手段】塗工装置100は、ダイヘッド110に、マニホールド112との間でペースト流動が可能な左方シリンダー114Lと右方シリンダー114Rとを離間して備える。塗工装置100は、ペースト攪拌に当たり、右方シリンダー114Rをマニホールド112のペーストを吸引する吸引制御に処し、これと同期して、左方シリンダー114Lをマニホールド112に吸引量と同量のペーストを吐出する吐出制御に処するプロセスAを実行する。このプロセスAに続き、塗工装置100は、左方シリンダー114Lをマニホールド112のペーストを吸引する吸引制御に処し、これと同期して、右方シリンダー114Rをマニホールド112に吸引量と同量のペーストを吐出する吐出制御に処するプロセスBを実行する。【選択図】図3

Description

本発明は、塗工装置に関する。
塗工装置は、ダイヘッドのスリットから被塗工液を被塗工物の表面に塗布して、被塗工物表面に被塗工液の薄膜を形成する。塗布される被塗工液は、薄膜に求められる性状等により種々選択可能であり、形成された薄膜の膜厚の均一化等の塗膜品質の向上のため、ダイヘッドの内部において被塗工液を攪拌する塗工装置が提案されている(例えば特許文献1)。
特開閉5−15829号公報
上記の塗工装置は、被塗工液の攪拌をもたらす回転体をダイヘッドに収容して、外部の駆動源からこの回転体を回転駆動する。このため、ダイヘッドのみならず、ダイヘッド周辺の機器構成が複雑となっていた。こうしたことから、被塗工液の攪拌を通した塗膜品質を維持しつつ、構成の簡略化を図ることが要請されるに到った。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、塗工装置が提供される。この塗工装置は、被塗工物に塗布する被塗工液を貯留部に貯留し、該貯留部の前記被塗工液をスリットから塗布するダイヘッドと、前記貯留部と接続されて前記貯留部との間で前記被塗工液の流動が可能とされ、前記貯留部との接続箇所が離間した複数のシリンダーと、前記被塗工液を前記貯留部からシリンダー側に吸引する吸引制御と、該吸引される前記被塗工液の吸引量と同量の前記被塗工液をシリンダー側から前記貯留部に吐出する吐出制御とを、前記複数のシリンダーの内の異なるシリンダーの組合せで実行する制御部とを備える。
この形態の塗工装置は、ダイヘッドの貯留部において、被塗工液の流動が可能とされた複数のシリンダーのうちのあるシリンダーによりなされた貯留部からの被塗工液吸引と、貯留部との接続箇所が離間した他のシリンダーによりなされた貯留部への吸引量と同量の被塗工液吐出を起こす。よって、この形態の塗工装置によれば、貯留部での同量の被塗工液吸引と被塗工液吐出により、貯留部での被塗工液量を一定としたまま、被塗工液を支障なく攪拌するので、塗膜品質を維持できる。しかも、この形態の塗工装置によれば、貯留部での被塗工液攪拌に当たり、貯留部に何らかの駆動機器を配設する必要がなく、被塗工液の流動が可能となるように複数のシリンダーを接続すればよいので、構成の簡略化を図ることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、ダイヘッドのスリットから被塗工液を塗布する塗工方法等の形態で実現することができる。
実施形態としての塗工装置100の概略構成を示す説明である。 ダイヘッド110の周辺構成を平面視と背面視にて概略的に示す説明図である。 マニホールド112でのペースト攪拌を起こすためのシリンダー114の駆動プロセスの様子を示す説明図である。 シリンダー114のプロセスAの実行当初にマニホールド112で起きるペーストの流れを概略的に示す説明図である。 プロセスAの過程においてマニホールド112で起きるペーストの流れを概略的に示す説明図である。 シリンダー114のプロセスBの実行当初にマニホールド112で起きるペーストの流れを概略的に示す説明図である。 プロセスBの過程においてマニホールド112で起きるペーストの流れを概略的に示す説明図である。 本実施形態によって成膜したペースト塗工膜PTと従来手法で成膜したペースト塗工膜PTの膜厚推移の様子を示す説明図である。 実施形態のペースト塗工膜PTと比較例品のペースト塗工膜PTの表面性状の対比を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。図1は実施形態としての塗工装置100の概略構成を示す説明図であり、図2はダイヘッド110の周辺構成を平面視と背面視にて概略的に示す説明図である。
図示するように、塗工装置100は、ダイヘッド110と、ポンプ120と、二つのシリンダー114と、ペースト貯留槽130と、ペースト供給管路150と、基材案内ローラー160と、制御装置200を備える。ペースト貯留槽130は、被塗工液としてのペーストを貯留する。ペースト供給管路150は、ペースト貯留槽130からダイヘッド110まで延び、ペースト貯留槽130の側から、ポンプ120と塗布バルブ140とを管路途中に備え、塗布バルブ140から分岐してペースト貯留槽130に戻るリターン管路152を有する。ポンプ120は、ペースト貯留槽130に貯留済みのペーストを、下流側管路に圧送する。塗布バルブ140は、ペーストの供給先をヘッド側管路150uとリターン管路152のいずれかに切り換えつつ、切り換え対象となった管路に、ポンプ120のポンプ圧でペーストを流し込む。塗布バルブ140の切り換え先がヘッド側管路150uであれば、塗布バルブ140の開弁期間においてペーストがダイヘッド110に圧送され、ダイヘッド110からのペースト塗布がなされる。塗布バルブ140の切り換え先がリターン管路152であれば、塗布バルブ140の開弁期間においてペーストがペースト貯留槽130に環流される。ペーストが沈降する分散成分を多く含む場合には、このリターン管路152を介したペースト環流により、ペースト貯留槽130或いはペースト供給管路150の管路における沈降が抑制される。
ポンプ120と塗布バルブ140は、いずれも制御装置200の制御を受けて駆動し、ポンプ120による圧送圧や圧送量、および塗布バルブ140の駆動タイミングは制御装置200にて設定される。よって、ポンプ120は、設定済みの圧送圧・圧送量でペーストを供給するよう駆動し、塗布バルブ140は、ポンプ120の駆動状況下の所定のタイミングで、ダイヘッド110へのペースト供給を行う。成膜対象のペースト塗工膜PTが長尺状であれば、塗布バルブ140は、ペースト塗工膜PTの長手方向寸法に対応して制御装置200で設定された塗布時間に亘って、ヘッド側管路150uにペーストを連続供給する。ペースト塗工膜PTが矩形形状であれば、塗布バルブ140は、制御装置200で設定されたタイミングで、ヘッド側管路150uへのペースト供給を間歇的に行う。基材案内ローラー160は、被塗工物たる基材Kをローラー表面に接触させ、制御装置200を受けて回転して、基材Kを下流に搬送すると共に、ダイヘッド110から塗工されたペーストの塗工圧を受け止める。
ダイヘッド110は、基材Kにポンプ120から圧送供給されたペーストを吹き付け塗工するため、基材案内ローラー160に接触保持された基材Kに対向して配設されている。ダイヘッド110は、ヘッド側管路150uを経て圧送されたペーストを貯留部たるマニホールド112に受け取り、このマニホールド112にてダイ幅方向に亘ってペーストを行き渡らせる。ダイヘッド110は、マニホールド112からダイ先端側に向けてスリット111を備える。スリット111は、ペーストの性状やペースト塗工膜PTの膜厚等を考慮して矩形形状に形成され、その長辺方向を基材Kの幅方向に合わせて、基材Kに対向する。そして、ダイヘッド110は、ポンプ圧でスリット111から基材Kに向けて塗布し、基材案内ローラー160の表面からの隔たり(塗工ギャップDd:図2参照)において、基材Kの表面に到る塗工ビートPv(図2参照)を形成する。この塗工ビートPvが基材案内ローラー160の回転により基材Kの表面に沿って延びることで、基材Kにペースト塗工膜PTが塗工・形成される(図1参照)。
本実施形態の塗工装置100は、基材Kを電解質膜としペースト塗工膜PTをアノード或いはカソードの電極触媒層とした膜電極接合体(MEA)の製造を意図している。よって、ダイヘッド110から吐出するペーストについては、剪断速度γ(1/sec)を200と規定し、この剪断速度γ(=200)において、粘度が50mPa・s、表面張力が30mN/mとなるような電極触媒層形成用のペーストを想定している。こうしたペーストとしては、白金等の貴金属触媒を、電解質膜と同質の電解質樹脂溶液および水とエタノールに分散させた分散溶媒を例示できる。また、ペースト塗工速度については、MEAの生産性から、50〜80m/minとし、塗工流量は500〜1500g/min、塗工ギャップDdは50〜1000μm、ペースト塗工膜PTの膜厚は100〜300μm、膜幅(塗布幅)は20cmを想定している。なお、上記のスペックは、MEAにおける電極触媒層として求められる電極触媒層の層厚を達成するためのものであり、塗工装置100の使用用途は、MEAの製造以外の用途に用いることができ、上記した粘度等に規定されるわけではない。
シリンダー114は、ダイヘッド110の左右に配設されている。以下、シリンダー114を左右のシリンダーに区別する際には、図示するように、左方シリンダー114L、右方シリンダー114Rと称する。左右の区別が無用な場合は、シリンダー114と称する。
シリンダー114は、ピストン114bで形成される液室114aを、連結管路115を介してダイヘッド110のマニホールド112に接続し、マニホールド112との間でペーストの流動を図る。ピストン114bは、シリンジ内を液密に摺動可能であり、制御装置200の制御を受けて駆動するピストン駆動部114cにより前進・後退する。ピストン114bの前進により、シリンダー114は、液室114aのペーストを、シリンダー側からマニホールド112に吐出する。また、シリンダー114は、ピストン114bの後退により、マニホールド112のペーストをマニホールド112から液室114aの側に吸引する。シリンダー114において、液室114aは、マニホールド112の内容積の2/3程度の容積が確保できるようにされている。そして、ダイヘッド110によるペースト塗布前の状態で、一方のシリンダー114、例えば右方シリンダー114Rは、マニホールド112の内容積の1/2程度の容量のペーストを吸引可能な初期状態とされ、他方の左方シリンダー114Lは、右方シリンダー114Rのペースト吸引量と同量のペーストを吐出可能な初期状態とされている。
本実施形態の塗工装置100は、シリンダー114をダイヘッド110の左右に配設した上で、マニホールド112に対する左方シリンダー114Lと右方シリンダー114Rの接続箇所を離間した。具体的には、図2と図3に示すように、平面視において、マニホールド112に対する連結管路115の連結ポイント115cを、左方シリンダー114Lと右方シリンダー114RでY方向にオフセットし、背面視においても、連結ポイント115cを、左方シリンダー114Lと右方シリンダー114RでX方向にオフセットした。連結ポイント115cは、マニホールド112に向けたシリンダー114からのペーストの流れ込みポイントであり、マニホールド112からシリンダー114へのペーストの流れ出しポイントである。これにより、マニホールド112へのペーストの流れ込みポイントと、マニホールド112からのペーストの流れ出しポイントとは、離間した上で水平・背面視で異なる位置となる。
制御装置200は、論理演算を実行するCPUやROM、RAM等を備えたいわゆるマイクロコンピュータで構成され、塗工装置100の種々の制御を司る。例えば、制御装置200は、基材案内ローラー160の回転速度を検出する図示しない速度センサーからの入力を受けて、ポンプ120のポンプ圧や圧送量の制御や塗布バルブ140の開閉駆動制御を行うほか、左方シリンダー114Lと右方シリンダー114Rの同期駆動等を制御する。左右のシリンダー114の駆動制御を行う制御装置200は、本願における制御部を構築する。この他、制御装置200は、ペースト供給管路150でのペースト含有成分の沈降を回避すべく、ペーストの性状に応じた塗布バルブ140の開閉駆動制御なども行う。
次に、本実施形態の塗工装置100で得られる利点について説明する。図3はマニホールド112でのペースト攪拌を起こすためのシリンダー114の駆動プロセスの様子を示す説明図である。
塗工装置100の制御装置200は、ダイヘッド110からのペーストの塗布に先立ち、右方シリンダー114Rをマニホールド112からのペースト吸引が可能な上記の初期状態とし、左方シリンダー114Lについても、右方シリンダー114Rのペースト吸引量のペースト吐出が可能な初期状態とする(図2参照)。そして、制御装置200は、予め規定された攪拌タイミングとなると、左右のシリンダー114のピストン駆動部114c(図1参照)に駆動信号を出力し、図3に示すように、右方シリンダー114Rを、マニホールド112のペーストを液室114aに吸引する吸引制御に処し、左方シリンダー114Lについては、右方シリンダー114Rが吸引するペースト吸引量と同量のペーストを液室114aからマニホールド112に吐出する吐出制御に処する(プロセスA)。本実施形態の塗工装置100は、右方シリンダー114Rの吸引制御と左方シリンダー114Lの吐出制御とを、次のように同期を取った上で、並行して実行する。
塗布されるペーストは、粘度や分散成分の沈降等の性状が多種多様であることから、左方シリンダー114Lの吐出制御を右方シリンダー114Rの吸引制御より先に実行すると、マニホールド112へのペーストの流れ込みにより、スリット111からペーストが流れ出すことも起き得る。こうした事態を回避するため、本実施形態の塗工装置100は、右方シリンダー114Rの吸引制御と左方シリンダー114Lの吐出制御とを同時に行う、或いは、右方シリンダー114Rの吸引制御を左方シリンダー114Lの吐出制御より先行して実行するようにした。右方シリンダー114Rの吸引制御を先行する場合であっても、マニホールド112のペーストの多くが右方シリンダー114Rに吸引されてしまうようなことを回避するため、右方シリンダー114Rの吸引制御と左方シリンダー114Lの吐出制御との時間差については、1秒に満たない短時間とした。
右方シリンダー114Rの吸引制御と左方シリンダー114Lの吐出制御とを同期して実行するプロセスAでは、次のようなペースト挙動が起きる。図4はシリンダー114のプロセスAの実行当初にマニホールド112で起きるペーストの流れを概略的に示す説明図であり、図5はプロセスAの過程においてマニホールド112で起きるペーストの流れを概略的に示す説明図である。
プロセスAの実行当初では、右方シリンダー114Rの吸引制御により、マニホールド112のペーストは、図4に示すように、右方シリンダー114Rの連結ポイント115cの側において、この連結ポイント115cから右方シリンダー114Rの液室114aに吸引される。このペースト吸引に伴い、連結ポイント115cから離れた側のペーストにあっても、連結ポイント115cに向けて流れる。この右方シリンダー114Rの吸引制御に同期して左方シリンダー114Lの吐出制御が実行されると、右方シリンダー114Rの連結ポイント115cの側でのペーストの吸引流れに同期して、左方シリンダー114Lの連結ポイント115cの側では、この連結ポイント115cを経て左方シリンダー114Lの液室114aからマニホールド112にペーストが吐出される。よって、左方シリンダー114Lの吐出制御前に左方シリンダー114Lの連結ポイント115cの側に存在していたペーストは、右方シリンダー114Rの連結ポイント115cの側に押し出される。こうしたペースト吸引とペースト吐出に伴い、マニホールド112のペーストは、図5に示すように、右方シリンダー114Rの連結ポイント115cの側に向けて流動する。
制御装置200は、所定の吸引量、例えば、既述したマニホールド112の内容積の1/2程度の吸引量のペーストを右方シリンダー114Rの液室114aに吸引すると、右方シリンダー114Rの吸引制御を停止する。これと同期して、制御装置200は、上記の吸引量と同量のペーストを左方シリンダー114Lの液室114aからマニホールド112にペーストを吐出した時点で、左方シリンダー114Lの吐出制御を停止する。これにより、一旦、プロセスAが終了する。
制御装置200は、プロセスAの終了に続き、図3に示すように、左方シリンダー114Lを、マニホールド112のペーストを液室114aに吸引する吸引制御に処し、右方シリンダー114Rを、左方シリンダー114Lが吸引するペースト吸引量と同量のペーストを液室114aからマニホールド112に吐出する吐出制御に処する(プロセスB)。このプロセスBでの左方シリンダー114Lの吸引制御と右方シリンダー114Rの吐出制御にあっても、プロセスAと同様に同期を取った上で、並行して実行する。
プロセスAに続くプロセスBでは、プロセスAとは逆の次のようなペースト挙動が起きる。図6はシリンダー114のプロセスBの実行当初にマニホールド112で起きるペーストの流れを概略的に示す説明図であり、図7はプロセスBの過程においてマニホールド112で起きるペーストの流れを概略的に示す説明図である。
プロセスBの実行当初では、左方シリンダー114Lの吸引制御により、マニホールド112のペーストは、図6に示すように、左方シリンダー114Lの連結ポイント115cの側において、この連結ポイント115cから左方シリンダー114Lの液室114aに吸引される。このペースト吸引に伴い、連結ポイント115cから離れた側のペーストにあっても、連結ポイント115cに向けて流れる。この左方シリンダー114Lの吸引制御に同期して右方シリンダー114Rの吐出制御が実行されると、左方シリンダー114Lの連結ポイント115cの側でのペーストの吸引流れに同期して、右方シリンダー114Rの連結ポイント115cの側では、この連結ポイント115cを経て右方シリンダー114Rの液室114aからマニホールド112にペーストが吐出される。よって、右方シリンダー114Rの吐出制御前に右方シリンダー114Rの連結ポイント115cの側に存在していたペーストは、左方シリンダー114Lの連結ポイント115cの側に押し出される。こうしたペースト吸引とペースト吐出に伴い、マニホールド112のペーストは、図7に示すように、左方シリンダー114Lの連結ポイント115cの側に向けて流動する。
制御装置200は、既述した所定の吸引量のペーストを左方シリンダー114Lの液室114aに吸引すると、左方シリンダー114Lの吸引制御を停止する。制御装置200は、これに同期して、上記の吸引量と同量のペーストを右方シリンダー114Rの液室114aからマニホールド112にペーストを吐出した時点で、右方シリンダー114Rの吐出制御を停止する。これにより、一旦、プロセスBが終了する。
制御装置200は、ペーストの性状で規定される所定の攪拌期間に亘って、上記したプロセスAとプロセスBとを交互に継続して繰り返す。そして、プロセスAからプロセスBに、或いはこの逆に制御が繰り返されるごとに、マニホールド112では、ペーストの流れ方向が反転するペースト流動が起きるので、マニホールド112のペーストは攪拌される。しかも、常に同量のペーストが吸引・吐出されるので、マニホールド112におけるペースト貯留量に変化を来さない。こうしたことから、本実施形態の塗工装置100によれば、マニホールド112での同量のペースト吸引とペースト吐出により、マニホールド112でのペースト液量を一定としたまま、ペーストを支障なく攪拌できるので、ペースト塗布を経て得たペースト塗工膜PTの塗膜品質を維持、或いは向上できる。しかも、本実施形態の塗工装置100によれば、マニホールド112でのペースト攪拌に当たり、マニホールド112に回転体等の駆動機器を配設する必要がなく、ペーストの流動が可能となるように二つのシリンダー114を接続すればよいので、構成の簡略化を図ることができる。
本実施形態の塗工装置100は、シリンダー114の吸引制御と吐出制御によりマニホールド112にてペースト攪拌を行うに当たり、吸引量と吐出量を同量としたので、マニホールド112でペーストが攪拌する際のペーストの動き(移動速度)を、容易に定速とできる。よって、ペーストの液性状の安定化と維持が可能なほか、沈降性を有する分散成分を多く分散させた高粘度のペーストでは、塗布形状の安定化と膜厚均一化に有益となる。換言すれば、マニホールド112でのペースト挙動において、プロセスAとプロセスBとでは、ペーストの流れの向きが反転するので、ペーストに、プロセス切替の際に剪断力を及ぼすことができる。そうすると、沈降性を有する分散を多く分散させた高粘度のペーストの粘度低下が可能となるので、この点からも、性膜品質を向上できる。
プロセスAとプロセスBの交互繰り返しの回数や継続時間は、ダイヘッド110から吐出するペーストの性状や、ペースト塗工膜PTに求められる膜品質に応じて、適宜、規定される。例えば、矩形形状のペースト塗工膜PTを基材Kに繰り返し形成するようにダイヘッド110からペーストを間歇的に塗布するような場合には、ペーストの塗布を停止している間に、プロセスAとプロセスBを所定回数繰り返したり、所定枚数の矩形形状のペースト塗工膜PTの形成ごとに、プロセスAとプロセスBを繰り返せばよい。また、長尺状のペースト塗工膜PTを連続形成する場合には、所定時間ごとに、所定の回数だけプロセスAとプロセスBを繰り返せばよい。
本実施形態の塗工装置100は、二つのシリンダー114をマニホールド112に離間して接続して配設するに当たり、マニホールド112に対する連結管路115の連結ポイント115cを左方シリンダー114Lと右方シリンダー114Rとで水平・背面視において異なる位置とした。よって、本実施形態の塗工装置100によれば、一方のシリンダー114へのペースト吸引(吸引制御)と、他方のシリンダー114からマニホールド112へのペースト吐出(吐出制御)とを同期して行うプロセスA、Bの両プロセスにおいて、ペーストをマニホールド112の内部で効率よく攪拌できる。このため、沈降を起こし易い分散成分を有するペーストにてペースト塗工膜PTを形成する際にあっても、マニホールド112における攪拌により沈降を抑制した分散性の高いペーストでペースト塗工膜PTを形成できるので、塗膜品質を向上できる。
次に、本実施形態の塗工装置100で得られるペースト塗工膜PTの性能評価について説明する。図8は本実施形態によって成膜したペースト塗工膜PTと従来手法で成膜したペースト塗工膜PTの膜厚推移の様子を示す説明図である。性能評価に当たっては、電極触媒層形成用のペーストを用い、基材KとしてのPETフィルムに電極触媒層としてのペースト塗工膜PTを形成した。用いたペーストは、水を主溶媒とした電極触媒層形成用のペーストであって、白金等の貴金属触媒を、電解質膜と同質の電解質樹脂溶液および水とエタノールに分散させた分散溶媒である。ペースト準備に当たっては、剪断速度γ(=200)において、粘度が50mPa・s、表面張力が30mN/mとなるように調整した。そして、塗布速度を、性能評価故に、生産時より低速の5m/minとし、塗工流量については500g/minとし、塗工ギャップDdは150μm、膜厚は100μm、膜幅(塗布幅)は20cmとし、こうしたスペックで、ペースト塗工膜PTを100mに亘って連続成膜した。得られた100mのペースト塗工膜PTを乾燥させた後、塗布幅中央位置において、塗膜厚みを測定し、その塗膜厚みをペースト塗工膜PTの長さに対応してプロットした。その結果が図8である。
図8における本実施形態品のペースト塗工膜PTを成膜するに当たっては、上記したプロセスAとプロセスBの交互繰り返しを、成膜10mごとに30秒間に亘って間歇的に実行した。比較例品のペースト塗工膜PTは、封止されたマニホールド112を備えただけのダイヘッドを有する既存の塗工装置を用いて、上記のペーストから成膜した。
図8から明らかなように、本実施形態の塗工装置100で成膜したペースト塗工膜PT(実施形態品)は、成膜当初から100mの成膜までの膜各所において、膜厚に変化は見られなかった。これに対し、比較例品のペースト塗工膜PTでは、膜厚が薄い側になることが多く、−13%〜+4%の範囲で膜厚推移が見られた。このことから、既述したシリンダー114を用いたマニホールド112でのペースト攪拌により、成膜品質を高めることができたことが実証された。
実施形態のペースト塗工膜PTと比較例品のペースト塗工膜PTの表面を目視観察し、表面性状を調査した。図9は実施形態のペースト塗工膜PTと比較例品のペースト塗工膜PTの表面性状の対比を示す説明図である。この図9から明らかなように、本実施形態の塗工装置100で成膜したペースト塗工膜PTには、塗工痕が凹凸条として筋状に延びるスジや、塗工痕が凹凸として点在するブツ、或いは幅方向両端に塗工痕の凹凸が見られる欠けといった表面品質欠陥は見られなかった。
上記したペースト塗工膜PTの成膜の後、本実施形態の塗工装置100と既存の塗工装置におけるマニホールドにおいて、マニホールドでのペースト残留状態を目視観察した。この目視観察の結果、既存の塗工装置におけるマニホールドに残留していたペーストには、分散成分の沈降や凝集が観察されたのに対し、本実施形態のダイヘッド110におけるマニホールド112では、分散成分の沈降や凝集が見られなかった。このことにより、既述したシリンダー114を用いたマニホールド112でのペースト攪拌が確実に起きていることが実証された。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記の実施形態では、ダイヘッド110の左右に右方シリンダー114Rと左方シリンダー114Lの二つのシリンダーを配設したが、三つ以上のシリンダーを、マニホールド112との間でペースト流動が可能に配設してもよい。このように三つ以上の複数のシリンダーを用いた場合には、異なるシリンダーの組合せで、マニホールド112からのペーストの吸引制御と、マニホールド112へのペーストの吐出制御とを、吸引量と吐出量とが同量となるように、既述したプロセスAとプロセスBとを交互に繰り返せばよい。この際、吸引量と吐出量とが同量となるようにする限りにおいて、ペーストの吸引制御を一つのシリンダーで行い、ペーストの吐出制御を、残余の総てのシリンダーで行ったり、残余のシリンダーの一部のシリンダーで行ってもよい。
上記の実施形態では、ダイヘッド110の左右に二つのシリンダーを配設したが、二つ或いは三つ以上のシリンダーを、図1におけるダイヘッド110の背面や底面、天井面に配設し、それぞれのシリンダーをマニホールド112との間でペースト流動が可能としてもよい。
上記の実施形態では、マニホールド112に対する右方シリンダー114Rと左方シリンダー114Lの接続箇所、即ち連結ポイント115cを、図2や図3に示すように、水平視および背面視において、オフセットしたが、これに限らない。例えば、水平視と背面視のいずれかにおいて、或いは両者において、マニホールド112に対する連結ポイント115cを対向させるようにしてもよい。
100…塗工装置
110…ダイヘッド
111…スリット
112…マニホールド
114…シリンダー
114L…左方シリンダー
114R…右方シリンダー
114a…液室
114b…ピストン
114c…ピストン駆動部
115…連結管路
115c…連結ポイント
120…ポンプ
130…ペースト貯留槽
140…塗布バルブ
150…ペースト供給管路
150u…ヘッド側管路
152…リターン管路
160…基材案内ローラー
200…制御装置
Dd…塗工ギャップ
K…基材
PT…ペースト塗工膜
Pv…塗工ビート

Claims (1)

  1. 塗工装置であって、
    被塗工物に塗布する被塗工液を貯留部に貯留し、該貯留部の前記被塗工液をスリットから塗布するダイヘッドと、
    前記貯留部と接続されて前記貯留部との間で前記被塗工液の流動が可能とされ、前記貯留部との接続箇所が離間した複数のシリンダーと、
    前記被塗工液を前記貯留部からシリンダー側に吸引する吸引制御と、該吸引される前記被塗工液の吸引量と同量の前記被塗工液をシリンダー側から前記貯留部に吐出する吐出制御とを、前記複数のシリンダーの内の異なるシリンダーの組合せで実行する制御部とを備える
    塗工装置。
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