JP2016173976A - 筒型電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】筒型電池に複数種の安全機構を簡素な構成にて実装する。
【解決手段】筒型電池(アルカリ電池1)は、発電要素20が収納される有底筒状の正極缶11と、正極缶11の開口部を封口する負極端子板32と、正極缶11の開口部の縁部111に沿って、負極端子板32の端子面よりも正極缶の軸方向外側に突出させて設けられるシート台座41と、負極端子板32の少なくとも一部を覆うようにシート台座41に剥離可能に固着される絶縁シート42とを備える。筒型電池は、正極缶11の外周面を被覆する絶縁性の外装ラベル13を有し、負極端子板32は、その周縁が絶縁体を挟んで正極缶11の縁部111とともに内周側に折り曲げられてカシメ加工されることにより開口部を封口し、シート台座41は、正極缶11の縁部111を被覆している外装ラベル13を覆うように、縁部111に沿って固着されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、筒型電池の安全機構に関する。
特許文献1には、複数の電池を直列に配列した際の電池の誤接続を防止すべく、筒形電池の負極端子の端子面の周縁部に絶縁突起を間隔をあけて設けること、絶縁突起を端子面の周縁部に沿って120度おきに3箇所設けること、各絶縁突起は、紫外線硬化型樹脂の塗布またはポリエステルフィルムの貼付により形成されていることが記載されている。
特許文献2には、複数の電池を直列接続して使用する場合の逆接続を防ぐため、電池使用機器と接触する負極端子面の外周部の一部を樹脂フィルムにより被覆すること、樹脂フィルムを負極端子の外形より小さい穴を残して負極端子面の一部を被覆すること、樹脂フィルムを負極端子面から剥離可能に被覆すること、樹脂フィルムを電池の外装ラベルと一体的に形成し負極端子面全体が露出する位置まで剥離可能に被覆することが記載されている。
特許文献3には、使用済み電池を廃棄する際、意図せざる充電やショートなどによる事故を未然に防止できるようにするため、電池の外装部に、粘着性を有すると共に引き剥がし可能で且つ再貼着可能な絶縁性テープを保持し、電池が使用済みとなった際に、上記絶縁性テープを上記電池外装部から引き剥がし、電池の電極部に再貼着して外部との電気的接続を防止できるようにすること、上記絶縁性テープは、樹脂製フィルムより形成されること、上記絶縁性テープの片側には、引き剥がし可能であり且つ再粘着可能な接着剤が所望の位置に付与されていることが記載されている。
特許文献4には、シュリンクラベルまたはシュリンクチューブ等の熱収縮部材で外装したアルカリ乾電池の外装の信頼性を向上させるべく、熱収縮部材で外装したアルカリ乾電池の金属製電池ケース開口部を改良し、金属製電池ケースのカシメ部外周に絶縁リングを装着し、さらにその上からシュリンクラベルまたはシュリンクチューブで密着固定し、外装ラベル収縮部に損傷が生じた場合でも電気的絶縁性が保持されるようにすることが記載されている。
特開平9−161762号公報 特開2001−338638号公報 特開2003−17082号公報 特開2001−332226号公報
ところで、特許文献1〜4に記載された各機能、即ち、電池が未使用であることの表示機能、負極端子板の絶縁保護の機能、複数の電池を直列に配列して使用する際に起きる可能性のある逆接続の防止機能、及び外装ラベルの破損に起因して生じうる外部ショートの防止機能の全ての機能を電池に実現しようとすれば、機能ごとに別個の構成を電池に設けなければならず、部品点数の増大、製造工程の煩雑化、製造コストの増大等につながることとなる。
本発明は筒型電池に複数種の安全機構を簡素な構成にて実装することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明の一つは、筒型電池であって、発電要素が収納される有底筒状の正極缶と、前記正極缶の開口部を封口する負極端子板と、前記正極缶の前記開口部の縁部に沿って、前記負極端子板の端子面よりも前記正極缶の軸方向外側に突出させて設けられるシート台座と、前記負極端子板の少なくとも一部を覆うように前記シート台座に剥離可能に固着される絶縁シートとを備えることとする。
本発明によれば、正極缶の開口部の縁部に設けられるシート台座によってラベル破損による外部ショートを防止することができる。また絶縁シートによって未使用状態を表示することができる。また絶縁シートを引き剥がした後は、残留するシート台座は電池の逆接続を防ぐように作用する。また電池の組み立て時においては、シート台座と絶縁シートとを一体として電池に設けることができるので、本発明を適用した電池は簡素な工程で製造することができる。
本発明の他の一つは、上記筒型電池であって、前記正極缶の外周面を被覆する絶縁性の外装ラベルを有し、前記負極端子板は、その周縁が絶縁体を挟んで前記正極缶の前記開口部の縁部とともに内周側に折り曲げられてカシメ加工されることにより前記開口部を封口し、前記シート台座は、前記正極缶の前記開口部の縁部を被覆している前記外装ラベルを覆うように、前記縁部に沿って固着されていることとする。
本発明によれば、シート台座は、正極缶の開口部の縁部の近傍を被覆している、損傷しやすい外装ラベルを覆うように上記縁部に固着されるので、シート台座によって外装ラベルを確実に保護することができ、外部ショートを防ぐことができる。
本発明の他の一つは、上記筒型電池であって、前記シート台座は、第1接着剤によって前記正極缶の前記開口部の縁部に固定されており、前記絶縁シートは、第2接着剤によって前記シート台座に固着されており、前記第1接着剤の接着力は前記第2接着剤の接着力よりも大であることとする。
このように第1接着剤の接着力は第2接着剤の接着力よりも大きくすることで、電池の使用開始時にシート台座を残して絶縁シートのみを確実に引き剥がすことができる。
本発明の他の一つは、上記筒型電池であって、LR6型のアルカリ電池であり、前記シート台座の頂部と前記負極端子板の端子面との前記正極缶の軸方向に沿った長さの差が少なくとも0.1mm以上であることとする。
このように筒型電池がLR6型のアルカリ電池である場合は高低差を0.1mm以上とすることで逆接続を確実に防ぐことができる。
本発明の他の一つは、上記筒型電池であって、前記シート台座が、前記正極缶の前記開口部の縁部に沿って環状に設けられていることとする。
本発明によれば、正極缶の開口部の縁部の近傍を被覆している傷つきやすい外装ラベルを確実に保護することができる。
本発明の他の一つは、上記筒型電池であって、前記絶縁シートは、前記シート台座の複数個所に設けられた突出部において前記シート台座に固着されていることとする。
本発明によれば、シート台座と正極缶との間の接着力に比べて絶縁シートとシート台座との間の接着力を弱くすることができる。また例えば、同じ接着剤を使っても上下の接着力に差をつけることができ、接着剤の種類を増やす必要がなくなる。
本発明の他の一つは、上記筒型電池であって、前記シート台座は、複数個所に設けられた突出部を介して前記正極缶の前記開口部の縁部に固定されていることとする。
本発明によれば、シート台座によって確実に絶縁シートを支持することができる。
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
本発明によれば、筒型電池に複数種の安全機構を簡素な構成にて実装することができる。
円筒形アルカリ電池1の構成を示す図である。 アルカリ電池1の負極端子板32周辺の部分拡大断面図である。 アルカリ電池1を負極端子板32の方向から眺めた部分拡大平面図である。 アルカリ電池1を側面の方向から眺めた部分拡大側面図である。 正極缶11の縁部111周辺を側方から眺めた部分拡大断面図である。 絶縁シート42がシート台座41から引き剥がされた後のアルカリ電池1の負極端子板32周辺の部分拡大断面図である。 変形例1として示すアルカリ電池1を負極端子板32の方向から眺めた部分拡大平面図である。 変形例1として示すアルカリ電池1の負極端子板32の周辺を側面の方向から眺めた部分拡大側面図である。 変形例2として示すアルカリ電池1を負極端子板32の方向から眺めた部分拡大平面図である。 変形例2として示すアルカリ電池1の負極端子板32の周辺を側面の方向から眺めた部分拡大側面図である。 変形例3として示すアルカリ電池1を負極端子板32の方向から眺めた部分拡大平面図である。 変形例3として示すアルカリ電池1の負極端子板32の周辺を側面の方向から眺めた部分拡大側面図である。
図1に筒型電池の一例として示す円筒形アルカリ電池(LR6型(単三形)アルカリ電池)の構成(以下、アルカリ電池1と称する。)を示している。尚、同図ではアルカリ電池1を縦断面図(円筒軸の延長方向を上下(縦)方向としたときの断面図)として示している。
同図に示すように、アルカリ電池1は、有底筒状の金属製の電池缶(以下、正極缶11と称する。)、正極缶11に挿入される正極合剤21、正極合剤21の内周側に設けられる有底円筒状のセパレータ22、セパレータ22の内周側に充填される負極合剤23、正極缶11の開口部に樹脂等の絶縁性の素材からなる封口ガスケット35(絶縁体)を介して嵌着され、正極缶11の開口部を封口する負極端子板32、及び負極端子板32の内側にスポット溶接等によって固設される、真鍮等の素材からなる棒状の負極集電子31を備える。正極合剤21、セパレータ22、及び負極合剤23は、アルカリ電池1の発電要素20を構成している。
正極缶11は導電性の材質からなり、例えば、ニッケルメッキ鋼板等の金属材をプレス加工したものが用いられる。正極缶11は、正極集電体並びに正極端子としての機能を兼ねており、その底部には凸状の正極端子部12が一体形成されている。
正極缶11の外周面のほぼ全体は、絶縁性の外装ラベル13によって被覆されている。外装ラベル13は、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET: PolyEthylene Terephthalate)、ポリ塩化ビニル(PVC:PolyVinyl Chloride)等の絶縁性、熱収縮性の樹脂素材からなる。外装ラベル13は、例えば、当該樹脂素材からなるフィルムを正極缶11の周囲に巻き付けた後、これを加熱収縮させることにより、正極缶11に密着するように設けられる。
正極合剤21は、正極活物質としての電解二酸化マンガン(EMD)、導電材としての黒鉛、及び水酸化カリウム(KOH)を主成分とする電解液を、ポリアクリル酸などのバインダーとともに混合し、その混合物を圧延、解砕、造粒、分級等の工程にて処理した後、圧縮し環状に成形したものである。同図に示すように、正極缶11内には、複数の環状の正極合剤21が、正極缶11の円筒軸と同軸となるように、上下方向に積層されて圧入されている。図1に示すアルカリ電池1では、正極缶11内に3つの正極合剤21を圧入している。
負極合剤23は、負極活物質としての亜鉛合金粉末をゲル化したものである。亜鉛合金粉末は、ガスアトマイズ法や遠心噴霧法等によって造粉されたものであり、亜鉛、ガスの発生の抑制(漏液防止)等を目的として添加される合金成分(ビスマス、アルミニウム、インジウム等)、及び電解液としての水酸化カリウム(KOH)を含む。負極集電子31は、負極合剤23の中心部に貫入されている。
図2は図1に示したアルカリ電池1の負極端子板32周辺の部分拡大断面図、図3Aはアルカリ電池1を負極端子板32の方向から眺めた部分拡大平面図、図3Bはアルカリ電池1を側面の方向から眺めた負極端子板32周辺の部分拡大側面図、図4は正極缶11の縁部111周辺を側方から眺めた部分拡大断面図である。
図2に示すように、負極端子板32は、その周縁が封口ガスケット35を挟んで正極缶11の開口部の縁部111とともに内周側に折り曲げられてカシメ加工されることにより、正極缶11の開口部を封口している。
正極缶11の開口部の負極端子板32の先端近傍の内周側に折り曲げられた縁部111には、その頂部が負極端子板32の端子面321よりも突出するように、即ちその頂部(最高位の部分)の高さが負極端子板32の端子面321の高さよりも高くなるように(図2において端子面321よりも正極缶11の軸方向に外側に突出(紙面の上方に突出)するように)、円環状のシート台座41が、第1接着剤51によって固着されている。尚、シート台座41は、例えば、ポリエチレン(PE:PolyEthylene)、ポリプロピレン(PP:PolyPropylene)等の樹脂性の素材からなる。
シート台座41の頂面には、絶縁シート42が、負極端子板32の全面を覆うようにシート台座41から引き剥がし可能に第2接着剤52によって固着されている。尚、絶縁シート42は、例えば、長期品質安定性に優れ、比較的安価で加工も容易な、ポリプロピレン(PP:Polypropylene)、ポリ塩化ビニル(PVC:PolyVinyl Chloride)等の素材からなる樹脂フィルムである。
シート台座41は、正極缶11の縁部111を被覆している外装ラベル13の一部を覆うように(外装ラベル13を保護するように)、負極端子板32の縁部111に固着されている。
第1接着剤51の接着力は第2接着剤の接着力よりも大きい。このため、アルカリ電池1から絶縁シート42のみを(シート台座41をアルカリ電池1に残して)容易に引き剥がすことができる。
尚、アルカリ電池1の使用前の状態においては、負極端子板32の全体が絶縁シート42で覆われており、アルカリ電池1の使用開始に際し、アルカリ電池1のユーザは、絶縁シート42を引き剥がして負極端子板32の端子面321を露出させる必要がある。従って、ユーザは、負極端子板32の全体が絶縁シート42で覆われているか否かを確認することによりアルカリ電池1が未使用状態であるか否かを容易かつ確実に判断することができる。
図5はアルカリ電池1の負極端子板32周辺の部分拡大断面図であり、絶縁シート42がシート台座41から引き剥がされた後の様子を示している。同図に示すように、絶縁シート42が引き剥がされるとアルカリ電池1にはシート台座41のみが残留する。
以上の通り、アルカリ電池1の正極缶11の縁部111には、これを被覆している外装ラベル13を保護するようにシート台座41が固着されるので、外装ラベル13の破損を確実に防ぐことができ、また外部ショート等の事故の発生を防ぐことができる。
またシート台座41は、アルカリ電池1の未使用表示の機能と、負極端子板32を絶縁保護する絶縁シート42の台座として機能を兼ねるものであり、またシート台座41と絶縁シート42はアルカリ電池1の組み立て時に一体のものとして電池に設けることができるので、アルカリ電池1の製造工程の簡素化、製造コストの低減等を図ることができる。
またシート台座41は、絶縁シート42を引き剥がした後においても、その最高位の部分が負極端子板32の端子面321から突出した状態でアルカリ電池1に残留するので、複数の電池を電池ケース等に収納し、これらを直列に配列して使用する際に起こり得る逆接続を確実に防ぐことができる。
このように、本実施形態のアルカリ電池1においては、アルカリ電池1が未使用であることの表示機能、負極端子板32の絶縁保護の機能、複数の電池を直列に配列して使用する際に起きる可能性のある逆接続の防止機能、及び外装ラベル13の破損に起因して生じうる外部ショートの防止機能の全ての機能を、簡素な構成にて実現することができる。
<試験>
以上に説明した構成からなるアルカリ電池1について、シート台座41の適切な高さ(負極端子板32の端子面321を基準面(高さ=0)とした場合におけるシート台座41の最高位の部分の高さ(図5に示す高さd))を検証すべく、試験を行った。試験は、以上に説明した構成からなる、シート台座41の高さを変えた複数のアルカリ電池1を夫々10個ずつ作製し、各アルカリ電池1を夫々の極性が逆に接続されるように電池ケースに装着した際の導通有無を調べることにより行った。表1に試験の結果を示す。
Figure 2016173976
表1に示すように、シート台座41の高さを0mmとした場合は試作した10個のアルカリ電池1の全てが導通し、シート台座41の高さを0.05mmとしたアルカリ電池1については試作した10個のアルカリ電池1のうち2個が導通した。一方、シート台座41の高さを0.1〜0.3mmとした場合は、試作したいずれのアルカリ電池1についても導通を確認できなかった。以上より、シート台座41の高さを0.05mm以上とすれば逆接時の導通を防止でき、とくにシート台座41の高さを0.1mm以上とすれば確実に逆接時の導通を防止できることがわかった。尚、「JIS C 8515(一次電池個別製品仕様)」の既定に準じた場合、LR6型(単三形)アルカリ電池の高さdの上限値は0.5mmである。
<変形例>
図6Aは、変形例1として示すアルカリ電池1を負極端子板32の方向から眺めた部分拡大平面図であり、図6Bは、変形例1として示すアルカリ電池1の負極端子板32周辺を側面の方向から眺めた部分拡大側面図である。図3A,図3Bに示したアルカリ電池1では、環状のシート台座41の頂面の全周にわたって第2接着剤52を塗布してシート台座41に絶縁シート42を固着するようにしていたが、変形例1では、シート台座41の複数個所に設けられた突出部411の頂面に第2接着剤52を塗布して絶縁シート42を固着している。
このようにシート台座41の全周ではなく、シート台座41の一部にのみ第2接着剤52を塗布してシート台座41に絶縁シート42を固着することで、絶縁シート42とシート台座41との間の接着力を、シート台座41とアルカリ電池1(正極缶11の開口部の縁部111)との間の接着力に比べて弱めることができ、絶縁シート42を引き剥がす際にシート台座41がアルカリ電池1から剥がれてしまうのを確実に防ぐことができる。また第1接着剤51及び第2接着剤52として同じ接着力のものを使用した場合でも、絶縁シート42とシート台座41との間の接着力を、シート台座41とアルカリ電池1との間の接着力に比べて弱めることができ、使用する接着剤の種類を減らしてアルカリ電池1の製造コストを抑えることができる。また変形例1の場合は図3A,図3Bに示したアルカリ電池1に比べてシート台座41の体積が減るので、アルカリ電池1の製造コストを抑えることができる。
図7Aは、変形例2として示すアルカリ電池1を負極端子板32の方向から眺めた部分拡大平面図であり、図7Bは、変形例2として示すアルカリ電池1の負極端子板32周辺を側面の方向から眺めた部分拡大側面図である。図3A,図3Bに示したアルカリ電池1では、環状のシート台座41の頂面の全周にわたって第2接着剤52を塗布してシート台座41に絶縁シート42を固着するようにしていた。これに対し、変形例2では、シート台座41を、シート台座41の下面(負極端子板32側の面)の複数個所に設けられた突出部412を介して正極缶11の開口部の縁部111に固定するようにしている。このアルカリ電池1の場合、環状のシート台座41の頂面の全周にわたって第2接着剤52を塗布してシート台座41に絶縁シート42を固着するので、絶縁シート42を安定してシート台座41に固着することができる。そのため、絶縁シート42に撓みが生じにくくなり、絶縁シート42の剥がれを防ぐことができる。また変形例2の場合は図3A,図3Bに示したアルカリ電池1に比べてシート台座41の体積が減るので、アルカリ電池1の製造コストを抑えることができる。また通常は高い接着強度が必要とされる第1接着剤51の量を削減することができるので、製造コストを抑えることができる。尚、一般に強度の低い接着剤よりも強度の高い接着剤のほうが高価である。
図8Aは、変形例3として示すアルカリ電池1を負極端子板32の方向から眺めた部分拡大平面図であり、図8Bは、変形例3として示すアルカリ電池1の負極端子板32の周辺を側面の方向から眺めた部分拡大側面図である。変形例3として示すアルカリ電池1は、シート台座41の構成については図3A,図3Bに示したアルカリ電池1と同じであるが、負極端子板32の一部を覆う程度の面積を有する絶縁シート42を設けている。変形例3によれば、絶縁シート42の面積が少ない分、アルカリ電池1の製造コストを低減することができる。
尚、以上の説明は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。例えば、本発明は、マンガン電池等、電池缶を集電体とする他の種類の電池に広く適用することができる。
1 アルカリ電池、11 正極缶、111 縁部、12 正極端子部、13 外装ラベル
20 発電要素、21 正極合剤、22 セパレータ、23 負極合剤、31 負極集電子、32 負極端子板、321 端子面、35 封口ガスケット、41 シート台座、411 突出部、412 突出部、42 絶縁シート、51 第1接着剤、52 第2接着剤

Claims (7)

  1. 発電要素が収納される有底筒状の正極缶と、
    前記正極缶の開口部を封口する負極端子板と、
    前記正極缶の前記開口部の縁部に沿って、前記負極端子板の端子面よりも前記正極缶の軸方向外側に突出させて設けられるシート台座と、
    前記負極端子板の少なくとも一部を覆うように前記シート台座に剥離可能に固着される絶縁シートと
    を備えることを特徴とする筒型電池。
  2. 請求項1に記載の筒型電池であって、
    前記正極缶の外周面を被覆する絶縁性の外装ラベルを有し、
    前記負極端子板は、その周縁が絶縁体を挟んで前記正極缶の前記開口部の縁部とともに内周側に折り曲げられてカシメ加工されることにより前記開口部を封口し、
    前記シート台座は、前記正極缶の前記開口部の縁部を被覆している前記外装ラベルを覆うように、前記縁部に沿って固着されている
    ことを特徴とする筒型電池。
  3. 請求項1または2に記載の筒型電池であって、
    前記シート台座は、第1接着剤によって前記正極缶の前記開口部の縁部に固定されており、
    前記絶縁シートは、第2接着剤によって前記シート台座に固着されており、
    前記第1接着剤の接着力は前記第2接着剤の接着力よりも大である
    ことを特徴とする筒型電池。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の筒型電池であって、
    LR6型のアルカリ電池であり、前記シート台座の頂部と前記負極端子板の端子面との前記正極缶の軸方向に沿った長さの差が少なくとも0.1mm以上である
    ことを特徴とする筒型電池。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の筒型電池であって、
    前記シート台座が、前記正極缶の前記開口部の縁部に沿って環状に設けられていることを特徴とする筒型電池。
  6. 請求項5に記載の筒型電池であって、
    前記絶縁シートは、前記シート台座の複数個所に設けられた突出部において前記シート台座に固着されていることを特徴とする筒型電池。
  7. 請求項5に記載の筒型電池であって、
    前記シート台座は、複数個所に設けられた突出部を介して前記正極缶の前記開口部の縁部に固定されていることを特徴とする筒型電池。
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