JP2016173961A - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽負荷領域におけるスイッチング損失の増加を抑制しながら、トランスを小型化できる電力変換装置を提供する。【解決手段】負荷7へ任意の直流電圧Vxを出力するDC−DC電力変換装置は2個のスイッチング素子の直列体である第1〜第3のスイッチングレグを並列接続して構成されたインバータ2を備え、第1〜第3のスイッチングレグの全てのスイッチング素子をスイッチング動作させる第1の動作モードと、第1〜第3のスイッチングレグのうち少なくとも1つ以上のスイッチングレグの上下どちらか一方のスイッチング素子を常にオンとし、他方のスイッチング素子を常にオフとなるように動作させる第2の動作モードを備えたことを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、直流電圧を電源とし、トランスを備えて負荷へ任意の直流電圧を供給する電力変換装置及びその制御法に関するものである。
例えば、X線CT装置や一般X線撮影装置をはじめとしたX線装置では、負荷であるX線管へ数十kV〜100kV程度の任意の直流の電圧を供給する必要がある。そのため、X線管へ高電圧を供給する電力変換装置として、例えば特許文献1や特許文献2に開示されている構成が用いられる。特許文献1及び特許文献2に記載のX線電力変換装置では、商用電源を入力し直流電圧を出力するコンバータと、直流電圧を入力して高周波の交流電圧を生成するインバータと、交流電圧を昇圧して整流回路へ供給するトランスと、交流電圧を入力して直流電圧を生成する整流回路(例えば、多段倍電圧整流回路やコッククロフト・ウォルトン回路)で構成され、直流の高電圧をX線管へ供給する構成となっている。
X線撮影装置では、撮影時に被検者の体格や撮影部位に応じて、X線管の電圧(以下、管電圧と記す。)やX線管の電流(以下、管電流と記す。)を可変する必要があり、広い負荷条件に対応する電力変換装置が要求される。また、低被ばく化の観点から、管電流が小さい条件で長時間連続して撮影を行うモードがあるため、広い負荷範囲で高い電力変換効率が求められている。
電力変換効率の高効率化に適したインバータの回路方式として、電流共振形インバータが広く知られている。しかしながら、電流共振形インバータでは、出力制御の方式としてインバータ周波数を可変して出力を制御する周波数制御が用いられるため、一般的な周波数制御では軽負荷になるほどインバータ周波数を高周波化する必要がある。そのため、スイッチング損失の増加により軽負荷時の高効率化が難しい課題がある。
この課題を解決する手段として、特許文献3が開示されている。特許文献3に記載の技術では、電力変換装置を、2つのスイッチング素子を直列接続したスイッチングレグを3つ並列接続して構成されたインバータと、第1のスイッチングレグと第2のスイッチングレグとの間に接続された第1のトランスと、第2のスイッチングレグと第3のスイッチングレグとの間に接続された第2のトランスと、第1のトランスの二次巻線と第2のトランスの二次巻線の一端を共通に接続して6つのダイオードで構成されるダイオードブリッジ回路の交流端子に接続した構成とし、入力電圧の条件に応じてトランスの一次巻線を直列動作と並列動作に切り替えることで、広い負荷条件において電力変換装置の高効率化を図っている。
しかしながら、特許文献3に記載の技術では、トランスの一次巻線を並列動作させる場合と直列動作させる場合で、第1のトランスの一次巻線の電圧極性と第2のトランスの一次巻線の電圧極性が異なるため、第1のトランスと第2のトランスで磁性体コアを分割して構成する必要があり、トランスの小型化が難しいという課題がある。また、インバータを常にフルブリッジ動作させる必要があるため、スイッチング損失の抑制が難しいという課題がある。
上記課題を解決するために、本発明は、直流電圧を入力し、負荷へ任意の直流電圧を出力する電力変換装置において、前記電力変換装置は、2個のスイッチング素子の直列体である第1〜第3のスイッチングレグを並列接続して構成されたインバータと、前記第1のスイッチングレグと前記第3のスイッチングレグとの間に接続された第1のトランスと、前記第2のスイッチングレグと前記第3のスイッチングレグとの間に接続された第2のトランスと、前記第1及び第2のトランスと前記負荷との間に接続された整流回路と、前記インバータ回路と前記整流回路との間に接続された共振回路とを備えた電力変換装置において、前記第1〜第3のスイッチングレグの全てのスイッチング素子をスイッチング動作させる第1の動作モードと、前記第1〜第3のスイッチングレグのうち少なくとも1つ以上のスイッチングレグの上下どちらか一方のスイッチング素子を常にオンとし、他方のスイッチング素子を常にオフとなるように動作させる第2の動作モードを備えたことを特徴とするものである。
本発明の望ましい実施態様によれば、第1のトランスの一次巻線の電圧と、第2のトランスの一次巻線の電圧を常に同じ極性に保つことができる。これにより、本発明では、第1のトランスと第2のトランスで磁性体コアを共有することができるため、トランスの小型化が可能となる。また、軽負荷時にスイッチング動作をさせる素子の数を低減できるため、スイッチング損失の低減を図ることができる。
以下、本発明の望ましい実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施例1について、図1〜図6を用いて説明する。図1は、本発明の実施例1による電力変換装置の回路構成図である。この電力変換装置は、直流電源1を電源とし、インバータ2と、共振回路3と、トランス4と、整流回路5と、制御装置6とで構成され、負荷7へ任意の直流電圧を供給する。
インバータ2は、直流電源1を入力として、共振回路3へ任意の周波数の交流電圧を出力するものであり、第1〜第3のスイッチングレグを並列接続して構成されている。第1〜第3のスイッチングレグは、スイッチング素子S1とS2、スイッチング素子S3とS4、スイッチング素子S5とS6をそれぞれ直列接続して構成され、スイッチング素子S1〜S6にはそれぞれ逆並列ダイオードD1〜D6が並列接続されている。
共振回路3は、一次巻線N11と直列接続された共振インダクタLr11及び共振コンデンサCs11と、一次巻線N12と直列接続された共振インダクタLr12及び共振コンデンサCs12から構成される。共振コンデンサCs11、Cs12はトランスに印加される電圧の直流成分を除去する役割を持つ。
トランス4は、一次巻線N11、N12と、磁性体コアT1と、二次巻線N21、N22から構成されており、整流回路5へ高周波の交流電力を供給する。
整流回路5は、二次巻線N21を交流入力とし、ブリッジ接続された整流ダイオードDr11〜Dr14と、平滑コンデンサCm1から構成されるブリッジ整流器Aと、二次巻線N22を交流入力とし、ブリッジ接続された整流ダイオードDr21〜Dr24と、平滑コンデンサCm2から構成されるブリッジ整流器Bを備え、ブリッジ整流器Aとブリッジ整流器Bの直流端子側を直列接続して構成され、二次巻線N21、N22の端子間に出力される交流電圧を整流および平滑し、負荷7へ直流電圧を供給する。
制御装置6は、スイッチング素子S1〜S6を制御するものであり、外部から入力される負荷電圧Vx及び負荷電流Ixの目標値に基づいてインバータ2の動作モードを判定し、スイッチング素子S1〜S6のゲート信号のパルスパターンを生成する。制御装置6は、インバータ2のスイッチング周波数fswを変化させる周波数制御により負荷への電力制御を行う。
このように構成することで、インバータ2は、共振回路3に供給する電流(以下、共振電流と記す。)、が正弦波状となる共振型インバータとして動作する。
本実施例1における電力変換装置は、第1〜第3のスイッチングレグの全てのスイッチング素子S1〜S6をスイッチング動作させる重負荷モード(第1の動作モード)と、第1、第2のスイッチングレグのスイッチング動作を休止させ、スイッチング素子S1、S3を常にオフ、スイッチング素子S2、S4を常にオンとし、第3のスイッチングレグのスイッチング素子S5、S6のみをスイッチング動作させる軽負荷モード(第2の動作モード)と、を切り替えることで、軽負荷領域におけるインバータ2のスイッチング損失を抑制し、高効率化を図る。
図2は、図1の電力変換装置のインバータ2の動作モードを判定するロジックを示すフローチャートである。ただし、図2におけるS101〜S105はステップ101〜ステップ105を示している。
以下、図2を用いて説明する。
(ステップ101)
ここでは、外部から制御装置6へ負荷電圧Vxと負荷電流Ixの目標値である出力指令値が入力される。
(ステップ102)
ステップ101で入力された出力指令値に基づき、負荷電圧Vxと負荷電流Ixの目標値から目標電力指令値Pxを算出する。
(ステップ103)
ステップ102で算出した目標電力指令値Pxとあらかじめ設定された電力閾値Prefを比較し、インバータの動作モードの判定を行う。
(ステップ104)
ステップ103で、目標出力電力Pxが電力閾値Prefよりも小さいと判断されると、制御装置6は軽負荷モードのパルス指令を生成する。
(ステップ105)
ステップ103で、目標出力電力Pxが電力閾値Prefよりも大きいと判断されると、制御装置6は重負荷モードのパルス指令を生成する。
(ステップ101)
ここでは、外部から制御装置6へ負荷電圧Vxと負荷電流Ixの目標値である出力指令値が入力される。
(ステップ102)
ステップ101で入力された出力指令値に基づき、負荷電圧Vxと負荷電流Ixの目標値から目標電力指令値Pxを算出する。
(ステップ103)
ステップ102で算出した目標電力指令値Pxとあらかじめ設定された電力閾値Prefを比較し、インバータの動作モードの判定を行う。
(ステップ104)
ステップ103で、目標出力電力Pxが電力閾値Prefよりも小さいと判断されると、制御装置6は軽負荷モードのパルス指令を生成する。
(ステップ105)
ステップ103で、目標出力電力Pxが電力閾値Prefよりも大きいと判断されると、制御装置6は重負荷モードのパルス指令を生成する。
このように、本実施例の電力変換装置では、外部から入力された出力指令に基づいて、制御装置6によりインバータ2の動作モードを判定する。
図3〜図6は、本実施例の電力変換装置の動作モードを説明するための図である。図3、図4は本実施例の電力変換装置の回路動作を説明する回路図を、図5、図6は、各部の動作波形図を示している。
以下、図3〜図6を用いて本発明の実施例1における電力変換装置の動作について説明する。
<重負荷モード(第1の動作モード)>
まず、図3、図5を用いて重負荷モードの回路動作を説明する。
(モードA:t0〜t1)
モードAでは、はじめスイッチング素子S1、S3、S6はオフ状態であり、共振コンデンサCs11と共振インダクタLr11及び共振コンデンサCs12と共振インダクタLr12による共振電流が一次巻線N11及び巻線N12に流れている。直流電源1の電圧をV1と表記するとすれば、インバータの出力電圧Vinv1、Vinv2はおおよそ+V1となる。
<重負荷モード(第1の動作モード)>
まず、図3、図5を用いて重負荷モードの回路動作を説明する。
(モードA:t0〜t1)
モードAでは、はじめスイッチング素子S1、S3、S6はオフ状態であり、共振コンデンサCs11と共振インダクタLr11及び共振コンデンサCs12と共振インダクタLr12による共振電流が一次巻線N11及び巻線N12に流れている。直流電源1の電圧をV1と表記するとすれば、インバータの出力電圧Vinv1、Vinv2はおおよそ+V1となる。
このとき、巻線N21にはダイオードDr12、二次巻線N21、ダイオードDr13のループで電流が流れ、二次巻線N22にはダイオードDr22、二次巻線N22、ダイオードDr23のループで電流が流れ、平滑コンデンサCm1及びCm2を充電している。モードAの状態では、デッドタイム期間Td後にスイッチング素子S1、S3、S6をオン状態にしておく。
(モードB:t1〜t2)
モードAの状態で、共振現象により電流極性が反転すると、モードBへ移行する。モードBの状態では、電源V1、スイッチング素子S1、共振コンデンサCs11、共振インダクタLr11、一次巻線N11、スイッチング素子S6のループと、電源V1、スイッチング素子S3、共振コンデンサCs12、共振インダクタLr12、二次巻線N21、スイッチング素子S6のループで共振電流が流れている。直流電源1の電圧をV1と表記するとすれば、インバータの出力電圧Vinv1、Vinv2はモードAと同様におおよそ+V1となる。
(モードB:t1〜t2)
モードAの状態で、共振現象により電流極性が反転すると、モードBへ移行する。モードBの状態では、電源V1、スイッチング素子S1、共振コンデンサCs11、共振インダクタLr11、一次巻線N11、スイッチング素子S6のループと、電源V1、スイッチング素子S3、共振コンデンサCs12、共振インダクタLr12、二次巻線N21、スイッチング素子S6のループで共振電流が流れている。直流電源1の電圧をV1と表記するとすれば、インバータの出力電圧Vinv1、Vinv2はモードAと同様におおよそ+V1となる。
このとき、二次巻線N21には、ダイオードDr14、二次巻線N21、ダイオードDr11のループで電流が流れ、二次巻線N22には、ダイオードDr24、二次巻線N22、ダイオードDr21のループで電流が流れ、平滑コンデンサCm1及びCm2を充電している。
(モードC:t2〜t3)
モードBの状態でスイッチング素子S1、S3、S6をターンオフするとモードCへ移行する。モードCでは、ダイオードD2、共振コンデンサCr11、共振インダクタLr11、ダイオードD5のループと、ダイオードD4、共振コンデンサCr12、共振インダクタLr12、ダイオードD5のループで共振電流が流れている。直流電源1の電圧をV1と表記するとすれば、インバータの出力電圧Vinv1、Vinv2はおおよそ−V1となる。
(モードC:t2〜t3)
モードBの状態でスイッチング素子S1、S3、S6をターンオフするとモードCへ移行する。モードCでは、ダイオードD2、共振コンデンサCr11、共振インダクタLr11、ダイオードD5のループと、ダイオードD4、共振コンデンサCr12、共振インダクタLr12、ダイオードD5のループで共振電流が流れている。直流電源1の電圧をV1と表記するとすれば、インバータの出力電圧Vinv1、Vinv2はおおよそ−V1となる。
このとき、二次巻線N21には、ダイオードDr14、二次巻線N21、ダイオードDr11のループで電流が流れ、二次巻線N22には、ダイオードDr24、二次巻線N22、ダイオードDr21のループで電流が流れ、平滑コンデンサCm1及びCm2を充電している。
モードCの状態で、デッドタイム期間Td後にスイッチング素子S2、S4、S5をオン状態にしておく。
(モードD:t3〜t4)
モードCの状態で、共振現象により共振電流が反転するとモードDへ移行する。モードDでは、電源V1、スイッチング素子S5、一次巻線N11、共振インダクタLr11、共振コンデンサCs11、スイッチング素子S2のループと、電源V1、スイッチング素子S5、一次巻線N12、共振インダクタLr12、共振コンデンサCs12、スイッチング素子S4のループで共振電流が流れている。モードDでは、インバータ2の出力端電圧Vinv1、Vinv2はモードCと同様に−V1となる。
(モードD:t3〜t4)
モードCの状態で、共振現象により共振電流が反転するとモードDへ移行する。モードDでは、電源V1、スイッチング素子S5、一次巻線N11、共振インダクタLr11、共振コンデンサCs11、スイッチング素子S2のループと、電源V1、スイッチング素子S5、一次巻線N12、共振インダクタLr12、共振コンデンサCs12、スイッチング素子S4のループで共振電流が流れている。モードDでは、インバータ2の出力端電圧Vinv1、Vinv2はモードCと同様に−V1となる。
このとき、二次巻線N21にはダイオードDr12、二次巻線N21、ダイオードDr13のループで電流が流れ、二次巻線N22にはダイオードDr22、二次巻線N22、ダイオードDr23のループで電流が流れ、平滑コンデンサCm1及びCm2を充電している。モードDの状態で、スイッチング素子S2、S4、S5をターンオフするとモードAへ移行する。
以下、定常状態ではモードA〜モードDの繰り返し動作となり、重負荷モードにおけるインバータ2は、波高値2×V1の電圧を出力するフルブリッジインバータとして動作する。
<軽負荷モード(第2の動作モード)>
次に、図4、図6を用いて軽負荷モードの回路動作を説明する。
(モードa:t10〜t11)
モードaでは、スイッチング素子S1及びS4はオン状態であり、一次巻線N11にはダイオードD2、共振コンデンサCs11、共振インダクタLr11、一次巻線N11、ダイオードD5のループで共振電流が流れ、一次巻線N12には、ダイオードD4、共振コンデンサCr12、共振インダクタLr11、一次巻線N12、ダイオードD5のループで共振電流が流れている。直流電源1の電圧をV1と表記するとすれば、インバータの出力電圧Vinv1、Vinv2はおおよそ−V1となる。
次に、図4、図6を用いて軽負荷モードの回路動作を説明する。
(モードa:t10〜t11)
モードaでは、スイッチング素子S1及びS4はオン状態であり、一次巻線N11にはダイオードD2、共振コンデンサCs11、共振インダクタLr11、一次巻線N11、ダイオードD5のループで共振電流が流れ、一次巻線N12には、ダイオードD4、共振コンデンサCr12、共振インダクタLr11、一次巻線N12、ダイオードD5のループで共振電流が流れている。直流電源1の電圧をV1と表記するとすれば、インバータの出力電圧Vinv1、Vinv2はおおよそ−V1となる。
このとき、二次巻線N21にはダイオードDr12、二次巻線N21、ダイオードDr13のループで電流が流れ、二次巻線N22にはダイオードDr22、二次巻線N22、ダイオードDr23のループで電流が流れ、平滑コンデンサCm1及びCm2を充電している。モードaにおいて、スイッチング素子S5をオン状態にしておく。
(モードb:t11〜t12)
モードaの状態で、スイッチング素子S5をオン状態にしておくと、共振現象により電流極性が反転しモードbへ移行する。モードbでは、スイッチング素子S1、S4、S5はオン状態であり、巻線N11には、スイッチング素子S5、一次巻線N11、共振インダクタLr11、共振コンデンサCs11、スイッチング素子S2のループで共振電流が流れ、一次巻線N12には、スイッチング素子S5、一次巻線N12、共振インダクタLr12、共振コンデンサCs12のループで共振電流が流れている。モードbでは、インバータ2の出力端電圧Vinv1、Vinv2は−V1となる。
(モードb:t11〜t12)
モードaの状態で、スイッチング素子S5をオン状態にしておくと、共振現象により電流極性が反転しモードbへ移行する。モードbでは、スイッチング素子S1、S4、S5はオン状態であり、巻線N11には、スイッチング素子S5、一次巻線N11、共振インダクタLr11、共振コンデンサCs11、スイッチング素子S2のループで共振電流が流れ、一次巻線N12には、スイッチング素子S5、一次巻線N12、共振インダクタLr12、共振コンデンサCs12のループで共振電流が流れている。モードbでは、インバータ2の出力端電圧Vinv1、Vinv2は−V1となる。
このとき、二次巻線N21にはダイオードDr12、二次巻線N21、ダイオードDr13のループで電流が流れ、二次巻線N22にはダイオードDr22、二次巻線N22、ダイオードDr23のループで電流が流れ、平滑コンデンサCm1及びCm2を充電している。
(モードc:t12〜t13)
モードbの状態で、スイッチング素子S5をターンオフするとモードcへ移行する。モードcでは、スイッチング素子S2、S4はオン状態であり、一次巻線N11には、スイッチング素子S2、ダイオードD6、一次巻線N11、共振インダクタLr11、共振コンデンサCs11のループで共振電流が流れる。また、一次巻線N12には、スイッチング素子S4、ダイオードD6、一次巻線N12、共振インダクタLr12、共振コンデンサCs12のループで共振電流が流れる。モードcでは、インバータ2の出力端電圧Vinv1、Vinv2は0となる。
(モードc:t12〜t13)
モードbの状態で、スイッチング素子S5をターンオフするとモードcへ移行する。モードcでは、スイッチング素子S2、S4はオン状態であり、一次巻線N11には、スイッチング素子S2、ダイオードD6、一次巻線N11、共振インダクタLr11、共振コンデンサCs11のループで共振電流が流れる。また、一次巻線N12には、スイッチング素子S4、ダイオードD6、一次巻線N12、共振インダクタLr12、共振コンデンサCs12のループで共振電流が流れる。モードcでは、インバータ2の出力端電圧Vinv1、Vinv2は0となる。
このとき、二次巻線N21にはダイオードDr12、二次巻線N21、ダイオードDr13のループで電流が流れ、二次巻線N22にはダイオードDr22、二次巻線N22、ダイオードDr23のループで電流が流れ、平滑コンデンサCm1及びCm2を充電している。
モードcでは、デッドタイム期間Td後にスイッチング素子S6をオン状態にしておく。
(モードd:t13〜t14)
モードcにおいて、共振現象により共振電流の極性が反転するとモードdへ移行する。モードdでは、スイッチング素子S2、S4、S6がオン状態であり、一次巻線N11には、ダイオードD2、共振コンデンサCs11、共振インダクタLr11、一次巻線N11、スイッチング素子S6のループで共振電流が流れる。また、一次巻線N12には、ダイオードD4、共振コンデンサCs12、共振インダクタLr12、一次巻線N12、スイッチング素子S6のループで共振電流が流れる。モードdでは、インバータ2の出力端電圧Vinv1、Vinv2は0となる。
(モードd:t13〜t14)
モードcにおいて、共振現象により共振電流の極性が反転するとモードdへ移行する。モードdでは、スイッチング素子S2、S4、S6がオン状態であり、一次巻線N11には、ダイオードD2、共振コンデンサCs11、共振インダクタLr11、一次巻線N11、スイッチング素子S6のループで共振電流が流れる。また、一次巻線N12には、ダイオードD4、共振コンデンサCs12、共振インダクタLr12、一次巻線N12、スイッチング素子S6のループで共振電流が流れる。モードdでは、インバータ2の出力端電圧Vinv1、Vinv2は0となる。
このとき、二次巻線N21にはダイオードDr12、二次巻線N21、ダイオードDr13のループで電流が流れ、二次巻線N22にはダイオードDr22、二次巻線N22、ダイオードDr23のループで電流が流れ、平滑コンデンサCm1及びCm2を充電している。
モードdの状態で、スイッチング素子S6をターンオフすると、モードaへ移行する。
以下、定常状態ではモードa〜モードdの繰り返し動作となり、軽負荷モードにおけるインバータ2は、波高値V1の電圧を出力するシングルエンデッドプッシュプル(Single−Ended−Push−Pull:以下、SEPPと記す。)インバータとして動作する。
以下、定常状態ではモードa〜モードdの繰り返し動作となり、軽負荷モードにおけるインバータ2は、波高値V1の電圧を出力するシングルエンデッドプッシュプル(Single−Ended−Push−Pull:以下、SEPPと記す。)インバータとして動作する。
以上、本実施の形態では、重負荷時(第1の動作モード時)と軽負荷時(第2の動作モード時)でインバータの動作モードを、フルブリッジ動作とSEPP動作に切替えることで、軽負荷時におけるインバータの出力電圧を重負荷時の1/2に低減することができる。これにより、図7に示すように出力電圧のピークを下げることができるため、重負荷モードで動作させた場合と比較して、軽負荷時のインバータ周波数を抑制することが可能となる。また、軽負荷時にインバータをSEPP動作させることにより、フルブリッジ動作と比較してスイッチング動作を行うスイッチング素子の数を低減することができる。これにより、スイッチング損失の増加を抑制し、軽負荷領域の高効率化を図ることができる。
本実施の形態では、インバータの動作モードの判定を目標出力電力と電力閾値に基づいて行ったがこれに限らない。例えば、出力電圧と出力電流のそれぞれに対して閾値を設け、外部から入力される目標出力電圧及び電流値と比較することでインバータの動作モードを判定してもよい。また、本実施の形態では、スイッチング素子S1〜S6をIGBTとしたが、MOSFETを用いてもよい。スイッチング素子S1〜S6をMOSFETとした場合は、逆並列ダイオードとして寄生ダイオードを利用することができる。また、本実施の形態では、インバータを軽負荷モードで動作させる場合に、スイッチング素子S1、S3を常にオフ、スイッチング素子S2、S4を常にオンとしているが、スイッチング素子S1、S3を常にオン、スイッチング素子S2、S4を常にオフとしても同様の効果が得られる。
次に、本発明の第2の実施形態について、図8〜10を用いて説明する。
図8は、本発明の実施例2による電力変換装置の回路構成図である。この電力変換装置は、実施例1の電力変換装置と同様に、直流電源1を電源とし、インバータ2と、共振回路203と、トランス204と、整流回路205と、制御装置206と、電圧検出手段208で構成され、負荷であるX線管207へ直流の高電圧を供給する。
第1の実施形態と異なる点は、第1及び第2のスイッチングレグのスイッチング素子をMOSFETとした点と、共振回路203を、トランス一次側に、共振コンデンサCs1と共振インダクタLr1の直列接続体を、第3のスイッチングレグの中点と、一次巻線N11と一次巻線N12とを接続した点との間に接続した構成とし、さらに、トランスの二次巻線N21、N22の端子間にそれぞれ並列共振コンデンサCp21、Cp22を接続して構成した点と、整流回路205をコッククロフト回路を多段に接続して構成した点と、インバータ2の入力電圧V1を検出する電圧検出手段208を備え、電圧検出手段208により検出した入力電圧値V1を制御装置206へ入力するように構成した点である。
本発明の実施例2の電力変換装置では、外部からの出力指令と、電圧検出手段208により検出したインバータ2の入力電圧V1に基づいてインバータ2の動作モードを決定する。
以下、図9を用いて本発明の実施例2における制御装置206においてインバータ2の動作モードを決定するシーケンスについて説明する。図9中のS201〜S208はそれぞれステップ201〜ステップ208を示している。
(ステップ201)
ここでは、外部から制御装置206へ負荷電圧Vxと負荷電流Ixの目標値である出力指令値が入力される。
(ステップ202)
ステップ201で入力された出力指令値に基づき、負荷電圧Vxと負荷電流Ixの目標値から目標電力指令値Pxを算出する。
(ステップ203)
次に、電圧検出手段208によりインバータ2の入力電圧V1を検出する。
(ステップ204)
ステップ203で検出した入力電圧V1と、あらかじめ設定された基準値V1refから式(1)を用いて補正係数αを算出する。
(ステップ201)
ここでは、外部から制御装置206へ負荷電圧Vxと負荷電流Ixの目標値である出力指令値が入力される。
(ステップ202)
ステップ201で入力された出力指令値に基づき、負荷電圧Vxと負荷電流Ixの目標値から目標電力指令値Pxを算出する。
(ステップ203)
次に、電圧検出手段208によりインバータ2の入力電圧V1を検出する。
(ステップ204)
ステップ203で検出した入力電圧V1と、あらかじめ設定された基準値V1refから式(1)を用いて補正係数αを算出する。
α=V1/V1ref・・・・式(1)
(ステップ205)
あらかじめ設定された電力閾値Prefと、ステップ204で算出した補正係数αから式(2)を用いて、電力閾値Pref2を算出する。
(ステップ205)
あらかじめ設定された電力閾値Prefと、ステップ204で算出した補正係数αから式(2)を用いて、電力閾値Pref2を算出する。
Pref2=α×Pref・・・・・式(2)
(ステップ206)
ステップ202で算出した目標電力指令値Pxと、ステップ205で算出した電力閾値Pref2を比較し、インバータ2の動作モードを判定する。
(ステップ207)
ステップ206で、目標電力指令値Pxが電力閾値Pref2よりも小さいと判断されると、制御装置206は軽負荷モードのパルス指令を生成する。
(ステップ208)
ステップ206で、目標電力指令値Pxが電力閾値Pref2よりも大きいと判断されると、制御装置6は重負荷モードのパルス指令を生成する。
(ステップ206)
ステップ202で算出した目標電力指令値Pxと、ステップ205で算出した電力閾値Pref2を比較し、インバータ2の動作モードを判定する。
(ステップ207)
ステップ206で、目標電力指令値Pxが電力閾値Pref2よりも小さいと判断されると、制御装置206は軽負荷モードのパルス指令を生成する。
(ステップ208)
ステップ206で、目標電力指令値Pxが電力閾値Pref2よりも大きいと判断されると、制御装置6は重負荷モードのパルス指令を生成する。
このように、本実施例の電力変換装置では、外部から入力された出力指令値と、電圧検出手段により検出したインバータの入力電圧に基づいて、制御装置206によりインバータ2の動作モードを判定する。
次に、本実施例2の電力変換装置の動作について説明する。ここでは、実施例1と異なる軽負荷モードの動作について図10を用いて説明する。
<軽負荷モード>
(モードa:t20〜t21)
モードaでは、スイッチング素子S6がオン状態であり、一次巻線N11には、ダイオードD6、共振コンデンサCs1、共振インダクタLr1,一次巻線N11、ダイオードD1のループで共振電流が流れ、二次巻線N21には、ダイオードD6、共振コンデンサCs1、共振インダクタLr1、一次巻線N12、ダイオードD3のループで共振電流が流れる。このとき、二次巻線N21には、並列共振コンデンサCp21、二次巻線N21のループで電流が流れ、二次巻線N22には、並列共振コンデンサCp22と二次巻線N22のループで電流が流れる。モードaでは、デッドタイム期間Td後にスイッチング素子S1、S3をオン状態としておく。
(モードb:t21〜t22)
モードaの状態で、共振現象により共振電流の極性が反転すると、モードbへ移行する。モードbでは、スイッチング素子S1、S2、S6がオン状態となり、一次巻線N11には、スイッチング素子S1、一次巻線N11、共振インダクタLr1、共振コンデンサCs1、スイッチング素子S6のループで共振電流が流れ、一次巻線N12には、スイッチング素子S3、一次巻線N12、共振インダクタLr1、共振コンデンサCs1、スイッチング素子S6のループで共振電流が流れる。このとき、二次巻線N21には、二次巻線N21、並列共振コンデンサCp21のループで電流が流れ、二次巻線N22には、二次巻線N22、並列共振コンデンサCp22のループで電流が流れる。
(モードc:t22〜t23)
モードbの状態で、スイッチング素子S1、S2をターンオフすると、モードcへ移行する。モードcでは、スイッチング素子S6がオン状態となり、一次巻線N11には、ダイオードD2、一次巻線N11、共振インダクタLr1、共振コンデンサCs1、スイッチング素子S6のループで共振電流が流れ、一次巻線N12には、ダイオードD4、一次巻線N12、共振インダクタLr1、共振コンデンサCs1、スイッチング素子S6のループで共振が流れる。このとき、二次巻線N21には、二次巻線N21、並列共振コンデンサCp21のループで電流が流れ、二次巻線N22には、二次巻線N22、並列共振コンデンサCp22のループで電流が流れる。モードcでは、デッドタイム期間Td後にスイッチング素子S2、S4をオン状態としておく。
(モードd:t23〜t24)
モードcの状態で、共振現象により、共振電流の極性が反転すると、モードdへ移行する。モードdでは、スイッチング素子S2、S4、S6がオン状態となり、一次巻線N11には、スイッチング素子S2、ダイオードD6、共振コンデンサCs1、共振インダクタLr1、一次巻線N11のループで電流が流れ、一次巻線N12には、スイッチング素子S4、ダイオードD6、共振コンデンサCs1、共振インダクタLr1、一次巻線N12のループで共振電流が流れる。このとき、二次巻線N21には、並列共振コンデンサCp21、巻線N21のループで電流が流れ、二次巻線N22には、並列共振コンデンサCp22と二次巻線N22のループで電流が流れる。
<軽負荷モード>
(モードa:t20〜t21)
モードaでは、スイッチング素子S6がオン状態であり、一次巻線N11には、ダイオードD6、共振コンデンサCs1、共振インダクタLr1,一次巻線N11、ダイオードD1のループで共振電流が流れ、二次巻線N21には、ダイオードD6、共振コンデンサCs1、共振インダクタLr1、一次巻線N12、ダイオードD3のループで共振電流が流れる。このとき、二次巻線N21には、並列共振コンデンサCp21、二次巻線N21のループで電流が流れ、二次巻線N22には、並列共振コンデンサCp22と二次巻線N22のループで電流が流れる。モードaでは、デッドタイム期間Td後にスイッチング素子S1、S3をオン状態としておく。
(モードb:t21〜t22)
モードaの状態で、共振現象により共振電流の極性が反転すると、モードbへ移行する。モードbでは、スイッチング素子S1、S2、S6がオン状態となり、一次巻線N11には、スイッチング素子S1、一次巻線N11、共振インダクタLr1、共振コンデンサCs1、スイッチング素子S6のループで共振電流が流れ、一次巻線N12には、スイッチング素子S3、一次巻線N12、共振インダクタLr1、共振コンデンサCs1、スイッチング素子S6のループで共振電流が流れる。このとき、二次巻線N21には、二次巻線N21、並列共振コンデンサCp21のループで電流が流れ、二次巻線N22には、二次巻線N22、並列共振コンデンサCp22のループで電流が流れる。
(モードc:t22〜t23)
モードbの状態で、スイッチング素子S1、S2をターンオフすると、モードcへ移行する。モードcでは、スイッチング素子S6がオン状態となり、一次巻線N11には、ダイオードD2、一次巻線N11、共振インダクタLr1、共振コンデンサCs1、スイッチング素子S6のループで共振電流が流れ、一次巻線N12には、ダイオードD4、一次巻線N12、共振インダクタLr1、共振コンデンサCs1、スイッチング素子S6のループで共振が流れる。このとき、二次巻線N21には、二次巻線N21、並列共振コンデンサCp21のループで電流が流れ、二次巻線N22には、二次巻線N22、並列共振コンデンサCp22のループで電流が流れる。モードcでは、デッドタイム期間Td後にスイッチング素子S2、S4をオン状態としておく。
(モードd:t23〜t24)
モードcの状態で、共振現象により、共振電流の極性が反転すると、モードdへ移行する。モードdでは、スイッチング素子S2、S4、S6がオン状態となり、一次巻線N11には、スイッチング素子S2、ダイオードD6、共振コンデンサCs1、共振インダクタLr1、一次巻線N11のループで電流が流れ、一次巻線N12には、スイッチング素子S4、ダイオードD6、共振コンデンサCs1、共振インダクタLr1、一次巻線N12のループで共振電流が流れる。このとき、二次巻線N21には、並列共振コンデンサCp21、巻線N21のループで電流が流れ、二次巻線N22には、並列共振コンデンサCp22と二次巻線N22のループで電流が流れる。
モードcにおいて、スイッチング素子S2、S4をターンオフするとモードaへ移行する。
以下、定常状態ではモードa〜モードdの繰り返し動作となり、本実施例2の軽負荷モードにおけるインバータ2は、第1のスイッチングレグと第2のスイッチングレグをそれぞれスイッチング動作させることで、2つのSEPPインバータを並列接続した動作となる。
以下、定常状態ではモードa〜モードdの繰り返し動作となり、本実施例2の軽負荷モードにおけるインバータ2は、第1のスイッチングレグと第2のスイッチングレグをそれぞれスイッチング動作させることで、2つのSEPPインバータを並列接続した動作となる。
以上、本実施の形態では、インバータの入力電圧を検出する電圧検出手段を備え、検出した電圧値に基づいてインバータの動作モードを判定する閾値を可変することができるため、直流電源として二次電池を用いた場合など入力電圧が変動する場合においても対応することが可能となる。
また、軽負荷モードにおいて、第3のスイッチングレグのスイッチング動作を休止し、第1及び第2のスイッチングレグをスイッチング動作させることで、実施例1と比べてスイッチング動作を行うスイッチング素子に流れる電流を第1のスイッチングレグと第2のスイッチングレグで1/2ずつ分担することが可能となる。また、第1及び第2のスイッチングレグには第3のスイッチングレグと比べて電流容量が小さいデバイスを用いることができるため、第1のスイッチングレグと第2のスイッチングレグをMOSFETとすることでさらなるスイッチング損失の低減が可能となり、軽負荷領域の高効率化を図ることができる。
次に、本発明の第3の実施形態について、図11、12を用いて説明する。
図11は、本発明の実施例3による電力変換装置の回路構成図である。図12は、図11の電力変換装置の動作波形を示したものである。この電力変換装置は、実施例1の電力変換装置と同様に、直流電源1を電源とし、インバータ2と、共振回路304と、整流回路305と、制御装置106で構成され、負荷であるX線管207へ直流の高電圧を供給する。
第1の実施形態と異なる点は、整流回路305を、倍電圧整流回路を多段に接続して構成した点と、トランスの漏れインダクタンスLr13、Lr14と、トランスの寄生容量Cp31、Cp32を共振回路303として用いた点である。本実施の形態では、共振コンデンサCs11と、漏れインダクタンスLr13と、寄生容量Cp31の共振周波数fr1と、共振コンデンサCs12と、漏れインダクタンスLr14と、寄生容量Cp32の共振周波数fr2が、インバータ2の駆動周波数fswの3倍となるように共振回路303のインダクタンス及び容量を設定する。
以下、図12を用いて本発明の実施例3における電力変換装置の動作を説明する。基本的な動作は実施例1と同様であるため、ここでは実施例1と異なる点のみを説明する。
<重負荷モード>
(モードA:t30〜t31)
まず、スイッチング素子S1、S3、S6がオンの期間の動作を説明する。スイッチング素子S1、S3、S6をオンすると、直流電源1の電圧をV1と表記するとすれば、インバータの出力電圧Vinv1、Vinv2はおおよそ+V1となる。このとき、ダイオードD6、寄生容量Cp31、漏れインダクタLr13、共振コンデンサCs11、ダイオードD1のループと、ダイオードD6、寄生容量Cp32、漏れインダクタLr14、共振コンデンサCs12、ダイオードD3のループに共振電流が流れ、漏れインダクタLr13、Lr14のエネルギが放出され、共振コンデンサCs11、Cs12にエネルギを蓄える。漏れインダクタLr13、Lr14のエネルギが全て放出されると、共振電流I11、I12の極性が反転し、直流電源1、スイッチング素子S1、共振コンデンサCs11、漏れインダクタLr13、寄生容量Cp31、スイッチング素子S6のループと、直流電源1、スイッチング素子S3、共振コンデンサCs12、漏れインダクタLr14、寄生容量Cp32、スイッチング素子S6のループで共振電流が流れ、共振コンデンサCs11、Cs12のエネルギが放出され、再び漏れインダクタLr13、Lr14にエネルギを蓄える。ここで、共振電流I11、I12の周波数fr1、fr2が、インバータの駆動周波数fswの3倍となるように共振回路304を設定することで、スイッチング素子S1、S3、S6がオンの期間中に、漏れインダクタンLr13、Lr14と共振コンデンサCs11、Cs12とでエネルギのやりとりが繰り返され、共振電流I11、I12の極性も繰り返し反転する。このとき、寄生容量Cp31、Cp32の両端には共振電流I11、I12に対して位相がπ/2遅れた交流電圧VT21、VT22が発生する。これにより、インバータの駆動周波数fswよりも高周波の交流電圧を整流回路305へ印加することができ、平滑コンデンサCm1〜Cm3へ電流を供給することができる。
(モードB:t31〜t32)
t31のタイミングでスイッチング素子S1、S3、S6をオフし、スイッチング素子S2、S4、S5をオンすると、共振電流I11、I12は、ダイオードD2、共振コンデンサCs11、漏れインダクタLr13、寄生容量Cp31、ダイオードD5のループと、ダイオードD4、共振コンデンサCs12、漏れインダクタLr14、寄生容量Cp32、ダイオードD5のループで流れ、共振コンデンサCs11、Cs12のエネルギを放出し、漏れインダクタLr13、Lr14へエネルギを蓄える。このとき、直流電源1の電圧をV1とすれば、インバータの出力電圧Vinv1、Vinv2はおおよそ―V1となる。共振コンデンサのエネルギが全て放出されると、直流電源1、スイッチング素子S5、寄生容量Cp31、漏れインダクタLr13、共振コンデンサCs11、スイッチング素子S2のループと、直流電源1、スイッチング素子S5、寄生容量Cp32、漏れインダクタンスLr14、共振コンデンサCs12、スイッチング素子S4のループで、漏れインダクタLr13、Lr14のエネルギを放出し、共振コンデンサCr11、Cr12にエネルギを蓄える。スイッチング素子S2、S4、S5がオンの期間中、モードAと同様に共振電流I11、I12の極性が繰り返し反転する。このとき、寄生容量Cp31、Cp32の両端には共振電流I11、I12に対して位相がπ/2進んだ交流電圧VT21、VT22が発生する。これにより、インバータの駆動周波数fswよりも高周波数の交流電圧を整流回路305へ印加することができ、平滑コンデンサCm1〜Cm3へ電流を供給することができる。以下、定常状態では基本的にモードA及びモードBの繰り返し動作となる。
<重負荷モード>
(モードA:t30〜t31)
まず、スイッチング素子S1、S3、S6がオンの期間の動作を説明する。スイッチング素子S1、S3、S6をオンすると、直流電源1の電圧をV1と表記するとすれば、インバータの出力電圧Vinv1、Vinv2はおおよそ+V1となる。このとき、ダイオードD6、寄生容量Cp31、漏れインダクタLr13、共振コンデンサCs11、ダイオードD1のループと、ダイオードD6、寄生容量Cp32、漏れインダクタLr14、共振コンデンサCs12、ダイオードD3のループに共振電流が流れ、漏れインダクタLr13、Lr14のエネルギが放出され、共振コンデンサCs11、Cs12にエネルギを蓄える。漏れインダクタLr13、Lr14のエネルギが全て放出されると、共振電流I11、I12の極性が反転し、直流電源1、スイッチング素子S1、共振コンデンサCs11、漏れインダクタLr13、寄生容量Cp31、スイッチング素子S6のループと、直流電源1、スイッチング素子S3、共振コンデンサCs12、漏れインダクタLr14、寄生容量Cp32、スイッチング素子S6のループで共振電流が流れ、共振コンデンサCs11、Cs12のエネルギが放出され、再び漏れインダクタLr13、Lr14にエネルギを蓄える。ここで、共振電流I11、I12の周波数fr1、fr2が、インバータの駆動周波数fswの3倍となるように共振回路304を設定することで、スイッチング素子S1、S3、S6がオンの期間中に、漏れインダクタンLr13、Lr14と共振コンデンサCs11、Cs12とでエネルギのやりとりが繰り返され、共振電流I11、I12の極性も繰り返し反転する。このとき、寄生容量Cp31、Cp32の両端には共振電流I11、I12に対して位相がπ/2遅れた交流電圧VT21、VT22が発生する。これにより、インバータの駆動周波数fswよりも高周波の交流電圧を整流回路305へ印加することができ、平滑コンデンサCm1〜Cm3へ電流を供給することができる。
(モードB:t31〜t32)
t31のタイミングでスイッチング素子S1、S3、S6をオフし、スイッチング素子S2、S4、S5をオンすると、共振電流I11、I12は、ダイオードD2、共振コンデンサCs11、漏れインダクタLr13、寄生容量Cp31、ダイオードD5のループと、ダイオードD4、共振コンデンサCs12、漏れインダクタLr14、寄生容量Cp32、ダイオードD5のループで流れ、共振コンデンサCs11、Cs12のエネルギを放出し、漏れインダクタLr13、Lr14へエネルギを蓄える。このとき、直流電源1の電圧をV1とすれば、インバータの出力電圧Vinv1、Vinv2はおおよそ―V1となる。共振コンデンサのエネルギが全て放出されると、直流電源1、スイッチング素子S5、寄生容量Cp31、漏れインダクタLr13、共振コンデンサCs11、スイッチング素子S2のループと、直流電源1、スイッチング素子S5、寄生容量Cp32、漏れインダクタンスLr14、共振コンデンサCs12、スイッチング素子S4のループで、漏れインダクタLr13、Lr14のエネルギを放出し、共振コンデンサCr11、Cr12にエネルギを蓄える。スイッチング素子S2、S4、S5がオンの期間中、モードAと同様に共振電流I11、I12の極性が繰り返し反転する。このとき、寄生容量Cp31、Cp32の両端には共振電流I11、I12に対して位相がπ/2進んだ交流電圧VT21、VT22が発生する。これにより、インバータの駆動周波数fswよりも高周波数の交流電圧を整流回路305へ印加することができ、平滑コンデンサCm1〜Cm3へ電流を供給することができる。以下、定常状態では基本的にモードA及びモードBの繰り返し動作となる。
<軽負荷モード>
本実施例3の軽負荷モードでは、スイッチング素子S1、S3を常にオフ、スイッチング素子S2、S4を常にオンとした場合について説明する。
(モードa:t40〜t41)
まず、スイッチング素子S5がオンの期間の動作を説明する。スイッチング素子S5をオンすると、直流電源1の電圧をV1と表記するとすれば、インバータの出力電圧Vinv1、Vinv2はおおよそ―V1となる。このとき、ダイオードD2、共振コンデンサCs11、漏れインダクタLr13、寄生容量Cp31、ダイオードD5のループと、ダイオードD4、共振コンデンサCs11、漏れインダクタLr14、寄生容量Cp32、ダイオードD5のループで共振電流が流れ、共振コンデンサCs11、Cs12のエネルギが放出され、漏れインダクタLr13、Lr14にエネルギを蓄える。共振コンデンサCr11、Cr12のエネルギが全て放出されると、共振電流I11、I12の極性が反転し、直流電源1、スイッチング素子S5、寄生容量Cp31、漏れインダクタLr13、共振コンデンサCs11、スイッチング素子S2のループと、直流電源1、スイッチング素子S5、寄生容量Cp32、共漏れインダクタLr14、共振コンデンサCs12、スイッチング素子S4のループで共振電流が流れ、漏れインダクタLr13、Lr14エネルギが放出され、再び共振コンデンサCs11、Cs12にエネルギを蓄える。ここで、共振電流I11、I12の周波数fr1、fr2が、インバータの駆動周波数fswの3倍となるように共振回路304を設定することで、スイッチング素子S5がオンの期間中に、漏れインダクタンLr13、Lr14と共振コンデンサCs11、Cs12とでエネルギのやりとりが繰り返され、共振電流I11、I12の極性も繰り返し反転する。このとき、寄生容量Cp31、Cp32の両端には共振電流I11、I12に対して位相がπ/2遅れた交流電圧VT21、VT22が発生する。これにより、インバータの駆動周波数fswよりも高周波の交流電圧を整流回路305へ印加することができ、平滑コンデンサCm1〜Cm3へ電流を供給することができる。
(モードb:t41〜t42)
t41のタイミングでスイッチング素子S5をオフし、スイッチング素子S6をオンすると、共振電流I11、I12は、ダイオードD6、寄生容量Cp31、漏れインダクタンスLr13、共振コンデンサCs11、スイッチング素子S2のループと、ダイオードD6、寄生容量Cp32、漏れインダクタンスLr14、共振コンデンサCs12、スイッチング素子S4のループで流れ、共振コンデンサCs11、Cs12のエネルギを放出し、漏れインダクタLr13、Lr14へエネルギを蓄える。このとき、直流電源1の電圧をV1とすれば、インバータの出力電圧Vinv1、Vinv2はおおよそ0となる。共振コンデンサのエネルギが全て放出されると、ダイオードD2、共振コンデンサCs11、漏れインダクタLr13、寄生容量Cp31、スイッチング素子S6のループと、ダイオードD4、共振コンデンサCr12、漏れインダクタLr14、寄生容量Cp32、スイッチング素子S6のループで、漏れインダクタLr13、Lr14のエネルギを放出し、共振コンデンサCr11、Cr12にエネルギを蓄える。スイッチング素子S6がオンの期間中、モードaと同様に共振電流I11、I12の極性が繰り返し反転する。このとき、寄生容量Cp31、Cp32の両端には共振電流I11、I12に対して位相がπ/2進んだ交流電圧VT21、VT22が発生する。これにより、インバータの駆動周波数fswよりも高周波数の交流電圧を整流回路305へ印加することができ、平滑コンデンサCm1〜Cm3へ電流を供給することができる。
本実施例3の軽負荷モードでは、スイッチング素子S1、S3を常にオフ、スイッチング素子S2、S4を常にオンとした場合について説明する。
(モードa:t40〜t41)
まず、スイッチング素子S5がオンの期間の動作を説明する。スイッチング素子S5をオンすると、直流電源1の電圧をV1と表記するとすれば、インバータの出力電圧Vinv1、Vinv2はおおよそ―V1となる。このとき、ダイオードD2、共振コンデンサCs11、漏れインダクタLr13、寄生容量Cp31、ダイオードD5のループと、ダイオードD4、共振コンデンサCs11、漏れインダクタLr14、寄生容量Cp32、ダイオードD5のループで共振電流が流れ、共振コンデンサCs11、Cs12のエネルギが放出され、漏れインダクタLr13、Lr14にエネルギを蓄える。共振コンデンサCr11、Cr12のエネルギが全て放出されると、共振電流I11、I12の極性が反転し、直流電源1、スイッチング素子S5、寄生容量Cp31、漏れインダクタLr13、共振コンデンサCs11、スイッチング素子S2のループと、直流電源1、スイッチング素子S5、寄生容量Cp32、共漏れインダクタLr14、共振コンデンサCs12、スイッチング素子S4のループで共振電流が流れ、漏れインダクタLr13、Lr14エネルギが放出され、再び共振コンデンサCs11、Cs12にエネルギを蓄える。ここで、共振電流I11、I12の周波数fr1、fr2が、インバータの駆動周波数fswの3倍となるように共振回路304を設定することで、スイッチング素子S5がオンの期間中に、漏れインダクタンLr13、Lr14と共振コンデンサCs11、Cs12とでエネルギのやりとりが繰り返され、共振電流I11、I12の極性も繰り返し反転する。このとき、寄生容量Cp31、Cp32の両端には共振電流I11、I12に対して位相がπ/2遅れた交流電圧VT21、VT22が発生する。これにより、インバータの駆動周波数fswよりも高周波の交流電圧を整流回路305へ印加することができ、平滑コンデンサCm1〜Cm3へ電流を供給することができる。
(モードb:t41〜t42)
t41のタイミングでスイッチング素子S5をオフし、スイッチング素子S6をオンすると、共振電流I11、I12は、ダイオードD6、寄生容量Cp31、漏れインダクタンスLr13、共振コンデンサCs11、スイッチング素子S2のループと、ダイオードD6、寄生容量Cp32、漏れインダクタンスLr14、共振コンデンサCs12、スイッチング素子S4のループで流れ、共振コンデンサCs11、Cs12のエネルギを放出し、漏れインダクタLr13、Lr14へエネルギを蓄える。このとき、直流電源1の電圧をV1とすれば、インバータの出力電圧Vinv1、Vinv2はおおよそ0となる。共振コンデンサのエネルギが全て放出されると、ダイオードD2、共振コンデンサCs11、漏れインダクタLr13、寄生容量Cp31、スイッチング素子S6のループと、ダイオードD4、共振コンデンサCr12、漏れインダクタLr14、寄生容量Cp32、スイッチング素子S6のループで、漏れインダクタLr13、Lr14のエネルギを放出し、共振コンデンサCr11、Cr12にエネルギを蓄える。スイッチング素子S6がオンの期間中、モードaと同様に共振電流I11、I12の極性が繰り返し反転する。このとき、寄生容量Cp31、Cp32の両端には共振電流I11、I12に対して位相がπ/2進んだ交流電圧VT21、VT22が発生する。これにより、インバータの駆動周波数fswよりも高周波数の交流電圧を整流回路305へ印加することができ、平滑コンデンサCm1〜Cm3へ電流を供給することができる。
以下、定常状態では基本的にモードa及びモードbの繰り返し動作となる。
以上のように、本実施の形態における電力変換装置では、共振コンデンサCs11、漏れインダクタLr13と寄生容量Cp31からなる共振回路の共振周波数fr1と、共振コンデンサCs12、漏れインダクタLr14と、寄生容量Cp32からなる共振回路の共振周波数fr2が、おおむねインバータの駆動周波数fswの3倍となるように、共振コンデンサCs11、Cs12及び寄生容量Cp31、Cp32の静電容量と、漏れインダクタLr13、Lr14のインダクタンスを設定することで、共振電流I11、I12の周波数をインバータの駆動周波数fswの3倍とし、かつ整流回路305へ印加される交流電圧VT21、VT22の周波数をインバータの駆動周波数fswの3倍とすることができる。これにより、インバータの駆動周波数fswを高周波化することなく、整流回路の平滑コンデンサ容量を低減することができるため、電力変換装置の小型化を図ることができる。
本実施の形態では、漏れインダクタンスと寄生容量で共振回路を構成したが、これに限らない。例えば、漏れインダクタンスのみでは所望のインダクタンスが得られない場合は、トランスの一次巻線と直列に共振インダクタを追加した構成としてもよい。同様に、トランスの寄生容量のみでは所望の容量が得られない場合は、トランスの二次巻線と並列に並列共振コンデンサを接続した構成としてもよい。
次に、本発明の第4の実施形態に関して図13を用いて説明する。
図13は、本発明の実施例3による電力変換装置の回路構成図である。この電力変換装置は、実施例1の電力変換装置と同様に、直流電源1を電源とし、インバータ2と、共振回路403と、トランス4と、整流回路5と、制御装置406で構成され、負荷7へ任意の直流電圧を供給する。
第1の実施形態と異なる点は、共振回路403を、スイッチ素子SW1と、共振コンデンサCs1と、共振インダクタLr1の直列接続体と、スイッチ素子SW2と共振インダクタLr3の直列接続体を並列接続した構成とし、第3のスイッチングレグの中点と、トランスの一次巻線N11と一次巻線N12の接続点との間に接続した点と、二次巻線N21、N22にそれぞれ寄生容量Cp41、Cp42を備えるようにトランス404を構成した点である。制御装置406は、インバータ2へのゲート信号に加え、スイッチ素子SW1、SW2へオン・オフ指令を出力する。
定常状態における重負荷モードの動作では、インバータ2の出力電圧Vinv1、Vinv2は正負対称となり、トランスへの直流成分の重畳は発生しない。一方、軽負荷モードの動作では、インバータ2の出力電圧Vinv1、Vinv2は正負非対称となるため直流成分を除去するためのコンデンサが必要となる。
本実施の形態では、重負荷モード時は、スイッチ素子SW1をオフして共振コンデンサCs1と共振インダクタLr1を切り離し、スイッチ素子SW2をオンし、第3のスイッチングレグと一次巻線N11、N12との間に共振インダクタLr3を接続した構成とし、軽負荷モード時は、スイッチ素子SW2をオフして共振インダクタLr3を切り離し、スイッチ素子SW1をオンすることで第3のスイッチングレグと一次巻線N11、N12との間に、共振コンデンサCs1と共振インダクタLr1を接続した構成とする。
以上、本実施の形態では、共振コンデンサと直列にスイッチ素子を設け、軽負荷時のみ共振コンデンサを接続した構成とすることにより、共振コンデンサに電流定格の小さいコンデンサを用いることができる。一般的にコンデンサの体積は電流定格に比例して大きくなるため、実施例1と比較して電力変換装置の小型化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態を述べたが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、全ての実施形態では、インバータを第1〜第3のスイッチングレグとし、2つのトランスを用いた構成としているが、第4のスイッチングレグを直流電源の端子間に並列接続し、第1又は第2のスイッチングレグの中点と、第4のスイッチングレグの中点との間に第3のトランスを備えた電力変換装置であっても本発明を適用することは可能である。さらに、第5のスイッチングレグを直流電圧の端子間に並列接続し、第4のスイッチングレグの中点と、第5のスイッチングレグの中点との間に第4のトランスを接続した電力変換装置であっても本発明を適用することは可能である。
本発明の電力変換装置は、X線画像診断装置や真空蒸着用電子銃など直流電圧を入力とし、トランスを備えて、負荷へ任意の直流電圧を供給する電源装置に適用できる。
1・・・直流電源、2・・・インバータ、3,3,203,303,403・・・共振回路、4,204,304,404・・・トランス、5,205,305・・・整流回路、6,206,406・・・制御装置、7,207・・・負荷、8・・・電圧検出手段、S1〜S6・・・スイッチング素子、D1〜D6・・・ダイオード、Dr11〜Dr16,Dr21〜Dr26・・・整流ダイオード、Lr1,Lr3,Lr11,Lr12・・・共振インダクタ、Lr13,Lr14・・・漏れインダクタ、Cs1,Cs11,Cs12・・・共振コンデンサ,N11,N12・・・一次巻線、N21,N22・・・二次巻線、T1・・・磁性体コア、Cm1〜Cm3・・・平滑コンデンサ、Cp21,Cp22・・・並列共振コンデンサ、Cp31,Cp32・・・寄生容量、Cd11〜Cd13,Cd21〜Cd23・・・整流コンデンサ
Claims (15)
- 直流電圧を入力し、負荷へ任意の直流電圧を出力する電力変換装置において、前記電力変換装置は、2個のスイッチング素子の直列体である第1〜第3のスイッチングレグを並列接続して構成されたインバータと、前記第1のスイッチングレグと前記第3のスイッチングレグとの間に接続された第1のトランスと、前記第2のスイッチングレグと前記第3のスイッチングレグとの間に接続された第2のトランスと、前記第1及び第2のトランスと前記負荷との間に接続された整流回路と、前記インバータ回路と前記整流回路との間に接続された共振回路とを備えた電力変換装置において、
前記第1〜第3のスイッチングレグの全てのスイッチング素子をスイッチング動作させる第1の動作モードと、前記第1〜第3のスイッチングレグのうち少なくとも1つ以上のスイッチングレグの上下どちらか一方のスイッチング素子を常にオンとし、他方のスイッチング素子を常にオフとなるように動作させる第2の動作モードを備えたことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1の電力変換装置において、前記第2の動作モードは、前記第1及び前記第2のスイッチングレグのスイッチング素子のうち上下どちらか一方のスイッチング素子を常にオンとし、他方のスイッチング素子を常にオフとし、前記第3のスイッチングレグをスイッチング動作させることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1の電力変換装置において、前記第2の動作モードは、前記第3のスイッチングレグのスイッチング素子のうち上下どちらか一方を常にオンとし、他方のスイッチング素子を常にオフとし、前記第1及び第2のスイッチングレグをスイッチング動作させることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜3の何れか1項の電力変換装置において、前記第1のトランスと前記第2のトランスは、前記第1のトランスの一次巻線及び二次巻線と、前記第2のトランスの一次巻線及び二次巻線と、を同一のコアに巻いた構成としたことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜4の何れか1項の電力変換装置において、前記共振回路は、前記第2のスイッチングレグの中点と、前記第1のトランスの一次巻線と前記第2のトランスの一次巻線の接続点との間に接続されたことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜5の何れか1項の電力変換装置において、前記第1及び第2のスイッチングレグのスイッチング素子をMOSFET、前記第3のスイッチングレグのスイッチング素子をIGBTとしたことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜6の何れか1項の電力変換装置において、外部から入力された出力電圧及び出力電流の指令値に基づいて、前記第1の動作モードと前記第2の動作モードを切り替えることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜7の何れか1項の電力変換装置において、前記インバータの入力電圧を検出する入力電圧検出手段を備え、前記入力電圧検出手段より検出した入力電圧値に基づいて、前記第1の動作モードと、前記第2の動作モードを切り替えることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜7の何れか1項の電力変換装置において、前記共振回路は、第1のスイッチ素子と共振コンデンサと第1の共振インダクタの直列接続体と、第2のスイッチ素子と第2の共振インダクタの直列接続体と、を並列接続して構成されることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項9の電力変換装置において、前記制御回路は、前記インバータを前記第1の動作モードで動作させる場合には、前記第1のスイッチ素子をオフ、前記第2のスイッチ素子をオンし、前記インバータを前記第2の動作モードで動作させる場合には、前記第1のスイッチ素子をオン、前記第2のスイッチ素子をオフすることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜8の何れか1項の電力変換装置において、前記共振回路は、前記第1のトランス及び前記第2のトランスの一次巻線と直列に接続された直列共振コンデンサ及び直列共振インダクタと、前記第1及び前記第2のトランスの二次巻線に並列接続された並列共振コンデンサとから構成されることを特徴とした電力変換装置。
- 請求項1〜11の何れか1項の電力変換装置において、前記インバータの駆動周波数を変化させることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜11の何れか1項の電力変換装置において、前記第2の動作モードは、前記第1〜第3のスイッチングレグの上下どちらか一方のスイッチング素子のオン時間の比率を変化することを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜13の何れか1項の電力変換装置において、前記整流回路は、前記第1のトランスの二次巻線を入力とした第1のブリッジ整流回路と、前記第2のトランスの二次巻線を入力とした第2のブリッジ整流回路で構成され、前記第1のブリッジ整流回路と前記第2のブリッジ整流回路の直流端子側を直列接続したことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜14の何れか1項の電力変換装置において、前記負荷はX線管であることを特徴とする電力変換装置。
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EP4167452A1 (en) * | 2021-10-13 | 2023-04-19 | Huawei Technologies Co., Ltd. | Dc/dc converter and method for controlling output voltage thereof |
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