JP2016173909A - 燃料電池スタック - Google Patents

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Abstract

【課題】膜電極接合体に亀裂が生ずるのを抑制する。【解決手段】燃料電池スタック1の積層体3は複数の燃料電池単セル2を積層方向SDに互いに積層することにより形成される。各燃料電池単セルにおいて、膜電極接合体の一側面に外周領域が残るにようにしつつ膜電極接合体の両側面上にガス拡散層がそれぞれ配置され、外周領域を覆うように接着剤層が形成され、ガス拡散層との間に隙間が残るように支持フレームが外周領域に固定され、支持フレーム及びガス拡散層の両側面上に一対のセパレータがそれぞれ配置される。積層体は、積層方向外側に位置する一対の外側区域ORと内側区域IRとに区分されている。外側区域に属する燃料電池単セルの隙間における接着剤層の厚さが内側区域に属する燃料電池単セルの隙間における接着剤層の厚さよりも大きい。【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池スタックに関する。
複数の燃料電池単セルを積層方向に互いに積層することにより形成された積層体を含む燃料電池スタックであって、各燃料電池単セルが、膜電極接合体と、前記膜電極接合体の一側面に外周領域が残るにようにしつつ膜電極接合体の両側面上にそれぞれ配置されたガス拡散層と、外周領域を覆うように形成された接着剤層と、外周部分及び内周部分を有する樹脂製支持フレームであって、膜電極接合体の一側面上のガス拡散層との間に隙間が残るように内周部分が接着剤層を介して外周領域に固定された支持フレームと、周囲部分及び中央部分をそれぞれ有する一対の金属製セパレータであって、周囲部分において支持フレームの外周部分に固定されると共に中央部分においてガス拡散層に当接するように支持フレーム及びガス拡散層の両側面上にそれぞれ配置されたセパレータと、を備えている、燃料電池スタックが公知である(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載の燃料電池単セルを複数積層することにより、例えば電動車両用の燃料電池スタックが形成される。
特開2014−137936号公報
ところで、例えば電動車両が低温環境下に置かれて燃料電池単セルの温度が低くなると、線膨張係数が小さいセパレータに比べて、線膨張係数が大きい支持フレームはより大きく収縮する。その結果、膜電極接合体と支持フレームとの間に引張応力が生じ、支持フレームとガス拡散層との間の隙間に位置する接着剤層に亀裂が生ずるおそれがある。この亀裂が膜電極接合体にまで到達し、次いで膜電極接合体に亀裂が生ずると、クロスリークが生ずるおそれがある。
本発明によれば、複数の燃料電池単セルを積層方向に互いに積層することにより形成された積層体を備える燃料電池スタックであって、各燃料電池単セルが、膜電極接合体と、前記膜電極接合体の一側面に外周領域が残るにようにしつつ前記膜電極接合体の両側面上にそれぞれ配置されたガス拡散層と、前記外周領域を覆うように形成された接着剤層と、外周部分及び内周部分を有する支持フレームであって、前記膜電極接合体の前記一側面上の前記ガス拡散層との間に隙間が残るように前記内周部分が前記接着剤層を介して前記外周領域に固定された支持フレームと、周囲部分及び中央部分をそれぞれ有する一対のセパレータであって、前記周囲部分において前記支持フレームの前記外周部分に固定されると共に前記中央部分において前記ガス拡散層に当接するように前記支持フレーム及び前記ガス拡散層の両側面上にそれぞれ配置されたセパレータと、を備えており、前記積層体が、前記積層方向外側に位置する一対の外側区域と、前記一対の外側区域同士間の内側区域とに区分されており、前記外側区域に属する前記燃料電池単セルの前記隙間における前記接着剤層の厚さが前記内側区域に属する前記燃料電池単セルの前記隙間における前記接着剤層の厚さよりも大きい、燃料電池スタックが提供される。
膜電極接合体に亀裂が生ずるのを抑制し、クロスリークの発生を抑制することができる。
燃料電池スタックの概略側面図である。 燃料電池単セルの概略分解斜視図である。 燃料電池単セルの概略部分断面図である。 破断歪みの実験結果を示す線図である。 燃料電池単セルの積層の例を示す線図である。 燃料電池単セルの積層の例を示す線図である。 燃料電池単セルの積層の例を示す線図である。 燃料電池単セルの積層の例を示す線図である。 燃料電池単セルの積層の例を示す線図である。 燃料電池単セルの積層の例を示す線図である。
図1を参照すると、燃料電池スタック1は、複数の燃料電池単セル2を積層方向SDに互いに積層することにより形成された積層体3と、積層体3の積層方向SDの両外端にそれぞれ配置された一対のターミナルプレート4と、ターミナルプレート4の積層方向SDの外側にそれぞれ配置された一対のインシュレータプレート5と、インシュレータプレート5の積層方向SDの外側にそれぞれ配置された一対のエンドプレート6と、を備える。燃料電池単セル2に水素のような燃料ガス及び空気のような酸化剤ガスが供給されると、燃料電池単セル2で電力が発生され、この電力はターミナルプレート4から取り出される。取り出された電力は例えば電動車両を駆動するのに用いられる。
図2を参照すると、各燃料電池単セル2は、膜電極接合体10と、膜電極接合体10の外周において膜電極接合体10を支持する支持フレーム20と、膜電極接合体10及び支持フレーム20を挟むように膜電極接合体10及び支持フレーム20の両側に配置された一対のセパレータ30c,30aと、を備える。膜電極接合体10、支持フレーム20及びセパレータ30c,30aはそれぞれ長方形状輪郭を有している。
図2及び図3を参照すると、膜電極接合体10は、電解質膜11と、電解質膜11の一側面上に形成されたカソード電極触媒層12cと、電解質膜11の他側面上に形成されたアノード電極触媒層12aと、を備える。本発明による実施例では、カソード電極触媒層12c及びアノード電極触媒層12aは電解質膜11のほぼ全面に拡がるよう形成される。電解質膜11は例えば、パーフルオロスルホン酸を備えるプロトン導電性を有するイオン交換膜のような、フッ素系のイオン伝導性を有する高分子膜から形成される。カソード電極触媒層12c及びアノード電極触媒層12aは例えば白金又は白金合金からなる触媒を担持したカーボンから形成される。
膜電極接合体10の一側面11c上、すなわちカソード電極触媒層12c上には、膜電極接合体10の一側面11cに枠状の外周領域11coが残るように、カソードガス拡散層13cが形成される。すなわち、カソードガス拡散層13cは外周領域11coの分だけ膜電極接合体10よりも小さい。一方、膜電極接合体10の他側面11a上、すなわちアノード電極触媒層12a上には、アノード電極触媒層12aのほぼ全体を覆うようにアノードガス拡散層13aが設けられる。すなわち、アノードガス拡散層13aは膜電極接合体10とほぼ同じ大きさを有する。カソードガス拡散層13c及びアノードガス拡散層13aはそれぞれ、カソード電極触媒層12c及びアノード電極触媒層12aに電気的に接続される。また、カソードガス拡散層13c及びアノードガス拡散層13aは導電性を有する多孔体、例えばカーボンペーパ、カーボンクロス、及びガラス状カーボンのようなカーボン多孔体、又は、金属メッシュ及び発泡金属のような金属多孔から形成される。
膜電極接合体10の一側面11cの外周領域11co上には接着剤層14が形成される。言い換えると、外周領域11coは接着剤層14により覆われる。接着剤層14は熱硬化性及び紫外線硬化性の一方又は両方を有する接着剤から形成され、例えばスクリーン印刷又はディスペンサにより外周領域11co上に塗布される。
一方、支持フレーム20は、外周部分21oと、外周部分21oに囲まれた内周部分21iとを有する。支持フレーム20は、内周部分21iにおいて接着剤層14を介し膜電極接合体10の一側面11cの外周領域11coに固定される。この場合、内周部分21iとカソードガス拡散層13cとの間には枠状の隙間15が形成される。言い換えると、支持フレーム20はカソードガス拡散層13cから外方に離間される。したがって、接着剤層14のうち外方に位置する部分は支持フレーム20の内周部分21iにより覆われ、接着剤層14のうち内方に位置する部分は露出されることになる。支持フレーム20は電気絶縁性及び気密性を有し、例えばポリプロピレン系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフテラート系樹脂及びポリエチレンナフタレート系樹脂のような樹脂から形成される。
膜電極接合体10及び支持フレーム20のカソードガス拡散層13c側にはカソードセパレータ30cが配置される。カソードセパレータ30cは、周囲部分30cpと、周囲部分30cpに囲まれた中央部分30ccとを有する。カソードセパレータ30cの中央部分30ccはカソードガス拡散層13cとほぼ同じ大きさである。カソードセパレータ30cは、周囲部分30cpにおいて接着剤層31cを介し支持フレーム20の外周部分21oに固定され、中央部分30ccにおいてカソードガス拡散層13cに当接されて電気的に接続される。一方、膜電極接合体10及び支持フレーム20のアノードガス拡散層13a側にはアノードセパレータ30aが配置される。アノードセパレータ30aは、周囲部分30apと、周囲部分30apに囲まれた中央部分30acとを有する。アノードセパレータ30aの中央部分30acはアノードガス拡散層13aとほぼ同じ大きさである。アノードセパレータ30aは、周囲部分30apにおいて接着剤層31aを介し支持フレーム20の外周部分21oに固定され、中央部分30acにおいてアノードガス拡散層13aに当接されて電気的に接続される。この場合、支持フレーム20は、外周部分21oにおいてカソードセパレータ30c及びアノードセパレータ30aに固定され、内周部分21iにおいてカソードセパレータ30c及びアノードセパレータ30aに固定されることなく膜電極接合体10に固定されるということになる。
積層体3を形成するために燃料電池単セル2は厚さ方向TDに互いに積層される。この場合、互いに隣接する2つの燃料電池単セル2のうち一方のカソードセパレータ30cと、他方のアノードセパレータ30aとが互いに当接し、互いに電気的に接続される。したがって、燃料電池スタック1において燃料電池単セル2は電気的に直列に接続されている。
カソードセパレータ30cの周囲部分30cp及びアノードセパレータ30aの周囲部分30apには、燃料電池単セル2の厚さ方向TD外向きの凹溝32cp,32apがそれぞれ形成される。これら凹溝32cp,32ap内には、燃料電池単セル2が互いに積層されたときに互いに隣接する燃料電池単セル2同士間のシールを確保するためのガスケット(図示しない)が受容される。
また、カソードセパレータ30cの中央部分30cc及びアノードセパレータ30aの中央部分30acには、燃料電池単セル2の厚さ方向TD内向きの複数の凹溝33cc,33acと、燃料電池単セル2の厚さ方向TD外向きの複数の凹溝34cc,34acとがそれぞれ交互に形成される。カソードセパレータ30cの内向きの凹溝33ccはカソードガス拡散層13cに酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス通路を画定し、アノードセパレータ30aの内向きの凹溝33acはアノードガス拡散層13aに燃料ガスを供給するための燃料ガス通路を画定する。一方、カソードセパレータ30cの外向きの凹溝34cc及びアノードセパレータ30aの外向きの凹溝34acは、燃料電池単セル2が互いに積層されたときに互いに対面して冷却水通路を画定する。カソードセパレータ30c及びアノードセパレータ30aは例えばステンレス、チタンのような金属から形成される。
図2に示されるように、支持フレーム20の長手方向一側に位置する外周部分21oには3つの貫通孔26i,27i,28iが形成され、支持フレーム20の長手方向他側に位置する外周部分21oには3つの貫通孔26o,27o,28oが形成される。また、カソードセパレータ30cの長手方向一側に位置する周囲部分30cpには3つの貫通孔36ci,37ci,38ciが形成され、カソードセパレータ30cの長手方向他側に位置する周囲部分30cpには3つの貫通孔36co,37co,38coが形成される。更に、アノードセパレータ30aの長手方向一側に位置する周囲部分30apには3つの貫通孔36ai,37ai,38aiが形成され、アノードセパレータ30aの長手方向他側に位置する周囲部分30apには3つの貫通孔36ao,37ao,38aoが形成される。燃料電池単セル2が組み立てられると、貫通孔36ai,26i,36ciは互いに整列されて酸化剤ガス流入通路を形成する。同様に、貫通孔37ai,27i,37ciは互いに整列されて冷却水流入通路を形成し、貫通孔38ai,28i,38ciは互いに整列されて燃料ガス流入通路を形成する。また、貫通孔36ao,26o,36coは互いに整列されて燃料ガス流出通路を形成し、貫通孔37ao,27o,37coは互いに整列されて冷却水流出通路を形成し、貫通孔38ao,28o,38coは互いに整列されて酸化剤ガス流出通路を形成する。図3を参照して上述した燃料ガス通路、冷却水通路、及び酸化剤ガス通路はそれぞれ、一方では燃料ガス流入通路、冷却水流入通路、及び酸化剤ガス流入通路にそれぞれ連通され、他方では燃料ガス流出通路、冷却水流出通路、及び酸化剤ガス流出通路にそれぞれ連通される。燃料電池単セル2が互いに積層されると、燃料ガス流入通路及び燃料ガス流出通路はそれぞれ互い連通されて燃料ガス流入マニホルド及び燃料ガス流出マニホルドをそれぞれ形成し、冷却水流入通路及び冷却水流出通路はそれぞれ互い連通されて冷却水流入マニホルド及び冷却水流出マニホルドをそれぞれ形成し、酸化剤ガス流入通路及び酸化剤ガス流出通路はそれぞれ互い連通されて酸化剤ガス流入マニホルド及び酸化剤ガス流出マニホルドをそれぞれ形成する。
燃料電池単セル2の製造方法を簡単に説明すると、まず、カソードガス拡散層13c及びアノードガス拡散層13aを有する膜電極接合体10が用意される。次いで、外周領域11coに接着剤層14が形成される。次いで、支持フレーム20の内周部分21iが外周領域11coに重ねられ、接着剤層14により外周領域11coに固定される。次いで、支持フレーム20の外周部分21oに接着剤層31c,31aが形成される。次いで、カソードセパレータ30c及びアノードセパレータ30aが接着剤層31c,31aにより支持フレーム20の外周部分21oにそれぞれ固定される。
再び図1を参照すると、積層方向SDに関し外側の積層体3に一対の外側区域ORが画定されており、これら外側区域OR同士間の積層体3に内側区域IRが画定されている。図1に示される例では、一方の外側区域ORに属する燃料電池単セル2の数と他方の外側区域ORに属する燃料電池単セル2の数とは互いに等しい。図示しない別の実施例では、一方の外側区域ORに属する燃料電池単セル2の数と他方の外側区域ORに属する燃料電池単セル2の数とは互いに異なっている。また、図1に示される例では、各外側区域ORに属する燃料電池単セル2の数は内側区域IRに属する燃料電池単セル2の数よりも少ない。
さて、燃料電池単セル2の温度が低くなると、支持フレーム20が比較的大きく収縮する。この場合、支持フレーム20は、カソードセパレータ30c及びアノードセパレータ30aに固定されている外周部分21oでは収縮しにくいけれども、内周部分21iでは比較的容易に収縮できる。その結果、膜電極接合体10と支持フレーム20との間に引張応力が生じ、隙間15における接着剤層14、又は、膜電極接合体10に亀裂が生じるおそれがある。この問題は、燃料電池単セル2の製造時にも生じうる。すなわち、接着剤層14を熱硬化性接着剤から形成した場合、接着剤層14周りの膜電極接合体10及び支持フレーム20が加熱され、次いで冷却される。この冷却過程において、支持フレーム20が比較的大きく収縮し、膜電極接合体10と支持フレーム20との間に大きな引張応力が生じうる。
この点について鋭意研究した結果、膜電極接合体10の亀裂の発生のしにくさは、隙間15における接着剤層14の厚さである接着剤厚さdAに依存することが判明した。すなわち、図4は、外周領域11coにおいて互いに接着された膜電極接合体10及び支持フレーム20に引張荷重を作用し、接着剤層14及び膜電極接合体10が破断するときの膜電極接合体10の歪みである破断歪みBD(%)と、接着剤厚さdAとの関係を示す実験結果である。この破断歪みBDは、膜電極接合体10の亀裂の発生のしにくさを表している。すなわち、破断歪みBDが大きいときには破断歪みBDが小さいときに比べて膜電極接合体10に亀裂が生じにくい。なお、破断歪みBDは、引張荷重−歪み曲線において、引張荷重がゼロまで低下したときの歪みとして求められる。また、図4には、周囲温度が−20℃の場合の破断歪みBDが▲でもってプロットされており、周囲温度が−30℃の場合の破断歪みBDが●でもってプロットされている。
図4に示されるように、周囲温度が−20℃の場合の破断歪みBDは、接着剤厚さdAが15μmのときには52%であり、接着剤厚さdAが36μmのときには80%であり、接着剤厚さdAが62μmのときには82%であった。また、接着剤厚さdAが0μmのとき、すなわち接着剤層14が設けられないときには破断歪みBDは37%であった。一方、周囲温度が−30℃の場合の破断歪みBDは、接着剤厚さdAが15μmのときには32%であり、接着剤厚さdAが36μmのときには70%であり、接着剤厚さdAが62μmのときには63%であった。また、接着剤厚さdAが0μmのとき、すなわち接着剤層14が設けられないときには破断歪みBDは25%であった。
図4から次の3つの知見が得られる。すなわち、1つ目は、接着剤厚さdAが0μmから増大すると、破断歪みBDが増大する、すなわち接着剤層14及び膜電極接合体10が破断しにくくなるということである。2つ目は、接着剤厚さdAが36μm以上であると破断歪みBDが63%以上となる、すなわち接着剤層14及び膜電極接合体10が破断しにくくなるということである。言い換えると、接着剤厚さdAが閾値dAX以上であると、破断歪みBDがあらかじめ定められた設定歪みBDX以上になるということである。この閾値dAXは例えば36μmであり、好ましくは40μmである。一方、設定歪みBDXは例えば63%である。3つ目は、周囲温度が高くなると破断歪みBDが小さくなる、すなわち破断しにくくなるということである。
一方、積層方向SDに関し積層体3の外側に位置する燃料電池単セル2は、積層方向SDに関し積層体3の内側に位置する燃料電池単セル2と比べて、環境温度の影響を受けやすい。したがって、積層方向SDに関し積層体3の外側に位置する燃料電池単セルには、大きな温度変化が生ずるおそれがあり、大きな引張応力が生ずるおそれがある。すなわち、積層方向SDに関し積層体3の外側に位置する燃料電池単セルでは上述の亀裂の問題はより深刻である。
そこで本発明による実施例では、外側区域ORに属する燃料電池単セル2の接着剤厚さdAが内側区域IRに属する燃料電池単セル2の接着剤厚さdAよりも大きくなるように、複数の燃料電池単セル2を互いに積層するようにしている。言い換えると、外側区域ORに属する燃料電池単セル2の接着剤厚さdAのうち最小のものが、内側区域IRに属する燃料電池単セル2の接着剤厚さdAのうち最大のものよりも大きい。その結果、外側区域ORでは接着剤厚さdAが大きいので、温度変化が大きくても膜電極接合体10に亀裂が生ずるのを確実に抑制することができる。すなわち、外側区域ORでは接着剤厚さdAが大きいので、接着剤層14自体に亀裂が生ずるのが確実に抑制され、仮に接着剤層14に亀裂が生じたとしてもこの亀裂が膜電極接合体10に到達するのが確実に抑制され、したがって温度変化が大きくても膜電極接合体10に亀裂が生ずるのを確実に抑制することができる。一方、内側区域IRでは温度変化が小さいので、接着剤厚さdAが小さくても膜電極接合体10に亀裂が生じにくい。
図5から図10は、本発明による実施例の燃料電池単セル2の積層の仕方の一例を示している。
図5に示される例では、外側区域ORに属する燃料電池単セル2の接着剤厚さdAは図4を参照して説明した閾値dAX以上であり、内側区域IRに属する燃料電池単セル2の接着剤厚さdAは閾値dAXよりも小さい。このようにすると、外側区域ORにおいて膜電極接合体10に亀裂が生ずるのを確実に抑制することができる。
図6に示される例では、外側区域ORに属する燃料電池単セル2の接着剤厚さdAは内側区域IRに属する燃料電池単セル2の接着剤厚さdAよりも大きく、しかしながら外側区域ORに属する燃料電池単セル2の接着剤厚さdA及び内側区域IRに属する燃料電池単セル2の接着剤厚さdAは共に閾値dAXよりも大きい。
図7に示される例では、外側区域ORに属する燃料電池単セル2の接着剤厚さdAは内側区域IRに属する燃料電池単セル2の接着剤厚さdAよりも大きく、しかしながら外側区域ORに属する燃料電池単セル2の接着剤厚さdA及び内側区域IRに属する燃料電池単セル2の接着剤厚さdAは共に閾値dAXよりも小さい。
図8から図10に示される例では、積層方向SDに関し積層体3の内側から積層体3の外側に向かうにつれて燃料電池単セル2の接着剤厚さdAが大きくなるように、燃料電池単セル2が積層される。
しかも、図8に示される例では、外側区域ORに属する燃料電池単セル2の接着剤厚さdAは閾値dAX以上であり、内側区域IRに属する燃料電池単セル2の接着剤厚さdAは閾値dAXよりも小さい。
図9に示される例では、外側区域ORに属する燃料電池単セル2の接着剤厚さdA及び内側区域IRに属する燃料電池単セル2の接着剤厚さdAは共に閾値dAXよりも大きい。
図10に示される例では、外側区域ORに属する燃料電池単セル2の接着剤厚さdA及び内側区域IRに属する燃料電池単セル2の接着剤厚さdAは共に閾値dAXよりも小さい。
本発明による実施例では、次のようにして燃料電池単セル2が積層される。すなわち、上述したように、接着剤層14は例えばスクリーン印刷により形成される。この場合、接着剤層14の厚さにバラツキが生じる。例えば、厚さが50μmとなるように接着剤層14を塗布した場合、接着剤層14の実際の厚さは5μmから100μmの範囲でばらつく場合がある。そこで、燃料電池単セル2の製造時において、カソードセパレータ30cが膜電極接合体10及び支持フレーム20に取り付けられる前に、隙間15における接着剤層14の厚さ、すなわち接着剤厚さdAが厚さセンサを用いて測定される。本発明による実施例では、複数箇所において接着剤層14の厚さが測定され、平均化される。図示しない別の実施例では、代表的な一箇所において接着剤層14の厚さが測定される。得られた接着剤厚さdAは燃料電池単セル2に関連付けて記憶される。
次いで、関連付けられた接着剤厚さdAを参照しつつ燃料電池単セル2が積層される。例えば、図5に示される例では、積層しようとする燃料電池単セル2の接着剤厚さdAが閾値dAX以上であるときには、この燃料電池単セル2が外側区域ORに属するように位置決めされ、積層しようとする燃料電池単セル2の接着剤厚さdAが閾値dAXよりも小さいときには、この燃料電池単セル2が内側区域IRに属するように位置決めされる。
ところで、隙間15の大きさにもバラツキが生じうる。この場合、カソードガス拡散層13cの一側では支持フレーム20がカソードガス拡散層13cの近くに配置されて隙間15が目標値よりも小さくなり、カソードガス拡散層13cの他側では支持フレーム20がカソードガス拡散層13cから遠くに配置されて隙間15が目標値よりも大きくなる場合がある。
ところが、隙間15が小さいときには、隙間15が大きいときに比べて、隙間15における接着剤層14は支持フレーム20の収縮の影響を受けやすい。すなわち、膜電極接合体10に亀裂が生じやすい。
なお、図2からわかるように隙間15は矩形の枠状をなしている。隙間15は全周にわたって必ずしも一定ではなく、位置によってバラツキがある場合がある。このため、一つの燃料電池単セル2内における隙間15のうち最も小さいものを最小隙間と称することにする。そうすると、最小隙間が小さい燃料電池単セル2では膜電極接合体10に亀裂が生じやすく、最小隙間が大きい燃料電池単セル2では膜電極接合体10に亀裂が生じにくい、ということになる。
そこで本発明による別の実施例では、燃料電池単セル2の製造時に最小隙間が測定され、燃料電池単セル2に関連付けて記憶される。次いで、外側区域ORに属する燃料電池単セル2の最小隙間が、内側区域IRに属する燃料電池単セル2の最小隙間よりも大きくなるように、燃料電池単セル2が互いに積層される。その結果、外側区域ORでは最小隙間が大きいので、温度変化が大きくても膜電極接合体10に亀裂が生ずるのを確実に抑制することができる。一方、内側区域IRでは温度変化が小さいので、最小隙間が小さくても膜電極接合体10に亀裂が生じにくい。この場合、積層方向SDに関し積層体3の内側から積層体3の外側に向かうにつれて燃料電池単セル2の最小隙間が小さくなるのが好ましい。
1 燃料電池スタック
2 燃料電池単セル
3 積層体
10 膜電極接合体
11co 外周領域
13c,13a ガス拡散層
14 接着剤層
15 隙間
20 支持フレーム
21o 外周部分
21i 内周部分
30cp,30ap 周囲部分
30c,30a セパレータ
30cc,30ac 中央部分
OR 外側領域
IR 内側領域
SD 積層方向

Claims (4)

  1. 複数の燃料電池単セルを積層方向に互いに積層することにより形成された積層体を備える燃料電池スタックであって、
    各燃料電池単セルが、膜電極接合体と、前記膜電極接合体の一側面に外周領域が残るにようにしつつ前記膜電極接合体の両側面上にそれぞれ配置されたガス拡散層と、前記外周領域を覆うように形成された接着剤層と、外周部分及び内周部分を有する支持フレームであって、前記膜電極接合体の前記一側面上の前記ガス拡散層との間に隙間が残るように前記内周部分が前記接着剤層を介して前記外周領域に固定された支持フレームと、周囲部分及び中央部分をそれぞれ有する一対のセパレータであって、前記周囲部分において前記支持フレームの前記外周部分に固定されると共に前記中央部分において前記ガス拡散層に当接するように前記支持フレーム及び前記ガス拡散層の両側面上にそれぞれ配置されたセパレータと、を備えており、
    前記積層体が、前記積層方向外側に位置する一対の外側区域と、前記一対の外側区域同士間の内側区域とに区分されており、
    前記外側区域に属する前記燃料電池単セルの前記隙間における前記接着剤層の厚さが前記内側区域に属する前記燃料電池単セルの前記隙間における前記接着剤層の厚さよりも大きい、
    燃料電池スタック。
  2. 前記外側区域に属する前記燃料電池単セルの前記隙間における前記接着剤層の厚さがあらかじめ定められた閾値以上である、請求項1に記載の燃料電池スタック。
  3. 前記外側区域に属する前記燃料電池単セルの前記隙間における前記接着剤層の厚さが36μm以上である、請求項1に記載の燃料電池スタック。
  4. 前記積層方向に関し前記積層体の内側から前記積層体の外側に向かうにつれて前記燃料電池単セルの前記隙間における前記接着剤層の厚さが大きくなる、請求項1から3までのいずれか一項に記載の燃料電池スタック。
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