JP2016172789A - ゴム組成物及びこれを使用する空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及びこれを使用する空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】優れた低発熱化を維持しつつ、強靭性を向上させることができるゴム組成物の提供。
【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に対して、シリカ1〜150質量部と、融点が100〜150℃である酸変性ポリオレフィン0.5〜30質量部とを含有し、前記酸変性ポリオレフィンの主鎖がオレフィンの単独重合体であるゴム組成物、及び、これを用いる空気入りタイヤ。
【選択図】なし

Description

本発明はゴム組成物及びこれを使用する空気入りタイヤに関する。
従来、ジエン系ゴムを含有するゴム組成物を用いてタイヤ、ゴムホース、工業用ベルト、防振ゴム、防舷剤、靴底等のゴム製品が製造されている。
このような用途に使用されうるゴム組成物として、例えば、ジエン系ゴム100重量部に対し、ポリオレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸で変性した変性重合体を1〜50重量部配合してなるゴム組成物が提案されている(特許文献1)。
特開平10−87900号公報
このようななか、特許文献1をもとにジエン系ゴムと酸変性ポリオレフィンとを含有するゴム組成物を調製し評価したところ、強靭性が低下する(つまりモジュラス又は破断時伸びが低い)場合や低発熱性が悪化する場合があることが明らかとなった。
そこで、本発明は、優れた低発熱化を維持しつつ、強靭性を向上させることができるゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ジエン系ゴム100質量部に対して、シリカ1〜150質量部と、融点が100〜150℃である酸変性ポリオレフィン0.5〜30質量部とを含有し、前記酸変性ポリオレフィンの主鎖がオレフィンの単独重合体であるゴム組成物によれば、所定の効果が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明は上記知見等に基づくものであり、具体的には以下の構成により上記課題を解決するものである。
1. ジエン系ゴム100質量部に対して、シリカ1〜150質量部と、融点が100〜150℃である酸変性ポリオレフィン0.5〜30質量部とを含有し、前記酸変性ポリオレフィンの主鎖がオレフィンの単独重合体であるゴム組成物。
2. 前記酸変性ポリオレフィンの主鎖が、ポリエチレン又はポリプロピレンである、上記1に記載のゴム組成物。
3. 前記酸変性ポリオレフィンが、無水マレイン酸で変性されたポリオレフィンである、上記1又は2に記載のゴム組成物。
4. 前記酸変性ポリオレフィンの190℃におけるメルトマスフローレートが、1.0〜8.0g/10minである、上記1〜3のいずれか1つに記載のゴム組成物。
5. 上記1〜4のいずれか1つに記載のゴム組成物を用いる空気入りタイヤ。
6. 前記ゴム組成物をキャップトレッドに用いる、上記5に記載の空気入りタイヤ。
本発明のゴム組成物及び本発明の空気入りタイヤは、優れた低発熱化を維持しつつ、強靭性を向上させることができる。
図1は、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図である。
本発明について以下詳細に説明する。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、成分が2種以上の化合物を含む場合、上記成分の含有量とは、2種以上の化合物の合計の含有量を指す。
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対して、シリカ1〜150質量部と、融点が100〜150℃である酸変性ポリオレフィン0.5〜30質量部とを含有し、前記酸変性ポリオレフィンの主鎖がオレフィンの単独重合体であるゴム組成物である。
本発明のゴム組成物はこのような構成をとるため、所望の効果が得られるものと考えられる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
本発明のゴム組成物に含有される酸変性ポリオレフィンは酸変性されているので、酸変性ポリオレフィンはシリカが表面に有するシラノール基と相互作用し、シリカの分散性が向上し、このことによって低発熱性が優れると考えられる。
また、本発明において、酸変性ポリオレフィンはその融点が100〜150℃であり、主鎖(ポリオレフィン)が単独重合体である。
一方、ゴム組成物を製造する際の混合温度は系内の発熱によって上昇し、通常、室温〜170℃以下程度となる。
上記成分を混合(混練)して組成物とする際も、系内の温度は発熱によって同様に上昇する。
このような条件下において上記酸変性ポリオレフィンは軟化又は溶解して、ジエン系ゴムに対して上記軟化又は溶解した酸変性ポリオレフィンの相溶性が向上し、上記酸変性ポリオレフィン及びシリカがジエン系ゴムに均一に分散され、このことによって強靭性が優れたものとなると考えられる。
[ゴム組成物]
以下、本発明のゴム組成物に含有される各成分について詳述する。
<ジエン系ゴム>
本発明のゴム組成物が含有するジエン系ゴムは、主鎖に二重結合を有するものであれば特に限定されない。ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、芳香族ビニル−共役ジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)、スチレン−イソプレンゴム、イソプレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム等が挙げられる。
ジエン系ゴムはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
なかでも、芳香族ビニル−共役ジエン共重合ゴム、NR、BRが好ましい。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合ゴムとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンゴムが挙げられる。なかでもSBRが好ましい。
ジエン系ゴムの重量平均分子量は特に限定されないが、加工性の観点から、50,000〜3,000,000であるのが好ましく、100,000〜2,000,000であるのがより好ましい。なお、ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定値をもとにした標準ポリスチレン換算値である。
ジエン系ゴムが芳香族ビニル−共役ジエン共重合ゴム及び/又はBRを含む場合、芳香族ビニル−共役ジエン共重合ゴム及び/又はBRの含有量は、低発熱性とウェットグリップ性のバランスに優れるという観点から、ジエン系ゴムに対して、5〜100質量%であるのが好ましい。
ジエン系ゴムが芳香族ビニル−共役ジエン共重合ゴム及びBRを含む場合、BRに対する芳香族ビニル−共役ジエン共重合ゴムの含有量の割合(芳香族ビニル−共役ジエン共重合ゴム/BR)は、10〜1000質量%であるのが好ましい。
<シリカ>
本発明のゴム組成物が含有するシリカは特に制限されない。例えば、ゴム組成物に一般的に使用することができるものと同様のものが挙げられる。具体的には例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。
上記シリカは、シリカの凝集を抑制する観点から、CTAB吸着比表面積が50〜300m2/gであるのが好ましく、80〜250m2/gであるのがより好ましい。
ここで、CTAB吸着比表面積は、シリカ表面への臭化n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムの吸着量をJIS K6217−3:2001「第3部:比表面積の求め方−CTAB吸着法」にしたがって測定した値である。
シリカはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、シリカの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜150質量部であり、2〜125質量部であるのが好ましく、3〜100質量部であるのがより好ましい。
<酸変性ポリオレフィン>
本発明のゴム組成物が含有する酸変性ポリオレフィンは、主鎖がオレフィンの単独重合体であり、カルボン酸で変性され、融点が100〜150℃である。
(主鎖)
酸変性ポリオレフィンの主鎖はオレフィンの単独重合体である。
酸変性ポリオレフィンの主鎖を構成するオレフィンとしては、例えば、エチレン、α−オレフィンが挙げられる。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−オクテンが挙げられる。
酸変性ポリオレフィンの主鎖となりうる、オレフィンの単独重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリオクテンが挙げられる。なかでも、ポリプロピレン、ポリエチレンが好ましい。
ポリエチレンとしては、例えば、低密度から高密度のポリエチレンが挙げられる。なかでも高密度ポリエチレンが好ましい。酸変性ポリオレフィンの主鎖が高密度ポリエチレンである場合、このような酸変性ポリオレフィンの密度は940〜980kg/m3が好ましい。なお本発明において酸変性ポリオレフィンの密度は、ASTM D1505に準じて測定された。
(カルボン酸)
一方、上述した主鎖を変性するカルボン酸としては、例えば、不飽和カルボン酸が挙げられる。具体的には例えば、アクリル酸、メタアクリル酸のようなモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸のようなジカルボン酸;酸無水物などが挙げられる。酸無水物としては例えばジカルボン酸の無水物が挙げられる。
これらのうち、無水マレイン酸、マレイン酸、アクリル酸が好ましい。
酸変性ポリオレフィンは、酸無水物で変性されたポリオレフィンが好ましく、無水マレイン酸で変性されたポリオレフィンがより好ましい。
酸変性ポリオレフィンにおいて、カルボン酸が主鎖のどの位置に結合するかは特に制限されない。例えば、末端、側鎖が挙げられる。なかでもカルボン酸が側鎖として主鎖に結合するのが好ましい。カルボン酸と主鎖とは直接又は有機基を介して結合することができる。有機基は特に制限されない。
本発明において、酸変性ポリオレフィンの融点は100〜150℃である。酸変性ポリオレフィンの融点は100℃以上であるので、本発明において使用される酸変性ポリオレフィンの状態は室温(23℃)で固体である。
酸変性ポリオレフィンの融点は、加工性、高温破断特性、強靭性に優れるという観点から、105〜148℃であるのが好ましく、110〜146℃であるのがより好ましく、120〜135℃であるのが更に好ましい。
本発明において、酸変性ポリオレフィンの融点は、ASTM D2117に準じて測定された。
酸変性ポリオレフィンの190℃におけるメルトマスフローレート(MFR)は、加工性に優れるという観点から、1.0〜8.0g/10minであるのが好ましく、1.2〜7.8g/10minであるのがより好ましい。
本発明において、酸変性ポリオレフィンのMFRは、ASTM D1238に準じて190℃の条件下で測定された。
酸変性ポリオレフィンはその製造について特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。グラフト重合による製造方法が好ましい態様の1つとして挙げられる。
また酸変性ポリオレフィンとして市販品を用いることができる。
市販品としては、例えば、アドマーQE060(三井化学社製)などの無水マレイン酸変性ポリプロピレン;アドマーHE810(三井化学社製)などの無水マレイン酸変性高密度ポリエチレン;モディックL502(三菱化学社製)などの無水マレイン酸変性低密度ポリエチレン重合体が挙げられる。
酸変性ポリオレフィンはそれぞれ単独でまたは複数の種類を組合せて使用することができる。
複数の種類の酸変性ポリオレフィンの組合せとしては、例えば、酸変性ポリエチレンと酸変性ポリプロピレンとの組合せが挙げられる。
本発明において、酸変性ポリオレフィンの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.5〜30質量部であり、0.8〜25質量部であるのが好ましく、1〜20質量部であるのがより好ましい。
(その他の成分)
本発明のゴム組成物は目的、効果を損なわない範囲で必要に応じて更にその他の成分(添加剤)を含有することができる。添加剤としては、例えば、シリカ以外の充填剤(例えば、カーボンブラック)、上記以外の酸変性ポリオレフィン、加硫剤、架橋剤、加硫促進剤、酸化亜鉛、ステアリン酸のような加硫促進助剤、加硫遅延剤、オイル、老化防止剤、可塑剤、シランカップリング剤などのゴム組成物に一般的に配合されうるものが挙げられる。添加剤の含有量は適宜選択することができる。
<カーボンブラック>
本発明のゴム組成物は更にカーボンブラックを含有するのが好ましい。カーボンブラックとしては、ゴム組成物に一般的に使用することができるカーボンブラックと同様のものが挙げられる。具体的には例えば、SAF、ISAF、IISAF、N339、HAF、FEF、GPE、SRF等が挙げられる。なかでも、SAF、ISAF、IISAF、N339、HAF、FEFが好ましい。
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、ゴム組成物の加工性により優れるという観点から、30〜250m2/gであるのが好ましく、40〜240m2/gであるのがより好ましい。
ここで、N2SAは、カーボンブラック表面への窒素吸着量をJIS K 6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
カーボンブラックはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
カーボンブラックの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜100質量部であるのが好ましく、3〜90質量部であるのがより好ましい。
本発明のゴム組成物は更にシランカップリング剤を含有するのが好ましい。シランカップリング剤は特に制限されない。なかでも硫黄原子を有するシランカップリング剤(含硫黄シランカップリング剤)が好ましい態様の1つとして挙げられる。
含硫黄シランカップリング剤は、硫黄原子を有するシランカップリング剤であれば特に制限されない。例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドのようなポリスルフィド系シランカップリング剤;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−[エトキシビス(3,6,9,12,15−ペンタオキサオクタコサン−1−イルオキシ)シリル]−1−プロパンチオール(エボニック・デグサ社製Si363)のようなメルカプト系シランカップリング剤;3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシランのようなチオカルボキシレート系シランカップリング剤;3−チオシアネートプロピルトリエトキシシランのようなチオシアネート系シランカップリング剤が挙げられる。
なかでも、ポリスルフィド系シランカップリング剤が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドがより好ましい。
シランカップリング剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、1〜30質量部であるのが好ましく、2〜25質量部であるのがより好ましい。
本発明のゴム組成物は再生ポリエチレンテレフタレートを含有しないのが好ましい態様の1つとして挙げられる。再生ポリエチレンテレフタレートとしては、例えば、未使用又は使用済みのポリエチレンテレフタレート製の成形品を微粒子化した粉末が挙げられる。再生ポリエチレンテレフタレートを実質的に含有しないとは、再生ポリエチレンテレフタレートの含有量が、本発明のゴム組成物全体に対して、0〜0.1質量部であることを意味する。上記再生ポリエチレンテレフタレートの含有量が本発明のゴム組成物全体に対して0質量部であるのが好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法としては、例えば、上記成分を混合する方法が挙げられる。
混合する際の温度(混合温度)としては例えばこれを10〜170℃とすることができ、50〜170℃が好ましく、100〜170℃がより好ましい。
上記混合温度は酸変性ポリオレフィンの融点以上であるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
上記成分に必要に応じて使用することができる添加剤を更に加えてもよい。
また、加硫剤、加硫促進剤(含硫黄加硫促進剤を含む。)等のような加硫系成分以外の成分を予め混合し、これに加硫系成分を加えてもよい。このとき、予め混合する際及び/又は加硫系成分を加えた後混合する際の混合温度を、上記の混合温度と同様とすることができる。
上記成分を混合する際に使用される装置は特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。
本明細書において混合は混練を含むものとする。
本発明のゴム組成物は例えば従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
本発明のゴム組成物は、例えば、空気入りタイヤ、ホース、ベルトなどを製造する際に使用されるゴム組成物として使用することができる。
[空気入りタイヤ]
本発明の空気入りタイヤは、上述した本発明のゴム組成物を用いる空気入りタイヤである。本発明のゴム組成物を空気入りタイヤの、例えばタイヤトレッドに用いて本発明の空気入りタイヤを製造するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。なかでも、本発明のゴム組成物を、キャップトレッド及び/又はアンダートレッドに用いるのがより好ましく、キャップトレッドに用いるのが更に好ましい。
図1に、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明の空気入りタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
図1において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3はタイヤトレッド部を表す。左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。タイヤトレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。ビード部1においては、リム(図示せず。)に接する部分にリムクッション8が配置されている。
本発明の空気入りタイヤは、例えば、従来公知の方法に従って製造することができる。また、タイヤに充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることができる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし本発明はこれらに限定されない。
<ゴム組成物の製造>
第1表に示す、加硫系成分(硫黄、含硫黄加硫促進剤、加硫促進剤)を除く各成分を同表に示す配合量(質量部)で使用し、これらを1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで50℃から170℃まで昇温して、この温度範囲の条件下で5分間混練した後、ミキサー外に放出させて室温冷却し、混合物を得た。続いて、上記のとおり得られた混合物に上記加硫系成分を加え、これらをオープンロールで10〜100℃の条件下で混練し、ゴム組成物を製造した。
<加硫ゴムの製造>
上述のとおり製造されたゴム組成物を所定の金型中で160℃で20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得た。
<評価>
上記のとおり得られた加硫ゴム試験片を用いて以下に示す試験法で加硫物性を評価した。各例の結果を、比較例1の結果を100とする指数で第1表に表示した。
・引張応力(M300)、破断時伸び(Eb)及び破断時引張強さ(TSb)の測定
上記のとおり得られた加硫ゴム試験片からJIS3号ダンベル状の試験片を打ち抜き、JIS K6251:2010に準拠して引張速度500mm/分で引張試験を行い、300%伸び時における引張応力(M300)、破断時伸び(Eb)及び破断時引張強さ(TSb)を、20℃又は100℃の条件下で測定した。
M300の指数が大きいほど、硬さがあることを示す。
破断時伸びの指数が大きいほど、ゴムが伸びることを示す。
そして、M300及び破断時伸びの指数が大きい場合、強靭性に優れる。
空気入りタイヤを使用する際の通常の温度は100℃以下であるので、本発明においては20℃の条件下のほか、100℃の条件下においても上記測定を行った。
・tanδ(60℃)の測定
岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーターを用い、伸張変形歪率10±2%、振動数20Hz、温度60℃の条件下にて、上記のとおり得られた加硫ゴム試験片のtanδ(60℃)を測定した。
指数が小さいほど低発熱性が優れることを示す。
上記第1表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
・SBR:乳化重合SBR Nipol1502、日本ゼオン社製、重量平均分子量40万
・BR:日本ゼオン社製Nipol BR 1220
・酸変性ポリオレフィン1:無水マレイン酸変性低密度ポリエチレン重合体。主鎖はエチレンの単独重合体(低密度ポリエチレン)であり、無水マレイン酸によって変性されている。無水マレイン酸は上記主鎖に側鎖として結合する。融点110℃、MFR(190℃)=1.0g/10min、三菱化学社製モディックL502
・酸変性ポリオレフィン2:無水マレイン酸変性高密度ポリエチレン重合体。主鎖はエチレンの単独重合体(高密度ポリエチレン)であり、無水マレイン酸によって変性されている。無水マレイン酸は上記主鎖に側鎖として結合する。融点130℃、密度960kg/m3、MFR(190℃)=1.7g/10min、三井化学社製アドマーHE810
・酸変性ポリオレフィン3:無水マレイン酸変性ポリプロピレン重合体。主鎖はプロピレンの単独重合体であり、無水マレイン酸によって変性されている。無水マレイン酸は上記主鎖に側鎖として結合する。融点140℃、MFR(190℃)=7.0g/10min、三井化学社製アドマーQE060
・(比較)酸変性ポリオレフィン4:無水マレイン酸変性低密度ポリエチレン重合体。主鎖はエチレンの単独重合体(低密度ポリエチレン)であり、無水マレイン酸によって変性されている。無水マレイン酸は上記主鎖に側鎖として結合する。融点95℃、MFR(190℃)=9.0、三井化学社製アドマーNS101
・(比較)酸変性ポリオレフィン5:無水マレイン酸変性エチレン/1−ブテン共重合体。主鎖はエチレンと1−ブテンとの共重合体であり、無水マレイン酸によって変性されている。MFR(190℃)=0.7g/10min、三井化学社製タフマーMH7020
・シランカップリング剤:ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド。エボニック・デグサ社製Si69
・シリカ:湿式シリカ、CTAB吸着比表面積170m2/g、日本シリカ社製ニップシールAQ
・カーボンブラック:昭和キャボット社製ショウブラックN339M、N2SA81m2/g、HAF
・酸化亜鉛:正同化学社製亜鉛華3号
・ステアリン酸:日本油脂社製ステアリン酸
・老化防止剤:老化防止剤(S−13)、住友化学社製アンチゲン6C
・オイル:昭和シェル石油社製エクストラクト4号S
・硫黄:軽井沢精錬所社製油処理硫黄
・含硫黄加硫促進剤(CZ):N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、三新化学社製サンセラーCM−PO
・加硫促進剤(DPG):ジフェニルグアニジン、三新化学社製サンセラーD−G
第1表に示す結果から、酸変性ポリオレフィンの主鎖が共重合体である比較例2は、比較例1と比べて、強靭性が低かった。
酸変性ポリオレフィンの融点が所定の範囲外である比較例3は、比較例1と比べて、強靭性、低発熱性が劣った。
酸変性ポリオレフィンの含有量が所定の範囲を外れる比較例4、5は、比較例1と比べて、強靭性、低発熱性が劣った。
これに対して、実施例1〜5は、比較例1と同様の優れた低発熱化を維持しつつ、又は、比較例1よりも低発熱性に優れ、かつ、比較例1よりも強靭性を向上させることができた。
詳細には、20℃及び100℃の条件下でのM300及び破断時伸びについて実施例1〜5と比較例1とを比較すると、実施例1〜5は、20℃及び100℃の条件下でのM300及び破断時伸びが比較例1よりも高く、強靭性に優れた。このことから、本発明のゴム組成物は低温から高温までの広い温度範囲の条件下で優れた強靭性を有することが明らかとなった。
また、強靭性について実施例2と実施例3とを比較すると、実施例2は実施例3よりもM300、破断時伸びのバランスがよく強靭性により優れ、破断時引張強さが高かった。このことから、酸変性ポリオレフィンの融点が135℃以下及び/又は酸変性ポリオレフィンの主鎖がポリエチレンであることによって強靭性がより優れ、破断時引張強さが高いことが明らかとなった。
実施例1と実施例2とを比較すると、酸変性ポリオレフィンの融点が高いほどモジュラスが高くなり、高温(100℃)での破断時引張強さが高いことが明らかとなった。
実施例1〜3を比較すると、実施例2が実施例1、3よりもモジュラス、破断時伸び、破断時引張強さのバランスがよかった。このことから、酸変性ポリオレフィンの融点が120〜135℃であることによって、モジュラス、破断時伸び、破断時引張強さのバランスがよくなると考えられる。
実施例4、5、2を比較すると、酸変性ポリオレフィンの量が多くなるほど強靭性により優れ、破断時引張強さが高いことが明らかとなった。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション

Claims (6)

  1. ジエン系ゴム100質量部に対して、シリカ1〜150質量部と、融点が100〜150℃である酸変性ポリオレフィン0.5〜30質量部とを含有し、前記酸変性ポリオレフィンの主鎖がオレフィンの単独重合体であるゴム組成物。
  2. 前記酸変性ポリオレフィンの主鎖が、ポリエチレン又はポリプロピレンである、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記酸変性ポリオレフィンが、無水マレイン酸で変性されたポリオレフィンである、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記酸変性ポリオレフィンの190℃におけるメルトマスフローレートが、1.0〜8.0g/10minである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いる空気入りタイヤ。
  6. 前記ゴム組成物をキャップトレッドに用いる、請求項5に記載の空気入りタイヤ。
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