JP2016171283A - ラインフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】端子間を精度よく位置決めできて低背化できるラインフィルタを提供する。
【解決手段】ケースには、第1係止部56と、第2係止部57が設けられている。第1係止部56と第2係止部57が第1端子台と第2端子台の上面に係止されて、コモンモードコアが第1係止部56と第2係止部57の上面に配されている。第1係止部56はコモンモードコアと第1端子36との間に第1絶縁壁として配されていると共に、第2係止部57はコモンモードコアと第2端子46との間に第2絶縁壁として配している。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種の電子機器に使用されるラインフィルタに関する。
一般にラインフィルタは電源線路における一対の線路とアース間で発生するコモンモードノイズ成分を主に防止するために用いられ、例えば、図10に示すような特許文献1のラインフィルタが知られている。
図10のようなラインフィルタでは、ケース150は底板156、157から上方に突出した2枚の側板158と2個のコイル部133、143の間から上方に突出した中間板151とからなり、ケースの底板156、157の内面側とコイル部のI型端子136、146側の底面部が接するように構成されている。図10のようなラインフィルタでは、2個のコイル部が端子付近でケースにより保持されているため、I型端子136、146の位置ずれが発生せずにすみ、端子間の位置精度が向上する。
特開2006−32659号公報
しかしながら、近年の電子機器の小型化に伴い、ラインフィルタの小型化が望まれている。特に電源ラインに用いられているラインフィルタの場合には、電源回路周辺に設けられることが多く、空冷ファンからの空気の流れを阻害しないため低背化することが望まれている。
そこで、例えば、I型端子からL型端子にして低背化すると、端子台の上面にコモンモードコアが配されているため、端子台の側面から外方に延びるL型端子の先端がコモンモードコアの下端に近接されて、絶縁距離を確保しにくい問題が生じる。
本発明は、従来技術が抱える上記課題を解決した、端子位置の精度を維持しながら低背化したラインフィルタを提供しようとするものである。
上記の課題を解決するため、本発明のラインフィルタは、
第1巻線が巻回された第1筒状胴部と、第1端子を有する樹脂からなる第1ボビンと、
第2巻線が巻回された第2筒状胴部と、第2端子を有する樹脂からなる第2ボビンと、
前記第1筒状胴部と前記第2筒状胴部が互いに軸方向に並行に配されて、前記第1筒状胴部と前記第2筒状胴部の間に配された樹脂からなるケースと、
前記第1筒状胴部と前記第2筒状胴部に脚部が挿入されたコモンモードの閉磁路を形成するコモンモードコアと、を備え、
前記第1ボビンと前記第2ボビンは、前記第1筒状胴部と前記第2筒状胴部の軸方向両側に設けられた第1端子台と第2端子台を有し、
前記第1端子と前記第2端子は、前記第1端子台と前記第2端子台に固定されて一端が下方に突出し他端が側面から外方に向かって延びるL型端子であり、
前記第1端子と前記第2端子の他端に前記第1巻線と前記第2巻線の端末が巻回され、
前記ケースには、第1係止部と、第2係止部が設けられており、
前記第1係止部と前記第2係止部は前記第1端子台と前記第2端子台の上面に係止されて、前記コモンモードコアは前記第1係止部と前記第2係止部の上面に配されており、
前記第1係止部は前記コモンモードコアと前記第1端子との間に第1絶縁壁として配されていると共に、前記第2係止部は前記コモンモードコアと前記第2端子との間に第2絶縁壁として配されていることを特徴とする。
本発明のラインフィルタでは、さらなる好ましい特徴として、
「前記第1係止部と前記第2係止部は、前記コモンモードコアと、前記第1端子と前記第2端子の他端より、前記第1端子台と前記第2端子台の側面から外方に向かって延びて配されている」、
「前記第1係止部と前記第2係止部は、平面視で、前記第1端子と前記第2端子の一端が挿入される第1端子挿入孔と第2端子挿入孔と、前記第1端子挿入孔と前記第2端子挿入孔の周縁とを覆っていること」、
「前記第1係止部と前記第2係止部の上面に、前記コモンモードコアが接して配されていること」、
「前記ケースには、ノーマルモードコアを固定する保持部が設けられており、
前記ノーマルモードコアは、前記保持部に挿入されて固定されて前記コモンモードコアと閉磁路を形成していること」を含むものである。
本発明のラインフィルタによれば、第1ボビンと第2ボビンとケースが、外形寸法がばらつきにくい樹脂から形成されている。
そして、第1ボビンと第2ボビンが、ケースに第1係止部と第2係止部により係止されているため、別体の2つのボビンにそれぞれ設けられた端子間を精度よく位置決めできる。
また、本発明のラインフィルタでは、一端が第1端子台と第2端子台の下方に突出し他端が第1端子台と第2端子台の側面から外方に延びるL型端子を設け、このL型端子の他端に巻線端末を絡げているため、一端に絡げる巻線端末の高さ分を低背化できる。
さらに、本発明のラインフィルタでは、第1係止部はコモンモードコアと第1端子との間に第1絶縁壁として配されていると共に、第2係止部はコモンモードコアと第2端子との間に第2絶縁壁として配されているため、ラインフィルタの低背化を実現しつつ、コモンモードコアとL型端子の他端との絶縁距離を保つことができる。
よって、本発明は、従来例のような構成に比べて、低背化を実現しつつ、部品点数を増やすことなく絶縁距離を保つことができるラインフィルタを得られる。
第1の実施形態の完成品のラインフィルタであり、(a)は平面図、(b)は(a)の矢視A−Aの正面図、(c)は(a)の矢視B−Bの側面図である。 第1の実施形態例における別体のボビンであり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 第1の実施形態例におけるコモンモードコアであり、(a)は平面図 、(b)は正面図である。 第1の実施形態例におけるケースであり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 第1の実施形態例における別体のボビンをケースに組み込んだときの平面図である。 第1の実施形態例におけるコモンモードコア11とL型端子の他端36b、46bとの絶縁距離を示す図1(c)の要部断面図であり、(a)は、コモンモードコア11とL型端子36b、46bとの間に絶縁壁56、57が設けられた場合の絶縁距離R1、R3を示し、(b)は、コモンモードコア11とL型端子の他端36b、46bとの間に絶縁壁56、57が設けられていない場合の絶縁距離R2、R4を示す。 第2の実施形態例の完成品のラインフィルタであり、(a)は平面図、(b)は(a)の矢視C−Cの正面図である。 第2の実施形態例におけるノーマルモードコア60であり、(a)は平面図 、(b)は正面図である。 本実施形態例における別体のボビンをケースに組み込む前の変形例であり、ケースの第1突部56aと第2突部57aの下面に凸部56d、57dが設けられ、この凸部と嵌合される凹部(不図示)がボビンの第1段差部35と第2段差部45の上面に設けられたことを示す。 従来例のラインフィルタを示す斜視図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を例示的に説明する。
(第1の実施形態例)
図1ないし図6において、本実施形態例におけるラインフィルタ1は、コモンモードコア10と、第1ボビン30と、第2ボビン40と、ケース50と、止め金具を有する。
第1ボビン30と第2ボビン40は、図1または図2に示すように、非磁性の熱硬化性樹脂からなる別体の2つのボビンである。第1ボビン30と第2ボビン40は、第1筒状胴部31と第2筒状胴部41と、第1筒状胴部31と第2筒状胴部41の両側にそれぞれ設けられた第1鍔部32と第2鍔部42と、第1筒状胴部31と第2筒状胴部41に巻回された絶縁被膜銅線からなる第1巻線33と第2巻線43と、第1筒状胴部31と第2筒状胴部41の軸方向(Y方向)両側に設けられた第1端子台34と第2端子台44と、第1端子台34と第2端子台44に固定された第1端子36と第2端子46を有する。第1筒状胴部31と第2筒状胴部41の断面内形は矩形に形成されており、コモンモードコアの脚部16の断面外形は、第1筒状胴部31と第2筒状胴部41の断面内側より若干小さい矩形に形成されている。なお、第1ボビン30と第2ボビン40は、熱可塑性樹脂で形成されてもよい。
第1端子36と第2端子46は、第1端子台と第2端子台の下面34a、44aから下方に突出する一端36a、46aと、第1端子台と第2端子台の側面34b、44bから軸方向(Y方向)に突出して第1巻線33と第2巻線43の端末を巻回する他端36b、46bを有するL型端子からなる。
そして、第1端子と第2端子の一端36a、46aが挿入される第1端子挿入孔17aと第2端子挿入孔17bが、第1端子台34と第2端子台44に形成されている。第1端子挿入孔17aと第2端子挿入孔17bは、平面視で(図2(a)の紙面表面から裏面)、第1端子台と第2端子台の上面34c、44c外形より小さい径でありZ方向に貫通して形成されている。また、第1端子挿入孔17aと第2端子挿入孔17bは、平面視で、第1端子台と第2端子台の上面34c、44cの略中央に配されており、第1鍔部32と第2鍔部42に接していない。
第1端子台と第2端子台の上面34c、44cには、第1端子挿入孔17aと第2端子挿入孔17bに連接されつつ第1端子36と第2端子46の他端36b、46bが挿入される第1端子挿入溝18aと第2端子挿入溝18bが形成されている。第1端子挿入溝18aと第2端子挿入溝18bは、第1端子台と第2端子台の上面34c、44cに軸方向(Y方向)に沿って形成されている。
第1端子と第2端子の一端36a、46aが第1端子台と第2端子台の上面34c、44cから端子挿入孔17a、17bに挿入されると第1端子台と第2端子台の下面34a、44aから突出して固定される。また、第1端子と第2端子の他端36b、46bが第1端子挿入溝18aと第2端子挿入溝18bに挿入されて第1端子台と第2端子台の側面34b、44bから軸方向(Y方向)に突出され(図2(a)参照)、第1端子台と第2端子台の側面34b、44bにてZ方向の中央で固定される(図2(b)参照)。そして、図6(a)に示すように、第1端子の他端36bと後述の第1係止部56の間には隙間が設けられており、第2端子の他端46bと後述の第2係止部57の間には隙間が設けられている。
第1巻線33と第2巻線43の各々は、第1筒状胴部31と第2筒状胴部41の外周に1層巻回されている。第1巻線33の両終端は、第1ボビン30に設けられた第1端子の他端36bにそれぞれ電気的に接続されている。第2巻線43の両終端は、第2ボビン40に設けられた第2端子の他端46bにそれぞれ電気的に接続されている。第1巻線33と第2巻線43の外形は、第1ボビンの鍔部32と第2ボビンの鍔部42の外形より内側に配されている。なお、第1巻線33と第2巻線43の各々は、多層に巻回されてもよい。
コモンモードコア10は、図3に示すように、2つのU型のコア11からなり、このコア11は、それぞれ腕部12と、腕部12の両端から直角方向に延在した脚部16を有する。
ケース50は、図4に示すように、非磁性の熱可塑性樹脂からなり、有底四角筒状部51と第1係止部56と第2係止部57を有する。具体的に、ケース50は、側壁53と底部52を有する有底四角筒状部51と、有底四角筒状部51の軸方向(Y方向)の上下両端から左側に突出した平板状の2つの第1係止部56と、有底四角筒状部51の軸方向(Y方向)の上下両端から右側に突出した2つの平板状の第2係止部57を有する。2つの第1係止部56の隙間H1は、軸方向(Y方向)における第1ボビンの鍔部32間の長さL1とほぼ同じとなっている。また2つの第2係止部57の隙間H2は、軸方向(Y方向)における第2ボビンの鍔部42間の長さL2とほぼ同じとなっている。
第1係止部56の上面は平面状に形成されている。第1係止部56の下面は、略平面状に形成されており、後述の第1端子台34の第1段差部35と係止される第1突部56aを有する。第2係止部57の上面は平面状に形成されており、第1係止部56の上面と平行に連結されて同一平面となっている。第2係止部57の下面は、略平面状に形成されており、後述の第2端子台44の第2段差部45と係止される第2突部57aを有する。なお、ケース50は、熱硬化性樹脂で形成されてもよい。
第1端子台と第2端子台の上面34c、44cは、第1筒状胴部と第2筒状胴部の内底部31a、41aに比べて、第1係止部56と第2係止部57の厚み分、切り欠かれた構成になっている。これは、第1筒状胴部31と第2筒状胴部41内に、2つのコア11の脚部16がそれぞれ挿入された際に、コモンモードコア10の腕部下端15と第1端子台と第2端子台の上面34c、44cとの間に第1係止部56と第2係止部57を挟持できるようにするためにある。
また、第1端子台と第2端子台の上面34c、44cには、第1係止部56と第2係止部57の第1突部56aと第2突部57aと係止される第1段差部35と第2段差部45が形成されている。
またケース50は、図5に示すように、第1ボビン30と第2ボビン40との間に配されており、第1係止部56が第1端子台の上面34cに係止されると共に、第2係止部57が第2端子台の上面44cに係止されている。
具体的には、2つの第1係止部56と2つの第2係止部57の隙間H1、H2に第1ボビンと第2ボビンの鍔部32、42が挿入されており、かつ、第1筒状胴部と第2筒状胴部の鍔部32、42外端が有底四角筒状部の側壁53に当接して、かつ、第1係止部56と第2係止部57が第1端子台と第2端子台の上面34c、44cに配されて第1突部56a、第2突部57aが第1段差部35、第2段差部45と係止されて接着剤により固定されている。そして、有底四角筒状部51が第1筒状胴部31と第2筒状胴部41との間に配されて、第1筒状胴部31と第2筒状胴部41が軸方向に並行にケース50に連結されて、第1ボビン30と第2ボビン40がケース50に図1のXYZ方向に固定されている。
そして、第1筒状胴部31と第2筒状胴部41内に、2つのコア11の脚部16がそれぞれ挿入されて、コア11の両脚部16の先端が第1筒状胴部31と第2筒状胴部41内で互いに突き合わされて、コア11がO型に形成されてコモンモードの閉磁路が形成される。
本発明では、図6(a)に示すように、第1係止部56がコモンモードコアの腕部下端15と第1端子の他端36bとの間に第1絶縁壁として配されていると共に、第2係止部57がコモンモードコアの腕部下端15と第2端子の他端46bとの間に第2絶縁壁として配されている。
具体的には、第1係止部56と第2係止部57は、平面視で(図2(a)の紙面表面から裏面)、第1端子台と第2端子台の上面34c、44cより外形が大きく形成されており、第1端子台と第2端子台の上面34c、44cを全て覆うように配されている。
第1係止部56と第2係止部57が第1端子台と第2端子台の上面34c、44cに配されると、第1係止部と第2係止部の一端56b、57bが第1鍔部32と第2鍔部42に当接する。そして、第1係止部と第2係止部の他端56c、57cは第1端子台と第2端子台の側面34b、44bから軸方向(Y方向)に外方に向かって突出して配されている。
そして、第1筒状胴部31と第2筒状胴部41内に、2つのコア11の脚部16がそれぞれ挿入されて、コア11がO型に形成されると、コモンモードコアの腕部下端15全面は第1係止部56と第2係止部57の上面に接して配されてコモンモードコア10が第1ボビン30と第2ボビン40に固定される。
そして、第1端子台と第2端子台の側面34b、44bより突出した第1係止部56と第2係止部57は、コモンモードコアの腕部12と、第1端子と第2端子の他端36b、46bより軸方向(Y方向)に外方に延びて配される。
止め金具は、2つのコア11の突き合わせを密着させるためにU型に形成されており、軸方向から2つのコア11を挟むように第2ボビン40の側面40a側から取り付けられている(不図示)。
このように、本例は、第1巻線33が巻回された第1筒状胴部31と、第1端子36を有する樹脂からなる第1ボビン30と、第2巻線43が巻回された第2筒状胴部41と、第2端子46を有する樹脂からなる第2ボビン40と、第1筒状胴部31と第2筒状胴部41が互いに軸方向に並行に配されて、第1筒状胴部31と第2筒状胴部41の間に配された樹脂からなるケース50と、第1筒状胴部31と第2筒状胴部41に脚部16が挿入されたコモンモードの閉磁路を形成するコモンモードコア10と、を備えている。
そして、第1ボビン30と第2ボビン40は、第1筒状胴部31と第2筒状胴部41の軸方向両側に設けられた第1端子台34と第2端子台44を有する。
また、第1端子36と第2端子46は、第1端子台34と第2端子台44に固定されて一端36a、46aが下方に突出し他端36b、46bが側面から外方に向かって延びるL型端子である。
また、第1端子と第2端子の他端36b、46bに第1巻線33と第2巻線43の端末が巻回されている。
また、ケース50には、第1係止部56と、第2係止部57が設けられている。
また、第1係止部56と第2係止部57が第1端子台と第2端子台の上面34c、44cに係止されて、コモンモードコア10が第1係止部56と第2係止部57の上面に配されている。
また、第1係止部56はコモンモードコア10と第1端子36との間に第1絶縁壁として配されていると共に、第2係止部57はコモンモードコア10と第2端子46との間に第2絶縁壁として配されている。
本例のラインフィルタによれば、第1ボビン30と第2ボビン40とケース50が、外形寸法がばらつきにくい樹脂から形成されている。
そして、第1ボビン30と第2ボビン40が、ケース50に第1係止部56と第2係止部57により係止されているため、別体の2つのボビンにそれぞれ設けられた端子間を精度よく位置決めできる。
また、従来例のようなI型端子では、端子台から下方に突出するI型端子に巻線端末を絡げるためこの絡げた分だけラインフィルタが高背化していた。一方、本例では、一端が下方に突出し他端が端子台側面から外方に延びるL型端子を設け、このL型端子の他端に巻線端末を絡げることにより一端に絡げる高さ分を低背化できる。
しかし、I型端子からL型端子にして低背化すると、端子台の上面にコモンモードコアが配されているため、端子台の側面から外方に延びるL型端子の他端がコモンモードコアの下端に近接して、絶縁距離を確保しにくい問題が生じる。そこで、本例は、第1係止部と第2係止部は第1端子台と第2端子台の上面に係止されて、コモンモードコアは第1係止部と第2係止部の上面に配されており、第1係止部はコモンモードコアと第1端子との間に第1絶縁壁として配されていると共に、第2係止部はコモンモードコアと第2端子との間に第2絶縁壁として配されている。そのため、本例のラインフィルタを低背化しつつコモンモードコアとL型端子の他端との絶縁距離を保つことができる。
このように、本例は、従来例のような構成に比べて端子位置の精度を維持しながら部品点数を増やすことなく絶縁距離を保ち低背化したラインフィルタを得られる。
また、本例では、第1係止部56がコモンモードコアの腕部下端15と第1端子の他端36bとの間に第1絶縁壁として配されていると共に、第2係止部57がコモンモードコアの腕部下端15と第2端子の他端46bとの間に第2絶縁壁として配されている。
すると、コモンモードコアの腕部下端15と、第1端子と第2端子の他端36b、46bとの間に、第1絶縁壁と第2絶縁壁が配された場合の絶縁距離(図6(a)のR1、R3)は、コモンモードコアの腕部下端15と、第1端子と第2端子の他端36b、46bとの間に、第1絶縁壁と第2絶縁壁が配されていない場合の絶縁距離(図6(b)のR2、R4)に比べて、延びるものである。
図6(a)のR1、R3は、コモンモードコアの腕部下端15と、第1端子33と第2端子43との間に絶縁壁56、57が配された場合における、コモンモードコアの腕部下端15と、第1端子と第2端子の他端36b、46bとの絶縁距離を示している。図6(b)のR2、R4は、コモンモードコアの腕部下端15と、第1端子と第2端子の間に絶縁壁56、57が配されていない場合における、コモンモードコアの腕部下端15と、第1端子と第2端子の他端36b、46bとの絶縁距離を示している。
(絶縁距離R1、R2について)
図6(a)では、絶縁壁として設けられた第1係止部56と第2係止部57が、コモンモードコアの腕部下端15と、第1端子と第2端子の他端36b、46bとの間に配されると共に、コモンモードコアの腕部下端15と、第1端子と第2端子の他端36b、46bより外方に延びて配されている。すると、コモンモードコアの腕部下端15と、第1端子と第2端子の他端36b、46bとの絶縁距離R1は、絶縁壁として設けられた第1係止部56と第2係止部57により延長されて、絶縁壁が配されていない場合の絶縁距離R2に比べて長く形成できる。
(絶縁距離R3、R4について)
また、図6(a)の平面視で(紙面の左側から右側を見て)、第1係止部56と第2係止部57は、第1端子と第2端子の一端36a、46aが挿入される第1端子挿入孔17aと第2端子挿入孔17bと、第1端子挿入孔17aと第2端子挿入孔17bの周縁とを覆っている。
具体的には、図6(a)の平面視で、第1係止部56が第1端子挿入孔17aとその開口端付近である周縁を覆っていると共に、第2係止部57が第2端子挿入孔17bとその開口端付近である周縁を覆っている。
すると、図6(a)の平面視で、第1係止部56と第1端子挿入孔17aの周縁との重畳部分で絶縁距離の延長部分80が形成されて、第2係止部57と第2端子挿入孔17bの周縁との重畳部分で絶縁距離の延長部分80が形成されている。
よって、コモンモードコアの腕部下端15と、第1端子と第2端子の他端36b、46bとの絶縁距離R3は、上述の重畳部分により延長されて、絶縁壁が形成されていない場合の絶縁距離R4に比べて長く形成される。
このように、本例は、従来例のような構成に比べて、部品点数を増やすことなくコモンモードコアと第1端子と第2端子の他端との絶縁距離を長くできる。なお、絶縁距離R1と絶縁距離R3は同じであることが好ましい。
また、第1係止部56と第2係止部57の上面に、コモンモードコア10が接して配されている。よって、絶縁壁として形成された第1係止部56と第2係止部57がコモンモードコアの腕部下端15と第1端子台と第2端子台の上面34c、44cに挟持されることになり、第1係止部56と第2係止部57がケース50に強固に固定されて、端子間が位置ずれしにくくなる。
また、コモンモードコアの腕部下端15全面が第1係止部56と第2係止部57の上面に接して配されている。そのため、第1係止部56と第2係止部57がケース50に、より強固に固定されるため、端子間が位置ずれしにくくなると共に、本発明のラインフィルタを回路基板に取り付けるときに、コモンモードコアへのストレスを極力抑えて信頼性を向上できる。
(第2の実施形態例)
次に、本発明の第2の実施形態例に係るラインフィルタの構成を図7ないし図9により説明する。
図7ないし図9において、図1ないし図6中の部材と同一の部材には同一の符号を付しており、これらの部材については説明を省略する。
第1の実施形態例のラインフィルタは、コモンモードコア10を配することによりコモンモードノイズを除去できるが、第2の実施形態例のラインフィルタは第1の実施形態例にノーマルモードコア60を追加することにより、コモンモードノイズとノーマルモードノイズの両方を除去できるものである。
ノーマルモードコア60は、図8に示すように、2つの腕部61と1つの脚部64を有するT型に形成されている。
有底四角筒状部(保持部)51の開口は、有底四角筒状部51内に挿入されるノーマルモードコアの脚部64の外形と略同一に形成されている。
有底四角筒状部51の開口方向は、第1筒状胴部31と第2筒状胴部41の軸方向と直角方向に形成されている。
有底四角筒状部51は底部(当接部)52を有している。そして、ノーマルモードコア60が保持部51に挿入されると、ノーマルモードコアの脚部64は当接部52に当接して固定される。
そして、本例では、コモンモードコアの脚部16が第1筒状胴部31と第2筒状胴部41内に配されてコア11がO型に形成されて、ノーマルモードコア60が有底四角筒状部51内に挿入されて当接部52に当接すると、ノーマルモードコア60がコモンモードコア10に近接されて、ノーマルモード特性を得られる。
このように、ケース50には、ノーマルモードコア60を固定する保持部51が設けられており、ノーマルモードコア60は、保持部51に挿入されて固定されてコモンモードコア10と閉磁路を形成している。
よって、第2の実施形態例は、1つのラインフィルタにおいて、コモンモードノイズとノーマルモードノイズを抑制でき、本例のラインフィルタを搭載する電子機器の小型化に貢献できる。
本発明は以上の実施形態例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができるものである。
以上の説明では、コモンモードコア10は第1係止部56と第2係止部57の上面に接して配されているが、これに限らない。所定の絶縁距離を確保できるならば、薄くした上記実施形態例の第1係止部56と第2係止部57を用いて、コモンモードコアの腕部下端15が第1係止部56と第2係止部57の上面と非接触に配されてもよい。
また以上の説明では、第1端子の他端36bと第1係止部56の間には隙間が設けられており、第2端子の他端46bと第2係止部57の間には隙間が設けられているが、これに限らない。所定の絶縁距離を確保できるならば、第1端子の他端36bが第1係止部56に接して設けられ、第2端子の他端46bが第2係止部57に接して設けられてもよい。
また以上の説明では、第1係止部56と第2係止部57が第1段差部35と第2段差部45に配されて接着剤により固定されているが、図9に示すように、第1係止部の第1突部56aと第2係止部の第2突部57aの下端面に第1凸部56dと第2凸部57dが設けられ、この凸部56d、57dと嵌合される不図示の凹部が第1段差部35と第2段差部45に設けられ、凹凸嵌合されてもよい。
1 ラインフィルタ
10 コモンモードコア
11 コア
12 コモンモードコアの腕部
15 コモンモードコアの腕部下端
16 コモンモードコアの脚部
17a 第1端子挿入孔
17b 第2端子挿入孔
18a 第1端子挿入溝
18b 第2端子挿入溝
30 第1ボビン
31 第1筒状胴部
31a 第1筒状胴部の内底部
32 第1筒状胴部の鍔部
33 第1巻線
34 第1端子台
34a 第1端子台の下面
34b 第1端子台の側面
34c 第1端子台の上面
35 第1段差部
36 第1端子(L型端子)
36a 第1端子の一端(L型端子の一端)
36b 第1端子の他端(L型端子の他端)
40 第2ボビン
40a 第2ボビンの側面
41 第2筒状胴部
41a 第2筒状胴部の内底部
42 第2筒状胴部の鍔部
43 第2巻線
44 第2端子台
44a 第2端子台の下面
44b 第2端子台の側面
44c 第2端子台の上面
45 第2段差部
46 第2端子(L型端子)
46a 第2端子の一端(L型端子の一端)
46b 第2端子の他端(L型端子の他端)
50 ケース
51 有底四角筒状部(ノーマルモードコアの保持部)
52 有底四角筒状部の底部(当接部)
53 有底四角筒状部の側壁
56 第1係止部(第1絶縁壁)
56a 第1係止部の第1突部
56b 第1係止部の一端
56c 第1係止部の他端
56d 第1係止部の第1凸部
57 第2係止部(第2絶縁壁)
57a 第2係止部の第2突部
57b 第2係止部の一端
57c 第2係止部の他端
57d 第2係止部の第2凸部
60 ノーマルモードコア
61 ノーマルモードコアの腕部
64 ノーマルモードコアの脚部
80 絶縁距離の延長部分

Claims (5)

  1. 第1巻線が巻回された第1筒状胴部と、第1端子を有する樹脂からなる第1ボビンと、
    第2巻線が巻回された第2筒状胴部と、第2端子を有する樹脂からなる第2ボビンと、
    前記第1筒状胴部と前記第2筒状胴部が互いに軸方向に並行に配されて、前記第1筒状胴部と前記第2筒状胴部の間に配された樹脂からなるケースと、
    前記第1筒状胴部と前記第2筒状胴部に脚部が挿入されたコモンモードの閉磁路を形成するコモンモードコアと、を備え、
    前記第1ボビンと前記第2ボビンは、前記第1筒状胴部と前記第2筒状胴部の軸方向両側に設けられた第1端子台と第2端子台を有し、
    前記第1端子と前記第2端子は、前記第1端子台と前記第2端子台に固定されて一端が下方に突出し他端が側面から外方に向かって延びるL型端子であり、
    前記第1端子と前記第2端子の他端に前記第1巻線と前記第2巻線の端末が巻回され、
    前記ケースには、第1係止部と、第2係止部が設けられており、
    前記第1係止部と前記第2係止部は前記第1端子台と前記第2端子台の上面に係止されて、前記コモンモードコアは前記第1係止部と前記第2係止部の上面に配されており、
    前記第1係止部は前記コモンモードコアと前記第1端子との間に第1絶縁壁として配されていると共に、前記第2係止部は前記コモンモードコアと前記第2端子との間に第2絶縁壁として配されていることを特徴とするラインフィルタ。
  2. 前記第1係止部と前記第2係止部は、前記コモンモードコアと、前記第1端子と前記第2端子の他端より、前記第1端子台と前記第2端子台の側面から外方に向かって延びて配されていることを特徴とする請求項1に記載のラインフィルタ。
  3. 前記第1係止部と前記第2係止部は、平面視で、前記第1端子と前記第2端子の一端が挿入される第1端子挿入孔と第2端子挿入孔と、前記第1端子挿入孔と前記第2端子挿入孔の周縁とを覆っていることを特徴とする請求項1または2に記載のラインフィルタ。
  4. 前記第1係止部と前記第2係止部の上面に、前記コモンモードコアが接して配されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のラインフィルタ。
  5. 前記ケースには、ノーマルモードコアを固定する保持部が設けられており、
    前記ノーマルモードコアは、前記保持部に挿入されて固定されて前記コモンモードコアと閉磁路を形成していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のラインフィルタ。
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