JP2016171016A - 固体酸化物形燃料電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】構造の簡略化を図りつつ、固体酸化物形燃料電池スタックのセル積層方向での温度分布を均一化できるようにすること。
【解決手段】複数のセルを積層してなるSOFCスタック(2)と、SOFCスタックから発せられる熱を吸収する吸熱部(9)とを備えてSOFCモジュール(1)が構成されている。吸熱部は、SOFCスタック中央部の側面に沿って配置されている。吸熱部は、SOFCスタックの少なくとも一端に隣接する側面に沿う領域には設置されず、その領域は吸熱部の非設置領域(S2)とされる。吸熱部は、原燃料から燃料ガスを生成してSOFCスタックに供給する燃料ガス反応器(4)、及び、SOFCスタックに供給する空気を予熱する空気予熱器(5)の少なくとも一方からなる。
【選択図】図1
【解決手段】複数のセルを積層してなるSOFCスタック(2)と、SOFCスタックから発せられる熱を吸収する吸熱部(9)とを備えてSOFCモジュール(1)が構成されている。吸熱部は、SOFCスタック中央部の側面に沿って配置されている。吸熱部は、SOFCスタックの少なくとも一端に隣接する側面に沿う領域には設置されず、その領域は吸熱部の非設置領域(S2)とされる。吸熱部は、原燃料から燃料ガスを生成してSOFCスタックに供給する燃料ガス反応器(4)、及び、SOFCスタックに供給する空気を予熱する空気予熱器(5)の少なくとも一方からなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体酸化物形燃料電池スタックのセル積層方向の温度分布を均一化することができる固体酸化物形燃料電池モジュールに関する。
次世代エネルギーとして、近年、固体高分子形、リン酸形、溶融炭酸塩形及び固体酸化物形等の燃料電池が提案されている。特に、固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC、特許文献1参照)は、作動温度が高いものの、発電効率が高く、排熱利用が可能である等の利点を有しており、研究開発が推し進められている。
燃料電池システムでは、一般的に、改質器及び気化器により原燃料と水から燃料水素を生成し、電池スタックに燃料(水素)を供給する。固体高分子形やリン酸形、溶融炭酸塩形の燃料電池は、電池スタックの入口及び出口と、改質器及び気化器とが配管により接続されている。これらの燃料電池では、改質器及び気化器の反応熱を確保するため原燃料もしくは未反応水素等をバーナーで燃焼させ、改質反応の熱を確保する。
一方、SOFCにおいては、電池スタックの構成部材がほとんど酸化物であるので、耐酸化性に優れる特徴を持ち、電池スタック出口に配管を設けずに電池スタックの出口近傍で未燃焼水素を燃焼させることができる。そのため、電池スタックの周囲に改質器及び気化器を設置すれば、電池スタックの反応熱及び輻射熱などにより改質反応の熱を賄える。併せて、反応に利用される空気の予熱も、電池スタックの反応熱等により賄える。
SOFCスタックの構造としては、大きく分けて平板積層型、円筒型の二種があり、中でも、セルを複数積層した平板積層型のスタックは小型化することができる。平板積層型のSOFCスタックを用いたモジュールを構築することで、高出力密度のSOFCシステムを製造することができる。
特許文献2に記載のように、平板積層型のSOFCスタックは、発電反応によって、セルの積層方向中央部に熱が籠って高温となることが知られている。また、平板積層型のSOFCスタックは、セル積層方向両端部では熱が発散され易く、温度が相対的に極端に低くなるため、電池電圧が低下することが知られている。
そこで、特許文献3に記載のように、SOFCスタックにおけるセルの積層方向中央部に放熱板を設け、スタック内を均熱化して積層方向での出力差を緩和する構成が知られている。ところが、この構成では、放熱板で放熱したエネルギー分、システム全体としての出力密度の低下を招来する他、放熱板が耐熱金属製となるのでコストアップの要因になる、という問題がある。
また、平板積層型のSOFCスタックとしては、特許文献4に記載のように、2枚のセパレータ間に改質器を配置する内部改質法を用いた構成が知られている。この構成では、セルの発電反応を熱源として改質反応を行うと同時に、改質器によってセルから発生した熱を吸収している。ところが、特許文献4の内部改質法では、改質器の形状をセパレータやセル構造に応じて形成する必要があり、これによってもコストアップの要因になる、という問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、構造の簡略化を図りつつ、固体酸化物形燃料電池スタックのセル積層方向での温度分布を均一化することができる固体酸化物形燃料電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明の固体酸化物形燃料電池モジュールは、複数のセルを積層または配置してなる固体酸化物形燃料電池スタックを備えた固体酸化物形燃料電池モジュールにおいて、前記固体酸化物形燃料電池スタック中央部の側面に沿って、当該固体酸化物形燃料電池スタックから発せられる熱を吸収する吸熱部を配置し、当該固体酸化物形燃料電池スタックの少なくとも一端に隣接する側面に沿う領域を、前記吸熱部の非設置領域としたことを特徴とする。
この構成によれば、上述のように非設置領域を形成するよう吸熱部を配置したので、相対的に高温となる電池スタックの中央部では吸熱部で熱を吸収することができる。一方、相対的に低温となる端部側では吸熱部での熱の吸収を抑制することができる。従って、電池スタックにおいて、熱が籠り易い中央部の方が端部側よりも放熱を促進可能となる。これにより、温度分布の均一化を図ることができ、ひいては、中央部と端部とでの出力差を緩和することができる。しかも、吸熱部は電池スタックの側面に沿って配置されるので、従来のセパレータ間で熱を吸収する放熱板や改質器に比べ、吸熱部の形状や材質の制約を緩和でき、簡略化した構造を容易に採用可能としてコスト削減を図ることができる。
上記固体酸化物形燃料電池モジュールにおいて、前記非設置領域は、前記固体酸化物形燃料電池スタックのセル積層方向の全長を100%としたときに、当該セル積層方向両端から中央に向かって0〜30%の範囲に設定されるとよい。この構成では、上述した範囲に設定したので、特に高温となり易い中央部で集中的に吸熱することができ、温度分布をより良く均一化することができる。
上記固体酸化物形燃料電池モジュールは、原燃料から燃料ガスを生成して前記固体酸化物形燃料電池スタックに供給する燃料ガス反応器、及び、前記固体酸化物形燃料電池スタックに供給する空気を予熱する空気予熱器の少なくとも一方を更に含み、前記吸熱部は、前記燃料ガス反応器及び前記空気予熱器の少なくとも一方からなるとよい。この構成では、電池スタックでの反応熱を熱源として改質反応や、気化反応、空気の予熱を行うことができ、発電効率を高めつつ出力密度の向上を図ることができる。
本発明によれば、構造の簡略化を図りつつ、固体酸化物形燃料電池スタックのセル積層方向での温度分布を均一化することができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、実施の形態に係る固体酸化物形燃料電池モジュールの構成を示す概略図である。図1に示すように、固体酸化物形燃料電池モジュール1(以下、「SOFCモジュール」と称する)は、固体酸化物形燃料電池スタック2(以下、「SOFCスタック」と称する)と、原燃料から燃料ガスを生成してSOFCスタック2に供給する燃料ガス反応器4と、SOFCスタック2に供給する空気を予熱する空気予熱器5とを備えて構成されている。
SOFCスタック2の形状は、特に制約はなく、平板積層型、円筒型、円筒平板型のどれでも用いることができる。但し、後述するSOFCスタック2での熱籠りの影響の緩和や、出力密度の向上の観点からは、上記3種のうち、平板積層型が最も効果が大きくなる。SOFCスタック2は、酸化物イオン伝導体からなる固体電解質層を両側からアノード(燃料極)とカソード(空気極)で挟み込んだ積層構造となる発電セルを複数備えている。SOFCスタック2は、かかる発電セルとセパレータとを交互に複数積層することでスタック化されている。
SOFCスタック2のアノード(燃料極)には、燃料ガス反応器4の出口に連通するマニホールドから燃料ガス(水素)が供給される。SOFCスタック2のカソード(空気極)には、空気予熱器5の出口に連通するマニホールドから空気(酸化剤)が供給される。SOFCスタック2は、700〜1000℃に昇温した状態で、各マニホールドを通じて供給される燃料ガスと空気とを利用して発電する。SOFCスタック2における燃料ガス及び空気の入口は、どのような部位であっても良く、マニホールドについてもSOFCスタック2の外部及び内部のどちらに設けてもよい。
燃料ガス反応器4は、気化器7及び改質器8を備え、SOFCスタック2の外周面に沿って配置されている。燃料ガス反応器4では、気化器7に水が供給され、改質器8に天然ガスなどの原燃料が供給される。気化器7は、改質器8の上流側に設けられ、SOFCスタック2の発電反応で発生する熱の一部を熱源として水を水蒸気に気化し、改質器8に供給する。
改質器8は、原燃料に対し、気化器7から供給された水蒸気を反応させて水蒸気改質を行い、水素リッチな燃料ガスを生成する。改質器8は、改質触媒を詰めた反応容器からなり、容器の形状は、管状、平板型などの形状を用いることができる。改質触媒には、一般的な水蒸気改質用のものを用いることができ、ニッケルや酸化ニッケル、ルテニウムをアルミナ等の担体に担持したものが良い。改質器8では、SOFCスタック2の発電反応で発生する熱の一部を熱源として改質反応を行っている。なお、気化器7及び改質器8については、所定の収容空間を有する筐体に一体型に組み込んで構成してもよいし、それぞれを分離して配置していてもよい。
空気予熱器5は、SOFCスタック2の外周面に沿って配置されている。空気予熱器5は、形状に制約はなく、平板型で中空状のものや、平面視で配管を蛇行形状や螺旋形状に形成したものを用いることができる。空気予熱器5は、SOFCスタック2の発電反応で発生する熱の一部を熱源として内部の空気を予熱し、予熱空気を供給するものである。予熱空気においては、SOFCスタック2の発電温度と同程度(700〜1000℃)まで予熱すると、SOFCスタック2での温度分布のばらつきを低減できる点で好ましい。
ここで、本実施の形態に係るSOFCモジュール1は、吸熱部9を備えて構成され、この吸熱部9は、SOFCスタック2の発電反応で発生する熱を吸収する各構成からなる。つまり、本実施の形態では、気化器7及び改質器8を有する燃料ガス反応器4と、空気予熱器5とによって吸熱部9を構成することができる。なお、吸熱部9は、燃料ガス反応器4及び空気予熱器5の少なくとも一方、つまり、それらの両方によって構成する他、それらの何れか一方を吸熱部9に含めず、SOFCモジュール1の外部に配設してSOFCスタック2とは別の熱源から吸熱するようにしてもよい。
吸熱部9は、SOFCスタック2の外面に沿う近傍位置に設置され、当該近傍位置のうち、SOFCスタック2のセル積層方向中央部の側面に沿う領域を設置領域S1として吸熱部9の一部又は全部が配置される。一方、SOFCスタック2の外面に沿う近傍位置のうちの一部は、吸熱部9を配置しない非設置領域S2とされる。非設置領域S2は、SOFCスタック2におけるセル積層方向の少なくとも一端に隣接する側面に沿う領域とされる。つまり、図1のSOFCスタック2において、上下方向をセル積層方向とした場合、上端に隣接する側面に沿う領域、下端に隣接する側面に沿う領域の両方、又は何れか一方に吸熱部9を配置せずに非設置領域S2が形成される。従って、SOFCスタック2の上下方向中央部の側面に沿う領域だけに、吸熱部9を配置し、それ以外の領域には吸熱部9が位置しない配置にすることができる。
吸熱部9の非設置領域S2は、SOFCスタック2のセル積層方向の全長を100%としたときに、当該セル積層方向の両方の端面から中央に向かって0〜30%の範囲に設定されることが好ましい。かかる範囲を吸熱部9の非設置領域S2に設定した場合、上記範囲以外のSOFCスタック2の側面に沿う領域は、吸熱部9の設置領域S1とされる。つまり、図1のSOFCスタック2において、上下方向をセル積層方向とし、例えば10%の範囲を非設置領域S2とした場合、吸熱部9は、SOFCスタック2の上下両側を除く上下方向中央部で80%の範囲を設置領域S1として配置される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、従来のように複数のセルの層間に配置される放熱板や改質器に比べ、吸熱部9の材質や形状の制約を緩和することができる。具体的には、従来構造の放熱板等にあっては、セル間に配置されるので当該セルに極めて近くなり、セルの温度(700〜1000℃)に対応すべく耐熱性が高い材質にする必要がある。この点、吸熱部9では、SOFCスタック2の外面に沿う近傍位置に設置されるので、当該外面からの距離を調整でき、従来構造に比べ、耐熱性が低い材質を採用可能としてコストの低減を図ることができる。
しかも、吸熱部9は、SOFCスタック2の外側に配置されるので、SOFCスタック2の形状が変わっても、吸熱部9の形状や構造を変更せずに設置することができる。これにより、複数タイプのSOFCスタック2を使用する場合でも、吸熱部9を変更せずに利用でき、吸熱部9の汎用性を高めてコストの削減を図ることができる。
また、SOFCスタック2のセル積層方向中央部となる設置領域で吸熱されるので、当該中央部での熱籠りの影響を緩和することができ、セル積層方向両端部と中央部とでの温度分布を均一化することができる。これにより、それらの間で出力差が生じ、低温側で発電性能が制限されることを抑制でき、効率的に発電を行うことができる。しかも、燃料ガス反応器4や空気予熱器5によって吸熱部9で吸熱した熱を利用できるので、発電効率を高めることができ、出力密度の向上を図ることができる。
次に、上記実施の形態に係るSOFCモジュール1の温度分布の改善効果等を確認するために行った実験について説明する。
[実施例]
図2は、実施例に係る模擬固体酸化物形燃料電池モジュールの概略正面図、図3は、図2の平面図、図4は、図2の模擬固体酸化物形燃料電池モジュールの一部構成を省略した概略斜視図、図5は、図4の縦断面図である。本実験では、実施例として、図2ないし図5に示す構成となる模擬固体酸化物形燃料電池モジュール10(以下、「模擬SOFCモジュール」と称する)を作成した。実施例の模擬SOFCモジュール10は、模擬反応部15、模擬SOFCスタック20、及び模擬吸熱部90(図4及び図5では不図示)を備えて構成されている。
図2は、実施例に係る模擬固体酸化物形燃料電池モジュールの概略正面図、図3は、図2の平面図、図4は、図2の模擬固体酸化物形燃料電池モジュールの一部構成を省略した概略斜視図、図5は、図4の縦断面図である。本実験では、実施例として、図2ないし図5に示す構成となる模擬固体酸化物形燃料電池モジュール10(以下、「模擬SOFCモジュール」と称する)を作成した。実施例の模擬SOFCモジュール10は、模擬反応部15、模擬SOFCスタック20、及び模擬吸熱部90(図4及び図5では不図示)を備えて構成されている。
模擬反応部15は、外径30mm、長さ120cmの円柱状をなすセラミックヒーター(京セラ製)を用いた。模擬反応部15は、模擬SOFCスタック20を加熱し、上述したSOFCスタック2が発電反応によって発熱した状態をシミュレーションするために設けたものである。模擬反応部15の下端には、模擬反応部15より大径の円板状をなすベース16を設けた。
模擬SOFCスタック20は、10枚の模擬セル21を積層してなる模擬セル積層体22と、模擬セル積層体22の上下両側にそれぞれ設けられた模擬集電板23,23とを備えた構成とした。各模擬セル21は、厚さ10mm、直径100mmの円板状をなすジルコニア板によって形成され、その中心に直径30.5mmの孔を空けた。各模擬集電板23,23は、厚さ1.5mm、直径100mmの円板状をなすステンレス板によって形成され、その中心に直径31mmの孔を空けた。
模擬SOFCスタック20の作成は、1枚の模擬集電板23、10枚の模擬セル積層体22、もう1枚の模擬集電板23の順に上下方向に積層し、それぞれの孔に模擬反応部15を挿通した。そして、模擬反応部15と各孔の内周面とのクリアランスはアルミナ粉末で埋めた。
模擬吸熱部90は、3/8インチのステンレス製配管を加工して形成した。模擬吸熱部90は、回転しながら下降する螺旋状の螺旋状部91と、螺旋状部91の上端から直線状に延びる入口形成部92と、螺旋状部91の下端から直線状に延びる出口形成部93とを備えた形状とした。螺旋状部91の内径(直径)は110mm、螺旋状部91の高さ(図2中上下寸法)は80mmに設定した。そして、模擬吸熱部90は、螺旋状部91が模擬SOFCスタック20を囲うように、模擬SOFCスタック20の側面に沿う領域に設置され、上述した空気予熱器5(図1参照)として採用し得る構成とした。
模擬吸熱部90は、螺旋状部91の上端が、模擬セル積層体22の上面から10mm下方に位置し、螺旋状部91の下端が、模擬セル積層体22の下面から10mm上方に位置するように配置した。従って、模擬SOFCスタック20の上下方向の全長を100%としたときに、模擬SOFCスタック20の上下両端から中央に向かって約10%の範囲に、模擬吸熱部90が設置されない非設置領域を設定した。
模擬SOFCスタック20において、図3及び図5中、符号P1〜P12で示す位置を測定点とした。測定点P1〜P12には、温度センサを取り付け、取り付け位置での温度を計測可能とした。測定点P1は、下方の模擬集電板23の下面、測定点P2〜P11は、各模擬セル21の厚み内、測定点P12は、上方の模擬集電板23の上面とした。
上記のように作成した模擬SOFCモジュール10を、雰囲気温度600℃とした電気炉内に設置した。設置後、模擬吸熱部90の入口形成部92側から空気を50L/minで供給した。また、模擬反応部15を起動し、模擬SOFCスタック20のセル積層方向(上下方向)中央部に位置する測定点P6の温度が800℃になるように制御した。そして、測定点P6の温度が800℃になった時点での、他の測定点P1〜P5,P7〜P12の温度を測定した。本実施例の測定結果を図7に示す。
[比較例]
図6は、比較例に係る模擬固体酸化物形燃料電池モジュールの概略構成図である。本実験の比較例として、図6に示す構成となる模擬SOFCモジュール10Aを作成した。比較例の模擬SOFCモジュール10Aは、以下に述べる点を除き、上記実施例と同様の構成とした。なお、比較例において、上記実施例と共通もしくは対応する構成については、符号末尾に「A」を付加して説明を省略する。
図6は、比較例に係る模擬固体酸化物形燃料電池モジュールの概略構成図である。本実験の比較例として、図6に示す構成となる模擬SOFCモジュール10Aを作成した。比較例の模擬SOFCモジュール10Aは、以下に述べる点を除き、上記実施例と同様の構成とした。なお、比較例において、上記実施例と共通もしくは対応する構成については、符号末尾に「A」を付加して説明を省略する。
比較例の模擬SOFCモジュール10Aでは、実施例の模擬SOFCモジュール10とは、異なる模擬吸熱部95を採用した。模擬吸熱部95は、ステンレス等の板材を用いて箱型の筐体を形成し、この筐体の中に不図示の蛇行流路を形成した。また、模擬吸熱部95においては、蛇行流路に連通する不図示の空気入口及び空気出口を形成し、実施例の模擬吸熱部90と同様の流量の空気が流通する空気予熱器として機能し得るようにした。
模擬吸熱部95は、模擬SOFCスタック20Aの側面に沿う領域に設置した。模擬SOFCスタック20Aのセル積層方向(上下方向)高さと、模擬吸熱部95の同方向高さとが同一になるように設定し、それぞれの上下位置を揃えた。また、図示省略したが、実施例と同一の測定点P1〜P12に温度センサを取り付けた。
上記のように作成した比較例の模擬SOFCモジュール10Aにおいても、実施例と同様に、電気炉内に設置してから、模擬吸熱部95に空気を50L/minで供給した。また、模擬反応部15Aによって測定点P6の温度が800℃になるように制御し、測定点P6の温度が800℃になった時点での、他の測定点P1〜P5,P7〜P12の温度を測定した。比較例の測定結果を図7に示す。
図7における実施例と比較例との対比において、実施例では、模擬SOFCスタック20の上端となる測定点P12の温度が760℃、下端となる測定点P1の温度が740℃となった。これに対し、比較例では、模擬SOFCスタック20Aの上端となる測定点P12の温度が640℃、下端となる測定点P1の温度が610℃となった。また、実施例で模擬吸熱部90の非設置領域となる測定点P2,P11においても、比較例より実施例の方が高温となった。これら対比に加え、図7のグラフで示す他の結果からも、比較例に比べ、実施例の方が、セル積層方向での温度分布が均一化されたことが理解できる。
なお、実施例は、模擬SOFCモジュール10を用いたが、実際のSOFCモジュール1でも、同様の温度分布が得られた。従って、実際のSOFCモジュール1において、吸熱部9をSOFCスタック2の外周に沿って配置しても、セル積層方向での温度分布を均一化することができる。これにより、従来のようにセル間に放熱板等を設置しなくても、温度分布を緩和して高出力密度を実現することができる。
本発明は上記実施の形態に限定されず種々変更して実施することが可能である。また、上記実施の形態で説明した数値、寸法、材質、方向については特に制限はない。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
例えば、図1では、SOFCスタック2のセル積層方向(上下方向)両側に非設置領域S2を設けたが、セル積層方向の何れか一側だけに非設置領域S2を設け、その反対側に非設置領域S2を設けない構成としてもよい。この場合、非設置領域S2を設けない方のSOFCスタック2におけるセル積層方向の端面に沿って、吸熱部9を配置してもよい。
また、吸熱部9は、燃料ガス反応器4及び空気予熱器5と全く異なる構成としてSOFCスタック2から発せられる熱を吸収するようにしてもよい。但し、燃料ガス反応器4や空気予熱器5によって吸熱部9を構成した方が、吸熱部9をそれらの熱源として有効利用することができる点で有利となる。
また、吸熱部9は、平面視で、環状を呈してSOFCスタック2を囲うように配置する構成に限られず、種々の変更が可能である。例えば、当該環状の一部が途切れたり、SOFCスタック2の平面視での周方向一部だけに沿ったりするように配置してもよい。
また、吸熱部9の設置領域S1及び非設置領域S2を設定するにあたり、SOFCスタック2のセル積層方向以外の方向を基準としてもよい。例としては、SOFCスタック2のセルを水平方向に積層または配置する場合、セル積層または配置方向に交差若しくは直交する方向(例えば鉛直方向)を基準として、中央部を設置領域S1とし、当該方向での一端に隣接する領域を非設置領域S2としてもよい。この場合も、当該方向でのSOFCスタック2の全長を100%とし、上述した百分率の範囲で非設置領域S2を設定することが好ましい。
本発明は、例えば、工業用、業務用に用いられる固体酸化物形燃料電池モジュールに用いることができる。
1 SOFCモジュール(固体酸化物形燃料電池モジュール)
2 SOFCスタック(固体酸化物形燃料電池スタック)
4 燃料ガス反応器
5 空気予熱器
9 吸熱部
S2 非設置領域
2 SOFCスタック(固体酸化物形燃料電池スタック)
4 燃料ガス反応器
5 空気予熱器
9 吸熱部
S2 非設置領域
Claims (3)
- 複数のセルを積層または配置してなる固体酸化物形燃料電池スタックを備えた固体酸化物形燃料電池モジュールにおいて、
前記固体酸化物形燃料電池スタック中央部の側面に沿って、当該固体酸化物形燃料電池スタックから発せられる熱を吸収する吸熱部を配置し、当該固体酸化物形燃料電池スタックの少なくとも一端に隣接する側面に沿う領域を、前記吸熱部の非設置領域としたことを特徴とする固体酸化物形燃料電池モジュール。 - 前記非設置領域は、前記固体酸化物形燃料電池スタックのセル積層方向の全長を100%としたときに、当該セル積層方向両端から中央に向かって0〜30%の範囲に設定されることを特徴とする請求項1記載の固体酸化物形燃料電池モジュール。
- 原燃料から燃料ガスを生成して前記固体酸化物形燃料電池スタックに供給する燃料ガス反応器、及び、前記固体酸化物形燃料電池スタックに供給する空気を予熱する空気予熱器の少なくとも一方を更に含み、
前記吸熱部は、前記燃料ガス反応器及び前記空気予熱器の少なくとも一方からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池モジュール。
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