JP2016169747A - 円すいころ軸受用樹脂保持器 - Google Patents

円すいころ軸受用樹脂保持器 Download PDF

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Abstract

【課題】内輪が、円すいころの内接径より大径の小鍔部を備えている円すいころ軸受に樹脂保持器を組み付けるときに、保持器の損傷を防止する。
【解決手段】円すいころ軸受用樹脂保持器は、同軸に配置された小径の小径環状部21及び大径の大径環状部22が、略軸方向に複数の柱部23で連結されており、各柱部は、それぞれ小径環状部21の側に形成された第1柱部24と、大径環状部22の側に形成された第2柱部25を有しており、第1柱部24の周方向の両側に第1案内面27が形成されるとともに、第2柱部25の周方向の両側に第2案内面28が形成されており、円すいころ13と第1案内面27との径方向すきま(L)が、円すいころ13と第2案内面28との径方向すきま(L,L)より大きく設定されるように、第1案内面27の窓角が、第2案内面28の窓角より小さく形成されている。
【選択図】図2

Description

この発明は、円すいころ軸受に使用される樹脂製の保持器に関する。
円すいころ軸受100は、図8に示すような構造で、外輪101と内輪102との間に複数の円すいころ103が組み込まれている。円すいころ103は、外輪101及び内輪102と同軸に組み込まれた合成樹脂製の保持器104のポケット104aに挿入されて、周方向に等しい間隔で配置されている。内輪102は、軌道面105の小径側に小鍔部106を有し、大径側に大鍔部107を有している。小鍔部106の外径寸法が円すいころ103の内接径より大きく設定されているので、円すいころ103が内輪102から軸方向に脱落しないようになっている。
この円すいころ軸受100を組み立てるときには、保持器104の各ポケット104aに円すいころ103を挿入した後、内輪102を同軸に組み合わせている。このとき、円すいころ103が径方向に移動して小鍔部106を乗り越えなければならない。保持器104の柱部108と円すいころ103とのすきまが小さく設定されているので、円すいころ103が径方向に移動すると柱部108と接触し、保持器104が変形したり破損したりする場合がある。
合成樹脂製の保持器104が開発される以前には、保持器104が、薄肉の圧延鋼帯をプレス成型することによって製作されていた。この場合には、保持器104をあらかじめ所定の寸法より大きく製作して、円すいころ103を組み付けた後、塑性変形させて、円すいころ103の内接径が小さくなるように縮小させていた。しかし、保持器104が樹脂製の場合、内輪102に組み付けた後に塑性変形させることが出来ないので、組み付け完了後の寸法のままで保持器104を内輪102に組み付けなければならない。
そこで、保持器104の損傷を防止するために、例えば、特許文献1では、小鍔部106の外周面の角度を軌道面105の角度と同等かそれより大きくすることによって、保持器104が拡径するときの応力を低減している
特開2007−57038号公報
特許文献1の方法は、小鍔部106に乗り上げた後のさらなる拡径力を低減して、保持器104に発生する応力を低減するものである。しかし、円すいころ103が軸方向に脱落するのを防止するためには、内接径よりも大きい直径を有する小鍔部106を設ける必要がある。このため、円すいころ103を内輪102を組み込む時には、必ず円すいころ103が小鍔部106を乗り越えるので、依然として柱部108には変形が生じている。そこで、保持器104の損傷を確実に防止するために、柱部108の変形をさらに低減する組み付け方法が要望されていた。
この発明の目的は、樹脂保持器を使用して円すいころを内輪に組み付けるときに、円すいころが小鍔部を乗り越えることによって生ずる柱部の変形を低減することである。特に、円すいころの小径側の外周面と柱部とが接触することによる変形を低減して、保持器の損傷を防止することを目的としている。
本発明の第1の実施形態は、内輪が、円すいころの内接径より大径の小鍔部を備えている円すいころ軸受に使用される円すいころ軸受用樹脂保持器であって、軸方向に互いに離間して同軸に配置された小径の小径環状部及び大径の大径環状部を略前記軸方向に連結する複数の柱部が、それぞれ前記小径環状部の側に形成された第1柱部と、前記大径環状部の側に形成された第2柱部を有しており、前記第1柱部の周方向の両側に、それぞれ前記円すいころの小径側の外周面と対向する一対の第1案内面が形成されるとともに、前記第2柱部の周方向の両側に、それぞれ前記円すいころの大径側の外周面と対向する一対の第2案内面が形成されており、前記円すいころと前記第1案内面との径方向すきま(L)が、前記円すいころと前記第2案内面との径方向すきま(L,L)より大きく設定されるように、前記第1案内面の窓角が、前記第2案内面の窓角より小さく形成されていること、を特徴としている。
この構成によると、第1柱部の窓角を第2柱部の窓角より小さい角度で形成しているので、円すいころを、保持器の案内面に接触するまで径方向外方に移動させたときの内接径を大きくすることが出来る。このため、円すいころ軸受を組み立てるときに、円すいころの小径側が小鍔部に乗り上げて径方向外方に変位したときでも、円すいころと柱部とが接触しにくくなる。この結果、柱部の変形量を低減することが出来るので、保持器の損傷を防止することが出来る。
本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態の円すいころ軸受用樹脂保持器であって、前記第1柱部によって確定される前記ポケットの周方向の最小寸法が、前記円すいころの小径側の直径寸法より大きい。
この構成によると、第1柱部によって確定されるポケットの周方向の内寸法が円すいころの小径側の直径寸法より大きいので、円すいころ軸受を組み立てるときに、円すいころが小鍔部に乗り上げて径方向外方に変位したときでも、第1柱部が円すいころと接触することがない。この結果、柱部の変形をさらに確実に防止して、保持器の損傷を防止することが出来る。
本発明の円すいころ軸受用樹脂保持器は、内輪に円すいころを組み込むときに、円すいころが小鍔部を乗り越えることによって生ずる柱部の変形を低減することが出来る。特に、円すいころの小径側の外周面と柱部とが接触することによる変形を低減して、保持器の損傷を防止することが出来る。
第1実施形態の円すいころ軸受の軸方向断面図である。 保持器の柱部の拡大斜視図である。 円すいころ軸受の組み立て手順を説明する工程図である。 第1案内面と円すいころとの位置関係を説明する説明図である。 第2案内面と円すいころとの位置関係を説明する説明図である。 従来構造における柱部と円すいころとの位置関係を説明する説明図である。 第2実施形態の柱部と円すいころとの位置関係を説明する説明図である。 従来の円すいころ軸受の軸方向断面図である。
(実施例1)
図1は、本発明の第1実施形態である円すいころ軸受10の断面図である。円すいころ軸受10は、外輪11と内輪12との間に、円周方向に所定の間隔で複数の円すいころ13が配置されている。円すいころ13は、外輪11及び内輪12と同軸に配置された保持器14によって周方向に等しい間隔で保持されている。
外輪11は、軸受鋼で製作されていて、その内周に軸方向に傾斜した外側軌道面16が形成されている。内輪12は、軸受鋼で製作されていて、その外周に軸方向に傾斜した内側軌道面17が形成されている。外側軌道面16と内側軌道面17とは径方向に対向している。内側軌道面17の軸方向の両外側には、それぞれ小径の小鍔部18と大径の大鍔部19とが形成されている。小鍔部18及び大鍔部19の外周面18a,19aは、それぞれ軸線と同軸の円筒面である。
円すいころ13は、軸受鋼で製作されていて、外周に形成されている転動面20は、軸方向断面がテーパ形状であって、外側軌道面16及び内側軌道面17と接触している。
保持器14は、ポリアミド樹脂などの樹脂材料を射出成型することによって製作されている。保持器14は、軸方向に離間して同軸に配置された二つの環状部21,22を有している。この環状部21,22は、互いに直径寸法が異なっていて、小径の小径環状部21と大径の大径環状部22とが周方向に均等に配置された複数の柱部23で略軸方向に連結されている。
図2は、保持器14の柱部23の要部拡大斜視図である。図2において、21は小径環状部で、22は大径環状部である。柱部23は、小径環状部21の側に形成された第1柱部24と、大径環状部22の側に形成された第2柱部25とを有しており、第1柱部24と第2柱部25とは互いに連結面26でつながっている。
第1柱部24は、周方向の両側に、それぞれ円すいころ13の小径側の転動面20と向き合う第1案内面27が形成されている。第1案内面27は、径方向外方に向かうに従って円すいころ13の側に傾斜している。第1柱部24の周方向の断面は、外径側に向けて広がる扇形形状である。
第2柱部25においても、第1柱部24と同様に、周方向の両側に、それぞれ円すいころ13の大径側の転動面20と向き合う第2案内面28が形成されている。
こうして、保持器14には、複数のポケット15が、周方向に所定の間隔で形成されている。各ポケット15は、周方向に隣接する一対の柱部23と小径環状部21及び大径環状部22とによって確定されている。
ポケット15を挟んで周方向に対向する案内面のなす角度θを窓角という。第1柱部24における窓角θは、第2柱部25の窓角θより小さい角度で形成されている(図4、図5参照)。第1実施形態では、第1柱部24の窓角θを80°として、第2柱部25の窓角θを120°としている。窓角は、小鍔部18の外径寸法などによって適宜選択され、これらの値に限定されるものではない。
こうして、円すいころ軸受10が組み立てられた後においては、保持器14のポケット15に円すいころ13が一つずつ挿入されていて、これらの円すいころ13で柱部23が案内されることによって、保持器14は内輪12及び外輪11と同軸に保持されている。なお、保持器14の外周と外側軌道面16との間には径方向に所定のすきまが設けられているので(図1参照)、保持器14の位置が外輪11によって拘束されることがない。
次に、円すいころ軸受10を組み立てるときの円すいころ13の動きを図によって説明する。図3は、円すいころ軸受10の組み立て手順を説明する工程図である。
組み立てにあたって、まず水平に保持した保持器14の各ポケット15に内周側から円すいころ13を装着して、保持器14と円すいころ13を組み立てる(図3(a))。第1柱部24及び第2柱部25では、ともに、案内面が周方向に傾斜していて、最外周部ではポケット15の周方向の内寸法が円すいころ13の直径寸法より小さくなっている。このため、円すいころ13が、ポケット15を通り抜けて径方向外方に脱落することがない。
次に、保持器14の鉛直方向上方から、内輪12を同軸に挿入する(図3(b))。内輪12の小鍔部18の外径寸法Dは、保持器14の各ポケット15に配置された円すいころ13の内接径Dより大きい。これにより、円すいころ13が、内輪12の内側軌道面17に組み込まれた後は、軸方向に抜け出さないようになっている。内接径とは、各円すいころ13の最も内側にある点をつないだ仮想円の直径寸法をいう。円すいころ13の転動面20は小端面20aとR面でつながっており、通常、このR面と転動面20とがつながる部位Pが最も内周にある。
上述したように、円すいころ13の内接径Dが小鍔部18の外径寸法Dより小さいので、内輪12に円すいころ13を組み付けるときには、円すいころ13の小径側で転動面20が小鍔部18と接触する。内輪12を挿入するにしたがって、円すいころ13が小鍔部18に乗り上げて、円すいころ13のR面と転動面20とがつながる部位Pが小鍔部18の外周面18aと接触しながら軸方向に移動する。こうして、内輪12に円すいころ13を組み込むときには、円すいころ13の小径側が径方向外方に変位する。図3(b)では、図の左側に、円すいころ13の小径側が径方向外方に変位したときの姿勢を実線で示している。また、内輪12を挿入する前の円すいころ13の姿勢を破線で示している。
円すいころ13の小径側が小鍔部18を通り過ぎた後は、保持器14に案内されて、円すいころ13が小鍔部18と大鍔部19の間で内側軌道面17に組み付けられる。この状態で外輪11と同軸に組み合わせて円すいころ軸受10が組み立てられている(図3(c))。
第1実施形態における柱部23の破損を防止する効果を説明するために、内輪12に円すいころ13を組み込むときの保持器14と円すいころ13の位置関係について、図を用いて説明する。
図4は、図1の円すいころ軸受10の第1柱部24の位置における周方向の断面を表しており、第1案内面27と円すいころ13との位置関係を示している。図5は、第2柱部25における図4と同様の位置関係を示している。図4及び図5では、円すいころ13が外側軌道面16及び内側軌道面17と接触していて、保持器14がこれらの円すいころ13と全周にわたって均等に所定のすきまをもって保持されている。
保持器14を円すいころ13によって案内するため、保持器14の小径側では第1案内面27と円すいころ13とが近接しており(図4参照)、大径側では第2案内面28と円すいころ13とが近接している(図5参照)。それぞれの案内面27,28と円すいころ13とは、わずかなすきまをもって組み込まれている。すきまとは、例えば、図4では、円すいころ13と第1案内面27とが互いに最も接近している部分のすきまδをいう。第2柱部25では、すきまの大きさはδである。
このすきまδ,δを小さくし過ぎると、円すいころ軸受10の回転中に、円すいころ13と案内面27,28とが滑り接触をするので、回転トルクが大きくなったり滑り面の潤滑が不足して焼付いたりする不具合を生じてしまう。また、すきまを大きくし過ぎると、保持器14の位置が定まらず外輪11や内輪12と接触するので、円すいころ軸受10の回転トルクを増大させたり、回転中に異音を生じたりする不具合が生じる。
第1実施形態では、第1柱部24のすきまδと、第2柱部25のすきまδとが互いに同等に設定されている。これにより、柱部23を小径側と大径側の両側で支持することが出来るので、保持器14を、内輪12及び外輪11に対して同軸に安定して支持することが出来る。
図4に示したように、第1柱部24においては、窓角がθであるので、第1案内面27と円すいころ13は、保持器14の周方向に対して径方向外方にθ/2の角度をなす方向で、互いに最も接近している。説明の便宜上、図4において、円すいころ13と第1案内面27とが最も接近する点をそれぞれA1、B1とする。
図3(b)において、内輪12に円すいころ13を組み付ける場合を考える。この段階では外輪11が装着されていないので、円すいころ13は、図4に示した位置より円すいころ13と第1案内面27との径方向のすきまの大きさの分だけ、保持器14の径方向外方に移動することが出来る。
図4に示す状態から、円すいころ13が径方向に移動できる距離L(以下、「径方向すきま」という)は、点A1と、点A1から外方に延長した線が第1案内面27と交わる点C1との間の寸法に等しい。すなわち、円すいころ13と第1案内面27とのすきま(A1とB1の間の寸法であり、以下「案内すきま」という)がδであるので、径方向すきまLは、δ/(sin(θ/2))で表わされる。
円すいころ13の内接径Dは、円すいころ13が保持器14の案内面と接触するまで径方向に移動したときに最大になる。図4に示した状態における内接径をDとしたとき、内接径の最大値Daは、式1で表わされる値となる。
Da=D+2×L=D+2×δ/(sin(θ/2))・・・式1
式1より理解できるように、内接径の最大値Daは、窓角θが小さいときほど大きくなる。内輪12を挿入するときに、径方向に移動した円すいころ13に押されて第1柱部24が変形するときの変形量は、最大の内接径Daと小鍔部18の外径寸法Dとの差(D−Da)が大きくなるにしたがって大きくなる。したがって、窓角θを小さくして径方向すきまLを大きくすることによって、円すいころ13の小径側における内接径Daを大きくすることが出来るので、第1柱部24の変形量を小さくすることが出来る。
こうして、第1実施形態の保持器14を使用することによって、内輪12に円すいころ13を組み付けるときに、円すいころ13が径方向に移動することによる第1柱部24の変形量を低減することが出来るので、保持器14の損傷を防止することが出来る。
なお、第2柱部25における円すいころ13の大径側における径方向すきまLについても同様である。第2案内面28では、窓角がθであるので、円すいころ13と第2案内面28との案内すきま(図5における、A2とB2の間の寸法である)がδ(=δ)であるので、円すいころ13の径方向すきまL(図5における、A2とC2の間の寸法である)は、δ/(sin(θ/2))で表わされる。
円すいころ13の大径側では、内輪12を組み込むときに小鍔部18が接触しないので、円すいころ13が径方向に移動するときの移動量は小さい。したがって、大径側の径方向すきまLが小径側の径方向すきまLより小さい場合でも、第2柱部25が損傷する恐れがない。
第1実施形態の効果をさらに明確にするために、比較例として、従来構造の保持器104(以下、「従来保持器」という)を使用した場合の、円すいころ103の径方向の移動量について、図6によって説明する。従来保持器104の全体形状については適宜、図8を参照する。
図6は、従来保持器104の柱部108を小径環状部110側で周方向に切断した図であって、柱部108と円すいころ103との位置関係を説明する説明図である。従来保持器104では、柱部108の周方向両側に案内面109,109がそれぞれ単一の平面で形成されていて、柱部108の周方向断面の形状は、小径環状部110側から大径環状部111側までの全域にわたって略同一である。案内面109の窓角の大きさθは、第1実施形態の第2柱部25における窓角の大きさθと同等である。柱部108以外の従来保持器104の形態は、第1実施形態と同様である。
従来保持器104は、円すいころ103によって案内されている。従来保持器104では、案内面109と円すいころ103とが近接するように組み込まれており、案内すきまδの大きさは、第1実施形態の第2柱部25における案内すきまの大きさδと同等である。
従来保持器104では、円すいころ103の小径側の径方向すきまLは、δ/(sin(θ/2))である。
したがって、内接径の最大値Dbは、式2で表わされる値となる。
Db=D+2×L=D+2×δ/(sin(θ/2))・・・式2
なお、従来保持器104以外の構成は第1実施形態と同様であるので、図6における内接径は第1実施形態の内接径Dと同等である。
式2を式1と比較すると、δ=δであり、かつ、θ<θであるので、従来保持器104の径方向すきまLは、第1実施形態の保持器14の径方向すきまLより小さくなる。したがって、従来保持器104を使用したときには、円すいころ103が小鍔部106に押されて径方向に移動したときの最大内接径Dbは、第1実施形態の樹脂保持器14を使用したときの最大内接径Daより小さい値となる(Da>Db)。このため、従来保持器104を使用した円すいころ軸受100では、図3(b)に示した工程で内輪102に円すいころ103を組み込むときに、円すいころ103が柱部108の小径側に強く押し付けられることによって、保持器104の破損が生じていた。
これに対して、第1実施形態では、円すいころ13の小径側が当接する第1柱部24の窓角を小さくしている。これによって、円すいころ13の小径側が、径方向に大きく移動することが出来る。この結果、内輪12に円すいころ13を組み付けるときに、円すいころ13の小径側が小鍔部18に押されて径方向に移動することによる第1柱部24の変形を低減することが出来るので、保持器14の損傷を防止することが出来る。この結果、案内面と円すいころ13の転動面20とが円滑に滑り接触をすることが出来るので、円すいころ軸受10の回転トルクを低減し、回転調子をよくすることが出来る。
また、第1柱部24では、第1案内面27と円すいころ13とが、保持器14の周方向に対して径方向外方に角度θ/2の向きで近接しているのに対して、第2柱部25では、第2案内面28と円すいころ13とが、角度θ/2の向きで近接している。第2柱部25の窓角θが、第1柱部24の窓角θより大きいので、第2柱部25では、円すいころ13と案内面とが最も接近する向きを、保持器14の径方向外方に設定することが出来る。このため、円すいころ13と第2案内面28とが円滑な滑り接触をすることが出来るので、円すいころ13が保持器14を案内する精度が向上する。このため、円すいころ軸受10の回転トルクを低減し、回転調子をよくすることが出来る。
第1実施形態では、第1柱部24と第2柱部25をつなぐ連結面26を柱部23の軸方向中央に設けていて、第1柱部24と第2柱部25の軸方向長さを同等に設定している。しかし、上記の説明で明らかなように、内輪12に円すいころ13を組み付けるときには、円すいころ13のR面と転動面20とのつながる部位Pが、径方向に最も大きく移動する。このため、第1柱部24の変形を低減するためには、第1柱部24が、少なくとも上記の部位Pと接触する位置に形成されている必要がある。こうすることによって、内輪12に円すいころ13を組み付けるときの保持器14の変形を抑制することが出来る。
また、第1実施形態では、連結面26が保持器14の軸線に直交する面で形成されている。しかし、以上の説明から理解できるように、保持器14の柱部23を軸方向の両側で支持することによって、保持器14を安定して支持している。したがって、柱部23の軸方向中央部では保持器14の案内に対する寄与度が小さいので、第1案内面27と第2案内面28を緩やかな曲面でつないでもよい。これにより、柱部23の応力集中を低減し、保持器14の強度をさらに高くすることが出来る。
さらに、第1実施形態では、樹脂保持器14を、通常樹脂保持器14の材料として使用されるポリアミド樹脂などで製作することが出来る。特別に強度を高くした樹脂材料を必要としないので、コストアップを抑えることが出来る。また、内輪12や外輪11の形状を特殊な形状にする必要がないので、円すいころ軸受10の製造にあたってコストアップを抑えることが出来る。
以上の説明では、案内面を2次元に拡がる平面として説明した。しかし、案内面は、周方向の断面が円すいころ13の転動面20に沿った円弧形状であってもよい。
以上説明したように、第1実施形態の樹脂保持器14は、柱部23が小径環状部21側の第1柱部24と大径環状部22側の第2柱部25を有していて、第1柱部24の第1案内面27の窓角を第2柱部25の第2案内面28の窓角より小さくしている。このため、円すいころ13の小径側での案内面27との径方向すきまLを大径側の案内面28との径方向すきまLより大きくすることが出来るので、内輪12に円すいころ13を組み付けるときに、円すいころ13の小径側が径方向に移動するときに移動できる寸法を大きくすることが出来る。この結果、内輪12に円すいころ13を組み付けるときに、円すいころ13の小径側が小鍔部18に押されて径方向に移動することによる第1柱部24の変形を低減することが出来るので、保持器14の損傷を防止することが出来る。
さらに、第2柱部25の窓角を大きく設定しているので、第2案内面28と円すいころ13の転動面20とが円滑に滑り接触をすることが出来るので、円すいころ軸受10の回転トルクを低減し、回転調子をよくすることが出来る。
(実施例2)
本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態の樹脂保持器30は、図示を省略するが、第1実施形態の樹脂保持器14に対して第1柱部の形状だけが異なっており、他の形状は第1実施形態と同一である。第2実施形態において、第1実施形態の第1柱部24に相当する部分を第3柱部31として説明する。第3柱部31以外の形態については第1実施形態と同一の番号を付して説明する。
第2実施形態では、保持器30の柱部33は、小径環状部21側の第3柱部31と、大径環状部22側の第2柱部25とが連結面26でつながった構成となっている。図7は、第3柱部31における周方向の断面を表していて、図4と同様の、第3柱部31と円すいころ13との位置関係を説明する説明図である。
第3柱部31では、周方向の両側にそれぞれ第3案内面32が形成されていて、円すいころ13の小径側の転動面20と向き合っている。第3柱部31の周方向の断面は外径側に向けて広がる扇形形状である。ポケット34を確定する第3案内面32は互いに平行であり、この第3案内面32における窓角は0°である。第3案内面32と円すいころ13は、保持器30の周方向で互いに最も接近している。
第2実施形態においては、第3柱部31によって確定されるポケット34の周方向の内寸法Lは、円すいころ13の直径寸法にその両側の案内すきまδを加えた寸法であり、円すいころ13の直径寸法より大きい。
円すいころ13と第3案内面32とのすきまδは、第1実施形態における第1柱部24の案内すきまδと同程度に設定している。これにより、円すいころ13によって保持器30の小径側(すなわち第3柱部31である)を適正に支持することが出来る。
また、第2実施形態の第2案内面28と円すいころ13との間には、第1実施形態における第2案内面28と円すいころ13との案内すきまと同等のすきまδが設定されているので、保持器30の大径側が適正に支持されている。
こうして、第2実施形態の保持器30は、小径側と大径側の両側で支持されているので、円すいころ軸受10が回転するときに、内輪12及び外輪11に対して同軸に安定して公転することが出来る。
円すいころ軸受10を組み立てるときの組み立て手順は、第1実施形態と同様である。
図3(a)と同様の工程において、保持器30の各ポケット34に円すいころ13を装着する。このとき、円すいころ13は、第2柱部25の第2案内面28で保持されるので、円すいころ13がポケット34を通り抜けて径方向外方に脱落することがない。
図3(b)と同様の工程において、保持器30と同軸に内輪12を挿入する。このとき、円すいころ13の小径側が小鍔部18に乗り上げて、円すいころ13が径方向外方に変位する。第2実施形態では、第3柱部31で確定されるポケット34の周方向の内寸法が、円すいころ13の小径側の直径寸法より大きいので、径方向外方に変位した円すいころ13が第3柱部31と接触することがない。この結果、柱部33の小径側の変形を確実に防止することが出来るので、保持器30の損傷を防止することが出来る。
また、第2柱部25の窓角を大きく設定しているので、第1実施形態の場合と同様に、円すいころ13と第2案内面28とが最も接近する向きを、保持器30の径方向外方に設定することが出来る。この結果、案内面と円すいころ13の転動面20とが円滑に滑り接触をすることが出来るので、円すいころ軸受10の回転トルクを低減し、回転調子をよくすることが出来る。
こうして、第2実施形態では、円すいころ13によって保持器30を保持する機能が良好に維持されるとともに、円すいころ軸受10を組立てる際の組み付け性が向上するので、より好ましい。
なお、第2実施形態では窓角を0°として説明したが、これに限定されない。円すいころ13と第3案内面32とは案内すきまδを有しているので、例えば、窓角を0°より大きい値にした場合でも、径方向外方においてポケット34の周方向の内寸法を円すいころ13の直径寸法より大きくすることが出来る。
こうして、第2実施形態の樹脂保持器30は、内輪12に円すいころ13を組み込むときに、円すいころ13が小鍔部18を乗り越えることによる柱部33の変形が生じないので、保持器30が破損するのを確実に防止することが出来る。
さらに、第3柱部31と円すいころ13との案内すきまδを第2柱部25と円すいころ13との案内すきまδと同等にしているので、保持器30を小径側と大径側の両側において案内することが出来る。この結果、保持器30を内輪12及び外輪11に対して同軸に安定して保持することが出来る。
以上説明したように、本発明にかかる円すいころ軸受10用樹脂保持器は、円すいころ13を内輪12に組み付けるときに、円すいころ13が小鍔部18を乗り越えることによって生ずる柱部の変形を低減することが出来る。特に、円すいころ13の小径側の外周面18aと柱部とが接触することによる変形を低減して、保持器の損傷を防止することが出来る。
(第1実施形態)
10:円すいころ軸受、11:外輪、12:内輪、13:円すいころ、14:保持器、15:ポケット、16:外側軌道面、17:内側軌道面、18:小鍔部、18a:小鍔部外周面、19:大鍔部、20:転動面、21:小径環状部、22:大径環状部、23:柱部、24:第1柱部、25:第2柱部、26:連結面、27:第1案内面、28:第2案内面
(第2実施形態)
30:保持器、31:第3柱部、32:第3案内面、33:柱部、34:ポケット
(従来技術)
100:円すいころ軸受、101:外輪、102:内輪、103:円すいころ、104:保持器、104a:ポケット、105:軌道面、106:小鍔部、107:大鍔部、108:柱部、109:案内面、110:小径環状部、111:大径環状部

Claims (2)

  1. 内輪が、円すいころの内接径より大径の小鍔部を備えている円すいころ軸受に使用される円すいころ軸受用樹脂保持器であって、
    軸方向に互いに離間して同軸に配置された小径の小径環状部及び大径の大径環状部を略前記軸方向に連結する複数の柱部が、それぞれ前記小径環状部の側に形成された第1柱部と、前記大径環状部の側に形成された第2柱部を有しており、
    前記第1柱部の周方向の両側に、それぞれ前記円すいころの小径側の外周面と対向する一対の第1案内面が形成されるとともに、前記第2柱部の周方向の両側に、それぞれ前記円すいころの大径側の外周面と対向する一対の第2案内面が形成されており、
    前記円すいころと前記第1案内面との径方向すきま(L)が、前記円すいころと前記第2案内面との径方向すきま(L,L)より大きく設定されるように、
    前記第1案内面の窓角が、前記第2案内面の窓角より小さく形成されていること、
    を特徴とする円すいころ軸受用樹脂保持器。
  2. 前記第1柱部によって確定されるポケットの周方向の内寸法の最小値が、前記円すいころの小径側の直径寸法より大きいことを特徴とする、
    請求項1に記載する円すいころ軸受用樹脂保持器。
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