JP2016169445A - 模様紙の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、パルプを主体とし、模様を形成するための特別な材料を用いず、生産性の良い模様紙の製造方法を提供することである。
【解決手段】
本発明は、pH5.0〜7.0に調整したパルプスラリーに、パルプに対してポリアルクリアミド系樹脂を0.08〜1.0質量%添加してパルプを凝集処理して凝集パルプスラリーとし、該凝集パルプスラリーを少なくとも一方の最外層となる紙層用の紙料として多層抄きで抄紙を行い、該凝集パルプスラリーを用いて抄紙した紙層の地合指数を0.7以上とすることを特徴とする模様紙の製造方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は模様紙の製造方法に関し、更に詳しくは、多層抄き紙における最表層となる層の地合を調整することにより模様を形成した模様紙の製造方法に関するものである。
模様紙は意匠性の高い紙で、カード用紙、ダイレクトメールなどの印刷用紙や、包装・ラベル用紙などに用いられ様々な種類の紙が上市されている。例えば、レーヨン繊維と木材繊維を混在させて作られる大礼紙、雲龍紙と呼ばれる模様加工紙(特許文献1)、全幹ケナフパルプと木材パルプとを組み合わせ、エンボス処理を行い、和紙と同様の風合いを持たせたエンボス模様紙(特許文献2)、最外層となる層にフロックを形成させた模様形成体が抄き込まれた模様紙(特許文献3)、各種植物の茎、葉、種実、殻、皮、繊維などを添加した模様紙(特許文献4)などがある。
しかしながら、特許文献1に開示された模様加工紙は、レーヨン繊維を使用するために製造コストが割高となる。また、特許文献2に開示されたエンボス模様紙を製造するには、エンボス処理を行うための設備が必要であり、さらに得られる模様も規則的な固定された模様となる。また、特許文献3に開示された模様紙においては、フロックを形成させるための手段が煩雑となる。さらに、特許文献4に開示された模様紙は茎、葉、種実、殻、皮、繊維などの粉砕に手間がかかり、その収集も容易ではないことが多く、大量生産には適さないという問題があった。
特開2003−293285号公報 特開1994−264400号公報 特開2012−012728号公報 特開1994−235198号公報
このような問題を鑑み、本発明の目的は、パルプを主体とし、模様を形成するための特別な材料を用いず、生産性の良い模様紙の製造方法を提供することにある。
本発明の模様紙の製造方法は、pH5.0〜7.0に調整したパルプスラリーに、パルプの固形分に対してポリアルクリアミド系樹脂を0.08〜1.0質量%添加してパルプを凝集処理して凝集パルプスラリーとし、該凝集パルプスラリーを少なくとも一方の最外層となる紙層用の紙料として多層抄きで抄紙を行い、該凝集パルプスラリーを用いて抄紙した紙層の地合指数を0.7以上とすることを特徴とする。
また、本発明においては、前記パルプスラリー含まれるパルプの28質量%以上がNBKPであることが好ましい。
また、本発明においては、前記パルプスラリーの濾水度(CSF)が480〜770mlであることが好ましい。また、本発明においては、前記ポリアクリルアミド系樹脂の重量平均分子量が1000万以上であることが好ましい。また、本発明においては、前記紙料の凝集パルプスラリーの濃度が0.05〜0.25質量%であることが好ましい。
さらに、本発明は、上記製造方法により製造された該凝集パルプスラリーを用いて抄紙した紙層の地合指数が0.7以上2.0以下である模様紙に関する。
本発明によれば、地合を模様として認識できる模様紙を製造することができ、さらに、模様を形成するための特別な材料を用いず、模様紙を低コストで効率よく生産することができる。本発明の方法は、特に模様紙の大量生産に適している。
本発明の模様紙の製造方法は、凝集パルプスラリーを最外層となる紙層用の紙料として用い、多層抄きで抄紙を行い、該凝集パルプスラリーを用いて抄紙した紙層(以下、凝集パルプ層ということがある)の地合指数を0.7以上とすることで、表面に地合模様を有する模様紙を製造するものである。すなわち、本発明の模様紙の製造方法は、多層抄き紙の最外層となる紙層の地合を、模様として認識できる程度に意図的に崩した模様紙の製造方法である。さらに、本発明は、当該製造方法により製造された模様紙に関する。
まず、凝集パルプスラリーの調製方法について説明する。最初に、水中にパルプを分散させてパルプスラリーを得る。ここでパルプスラリーに用いるパルプとしては特に限定するものではなく、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)に代表される木材漂白化学パルプを使用することができる。また、必要に応じて、GP(砕木パルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、BCTMP(晒ケミサーモメカニカルパルプ)等の機械パルプや、雑誌古紙、チラシ古紙、色上古紙、新聞古紙等の古紙パルプを適宜配合することもできる。更には、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で、木材パルプ以外に、楮や三椏、アバカ等の非木材パルプ、合成パルプ、合成繊維などを適宜配合することもできる。
本発明においては、この凝集パルプスラリー用に調製するパルプスラリーに含まれるパルプの28質量%以上をNBKPとすることが好ましい。より好ましくは30質量%以上であり、さらに50質量%以上95質量%以下であり、更に好ましくは70質量%以上である。NBKPは比較的容易に入手することができるパルプであるが、繊維が太く長いため、後述するパルプの凝集処理を行うことで撚れたような繊維束が生じやすく、NBKPを一定量配合することで凝集パルプ層の地合指数を高くすることが容易となる。
また、凝集パルプスラリー用に調製するパルプスラリーの濾水度(CSF)は、480〜770ml、例えば、500〜750mlであることが好ましい。このような濾水度の範囲とすることでポリアクリルアミドによるパルプの凝集をより促進することができる。より好ましくは500〜700ml、例えば、580〜700mlまたは600〜700mlである。濾水度(CSF)が480ml未満では目的とする地合指数を得にくくなる。一方、で770mlを超えると模様紙の各種強度を損ねるおそれがあり、特に凝集パルプ層の表面強度が弱くなりすぎるおそれがある。ここで、濾水度とは、JIS P 8121「パルプのろ水度試験方法」に規定されるカナダ標準濾水度(CSF)を言う。
次に、凝集パルプスラリー用に調製するパルプスラリーをpH5.0〜7.0に調整する。pHとは水素イオン指数である。パルプスラリーをpH5.0〜7.0に調整する方法については特に限定するものではないが、抄紙薬品として慣用されている硫酸バンドを適宜添加して調整することが望ましい。重曹や水酸化ナトリウム等のアルカリ性の薬品を添加して調整することもできる。硫酸バンド、重曹や水酸化ナトリウム等は、所望するpHに合わせて適宜添加すればよい。好ましくはpH5.5〜6.8であり、更に好ましくはpH5.9〜6.6である。パルプスラリーをpH5.0〜7.0に調整することで後述するポリアクリルアミド系樹脂によるパルプの凝集処理を効率よく行うことができる。しかしながら、pH5.0未満又はpH7.0を超えると凝集処理を効率よく行うことができず、本発明に必要な範囲の地合指数を達成することが困難となる。
次に、このpH5.0〜7.0に調整したパルプスラリーにポリアクリルアミド系樹脂をパルプスラリー中のパルプ(固形分)に対して0.08〜1.0質量%添加してパルプを凝集処理し、凝集パルプスラリーを得る。ポリアクリルアミド系樹脂の添加量が0.08質量%未満ではパルプの凝集が弱く、模様を形成するに適した凝集パルプスラリーが得られない。逆に1.0質量%を超えると抄紙系で工程汚れが発生するなど抄紙の操業性が悪くなり、また、模様紙に異物が混入しやすくなる。ポリアクリルアミド系樹脂の添加量は、好ましくは0.2〜0.9質量%であり、更に好ましくは0.4〜0.8質量%である。
ここで、パルプの凝集処理に用いるポリアクリルアミド系樹脂としては、分子量の大きいものほど凝集能が高くなる傾向にあるため、重量平均分子量が1000万以上であることが好ましい。より好ましくは重量平均分子量が1200万以上である。凝集能の観点からは上限は特にないが、分子量が高くなりすぎると、抄紙において工程汚れが発生するなど抄紙の操業性が悪くなり、また、模様紙に異物が混入しやすくなる可能性があるため、重量平均分子量は1600万未満とすることが好ましい。
このようにして得た凝集パルプスラリーには、本発明の目的とする効果を損ねない範囲で、各種公知の製紙用薬品を含有させてもよい。製紙用薬品としては、サイズ剤、紙力剤、分散助剤、歩留向上剤、填料、染料、顔料、蛍光増白剤などが挙げられる。
例えば、サイズ剤として、ロジン系エマルジョンサイズ剤をパルプスラリー中のパルプ(固形分)に対して0.05〜0.5質量部添加すればよく、例えば、紙力剤として、グラフト化澱粉をパルプスラリー中のパルプ(固形分)に対して0.05〜1.5質量部添加すればよい。
次に、多層抄きでの抄紙について説明する。本発明では、前述のようにして得た凝集パルプスラリーを、少なくとも一方の最外層となる紙層用の紙料として用い、多層抄きで抄紙を行う。そして、凝集パルプスラリーを用いて抄紙した凝集パルプ層の地合指数を0.7以上とすることで、凝集パルプ層に模様を形成する。本発明における地合指数は、ベータ線の透過率を測定することにより得られる値である。すなわち、本発明における地合指数は、低坪量であるほどベータ線の透過率が高いことを利用することで一定の面積の坪量ムラを測定する装置を使用し、坪量規格化標準偏差を指標として算出したものである。
本発明においては、多層抄きであれば抄紙方法は特に限定するものではなく、公知の抄紙機を用いることができる。たとえば、円網式抄紙機、長網式抄紙機、ツインワイヤー抄紙機によって2層以上の多層で抄紙される。これらの抄紙機のコンビネーションでもかまわない。また、抄合わせの際には抄合わせた各紙層の層間剥離を防止するために澱粉等の紙力剤を各紙層間にスプレー塗布しても良い。凝集パルプ層同士又は凝集パルプ層と他の任意の紙層とを湿紙の状態で抄き合わせた後、プレスにて脱水し、ドライヤーで乾燥させて紙匹を得ることができる。その後、必要に応じてサイズプレス液を塗布してもよい。サイズプレス液には、表面紙力剤や表面サイズ剤などの公知の抄紙薬品を使用することができる。また、抄紙後の模様紙にはカレンダー処理を行ってもよい。本発明に係る模様紙は、凝集パルプ層の地合により模様を形成するものであり、カレンダー処理により凝集パルプ層の表面の平滑性が高くなったとしても、模様自体を損なうものではない。ただし、凝集パルプ層の平滑性を低くすることで和紙のような手触り感を与えることも可能であるため、模様紙としての風合いを考慮すると、カレンダー処理は行わないことが好ましい。和紙の風合いを考慮した場合、凝集パルプ層表面のベック平滑度を15秒以下とすることが好ましい。
凝集パルプ層以外の層に用いる抄紙原料は、特に限定するものではなく、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で、多層紙で用いられる各種公知の紙層用の抄紙原料を用いることができる。本発明の模様紙において、凝集パルプ層以外の層に用いるパルプとしては、特に限定はないが、例えば、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)に代表される木材漂白化学パルプを使用することができる。また、必要に応じて、GP(砕木パルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、BCTMP(晒ケミサーモメカニカルパルプ)等の機械パルプや古紙パルプを適宜配合することもできる。更には、木材パルプ以外に、楮や三椏、アバカ等の非木材パルプ、合成パルプ、合成繊維などを適宜配合することもできる。パルプの濾水度は特に限定するものではないが、カナダ標準濾水度(フリーネス)で、450〜700mlCSFとすることが好ましい。
本発明の模様紙においては、凝集パルプ層の地合指数を0.7以上とする。地合指数が0.7未満であると、凝集パルプ層の地合を模様としての認識することが困難となる。地合指数が大きいほど凝集パルプ層の地合を模様として認識しやすくなる。地合指数は0.9以上が好ましく、1.0以上がより好ましい。地合指数の上限は特に設けるものではないが、2.0を超えると極端に地合の悪い紙層となることから、抄紙過程における紙切れが生じやすくなり、操業上で問題が生じるおそれがあるため、地合指数は2.0以下とすることが好ましい。
凝集パルプ層の地合指数のコントロール方法としては、前述した凝集パルプスラリーの調製方法により行うほか、一般的な抄紙条件としての地合を崩す方法を用いることができる。例えば、抄紙機のプレスパートで使用するフェルトとして表面が比較的粗いものを用いたり、ワイヤーパート上の原料上にシャワー水を噴霧して地合を崩す方法が挙げられる。また、円網抄紙機を用いて抄紙する場合は、円網バット内外のヘッド差(円網バット内外の液面の高低差)を小さくする方法もある。このヘッド差を小さくする具体的方法としては、例えば、バット内に添加する粘剤(ポリアクリルアミド樹脂やポリエチレンオキサイド樹脂など)を減量する方法がある。
また、本発明においては、凝集パルプ層に用いる紙料の凝集パルプスラリーの濃度を0.05〜0.25質量%に調整して抄紙することで地合指数を向上させながら(地合を崩しながら)、抄紙操業性のよい紙層を形成することができる。紙料の当該濃度が0.05質量%未満では地合指数の向上効果に乏しく、逆に0.25質量%を超えると紙層の形成が難しくなり、抄紙操業性を悪化させるおそれがある。
本発明に係る模様紙は、2層以上の多層構造である。例えば、2層構造であれば、両方の紙層が凝集パルプ層であってもよいが、一方の紙層のみを凝集パルプ層とし、もう一方の紙層を、例えば地合の良い紙層とすることで、全体的に単に地合の悪い多層紙ではなく、凝集パルプ層側の崩れた地合を模様として引き立たせることができる。また、3層以上の構造であれば、最外層の内側に位置する少なくとも1層の層を地合の良い紙層とすることで、最外層となる少なくとも一方の層の凝集パルプ層の崩れた地合を模様として引き立たせることができる。更には、凝集パルプ層は、その地合が崩れていることから、紙層としての強度は高くなく、凝集パルプ層のみで模様紙を形成した場合には、模様紙全体として強度が不足するおそれがある。そこで、凝集パルプ層と組み合わせた任意の紙層に強度を付与することにより、模様紙全体としての強度を向上させることもできる。
また、本発明に係る模様紙の模様をより引き立たせる方法として、最外層となる凝集パルプ層と、凝集パルプ層に接する任意の紙層とを異なる色彩に着色する方法がある。例えば、任意の紙層には着色染料や着色顔料を添加して有彩色に着色し、その上に最外層として着色していない又は任意の紙層とは異なる色に着色した凝集パルプ層を設けることで、凝集パルプ層の地合の崩れが模様として視認しやすくなり、模様としてより引き立たせることができる。
本発明に係る模様紙の坪量は、特に限定するものではなく、例えば50〜2000g/mの範囲とすることができる。ただし、凝集パルプ層は地合の崩れが模様として認識しやすい坪量であることが好ましく、20g/m以上であることが好ましい。また、前述した凝集パルプ層と、凝集パルプ層に接する任意の紙層とを異なる色彩に着色して模様をより引き立たせる場合には、凝集パルプ層の坪量を大きくしすぎると模様をより引き立たせる効果に乏しくなるため、その坪量は150g/m以下とすることが好ましい。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は、特に断らない限りそれぞれ固形分換算での質量部又は質量%を示す。
(実施例1)
<凝集パルプ層用の紙料の調整>
NBKP70部とLBKP30部からなるパルプ(フリーネス600mlCSF)を水中に分散してパルプスラリーを得た。該パルプスラリーにサイズ剤としてロジン系エマルジョンサイズ剤(商品名:AL1200/星光PMC社製)0.3部、紙力剤としてグラフト化澱粉(商品名:DG4204/星光PMC株式会社製)1部をそれぞれ添加して撹拌し、更にpH6.4となるように硫酸バンドを加えた後、重量平均分子量1200万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックSS−100/ハイモ社製)0.5部を添加して凝集パルプスラリーを得た。該凝集パルプスラリーの濃度を0.15%に調整して凝集パルプ層用の紙料を得た。
<非凝集パルプ層用の紙料の調製>
NBKP(フリーネス500mlCSF)100部を水中に分散してパルプスラリーとし、該パルプスラリーに紙力増強剤(商品名:DG4204/星光PMC社製)1部と、サイズ剤(商品名:星光AL1200/星光PMC社製)0.3部とを添加して撹拌し、非凝集パルプ層用の紙料を得た。
<模様紙の抄紙>
これらの2種類の紙料を用い、円網式抄紙機にて、凝集パルプ層/非凝集パルプ層の構成となるように2層抄合わせで湿紙を抄紙し、プレスにて脱水後、乾燥させた。その後、2本ロールサイズプレスにてポリアクリルアミド紙力剤(商品名:ST5000/星光PMC株式会社製)8%水溶液を、用紙の両面あたり50cc/m塗布した後、シリンダードライヤーにて乾燥し、坪量180g/m、含有水分率7%の模様紙を得た。尚、抄紙の際の凝集パルプ層用の紙料の円網バット内外のヘッド差は20mmであった。また、各層の坪量はそれぞれ90g/mであった。
(実施例2)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、NBKP30部とLBKP70部からなるパルプ(フリーネス600mlCSF)を用いてパルプスラリーを得た以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
(実施例3)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、パルプのフリーネスを500mlCSFとした以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
(実施例4)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、パルプのフリーネスを750mlCSFとした以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
(実施例5)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、重量平均分子量1200万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックSS−100/ハイモ社製)0.5部を、重量平均分子量1000万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックFA−230/ハイモ社製)0.5部に変更した以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
(実施例6)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、重量平均分子量1200万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックSS−100/ハイモ社製)0.5部を、重量平均分子量1400万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックV−330/ハイモ社製)0.5部に変更した以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
(実施例7)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、重量平均分子量1200万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックSS−100/ハイモ社製)の添加量を0.08部に変更した以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
(実施例8)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、重量平均分子量1200万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックSS−100/ハイモ社製)の添加量を0.9部に変更した以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
(実施例9)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、硫酸バンドを増添してpH5.0に調整した以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
(実施例10)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、硫酸バンドを減添してpH7.0に調整した以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
(実施例11)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、凝集パルプスラリーの濃度を0.07%に調整して凝集パルプ層用の紙料を得た以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
(実施例12)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、凝集パルプスラリーの濃度を0.25%に調整して凝集パルプ層用の紙料を得た以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
(実施例13)
凝集パルプ層用の紙料の調整を次のように変更した以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
<凝集パルプ層用の紙料の調整>
NBKP30部とLBKP70部からなるパルプ(フリーネス500mlCSF)を水中に分散してパルプスラリーを得た。該パルプスラリーにサイズ剤としてロジン系エマルジョンサイズ剤(商品名:AL1200/星光PMC社製)0.3部、紙力剤としてグラフト化澱粉(商品名:DG4204/星光PMC株式会社製)1部をそれぞれ添加して撹拌し、更にpH5.0となるように硫酸バンドを加えた後、重量平均分子量1000万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックFA−230/ハイモ社製)0.08部を添加して凝集パルプスラリーを得た。該凝集パルプスラリーの濃度を0.07%に調整して凝集パルプ層用の紙料を得た。
(実施例14)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、NBKP20部とLBKP80部からなるパルプ(フリーネス600mlCSF)を水中に分散してパルプスラリーとし、また、模様紙の抄紙において、凝集パルプ層用の紙料の円網バット内外のヘッド差を10mmとした以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
(比較例1)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、NBKP20部とLBKP80部からなるパルプ(フリーネス600mlCSF)を水中に分散してパルプスラリーとした以外は実施例13と同様にして模様紙を得た。
(比較例2)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、NBKP70部とLBKP30部からなるパルプ(フリーネスを400mlCSF)を水中に分散してパルプスラリーとした以外は実施例13と同様にして模様紙を得た。
(比較例3)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、重量平均分子量1000万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックFA−230/ハイモ社製)0.08部を、重量平均分子量800万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックMJ−500/ハイモ社製)0.08部に変更した以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
(比較例4)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、重量平均分子量1000万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックFA−230/ハイモ社製)の添加量を0.05部に変更した以外は実施例13と同様にして模様紙を得た。
(比較例5)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、硫酸バンドを増添してpH4.7に調整した以外は実施例13と同様にして模様紙を得た。
(比較例6)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、凝集パルプスラリーの濃度を0.04%に調整して凝集パルプ層用の紙料を得た以外は実施例13と同様にして模様紙を得た。
各実施例及び比較例で得た模様紙の評価結果を表1に示す。なお、評価については以下の方法で行った。
<ベック平滑度>
JIS P 8119:1998に準拠して模様紙の凝集パルプ層の表面の平滑度を測定した。
<風合い>
手による感触と視覚により模様紙の凝集パルプ層の表面の風合いを判断し5段階で評価した。5が最も風合いが豊かであり、1が最も風合いに劣る。
<地合指数>
アンバーテック社製βフォーメーションテスターを用いて模様紙の単位坪量を下記の測定ピッチで測定し、下記の計算式に従い坪量規格化標準偏差(n.s.d=normalized standard deviation)を指標とし地合指数とした。
坪量規格化標準偏差(g/m)1/2=坪量の標準偏差(g/m)/坪量(g/m1/2
測定条件:測定面積70mm×70mm、測定ピッチ1mm×1mm
表1に示すとおり、実施例1〜14で得られた模様紙は地合指数が0.7以上であり、凝集パルプ層の地合が模様として認識できるものであった。また、実施例1〜14においては、模様紙としての風合いも豊かであった。これに対して各比較例で得られた模様紙は地合指数が低く、凝集パルプ層の地合を模様として認識することは困難であった。さらに、これら比較例においては、より平滑であり模様紙としての風合いも劣っていた。
Figure 2016169445

Claims (6)

  1. pH5.0〜7.0に調整したパルプスラリーに、パルプに対してポリアルクリアミド系樹脂を0.08〜1.0質量%添加してパルプを凝集処理して凝集パルプスラリーとし、該凝集パルプスラリーを少なくとも一方の最外層となる紙層用の紙料として多層抄きで抄紙を行い、該凝集パルプスラリーを用いて抄紙した紙層の地合指数を0.7以上とすることを特徴とする模様紙の製造方法。
  2. 前記パルプスラリー含まれるパルプの28質量%以上がNBKPであることを特徴とする請求項1に記載の模様紙の製造方法。
  3. 前記パルプスラリーの濾水度(CSF)が480〜770mlであることを特徴とする請求項1又は2に記載の模様紙の製造方法。
  4. 前記ポリアクリルアミド系樹脂の重量平均分子量が1000万以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の模様紙の製造方法。
  5. 前記紙料の凝集パルプスラリーの濃度が0.05〜0.25質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の模様紙の製造方法。
  6. 請求項1〜5に記載の製造方法により製造された模様紙であって、該凝集パルプスラリーを用いて抄紙した紙層の地合指数が0.7以上2.0以下である、模様紙。
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