JP2016169433A - 冷間加工性と浸炭熱処理後の靱性に優れる浸炭用鋼板 - Google Patents

冷間加工性と浸炭熱処理後の靱性に優れる浸炭用鋼板 Download PDF

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Abstract

【課題】冷間加工性と浸炭熱処理後の靱性を兼備しつつ、機械構造部品の製造に使用される鋼材の低コスト化を実現しうる浸炭用鋼板を提供する。
【解決手段】板厚が2〜10mmであり、成分組成が、質量%で、C:0.05〜0.30%、Mn:0.3〜3.0%、Al:0.015〜0.1%、N:0.003〜0.030%をそれぞれ含み、残部は鉄および不可避的不純物からなり、鋼組織が、フェライトと炭化物からなり、前記フェライトについて、長軸/短軸で定義されるアスペクト比が3以下のフェライト結晶粒の個数が全フェライト結晶粒の個数の60%以上であるとともに、前記全結晶粒の平均結晶粒径が3〜50μmの範囲であり、かつ、前記炭化物について、前記長軸/短軸で定義されるアスペクト比が2以下の炭化物の個数が全炭化物の個数の80%以上であるとともに、前記全炭化物の平均円相当直径が0.6μm以下である浸炭用鋼板。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱処理前の加工中は良好な冷間加工性を示しつつ、浸炭熱処理後は良好な靱性を示す浸炭用鋼板に関し、詳しくは、自動車、電車、産業用機械などにおいて、鋼板からプレス成形工程を経て、さらに耐摩耗性や耐疲労特性を改善するため、浸炭焼入れまたは浸炭窒化焼入れ処理による表面硬質化処理の行なわれる機械構造部品、特にギア、クラッチプレート、ダンパー、ブレーキプレート、リクライニングシート、ドアロック部品などを製造するための素材として有用な浸炭用鋼板に関するものである。
近年、自動車の燃費向上に対するニーズや産業機械における高強度化(強度・靱性・耐久性向上)とコストダウンのニーズがますます強くなり、機械構造部品はより耐久性が高く、安価に製造できてことが求められている。このような機械構造部品に対する高強度化のニーズに対して、一般に用いられる鋼材およびその製造方法としては、棒鋼を熱間鍛造した鋼材(熱間鍛造材)が用いられ、切削と浸炭焼入れが採用されてきた(例えば、特許文献1参照)。また、浸炭焼入れ後の強度・靱性を確保するために、鋼材成分として高価なMoを添加したJIS−SCM420鋼などが一般的に採用されている。これに対し、部品製造工程におけるCOの排出量削減のため、これまで熱間鍛造によって加工されていた歯車などの部品の冷間鍛造化に関する要求も高まっている。さらにコストダウンの方法として、棒鋼を素材として切削加工するのではなく、鋼板を素材として打抜き、曲げ加工、絞り加工などのプレス成形も検討されている。また、鋼材価格自体もできるだけ低下させる要望がある。
一方、プレス成形性の評価としては穴広げ性が用いられる場合があるが、鋼板の穴広げ性を向上させる方法としては、球状化焼鈍によって炭化物を球状化し、そのサイズを適当な範囲に制御することで穴広げ性を改善する技術が多く知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2では、鋼板の打抜き性を向上させる方法として、球状炭化物の球状化率と平均粒径を規定することで打抜き性を改善できること、さらには、浸炭時に結晶粒が粗大化するのを防止するためにTiやBを添加してもよいことが開示されている。しかしながら、同文献に示された球状炭化物の規定範囲では、打抜き性の向上は十分でなく、特にC量が0.3質量%以下のときに部品の内部の強度を確保することが難しく、本発明が対象とするような高強度の部品には適用できない。
また、特許文献3では、フェライト平均粒径を1〜10μm、フェライト粒径の標準偏差を3.0μm以下、介在物の形状比を2.0以下とすることによって鋼板の伸びフランジ性を改善することが開示されている。しかしながら、同文献の実施例にも本発明が対象とするC量0.3%以下の鋼板は見当たらず、浸炭用としての使用を意図したものではなく、また、P量が多いため、仮に浸炭したとしても十分な靱性が得られない。
上記のように、良好な穴広げ性、高強度、さらに低コストの3つを高いレベルで兼ね備えた浸炭用鋼板についてはこれまでほとんど検討がなされていなかった。
特許第3094856号公報 特許第4465057号公報 特許第4276504号公報
そこで、本発明は、冷間加工性と浸炭熱処理後の靱性を兼備しつつ、機械構造部品の製造に使用される鋼材の低コスト化を実現しうる浸炭用鋼板を提供することを目的とする。
本発明の第1発明に係る浸炭用鋼板は、
板厚が2〜10mmであり、
成分組成が、
質量%で、
C :0.05〜0.30%、
Mn:0.3〜3.0%、
Al:0.015〜0.1%、
N :0.003〜0.030%をそれぞれ含み、
残部は鉄および不可避的不純物からなり、
鋼組織が、
フェライトと炭化物からなり、
前記フェライトについて、長軸/短軸で定義されるアスペクト比が3以下のフェライト結晶粒の個数が全フェライト結晶粒の個数の60%以上であるとともに、前記全結晶粒の平均結晶粒径が3〜50μmの範囲であり、かつ、
前記炭化物について、前記長軸/短軸で定義されるアスペクト比が2以下の炭化物の個数が全炭化物の個数の80%以上であるとともに、前記全炭化物の平均円相当直径が0.6μm以下である
ことを特徴とするものである。
本発明の第2発明に係る浸炭用鋼板は、
上記第1発明において、
成分組成が、質量%で、さらに、
Cr:0%超3.0%以下、
Mo:0%超1.0%以下、
Ni:0%超3.0%以下よりなる群から選択される少なくとも1種
を含むものである。
本発明の第3発明に係る浸炭用鋼板は、
上記第1または第2発明において、
前記不可避的不純物のうち、Si:0.5%以下、P:0.030%以下、S:0.035%以下であるものである。
本発明の第4発明に係る浸炭用鋼板は、
上記第1〜第3発明のいずれか1つの発明において、
成分組成が、質量%で、さらに、
Cu:0%超2.0%以下、
Co:0%超5%以下よりなる群から選ばれる少なくとも1種
を含むものである。
本発明の第5発明に係る浸炭用鋼板は、
上記第1〜第4発明のいずれか1つの発明において、
成分組成が、質量%で、さらに、
V:0%超0.5%以下、
Ti:0%超0.1%以下、
Nb:0%超0.1%以下よりなる群から選ばれる少なくとも1種
を含むものである。
本発明の第6発明に係る浸炭用鋼板は、
上記第1〜第5発明のいずれか1つの発明において、
成分組成が、質量%で、さらに、
Ca:0%超0.08%以下、
Zr:0%超0.08%以下よりなる群から選ばれる少なくとも1種
を含むものである。
本発明の第7発明に係る浸炭用鋼板は、
上記第1〜第6発明のいずれか1つの発明において、
成分組成が、質量%で、さらに、
Sb:0%超0.02%以下
を含むものである。
本発明の第8発明に係る浸炭用鋼板は、
上記第1〜第7発明のいずれか1つの発明において、
成分組成が、質量%で、さらに、
REM:0%超0.05%以下、
Mg:0%超0.02%以下、
Li:0%超0.02%以下、
Pb:0%超0.5%以下、
Bi:0%超0.5%以下よりなる群から選ばれる少なくとも1種
を含むものである。
本発明によれば、フェライト中に炭化物が分散した鋼組織において、フェライト結晶粒を等軸化かつ微細化するとともに、炭化物を球状化かつ微細化することで、冷間加工性を確保しつつ、浸炭熱処理後に所定の靱性が得られる浸炭用鋼板を提供できるようになった。また、これにより、機械構造部品の製造に使用される鋼材の低コスト化が実現できるようになった。
実施例で用いたシャルピー衝撃試験片の外観形状および寸法を示す、(a)は側面図、(b)は正面図である。
以下、本発明に係る浸炭用鋼板(以下、「本発明鋼板」、あるいは、単に「鋼板」ともいう。)について、さらに詳細に説明する。本発明鋼板は、上記特許文献1に記載された熱間鍛造材(高強度高靭性肌焼き用鋼)と成分組成が重複するが、鋼組織をフェライト中に炭化物が分散した組織としたうえで、フェライト結晶粒を等軸化かつ微細化すとともに、炭化物を球状化かつ微細化する点で異なっている。
〔本発明鋼板の板厚:2〜10mm〕
まず、本発明鋼板は、板厚が2〜10mmのものを対象とする。板厚が2mm未満では、構造体としての剛性が確保できなくなる。一方、板厚が10mmを超えると、本発明で規定する組織形態を達成することが難しく、所望の効果が得られなくなる。好ましい板厚は3〜9mm、さらに好ましい板厚は4〜7mmである。
次に、本発明鋼板を構成する成分組成について説明する。以下、化学成分の単位はすべて質量%である。
〔本発明鋼板の成分組成〕
<C :0.05〜0.30%>
Cは、最終的に得られる浸炭(もしくは浸炭窒化)焼入れ部品としての芯部強度を確保するうえで欠くことのできない元素であり、0.05%未満では十分な強度が得られなくなる。しかし、過剰に含有させると靭性が劣化するほか、被削性や冷間鍛造性が低下して加工性を損なうので0.30%を上限とする。Cの好ましい含有量は0.08〜0.25%の範囲である。
<Mn:0.3〜3.0%>
Mnは、溶鋼の脱酸に有効な元素であり、その効果を有効に発揮させるには0.3%以上含有させなければならないが、過度に含有させると、冷間加工性や被削性に悪影響を与えるとともに、結晶粒界への偏析量の増大によって粒界強度を低下させ、ひいては衝撃特性に悪影響を及ぼすようになるので、3.0%以下に抑えなければならない。Mnの好ましい含有量は0.5〜2.0%の範囲である。
<Al:0.015〜0.1%>
Alは鋼材の脱酸材として鋼中に含まれてくる元素であり、鋼中のNと結合してAlNを生成し、結晶粒の粗大化を防止する作用を有している。こうした効果を有効に発揮させるには0.015%以上含有させなければならないが、その効果は0.1%程度で飽和し、それを超えると酸素と結合して非金属系介在物となり、衝撃特性等に悪影響を及ぼすようになるので、0.1%を上限と定めた。 好ましくは0.08%以下であり、さらに好ましくは0.06%以下、特に好ましくは0.04%以下である。
<N :0.003〜0.030%>
Nは鋼中でAl,V,Ti,Nb等と結合して窒化物を生成し、結晶粒の粗大化を抑制する作用を有しており、その効果は0.003%以上含有させることによって有効に発揮される。好ましくは、0.005%以上である。しかし、それらの効果は約0.030%で飽和し、それ以上に含有させると窒化物が介在物となって物性に悪影響を及ぼすようになるので、それ以上の添加は避けなければならない。好ましくは0.02%以下であり、さらに好ましくは0.015%以下である。
本発明鋼板は上記成分を基本的に含有し、残部が鉄および不可避的不純物であるが、不可避的に混入してくるSi,PおよびSは、下記の理由からそれぞれできるだけ少なく抑えることが望ましい。
<Si:0.5%以下>
Siは、強化元素あるいは脱酸性元素として有効に作用する反面、粒界酸化を助長して曲げ疲労特性を劣化させるとともに冷間鍛造性にも悪影響を及ぼす。したがってこうした障害をなくすにはその含有量を0.5%以下に抑えなければならず、特に高レベルの曲げ疲労特性が求められるときは、その含有量を0.1%以下に抑えることが望まれる。こうした観点から、Siのより好ましい含有量は0.02〜0.1%の範囲である。
<P:0.030%以下>
Pは結晶粒界に偏析して靭性を低下させるので、その上限は0.030%と定めた。Pのより好ましい含有量は0.020%以下、さらに好ましくは0.010%以下である。
<S:0.035%以下>
SはMnSを生成し、被削性の向上に寄与するが、本発明を歯車等に適用する場合は、縦目の衝撃特性だけでなく横目の衝撃特性も重要であり、横目の衝撃特性向上には異方性の低減が必要となり、そのためにはS含有量を0.035%以下に抑えなければならない。Sのより好ましい含有量は0.025%以下、さらに好ましくは0.020%以下である。
また本発明鋼板には、上記の基本成分に加えて、本発明の作用を損なわない範囲で、以下の許容成分を含有させることができる。
<Cr:0%超3.0%以下、
Mo:0%超1.0%以下、
Ni:0%超3.0%以下よりなる群から選択される少なくとも1種>
これらの元素は、焼入性を高めあるいは焼入れ組織を微細化する作用を有する点で有用元素であり、特にCrは優れた焼入性向上効果を有しており、またMoは不完全焼入れ組織の低減と焼入性の向上、さらには粒界強度の向上に有効に作用し、さらにNiは焼入れ後の組織を微細化して耐衝撃性の向上に寄与する。こうした効果は、好ましくはCr:0.2%程度以上、Mo:0.08%程度以上、Ni:0.2%程度以上のうち少なくとも1種を含有させることによって有効に発揮されるが、Cr量が3.0%を超えるとCrが炭化物を生成して粒界偏析を起こし、粒界強度を低下させて靭性に悪影響を及ぼし、Moの上記効果は約1.0%で飽和し、またNiの上記効果も3.0%で飽和するので、それ以上の添加は経済的に全く無駄である。
<Cu:0%超2.0%以下、
Co:0%超5%以下よりなる群から選ばれる少なくとも1種>
Cuは耐食性の向上に有効に作用する元素であり、その効果は好ましくは0.3%以上含有させることによって有効に発揮されるが、その効果は2.0%で飽和するのでそれ以上の含有は無駄である。なおCuを単独で含有させると、鋼材の熱間加工性が悪くなる傾向があるので、こうした弊害を回避するには、熱間加工性向上効果を有するNiを前記含有量の範囲で併用することが望ましい。
またCuとCoは、いずれも鋼材をひずみ時効させ、硬化させる作用があり、加工後強度を向上させるのに有効な元素である。このような作用を有効に発揮させるためには、これらの元素は、それぞれ0.1%以上、さらには0.3%以上含有させることが好ましい。しかし、Coの含有量が過剰であると、鋼材をひずみ時効および硬化させる効果、さらに、加工後強度を向上させる効果が飽和し、また、割れを促進させるおそれがあるため、Coの含有量は5%以下、さらには4%以下、特に3%以下とすることが推奨される。
<V:0%超0.5%以下、
Ti:0%超0.1%以下、
Nb:0%超0.1%以下よりなる群から選ばれる少なくとも1種>
これらの元素はCやNと結合して炭化物や窒化物を生成し、結晶粒を微細化して靭性(耐衝撃性)の向上に寄与するが、それぞれ上限値付近でその効果は飽和し、かえって被削性や冷間加工性に悪影響を及ぼすおそれがでてくるので、それぞれ上限値以下に抑えなければならない。これら元素の添加効果を有効に発揮させるための好ましい下限値はV:0.03%程度、Ti:0.005%程度およびNb:0.005%程度である。
<Ca:0%超0.08%以下、
Zr:0%超0.08%以下よりなる群から選ばれる少なくとも1種>
Caは、硬質の介在物を柔軟な介在物で包み込み、またZrはMnSを球状化させ、いずれも被削性の向上に寄与するほか、両元素ともMnSの球状化による異方性の低減によって横目の衝撃特性を高める作用を有しているが、それらの効果はそれぞれ0.08%で飽和するので、それぞれ0.08%以下、さらには0.05%以下、特に0.01%以下とすることが推奨される。なおこれらの元素の上記効果を有効に発揮させるための好ましい下限値は、Ca:0.0005%程度(さらには0.001%程度)、Zr:0.002%程度である。
<Sb:0%超0.02%以下>
Sbは、粒界酸化を抑制して曲げ疲労強度を高めるうえで有効な元素であるが、その効果は0.02%で飽和するので、それ以上の添加は経済的に無駄である。該Sbの添加効果を有効に発揮させるための好ましい下限値は0.001%程度である。
<REM:0%超0.05%以下、
Mg:0%超0.02%以下、
Li:0%超0.02%以下、
Pb:0%超0.5%以下、
Bi:0%超0.5%以下よりなる群から選ばれる少なくとも1種>
REMは、Caと同様にMnSなどの硫化化合物系介在物を球状化させ、鋼の変形能を高めるとともに、被削性の向上に寄与する元素である。このような作用を有効に発揮させるためには、REMは、0.0005%以上、さらには0.001%以上含有させることが好ましい。しかし、過剰に含有しても、その効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できないため、0.05%以下、さらには0.03%以下、特に0.01質量%以下が推奨される。
なお、本発明において、REMとは、ランタノイド元素(LaからLnまでの15元素)およびSc(スカンジウム)とY(イットリウム)を含む意味である。これらの元素のなかでも、La、CeおよびYよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有することが好ましく、より好ましくはLaおよび/またはCeを含有するのがよい。
Mgは、Caと同様にMnSなどの硫化化合物系介在物を球状化させ、鋼の変形能を高めるとともに、被削性の向上に寄与する元素である。このような作用を有効に発揮させるためには、Mgは、0.0002%以上、さらには0.0005%以上含有させることが好ましい。しかし、過剰に含有しても、その効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できないため、0.02%以下、さらには0.015%以下、特に0.01%以下が推奨される。
Liは、Caと同様にMnSなどの硫化化合物系介在物を球状化させ、鋼の変形能を高めることができ、また、Al系酸化物を低融点化して無害化して被削性の向上に寄与する元素である。このような作用を有効に発揮させるためには、Liは、0.0002%以上、さらには0.0005%以上含有させることが好ましい。しかし、過剰に含有しても、その効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できないため、0.02%以下、さらには0.015%以下、特に0.01%以下が推奨される。
Pbは、被削性を向上させるために有効な元素である。このような作用を有効に発揮させるためには、Pbは0.005%以上、さらには0.01%以上含有させることが好ましい。しかし、過剰に含有させると、圧延疵の発生等の製造上の問題を生じるため、0.5%以下、さらには0.4%以下、特に0.3質量%以下が推奨される。
Biは、Pbと同様に、被削性を向上させるために有効な元素である。このような作用を有効に発揮させるためには、Biは0.005%以上、さらには0.01%以上含有させることが好ましい。しかし、過剰に含有させても被削性向上の効果が飽和するため、0.5質量%以下、さらには0.4%以下、特に0.3%以下が推奨される。
次に、本発明鋼板を特徴づける組織について説明する。
〔本発明鋼板の組織〕
上述したとおり、本発明鋼板は、フェライト中に炭化物を分散した鋼組織とするものであるが、特に、フェライト結晶粒につき、等軸化の程度とサイズをそれぞれ特定範囲に制御するとともに、炭化物につき、球状化の程度とサイズをそれぞれ特定範囲に制御することを特徴とする。
<鋼組織が、フェライトと炭化物からなる>
本発明鋼板は、後記「好ましい製造方法」のところで説明するように、例えばフェライト+パーライト主体組織の熱延板をさらに球状化焼鈍することにより製造されるものであることから、鋼組織は、フェライト中に炭化物(主としてセメンタイト)が分散(析出)したものとなる。
<前記フェライトについて、長軸/短軸で定義されたアスペクト比が3以下の結晶粒の個数が全結晶粒の個数の60%以上>
フェライト結晶粒の形状が等軸粒であることが、伸びフランジ性(穴広げ性)の向上と、熱処理後における表面から深い部分である板厚中心部の硬さ(内部硬さ)の確保の両立に必要である。このため、等軸粒である、アスペクト比(長軸/短軸)が3以下のフェライト結晶粒の個数を、全フェライト結晶粒の個数の60%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上とする。
<前記全結晶粒の平均結晶粒径が3〜50μmの範囲>
フェライト結晶粒が大きくなりすぎると、表面性状が悪化し、表面割れを起こすとともに、穴広げ性が劣化する。このため、全フェライト結晶粒の平均結晶粒径を、50μm以下、好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下とする。一方、下限値については、フェライト結晶粒は微細になるほど特性は良くなるが、圧延能力や冷却能力を高くする必要があり、生産性を低下させる。このため、全フェライト結晶粒の平均結晶粒径は3μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは7μm以上とする。
<炭化物について、長軸/短軸で定義されたアスペクト比が2以下の炭化物の個数が全炭化物の個数の80%以上であるとともに、前記全炭化物の平均円相当径が0.6μm以下>
炭化物が偏平化したり、粗大化したりすると、打抜き加工時に打ち抜き断面にき裂を発生させて部品になった際の品質低下につながるほか、さらに穴広げ加工をした場合にも破壊の起点となることから、炭化物を球状化かつ微細化する必要がある。このため、球状炭化物である、アスペクト比(長軸/短軸)が2以下の炭化物の個数を、全炭化物の個数の80%以上、好ましくは83%以上、さらに好ましくは85%以上とするとともに、全炭化物の平均円相当径を0.6μm以下、好ましくは0.55μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下とする。
ここに、「炭化物」は、主にFeCの構造をもつセメンタイトであるが、CrやV、Ti、Nb等が含有される場合は、これらの元素を固溶するセメンタイトやVC、TiC、NbCをも含むものとする。ただし、後述のSEM観察による炭化物サイズの測定において観察できない微細なVC、TiC、NbCなど(円相当径0.1μm未満)は含まないものとする。なお、このような円相当径が0.1μm未満の微細な炭化物は上記した打ち抜き加工性や穴広げ性に影響を及ぼすものでもない。
〔フェライト結晶粒のアスペクト比の測定方法〕
上記フェライト結晶粒について、最大フェレ径、最小フェレ径を測定し、その比(長軸/短軸)をアスペクト比と定義した。
〔平均フェライト結晶粒径の測定方法〕
上記走査型電子顕微鏡による撮像を画像解析することにより全フェライト結晶粒について個々の重心直径を求め、この重心直径を全結晶粒の個数で算術平均したものを、全フェライト結晶粒の平均結晶粒径とした。
〔炭化物のアスペクト比および平均円相当直径の測定方法〕
板厚の1/4深さ面を研磨およびエッチングしてSEM(走査型電子顕微鏡)試験片を作製し、8000倍の画像を4視野撮影し、写りこんだ炭化物のうち、画像解析ソフト(「Image−Pro Plus」 Media Cybernetics社製)によって、円相当径が0.1μm以上のものの全粒子のアスペクト比(長軸/短軸)および円相当直径を測定し、アスペクト比が2.0以下の粒子および全粒子の各個数をカウントしてその比率を算出するとともに、円相当直径の平均値を算出した。
次に、上記本発明鋼板を得るための好ましい製造方法を以下に説明する。
〔本発明鋼板の好ましい製造方法〕
本発明鋼板は、例えば、上記成分組成を有する原料鋼を溶解、鋳造してスラブとし、スラブまま、または、表面面削したスラブを、加熱、熱間粗圧延、仕上げ圧延の各工程を経て得られた熱延コイル上がり材としての熱延板を用い、この中間材としての熱延板にさらに球状化焼鈍を施した球状化材として製造することができる。その後、表面状態や板厚精度等の必要条件に応じて、さらに、酸洗、スキンパスを施してもよい。
ここで、球状化焼鈍前の鋼組織(すなわち、熱延板ままの鋼組織)が、面積率で、フェライト:10〜50%、パーライト:15〜50%、残部:ベイナイトからなり、前記フェライトおよびパーライトを含む全ての相の結晶粒(以下、「全結晶粒」という。)について、アスペクト比(長軸/短軸)が3以下の結晶粒の個数が前記全結晶粒の個数の60%以上であるとともに、前記全結晶粒の平均結晶粒径が3〜50μmの範囲であることが重要である。
なぜならば、最終的にはその後の球状化焼鈍を経て炭化物(主としてセメンタイト)の形態を所定の範囲に制御する必要があり、その前段階の組織としては、上記のように適度にフェライト、パーライトを含むことが必要である。仮にフェライトが多すぎるとフェライトが粗大化しやすくなるだけでなく、炭化物も粗大化しやすくなる。また、パーライトが多すぎる場合は、言い換えると熱間圧延後の冷却速度が不足している場合か合金元素が不足している場合であり、全体的に組織が粗大化するため、球状化焼鈍後のフェライトやセメンタイトが粗大化しやすくなる。逆にベイナイトが多すぎると鋼板の硬さが高くなりすぎて、操業上の取扱いが難しくなる。
[溶鋼の調製]
まず、溶存酸素量と全酸素量を調整した溶鋼に、所定の順番で所定の合金元素を添加することによって、所望の酸化物を生成させることができる。特に本発明では、粗大な酸化物が生成しないように、溶存酸素量を調整した後、全酸素量を調整することが極めて重要である。
溶存酸素とは、酸化物を形成しておらず、溶鋼中に存在するフリーな状態の酸素を意味する。全酸素とは、溶鋼に含まれる全ての酸素、すなわち、フリー酸素と酸化物を形成している酸素の総和を意味する。
まず、溶鋼の溶存酸素量を0.0010〜0.0060%の範囲に調整する。溶鋼の溶存酸素量が0.0010%未満では、溶鋼中の溶存酸素量が不足するため、Al−O系酸化物を所定量確保することができず、所望のサイズ分布が得られない。また、溶存酸素量が不足すると、REMを添加する場合は、REMが硫化物を形成するため、介在物が粗大となり特性を劣化させる原因となる。したがって、上記溶存酸素量は0.0010%以上とする。上記溶存酸素は、好ましくは0.0013%以上、より好ましくは0.0020%以上である。
一方、上記溶存酸素量が0.0060%を超えると、溶鋼中の酸素量が多くなりすぎるため、溶鋼中の酸素と上記元素の反応が激しくなって溶製作業上好ましくないばかりか、粗大な酸化物を生成して却って特性を劣化させる。したがって、上記溶存酸素量は0.0060%以下に抑えるべきである。上記溶存酸素量は、好ましくは0.0055%以下、より好ましくは0.0053%以下とする。
ところで、転炉や電気炉で一次精錬された溶鋼中の溶存酸素量は、通常0.010%を超えている。そこで本発明の製法では、溶鋼中の溶存酸素量を何らかの方法で上記範囲に調整する必要がある。
溶鋼中の溶存酸素量を調整する方法としては、例えばRH式脱ガス精錬装置を用いて真空C脱酸する方法や、SiやMn、Alなどの脱酸性元素を添加する方法などが挙げられ、これらの方法を適宜組み合わせて溶存酸素量を調整してもよい。また、RH式脱ガス精錬装置の代わりに、取鍋加熱式精錬装置や簡易式溶鋼処理設備などを用いて溶存酸素量を調整してもよい。この場合、真空C脱酸による溶存酸素量の調整はできないため、溶存酸素量の調整にはSi等の脱酸性元素を添加する方法を採用すればよい。Si等の脱酸性元素を添加する方法を採用するときは、転炉から取鍋へ出鋼する際に脱酸性元素を添加しても構わない。
溶鋼の溶存酸素量を0.0010〜0.0060%の範囲に調整した後は溶鋼を攪拌し、溶鋼中の酸化物を浮上分離することによって溶鋼中の全酸素量を0.0010〜0.0070%に調整する。このように本発明では、溶存酸素量が適切に制御された溶鋼を撹拌し、不要な酸化物を除去してから、粗大な酸化物、すなわち、粗大な介在物の生成を防止できる。
上記全酸素量が0.0010%未満では、所望の酸化物量不足になるため、介在物の微細なサイズ分布に寄与する酸化物量を確保することができない。したがって、上記全酸素量は0.0010%以上とする。上記全酸素量は、好ましくは0.0015%以上、より好ましくは0.0018%以上である。
一方、上記全酸素量が0.0070%を超えると、溶鋼中の酸化物量が過剰となり、粗大な酸化物、すなわち、粗大な介在物が生成して特性が劣化する。したがって、上記全酸素量は0.0070%以下に抑えるべきである。上記全酸素量は、好ましくは0.0060%以下、より好ましくは0.0050%以下とする。
溶鋼中の全酸素量は、概ね溶鋼の攪拌時間に相関して変化することから、撹拌時間を調整するなどして制御することができる。具体的には、溶鋼を撹拌し、浮上してきた酸化物を除去した後の溶鋼中の全酸素量を適宜測定しながら、溶鋼中の全酸素量を適切に制御する。
鋼材にREMを添加する場合は、溶鋼中の全酸素量を上記範囲に調整した後に、REMを添加してから鋳造する。全酸素量を調整した溶鋼へ上記の元素を添加することによって所望とする酸化物が得られる。
溶鋼へ添加するREMの形態は特に限定されず、例えば、REMとして、純Laや純Ce、純Yなど、あるいは純Ca、さらにはFe−Si−La合金、Fe−Si−Ce合金、Fe−Si−Ca合金、Fe−Si−La−Ce合金、Fe−Ca合金、Ni−Ca合金などを添加すればよい。また、溶鋼へミッシュメタルを添加してもよい。ミッシュメタルとは、セリウム族希土類元素の混合物であり、具体的には、Ceを40〜50%程度、Laを20〜40%程度含有している。ただし、ミッシュメタルには不純物としてCaを含むことが多いので、ミッシュメタルがCaを含む場合は、本発明で規定する好適範囲を満足する必要がある。
本発明でREMを添加した場合は、粗大な酸化物の除去を促進する目的で、REMを添加した後は、40分を超えない範囲で溶鋼を攪拌することが好ましい。攪拌時間が40分を超えると、微細な酸化物が溶鋼中で凝集・合体するため酸化物が粗大化し、特性が劣化する。したがって、攪拌時間は40分以内とすることが好ましい。攪拌時間は、より好ましくは35分以内であり、さらに好ましくは30分以内である。溶鋼の攪拌時間の下限値は特に限定されないが、攪拌時間が短過ぎると添加元素の濃度が不均一となり、鋼材全体として所望の効果が得られない。したがって、容器サイズに応じた所望の攪拌時間が必要となる。
以上のようにして、成分組成が調整された溶鋼が得られる。得られた溶鋼を用いて鋳造し、鋼片を得る。
次に、加熱、仕上げ圧延を含む熱間圧延、熱延後の急冷、急冷停止後の緩冷、緩冷後の急冷、巻取りを行って中間材としての熱延板を製造する。
[加熱]
熱間圧延前の加熱は1150〜1300℃で行う。この加熱によりオーステナイト単相とする。これにより固溶元素(V、Nbなどの添加元素を含む)は、オーステナイトに固溶させる。加熱温度が1150℃未満ではオーステナイトに固溶できず、粗大な炭化物が形成されるため疲労特性改善効果が得られない。一方、1300℃を超える加熱温度は操業上困難である。また、添加元素としてTiが含まれる場合、炭化物のうち最も溶体化温度の高いTiを固溶させる点でも、TiCの溶体化温度以上1300℃以下が必要である。加熱温度のより好ましい下限は1200℃である。
[熱間粗圧延]
粗圧延では、本発明で規定する所定形状の等軸粒の存在割合を確保するため、再結晶オーステナイトの組織制御を行う。粗圧延温度は、以後の仕上げ圧延の温度確保も考慮して900〜1200℃とし、粗圧延でのオーステナイト粒の微細化、繰り返し再結晶化させることで、所定形状の等軸粒の存在割合を制御することができる。粗圧延温度は、より好ましくは900〜1100℃、さらに好ましくは900〜1000℃である。
[熱間仕上げ圧延]
熱間圧延は、仕上げ圧延温度が800℃以上になるように行う。仕上げ圧延温度を低温化しすぎるとフェライト変態が高温で起るようになり、フェライト中の析出炭化物が粗大化するため、一定以上の仕上げ圧延温度が必要である。仕上げ圧延温度は、オーステナイト粒を粗大化してベイナイトの粒径を大きくするため、850℃以上とするのがより好ましい。
[熱間仕上げ圧延の入り側温度と出側温度の差]
熱間仕上げ圧延の入り側温度と出側温度の差を150℃以下とする。この温度差が150℃を超える場合は、仕上げ圧延前の温度が高い場合であり、結晶粒(オーステナイト粒)が粗大になるとともに、仕上げ圧延中に生成する再結晶粒も大きくなりやすい。また入側と出側の温度差が大きい場合は、仕上げ圧延中に生成する再結晶組織が不均一になりやすく、アスペクト比が大きい結晶粒が残存しやすい。これらの理由により、アスペクト比が3以下の結晶粒の個数が全結晶粒の個数の60%未満となる。この温度差は、より好ましくは100℃以下である。
[熱延後の急冷]
上記仕上げ圧延終了後、5s以内に20℃/s以上の冷却速度(急冷速度)で急冷し、580℃以上670℃未満の温度(急冷停止温度)で急冷を停止する。フェライト変態の開始温度を低温化することによりフェライト中に形成される析出炭化物を微細化するためである。冷却速度(急冷速度)が20℃/s未満ではパーライト変態が促進され、または、急冷停止温度が580℃未満ではパーライト変態またはベイナイト変態が促進され、冷間加工性が低下する。一方、急冷停止温度が670℃以上になるとフェライト中の析出炭化物が粗大化してしまい、耐疲労特性が確保できない。急冷停止温度は、好ましくは600〜650℃、さらに好ましくは610〜640℃である。
[急冷停止後の緩冷]
上記急冷停止後は、5℃/s以上20℃/s未満の冷却速度(緩冷速度)で緩冷する。緩冷速度を5℃/s以上とすることで、熱延中における初析フェライトの形成を抑制し、フェライト中の析出炭化物を適度に微細化させること、熱延板での結晶粒組織を制御することにより、最終鋼板における集合組織形態を制御するためである。緩冷速度が5℃/s未満では、初析フェライトの形成量が多くなり、粗大粒が生成するとともに、最終鋼板で粗大粒が生成し、炭化物の不均一状態を生じ、冷間加工性を劣化させる。
[緩冷後の急冷、巻取り]
上記緩冷後、550℃超650℃以下で巻き取る。巻取り温度が650℃超では、表面酸化スケールが多く形成され、表面性状が劣化し、一方550℃未満では、マルテンサイトが多く形成され、冷間加工性が低下する。
以上のようにして熱延板が製造される。製造された熱延板に対して、さらに球状化焼鈍を施すことで、本発明鋼板が得られる。
[球状化焼鈍]
球状化焼鈍の条件は、通常よりも低温・短時間とすることが必要である。すなわち、加熱温度は705〜740℃とし、保持時間は加熱温度に応じて2〜6時間とし、その後の680℃までの平均冷却速度は0.001〜0.01℃/sとするとよい。加熱温度が高すぎると、炭化物(主としてセメンタイト)が粗大化しやすく、一方加熱温度が低すぎるとパーライトが残存して炭化物のアスペクト比が大きくなりやすい。平均冷却速度が上記規定範囲内になるように途中で等温保持してもよい。平均冷却速度が0.01℃/sを超えると再生パーライトが生成して球状炭化物のアスペクト比が大きくなる。一方平均冷却速度が0.001℃/sを下回ると工業的に時間がかかりすぎるだけでなく、球状炭化物が粗大化しやすくなる。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
下記表1に示す成分組成の鋼を真空溶解法により溶製し、厚さ120mmのインゴットに鋳造し、これを下記表2に示す条件にて熱間圧延して熱延板を作製した後、さらに球状化焼鈍を施し、球状化材を作製した。なお、いずれの試験においても、熱間圧延における急冷停止後の冷却は10℃/s以下の冷却速度で5〜20s緩冷する条件であった。
真空溶解炉(容量150kg)を用い、表1に示した化学成分を含有する供試鋼を溶製し、150kgのインゴットに鋳造して冷却した。真空溶解炉で供試鋼を溶製するに当っては、Al、REM、Ca以外の元素について成分調整するとともに、C,SiおよびMnから選ばれる少なくとも1種の元素を用いて脱酸して溶鋼の溶存酸素量を調整した。溶存酸素量を調整した溶鋼を1〜10分程度攪拌して溶鋼中の酸化物を浮上分離させることによって溶鋼の全酸素量を調整した。
なお、REMおよびCaを添加する場合は、添加全酸素量を調整した溶鋼に添加することによって成分調整した溶鋼を得た。なお、REMはLaを約25%とCeを約50%含有するミッシュメタルの形態で、CaはNi−Ca合金、またはCa−Si合金、またはFe−Ca圧粉体の形態で、それぞれ添加した。
そして、得られたインゴットを表2に示す各条件で熱間圧延して所定板厚の熱延上がり板を作製し、さらに球状化焼鈍を施して球状化材を製造した。
このようにして得られた球状化材について、上記[発明を実施するための形態]の項で説明した測定方法により、フェライト結晶粒のアスペクト比、結晶粒径、およびその個数、ならびに、炭化物のアスペクト比、円相当直径、およびその個数を調査した。
また、上記各球状化材について、冷間加工性を評価するため、穴広げ率を測定し、穴広げ率が48%以上のものを合格とした。
また、上記各球状化材から、圧延方向が試験片の長手方向に、板厚方向が試験片の幅方向にそれぞれなるように幅5mmのサブサイズシャルピー試験片(図1参照)を切り出し、Rノッチのある面以外を銅めっきして浸炭させないようにした(すなわち、Rノッチのある面のみ浸炭させるようにした)うえで、以下の条件で浸炭熱処理を施した。
〔浸炭熱処理条件〕
カーボンポテンシャル(CP値)=0.8%のガス雰囲気中で、900℃×2.5h保持後さらに850℃×0.5h保持して浸炭処理を施した後、100℃で油焼き入れをし、その後160℃×2h保持して焼き戻し処理を施した後、空冷した。
<浸炭熱処理後の靱性>
そして、浸炭熱処理後の靱性を評価するため、上記各試験片についてシャルピー衝撃試験を実施し、衝撃値50J/cm以上を合格とした。
<浸炭熱処理後の内部硬さ>
また、浸炭熱処理後の材料強度を評価するため、内部硬さとして、ビッカース硬さ試験機を用いて、測定位置:上記各シャルピー試験片の長手方向端面から15mm位置の断面中央部を、荷重:10kg、測定回数:5回の条件で、ビッカース硬さ(Hv)を測定し、300Hv以上のものを合格とした。
これらの測定結果を下記表3に示す。
上記表3に示すように、鋼No.1、2、6〜20はいずれも、本発明の成分組成規定の要件を満足する鋼種を用い、推奨の熱間圧延条件および球状化焼鈍条件で製造した結果、本発明の組織規定の要件を充足する発明鋼であり、穴広げ率ならびに浸炭熱処理後の衝撃値および内部硬さはすべて合格基準を満たしており、良好な冷間加工性を確保しつつ、浸炭熱処理後は所定の靱性と内部硬さを示す浸炭用鋼板が得られることが確認できた。
これに対し、鋼No.3〜5、21〜29は本発明で規定する成分組成および組織の要件のうち少なくともいずれかを満足しない比較鋼であり、穴広げ率ならびに浸炭熱処理後の靱性および内部硬さのうち少なくともいずれかが合格基準を満たしていない。
例えば、鋼No.3は、成分組成の要件は満たしているものの、熱延前の加熱温度が推奨範囲を外れて低すぎるため、熱延板の段階でパーライトが過剰に形成され、その結果、球状化材の段階でフェライト結晶粒が偏平化し、穴広げ性が劣っている。
また、鋼No.4は、成分組成の要件は満たしているものの、熱延後の板厚が規定範囲を外れて大きすぎるため、熱延板の段階でフェライトが過剰に形成され、その結果、球状化材の段階でフェライト結晶粒が粗大化し、穴広げ性が劣っている。
また、鋼No.5は、成分組成の要件は満たしているものの、仕上げ圧延における入側温度と出側温度の差が推奨範囲を外れて大きすぎ、フェライト結晶粒が偏平化し、穴広げ性が劣っている。
また、鋼No.21(鋼種q)は、熱延条件は推奨範囲にあるものの、C含有量が低すぎるため、熱延板の段階でフェライトが過剰に形成され、浸炭熱処理後の内部硬さが劣っている。
一方、鋼No.22(鋼種r)は、熱延条件は推奨範囲にあるものの、C含有量が高すぎるため、熱延板の段階でパーライトが過剰に形成されて、球状化材の段階でフェライト結晶粒が偏平化し、穴広げ性と浸炭熱処理後の靱性が劣っている。
また、鋼No.23(鋼種s)は、熱延条件は推奨範囲にあるものの、Mn含有量が低すぎ、フェライト結晶粒が偏平化し、浸炭熱処理後の内部硬さが劣っている。
一方、鋼No.24(鋼種t)は、熱延条件は推奨範囲にあるものの、Mn含有量が高すぎ、熱延板の段階でフェライトの形成が不足する一方でパーライトが過剰に形成され、球状化材の段階で穴広げ性が劣っている。
また、鋼No.25(鋼種u)は、熱延条件は推奨範囲にあるものの、Al含有量が低すぎ、穴広げ性が劣っているとともに、溶製段階で脱酸不足により酸化物系介在物が増加すると推定されることから靱性も劣っている。
一方、鋼No.26(鋼種v)は、熱延条件は推奨範囲にあるものの、Al含有量が高すぎ、穴広げ性が劣っているとともに、固溶Alが脆化要因となって靱性も劣化している。
また、鋼No.27(鋼種w)は、熱延条件は推奨範囲にあるものの、N含有量が高すぎ、穴広げ性が劣っているとともに、固溶Nが脆化要因となって靱性も劣化している。
鋼No.28は、球状化焼鈍の加熱保持時間が長すぎるため、炭化物が粗大化して、穴広げ性が劣っている。
また、鋼No.29は、球状化焼鈍の加熱温度が高すぎるとともに加熱保持後の冷却速度が大きすぎるため、再生パーライトが生成して炭化物が偏平化し、穴広げ性が劣っている。
以上より、本発明の適用性が確認できた。

Claims (8)

  1. 板厚が2〜10mmであり、
    成分組成が、
    質量%で、
    C :0.05〜0.30%、
    Mn:0.3〜3.0%、
    Al:0.015〜0.1%、
    N :0.003〜0.030%をそれぞれ含み、
    残部は鉄および不可避的不純物からなり、
    鋼組織が、
    フェライトと炭化物からなり、
    前記フェライトについて、長軸/短軸で定義されるアスペクト比が3以下のフェライト結晶粒の個数が全フェライト結晶粒の個数の60%以上であるとともに、前記全結晶粒の平均結晶粒径が3〜50μmの範囲であり、かつ、
    前記炭化物について、前記長軸/短軸で定義されるアスペクト比が2以下の炭化物の個数が全炭化物の個数の80%以上であるとともに、前記全炭化物の平均円相当直径が0.6μm以下である
    ことを特徴とする冷間加工性と浸炭熱処理後の靱性に優れる浸炭用鋼板。
  2. 成分組成が、質量%で、さらに、
    Cr:0%超3.0%以下、
    Mo:0%超1.0%以下、
    Ni:0%超3.0%以下よりなる群から選択される少なくとも1種
    を含むものである請求項1に記載の浸炭用鋼板。
  3. 前記不可避的不純物のうち、Si:0.5%以下、P:0.030%以下、S:0.035%以下である請求項1または2に記載の浸炭用鋼板。
  4. 成分組成が、質量%で、さらに、
    Cu:0%超2.0%以下、
    Co:0%超5%以下よりなる群から選ばれる少なくとも1種
    を含むものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の浸炭用鋼板。
  5. 成分組成が、質量%で、さらに、
    V:0%超0.5%以下、
    Ti:0%超0.1%以下、
    Nb:0%超0.1%以下よりなる群から選ばれる少なくとも1種
    を含むものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の浸炭用鋼板。
  6. 成分組成が、質量%で、さらに、
    Ca:0%超0.08%以下、
    Zr:0%超0.08%以下よりなる群から選ばれる少なくとも1種
    を含むものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の浸炭用鋼板。
  7. 成分組成が、質量%で、さらに、
    Sb:0%超0.02%以下
    を含むものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の浸炭用鋼板。
  8. 成分組成が、質量%で、さらに、
    REM:0%超0.05%以下、
    Mg:0%超0.02%以下、
    Li:0%超0.02%以下、
    Pb:0%超0.5%以下、
    Bi:0%超0.5%以下よりなる群から選ばれる少なくとも1種
    を含むものである請求項1〜7のいずれか1項に記載の浸炭用鋼板。
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