JP2016168699A - 樹脂複合型石膏ボードの製造方法およびそれによって得られた樹脂複合型石膏ボード - Google Patents

樹脂複合型石膏ボードの製造方法およびそれによって得られた樹脂複合型石膏ボード Download PDF

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Kazuhisa Yamamoto
和久 山本
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Abstract

【課題】石膏ボードの廃材を再利用して樹脂と複合化させることにより、可撓性および難燃性を有する樹脂複合型石膏ボードを提供する。【解決手段】廃石膏に、自動車等の合わせガラスから回収されるポリビニルブチラール樹脂、食品用ラップの製造時のロスとして排出されるポリ塩化ビニリデン樹脂とを付加させ、撹拌・粉砕・加熱機構を有する溶融混練押出機を用いて混練造粒する。次に混練造粒された混合物をカレンダー成形機やTダイ成形機を用いてボード成形し、成形品を得る。【選択図】図1

Description

本発明は、石膏ボードの廃材にポリビニルブチラール樹脂およびポリ塩化ビニリデン樹脂を複合化し、樹脂複合型石膏ボードとして再利用する技術に関するものである。
〔石膏ボードのリサイクル技術〕
石膏ボードは経済性に優れ、耐火性、断熱性、遮音性を有することから建築用材料として多用されている。その生産量は年間500万トンを超えている。一方、廃材として廃棄される量は、年間170万トンを超える状況にある。
石膏ボード廃材の一部は、リサイクル材として再生され新たな石膏ボードとして再利用されている。その手法として、例えば下記の特許文献1(特開2010−209237号公報)が提案されている。しかしながら、もともと石膏には結晶水として20%程度の水分が含まれる。この水分を除去して再生するためにかかるコストが割高であり、大半が管理型の最終処分場に埋め立てられているのが現状である。
このように、産業廃棄物として大量に排出される石膏ボードの廃材が、環境問題に発展している。現状のリサイクル手法は、廃材による環境問題を根本的に解決するには至っておらず、有効なリサイクル手法の開発が切望されている。
〔ポリビニルブチラール樹脂のリサイクル技術〕
一方、自動車のフロントガラスや防犯ガラス等には、割れた時に飛散を防止する合わせガラスが使用されている。この合わせガラスは、2枚のガラスの間にポリビニルブチラール樹脂からなる中間膜を挟み込んで接合したものである。
自動車リサイクル法や建築リサイクル法の施行に伴い、上記の合わせガラスも粉砕してガラスカレットとして再利用されている。ところが、上記中間膜の部分は、微細ガラスが強固に付着しており、その分離が困難である。ガラスと樹脂を分離するには、溶剤に樹脂を溶かすなどの方法が提案されている(例えば下記の特許文献2:特開2005−193443号公報)。しかしながら、このような溶剤を用いる手法は、コスト高であるうえ環境負荷も高いことから、樹脂が付着したガラスは、シュレッダーダストとして埋め立て処理されているのが現状である。このように、ポリビニルブチラール樹脂は、樹脂のなかでも再利用化が遅れている。
〔ポリ塩化ビニリデン樹脂のリサイクル技術〕
さらに、食品用ラップに広く用いられているポリ塩化ビニリデン樹脂も、フィルム成形時の熱安定性に弱く、再利用が困難な材料である。再利用を可能とするために、変成させた特殊な素材が提案されている(例えば下記の特許文献3:特開2007−291297号公報)。しかしながら、特殊な素材を使用することはコスト高であり、ラップフィルムスリット時のフィルム端材などは、産業廃棄物として処分されているのが実情である。このように、ポリ塩化ビニリデン樹脂は、樹脂のなかでも再利用化が遅れている。
特開2010−209237号公報 特開2005−193443号公報 特開2007−291297号公報
上述したように、石膏ボード廃材は、結晶水として含まれる20%もの水分の除去がコスト的なネックになってリサイクルが進んでいない。また、ポリビニルブチラール樹脂廃材、ポリ塩化ビニリデン廃材の個々についても、コストが要因となってリサイクルが進んでいないのが実情である。つまり、いかに環境に優しいといっても、経済性に劣るリサイクルは、市場に受け入れられないのである。そのため、コスト面からリサイクルが進まなかったこれらの廃材を、安価に再利用する手法の開発が望まれている。
より詳しく説明する。石膏廃材を、タルクや炭酸カルシウムと同様の樹脂充填材として用いる試みは種々なされている。ところが、なかなか実用化には至っていないのが現状である。その要因は、タルクや炭酸カルシウムの含水率がほぼ0%であるのに対し、石膏廃材には結晶水として20%以上もの水分が含まれるからである。このため、造粒時の加熱で蒸発する水分により、造粒物が発泡して強度低下を招いたり、そもそも造粒自体が不可能であったりする。
そこで、石膏廃材を樹脂充填材として用いるためには、予め焼成などにより石膏廃材(二水石膏)を焼石膏(半水石膏)にする必要がある。さらに、大気中の水分を吸って継時的に水分量が増えるため、焼成後ただちに造粒を行わなければならない。このため、焼成にかかるエネルギーコストがかさみ、大規模な設備が必要である等の問題があった。
本発明は、溶融混練押出機によってこれらの問題を解決するものである。
本発明は、上記のような事情に鑑みなされたもので、つぎの目的をもつ。
石膏ボードの廃材を再利用して樹脂と複合化させることにより、可撓性および難燃性を有する樹脂複合型石膏ボード製造方法とそれによって得られた樹脂複合型石膏ボードを提供する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の樹脂複合型石膏ボードの製造方法は、つぎの構成を採用した。
廃石膏、ポリビニルブチラール樹脂およびポリ塩化ビニリデン樹脂を複合化してなる組成物を、ボード状に成形する。
請求項2記載の樹脂複合型石膏ボードの製造方法は、請求項1記載の構成に加えてつぎの構成を採用した。
原料である上記廃石膏、上記ポリビニルブチラール樹脂および上記ポリ塩化ビニリデン樹脂を加熱しながら撹拌し、
上記攪拌された上記原料を溶融混練押出する際に、ベント部から水分を排出しながら行い、上記組成物とする。
上記目的を達成するため、請求項3記載の樹脂複合型石膏ボードは、つぎの構成を採用した。
廃石膏、ポリビニルブチラール樹脂およびポリ塩化ビニリデン樹脂を複合化してなる組成物が、ボード状に成形されてなる。
請求項4記載の樹脂複合型石膏ボードの製造方法は、請求項3記載の構成に加えてつぎの構成を採用した。
上記廃石膏を50重量%以上70重量%未満含む。
請求項5記載の樹脂複合型石膏ボードの製造方法は、請求項3または4記載の構成に加えてつぎの構成を採用した。
上記ポリビニルブチラール樹脂と上記ポリ塩化ビニリデン樹脂を合わせて30重量%以上50重量%以下含む。
請求項6記載の樹脂複合型石膏ボードの製造方法は、請求項3〜5のいずれか一項に記載の構成に加えてつぎの構成を採用した。
上記ポリビニルブチラール樹脂を20±5重量%、上記ポリ塩化ビニリデン樹脂を20±5重量%含む。
請求項1記載の発明は、廃石膏、ポリビニルブチラール樹脂およびポリ塩化ビニリデン樹脂を複合化してなる組成物を、ボード状に成形する樹脂複合型の石膏ボードの製造方法である。このようにして得られた樹脂複合型の石膏ボードは、主材となる廃石膏に、無機物との接着性および柔軟性に優れてバインダーとなるポリビニルブチラール樹脂、およびポリビニルブチラール樹脂に対する相容性および難燃性に優れるポリ塩化ビニリデン樹脂が複合化されている。このため、難燃性と可撓性を兼ね備え、曲面壁などにも利用可能である。また、ポリビニルブチラール樹脂およびポリ塩化ビニリデン樹脂として廃材を用いることもできる。これらを安価にリサイクルして再利用し、安価で可撓性を有する石膏ボードとなる。
請求項2記載の発明は、まず、原料である上記廃石膏、上記ポリビニルブチラール樹脂および上記ポリ塩化ビニリデン樹脂を加熱しながら撹拌する。このとき、上記廃石膏が加熱されることにより、廃石膏に含まれる水分をある程度蒸発させ、水分量を減少させる。ついで、上記攪拌された上記原料を溶融混練押出する際に、ベント部から水分を排出しながら行い、上記組成物とする。このとき、廃石膏に残存する水分が十分に排出される。このようにして得られた組成物は、熱可塑性を有する造粒物となる。この造粒物をカレンダー成形機やTダイ成形機を用いてボード成形することで石膏ボードを得ることができる。このようにして得られた石膏ボードは、可撓性と難燃性を兼ね備え、曲面への施工も容易でかつ、所定の難燃性能もクリアすることができる。また、廃石膏に含まれる水分を工程のなかで確実かつ容易に除去し、新たな付加価値のある石膏ボードへとリサイクルすることができる。
請求項3記載の発明は、廃石膏、ポリビニルブチラール樹脂およびポリ塩化ビニリデン樹脂を複合化してなる組成物が、ボード状に成形されてなる。主材となる廃石膏に、無機物との接着性および柔軟性に優れてバインダーとなるポリビニルブチラール樹脂、およびポリビニルブチラール樹脂に対する相容性および難燃性に優れるポリ塩化ビニリデン樹脂が複合化されている。このため、難燃性と可撓性を兼ね備え、曲面壁などにも利用可能である。また、ポリビニルブチラール樹脂およびポリ塩化ビニリデン樹脂として廃材を用いることもできる。これらを安価にリサイクルして再利用し、安価で可撓性を有する石膏ボードとなる。
請求項4記載の発明は、上記廃石膏を50重量%以上70重量%未満含む。これにより、得られる石膏ボードの十分な可撓性を確保できる。廃石膏が70重量%以上になると、十分な可撓性が得られず、成形したボードが割れやすくなる。一方、廃石膏が少なすぎると、そのリサイクルの意味が薄れる。
請求項5記載の発明は、上記ポリビニルブチラール樹脂と上記ポリ塩化ビニリデン樹脂を合わせて30重量%以上50重量%以下含む。これにより、得られる石膏ボードの十分な可撓性を確保できる。ポリビニルブチラール樹脂と上記ポリ塩化ビニリデン樹脂の合計が30重量%未満では、廃石膏が多すぎて十分な可撓性が得られず、成形したボードが割れやすくなる。一方、ポリビニルブチラール樹脂と上記ポリ塩化ビニリデン樹脂の合計が多すぎると、廃石膏が少なすぎ、そのリサイクルの意味が薄れる。
請求項6記載の発明は、上記ポリビニルブチラール樹脂を20±5重量%、上記ポリ塩化ビニリデン樹脂を20±5重量%含む。これにより、得られる石膏ボードについて十分な可撓性と難燃性を確保できる。
本発明の樹脂複合型石膏ボードを製造する装置の一例である。
つぎに、本発明を実施するための形態を説明する。
〔概要〕
本発明の樹脂複合型石膏ボードの製造方法および樹脂複合型石膏ボードは、廃石膏、ポリビニルブチラール樹脂およびポリ塩化ビニリデン樹脂を複合化してなる組成物を、ボード状に成形してなる。
〔廃石膏〕
上記廃石膏は、たとえば使用済みの石膏ボードを粉砕して用いることができる。使用済みの石膏であれば、石膏ボードに由来するものに限定するものではない。
〔ポリビニルブチラール樹脂〕
上記ポリビニルブチラール樹脂は、合わせガラスの中間膜に用いられているように、非常に柔軟かつ強靭で、ガラスや金属および無機充填材との界面接合性に優れている。そのため廃石膏を高充填できるとともに、その柔軟性から複合型石膏ボードに可撓性を与えている。
上記ポリビニルブチラール樹脂は、バージン材を用いることもできるし、リサイクル材を用いることもできる。
〔ポリ塩化ビニリデン樹脂〕
上記ポリ塩化ビニリデン樹脂は、一単位のモノマーに2個の塩素原子を有し、ポリ塩化ビニル樹脂より難燃性が高く、樹脂のなかでは、ポリテトラフルオロエチレン樹脂に次ぐ高い難燃性を有する。さらに、ポリビニルブチラール樹脂との相容性に優れ、本発明の樹脂複合型石膏ボードに難燃性を付与することができる。
上記ポリ塩化ビニリデン樹脂は、バージン材を用いることもできるし、リサイクル材を用いることもできる。
〔その他の添加剤〕
本発明の可撓性石膏ボードの難燃性を上げる目的として、その他の樹脂用の難燃剤を添加することができる。その樹脂用の難燃剤としては、ハロゲン系・リン系などの有機系難燃剤、金属水酸化物・アンチモン系などの無機系難燃剤などの公知のものを用いることができる。
ポリ塩化ビニリデン樹脂の熱分解を抑えるための熱安定剤として、カルシウム・亜鉛などの各種金属塩や有機スズ化合物、エポキシ化合物を用いることができる。熱安定剤として特に、可撓性の観点からポリ塩化ビニリデン樹脂の可塑効果も有するエポキシ化大豆油が好ましい。その添加量は、ポリ塩化ビニリデン樹脂100重量部に対し3〜5重量部が好ましい。
〔配合〕
本発明の樹脂複合型石膏ボードでは、上記廃石膏を50重量%以上70重量%未満含むことが好ましい。
本発明は、石膏ボードに関するものであるから、少なくとも廃石膏を50重量%以上、好ましくは60%以上含有したものであることが求められる。これにより、得られる石膏ボードの十分な可撓性を確保できる。廃石膏が70重量%以上になると、十分な可撓性が得られず、成形したボードが割れやすくなる。一方、廃石膏が少なすぎると、そのリサイクルの意味が薄れる。
廃石膏に樹脂を複合化した組成物に熱可塑性を発現させるため、樹脂成分を選択しなければならない。一般に、タルクや炭酸カルシウムなどの充填材を樹脂に含有させるのは、剛性を上げる効果を得ることが目的である。石膏廃材についても同等の効果を目的として、過去に種々検討されてきた。一般的な樹脂の代表であるオレフィン系樹脂の充填材として石膏廃材を用いた場合、タルクや炭酸カルシウムに比べて樹脂との界面接合性に劣る。このため、20〜30重量%程度の低充填率ではさほど欠点が見られないが、50〜60重量%以上の高充填率になると、剛性は上がるものの、製品が脆く簡単に脆性破壊してしまう。
そこで、本発明では、上記ポリビニルブチラール樹脂と上記ポリ塩化ビニリデン樹脂を配合したのである。
本発明の樹脂複合型石膏ボードでは、上記ポリビニルブチラール樹脂と上記ポリ塩化ビニリデン樹脂を合わせて30重量%以上50重量%以下含むことが好ましい。
また、本発明の樹脂複合型石膏ボードでは、上記ポリビニルブチラール樹脂を20±5重量%、上記ポリ塩化ビニリデン樹脂を20±5重量%含むことが好ましい。
上記ポリビニルブチラール樹脂の配合量が、上記の範囲より少ないと充分な可撓性が得られない。反対に配合量が上記の範囲より多いと複合型石膏ボードに難燃性を付与することができなくなる。
ポリ塩化ビニリデン樹脂の配合量が、上記の範囲より少ないと充分な難燃性が付与できなくなる。反対に、上記の範囲より多いと廃石膏とポリ塩化ビニリデン樹脂との界面接合性は良好といえないため脆性が増すこととなる。
〔製造方法と装置〕
本発明の樹脂複合型石膏ボードの製造方法では、原料である上記廃石膏、上記ポリビニルブチラール樹脂および上記ポリ塩化ビニリデン樹脂を加熱しながら撹拌し、上記攪拌された上記原料を溶融混練押出する際に、ベント部から水分を排出しながら行い、組成物とする。この組成物を、ボード状に成形する。
図1は、上記製造方法を実現するための装置の一例である。
この装置は、原料を供給する供給コンベア1と、供給された原料を加熱しながら攪拌する攪拌室2と、攪拌された原料を溶融混練押出する溶融混練押出部3とを備えて構成されている。
上記供給コンベア1は、原料である上記廃石膏、上記ポリビニルブチラール樹脂および上記ポリ塩化ビニリデン樹脂を、上部から攪拌室2に供給する。
上記攪拌室2は、図示しないヒータにより、内部に供給された原料を160〜200℃程度に加熱するようになっている。また、上記攪拌室2の底部には攪拌羽根4が設けられている。上記攪拌室2では、原料である上記廃石膏、上記ポリビニルブチラール樹脂および上記ポリ塩化ビニリデン樹脂を、加熱しながら撹拌と粉砕を行う。
上記溶融混練押出部3は、筒状のシリンダ5にスクリュ6が挿通されて構成されている。また、図示しないヒータにより、内部で送られる原料を160〜200℃程度に加熱するようになっている。上記スクリュ6が回転駆動されることにより、攪拌室2で攪拌された原料を、加熱溶融して混練しながら前方に向かって押し出すようになっている。上記溶融混練押出部3の先端にはダイ7が設けられ、溶融混練された組成物が押し出され、図示しないカッターで切断し、ペレット状に造粒するようになっている。
上記溶融混練押出部3には、複数のベント部8が設けられている。上記ベント部8は、溶融混練押出部3のシリンダ5に排気路を分岐させて設けたものである。上記排気路は真空ポンプ9に接続され、シリンダ5内を真空吸引するようになっている。上記ベント部8は、上記攪拌された上記原料を溶融混練押出する際に水分を排出し、溶融混練押出される原料から水分を除去して上記組成物とする。
攪拌部2の加熱温度としては二水石膏が結晶水を放出し半水石膏となる160℃以上が好ましく、より好ましくは170〜200℃である。最も好ましいのは180〜200℃である。石膏を樹脂に高充填するためには樹脂と石膏が比重で分離し偏らないよう溶融混練押出機に供給する必要があるからである。
また、攪拌から連続的に造粒まで行うためには、攪拌部2での滞留時間の長さに限界がある。このため、完全に半水石膏化が完了しないことも起こり得る。したがって、残水分の排気としてシリンダ5にベント部8を設けている。上記ベント部は2つ以上の複数を設けるのが好ましい。上記ベント部8は真空ポンプ9により強制脱気する。
溶融混練押出部3の加熱温度としては二水石膏が結晶水を放出し半水石膏となる160℃以上が好ましく、より好ましくは170〜200℃である。最も好ましいのは180〜200℃である。石膏を樹脂に高充填するためには樹脂と石膏が比重で分離し偏らないよう押し出して造粒する必要があるからである。
上記のようにして得られた組成物のペレットを、カレンダー成形機やTダイ成形機を用いてボード状に成形し、成形品として樹脂複合化石膏ボードを得る。
つぎに、実施例および比較例について詳細に説明する。なお、本発明を以下の実施例に限定する趣旨ではない。
原料として、廃石膏を60重量%、ポリビニルブチラール樹脂を20重量%、ポリ塩化ビニリデン樹脂を20重量%の割合で調合した。前述した溶融混練押出機の供給部温度を190度、シリンダー温度を180度に設定し、上記調合した原料の溶融混練を行って造粒物を得た。得られた造粒物を射出成形機にて縦80mm×横80mm×厚み3mmの試験プレートを成形した。
原料として、廃石膏を60重量%、ポリビニルブチラール樹脂を20重量%、ポリ塩化ビニリデン樹脂を20重量%の割合で調合し、難燃剤としてこれらの調合物100重量部に対し三酸化アンチモンを3重量部添加した。前述の溶融混練押出機の供給部温度を190度、シリンダー温度を180度に設定し、実施例1と同様に、上記調合した原料の溶融混練を行って造粒物を得た。得られた造粒物を射出成形機にて縦80mm×横80mm×厚み3mmの試験プレートを成形した。
比較例1
原料として、廃石膏を60重量%、ポリビニルブチラール樹脂を10重量%、ポリ塩化ビニリデン樹脂を30重量%の割合で調合した。前述の溶融混練押出機の供給部温度を190度、シリンダー温度を180度に設定し、実施例1と同様に、上記調合した原料の溶融混練を行って造粒物を得た。得られた造粒物を射出成形機にて縦80mm×横80mm×厚み3mmの試験プレートを成形した。
比較例2
原料として、廃石膏を70重量%、ポリビニルブチラール樹脂を10重量%、ポリ塩化ビニリデン樹脂を20重量%の割合で調合した。前述の溶融混練押出機の供給部温度を190度、シリンダー温度を180度に設定し、実施例1と同様に、上記調合した原料の溶融混練を行って造粒物を得た。得られた造粒物を射出成形機にて縦80mm×横80mm×厚み3mmの試験プレートを成形した。
比較例3
原料として、廃石膏を60重量%、ポリビニルブチラール樹脂を40重量%の割合で原料を調合した。前述の溶融混練押出機の供給部温度を190度、シリンダー温度を180度に設定し、実施例1と同様に、上記調合した原料の溶融混練を行って造粒物を得た。得られた造粒物を射出成形機にて縦80mm×横80mm×厚み3mmの試験プレートを成形した。
比較例4
原料として、廃石膏を60重量%、ポリビニルブチラール樹脂を30重量%、ポリ塩化ビニリデン樹脂を20重量%の割合で調合した。前述の溶融混練押出機の供給部温度を190度、シリンダー温度を180度に設定し、実施例1と同様に、上記調合した原料の溶融混練を行って造粒物を得た。得られた造粒物を射出成形機にて縦80mm×横80mm×厚み3mmの試験プレートを成形した。
各実施例および各比較例の組成を下記の表1に示す。また、各実施例および各比較例で成形した試験プレートについて、可撓性と脆性を検証した結果および難燃性の指標として酸素指数を測定した結果を下記の表2に示す。
Figure 2016168699
Figure 2016168699
〔実施形態の作用効果〕
本実施形態では、つぎの作用効果を奏する。
ポリビニルブチラール樹脂およびポリ塩化ビニリデン樹脂を複合化してなる組成物を、ボード状に成形する樹脂複合型の石膏ボードの製造方法である。このようにして得られた樹脂複合型の石膏ボードは、主材となる廃石膏に、無機物との接着性および柔軟性に優れてバインダーとなるポリビニルブチラール樹脂、およびポリビニルブチラール樹脂に対する相容性および難燃性に優れるポリ塩化ビニリデン樹脂が複合化されている。このため、難燃性と可撓性を兼ね備え、曲面壁などにも利用可能である。また、ポリビニルブチラール樹脂およびポリ塩化ビニリデン樹脂として廃材を用いることもできる。これらを安価にリサイクルして再利用し、安価で可撓性を有する石膏ボードとなる。
まず、原料である上記廃石膏、上記ポリビニルブチラール樹脂および上記ポリ塩化ビニリデン樹脂を加熱しながら撹拌する。このとき、上記廃石膏が加熱されることにより、廃石膏に含まれる水分をある程度蒸発させ、水分量を減少させる。ついで、上記攪拌された上記原料を溶融混練押出する際に、ベント部から水分を排出しながら行い、上記組成物とする。このとき、廃石膏に残存する水分が十分に排出される。このようにして得られた組成物は、熱可塑性を有する造粒物となる。この造粒物をカレンダー成形機やTダイ成形機を用いてボード成形することで石膏ボードを得ることができる。このようにして得られた石膏ボードは、可撓性と難燃性を兼ね備え、曲面への施工も容易でかつ、所定の難燃性能もクリアすることができる。また、廃石膏に含まれる水分を工程のなかで確実かつ容易に除去し、新たな付加価値のある石膏ボードへとリサイクルすることができる。
上記廃石膏を50重量%以上70重量%未満含む。これにより、得られる石膏ボードの十分な可撓性を確保できる。廃石膏が70重量%以上になると、十分な可撓性が得られず、成形したボードが割れやすくなる。一方、廃石膏が少なすぎると、そのリサイクルの意味が薄れる。
上記ポリビニルブチラール樹脂と上記ポリ塩化ビニリデン樹脂を合わせて30重量%以上50重量%以下含む。これにより、得られる石膏ボードの十分な可撓性を確保できる。ポリビニルブチラール樹脂と上記ポリ塩化ビニリデン樹脂の合計が30重量%未満では、廃石膏が多すぎて十分な可撓性が得られず、成形したボードが割れやすくなる。一方、ポリビニルブチラール樹脂と上記ポリ塩化ビニリデン樹脂の合計が多すぎると、廃石膏が少なすぎ、そのリサイクルの意味が薄れる。
上記ポリビニルブチラール樹脂を20±5重量%、上記ポリ塩化ビニリデン樹脂を20±5重量%含む。これにより、得られる石膏ボードについて十分な可撓性と難燃性を確保できる。
1:供給コンベア
2:攪拌室
3:溶融混練押出部
4:攪拌羽根
5:シリンダ
6:スクリュ
7:ダイ
8:ベント部
9:真空ポンプ

Claims (6)

  1. 廃石膏、ポリビニルブチラール樹脂およびポリ塩化ビニリデン樹脂を複合化してなる組成物を、ボード状に成形する
    ことを特徴とする樹脂複合型石膏ボードの製造方法。
  2. 原料である上記廃石膏、上記ポリビニルブチラール樹脂および上記ポリ塩化ビニリデン樹脂を加熱しながら撹拌し、
    上記攪拌された上記原料を溶融混練押出する際に、ベント部から水分を排出しながら行い、上記組成物とする
    請求項1記載の樹脂複合型石膏ボードの製造方法。
  3. 廃石膏、ポリビニルブチラール樹脂およびポリ塩化ビニリデン樹脂を複合化してなる組成物が、ボード状に成形されてなる
    ことを特徴とする樹脂複合型石膏ボード。
  4. 上記廃石膏を50重量%以上70重量%未満含む
    請求項3記載の樹脂複合型石膏ボード。
  5. 上記ポリビニルブチラール樹脂と上記ポリ塩化ビニリデン樹脂を合わせて30重量%以上50重量%以下含む
    請求項3または4記載の樹脂複合型石膏ボード。
  6. 上記ポリビニルブチラール樹脂を20±5重量%、上記ポリ塩化ビニリデン樹脂を20±5重量%含む
    請求項3〜5のいずれか一項に記載の樹脂複合型石膏ボード。
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JP6702512B1 (ja) * 2019-03-08 2020-06-03 三菱電機株式会社 エレベータの乗場三方枠
KR20200145481A (ko) 2019-06-21 2020-12-30 이준연 레일원리를 이용한 발사대

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP6702512B1 (ja) * 2019-03-08 2020-06-03 三菱電機株式会社 エレベータの乗場三方枠
WO2020183513A1 (ja) * 2019-03-08 2020-09-17 三菱電機株式会社 エレベータの乗場三方枠
KR20200145481A (ko) 2019-06-21 2020-12-30 이준연 레일원리를 이용한 발사대

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